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木もちいいかたち
木もちいいかたち 2014 年 5 月号 発行・編集:(株)井藤工務店 ~“にっさん”お披露目~ お披露目にむけて、4 月20日に揚げる練習をしました。 はじめて現場で組み揚げられた高さ 8 メートル強、一番 上の木の幅は6.3メートルもある“にっさん”。横に寝かせ てある状態とは違い、上に起きあがってくると、それはそれ はなかなかの迫力で、ぐぅーんと空に迫っていく瞬間、僕は 圧倒されました。 そして、いよいよ4月26日(土)。お天道様も味方した からっと晴れたお披露目日和。井藤工務店スタッフも総 出でお祝いの場にいきました。仁色村の方々が力を合わ せて揚げた“にっさん”は、すっきりとした空の青にとても映 えていました。その後、甲八幡宮の宮司さんが来られ、入 魂式を行いました。実際に屋台も出し(屋台のてっぺんに ある擬宝珠―ぎぼし―はついていませんが)、お祭りを想 定して、“にっさん”をくぐってみました。 今 年の秋祭りまでその姿はお預けです。秋祭り、またご 覧いただければ嬉しいで す。 -進行中をお知らせします- ●A 様邸(船津) キッチンの入れ替えをしました。淡いピンク色の可愛らしいキッチンです。 (右写真→) ●I 様邸(御立) 内装を仕上げています。 主に床や天井に無垢の桜や杉の板をはる作業を進めています。 (外観→) 外部の下地作業の途中段階です。下地が 完成すると、モルタル(セメントと砂を 混ぜたもの)を塗り、その上に塗装で仕 上げをしていく予定です。外部仕上げの 素材も様々で、長所短所もそれぞれにあ ります。塗装仕上げの良さは、職人が塗 って仕上げることで、コーキング(継ぎ 目)がないので、一枚の平面がすっきり みえるところにあります。また、モルタ ルの精度もあがり、技術も向上したこと で、割れたりヒビが入ったりすることが グッと少なくなり、よりスッキリした仕 上がりを提供できるようになりました。 【ドアをつける石川君→ 】 石川君が、ドア枠を設置しているところです。 垂直にピシッとはまるよう、上下を確認しなが ら作業しています。 ●N様邸(姫路市) 外部を仕上げています。主に焼板をはったり、左官仕上げをする部分の下地を行っています。 ●N様邸(福崎) 母屋のサッシ・焼板の張り替えを行っています。古い焼板を取り外し、下地をしな おし、その上から新しい焼板をはり替えています。年月が経ったお家では、下地と なる部分に、木のもつ癖がでてくるものです。その為、焼板をピシッと合わせる為に は、下地のしなおしが、より重要となります。 【焼板を削る親方 → 】 新しい焼板をきっちりはり合わせていくため、 丁寧に削り、調整しています。 1 ひめじクラフト・アートフェア 嫁さんの大学時代の先輩の陶芸作家:野村直城さん が、(のむら なおき:兵庫県佐用町で活動中)【野村直 城 ArtWorks*TRACTORS STUDIO トラクターズスタジ オ:www.tractorsstudio.com/】面白いよ~と教えてくれ たことがこのフェア―を知るきっかけとなりました。 ご縁のある銀細工作家:三輪周太郎さん(みわ しゅう たろう:兵庫県姫路市)【カタチの影― 三輪周太郎-: babesintoyland.jimdo.com/】は、毎年参加されています。 それ以降、毎年覗きにいっています。 このフェア―は、毎年 5 月に姫路シロトピア記念公園 (姫路城北側)で開催されています。今年は、5 月 10 日 (土)、11 日(日)に開催されました。4 月号で皆様にもお知らせしたかったのに、フェア―を知るのが遅くな ってしまい、今月事後報告…。(来年度は、早い目に日程を載せたいです。)146 組(今年)の作家さんに よる展示販売やワークショップが開かれ、色んな世代の個性豊かなクラフト・アート作家さんとの交流を通 し、手仕事の温かみにふれられるイベントとなっています。