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評 価 報 告 書 - KKR 国家公務員共済組合連合会

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評 価 報 告 書 - KKR 国家公務員共済組合連合会
評 価 報 告 書
( 平成 24 年度 )
平成 25 年 12 月
国家公務員共済組合連合会評価委員会
評価シート(資産運用)
連合会では、将来の年金給付の財源となる年金の積立金等を安全かつ効率的に運用する
ことが求められている。評価委員会では、このような観点から、平成 24 年度の年金資産運
用業務の実績について、中立公正な立場で客観的に評価した。
項目別評価
1.デュープロセス
国家公務員共済年金の資産運用は、法令の定めにより、
「積立金等の運用の基本方
針」
(以下「基本方針」という。)を策定し、
『安全かつ効率的』に行うこととされて
いるところである。平成 22 年 4 月に見直しを行った基本方針において定められてい
る基本ポートフォリオの内容については、平成 25 年 3 月及び 6 月の資産運用委員会
において、「これまでの ALM(資産負債管理)アプローチを踏襲した LDI(年金負債
対応型投資)の考え方を導入したことから、引き続き、ミドルリスク・ミドルリタ
ーンの特性を堅持した『安全かつ効率的』なものとなっている」との評価を受けて
いる。さらに、市況の変動が激しい中、運用状況が比較的安定裡に推移している状
況からすれば、妥当であると評価できる。また、実際の資産運用については、法令
や基本方針を遵守した適切なものとなっており、評価できる。
基本方針においては、市況の動向如何にかかわらず、基本ポートフォリオに基づ
く資産配分を維持することとしている。平成 24 年度においても、基本ポートフォリ
オに基づき分散投資を行った結果、資産構成割合(時価ベース)は、いずれも基本
ポートフォリオの許容範囲に収まっており、適切に維持されていると評価できる。
また、基本方針においては、資産(負債対応ポートフォリオ)のデュレーション
を、年金給付債務である負債のデュレーション(約 15 年)に近づけるべく、市場金
利の上昇に伴い、債券の保有期間を長期化することとしているが、この方針は、年
金制度全体の金利変動リスクを回避する観点から適切な方針であると評価できる。
平成 24 年度においては、内外株価の上昇や円高の修正に伴い、内外株式の資産構
成ウエイトが高まったことから、市場の動向を定性的かつ定量的な観点から判断し、
内外株式のリバランスを実施している。これにより、売却益を確保するとともに、
その資金について超長期債投資を実施し、その結果、平成 24 年度末のデュレーショ
ンが 7.33 年に長期化している。また、債券・預託金のインカム利回りは負債に見合
う超長期債券の市場平均に近いものとなっており、債券ポートフォリオは良質な状
況を維持できているものと評価できる。
1
更に、基本方針においては、金利変動リスクを回避する等の観点から、非流動性
資産の残高圧縮を図ることとしているが、平成 24 年度末の非流動性資産残高は
3,966 億円となっており、従来からの組合貸付金の返済の進捗や証券化により、平
成 13 年度末残高の 4 分の 1 程度まで縮小していることは評価できる。組合貸付金の
証券化については、今後とも、コスト等を勘案の上、推進する方針としており、効
果的な取組みに期待したい。
2.年金資産の安全かつ効率的な運用
安全かつ効率的な運用を行うとの方針の下、平成 24 年度の目標利回りは、消費者
物価の変動を控除した実質運用利回りで 0.50%としている。平成 24 年度実績の実
質運用利回りは、5.10%と目標利回りを上回る結果となった。また、中長期的な観
点から、5 年及び 10 年の移動平均で見た場合、5 年では目標の 1.18%に対し 2.11%、
10 年では目標の 1.42%に対し 2.49%(CPI 実績のマイナス値を考慮しない場合、5
年 1.94%、10 年 2.37%)と、いずれにおいても目標利回りを上回る結果となって
おり、安定的な運用利回りを確保していると評価できる。
3.運用体制の整備
資産運用業務については、平成 13 年の資産運用専担部署(資金運用部)設置に合
せ、理事長の諮問機関として、学識経験者 4 名で構成される資産運用委員会を設置
し、基本方針の策定や運用上の重要事項について意見や助言を受ける仕組みを構築
