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8月の米国雇用統計について
2016年9月5日号 ~8月の米国雇用統計について~ 結果概要 9月2日に発表された8月の米国雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比(以下同)+15.1 万人となり、市場予想(+18.0万人、Bloomberg、以下同)を下回りました。7月分は+25.5万人から +27.5万人に上方修正、6月分は+29.2万人から+27.1万人に下方修正され、過去2ヶ月分合計では +54.7万人から+54.6万人へと▲0.1万人下方修正されました。 民間部門は+12.6万人となり、前月の+22.5万人から増加幅が縮小し、また政府部門も+2.5万人と 前月の+5.0万人から縮小しました。 民間部門のうち鉱工業部門は▲2.4万人となり前月の+1.1万人から2ヶ月振りに減少に転じました。 鉱工業部門のうち製造業は▲1.4万人と前月の+0.6万人から3ヶ月振りの減少に転じました。また建 設業も▲0.6万人となり前月の+1.1万人から2ヶ月振りの減少に転じ、鉱業も▲0.4万人と23ヶ月連続 の減少となりました。 サービス部門も+15.0万人となり、前月の+21.4万人から増加幅が縮小しました。主要業種別に見 ると、専門・ビジネスサービス業+2.2万人(前月+8.0万人)、娯楽・接客業+2.9万人(前月+4.5万人)、 教育・保健業+3.9万人(前月+4.4万人)など多くの業種で増加幅が縮小し、拡大した業種は小売業 +1.5万人(前月+1.1万人)、卸売業+0.4万人(前月+0.1万人)など一部に止まりました。雇用全体の 動きに先行されるとする人材派遣業(専門・ビジネスサービス業の内数)は▲0.3万人(前回+1.3万 人)と3ヶ月振りに減少に転じました。 失業率は前月比変わらずの4.9%で市場予想(4.8%)を上回りました(悪化)。また、労働参加率も 前月比変わらずの62.8%でした。 平均時給は25.73ドルとなり、前年比伸び率は+2.4%と前月の+2.7%から鈍化しました。 週間の労働時間は前月比▲0.3%の34.3時間と半年振りの減少(前年比では▲0.9%と7ヶ月連続 の減少)、週給(平均時給×週間の労働時間)は前年比+1.5%の882.54ドルとなりました。 非農業部門雇用者数増減と失業率の推移 (万人) (%) 60 16 40 14 20 12 0 10 -20 8 -40 6 政府部門(左) -60 民間部門(左) 4 -80 合計(左) 2 失業率(右) -100 06/01 07/01 08/01 09/01 10/01 11/01 12/01 13/01 14/01 15/01 16/01 0 出所:Bloomberg 期間:2006年1月~2016年8月 本資料は客観的情報に加え弊社の主観的判断も含まれており、投資等に係る最終的な決定は、商品に関する詳細資料を参照の上、お客様ご自身のご判断 で行なっていただきますようお願い申し上げます。シミュレーションやバックテスト、各種の運用実績、運用目標やリスク・リターン等による商品分類 図を含めた本資料の内容は、将来の運用成果の向上を保証するものではありません。また、シミュレーションやバックテスト等の各種データは一定の前 提条件に基づき作成されたものであり、当該前提条件を十分ご確認願います。 1 Daily Report(号外) 評価、及び今後の見通し 今回の雇用統計は、好悪入り混じる結果だったと評価します。雇用者数の増加幅は、一般に「失業 率を上昇させないために必要」とされる20万人を下回りましたが、3ヶ月平均で23.2万人となり、均し てみれば堅調な状況が続いています。 しかしながら、民間部門は+12.6万人とサービス部門を中心に前月の+22.5万人から大きく減少し、 なかでも製造業では▲1.4万人とマイナスに転じました。特に自動車・部品、鉄鋼など耐久財での減 少が目立ち、自動車販売の頭打ち感やドル高などの影響が考えられます。今後、製造業発の雇用変 調の可能性も否定できないと考えます。またサービス部門では、雇用全体に先行する人材派遣業が 再びマイナスになったことも、先行きには不安材料です。 また、雇用の質(※1)についても回復に足踏み感がみられました。 今回の結果を受けて、弊社では引き続き、米国政策金利の年内引き上げは1回(12月)という予想 を維持します。8月26日のジャクソンホールでの講演でイエレンFRB議長が利上げに前向きな姿勢を 示したことに加え、フィッシャーFRB副議長が8月の雇用統計に注目すると示唆したことから今回の結 果に注目していましたが、9月の利上げへの決定打とはならなかったと判断します。 ※1:主なものは以下の通り ・労働参加率(8月:62.8%、前月比横ばい、2004~2007年平均値:66.1%) ・失業者に占める27週以上の長期失業者比率(同:26.1%、前月比▲+0.5%(改善)、同平均19.1%) ・フルタイム希望のパート従業員を加えた場合の失業率(同9.7%、前月比横ばい、同平均8.8%) ※2:今後のFOMC開催予定 2016年:9/20-21*、11/1-2、12/13-14*(*は議長会見あり) 2017年:1/31-2/1、3/14-15*、5/2-3、6/13-14*、7/25-26、9/19-20*、10/31-11/1、12/12-13* 米国市場の今後の主要イベント 日程 イベント 9 月 20-21 日 FOMC(FRB 議長会見予定有り) 26 日 米国第 1 回大統領候補者討論会 30 日 米国 17 年度予算成立期限 10 月 7 日 9 月の雇用統計 28 日 米国 7-9 月期 GDP1 次速報 11 月 1-2 日 FOMC(FRB 議長会見予定無し) 8 日 米国大統領・議会選挙 出所:Bloomberg 本資料は客観的情報に加え弊社の主観的判断も含まれており、投資等に係る最終的な決定は、商品に関する詳細資料を参照の上、お客様ご自身のご判断 で行なっていただきますようお願い申し上げます。シミュレーションやバックテスト、各種の運用実績、運用目標やリスク・リターン等による商品分類 図を含めた本資料の内容は、将来の運用成果の向上を保証するものではありません。また、シミュレーションやバックテスト等の各種データは一定の前 提条件に基づき作成されたものであり、当該前提条件を十分ご確認願います。 2