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こうべの下水道 水環境レポート

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こうべの下水道 水環境レポート
こうべの下水道
水環境レポート
≪ 平成 19 年度版 ≫
平成 21 年 3 月
神戸市建設局
こうべの下水道 水環境レポート
目次
はじめに
・・・1
1.水環境レポートの概要
対象とする事業
水質保全への取り組み
環境保全への取り組み
・・・2
・・・2
・・・3
2.下水道事業のしくみと物質の流れ
・・・4
3.水質保全への取り組み
下水処理による水質改善
高度処理の推進
水質調査
臭気対策
水質保全にかかった費用
・・・6
・・・7
・・・8
・・・8
・・・9
4.環境保全への取り組み
公害防止対策
大気汚染物質の削減
資源の有効利用
汚泥焼却灰の有効利用
下水処理水の有効利用
消化ガスの有効利用
未利用エネルギーの利用
下水道事業活動
研究開発
環境マネジメントシステム
下水道事業の広報・啓発
環境保全対策にかかった費用と効果
・・・10
・・・10
・・・11
・・・12
・・・13
・・・14
・・・14
・・・14
・・・16
はじめに
神戸市は、慶応 3 年の兵庫港開港以来、海と山に囲まれ自然環境豊かな国際港湾都市と
して発展してきました。
神戸の下水道は、開港当時に外国人居留地に築造された煉瓦造下水道がそのはじまりで
す。昭和 26 年からは汚水と雨水を別々に処理する分流式下水道として本格的な下水道整備
に着手しました。
その後、市の重点施策として積極的な下水道整備を進め、平成 19 年度末には下水道の人
口普及率も 98.5%に達し、快適な市民生活に必要不可欠なライフラインとなりました。また、
河川・海域では、公共下水道の整備により水質改善において一定の成果を収めてきました
が、高度処理の推進によるさらなる改善が求められています。
一方、下水道はその処理の過程で膨大な電力を消費するなど環境に対して負荷も与えて
おり、地球環境保全の視点からの取り組みが求められています。
本レポートは、環境会計の考え方を導入して、水質保全や環境保全に要した費用やその
効果等を明らかにすることにより、今後の下水道事業を効果的・効率的に推進するととも
に、下水道事業に対する市民の理解を深めることを目的として策定しました。
今後は、本レポートを通して安全で快適な環境共生都市の実現に努めていきます。
市章山から望む神戸市街地
-1-
対象とする事業
本レポートは、下水道事業における水質保全に関する取り組み(生活環境の改善含む)
と下水道資源の有効利用などの環境保全に関する取り組みについて、その費用と効果を
できる限り定量的にまとめたものです。
対象年度
対象事業
:
:
平成 19 年度
汚水処理に係る事業
水質保全への取り組み
うち、削減した費用
19 年度決算 約 184 億円
19 年度決算 約 14 億円
水質保全への取り組み
神戸市では、昭和 40 年代に急激に都市化の進展等により水質汚濁が進みましたが、公
共下水道の整備により、昭和 50 年7代には著しく水質の改善が進みました。灘区のシン
ボルでもある都賀川では下水道の普及により清流が甦り、鮎やホタルの放流や金魚のつ
かみ取り等が開催され、市民の憩いの空間となっています。
10
95
東部都市河川
西部都市河川
西神水域
北神水域
下水道普及率
8
6
4
90
85
2
0
80
(年度)
河川の水域別水質の経年変化
(出典:新・神戸市環境基本計画年次報告書)
都賀川の清掃状況(昭和 50 年代)
都賀川(現在)
-2-
下水道人口普及率 (% )
100
昭和 59
60
61
62
63
平成元
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
B OD7 5 %水質値(mg/ L)
12