している。
資産運用委員会は、平成 25 年 3 月及び 6 月に開催され、基本方針の見直しの必要
性や運用状況等について審議を行っている。
従来から、運用業務を執行するにあたっては、同委員会の提言や意見を着実に実
行に移しており、連合会の資産運用にかかるガバナンス体制は、有効かつ適切に機
能していると評価できる。
全体評価
資産運用業務は、法令の定めにより策定した基本方針に沿って行われており、ま
た、外部有識者で構成される資産運用委員会を適宜開催して意見・助言を聞くなど、
デュープロセスは適切に行われていると評価できる。
基本方針においては、資産のデュレーションを年金給付債務のデュレーション(約
15 年)に近づけるべく、市場金利の上昇に伴い、債券の保有期間を長期化する方針
としている。平成 24 年度においては、内外株式のリバランスを実施し売却益を確保
2
するとともに、その資金について超長期債投資を行った結果、デュレーションが長
期化している。また、債券・預託金のインカム利回りは負債に見合う超長期債券の
市場平均に近いものとなっていることから、債券ポートフォリオは良質な状況を維
持できているものと評価できる。
平成 24 年度の実質運用利回りについては、単年度では目標利回りを上回ってい
る。また、中長期的な期間を移動平均でみた場合、5 年、10 年の何れにおいても、
目標を上回っており、安定的な運用利回りを確保できていると評価できる。
積立金が将来における年金給付の財源となることを考慮すれば、引き続き、長期
的な視野に立って安全かつ効率的な運用を行うとの方針を堅持することが適当と考
えられる。
なお、基本ポートフォリオについては、基本方針において、毎年検証を行うとと
もに、諸条件に著しい変化があった場合は可及的速やかに見直しを行うこととされ
ており、この適用にあたっては、適切な対応を期待したい。
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評価シート(医療事業)
連合会の医療事業(直営病院・旧令共済病院)については、年金積立金からの借入金を
将来にわたって着実に返済するために、黒字経営を確保し健全経営の基盤を確立しなけれ
ばならない。評価委員会では、このような観点から、平成 24 年度の運営実績について、事
業計画との対比を行いながら、中立公正な立場で客観的に評価した。
項目別評価
1.財務内容
医療事業においては、医療制度改革をはじめ経営環境が大きく変化する中で、平
成 20 年度を初年度とする 5 か年の「経営基盤強化のための中期計画」が策定されて
いる。
その 5 年目にあたる平成 24 年度決算は、直営病院では当期損益が 76 億円の黒字
となり、事業計画を上回った。旧令共済病院においては当期損益が 19 億円の黒字と
なったものの、事業計画を下回った。
【直営病院】
平成 24 年度の経常収益は 1,713 億円と、診療報酬改定の影響、施設基準の取得、
DPC(疾病別包括支払制度)の効率的運用等により診療単価は増加したものの、医師
の交替・退職等による患者数の減少から、患者収入が計画ほどは伸びず、計画を 17
億円下回った。一方、経常費用は 1,635 億円と、看護師等の確保が計画どおりでき
なかったこと等により人件費が計画額を下回ったほか、賃借料等を抑制した結果、
計画を 20 億円下回った。
この結果、経常損益は 78 億円の黒字と、計画を 4 億円上回った。また、特別損益
を加えた当期損益も 76 億円の黒字と、計画を 7 億円上回った。
医業収支比率(医業収入/医業費用)は、患者収入が計画ほど伸びなかったこと
から、計画未達成となった。
長期借入金残高(平成 24 年度末)は 370 億円と、昨年度末から 38 億円減少して
おり、着実に返済が実施され、計画を達成した。
また、医業収支比率、営業キャッシュフロー率とも中期計画の最終目標値を上回
っており、経営基盤の強化が図られていると評価できる。
【旧令共済病院】
平成 24 年度の経常収益は 936 億円と、診療報酬改定の影響、看護基準の上位取得、
施設基準の取得、DPC の効率的運用等により診療単価は増加したものの、医師の交
替・退職等による患者数の減少から、患者収入があまり伸びず、計画を 16 億円下回
った。一方、経常費用は 915 億円と、看護師等の確保が計画どおりできなかったこ
