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提出書類 - Morningstar
EDINET提出書類
アプライド マテリアルズ インク(E05851)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】
有価証券報告書
【根拠条文】
金融商品取引法第24条第1項
【提出先】
関東財務局長
【提出日】
平成23年4月28日
【事業年度】
自 平成21年10月26日 至 平成22年10月31日
【会社名】
アプライド マテリアルズ インク
(APPLIED MATERIALS, INC.)
【代表者の役職氏名】
会長兼社長兼最高経営責任者 マイケル・アール・スプリンター
(Chairman, President and Chief Executive Officer: Michael R.
Splinter)
【本店の所在の場所】
95052-8039 アメリカ合衆国カリフォルニア州サンタクララ
バウワーズ・アベニュー 3050、私書箱58039号
(3050 Bowers Avenue, P.O. Box 58039, Santa Clara, California, U.
S.A. 95052-8039)
【代理人の氏名又は名称】
弁護士 佐々木弘造
【代理人の住所又は所在地】
〒100-0005 東京都千代田区丸の内二丁目1番1号 明治安田生命ビル
外国法共同事業法律事務所リンクレーターズ
【電話番号】
03(6212)1200
【事務連絡者氏名】
弁護士 宮下公輔
【連絡場所】
〒100-0005 東京都千代田区丸の内二丁目1番1号 明治安田生命ビル
外国法共同事業法律事務所リンクレーターズ
【電話番号】
03(6212)1200
【縦覧に供する場所】
該当なし
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アプライド マテリアルズ インク(E05851)
有価証券報告書
第一部【企業情報】
(注)
1 文脈上別段の記載がない限り、「当社」又は「アプライド」は、アプライド マテリアルズ インク又はアプライド マテリアルズ インク及
びその連結子会社を指す。
2 別段の記載がない限り、本書において、「ドル」又は「$」は米ドルを指し、「円」又は「¥」は日本円を指す。本書中において、便宜上記載
されている日本円への換算は、1米ドル =83円15銭(2011年3月31日現在の三菱東京UFJ銀行の対顧客電信直物売買相場仲値)の換
算率により換算されている。
3 本書中の表中において数字が四捨五入等されている場合、合計は数字の総和と必ずしも一致しない。
4 当社の事業年度は、毎年10月の最終日曜日までの1年間である。
5 本書には、将来的な記述が含まれている。過去の事実に関する記述を除き、本書に含まれる記述(当社の経営陣によって作成された記述を含
む。)は全て将来的な記述である。将来的な記述の例として、当社の将来の財務又は経営成績及びキャッシュ・フロー及び現金配分戦略、
配当の宣言、株式買戻し、事業戦略、コスト計画、製品、競争力ある地位、将来の業務、研究開発、買収、合弁事業に関する経営陣の計画及び目
標、成長の機会、顧客、運転資本、流動性、投資ポートフォリオ及び方針、訴訟並びに業界の動向及び見通しに関する記述が挙げられる。これ
らの将来的な記述は、本書の日付現在の経営陣による見積り、予測及び仮定に基づいており、その記述の根拠となる仮定を含んでいる。将
来的な記述は、「かもしれない」、「だろう」、「べきである」、「可能性がある」、「期待する」、「計画する」、「予想する」、「考え
る」、「見積もる」、「予測する」、「潜在的な」、「続ける」、これらを否定する用語又はその他これらに類似する用語を含むことができ
る。これらの将来的な記述に基づく予測は、リスク及び不確定要素並びにその他の重要な要素(「第3 事業の状況 − 4 事業等のリス
ク − (1) リスク要因」及び本書におけるその他の項目に記載されるものを含む。)による影響を受ける。これらの要素及びその他の多
くの要素は、当社の将来の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす場合があり、本書において又は別途、当社又は当社の代理人が作成した将
来的な記述に基づく予測と実績とが大幅に異なる場合がある。当社には、将来的な記述を修正又は更新する義務はない。
6 以下の情報は、本書に記載されている連結財務書類及び連結財務書類注記と合わせて読まれるべきである。
第1【本国における法制等の概要】
1【会社制度等の概要】
(1)【提出会社の属する国・州等における会社制度】
当社を支配する法体系はアメリカ合衆国連邦法及びデラウェア州法である。アメリカ合衆国連邦法は、独占禁止、破産、労
使関係、有価証券及び税務に関する法律を含む、会社の事業活動の広範囲にわたって影響を及ぼしている。アメリカ合衆国の
連邦証券関係諸法の施行はアメリカ合衆国証券取引委員会(以下、「SEC」という。)がこれを司っているが、同法は、その数
多い役割の1つとして、詐欺的手段による有価証券の募集及び売出しを禁ずるものである。またSECは、当社を含む株式公開
会社に対し、定期的に財務その他の報告をSEC及び投資家に行うことを義務付けている。
アメリカ合衆国においては、原則として、会社は州法に基づいて設立される。当社は、デラウェア州の法律に基づいて設立
され、継続して運営している。デラウェア州一般会社法(以下、「デラウェア会社法」という。)は会社に関する様々な法律
を1つに編纂したものである。以下は、デラウェア会社法並びに当社の基本定款及び付属定款の骨子である。
(イ) 基本定款及び付属定款
デラウェア州の会社は、デラウェア州州務長官に基本定款を届出ることによって設立される。株式の発行を授権された
会社の基本定款には、最低限、会社の基本的事項(名称、デラウェア州における登録営業所、事業の種類又は目的、授権資本
株式数及び(株式の種類が複数種ある場合には)株式の種類又はクラス)を定めなければならない。基本定款のほかに、
デラウェア州の会社(非株式法人を除く。)は、その事業、事務処理、権利及び権限並びにその株主、取締役、その他の役員
又は従業員の権利及び権限について、基本定款の規定並びに適用される州法及び連邦法と矛盾しない種々の規定を内容と
する付属定款を採択しなければならない。
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(ロ) 株式の種類
デラウェア会社法により、会社(非株式法人を除く。)は、その基本定款に定めるところに従って、一種又は数種の株式
を発行することができるほか、株式を発行する場合には額面株式としても無額面株式としてもこれを発行することができ
る。また議決権株式としても無議決権株式としてもこれを発行することができる。さらに、基本定款、修正定款、又は基本定
款により明示的に付与される権限に従い取締役会が採択した当該の株式発行を定めた決議に記載明示のとおり、名称、優
先権、関連する権利、利益参加権、選択的権利その他の特別な権利、条件、限度又は制限付きで発行することができる。基本
定款に別段の定めがない限り、株式はその1株につき1議決権を有する。会社は、基本定款に定められた授権枠内において
株式を発行することができる。当社の株式の発行価格は、額面株式を額面未満の価格で発行することが禁じられている点
を除いて、取締役会の決するところによる。
(ハ) 株主総会
非株式法人以外の会社については、年次株主総会は、取締役の選任及びその他業務の適切な処理を目的として、会社の付
属定款に定めるところに従って開催される。臨時株主総会は取締役会の決議によってこれを招集することができるほか、
基本定款又は付属定款に定めるところに従ってこれを招集することができる。会社は、取締役会の決議によって、総会の前
10日以上60日以内の日を、株主総会又は延会の通知を受ける資格がある株主を確定するための基準日とすることができ
る。また、取締役会が総会日前の基準日以降の日を議決権を行使する資格がある株主を確定するための日として決定する
場合を除き、かかる基準日を株主総会において議決権を行使する資格がある株主を確定するための日とすることができ
る。その基準日に名簿に登録されている登録株主が、株主総会において議決権を行使できる。株主総会の定足数とは、基本
定款又は付属定款に別段の規定がない限り、議決権株式の過半数を有する株主の本人又は代理人による出席をいう。ただ
し、いかなる場合でも株主総会の定足数を議決権株式の3分の1未満としてはならない。
(ニ) 取締役会
デラウェア会社法に基づいて設立された会社(非株式法人を除く。)の場合には、基本定款に別段の定めのない限り、そ
の事業の管理運営は取締役会がこれを司る。一般に取締役会には、デラウェア会社法、基本定款及び付属定款による制限の
範囲内において、会社の事業の管理運営の監督に関する広範囲な裁量が認められている。取締役は、年次株主総会において
選任される。取締役の死亡、辞任又は定員の増加によって欠員が生じたときは、その状況に応じて株主が年次株主総会又は
その目的で招集された臨時総会において、又は取締役会が自ら、取締役を選任して欠員を補充することができる。基本定款
又は付属定款に規定のある場合には、取締役を2つ又は3つのクラスに分割することができ、2つ以上のクラスがあると
きには、クラスごとに任期をずらすことができる。取締役は、理由の有無を問わず、株主の過半数の議決によって解任され
うる。ただし、取締役がクラスに分けられている場合には、基本定款に別段の定めがない限り、株主は取締役を理由のある
ときにのみ解任できる。
取締役会は、基本定款及び付属定款の定めに従って招集される。基本定款又は付属定款で特に制限されていない限り、取
締役会に義務づけられ又は許されている全ての決定は、全取締役の書面による同意により決議することができる。
(ホ) 委員会
基本定款又は付属定款に規定のある場合、取締役会は、1名又は複数名の取締役により構成される委員会に、一定の権限
を委譲することができる。
(ヘ) 役員
デラウェア会社法に基づいて設立された会社は、付属定款又は取締役会の決議により決定された役職及び役付役員を置
くことができる。各役員の権限は、付属定款に定められ又は取締役会が認めたものとする。
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(2)【提出会社の定款等に規定する制度】
アメリカ合衆国連邦法又はデラウェア州法の要求する規定に加え、当社の会社組織は、当社の基本定款及び付属定款によ
り定められている。当社の基本定款及び付属定款の現在の概要は、以下のとおりである。
(イ) 株式
(a)授権資本
当社の授権資本は、1株当たりの額面金額0.01ドルの普通株式2,500,000,000株と、1株当たりの額面金額0.01ドルの
優先株式1,000,000株からなる。
(b)普通株式
普通株式1株は、1議決権に相当する。普通株式の株主は、デラウェア会社法の規制の範囲内で、取締役会の定めると
ころに従って配当の支払いを受ける資格を有する。
(c)優先株式
デラウェア会社法に定められる制限に従うことを条件として、当社は、単一又は複数シリーズの優先株式を発行する
ことができる。取締役会は、各シリーズに含まれるべき株数を設定し、そのシリーズに関する議決権、名称、優先権、関連
する権利、利益参加権、選択的権利、その他の権利並びにそれらの権利の条件、限度及び制限について決定する権限を有
する。
(d) 株券
当社の株券の様式は、デラウェア会社法又は基本定款に反しない範囲で取締役会がこれを定める。株券の発行を受け
ている株主は、また株券の発行を受けていない株主についてはその請求により、当社名又は当社を代理する当社の取締
役会会長、同副会長、社長又は副社長及び財務担当役、副財務担当役、秘書役又は副秘書役によって署名された株券を受
領する権利を有する。
(e) 基準日
取締役会は、株主総会又は延会の通知を受ける権利、又は配当その他の分配金の支払い若しくはその他の権利の分配
を受けるか株式の変更、転換若しくは交換又はその他の適法な行為のため権利を行使する資格を有する株主を決定する
ため、予め基準日を定めることができる。この基準日は、株主総会開催日前10日以上60日以内又はその他の行為の60日以
内でなければならない。また、取締役会が基準日を設定する際に、総会日前10日以上60日以内以降の日を議決権を行使す
る株主の資格を確定する日として決定する場合を除き、この基準日を議決権を行使する資格がある株主を確定するため
の日とすることができる。
(ロ) 株主総会
(a)定時株主総会
当社の付属定款及びデラウェア会社法に従い、取締役の選任その他株主総会に許された議事の処理を行うための株主
総会は、取締役会が定めるデラウェア州内外の場所において又は遠隔通信手段により、毎年取締役会の定める日時に開
催される。
(b)臨時株主総会
臨時株主総会は、取締役会会長、社長又は取締役会が、いつでも招集することができる。
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(c)株主総会招集通知
全ての株主総会の招集通知は、書面により、総会の開催される場所、日時及び臨時株主総会の場合にはその招集目的を
記載し、会日前10日以上60日以内に、郵便その他付属定款及びデラウェア会社法の定める方法により、基準日現在登録さ
れている各株主に対して行わなければならない。
(d)定足数
法律に別段の定めがない限り、当該株主総会において議決権のある発行済株式総数の過半数を有する株主本人又は代
理人による出席が定足数を構成する。
(e)議事の運営
議長は、いかなる株主総会においても、投票及び議事の運営方法その他の議事次第並びに手続きに関する決定権を有
する。
(f)投票
株主総会において議決権を行使できる株主は、各登録普通株式1株につき1票を本人又は代理人により投じることが
できる。全ての議決は、法令に別段の定めのある場合を除き、出席株主の過半数によってなされる。議決は、株主が年次又
は臨時株主総会において行うことができる。
(ハ) 取締役会
(a)員数
当社の事業は取締役会によって運営される。2011年4月1日現在、取締役の員数は11名である。付属定款に従い、取締
役会は8名以上14名以下の員数とすることができるが、具体的な員数は、取締役会決議によって随時決定される。
(b)任期
各取締役は、後任者が選任され取締役としての資格を授与されるまで、又は本人が辞任又は解任されるまで、在職す
る。
(c)欠員
株主による解任により欠員が生じた場合を除き、欠員が生じた場合又は議決権を有する株主の総意により選任される
取締役の授権員数が増員された場合、定足数の満足の如何にかかわらずその時点において在任する取締役の過半数によ
り又は在任する取締役1名により、これを補充することができる。株主は、かかる取締役による欠員の補充が行われな
かった場合及び株主自身による解任により上記欠員を生ぜしめた場合には、かかる欠員を補充することができる。
(d)定時取締役会
定時取締役会は、取締役会が指定した日にデラウェア州内外において開催される。各定時取締役会の通知を行う必要
はない。
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(e)臨時取締役会
臨時取締役会は、随時、取締役会会長、社長、副社長若しくは秘書役1名又は取締役2名の請求により開催される。臨時
取締役会の通知は、各取締役に対して手渡し、電話、第一種郵便又は電報により行うものとする。郵便で通知を行う場合
は、当該臨時取締役会開催日の少なくとも4日前に米国郵便にてこれを発信する。手渡し、電話又は電報により通知する
場合には、当該臨時取締役会開催の最低24時間前に通知しなければならない。各取締役は、かかる通知の要請を放棄する
ことができる。
法律、基本定款又は付属定款に別段の規定がない限り、臨時取締役会はいかなる議題でも処理することができる。
(f)定足数
授権取締役数の過半数の出席が取締役会の定足数である。定足数の出席のない場合は、出席取締役の過半数の賛成を
もって取締役会を別の日時にすることができる。
決議時に定足数に達する出席がある場合、議案は、出席取締役の過半数の賛成投票により可決される。ただし、法律、基
本定款又は付属定款に別段の定めがある場合はこの限りでない。
(ニ) 委員会
取締役会は、取締役会の過半数の決議により、1名又は複数名の取締役で構成される委員会を1つ又は複数設置するこ
とができる。かかる委員会は、取締役会の授権決議又は付属定款に規定される範囲内で、当社の業務及び職務の監督に関す
る取締役会の全ての権限を有し、これを行使することができる。
(ホ) 役 員
当社の役員は、社長1名、最高財務責任者(副社長又は財務担当役を兼ねることができる。)1名及び秘書役1名であ
る。これに加えて当社は取締役会会長1名、上級副社長及びその他の役員を1名又は複数名設けることができる。当社の役
員は、原則として、取締役会によって選任される。最高経営責任者若しくは取締役会が選出する他の役員又は取締役会は、
会社の事業遂行上必要と判断した場合に、その他の役員及び代理人を選任することができる。これらの役員の権限及び責
務については、付属定款の定めに従い又は取締役会若しくは最高経営責任者が随時これを決定する。
(a) 取締役会会長の責務
取締役会会長は、当該役職の者が任命されている場合には、出席する全ての株主総会及び取締役会の議長を務める。取
締役会会長は、その他取締役会が随時定める内容の権限及び責務を有する。
(b) 社長の責務
社長は、当社の最高経営責任者であり、取締役会の管理の下で、当社の事業及び役員の全般的な監督、指示及び管理を
行う。社長は、取締役会会長が任命されていない場合及び不在の場合に、全ての株主総会及び取締役会の議長を務める。
社長は、その他取締役会が随時定める内容の権限及び責務を有する。
(c) 上級副社長及び副社長の責務
副社長は、当該の役職者が任命されているときは、取締役会の決定する序列に従い、序列が存在しないときは取締役会
の指名に従い、社長が不在又はその職務を執行できない場合に社長の職務を遂行する。副社長は、その他取締役会、取締
役会会長、社長又は付属定款が随時定める内容の権限及び責務を有する。
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(d) 秘書役の責務
秘書役は、取締役、委員会及び株主による会議及び行為の全てについて、その記録又は議事録を自ら又は第三者により
作成する。秘書役は、付属定款の規定に従い、全ての株主総会及び取締役会の通知を自ら又は第三者により行う。秘書役
は、その他取締役会又は付属定款が随時定める内容の権限及び責務を有する。
(e) 最高財務責任者の責務
最高財務責任者は、当社の財産及び業務上の取引につき、適性かつ正確な会計帳簿及び記録の作成保管を自ら又は第
三者により行う。最高財務責任者は、当社の名義及び信用において、全ての金銭及びその他の有価物を預け、取締役会が
随時決議した方法でその支払いを行い、その他取締役会の決議又は付属定款によって定められた内容の責務を遂行す
る。
2【外国為替管理制度】
アメリカ合衆国には、非居住者による国内法人の株式の取得並びに配当金及び清算に際しての分配資産の売却代金の海外送
金に関する外国為替管理上の規制は存在しない。
3【課税上の取扱い】
(1) 概要
日本の居住者たる株主に対して当社が支払う配当金より源泉徴収すべき税金及び日本の居住者たる株主が当社株式を売
却して得た所得については、いずれも所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ
合衆国との間の条約(以下、「2004年日米租税条約」という。)の規定が適用される。
(2) アメリカ合衆国における課税上の取扱い
(イ) 当社普通株式に対する配当について源泉徴収
2004年日米租税条約の規定及び米国連邦租税法の規定により、日本の居住者たる個人(米国民でも米国居住者でもない
者に限る。)又は日本法人が実質株主となって所有する当社株式に対して支払われる配当からは、通常10%の税率(日本
法人が当社の議決権株式の10%相当を所有する場合、当該日本法人が受ける配当には5%の税率が適用され得る。)によ
り米国の連邦所得税が源泉徴収される。ただし、日本の実質株主が米国内に恒久的施設を有し、当該実質株主の有する当社
株式が当該恒久的施設と実質的な関連性を有する場合、又は配当がその実質株主の米国における取引又は事業活動と実質
