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ブロードバンド時代の新サービス

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ブロードバンド時代の新サービス
ブロードバンド時代の新サービス
−インタラクティブCM/クロスメディア検索
クロスメディア検索−
インタラクティブ
クロスメディア検索−
New Services in the Age of Broadband
−Interactive Commercial/Multimedia Information Retrieval−
−
あらまし
本稿では,迫り来るブロードバンド時代のマルチメディアを利用した新サービスの提案と
して,インタラクティブCMとクロスメディア検索について紹介する。インタラクティブCM
では,顧客が3次元の自律キャラクタと対話を行い,プロファイルを取得し,顧客の関心に
合わせて広告提示を行うシステムを試作した。顧客のインタラクションに合わせて行動する
「自律的振舞い」と顧客の状況に合わせて質問する「自律的対話」によって,かわいらしく
賢いキャラクタを実現し,顧客の恒常的な囲い込みを行う。一方,クロスメディア検索では,
検索でヒットした商品の画像を一覧表示して,画像を見比べながらショッピングできるサー
ビスを実用化した。値段順や似た色のものが近くに集まるように配置する機能により,商品
リストすべてをチェックすることなく画像一覧中で条件が一致する部分の商品だけを比較
検討することで欲しい商品をチェックすることができる。
Abstract
This paper explains the new interactive commercial and multimedia information retrieval services
that will become available in the coming age of broadband multimedia communications.
A trial
interactive commercial system uses an animated three-dimensional “autonomous character” who
communicates with customers to acquire customer profiles. Then, based on these profiles, the
system displays advertisements that fit each customer’s interests.
To attract customers, the
character simulates autonomous behavior in response to customers’ interactions and conducts
“autonomous communications” with them by asking questions pertinent to their situation.
The
multimedia information retrieval service, which is already in practical use, displays pictures of
products that meet a customer’s search conditions so that the customer can choose the most suitable
one. The displayed products are sorted according to price and color, and the customer can make a
selection without needing to check all the products in the list.
新井正敏(あらい まさとし)
椎谷秀一(しいたに しゅういち)
パーソナル&サービス研究所情報
サービス研究部 所属
現在,インターネット上の対話技
術関連の研究開発に従事。
コンピュータシステム研究所知能
システム研究部 所属
現在,マルチメディア情報の検索
技術関連の研究開発に従事。
FUJITSU.52, 4, p.285-291 (07,2001)
P285:7月号−あらまし(5)白校→青校.doc 285/1 最終印刷日時:01/08/02 14:48
285
ブロードバンド時代の新サービス−インタラクティブCM/クロスメディア検索−
ま え が き
利用して画像でもテキストでも絞り込みが可能なクロス
メディア検索を実現するための技術の研究開発を行って
今後,DSLや光ケーブルといったブロードバンド
いる。この技術は,テキストによる検索結果の一覧がモ
ネットワークが急速に普及することで,今までにないマ
ニタ画面に画像群として表示されるので,眺めるだけで,
ルチメディアを使った新しいサービスが出現してくるも
欲しい情報か否かの判断ができ,所望の情報を直感的に
のと思われる。これまで,富士通研究所もブロードバン
検索することが可能となる。この技術をニフティ(株)
