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北中城村まち・ひと・しごと創生総合戦略(PDF:3.0MB)
北中城村 まち・ひと・しごと創生 総 合 戦 略 北中城村全景 平成28年3月 沖縄県 北中城村 − 目 次 − “城”まーい 第1章 はじめに “北の”ぺーちん “中”ゆくりん ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 第1節 総合戦略の趣旨と位置付け 1 総合戦略の趣旨 2 総合戦略の位置付け 第2節 総合戦略の計画期間 第2章 人口ビジョンを踏まえた本村の課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 第1節 現状及び将来人口の見通し 第2節 人口に関する本村の課題 1 年少人口の減少・老年人口の増加 2 自然増に向けた結婚・出産・子育ての支援の充実 3 社会増に向けた村内の就職先の充実 第3節 人口の将来展望 第3章 基本目標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 第4章 個別施策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 第1節 第2節 第3節 第4節 快適で安心して暮らせる“まちづくり” 若い世代の希望をかなえる“環境づくり” 住みたい・住んでよかった“魅力づくり” 地域資源を活用した活気ある“しごとづくり” 第5章 個別施策の実現による人口への寄与 第6章 総合戦略の推進 第1節 第2節 ● ・・・・・・・・・・・・・・・ 25 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26 継続的な戦略推進に向けた体制づくり 各施策の進捗管理(PDCAサイクルの確立) 総合戦略施策一覧 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27 第1節 総合戦略の趣旨と位置付け 1.総合戦略の趣旨 近年の人口減少・少子高齢化に対応するべく、国は、人口の減少を抑制し、将来にわたり 活力ある日本を維持することを目的に「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を閣議決定しま した。(平成 26 年 12 月) 北中城村においては、今のところ人口が微増していますが、今後は人口減少が見込まれ、 特に「年少人口」 「生産年齢人口」の人口減少は顕著であり、45 年後(2060 年(平成 72 年) ) の年少人口は現在の 0.51 倍、生産年齢人口は現在の 0.64 倍まで落ち込むと予想されて います。逆に高齢者人口は現在の 1.69 倍となる推計があります。 こうした人口動態により本村が受ける影響は、各産業における担い手不足や地域コミュニ ティの弱体化、医療・介護費の増大による財政リスクの高まりなど、危機的状況に向かって いることを表しています。そして、人口減少が地域経済の縮小を呼び、地域経済の縮小が 人口減少を加速させるという「負のスパイラル(悪循環の連鎖)」が懸念されます。 この悪循環を防ぐため、「しごと」が「ひと」を呼び、本村への新しい人の流れを生み 出すとともに好循環を支える「まち」の活力を生み出すことが重要となります。 2.総合戦略の位置付け 「北中城村まち・ひと・しごと創生総合戦略(以下「総合戦略」という。)」は、国の 「まち・ひと・しごと創生総合戦略」や沖縄県の「沖縄県人口増加計画(改訂版)(沖縄県 まち・ひと・しごと創生総合戦略) 」を勘案し、 「北中城村第4次総合計画」との整合を図り、 雇用の創出や産業振興、地域コミュニティの育成など地域活性化につなげるための指針と なります。 第2節 総合戦略の計画期間 総合戦略の計画期間は、平成 27 年度(2015 年度)から平成 31 年度(2019 年度)の 5 か年とします。 1 第1節 現状及び将来人口の見通し ●北中城村の総人口(国勢調査ベース)は、2015 年(平成 27 年)の 16,039 人をピークに 減少になり、2060 年(平成 72 年)には 13,231 人まで減少します。 ●全体的な傾向として、 「0∼14 歳」及び「15∼64 歳」は、減少傾向となります。また 「65 歳以上」は、2045 年(平成 57 年)をピークに減少傾向となります。 ●特に、 「15∼64 歳」の減少傾向が著しく、2060 年(平成 72 年)までに、2010 年(平成 22 年)に比べ、3,568 人(約 35.9%)減少します。 ●高齢化率(65 歳以上の割合)は、2010 年(平成 22 年)時点では、20.2%ですが、2060 年 (平成 72 年)には、41.1%となります。 実績値 推計値 ※2010 年(平成 22 年)までの実績値は、総務省「国勢調査」の数値となっています。 2 第2節 人口に関する本村の課題 本村の人口の現状を踏まえると、人口減少に歯止めをかけるとともに、安定的な人口規模 を確保し、人口構造の若返りを図る必要があることから、自然増・社会増に係る施策を同時 に進めることが重要であると考えます。 また、「人口ビジョン」を踏まえた課題は以下のとおりです。 1.年少人口の減少・老年人口の増加 現状においても一定程度の人口維持は図られますが、高齢化が進行し、いびつな年齢構成 (人口ピラミッド)となることが想定されます。 ●社人研(※)の推計では、2020 年(平成 32 年)頃から人口減少に転じ、2060 年(平成 72 年) に 13,231 人(2010 年(平成 22 年)比 83%)に減少することになります。 ※社人研:国立社会保障・人口問題研究所の略。 ●2060 年(平成 72 年)には、年齢3区分別人口が、年少人口(0∼14 歳)1,413 人(14.7%)、 生産年齢人口(15∼64 歳)6,375 人(53.7%) 、老年人口(65 歳以上)5,443 人(31.6%) となります。 ●2060 年(平成 72 年)には、2010 年(平成 22 年)時点から年少人口が約 0.5 倍、老年 人口が約 1.7 倍となります。 老年人口 生産年齢人口 年少人口 〇 2010 年(平成 22 年)総人口:15,949 人 〇 〇 2040 年(平成 52 年)総人口:15,153 人 〇 老 年 人 口 ( 65 歳 以 上 ):3,220 人(20.2%) 老 年 人 口 ( 65 歳 以 上 ):5,622 人(37.1%) :9,943 人(62.3%) :7,669 人(50.6%) 年 少 人 口 ( 0 歳 ∼ 14 歳 ):2,786 人(17.5%) 年 少人 口( 0 歳∼ 14 歳):1,862 人(12.3%) <推計方法・出典> ・総務省「国勢調査」 、国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」 ・2010 年は「国勢調査」のデータに基づく実績値。2040 年は「国立社会保障・人口問題研究所」の データに基づく推計値。総人口については、年齢不詳は除いている。 3 2.自然増に向けた結婚・出産・子育ての支援の充実 結婚・出産・子育てに関する支援策を講じないと人口の自然増は見込めないと想定されます。 ●住民意向調査では、本村は、概ね出産・子育てしやすい環境であるとの評価をいただき ましたが、 『出産しやすい環境づくりへの希望支援策』として「妊娠・出産時の経済的 負担の軽減(男性 53.6%、女性 38.8%)」や「産休・育休制度の充実(男性 30.4%、 女性 37.8%) 」を求める回答が多くありました。 ●また、 『子育てしやすい環境づくりへの希望支援策』は、 「教育・保育施設の円滑な利用の 確保(男性 75.0%、女性 74.4%) 」や「子どもの居場所づくり(男性 43.3%、女性 41.0%) 」 、 「幼児期の学校教育・保育の一体的提供、推進(男性 31.7%、女性 34.6%) 」を求める 回答が多くを占めました。 【 出産しやすい環境づくりへの希望支援策 】 n = 男性:59 女性:158 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 30.4 1産休・育休制度の充実 2妊娠・出産に関する相談・地域の サポート体制の充実 11.6 37.8 53.6 38.8 0.0 2.1 5その他 60.0 16.5 3妊娠・出産時の経済的負担の軽減 4支援は必要ない 50.0 (%) 男性 女性 4.3 4.8 【 子育てしやすい環境づくりへの希望支援策 】 n = 男性:60 女性:156 0.0 20.0 40.0 60.0 (%) 80.0 75.0 74.4 1教育・保育施設の円滑な利用の確保 43.3 41.0 2子どもの居場所づくり 31.7 34.6 3幼児期の学校教育・保育の一体的提供、推進 23.3 21.2 4保育士等の人材の確保の推進 15.0 16.7 5子育て支援ネットワークの構築 11.7 14.7 6集い、交流による子育て支援の充実 7相談・情報提供の充実 11.7 8母子等の健康の確保及び増進 11.7 3.2 18.6 8.3 8.3 9児童虐待防止対策の充実 15.0 20.5 10ひとり親家庭の支援の充実 11特別な支援が必要な子どもに対する支援の充実 12.2 1.7 1.3 12支援は必要ない 6.7 4.5 13その他 4 20.0 男性 女性 3.社会増に向けた村内の就職先の充実 高校や大学進学、就職等で村外へ出た村民への対策を講じないと人口の社会増は見込め ないと想定されます。 ●住民意向調査では、村内在住の 17∼18 歳の男性・女性の内、進学希望が男性 69.7%、 女性 86.7%となっている。 ●『村内で希望する就業が可能な際の継続居住意向』として、「住みたい(男性 81.8%、 女性 83.3%) 」が大半を占めた。 ●『卒業後の北中城村に居住したくない理由』として「北中城村に希望する就職先がない から(男性 66.7%、女性 57.1%)」との回答が多かった。 【17∼18 歳の卒業後の進路希望】 0.0 1 就職 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 (%) 21.2 男性 女性 6.7 69.7 2 進学(大学など) 86.7 【村内で希望する就業が可能な際の継続居住意向】 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 81.8 83.3 1 住みたい 2 住みたくない 100.0 (%) 男性 18.2 16.7 女性 【卒業後の北中城村に居住したくない理由】 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 66.7 1 北中城村に希望する就職先がないから 57.1 33.3 2 予定している進学先の方が暮らすのに 便利そうだから(買い物、娯楽など) 14.3 5 100.0 (%) 男性 女性 第3節 人口の将来展望 以下の推計条件をもとに、3 パターンの人口推計を実施しました。 