流入下水
水道水
下水処理水
3.0mg /L
200
BOD(mg/L)
10
8
6
4
2
0
アマゴ
アメリカザリガニ
オイカワ
アユ
サカマキガイ
ミズカマキリ
スジエビ
サワガニ
BODと生きものの関係
環境保全への取り組み
下水道事業は、水質保全への取り組みだけでなく、処理水、焼却灰、消化ガス等の有
効利用によって、温室効果ガスやエネルギーの削減にも寄与しています。これらの効果
を私たちの生活の身近なものに換算すると以下のようになります。
エネルギー資源の削減
エネルギー資源の削減を電力、ガス、
上水道に換算すると、
約 10,800 世帯/年の電力量、
約 14,700 世帯/年の都市ガス量
約 85,400 世帯/年の上水道量
に相当します
温室効果ガスの削減
二酸化炭素量で換算すると、
約 3,700 台/年の車が排出する
CO2 ガス量に相当します
環境保全効果
環境保全効果を金額に換算すると、
約 13.9 億円/年となります
〔参考〕
神戸市、1 世帯当りの
年間消費電力
年間都市ガス消費量
年間上水道配水量
自動車 1 台当りの CO2 排出量
:4,072[kWh/世帯・年]
:427 [N ㎥/世帯・年]
:269 [㎥/世帯・年]
:2.08
[t-CO2・年]
-3-
神戸市では、主に市民生活から発生する生活排水等を年間約 1 億 8,371 万㎥(日平均約 50 万㎥)
市内 7 ヶ所の下水処理場で処理しています
エネルギー消費量
処理場
スラッジセンター
ポンプ場
温室効果ガス排出量
単位:GJ
その他
計
処理場
電力
314,983
25,804
15,333
138
356,258
電力
消化ガス
130,269
-
-
-
130,269
汚泥焼却
都市ガス
569
12
0
1,553
2,134
重油
5,947
60,288
1,139
0
67,374
その他
1,398
39
1
171
1,609
453,166
86,143
16,473
1,862
557,644
計
下水処理(メタンガス)
ポンプ場
その他
33,073
2,709
1,610
15
37,407
-
23,536
-
-
23,536
412
4,179
79
0
4,670
3,395
-
-
-
3,395
121
4
0
85
210
37,001
30,428
1,689
100
69,218
その他
計
89,687m3
上水道
スラッジセンター
重油
上水道、薬品
単位:t-CO2
計
薬品
水処理用
154t
消毒用
2,133t
汚泥脱水用
4,681t
汚水ポンプ場
沈砂池
最初沈殿池
生物反応槽
最終沈殿池
塩素混和池
自然流下で地下深くに流れてきた
大きなごみ、砂、木切れ
ゆっくり流すことで、小さなごみ
さらに水をきれいにするために、活性汚泥と空気を
ゆっくり流すことにより、
きれいになった水を消毒し、海や川
汚水を地表近くまで汲み上げ、処理
などを取り除きます
や汚泥が沈みます
加えて、最初沈殿池で取れなかった汚れを活性汚
活性汚泥が底に沈み、
に流します
泥中の微生物の力で分解します
水はきれいになります
施設へ流します
海・河川に放流
161 百万 ㎥/年
処理水
184 百万 ㎥/年
流入下水
184 百万 ㎥/年
BOD
COD
SS
全窒素
全りん
環境負荷物質
放流水水質
除去率
環境負荷物質
流入水水質
BOD
554t
3mg/L
98%
35,668t
19,392t
33,201t
6,045t
708t
194mg/L
106mg/L
181mg/L
33mg/L
4mg/L
COD
1,723t
9.4mg/L
91%
SS
汚泥焼却灰の有効利用
有効利用率:37.4%
建設資材
(アスファルトフィーラー、
インターロッキングブロック等)
土壌改良材
肥料用
計
-4-
448t
2.4mg/L
99%
全窒素
2,489t
13.6mg/L
59%
全りん
159t
0.9mg/L
78%
消化タンク
