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学年便り第3号 - 芝浦工業大学柏中学高等学校
第24期生 第3号 2003年6月26日発行 芝浦工業大学柏高等学校第2学年 研修旅行、成功裡に終わる 高校生活最大の行事のひとつ、「研修旅行」を成功裡に終えることができました。前期中 間考査終了の 3 日後に出発という大変厳しい日程でしたが、北海道・オーストラリアとも 全行程にわたり天候に恵まれ、様々な人的交流や現地での体験を通してと大きな感動を皆で 共有することができました。研修旅行の準備から全般に当たられた関係の生徒、先生方の協 力に深く感謝したいと思います。有難うございました。 さて、研修旅行の興奮や疲れが冷めやらぬ中、高校生活前半の締め括りに向け、今一度気 持ちを引き締めてもらいたいところです。研修旅行で中断してしまっている中間考査の結果 分析、総合自主研修のレポートまとめ他、やらねばならぬことが目白押しです。夏期講習会 の申込みも始まり、周囲は既に夏に向けて動き出しています。研修旅行の思い出を糧に勉強 に部活に頑張ってもらいたいと思います。(佐藤元哉) 中間考査を終えて 研修旅行をはさみ昨日でようやく答案返却を終えました。現在、集計作業に入っています。 成績個表の配布につきましては来週の土曜日の LHR を予定しています。結果分析はもちろ んのこと、個表は成績ファイルに綴じ込み、昨年1年間の成績資料とともにしっかりと管理 をして下さい。 夏期講習 旅行後のあわただしい日程の中でしたが、昨日をもって夏期講習の申込みを終了しました。 今年度は英語・数学・国語・理科の4教科26講座の開講を予定しています。 講座内容・時間割等の詳細は以前に配布済みの資料をご覧下さい。 夏休み明けには、志望大学・学部を考え、その上で来年度の選択科目を決定していかねば なりません。不得意分野をなくし、選択の幅を広げられるように努力しましょう。予習・復 習をしっかりして実りの多い講習にしてください。 日程 Ⅰ期 7 月 21 日∼25 日 時程 1限 9:00∼10:30 (各5日間)Ⅱ期 7 月 27 日∼31 日 (各90分)2限 11:00∼12:30 Ⅲ期 8 月 20 日∼24 日 3限 13:15∼14:45 自主研修について 5月29日(土)に行われた自主研修は、無事終わりました。部活動の公欠で参加でき なかった生徒は、7月11日までに研修を行ってください。(研修日の5日前に担任に計画 書を提出し確認をうけること)。総合Ⅱの成績の大部分をこのレポートでつけますので、各 自、指定の様式でレポート提出してください。 ※5月29日に参加した生徒のレポート提出期限・・・6月25日(金) 7月11日までに参加した生徒のレポート提出期限・・・7月20日(火)終業集会日 数学分割授業について 今週から理系数学Ⅱは習熟度別の授業になりました。これまでは24期の 2 年理系の数学 は数学Ⅱと数学Bという科目の下で中入と高入で分割し(進度が違うため)各々週3時間ず つ計6時間の授業を行っておりましたが、この度の中間テストで数Ⅱの方は中入と高入で進 度が揃いましたので英語科同様習熟度別の授業を行うことになりました。23 期生に比べ1 年も早く数Ⅱのみだけでも習熟度別にできた理由の1つは 24 期より新課程になり内容が 少しカットされたこと、 またもう 1 つは 1 年から数A数Ⅰ数B数Ⅱの内容をうまく配列し、 せめて数Ⅱだけでも早い時期に習熟度別授業ができるように配慮した結果です。 習熟度別に 授業を受けることで、数学に自信のある人は更に応用力をつけることができ、少し自信のな い人には基礎をしっかり学ぶことができるようになり、効率良く授業を行うことができます。 分け方は今回は主に模試、や定期試験の結果で約半々に分けてありますが希望によって多少 の入れ替えを行いました。今後は定期試験毎に入れ替えを行う予定です。