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プラント系デジタルエンジニアリング環境の現状と展望
第24回 『A-TS12-05設計研究会』 2008年1月22日 プラント系デジタルエンジニアリング 環境の現状と展望 [抜粋] (株)日立製作所 日立研究所 原島 一郎 1 Hitachi Research Laboratory Copyright © 2008, Hitachi, Ltd. All rights reserved. デジタルエンジニアリングの現状(概要) 自社開発ツールから市販ツール活用による解析/設計/製造準備支援 •[CAE] 大規模解析、複雑物理現象解析、弱連成解析、最適化、簡易CAE •[CAD] パラメトリックモデリング、テンプレートモデリング •[CAM] 各種製造シミュレータ、生産性・信頼性評価 •[プロセス] 業務ナビゲータ(設計プロセスナビゲータ) •自社ツール開発から市販ツール高度活用へ *ただし評価ツールやプラント設計支援ツールは自社開発の比率が高い 量産系、プラント系でツール活用レベルの違いはあるものの、 真の「統合設計支援システム」という意味では道半ば 2 Hitachi Research Laboratory Copyright © 2008, Hitachi, Ltd. All rights reserved. デジタルエンジニアリングの三要素 デジタルエンジニアリングの成功には、機能設計、形状設計、モノづくりプロセス それぞれの革新と相互連携強化が必要 設計品質の向上 ・解析主導型設計(ALD)の実現 機能設計 形状設計 3 モノづくり プロセス 形状モデルの有効活用 PLM/プロジェクト/知識管理 ・開発、設計から製造までのデジタル連携 ・製品/プロジェクトライフサイクルを支援 Hitachi Research Laboratory Copyright © 2008, Hitachi, Ltd. All rights reserved. ALD(解析主導型設計)の社外事例 GEAEのマスターモデルコンセプトによるタービン開発期間短縮・品質確保 マスターモデルにリンク付けされた 解析・製造コンテキストモデル 連動 マスターモデル = 構成管理のもと、中核として格納 された形状の単一表現 連動 マスターモデルにリンク付けされた デジタルモックアップ 4 LIMM (Linked Intelligent Master Model) 効果 標準(マスター)モデルを設定し、 解析から製造モデルまでを 統合的にリンク付けすることで、 開発期間を短縮(48ヶ月→24ヶ月 →?)。 ハードル ・マスターモデルのメンテナンスに 膨大な工数 ・厳密なトルゲート設定 Hitachi Research Laboratory Copyright © 2008, Hitachi, Ltd. All rights reserved. 形状モデルの有効活用 形状モデル資産活用 • 実績のある部品の流用 • 実績のある部品形状要素(形状フィーチャ)の流用 • 実績のあるモデリング操作、解析操作、加工プロセスの流用 形状に関する 要素技術 検索技術 ・部品検索 ・類似形状検索 ・類似プロセス検索 5 編集技術 ・形状変形 ・形状簡略化 ・形状(要素)置換 検証技術 ・数値計算 ・シミュレーション ・クライテリアチェック Hitachi Research Laboratory Copyright © 2008, Hitachi, Ltd. All rights reserved. 検索技術 類似形状要素検索[自社開発] 類似形状部品・形状要素の流用、さらにそれらに対する形状操作、 加工プロセスの流用により、3Dモデリング工数の低減を実現 トポロジー一致/完全一致/メッシュ形状検索 多次元評価ビューによる類似形状検索 問い合わせ形状 類似形状要素が近傍に配置 穴 径 穴深さ 6 Hitachi Research Laboratory Copyright © 2008, Hitachi, Ltd. All rights reserved. 編集技術 形状簡略化[自社開発] 3D形状の簡略化機能により、解析準備プロセス、加工準備プロセスにおけ る 3Dモデリング工数の低減を実現 類似形状検索結果 一括簡略化 7 Hitachi Research Laboratory Copyright © 2008, Hitachi, Ltd. All rights reserved. PLM/プロジェクト/知識管理 製品企画から廃棄までの製品/プロジェクトのライフサイクルにわたるサポートを 各種ツールとデータベース群で実行 企画 PR 受注 開発 設計 CRM/CSR/環境 調達 製造 検査 輸送 PDM/ERP/SCM/MES CAE CAD/CAM 建設 モニタ リング 試運転 保守 補修 撤去 CRM/廃棄/リサイクル CAT PLM/プロジェクト管理/ナレッジベースシステム CRM/CSR/環境 データ CAD/CAE/CAM/CAT データ Smart Engineering Advanced Simulation CRM:Customer Relation Management,CSR: Corporate Social Responsibility, PDM: Product Data Management, ERP: Enterprise Resource Planning, MES: Manufacturing Execution System, SCM: Supply Chain Management 8 PDM/ERP/SCM/MES データ CRM/廃棄/リサイクル データ 将来 情報連鎖の自動化と高度化 DEワークベンチ 従来のモジュール型 プロセス +すり合わせ型 プロセス に対応 Hitachi Research Laboratory Copyright © 2008, Hitachi, Ltd. All rights reserved. プラント設計の特徴 量産製品設計との比較によるプラント設計の特徴 機器設計と配管等、全体プラント設計の連携 重厚長大 機能設計 膨大な製品データ量 標準化困難 プラント設計 モノづくり プロセス 形状設計 複雑な機器形状 長期の製品ライフサイクル 建設プロセス 9 受注生産 機器輸送プロセス Hitachi Research Laboratory Copyright © 2008, Hitachi, Ltd. All rights reserved. プラント設計における課題 製品の特徴 課題 •大型、複雑、高精度な製品形状 •受注による少量生産 •新規開発部分が多い •3Dモデル化、解析、製造が困難 •コスト見積もりが困難 •部品、開発プロセスの標準化が困難 エンジニアリング支援ツールの活用は限定的、局所的、一時的 個々のツールを有機的に連携し、持続的にメンテナンス可能な しくみ(モデル、システム、体制)が必要 10 Hitachi Research Laboratory Copyright © 2008, Hitachi, Ltd. All rights reserved. 今後の展望 プラント系デジタルエンジニアリングにおける技術要求 ニーズ • ハードウェア、ソフトウェアの進歩による大規模設計対象への対応 大規模なCAD/CAE/CAMデータへの対応 • プラントライフサイクルの各フェーズへの対応 開発、設計、製造から、建設、ロジスティクスまで • すり合わせ開発プロセスへの対応 標準化が困難なプロセスでの効率向上 要素技術 • • • • 11 システム統合 → エンジニアリングオントロジーの整備 データ統合 → エンジニアリングDBの整備 設計プロセス管理 → 設計プロセス標準化、設計プロセスDBの整備 設計クライテリア管理 → 設計クライテリアDBの整備 Hitachi Research Laboratory Copyright © 2008, Hitachi, Ltd. All rights reserved. おわりに まとめ • プラント機器設計には機械系CADシステムを活用 → 量産系DEとの共通性は高いが、データ量が膨大 • 配管、機器配置にはプロセス系CADシステムを活用 → プラント系DE独特 • 両者のデータ統合によりプラント全体のエンジニアリングを実現 今後 • 開発、設計、製造から建設、ロジスティクス等、幅広い範囲をカバー する統合設計フレームワークの実現(DEワークベンチ) 12 Hitachi Research Laboratory Copyright © 2008, Hitachi, Ltd. All rights reserved.