消化ガスの有効利用
1,614t
0t
152t
1,766t
有功利用率:42%
ボイラー加温用、汚泥加温
空調、エンジン
自動車用燃料
計
消化ガスの熱を利用した温水で汚泥を加温することで
処理水の有効利用
有効利用率:12.5%
反応を促し、水分と汚泥を分離させる役目を持つ
処理場、クリーンセンター
公園、街路樹散水
せせらぎ水
水リサイクル事業
計
4,696,000 ㎥
655,000 ㎥
100,000 ㎥
5,451,000 ㎥
-5-
10,797,000 ㎥
42,000 ㎥
11,728,000 ㎥
395,000 ㎥
22,962,000 ㎥
下水処理による水質改善
下水道は、生活排水等の汚れた水を収集、処理して水質保全に寄与しています。
BO D除去率:98%
194
CO D除去率:91%
106
3.0
0
SS除去率:99%
181
9.4
50
100
150
200
0
20
2.4
40
全窒素除去率:59%
33
60
80
100
0
全りん 除去率:78%
4
50
100
150
200
流入下水水質(mg/L)
放流水水質(mg/L)
13.6
10
20
30
40
50
0
1
2
3
4
5
下水処理による汚濁負荷量の削減
20
15
10
5
0
全窒素
全りん
平成2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
0.8
0.6
0.4
0.2
0
全りん(mg/L)
神戸市では、既存施設の大幅な改造を行わないで運転方式を変更することや、高度処
理を導入することで処理水質の向上に努めています。その結果、海域等への流入負荷量
は 2007 年(平成 19 年)には 1990 年(平成 2 年)に比べると COD で 56%、全窒素で 61%、全
りんで 10%が削減されています。
40
1.6
35
1.4
30
1.2
COD
25
1
COD,全窒素(mg/L)
0
0.9
処理水質の経年変化
用語説明
■BOD (biochemical oxygen demand、生物化学的酸素要求量)
水中に酸素が存在する状態で、水中の有機物(生物の働きによらなければ生成されない
物質)が生物学的に分解され、安定化するために微生物が消費する酸素の量
■COD (chemical oxygen demand、化学的酸素要求量)
水中の有機物が、酸化剤によって化学的に酸化分解されるのに要する酸素の量
■SS (suspended solids、浮遊物質量)
水中の濁り成分を重量で表したもの
■全窒素
無機性窒素と有機性窒素の総量
■全りん
水中のりん化合物を、りんの総量で表したもの
-6-
高度処理の推進
下水には、さまざまな汚れの成分が含まれています。通常の下水処理では有機的な汚れ
や固形物などは 9 割以上の除去が可能ですが、赤潮等の原因となる「窒素」や「りん」な
どの汚れは、十分に除去できておりません。神戸市の海域においても、ここ数年の水質は
横ばい状態であり、富栄養化の防止を目的とした「高度処理」の一層の推進が求められて
おります。
神戸市では、大阪湾等の水質環境基準の達成・維持を目的とした「高度処理」の導入を
順次、進めています。
〔高度処理の導入状況〕
・高度処理実施済
:ポートアイランド処理場、鈴蘭台処理場、玉津処理場
・高度処理施設建設中 :垂水処理場
45
40
35
40 41 39
38
32
31
31
27
30
34
30
27
29
23 22
25
20
27 28
21
24
32
28
26
22
23
20
17
15
10
5
0
昭56
57
58
59
60
61
62
63
平元
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
件数
38
35
年度
神戸港の赤潮
(平成 12 年)
大阪湾における赤潮発生件数の経年変化
窒素の除去
硝
りんの除去
循環水
凝集剤
最終沈殿池
ポンプ
返送汚泥