また数Bに関して は進度の関係で 2 年では中入、高入別による授業形態を続けます。 研修旅行を終えて 【北海道】 4泊5日の研修旅行は、あっという間に終わった。初日の火山博物館、有珠山火口見学,洞 爺湖遊覧船乗船、2日目のニセコ方面でのラフティング、体験学習,3日目の小樽散策、各 ファームでの宿泊、4日目のファームでの農業体験、5日目のファームからフラワーランド への移動をアルバム用写真をとる為に生徒達の姿をカメラで追っていた。各場所でそれぞれ の充実した顔に出会うことができた。 中でもラフティングの前の練習するときのワクワクする感情を抑えきれない顔、ボートに 乗って川を下っている時のあのとても楽しそうな顔,顔,顔。終わってドライスーツを脱い で、カメラを向けたとき全員のニヤ−とした表情はすべてを十分に語っていた。 「風をひい てなかったら、生徒と一緒にできたのに。」と仮定法過去完了の英作文用の問題のような日 本語が浮かんだ。 うらやましいこと限りなし。 11年前、北海道に修学旅行に来た時は、小樽の地をほんのわずかな時間とおりすぎる だけのものだったが、今回はじっくりと運河を眺めることができて楽しかった。梶井基次郎 の檸檬ではないが、自分があたかもヴェニスにいるかのように想像の中で見立て、シャルル アズナブールの歌う悲しみのヴェニスを口ずさみながら、 わずかの時間の滞在に色を添えた。 一方,ファームに「連れられて」行った生徒達の表情は様々で、疎開で都会から田舎に連れ てこられた都会の坊ちゃんのような表情を浮かべる者から、新しい経験に心躍らせる表情を 浮かべる者まで様々であった。当座は労働がつらいと思った者も、やがては土に触れたあの 経験が脱都会につながったりするかも知れない。この経験がどんな風に残っていくのだろう か。でも少人数で共通体験をしたことは残る。修学旅行ってそんなものだ。(文責 下西) 【オーストラリア】 オーストラリア研修旅行報告 狭さと広さ、寒さと暑さ、当地での日向と日陰の境界線の明確さそのままに、対比の鮮や かさが印象的な旅行だった。狭さの点でまずあげられるのが、往き来の飛行機の空間。エコ ノミー症候群を引き起こすという座席での、9時間近くの缶詰状態の苦痛は並ではなく、し かも23時の夜食と4時の朝食は安眠の時間を狭めてくれるのに十分であり、教員と生徒の 多くがブリスベン空港の到着そこそこに、朝日を浴びながらの移動のバス車中でようやく安 眠の時を得るという次第となった。 その寝ぼけ眼を活目させ、オーストラリアの広大さを実感させてくれたのは最初の見学地、 標高300メートルのマウントクーサからのブリスベン市街周辺の眺望。満々と水をたたえ た川の流れが高層ビルの林立する中心街をゆったりと取り巻き、中心部から郊外へ、郊外か ら南は海へ、北はかなたの山地へと、緩やかに起伏した大地が果てしなく延々と連なってい る、その光景と空気の透明感がもたらす心の解放が、梅雨の日本から別次元の世界にいるこ とを何よりも実感させてくれた。 異次元体験は、場所こそいくつかに別れたものの、旅行2、3日目の各ファームでの滞在 の間にさらに助長されたようだ。昼は夏、朝晩は冬を思わせる寒暖の差の激しさもともかく、 素朴な食事や、おおらかな時間概念や衛生感、質朴な施設などに誰しもが少なからずのカル チャーショックを体験したという。しかしここでも自然の広大さが、ちっぽけな苦痛を吹き 飛ばしてくれた。境界の見当もつかないほど、見渡せる限りがその敷地という中で、乗馬や 搾乳はもちろん、単なる散策や球遊びまでが心を伸びやかにしてくれた。夜空の星の密度に も誰しもが目を見張ったのは勿論だがが、ビーチモントという山間地のファームに泊まった 私の個人的な感想を言えば、丘状の大地の連なり以上にその山並みを分割する谷あいの広が りと果てしなくつながるその奥行きが、大陸の自然の大きさを実感させてくれた。 旅行 5 日目。