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こうべアクアプラン2015(本編・中編)(PDF形式:2283KB)

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こうべアクアプラン2015(本編・中編)(PDF形式:2283KB)
目標達成に向けた事業展開
目標達成に向けた事業展開
目標1.安全で安心な暮らしの実現
(1)浸水に強いまちづくり
☆雨水整備重点地区の整備
☆三宮南地区浸水対策
☆総合的な浸水対策の実施(内水ハザードマップの公表)
神戸市では、10 年に 1 回程度発生する降雨に対しても浸水が起こらないように雨水
幹線を整備しています。特に地盤が低い地区や人口の集中している地区のうち、浸水に
対する危険性が高くなっている 9 地区(1,072ha)を、雨水整備重点地区として位置づ
け浸水対策を進めており、これまでに 2 地区(赤塚山地区・須磨浦通東地区)の整備が
完了しています。
和田岬地区では、平成 20 年度より運転している和田岬ポンプ場に新たなポンプ設備
を追加し、能力増強を図ります。また、まちづくりにあわせて雨水幹線整備を進めます。
長田南部地区では、昭和 49 年度より運転を行っている南駒栄ポンプ場の改築と雨水
幹線の整備を進めています。新しいポンプ場は、周辺土地利用の変化や現在の整備基準
に合わせて雨水排除能力を向上させ、平成 25 年度の運転開始を目指して進めています。
市内唯一の合流区域※1 である魚崎南地区では、昭和 37 年に運転を開始した魚崎ポン
プ場の老朽化が進行していることから、施設の改築・更新事業に着手します。
重要な都市機能が集積した三宮南地区では、平成 16 年度に国道 2 号が浸水により 4
度も通行止めとなるなど、被害が続発したことから、約 200ha の区域に 3 箇所の雨水ポ
ンプ場や雨水幹線などの整備を進めています。京橋ポンプ場は平成 23 年度に運転を開
始し、残る 2 箇所のポンプ場についても、平成 26 年度の完成を目指します。
また、浸水被害を軽減するため、他部局と連携して貯留・浸透による雨水流出量を抑
制する取り組みを進める他、
「内水ハザードマップ※2」の作成・公表を行うことで自助・
共助の取り組みも進めます。
※1 神戸市の下水道は、汚水と雨水を別々に流す分流式であるが、東灘区南部(魚崎地区 343ha)については、
汚水と雨水を一緒に流す合流式となっている。
※2 下水道の雨水排除能力を上回る降雨により発生する浸水の予想区域や事前の備え、避難場所などの情報を示
したもの
南駒栄ポンプ場
浸水状況(遠矢浜町)
- 7 -
魚崎ポンプ場
雨水整備重点地区
・赤→5 ヵ年完了地区
・青→整備継続地区
・緑→既完了地区
三宮南地区
浸水状況(メリケン波止場前)
目
標
雨水整備重点地区の整備
22 年度末予定
27 年度末目標
2地区完了
5地区完了
雨水ポンプ場の整備
4箇所の整備完了(うち 3 箇所新設、1 箇所改築)
- 8 -
(2)地震に強い下水道
☆重要管きょの耐震化
☆処理場・ポンプ場の耐震化
既成市街地では、都市機能が集積し、国道を始めとする幹線道路、鉄道等の基幹交通
網が発達しています。阪神・淡路大震災の経験を踏まえ、重要な管きょ※や、処理場、
ポンプ場施設の地震対策を、選択と集中により効率的かつ重点的に実施します。
また、学校などの避難所に設置する「公共下水道利用型仮設トイレ」等の防災用水と
して利用する雨水貯留槽の整備も進めていきます。
※防災拠点や避難所の下流側や、緊急輸送路、河川等を横断する管きょ等をいう
○地震対策のイメージ
学校雨水貯留槽
(蓮池小学校)
目
標
地震対策実施処理場(一般市民開放施設等の耐震化)
22 年度末予定
27 年度末目標
3処理場
6処理場
重要な管きょの耐震化延長
30 km 実施
- 9 -
目標2.施設の効果的な活用
(1)管きょの再構築
☆管きょの長寿命化計画と更新
昭和 26 年より本格的な下水道事業に着手し、60 年にわたり整備を進めてきた結果、
管きょの延長は、汚水管きょ約 4,000km、雨水管きょ約 600km となっています。
特に、市の重点施策として昭和 40 年代後半に集中的に整備した汚水管きょが一斉に
改築時期を迎えることから、計画的な改築が求められています。
改築※1に際しては、日常的な維持管理に努めると共に、長寿命計画※2 を策定し、管
きょを全て取り替える「更新」と、一部の取り替えや管更生などにより延命化を図る「長
寿命化」を併用しながら進めます。
改築事業の実施においては、コスト縮減を図るとともに、交通への影響や騒音・振動
などに配慮した管更生工法※3 を積極的に採用します。
※1 施設の全部または一部の再建設あるいは取り替えを行うこと。
「更新」と「長寿命化対策」に分けられる。
※2 日常生活や社会活動に重大な影響を及ぼす事故等を未然に防止するため、限られた財源の中で、LCC(ライフサイクルコス
ト)の最小化の観点を踏まえ耐震化等の機能向上も考慮した計画のこと
浸入水
陥没
亀裂
(他都市事例)
老朽化等が進行すると・・・
道路陥没等重大な事故等につながります!
