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モンゴル国 ( Mongolia) 通信 Ⅰ 監督機関等 1 情 報 技 術 郵 政 通 信 庁 ( Information Technology, Post and Telecommunication Authority: ITPTA) Tel.: + 976 11 330 780 URL: http://www.itpta.gov.mn/ 所 在 地 : Central Post Office bld, Sq. Sukhbaatar-1, Ulaanbaatar, 15160, P.O.B-785, MONGOLIA 幹 部 : Jadambaa Tsagaan-Uvgun( 委 員 長 / Chairman) 所掌事務 2004 年 10 月 の 内 閣 改 造 の 際 に Information and Communications Technology Authority( ICTA) と し て 設 立 さ れ た 。 ICT 開 発 政 策 を 一 手 に 所 掌 す る 首 相 府 直 属 の 機 関 で あ る 。 以 前 の 基 盤 省 ( MOI) と 郵 便 ・ 電 気 通 信 庁 ( PTA) の 関 連 部 署 を 合 併 さ せ た も の が 母 体 に な っ て い る 。 2008 年 9 月 に 、 Information Communication Technology and Post Authority( ICTPA)へ と 改 称 し 、2012 年 8 月 に は 現 在 の ITPTA に 更 に 名 称 変 更 し た 。 ITPTA は 四 つ の 部 門 か ら 構 成 さ れ て お り 、主 な 所 掌 事 務 と し て は 、政 策 、法 令 等の策定や周波数割当、デジタル・ディバイドの縮小施策の実施、業界のモニタ リングなどが挙げられる。これらに加えて、ユニバーサル・サービス基金制度の 実施状況の監督責任を負っている。 2 通 信 規 制 委 員 会 ( Communications Regulatory Commission: CRC) Tel.: + 976 11 304257 URL: http://www.crc.gov.mn/main.php 所 在 地 : Metro Business Center, 5th floor, Sukhbaatar District, Sukhbaatar Str.-13, Ulaanbaatar 14201, MONGOLIA 幹 部 : Balgansuren Batsukh Boldbaatar Bat-Amgalan( 委 員 長 兼 最 高 経 営 責 任 者 / Chairman & CEO) 所掌事務 「 2001 年 改 正 通 信 法 」に 基 づ い て 設 立 さ れ た 独 立 規 制 機 関 で 、委 員 長 と 6 名 の 委員によって構成されている。主に免許料収入とその他の監督業務による収入に 1 よって運営されている。具体的な所掌事務は以下のとおりである。 電気通信の発展にかかわる政策の提言 電気通信網及び機器の基準認証 相互接続条件の作成及び管理 事業免許の付与 ユニバーサル・サービス義務の監督及びサービス基準の設定と監視 電気通信番号割当と周波数分配 事業者間の紛争処理 Ⅱ 法令 1 2008 年 改 正 通 信 法 ( The Law on Communications, 2008) 1995 年 に 制 定 さ れ た 「 通 信 法 」 が 「 2001 年 改 正 通 信 法 」 を 経 て 、 更 に 2008 年に改正された。電気通信網の敷設、利用、補修及びサービスの提供について、 政府各機関、事業者、利用者の関係を規定している。ユニバーサル・サービス基 金や免許についても規定している。 な お 、 2005 年 に ICTA は 、 基 本 IT 法 、 電 子 政 府 法 、 電 子 署 名 法 、 電 子 商 取 引 法 を 含 ん だ 情 報 通 信 に 関 す る 新 し い 法 律 パ ッ ケ ー ジ を 明 ら か に し て い る 。 2007 年 に は 新 し い IT 法 の 法 案 が 作 成 さ れ た が 、 依 然 議 会 に よ る 承 認 は 得 ら れ て い な い。 2 無 線 周 波 数 法 ( The Law on Radio Wave) 1999 年 制 定 で 、 電 波 の 分 配 、 割 当 て 、 干 渉 保 護 等 に つ い て 定 め て お り 、 2001 年には改正された。 