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河野委員提出資料
河野委員提出資料 第7回機能性表示食品制度における機能性関与成分の取扱い等に関する検討会 2016 年 8 月 4 日 (一社)全国消費者団体連絡会 河野 康子 本日の会議を都合により欠席するため、議題について以下のように意見を申し述べます。 ○機能性関与成分が明確でない食品の取扱いについて (1)「機能性関与成分」の定義を明確にし、不確実性を担保するために制度全体のレベルアップを望みます 機能性表示食品が機能を表示できるのは、①その機能を発揮する関与成分が特定でき、②どのように効いてい るのかが明白であり、③定量確認及び、定性確認が可能であること、が前提です。 一方、合田委員提出資料のクラス1~2に該当する成分が、現行の制度の要件を満たすとされ既に届け出、販 売されているという事実を考慮すると、改めて、現ガイドラインに示されている「機能性関与成分」の定義の整 理を行い、その上で、合田委員から提出された関与成分が不明確な食品のクラス分けに関する資料を基に、機能 性関与成分が不明確な食品における条件整備を考えるべきです。そもそも「関与成分の定量・定性確認が可能で あること」は、本制度の信頼性担保の根幹をなすもので、消費者の多くが理解でき納得のいく形で制度の強化を すべきと考えます。成分がまったく分析できない食品(クラス3)はそもそも対象外です。機能性関与成分が明 確でないもの(エキス・抽出物等)の規格の設定や複数ロットでの分析、最終製品の定性確認試験、最終製品に おける定量確認等は、当然行われるべきですし、生産製造及び品質管理おける、最終製品と科学的根拠を得た際 に用いた食品によって得られた安全性及び機能性の同等性の確保のために GMP は必須事項と考えます。こうし た品質管理は、関与成分が明確でないものへの特別な措置ではなく、広く機能性表示食品全体への適用を考えて いただきたい。そうした対応が、この制度への信頼の基盤となるはずです。 (2)届け出後のチェック体制の確立が必要です 第5回検討会資料にある、消費者庁による機能性表示食品の3つの検証事業(①「システマティックレビュ ー(SR)」の検証事業、②「機能性関与成分」に関する検証事業、③買い上げ調査)の概要報告を読むと、提 出論文の精度に関する課題、機能性関与成分の分析方法の問題点、機能性関与成分含有量の不安定さ等、現行制 度そのものに改善すべき課題が多数あることが明白です。機能性関与成分がきちんと入っているか、第三者が確 認できる分析法が担保されているか等、届出された製品の質の向上と事後監視を行うための方策を確実に構築し ていただきたい。さらに、関与成分が明確でない食品(クラス 1,2)を制度の対象とするならば、製品の申請情 報に対する強固な第三者による事後チェックの仕組みの検討を望みます。 (3)制度全体を支える行政側の態勢強化を望みます 機能性表示食品制度発足後1年が経過しました。現在申請が受理され販売されている製品において、安全性、 機能性に関わる疑義が生じるなど課題が顕在化している中、そうした課題解決よりも先に、保留とされた成分の 追加に関する検討が先行しています。現行制度、また今回の検討事項などへの対応等、この制度全般に対して消 費者庁における態勢が脆弱ではないか、という危惧があります。国民の生活の質の向上に寄与する可能性のある 機能性表示食品制度を国民の信頼に足るものにするためには、人材、予算等への手厚い配慮等行政側の態勢の強 化が必要だと考えます。 今回の検討が、企業利益の確保という視点から一歩進んで、国民全体が健康な食生活のあり方について、知り、 気づき、行動に移せるような議論となることを望みます。