高度処理法の例
下水中の微生物
-7-
水質調査
処理場のよりよい運転のために、処理水が法律の基準を満しているかを確認するため
に、処理場に入ってくる汚水、処理場から出ていく処理水、また処理の様々な過程での
水質検査を定期的に実施しています。また、悪質な下水の排除を未然に防止するため、
事業所に対して届出指導や立入検査などを行っております。
水質検査状況
臭気対策
処理過程で発生する不快な臭気は、脱臭設備により除去しています。脱臭には、微生
物 (細菌)の働きによって悪臭成分を分解する方法(例として、芝等をはった土壌に臭気物
質を通して土壌中の微生物の作用によって吸着および酸化分解する土壌脱臭)と、活性炭
の中に臭気物質を通して吸着する方法があります。
土壌脱臭(向洋ポンプ場)
脱臭設備(垂水処理場)
-8-
水質保全にかかった費用
(単位:百万円)
19 年度
内容
維持
減価
管理費 償却費
汚水処理に要した費用
支払
利息
合計
18 年度
増減
7,168
7,474
3,716
18,358
18,959
△601
1,606
2,673
833
5,112
4,944
168
下水管の維持管理にかかる費用
1,450
2,140
752
4,342
4,171
171
ポンプ場の維持管理にかかる費用
156
533
81
770
773
△3
3,901
3,733
2,022
9,656
10,029
△373
3,901
3,733
2,022
9,656
10,029
△373
1,661
1,068
861
3,590
3,986
△396
汚泥の濃縮・消化・脱水・運搬ま
でにかかる費用
699
916
362
1,977
1,961
16
汚泥の焼却・埋め立てまでに
かかる費用
962
152
499
1,613
2,025
△412
137
143
71
351
351
1
汚水を下水道へ集める費用
汚水の処理に要した費用
処理場の維持管理にかかる費用
汚泥の処理に要した費用
上記のうち、高度処理に要した費用
維持管理費 ・・・
生活排水等を集めて処理場まで導く下水管、ポンプ場および処理場
の下水処理に要する運転・修繕などにかかる費用
減価償却費 ・・・
処理場、ポンプ場、下水管等の資産(減価償却資産)についてその使
用可能期間(耐用年数)にわたり、その資産の価値減少相当額(減価償
却費)を計上した費用
支払利息
下水管、ポンプ場、処理場等の資産を取得するにあたり、発行した
企業債の金利
・・・
-9-
公害防止対策
大気汚染物質の削減
汚泥焼却施設である東部スラッジセンターでは、電気集じん機などの排ガス処理装
置を設置することにより窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)などの微細灰を取り除い
ています。
大気汚染物質の状況(東部スラッジセンター)
項目
ばいじん
19 年度 排出基準
g/N ㎥ 0.0120
0.08
窒素酸化物(NOx) ppm
13.0
250
硫黄酸化物(Sox) ppm
2
177
4.7
700
塩化水素
mg/N ㎥
東部スラッジセンター(六甲アイランド)
資源の有効利用
汚泥焼却灰の有効利用
神戸市内 7 ヶ所の処理場から発生する汚泥は、東部スラッジセンター(六甲アイラン
ド)で一括焼却され、汚泥焼却灰として年間約 5 千トン発生しています。その内、アス
ファルトフィラーの代替利用やグリーン調達物品に認定されている焼却灰入インター
ロッキングブロックとして約 4 割を有効利用しています。将来的には、アスファルト
フィラーやインターロッキングブロックなどの土木資材の有効利用を主体として、
100%利用を目指しています。
アスファルトフィラー
(東灘区)
建設資材
1,614t
汚泥焼却灰
37.4%
有効利用量
1,766t
インターロッキングブロック
ポートアイランドしおさい公園
62.6%
肥料・土壌改良材
152t
埋立処分
2,956t
-10-
下水処理水の有効利用
