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力と質量と加速度の関係
物理基礎 テレビ学習メモ 講師:野口禎久 第 1 編 物体の運動とエネルギー 第9回 力と質量と加速度の関係 ~運動の第 2 法則~ 今回学ぶこと 物体に力がはたらくと,速度が変化して加速度が生じます。物体に一定の力を 加えると,一定の加速度が生じ,等加速度直線運動をします。力の大きさと加速 度の大きさ,物体の質量と加速度の大きさにはどのような関係があるでしょうか。 また,物体の質量,加速度,物体にはたらく力が満たす式を運動方程式といいま す。運動方程式によって,物体の運動が計算で予測できることを学習します。 学習のポイント 力と加速度の関係を調べる 質量と加速度の関係を調べる 運動方程式 ▪学習前チェック項目▪ v-tグラフ 加速度 力 質量 比例 反比例 ▼ 力と加速度の関係を調べる 力学台車に一定の力を加えて引っ張ると,台車は等加速度直線運動をする。台車が1秒ごとに進 んだ距離を測定し,それぞれの区間の平均の速さ v を計算して時刻 t に対して点を打つと,v-t グ ラフが描ける。 v-t グラフは直線となり,その傾きが加速度 a となる。物体に加える力の大きさ F を 2 倍,3 倍 と変化させ,それぞれの加速度 a を求め,a-F グラフを描くと,グラフは直線になり,加速度 a が力 F に比例することがわかる。 − 17 − 高校講座・学習メモ 物理基礎 力と質量と加速度の関係 質量と加速度の関係を調べる 力学台車に加える力の大きさ F を一定にして,台車の質量 m を変化させたときに,台車に生じ る加速度 v と質量 m の関係を調べる。台車1台,2台を重ねた台車,3 台を重ねた台車を同じ力 の大きさで引き,それぞれの v-t グラフの傾きから加速度 a を求める。 この実験から,台車に生じる加速度 a と台車の質量 m の関係を a-m グラフにすると,グラフは 双曲線になり,加速度 a は質量 m に反比例することがわかる。 運動方程式 物体に生じる加速度 a は物体にはたらく力 F に比例し,物体の質量 m に反比例する。これを運 動の第2法則といい,a = k F と表される。ここで,F の単位として〔N〕(=〔kg・m/s2〕)を用 m いると,k =1となり,運動方程式 ma = F が導かれる。 例えば,斜面上を落下する台車にはたらく重力の斜面方向の分力の大きさを F とすると,台車 の運動方程式は ma = F となり,a = F となる。台車の質量を2倍にすると重力も 2 倍になるので, m 重力の斜面方向の分力の大きさも 2F となる。よって,運動方程式 2ma' = 2F より,a' = ▼ F となる。 m つまり,台車の質量によらず,同じ加速度で台車は斜面を加速しながら進んでいく。 − 18 − 高校講座・学習メモ