作り手の方と会話しながら、作品に触れるとても 充実した時間。ちょっとした地元の味を楽しめる食のコーナーもあります。気に入った作品があれば、我が 家へ仲間入りしています。今年も賑わっていました(*^_^*) 想いをこめて作られている作品たち。作り手を応援できるこの企画。とても素敵だと思います。このような イベントは、倉敷や丹波のほうでも開催されているのに足を運んだことがありますが、本当に楽しいです。い ろんな人やモノに触れ、良い刺激をもらいます。 はりま住宅本の取材をうけました 6 月に発刊されるはりま住宅本【SUNLIFE 発行】の取材を受 けました。今回は、3 月にお引き渡しをさせていただいた Y 様邸 (東阿保)のお宅が掲載されます。また、本屋さんでお見かけの 際は、ご覧いただけると嬉しいです。 久々にお伺いした Y 様邸は、家具も入り、引き渡し時は、空っ ぽの箱(家)だったのに、本当に人が住むと箱が家になりますね ☆無機質な空気ではなく、家庭の温かみに溢れるやさしい空気 が流れていました。子どもさんもまた一つ大きくなられていました。 久々にお会いして、色々と話ができてよかったです。 施工前に色々悩み、間取りも自分たちの生活動線をたどり推 敲し、考えに考えて家は建てられていくわけですが、いざ住んでみてわかること、こうしたほうがよかったなと か、ああしてもよかったなとか、思うことも多々出てくると思います。また、生活の変化で気付いたことがでて きたら、お気軽にご相談ください。また、メンテナンス等も気になることがでてきたら連絡くださいね。 加えて…僕たちがお伺いした際には良い面も改善面も是非お話しください。僕たちはお客様の声に耳 を傾ける事が一番だと思っておりますので、宜しくお願いします<(_ _)> あきひんなぁ… なかなか暑い日が増えてきました。我が家では水遊びを解禁したようです。い つも遊ぶ友だちと一緒に水や泥でひたすらに遊び、思いっきり寝ています。この 田植の季節は溝に水が豊富に溢れています。その水を嫁がひたすらに汲み、 遊ばせているようです。(水道を使っていると、水道代が気になりますしね…笑) 写真や動画を帰ってから報告として見せてくれるのですが、嫁は、なかなかの中 腰でじょうろやバケツに水を汲み、子どもたちの「もういっかい」にこたえて、延々 と汲み続けていました(笑)。足腰にきているようで、手足が少々ふるえるわぁ、歳 やわぁ…って言ったりしています。 僕がいつも子どもたちに感心するのは、ただ一心に水を流し続ける、水の入 ったバケツに足を突っ込み、道に足形を つけ続ける。ひたすらに刷毛で絵を描き 続ける。泥をねちょねちょ触り続ける。な んで子どもってこうも同じことをずっと繰り 返すんでしょうか。不思議です。親はあ きるのが早いのに、子どもは、どこかしら に面白みをみつけて、繰り返し続ける…面白い存在です。そんな に水が流れるのが面白いのか。そんなに塗りつぶすのが面白いの か、そんなに、ものを投げ続けたいのか…。僕も絶対おんなじよう にして育ってきたはずなのに、忘れてしまったこの感覚。なんだかす こし残念です。 2 井藤 K O U M U 10(ten)に聞きました。 我が家の嫁や娘は、天気がいい日は、お弁当を持って外で昼食をとっているようです。5月は本当に気 持のいい季節です。スーパーでも行楽といった文字をよく見かけます。また、学校では、入学式、始業式 から一カ月たち学校生活にも慣れてきた頃ですね。学校でのはじめての遠足があるのもこの季節。遠足 にはお弁当!ですが、それよりも子どもたちの心が躍るのが『お・か・し!』です。子どもたちは、おかしを学 校にもっていける特別な日とあって、テンションは上がりっぱなしです。僕も子どもの頃、遠足の前日は近く の駄菓子屋にお金を握りしめて行き、「どれを買おうか…どこまで買えるか…」と必死で悩んだものです。 