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おとめ座 - 久万高原町
おとめ座 久万高原天体観測館 ︵ ︶ 0110 の王ハーデスに見初められ、 地獄へとさらわれていってし まいました。季節の女神が泣 き暮らすようになった地上は 一年中が冬となり、動物も人 間も食べるものがなくなって しまいました。そこで大神ゼ ウスがハーデスと交渉し、一 年のうち九か月は地上の母親 座は星占いの十二星座の一つ 寒い冬が終わり、生命あふれ みに暮れる時、地上に冬が やってくる、こうして季節が できたと伝えられています。 過ごし、デーメテールが悲し のそばで暮らせるように取り 計らいました。残りの三か 月、ペルセフォネーが地獄で として有名ですが、夜空にお とめの姿を想像するのは、実 は容易ではありません。スピ ∼季節ができた理由とは? カの他に明るい星が少ない トゥルスです。そしてニ番目 に明るいのが、今回ご紹介す 輝くのが、春の星座で一番明 るい星、うしかい座のアーク いた頃、地上には一年中花が 咲き乱れ、果物がたわわに のとされます。昔デーメテー ルの恵みをいっぱいに受けて ギリシャ神話では、おとめ 座は季節と農業を司る女神 デーメテールの姿を描いたも る春がやってくることを待ち 望んだ昔の人の気持ちが良く 表れた物語ですね。 ることなく終わってしまいま 誕生星座を見つけてみた い!﹂という方は、スピカが いよいよ春本番ですね。地 球温暖化の影響なのでしょう か、今年の冬はほとんど雪も 降らず、冬らしい寒さを感じ この時期の夜空では、西の 空に冬の星座が、東の空には 春の星座が見えています。明 一番下になるような﹁y ﹂の 字を探してみてください。 きっとその大きさに驚かれる るおとめ座の主星、スピカで す。こちらは南東の空、アー 実っていました。ある日、最 愛の娘ペルセフォネーが地獄 ことでしょう。 クトゥルスよりもやや低いと ころに見えています。おとめ 目立つ星があります。まず真 東よりもやや北寄りの中天に るい星の多い冬の星座と比べ ると、春の星座はちょっと地 味ですが、それでもいくつか したが、それでも春を迎える のはうれしいものです。 41 上、非常に大きな星座だから です︵全天八十八星座で二番 目!︶。それでも、﹁自分の ☎ フラムスチード星図に描かれたおとめ座 なんぽう ◆四∼六月の休館日 毎 週 月 曜 日 。三 月 二 十 二 日 ︵ 木 ︶。五 月一日︵ 火 ︶。四 月二十 四 日︵ 火 ︶∼二十 五日︵ 水 ︶は、 展示替えのため臨時休館です。 いたこの屏 風 絵は、水 墨で豪 快 に描いた松の絵で親しまれた石 井 南 放︵一九一二 ∼ 九一︶ の作 で す。 東 京 美 術 学 校 卒 業 後 、新 興 大 和 絵 系の流れをくむ制 作を 行っていた、若い頃に描かれたも のです。 カラフルなやまと絵中心 後に、 の現代の日本画界では主流でな かった墨画に取り組みました。 ︵こちら 水 墨の﹁ 拓 堤 松 林 ﹂ も四曲屏風の大作︶ も並んで展 示 中ですのでくらべてみてくだ さい。︵四月二十二日まで︶ た く て い しょうりん 久万美術館だより き たく ◆周囲も中も花ざかり このところ季節のことを話題 にしにくいような気候ですが、 美 術館の敷地は、 ミツマタ∼モクレン ∼サクラなどなど、 例 年、 この時 期から花ざかりになります。 中でも 数が多いのはミツマタ で、 町外からのお客様には、﹁知っ てはいても、実 物を見る機 会は ないので﹂と、 喜んでいただいてい ます。 館内に展示しているのは、﹁絵 に描いた花 ﹂ですが、作品は﹁ 実 物 ﹂ですので、 じっくり 味 わって みてください。 一方で、﹁むしっても、摘んでも 多し、 春の草 ︵大原其澤・句︶ ﹂ 花だけでなく、雑草も次々と 元 気がよくて、手 を 焼かれてい ます。 もう一つ、芝 生の庭に、砂の小 山のインスタレーションが次々と 出現?制作者、 いや、 犯人はモグ ラです 。地 中 を 自 在に掘 り 進 み、 あちらこちらに土 砂を積み 上げてくれていて、造 形 美のよ うにも見えなくはない⋮とはい え、庭を荒らす 厄 介モノには違 いないのですが・ ・ ・。 さくら ◆松の南放が描いた﹁櫻﹂ 展 ̶示中の作品から ̶ 先月からの展示では、所蔵作 品から、春 を 演 出 する 作 品 を 中心に展示しています。 画面いっぱいに満開の桜を描 石井南放「櫻」1940年着彩・和紙173.0×257.0cm 10 広報 久万高原3月号