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高カロリー輸液施行中に発症したビタミンBl欠乏による 乳酸アシドーシス
101,1997年 日消外会誌 30(1):97∼ 高 カ ロ リー輸液施行中 に発症 した ビタ ミン Bl欠 乏 による 乳酸 ア シ ドー シスの 1症 例 大阪警察病院外科 野村 昌 哉 荻野 信 夫 江本 節 中尾 量 保 弓場 健 義 黒住 和 史 仲 原 正 明 宮 崎 知 成 田 匡 志 ー 患者 は86歳 ,女 性 の進行膵頭部癌症例 .高 カ ロ リ 輸液 (総合 ビタ ミン剤非配合)施 行 中 に,温 熱 ー 20),末 梢循環不 化学療 法 を契機 に経 日摂取不 良 とな り,高 カ ロ リ 輸液 21日 目に急激 な意識低下 (II‐ 全,呼 吸促拍 を認 め,腹 痛 を訴 えた,血 液 ガ ス分析 で pH 7.193,Base Excess-16.6mEq/′ と著明 な 代謝性 ア シ ドー シス を認 め,7%炭 酸水素 ナ トリウム を計480ml投 与 したが改善 しなか つた。発症 よ り 16時間後 ビタ ミン Bl欠 乏 を疑 い,塩酸 チア ミン150mgを 静注 した ところ,1時 間後 に pH 7.507,Base Excess 3.8mEq/′ とな り, 4時 間後 に意識 レベ ル は I-2に改善 した。発症時 の血清乳酸値 は119mg/dl と異 常高値 を示 し,血 中 ビタ ミン Bl値 は13ng/mlと 異常低値 であつたが それ ぞれ塩酸 チア ミン静注後 ー 正常化 した.本 症例 を含 めた高 カ ロ リー輸液施行 中 の ビタ ミン Bl欠 乏 に よる乳酸 ア シ ド シスの報 告 例 48例 について文献 的 に考察 した。 Key words: total parenteral nutrition, vitamin Br deficiency, lactic acidosis は じめ に 1975年に Blennowl)に よ りは じめて報告 され た 高 カ ロ リー輸液 (以下,TPNと 略記)施行 中 の ビタ ミン Bl の重 篤 な合 欠乏 に よる乳酸 ア シ ドー シス は,TPN時 併症 のひ とつで ある.今 回われわ れ は,温 熱化学療法 道 ドレナ ー ジを施行 した。総胆管末端 が 完全 閉塞 して いたた め,11月 11日 よ り計 4回 の温熱化学療法 (RF波 温装置 を使 用 し,mitomycin‐C3mg,cisplatin 誘 導カロ 6mgの 静注 を併 用)りを施行 した。11月17日頃 よ り食欲 開始 したが ,全粥食 (ビタ ミン Bl l∼2mg/日 を含有)を 約半量摂取 して い 不振 を認 め,11月21日 よ り TPNを 行 中 の ビタ ミン Bl欠 乏 による 後 に発症 した,TPN施 ー シスの 1例 シ を経験 し,治 療前後 の血清乳 乳酸 ア ド たた め TPN中 酸値 や血 中 ビタ ミン Bl値 の推移 を観察 し得 たので,現 在 までの報 告例 の文献 的考察 を加 え報 告す る。 た。 12月10日頃 よ り軽度 の全身俺 怠感 を訴 えて いたが 明 らか な神 経症状 は認 め られ なか った。 TPN開 始 よ 症 例 患者 :86歳 ,女 性 へ の ビタ ミン剤投与 を行 ってい なか っ り21日後 (温熱化学療 法開始 よ り31日後)の 12月12日 に急激 な意識低下,末 梢循環不全,呼 吸促拍 を認 め, 家族歴 :特 記 す べ き ことな し. 腹痛 を訴 えた。 2 0。心 拍 数 は116回/ 発 症 時現 症 :意 識 レベ ル は II‐ 既往歴 :85歳 時 に胆 石症 ,胆 裏炎 現病 歴 :平 成 5年 11月30日,胆 石症,胆 嚢炎 に対 し 分,血 圧 は100/50mmHgで 末梢冷感高度 で あつた。呼 吸数 は34回/分 と増加 す る も,体温 は368°Cと 上昇 を認 主訴 :食 欲不振 て 開腹下胆襲摘 出術 を施行.術 中,膵 頭部 に径 1.5cm めなか った (Table l).嘔 気 お よび右側腹部 に中等度 大 の腫瘤 を認 め,膵 頭部癌 と診 断 したが高齢 ,一 般状 に 指腸切除 は施行 せ ず放置 した。 態不 良 のた め14 頭 の圧痛 を認 めた。 平成 6年 10月27日黄疸 にて入院 し,翌 28日経皮経肝胆 請求先 :野村 昌 哉 <1996年 9月 11日受理>別 用」 〒543 大阪市天王寺区北 山町10-31 大 阪警察病院 外科 一 発症 時検査成績 :血 液 般検査,凝 固止 血能検査 に 異常 を認 めず,感染 症 を示唆す る所 見 を認 めなか った。 血 液 生 化 学検 査 にて CPKが 軽 度 上 昇 し,血 糖 が261 mg/dlと 高値 を示 し,血清 Naお よび血清 Clが 軽度低 下 して い た。酸素 マス ク下 の動脈血液 ガス分析 で,pH 乳酸 アシ ドー シスの 1症 例 98(98) 著明 な代謝性 ア シ ドー シス を認 めた。 なお,血 清乳酸 値 は119mg/dlと 異 常 高 値,血 中 ビ タ ミン Bl値 は13 ろ,1時 間後 の動脈血液 ガス分析 で,pHが 7.507,Base Excessが 3.8mEq/′ と代謝性 ア シ ドー シス は改善 し, 4時 間後 に意識 レベル は 12に 改善 した.