ド時代に対応した新たなサービスについて様々な角度か
のショッピング総合ポータルサイトShopping@niftyに
ら研究してきた。
適用し,ウインドウショッピングを楽しむような感覚で
本稿では,試作段階にあるインタラクティブCMと一
商品を見比べて購入することのできるサービスを開始
部実用化しているクロスメディア検索の二つのサービス
した。
について紹介する。
ブロードバンド時代の新サービス
インタラクティブCMの試作
● 従来の広告
● インタラクティブCM
現在,インターネット上の広告提示手段としてバナー
ブロードバンド時代を迎えると,常時接続はもちろん,
広告が広く用いられている。バナー広告は企業のホーム
大量データの送受信が可能になる。このような新たな状
ページに飛ぶための入り口であるが,今や見慣れてしま
況下で,いかにして顧客や企業にとって魅力ある広告提
い,顧客がバナー広告をクリックしなくなってきた。ま
示をしていくかが今後の大きな課題である。一方,マル
た,企業はバナー広告の配置場所(メジャーなホーム
チメディアの普及により,キャラクタを扱ったポータル
ページ)を多数設定する必要がある。
サイトが多数出現し,各家庭でキャラクタと触れ合う場
一方,TV広告は,企業のイメージを短時間に一方的
面が多くなると思われる。顧客はキャラクタに親しみを
に放映する手段である。このため,顧客の好みに無関係
持つことで,キャラクタからの問いかけに対し素直に答
に広告を配信してしまう。
えるようになると思われる。こうした背景から,キャラ
● one-to-one広告提示
クタを使った対話型広告としてインタラクティブCMを
今や,インターネットを使えば顧客の嗜好に合わせた
提案し,試作を行った。
one-to-oneの広告を配信させることが可能になってきて
顧客や企業にとって魅力ある広告提示を行うため,イ
いる。インタラクティブCMは,キャラクタが顧客個別
ンタラクティブCMは二つの要素を併せ持っている。一
対応を行う。図-1に示すように,キャラクタを使った
つは広告に加え,拡販の一部をキャラクタに行わせるこ
ポータルサイトに顧客がアクセスすると,キャラクタは
とである。インターネットに常時接続しているため,
顧客と対話をし,顧客の関心に合わせて広告提示や拡販
キャラクタが企業のホームページを案内し,商品の説明
の一部を行う。例えば,対話を通して,システムが「こ
をするなど,拡販の一部を担当する。現在この拡販費は
広告費の2倍から10倍に相当し,大きな規模の市場と
なってビジネス的に期待ができる。二つ目は,顧客の嗜
好に合わせてone-to-oneで広告提示を行わせることであ
る。顧客が常に親しんでいるキャラクタと対話し,顧客
の望む広告を提示することで,顧客は有益な情報を得ら
れる。
● クロスメディア検索
ブロードバンドの普及によりインターネット上に大量
のマルチメディアコンテンツが存在するようになると,
それらの中から顧客が好むものや目的とするものをいか
に迅速に探し出せるかが課題になると考えられる。
この課題を解決するため,複数のメディアを統合的に
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P286-291:7月号−本文(5)白校→青校.doc 286/6 最終印刷日時:01/08/02 14:52
図-1 インタラクティブCMの概要
Fig.1-Outline of interactive CM.
FUJITSU.52, 4, (07,2001)
ブロードバンド時代の新サービス−インタラクティブCM/クロスメディア検索−
の顧客はお菓子に興味がある」と判断した場合,キャラ
クタには「自律的振舞い」と「自律的対話」の2種類の
クタがお菓子のホームページを案内したり,お菓子の商
自律性を持たせている。
品説明をしたり顧客に対し個別に対応していく。途中で,
● インタラクションと自律的振舞い
顧客の興味がおもちゃに変化した場合,おもちゃについ
従来,インターネット上のキャラクタ映像配信手段と
て紹介するなど,システムが顧客の反応に対して臨機応
して,アニメーションGIFなどが使われてきた。この手
変に対応していく。バナー広告と違い,企業はキャラク
段は,あらかじめ用意された映像を組み合わせて表示す
タのポータルサイトに広告を登録するだけで,キャラク
るため,限られたパターンの単純な動きになり,表現力
タが購入意欲の高い顧客を誘導してくれる。さらに,イ
に乏しいものになってしまう。
ンタラクティブCMは,後述するように製作コストや放
一方,インタラクティブCMは,顧客のインタラク
映コストを低く抑えることが可能である。
ションに対し,即座に考え,反応する「自律的振舞い」
● 顧客の恒常的な囲込み
を制御する機構を持っている。この自律的振舞いの映像
企業の広告提示や拡販を行うためには,顧客がキャラ
をリアルタイムに生成し表示することで,動きのワンパ
クタポータルサイトに恒常的にアクセスする必要がある。
ターン化を防ぎ,キャラクタを生物らしく表現できる。
このため,いかにして顧客を囲い込むかが課題である。
● プロファイルと自律的対話
かわいらしく賢いキャラクタをポータルサイトに置き,
顧客の状況に合わせて対話を行い,さりげなく顧客の
