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電子工作の基礎から無線制御への応用-TWE
電子工作の基礎から無線制御への応用 - TWE-Lite を用いた電子制御 - 愛知県立佐織工業高等学校 電子工学科 永坂 勝弘 要 旨 無線マイコン TWE-Lite DIP とブレッドボードを使って、基本的な電子回路の製作、基礎プログラ ムの作成、マイコン制御の基礎演習とその応用などを簡単な例題を用いて実験や工作を行いながら展 開した研究の成果を報告する。 1 はじめに マイコンを使った電子工作は、実習の中でも生徒たちが興味、関心を持つテーマのひとつである。 複雑な電子回路やプログラムを作成することで様々なものを製作したり、複雑な動作を行うことが できる。しかし、これらのことを実現するには、マイコンに関する電子回路の知識、開発環境やプ ログラムの書き込み機が必要である。 今回の研究では、簡単にすぐに使用できる東京コスモス電機の超小型無線モジュール「無線マイ コン」を使った電子工作やいくつかの実験の実例を示しながら紹介する。 2 目的 無線マイコン TWE-Lite DIP とブレッドボードを使った無線の実験や基本的な電子回路の製作、 基礎プログラムの作成、マイコン制御の基礎演習とその応用などを簡単な例題を用いて実験を行い ながら展開する。さらには、モータ等を使用した、ロボット制御について研究した成果を報告する。 3 TWE-Lite DIP ボード TWE-Lite DIP は、無線マイコンTWE-Lite のモジュールを、試作や電子工作で扱いやすいように DIP型IC と同じピン配置にしたもので、ブレッドボードに差して手軽に使用することができる。 図1がピン配置である。ピン番号は普通のDIPタイプのICと同じように、反時計回りで1番から 28番までを割り振ったものである。 図1 TWE-Lite DIP ボード 4 無線マイコン制御の基礎演習 無線マイコン TWE-Lite DIP とブレッドボードを使って電子制御を行った。TWE-Lite DIP ボード は、LEDを点灯させるだけでなくアナログ入力を読み取る方法や、モータ及び各種のセンサーを 使った基本的な制御方法について実験を行った。 (1) デジタル信号通信の接続 (2) アナログ信号通信の接続 (3) 双方向デジタル信号通信の接続 (4) リレー回路を使ったモータ制御 5 TWE-Lite をプログラム制御 本研究では、 「Python」というプログラミング言語 を使って、 「TWE-Lite」をシリアルポートから制御プ ログラムを作成した。 (1) アナログ温度計で温度を調べる 写真1は、スイッチやボリュームの代わりに、 温度センサーを取り付けた。また、無線で遠くに ある温度測定の状態を、モニタで確認することが できた。本研究で使用した温度センサーは、 「LM6 1」である。 写真1 温度センサー回路 (2) 液晶モジュールや音声合成LSIのプログラム制御 TWE-Lite には、I2C というインターフェースが備わっているため、各種センサーなどを接続 して、パソコンから制御することにした。 本研究では、I2C に液晶出力(写真2)、音声合成LSI(写真3)など、さまざまなデバイス があり、接続してパソコンからコードを送るだけで、簡単に制御することができた。 写真2 実行結果 6 7 写真3 音声合成 LSI トワイライト・ラジコンカーの製作 TWE-Lite DIP を使って、写真4のようにラジコ ンカーを製作した。車体には、子機側の回路があり、 2個のモータの制御に2チャンネルを使うためDO1 とDO2の2個のデジタル出力を使用した。 リモコン側は、2チャンネルを使うためDI1とDI2 の2個のデジタル入力を使用して、押しボタンスイ ッチでモータ制御を行った。 写真4 トワイライト・ラジコンカー おわりに 本研究では、無線マイコンTWE-Lite DIP を利用して、さまざまな実験が可能であり、通信技術 の教育や情報教育と自動制御に必要な基礎的知識が学習できる内容である。また、無線マイコン TWE-Lite DIP に対する知識を習得し、生徒の興味・関心が持てる教材であると感じた。 パソコンに接続すれば初心者でもプログラム制御が容易であることから、小型ロボットに搭載可 能で安価な無線マイコンTWE-Lite DIP を授業に導入して、展開していきたい。 8 参考文献 (1) ロボコンマガジン2015年5月号(株式会社オーム社) (2) 電子工作マガジン2013年(電波新聞社) (3) TWE-Liteではじめるカンタン電子工作(工学社)