血 清乳酸値 は 塩 酸 チ ア ミン静 注 よ り16時 間 後 に40.5mg/dlと 著 明 ng/mlと 異常低値 で あった (Table l). 胸部 ・腹部単純 X線 検査 :心 拡大 や腸 管 ガ ス像 の増 加 な どは認 め られ なか った。 腹部超音波検 査 :腹 腔 内 に異常 を認 めず,腸 間膜動 脈閉塞症 も疑 い超音波 ドプラ法 にて門脈血 流量 を測定 しため.門 脈 血 流 量 は0,65′ /min,心 抽 出 量 は3.2′ / minで 腸 間膜 動脈閉塞症 は否定的で あった。 に低下 し, 2日 後 に10.Omg/dlと 正 常化 した.血 中 ビ タ ミン Bl値 は塩 酸 チ ア ミン静 注 よ り16時 間 後 に882 ng/mlと 著増 し,2日 後 に649ng/ml,4日 後 に398ng/ mlと 漸減 した (Table 2)。なお,塩 酸 チア ミン静注翌 日か らは複合 ビタ ミン剤 (ビタ ミン Bl 10omg/日 )を 臨床経過 :7%炭 酸水素 ナ トリウム を計480ml投 与 したが症状 は改 善 せ ず,発 症 よ り12時間後 の動 脈血液 ガス分析 で,pHが 7.280,Base Excessが -12.8mEq/ 投与 した。臨床症状 は改善 し後遺症 も認 め られ なか っ た。以上 よ り,温熱化 学療法後 に発症 した TPN施 行中 の ビタ ミン Bl欠 乏性 乳酸 ア シ ドー シス と診 断 した。な Table l Physical indings and iabOratOry data at the Onset HR l16/min BP 100/50 mmHg RR 34/min BT 36 8° Conscicusness LaboratOry data WBC 4,900/mm3 Hb 12 4g/dl Ht 35 9% Pit 16 1× PT 84 6% HPT 87 5% FDP 174 U/′ BUN 28 4 mg/dl Crn o 9mg/dl Amylase C II-20 104/mm3 40 1U/′ FBS Na 261 mg/di 131 mEq/′ K 45 mEq/′ C1 95 mEq/′ Lactate l19 1 mg/dl (4∼16) 13 ng/ml Vit Bl (25∼50) ABG(02 maSk) 19″ g/ml pH Pa02 TP Alb GOT LDH 考 察 ビタ ミン Blは ,解 糖 系 の ピル ビン酸脱水素酵素 お よ び TCA回 路 の ″‐ ケ トグ ル タ ル 酸脱 水 素 酵 素 の 補 酵 素 として糖代謝 に深 く関与 し,そ の欠乏 に よ り,ピ ル ビン酸 が アセチル COAへ 酸化 され ず乳酸 が過 剰 に産 生 され て乳酸 ア シ ドー シス を発生 す る41特 に TPN施 行 中 は ビタ ミン Blの 需要が増加 し5ちまた抗癌剤,特 に 5FUの 投 与 に よ リビ タ ミン Blの 消 費 が 増 加 す る。と 報告 され てい る。TPN施 行 中 の ビタ ミン Bl欠 乏 に よ る乳酸 ア シ ドー シス の臨床 的特徴 は,急 激 に発症 し, 炭酸水素 ナ トリウムの投与 は効 果 が な く,チ ア ミンの 投与 で劇 的 に改善 す る こ とで あ る。つ. 自験例 は上 記 の特徴 的 な臨床 像 を呈 していたが,発 症 の原 因 として温熱化学療 法 に よる ビタ ミン Bl消 費 14 7 mmHg HC03 7 1 mEQ/′ の促進,経 田摂取 の減少 による ビタ ミン Bl摂 取 の減 少 99% お よび TPNに よ る ビ タ ミン Bl需 要 の増 加 が 考 え ら れ る。 自験例 において は,発 症 よ り16時間後 に塩 酸 チ ア ミンを投与 したが,本 症 が念頭 に あれ ばよ り早期 の 。 a S GPT 7 193 157 9 mmHg お,本 患者 は平成 7年 7月 11日原病死 した。 PaC02 E B 1 2mg/dl 6 4g/dl 37g/dl 3 2 U / ′ 38U/′ 358U/′ Table 2 CPK 1号 ′と代 謝′ 性ア シ ドー シス は改善 しなか った。 そのた め ビタ ミン Bl欠 乏 に よる乳酸 ア シ ドー シス を疑 い,発 症 よ り16時 間後 に塩 酸 チ ア ミン150mgを 静 注 した と こ が7.193,Pa02が 157 9mmHg,PaC02が 14 7mmHg, HC03カ ミ 7.lmEq/′, Base Excessが -16.6mEq/′ と Physical indings 日消外会誌 30巻 Evolution of pH, base excess, lactic acid, vitamin B, levels in blood before and after the administra" tion of vitamin B, Hours 0 (onset) 12 (bcfore therapy) 7 507 pH BE(mEq/7) LC品 D 翻蝸 宙 