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1 安全保障貿易管理に関する経済産業省への意見・要望等 日本貿易会

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1 安全保障貿易管理に関する経済産業省への意見・要望等 日本貿易会
安全保障貿易管理に関する経済産業省への意見・要望等
日 本 貿 易 会 安 全 保 障 貿 易 管 理 委 員 会 で は 、法 令・ 制 度 、該 非 判 定 、資 料 公 表 関 係 な
ど全般的な問題点につき、毎年、経済産業省に意見・要望書を提出している。本年は
平成22年 4 月からの輸出者等遵守基準の施行により、中小企業をはじめ、輸出等を
行 う 者 す べ て に つ い て 、適 切 な 輸 出・技 術 の 提 供 が 求 め ら れ る こ と と な っ た の を 受 け 、
該非判定については事前相談窓口の充実や行政による該非判定サービスの実施、法
令・制度関係については、分かりやすい法体系の実現などを中心に意見書を作成し、
経済産業省 貿易経済協力局貿易管理部 安全保障貿易管理課および安全保障貿易審査
課 宛 に 10 月 2 6 日 付 で 提 出 し た 。
安全保障貿易管理に関する経済産業省への意見・要望等
平 成 22 年 10 月 26 日
社 団 法 人 日 本 貿 易 会
安全保障貿易管理委員会
法令・制度関係
1. 分 か り や す い 法 体 系 等 の 実 現
① 外 為 法 、 政 令 、 省 令 、 通 達 、 告 示 、 お 知 ら せ 、 と い う よ う に 外 為 法 の 48 条 及
び 25 条 を 頂 点 と し て 、 政 令 以 下 ピ ラ ミ ッ ド の よ う に 体 系 化 さ れ て お り 、 そ れ
ぞ れ が ど の よ う に 関 連 し て い る の か 理 解 し づ ら い も の に な っ て い る 。省 令 ・ 通
達・告示の一本化を図るなど簡素化し分かりやすいものにしていただきたい。
② 条 文 の 書 き ぶ り が 難 解 で あ る の で 、規 制 さ れ る 側 に と っ て 分 か り や す い 平 易 な
書 き ぶ り と し て い た だ き た い 。ま た 、規 制 貨 物 ・技 術 仕 様 等 に つ い て も 、規 制
分野に詳しくない人にも解釈の相違などが起こらないよう分かりやすい書き
ぶりにしていただきたい。
(例:貿易外省令
第 9 条第 2 項第五号
除外規定における除外)
③ 国 際 レ ジ ー ム の 合 意 事 項 を 法 令 に 落 と し 込 む に 当 た っ て は 、国 際 レ ジ ー ム の 表
現 を 踏 襲 す る こ と を 原 則 と し 、国 際 レ ジ ー ム 原 文 で 定 義 が 明 確 で な い も の に つ
い て は 、国 際 レ ジ ー ム の 場 に お い て 議 論 を 行 い 、定 義 の 追 加 を 行 う な ど 分 か り
やすい法令の実現に努めてもらいたい。
( 例 1: 輸 出 令 別 表 第 1 の 1 4 の 項 ( 1 1 ) に つ い て は 、 爆 発 物 の 痕 跡 の 定 義
追 加 を お 願 い し た に も 拘 ら ず 、原 文 に 当 該 用 語 に 係 る 記 載 が な い と い う 理 由 で
不 要 と の 回 答 で あ っ た 。)
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( 例 2 : 貨 物 等 省 令 第 3 条 第 二 十 六 号 に 「 電 波 、 音 波 ( 超 音 波 を 含 む 。) 若 し
く は 光 ( 紫 外 線 及 び 赤 外 線 に 限 る 。) の 反 射 若 し く は 放 射 を 減 少 さ せ る ス テ ル
ス 技 術 を 用 い た 材 料 若 し く は 装 置 」 と あ る が 、材 料 、装 置 に つ い て 具 体 的 に ス
ペ ッ ク を 設 定 し て い た だ き た い 。)
④ 告 示 等 が 数 多 く 出 さ れ て い る が 、政 令 及 び 省 令 が 委 譲 す る 告 示 等 が ど れ な の か
分 か り に く い 。 具 体 的 に は 、 政 省 令 の 条 文 を HP に 掲 載 し て 、 告 示 等 に 言 及 す
る 記 述 が あ れ ば そ こ に リ ン ク を 貼 っ て 、当 該 告 示 等 が 現 れ る よ う に し て い た だ
きたい。
2.誓約書
① 輸 出 者 及 び 経 済 産 業 省 の 同 意 な く 、需 要 者 が 当 該 貨 物 を 再 移 転 し た こ と が 判 明
し た 際 、輸 出 者 の 誓 約 書( 需 要 者 等 が 誓 約 書 に 違 反 し た こ と を 知 っ た 場 合 に は 、
直 ち に 、経 済 産 業 省 に 報 告 す る 。)に 則 り 報 告 を 行 う と 、誓 約 違 反 扱 い と な る 。
