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高等教育プログラムに関わる 職業リハビリテーション

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高等教育プログラムに関わる 職業リハビリテーション
NETAC Teacher Tipsheet
高等教育プログラムに関わる
職業リハビリテーション
目
的
公的機関による職業リハビリテーション(VR)プログラムの目的は、障害を
持った個人の能力を高めることで、雇用、経済的自立、人間的自立、社会参加と
融和を最大限推し進めることである。平たくいえばVRは、心身に障害のある人
たちが、その体力や資源、優先順位、利害関係、能力、関心、インフォームド・
チョイスに応じた仕事にエントリーし、また求職活動を成功させるためのサービ
スを提供しているということである。
高校を卒業したばかりで、
しかも重度の難聴障害を持つ人はすべてVRの対象となるか?
ほとんどは対象となるが、必ずしも全員とは限らない。
VRは、資格付与プログラムではなく、適格性養成プログラムである。そのた
め、対象学生は、州政府が求めるVR適格性基準を満たさなければならない。
基準1:なんらかの障害を持っていること。
VR法では障害を次のように定めている。
・
直接的、間接的に雇用の重大な妨げとなる、肉体的もしくは精神的な機能障
害を持っていること。
・
VRサービスによる雇用実現の点で利益を得る立場にあること。
基準2:雇用の準備・確保・維持・回復のためにVRサービスを必要としている
こと。
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適格性はどのようにして決められるのか?
審査のための面接と検討を経て、担当のVRカウンセラーが個々の応募者ごと
にVRサービスを受けるに値するかどうか決定する。
担当のカウンセラーは
ろう、聴覚障害の分野における専門家であるか?
そうでない場合もある。多くの州には専門のコミュニケーション・スキルと、
ろう・難聴の人のための社会心理学的、教育的、技術的ニーズに関する少なから
ぬ知識を持った「ろう・難聴の障害者のためのカウンセラー」がいる。しかし、
地理的条件その他の理由により、聴覚障害を持つ人すべてがこうしたカウンセラ
ーになれるわけではない。
学生がVRへの推薦を受けるにはどうすればよいか?
VRへの申請に制約はない。自分で申請してもよいし、中等教育卒業後にその
教育機関から申請してもよい。従って、もし該当する学生が就職問題で悩んでい
るなら、またそうしなければ彼らがVRサービスを受けられないと判断される場
合には、学生の希望に応じて地域のVR当局に問い合わせるよう勧めるのがよい。
ひとつ気をつけるべきことをあげると、中等教育以上の教育機関への入学を目
的として学生にVRサービスを受けさせることは不適切、というより違法である
ということである。学生にVRとそのサービスについて啓蒙するのは構わないが、
進学を目的として障害を持つ学生にVRを受けさせることは差別と見なされる。
サービスはどのように決められるのか?
VRサービスを受ける資格があると認められると、学生はVRカウンセラーを
相手にじっくりとIPEと呼ばれる、個別就職支援計画に取り組むことになる。
IPEの基本部分は以下の通りである。
・
その人に合った就職目標
・
その就職目標を達成するために必要なサービス
・
目標達成に向けた進捗をチェックするプロセス
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IPEは、個々の学生の能力、体力、優先順位、利害関係、関心、人的資源に
基づいている。学生は、補聴器などの身体的補助具、職業訓練や大学等の教育支
援、これと決めた職業への就職を成功させるために必要なその他のサービスを受
けることができる。適格と認められた学生によく提供されるサービスには、自己
評価、就職計画、カウンセリングとガイダンス、移動手段、履歴書作成その他の
就職活動、求人斡旋、就職課題と採用予測、内定確保と満足度をサポートするた
めのフォローアップなどがある。
VRサービスは個々に決定されるものであること、また就職内定を最終目標と
しているものであることを忘れてはならない。同等の能力と難聴の程度が同じ二
人がいても、就職目標、教育内容、経験、個人的希望を含むその他の要因によっ
て受けるサービスはかなり異なったものになる可能性がある。
カリキュラムの一部しか受講しないパートタイム学生でも
VRの支援は受けられるか?
支援の対処法は州によって異なるが、やむを得ないと認められた場合以外は受
けられないことが多い。
VRは必要かつ承認されたIPEのすべてのサービスについて
資金提供してくれるのか?