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と等により人件費が計画額を下回ったほか、賃借料等を抑制した結果、計画を 10 億
円下回った。
この結果、経常損益は 21 億円の黒字、特別損益を加えた当期損益も 19 億円の黒
字となったが、旧軍港市に所在する病院が多く、退職した医師の補充が遅れたこと
などから、患者収入の伸びが小さくいずれも計画を下回った。
医業収支比率は、患者収入が計画ほど伸びなかったことから、計画未達成となっ
た。
長期借入金残高(平成 24 年度末)は 110 億円と、昨年度末から 8 億円増加したも
のの、借入額が計画より少なかったこと及び着実に返済が実施されたことから、計
画を達成した。
また、医業収支比率、営業キャッシュフロー率とも中期計画の最終目標値を上回
っており、厳しい医療環境の下にありながら、経営基盤の強化が図られていると評
価できる。
2.経営改善策の内容-中期計画に定める重点施策実施状況-
連合会病院では、本部と病院が問題意識を共有し、一体となって諸課題に取り組
んでいる。
急性期医療を主体とした地域医療の推進については、地域における自院の役割を
明確にし、院内の人的体制に即した診療機能の充実・再編を図るとともに、
「4 疾病
5 事業」等の地域医療計画に積極的に参画しているが、引き続き地域連携への積極
的な取組みに期待したい。また、地域連携体制をより強化するため、地域連携室の
人員体制を更に強化するとともに、IT 利用による医療情報の共有化により近隣診療
所間の連携を推進するため、地域連携システム、医用画像配信システムを導入し、
環境整備を図っているが、引き続き積極的な取組みに期待したい。
優秀な人材の確保と育成については、給与制度検討委員会報告書に基づき、病院
職員新給与制度を平成 25 年 1 月に本格実施しているが、効果的な運用に期待したい。
また、連合会全体として看護師合同就職説明会に参加し、広く募集を行うことで看
護師確保に努めたほか、病院管理者等に対して、病院経営に必要な知識や情報を習
得するための各種研修会を開催しており、引き続き積極的な取組みに期待したい。
コスト削減の徹底については、従来の診療科別原価計算の問題点を整理し、部門
管理のツールとして有効に活用していくための課題と対応策(配賦方法の見直し等)
の検討を行い、診療科ごとの目標管理を推進しているが、効果的な取組みに期待し
たい。
連合会病院のスケールメリットを活かし、医薬品については全国規模での共同価
格交渉を実施しており、さらに、後発医薬品については、注射薬の対象品目を増や
5
して、共同価格交渉を実施しているが、引き続き、その効果的な取組みに期待した
い。また、医療材料については、全病院同一の調達代行業者を活用した共同調達を
実施し、病院ごとに価格削減を進めるとともに、連合会病院全体でのメーカー交渉
も継続して実施しているが、その効果的な取組みに期待したい。
重点的経営指導の推進については、
「経営指導要領」に基づき、定期的に経営状況
のモニタリングを実施し、また、
「重点経営改善対象病院」及び「経営改善対象病院」
を指定し、本部・病院が一体となり経営改善に取り組んでいることは評価できるが、
今後とも、実効ある取組みに期待したい。
3.医療安全にかかる内部管理の充実
各病院の医療事故調査委員会の現状(事故調査委員会規定、外部委員の参加、患
者への開示規定等)を調査し、医療安全対策推進委員会で検討を行うとともに、イ
ンフォームドコンセントの規程・項目等について、全病院共通の必須項目等のチェ
ックリストを活用した。また、医療安全掲示板を活用した医療事故情報の掲載を行
ったことに加え、平成 24 年 2 月に構築した医療安全情報システムを活用し、医療安
全体制の更なる推進に努めた。
医療安全ネットワークの更なる推進を図るため、医師、薬剤師が参加したリスク
マネージャー会議や全国 6 ブロックにおけるリスクマネージャー地域ブロック会議
及びブロックリーダー会議を年 2 回定期開催した。
これら連合会の取組みは、医療安全管理体制の強化を図ったものとして評価でき
る。
全体評価
連合会の医療事業においては、医療制度改革をはじめ経営環境が大きく変化する
中で、平成 20 年度を初年度とする 5 か年の「経営基盤強化のための中期計画」が策
定されているところであるが、最終年度である平成 24 年度決算においては、医業収
支比率、営業キャッシュフロー率とも中期計画の最終目標値を上回った。この中期
計画期間中の 5 年間の実績は、定量的な計数目標で管理してきた成果であり、着実