的な関連性を有する場合には、その実質株主に対しては上記源泉課税は課せられず、通常の所得税率によって連邦所得税
が課せられる。
(ロ) 当社株式の売却に関する所得税
2004年日米租税条約の規定及び米国連邦租税法の規定により、日本の居住者たる株主が当社株式の売却によって得た利
益には、当該株式が日本の実質株主が有する米国内の恒久的施設と実質的な関連性を有していない場合、又はかかる利益
が当該株主の米国内における取引又は事業と実質的な関連性を有していない場合、通常米国の所得税は課されない。
(ハ) 当社株式に係る配当及び譲渡所得に対する州及び地方の所得税
上記(イ)及び(ロ)にいう連邦所得税のほかに、当社株式についての日本の実質株主が米国内に恒久的施設又は住所を有
している場合には、当該株主が支払いを受けた配当及び売却によって得た利益については、当該恒久施設又は住所を管轄
する州又は地方の課税当局によって、その地域の所得税を課せられることがある。
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(3) 条約上の手続
2004年日米租税条約の規定又は適用のある相続税に関する条約の規定によって米国の租税につき軽減税率の適用の可否
については、軽減税率の適用を受けるための手段として当該条約所定の手続きを踏んでいるか否か並びに場合によっては当
社株式を保有している日本の投資家が本租税条約及び米国の国内租税法上日本居住者とみなされる要件を満たしているこ
とを米国の税務当局に対して十分に立証できるか否かによる。
(4) 相続税
現行法によれば、当社株式の実質株主である日本人が死亡した場合、同人の所有にかかる当社株式は、米国内にある財産と
みなされ、米国の相続税の課税対象となることがある。
(5) 日本における課税上の取扱い 日本国内の所得税法、法人税法、相続税法及びその他の関連法令の遵守を条件として、かつ、その限度内で、日本人及び日本
法人は、上記「(2)アメリカ合衆国における課税上の取扱い」(イ)、(ロ)及び(ハ)に記述した個人又は法人の所得(個人の場
合には相続財産を含む。)を対象とする米国の租税について、適用される租税条約の規定に従い、本人が日本において納付す
べき租税からの外国税額控除の適用を受けることができる。
4【法律意見】
当社の社外法律顧問であるオリック・ヘリントン・アンド・シュトクリフ法律事務所により、大要次のとおりの法律意見書
が提出されている。
(1) 当社は、アメリカ合衆国デラウェア州法に基づき、適法に設立され、有効に、かつ、良好な状態で存続しており、本書記載の
事業を遂行し、財産を保有管理する権能及び権限を有する。
(2) 当職らの知る限り、本書「第1 本国における法制度の概要」に含まれているアメリカ合衆国連邦租税法、デラウェア州一
般会社法並びに当社の付属定款(修正済)及び基本定款(修正済)の該当箇所に関する事項についての記述の英訳は、全
ての重要な点において正確な記述である。
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第2【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
(単位:比率、1株当たり金額及び従業員数を除き、ドル及び円は百万円)
事業年度 (1)
2010年度
ドル
2009年度
円
ドル
2008年度
円
ドル
2007年度
円
ドル
2006年度
円
ドル
円
純売上高
9,549
793,972
5,014
416,881
8,129
675,946
9,735
809,453
9,167
762,237
売上総利益
3,715
308,902
1,431
118,971
3,443
286,271
4,492
373,547
4,292
356,863
(純売上高に対する比率:%)
研究開発費及び技術費
(純売上高に対する比率:%)
39
39
29
29
42
42
46
46
47
47
1,144
95,084
934
77,672
1,104
91,808
1,142
94,963
1,152
95,816
12
12
19
19
14
942
78,314
735
61,076
965
10
10
15
15
12
1,384
115,055
(394)
(32,729)
1,355
14
14
(8)
(8)
17
1,387
115,326
(486)
(40,395)
1,409
32
32
(37)
(37)
32
938
77,984
(305)
(25,388)
961
10
10
(6)
(6)
12
希薄化後1株当たり利益(損失):
0.70
58
(0.23)
(19)
0.70
加重平均発行済普通株式(百万株)
1,349
1,349
1,333
1,375
販売費及び一般管理費
(純売上高に対する比率:%)
営業利益(損失)
(純売上高に対する比率:%)
税引前利益(損失)
実効税率(%)
当期純利益(損失)
(純売上高に対する比率:%)
新規受注高
1,333
14
12
12
13
13
952
79,196
907
75,396
10
10
10
10
112,704
2,372
197,191
2,021
168,015
17
24
24
22
22
117,135
2,440
202,857
2,167
180,184
30
30
30
79,886
1,710
142,203
1,517
126,111
12
18
18
17
17
58
1.20
100
0.97
81
1,375
1,427
1,427
1,565
1,565
9,677
804,617
9,888
822,148
3,655
303,889
3,398
282,567
351,389
3,645
303,080
80,253
12
32
10,249
852,176
4,097
340,654
9,155
761,251
受注残高
3,244
269,765
2,735
227,407
4,848
403,078
運転資本
3,877
322,409
3,749
311,770
3,719
309,202
長期債務
普通株式1株当たり現金配当
株主持分
総資産
資本的支出(固定資産除却損控除後
)
正規従業員(人)
4,226
30
204
16,985
201
16,684
202
16,761
202
16,820
205
17,021
0.27
22
0.24
20
0.24
20
0.23
19
0.18
15
7,536
626,628
7,095
589,917
7,549
627,696
7,821
650,350
6,651
553,064
10,943
909,939
9,574
796,098
11,006
915,175
10,662
886,568
9,481
788,332
149
12,393
224
18,660
281
23,371
243
20,237
151
12,565
14,824
14,824
14,550
14,072
14,072
13,045
13,045
12,619
12,619
(1) 各事業年度は、10月の最終日曜日に終了した。
9/206
14,550
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アプライド マテリアルズ インク(E05851)
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2【沿革】
1967年
M. マクニリー氏らが5人の従業員とともにカリフォルニア州マウンテンビューにアプラ
イド マテリアルズ テクノロジーを設立
1970年
ニューヨーク、ダラス、ドイツ、フランス及びイギリスに販売事務所を開設
1972年
会社名をアプライド マテリアルズ インクに変更
初の株式公開(普通株式300,000株)
ドイツのミュンヘンにヨーロッパ本部を開設
1973年
本社をカリフォルニア州サンタクララ、バウワーズアベニューに移転
1974年
ギャラマー・インダストリーのシリコン・ウエーハ部門を買収
1975年
フェアチャイルド・カメラとの合弁によりグレート・ウェスタン・シリコンを設立
1976年
パスポート・システムズ及びインライン・テクノロジー・コーポレーションを買収
1977年
ギャソニクス・コーポレーションとマーケティング契約を締結
インライン・テクノロジー・コーポレーションの経営から撤退
ギャラマー・インダストリーの経営から撤退
1978年
ギャラマー・インダストリーを売却
1979年
リントット・エンジニアリング・リミテッドのインプラント部門を買収
1980年
イギリスのホーシャムにアプライド インプラント テクノロジーを設立
1981年
コンピュータ・ビジョンのコービルト事業部門を買収
グレート・ウェスタン・シリコンを売却
1982年
顧客サービス部門を設置
1983年
オランダのアムステルダムにヨーロッパ本部を移転
1984年
中国の北京にサービスセンターを開設
1985年
韓国に営業所を開設
1988年
ジェームズ・シー・モーガン氏が米国半導体問題の大統領諮問委員会委員に就任
1989年
台湾に営業所を開設
1991年
シンガポールに営業所を開設
1992年
イスラエルにテクノロジーセンターを開設
1993年
コマツ(登記名:株式会社小松製作所)との共同出資により薄膜トランジスタ製造機器会
社アプライド・コマツ・テクノロジー・インク(AKT)を設立
1996年
韓国の天安及び台湾の新竹にテクノロジーセンターを開設
1997年
オパル・インク及びオーボット・インスツルメンツ・リミテッドを買収
1998年
コンシリアム・インクを買収
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1999年
オブシディアン・インク及びAKTの残余持分を買収
2000年
イーテック・システムズ・インクを買収
マレーシアに営業所を開設
2001年
中国の上海にテクニカル・トレーニング・センターを開設
グローバル・ナレッジ・サービセズ・インク、オラマール・セミコンダクター・エクイッ
プメント・エルティーディー及びシュルンベルジュの電子ビーム・ウエーハ検査事業を買
収
2002年
カリフォルニア州サンタクララにメイダン・プロセス・モジュール・テクノロジー・セン
ターを開設
エレクトロン・ビジョン・コーポレーションを買収
2003年
ボクサー・クロス・インクを買収
2004年
トレックス・エクイップメント・コーポレーション、メトロン・テクノロジーN.V.の実質
的に全ての子会社及び事業並びにATMIインクの処理装置事業を買収
2005年
SCPグローバル・テクノロジー・インクの枚葉式HFラスト液浸技術及びMarangoni®洗浄/
乾燥技術に関する知的財産を買収並びにケムトレース・コーポレーション及びケムトレー
ス・プレシジョン・クリーニング・インクの全発行済株式を取得
2006年
アプライド・フィルムズ・コーポレーションを買収
大日本スクリーン製造株式会社との日本における合弁会社である株式会社SOKUDOの設立
UMSソリューションズ・プライベート・リミテッドからシンガポールにおける部品洗浄及
び再生事業の資産を買収
2007年
スイスに拠点を置くHCTシェイピング・システムズSAの全発行済株式を取得
ブルックス・オートメーション・インクのソフトウェア部門の買収及びエドワーズ・バ
キューム・インクからカチナ半導体装置部品洗浄及び改修事業の資産の一部を買収
2008年
結晶シリコン(c-Si)太陽光電池の製造に用いられる自動配線装置及び試験装置の大手供
給業者である、イタリアを拠点とする非公開会社であるバッチーニS.p.A.の全発行済株式
を取得
2009年
モンタナ州を拠点とする株式公開会社であるセミツール・インク(以下、「セミツール」
という。)を公開買付け及びその後の簡易合併により買収した。被買収企業は世界中の半導
体パッケージメーカー及び半導体製造会社が使用する電解めっき装置及びウエーハ表面処
理装置の大手供給業者である。
2010年
新規顧客に対する完全統合型SunFab製造ラインの販売を中止したが、薄膜太陽光電池の製
造用に個々の装置の提供は継続
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(日本における事業の沿革)
1970年
兼松株式会社とマーケティング契約を締結
日本での販売を開始
1979年
日本法人アプライド マテリアルズ ジャパン株式会社設立
1980年
大阪営業所を開設
1981年
熊本営業所を開設
1982年
本社を東京都新宿に移転
1983年
仙台営業所、大分営業所を開設
1984年
成田にテクノロジーセンターを開設
1988年
レスポンスセンター(テクノロジーセンター内)を開設
羽田パーツセンターを開設
1990年
西東京サービスセンターを開設
1991年
福山サービスセンターを開設
1992年
本社を幕張に移転
東京営業・サービスを新宿第一生命ビルに移転(新宿本社)
1994年
那珂、四日市、西脇、宮崎にサービスセンターを開設
1995年
五所川原、鶴岡、会津、魚津、横浜、広島、宇部、西条にサービスセンターを開設
1996年
庄内にサービスセンターを開設
1997年
北上、高岡、山口にサービスセンターを開設
新潟営業所、宇部、高知のサービスセンター、関西パーツセンターを閉鎖
1998年
五所川原、魚津のサービスセンターを閉鎖
1999年
館山、長崎にサービスセンターを開設
宮崎、鶴岡のサービスセンターを閉鎖
2000年
新宿営業部を東京都内大手町野村ビルに移転
上越、国分にサービスセンターを開設
2001年
本社を東京都内大手町野村ビルに移転
2002年
幕張営業部、長岡、北上、横浜のサービスセンターを閉鎖
2003年
イーテック・システムズ・ジャパン・リミテッドの事業を買収
国分、山口のサービスセンターを閉鎖し、イーテック・システムズ・ジャパンの京都サービ
スセンターを編入
2004年
パーツセンターを成田に移転。魚津にサービスセンターを開設
2005年
福山サービスセンターを閉鎖
2006年
成田テクノロジーセンターを閉鎖。西脇、館山サービスセンターを閉鎖。本社を東京都港区芝
浦ヨコソーレインボータワーに移転。パーツセンターを原木に移転。
2007年
高岡サービスセンターの閉鎖。大阪支店の移転。ブルックス・ソフトウエア・ジャパンの名
古屋サービスセンターの編成及び新横浜サービスセンターの閉鎖。
2008年
上越サービスセンターの閉鎖。長崎サービスセンターの閉鎖。
2009年
面積縮小はあったものの、閉鎖・移転・開設はなかった。
2010年
大阪支店の閉鎖。会津サービスセンターの閉鎖。
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3【事業の内容】
デラウェア州法人である当社は、1967年の設立以来、世界各地の半導体、フラットパネル・ディスプレイ、太陽光電池及び関
連産業向けに製造装置、サービス及びソフトウェアを提供している。当社の顧客は、半導体ウエーハ及びチップ、液晶ディスプ
レイ(以下、「LCD」という。)、太陽光電池セル及びモジュール並びにその他の電子装置の製造業者である。これらの顧客は、
自社製品を最先端の電子製品の構成部品として自社の最終生産物で使用あるいは他社に販売することができる。当社の事業年
度は10月の最終日曜日に終了する。
当社は、グローバルに展開し、支援サービスを提供することができる収益ベースで世界最大の半導体製造装置供給業者であ
る。また収益ベースで、当社はフラットパネル・ディスプレイ産業に対するLCD製造装置の大手供給業者であり、収益に基づき、
太陽光産業に対する太陽光電池製造装置の大手供給業者である。
当社は、4つの報告対象セグメント(シリコン・システムズ・グループ、アプライド・グローバル・サービス、ディスプレイ
及びエネルギー・環境ソリューション)により運営している。報告対象セグメント毎の財務情報の要約は、後記の「第6 経理
の状況」の連結財務書類注記の注記17に記載されている。当社の事業に影響を及ぼす可能性のある要因については、「第3 事
業の状況 − 4 事業等のリスク − (1)リスク要因」に記載されている。
(1) 事業部門
シリコン・システムズ・グループ部門
当社のシリコン・システムズ・グループ部門は集積回路(IC)とも呼ばれる半導体チップの製造に使用される広範な装置
の開発、製造及び販売を行っている。チップの多くは、シリコンのウエーハ基板の上に構築され、多層配線層(配線)により接
続される様々な回路素子(トランジスタやその他のデバイス)を形成している。当社は、ALD(原子層成膜(Atomic Layer
Deposition))、CVD(化学的気相成長(Chemical Vapor Deposition))、PVD(物理的気相成長(Physical Vapor
Deposition))、ECD(電気化学堆積(electrochemical deposition))、エッチング、RTP(高速熱処理(Rapid Thermal
Processing))、CMP(化学的機械的平坦化(Chemical Mechanical Planarization))、ウェットクリーニング、ウエーハ測定及
び検査等のチップ製造における主要工程のほとんど全てを網羅する装置並びにフォトリソグラフィー・プロセスで使用され
るマスクに回路パターンをエッチングし、測定及び検査を行うための装置を提供している。当社の半導体製造装置は、集積デバ
イスの製造業者及び鋳造工場によるメモリー、ロジック及びその他の型のチップの組立て及び統合に使用される。
多くのチップは現在、65ナノメートル以降の線幅のサイズで製造されているが、当社は45ナノメートル及び32ナノメートル
以降の先端のノードのための最先端技術に関して顧客とともに取り組んでいる。チップ製造のためには、まずトランジスタ、
キャパシタ及びその他の回路素子が、一部の連続的な薄膜層の堆積、選択的な除去という一連の工程を重ねることにより、ウ
エーハ表面に生成される。同様の工程が、ウエーハ上に多層配線構造を形成するためにも使用される。同一又はより小さな物理
的領域でより大きな計算能力を実現するために回路素子の集積密度が高まるのに伴い、チップ製造の複雑さも増大し、素子の
更なる微細化、配線構造の更なる複雑化のためにより多くの工程が求められている。チップの配線又は接続を形成する典型的
な工程を単純化すると、まずCVD装置を使用して回路素子の基部層上に絶縁膜を堆積させるという工程がある。次に、エッチン
グ装置によって絶縁膜に開口とパターニングを施す。これら開口とパターニングは、その後、メタル接続を形成するためにPVD
装置及びECD技術を用いることにより伝導材で被膜される。そして、CMP工程において、表面を平らにするためにウエーハが研磨
される。その後、回路素子の接続を完成するのに必要な層を構築するために、更なる堆積、エッチング及びCMP工程が重ねられ
る。高度なチップデザインには、製造サイクルを完了するまでに、これらの工程及びその他の工程で500を超える段階が求めら
れる。
一部のデバイス製造業者は未だに、接続構造形成の主たる導体材料としてアルミニウムを使用しているが、多くは銅の使用
へと移行した。銅は、アルミニウムに比べて抵抗が小さく、より微小な面積でより多くの電流を流すことができる。当社は、銅配
線層の堆積、エッチング及び平坦化のための装置を含む銅配線チップ製造装置の大手供給業者である。チップの速度を改善す
るための銅への移行の補完には、銅配線構造間の絶縁体として二酸化珪素材料に代わり低誘電率(以下、「low k」という。)
膜を使用する。当社はまた、low k絶縁膜を堆積させる装置を提供する業界でもリードしている。
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トランジスタはまた、半導体製造業者がスピードを強化するためにデバイスのデザインを改善しているチップの主要分野で
ある。当社には、より小型で高速のトランジスタの製造用の技術的に高度な製品に関して、業界における最大の製品ラインがあ
る。チップの性能を強化する方法の一つが、原子間の空間を伸縮させる歪み技術であり、それにより高速な電流を可能にする。
トランジスタの高速化に相加効果をもたらすため、通常、多層歪み膜は先端デバイスにおいて使用される。当社には、これらの
アプリケーションにおけるCVD及びエピタキシャル成膜技術の使用を可能にする装置について幅広い製品ラインがある。
主要なチップメーカーはチップの性能を向上させ消費電力を削減するために、新たな高誘電率体(以下、「high-k」とい
