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消費者とのリアルタイムの対話によるデザイン開発を実現

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消費者とのリアルタイムの対話によるデザイン開発を実現
11.森永エンジニアリング株式会社
消費者とのリアルタイムの対話によるデザイン開発を実現
消費者の声を掘り下げるために BPO を活用
森永エンジニアリング株式会社は、食品プラントの設
計施工、設備の更新等や食品工場、埋立処理場、生活系
排水等の排水処理システム、住宅向け空調・衛生に関す
るシステム製品の輸入、販売などを手掛ける企業である。
同社は 2004 年度に製品開発において BPO を活用した
実績があるが、きっかけを機器事業部の土肥氏に聞いた。
「従来から部門の事業内容は、欧州から空調衛生設備を
輸入して販売するというもので、典型的なプロダクトア
ウト型の営業をしていました。1995 年に初めて自社開発
製品としてウィンドーラジエーター(部屋の窓際に設置
して冷気発生による寒さを緩和する製品)を販売したの
ですが、年間数 10 台しか売れませんでした。理由はク
レーム対応商品という位置づけだったことと、機能重視
で商品化したことでした。この状況を脱却するために、
エンドユーザーのニーズを取り入れた製品改良(特にデ
ザイン)が課題となっていました。
」。ただし、課題への
取組は簡単ではなかった。その理由は、
「製品の認知度が
低く通常のマスを対象とした市場調査ではうまくニーズ
が掴めなかったのです。そこで、消費者に具体的な製品
イメージを持ってもらった上でニーズを対話によって掘
り下げることが可能なシステムを持つ BPO ベンダーの
サービスを活用することになりました。
」と土肥氏は経緯
を語る。
ベンダーのシステムを活用して消費者と対話
○消費者とのリアルタイムの対話を BPO 活用で実現
活用した BPO ベンダーのシステムには、多数の消費者
が登録されている。そこでは投げかけられたテーマや製
品に対してネット上で消費者同士が対話を重ねながら議
論を掘り下げていく。このシステムを活用し、自社製品
(プロトタイプ)に対するユーザーニーズの掘り下げ、
収集されたニーズに基づく製品デザイン作成を行った。
土肥氏は「まず始めに、消費者に製品イメージを想起
してもらうためのプロトタイプを作成し、ネット上で登
録消費者に向けて提示しました。その上で追加すべき点
や改良すべき点を登録消費者同士対話をしながら掘り下
げてもらったんです。提示されたアイデアから、スイッ
チの ON-OFF を示すランプの位置・デザインなど複数
のアイデアを実際に採用しました。
」と語る。
ここでの BPO の特徴は、ベンダーの持つシステムを活
用して登録消費者と双方向の対話を行い、また消費者同
士が対話を行うなど、消費者という主体とのアライアン
スを組む(連携する)ことで自社にはないアイデアを取
り入れる点にある。
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○対話システムを補完する BPO ベンダーの取組
このタイプの BPO では、消費者との対話が主役である
ことは間違いないが、消費者に投げかけるプロトタイプ
のデザインへの助言やネット上でプロトタイプを提示す
る際のイメージ喚起のテクニックなど、随所にベンダー
としてのノウハウが発揮されている。消費者との対話の
効果を高めるための基盤づくりにもベンダーは貢献して
いるのである。
機器事業部課長の土肥氏
ウィンドーラジエーター
BPO サービスニーズ・効果・満足度について
○期待は多数の消費者のニーズを掘り下げられるノウハウ
ベンダーへのニーズは「認知度が低い商品に対して、
幅広い消費者から具体的なニーズを対話型で掘り下げて
収集するためのノウハウ・専門性ですね。
」と土肥氏は語
る。多数の消費者のニーズを一方的に収集し、ある一時
点の消費者ニーズを捉えるだけの市場調査ではなく、対
話を重ねてリアルタイムでニーズを掘り下げられるとい
う高度な期待があった。
○グッドデザイン賞受賞に結び付くデザインの獲得
土肥氏は、
「期待していた効果は十分得られています。」
という。また、消費者からの意見を取り入れたデザイン
は、2005 年にグッドデザイン賞を受賞するなど予想以上
の成果に結実した。販売実績においても、冬季限定商品
であるにも関わらず、年間数 10 台であったものが 5,000
台へと大幅な販売増を実現した。
○自社の不足している点を補完するベストパートナーに満足
土肥氏は、ベンダーのサービスに対して「大変満足し
ています。自社の足りない部分をうまく補完してくれる
ベストパートナーだからです。自分ではできないことが
できるので、スーパーマンにでもなった気持ちですね。」
と熱く語る。
外部の知恵を活用するための社内文化の創造
○外部との連携への抵抗感をなくすための合意形成
同社には技術者が多くいる中で、外部の消費者の意見
を積極的に取り入れるには当然摩擦も生じる。同社は、
粘り強く社内に BPO の意義を説明することで、社内で
の合意形成を図っていった。このことにより今では外部
の知恵を取り入れることによる抵抗感は薄らいでいると
いう。
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