パターン1:推計人口 →国立社会保障・人口問題研究所の推計値 パターン2:推計人口+出生率上昇 →合計特殊出生率を国の目標に整合させた場合 国の目標値:2020 年(平成 32 年)⇒ 1.60 2030 年(平成 42 年)⇒ 1.80 2040 年(平成 52 年)⇒ 2.07 パターン3:推計人口+出生率上昇+政策誘導(移動ゼロ) →パターン2を基に生産年齢人口の誘導を図り、社会増減が拮抗する 現在の北中城村の状態を 2040 年(平成 52 年)まで維持させた場合 北 中 城 村 の 人 口 の 推 移 と 将 来 推 計 17,000 16,377 15,949 16,000 16,218 16,114 16,179 16,039 16,012 15,853 16,450 16,165 16,516 16,490 16,087 15,969 16,514 16,429 16,284 16,112 15,932 15,821 15,592 15,890 15,696 15,298 15,450 15,000 20.4%増 14,960 15,155 14,608 14,764 14,000 パターン1 パターン1 14,301 パターン1 13,782 パターン2 パターン2 パターン2 10.4%増 13,000 13,231 パターン3 パターン3 パターン3 12,000 平成22年 2010年 平成27年 2015年 平成32年 2020年 平成37年 2025年 平成42年 2030年 平成47年 2035年 6 平成52年 2040年 平成57年 2045年 平成62年 2050年 平成67年 2055年 平成72年 2060年 本村の人口の見通し等をふまえ、総合戦略の最上位目標を掲げるとともに、まち・ひと・ しごと創生に向けた 4 つの基本目標を整理しました。 【ま ち】 基本目標①:快適で安心して暮らせる“まちづくり” 1.新規市街地の創出 2.駐留軍用地跡地の利活用 3.防災・危機管理体制の強化 4.公共交通関係の強化 5.村民との協働のまちづくりの推進 【ひ と】 基本目標②:若い世代の希望をかなえる“環境づくり” 1.安心して子どもを生み育てることができる環境づくり 2.確かな学力を育み未来を担う人づくり 3.健康長寿のまちづくり推進と働き盛り世代の健康増進 基本目標③:住みたい・住んでよかった“魅力づくり” 1.移住・定住の促進と創業支援と連携した企業等誘致の強化 【しごと】 基本目標④:地域資源を活用した活気ある“しごとづくり” 1.魅力ある観光資源の発掘と振興 2.農水産業の成長産業化 3.安定した雇用の創出 7 第1節 快適で安心して暮らせる“まちづくり” 【概 要】 沖縄県の那覇広域都市計画区域の北端に位置する北中城村は、既存の駐留軍用地を含め た市街化を抑制する「市街化調整区域」が約 77%を占め、これまでの“まちづくり”は、 このような制約のもと行われてきました。 アワセゴルフ場跡地の開発が進む中で、新規市街地の創出や公共交通基盤・災害に強い 環境整備を推進するとともに、それを支える地域コミュニティの強化が求められます。 快適で安心して暮らせる“まちづくり”を基本目標に、これまで守られてきた自然環境 を保全しつつ、「人が寄りつく」魅力ある北中城村を展開していくため、次の基本的方向 と具体的施策を推進します。 <数値目標> 北中城村の総人口 <基準値> <目標値> 16,900 人 17,500 人 ※平成 26 年 12 月末現在 平成 31 年度目標 の住基人口 【基本的方向】 【具体的施策】 ①土地区画整理事業及び低未利用地の活用 ②新規市街化区域の拡大に向けた取り組み(那覇 広域都市計画区域) 1.新規市街地の創出 ③地域活性化のための住環境整備と定住環境向上 のための公園整備 ④スポーツ・文化等多様な交流拠点の整備と利活用 促進 ①キャンプ瑞慶覧(喜舎場住宅地区)のスマート 2.駐留軍用地跡地の利活用 インターチェンジのフルインター化検討 ②ロウワープラザ地区跡地利用計画の推進と地権 者支援 3.防災・危機管理体制 の強化 4.公共交通関係の強化 5.村民との協働のまち づくりの推進 ①災害に強い環境整備と緊急体制・情報伝達手段の 拡充 ②災害時の防災拠点整備 ①民間事業者や近隣市町村と連携した新たな公共 交通の創出 ①地域資源を活かした自主的な地域コミュニティ 育成と強化 8 1.新規市街地の創出 ①土地区画整理事業及び低未利用地の活用 ●アワセゴルフ場跡地においては、現在、土地区画整理事業が進行しており、まちびらきの 先駆けとして平成 27 年 4 月に「イオンモール沖縄ライカム」がオープンしました。 環境・健康・観光・防災の拠点として更なる事業展開を進めるとともに、村内におけ る低未利用地を活用し、住民の生活基盤の整備を進めます。 ②新規市街化区域の拡大に向けた取り組み(那覇広域都市計画区域) ●本村面積 1,154ha(11.54k㎡)のうち、市街化を抑制する「市街化調整区域」が約 77% を占め、人口増加の抑制となっています。特に本村東側(熱田・和仁屋・渡口)地区の 東海岸地区まちづくりに係る住民の機運が高まっていますが、市街化調整区域となって おり、宅地を望む声が多いのが現状です。 また、本村と与那原町・西原町・中城村の 4 町村で構成する「東海岸サンライズ推進 協議会」においては、大型 MICE 施設の活用について協議をはじめています。 沖縄県の均衡ある発展と、東海岸地域への人の流れを呼び込むため、那覇広域都市 計画区域の一部見直しなど、受け皿となる新規市街化の拡大に取り組みます。 ③地域活性化のための住環境整備と定住環境向上のための公園整備 ●本村の多くの集落が、自然緑地を背後に伝統的な集落形態を維持していますが、住民が 集う公園の適正配置や、狭小な生活道路の改善などの課題が残ります。良好な景観形成・ 自然環境を保全しつつ、地域活性化のための集落内の住環境の向上に取り組みます。 ④スポーツ・文化等多様な交流拠点の整備と利活用促進 ●本村が進める「健康長寿のまちづくり」を推進するため、アワセゴルフ場跡地内に建設さ れる「多目的アリーナ」及び「村民体育館」を活用した様々なスポーツ・文化イベント などを開催し、村内外を含めた交流拠点として利活用を促進します。 重要業績評価指標(KPI) ・アワセ土地区画整理地区内の人口:500 人増 ・新規市街化区域面積:20ha 以上 ・健康スポーツ促進地区の年間利用者数:30,000 人 ■具体的な事業例■ ・アワセ土地区画整理事業 ・東海岸地区まちづくり検討事業 ・多目的アリーナ及び村民体育館建設事業 9 ・公園施設等の新設及び更新 ・生活道路整備 2.駐留軍用地跡地の利活用 ①キャンプ瑞慶覧(喜舎場住宅地区)のスマートインターチェンジのフルインター化検討 ●キャンプ瑞慶覧内の喜舎場住宅地区(5ha)においては、既存の喜舎場スマート インターチェンジ(那覇向けのみ)のフルインター化にかかわる関係機関(国・県・ NEXCO 西日本)との協議を継続して行い、平成 37 年(2025 年)以降の返還予定期日を 待たずに実現する取り組みを行います。 喜舎場スマートインター入口(那覇向けのみ) ②ロウワープラザ地区跡地利用計画の推進と地権者支援 ●上記①と同様に返還期日が平成 37 年(2025 年)以降となっているロウワープラザ地区 (23ha)は、本村(7ha)と沖縄市(16ha)にまたがる地区となっています。 土地区画整理事業を前提とした跡地利用を早期に実現させるため、本村と沖縄市が 連携した地権者支援の実施と、事業の核となる公共施設等に供する土地の先行取得を 推進し、跡地利用の円滑化に取り組みます。 重要業績評価指標(KPI) ・インターチェンジ連結申請:1 件 ・先行取得用地:0.95ha ■具体的な事業例■ ・喜舎場インターチェンジ整備検討事業 ・ロウワープラザ地区地権者支援事業 10 3.防災・危機管理体制の強化 ①災害に強い環境整備と緊急体制・情報伝達手段の拡充 ●地域住民が主体的・意欲的に取り組む自主防災組織の設立を推進するとともに、新たな 災害防災情報の導入、避難路等の整備を進めます。 ●中城・北中城消防本部の機能拡充と自助・共助の要となる地域防災リーダーの育成に努め ます。 ②災害時の防災拠点整備 ●大規模災害時における避難住民の収容機能と緊急医療提供機能を確保するため、アワセ ゴルフ場跡地に多目的アリーナ及び村民体育館の整備を推進します。 ●多目的アリーナ及び村民体育館に隣接する大型商業施設や病院と連携し、災害発生時の 初動体制やそれぞれの役割分担等を明確にした体制づくりを進めます。 重要業績評価指標(KPI) ・自主防災組織の設立数:1 団体(平成 26 年)→5 団体 ・避難路整備及び避難表示整備箇所:5 箇所 ・広域防災拠点整備:1 箇所 ■具体的な事業例■ ・避難路整備及び誘導表示整備事業 ・消防関連設備拡充事業 ・多目的アリーナ及び村民体育館建設事業(再掲) ・防災無線整備事業 安全安心な村づくりに向けた取組み(消防訓練等)の様子 11 4.公共交通関係の強化 ①民間事業者や近隣市町村と連携した新たな公共交通の創出 ●子ども・お年寄り・障害者など様々な人々が、自立した生活を送れるよう利便性の高い 公共交通体系の構築を目指します。 ●地域の個性、資源など、本村の魅力を発信するため、県内外からの観光客等が訪れる観光 拠点施設や周辺自治体・関係機関などと連携を図ります。 重要業績評価指標(KPI) ・村内コミュニティバス運行数:3 本以上 ■具体的な事業例■ ・観光事業と連携したコミュニティバス導入事業 5.村民との協働のまちづくりの推進 ①地域資源を活かした自主的な地域コミュニティ育成と強化 ●自治会をはじめ地域の自主的・自立的な活動を支援するとともに、地域の伝統文化等の 資源を活用した取組みを推進し、更なるコミュニティ育成に努めます。 ●各自治会公民館を拠点とした子どもから高齢 者までの幅広い世代間交流を推進し、地域の 結束力の向上を図るとともに、移住者が気軽 に地域行事に参加できるような環境づくりと 自治会加入率の向上を目指します。 重要業績評価指標(KPI) ・村民提案制度採択数:4 事業/年(延べ 20 事業) ・伝統芸能振興団体数:3 団体(平成 27 年)→5 団体 ■具体的な事業例■ ・村民提案制度活用の促進 ・地域の伝統文化を活用した活動等への支援 ・各自治会公民館を拠点とした活動促進 12 第2節 若い世代の希望をかなえる“環境づくり” 【概 要】 本村は、市区町村別生命表が 2 期連続で女性長寿日本一(平均寿命 89.0 歳(平成 22 年) ) となり、高齢者が元気な村として知られている一方で、全国と同様に年少人口の減少が 見込まれています。また、65 歳未満の早世死亡率が 19.7%(平成 25 年)と全国平均の 12.6%(平成 25 年)よりも高いことから、将来的に住民の健康長寿が危ぶまれています。 安心して子育てできる環境づくりと子どもたちの教育環境の充実・貧困対策を図るとと もに、若い世代の健康対策に力を注ぎ、住民が元気で活力ある健康長寿村を堅持するため、 次の基本的方向と具体的施策を推進します。 <数値目標> <基準値> <目標値> 17.4% 18.4% 平成 27 年 12 月末 平成 31 年度目標 年少人口の割合 【基本的方向】 【具体的施策】 ①就学前の子育て環境の拡充と総合相談支援 体制の強化 1.安心して子どもを生み育てる ことができる環境づくり ②子育てと仕事の両立支援 ③子どもの貧困連鎖の防止に向けた支援体制 の強化 ①外国語教育の総合的な取組みとふるさと 納税を活用した海外留学者への総合支援 ②「わかる授業」の構築による「確かな学力」 2.