いつもは、混んでいない駄菓子屋がやたらめったらにごったかえす日。みなさんも記憶にあるのでは (*^_^*) そこで、工務店(KOUMU10)メンバーに聞いてみました。 「遠足のおやつ 300 円」に必ず入れたいお菓子はなんですか? ―ダイヤル式電話世代― いとう 駄菓子屋にお菓子を買いに行った記 憶はあるが、遠足のお菓子を買いに行 った記憶はない…。好きだった駄菓子 は、サイコロ状の箱の中に丸い球状の ガムが入っていて、それに棒をさし て、中のガムをとるシステムのガム! ガムの色によって、あたり・はずれが あったんだけど、それをなんていうか 覚えてないんです^_^; しかも、イメージがわきにくいいです よね…ごめんなさぁいーーー (>_<)!! 遠足のお菓子…。記憶にぜんぜ ん無いなぁ…。ミルクキャラメ ルがものすごく美味しかった 記憶はあるけどなぁ。 そうそう、サンリツパン(カン パン)も食べたなぁ。牛乳と一 緒に食べたら、うまかったよ。 まさとみ 遠足はいった けど、お菓子 のことは全く 記憶にないの よ。オホホ。 いとう ようこ どろ さちこ ―プッシュホン世代― みかん、ガム。 うまい棒 ヨーグル 5 円チョコ よっちゃんイ カ いとう よっちゃん イカ よしき やました しんすけ ―ポケベル世代― ―ケイタイ世代― ミニコーラー わたぱち いとう いしかわ るい 10 円ぐらいのこんにゃくゼ リー ポテトフライ かつひと どろ さなえ ちなみに…goo ランキングも紹介します。皆さんのおやつはランキングに入っていますか?最近のランキングだ から、僕のランキングとはやっぱりちょっと違っていました。歳ですね…(笑)世代で違いがでてきそうですね。 1位 2位 3位 4位 5位 ポッキー うまい棒 じゃがりこ ベビースターラーメン チロルチョコ 6位 7位 8位 9位 10 位 3 かっぱえびせん サッポロポテト 都こんぶ ヨーグレット・ハイレモン おにぎりせんべい さ○ な○ の○ 小○ 部○ 屋 ○ ゜.・風・.゜ 今月より、“さなの小部屋”と題した泥早菜絵のコーナ ーを始めます。泥早菜絵の視点から色んなことを発 信していけたらなと思っています。 宜しくお願いします☆ 先月、京都にお花見に行ってきました。 “哲学の道”が有名!という事で、なんの計画性も無く、そこをめざしてバスで出発 しました。着いて桜並木を歩いていると、かわいい文字で描かれた“風”の文字が・・・ つられてお店にはいると、シャボン玉のようなものが、店内いっぱいにぶらさがってい ました。 ここは、“絹てまり”と言って絹糸を網目状に巻いた球の中に、人形を入れ込み、 ひとつひとつ丁寧に手作っているお店だそうです。 ミニオブジェやしおり、焼き物など、京都らし い和風でかわいいものがたくさん並んでました♪ 玄関先に飾ったりなんかすると可愛いなと思いま した♪ふらっと立ち寄った所がすてきなところだと、 得した気分になりますよね(^^) いきあたりばったりもいいもんです* まちがいなく、親ばか 父ちゃんになってから二度目の潮干狩りに行ってきました。昨年よりも長女は海を楽しんでいました。ヤド カリやカニに夢中になり生き物と触れ合っていましたが、 今年はじめて海に上陸した次女は、(昨年は、母 ちゃんの背中で過ごした海の時間だったので…苦笑)どう楽しんでいいいのかわからないかんじで砂浜でホ ゲーっと海を眺めながら鼻水を出していました。そんな次女にお姉ちゃんからの贈り物。みつけたヒトデの プレゼント♪いきなり渡されたもののわけのわからない触感と見た目。不思議な海のお星様を前に、「お 主は、何者じゃ?!」と、眉間にしわをよせて無言のがん飛ばし(笑)。喜ぶ姿を期待していただろうにそれ に反する妹の反応にあっさりその場を後にする長女。帽子をいやがる次女の頭皮は夏を前にし、すでに真 黒!そこにきて、首にタオル!!。