開削工法
管更生工法
※3 管更生工法
道路を掘らずに直す工法で、古くなった管の中に新しい管を作ります
目
標
汚水管きょの更新延長(耐震化を含む)
80km 実施
- 10 -
(2)処理場・ポンプ場の再構築
☆西部処理場の改築
☆処理場・ポンプ場設備の更新
西部処理場は、昭和 40 年の運転開始から 46 年★が経過し、老朽化が進んでいます。
また、震災の影響による施設の損傷も見受けられることから、「下水道ネットワークシ
ステム」を活用して、改築に着手します。
また、処理場やポンプ場の設備機器については、予防保全的な維持管理を行うことで、
長寿命化を図りつつ、計画的な更新事業を実施していきます。
下水道ネットワークシステム
処理場間を大深度のシールド幹線(ネットワーク幹線)で連絡し、
一つの処理場が被災しても、他の処理場でバックアップができる
システムです。また、災害時だけでなく、平常時の相互融通機能
による処理場の改築・更新の円滑化などが可能です。
平成 22 年度末で廃止
- 11 -
(3)汚泥焼却設備の再構築
☆東部スラッジセンター汚泥焼却炉の改築
東部スラッジセンターは、下水の処理過程で発生する汚泥を焼却する神戸市内唯一の
施設です。汚泥焼却設備は、昭和 61 年の運転開始から 25 年★が経過し、劣化が著しい
ため、平成 24 年度の完成を目指して改築を進めています。
また、焼却炉の改築に伴う高温焼却※1 の実施より、一酸化二窒素(N2O)などの温室効
果ガスの大幅な削減を図ります。
※1 常時 850℃以上の高温燃焼を行うことで N2O の発生量を抑えることが出来る
有効利用される焼却灰を貯留
(灰サイロ)
旧炉
新炉(高温燃焼対応)
電気集塵機
セラミックフィルター
- 12 -
目標3.良好な環境の創造
(1)処理水質の向上
☆西部処理場高度処理施設の整備
☆東灘処理場高度処理改造
閉鎖性水域である大阪湾の水質環境基準の達成・維持を目標とした「大阪湾流域別下
水道整備総合計画」(目標年次:2025 年)の基本方針に基づき、関係自治体(2 府 5 県
153 市町村)と連携して、通常の処理方法では十分に処理できなかった栄養塩類である
窒素(N)やリン(P)の除去を目的とした高度処理施設の整備を、西部処理場や東灘
処理場で実施します。
○目標水質
大阪湾流域別下水道整備
総合計画で定められた
下水処理場の整備目標値
窒素
COD
リン
COD
C O D: 20 mg/l
窒 素: 35 mg/l
リ ン: 4 mg/l
窒素
C O D: 8 mg/l
窒 素: 8 mg/l
リ ン:0.8 mg/l
目標水質
標準的な処理水質
○高度処理イメージ図
目
標
高度処理実施処理場
22 年度末予定
27 年度末目標
3処理場
5処理場
- 13 -
リン
(2)処理水・汚泥焼却灰の有効利用
☆処理水の有効利用
☆焼却灰の有効利用
下水の高度処理水は、街路樹の散水用水や公園、防災まちづくりのせせらぎ用水とし
て利用しています。六甲アイランドやポートアイランドでは、「水リサイクル事業」と
して新しいまちづくりに併せて、トイレ用水等に再生水を供給しています。また、下水
汚泥から発生する焼却灰は、インターロッキングブロックなどの建設資材に利用してい
ます。
このような下水処理の過程で発生する処理水や汚泥は、都市における貴重な資源であ
るため、今後も有効利用の拡大に努め、循環型社会の構築に寄与していきます。
トイレの洗浄水(神戸空港)
インターロッキングブロック(ポートアイランド)
松本せせらぎ(兵庫区)
街路樹の散水(中央区)
目
標
処理水の有効利用率
22 年度末予定
27 年度末目標
12%
23%
焼却灰の有効利用率
22 年度末予定
27 年度末目標
17%
35%
- 14 -
(3)消化ガス(こうべバイオガス)の有効利用拡大
☆西部処理場における「こうべバイオガス」の導入
「こうべバイオガス」は、処理過程で発生する消化ガスを精製して得られる濃度約
98%以上のメタンガスで、下水道が持つ資源を有効利用した循環型エネルギーです。
「こうべバイオガス」は、東灘処理場で自動車燃料として供給している他、日本で初
めて都市ガス導管に直接注入をする事業にも成功しました。また、垂水処理場でも、コ
ージェネレーションシステム※1 に利用するなど、「こうべバイオガス」の利活用を進め
ています。
しかし、下水処理の過程で発生する消化ガスは、まだ神戸市全体で約 4 割が焼却処分
されている状況です。今後は、東灘処理場や垂水処理場に引き続き、西部処理場におい
ても「こうべバイオガス」を活用する事業に取り組みます。
また、東灘処理場では新たな取り組みとして、ガス化しやすい他のバイオマスと下水
汚泥と混合し、「こうべバイオガス」を増量する研究や検討を行っていきます。
※1 ガスを使って電気と熱を取りだし利用するシステムのこと
ご家庭等
東灘処理場
下水
