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2015年3月24日発行 第442号 2015 平成 27年指針 3 1 選択的創造 [今月のひとこと] 無限の欲 ・今年も毘沙門天大祭・だるま市へ ・MVP 獲得が確実に ~丸 久~ ・保険料率が改定されます ・マイナンバー豆知識② 吉田のうどん&うどんぶりちゃん(富士吉田市・レーダードーム館) (2952) 写真提供:富士吉田市(富士山課) 今月のひとこと 無限の欲 社 長 渡 辺 直 企 先日テレビの番組で、世界一貧乏な大統領が退任したとの報道がありました。ウルグアイ大統領のホ セ・ムヒカ大統領のことです。ホセ・ムヒカ大統領は 2012 年リオ会議(環境の未来を決める会議)での スピーチが有名です。 ――私たちが間違いなくこの無限の消費と発展を求める社会を作って来たのです。 <中略> 人類 がこの消費社会にコントロールされているのです。私たちは発展するために生まれてきているわけ ではありません。幸せになるためにこの地球にやってきたのです。人生は短いし、すぐ目の前を過 ぎてしまいます。命よりも高価なものは存在しません。 ハイパー消費が世界を壊しているのにも関わらず、高価な商品やライフスタイルのために人生を 放り出しているのです。 <中略> 昔の賢明な方々、セネカやアイマラ民族までこんなことを言 っています。 「貧乏なひととは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくら あっても満足しない人のことだ」―― このように彼は経済が消費に大きく依存するハイパー消費社会に対して非常に危機感を持っていま す。我々はどうかと振り返ってみます。国連の 2013 年度統計では日本の一人あたりの GDP は 3 万 9 千ドルです。世界の平均が約 1 万ドルですので、平均から見ると 4 倍の付加価値を生み出していること になります。世界の人々の潜在能力はみな同じでも、教育や経済、政治など環境による差があります。 グローバル化の進展によりこれらの差が無くなりつつあります。仮にグローバル化が進み世界中同じ条 件になると、4 分の 1 は極端にしても我々の付加価値が大きく下がると想像できます。現在厳しい経済 環境ですが、世界と比べても、昔の日本と比べても非常に恵まれていると認識しなければなりません。 ハイパー経済と無限の欲に注意が必要なのは我々かもしれません。 我々は日々周りと比べ、あれもこれも人並みなら手に入ると思いがちです。しかし、人並みを平均以 上として、10 個の要素(例えば身長、成績、運動能力など)すべてを人並み以上になる確率を計算する と (1/2)10=1/1024 となります。つまり 10 個の要素が皆人並み以上となるのは約 1000 人に1人の割合 となります。人並みになるのも容易ではありません。そのように考えた場合、身長、容姿、学力、性格、 体力、器用さ、健康、家族、センス、収入など色々要素はありますが、10 のうち 2 が恵まれていて、2 が人並み、残りの 6 は人並み以下くらいが妥当な線ではないのでしょうか? 学力であれば偏差値の 41 ~59、50m 走(中学生)の 7.3~8.7 秒が中位 60%に該当します。回りを気にして手当たり次第欲しが るのではなく、自分の置かれている状況を正しく認識することで不相応な欲に振り回されず、着実な発 展が可能になるのだと思います。 ホセ・ムヒカ大統領のスピーチに戻ります。スピーチの結びで ――私の同志である労働者たちは、8 時間労働を成立させるために戦いました。そして今では 6 時 間労働を獲得した人もいます。しかしながら、6 時間労働になった人たちは別の仕事もしており、 結局は以前よりも長時間働いています。なぜか? バイク、車などのリボ払いやローンを支払わな いといけないのです。毎月 2 倍働きローンを払っていたら、いつの間にか私のような老人になって いるのです。私と同じく、幸福な人生が目の前を一瞬で過ぎてしまいます。 <中略> 発展は人 類に幸福をもたらすものでなくてはなりません。愛情や人間関係、子どもを育てること、友達を持 つこと、そして必要最低限のものを持つこと。これらをもたらすべきなのです。―― と言っています。彼は大統領になる前から労働者の権利獲得のために命がけで戦ってきました。目先 の欲に振り回されるのではなく、自分にとって大切なこととは何か見直してみてはいかがでしょうか? (2953) 今年も毘沙門天大祭・だるま市へ 会社創業時から毎年渡辺努会長が富士市の妙法寺に自ら出 向き、縁起物のだるまを本社と各事業所に飾ってきました。 今年も2月27日に訪れ、すでに片方に目の入っただるまが 本社と八王子、三鷹、富士吉田の事業所に置かれています。 妙法寺は「毘沙門さん」の名で親しまれていて、だるま市 は群馬県の高崎、東京の深大寺とともに「日本三大だるま市」 乾杯 として知られています。この「毘沙門天大祭 だるま市」には、 毎年全国各地から大勢の来場者が押し寄せ、その数は50万 人に及ぶと言われています、 だるまに目を入れる渡辺努会長 マ 識② 知識 豆知 ー豆 バー ンバ ナン イナ マイ ○『MVP』獲得が確実に! ~ 丸 久 ~ マイナンバーはいつわかるの? 