6月18日金曜日に行われた、今回の旅行の大きな目的の一つ、姉妹校レ ーディーマー中学高等学校との交流では、その日を SHIBAKASI DAY と設定しプロ グラムのパンフレットまで用意しての、学校をあげての歓迎ぶりにまず心を動かされた。生 徒と教員が迎える中、入場した教会堂では初め朝の礼拝が行われた。この訪問は、相手校に とっては試験直後の多忙期に半ば押しかけ訪問をするような形になっており、しかも相手側 に本校生徒の服装の乱れがもたらす悪影響を心配されているというなかで行われたものだ った。それだけに、アニメ上映もあった和やかな礼拝と、聖書引用した校長の英語での挨拶 と生徒会の頑張りが印象的だった歓迎式典に続き、授業見学を伴うグループ交流やスポーツ 交流をはさんだ後、再び教会堂でおこなわれた歓迎会の場で、レーディーマーの生徒の口か ら「さくら」や「一つだけの花」の合唱が日本語で流れたときの感激は、歓声を上げた生徒以上 に、後ろめたさとさまざまな危惧いだいていた教員のほうにずっと大きかったかもしれない。 そうした相手の心意気を肌で感じた本校生徒の出し物に気持ちが入らないわけは無く、そ れぞれ我校生徒代表による英語紹介付の、有志によって歌われた「上を向いて歩こう」も「大 地讃唱」も、また舞台のスペースが危ぶまれた「ソーラン節」も、練習にずっとかかわった各 教員が最高のできと称える出来で、 特に後者は参加を躊躇していた生徒に後悔の思いを起こ させるほどの盛り上がりをみせたのだった。それに先立って行われたスポーツ交流での相手 の本気も、今回の訪問を真剣に受け止めてくれたことの証であったろうし、グループに分か れての学校案内を軸にした交流も、密度の差こそあれ、言語が異なる人どうしのコミニュケ ーションの易さと難しさを実感させる貴重な時空となりえたようだった。 交流日に先立つ 17 日に行われた遊園地ドリームワールドでの自由時間とパシフィック フェアーでの買い物も、 場の持つ目的性以上にコミニュケーション能力を問われるという意 味で有効だったが、生徒にとってより印象深かったのは、そうした人工的な施設ではなく、 自然の砂浜だったというのは皮肉な事ながら今回の目的に叶ったものかもしれない。18日 の交流後、浜辺でクラスの集合写真を撮るのもいいだろうことで、夕闇迫るゴールドコース トの砂浜に生徒を解き放ったのだが、靴を脱いで波と戯れるのは序の口で、制服のまま砂浜 を転げ回る(女生徒)どころか上半身まで海に漬かり、あわや 寒中水泳 に及びそうに なる者(球技部系男子)までも現れて、教員団は、生徒の無謀さに肝を冷やしながら夕食の 場へとバスに追い立てたのだが、砂まみれの生徒を迎えたいつも半袖のバスの運転手さん達 のおおらかかな対応も印象的だった。 翌朝の帰途は、またもや苦行の連続。渋滞に巻き込まれずに、8:55分発の、唯一の直 行便に間に合うようにブリスベン空港に着くために、朝はなんと4:30起床。5:30出 発。例によって外の寒さにはお構いなしに冷房の効いたバス車中が深い眠りに包まれたのは 言うまでもなかった。その空港では先着の団体のために搭乗手続きが遅れに遅れ、最後の土 産物を買うはずの自由時間も無くなり、眠気と並び疲れのためにすっかりおとなしくなった 生徒たちが、行儀がいいということで空港係員に誉められるという事態になったのだが、出 発時とのあまりの好対照に私は苦笑するばかりだった。なぜなら出発時は、19:00の集 合に、16時前に空港に到着したグループがいくつもあり、出発待合ロビーでは盛り上がり すぎて一般客の顰蹙を買うような場面も見られるような有様だったからだ。 冬至間近な南半球を飛び発った JAL762便は、もうすっかり傾いた夏の日射しを浴び て、横風が吹き荒れているはずの滑走路に、接地の衝撃をほとんど感じさせること無く降立 った。それは6日前の成田離陸時の歓声に包まれた機内の様子とは好対照の、静寂な出来事 だった。機内に安堵の気配が漂った。(文責 三上満)