そして、鼻水!!!まちがいなく僕の子です(笑)。なんだかそのたた ずまいが可愛すぎます^m^親ばかですね(笑) しかし、潮干狩り。ゴールデンウィーク後に行ったのですが、すごい混み方で、あさりやハマグリは、僕たち が行った昼頃には、取り忘れられたものを拾うような貝拾いになっていました。僕は 今年はマテ貝ねらい。じ ょうれんも塩もしっかり用意し、たっぷり獲って帰りました。満足満足♪そして、塩抜きした次の日の我が家 の食卓は、マテガイの調理法が違うだけのマテガイづくし。嫁さんには悪いけれど、やっぱり、なんでも適量 がいいです(笑) 勝仁法師の徒然草―府中編- 4月末に嫁さんの幼なじみの住んでいる広島県府中市に家族で遊びに行きました。広島といえば遠い 気がしましたが、休憩無しの運転で 2.5 時間。思ったより遠く感じませんでした。僕は、初めて府中市を訪れ ましたが、ゆったりした町でとても気持ちの良い時間を過ごせました。この府中をとっても紹介したくて、今回 はしっかりコーナーをとって書かせて頂きます。 ① 今から楽しみ 【オオムラサキ →】 みなさん府中市はご存知でしたか?僕はお恥ずか しながら全く知りませんでした。府中市には、国蝶であ るオオムラサキが有名です。といっても、僕は全く知ら なかったんですが…。この蝶はオオムラサキの里という 場所で卵から育てられ、初夏に放蝶されるそうです。 また、三郎の滝というなかなか味わい深い名前のついている滝がお家の近くにあ りました。聞きますと、夏にこの滝で天然の滝すべりができるそうです。暑い夏は近 所の子供たちがこぞって滑りまくっているそうです。2歳ぐらいの子どもも浮き輪を つければできるんじゃないかなと言っていました。一郎、次郎、三郎とコースも 色々とあるそうで幅広く楽しめるそうです。また、初夏に家族こぞってお邪魔しに いくのが今からものすごく楽しみです。 【 三郎の滝 →】 夏の模様です♪楽しそうです♪ 4 ② お友だちの力 子どもの力とはすごいものです。嫁さんが4月中旬から長女のトイレトレーニングをはじめ、気が向いた 時に、『トイレに行こう。トイレに行こう』と、連れて行こうとしていましたが、全力で嫌がっていました。また、気 を上手くのせてトイレに行ったとしても全く用をたすことはできませんでした。開始してから2週間、用をたせた のは1回ぽっきり。なのに、この 2 日間で劇的に変化!!彼女を変化させたのは、嫁さんの幼馴染のお子 さん!今年5歳になる男の子です。お兄ちゃんが、「トイレ行ってくるけん!」と言えばついて行き、用をたす のを凝視。その後、自分もしたいと進んでトイレに座る。すると、出ちゃうんです!!また、お兄ちゃんが「シッ コがでる!」と道で言えば、お兄ちゃんと共に道端に隠れ、再び用をたすのを凝視。その後、お兄ちゃんと 同じく立ったまま用をたす。車内で「トイレ!」と叫べば、娘も「トイレ!」と叫び近くにコンビニのトイレについ て入ります。あんなに親が言っても行きたがらなかったトイレに進んで行けるようになり、用もたせるようになり ました。この 2 日間でお姉ちゃんの方はおむつがとれそうなところまでトイレトレーニングが進みました。本当 にお兄ちゃんに感謝です。 また、家に帰ってきた今でも、行きたがらないときは「お兄ちゃん、トイレにいるかなぁ?」と言えば、トイレ にすんなり足を運び、お兄ちゃんを探しにいきます。我が家のトイレには、お兄ちゃんが住んでいます。子ども のこういった心持ちと感性って新鮮で愛おしいです。 ③ お好み焼き 広島と言えば、広島焼き。うすい生地にたっぷりのキャベツとソバが 印象的なお好み焼きですね。ここ府中の広島焼は『府中焼き』といっ て、B1 グルメにも名前の挙がっている御当地グルメです。特徴は、豚バ ラ肉の代わりにミンチ肉がはいっているところです。お勧めのお店にお昼 を食べに行きました。お財布に優しい価格設定で、 すごいボリュー ム!!