う。)及び金属素材並びにトランジスタゲート構造におけるプロセスを統合していく旨を発表した。当社はこれらhigh-k/メ
タルゲートの製造に特化したプロセスの幅広い製品ラインを所有している。かかるソリューションには、4つの重要なプロセ
スを単一の装置に統合した統合絶縁ゲートスタックツール、ALD及びPVDを使用するメタライゼーション技術の製品ライン及び
革新的な高温エッチング装置が含まれる。
消費者向け新製品では、より小さな領域でより高度な性能が要求されるため、3次元(以下、「3D」という。)ICと呼ばれる
新しいタイプのチップ・パッケージングが出現している。より小さな領域でより多くの機能を提供するために、3DICでは複数
のチップがまとめて集積され、シリコン貫通ビア(以下、「TSV」という。)構造と呼ばれる深い穴を使用して電気的にそれら
が接続される。2010年度に、チップ・パッケージング業者が使用するECD装置及びウェーハ表面処理装置の大手供給業者である
セミツール・インクを買収した。現在、当社は、エッチング、CVD、PVD、ECD、ウェーハクリーニング及びCMP装置等、先端のパッ
ケージング製造工程の大部分で必要とされる装置及びプロセスを総合的に提供することのできる実績のあるサプライヤーで
ある。当社は、顧客の導入費用を抑えるために団体組織及び他の装置供給業者と連携して、パッケージング技術の導入を可能に
する活動をリードしている。
当社の半導体装置製品のほとんどは、基本メインフレームに複数のプロセスチャンバを装着する枚葉式処理タイプである。
これにより各ウエーハは、独自の環境で個別に処理されることが可能となり、高精度のプロセス管理が行われ、また、マルチ
チャンバによって同時処理及び高い生産性を可能にしている。当社は、枚葉式マルチチャンバ装置のほとんどをCentura®、
Endura®、Producer®及びVantage®という4つの基礎的なメインフレームで販売している。これらのメインフレームは、ALD、
CVD、PVD、エッチング及びRTP技術を支えている。
半導体産業は、長い間、チップを製造するためのウエーハの大口径化の歴史をたどってきた。最先端のチップの大量生産に今
日使用されている主流又は共通のウエーハサイズは、300ミリメートル(12インチ)である。当社は、300ミリメートル装置を幅
広く提供している。当社はまた、前世代の200ミリメートル装置のほかに、全ての装置をサポートする製品及びサービスを提供
しており、アプライド・グローバル・サービス部門において報告されている。
以下は、シリコン・システムズ・グループ部門において報告された当社の製品及び関連製造技術分野の一覧の概要であ
る。
(イ) 成膜
成膜は、チップ製造における基礎工程である。成膜中に、絶縁体、バリア又は導体(一般的に金属)の薄膜が、ウエーハ上
に堆積又は生成される。当社は、現在、ALD、CVD、ECD及びPVDの4種類の成膜方法に対応する装置を供給している。さらに、当
社のRTP装置は、特定のタイプの絶縁膜成膜を行うために使用することができる。
(a) ALD(原子層成膜(Atomic Layer Deposition))装置
ALDは、原子1個分の厚さの薄膜を同時に生成してチップ構造を製造する先端技術である。この技術により顧客は、導
体又は絶縁体のどちらにもサブナノメートル規模の構造でも均一に薄く膜を生成することができる。当社は、タングス
テン及びhigh-k/メタルゲートの薄膜を生成するためのALDチャンバを提供する。2010年に、当社はALD技術を進化させ
たApplied Endura iLB PVD/ALD装置を発表した。同装置は、22nmノード以降のロジック及びメモリチップにおけるコン
タクト構造の微細化を可能にし、高速化を実現する。
(b) CVD(化学的気相成長(Chemical Vapor Deposition))装置
CVDは、絶縁膜及び金属薄膜をウエーハ上に生成するために使用される。CVDプロセスにおいて、薄膜材料の元素を含む
ガスがウエーハ表面上で反応し、固体の薄膜が生成される。CVDによって生成される薄膜は、二酸化シリコン(珪石)、単
結晶エピシリコン、アモルファスシリコン膜、シリコン窒化膜、反射防止膜、low k絶縁膜(強絶縁体)、アルミニウム、チ
タン、窒化チタン、多結晶シリコン、タングステン、耐熱性金属又はシリサイドである。当社は、以下のCVD製品及びテクノ
ロジーを提供している。
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(ⅰ) Applied Producer CVD装置
この高スループットのメインフレームは、各ユニットに2つの枚葉式プロセスチャンバを擁するTwin-Chamber®モ
ジュールを特色としている。Producerのメインフレームには最高で3つのTwin-Chamberモジュールの装着が可能なた
め、6枚のウエーハを同時処理することができる。絶縁膜CVDプロセスの多くは、このメインフレームを用いて行うこ
とができる。この装置で最も生産性の高いモデルはApplied Producer GTで、高速のウエーハ処理能力とコンパクトな
設計により短期間のうちに顧客の支持を獲得した。
(ⅱ) low k絶縁膜
low k絶縁素材は配線速度をさらに改善するために銅配線チップのデザインに取り入れられている。従来のCVD装置
を使用することで、low k装置のApplied Producer Black Diamond®シリーズは、様々なlow k膜を先進的な配線構造
に統合するための実績がありコスト効率が高い方法を顧客に提供している。完全な多層配線型絶縁体構造の性能をさ
らに向上させるために、当社はProducer装置で成膜した一連のBLOK ™(Barrier low k)絶縁膜を提供している。
(ⅲ) リソグラフィー実現装置
当社は、一連のApplied APF®薄膜(高度なパターニング薄膜)及びApplied DARC®(反射防止膜)等、チップメー
カーによる現状の193ナノメートルのリソグラフィーツールの拡張を支援するためのProducer装置についていくつか
の技術を提供している。それら2つのプロセスは、インテグレーションの複雑さを増やすことなく、コスト効率的にナ
ノ規模の機能をパターンするために必要な精密なディメンション制御性と適合性を提供する。
(ⅳ) ギャップフィル技術
チップ製造工程中には多くの段階で非常に狭くて深い、つまり高アスペクト比(以下、「HAR」という。)の構造を
絶縁膜によりボイドフリーの状態で充填することが求められる。かかるアプリケーションの多くは、基板分離構造、接
触部及び接続部でのシリコン酸化膜の堆積である。Applied Centura Ultima HDP-CVD®(高密度プラズマCVD)装置
及びApplied Producer HARP™(高アスペクト比プロセス)装置は、業界の主力製品で、これにより顧客は32ナノメー
トルまでデバイスのスケールが可能となる。2010年、当社は画期的なApplied Producer Eterna™ FCVD装置を発表し
た。Eterna装置は、20ナノメートル以降のチップ向けに、液体に似た膜がほぼあらゆる構造に自由に流入することで、
ボイドフリーな絶縁膜の形成を実現する。
(ⅴ) 歪み技術装置
Applied Producer HARP装置は、歪み誘起膜を堆積させることによりチップメーカーによるチップの高速化を可能
にすることにより、トランジスタの性能を高めることにおいても重要な役割を果たしている。業界初の窒化膜の形成
と紫外線キュアソリューションを統合させたシステムを提供することで、Applied Producer Celera CVDは引っ張り
圧力が高いシリコン窒化膜のベンチマークレベルを実現する。当社はまた、低温シリコン窒化膜のためのApplied
Centura SiNgenPlus減圧CVD装置を提供している。両装置を組み合わせて使用し、また、当社のエピタキシャル成長技
術を使用してシリコン・ゲルマニウム(以下、「SiGe」という。)膜を併用することで、これらの装置は相加的な歪み
技術の利点を提供することができる。
(vi) シリコン貫通ビア膜
2010年、当社はTSV製造に関して新たに2機種のCVD装置を発表して、提供の幅を広げた。Applied Producer InVia™
装置は、独自の方法によりHAR TSV構造にライナー酸化膜層を形成する装置で、信頼できるデバイスの性能に不可欠な
TSVの強固な電気絶縁性が確保される。高温により製造工程で損傷を受けるアプリケーションに対して、Applied
Producer Avila™ CVD装置は、低所有コストで、均一な温度での高品質な絶縁膜の形成を実現する。
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(ⅶ) エピタキシャル成長装置
エピタキシャルシリコン(以下、「エピタキシ」又は「エピ」という。)は、デバイスの回路構成部分用の高品質な
基板を形成するために、ウエーハ上に均質な結晶構造の形で生成される単結晶シリコンの層である。スピードを増す
ために、集積回路デバイスのチップのウエーハ基板及びトランジスタ部分の両方におけるエピ技術の使用は増加して
いる。Applied Centura Epi装置は、薄膜の品質を改善し、生産コストを削減するため、エピシリコン製造の前工程及び
後工程を1つの装置に統合する。また、この装置は、ある特定の最先端チップの処理速度及び電力効率を向上させる
SiGe製のエピ生成技術にも使用されている。新しいトランジスタのデザインについては、Applied Centura RP Epi装
置により、歪み技術を通じてトランジスタの交換をより早く行うことができるように選択的なエピ処理を行う。
(ⅷ) ポリシリコン成膜装置
ポリシリコンは、シリコンの一種であり、集積回路デバイス中のトランジスタを形成するために使用される素材であ
る。Applied Centura Polygen™ LPCVD装置は、枚葉式、マルチチャンバ型の製品で、トランジスタゲート生成のために
高温でポリシリコン膜を生成するものである。ゲート間隔の短縮化という厳しい要求に応えるため、Applied Centura
DPN Gate Stack装置は、DPN(枚葉式プラズマ窒化)、RTPアニール及びポリシリコン生成のチャンバを同一のメイン
フレーム上に統合している。これにより、優れた薄膜の品質及び材料特性が可能となる。
(ⅸ) タングステン成膜装置
タングステンは、トランジスタを配線回路構成に接続するチップの「コンタクト」部分に使用される。アルミ製デ
バイスにおいて、タングステン膜は多層構造のアルミ配線を接続するためにも使用される。当社は、タングステン膜の
成膜のために90ナノメートル以降のデバイス用のApplied Centura Sprint® Tungsten CVD装置及びさらに進化した
アプリケーション用のApplied Centura iSprint ALD/CVD装置の2種類の製品を有する。後者の製品は、ALD技術及び
CVDチャンバを同一メインフレーム上で組み合わせている。
(c) 電気化学堆積(Electrochemical Deposition)装置
電気化学堆積は、化学的流体(電解液)の金属原子を電解液中に浸した対象物の表面上に堆積させるプロセスのこと
で、半導体業界では、主に配線構造の銅埋込みに使用される。このプロセスは、銅によるデバイスの他の部分の汚染を防
ぎ、Cu膜の付着力を向上させるバリア層及びシード層の成膜処理後に行われ、電着を可能にする。当社によるセミツール
買収の結果、当社は、高度なチップの接続構造における電解めっきを行うApplied Raider ECD及び高度なTSVパッケージ
ングのアプリケーションであるApplied Raider S ECDの2機種のECD装置を提供している。
(d) PVD(物理気相成長(Physical Vapor Deposition))装置
PVDは、アルゴン等のガスの原子を金属ターゲットに向けて加速するという物理的な工程である。金属原子は、剥がれ
落ち又ははじき飛ばされ、ウエーハ上に堆積する。Applied Endura PVD装置は、Al膜、アルミ合金膜、Co膜、Ti/TiN膜、
Ta/TaN膜、タングステン/窒化タングステン膜、ニッケル膜、バナジウム膜及びCu膜等の多種の金属の成膜プロセスを提
供している。2010年、半導体業界の歴史で大きな成功を収めているメタル成膜装置である当社のApplied Enduraメイン
フレームは20周年を迎えた。
Applied Endura CuBS (copper barrier/seed) PVD装置は、顧客により銅配線チップの製造に広く使用されている。こ
の装置は、PVD技術を用いて、銅がデバイス内の他の領域へ入り込むのを防ぐタンタル製バリア膜を形成し、後続のバル
クCu成膜のための構造を準備する銅シード層を形成する。Applied Endura CuBS RFX PVD装置は、コスト効率の高いCuBS
技術を22ナノメートルのノードまで拡張した。2010年、当社は、次世代スマートデバイス向けに最新鋭のチップを形成す
るPVD装置を新たに2機種発表した。Applied Endura Avenir™ RF PVD装置は、業界での新しい、より高速なメタルゲー
トトランジスタの中核部となる複数の金属膜を連続処理する。Applied Endura iLB PVD/ALD装置は、最先端のALD技術を
さらに進化させ、20ナノメートル以降のデバイスにおけるコンタクト構造のさらなる高速化を実現する。
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当社のEndura装置は長年、バンプ又はワイヤボンディングの最終的なパッケージング工程を実施する前に金属層を堆
積させるバックエンド・アプリケーションにおいても使用されてきた。特にバンプ下地金属(UBM)及びその他のバッ
クエンド・プロセスに対応するために設計されたApplied Charger™ UBM PVD装置の特徴は、ウエーハ1枚当たり低コ
ストで、信頼できる性能及び非常に高い生産性を提供する線形構造にある。
(ロ) エッチング(Etching)
エッチングとは、ウエーハの表面から一定の物質を選択的に除去するものであり、集積回路製造工程において頻繁に行
われるものである。エッチング開始前に、ウエーハには、フォトレジストと呼ばれる感光膜が塗布され、その後フォトリソ
グラフィー・プロセスによりウエーハ上に回路パターンが転写される。エッチングは、感光したパターン部分のみからウ
エーハ材を削り取る。当社は、100ナノメートル以降の処理要件を満たす広範な種類の絶縁膜、金属膜及びシリコン膜の
エッチング用装置を提供している。
当社のProducer Etch装置は、コスト重視の絶縁膜エッチング・アプリケーションを対象としている当社の
Twin-Chamber Producerメインフレームを使用する。最先端絶縁膜エッチング・アプリケーションの要求に応えるため、
Applied Centura Enabler® E5 Etch装置は、32ナノメートル以降のDRAM及びフラッシュメモリーチップの歩留まりと性
能の確保に欠かせない40対1の高アスペクト比コンタクトを実現する。Applied Centura Carina™装置は、45ナノメートル
以降のhigh-k/メタルゲートを用いてロジック及びメモリーデバイスのスケーリングに必要なエッチング機能を遂行す
るために革新的な高温技術を使用する。
2010年、当社は、オングストロームレベルの精密なナノスケールの回路形状を組み立てるApplied Centura AdvantEdge
™ Mesa™シリコン・エッチング装置を発表した。次世代デバイスに必要な重要な技術的能力を提供する同装置に対する
顧客の需要は高い。Applied Centura Mariana™ Trench Etch装置は、アスペクト比80対1構造のエッチングを実現するこ
とによりDRAMキャパシタのスケーリングを行う能力を顧客に提供する。Applied Centura Silvia™装置は、特に3D-ICに
おけるTSVアプリケーション用の小型で深い穴をエッチングするために設計された。メタルエッチング用のApplied Opus
™ AdvantEdge Metal Etch装置は、最適化された5チャンバ・メインフレーム構造を採用する。この装置により、顧客はフ
ラッシュ及びDRAMメモリーのアプリケーション用にアルミニウム配線技術及び生産性を拡張することができる。
(ハ) RTP(高速熱処理(Rapid Thermal Processing))
RTPとは、ウエーハを急速に高温加熱するプロセスで、ウエーハの温度を10秒足らずで室温から摂氏1000度以上まで上げ
ることができる。高速熱処理は、主に属性を変える、生成膜のアニーリングのために使用される。Applied Centura
Radiance®Plus及びApplied Vantage RadOx™ RTP装置は、異なるメインフレーム・デザインで、最先端RTP技術を提供
する。マルチチャンバのCenturaメインフレームは例外的な処理を柔軟に提供するが、簡素化されたチャンバ2台の
Vantageメインフレームは量産用に設計されている。これら枚葉式RTP装置は、ますます高品質化してゆく酸化膜及び窒化
酸化膜を形成するためにも使用されているが、これは、従来の大規模な拡散炉によるバッチ処理が必要な精密性及び制御
性を実現することができないためである。独自に開発したラジカルを基礎とした酸化処理により、フラッシュメモリー・
アプリケーション用に、Applied Vantage RadOx装置は生産性が高く、運転コストが低い高性能のトランジスタゲート酸化
膜を生成する。2010年、当社はレーザーベースのApplied Vantage Astra™ミリ秒アニール装置を発表した。同装置は、繊細
なニッケルシリサイド・トランジスタコンタクト層の成膜を対象とするもので、より高速で消費電力の少ないロジック
チップ製造を可能にする。
(ニ) CMP(化学的機械的平坦化(Chemical Mechanical Planarization))
CMPプロセスとは、ウエーハ表面から物質を取り除いて、平坦な表面にすることである。この処理により、後続のフォトリ
ソグラフィーによるパターン転写がより正確になり、薄膜層の高さのばらつきを最小限に留めることができる。当社は、ク
リーニング、薄膜の測定及びプロセス制御を一体化した機能を備えた300mm Applied Reflexion®LK装置で業界をリード
してきた。2010年、当社は銅配線組み立てに関する装置の所有コストを下げる一方で高性能化した革新的なデュアルウ
エーハ式のApplied Reflexion GT CMP装置を発表した。
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(ホ) 表面処理
ウエーハ表面の洗浄は、チップ製造のプロセス後に成膜される薄膜の付着及び品質にとって不可欠である。セミツール
の買収により当社はいくつかの表面処理装置を提供している。Applied Raider SPは、大量生産用に自動の枚葉式片面又は
両面ウエーハ処理を備え、スプレー、気相、液浸、超音波及びアニール技術などの数種類の洗浄方法を内臓している。
(ヘ) 測定及びウエーハ検査
当社は、半導体製造の数多くの工程でウエーハの特性測定及び欠陥検査を行うための製品をいくつか提供している。か
かる装置により、特に先進世代の技術ノードにおいて、顧客が微細寸法(以下、「CD」という。)と欠陥問題を特性化し制
御することが可能になる。
(a) CD-SEM(微細寸法測定用走査電子顕微鏡)及びDR-SEM(欠陥検査用走査電子顕微鏡)
走査電子顕微鏡(以下、「SEM」という。)は、パターンウエーハのミクロサイズのフィーチャーのイメージを超高倍
率で形成するために、電子ビームを使用している。SEM製品により、当社は、極小CDの測定に必要な高レベルの精度と感度
に加え、完全自動化を実現した。Applied VeritySEM® 計測装置は、リソグラフィー及びエッチングプロセスをより精密
に制御できる独自のSEMイメージング・テクノロジーを使用している。VeritySEMは、32ナノメートル以降のデバイス生
産に必要なCDを0.3ナノメートル未満の精度で測定し、自動化及びソフトウェアの進化によりスループットが大きく向
上する。当社のVeritySEM装置用のOPC Check™ソフトウェアは、OPC対応(光近接効果補正)のチップデザインの自動検