確かな学力を育み未来を担う 人づくり の向上 ③共生社会の形成に向けたインクルーシブ 教育(※)の充実 ④地域に対する誇りと愛着の醸成 ①働き盛り世代の生活習慣改善と健康づくり の推進 3.健康長寿のまちづくり推進と 働き盛り世代の健康増進 ②民間事業所等との連携による健康づくり と、健康長寿の村としての産業振興 ③健康長寿を支える元気な高齢者の人材活用 ※インクルーシブ教育:障害のある者と障害のない者が共に学べる教育のこと。 13 1.安心して子どもを生み育てることができる環境づくり ①就学前の子育て環境の拡充と総合相談支援体制の強化 ●核家族化の進展に伴い、育児に対する負担・不安から孤立感を抱えやすい状況にある 中で、子育てに関する様々なニーズに対応するため、親子がふれあえる環境づくりや 相談体制、各種検診・助成等の拡充など、更なる子育て環境支援策を推進します。 ②子育てと仕事の両立支援 ●女性の社会進出などを背景に、就労している、 またはその意欲がある母親が増えている中で、 安心して子育てできる環境づくりと、仕事との 両立を支援するため、保育サービスの充実や 子どもの居場所づくり拡充を推進します。 ③子どもの貧困連鎖の防止に向けた支援体制の強化 ●子どもの貧困問題が世代をこえて連鎖していくことを断ち切るため、学校や社会福祉協 議会、地域ボランティア、民間事業者など関係機関との連携を図り、様々な環境にある 子どもたちやその家庭への支援体制を強化します。 重要業績評価指標(KPI) ・保育定員の増:350 名(H27)→530 名 ・乳児健診受診率:83.5%(H27)→88.5% ・待機児童数:44 名(H27)→0 名 ■具体的な事業例■ ・子ども医療助成拡充 ・未就学児発達支援事業 ・乳幼児健康診査事業 ・ブックスタート(※)事業 ・出産祝金支給事業 ・特別支援保育事業 ・保育士確保対策事業 ・放課後児童健全育成事業拡大 ・ひとり親家庭・多子世帯等自立促進事業 ※ブックスタート:赤ちゃんとその保護者に、絵本などが入ったブックスタートパックを手渡し、絵本を介してふれ あうきっかけをつくる活動のこと。 14 2.確かな学力を育み未来を担う人づくり ①外国語教育の総合的な取組みとふるさと納税を活用した海外留学者への総合支援 ●次代を担う国際性豊かな人材育成を目的として、 本村の児童生徒に対し「生きた英語」に触れる 機会を設け、英語教育の充実を図ります。 DOTE プログラム講座の様子 ②「わかる授業」の構築による「確かな学力」の向上 ●学習支援員の配置拡充と幼小中が連携した連続的な学びを推進し、「わかる授業」の 構築による「確かな学力」の向上を図ります。 ●ICT を効果的に活用した授業を展開し、教育の質の向上を図ります。 ③共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育の充実 ●個別の教育的ニーズのある児童生徒に対して、自立と社会参加を見据えた支援などを 提供できるよう特別支援教育の推進に取り組みます。 ④地域に対する誇りと愛着の醸成 ●ふるさとの歴史・文化などを学ぶことによって、地域に対する誇りと愛着心を育み、 将来の人材還流・定住の土台作りに取り組みます。 重要業績評価指標 (KPI) ・英検受験者数:延べ 490 人以上 ・全国学力・学習状況調査の平均正答率の向上 ・支援員配置割合:1 対 2(生徒:支援員) ・(仮)「知ってる?北中城」の正答率:70% ■具体的な事業例■ ・DOTE プログラム(※)推進事業(留学支援を含む) ・総合英会話指導支援事業 ・特別支援教育支援員配置事業 ・学習支援員配置事業 ・地域を知る副読本作成事業 ・学校 ICT 整備事業 ※DOTE プログラム:Developing Okinawa Through English の略で、「英語を通して沖縄の発展に寄与する」 の意味。ポリコムシステム(テレビ会議専用システム)を利用して ESL(英語習得)の生の授業を行う。 15 3.健康長寿のまちづくりの推進と働き盛り世代の健康増進 ①働き盛り世代の生活習慣改善と健康づくりの推進 ●本村の働き盛り世代の死亡率抑制と健康寿命延伸のため、地域の特性に応じた重点的な 健康増進活動や保健指導などを実施し、健康を常に意識させる取り組みを推進します。 ②民間事業所等との連携による健康づくりと、健康長寿の村としての産業振興 ●子どもから高齢者まで幅広い世代間での交流と、運動習慣を定着させるとともに、健康 長寿村「北中城」としてブランド化・産業化を推進するため、医療機関や民間スポーツ 施設などと連携した健康増進施策を推進します。 ③健康長寿を支える元気な高齢者の人材活用 ●高齢者の自主的な文化活動やサークル活動などの生きがいづくり、健康づくり活動を 支援するとともに、高齢者が長年培った経験を生かして、いつまでも元気で地域社会に 貢献できる場と機会の確保に努めます。 重要業績評価指標 (KPI) ・特定健診受診率の向上:43.1%(平成 26 年)→50% ・メタボリックシンドローム有病率の改善:22.8%(平成 26 年)→19.8% ■具体的な事業例■ ・健康診査事業 ・健康マエストロ養成講座事業(※1) ・がん検診事業 ・おでかけSAT体験事業(※2) ・人間ドック助成事業 ・民間スポーツ施設と連携した健康増進事業 ※1 サット 健康マエストロ養成講座:マエストロとは専門家に対する敬称で、マスターのイタリア語。健康づくりの 3 要素 である「栄養」・ 「運動」 ・ 「休養」を学び、体験する事業で、研修修了後に「健康マエ ストロ」の認定証を贈呈する。 ※2 おでかけ SAT 体験事業:食育や健康づくり、栄養指導の一環として行う事業で、 「食育 SAT システム」と呼ばれる 実際のフードモデルを機械にのせ、その食事例の栄養価を瞬時に計算・確認できるシス テムを活用します。 