都市ガス
エネルギー循環
汚泥
水循環
都市ガス導管
都市ガス導管注入実証事業
熱量調整、付臭等
こうべバイオガス
消化ガス
消化タンク
消化ガス精製装置
目
天然ガス自動車燃料
場内利用
ガスタンク
標
消化ガス有効利用率
22 年度末予定
27 年度末目標
57%
83%
- 15 -
(4)CO2 削減の取組み
☆垂水処理場太陽光発電
☆省エネ機器の導入
神戸市における温室効果ガスの削減目標は、市の事務・事業として 1990 年度比で 25%
以上削減(CO2換算)することとしています(中間目標年次:2015 年度)。
下水道事業は、市の事務・事業の中でも多くの CO2ガスを排出しており、温室効果ガ
ス削減の取り組みが求められています。
垂水処理場では「こうべバイオガス」を活用したコージェネレーションシステムの導
入や、処理場空間を利用した太陽光発電の導入を進めています。また、東部スラッジセ
ンターでは、焼却炉の改築に伴う高温焼却の導入により、温室効果ガスの大幅な削減を
図ります。なお、各施設の設備機器の改築に際しては、省エネ機器等の導入を図ること
で CO2 削減を推進していきます。
○市の事務・事業から排出される
温室効果ガスの発生源(平成 21 年度)
その他事務事業
16.4%
○コージェネレーション
消化ガス
本庁舎・区役所
での事務
1.6%
病院事業
3.1%
消化ガス発電設備
消化タンク
教育事業
3.6%
地下鉄事業
5.2%
廃棄物処理事業
46.9%
バス事業
4.9%
水道事業
4.2%
下水道事業
13.8%
電力
場内
電気設備
排熱=温水
コージェネレーションイメージ図
○温室効果ガス対策例
太陽光発電(垂水処理場)
目
高温焼却炉の導入(東部スラッジセンター)
標
下水道事業 CO2 排出量
22 年度末予定
27 年度末目標
67,700t
56,600t
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目標4.地域の活性化
(1)協働と参画で取り組む広報・啓発活動
☆アクアサポーター・アクアパートナーとの取り組み
☆総合学習・出前トークの実施
下水道事業に対する市民のより一層の理解を求め、市民参画を実践する取り組みとし
て、市と一緒に考え地域で主体的に活動していただく下水道の市民応援団「アクアサポ
「アクアパートナー※2」制度を創設しています。
ーター※1」、
また、小学校での授業において、身の回りの水環境などを下水道職員と共に考える「総
合学習」や、地元自治会などへ出向き、家庭の排水設備の手入れの方法や、下水道を通
じた生活豆知識や水の再利用の情報などを提供する「出前トーク」も積極的に展開して
いきます。
今後も、このような「アクアサポーター」制度をはじめとした協働の取り組み、地域
展開による広報啓発活動を大切にし、市民から見た「わかりやすい広報啓発活動」など、
下水道事業の幅広い役割を市民の方々に理解してもらう取り組みに力を入れていきま
す。
※1 一般募集をし、2 年間の任期で下水道事業の広報・啓発活動を市と一緒に活動していただいております。
※2 アクアサポーター経験者で引き続き、広報・啓発活動やアクアサポーターを支援していただいております。
アクアサポーターによるパンフレット(こうべの下水道)の作成
「出前トーク」の様子
小学校での「総合学習」
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(2)下水道施設の空間利用
☆水環境フェアなどの各種イベントの実施
☆東灘処理場からの情報発信
☆中部処理場の跡地利用
市民に親しまれる下水道実現のため、処理場の施設空間を利用した「水環境フェア」
や「アーモンド並木と春の音楽会」等の各種イベントを開催する他、市関連イベントに
も参加し下水道事業の広報活動を行っていきます。特に、地域の各種団体や「アクアサ
ポーター」等と協働で地域に根ざしたイベントを展開することで、多くの市民の方に身
近に下水道を感じてもらい、下水道事業の理解に努めて行きます。
一方、東灘処理場の「こうべバイオガス」事業をはじめとする水処理システムについ
ては、日本国内だけでなく海外からの視察も多く、神戸市の下水道が持つ高い技術力が
評価されています。今後は、東灘処理場を拠点に、この様な高い技術力を国内外に積極
的に情報発信することで、国際貢献や地域経済の活性化にも寄与していきます。
また、「下水道ネットワークシステム」の完成に伴い廃止する中部処理場の跡地につ
いては、兵庫運河周辺地域のにぎわいと活力の創造につながる方策の検討を進めます。
水環境フェア(垂水処理場)
アーモンド並木(東灘処理場)
海外からの処理場見学の様子(東灘処理場)
- 18 -
処理場の跡地利用(中部処理場)
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