証を行い、マスク(以下マスク製造の項を参照のこと。)検証に要する時間を従来の手作業に比べて大幅に短縮した。
DR-SEMは、まず欠陥検出装置によって場所の特定がなされたウエーハ上の欠陥(パーティクル、傷及び残留物等)を
検査し、その後原因を特定するために欠陥の分類を行う。業界トップのスループットかつ全自動のApplied SEMVision™
Defect Analysis製品により、最小30ナノメートルの欠陥を分析するために、顧客がそのテクノロジーを製造ラインに組
込んで使用し、非常に高いスループットを実現することが可能になった。
(b) ウエーハ検査
レーザー技術を使うことで、各工程を移動する際に、パターンウエーハ(回路が転写されたウエーハ)上の欠陥が検
出できる。欠陥とは、パーティクル、回路配線の接続不良及び配線間のショートを含む。イメージング技術の重要な進歩
を取り入れることで、暗視野アプリケーション用のApplied ComPlus™ Inspection装置は、顧客の量産ラインで要求さ
れる速さで最先端のデザインルールをもつデバイス中の欠陥を検出する。2010年にApplied UVision®4ウエーハ検査
装置が発表された。この装置は、DUV(深紫外線)レーザーイメージング技術を使用して、22ナノメートル以降のロジッ
ク及びメモリーデバイスの重要なパターニング層における歩留まりの低下につながる欠陥の検出を可能にする。
(ト) マスク製造
マスクは、ミクロサイズの回路デザインをウエーハ上に転写するフォトリソグラフィー装置において使用される。マス
クは、不完全な点があると、それがウエーハ上に転写されてしまうため、実質的に無欠陥である必要がある。当社は、マスク
の作成、エッチング及び検査用装置を提供している。
2010年、当社は、難度の高い22ナノメートル以降のマスク製造のためのエッチングの先端ツールであるCentura Tetra™
X Advanced Reticle Etch装置を発表した。当社のTetraシリーズ装置は、過去5年にわたり、高性能マスクの大半をエッチ
ングする世界中のマスク製造業者に利用されてきた。また当社は、顧客が抱える22ナノメートルのマスクの欠陥検出にお
ける最も重要な課題を解決するApplied Aera3™マスク検査装置を発表した。Aera3は最新の空間像技術を用いて、マスク
上のパターンがウエーハ上に転写された後の形状を即座に視認することを可能にし、印刷される可能性が高い欠陥のみを
検出し、検査時間を著しく短縮した。
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アプライド・グローバル・サービス部門
アプライド・グローバル・サービス部門は半導体、LCD及び太陽光電池製造業者の性能及び生産性を改善し、それらの製造
工程における環境への影響を軽減するための製品及びサービスを提供する。当社は、専門知識と当社の広範かつ全世界的な
サポート基盤により、顧客の生産要件を継続的にサポートすることができる。教育を受けたカスタマーエンジニアとプロセ
スサポートエンジニアが、世界12か国以上に配置されている。これらのエンジニアは、通常、顧客の製造現場又はその付近に
配置され、設置されている34,000台を超える当社以外の装置の他、当社の装置のサービスを行っている。当社は一般的なサー
ビスとして以下のサービスと製品を提供している。
(a) ファブサービス
当社は、顧客の製造工場の保守及び最適化を行うため、製造現場全般の運営に関するサービスラインを提供している。アプ
ライド・パフォーマンス・サービスでは、所有コストの改善を可能にするために性能に基づく価格設定及び予測可能なコス
トでの装置の総合的なサポートを顧客に提供している。同プログラムには、24時間対応で専門的なサポートを提供する当社
のExpertConnectという遠隔診断技術が含まれる。また当社は、太陽光電池製造向けにもパフォーマンス・サービスを提供し
ている。当プログラムはソーラー業界では初の包括サービスプログラムである。顧客は自らの製造ラインの性能、操業コスト
及び生産量を最適化しながら短期間での量産立ち上げの実現が可能となる。
また当社は、当社の厳しい技術仕様及び品質基準で製造されたスペアパーツであるパフォーマンス・スペアも提供してい
る。当社のメトロン・チャンバ・パフォーマンス・サービス部は、精密洗浄、技術改良されたコーティング並びにチャンバプ
ロセス一式及びその構成部品の再生を提供する。また同部は性能仕様を実証及び認証するための広範な分析試験も行う。
加えて当社は200ミリメートル半導体製造ラインの生産耐用年数の延長を目的として、200ミリメートル装置の新品及び再
生機、システム改良及びライン移設サービス等広範な製品とサービスを提供している。かかる製品及びサービスは生産性の
最大化と低所有コストを達成するために設計され、また顧客の環境配慮型製造の実施も支援する。当社の200ミリメートルシ
ステムは、化学的気相成長法(CVD)、物理的気相成長法(PVD)、エッチング、注入装置、高速熱処理(RTP)、化学的機械的平
坦化(CMP)、エピタキシ、計測及び検査機などで広範な実績のある技術を提供する。
(b) オートメーションシステム
当社は半導体、LCD及び太陽光電池製造工場向けに自動化された工場レベル及びツールレベルでの制御ソフトウェア装置
を提供している。これらの企業向けソリューションには、ウエーハ並びにLCD及び太陽光基板の生産を自動化する製造管理装
置(以下、「MES」という。)、先端工程制御装置、並びに日程管理・原材料取扱管理装置がある。2010年、当社は、太陽光電池、
チップパッケージング、発光ダイオード(以下、「LED」という。)などのアプリケーションについて最新技術の量産立ち上
げを加速させるファクトリーオートメーションソリューションである、Applied SmartFactory™MESソフトウェアを発表し
た。
当社はまた、コンピュータ化されたメンテナンス運営装置、資産活用を改善させるための性能を追跡記録するツール、モデ
リング及びシミュレーションツールを提供している。例えば、E3装置エンジニアリング・システム・ソリューションは、装
置オートメーションとプロセス制御に関する重要なコンポーネントを全て統合する。2010年に当社は、半導体業界では初と
なる予測スケジューリングソリューションであるSmartSched™装置を発表した。同装置は、サイクル時間を短縮し、装置稼働
率を高めるためにリソグラフィー工程におけるウエーハの動きを最適化するためのものである。
(c) 準製造装置
太陽光電池のチップ製造における重要な構成部品は、プロセスチャンバに接続されるポンプ及び軽減装置などの付属機器
である。この機器は、準製造設備の清潔区域外に設置され、清潔で持続的なチップ製造を確保するために製造装置の排気を管
理している。
(d) 軽減装置
2010年、当社は、製造工程における排気を管理し、エネルギーコストを削減する業界初の排出処理と真空排気を完全に統合
したソリューションであるApplied iSYS™メインフレームを発表した。当社のプロセス装置とiSYS装置をネットワーク化す
ることにより、現在利用可能な技術と比べてエネルギー換算で年間200MWhに相当する電力、水及びガスの消費を削減するこ
とができる。
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ディスプレイ部門
ディスプレイ部門の下で報告されている当社の子会社であるAKTは、テレビ、コンピュータディスプレイ及びその他消費者
志向のコンピュータアプリケーション用の薄膜トランジスタ駆動LCDを組立てる装置の設計、製造、及び販売を行っている。
チップの製造やLCDの組立ての際に使用される技術に類似点が存在する一方、最大の相違点は基板の大きさ及び組成である。
LCDパネルの製造に使用される基板は300ミリメートルの70倍以上大きいこともあり、ウエーハはシリコン製であるが、LCDパ
ネルはガラス製である。
当社は異なる大きさのガラス基板の加工及び検査を行う広範な装置を供給している。かかるパネルのトランジスタ層の製
造用に、当社は、絶縁膜及び半導体薄膜を成膜するためのマルチチャンバ・メインフレーム・アーキテクチャを使用するプ
ラズマCVD(以下、「PECVD」という。)装置ラインアップを提供している。AKT-PiVot™55KV装置は、基板に金属の透明導電酸
化膜を成膜する生産性が高く、コスト効率の高いPVD技術を採用している。LCDパネルのカラーフィルターの製造用に、当社は
透明導電酸化膜の成膜用のAKT-NEW ARISTO™を提供している。
これらの装置を補完するために、当社は基板の製造中に欠陥のあるピクセル等の検査を行う一連の電子ビームテスト(以
下、「EBT」という。)装置を提供している。EBT装置は業界でも低運転コストでの最も高速かつ正確なピクセル検査技術の一
つを搭載し、その非接触検査技術により、高価なLCDテレビ・パネルをそのディスプレイを損傷することなく安全に検査する
ことができる。
LCD製造業者は、コスト効率の高い大型LCDテレビに対する消費者の需要の高まりを受けて、より大型の基板への移行を加
速している。当社の最新の第10世代装置は約2.85メートル×3.05メートルの基板を加工することが可能で、言い換えると最
大6台の65インチLCDテレビスクリーンの製造が可能である。かかる第10世代装置は、AKT-90K PECVD装置及び第10世代
AKT-90K EBT機器である。
エネルギー・環境ソリューション部門
エネルギー・環境ソリューション部門には、エネルギーの生成及び蓄積のための製造ソリューションが含まれている。太
陽光電池デバイスの変換効率及び生産性の向上のために、当社はウエーハを基礎とした結晶シリコン(c-Si)用の製造ソ
リューション及びガラスを基礎とした薄膜アプリケーション用の製造ソリューションを提供している。
当社は、太陽光電池セルの製造技術による製品ラインにより、c-Si製造装置の世界的な大手供給業者となった。これらの装
置の主な利点は、高生産性、最先端の極薄ウエーハ処理及び広範な自動化であり、顧客における太陽光電池による1ワット当
たりの電力コストの削減に貢献している。当社はc-Siセル製造用の自動メタライゼーション装置及び試験装置の包括的なラ
インを提供している。Applied Baccini装置は、c-Si太陽光電池セルの効率を上げるために設計された高精度スクリーン印刷
技術を提供する。また当社は、シリコンインゴットからウエーハをスライスし、角型にする装置も提供している。Applied HCT
B5メインフレームはその高い生産性と性能により、世界中の太陽光電池セル製造業者が使用する優れたワイヤソーとなっ
た。また当社は、研磨スラリーを必要とせずに電力消費を抑えるダイヤモンドワイヤ技術を用いたApplied HCT Diamond
Squarer™装置を提供している。
薄膜太陽光技術は、空間の制約がない実用規模の太陽光発電所や商業施設の屋根など大規模アプリケーション向きであ
る。当社は、薄膜アプリケーション用に低温ポリシリコンを成膜するApplied AKT PECVD装置を提供している。また当社は、
c-Si及び薄膜太陽光電池セルの製造における高品質の成膜、高スループットのための大面積のメインフレームであるATON™
インライン成膜装置を提供している。
2010年度第3四半期前に、当社は大型薄膜パネルを製造するための完全統合型SunFab™製造ラインを提供した。2010年度
第3四半期における、実用規模の太陽光発電の導入の遅れ、太陽光パネル製造業者の設備投資の困難さ、政府の再生可能エネ
ルギー政策の変更及び不透明性、並びにc-Si太陽光電池技術の競争圧力等の薄膜太陽光電池の不利な市況に対処するため
に、当社はエネルギー・環境ソリューション部門を再編した。このリストラクチャリングの一環として、当社は新規顧客に対
する完全統合型SunFab™製造ラインの販売を取りやめたが、薄膜太陽光電池の製造用に個々の装置は提供する予定である。
当社は、アプライド・グローバル・サービス部門を通じてサービスを提供し、品質・性能を向上させることによりSunFabラ
インの従来の顧客を支え、薄膜パネルの効率及び高い生産性を向上させる研究開発努力を継続的に行う。
エネルギー・環境ソリューション部門において提供しているその他の製品には、機能的、審美的又は光学的特性のための
フレキシブルな基板一面に効率よく成膜するためロール・ツー・ロール真空ウェブ成膜装置がある。当社のApplied Topmet
™4450は、フレキシブルなパッケージング・アプリケーション用に極薄アルミニウム膜を堆積する世界最大かつ最速のロー
ル・ツー・ロール装置である。
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(2) 競争
当社が営業活動を行う業界は、競争が非常に激しく、急激な技術進歩がその特徴である。当社の競争力は、通常、そのテクノ
ロジーを適時に商品化し、その商品を継続的に改良し、絶えず進化する顧客の要求に応える新商品を開発する能力にかかっ
ている。成功するための重要な競争要因には、技術力及び差別化、生産性並びにコスト効率がある。これらの要因の重要性は、
製品構成及び個別の製品要件、アプリケーション並びに購入決定に係るタイミング及び状況等を含む顧客の要求により異な
る。当社の事業が関わる全分野において、激しい競争が存在する。競争相手は、単独の製品及び/又は単一の地域で競合する
中小企業から、一連の製品ラインを有する世界的な多角的企業まで多様である。当社の競争力には、研究開発及び技術、マー
ケティング及び販売並びにグローバルな顧客サービス活動に対する高レベルの投資が必要とされる。経営陣は当社の多くの
製品は強固な競争的地位を有していると考えている。
個々の部門に対する競争的な環境は以下のとおりである。
半導体業界は、更に高機能を備えた低コストの電子製品に対する顧客の需要、及びそれほどではないにせよ商業用アプリ
ケーションに対する需要にますます追い立てられている。その結果、シリコン・システムズ・グループ部門の製品は、小型
化、新素材への移行及び増大するアプリケーションの数を含む顧客の要求の急速な変化にさらされている。一定の既存の技
術をもって新たな要求に応えることもできるが、アプリケーションの中には全く異なる技術的アプローチが必要となる場合
もある。この技術的変化の急激なスピードは、最新の技術や製品の価値をたちまち減少させ、既存及び新規の競合相手に機会
を与えることもありうる。効果的に競争するために、当社は、顧客の要求を満たすために継続的な進化を要する技術的に差別
化された広範な製品ラインを提供している。当社は多くの製品提供に資金を割り当てているため、限られた数の製品に特化
している競争相手と同程度の資金を個々の製品に投資を行わないことを決定することもある。半導体製造装置産業を営む多
くの競争相手がおり、その中には単一の製品ラインを提供する会社もいれば、様々な種類の製品ラインを提供する会社もい
る。これらの競争相手は単一地域で営む供給業者から世界的な多角的企業まで存在している。2010年度にシリコン・システ
ムズ・グループにとっての競争環境に影響を及ぼした要因には、タブレット型コンピュータの導入の他、PCや携帯電話の需
要高を受けた半導体業界の回復がある。工場稼働率が高く、デバイスの供給日程が厳しいことから、製造業者はウエーハ製造
装置への設備投資を増加させた。これがシリコン・システムズ・グループの純売上高の主要な要因である。
アプライド・グローバル・サービス部門における製品及びサービスは、世界中でのサービスの厳しい要求及び多様な数多
くの競争相手を特徴とする。効率的に競争するためには、当社は顧客の製造現場のコスト削減、生産性の向上及び環境への影
響の軽減に寄与する製品及びサービスを提供している。重大な競争要因には、生産性、コスト効率並びに技術サービス及びサ
ポートのレベルがある。これらの要因の重要度は顧客の要望と提供する製品又はサービスの種類により異なる。より多くの
業務を行い、かつ/又はより多くの技術を有する顧客は、アウトソーシングに大幅に依存する顧客に比べてサービス製品を
それほど必要としない可能性がある。業界の状況として設置基盤の補強及び半導体製造業者のウエーハ製造が、2010年度に
おけるアプライド・グローバル・サービスのスペアパーツ及びサービスの売上げに影響を及ぼした。
ディスプレイ部門における製品は、多くの大企業の競争相手からの強い競争にさらされている。顧客の要求が進化するこ
とにより、当社の市場における地位は急速に変わり得るが、PECVD及びカラーフィルターPVD及び薄膜技術(以下、「TFT」と
いう。)配列検査用の技術的に差別化されたTFT-LCD製造ソリューションにより、当社は確立された市場での地位を維持して
いる。2010年度における当社のディスプレイ部門にとっての競争環境の特徴は、より大型のフラットパネルテレビに対する
生産量増加の要求及びタッチパネル式デバイスに対する世界的な需要の増加であった。
エネルギー・環境ソリューション部門における当社の製品は、太陽光電池セル及びモジュールの製造装置を含む様々な市
場において競合している。これらの市場では全般的に、全体的な製造コストの削減及び太陽光電池セルの性能向上に対する
激しい圧力にさらされている。当部門では、当社は主にc-Siウエーハベースのアプリケーション向けに製品を提供している。
当社はそのほか多くの企業と競合しており、その中には太陽光電池アプリケーションについてより経験のある企業もあり、
また太陽光電池装置事業への新規参入者もいる。
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(3) 特許及び免許
当社経営陣は、当社の競争的な地位は、特許に基づく地位だけではなく、当社の研究、開発、技術、製造及びマーケティング
の能力に大きく依存していると考えている。しかしながら、特許を含む知的財産権の実施により当社の技術資産を保全する
ことは重要である。したがって、当社は、当社が重要とみなす発明について米国及びその他の国において特許申請を行う慣行
を有している。当社は、米国及びその他の国において多数の特許を有しており、さらに、新しい発明についての申請が現在審
査中である。当社は、当社の事業が実質的にあるひとつの特許に依存しているとは考えないが、全体としてみると、当社の権
利及び特許に基づき製造・販売されている製品は、当社の事業の重要な要素である。特許に加えて、当社は、商標、専門知識、
企業秘密及び著作権その他の知的所有権を有している。
当社は、経営陣が当社にとって最善であると判断した場合、他の企業と技術使用許諾契約を締結する。当社は、その製品の
うちのいくつかに関して、特許の存続期間中の使用許諾を当社が受けている特許技術の使用に対して、現行の特許使用許諾
契約に基づき、使用料を払っている。また、当社は、第三者に与えた使用許諾に基づき、使用料を受け取っている。第三者から
受け取る使用料又は第三者へ支払う使用料は、連結の経営成績に対する重要性が低く、今後も低いと考える。
通常の業務の過程で、当社は、定期的に特許侵害の可能性に関する調査を受け、また自らも行っている。こうした調査に応
じるにあたり、当社が使用許諾若しくはその他の権利を取得又は与えることが必要又は有益となることがある。しかしなが
ら、こうした使用許諾や権利が当社にとって経済的に合理的な条件で利用できるという保証は存しない又はそのような保証
は全くない場合がある。当社が、損害賠償請求の解決、商業的に合理的な条件での必要なライセンスの取得又は当社の立場の
訴追又は抗弁を行えない場合には、当社の事業、財政状態及び経営成績は重要な悪影響を受ける可能性がある。
(4) 環境問題
当社は、主として本質的に予防的な多くの環境、健康及び安全プログラムを維持している。これらのプログラムの一環とし
て、当社は、適用法令に基づき定期的にコンプライアンスを監視している。さらに、当社は漏れ、流出又は汚染を含むがこれら
に限られない環境、健康又は安全上の事件の調査を行うために人員を訓練した。
環境への物質排出を規制する規定を含むがこれらに限定されない連邦、州及び地方の環境、健康及び安全上の規定の遵守
も、環境に関する改善合意やその他の行為も、当社の資本支出、競争的地位、財務状態又は経営成績に重要な影響を与えるも
のではなく、また今後も与えることはないと考えられる。
当社の環境、健康及び安全活動についての最新報告は、当社のウェブサイト(http://www.appliedmaterials.