キャラクタが,顧客と遊んだり,おもしろく顧客のため
嗜好をプロファイルするため,インタラクティブCMは
になる対話をすることで,顧客が恒常的にアクセスして
「自律的対話」を制御する機構も持っている。顧客が
くれるようになると考え,インタラクティブCMの試作
次々と質問に答える場合,どんどん深い(具体的)質問
を行った。
をし,顧客が答えに戸惑うと,話題を変える。このよう
こ の 試 作 シ ス テ ム は , 図 -2 の よ う に Internet
に対話内容や対話頻度を変えて答えやすい環境を顧客に
Explorer上に仮想3次元の世界を創り,キャラクタと顧
提供することにより,顧客の嗜好の本質を抽出し,質の
客がインタラクションできる仕組みを持っている。キャ
高いone-to-oneの広告提示を行うことができる。
ラクタは顧客と追いかけっこをする一方,顧客が遊びに
従来,インターネットで個別サービスを受けるために,
飽きたと判断したら,吹き出しを使って様々な質問をす
あらかじめ,顧客が膨大な情報を一括入力しておく必要
る。顧客の返答をプロファイルし,その結果をもとに顧
があり,入力が苦痛であった。今回のように部分的かつ
客の関心に合わせて3次元オブジェクトを変更したり,
長期にわたり,必要最小限の個別プロファイルを取得す
背景の看板を変更したりしてホームページの紹介を行う。
ることにより,プロファイルデータの取得率と正確性の
今回の試作では,富士通が開発した製品「TEO−も
向上が期待できる。
うひとつの地球−」の自律制御技術を応用して顧客の入
● 製作コストとシステムサイズ
力に即座に反応する自律キャラクタを実現した。キャラ
キャラクタの内部感情(喜び,悲しみ)をパラメタに
して,基本的なアニメーションを変形させ,リアルタイ
ムにアニメーション表示を行っている。例えば,普通に
歩く基本アニメーションを変形させ,急いで歩かせたり
疲れたように歩かせたりできる。このため,少ないデー
タ量で様々なバリエーションを持ったアニメーション表
示が可能となる。このように,アニメーションを再利用
することで,アニメーションの製作コストを低く抑える
ことができ,かつ,短期間でコンテンツを製作すること
ができる。
キャラクタの形状モデルや広告提示するオブジェクト,
さらに対話内容を部分的にダウンロードし,広告を容易
図-2 インタラクティブCM実行画面
Fig.2-Executing scene of interactive CM.
に変更することも可能である。音楽データを除いたシス
テムサイズは約1 Mバイトである。部分的変更に必要な
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ブロードバンド時代の新サービス−インタラクティブCM/クロスメディア検索−
サイズは20 Kバイト∼100 Kバイトである。音楽データ
赤く見える富士山」を見つけ出す必要があり,効率的に
も更新することができるが,形式や音質により大きく異
検索することができない。
なり10 Kバイト∼1 Mバイト程度である。ブロードバン
一方クロスメディア検索では,「富士山」というキー
ド時代において,これらのデータ変更は一瞬で行うこと
ワードでWebページを検索し,ヒットしたページ内の画
ができるため,容易に低コストで配布できる。
像を,色やテクスチャーなどの見た目の特徴が近い画像
このため,従来のTV広告のような高い製作コストや
同士ほど近くに集まるように配置して,モニタ画面に表
放映コストを大幅に減らすことができるものと思われる。
示する。利用者は,空間内で視点を移動して赤っぽい画
像が集まっている近辺の画像をチェックすれば,「夕焼
クロスメディア検索の適用
けで赤く見える富士山」を簡単に見つけることができる。
● テキスト検索とクロスメディア検索
著者らは,このクロスメディア検索のプロトタイプと
マルチメディアコンテンツの検索は,従来,テキスト
して,MIRACLES(Multimedia Infomation RetrievAl,
検索により行われていた。例えば,富士山を撮影した写
CLassification, and Exploration System)(1),(2)というシ
真画像をインターネット上から検索する場合,検索サイ
ステムを開発し,様々なデータで実験を行い,有効性を
トにアクセスして「富士山」というキーワードで検索す
確認したので,今回,オンラインショッピングに適用し
ればヒットしたページ内に富士山の写真が掲載されてい
た(図-3)
。
る可能性は高い。しかし「夕焼けで赤く見える富士山」
● オンラインショッピングの現状
や「富士山から見た初日の出」などといった写真画像を
ECOM(電子商取引推進協 議会)およびアクセン
検索しようとすると,「夕焼け&赤&富士山」で検索し
チュア(株)は2001年1月31日,「2000年度電子商取引
ても欲しい写真画像がヒットしない。通常,「富士山」
に関する市場規模・実態調査」 (3)を発表した。これによ
でヒットしたページを一つ一つ調べ,目的の「夕焼けで
ると日本の2000年のBtoC市場規模は8,240億円,2005
図-3 MIRACLES画面例
Fig.3-MIRACLES-Screen shot.