Ⅲ 政策動向 1 免許制度 「 2008 年 改 正 通 信 法 」の 規 定 に よ り 、事 業 者 に は 以 下 の 3 種 類 の 免 許 の 取 得 が 義務付けられている。 免 許 A: 通 信 網 を 保 有 す る 場 合 に 取 得 。 免 許 B: 通 信 サ ー ビ ス を 提 供 す る 場 合 に 取 得 。 免 許 C: コ ン テ ン ツ ・ サ ー ビ ス を 提 供 す る 場 合 に 取 得 。 2004 年 に 政 府 は 電 気 通 信 事 業 の 改 革 に 乗 り 出 し 、政 府 が 保 有 す る 地 域 、長 距 離 、 国 際 回 線 を 管 理 す る Information Communication Network Company( ICNC) を設立した。電気通信資産の有効利用、新規参入時のコスト低減、電気通信サー ビスの更なる競争、伝送路の重複減少などを可能とするために、電気通信網の所 有とサービス提供の分離を推進した。 ネ ッ ト ワ ー ク ・ プ ロ バ イ ダ ( 免 許 A) は 地 域 回 線 や 長 距 離 回 線 を 所 有 し 、 サ ー 2 ビス・プロバイダに提供する。直接消費者への電気通信サービスを行うことはで き な い 。 一 方 、 サ ー ビ ス ・ プ ロ バ イ ダ ( 免 許 B) は 、 消 費 者 へ の 電 気 通 信 サ ー ビ スを行うことができる。また、回線網や交換設備の所有や運営は禁じられていな いが、長距離回線を所有することは禁じられている。なお、原則的に一つの事業 者は、どちらか一つの免許しか取得することはできない。 更 に 、 無 線 、 ISP、 固 定 電 話 、 VoIP、 ケ ー ブ ル テ レ ビ な ど 提 供 す る サ ー ビ ス に 応じて免許が分けられている。 無線免許では、基地局の数、対象地域、使用する技術などの制限がなく、事業 者は自由に技術と周波数を選ぶことができる。既に使用されている周波数帯の申 請は却下され、二つ以上の申請があった場合にはオークションが行われる。 ISP 免 許 は 、 2015 年 現 在 、 85 事 業 者 に 交 付 さ れ て い る 。 ISP は 独 自 の ネ ッ ト ワ ー ク を 持 つ こ と を 許 可 さ れ て い る が 、多 く の 事 業 者 は PSTN 所 有 者 、ICNC や 鉄道会社の持っている光ファイバなどの帯域を購入している。 固定電話免許では、事業者は電話交換機を所持して電話サービスを提供するこ と が 許 可 さ れ て い る 。固 定 電 話 免 許 は 前 述 の 免 許 B に 相 当 す る た め 、独 自 の ネ ッ トワークを持つことは禁止されている。 2 競争促進政策 (1)相互接続 「 2008 年 改 正 通 信 法 」 の 規 定 に よ り 、 CRC が 事 業 者 間 の 相 互 接 続 に 関 す る 手 続 、条 件 、相 互 接 続 料 の 設 定 を 所 掌 し て い る 。CRC は 、法 令 上 、直 接 に は 要 求 さ れていないが、固定電話と移動電話といった異なるネットワークの相互接続をす べ き と 要 求 し て い る 。 ま た 、 IP 電 話 に 関 し て は 、 CRC は 、 す べ て の 事 業 者 が 一 つのサーバによって相互接続することを検討している。 (2)番号ポータビリティ 2010 年 10 月 に ICTPA が Korea Telecoms Operators Association( KTOA)と 番 号 ポ ー タ ビ リ テ ィ 実 現 の た め の 協 力 を 旨 と し て 調 印 し た 。し か し な が ら 、2015 年現在、まだ導入されていない。 3 情報通信基盤整備政策 (1)ユニバーサル・サービス基金制度 「 2008 年 改 正 通 信 法 」に は 、電 気 通 信 網 の 新 規 敷 設 、既 存 の 電 気 通 信 網 の 改 修 、 ルーラル地域への電気通信サービスの提供のために、ユニバーサル・サービス基 金 を 設 け る こ と が 規 定 さ れ て い る 。 基 金 は 、 国 外 か ら の 援 助 金 や CRC の 徴 収 し た 免 許 使 用 料 の 一 部 等 に よ っ て 賄 わ れ る 。政 府 は 、CRC の 下 に Universal Service Obligation Fund( USOF) を 設 け 、 地 方 で の ICT 整 備 を 進 め て い る 。 同 基 金 は 2006 年 に 承 認 さ れ た 「 政 府 特 別 フ ァ ン ド 法 ( Law on Governments’ Special Fund( 2006))」 の 規 制 を 受 け る 。 