com/about/environment.html)上のシティズンシップ・レポートに掲載されており、追加的な情報がhttp://www.
appliedmaterials.com/about/cr/sustainabilityに掲載されている。かかるシティズンシップ・レポートは定期的に更新さ
れている。同ウェブサイトのアドレスは、受動的な文章の参照のみを目的としており、当社のウェブサイトに含まれる情報は
本報告書の一部とはみなされず、言及することで本報告書に組み込まれることはない。
(5) 訴訟 (イ) セミツール株主代表訴訟
2009年11月17日、当社は、セミツール・インク(以下、「セミツール」という。)と締結した合併契約及び合併計画に
従ってセミツールの全発行済株式を取得するために公開買付けを行ったことを発表した。かかる発表の後、セミツール、セ
ミツールの取締役、当社及び当社の買収子会社に対し、モンタナ州フラットヘッド郡の第11地方裁判所に、3件の株主代表
訴訟が提起された。これらの訴訟は、セミツールの普通株式の全株主(被告とその関係会社を除く。)の地位の確認を求め
るものであった。同訴訟において原告は、セミツールの取締役が、とりわけ株主価値の最大化を行わず、かつ重要な情報の
開示を怠ることにより、その信任義務に違反し、当社がかかる違反を幇助及び教唆したと主張した。同訴訟は、被告に対し
て合併の完了を禁じる差止めによる救済、損害賠償、及び弁護士費用の支払いを求めた。
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2009年12月14日、かかる訴訟の全当事者は概ね、和解の合意に達し、原告は合併の完了を禁じる申立てを取り下げた。セ
ミツールは、一切の不正行為又は過失を認めず、2009年12月14日付でSECに提出された別紙14D-9において一定の追加情報
を開示した。セミツールの発行済普通株式の95%超に相当する株式の応募により、2009年12月21日にセミツールがアプラ
イドの買収子会社となる合併が完了した。当事者間の覚書に従って、和解の公平性及び妥当性を裏付けるために妥当な開
示を行い、被告は弁護士報酬及び費用の支払いについて200,000ドルまでは原告の訴訟代理人による申請に異議を唱えな
いことに同意した。2010年11月、当事者は和解の条項及び合意書を提出した。かかる和解の条項及び合意書が裁判所に承認
された場合、全ての訴訟の取下げが完了する。2011年1月12日付の決定に従って、裁判所は事前に和解の条項及び合意書を
承認し、和解のためにのみセミツール株主(2009年11月17日から2009年12月21日までの期間における(一定の除外を条件
として)全てのセミツール普通株式の登録株主及び実質所有者から成る。)の地位を確認した。加えて裁判所は、株主への
通知の形式及び内容について承認し、和解の審理の期日を2011年4月4日とした。
(ロ) 対ジュソン
当社は2003年以降、台湾及び韓国において、また最近は中国においてジュソン・エンジニアリング・カンパニー・リミ
テッド及び/又はジュソン・パシフィック・カンパニー・リミテッド(以下、「ジュソン」という。)との間で、LCDの製
造に使用される技術に関連し、何件かの訴訟、特許権侵害訴訟、行政手続を行っている。当社は、ジュソンに対して実体法上
の主張及び抗弁を有していると考えており、積極的に勝訴を獲得しにいくつもりである。
当社は2004年に、ジュソンに対して、当社の化学的気相成長(以下、「CVD」という。)装置に関係する特許権の侵害に対
する損害賠償及び永久差止め命令を求めて、特許侵害訴訟を台湾新竹地方裁判所に提起した。ジュソンは当社に対して反
対請求を行った。2010年12月31日、新竹地方裁判所は当社に不利になる決定を下し、本訴及びジュソンの反対請求を却下し
た旨を告知した。当社は本訴の却下について上訴し、ジュソンは同社の反対請求の却下について上訴した。ジュソンは当社
のCVD特許の無効を台湾の特許庁(以下、「TIPO」という。)に申し立て、却下された。2010年9月、行政最高裁判所はTIPO
の決定に対するジュソンの申立てを却下した。2009年、ジュソンはTIPOに当社のCVD特許の無効を求める2度目の申立てを
行い、現在係争中となっている。
2006年に当社は、TIPOにおいて、CVD技術における搬送チャンバの可分性に関してジュソンの特許の有効性に異議を申し
立てる訴訟を提起した。ジュソンは、当社及びAKTアメリカに対して、同特許の侵害を主張する訴訟を台湾の新竹地方裁判
所に提起した。2009年3月に、新竹地方裁判所はジュソンの訴訟を却下し、2010年10月には、台湾の特許裁判所がジュソン
の申立てを却下した。また、TIPOは当社の無効請求を認め、ジュソンの特許も取り消した。2010年1月、台湾知的財産裁判所
はTIPOの特許無効の決定に対するジュソンの不服申立てを認め、本件を有効性の再検討のためTIPOに差し戻した。2009年
11月、当社は中国において、この特許の無効を求める申立てを国家知識産権局の特許再審査委員会に提起した。2010年6月
18日、特許再審査委員会は、中国におけるジュソンの特許の無効を決定した。ジュソンはこれに対して上訴している。
2006年にジュソンは、台湾の台北地方裁判所において個人に対する訴えを提起し、当社の顧問弁護士が、係争中の特許侵
害訴訟においてジュソンが提出したものでジュソンが極秘にとどめるつもりでいた専門家報告を裁判所から受領し、その
写しを利用したと主張した。訴状では被告として、当社の台湾における社外法律顧問、及び当社の法的な代表者として、当
社会長兼社長兼最高経営責任者であるマイケル・アール・スプリンターを告発した。台北地方裁判所はこの訴えを却下
し、事件は台北地方検察局に移送された。台北地方検察局は一連の5件の事件について不起訴の決定を下したが、いずれに
ついてもジュソンは上訴した。台湾高等裁判所地方検事はそれぞれの事件を台北地方検察局に差し戻して更なる調査を求
めており、本件は現在係争中となっている。
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(ハ) 韓国における刑事訴訟
2010年2月、韓国の東部地区管轄のソウル検察局(以下、「検察当局」という。)は、韓国に本社を置く当社の主要な顧
客であるサムスン・エレクトロニクス・カンパニー・リミテッド(以下、「サムスン」という。)の機密情報の不適切な
受領及び利用で数社の従業員を起訴した。検察当局は、当社も当社子会社もこの刑事事件の当事者として告発していない。
起訴された個人には、起訴の時点でアプライド マテリアルズ インクの副社長で以前のアプライド・マテリアルズ・コリ
ア(以下、「AMK」という。)のトップに加え、複数のAMK従業員が含まれていた。この事件は現在ソウル東部地方裁判所で
審問中である。当社とサムスンは2010年11月1日に効力を生じる和解合意を行い、同合意は、本件に関して生じる可能性の
ある民事請求を解決するものであり、刑事訴訟とは別途行われたもので、刑事訴訟に影響を及ぼさない。
(ニ) その他の法的事項
当社は、時として、顧客及び供給業者を含む第三者から、当該第三者に対する請求に関連して、当社による補償、訴訟にお
ける援助、金銭の支払い又はその他の行為を求める通知を受けることがある。さらに、当社は、時として、当社が第三者の知
的財産権又はその他の権利を侵害若しくは不正使用している又はその可能性があると主張する通知を受けることもある。
また当社は、主張の有無によらず、通常の業務から生じるその他様々な訴訟及び申立てを受けている。
上記の事柄又はこれらの請求及び訴訟の結果を確実に予測することはできないが、当社は、これらの訴訟又はその他の
請求が当社の連結財政状態又は経営成績に重大な悪影響を及ぼすことはないと考える。
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4【関係会社の状況】
当社には親会社はない。
当社は、全世界に、直接間接を併せて77の子会社を有する。その名称、所在地及び株式の所有割合は以下のとおりである。当社
及び当社の各子会社の主たる事業内容は、世界中の半導体業者向けの半導体ウエーハ製造装置及び関連するスペアパーツの開
発、製造、マーケティング並びにサービス提供である。
(2010年10月31日現在)
子会社の名称
所在地
株式の
所有割合
(間接保有を
含む)
(%)
アプライド マテリアルズ ジャパン株式会社
日本国
100
アプライド・マテリアルズ(ホールディングス)
アメリカ合衆国
100
アプライド・マテリアルズ・ユーケー・リミテッド
アメリカ合衆国
100
アプライド・マテリアルズ・アジア・パシフィック・リミテッド
アメリカ合衆国
100
アプライド・マテリアルズ・コリア・リミテッド
大韓民国
100
アプライド・マテリアルズ・タイワン・リミテッド
中華民国
100
アプライド・マテリアルズ・サウス・イースト・アジア・ピーティーイー・
シンガポール
100
マレーシア
100
アプライド・マテリアルズ(ペナン)エスディーエヌ・ビーエイチディー
マレーシア
100
アプライド・マテリアルズ・チャイナ・リミテッド
中国
100
リミテッド
アプライド・マテリアルズ(エーエムエスイーエー)エスディーエヌ・ビー
エイチディー
香港特別行政区
アプライド・マテリアルズ・チャイナ(テンチン)カンパニー・リミテッド
中国
100%保有の
外国企業
アプライド・マテリアルズ(チャイナ)インク
中国
100%保有の
外国企業
AMAT(タイランド)リミテッド
タイ
100
アプライド・マテリアルズ(シャンハイ)カンパニー・リミテッド
中国
100%保有の
外国企業
アプライド・マテリアルズ・チャイナ(ホールディングス)リミテッド
中国
100%保有の
外国企業
アプライド・マテリアルズ(シーアン)リミテッド
中国
100%保有の
外国企業
アプライド・マテリアルズ(スーチョウ)カンパニー・リミテッド
中国
100%保有の
外国企業
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子会社の名称
所在地
株式の
所有割合
(間接保有を
含む)
(%)
アプライド・マテリアルズ・イスラエル・リミテッド
イスラエル
100
インテグレーテッド・サーキット・テスティング・ゲーエムベーハー
ドイツ
100
アプライド・マテリアルズ・エスピーヴィー1・インク
アメリカ合衆国
100
アプライド・マテリアルズ・エスピーヴィー2・インク
アメリカ合衆国
100
エリス・エルエルシー(合弁企業)
アメリカ合衆国
50
エーケーティー株式会社
日本国
100
エーケーティー・アメリカ・インク
アメリカ合衆国
100
イーテック・システムズ・インク
アメリカ合衆国
100
エーケーティー・ジャパン・エルエルシー
アメリカ合衆国
100
アプライド・マテリアルズ・インディア・プライベート・リミテッド
インド
100
メトロン・テクノロジー・インク
アメリカ合衆国
100
メトロン・テクノロジー(ベネルクス)ビーヴィー
オランダ
100
メトロン・テクノロジー(ヨーロッパ)リミテッド
英国
100
シールドケア・リミテッド
スコットランド
100
メトロン・テクノロジー(イスラエル)リミテッド
イスラエル
100
メトロン・テクノロジー(アジア)リミテッド
中国
100
香港特別行政区
メトロン・テクノロジー(シャンハイ)リミテッド
中国
100%保有の
外国企業
メトロン・テクノロジー(タイワン)リミテッド
中華民国
100
メトロン・テクノロジー(シンガポール)ピーティーイー・リミテッド
シンガポール
100
メトロン・テクノロジー(マレーシア)エスディーエヌ・ビーエイチディー
マレーシア
100
メトロン・テクノロジー・ディストリビューション・コーポレーション
アメリカ合衆国
100
アプライド・ベンチャーズ・エルエルシー
アメリカ合衆国
100
1325949オンタリオ・インク
カナダ
100
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子会社の名称
所在地
株式の
所有割合
(間接保有を
含む)
(%)
アプライド・マテリアルズ・カナダ・インク
カナダ
100
アプライド・マテリアルズ(チェンナイ)プライベート・リミテッド
インド
100
エーエフシーオー・ジーピー・エルエルシー
アメリカ合衆国
100
アプライド・フィルムズ・タイワン・カンパニー・リミテッド
中華民国
100
エーエフシーオー・シーヴィー
オランダ
100
アプライド・マテリアルズ・ヨーロッパ・ビーヴィー
オランダ
100
アプライド・マテリアルズ・ゲーエムベーハー
ドイツ
100
アプライド・マテリアルズ・フランス・エスエーアールエル
フランス
100
アプライド・マテリアルズ・アイルランド・リミテッド
アイルランド
100
アプライド・マテリアルズ・ベルギー・エヌヴィー
ベルギー
100
アプライド・マテリアルズ・スペイン・エスエル
スペイン
100
アプライド・マテリアルズ・スイッツァランド・エスエイ
スイス
100
エイチシーティー・シェイピング・システムズ・サービス(ベイジン)カン
中国
パニー・リミテッド
100%保有の
外国企業
アプライド・マテリアルズ・ネザーランド・ビーヴィー
オランダ
100
アプライド・マテリアルズ・イタリア・エスアールエル
イタリア
100
バッチーニ・ゲーエムベーハー
ドイツ
100
アプライド・マテリアルズ・ドイチェランド・ホールディング・ゲーエム
ドイツ
100
アプライド・マテリアルズ・フェルヴァルツァング・ゲーエムベーハー
ドイツ
100
アプライド・マテリアルズ・ゲーエムベーハー・ウント・コー・カーゲー
ドイツ
100
アプライド・フィルムズ・アジア・パシフィック・リミテッド
中国
100
ベーハー
香港特別行政区
ピーティー・アプライド・マテリアルズ・インドネシア
インドネシア
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子会社の名称
所在地
株式の
所有割合
(間接保有を
含む)
(%)
セミツール・インク
アメリカ合衆国
100
リーテック・インク
アメリカ合衆国
100
セミツール・オーストリア・ゲーエムベーハー
オーストリア
100
セミツール・ハルブライターテクニーク・フェルトリーブ・ゲーエムベー
ドイツ
100
セミツール・ヨーロッパ・リミテッド
英国
100
セミツール・イスラエル・リミテッド
イスラエル
100
セミツール(アジア)ピーティーイー・リミテッド
シンガポール
100
セミツール・ジャパン・インク
日本
100
セミツール・コリア・インク
韓国
100
セミツール・セミコンダクター・イクイプメント・テクノロジー(シャンハ
中国
100%保有の
ハー
イ)・カンパニー・リミテッド
外国企業
セミツール(タイワン)インク
アメリカ合衆国
100
セミツール(フィリピン)インク
アメリカ合衆国
100
セミツール・フランス・エスエーアールエル
フランス
100
セミツール・イタリア・エスアールエル
イタリア
100
セミツール・シュバイツ・ゲーエムベーハー
スイス
100
ティーエフ・ソーラー・マニュファクチャリング・エルエルシー
アメリカ合衆国
100
5【従業員の状況】
2010年10月31日現在、当社は、約13,000名の正規従業員及び1,325名の臨時従業員を雇用している。ハイテク業界では、高い技
術力を有する従業員の獲得競争が激化している。当社は、将来における当社の成功は継続的に適格な従業員を勧誘し、引き留
め、士気を高揚させることができるか否かにかかっていると考えている。当社が十分な数の適格な従業員を引きつけ、雇用し、
適合させ、士気を高揚させ、引きとめることができるという保証はない。
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第3【事業の状況】
1【業績等の概要】
(1) 概要
当社は、世界各地の半導体、フラットパネル・ディスプレイ、太陽光電池及び関連産業向けに製造装置、サービス及びソフ
トウェアを提供している。当社の顧客は、半導体ウエーハ及びチップ、フラットパネル・液晶クリスタル・ディスプレイ(以
下、「LCD」という。)、太陽光電池セル及びモジュール、その他電子機器の製造業者である。これらの顧客は、自社の先端製品
で自ら製造したものを使用でき、また高度な電子部品で使用するためにそれらを他社に販売することができる。当社は4つ
の報告対象セグメント(シリコン・システムズ・グループ、アプライド・グローバル・サービス、ディスプレイ及びエネル
ギー・環境ソリューション)により運営されている。製品の開発及び製造活動は、主として北米、ヨーロッパ、イスラエル及
びアジアで行われている。当社の各種装置及びサービスは高度な技術性を有しており、主に当社が直接販売している。
当社の業績は、従来より、主に半導体に対する世界中の需要により左右されてきたが、かかる需要はエンドユーザーの電子
製品に対する需要により決定される。製造装置及びサービスに対する需要は、チップ、LCD、太陽光電池及び他の電子機器に対
する需給の他、世界の経済や市場の状況及び製造工程における技術の進歩等のその他の要因により変動し得るため、当社の
各事業は産業動向の著しい変動にさらされている。金融市場における借入れの制約、低迷する世界経済及び半導体業界の不
振が特徴的であった2009年度の厳しい一年が終わり、当社の事業は、薄膜太陽光電池市場の状況を除き、2010年度には概ね回
復した。
以下の表は、過去3年間の重要な測定値を示している。
新規受注高
純売上高
売上総利益
売上総利益率
営業利益(損失)
営業利益(損失)率
当期純利益(損失)
1株当たり利益(損失)
2010年度
10,249
9,549
3,715
39%
1,384
14%
938
0.70
(単位:1株当たり金額及びパーセンテージを除き、百万ドル)
2008年度に対する
2009年度に対する
2009年度
2008年度
2010年度の変動
2009年度の変動
4,097
9,155
6,152
(5,058)
5,014
8,129
4,535
(3,115)
1,431
3,443
2,284
(2,012)
29%
42%
10ポイント
(14)ポイント
(394)
1,355
1,778
(1,749)
(8)%
17%
22ポイント
(25)ポイント
(305)
961
1,243
(1,266)
(0.23)
0.70
0.93
(0.93)
2009年度に対する2010年度の財務成績は、好転した世界経済及び産業動向により、製造装置及びサービスに対する需要が
