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財務書類について

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財務書類について
1
財務書類とは?
‹役所の決算についてわかりやすく説明するため、企業会計的な考え方を取り
入れた「財務書類」を作成し、公表しています。
‹ 財務書類は、以下の4つの書類で市の財政状況を明らかにします。
①貸借対照表
市が持っている資産
や負債などのストッ
クの状況を表します。
②行政コスト
計算書
どの事業に「いくら
コストをかけ」「そ
の財源が何か」がわ
かります。
③純資産変動
計算書
①貸借対照表の純
資産が1年間で
「なぜ」変動した
かがわかります。
企業会計的な考え方を取り入れて作成した書類です。
④資金収支
計算書
お金を
・どうやって集め
・何に使ったか
がわかります。
これまでの市の決算書
に最も近い書類で、現
金の変動を表します。
‹本市では、国の「新地方公会計制度に基づく財務書類」の 2つのモデルのう
ち、「総務省方式改訂モデル」によって作成しています。
2
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財務書類の特徴は?
「新地方公会計制度」の財務書類は、今までの役所の決算書と比べると、企業
会計的な考え方として、次の3つの考え方を取り入れています。
①「減価償却」で建物など資産の「今の」価値を把握できます
建物などの資産は毎年傷んできますので、減価償却費という名前で毎年の傷ん
だ分のお金を支出したことにして、資産の価値を減らします。
減価償却の方法としては、「定率法」「定額法」がありますが、本市が準拠し
ている総務省方式改訂モデルでは「定額法」を採用しています。
②「発生主義」でお金の流れが明らかになります
お金のやり取りの原因となる事実が発生した日を基準にして作成するため、これ
からの支払いや受け取りの予定が決まっているお金の状況なども明らかになります。
③「連結」でオール名古屋市の財政状況も把握できます
財務書類では、福祉、教育など主に税金で実施する一般会計等に加えて、主に
公共料金で運営される水道事業や、市と関係の強い会社(第三セクターなど)の
決算まで一緒に作成した「連結版」も作成しています。
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3
財務書類 其の① 「貸借対照表」とは?
‹ 貸借対照表は、年度末の時点で、市がどのような資産を持ち、その資産をどのような
お金を使って手に入れたかを一覧にした書類です。
‹ 表の左側(借方)の合計と右側(貸方)の合計が等しくなるので、「バランスシー
ト」(BS)ともいいます。
かしかた
かりかた
どのような資産を
持っているのか?
借方
貸方
資産の部
負債の部
1 公共資産
市が持っている道路や
・土地、建物
学校などの「今の価
値」をお金で表します。 ・売却可能資産
2 投資等
・投資及び出資金
・貸付金
3 流動資産
・現金預金
1 固定負債
2 流動負債
純資産の部
1 国・県補助金等
2 一般財源等
資産をどうやって
手にいれたか?
道路や学校をつくるた
めに借りたお金
=将来の世代が負担
市税や地方交付税な
ど
=現在までの世代が
負担
¾ 表の右側(貸方)の負債の部・純資産の部の比率を見ることによって、
市が持っている資産(表の左側)の建設費用について、
「現在までの世代が負担して、すでに支払った割合」
「これからの世代が負担していく割合」 などがわかります。
4
(3/7)
財務書類 其の②「行政コスト計算書」とは?
‹ 行政コスト計算書は、教育や福祉など市民サービスの分野ごとに、①市民サービ
スを提供するために必要だった費用(コスト)と、②その対価としていただいた
使用料などの収入(収益)を一覧にした書類です。
‹ 「行政コスト計算書」のイメージ
環境
①経常行政コスト
人にかかるコスト
物にかかるコスト
移転支出的なコスト
②経常収益(使用料、手数料)
③純経常行政コスト(①-②)
福祉
教育
タテに見ると、市民
サービスの分野ごとに
どんな費用がかかった
かがわかります。
保育料など市民の
皆様が市民サービ
スの対価として負
担したお金
経常収益(②)を経常行政コスト(①)で割ることによって、市民サービス
を利用された人が負担している割合がわかります。
→残りの割合は、主にみなさんの税金(市税)でまかなわれています。
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5
財務書類 其の③「純資産変動計算書」とは?
‹ 純資産変動計算書は、「貸借対照表」の「純資産」の中身が、1年間でどのように
増えたり、減ったりしたかを一覧にした書類です。
‹ 「純資産変動計算書」のイメージ
公共資産等整備
国県補助金等
純資産合計
①期首純資産残高
その年に収入し
た市税、国や県
からの補助金を
加えます。
②一般財源(市税など)
③補助金等受け入れ
行政コスト計算
書で出した純経
常行政コストを
引きます。
④純経常行政コスト
⑤期末純資産残高
公共資産等整備
一般財源等
道路、学校な
どを国と県か
らの補助金で
つくった場合
に増えます
道路、学校な
どを市税など
でつくった場
合に増えます
(①+②+③-④)
「貸借対照表」の「純資産」の合計金額と一致します。
「期末」純資産残高が「期首」純資産残高より少ない場合は、市の実質的な
財産(=現在までの世代が負担して形成してきた資産)が減っています。
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財務書類 其の④「資金収支計算書」とは?
‹ 資金収支計算書は、1年間のお金の出入りを、①市民サービス、②公共施設の整備、
③市債の返済など財務のやりくり、の3つの分野で一覧にした書類です。
‹ 「資金収支計算書」のイメージ
1年前の貸借対照表(資産の
部)に計上した「現金預金」の
うち、歳計現金の額
期首歳計現金残高
ア
<主な項目>
収入
支出
①経常的収支の部
‹市税
‹使用料・
手数料
‹職員の給料
‹社会保障給付
道路や学校などをつくるための
お金の出入り
②公共資産整備収支の部
‹国・県から
の補助金
‹市債収入
‹公共資産の
整備
借り入れ、市債の返済やお金の
積み立てなどについてのお金の
出入り
③投資・財務的収支の部
‹貸付金回収額
‹資産売却収入
‹貸付金
‹市債の返済
福祉など市民サービスについて
のお金の出入り
当該年度中の現金の増減
年度末の現金の残高
当年度歳計現金増減額
(①~③の計)イ
期末歳計現金残高(ア+イ)
貸借対照表「資産の部」
の「現金預金」のうち、
歳計現金と一致
「期首」歳計現金残高がどのような原因で増減したかがわかります。
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7
財務書類それぞれの関係は?
‹ 財務書類は以上の4書類で財政状況を明らかにしますが、各表は、以下のような関連で
つながっています。
①貸借対照表
②行政コスト計算書
経常行政コスト
期首歳計現金残高
+
経常的収支
資産の増加・減少
公共資産整備収支
+
C
+
純経常行政コスト
= 期末純資産残高
投資・財務的収支
=
b
a
期首純資産残高
-
純資産
純経常行政
コスト
④資金収支計算書
+
歳計
現金
経常収益
=
資産
-
負債
③純資産変動計算書
期末歳計現金残高
a. 貸借対照表の「資産」のうち、「歳計現金」の金額は、資金収支計算書の「期末
歳計現金残高」に対応します。
b. 貸借対照表の「純資産」の金額は、資産と負債の差額として計算されますが、こ
れは純資産変動計算書の「期末残高」と対応します。
c. 行政コスト計算書の「純経常行政コスト)」の金額は、費用と収益の差額ですが、
これは純資産変動計算書の「純経常行政コスト」に対応します。
(7/7)
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