3 (2)デジタル・ディバイド解消政策 政 府 は 、2005 年 に ICTA( 当 時 )が 策 定 し た「 e-Mongolia National Programme」 の 一 環 と し て 、 全 国 的 な ブ ロ ー ド バ ン ド ・ バ ッ ク ボ ー ン の 整 備 と モ ン ゴ ル 全 60 万 世 帯 へ の コ ン ピ ュ ー タ 導 入 を 進 め て い る 。2005 年 よ り 低 所 得 世 帯 に 低 コ ス ト の PC を 250USD 前 後 で 提 供 す る 等 の PC 普 及 を 目 的 と し た「 Low cost PC program」 を 実 施 し て い る 。 特 に 低 所 得 の 4 万 世 帯 へ の PC 普 及 を 目 指 し て い る 。 4 ICT 政 策 政 府 は 通 信 関 連 分 野 に お い て 、2016 年 ま で に 下 記 五 つ の 発 展 目 標 を 掲 げ て い る 。 ナショナル・サテライト:通信衛星を打ち上げ、農村地域を含めての遠隔 教育や遠隔医療サービスの提供を実現する。 シームレスな政府サービス:統合したデータベースの構築をはじめとする 関連基盤の整備によるシームレスな電子政府サービスの提供を実現する。 農 村 地 域 に お け る 無 料 の Wi-Fi サ ー ビ ス : 3G、 4G 等 の モ バ イ ル ・ ブ ロ ー ド バ ン ド に 加 え 、 Wi-Fi の 利 用 水 準 を 高 め る 。 高 度 な ICT 人 材 の 育 成 電子製品の開発・製造支援 Ⅳ 関連技術の動向 基準・認証制度 「 2008 年 改 正 通 信 法 」 9.1.1 条 に お い て 「 通 信 担 当 委 員 会 が 、 電 気 通 信 ネ ッ ト ワーク及び利用者の設備に関する技術仕様及び技術要件を決定する」と規定され て お り 、 通 信 機 器 の 技 術 基 準 の 作 成 及 び 型 式 認 証 は 、 CRC が 実 施 す る 。 Ⅴ 事業の現状 1 固定電話 PSTN に つ い て は 、 サ ー ビ ス と ネ ッ ト ワ ー ク の 所 有 ・ 管 理 を 分 離 す る た め に 、 2004 年 に 政 府 が 100 % 保 有 す る 回 線 会 社 Information and Communications Network Company ( ICNC ) が 設 立 さ れ 、 2007 年 ま で に モ ン ゴ ル ・ テ レ コ ム ( Mongolia Telecom: MT) か ら の 関 連 業 務 の 分 離 が 完 了 し た 。 同 社 は 政 府 の 保 有 す る 地 域 、 長 距 離 、 国 際 な ど の バ ッ ク ボ ー ン 回 線 の 管 理 と 開 発 を 行 い 、 MT な どのサービス・プロバイダに回線を提供する。 UB Railcom は 、 モ ン ゴ ル 政 府 と ロ シ ア 連 邦 政 府 の 合 弁 事 業 で あ り 、 鉄 道 網 に 沿 った 地 域 で公 衆 電 話 と 長距 離 通 信サ ー ビ ス 、イ ン タ ーネ ッ ト 接続 サ ービ ス 、VoIP サ ービ ス を 提供 し て い る 。ま た 、 ロシ ア や 中 国 と結 ぶ 光 ファ イ バ を 所 有 し て い る 。 こ の ほ か に 、 2009 年 以 後 、 Cyber Security Authority 、 Univision LLC 、 Skymedia LLC、 Mobinet LLC の 4 社 も 相 次 い で 市 場 に 参 入 し た 。 2015 年 6 月 4 末 現 在 の 加 入 者 総 数 は 24 万 6,932 で 、 市 場 シ ェ ア は Cyber Security Authority が 1.22% 、Univision LLC が 32.76% 、Skymedia LLC が 21.22% 、Mobinet LLC が 6.61% 、 MT が 32.76% 、 UB Railcom 2.91% と な っ て い る 。 遊 牧 人 口 が 多 数 存 在 す る た め 、 VSAT を 利 用 し た 電 気 通 信 サ ー ビ ス の 提 供 が 重 視 さ れ て い る 。1998 年 か ら 国 内 遠 隔 地 向 け の VSAT サ ー ビ ス も 開 始 さ れ 、256kbps で音声、データ、ファックス、インターネット接続等のサービスが可能となっている。 国 際 通 信 の 中 継 は 、 イ ン テ ル サ ッ ト A、 イ ン タ ー ス プ ー ト ニ ク 及 び ア ジ ア サ ッ トを通して行われている。