大幅に増加したことを反映している。2009年度からの受注高合計の増加は、SunFab™薄膜太陽光電池ラインに対する需要の
減少により一部相殺されたものの、主に半導体、ディスプレイ及び結晶シリコン(c-Si)太陽光電池の製品に対する需要が
増加したことによる。主に半導体及びディスプレイ機器の売上げが増加したため、2009年度に比べて2010年度の純売上高は
増加した。
また2010年度には、2009年10月25日現在の全世界の従業員を18ヶ月かけて約1,000名削減するリストラクチャリングプロ
グラムに伴い合計84百万ドルの費用が発生した。さらに、エネルギー・環境ソリューション部門のリストラクチャリングプ
ログラムを含む合計486百万ドルの費用が発生した。これは、実用規模の太陽光発電の導入の遅れ、太陽光パネル製造業者の
設備投資の困難さ、政府の再生可能エネルギー政策の変更及び不透明性、並びにc-Si太陽光電池技術の競争圧力等を含む薄
膜太陽光電池の不利な市況に対処するために計画されたものである。かかるリストラクチャリングの一環として、当社は新
規顧客に対する完全統合型SunFab™製造ラインの販売を取りやめたが、薄膜太陽光電池の製造用に個々の装置の提供は継続
した。当社は、アプライド・グローバル・サービス部門を通じてサービスを提供し、品質・性能を向上させることにより
SunFabラインの従来の顧客を支え、薄膜パネルの効率及び高い生産性を向上させる研究開発努力を継続的に行う。
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2009年度の財務成績は、特に2009年度上半期における世界経済及び業界の状況が極めて不振であったため、製造装置及び
サービスに対する需要が大幅に減少したことを反映している。個人消費の下降トレンド及び蔓延する景気の不透明感によ
り、一部の顧客は工場の操業を大幅に低下させ、投資計画を減らした。2009年度下半期には半導体及びディスプレイ装置に対
する需要は増加したものの、依然として2008年度の水準を大幅に下回った。2009年度の財務成績にはリストラクチャリング
プログラムに関連した費用が含まれている。
2008年度の財務成績は、半導体業界における厳しい市場の状況により半導体装置に対する需要及び、それほどでないが、
サービスに対する需要が減少したものの、一部はLCD及び太陽光製品の需要の増加により相殺された。新規受注高は2007年度
と比べ減少した。かかる減少はメモリー、ファウンドリ及びロジックチップの製造業者の半導体装置への需要が減少したこ
とによるが、一部はLCD顧客からの需要増及び2008年度第1四半期より当社の太陽光パネル製造用のApplied SunFab薄膜製
造ラインの受注を初めて計上したことにより相殺された。2008年度の純売上高は2007年度に比べ減少した。かかる減少はメ
モリー及びロジックチップの顧客の投資の減少によるが、一部はc-Si太陽光電池製造装置の売上増により相殺された。2008
年度の当期純利益は、一部に営業費用の減少はあったものの、純売上高の減少に伴い2007年度に比べて減少した。2008年度の
財務成績にはリストラクチャリングプログラムに関連した費用が含まれている。
(2) 経営成績
以下の表は各四半期及び事業年度の財務情報を示している。
(単位:1株当たり金額を除き、百万ドル)
第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期
事業年度
2010年度:
新規受注高
1,965
2,533
2,725
3,026
10,249
純売上高
1,849
2,296
2,518
2,886
9,549
売上総利益
711
927
860
1,217
3,715
営業利益
116
386
183
699
1,384
当期純利益
83
264
123
468
938
希薄化後1株当たり利益
0.06
0.20
0.09
0.35
0.70
2009年度:
新規受注高
903
649
1,072
1,473
4,097
純売上高
1,333
1,020
1,134
1,526
5,014
売上総利益
392
156
325
559
1,431
営業利益(損失)
(196)
(293)
(77)
173
(394)
当期純利益(損失)
(133)
(255)
(55)
138
(305)
希薄化後1株当たり利益(損失)
(0.10)
(0.19)
(0.04)
0.10
(0.23)
2008年度:
新規受注高
2,500
2,414
2,030
2,212
9,155
純売上高
2,087
2,150
1,848
2,044
8,129
売上総利益
935
967
742
799
3,443
営業利益
373
438
228
316
1,355
当期純利益
262
303
165
231
961
希薄化後1株当たり利益
0.19
0.22
0.12
0.17
0.70
当社の事業は、2010年度、2009年度及び2008年度において、業界の周期的な変動による影響を受けた。こうした状況及び
変動する世界的な経済環境のため、当社の四半期毎の新規受注高及び純売上高には、3事業年度内の比較でも3事業年度
間の比較でも、大きな変動があった。製造装置に対する需要は、世界経済や市場の状況及び製造工程に関する急速な技術革
新を含めた、チップ、LCD及び太陽光電池の需給の突然の変化及びその他の要因により、これまでも大きく変動してきた。
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(イ) 新規受注高
顧客の施設の所在地に帰属する地域別の新規受注高は以下のとおりである。
(単位:パーセンテージを除き、百万ドル)
2009年度に対
2008年度に対
する2010年度
する2009年度
の変動
の変動
2010年度
2009年度
2008年度
台湾
2,760
27%
342%
625
15%
(70)%
2,110
23%
韓国
2,155
21%
188%
749
18%
(24)%
986
11%
中国
1,703
17%
205%
559
14%
(62)%
1,477
17%
日本
741
7%
40%
531
13%
(57)%
1,224
13%
675
7%
173%
247
6%
(55)%
544
6%
東南アジア
アジア太平洋
北米(*)
ヨーロッパ
合計
8,034
1,348
867
79%
13%
8%
196%
90%
28%
2,711
711
675
66%
17%
17%
(57)%
(58)%
(40)%
6,341
1,680
1,134
70%
18%
12%
10,249
100%
150%
4,097
100%
(55)%
9,155
100%
(*) 主として米国である。
2010年度の新規受注高は2009年度と比べて倍増し102億ドルとなった。かかる増加は主に、c-Si太陽光電池製造製品及び
ディスプレイ機器に対する需要増の他、主としてメモリー及びファウンドリの顧客からの半導体装置及びサービスに対す
る需要増による。新規受注高の増加は、半導体装置業界及びLCD市場が2009年度の急激な減速から概ね回復したことを反映
している。
2009年度の新規受注高は2008年度と比べて55%減少し41億ドルとなった。全てのセグメント及び特に半導体及びディス
プレイ事業において新規受注高が減少した。これは、2009年度を通じた厳しい経済及び業界の状況を反映している。半導体
及びLCD装置に対する顧客の需要は2009年度下半期に回復し始めた。
2008年度の新規受注高は2007年度と比べて5%減少し92億ドルとなった。かかる減少はロジック、メモリー及びファウ
ンドリチップ製造業者の半導体製造装置に対する需要の減少によるが、一部はLCD及び太陽光装置の受注増により相殺さ
れた。太陽光装置の受注にはApplied SunFab薄膜製造ラインの初回の受注計上が含まれている。LCD装置への需要は2008年
度第4四半期には直前3四半期間にわたる旺盛な需要の後、需要が一巡したため著しく減速した。
当社の最近の各3事業年度末現在の受注残高は、2010年10月31日現在で32億ドル、2009年10月25日現在で27億ドル、2008
年10月26日現在で48億ドルであった。半導体装置に対する需要の増加によりシリコン・システムズ・グループ部門及びア
プライド・グローバル・サービス部門における新規受注高が増加したことにより受注残高は2010年度に増加した。受注残
高は、(1)書面による承認が受理され、割当てられた出荷日が12ヶ月以内である注文、あるいは、出荷は行われたが収益が
認識されていない注文、(2)12ヶ月以内に稼得することが予定されているサービス収入及び保守報酬、(3)12ヶ月以内
に収益認識が見込まれるSunFab Line の注文から成る。顧客による納期予定の変更又は受注の取消しの可能性があるた
め、当社の特定の時期における受注残高は必ずしも将来のいずれかの期間における実際の売上高を示すものではない。ま
た最も規模の大きい事業部門における売上高の大半は同四半期内で注文を受け、出荷された分によるものである。
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(ロ) 純売上高
顧客の施設の所在地に帰属する地域別の純売上高は、以下のとおりである。
(単位:パーセンテージを除き、百万ドル)
2009年度に対
2008年度に対
する2010年度
する2009年度
の変動
の変動
2010年度
2009年度
2008年度
台湾
2,750
29%
168%
1,026
21%
(44)%
1,837
22%
韓国
1,768
19%
166%
664
13%
(49)%
1,309
16%
中国
1,557
16%
145%
635
13%
(19)%
780
10%
日本
768
8%
7%
718
14%
(41)%
1,218
15%
578
6%
129%
252
5%
(51)%
516
6%
東南アジア
アジア太平洋
北米(*)
ヨーロッパ
合計
7,421
1,147
981
78%
12%
10%
125%
19%
30%
3,295
966
753
66%
19%
15%
(42)%
(36)%
(21)%
5,660
1,520
949
69%
19%
12%
9,549
100%
90%
5,014
100%
(38)%
8,129
100%
(*) 主として米国である。
主に半導体装置の売上げが増加したことにより、2010年度の純売上高は95億ドルで2009年度から90%増加した。2009年
度の純売上高は2008年度と比べて38%減少して50億ドルとなった。かかる減収は半導体及びディスプレイの顧客に対する
装置及びサービスの売上げが著しく低調であったためで、一部は太陽光電池製造装置の売上げの増加により相殺された。
2008年度の純売上高は2007年度と比べて16%減少して81億ドルとなった。かかる減収はメモリー及びロジックチップ製造
業者の設備投資の減少によるが、一部は太陽光及びLCD顧客からの需要の増加により相殺された。
(ハ) 売上総利益
売上総利益
売上総利益
(純売上高に対する比率)
2010年度
3,715
39%
(単位:パーセンテージを除き、百万ドル)
2009年度に対
2008年度に対
する2010年度
する2009年度
2008年度
の変動
の変動
3,443
2,284
(2,012)
2009年度
1,431
29%
42%
10ポイント
(13)ポイント
2009年度から2010年度の純売上高に対する売上総利益の比率が上昇したのは主に、SunFab薄膜太陽光電池装置に関連し
た棚卸資産関連費用330百万ドルに一部相殺されたものの、純売上高が高水準であったこと、製品構成が好調であったこ
と、工場稼働率の回復、継続的なコスト管理策による。これらの棚卸資産関連費用は2010年度の売上総利益を約3パーセン
トポイント減少させた。2009年度における2008年度からの売上総利益率の下落は、純売上高が低水準であったこと、製品構
成における少ない利益幅及び工場の統合の減少によるものであったが、一部はコスト管理イニシアチブに相殺された。
2010年度、2009年度及び2008年度の売上総利益には、それぞれ32百万ドル、28百万ドル及び32百万ドルの株式に基づく報酬
費用が含まれている。
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(ニ) 研究開発費及び技術費
研究開発費及び技術費
2010年度
1,144
2009年度
934
2008年度
1,104
(単位:百万ドル)
2009年度に対
2008年度に対
する2010年度
する2009年度
の変動
の変動
210
(170)
当社の将来における経営成績は、当社が提供する装置及びサービス製品について競争力を維持できるかどうかに大きく
左右される。当社は、現在及び将来において予測される最先端の設計についての顧客のニーズに対応する革新的な技術を
確実に利用できるようにするため、引続き十分な研究開発投資を行うことが重要であると考えている。当社は、新製品及び
技術を提供し続けるために、研究開発費及び技術費に投資する方針を従来から維持している。研究開発費及び技術費は、
2010年度に11億ドル(純売上高の12%)、2009年度に934百万ドル(純売上高の19%)、2008年度に11億ドル(純売上高の
14%)であった。2010年度、2009年度及び2008年度の研究開発費及び技術費にはそれぞれ43百万ドル、50百万ドル及び59百
万ドルの株式に基づく報酬費用が含まれている。開発サイクルは、製品が、一般的に開発サイクルの短い既存製品を向上さ
せるものであるか、あるいは一般的に開発サイクルの長い新製品であるかにより、12ヶ月から36ヶ月の間で変動する。当社
の既存製品の多くは内部開発活動並びに新しい技術、素材及び工程の導入によるものである。特定の場合において、当社は
既存技術の性能を補完するために、また、マーケティングの時間を削減するために、既存製品又は新製品の分野において技
術を取得する。
2010年度に、当社は22ナノメートル以降の次世代チップデザインを実現する新技術を開発した。 これらの装置は、
high-k/メタルゲート技術及びダブル・パターニング処理を利用して同一の空間でより多くのトランジスタをパッキン
グしようとする顧客を支援するために設計された。当社はまた、高性能な装置、低消費電力及び異種デバイスの統合を実現
するために、3次元チップ積層を相互に接続する新進のソリューションであるTSV技術を開発した。太陽光電池分野では、
当社は引続き、高度な結晶シリコン技術により太陽光発電にかかるコストを抑制するための精密なウエーハ及び太陽光電
池セルの製造製品の開発を行った。
2009年度には、当社は半導体の顧客の32ナノメートル以降の形状の新しいチップデザイン用の装置(歪み技術及び
high-kメタルゲートを使用し、より高速なトランジスタを可能にする装置を含む。)の開発、及び顧客が次世代技術により
従来の193ナノメートルのリソグラフィーツールを拡張することを可能にするダブルパターニング処理に重点を置いた。
また当社は次世代のディスプレイを製造するための技術開発にも重点を置いた。研究開発及び技術部門では、低コストで
の太陽光エネルギーの生産を可能にする製品及びその他省エネルギー製品の開発活動も行われた。
2008年度に、当社は半導体デバイスのさらなるスケーリングのプロセス及び装置の開発に焦点を当てた。当社は従来型
の光学式リソグラフィーを使用した22ナノメートル以降のデバイスの製造を可能にする自己整合型ダブルパターニング
手法の先駆者となった。また当社は、シリコン貫通ビアを実施するための技術を開発した。また、太陽光電気の1ワット当
たりの総コストを削減する装置及び技術の開発にも焦点を当てて開発努力が行われている。
(ホ) 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費
2010年度
942
2009年度
735
2008年度
965
(単位:百万ドル)
2009年度に対
2008年度に対
する2010年度
する2009年度
の変動
の変動
207
(230)
2009年度に対して2010年度の販売費及び一般管理費が増加したのは、一時的な給与削減及び操業停止日の撤廃並びに変
動報酬プログラムの再開を反映している。2008年度から2009年度への販売費及び一般管理費の減少は、主にコスト管理イ
ニシアチブによるものであった。販売費及び一般管理費は、純売上高に対してそれぞれ2010年度は10%、2009年度は15%、
2008年度は12%であった。2010年度、2009年度及び2008年度の販売費及び一般管理費には、それぞれ51百万ドル、69百万ド
ル及び88百万ドルの株式に基づく報酬費用が含まれている。
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(ヘ) リストラクチャリング及び資産減損
リストラクチャリング及び資産減損
2010年度
246
2009年度
156
2008年度
40
(単位:百万ドル)
2009年度に対
2008年度に対
する2010年度
する2009年度
の変動
の変動
90
116
2010年度第3四半期に、当社はエネルギー・環境ソリューション部門のリストラクチャリングプログラムを発表した。
全世界で400人から500人に影響が及ぶものと予期されたこの計画は、実用規模の太陽光発電の導入の遅れ、太陽光パネル
製造業者の設備投資の困難さ、政府の再生可能エネルギー政策の変更及び不透明性、並びにc-Si太陽光電池技術の競争圧
力等を含む薄膜太陽光電池の不利な市況に対処するために計画されたものである。2010年度に、当社は同計画に関連して
合計403百万ドルの費用を計上し、これにはSunFab薄膜太陽光電池装置に関連する247百万ドルの棚卸資産関連費用、108百
万ドルの資産減損費用、45百万ドルの従業員退職費用及び3百万ドルのその他の費用が含まれる。
2010年度第1四半期に、当社は2009年10月25日現在の全世界の従業員を18ヶ月かけて約1,300人から1,500人(10%から
12%)削減するリストラクチャリングプログラムを公表した。2010年度第1四半期に、当社は同プログラムに伴うリスト
ラクチャリング費用104百万ドルを計上した。2010年度第3四半期において、ビジネス要件の変更により、当社は全世界に
おける人員削減数を約1,000人まで減少し、20百万ドルの上方修正を行った。
2009年度第1四半期に、当社は全世界で従業員を約1,800人削減するリストラクチャリングプログラムを公表した。2009
年度第2四半期に、当社はリストラクチャリングプログラムの範囲を約200人拡大した。2009年度に、当社は同プログラム