路矛癖謝D t撚 17 (after therapy) -166 -128 7 6 115 99(99) 1 9 9 7 年1 月 Table 3 Reported casesof lactic acidosis from vitamin Br deficiencyduring total parenteral Labo data at lhe onsct No. I Year Arthor I Sex d e 帥 i mm d m 個 側 一巾 一巾 一巾 一帥 一巾 一巾 一巾 一 巾 巾 巾 一巾 一巾 一 一 一 一巾 一巾 一巾巾 一巾巾 一 一 一 la:DurarionofTPNbforctheon€t(days) beloretheon*t #b:Theadnrinislrationofthiaminebeforetheonsct ildrLaparotomyafterlheonsct #c:Chcmotherapv fe:lheadministrationofthiamineaflcrtheonset 治療 が可能 であった.ま た温熱化学 療 法 の施行 と同時 に経 口摂取 の有無 にかかわ らず,ビ タ ミン Blを 投与 す べ きで あった。 TPN施 行 中 の ビ タ ミ ン Bl欠 乏 に よ る乳 酸 ア シ ドー シス は,Blennowil)の報告 以後 われわれの検 索 し ∼31)を 1ン)の 認 め,自 験例 は48例目, 得 た限 り47例の報告 ド 11例が発症前 に ビタ ミン Blが投与 されて いた に もか かわ らず発生 し,う ち 6例 は下痢,嘔 吐,吸 収障害 を ともな う良性疾 患で, 3例 は自血病 の化学療 法 中 で あった。発症前 の化学療法施行例 は 8例 で,全例 TPN 開始後23日以内に発症 していた。抗癌剤の投与や下痢 本邦 で は12例目で あつた (Table 3). な ども本症発生の危険因子 と考 えられた。 報告48例中30%に 腹部症状 を認 め,そ の うち13例に 報告 48例の性別 は男性 23例,女 性 25例で,年 齢 は 2 ∼ 86歳,平 均44歳で あった。原疾 患 は悪性腫瘍 が19例 腹腔内膿瘍 な どを疑 い緊急開腹術 が施行 された。 自験 例 において も腹痛 を訴 え,鑑 別診断 として腸間膜動脈 (うち消化器癌 12例,自 血病 5例 ),吸 収 障害 を ともな ー う良性疾 患 が14例 (うち潰瘍性大腸炎 4例 ,ク ロ ン 閉塞症 な どの急性腹症 が考 えられたが,腹 部超音波検 査 にて否定 された3). 発症時 の動脈血 pHは 6.70∼7.37(平 均702)で , -20.8Eq/ Base Excessは-300∼ -3 8mEq/′ (平均 ′ )であ った。血清乳酸値 は22∼371mg/dl(平均 176mg/ 病 3例 )で あつた。 発症 までの TPN期 間 は 4日 ∼ 8か 月,平 均 27日で あ ったが, 4週 以 内 での発症 が79%を 占 めた。7日 以 化 学療法 中 で あつた。 また 内 に発症 した 6例 中 34711が dl),血 中 ビタ ミン Bl値 は2.8∼25ng/ml(平 均 14ng/ 乳酸 アシ ドー シスの 1症 例 100(100) m l ) で あった。発症 時 の代謝性 ア シ ドー シスの程度, 血 清乳酸値 や血 中 ビタ ミン B l 値 と予後 との 関 係 は明 らかでなか った。 発 症 後 ビ タ ミ ン Blが 投 与 さ れ て い た の は31例 (65%)で ,最 初 の24時 間 の ビ タ ミ ン Blの 投 与 量 は 20∼1,000mgで あ った.Velezら りは,「100mgの ビタ ミン Blを 1時 間 お きに反応 す るまで静注す る」方法 を 推奨 している。自験例 で は塩 酸 チア ミン150mgの 静注 後 1時 間 で代謝性 ア シ ドー シスは著明 に改善 した。 本症 の死亡 率 は全体 で19/48(40%)と 高率 であ るが, 1989年前後 で は12/20(60%)か 日消外会誌 30巻 1号 医 20:602-607,1993 4)Velez RJ,障 Iyers B,Cuber WIS i severe acute metabolic acidOsis(acute beriberi): An avoid‐ able cOmplication Of tOtal parenterai nutrition J Parenter Enteral Nutr 9:216-219, 1985 5)Harper cGi Sudden, unexpected death and ヽ Vernicke's encephalopathy:A cOmplicatiOn Of prolonged intravenous feding Aust N Z J Med 10:230--235, 1980 6 ) A k s O y M , B a s u T K , B r i e n t 」e t a l : T h i a r n i n e status of patients treated ithM′drug combina‐ tions cOntaining 5‐ nuorouracil Eur J Cancer 16: 1041--1045, 1980 ら7/28(25%)に 減少 していた。