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校長室だより15号

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校長室だより15号
校長室の窓から
鷲尾が岳
学校教育目標
平成26年12月8日発行
佐世保市立猪調小学校
文責 校長 石橋 直
連絡先 0956-66-9400~1
いのち輝き, つ よく賢くたくましく, き たえ学び響き合う子ども
の育成を目指して
子どもが輝くために
師走の声を聞いたとたんに寒い日が続いているこの頃です。
保護者及び地域の皆様にはいかがお過ごしでしょうか。寒中
お見舞い申し上げます。
先日実施いたしました「ふるさと交流発表会」では,多くの皆様にご参観いただ
き,大変ありがとうございました。子どもたちも家族や地域の皆様の励ましをエネ
ルギーとしながら,4月から取り組んできた新教育目標の中の「響き合う姿」を最
高の形で発揮することができました。これまでのご理解とご協力に心から感謝いた
します。また,すばらしい演奏で発表会を盛り上げていただいた太鼓に琴,そして
コーラスの皆様にも心からお礼申し上げます。昼食後のバザーでも「ふるさと交流」
にふさわしいふれ合いの姿が見られ,とてもほのぼのとした気持ちになれました。
PTA の役員の皆様には,朝早くからの準備ありがとうございました。子どもたち
のために多くの人たちが関わり,懸命に支えてくれる姿を学ばせながら,地域を愛
し,地域を誇りに思い,そして地域に還元できるような人材づくりに精進してまい
りたいと思います。今後もご理解ご協力のほど,よろしくお願いいたします。
さて,話は変わりますが,先日の研修会で元鹿児島大学の教授で、現在は幼稚園
の園長先生をしている後藤和文先生のお話を聞くことができました。講演のタイト
ルは,「子どもが輝くとき」~生命科学の視点から考える子どもの教育~でした。
大変興味深いお話でしたので,ご紹介をしたいと思います。
後藤先生は,大学で20年近く生命科学に関する研究をされて,その中でも遺伝
子の働きや役割についてすばらしい成果を上げられています。特に有名なのは世界
で初めて死んだ牛の精子から赤ちゃん牛の生命を誕生させたことです。鹿児島大学
を98年に退職され,現在、熊本市内で園長をされているそうです。マンモス復活
協会の学術部代表。専門は動物発生工学。著書
に「マンモスが現代によみがえる」「マンモス
復活大作戦」「子どもが輝くとき」などがあり
ます。
私自身が,後藤先生の話を聞き,メモにとっ
たことを元に文章にしていますので,前後のつ
ながりが悪く,正確さに欠けたり文意が伝わり
にくい面も多々あったりするかと思いますが,
ご容赦いただき,ご一読いただければ幸いです。
-1 -
○
すべての生命は,一つの細胞が分裂して現在の体をつくっている。つまり
すべての細胞に同じDNAが存在する。一つの細胞のDNAには,2万~2
万5千種類の遺伝子情報が存在している。
○ 同じ遺伝子を持つ細胞が,目や鼻や耳に変わるのは,変わるために必要な
ごく一部の遺伝子にスイッチが入り,活性化するためである。残された遺伝
子は眠ったままである。
○ 例えるならば,植物の発芽と同じで,水分や気温・日光といった適切な環
境が整えばスイッチが入り,活性化するのである。
○ この遺伝子のスイッチに影響を与えるものが,心の変化である。心と体は
遺伝子でつながっている。“病は気から”といわれるが,まさにそのとおり
である。
○ 子どもの能力を開花させるには,環境をどう整えるか,スイッチをONに
することばかけがとても重要である。
○ 能力は子ども自身が持っている。誰も与えることはできない。その能力を
発揮させるために,どうしたらスイッチを入れてやれるかが親や教師・周り
の大人の問題である。
○ 適切な時期に適切な分量で関わることが重要である。時を間違うと(心の)
奇形になる。
○ 子どもの五感をしっかり鍛えるということは,バランスのとれた環境刺激
につながる。子どもに対する周りの笑顔や受容・スキンシップは効果が大き
い。刺激に偏りがあると上手く表現ができなかったり,コミュニケーション
が苦手な子どもが育つ。
○ ピアジェの学説にあるように,遺伝子のスイッチをONにするためには,
① 教育の適時性 ② 初期体験の重要性 ③ 発達の順次性 が大事。
能力の促成栽培は,後の発達を妨げる。
○ 本当の平等とは,それぞれに違う特性があることを認めることである。
均一な集団をつくろうとすると,一人一人の違いが気になり,それが差別
やいじめにつながる。一人一人の違いを認め,その中から共通点を見つけよ
うと努力することに重点を置き,そのことが仲間づくりになるような良質な
集団をつくることが大事である。
○ 無菌教育は,子どもを弱くするものである。いろいろな経験をして初めて
それに打ち勝つ力が養われ,進化していくのが生命のメカニズムである。子
ども時代のケンカやトラブルは,生き抜くための免疫力となる。
○ とにかく,よく学びよく遊べである。遊ぶことは,脳内のネットワークの
発達に不可欠である。幼少期の早期詰め込み教育は,偏った発達をもたらし
後々には,応用力が効かなくなる。
いただいた資料には,子どもの遺伝子に適切な時期にスイッチを入れるために
は,一人一人の子どもの視点に立ち,子どもが今何を求めているかを見極め,子ど
ものありのままの姿を受け入れ,発展させるための環境づくりをしたり,笑顔やこ
とばかけやスキンシップで共感してあげたり,一緒になって遊んであげることです
とありました。絶好の機会が訪れます。楽しい冬休みになることを願っています。
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