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甦る 「会津絵」 福島県会津 - THE COVER NIPPON

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甦る 「会津絵」 福島県会津 - THE COVER NIPPON
甦る 「会津絵」
数百年の歴史を持つ会津漆器、 その中に会津絵と呼ばれる一連の漆器
があります。
かつて会津藩を支えた武家社会、 その武家文化を象徴するとも思われる
文様を持っています。 その艶やかさ、 美しさは時代を超えた今も、 少しも
変わりません。
会津絵は、 朱、 緑、 黄、 茶などの彩漆に、 ひときわ目立つ金箔を加えて、
檜垣、 破魔矢、 松竹梅の文様、 鶴亀を配したものもあります。 文様の解
釈は様々な通説がありますが、 総じて 「めでたさ」 を表わし、 祝いの席、
祭事、 神事、 茶会などに使用されたと思われます。 文様のうち、 緑漆で
描かれた松と竹は、 常緑という点から長寿を表わし、 朱漆で描かれた梅
のその見事なまでの艶やかさは、 自由にどこにでものびる枝を表現して、
春を謳歌するようにも見え、 華やかな繁栄を示すものでしょう。 梅の枝の
漆絵の下に見え隠れするように矢羽根が描かれています。 これは戦の図
をさりげなく絵の中に配し、 勝連を祈願したようにも見えます。
このように武家文化華やかりし頃に誕生した会津絵も、 戊辰戦争の後に
は、 武家社会の解体とともに明治文明開化の中で、 いつしか姿を消して
しまっていたのです。
今ここに、 甦る会津絵として現代の工人の腕によって、 みごとに仕上げ
られ、 いつまでも美しい会津絵が引き継がれていきます。
福島県会津
Fukushima Aizu
会津
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