(右写真→)2 枚頼み、一枚半食べて、残りは持ち帰りました。 とっても美味しかったです! ④ 府中ノアンテナ http://fuchu-antenna.jp/ インターネットで是非一度『府中ノアンテ ナ』と検索してみてください!!昨年お伝 えした鳥取県智頭町の地域の取り組みも 素敵でしたが、ここ府中でも、木(府中の産 業)に関する面白いイベントや地元の人た ちを繋げるネットワークをつくり、地元を活気 づけていこう!・府中という土地のファンを増 やしていこう!と僕と同世代の人たちが中 心となって活動していらっしゃいます!! とても熱く、とても面白いです!!ぜひ皆 様も注目してください!僕も、一個人として、 井藤工務店として、いろんな人とつながって いきたいです。 5 【旧平地呉服店】 府中のアンテナの活動場所の一つである『旧平地呉服 店』にもお邪魔しました。以前は、呉服屋さんだった場 所ですが、現在は、地域の方々の交流拠点として、様々 なイベントをする場となっています。 商店街の角地に建っていて、なかなかレトロで素敵な建 物でした。みんなの手を加え少しずつ修理をしたり、建物 をみんなで守っていこうとしていらっしゃいます。僕たちは、 夜に伺ったため、写真が暗いので、HP(ホームページ) から日中の様子もおかりしました。 ↓ 2 階 】 ⑤ 【 ↑ 建 物 正 面 暮らしの音・のこと 府中に伺う話を両親に話すと、「府中家具いうて、家具が有名 なんやでっ」て言っていました。府中は、林業が盛んな場所というこ ともあって、家具づくりも有名で、両親がいうとおり『府中家具』とい う大変ブランド力のある名前となっています。 そんな家具の町ここ府中で、僕は、友だち家族の繋がりから、と ても素敵なお店とお店のご主人に 【入り口 と 店内風景 】 出会うことができました。 お店の名は 暮らしの音-のとこ- 若葉家具さんが、開かれた お店です。DM も素敵で、(←1 番左端)、素敵な言葉がそえ てあります。入口や店内もかわ いらしく、子供たちの遊ぶスペー スもしっかりあって、子連れの方 も落ち着いて、素敵なモノに出 会える場所をつくっていらっしゃ いました。 6 店主:井上 隆雄さんと、「はじめまして…」とたわいもない話から始まり、気付けば2時間。井上さんの話 にみっちりのめり込んでしまいました。子供たちや女性陣は、近くでザリガニをみつけたり、かくれんぼをしたり してくれていました。長い間すんませんでした(笑)しかしながら、時間が経つのを忘れるぐらい、興味深く、大 変面白いお話で、井上さんの家具にかける熱い想い・信念に、すっかり僕はファンになってしまいました。 昔から、家具・仏壇を作っていらっしゃる伝統や技術のある若葉家具さん。しかしながら、近年大型家 具店がでてきて、御自身の家具に対しての考え方を色々と模索するようになったそうです。『家具×生活 雑貨=暮らし』という主軸のお店で、何気ない毎日の生活に寄り添える、みんなが集まる場所でありたい …といった想いで 10 年がかりでたちあげられたその形が、この『のとこ』というお店です。家具のショールー ムも兼ねたこの店内は、インテリアの設計・内装を小泉誠さん(こいずみ まこと)が一部手掛けられてい ます。 素敵な暮らしのモノたちが店内のいたるところに「ぼくはここにいます」と存在感たっぷりにいらっしゃいま す。暮らしに根ざす生活雑貨は、日本の技術や産業・作家さんを応援するようなもの・手に取る人の安心 安全を考えたものを多くセレクトされているように感じました。そして、そういった生活雑貨より後ろにありなが らも思わず店内に足を踏み入れたとたん、まず奥に目をやってしまうような素敵な家具たちが遠近感なし に、しっかり前面に顔をのぞかせています。 それもそのはず、昔以上にもっともっとお客様との会話を大切にし、お客様の想いに寄り添った素敵な モノ(家具)づくりを一緒にしたいという熱いハートの上につくられている家具たちだからです。