に伴うリストラクチャリング費用143百万ドルを計上した。リストラクチャリング費用は、自然減、希望退職及びその他の
従業員削減プログラムによる当社の従業員の削減に伴う従業員関連費用から構成される。また当社は、一部の売却予定の
固定資産の帳簿価額が見積公正価値を上回っていると判断し、その結果、15百万ドルの減損費用を計上した。
2008年度第1四半期に、当社は主にシリコン・システムズ・グループ部門及びアプライド・グローバル・サービス部門
並びに関連サポートを対象とした全世界での経費削減計画を発表した。かかる計画の一環として、当社は職務の廃止及び
自然減により全世界で従業員を削減した。2008年度に当社は、かかる計画に関連して主に人員を削減するための従業員関
連費用から成るリストラクチャリング費用29百万ドルを計上した。対象となった従業員は、北米、ヨーロッパ及びアジアに
在籍し、その職務は様々であった。
詳細については、下記「第6 経理の状況」に記載されている連結財務書類注記12を参照のこと。
(ト) 正味受取利息
正味受取利息
2010年度
16
2009年度
27
2008年度
89
(単位:百万ドル)
2009年度に対
2008年度に対
する2010年度
する2009年度
の変動
の変動
(11)
(62)
2010年度における2009年度からの正味受取利息の減少は主に金利の低下による。2009年度における2008年度からの正味
受取利息の減少は主に金利の低下による。2008年度における2007年度からの正味受取利息の減少は、主に投資の減少及び
2008年度中の金利の低下によるが、一部は2007年9月に満期が到来した借入金の満期返済に伴う支払利息の減少により相
殺された。
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(チ) 法人所得税
法人所得税(調整)額
実効法人税率
2010年度
449
32%
2009年度
(180)
(37)%
(単位:パーセンテージを除き、百万ドル)
2008年度に対
2009年度に対
する2009年度
する2010年度
2008年度
の変動
の変動
448
629
(628)
32%
69ポイント
(69)ポイント
2010年度における2009年度からの税率の変動は主に、2009年度は税引前純損失が生じたのに対して2010年度は税引前利
益が生じたことに起因する。2010年度の実効法人税率には、2009年12月に米国の研究開発に係る税額控除が失効した時点
からのその影響は含まれていない。米国の研究開発に係る税額控除が遡及的に制定される場合、制定された期間における
当社の実効法人税率に有利な影響を与えたであろう。2009年度における2008年度からの税率の変動は主に、2009年度に生
じた税引前純損失に起因する。当社の実効法人税率は、税法規、税引前利益の地域別構成等、種々の要因により左右される。
(3) セグメント情報
当社は4つのセグメント(シリコン・システムズ・グループ部門、アプライド・グローバル・サービス部門、ディスプレ
イ部門及びエネルギー・環境ソリューション部門)について財務成績を報告している。各報告対象セグメントに関する財務
情報に加えて、製品及びサービスの詳細は下記「第6 経理の状況」に記載されている連結財務書類の注記17に記載されて
いる。当社は、全社として別途管理する一定の営業費用については報告対象セグメントへの配賦は行わない。これらの配賦さ
れない費用には、株式に基づく報酬、全社管理レベルで提供される一定の管理、財務、法務、人事並びに研究開発及び技術に関
する費用並びに未配賦の情報技術及び設備費用が含まれる。さらに、当社は、報告対象セグメントにリストラクチャリング費
用及び資産減損費用並びにリストラクチャリング活動に係る調整額を配賦しない。ただし、これらの費用及び調整額が特定
の報告対象セグメントに関連する場合はこの限りではない。
2010年度第1四半期より、当社は変動報酬の構成要素及び全世界の販売組織に関する営業費用等特定の費用を報告対象セ
グメントに配賦する方法を変更した。当社は、2009年度及び2008年度のセグメントの経営成績を2010年度の表示に合わせて
組替えた。
各報告対象セグメントの業績は以下に記載される。
(イ)シリコン・システムズ・グループ部門
シリコン・システムズ・グループ部門には、成膜、エッチング、高速熱処理、化学的機械的平坦化、測定及び検査並びにウ
エーハ・パッケージング用の半導体資本設備が含まれる。 トランジスタの性能及びナノスケールのパターニングを含む
顧客の主な技術的問題の解決、及び費用削減のためのチップ製造の生産性向上に焦点を当てて開発努力が行われている。
過去3事業年度の重要な指標は以下のとおりである。
新規受注高
純売上高
営業利益
営業利益率
2010年度
5,759
5,304
1,892
36%
2009年度
1,677
1,960
201
10%
2008年度
4,092
4,005
1,229
31%
(単位:パーセンテージを除き、百万ドル)
2009年度に対する
2008年度に対する
2010年度の変動
2009年度の変動
4,082
243%
(2,415)
(59)%
3,344
171%
(2,045)
(51)%
1,691
841%
(1,028)
(84)%
26ポイント
(21)ポイント
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2010年度の財務成績は、世界経済及び業界の状況が回復したことから、製造装置に対する需要が2009年度より増加した
ことを反映している。2010年度の新規受注高は2009年度と比べて41億ドル増加して58億ドルとなった。新規受注高の大幅
な増加は、主にメモリー及びファウンドリの顧客、並びに僅かながらロジックの顧客によるもので、半導体装置業界が概ね
回復したことを反映している。2009年度の受注は主に顧客の新たな技術投資に伴うものであったが、2010年度の新規受注
の大半は、顧客の生産能力の拡張に伴うものであった。2010年度の純売上高は2009年度と比べて33億ドル増加し53億ドル
となった。純売上高の増加は主にメモリー及びファウンドリの顧客による投資の増加に起因する。2010年度の当部門にお
ける純売上高の51%は、顧客4社からのものであった。2010年度第4四半期の純売上高の約61%は、同四半期に受注し、出
荷した注文から成る。2010年度の出荷受注比率(新規受注高を純売上高で除した数)は、需要の増加を反映して、2009年度
が0.9であったのに対して、1.1に上昇した。2010年度の営業利益は、2009年度と比べて17億ドル増加し19億ドルとなった。
2010年度の営業利益の増加は半導体装置の販売からの収益がかなり高水準であったことによるもので、2010年度に半導体
装置業界が概ね回復したことを反映している。2010年度の業績には、2010年度第1四半期に当社が買収したセミツールが
含まれている。2010年、当社は銅配線組み立てに関するApplied Reflexion GT CMP装置及びオングストロームレベルの精
密なナノスケールの回路形状を組み立てるApplied Centura AdvantEdge™ Mesa™シリコン・エッチング装置を発表し
た。Applied Producer Eterna™ FCVD装置は、20ナノメートル以降のチップ向けに、液体に似た膜がほぼあらゆる構造に自
由に流入することで、ボイドフリーな絶縁膜の形成を実現する。
2009年度の財務成績は、世界経済及び業界の状況が極めて不振であったため、製造装置に対する需要が大幅に減少した
ことを反映している。2009年度のシリコン・システムズ・グループ部門の新規受注高は2008年度と比べて59%減少し17億
ドルとなった。かかる減少は主にメモリー及びロジックの顧客からの需要の大幅な減少を反映している。2009年度の純売
上高は2008年度と比べて51%減少し20億ドルとなった。かかる純売上高の減少は主にメモリーの顧客による設備投資の減
少による。2009年度の出荷受注比率は、需要の大幅な減少を反映して、2008年度が1.0であったのに対して、0.9に下落した。
2009年度の営業利益は2008年度と比べて84%減少し201百万ドルとなった。かかる営業利益の減少は、工場の統合を減少さ
せることとなった売上げの大幅な減少によるが、一部はコスト管理イニシアチブによる営業費用の減少により相殺され
た。2009年度の営業利益は貸倒損失の増加も反映している。2009年度上半期に営業損失が生じた後、シリコン・システムズ
・グループ部門は同年度下半期に営業利益率が回復した。これは主にファウンドリの顧客に対する売上げによる。同年度
に、当社は特にバンプ下地金属(UBM)及びその他のバックエンド・プロセスに対応するために設計された新たなメイン
フレームを導入した。
2008年度の財務成績は、業界の状況がやや好ましくなかったことから製造装置に対する需要が減少したことを反映して
いる。2008年度のシリコン・システムズ・グループ部門の新規受注高は2007年度と比べて38%減少し41億ドルであった。
この新規受注高の減少はロジック、メモリー及びファウンドリの顧客の設備に対する需要が減少したことによる。2008年
度の純売上高は2007年度と比べて38%減少し40億ドルとなった。純売上高の減少はロジック及びメモリーの顧客の投資の
減少による。2008年度の営業利益は2007年度と比べて48%減少して12億ドルとなった。営業利益の減少は半導体装置業界
の低迷に伴い売上水準が著しく低下したことによるが、一部は継続的に重視しているコスト管理及び製造活動の改善の効
果による営業費用の削減により相殺された。2008年度に、当社はフォトマスク用に二つの製品を発売した。一つはApplied
Aera2 Mask Inspection装置で、フォトマスク上の重大な欠陥を検知する。もう一つはApplied Tetra Reticle Clean装置
で、ウェット洗浄剤を用いて32ナノメートル以降のフォトマスクを洗浄する。また、当社は高アスペクト比デバイス構成で
の薄膜の堆積用にApplied Producer eHARP装置を導入した。
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(ロ)アプライド・グローバル・サービス部門
アプライド・グローバル・サービス部門は半導体、ディスプレイ及び太陽光装置の製造業者の工場の操業効率の向上、
操業コストの削減及び環境に対する影響の軽減を図るための、スペアパーツ、サービス、一部の前世代の装置、再生装置等
の技術的に差別化された商品を網羅している。製品及びサービスに対する顧客の需要は、世界中の顧客に近接した拠点に
配置されている訓練を受けたサービス・エンジニアを有する世界規模の販売システムを通じて満たされている。
過去3事業年度の重要な指標は以下のとおりである。
新規受注高
純売上高
営業利益
営業利益率
2010年度
2,183
1,865
337
18%
2009年度
1,179
1,397
115
8%
2008年度
2,249
2,329
545
23%
(単位:パーセンテージを除き、百万ドル)
2009年度に対する
2008年度に対する
2010年度の変動
2009年度の変動
1,004
85%
(1,070)
(48)%
468
34%
(932)
(40)%
222
193%
(430)
(79)%
10ポイント
(15)ポイント
2010年度の財務成績は、世界経済及び業界の状況が回復したことから、製造サービスに対する需要が2009年度より増加
したことを反映している。2010年度の新規受注高は2009年度と比べて10億ドル増加し22億ドルとなった。新規受注高の増
加は主にスペアパーツ及び再生装置に対する需要が高かったことによるもので、顧客の工場稼働率の上昇を反映してい
る。2010年度の純売上高は2009年度と比べて468百万ドル増加し19億ドルとなった。純売上高の増加は主にスペアパーツの
売上げが高水準だったことに起因する。2010年度の出荷受注比率は、需要の増加を反映して、2009年度が0.8であったのに
対して、1.2に上昇した。2010年度の営業利益は2009年度と比べて222百万ドル増加し337百万ドルとなった。2010年度の営
業利益の増加は主にスペアパーツの売上げが増加したことを反映している。
2009年度の財務成績は、組込まれた200ミリメートル装置の基盤の大幅な減少の他、世界経済及び業界の状況が極めて不
振であったため、製造サービスの需要が著しく減少したことを反映している。2009年度の新規受注高は2008年度と比べて
48%減少し12億ドルとなった。これは主に、半導体製造業者のウエーハ生産量が低水準であったことからスペアパーツ及
び再生装置の需要が減少したことによる。2009年度の純売上高は2008年度と比べて40%減少し14億ドルとなった。これは
スペアパーツ及び再生装置の売上げが低調であったことを反映している。2009年度の営業利益は2008年度と比べて79%減
少し115百万ドルとなった。かかる減少は売上高が低水準であったためであり、インフラ・コストの吸収の減少をもたらし
たが、一部はコスト管理イニシアチブによる営業費用の減少により相殺された。2009年度の営業利益には貸倒損失の増加
も含まれる。スペアパーツの売上げが改善したため、アプライド・グローバル・サービス部門は2009年度下半期に営業利
益率が回復した。2009年度の出荷受注比率は、需要の大幅な減少を反映して、2008年度が1.0であったのに対して、0.8に下
落した。
2008年度の財務成績は、業界の状況がやや好ましくなかったことから製造サービスに対する需要が減少したことを反映
している。2008年度の業績は半導体及びディスプレイの顧客の工場稼働率が低水準であった影響を受けた。2008年度の新
規受注高は2007年度と比べて10%減少して22億ドルとなった。この減少はサービス及びシステム改善の受注は増加した
が、スペアパーツ、工場全体のサービス及び補修再生製品の受注が減少したことによる。2008年度の純売上高は2007年度に
対して1%減少して23億ドルとなった。純売上高の減少は、サービス及びシステム改善の売上高は増加したが、工場全体の
サービス及びスペアパーツの売上高が減少したことによる。2008年度の営業利益は営業費用の増加により2007年度と比べ
て9%減少し545百万ドルとなった。
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(ハ)ディスプレイ部門
ディスプレイ部門には、テレビ、パソコン及びその他ビデオ機器用のLCD製造装置がある。この事業は大型基板を差別化
することによるその市場シェアの拡大、新規市場への参入、生産性及び均一性を通じてコスト削減を可能にする製品の開
発に焦点を当てている。
過去3事業年度の重要な指標は以下のとおりである。
新規受注高
純売上高
営業利益
営業利益率
2010年度
799
899
267
30%
2009年度
287
502
51
10%
2008年度
1,486
976
301
31%
(単位:パーセンテージを除き、百万ドル)
2009年度に対する
2008年度に対する
2010年度の変動
2009年度の変動
512
179
%
(1,199)
(81)
%
397
79
%
(474)
(49)
%
216
424
%
(250)
(83)
%
20ポイント
(21)ポイント
2010年度の営業上の財務成績は、世界経済及び業界の状況が回復したことから、LCD装置に対する需要が2009年度より増
加したことを反映している。2010年度の新規受注高は2009年度と比べて512百万ドル増加し799百万ドルとなった。新規受
注高の増加は、フラットパネルテレビ及びノート型コンピュータに対する高い需要に応じるために顧客が生産水準を上げ
ていることから、LCD市場が概ね回復したことを反映している。2010年度の純売上高は2009年度と比べて397百万ドル増加
し899百万ドルとなった。純売上高の増加はLCD製品に対する市場の需要が高いことを反映している。2010年度のディスプ
レイ部門における純売上高の71%は、顧客5社からのものであった。2010年度の出荷受注比率は、需要の増加を反映して、
2009年度が0.6であったのに対して、0.9に上昇した。2010年度の営業利益は2009年度と比べて216百万ドル増加し267百万
ドルとなった。営業利益の増加は、販売量の増加に伴う純売上高の大幅な増加及び売上総利益の増加による。
2009年度の財務成績は、世界経済及び業界の状況が極めて不振であったため、LCD製造装置に対する需要が大幅に減少し
たことを反映している。2009年度の新規受注高は2008年度の15億ドルから大幅に減少して287百万ドルとなった。かかる減
少はディスプレイ製造業者が生産能力を拡張した2008年度からディスプレイ業界が低迷したことを反映している。2009年
度の純売上高は受注の大幅な減少により2008年度と比べて49%減少し502百万ドルとなった。2009年度の営業利益は2008
年度の301百万ドルから51百万ドルに減少した。営業利益の減少は収益の大幅な減少によるものであるが、一部はコスト管
理イニシアチブによる営業費用の減少により相殺された。2009年度の出荷受注比率は、需要の大幅な減少を反映して、2008
年度が1.5であったのに対して、0.6に下落した。
2008年度の財務成績は、LCD装置に対する需要が2007年度より増加したことを反映している。2008年度の新規受注高は
2007年度の273百万ドルから著しく増加して、15億ドルとなった。受注高の増加は最終製品に対する力強い需要に対応した
ディスプレイの顧客の著しい需要増による。このLCD装置に対する需要は2008年度第3四半期中に変曲点に達し、2008年度
第4四半期には大幅に減少し、ディスプレイ業界の不安定さを反映している。2008年度の純売上高は主として顧客の第8
世代製品への投資により2007年度と比べ38%増加の976百万ドルとなった。営業利益は2007年度の159百万ドルから2008年
度は301百万ドルへと増加した。営業利益の増加は収益増、製品構成比及び操業コストの減少による。2008年度に当社は約
2.85メートル×3.05メートルの基板を加工することが可能な第10世代装置を導入した。かかる装置はAKT-90K PECVD及び
AKT-90K EBT製品である。
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(ニ)エネルギー・環境ソリューション部門
