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遺伝子組換え作物の問題点
遺伝子組換え作物の問題点 • • • • • • • 1)食品としての安全性 2)環境への組換え遺伝子の拡散 3)生態系のかく乱 4)有機栽培など周囲の農業生産への影響 5)遺伝的多様性の喪失 6)多国籍企業による食料支配 7)遺伝子特許の問題 遺伝子特許、国内技術の問題 • 1)生物の遺伝子が特許として認められた。 • 2)日本独自の遺伝子組み換え技術開発の • 必要性 • 3)日本の農業と食料の将来のために、遺伝子 組換え研究と技術を確立する必要がある。 • 4)遺伝子組換えには、施設、設備、経費、人材 が必要。 国産ダイズシンボルマーク(JA) ヨーロッパの最近の動き • 1)参考資料 立川雅司:欧州における遺伝子組 換え政策の動向 英国および欧州委員会の動き を中心に • 農林水産研究 8, (2005)53-81 • 「イギリスでは、政府が遺伝子組み換えについて、 科学者に問題整理を依頼するとともに、広範な 市民の声を聞き、実際の圃場テストも行った。」 イギリスの公開討議(1) • 1)概して人々はGMOに不安を抱いている。 • 2)GMOの問題に関わる程、人々の態度は 硬くなり、不安は増大する。 • 3)早期の商業化については、支持が少な い。 • 4)政府および多国籍企業に対する広範な 不信が存在する。 イギリスの公開討議(2) • 5)さらに知りたいといく強い要望や、さらな る研究が必要であるという認識がある。 • 6)途上国は、GMOに対して特別な利害を 有する。 • 7)討論を行う機会は歓迎され、また高く評 価されている。 まとめ(1)安心のための 遺伝子組み換え作物の課題 • 1)組換え遺伝子の発現部位、発現時期の制 御に寄り、可食部に組み換えタンパク質を集 積しない。 • 2)遺伝子の導入位置を明らかにする。 • 3)遺伝子発現、タンパク質集積パターンの 解析 • 4)可能な限り厳格な安全性試験 • 5)雄性不稔などによる花粉の拡散防止 まとめ2(研究者の取るべき態度) • 1)計画段階から情報公開と、対話につとめるべき。 • 2)「十分な根拠をしめさず安全であると主張するこ と」「消費者が無知であるから遺伝子組み換えに反 対している。」という態度はとるべきではない。 • 3)日本の研究者の多くは税金を使い、消費者や農 民を含む国民全体のために研究をしていることを忘 れない。 まとめ3 消費者へのお願い • 1)遺伝子組換え技術そのものは、農業、医学等の 研究の発展に不可欠であることを理解して頂きた い。 • 2)遺伝子組換え食品を選ぶかどうかは、最終的に は消費者が決めることであるが、遺伝子組換え作 物の安全性、有用性については、個別に判断して いただきたい。 • 3)消費者は食品としての安全性の確認を今後も 国や行政に強く求めて行く必要がある。 • 4)国産作物をできるだけ選んでほしい。 まとめ3 農家の方へのお願い • 1)将来の食料生産と農業の発展には、遺 伝子組換え研究と技術が重要であることを 御理解頂きたい。 • 2)ただし、実際に作付けをするといろいろ な問題が起こることが予想されるので、心 配なことがあれば遠慮なく、発言して頂き たい。 • 3)日本の国民の命をささえる食料生産を 今後とも頑張って続けて頂きたい。 まとめ4 国や県、市町村など行 政へのお願い • 1)消費者や農家の不安に十分に答えて頂き たい。 • 2)研究者と消費者、農家の対立が深まらない ように、対話の場を設定して頂きたい。 • 3)遺伝子組換え研究を制限するのではなく、 長期的な視野で援助して欲しい。ただし、育種、 栽培など、既存の研究分野も維持発展させて いただきたい。 参考文献(1) • • • • • • • • • • • • • • 1)波川鎮男:組換えDNA実験指針の概要について、放射線科学、34,2,33-41(1991) 2)山田康之・佐野浩編著:遺伝子組換え植物の光と影、学会出版センター(1999) 3)中村靖彦:遺伝子組み換え食品を検証する、NFKブックス872、(1999) 4)日本農芸化学会編:遺伝子組換え食品-新しい食材の科学、学会出版センター、(2000) 5)ビル・ランブレクト:遺伝子組み換え作物が世界を支配する、日本教文社(2004) 6)川口啓明・菊地昌子:遺伝子組換え食品、文春文庫170、(2001) 4)海老原充: 「そこが知りたい!遺伝子操作」かんき出版、(2001) 6)広井良典、:「遺伝子の技術、遺伝子の思想」中公新書、(1996) 7)「遺伝子組換え食品の検証」藤原邦達、新評社、(1997) 8)「DNA農業」岡田吉美、共立出版、(1997) 9)「遺伝子組み換え作物に未来はあるか」柳下登、本の泉社、(1999) 10)「遺伝子組換え食品最前線」渡辺雄二、家の光協会、(1998) 11)「遺伝子組み換え食品Q&A」渡辺雄二、青木書店、(1997) 12)第三世界ネットワーク:「バイオテクノロジーの危険管理」、技術と人間、(1998) 参考文献(2) • • • • • • • • • • 14)藤原邦達:「よくわかる食品衛生法、WTO協定、コーデックス食品規格、一問一答」 合同出版、(1995) 15)鎌田博、堀秀隆:、バイオテクノロジーとヒューマンライフ 第1巻、「夢の植物を育てる」 日本経済評論社、(1995) 16)野島博:「遺伝子と夢のバイオ技術」羊土社、(1997) 17)安田節子:「遺伝子組み換え食品Q&A」岩波ブックレット(1998) 18)安田節子、塚平広志:「おしよせる遺伝仕組み換え食品」かもがわブックレット(1998) 19)渡辺雄二:「あなたも食べてる遺伝子組み換え食品Q&A」、J-BECブックレット、実教出版、(1999) 20)石本政男:ダイズにおける遺伝子組換え技術とその利用 「ダイズの生産・品質向上と栄養生理」、日本土壌肥 料学会編、博友社(2005刊行予定) 21)堀秀隆:微生物からのメッセージ、エンタプライズ社、2001年