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日本顔学会2010発表 髪型の小顔効果は本当? -顔輪郭の遮蔽が顔の形状知覚に及ぼす影響- ○奥村和枝,森川和則(大阪大学大学院人間科学研究科) 背景 顔が人にどう見られるか 顔の大きさにも関心 目的 顔のパーツ(内部特徴)の配置によって,髪型の小顔効 果に差が生じるか検討する 多くの人の関心 “小顔効果” 顔の大きさ知覚の研究 顔のパーツ(内部特徴)の配置によって,顔の大きさが変 わって見える(Lee & Freire,1999; 安田, 2005) 顔の外部特徴である髪型との関連を扱った研究はない 本研究の目的 髪による顔輪郭の遮蔽が顔の大きさ知覚にどのような影 響を与えるのか検証 手続き ■楕円マッチング 提示される顔の最大幅・ 高さと等しく見えるよう に楕円の幅・高さを調節 手続き 刺激 ■実験1からの変更点 ■水平バーマッチング 提示される顔の最大幅と等 ・前髪の特徴が刺激間で大 しく見えるよう水平バーの きく異なるモデルの刺激 長さを調節 を除く ・グレースケール 楕円錯視の効果を排除 色の効果を排除 ■手順 ・顔以外の範囲を除く 0% 1% ■パーツの配置条件 ・両目の中心間の距離が 顔幅の40%=close条件 45%=middle条件 50%=far条件 ●1セッションごとに,1人のモデルの 顔刺激のマッチングを行う →残像を消すため試行間にブラン ク画面 ●遮蔽率0%は各セッションの最後に 結果 20% 結果と考察 ■ 顔幅 Perceived Width of Face(Pxl) 385 ・髪で遮蔽されるほど,顔幅 が小さく知覚された 380 375 10% 20% close条件 middle条件 far条件 (F(3,147)=28.98, p<.01) どの配置条件でも遮蔽による小顔効果が見られた。 特に,顔のパーツが顔の中央に寄っている条件におい てその効果が顕著であった 両目間隔から推測される平均的な顔立ちを補完した? 配置(3条件) ×顔(5名分) ×遮蔽率(4条件) =計60枚 far middle close 360 Perceived Width of Face(pxl) 10% 1% 服の効果を排除 刺激 顔(6名分)×遮蔽率(4条件) =計24枚 遮蔽率 0% 350 340 330 遮蔽されたものの補完 → あまりに一般的でないも のは補完されない 顔輪郭の補完 → 両目間隔から推測される平均的 な顔立ちを以って,目尻から顔 輪郭までの距離を推測している 可能性が示唆された 320 310 300 370 ・髪型の効果はモデルによっ て個人差あり 365 顔のパーツの配置が関係? 360 0% 1% 10% Covering Rate 20% ■顔の高さ 髪型によって見えの高さは変 化なし(F(2.58,126.33)=1.15, ns) 0% 1% 10% 20% Covering Rate 2要因分散分析… 下位検定… 配置と遮蔽率の交互作用あり(p<.05) 全ての配置条件で顔が髪で遮蔽されるほど顔幅 が小さく知覚されるという効果が見られた(p<.001) その効果の大きさはclose条件>middle条件>far条件 (F(3,87)=44.49, 25.52, 19.52, p<.001) > 知覚される顔幅 > 遮蔽による小顔 効果 平均的な顔立ち を補完?