に経営基盤の強化が図られていると評価できる。
中期計画に定める重点施策については、それぞれの分野で一定の進展があったと
評価できるが、引き続き効果的な取組みに期待したい。
医療安全については、今後も医療安全管理体制の充実を図り、情報の共有化等を
推進し、医療事故の発生予防及び再発防止に努めていくことを期待したい。
6
「経営基盤強化のための中期計画」は平成 24 年度をもって終了したが、全病院の
黒字化、投資基準を満たせなかった病院の建替え、災害を含むリスクへの対応、
「社
会保障と税の一体改革」において打ち出された 2025 年に向けての医療機能再編等、
新たに取り組むべき課題も生じてきている。
こうした状況を踏まえ、平成 25 年度から 5 か年の「第二次連合会病院中期計画(-
選ばれる病院を目指して-)」を策定している。新しい中期計画においては、連合会
病院が組合員や地域等から選ばれる病院となるよう、医療の方向性を明確にし、医
療水準が高く特色ある医療機能を有する病院を目指すとともに、健全経営を維持す
ることが重要である。高齢化社会の更なる進展を展望しつつ、新中期計画の実効あ
る取組みに期待したい。
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評価シート(宿泊事業)
連合会の宿泊事業は、年金積立金からの借入金を将来にわたって着実に返済するために、
経常損益の黒字を確保できる経営の健全性を確立しなければならない。評価委員会では、
このような観点から、平成 24 年度の宿泊事業の運営実績について、事業計画との対比を行
いながら、中立公正な立場で客観的に評価した。
項目別評価
1.財務の概況
宿泊事業においては、経営体質の強化を図るとともに、年金積立金からの借入金
を着実に返済することにより、財務体質の健全化に努め、組合員等の福祉施設とし
てその期待される役割を遂行するため、平成 24 年度を初年度とする 5 か年の「第三
次中期経営改善計画」を策定し、経営改善に取り組んでいる。
平成 24 年度の営業収益は 181 億円と、婚礼部門において大幅に計画を下回ったこ
とから、事業計画を 8 億円下回った。一方、営業費用は 173 億円と、光熱水料の高
騰の影響を受けたが、一般管理費等の経費削減に努めたほか原材料費の減少等もあ
り、計画を 5 億円下回った。この結果、営業利益は 8 億円の黒字を計上できたもの
の計画を 3 億円下回った。
長期借入金残高(平成 24 年度末)については、計画どおり定期返済額 33 億円を
返済し、259 億円となった。また、営業収益に対する借入金残高の倍率もほぼ計画
どおり 1.4 倍となった。
以上のとおり、黒字を計上し、長期借入金の返済は着実に行われているものの、
営業利益は計画を下回っていることから、目標とする営業利益の確保に向けて、あ
らゆる方策に取り組むことが求められる。
2.部門別営業実績と経営改善に向けた取組み
宿泊販売については、先々の予約状況及び近隣施設の価格動向を勘案しつつ、弾
力的かつ機動的にインターネット販売価格を変動させる等の施策に積極的に取り組
んだ結果、前年度に比して客室稼働率が 1.6 ポイント上昇し、売上は 290 百万円の
増収となり、ほぼ計画どおりの結果となったことは評価できる。
宴会販売については、先々の予約状況を踏まえた早めのセールス活動を実施する
等の施策に取り組んだ結果、前年度に比して 304 組、9,824 人の利用増となり、売
上は 37 百万円の増収となったものの、計画達成には至らなかった。今後も収益の向
上を図るため、早めのセールス活動を実施するなど効果的な取組みに期待したい。
婚礼販売については、ゲストハウスなど新しい業態の競合施設の進出に伴う競争
8
激化などにより、前年度に比して 217 組、売上 354 百万円の大幅減少となり、計画
を大きく下回った。特に、基幹施設である大阪共済会館においては、新規来館者数
の減少に加え、経験豊富なプランナーの退職が続いたことによる営業力の低下等に
より大幅な受注減となった。
このため、婚礼情報誌誌面の評価、新規来館のきっかけ調査、エージェントから
の送客、フェアの効果、成約・非成約理由等を常に把握・分析し、新規来館者数の
増加と成約率の向上により、受注組数の増加を図るとしており、引き続き実効ある
取組みに努められたい。また、大阪共済会館においては、総支配人、婚礼部門長を
交代させるなど体制を刷新し、新規来館のきっかけ調査や非成約理由アンケートの