輸 出 者 と し て は 誓 約 を 履 行 し て い る の で 、再 発 防 止 策 を 含 む 経 緯 書 の 提 出 は 不
要としていただきたい。
② 誓 約 書 の 有 効 期 間 は 、書 類 保 存 期 間 と 同 じ 期 間 と し て い た だ き た い 。現 状 は 貨
物 が 存 在 す る 限 り 無 期 限 と な っ て お り 、輸 出 者 の 管 理 負 担 が 過 度 に 重 い と 言 わ
ざるを得ない。
3.輸出した機器等の据付報告
① 輸 出 許 可 付 帯 条 件 の 一 つ と し て 、機 器 等 の 据 付 報 告 が あ る が 、当 該 据 付 報 告 に
必 要 な 写 真 に つ い て 、「 敷 地 入 り 口 か ら 据 付 場 所 に 至 る ま で の 全 て の 写 真 が 、
連続的に追跡できること」といった過剰な確認方法が求められることがある。
据 付 報 告 に 必 要 な 写 真 は 、据 付 場 所 の 写 真 の み と す る な ど 、本 制 度 の 手 続 き の
緩和もしくは廃止を検討いただきたい。
該非判定関係
1. 製 造 メ ー カ ー に よ る 該 非 判 定 書 の 提 出 に つ い て 、経 済 産 業 省 よ り メ ー カ ー に 対 し て
「 輸 出 者 か ら 要 請 が あ れ ば 該 非 判 定 書 を 提 出 す る 」旨 の 通 達 、お 知 ら せ も し く は 協
力依頼文書を発出していただきたい。
2. 安 全 保 障 輸 出 管 理 の 主 務 官 庁 と し て 、経 済 産 業 省 に は 、該 非 判 定 の オ ー ソ ラ イ ズ が
で き る よ う な 体 制 構 築 の 検 討 を お 願 い し た い 。具 体 的 に は 、米 国 、欧 州( 英 国 、独
国 、オ ラ ン ダ 等 )先 進 諸 国 は も と よ り 、ア ジ ア に お い て も 韓 国 、シ ン ガ ポ ー ル 、香
港等において実施されているような行政による該非判定サービスを実施いただき
たい。
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3. 該 非 判 定 の 事 前 相 談 等
① 該 非 判 定 の 事 前 相 談 に つ い て は 、 企 業 名 等 の 公 表 *及 び 「 条 件 の 規 定 の み で は 貨 物
の 該 当 非 該 当 の 判 断 が 困 難 な 場 合 に 限 る 」 を 削 除 頂 き 、 か つ E-mail 等 に よ る 相 談
及び該非判定結果の連絡ができるような使い勝手のよいものにしていただきたい。
*輸出者の名称、需要者の名称、住所等は「行政機関の保有する情報の公開に関す
る法律」の不開示事由に相当し、公表すべきではないと思われます。
② CISTEC が 配 布 し て い る よ う な 該 非 判 定 を 容 易 に 行 え る よ う な 無 料 の ツ ー ル( 項 目
別対比表、パラメータシート)を充実させていただきたい。
③ 本 年 4 月 よ り 、CITEC(安 全 保 障 貿 易 情 報 セ ン タ ー )に お い て 、輸 出 管 理 相 談 窓 口 と
して中小企業輸出管理支援センター(経済産業省委託事業)が創設されているが、
本窓口において該非判定に係る相談も実施するようにしていただきたい。
資 料 公 表 ・ HP 関 係
1. 安 全 保 障 貿 易 管 理 の ホ ー ム ペ ー ジ を 充 実 し て い た だ き た い 。
① 和 文 H P に 比 較 し て 英 文 H P の コ ン テ ン ツ が 極 め て 少 な い 。従 前 よ り 、コ ン テ ン
ツ の 充 実 を 図 る と の ご 回 答 を い た だ い て い る が 、進 展 が な い と 言 わ ざ る を 得 な い 。
ま た 、サ イ ト マ ッ プ を 付 け る な ど し て 見 や す い ホ ー ム ペ ー ジ に し て い た だ き た い 。
② 輸 出 貿 易 管 理 令 、同 別 表 第 1 、外 国 為 替 令 、同 別 表 、貨 物 等 省 令 等 の 法 令 、及 び 、
そ の 他 の 公 開 資 料 の 英 文 版 を 載 せ て い た だ き た い 。外 国 人 が 日 本 国 内 よ り 、輸 出
を 行 う 又 は 特 定 記 録 媒 体 等 の 持 ち 出 し に 当 た り 、日 本 の 法 令 を 理 解 す る 必 要 が あ
るため。
③ 国 連 制 裁 の 状 況( 国 連 制 裁 国 / 規 制 内 容 、及 び 日 本 の 規 制 内 容 等 )を 明 確 に 把 握
す る こ と が 困 難 で あ る 為 、外 務 省 、財 務 省 、経 済 産 業 省 の 記 載 内 容 を 一 覧 表 な ど
で閲覧できる体系的な情報提供をお願いしたい。
④ 不 正 な 再 移 転 防 止 の た め 、海 外 需 要 者 に 対 し 、