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ブロードバンド時代の新サービス−インタラクティブCM/クロスメディア検索−
年には13.3兆円に達すると推計されている。EC化率
ディア検索を利用して商品を見た目で選ぶことができる
(家計消費支出に占める電子商取引支出の割合)を品目
ようになれば,現在EC化率の低い項目のEC化が進み,
別に見ると,PCおよび関連製 品( 6.07%),自動車
オンラインショッピング市場がより活性化すると考えら
(2.12%)
,書籍・音楽(0.75%)といったものが高い数
れる。
値を示している。一方,衣類・アクセサリー(0.17%)
,
● オンラインウィンドウショッピング
趣味・雑貨・家具(0.16%),食料品(0.11%)などは
ニフティ(株)のインターネットサービス「@nifty
(アット・ニフティ)
」で提供するショッピング総合ポー
ほかに比べて低い水準である。
日経ネットビジネスによるアンケート調査(4)で,オン
タルサイトShopping@nifty(http://shop.nifty.com/)に
ラインショッピングを利用したことがない理由として,
クロスメディア検索の技術を適用して,ウィンドウ
商品を実際に確認できない点が1位と僅差の2位に挙げ
ショッピング感覚で商品を見比べながら購入するサービ
られている(1位はセキュリティに対する不安)。EC化
スを実現した(図-4)。このサービスを利用するには,
率の高い項目と低い項目を比べてみると,性能で選択し
あらかじめプルダウンメニューから「画像で探す!」を
たい商品のEC化率が高く,見た目で選択したい商品の
選択しておく。この状態でキーワードやカテゴリーで商
EC化率が低いという傾向がある。これは衣類やアクセ
品検索すると,複数の店舗サイトから該当商品の画像を
サリーなどの見た目で選ぶ商品をテキストで検索するこ
自動収集し,一覧表示を行う。一覧中の商品画像の一つ
とが困難であるからだと推測できる。そこでクロスメ
をダブルクリックすると商品画像が右のクリップボード
図-4 Shopping@nifty画像一覧検索画面
Fig.4-Shopping@nifty-screen shot.
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ブロードバンド時代の新サービス−インタラクティブCM/クロスメディア検索−
に複写され,ほかの商品と比較しながら検索することが
背景を除去し,商品部分だけの画像(物体画像)を生成
可能である。クリップボードで「GO!」ボタンをクリッ
する。つぎにHSI(色相・彩度・明度)色空間を部分色
クするとその商品のWebページが表示され,そこで詳し
空間に分割し,物体画像の各画素をその画素の色に対応
い情報を調べたり購入したりすることができる。このよ
した部分色空間に割り振る。部分色空間に含まれる画素
うに画像を見比べながら購入商品を検討することはウィ
の数が一定数以上ある場合,その部分色空間に含まれる
ンドウショッピングで欲しい商品を探す感覚と似ており,
画素の色の平均を商品の色(代表色)とする。複数の商
選ぶ楽しみを味わうことができる。
品が写っていたりストライプ模様などの商品が写ってい
また本サービスでは,商品名,価格,取扱い店舗,
たりする場合には代表色が複数存在し,複雑な柄物など
メーカ名,色で画像を配置することができる。これによ
商品の色が特定できない場合は代表色が存在しない場合
り,ある値段帯の商品から探したり,ある色の商品だけ
もある。こうして得た代表色を利用して商品を色カテゴ
を買い物の対象にしたりするなど,顧客は一覧中の注目
リーに分類して配置する。具体的には,まず,彩度に
すべき一部の商品だけを比較検討して目的の商品を見つ
よって有彩色/無彩色を判断した後,無彩色の場合には
けることができる。とくに商品の色による配置は見た目
明度によって黒と白とに分類し,有彩色の場合には色相
で選択する衣類やアクセサリーを購入する場合には役に
によって上記6色に分類する。また,複数の代表色が存
立つ機能である。
在する場合には各々の代表色に対応する色カテゴリーに,
以下では,このサービスの技術ポイントである,画像
代表色が存在しない場合には「その他」に分類する。
の自動収集と代表色による一覧配置について説明する。
む す び
● 画像の自動収集
Shopping@niftyはニフティ(株)自身が商品を取り
