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ドル円相場の歴史的高値を探る
10/7 第5巻第 38 号通巻217号 FX 証券 日経 225 TOPIX CFD Gold Oil JGB T ノート ボンド ユーロ ドル S&P500 Currency FX 証券 日経 225 TOPIX CFD Gold Oil JGB T ノート ボンド ユーロ ドル S&P500 Currency FX 証券 日経 225 TOPIX CFD Gold Oil JGB T ノート ボンド ユーロ ドル S&P500 Currency 2013 年(平成 25 年) 発行 株式会社投資日報社 www.toushinippou.co.jp/ Weekly Report ドル円相場の歴史的高値を探る ギャンアナリスト 【はじめに】 中原 駿 米国では、予算に関する合意が議会で不成立を繰り返した事 によって、再び財政不安が頭をもたげている。同時に、ドル円 相場の行方についても不安視する向きが増えているようだ。 ここでは、短期的な動向をいったん忘れて、歴史的なドル円 相場の時間的ターゲットについて考えてみよう。 【ドル円相場は 16 年サイクルからの立ち直り期】 最初に認識したいのは、ドル円相場には 16 年に及ぶ非常に強 い超長期サイクルが存在するという事。変動相場制以降におい ても、1978 年ボトム、1995 年ボトムは非常に印象的であった。 固定相場においても常に相場は動いており(例えば人民元相 場をイメージしてほしい )、キューバ危機における 1962 年がボ トム(米ソ核戦争突入の恐怖=ドルの価値ゼロになる恐怖 ) で あったと想定される。 その後は緊張緩和でドル高が進行したが、結局ベトナム戦争 の泥沼化によるインフレ亢進、財政悪化によるブレトンウッズ 体制の危機が予見され、自由市場の中ドルはフリーフォールの 状況に陥った。それ以前も歴史的には金兌換制導入における 1930 年、第二次世界大戦期の 1941 ~ 45 年が円高のピークで あったと想定される。 そもそも、歴史的には 1871 年の円相場創設以降、1962 年あ るいは 1950 年代までは円安トレンドであった。つまり円高ト レンドへの転換は少なくとも 80 年間起こらなかったといえる。 実質的な円高トレンドへの転換は 1950 年代あるいは 1965 年前後から発生したものと想定される。尤も大幅に実勢に乖離 した固定レートである 360 円になったという意味では、固定レー トが設立した 1949 年をもって円安のピークとする事もできる。 このカウントでの円安トレンドは 1871 年から起算して 78 年間。 いずれにせよ、16 年サイクル4つ (64 年 ) あるいは5つ (80 年 ) が内包される「超長期サイクル」が存在するという定義が出来る。 1949 年の 360 円をボトムとした場合、16 年サイクル4つな ら 2013 年± 11 年、5つなら 2029 年± 14 年が、この超長期サ イクルボトムの時間的ターゲット。上記のターゲットと実際の 相場を照らし合わせると、2011 年 10 月の安値は 64 年サイク ル級(16 年サイクル4つが内包されたパターン)のボトムとし てドル円相場は歴史的安値をつけた可能性があるといえる。 一方、現行の「超長期サイクル」に、もう一つ 16 年サイク ルが入る(16 年サイクル5つが内包されたパターン)とすれば、 この超長期サイクルの最終局面として、今回の上昇は過去4つ の 16 年サイクルの中でも “最も印象的ではない相場” になる可 能性が高い。一応注意しておいたほうがいいだろう。 【高値 ― 高値の 100 カ月】 ギャン理論の中でも、最も優れた手法として挙げられるのが 「高値―高値間の時間帯もカウントする」というサイクル手法だ。 実は商品や株など高値安値が固定されているものに関しては、 間違いなく高値間のサイクルよりも安値間のサイクルのほうが 8年サイクル 8年サイクル 8年サイクル 月 第5巻 第 38 号 通巻 217 号 安定している。逆に、高値は時にランダム化してしまう。 しかし通貨市場では、対象となる商品が相対通貨のため、一 方の高値は一方の安値に。そのため上下逆でも問題はない。従っ て「ドル円相場」における高値間のサイクルは「円ドル相場」 における安値間サイクルとなる。 これを踏まえた上で、「ドル円相場」の高値間サイクルを探る と、そこには非常に重要な “16 年サイクルの2分割” ともいえ る 100 カ月サイクル ( 8年強 ) が強く観察されている。 この 100 カ月サイクルは、16 年サイクルボトムからの高値 を規定するほど強力な存在といってよい。 実際、前回の 16 年サイクルボトム(1995 年4月)からの立 ち直り局面におけるドル高が 1998 年 8 月で終了してしまった のは、1990 年4月高値から起算した 100 カ月サイクルの影響 である。その後相場は、1998 年8月から 106 カ月後の 2007 年6月に高値を示現。このカウントから、2015 年 10 月こそが ドル円相場のピークに最もふさわしい時間帯であるといえる。 【過去の 16 年サイクル第一位相から予測】 変動相場制以降の 16 年サイクルにおける第一位相のドル円 相場には以下の法則がある。 <第一法則>ドル安値の翌々年4~ 5月にファーストトップ をつける。 <第二法則>ドル安値の3年後 ( ファーストトップの翌年 ) の8月前後に重要なセカンドトップをつける。 <第三法則>ドル安値の4年後(セカンドトップの翌年) 11 月前後にファイナルトップをつける。ただし、 セカンドトップと 100 カ月サイクルが一致し た場合は、4年後は上昇せず、暴落となる。 以上の重要な三法則を 2011 年 11 月安値に当てはめてみる。 <第一法則>高値は翌々年4~5月。ターゲットは 2013 年 5月。現在までこの時の 103 円後半は抜けず。 <第二法則>セカンドトップは 2014 年8月前後。100 カ 月とは完全一致しない。 <第三法則>ファイナルトップ。2015 年 11 月。これは 100 カ月のターゲット、2015 年 10 月とほぼ 重なる。 以上からギャン理論、サイクル理論の重なる重要なトップを ピンポイントで予測すれば、それは 2015 年 10 ~ 11 月となる。 また、1978 年からの 16 年サイクルにおける第一位相の上昇 期間とも 2015 年 11 月は完全に一致。更に、サイクル的に最終 16 年サイクルがボトムをつけるターゲットは、2014 年8月。 この 2014 年8月と 2015 年 11 月の中間地点として、2015 年 1月にも一応の注意を払うほうがいいだろう。 しかし、これだけ強烈に一時点を示すことは早々ある事では なく、ドル円の最終トップは 2015 年 10 ~ 11 月の可能性が最 も高い、と結論しておきたい。 本論は時間を主軸にしているので価格面はあくまでサブとし てほしいが、1978 年からのドル円の上昇は約 111 円(率にし て 157%)。1995 年からの上昇は約 68 円(率にして 185%)。 こ の 上 昇 率 を 今 回 の 安 値 に 当 て は め る と 128 円(118.90 ~ 139.90 円)がターゲット。上昇価格を当てはめると 165 円と なる。ただし、2015 年 10 月近辺でターゲット価格帯に突入し た場合には注意が必要であろう。 8年サイクル 8年サイクル ( 次は 2015 年 10 月? ) 14 15 16 16 年サイクルⅡ 16 年サイクルⅢ 16 年サイクルⅣ Ⅰ or Ⅴ ? 1