「再移転時の適切な手続きの励行、
事 前 同 意 後 の 移 動 」を 要 請 す る な ど 、法 令 遵 守 、移 動 の 際 の 注 意 喚 起 を 行 っ て い
る が 、海 外 需 要 者 の 中 に は 、事 前 同 意 を 必 要 と す る 背 景 、法 令 な ど に つ い て 理 解
が 乏 し い ケ ー ス が み ら れ る 。海 外 需 要 者 に 再 移 転 防 止 の 誓 約 書 の 必 要 性 が 理 解 で
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きるよう安全保障貿易管理のホームページに英文にて掲載願いたい。
⑤ 経 済 産 業 省 の 安 全 保 障 貿 易 管 理 ホ ー ム ペ ー ジ に 載 っ て い る「 輸 出 令 及 び 貨 物 等 省
令 の マ ト リ ク ス 表 」は 項 番 毎 に 掲 載 さ れ て お り 、用 語 検 索 が 項 番 毎 に し か で き な
い 。 全 体 的 な 用 語 検 索 が で き る よ う に し て い た だ き た い 。( 項 目 毎 に 頁 を 分 け な
い で 、 1 か ら 15 項 を 1 ペ ー ジ に 掲 載 し 、 各 項 目 の ト ッ プ に は ペ ー ジ リ ン ク で 飛
ぶようにするなど)
⑥ 安全保障貿易管理ホームページ上の教育資料を充実していただきたい。
・現状、安全保障貿易管理ホームページには、適格説明会等で使用されたパワー
ポ イ ン ト 資 料 が 掲 載 さ れ て い る が 、 米 国 BIS( 商 務 省 産 業 安 全 保 障 局 ) の ホ ー
ムページには、安全保障貿易管理につき、パワーポイントだけでなく動画や e
ラーニングの資料が充実しており、中小企業の輸出者や輸出管理の初心者にも
分かりやすい内容となっている。
( http://www.bis.doc .gov/seminar sandtr aining/seminar-tr aining.htm)
こ れ ら を 参 考 に 安 全 保 障 貿 易 管 理 ホ ー ム ペ ー ジ 上 に 、動 画 や パ ワ ー ポ イ ン ト で
自ら学習できる教育資料を掲載願いたい。
⑦ 貨 物 等 省 令 に お け る 規 制 貨 物・技 術 ス ペ ッ ク 等 の 表 現 は 各 レ ジ ー ム の 規 制 リ ス ト
か ら 規 制 条 文 に し て い る と 思 わ れ る が 、運 用 通 達 等 の 解 釈 等 を 参 考 に 理 解 し よ う
としても規制分野に詳しくない一般の人には困難なことが多い。
解する為の公開資料をHP等に掲載して欲しい。
規制条文を理
現 状 、CISTEC の ガ イ ダ ン ス
等 に 説 明 は あ る が 有 料 で あ り 、本 来 、輸 出 者 に 理 解 さ せ る た め に 無 償 の 公 開 情 報
が必要である。
米 国 の 国 務 省 は M TCR の 各 項 番 に 対 応 し た 技 術 的 ガ イ ダ ン ス
(写 真、図表付)をHPに掲載している。
( htt p ://www.st ate .gov/www/global /arms /np /m tcr /m tc r.html )
例として、省令第 3 条 1 号二十二の二
イ
「ロケット又は無人航空機に搭載されたコード変換器を使用するものであって、
地 上 、海 上 若 し く は 飛 し ょ う 体 上 の 連 携 機 器 又 は 衛 星 航 法 シ ス テ ム と の 相 互 連 携
の下で、即時に飛行位置及び速度のデータを計測することができるもの」
に つ い て は 、国 務 省 の M TCR の 技 術 的 ガ イ ダ ン ス の“ Item 12 -- Launc h Suppor t ”
で は 運 用 通 達 の 解 釈 に な い“ コ ー ド 変 換 器 ”も 含 め て 具 体 的 な 分 か り や す い 説 明
がある。
⑧ 安全保障貿易管理に係る一般的な用語集を安全保障貿易管理ホームページに掲
載いただきたい。
輸出管理内部規程関係
安 全 保 障 貿 易 検 査 官 室 に よ る 輸 出 管 理 内 部 規 程( CP)の 審 査 ・ 受 理 期 間 の 短 縮( 本
年 度 は 、 例 年 以 上 に 時 間 が か か っ た )。 こ れ は 同 室 が 、 細 か い 点 ま で CISTEC 発 行 の
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「 モ デ ル CP ガ イ ダ ン ス 」 に 掲 載 も モ デ ル 規 定 通 り と す る よ う に 企 業 に 要 求 し た 結 果
で あ る と 思 わ れ る 。『 モ デ ル CP』 に つ い て は 、 あ く ま で モ デ ル ( 参 考 ) と し て い た だ
き、各企業の組織や実態を考慮のうえご指導願いたい。
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