主張がはっ きりしているのは、当たり前だなと、井上さんのお話を聞いて自分の感性と合致しました。 家具屋さんである井上さんは、家にあった家具を選択するという視点ではなく、「家具にあった家づくり の提案を家づくりの段階から家具屋さんからも発信していきたい」とおっしゃっていました。お気に入りの家 具がより活きる部屋の広さや雰囲気を逆発信していきたいということなのです。実際にそういったカタチで、 地場の工務店さんとタイアップして家づくり・家具作りもされているようです。家具を末永く味わって使ってほ しいと願う井上さんの家具愛は情熱にあふれていました。 僕は、家という枠組みをつくる設計者です。僕が設計する際に一番大切にしていて心掛けていることは、 『お客様の生活導線や生活スタイルをしっかり聞く』ということです。そこを設計の核にして、僕は間取りを 組んでいきます。できるだけお客様の好みを把握して、お客様になりきって、お客様の生活を設計に現すこ とを意識して日々仕事をしています。お客様によっては、思い入れのある家具(代々受け継いでいるふみ 机やとっても気に入って購入した机や椅子、婚礼ダンスなど…)をお持ちの方もいらっしゃって、そういった 場合は家具の入る大きさや家具を実際に置いた時の動線や雰囲気も設計時に加味しながら打合せを 進めています。 多くは、おうちが建ってから、おうちにあった家具のサイズや色などを見ながら選択し、家具を配置する スタイルになると思うんです。僕自身も、家具を見るのは好きだし、家具の存在も重要だとは思っていまし たが、枠組みの次にくる存在として捉えていました。しかし、この“家具からの発信”“家具からも発信“という 家具主体の発想を加えることで、また違った設計や提案ができる可能性があるなと思いました。家には部 屋があっても住み心地がよくなるわけではありません。そこには、必ず、机やイスなどの家具があり、日々の 生活を潤い、彩ってくれているからです。だからこそ、お客さまにとってのオンリーワンの家づくりを叶えるうえ でとても意味があるなと思いました。また、そういった潤いや彩りを考えることを楽しいと思う人は多いと思い ます。より、わくわくして家づくりができる・出来上がりがより楽しみになる…本当に素敵です。 出会いは、宝です。色んな考えを持つヒトと色んな考えを交流させることは新しい風を与えてくれますね。 ヒトとの出会いはヒトを大きくしてくれます。 『のとこ』の店内で気になったキッチンを一つ紹介したいと思います。 7 僕たちが、普段取り付けているキッチンは I 型、L 型、コの字型 が主流です。それがこのキッチンは料理するところと机で 30 度ぐらいに折れ曲がっています。この折れ曲がっている角度は 自由自在な角度に調節できるみたいです。部屋の模様替 え・配置換えは聞いたことがありますがキッチンの模様替えは 斬新だなと思いなした。 僕もこれから家具についてもたくさん勉強していきたいなと 思いました。みなさんは、このキッチンを置くならなら、どんなダ イニングリビングをイメージされますか?高さや広さはどうで すか?壁や床はどんな仕様にしたいですか? …と、ここまで自分の言葉で熱くつらつらと語ってしまいましたが、『のとこ』さん・『若葉家具』さんのホー ムページにはもっとわかりやすく載っています。が、HP と同じことを書いても仕方ないので、僕が井上さんと 話をした中で感じた息づかいをお伝えしたくて、こんな書きっぷりになりました。 今月号たくさんお読みいただ いてしまいました(笑)最後まで読んでいただきありがとうございました。 よかったら、ぜひぜひ一度、HP(ホームページ)をご覧ください。 ☆のとこ http://notoco.jp/ ☆若葉家具 http://wakabakagu.com/ ☆小泉 http://www.koizumi-studio.jp/ 誠 府中に注目してみてください。 8