今回,インタラクティブCMとクロスメディア検索の
扱っているのではなく,大小様々な店舗が数多く集まっ
二つのサービスについて紹介した。現在のところ,両
てできているショッピングモールである。クロスメディ
サービスとも試行段階にあるが,ブロードバンド時代の
ア検索サービスを実現するためには,各サーバからいっ
マルチメディア普及とともに利用価値は増えるのではな
たん商品情報を集めてくる必要がある。店舗は商品名,
いかと考えている。インタラクティブCMは,試作を終
商品画像のURLなどの情報をリストにした商品情報リ
え,社内外で紹介を行っている段階である。従来の「15
ストファイルを自店舗サーバに置き,そのファイルの
秒間見るだけのリニアなCM」から新たな「15分間遊んで
URLをニフティ(株)の検索サーバに渡す。検索サー
楽しいノンリニアなCM」の第一歩を創ることができた。
バはその商品情報リストファイルにアクセスして各種商
この新しい広告形態が世の中に受け入れられ,顧客の囲
品情報を得る。
込みを行えるか否かが課題である。今後,実用化に向け
このとき検索サーバは,商品情報リストファイルの商
様々な企業に適用して評価をしていく必要があると考え
品画像のURLフィールドに従って各商品の画像を取得
て い る 。一 方 , ク ロ ス メ デ ィ ア 検索 は , Shopping
する。つぎにその画像から一覧表示用のサムネイル画像
@niftyの画像一覧検索機能のサービスを2001年1月18日
を作成し,画像収集サーバ内に格納する。検索時にはこ
に開始した。このサービスは各種新聞,ネットニュース
のサーバからサムネイル画像を取り出すことで,複数の
に取り上げられ,商品を見比べながらウィンドウショッ
店舗サイトの画像を同時に一覧表示することができる。
ピング感覚で楽しく買い物ができる点が評価されている。
また,サムネイル画像を作成すると同時に画像の特徴量
これは,テキストだけによる検索よりも,画像も利用し
を計算し,その特徴量の値もサムネイル画像同様に保持
た比較検索の利便性が高いことを示している。今後,利
しておく。このデータを基準として,色による配置処理
便性をショッピング以外にも適用していきたいと考えて
を行う。
いる。また,二つのサービスを融合することにより,
● 代表色による一覧配置
キャラクタを通してクロスメディア検索を行うことでよ
このサービスでは,商品画像から商品の色をあらかじ
り利便性の高いサービスを顧客に提供できるのではない
め抽出しておき,検索結果を一覧表示する際に「赤/黄/
かと考えている。
緑/水色/青/紫/黒/白/その他」の色カテゴリーに分類して
配置する。商品の色を抽出するには,まず商品画像から
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P286-291:7月号−本文(5)白校→青校.doc 290/6 最終印刷日時:01/08/02 14:52
FUJITSU.52, 4, (07,2001)
ブロードバンド時代の新サービス−インタラクティブCM/クロスメディア検索−
.
p.17-24(2000)
参 考 文 献
(1) 遠藤進ほか:画像情報とテキスト情報を統合的に利用し
(3) 平成12年度電子商取引に関する市場規模・実態調査.
たインタラクティブなWeb検索システム.第5回知能情報メ
http://www.ecom.or.jp/press/20010131.html
ディアシンポジウム予稿論文集.東京,電子情報通信学会,
http://jp.accenture.com/jp/news/newsarchive/01.01/news_
.
p.163-170(1999)
010131.html
(2) 上原祐介ほか:MIRACLES:マルチメディア情報のパ
(4) 第11回インターネット・アクティブ・ユーザー調査.日
ノラミック検索システム−Web検索への応用−.技術研究
経ネットビジネス,February 2001,No.67,東京,日経
報告データ工学研究会DE2000-3,東京,電子情報通信学会,
BP社,p.107-127.
FUJITSU.52, 4, (07,2001)
P286-291:7月号−本文(5)白校→青校.doc 291/6 最終印刷日時:01/08/02 14:52
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