これらの衛星で送受信される音声・データは、ナラン 地 球 局 を 経 由 し マ イ ク ロ 波 で 交 換 局 ま で 伝 送 さ れ 、約 150 の 国 や 地 域 と 国 際 通 話 が可能である。中継点は、シンガポール、ロシア、英国、日本、香港である。 2 移動体通信 移動体通信市場は政府の介入により、競争が進展している。 1996 年 に 住 友 商 事 ( 44.4% 出 資 ) と KDDI( 44.4% 出 資 ) の 合 弁 企 業 と し て Mobicom が GSM 方 式 で サ ー ビ ス の 提 供 を 開 始 し た 。 2007 年 に 、 Mobicom は ア ル カ テ ル ・ ル ー セ ン ト と 既 存 ネ ッ ト ワ ー ク の 拡 張 及 び 全 国 に お け る NGN の 構 築 に関する契約を締結した。 同 社 は 2009 年 4 月 に 、テ レ ビ 電 話 や モ バ イ ル テ レ ビ 、最 大 7.2Mbps の 高 速 イ ン タ ー ネ ッ ト 接 続 が 可 能 な HSPA 網 サ ー ビ ス を エ リ ク ソ ン の 供 給 に よ り 首 都 で 開 始した。 ま た 、 韓 国 の SK Telecom と Taihan Electronic Wire の 合 弁 企 業 だ っ た ( SK Telecom は 2011 年 に 同 事 業 か ら 撤 退 )Skytel が 1999 年 に 市 場 に 参 入 し 、CDMA 方 式 に よ る サ ー ビ ス を 提 供 し て い る 。2004 年 に は 中 国 の ZTE か ら CDMA2000 1x の 設 備 を 導 入 し 、 首 都 に お い て EV-DO サ ー ビ ス の 提 供 を 開 始 し た 。 Skytel は 2009 年 6 月 に UMTS/CDMA の 融 合 を 実 現 す る 商 業 UMTS 網 の 展 開 の た め に ZTE と 契 約 し た 。 同 社 は 、 ZTE の ソ フ ト ウ ェ ア 無 線 技 術 を 利 用 し て 、 HSPA サ ー ビ ス や 将 来 的 に は LTE の 展 開 が で き る よ う に な っ た 。 こ の ほ か に 、2006 年 に は Unitel が GSM 網 に よ る サ ー ビ ス を 開 始 し 、2007 年 に は 、 CDMA 網 の 免 許 を 取 得 し た G-Mobile が サ ー ビ ス を 開 始 。 Unitel は 2008 年 12 月 に 3G 免 許 も 取 得 し ウ ラ ン バ ー ト ル で 3G サ ー ビ ス を 開 始 、 2009 年 8 月 に は HSDPA へ の 対 応 を 開 始 し て い る 。一 方 の G-Mobile は CDMA2000 1x EVDO を 導 入 し て お り 、2009 年 ま で に す べ て の 地 方 施 設 を 結 ぶ 3G 網 を 構 築 し た 。更 に 同 事 業 者 は Dual Carrier ( DC) -HSPA+ の 導 入 で 、 2015 年 2 月 現 在 、 最 大 通 信 速 度 が 42Mbps に 達 す る サ ー ビ ス を 提 供 し て い る 。 な お 、世 界 銀 行 の 支 援 に よ り 、53 か 所 の ル ー ラ ル 地 域 で 新 し い 発 電 施 設 の 整 備 が進められている。これにより、これまで電力供給が限られていた地域の電力確 保が可能となる見込みであり、移動体通信網も拡大することが予定されている。 5 2015 年 6 月 現 在 、4 社 の 加 入 者 総 数 は 479 万 7,761 で 、シ ェ ア 別 で は 、G-Mobile が 9.58% 、Skytel が 25.63% 、Mobicom が 33.14% 、Unitel は 31.65% と な っ て い る 。 ま た 、 プ リ ペ イ ド ・ ユ ー ザ は 全 体 の 89% を 占 め て い る 。 3 インターネット モ バ イ ル イ ン タ ー ネ ッ ト 市 場 中 心 に 加 入 者 数 が 急 速 に 伸 び て い る 。 2015 年 6 月 末 現 在 の 加 入 者 総 数 は 212 万 1,900 と な っ て い る 。こ の う ち 、GPRS、EDGE、 3G 及 び EVDO に よ る ア ク セ ス は 全 体 の 90% を 占 め て い る 。ほ か に は 、LAN/FTTx や DSL、 WiMAX 及 び ケ ー ブ ル モ デ ル に よ る サ ー ビ ス も 提 供 さ れ て い る 。 