神戸市は、自己水源に乏しいため、大部分を琵琶湖・淀川水系に依存しています。
そこで、下水処理水を貴重な水資源としてとらえ、約 1 割を有効利用しています。利用
用途としては、六甲アイランド、ポートアイランドでの水リサイクル事業や復興のまち
づくり、公園等に高度処理水を供給し、ゆとりと潤いある都市空間の形成に役立ててい
ます。
公園・街路樹散水
100 ㎥/日
処理場からの放流水
下水処理水
約 501,900 ㎥/日
フラワーロードでの処理水散水
処理水再利用
62,700 ㎥/日
12.5%
海・河川に放流
439,200 ㎥/日
せせらぎ用水
32,000 ㎥/日
87.5%
ポートアイランド中央緑地
処理場、
スラッジセンターなど
での場内利用
29,500 ㎥/日
新湊川
西部処理場
水洗トイレ用水利用等
の水リサイクル事業
1,100 ㎥/日
須磨海岸
六甲アイランド水リサイクルセンター
72
CO2排出量 ( 千トン )
神戸市では、温室効果ガスの排出
量抑制のために、平成 18 年度から
22 年度までの計画として、神戸市
役所地球温暖化防止第 2 次実行計
画(第 2 次 CO2 ダイエット作戦)を
策定しました。
下水道事業では、温室効果ガスの
総 排出量 に関する削減目標とし
て、平成 22 年度までに、下水 1 ㎥
に対する温室効果ガス排出量を平
成 16 年度レベル比で 11.5%削減
します。
70
70.8
69.3
69.3
68.0
68
67.2
70.1
69.2
68.2
66.5
66
64
削減目標
-11.5%
62
60.3
60
58
H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22
下水道事業における CO2 排出量の推移
-11-
<消化ガスの有効利用>
神戸市では、消化タンクから発生する消化ガスを、消化タンクの加温を中心に、ガス空
調等で約 5 割を有効利用しています。
平成 16 年度には、東灘処理場で、メタン濃度 98%のバイオ天然ガス(こうべバイオガス)
の精製に成功し、天然ガス自動車燃料として活用できることを確認し、天然ガス自動車
による走行試験を行いました。
平成 18 年 11 月よりこうべバイオガス活用設備の整備を行っており、平成 20 年 4 月から
日本で初めて自動車燃料への供給を本格的に開始しました。
バイオガス
充填作業
処理場
消化タンク
消化ガスのバイオ天然ガス化技術
精製設備
=削減効果 =
CO2 排出原単位
2.28 t-CO2/千 m3
都市ガス
こうべバイオガス
二酸化炭素
0
t-CO2/千 m3 (カーボンニュートラル)
年間 1,200 t-CO2/千 m3 の削減効果が期待できます。
こうべバイオガス供給事業
-12-
エネルギーの有効利用
①小水力発電の利用
鈴蘭台処理場と湊川ポンプ場の高さの差を利用して小水力発電を行っています。
②太陽光発電の利用
玉津処理場送風機棟屋上に太陽光パネルを設置して発電を行っています。
③廃棄物発電の利用(東灘・西部・ポートアイランド処理場)
環境局クリーンセンターでごみ焼却熱によって発電された電力を隣接処理場で利用して
います。
④汚泥焼却排熱の利用
東部スラッジセンターから排出される約 60 度の温排水を有効利用し、六甲アイランド内
の集合住宅の給湯用熱源としています。
鈴蘭台処理場
送水管
湊川ポンプ場
松本地区のせせらぎ
標高差を利用した小水力発電(湊川ポンプ場)
処理場上部での太陽光発電(玉津処理場)
東クリーンセンター
東灘処理場
廃棄物発電の利用(東灘処理場)
-13-
汚泥焼却排熱の利用(六甲アイランド)
下水道事業活動
研究開発
潤いのある水環境の創造、環境保全の調和を主目的として、「二次処理の効率化」「高
度処理」「地球環境保全・省エネルギー」等の研究・開発を行っています。
〔平成 19 年度の主な調査項目〕
①下水道に関する新技術開発の共同研究
