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第 7 回タイ政府知財執行関係当局と在タイ日系企業等との対話開催概要

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第 7 回タイ政府知財執行関係当局と在タイ日系企業等との対話開催概要
第 7 回タイ政府知財執行関係当局と在タイ日系企業等との対話開催概要
2014 年 6 月 3 日
ジェトロ・バンコク事務所
タイ商務省において開催された第 7 回タイ政府知財執行関係当局と在タイ日系企業等との対話が開催された。
同会合は、タイ側から最近のタイ政府の知財に関する取り組みが紹介され、日本側からは知財に関する要望など
伝える場となっている。今回、タイ側の参加者は、議長であるクラニー・タイ知財局(DIP)副局長(局長代行)
をはじめとした DIP 幹部のほか、裁判所、検察庁、経済警察、特別捜査局、税関の担当者、日本側の参加者は、
日系企業、特許法律事務所の担当者であった。対話における先方発言の概要は次のとおり。
1.法令改正の検討状況について
・前政権時に、商標法、著作権法、営業秘密法の改正案が国会に提出されていた。改正の内容は、商標法につい
ては、保護範囲の拡大や登録手続きの簡素化、料金変更、著作権法については、デジタル時代における権利保護、
障がい者に対する例外、映画盗撮への対応である。しかし、今般の政治的混乱により全て白紙となった。
・前政権時には、マドプロ加盟及び酒類などの違法充填に関する商標法改正案が法制委員会に提出されていたが、
この審議も白紙である。他方で、DIP は、不正商品を販売するテナントの家主にも責任を負わせるための商標法
などの改正について研究していたが、この研究は一定の目途を得た。
・DIP としては、正式に新政権が発足した後、これらの改正案を上程する予定であるが、新政権の発足時期も不
明な現在、法案の成立時期は全く予測できない。
2.知財侵害取り締まり強化に向けた活動について
・タイ政府の省庁横断組織である国家知財権執行センター(NICE)は、6 つの WG(1.知財侵害品調査取締
WG、2.法執行 WG、3.ネット上知財権侵害排除取締 WG、4.小売侵害者転職支援 WG、5.公報、教育
及び啓発 WG、6.知財権侵害協働データベース WG)を発足させ、活動を進めつつある。
・今般、
「NICE 行動計画 2014」を策定し、商務副大臣や関連執行機関の承認を得た。内容は、医薬品、化粧品、
ワイン・スピリッツなどの商標権侵害、ソフトウェアや映画、ゲームなどの著作権侵害に重点を置くもの。
・DIP は、関係当局と家主や ISP の協力関係を強化するため、当局と模倣品販売地域の地主、ISP などが「知財
権侵害に対する協力覚書」に参加することを提案している。関係者が自発的に署名し、協力関係を深めるべく働
きかけており、これまでに国鉄や警察、特別捜査局、銀行規制当局、地方自治体、電話会社などが署名した。
・
「Keep It Real」をキーワードに不正商品対策キャンペーンを行っている。また、米国大使館やマイクロソフト、
MPA、グーグルなどと連携したネット上の侵害行為防止に特化したキャンペーンも併せて進めている。
3.能力構築支援について
・DIP は WIPO や ECAPIII プロジェクトなどの協力得つつ、審査官に対する能力構築支援を行っている。具体
的には、5 月 16 日に開かれた「ハーグ協定に関するコンサルテーション会議」、同 19-23 日に開かれた「工学分
野における特許サーチ及び審査に関する WIPO 研修」、6 月 2-3 日に開かれた「商標出願の実体審査に関する共
通ガイドラインの推敲」などが挙げられる。
4.JPO との PPH について
・DIP は 1 月の PPH 試行開始からこれまでに 24 件の PPH 申請を受理した。3 月頃からは PPH 申請の処理に
関する実務フローも出来上がりつつある。今後、申請から半年以内の FA を目指す。
(大熊靖夫・澤井容子)
本内容は、日本貿易振興機構が 2014 年 6 月現在入手している情報に基づくものであり、その後の法律
改正などによって変わる場合があります。また、掲載した情報・コメントは当該機構の判断によるもの
ですが、一般的な情報・解釈がこの通りであることを保証するものではないことを予めお断りします。
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