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水素と仲良くしよう

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水素と仲良くしよう
39
観察実験事例 20 番
水素と仲良くしよう
1
目的
水素は爆発するから怖いというイメージをもっている。しかし、きちっとした取り扱いをすれば、
まったく危なくないことを経験させると同時に、水素の発生及び性質を学ばせる。そして、水素エネ
ルギーが将来のエネルギーを担っていることへの知識につなぐ。
2
実験器具・実験材料
ポリ容器(20cm×30cm)、集気ビン(またはワンカップ)、ガラス板、試験管、ろ紙、ゴム栓付き気
体誘導管、ろうそく取り付け用針金(約 30cm)、亜鉛(華状)、6mol/L 塩酸、0.5mol/L 硫酸銅(Ⅱ)
水溶液、ろうそく
3
実験の手順
(1) 水素を発生させる
①
ポリ容器の中に水を半分入れ、そこへ集気ビン4本と試験管2本を沈めて水上捕集の準備を
する。
②
試験管に亜鉛を入れ、硫酸銅(Ⅱ)水溶液で洗っておく。その後、塩酸を 20mL 注ぐと同時にゴ
ム栓付き気体誘導管を取り付け、水素を捕集する(図1)。
③
まず、すべての集気ビンに水素を満たし、ガラス板でふたをする。続いて試験管の1本に水
素を満たし、もう1本の試験管には1/3程度の水素を捕集する。
④
反応が終れば、試験管に水を注ぎ、亜鉛を洗っておく。
(2) 水素の性質をさぐる
①
試験管に水素を満たしたものをガスバーナーの火に近づける。
②
試験管の 1/3 程度水素を捕集したものをガスバーナーの火に近づける
③
水素の入った集気ビンの上に空の集気ビンを逆さにして置く。ガラス板を除いてしばらくし
た(30 秒程度)後、再度ガラス板2枚を間に差し込み集気ビンを分ける。それぞれに火のつい
たろうそくで点火する。
④
空の集気ビンを2つ用意し、それぞれの上に水素の入った集気ビンを逆さにして置き、ガラ
ス板を除き、一方は 15 秒、他方は 60 秒後に点火する。
⑤
水素の入った集気ビンを左手に持ち、右手に火のついたろうそくを持ち、ゆっくり水素の中
に入れる。また、ゆっくりと外へ出す。これを繰り返す。
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図1
4
水素の水上捕集
図2
水素の燃焼
実験のこつ
(1) 水素の発生前に、亜鉛を硫酸銅(Ⅱ)水溶液で洗っておくこと。
(2) 水素の中にろうそくの火を入れる実験では、ビンの口のところで水素が燃焼しているので、ゆ
っくりとろうそくを出し入れすること。
5
注意事項
水素の発生には、試験管を用いること。また、水素を捕集し、火をつけるガラス器具には、試験管
や口の広い集気ビンを用いること。フラスコなどは絶対に用いないこと。
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