・ 省エネ・創エネ技術導入に関する調査研究
・ 下水道施設長期保全更新計画の策定手法の確立に向けた調査研究
・ 雨天時流出水モニタリングに関する調査研究
②水質向上調査
・ 既設処理場での処理水質の向上、省エネ・省コスト等を目指した調査研究
環境マネジメントシステム
平成 16 年 3 月に市役所本庁舎で取得した
ISO14001 に基づいて、オフィス事務における
光熱水費・廃棄物・紙類・公用車燃料の削減、
グリーン調達の推進、高度処理、下水道資源の
有効利用を推進しています。平成 17 年度には、
東水環境センター、中央水環境センター、
西水環境センターの 3 水環境センターで KEMS
(神戸環境マネジメントシステム)を取得しました。
ISO14001 登録証
下水道事業の広報・啓発
下水道は、市民の重要なライフラインであり、水環境のさらなる向上と快適な都市環
境の創造に大きな役割を果たす都市施設ですが、直接、市民の目に触れることが少ない
こともあり、普段あまり意識されていません。
そこで、公営企業体として、利用者サービスの向上に向けて広報 PR の強化を図り、市
民に正しく理解していただくことを目的に広報活動を展開しています。
①下水道アクアサポーター・アクアパートナー
下水道事業の広報・市民啓発を地域で主体的に活動
してもらう神戸市下水道の市民応援団として、平成
19 年 10 月に 100 名の「第 3 期アクアサポーター」を
委嘱し、2 年の任期で活動を行なっています。
また、2 年間にわたり活動いただいた第 1 期、2 期
アクアサポーターの方には、一層の下水道事業の
広報・市民啓発活動を自主的に行っていただく目的
で「アクアパートナー」への登録を行ないました。
主な活動内容としては、排水設備講習会への参加、
イベント等 PR 活動への参加や、市民に分かりやすい
パンフレットの作成作業等に参画しています。
-14-
水環境フェアでの受付
②水環境フェア
市民に親しまれる下水道の実現のために、各水環境センターでは、毎年 8 月から 9 月にか
けて水環境フェアを開催しています。下水処理場の水資源や施設空間を活用して、海底ト
ンネル探検や写生大会、アーモンド並木と春の音楽会、アーモンド狩りなどの各種イベン
トを開催しています。
アーモンド並木と春の音楽会
(東水環境センター)
海底トンネル大探検
(中央水環境センター)
③マンホールインフォメーション
下水道のマンホール蓋にデザインプレートを取り付け、
新たな情報伝達手段として活用するマンホールインフ
ォメーション事業を平成 9 年度から実施しています。
これまでに、「ポイ捨て禁止」「王子動物園ジャイアン
トパンダ」「ルミナリエ」などの情報発信を行っていま
す。
パンダマンホール
④下水道得ダネ講座(出前トーク)
地域住民を対象に市職員が出向き、家庭の排水設備
の手入れ、修理に関する講習を実施する下水道得ダ
ネ講座を平成 12 年度から実施しています。
テーマとしては、「知って得する下水道豆知識」「水
の再利用と水循環」等があります。
下水道得ダネ講座
⑤総合学習
小学 4 年生を対象に、市職員が出向き、小学生への環境
教育がより効果的なものになるように、小学校と連携し
て授業を進めています。「水はいつ、どこで、どのように
使われるか?」などの問いかけに児童が意見を発表したり、
汚水をきれいにする方法を学んだりしています。
総合学習
⑥市民開放・処理水の活用等
市民に親しまれる下水道を目指して、処理場の施設
空間や処理水の活用によるビオトープ、ホタルを鑑
賞する夕べ等市民開放型施設の整備を進め、地域住
民の憩いの場として利用していただいています。
ビオトープ(垂水処理場)
-15-
パ
環境保全対策にかかった費用と効果(環境会計)
環境保全コスト(単位:百万円)
環境保全対策
19 年度
対策の内容
(
公害防止
資源の
有効利用
事業活動
)内は平成 18 年度の数値
高温焼却、排ガス抑制のための装置でばいじんや
硫黄酸化物等の削減