加 入 者 の 80% が 首 都 ウ ラ ン バ ー ト ル に 集 中 し て い る 。 2015 年 6 月 末 現 在 、ブ ロ ー ド バ ン ド 市 場 の 加 入 者 シ ェ ア 状 況 は 、ト リ プ ル プ レ イ ・ サ ー ビ ス 大 手 の Univision が 36.1% 、 MT が 21.7% 、 Ulusnet が 18.3% 、 Yokozuna Net が 9.4% 、 そ の 他 の 事 業 者 が 14.5% と な っ て い る 。 4 新成長サービス ( 1 ) IPTV 2013 年 末 現 在 、3 社 に 対 し て IPTV 免 許 を 発 行 し た 。こ の う ち の 1 社 は 移 動 体 通 信 事 業 者 Unitel の 子 会 社 Univision で あ る 。同 社 の サ ー ビ ス は 月 額 9,900MNT で 、 95 チ ャ ン ネ ル ( 16 の HD チ ャ ン ネ ル を 含 む ) に 加 え 、 ビ デ オ ・ オ ン ・ デ マ ン ド ( VoD) や タ イ ム シ フ ト と い っ た 付 加 価 値 サ ー ビ ス も 含 ん で い る 。 首 都 ウ ラ ンバートルをはじめ複数の主要都市で展開されている。また、トリプルプレイ・ サ ー ビ ス に は 、 IPTV の ほ か 、 10Mbps ま で の イ ン タ ー ネ ッ ト ・ サ ー ビ ス と VoIP サービスが含まれている。 2015 年 6 月 末 現 在 の 加 入 世 帯 数 は 15 万 5,089 で あ る 。ま た 、サ ー ビ ス の 内 訳 で は 、 IPTV の み の 加 入 が 1 万 1,355、 IPTV+ VoIP が 6,606、 IPTV+ VoIP+ Internet の ト リ プ ル プ レ イ ・ サ ー ビ ス 加 入 が 13 万 7,128 と な っ て い る 。 ( 2 ) デ ジ タ ル ・ マ ル チ メ デ ィ ア 放 送 ( DMB) ウ ラ ン バ ー ト ル で 2013 年 12 月 か ら 韓 国 が 開 発 し た 移 動 体 や 携 帯 端 末 向 け の マ ル チ メ デ ィ ア 放 送 と し て 、 地 上 DMB の 本 放 送 が 開 始 さ れ た 。 サ ー ビ ス 提 供 事 業 者 は UB DMB と 移 動 体 通 信 市 場 第 2 位 の Unitel で あ る 。 ま た 、 4 か 月 間 無 料 チ ャ ン ネ ル と し て 提 供 の 後 、2014 年 上 半 期 か ら 五 つ の チ ャ ン ネ ル を 追 加 し た 有 料 サ ービスに転換した。 Ⅵ 運営体等 モ ン ゴ ル ・ テ レ コ ム ( Mongolia Telecom: MT) Tel.: + 976 11 320 597 URL: http://www.mtcone.net/ 所 在 地 : Sukhbaatar square-9, P.O. Box: 6 1166, Ulaanbaatar 210611, MONGOLIA 幹 部 : Oonoigiin Shaaluu( 社 長 兼 最 高 経 営 責 任 者 / President and CEO) 概要 1995 年 に 民 営 化 さ れ た 国 内 最 大 の 固 定 電 話 事 業 者 で あ る 。 1999 年 の 自 由 化 後 も 国 際 通 信 で は 独 占 を 維 持 し て い た が 、2002 年 に 、国 際 通 信 サ ー ビ ス に お け る 独 占 は 終 了 し た 。ま た 、2004 年 に 政 府 の 保 有 す る 地 域 、長 距 離 、国 際 な ど の バ ッ ク ボ ー ン 回 線 を 管 理 す る ICNC が 設 立 さ れ 、 2007 年 に は MT と こ れ ら の 関 連 部 門 の 分 離 が 完 了 し た 。同 時 に 、政 府 か ら の 排 他 的 な 回 線 リ ー ス 契 約 は 終 了 し 、ICNC に 使 用 容 量 に 応 じ た 年 間 リ ー ス 料 を 支 払 っ て い る 。 ま た 、 MiCom を 通 じ て 、 イ ンターネット・アクセス・サービスも提供している。 な お 、2015 年 末 現 在 、政 府 は 同 社 株 式 の 54.33% 、KT は 40% を 保 有 し て お り 、 残 り 5.67% は 一 般 株 主 に よ る 保 有 と な っ て い る 。 放送 Ⅰ 監督機関等 1 情 報 技 術 郵 政 通 信 庁 ( ITPTA) (通信/Ⅰ-1の項参照) 所掌事務 放送分野関連の政策立案、技術開発全般を所掌する。 