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共通化 無理を通せば 大渋滞 くやしいが 応援頼もう 客のため

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共通化 無理を通せば 大渋滞 くやしいが 応援頼もう 客のため
ミスター・プロジェクトX 名内泰藏が、折に触れて発表してきたプロジェクト管理の格言を、オリジナ
ルカルタのスタイルでお届けします。思わずふふっと笑わせながら、その陰に変わらぬ真理がひそん
でいる深い格言の数々。五十音順にご一緒に楽しみながら学びませんか。
共通化 無理を通せば 大渋滞
全体最適を考えて共通化できるところは共通化し、ムダのない全社
情報基盤を構築する。それ自体はすばらしい構想である。しかし、
これを実行するにはそれだけのマネジメント能力が要ることを肝に
命じておくべきだろう。よくあるのは、プロジェクトが途中まで進んで
から開発規模が予想以上にふくらんでしまったことに気づき、あわ
てて共通化でコスト削減を図ろうとするパターンである。屋台骨を後
から入れようとしてもうまくいくはずがない。共通化を行うなら最初
にこの部分の仕様をまとめ、きちんと設計し、ドキュメントもしっかり
整備しておくべきだ。消化不良のまま共通化を進めようとすると、必
ずプロジェクトは混乱する。「この橋を渡らないと向こうへ行けない」
という道が常に渋滞を起こすのと同じ原理だ。
共通化というのはかなりの大仕事で、大仕事には技量だけではな
く、その部隊の任務遂行力が問われるものであることを理解してお
きたい。
くやしいが 応援頼もう 客のため
組織は任務の分担によって維持されるので、プロジェクトAはチームA、プロジェクトBはチームB、という
具合にそれぞれが責任を持って最初から最後まで担当することになっている。しかし、自分たちの力が
思ったより不足しており、このままでは納期が守れないということもときとしてある。そういうときは、メン
ツだとかプライドだとかいっていないでさっさと応援を頼むべきである。どんなにプロジェクトが火を噴い
ていることが明白でも、頼まれないかぎり周囲は応援のしようがないからだ。直談判が難しければ、人
事や経理など管理部門の人間を介してもいい。しかし、だからといって、全力を尽くしもしないですぐ応
援を頼むクセをつけるのもそれはそれでいいことではない。
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このとき、応援を頼まれたリーダーは、期待されているよりひと
つ上レベルで応えるようにしよう。チームの余剰人員を差し出す
ようなことをしてはいけない。一人ぐらいはキラリと光る人間を投
入しないと本当の意味での応援にはならない。
経験の 二倍を越せば
大規模だ
システム開発は規模が大き
くなるにつれて、等比級数
的に難しいものになる。前
回5000万円規模の開発案件を無事にカットオーバーさせたからっ
て、次に1億円規模の開発案件がまとめられるかというと、それは
保証の限りではない。これをプロジェクトメンバーの数で測ってもよ
い。前回10人のチームを指揮できたからといって、すぐに20人のチ
ームの統率が取れるわけではない。経験の1.5倍がいいところだ。
前回が5000万円規模だったら次は7500万円規模、前回が10人なら
今回は15人。背伸びをするのが一概に悪いこととはいえないが、こ
とシステム開発に関してはリスクが大きすぎる。お客さまのために
も、本人のためにも、堅実な成長を考えた方がいいだろう。
これはマネジメント層のリスク管理の指標としても使える数字であ
る。部下に経験の倍以上のプロジェクトをやらせるなら、危ないと思
って、誰かに支援させたり、しっかりレビューさせることが必要だ。
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