アスファルト混合物、インターロッキングブロック等
建設資材
焼却灰の有
として利用 1,614t(1,432t)
土壌改良材・肥料として利用
効利用
土壌改良材
152t(283t)
場内機械用水利用量
機械用水
10,797 千㎥(11,290 千㎥)
公園・街路樹散水用量
散水
42 千㎥(60 千㎥)
処理水の有
せせらぎ供給
せせらぎ
11,728 千㎥(12,227 千㎥)
効利用
トイレ用水・散水用水等の雑用水
水リサイクル
395 千㎥(365 千㎥)
ポートアイランド処理場管理本館の空調に利用し、
熱利用
電力量を削減 51,069kWh(53,872kWh)
重油使用量の削減
消化ガスの利用
545N ㎥(551 万 N ㎥)
排水の熱を有効利用し、六甲アイランド内の集合住宅
汚泥焼却排熱の利用
の給湯用熱源として利用 82 万 N ㎥(82 万㎥)
太陽光発電→58,733kWh(55,626kWh)発電
太陽光発電、小水力発電
小水力発電→52 万 kWh(51 万 kWh)発電
クリーンセンターからの供給量
廃棄物発電の利用
43,264 千 kWh(51,816 千 kWh)
水処理、汚泥処理の効率化
研究開発
地球環境保全への貢献
環境マネジメントシステム 環境保全意識・消費者意識の向上
広報・啓発
市民に親しまれる下水道の実現
大気汚染物質の削減
18 年度
維持
管理費
減価
償却費
支払
利息
合計
1
4
1
6
6
8
3
1
12
13
102
103
35
240
248
環境保全効果
温室効果ガス削減量
(単位:百万円)
(t-CO2)
増減
19 年度
18 年度
増減
19 年度
18 年度
増減
0
-
-
-
-
-
-
1
14.0
11.0
3.0
-
-
-
453.5
474.2
-20.7
1,566
1,637
-71
1.7
2.5
-0.8
6
9
-3
492.6
513.5
-20.9
1,701
1,773
-72
16.6
15.3
1.3
57
53
4
0.41
0.44
-0.03
19
20
-1
-8
64
89
21
174
182
-22
259
252
7
2,579
2,604
-25
0
0
0
0
0
0
124
112
12
1,601
1,601
0
3
5
1
9
9
0
4.67
4.59
0.08
219
214
5
18
41
6
65
68
-3
27
38
-11
-
-
-
10
-
-
10
11
-1
-
-
-
-
-
-
1,393
1,424
-30
7,748
7,911
-163
11
-
-
11
12
計
-1
※環境保全効果の算定について
処理水の有効利用
・・・工業用水で換算した金額 (ただし、熱利用については、商用電力で換算した金額)
焼却灰の有効利用
・・・フェニックス(大阪湾広域臨海環境整備センター)に運搬、処分したとして算定した金額
消化ガスの利用
・・・重油代替エネルギーとして、重油で換算した金額
汚泥焼却熱の利用
・・・都市ガスで換算した金額
太陽光・小水力発電
・・・商用電力で換算した金額
廃棄物発電の利用
・・・商用電力で換算した金額
-16-
-17-
こうべの下水道
水環境レポート
平成 21 年 8 月発行
発行:
神戸市建設局下水道河川部
http://www.city.kobe.lg.jp/life/town/waterworks/sewage/report.html
お問い合わせ:
神戸市建設局下水道河川部計画課
〒650-8570
神戸市中央区加納町 6 丁目 5-1
Tel :078-322-5449
Fax :078-322-6088
E-mail:[email protected]
このパンフレットは、古紙配合率 100%の
神戸市広報印刷物登録
再生紙を使用しています。
平成 18 年度第 268 号(広報印刷物規格 A-1 類)
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