2 通 信 規 制 委 員 会 ( CRC) (通信/Ⅰ-2の項参照) 所掌事務 放送免許の付与や周波数管理をはじめとする放送事業者の規制監督を所掌する。 Ⅱ 法令 公 共 テ レ ビ ・ ラ ジ オ 放 送 法 ( The Law on Public Television and Radio) 放 送 全 体 を 包 括 し た 法 規 は な い が 、 公 共 放 送 に 関 し て 2005 年 1 月 に 議 会 で 承 認 さ れ 、同 年 7 月 1 日 よ り 施 行 さ れ た 。同 法 は 、国 営 放 送 事 業 者 で あ っ た モ ン ゴ ル ・ ラ ジ オ ・ テ レ ビ ( Mongolian National Television and Radio: MRTV) を 、 15 名 の 委 員 で 構 成 さ れ る 公 共 テ レ ビ ・ ラ ジ オ 国 家 評 議 会 ( National Council of Public Television and Radio) の 管 轄 と す る も の で あ る 。 同 委 員 の 任 期 は 6 年 間 で あ る 。 ま た 、 同 法 に よ り 、 MRTV は モ ン ゴ ル 国 営 放 送 ( Mongolian National Broadcaster: MNB) に 名 称 変 更 し た 。 7 Ⅲ 政策動向 1 公共放送関連政策 受信料制度 「 公 共 テ レ ビ・ラ ジ オ 放 送 法 」に は 、公 共 放 送 の 受 信 料 制 度 が 規 定 さ れ て い る 。 同 法 に よ り 、視 聴 者 か ら 受 信 料( 1 世 帯 当 た り 月 額 1,200MNT)を 徴 収 し 、MNB の運営費の一部とすることが規定された。なお、広告放送、政府や国際機関など か ら の 援 助 も 運 営 費 に 充 て る こ と が で き る 。 MNB の テ レ ビ 部 門 Mongolian National Public Television( MNPT)の 予 算 の 8 割 は 、政 府 か ら の 交 付 金 が 占 め ており、受信料は 2 割を占めるに過ぎない。 2 コンテンツ規制 広告規制 「公共テレビ・ラジオ放送法」により、広告内容が規制されており、子ども番 組の時間帯には子ども向けの広告のみが放送可能である。また、プライム・タイ ム の ニ ュ ー ス の 時 間 帯 や 20 分 以 内 の 番 組 の 間 に は 広 告 を 放 送 す る こ と は で き な いと規定されている。 3 地上デジタル放送 DVB-T2 方 式 を 用 い た 地 上 デ ジ タ ル 放 送 は 試 験 放 送 を 経 て 、2014 年 7 月 31 日 よ り 首 都 ウ ラ ン バ ー ト ル で 本 放 送 が 開 始 さ れ た 。 ま た 、 政 府 は 100 億 MNT を 投 じてデジタル放送設備を更新するとともに低所得者層向けのセットトップボック スの整備を行うとしている。 Ⅳ 事業の現状 1 ラジオ 首 都 周 辺 で 13、そ れ ぞ れ の 主 要 都 市 に 最 低 一 つ の FM 局 が あ り 、全 国 合 計 で 計 48 の FM ラ ジ オ 局 が あ る が 、全 国 向 け に 放 送 を 行 っ て い る の は MNB の ラ ジ オ 部 門 Mongolian National Public Radio( MNPR) の み で 、 同 事 業 者 は 四 つ の チ ャ ン ネ ル を 通 じ て 、 AM、 短 波 、 FM で 放 送 し て い る 。 1 日 に 合 計 で 50 時 間 の 放 送 が行われている。 2015 年 現 在 、唯 一 の 国 際 放 送 は MNPR に よ る「 ボ イ ス・オ ブ・モ ン ゴ リ ア( Voice of Mongolia)」 の 名 称 で 、 5 か 国 語 ( モ ン ゴ ル 語 、 ロ シ ア 語 、 英 語 、 日 本 語 、 中 国語)で実施されている。1 日の合計放送時間は 8 時間である。 2 テレビ MNPT が MNB-TV と MN2-TV の 2 チ ャ ン ネ ル を 運 営 し 、全 国 向 け に 年 間 6,400 時 間 の 総 合 番 組 を 制 作 ・ 放 送 し て い る ほ か 、中 国 の CCTV-9、NHK、米 国 、フ ラ ン ス 、ド イ ツ 、ロ シ ア な ど の 番 組 も 中 継 し て い る 。視 聴 者 は お よ そ 180 万 に 達 し て い る 。 