ビタ ミン BIが 投与 された31例 中死亡例 は 4 7)La Seive P, Dem01in P, HOlzapFel L et al: 例 で,早 期 に ビタ ミン Blを 投 与 すれ ば予 後 良好 で あ Shoshin beriberi: An unusual complicatiOn of る。 なお,心 停 止 か ら回復 した症 例 も報 告 され て お り2の ,松 田 ら2oは本症 の細胞機能 の予 備力 は,敗血症 に よる多臓器不全 に比 べ て大 きい と述 べ てい る。 prolonged parenterai nutrition. J Enteral Nutr 10: 102--103, 1986 疫学面 で は,1989年 に ASPENl"が TPN内 ,米 国 にお いて の ビタ ミン Blの 添加 が 必 須 で あ る と勧 告 し て以来,米 国 か らの報告 は認 め られず,1990年 以後 の 28例 中 11例,さ らに1993年以 降の11例中10例が本邦報 告例 で 占め られ ていた。 Parenter 8)Nadel AMI, Burger PC: ヽ Vernicke ence‐ ving prO10nged intrave■Ous pha10pathy f0110、 therapy JAMA 235:2403-2405,1976 9)Baughman FA Jr,Papp JP: ヽ Vernicke's ence‐ pha10pathy 、 vith intravenous hyperalimenta‐ tion: Remarks on sirnllarities bet、veen ヽVer‐ nicke's encephalopathy and the phOsphate depletiOn syndrome Mt Sinai J Med 43:48- ビ タ ミン Blの 1日 あた りの所 要 量 は1∼2mgと さ れ てお り3り に使 用 され る総 合 ビタ ミン剤 は ,TPN時 ビタ ミン Blを3∼5mg含 有 してい る。化学療 法時 には 経 口摂取 の減少 を補 つため TPNを 52, 1976 10)Kramer J, Goodwin 」 A: ヽ Vernicke's ence‐ phalopathy: COmplicatiOn of intravenous hyperalimentation JAMA 238:2176-2177, 施行 す る こ とが 多 いが,保 険適応 の 問題 な どによ リビタ ミン剤 を投 与 し な い こと もしば しばあ る と思われ る。しか し,TPN時 11)Lonsdale D: には ビタ ミン BIの 需要が高 まってお り,経 口摂取減少 時 や化 学療 法時 に は容 易 に ビタ ミン Bl欠 乏 に陥 る可 12)Merritt R」 , Ennis CE, ThOmas DW et al: Lactic acidOsis in pediatric patients、 vith cancer 能性 が あ る.そ れ ゆえ,TPN施 行時 には経 回摂取 の有 無 にか かわ らず 総 合 ビタ ミン剤 を投 与 す る必 要 が あ る。 さらに TPN施 行 中 の全身化学療 法時 な どには通 常 よ り多 目の ビタ ミン Blを 投与 す る必 要 もあ る と考 え られた。また,TPN時 の重篤 な合併症 として本症 を 常 に念頭 にお くことが 重要 と思われた。 文 献 1)BlennOw G: ヽ Vernicke encephalopathy fol10、 v― ing pr010nged artincial nutritiOn Am J Dis Child 129: 1456, 1975 2)宮 崎 知 ,中尾量保,藤田修弘ほか :切 除不能およ び再発癌症例 における温熱化 学療法の臨床的検 討。 日ハ イパーサー ミア誌 10:354-359,1994 3)仲 原正明,藤田修弘,中尾量保ほか :超音波検査に より術前診断 し得た上腸間膜動脈閉塞症の 1例 一 超音波 ドプラ法による血行動態の観察一.超 音波 1977 Wernicke's encephalopathy and hyperalimentation JAMIA 239:1133, 1978 receiving tOtal parenteral nutrition J Pediatr 99:247--250, 1981 13)清 水康 一 ,小西孝司,上野 桂一 ほか :小 腸大量切除 術後 にみ られた Wernicke脳 症 の 1例 .