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既存オフィスビル改修で日本初の省エネ空調システム導入 【ハイブリッド
2010年7月2日 報道関係各位 三菱地所株式会社 既存オフィスビル改修で日本初の省エネ空調システム導入 【ハイブリッド型天井輻射空調システム】 LEDタスク&アンビエント照明システムも併用した更なるCO2排出量削減への取り組み 三菱地所株式会社は、 「大手町ビル」 (千代田区大手町1-6-1)内の本社の一部を低炭素型オ フィスに改修し、CO2排出量削減のため以下の環境技術を導入し実証を開始しますのでお知らせ します。 ●日本初の「ハイブリッド型天井輻射空調システム」(※1) ●「LEDタスク&アンビエント照明システム」(※2) (※1)天井輻射パネルによる輻射空調、建物躯体の冷蓄熱を複合した空調システム (※2)天井のアンビエント照明と、机上で個別調整するタスク照明を併用した照明システム オフィスビルの環境対策は、新築ビルへの最新技術導入だけでなく、既存ビルにおいても低炭素 化対策を適切に実施していくことが社会の要請となっています。本改修工事では、CO2排出量削 減にとどまらず「輻射空調」による快適性の向上や、天井を高くすることによる居住性の向上等に より、ビルの商品価値を向上させます。尚、今回の実証結果を踏まえ、新築ビル・既存ビル双方へ の本システムの導入を検討してまいります。 三菱地所では、これまで「丸の内再構築」を中心とした新築ビル建設に際し、屋上緑化・高反射 塗装、太陽光発電、高効率照明器具、LED照明器具、エアーフローウィンドウ等の環境配慮技術 を積極的に採用し、CO2排出量削減に取り組んでまいりました。 今後も最新の環境配慮技術導入と、早期実現が期待される環境対応策の実証を通じ、最先端の環 境共生型まちづくりに鋭意取り組んでまいります。 ■改修後のオフィス空間(天井輻射パネル・LEDタスク&アンビエント照明) 【「ハイブリッド型天井輻射空調システム」概要】 ハイブリッド型天井輻射空調システムは、 ① 天井輻射パネルによる輻射空調 ② 建物躯体への冷蓄熱 を複合した空調システムで、日本初の導入となります。 冷温水パイプを裏側に取り付けた金属製天井輻射パネルによる「輻射空調」と、夜間に建物躯 体に蓄えた冷熱を微風速の旋回流により循環させることで、室内温度を均一に調整します。 ≪特徴≫ ◎熱が物質を介さず高い温度から低い温度に移動する「輻射」の性質を利用し冷暖房を行う空調 システムです。輻射パネルと人体との間で熱交換することで、直接体感温度に働きかける効果 があります。 (従来型空調に比較して約2℃の体感温度差があります。 ) ◎輻射空調は、室内の温度分布が偏りなくほぼ均一になり、「音・風・冷え」などの不快感を解 消した健康にも優しいシステムで、オフィスでの知的生産性を向上させます。 ◎冷温風を送る従来型空調と比較し、輻射空調の水搬送では動力の消費電力を約1/4に削減可 能です。また躯体への冷蓄熱には深夜電力を活用するため、電力使用の平準化に寄与します。 ◎外気温度が低い中間期・冬季には、日中輻射パネルで使用する冷水、並びに夜間の躯体蓄熱に 利用する冷水を、自然エネルギーを利用したフリークーリング(※3)によって作り、大きな省 エネルギー効果をもたらします。 ◎天井裏の送風ダクトを極小化して建物躯体と天井輻射パネルを近接させるため、天井高を現状 より約20cm高くすることが可能となります。室内の居住空間を拡げることで、オフィスの 商品価値を高めます。 ◎輻射空調の効果を高めるため外装断熱サッシュ改修工事を行い、西面には真空ガラス+Low -Eガラスによる二重サッシュを取り付け、西日による熱負荷を約80%削減します。 ◎ヨーロッパを中心に、新築ビル・既存ビルの双方で実績を積んだシステムです。 (※3)冷凍機を使わずに、外気との熱交換のみで空調用冷水の温度を下げる仕組み。輻射パネルに使用する冷水 温度は 16℃程度であり、外気温度の低い中間期・冬季に自然エネルギーを有効に利用できる。 ■「ハイブリッド型天井輻射空調システム」概念図(冷房の場合) 【夜間】 輻射パネルを利用し 建物躯体へ冷蓄熱 輻射パネル 冷水配管 躯体に冷蓄熱 躯体からの 冷熱の放熱 冷輻射パネル へ熱移動 微風速の 旋回流 冷水配管 中間期・冬季には、フリー クーリングを利用した冷水 による冷蓄熱 【日中】 建物躯体及び輻射パネル からの冷輻射と微風速旋 回流により快適な空調環 境を実現 ■「天井輻射パネル」「LED天井照明」 ■「天井輻射パネル」(裏側パイプ配管) ※1 枚の輻射パネル(縦 520mm×横 2,170mm)に 冷温水パイプ(φ14mm)を 150mm 間隔で設置 【「LEDタスク&アンビエント照明システム」概要】 LEDタスク&アンビエント照明システムは、天井のアンビエント照明と、机上で個別調整する タスク照明を併用した照明システムです。 ≪特徴≫ ◎現在、一般的なオフィスでは、天井照明だけで机上照度750ルクスを提供することが業界標 準となっていますが、本オフィスでは天井照明を300ルクスに設定します。 一方で、タスク照明(机上照明)を併用することで、必要な箇所に必要充分な明るさを的確に 提供します。個々人のこまめな消灯により電力消費を概ね半減します。 ◎最も快適で必要充分な照明環境を「個人が自ら創り出す」習慣が、オフィス照明に対する固定 観念を変革します。 ◎LED照明を採用することで機器の長寿命化を図ります。 【改修工事概要】 場 所: 三菱地所株式会社 本社オフィスの一部 約375㎡(約113坪) 東京都千代田区丸の内1-6-1 大手町ビル(1958年竣工) 改修期間: 2010年4月5日~6月30日 導入機能: ①ハイブリッド型天井輻射空調システム (MWH Barcol-Air AG 製輻射パネル) ②LEDタスク&アンビエント照明システム ③フリークーリング用冷却塔 ④外装断熱サッシュ改修 設計監理: 株式会社三菱地所設計 バ コ ー ル エ ア 輻射パネル設計: MWH Barcol-Air AG(スイス) 輻射パネル施工: 株式会社トヨックス 以 上