...

趣旨説明 - 科学技術振興機構

by user

on
Category: Documents
39

views

Report

Comments

Transcript

趣旨説明 - 科学技術振興機構
趣旨説明
永野博
(独)科学技術振興機構
理事
私はこのフォーラムの日本におけるステアリングコミッティ(運営委員会)のチェアを務めて
いますので、簡単に今回のフォーラムの概要、目的などを説明致します。
(スライド 1)
「概要」ですが、先程の沖村理事長の説明と重なりますので省略いたします。
(スライド 2)
本日で 2 回目となる本フォーラムですが、昨年第 1 回を 9 月に開催しました。毎年日本で 1 回
ずつ開催していく計画です。ちなみに昨年 9 月は、文部科学省の有馬前大臣から、英語
で ”Towards Establishing an Asian Science and Technology Axis”、日本語で「科学技術にお
けるアジア一極の確立のために」という内容でエネルギーから教育に至るまでアジアが直面す
る課題について広範な講演をいただき感銘を受けました。昨年は 3 つの分科会を構成し、1 つ
が「科学技術政策」、もう1つが「環境・エネルギー問題」、それから「自然災害対策」で、ア
ジア地域を中心に 9 カ国から 16 名のスピーカーに来ていただき、約 300 名の参加者があり、
大変活発に行われました。
また、スライド下に書いてありますがアジア科学技術セミナーを日本以外で開催し、日本のア
ジア科学技術フォーラムで議論されたトピックにかかわる課題を取り上げ、具体的な解決を考
えていくため、昨年度、カレンダーでは今年の春先ですが、
「環境・エネルギー」について「生
態系の保存と利用」というテーマのセミナーがマレーシアで開催されました。また「科学技術
政策」関連では「知的財産権」に関するセミナーをタイで開催し、その節は Sakarindr 科学技
術開発庁長官に大変お世話になりました。
マレーシアにおけるセミナーでは、生態系についての環境アセスメント技術、生態系生物資源
の持続可能な利用技術、生態系サービス維持技術の 3 つのセッションで共有すべき課題につい
て議論しました。共同プロジェクトにおける連携、新しい組織についての議論の必要性が提議
されました。
また、タイでは私も出席しましたが、アジア諸国における知的財産権制度、公共・民間部門に
おける知的所有権に関する連携などについて、アジアにおける共通点、相違点、問題点を明ら
かにし、意見集約としては「産学連携の経験の共有」、
「知財政策に関する共同研究」
「知財にお
ける人材開発」「知財に関するデータベース」についての提言がまとめられました。
これらのプロジェクトを通じて、アジアの国々の間でのパートナーシップが強化されることを
期待しています。また、研究者相互の交流、いろいろな意味でのプラットフォームができてい
くことを希望しています。
(スライド 3)
フォーラムの実施体制ですが、理事長からも述べたように科学技術振興機構(JST)、科学技術
政策研究所、防災科学研究所が共催しており、JST は全体の総括と共に「環境・エネルギー」、
「感染症」といった分野も担当しています。フォーラムの予算は文部科学省の科学技術振興調
整費からいただいています。
(スライド 4)
本日のフォーラムのプログラムについて簡単に説明いたします。全体テーマとしては昨年から
3 年間継続し、
「アジアの持続的発展に向けた科学技術の挑戦」となっています。今日の午前中
には岩手県立大学学長、元国連大使の谷口先生から「アジア経済の持続的発展と科学技術-日
本の貢献-」ということで基調講演を頂くことになっており、大変期待しております。
次に分科会1では「科学技術政策」をテーマに「アジアの持続的発展に資する科学技術政策の
あり方」をサブテーマとして議論していただきます。ちなみに昨年はこの第1セッションにお
いては「科学技術政策立案プロセスの相互理解」、
「各国の科学技術政策における重点化の状況」
などを中心に議論がなされました。
分科会 2 は、「環境・エネルギー問題」で「アジアの持続的な発展に資する環境・エネルギー
分野の研究開発」がサブテーマです。これについて昨年は主に「環境の面からの方向性と課題」
が議論され、参加各国の認識の共有化を図ることに努力しました。
第 3 分科会ですが「自然災害対策」で「自然災害と社会、開発、そして科学技術-アジアにお
けるパートナーシップの構築」をサブテーマとして議論します。昨年は「災害の認識」、「災害
と社会」、
「災害と科学」の 3 つの側面から現状と問題点について議論が行われ、問題点の明確
化等が行われました。
今回は、もう 1 つ「感染症問題」ということで新しい分科会が発足し、この分野における展望
なども議論していただく予定です。最終的には今日の夕方には各分科会の議論を総括的に取り
まとめることも行われます。
(スライド 5)
最後になりますが、3 年間にわたるこのプロジェクトで期待される成果は、以下の通りです。
•
アジアの共通課題抽出と対応策の提言
•
アジア域内協力の枠組み構築へ向けた提言
•
プロジェクト等具体的アクションにつなげていく
•
アジアにおける科学技術政策への貢献
以上が本日のフォーラムの概要です。今日一日長くなりますが、本日の議論を通してアジアに
おいて今後真にどのようなことを行っていくべきかについて議論が高まり、かつ実行につなが
2
っていくことを期待しています。皆様の活発な議論、ご協力をお願い致します。
3
Fly UP