外 科 と代 謝 ・栄 16:569-573,1982 14)NIattioli S, NIigliOli M, MOntagna P et al: ヽ Vernicke's encephalopathy during tOtal par‐ enterai nutritiOn: Observation in One case. J Parenter Enteral Nutr 12:626--627, 1988 15)Arnerican SOciety fOr Parenteral and Enteral Nutrition i Deaths assOciated with thiamine‐ dencient total parenterai nutrition. MOrb WIOr, tal Wkly Rep 38:43--46, 1989 16)Klein G,Behne M,Probst S et al: Lebensbe‐ drohliche LactatacidOsen bei totaler parenter‐ ア aler Ernahrung. Dtsch Med ヽ ヽ ochenschr l15: 254--256, 1990 17)Rovelll A,BOnomi M,Murano A et al 101(101) 1 9 9 7 年1 月 lactic acidosisdue to thiamine deficiencyafter bone marrow transplantation in a child with acutemonocytic leukemia.Haematologica75 I 579-581, 1990 18) Wilmanns CH, Witzigmann II, Schlag P et al: Lactatacidose-Erkennung und Behandlung einer wichtigen Komplikation unter perioperativer parenteraler Erniihrung. Der Chirurg 61 : 183-186. 1990 19) Roll C, Lange R, KlUting N et al : Vitamin-B'Mangel als Ursache einer schweren Laktatazidose und Ileussymptomatik. Monatsschr Kinderheilkd 139: 699-702' 1991 20) Oriot D, Wood C, GottesmanR et al : Severe lactic acidosis related to acute thiamine deficiency.J Parenter Enteral Nutr 15: 105 109. 1991 2I) Zak III J, Burns D, LingenfelserT et al : Dry beriberi: Unusual complication of prolonged parenteral nutrition. J Parenter Enteral Nutr 15 : 200 201, 1991 22) Vortmeyer AO, Hagel C, Laas R: Hemorrhagic thiamine deficientencephalopathyfollowing prolonged parenteral nutrition. J Neurol Neurosurg Psychiatry 55 : 826-829, 1992 23) Lange R, trrhard J, Eigler FW et al: Lactic acidosis from thiamine deficiencyduring parenteral nutrition in a two-year-old boy. 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She was given total parenteral nutrition (TPN) without vitamins because of decreaed food intake. Clouding of consciousness,peripheral circulatory failure, tachypnea and abdominal pain occurred suddenly 21 days after the start of TPN. Arterial blood gas analysis revealed severe metabolic acidosis (pH 7.193, base excess 16.6 mEq/l), which was refractory to the administration of sodium bicarbonate. After the administration of 150 mg of thiamine intravenously, the level of consciousnessand the severe acidosis were improved. The levels of serum lactate and blood vitamin Br at the onset were 119 mg/dl (normal range: 4-16) and 13 ng/ml (normal range.25 50), respectively, and improved rapidly after thiamine therapy. Reprint requests: Masaya Nomura Department of Surgery, Osaka Police Hospital 10-31 Kitayamacho, Tennoujiku, Osaka, 543 JAPAN