結果等を踏まえて、ガーデンチャペルのリニューアル、新感覚の和洋折衷料理の導
入、婚礼販売の基本コンセプトの見直しなど、強力に販売促進を行っており、引き
続き実効ある取組みに努められたい。
なお、宴会販売や婚礼販売においては、200 万人超の組合員・OB を擁するという
特性や利用実績のある顧客情報を活かす企画・広報のあり方、宴会場の新たな有効
活用策について検討することが考えられる。
サービス改善に向けた全般的な取組みとして、接客サービス研修の拡充や外部調
査機関によるサービスレベルのチェック等を継続して実施したほか、客室や露天風
呂等の施設整備を行っている。また、KKR グループとしてのメリットを活かすべく、
(総)支配人会議や婚礼担当者会議等の場を通じて、成功事例や失敗事例の紹介な
どスキルの向上を図っている。今後とも、こうした取組みを通じたサービスの改善、
顧客満足度の向上に期待したい。
一方、経費の面では、営業収益の大幅な落ち込みに伴って、婚礼に係る広告費の
縮減など営業費を見直したほか、一般管理費などの経費削減にも努めている。今後
とも、人員の効率的運用、施設運営の連携強化、調達契約等における競争性の拡大
などにより、人件費、事務費等のあらゆる経費の抑制に努められたい。
3.内部利用促進策
内部利用の減少傾向が続いていたことから、組合員限定宿泊利用券の配付、退職
を控えた現役組合員に対する特別宿泊利用券の配付、無料送迎バスの運行、メール
会員への最新情報等の配信等の施策を継続して実施したほか、新たな施策として、
全組合員を対象とした年 2 回の PR 紙「旬な宿」の配付、組合員限定宿泊利用券の対
象期間の拡充、内部利用者に対するポイント倍付けキャンペーン等を実施している。
こうした施策の結果、減少が続いていた内部利用者は、前年度に比して 26 千人、
6.1%増加し、また、内部利用率についても 1.9 ポイントの改善となったことは評価
できる。今後とも効果的な施策に取り組むことを期待したい。
9
4.整理合理化について
整理合理化基準の適用状況について、前中期計画からの基準である二期連続赤字
に該当する施設はなかった。また、今中期計画で新たに導入した基準において、内
部利用差額加算後の営業利益が施設維持経費の一定水準に二期達しない場合に廃止
を検討することとしているが、平成 24 年度において当該水準に達しなかった施設が
1 施設あった。
また、平成 24 年度に入り、被用者年金一元化法の成立、給与特例法による国家公
務員の給与削減、宿泊事業の収益状況の悪化など宿泊事業を取り巻く環境に大きな
変化があった。これらの変化に対応するため、選択と集中を更に徹底し、平成 25 年
度から整理合理化基準を弾力的に適用することにより、整理合理化を加速すること
としており、その着実な取組みに期待したい。
全体評価
宿泊事業においては、経営体質の強化を図るとともに、年金積立金からの借入金
を着実に返済することにより、財務体質の健全化に努め、組合員等の福祉施設とし
てその期待される役割を遂行するため、平成 24 年度を初年度とする 5 か年の「第三
次中期経営改善計画」を策定し、経営改善に取り組んでいる。
平成 24 年度の決算は、営業収益が婚礼部門において大幅に計画を下回ったことか
ら、営業利益が計画未達成となっている。こうした状況を踏まえ、今後とも、営業
収益の改善を図り、目標営業利益の確保に向けて、あらゆる方策に取り組むことが
求められる。特に婚礼部門においては、現状を常に把握・分析し、新規来館者数の
増加と成約率の向上により、受注組数の増加を図るとしており、引き続き実効ある
取組みに努められたい。
内部利用促進策については、従来からの施策を継続して実施したほか、新たな施
策として全組合員を対象とした PR 紙の配付、組合員限定宿泊利用券の対象期間の拡
充、内部利用者に対するポイント倍付けキャンペーン等を実施し、内部利用が増加
に転じたことは評価できる。今後とも効果的な施策に取り組むことを期待したい。
整理合理化については、宿泊事業を取り巻く大きな環境の変化に対応するため、
選択と集中を更に徹底し、平成 25 年度から整理合理化基準を弾力的に適用すること
により加速することとしており、その着実な取組みに期待したい。
最後に、
「第三次中期経営改善計画」に基づき、引き続き組織が一丸となって、経
営改善に取り組むことを期待したい。
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