16 第3節 住みたい・住んでよかった“魅力づくり” 【概 要】 本村は、急速な都市化が進む沖縄県中南部地域の中でも、豊かな自然環境が比較的多く 残っており、地域の歴史・伝統文化などと融合した「全村植物“公苑づくり”」を掲げ、 地域のコミュニティ形成を推進しています。 しかし、本村の知名度はまだまだ低く、情報発信の強化と、「住んでみたい」「住んで 良かった」と思える魅力づくりが求められています。 移住・定住施策の観点から、確実な人口増と新しい人の流れをつくるため、次の基本的 方向と具体的施策を推進します。 <数値目標> <基準値> 目標値 220 人増 500 人増 (平成 22 年度∼26 年度) (平成 27 年度∼31 年度) 社会増減人口 【基本的方向】 【具体的施策】 ①多様な移住ニーズに対応する相談体制の 確立 1.移住・定住の促進と創業支援 と連携した企業等誘致の強化 ②空き家・民泊を活用したUIJターン促進 の住まい環境づくり ③地域おこし協力隊員等の活用によるまち の活性化 1.移住・定住の促進と創業支援と連携した企業等誘致の強化 ①多様な移住ニーズに対応する相談体制の確立 ●ニーズが多様化する UIJ ターンについて、ワンストップで対応できる体制づくりを推進 します。 ●個人の移住施策の展開のほか、本村が進める創業支援事業と併せて、企業等の誘致活動 に取り組みます。 ②空き家・民泊を活用したUIJターン促進の住まい環境づくり ●空き家バンクの整備や UIJ ターン者・創業事業者に対する住環境の支援を推進し、移住 に係る費用負担の軽減と情報発信の強化に取り組みます。 ●民泊事業者や不動産業者などと連携したお試し居住事業を展開し、移住受入れ体制の 整備に取り組みます。 17 ③地域おこし協力隊等の活用によるによるまちの活性化 ●地域の課題解決に向け取り組む「地域おこし協力隊員」 、「地域おこし企業人交流プロ グラム」等を活用し、都市圏から本村への移住者の流れ創出及び地域の魅力向上に取り 組み、地域活性化を図ります。 重要業績評価指標(KPI) ・空き家率の改善:360 戸(平成 25 年)→300 戸(平成 31 年) ・UIJターン者数:0 名(平成 27 年)→30 名(平成 31 年) ・民泊対応戸数:0 戸(平成 27 年)→5 戸(平成 31 年) ■具体的な事業例■ ・空き家対策事業 ・起業及び創業事業者への事務所リフォーム支援 ・空き家情報バンク整備事業 ・民泊推進事業 ・若年層への住宅取得支援制度 ・移住お試し推進事業 ・空き家改修補助 滞在交流室・離座(あしゃぎ) 文化財や産業を連携させた体験型観光のイメージ 姉妹町村の交流事業のイメージ 18 第4節 地域資源を活用した活気ある“しごとづくり” 【概 要】 本村の産業別人口をみてみると、第一次産業 2%、第二次産業 17%、第三次産業 81%と なっており、第一次産業・第二次産業が減少傾向にあります。このような状況の中で農業 回帰の施策が重要になると考え、 「しごと」につながる地域資源の発掘と六次産業化など、 好調な観光産業分野と連携した“しごとづくり”が求められています。 本村の“しごと”に係る強みと弱みを分析した上で、産官学との連携による活気ある “しごとづくり”を推進するため、次の基本的方向と具体的施策を推進します。 <数値目標> <基準値> <目標値> 0.38 0.50 (平成 26 年度の月平均) (平成 31 年度目標) 有効求人倍率 【基本的方向】 【具体的施策】 ①観光振興を担う観光協会の設立 ②地域プロモーションによる知名度向上・観光 客の誘客促進 1.魅力ある観光資源の発掘 ③文化(ヘリテージ・エデュケーショナル)ツーリズムの推進 ④健康(メディカル・ヘルス・スポーツ)ツーリズムの推進 と振興 ⑤娯楽(フード・ショッピング)ツーリズムの推進 ⑥インバウンド(※1)受入れ態勢の整備 ⑦地域資源を活用した地域ブランドの構築促進 ①「農・食・福・健」 (※2)連携による健康長寿 の六次産業化とブランド化 ②生産基盤及び施設・機材等の拡充と環境整備 の促進 2.農水産業の成長産業化 ③地域資源(バイオマス(※3)など)に由来する エネルギー及び再生資源を活用した新たな 生産展開 ④就農者(新規含む)への総合的支援 ⑤漁場環境の改善による水産業活性化と水産物 の生産体制の強化・総合支援 3.安定した雇用の創出 ①就職情報提供による企業とのマッチング促進 ②村商工会活動の強化支援と連携 ※1 インバウンド: 「外から中に入ってくる」という意味で、ここでは外国人旅行者などを指します。 ※2 「農・食・福・健」 :農業・食糧・福祉・健康の略。 ※3:バイオマス:木材や草・生ゴミ・紙・プランクトンなど、生き物から得られるエネルギーや資源のこと。 19 1.魅力ある観光資源の発掘と振興 ①観光振興を担う観光協会の設立 ●日本版 DMO(※)を目指した観光協会を設立します。 ●観光推進基本計画に基づく観光実施計画を策定し観光協会を中心とした観光推進事業を 実施します。 ※日本版 DMO:多様な関係者と協働しながら、明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりを実現するための調整 機能を備えた法人のこと。 (出展:観光庁) ②地域プロモーションによる知名度向上・観光客の誘客促進 ●地域プロモーションを実施するとともに、幅広い年齢層へ観光情報を発信し、本村の知名 度向上を促進します。 ●村観光案内所(北中城村トラベルマートきたポ)を拠点とした観光客の誘客を促進します。 ③文化(ヘリテージ・エデュケーショナル)ツーリズムの推進 ●歴史文化ガイドの育成を図り、豊富な歴史文化を核とした ヘリテージツーリズムの推進をします。 ●生涯学習や体験学習など教育旅行メニューを創出し、エデュ ケーショナルツーリズムを推進します。 ④健康(メディカル・ヘルス・スポーツ)ツーリズムの推進 ●医療拠点を中心に、民間事業者と連携し、メディカル・ヘルスツーリズムを促進します。 ●多目的アリーナ・村民体育館などを活用し、健康増進を核としたたスポーツツーリズムを 推進します。 ⑤娯楽(フード・ショッピング)ツーリズムの推進 ●農水産業者などの事業者と連携し、カフェなどを活用したフードツーリズムを促進します。 ●外国人観光客に対する商品施策・販売施策などを事業者へ提供しショッピングツーリズム を促進します。 ⑥インバウンド受入れ態勢の整備 ●民間事業者の外国人に対する受入環境を向上し、より快適な環境を提供します。 ●クルーズ船による来沖やアフターMICE(※)など、大規模な外国人観光客受入態勢の整備を 推進します。 ●与那原町・西原町・中城村・北中城村で構成する「東海岸サンライズ推進協議会」に おいて、広域的なインバウンド受入れ態勢の構築に取り組みます。 ※ MICE:Meeting(会議・研修) 、Incentive tour(報奨・招待旅行) 、Convention (学会・国際会議) 、Exhibition (展示会)の頭文字をとった造語で、アフターMICEは、会議やビジネスの後の観光的行動をいう。 20 ⑦地域資源を活用した地域ブランドの構築促進 ●村商工会が進める北中城村の地域資源を活かした地域ブランド構築の取り組みを支援す るとともに、民間事業所と連携した販路開拓に取り組みます。 ●女性長寿日本一の村として、健康長寿をテーマとした取り組みや農水産業の戦略品目など を活用し、地域ブランドの形成を推進します。 重要業績評価指標 (KPI) ・観光協会:なし(平成 27 年)→設立 ・観光案内所来客数:2,000 人(平成 27 年)→7,000 人 ・中城城跡来場者数:130,000 人(平成 26 年)→150,000 人 ・中村家住宅来場者数:25,000 人(平成 26 年)→30,000 人 ・新規ツーリズムメニュー数:1 件(平成 27 年)→3 件 ・ご当地メニュー提供数:4 件(平成 27 年)→10 件 ・多言語対応可能施設数:3 施設(平成 27 年)→10 施設 ・商品化・製品化された商品数:5 品 ■具体的な事業例■ ・観光協会の設立 ・観光情報発信拠点推進事業 ・観光資源創出事業 ・城ヨガ in 北中城(※)の実施(中城城跡) ・重要文化財(建造物)保存活用計画の策定・推進 ・健康長寿のまちづくりアクションプランの推進 ・地域ブランド構築事業 ・多言語対応人材育成支援事業(仮称) ・多言語案内等環境整備事業(仮称) ・創業支援事業 ※ 城ヨガ(グスクヨガ) :世界遺産「中城城跡」の観光客誘客と健康増進を目的とした事業で、城跡を目の前に、 スピリチュアルな雰囲気の中で、朝ヨガを行います。 城ヨガの様子(中城城跡) 21 2.農水産業の成長産業化 ①「農・食・福・健」連携による健康長寿の六次産業化とブランド化 ●本村の強み「健康長寿」の源となる亜熱帯気候のもと、散在する 150 種類程度の薬用 植物や地域の特性を活かした「農」 「食」を融合させた新たな農産物・食品の高付加価 値化などのビジネスモデルを構築し、薬用作物など地域特産作物の生産体制確立により、 衰退している農業の再生と新たな農業ビスネスの創出・六次産業化促進に取り組みます。 ●高齢者や障害者等を対象とした福祉農園の開設・整備等により、生きがい・直売ビジ ネス・雇用の機会を創出し、自立への後押しを推進します。 ●沖縄の長寿の秘訣とされている「食」と、それを生み出す「農」を活用して、観光産業 と連携したインバウンド戦略を推進します。 ②生産基盤及び施設・機材等の拡充と環境整備の促進 ●農水産業の担い手がその意欲と能力を存分に発揮できる環境を整備するとともに、省力 化・軽労化・情報化などにより生産性・収益性の向上を目指します。 ●耕作放棄地・遊休農地解消のため、農地バンクと連携した賃借マッチング事業の推進と、 適正作物の検証・土づくりなどの環境整備を図るとともに、荒廃度の高い放棄地、接道、 利水環境不利地などに対する改善支援にも取り組みます。 ③地域資源(バイオマスなど)に由来するエネルギー及び再生資源を活用した新たな生産展開 ●「食」の循環となる資源再生を図るため、バイオマスによる再生エネルギーと、食物 残渣の堆肥化による有機肥料を農業に活用し、生産性を高めた次世代型施設園芸の地域 展開を促進することにより、人材育成と就農者雇用の機会を創出する環境循環型スマー トアグリ(※)を推進します。 ※スマートアグリ:IT等の先進技術を活用して生産管理や品質・生産効率などの向上を実現する新たな農業の 取り組みのこと。 ④就農者(新規含む)への総合的支援 ●新規就農者不足の課題解決を図るため、新規就農者向けの講習会や農業経営改善支援 事業など、総合的な支援を実施し、自立した営農が可能となるような就農環境整備を 推進します。 ⑤漁場環境の改善による水産業活性化と水産物の生産体制の強化・総合支援 ●本村の特産品であるアーサ(※)やその他の水産物の安定した漁獲量確保のため、漁業 組合などと連携を強化するとともに、流通販売の拡大・高付加価値化に取り組みます。 ※アーサ:ヒトエグサ(一重草)の沖縄での呼称。植物繊維が豊富で、カルシウム、カロチンなど、長寿を 生む大切な栄養素がたくさん含まれています。 