そ の ほ か に 、 商 業 放 送 と し て Bolovsrol Channel TV は 、 子 ど も 、 青 少 8 年 向 け 教 育 チ ャ ン ネ ル と し て 2007 年 に 2 番 目 の 公 共 放 送 局 を 開 局 し た 。 ま た 、 民 間 テ レ ビ 放 送 事 業 者 の TV9、MN チ ャ ン ネ ル 25( Channel 25)、TV5、UBS TV が全国放送をしている。 3 衛星放送 外 国 の 衛 星 放 送 の 受 信 は 自 由 で 、 地 上 テ レ ビ 局 を 含 め 、 計 16 局 が 全 国 向 け に 番 組 配 信 を 実 施 し て い る 。こ の う ち 、MNPT が イ ン テ ル サ ッ ト 704 衛 星 を 利 用 し て全国の放送局に番組配信を行っており、直接受信も可能である。なお、外国の 衛 星 放 送 の 受 信 は 自 由 で あ る 。外 国 の 衛 星 放 送 で は 、1 日 24 時 間 サ ー ビ ス の NHK ワ ー ル ド TV と NHK ワ ー ル ド ・ プ レ ミ ア ム 、 CNN、 香 港 の ス タ ー ( STAR) 等 が放送されている。 2008 年 に 政 府 は DTH に よ る 多 チ ャ ン ネ ル 放 送 サ ー ビ ス の 導 入 を 決 定 し 、地 球 局 へ の 免 許 付 与 を 行 っ た 。同 年 7 月 に は 、APSTAR 衛 星 の Ku バ ン ド を 用 い た 20 チ ャ ン ネ ル の 衛 星 放 送 サ ー ビ ス が 可 能 な 容 量 を 持 つ 地 球 局 の 運 用 が DDish に よ り開始され、国内向け衛星放送サービスが開始された。 2015 年 6 月 末 、 加 入 世 帯 数 は 30 万 324 に 達 し た 。 4 ケーブルテレビ 1997 年 に Supervision が 初 の ケ ー ブ ル テ レ ビ・サ ー ビ ス を 開 始 し て お り 、2013 年 末 現 在 は MNPT の ほ か 、 Sansar、 Hiimor な ど 77 の ケ ー ブ ル テ レ ビ 事 業 者 が サ ー ビ ス を 提 供 し て い る 。 同 軸 ケ ー ブ ル 以 外 に 、 光 フ ァ イ バ や Unshielded Twisted Pair( UTP)、 無 線 MMDC( Multi-Media Digital Communication) も 利 用 さ れ て い る 。 2015 年 6 月 末 現 在 の 加 入 世 帯 数 は 5 万 2,027 で 、 年 々 減 少 し 続けている。 Ⅴ 運営体 モ ン ゴ ル 国 営 放 送 ( Mongolian National Broadcaster: MNB) Tel.: + 976 11 365 774( MNPT) URL: http://www.mnb.mn/ 幹 部 : Mrs Oyundari Tsagaan( 総 裁 / Director General) 概要 2005 年 に 、 「 公 共 テ レ ビ・ラ ジ オ 放 送 法 」に よ り 、前 身 の MRTV か ら 名 称 変 更 し た 。MRTV は 、1934 年 9 月 に ラ ジ オ 、1967 年 9 月 に テ レ ビ 放 送 を 開 始 し 、テ レ ビ 部 門 MNPT と ラ ジ オ 部 門 MNPR を 持 つ 。1 日 当 た り の 放 送 時 間 は 17 時 間 に 及ぶ。運営は、国の交付金のほか、広告費、民間からの寄付金などの費用から賄 われている。 2012 年 4 月 に ニ ュ ー ス 専 門 チ ャ ン ネ ル の ユ ー ロ ニ ュ ー ス と 契 約 を 交 わ し 、週 6 日間、合計 2 時間分のユーロニュースのニュースをモンゴル語に吹き替えた上、 9 国内向けに放送している。 電波 Ⅰ 監督機関等 1 監督機関 ( 1 ) 情 報 通 信 技 術 郵 政 庁 ( ITPTA) (通信/Ⅰ-1の項参照) ( 2 ) 通 信 規 制 委 員 会 ( CRC) (通信/Ⅰ-2の項参照) 所掌事務 「 2001 年 改 正 通 信 法 」に 基 づ い て 設 立 さ れ た 独 立 規 制 機 関 で 、電 波 監 理 も 所 掌 する。 