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日本航空(株)羽田整備工場
日本航空飛行機整備場の見学会 さる平成 15 年 10 月 20 日に、JCI関東支部若手会 21 主催の日本航空飛行機整備場見学会が行わ れました。当日は、企業・学生の方を含む約 30 名の方の参加がありました。東京モノレールの整備場 駅に集合した後、徒歩で数分のところにある整備場が今回の見学会の会場です。当日は、整備場で働 いていたOBの方2名が案内係として来てくださいました。このような見学会は結構おこなわれてい るそうで、そのためにOBの方がボランティアで説明を引き受けているのだそうです。 見学する飛行機の前で説明を受ける参加者。整備場内とい うことで全員がヘルメットを着用している。 整備場では、まず日本航空で保有している飛行機の機体に関する説明があり、その後整備場内に入 って実際の整備状況などについて説明をしていただきました。 日本航空では現在7種類の機体を使用しているそうです。B747-100/200/300(ジャンボ在来機)、 B767-200/300、B777-200/300(スタージェット)、B747-400(スカイクルーザー・ジャンボハイテク 機)、B747-300、B737-400(フラワージェット)、MD-11(J-BIRD)、DC-10-40 の7種類です。日本航 空では主な機体に愛称(括弧内の名称)をつけ、さらに1機ずつ鳥や花や星座の名前付けているそう ですが、今回見せていただいたのはスタージェットの1号機で、シリウスという名前の付いた機体で した。(B777-200) 前方入り口付近。機体名のシリウスが扉前方に書いてあ る。 飛行機の整備には、その飛行機の飛行時間や飛行回数によって、4つの整備の段階が決まっている そうです。整備段階は、アルファベットを使用して、それぞれT・A・C・M整備と呼ばれています。 まず、飛行機が到着してから次の目的地に出発するまでの間に行う整備をT整備といい、飛行機が 出発するたびに毎回実施されるもっとも短い時間の整備です。主に外観点検を行うほか、飛行中に機 長や客室乗務員によって不具合個所が発見された場合の整備を行うそうです。A整備は約 300 時間飛 行したとき(約1ヶ月)、その飛行機が最終便で到着してから始発便で出発するまでの時間で行う整 備です。深夜から早朝までの約6時間で、10 人ぐらいの整備員が作業をし、外部状態の点検や油脂類 の交換、各部の清掃、部品の交換等を行うそうです。C整備は、約1年ごとに行われ、7日から 10 日 をかけて、機体構造の点検を含む整備を実施します。4年から5年に1回、行われる大規模な整備が、 M整備です。M整備では、内装だけでなく、航空会社のロゴが入った外装のペンキまで、すべて取り 去り、20 日から長いものでは約2ヶ月をかけて、詳細な機体構造検査や各系統の整備、改修を行い、 最後に、防錆処置、再塗装を施すそうです。 飛行機の整備は、航空機メーカーと航空会社が連携して行っており、整備によって発見された故障 情報をお互いに連絡し合うことで、故障があった飛行時間、飛行サイクルより早いタイミングで飛行 機を整備することができるようにしているそうです。このことによって、同型の機種を保有する各航 空会社の事故を、未然に防ぐことができるからだそうです。 機内の様子。内装がほぼ取られた状態で、内部で作業を行 っている。 整備場内で約1時間30分ほどの説明を受けた後、近くの日本航空の建物にある会議室に移動して 質疑の時間を設けていただきました。参加者からは整備の仕方に関する質問や航空機メーカーと航空 会社の役割などについての質問が出ました。飛行機の場合、メンテナンスがすでに必要なものとして 認められており、その分の価格も消費者に上乗せされています。また、メンテナンスの方法や情報の 収集についてもすでにマニュアル化されており、システムとしてすでにできあがっているということ がよくわかりました。