22 重要業績評価指標 (KPI) ・次世代型施設園芸栽培(水耕栽培など)による新たな農業 生産額:0 千円(平成 27 年)→47,000 千円(平成 31 年) ・耕作放棄地解消面積:0.5ha(平成 27 年)→10ha(平成 31 年) ・食物残渣の処理量:0t/日(平成 27 年)→4t/日 ・新規就農者の数:0 人(平成 27 年)→6 人(平成 31 年) ・アーサ(ヒトエグサ)生産量:27t→30.2t ※基準値は平成 22 年∼平成 26 年の 5 年平均 ■具体的な事業例■ ・農作物販売促進事業 ・しおさい市場利用促進事業(仮称) ・健康長寿の産業化確立事業(仮称) ・耕作放棄地解消事業 ・生産基盤等営農環境整備事業 ・農業経営改善支援事業 ・地域バイオマス循環資源化利活用等推進事業 ・再生エネルギー活用による次世代型施設園芸促進事業 ・研修会、商談会等による新規就農者経営安定化支援 ・農地バンクと連携した就農支援 ・アーサ養殖場周辺環境影響調査 ・アーサ養殖推進支援事業 アーサ(ヒトエグサ)の養殖場 しおさい市場内にあるアンテナショップ「きた漁」 23 3.安定した雇用の創出 ①就職情報提供による企業とのマッチング促進 ●人材不足となっている農水産業と需要が高まる観光産業において、新たな雇用の創出を 推進するとともに、本村の雇用サポートセンターを活用した求人情報の効果的・効率的 な情報発信を強化し、村内企業への就業につなげる仕組みづくりに取り組みます。 ②村商工会活動の強化支援と連携 ●活力を生み出す地域産業の振興のため、村商工会の活動に対する支援や中小企業の経営 支援など、次世代をになう優秀な人材の確保と育成、産・官・学・金(※)連携による 技術力向上に取り組みます。 ※産・官・学・金:産は「産業界」 、官は「行政」 、学は「教育機関」、金は「金融機関」のこと。 重要業績評価指標(KPI) ・求職者失業率の改善(就職率) :37%(平成 26 年)→45% ・新規創業者数:52 事業所 ・商工会の会員数:340 事業所(平成 26 年)→450 事業所 ■具体的な事業例■ ・雇用サポートセンター事業 ・グッジョブ連携推進事業(※) ・創業支援事業(再掲) ・経営発達計画策定による支援等の実施 ・金融機関と連携した企業等の支援 ※グッジョブ連携推進事業:次世代を担う若者(小・中学生など)を対象に、仕事に対するキャリア教育・人材育成を 主に行う事業のこと。 グッジョブ連携推進事業の様子 24 第4章に示した個別施策の実施による数値目標を達成した場合の本村の将来的な人口 動態への寄与を以下のとおり整理しました。 駐留軍用地であったアワセゴルフ場跡地利用(土地区画整理事業)を進 め る と と も に、 自然増及び社会増に向けた施策を実施することで、2060 年(平成 72 年)には約 21,450 人 (現在の人口の約 1.27 倍)を目指します。 アワセゴルフ場跡地 の人口が定着 <人口を住基データで補正した推計> ※国立社会保障・人口問題研究所の推計値における各年の指数を平成 27 年 9 月末時点の人口で 補正 <総合戦略の目標達成による人口の展望> ※アワセゴルフ場跡地における計画人口(2,777 人)が 2020 年(平成 32 年)までに 500 人定着し、 その後、残りが 2020 年(平成 32 年)から概ね 20 年程度で定着していき、2040 年(平成 52 年) に達成するものとして計算。 ※本村における社会増減が、2020 年(平成 32 年)までに 100 人/5 か年となり、2020 年(平成 32 年)以降も同様な値で推移すると想定して計算 25 第1節 継続的な戦略推進に向けた体制づくり 1.北中城村創生推進本部と策定推進委員会 村長、副村長、教育長及び全課長で構成する「北中城村創生推進本部」を中心に全庁体 制で施策を総合的かつ計画的に推進します。また、「北中城村総合戦略策定推進委員会」 を構成する産業界、行政機関、大学、金融機関、労働団体及び住民の代表などの関係者と 十分に連携しながら、取組みの成果向上を図ります。 2.国・沖縄県・他の市町村等との連携 国の制度や有利な財源、地方創生コンシェルジュ、地方経済分析システムなど、国の 財政・人的・情報支援を最大限活用するとともに、総合戦略の推進に当たって、沖縄県や 他市町村、広域連合などとの連携を一層深め、共同プロジェクトの企画・推進や、国に 対する提案・要望を実施します。 第2節 各施策の進捗管理(PDCAサイクルの確立) 1.成果を重視した目標設定 ●総合戦略に盛り込む政策分野ごとに 5 年後(平成 31 年度まで)の基本目標を設定し、 その目標の達成度合いを毎年度検証できるよう、客観的な指標を定めます。 ●さらに、各政策分野の下に盛り込む「具体的な施策」については、客観的な重要業績 評価指数(KPI) (※)を設定します。 ※重要業績評価指数(KPI) :Key Performance Indicator の略で、施策ごとの進捗状況を検証するために 設定する指標をいう。 2.PDCAサイクルの確立 ●この総合戦略は、上記の重要業績評価指数(KPI)の活用により、政策分野ごとに具 体的施策などの進捗状況や効果測定を行うとともに、Plan(戦略の策定)Do(戦略の 展開)Check(効果の検証)Action(見直し)を絶えず行い、北中城村まち・ひと・ しごと創生の推進に取り組みます。 ●総合戦略の効果検証については、第三者委員会である「北中城村総合戦略策定推進 委員会」において行い、必要に応じて、総合戦略の内容の見直しを行います。 Plan 【戦略の策定】 Action Do 【見直し】 【戦略の展開】 Check 【成果の検証】 26 総合戦略施策一覧 27 28 29 北中城村まち・ひと・しごと創生総合戦略 平成28年3月 北中城村創生推進本部 (事務局:企画振興課) 〒901-2392 沖縄県中頭郡北中城村字喜舎場426番地2 TEL:098-935-2233 / FAX:098-935-5536 MAIL:[email protected]