2 標準化機関 モ ン ゴ ル 品 質 標 準 セ ン タ ー ( Mongolian Agency for Standardization and Metrology: MASM) Tel.: + 976 11 458349 URL: http: www.masm.gov.mn/ 所 在 地:Bayanzurkh District, Peace Avenue-46A P.O. Box 48, MN-Ulaanbaatar 13343, MONGOLIA 幹 部 : G. Gantumur( 会 長 / Chairman) Ⅱ 電波監理政策の動向 1 電波監理政策の概要 CRC の 無 線 周 波 数 規 制・監 視 局( Radio frequency regulation and monitoring department)が 無 線 周 波 数 規 則 の 策 定 、分 配 と 監 視 、周 波 数 利 用 免 許・証 明 書 の 付 与 条 件 の 設 定 や 付 与 、 及 び 周 波 数 利 用 料 金 の 設 定 を 所 掌 し て い る 。 WRC2007 の 結 果 を 受 け て 、 3kHz-400GHz を カ バ ー す る 全 国 周 波 数 分 配 計 画 を 策 定 す る と ともに、初めて分配表を作成した。 移 動 電 話 の 普 及 に 伴 い 、 2.3 及 び 2.5GHz 帯 の 利 用 を 検 討 し て い る 。 ま た 、 3.5GHz 帯 で WiMAX 免 許 を 交 付 し て い る 。 2 無線局免許制度 1999 年 制 定 の「 無 線 周 波 数 法 」に 、周 波 数 は 国 の 資 産 で あ る と 規 定 さ れ て い る 。 また、同法の規定により、周波数を利用する場合には、以下の免許若しくは許可 10 書の取得が義務付けられている。 周波数利用免許:公衆にサービスを提供するために周波数を利用する場合 周波数利用許可書:私的利用若しくは屋内での周波数利用の場合 テレビ受像機、ラジオ受信機の利用、医療・診断用無線機器の利用、及び家庭 用 屋 内 無 線 機 器( 出 力 0.01W 未 満 )の 利 用 の 場 合 は 、免 許 及 び 許 可 書 の 取 得 は 不 要である。 3 周波数割当制度・電波再分配制度 「無線周波数法」によれば、免許は先願主義を原則とするが、複数の請求があ る 場 合 に は 競 争 方 式 に よ り 免 許 人 が 選 定 さ れ る 。2013 年 制 定 の「 競 争 方 式 に よ る 無 線 周 波 数 免 許 付 与 に 関 す る 手 続 (Procedure to issue radio frequency license through competitive selection)」で は 、比 較 審 査 と 入 札 に よ る 周 波 数 利 用 免 許 付 与手続が規定されている。 4 電波利用料制度 2003 年 制 定 の 「 無 線 周 波 数 利 用 及 び サ ー ビ ス 料 手 続 ( Procedure on radio frequency utilization and service fees)」に 基 づ き CRC は 、周 波 数 帯 別 、出 力 別 、 周 波 数 利 用 機 器 別 に 利 用 料 を 規 定 し て い る 。ま た 、CRC に 対 し て 、免 許 及 び 証 明 書の発行、更新、移転の申請、運用場所の申請、干渉に関する調査と決定等のサ ービス料も規定されている。 5 電波監視体制 CRC の 国 家 無 線 監 視 セ ン タ ー が 電 波 監 視 を 実 施 す る 。 1960 年 代 に 無 線 監 視 シ ス テ ム が 導 入 さ れ 、主 に テ レ ビ 及 び ラ ジ オ 用 周 波 数 の 監 視 に 利 用 さ れ た 。そ の 後 、 無線通信分野において新しいサービスに無線機器が導入されたが、資金・人材の 不 足 に よ り 監 視 シ ス テ ム や 技 能 が 十 分 に 対 応 で き ず に い た 。2008 年 に は 世 界 銀 行 の 支 援 の 下 に 電 波 監 視 に つ い て 、国 外 コ ン サ ル タ ン ト の サ ポ ー ト を 受 け て 固 定 局 、 移 動 局 、 及 び ポ ー タ ブ ル 機 器 で 構 成 さ れ る 電 波 監 視 網 ( SMMS) の 構 築 を 開 始 し た 。 2012 年 か ら 現 行 の 国 家 無 線 監 視 セ ン タ ー が 設 立 さ れ 、 SMMS に よ り 国 内 の すべての無線局の監視を実施している。 6 電波の安全性に関する基準 電磁界への曝露に関する人体への制限値は、国際非電離放射線防護委員会 ( International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection: ICNIRP) の ガ イ ド ラ イ ン ( 1998 年 ) に 準 拠 し て い る 。 Ⅲ 周波数分配状況 周 波 数 分 配 表 ( 2013 年 現 在 ) URL: http://www.crc.gov.mn/k/wS/ 11