類似の助成金は、すべてVR資金が稼働し始める前にチェックを受けなければ
ならない。いわばVRは「ラストキャッシュ」とでもいうべきものである。従っ
てVRは授業料その他のサービスについて、全額カバーすることもあれば、一部
しかカバーしないことも、また却下することもあり得る。
州政府VR担当局の中には経済状況の検査を行うところもある。これらの州で
は学生は(学生が家を出られない場合は親権者が)経済状況調査書を記入・提出
しなければならないことになっている。申請者の保有財産に応じて、コストの全
額もしくは一部の負担を求められる。
(評価、カウンセリングとガイダンス、求人
斡旋サービスについてはその家庭の支払い能力に関わりなく支援されることにな
っている。)
州政府VR担当局の中には、特定のサービスについて「天井」すなわち支払い
上限額を設けているところもある。しかしながらこうした天井は、自己負担金額
が大き過ぎてサービスが購入できないというほど低く設定されることはあり得な
い。
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通訳やCART/C-Print の資金はどこから出るのか?
ADA(障害をもつアメリカ人法)が施行されて以降、この問題は州によって
まちまちである。コストを全額負担する州もあれば、一部だけの州もあり、対象
外の州もある。リハビリテーション法の1998年修正案では、VRと高等教育
の間で州レベルで友好的協約を策定するよう定められた。これにより長らく停滞
していた問題点が解決に向かうようになるであろうが、解決が各州に委ねられる
であろうことに変わりはなさそうである。
VRは、ろう・難聴で条件を満たしている学生が希望の大学に進学す
ることを経済的に可能にしてくれるか?
希望の学校を選択することは自由である。しかし、ほとんどの州では、異なる
学校で異なる学費で同等の教育内容が受けられる場合、学費の低い方を選ぶか、
差額を自己負担する規定を設けている。
VRでは高等教育機関にすでに入学している学生がさかのぼって授業
料の支払いを受けることは可能か?
VRではいかなるサービスも遡って支払うことはしない。必要なサービス、授
業料その他は、適格性が確定し、IPE(個別就職支援計画)が作成され、学生・
VRカウンセラー双方が契約にサインするまで支払われることはない。
VR助成金の受給資格が認定されたら受給は自動的に卒業まで続くの
か?
答えは、ノーである。受給資格は規約により異なるが、セメスターごと、もし
くは四半期ごとにチェックを受ける必要がある。学生は、担当のVRカウンセラ
ーと連絡を取り続けること、さらにカウンセラーには常に最新の講義録、コース、
カリキュラム、経済状況、発生した問題点について連絡を取ることが義務づけら
れている。受給学生は、VRカウンセラーの同意なく受講を停止してはならない。
学生は、正当な理由があれば、VRの受給を継続したままカリキュラムや目標学
位を変更することができる。ただし、こうしたサービス分野における大きな変更
をする際には、カウンセラーは学生と協議して、事前に文書による変更計画を作
成しなければならない。
VRの学生情報の更新はどのように行われるか?
機密保持法(Family Educational Rights & Privacy Act of 1974 バックリー修
正法案)により、中等教育以上の高等教育機関は、授業ノートや成績その他の資料
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を、資料一点一点ごとに学生の文書による同意なしにVRカウンセラーに送るこ
とはできないようになった。従って、資料送付が学生の責任により行われるべき
ものであり、VR受給資格の継続のために必要であることを学生に周知徹底させ
るのは学校側の義務ということになっている。
詳細情報
最寄りのVR事務局の所在地を調べる方法
・
電話帳で州政府関係の機関を調べる。VRプログラムには教育、労働、福祉
サービス、更正サービスなど複数の部署が関わっているはずである。
・
電話帳で見つからない場合には地域の PEPNet(Postsecondary Education
Programs Network)に問い合わせるとよい。
NETAC 関係のワークショップで、VRおよび中等教育以上の地域レベルスタ
ッフが、学生・雇用主双方が難聴という障害を持つ場合に協力的雇用関係を作る
ための支援をしてくれるところがないか、PEPNet に問い合わせてみるとよい。
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These materials were developed in the U.S.A. by the Northeast Technical
Assistance Center (NETAC) of the National Technical Institute for the Deaf at
Rochester Institute of Technology in the course of an agreement with the U.S.
Department of Education. This tipsheet was compiled by Patricia Tomlinson ,
Rehabilitation Consultant, and translated into Japanese by Prof. Toshiaki
Hirai a faculty member at Shizuoka University of Welfare as part of the
PEPNet-Japan program--a collaborative effort of Tsukuba College of
Technology and PEN-International at NTID.PEN-international is funded by
grants from The Nippon Foundation of Japan to NTID.
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