2014年度の『MVP』獲得が、丸久の見込 平成27年10月から住民票のあるすべての み集計でほぼ確実になりました。これも「保険獲 国民に一人一つの番号が通知されます。番号は 得キャンペーン」で富士情報グループ各職場の皆 12ケタで、市区町村から住民票の住所にマイ さんに多大なご協力をいただいたおかげです。 ナンバーの通知カードが送られます。そのため 引き続き来年度も丸久への深いご理解と、一層 現在住民票の住所と異なるところにお住いの方 は注意が必要です。 のご協力をお願いいたします。 マイナンバーは一生使うもので、番号が漏え ○保険料率が改定されます いしたり、不正に使われるおそれがある場合を 平成27年度の協会けんぽの健康保険料率と 除き一生変更されません。 介護保険料率が例年より1ヵ月遅れで4月分か ら改定されます。 今月の表紙 ~吉田のうどん~ 都道府県ごとの健康保険料率は支部別に「引き 富士吉田と言えば“うどん”。人口 5 万人の富士吉 上げ」 「据え置き」 「引き下げ」の改定になり、山 田市には 60 軒以上のうどん店があり、町を歩くとあ 梨支部は下記のように改定されます。 ちこちで「吉田のうどん」ののぼりが目につきます。 昭和の初期、織物業が隆盛を極めていたころ、はた おり機械を動かしている女性に手間をかけさせないよ 山梨支部保険料率 うに、男性がうどんをつくるようになり、力任せにう 健康保険料率 現行 9.94% ➡ どんを練り、腹持ちをよくするために歯ごたえのある 改定 9.96% うどんにしたと言われています。 介護保険料率 現行 1.72% 自宅の居間などを開放してうどん店を始める人があ ➡ 改定 1.58% らわれ、その名残がのれんや看板のない民家でうどん ・40歳から64歳までの方(介護保険第2号被保険者) を食べさせる吉田のうどんの特色のひとつになってい て、その多くがお昼のみの営業となっています。 は、健康保険料率に介護保険料率が加わります。 ・賞与については支給日が4月1日分からとなります 「うどんぶりちゃん」は吉田のうどんの PR キャラク ターとして2008年に誕生しました。 (2954) 私の趣味 No.426 箱根駅伝 渡 辺 儀 春 箱根駅伝に魅せられて、もう何年になるだろう。正月の風物詩と して知って以来、ずっとその虜になっている。アスリートへの憧憬 とレースへの情熱は募る一方で、むしろ年齢を重ねるにつれ惹きつ けられるものがある。若い選手が各々の大学の看板を背負い、仲間 の襷を繋いでいく。そのプレッシャーたるや凄まじい筈だ。社会の 荒波に揉まれ、未来のため、家族のために戦ったことのある者なら ば、彼らの力走に感情移入せずにはいられない。苦しくても前進 をやめるわけにいかない状況も人生そのものだ。ランナーは人生を背負い、美しい汗と涙をほとばしら せる。私にはそれが眩しくて、堪らなく好きなのだ。 と、そんなわけで我が家の正月行事は箱根駅伝の生観戦。まる で自分の趣味を家長の権限で押し付けているような恰好だが、こ れにはちゃんと理由がある。駅伝は子供たちの情操教育に良いと 思うのだ。 初めて家族4人で応援に行ったのは5年前の1月3日。車で富 士吉田の自宅から復路ゴールの大手町へ。その距離110キロ。 奇しくも復路のスタート地点芦ノ湖からの距離と同じ。こんな偶 然ひとつでも私はワクワクが止まらない……だのに、妻と娘が観戦したのは最初の1年だけ。以来4年 間は小学5年の息子と2人で応援している。 寒い中、長時間待ち続けるのが辛いのだろう。息子の本心も分からない。しかし、私は思う。大人に なって分かる駅伝の味もあるが、必死に走っている男の汗や苦悶の表情を子供のうちに目撃することは、 言葉で説明できない努力のリアリティを体感することになるのではないか。また、選手たちが見せる嬉 し涙や悔し涙など、男たちの生の喜怒哀楽を見ることで、感受性の豊かな思い遣りのある心が養われる のではないか。これが、私が駅伝を教育と位置づける理由である。それにもうひとつ、目の前を走るラ ンナーに息子のたくましい未来を重ね合わせると、ひとつ夢が増えた気がして嬉しくなるのだ。 たくましさといえば、職業柄多くの経営者の方々とご縁をいただく。どなたも実にたくましきランナ ーだ。企業経営は永遠のマラソンランナーと言われる。ゴールはなく、立ち止まることは許されない。 生き馬の目を抜く競争社会。僅かに気を許せば追い抜かれ、たちまち敗者に。多くの経営者が疲れ切っ た顔を浮かべ、常に不安に苛まれている。 しかし私は、経営者はマラソンランナーである必要はないと思う。駅伝ランナーになればいい。自分 の現役という区間を全力で走り、経営理念という襷を次世代に繋げていけば、企業は永遠に走り続けら れる。良きランナーは、次世代に己の汗と涙の輝きを示し、走り続けることの苦しさと同時に喜びも伝 えられれば良いのだ。 ……と、このように経営すらランナーに例えるあたり、私の駅伝への愛着は、我ながら果てしがない。 息子がいつまで一緒に観戦してくれるか分からないが、かつての私と同じように息子の中にも感動する 心が育まれるきっかけになればと思い、沿道に立ち続ける所存である。 (渡辺儀春税理士事務所 所長) (2955)