エネルギー・環境ソリューション部門の製品には、薄膜c-Si太陽光電池製造装置、フレキシブルな電子機器及びウェブ
製品用の高スループットのロール・ツー・ロール成膜装置及びエネルギー効率のよいガラスの製造用装置がある。この事
業は、製造基準及び効率を向上させる設備を提供することにより太陽エネルギーを生成するためのコストを軽減させるこ
とを重要視して、エネルギー生成及び節約のためのソリューションの提供に焦点を当てている。
2010年度に、当社は前記のエネルギー・環境ソリューション部門のリストラクチャリングプログラムを含む486百万ド
ルの費用を負担し、これにはSunFab薄膜太陽光電池装置に関連する330百万ドルの棚卸資産関連費用、108百万ドルの資産
減損費用、45百万ドルの従業員退職費用及び3百万ドルのその他の費用が含まれる。
過去3事業年度の重要な指標は以下のとおりである。
新規受注高
純売上高
営業利益
営業利益率
2010年度
2009年度
2008年度
1,508
955
1,329
1,481
1,155
819
(466)
(234)
(206)
(31)%
(20)%
(25)%
(単位:パーセンテージを除き、百万ドル)
2009年度に対する
2008年度に対する
2010年度の変動
2009年度の変動
553
58
%
(374)
(28)
%
326
28
%
336
41
%
(232)
(99)
%
(28)
(14)
%
(11)ポイント
5ポイント
2010年度の財務成績は、実用規模での太陽光電池にとって市況が厳しいことからSunFab薄膜太陽光電池製造ラインに対
する需要の減少に相殺されたものの、c-Si製品に対する需要の増加を反映している。2010年度の新規受注高は2009年度と
比べて58%増加し15億ドルとなった。受注高の増加は、SunFabラインに対する需要の減少に相殺されたものの、c-Si製品、
とりわけウエーハ及びメタライゼーション製品に対する需要の増加を反映している。2010年度の純売上高は2009年度と比
べて28%増加し15億ドルとなった。2010年度の純売上高は主に2009年度と比べてc-Siの顧客に対する売上げが高水準で
あったことを反映している。当部門の純売上高におけるSunFabの顧客からの売上げの割合は、2009年度が44%であったの
に対して2010年度は36%に減少した。2010年度の出荷受注比率は、2009年度が0.8であったのに対して、1.0に上昇した。エ
ネルギー・環境ソリューション部門の2010年度の営業損失は、2009年度と比べて232百万ドル増加し466百万ドルとなっ
た。営業損失の増加は主に、c-Si製品の売上げの増加及びコスト管理イニシアチブに一部相殺されたものの、2010年度第2
四半期及び第3四半期に認識された486百万のリストラクチャリング、資産減損及び棚卸資産関連の費用並びにSunFabの
顧客に対する純売上高が低水準であったことによる。2010年度第4四半期の業績は2つのSunFabラインが顧客に最終的に
受入れられたことを反映している。
2009年度の財務成績は、SunFabラインに対する高い需要に一部相殺されたものの、2008年度よりc-Si製品に対する需要
が減少したことを反映している。2009年度の新規受注高は955百万ドルで、2008年度の13億ドルから減少した。新規受注高
の減少は、主にc-Siの顧客からの需要の減少によるもので、世界的な厳しい経済環境、太陽光電池製造業者の費用効果的な
資本調達が困難であること及びエンドユーザー側の需要の減少を反映している。2009年度の純売上高は12億ドルで、
SunFabラインの売上げの増加により、2008年度の819百万ドルから増加した。2009年度の営業損失は234百万ドルで、2008年
度の206百万ドルから増加した。かかる増加はSunFabラインの新規立上げに伴う研究開発費及び技術費の増加、低調な売上
総利益によるものであるが、一部はコスト管理イニシアチブにより相殺された。2009年に、当社はc-Si太陽光電池の効率を
上げるために設計された高精度マルチステップスクリーン印刷技術であるBaccini Esatto Technologyを発表した。2009
年度の出荷受注比率は、需要の大幅な減少を反映して、2008年度が1.6であったのに対して、0.8に下落した。
2008年度の財務成績は、2007年度と比べてc-Si製品に対する需要が増加したこと及び2008年度からSunFabラインの受注
の認識を開始したことを反映している。2008年度の新規受注高は13億ドルとなり、2007年度の245百万ドルから増加した。
新規受注高の増加は主として2008年度第1四半期に開始したSunFabラインの受注の認識及びc-Si製品の受注の増加によ
る。2008年度の純売上高は819百万ドルと2007年度の165百万ドルから増加した。これは当部門の全ての製品で売上げが増
加したことに加え、HCTとバッチーニの買収により取得したc-Si製品に対する顧客の設備投資による。2008年度における純
売上高の増加にはSunFabラインの初回の収益認識の影響も含まれている。2008年度の営業損失は206百万ドルで2007年度
の89百万ドルと比べて増加した。営業損失の増加は、太陽エネルギーの低コスト生産のための製品の開発に伴う研究開発
費及び技術費の増加、操業コストの増加、買収関連コストの償却、及び太陽光関連製品のマーケティング活動の拡大に関連
した費用を反映しているが、一部は収益の増加により相殺された。
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(ホ)企業結合
2009年12月21日、当社はモンタナ州を拠点とする株式公開会社であるセミツール・インクを、公開買付け及びその後の
簡易合併により、現金323百万ドル(取得した現金控除後)の買収価格で買収した。被買収事業は世界中の半導体パッケー
ジメーカー及び半導体製造会社が使用する電解めっき装置及びウエーハ表面処理装置の大手供給業者である。当該買収の
当社の主要な理由は既存の製品提供を補完し、今後の成長機会を提供することであった。取得した事業は、シリコン・シス
テムズ・グループ部門の業績に含められる。
2009年11月、当社は、c-Si太陽光電池及びモジュールの先端技術開発企業である、アドベントソーラーの知的財産を含ん
だ実質的に全ての資産を14百万ドルで取得した。この取得により、当社の太陽光発電技術は補完され、c-Si装置市場におけ
る当社の機会を高めた。この取得は、エネルギー・環境ソリューション部門の業績に含められた。
2008年1月31日、当社はイタリアを拠点とする非公開会社のバッチーニ・エスピーエーの全発行済株式を現金約215百
万ドル(取得した現金及び市場性を有する有価証券を控除後)で取得した。同社はc-Si太陽光電池の製造に用いられる自
動メタライゼーション装置及び試験装置の大手供給業者である。
2007年11月9日、当社は、エドワーズ・バキューム・インクから19百万ドルでカチナ半導体装置部品洗浄及び改修事業
の資産の一部を買収した。
詳細については、下記「第6 経理の状況」に記載される連結財務書類注記9を参照のこと。
(ヘ)最近公表された会計基準
2010年3月、財務会計基準審議会(以下、「FASB」という。)は権威ある指針の改訂を発行し、意思決定機関又は役務
提供者が変動持分事業体を保有しているかどうかを評価する要件を修正し、定量的アプローチだけが変動持分事業体の
決定のための判定基準を評価する際の唯一の検討事項ではないことを明確にした。また、当該指針では、意思決定機関及
び役務提供者の要件を適用する際には常に、関連当事者について検討しなければならないことを明確にしている。この
指針はFASBが2009年6月に公表し、ある事業体が変動持分事業体に該当するかの決定に適用され、企業の保有する変動
持分又は持分が変動持分事業体における支配財務持分に該当するかを決定するための分析を行うことを求めている権
威ある指針の追加として公表された。この指針では、企業は(1)変動持分事業体の経済的業績に最も重要な影響を与える
活動を指図できる権限及び(2)当該事業体の損失を吸収する義務又は当該事業体にとって潜在的に重要となる可能性が
ある恩恵を当該事業体から受ける権利を有する場合に、支配財務持分を有するとしている。また、この指針は、変動持分
事業体の経済的業績に最も重要な影響を与える活動を指図できる権限があるかを判定する際に、当該企業に変動持分事
業体が計画どおりに事業を遂行することを確実にする暗示的な財務的責任があるかどうかを評価することを要求して
いる。さらに、この指針では、企業が変動持分事業体の主たる受益者であるかどうかを継続的に評価することを要求し、
開示の拡大を要求し、適格特別目的事業体の適用範囲からの除外規定を廃止している。 この権威ある指針は、当社には
2011年度第1四半期より適用されるが、この指針の適用により、当社の財政状態又は経営成績は重要な影響を受けない
と予想されている。
2010年1月、FASBは公正価値による測定に関して権威ある指針を発行し、開示要求を追加すると共に既存の開示指針
を明確化している。この権威ある指針は、報告企業に対し、公正価値測定のレベル1及びレベル2からの重要なレベル変
更の金額とその理由を個別に開示することを要求している。また、この権威ある指針は公正価値測定レベル3における
変動の開示の拡大も求めている。この公正価値測定レベル1及びレベル2に関する新たな開示要求及び既存の開示要求
の明確化は、当社には2010年度第2四半期より適用となった。公正価値測定レベル3の変動に関する開示は、2010年12月
15日より後の最初の中間報告期間より発効し、当社には2011年度第2四半期より適用される。当社は、この権威ある指針
の適用が当社の連結財務書類に及ぼす潜在的な影響を評価している。当社の公正価値測定に関する情報及び関連する開
示については下記「第6 経理の状況」に記載される連結財務書類の注記4を参照のこと。
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2009年6月、FASBは変動持分事業体に関する権威ある指針を公表し、この指針により、事業体が変動持分事業体である
か否かの見直し、同事業体に対する支配の継続的な評価、及び変動持分に関する追加的開示が必要となった。2009年12
月、FASBは変動持分事業体に関する財務報告について権威ある指針を発行し、以前に発行された変動持分事業体につい
ての指針を修正した。この権威ある指針における改訂は、変動持分事業体に対して支配財務持分を有する企業が存在す
るならば、それはどの企業かを決定する方法を、定量的なリスクと報酬の計算から、どの企業が当該変動持分事業体の経
済的業績に最も重要な影響を及ぼす活動を指図する権限と、(1)変動持分事業体の損失を吸収する義務又は(2)変動持分
事業体からの恩恵を受ける権利を有しているかを判定するアプローチに変更するものである。この指針は、当社には
2011年度より適用されるが、この指針の適用により、当社の財政状態又は経営成績は重要な影響を受けないと予想され
ている。
(4) 財政状態、流動性及び資金の源泉
当社の現金、現金同等物及び投資は、2009年10月25日現在の33億ドルから2010年10月31日現在の39億ドルに増加したが、
かかる増加は主に営業活動から得たキャッシュの増加によるものであった。当社は数年間、重要性のある外部財務活動を
行っていない。
現金、現金同等物及び投資の内訳は以下のとおりである。
現金及び現金同等物
短期投資
長期投資
現金、現金同等物及び投資合計
2010年10月31日
1,858
727
1,307
3,892
(単位:百万ドル)
2009年10月25日
2008年10月26日
1,577
1,412
638
689
1,052
1,367
3,267
3,468
営業活動、投資活動及び財務活動から得た(に使用した)キャッシュの概要は以下のとおりである。
(単位:百万ドル)
2010年度
2009年度
2008年度
営業活動から得たキャッシュ
1,723
333
1,710
投資活動から得た(に使用した)キャッシュ
(862)
113
(76)
財務活動に使用したキャッシュ
(576)
(281)
(1,426)
当社は、営業活動によって、2010年度は17億ドル、2009年度は333百万ドル、2008年度は17億ドルのキャッシュを生み出し
た。2010年度の営業活動によるキャッシュの主要な源泉は、当期純利益(減価償却、リストラクチャリング及び資産減損、
株式に基づく報酬を含む、現金支出を伴わない費用の影響を除外するように調整後)及び運転資本の増減である。運転資
本の変動には330百万ドルの薄膜太陽光電池の棚卸資産関連費用が含まれている。当社は顧客が発行した信用状割引プロ
グラムを活用し、2010年度に230百万ドル、2009年度に299百万ドル、2008年度に167百万ドルを割り引いた。信用状の割引
は、金融機関の信用状の割引意欲及びかかる取決めに関する費用等、多くの要因に左右される。2010年度に、当社は153百万
ドルの売掛債権及び3百万ドルの割引約束手形を買い取った。2009年度に、当社は39百万ドルの売掛債権及び4百万ドル
の割引約束手形を買い取った。2008年度に、当社は133百万ドルの売掛債権及び6百万ドルの割引約束手形を買い取った。
売掛金回収期間は、2010年度末で58日間であり、2009年度末で75日間、2008年度末で79日間であった。2010年度の売掛金回
収期間が前年度より短縮されたのは、純売上高が高水準であったこと及び運転資本の運用が改善したことに起因する。当
社の運転資本は、2010年10月31日時点で39億ドル、2009年10月25日及び2008年10月26日時点では37億ドルであった。2010年
度中に、当社は、2009年度から2005年度までの当社の純営業損失の繰り戻しとして、約130百万ドルの米国連邦法人所得税
の還付を受領した。
当社は投資活動において2010年度に862百万ドルのキャッシュを使用した。当社は、投資活動において、2009年度に113百
万ドルのキャッシュを生み出し、2008年度に76百万ドルのキャッシュを使用した。2010年度の投資の購入(投資の売却分
及び満期償還による収入を控除後)は合計370百万ドルであった。投資の売却及び満期償還による収入(投資購入額控除
後)は、2009年度は361百万ドル、2008年度は405百万ドルであった。資本的支出は、2010年度に169百万ドル、2009年度に248
百万ドル、2008年度に288百万ドルであった。これらの資本的支出は、統合業務ソフトウェアの導入及び中国の西安におけ
る太陽光電池の研究開発/実証センターの建設に関するものである。2010年度及び2009年度における資本的支出にはシン
ガポールにおいて施設を建設するための投資も含まれている。
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また投資活動には、新規市場機会又は新技術への当社のアクセスを可能にするテクノロジーへの投資及び会社の買収が
含まれる。2010年度に、当社はモンタナ州を拠点とする株式公開会社であるセミツールを323百万ドル(取得した現金控除
後)で買収した。2008年度に当社はイタリアを拠点とする非公開会社のバッチーニの全発行済株式を現金215百万ドル
(取得した現金及び市場性を有する有価証券を控除後)で取得した。また2008年度に、当社は、エドワーズ・バキューム・
インクから19百万ドルでカチナ半導体装置部品洗浄及び改修事業から成る資産の一部を買収した。当社の詳細については
下記「第6 経理の状況」に記載される連結財務書類の注記9を参照のこと。
当社は、財務活動において、2010年度に576百万ドル、2009年度に281百万ドル、2008年度に14億ドルのキャッシュを使用
した。財務活動には、配当の支払い並びに普通株式の発行及び買戻しが含まれている。株式の買戻しに使用されたキャッ
シュの合計は、2010年度は350百万ドル、2009年度は23百万ドル、2008年度は15億ドルであった。2010年3月、当社取締役会
は、2013年3月までの今後3年間で20億ドルを上限として買戻すことができる新たな株式買戻しプログラムを承認した。
株式報酬制度に関連する株式発行による収入は、2010年度は129百万ドル、2009年度は62百万ドル、2008年度は401百万ドル
であった。
2010年度中、当社の取締役会は1株当たり0.07ドルの四半期現金配当を3度、1株当たり0.06ドルの四半期現金配当を
1度宣言した。2010年度第4四半期に宣言された1株当たり0.07ドルの現金配当は、2010年11月24日現在の登録株主に対
して、2010年12月15日に支払われる。2009年度中、当社の取締役会は、1四半期について1株当たり0.06ドルの四半期の現
金配当を4度宣言した。2008年度中、当社の取締役会は、1四半期について1株当たり0.06ドルの四半期の現金配当を4度
宣言した。2010年度、2009年度及び2008年度に支払われた配当金はそれぞれ349百万ドル、320百万ドル及び325百万ドルで
あった。将来の現金配当の宣言及びその金額は、取締役会の裁量により、当社の財政状態、経営成績、必要資本、事業状況及
びその他の要因並びに現金配当は株主の最善の利益であるとの判断に基づき決定されるが、当社は現在、今後も四半期毎
に継続的に現金配当を支払うことを予想している。
当社は、様々な通貨による無担保借入のための信用枠を有しており、その上限は11億ドルであり、うち10億ドルは銀行グ
ループとの5年間リボルビング信用契約(2012年1月満了予定)である。当該契約は、当社が各回ごとに選択した2つの
レートのいずれかに合わせた金利で米ドル建の借入を提供し、財務上その他の特約条項を含んでいるが、2010年10月31日
現在、当社はそれらの条項を遵守していた。残りの信用枠約98百万ドルは日本の銀行との契約である。これらの信用枠に基
づく当社の借入は融資申込時点で銀行の承認を必要とし、全ての借入は当該銀行の円建プライム・レートに連動した金利
が適用される。2010年10月31日現在、上記の信用契約のいずれにおいても借入残高はなかった。
通常の業務の過程で、当社は、当社若しくはその子会社のどちらかにより開始された特定の取引のために要求されたス
タンドバイ信用状又はその他の保証商品を、第三者に提供している。2010年10月31日現在、これらの保証契約に基づいて将
来、当社に要求される可能性のある最高支払額は約54百万ドルであった。当社はこれらの保証契約に関連して、保証の対象
となる取引の適切な会計処理で要求される金額を上回る負債は計上していない。当社は、過去の経験及び現在入手可能な
情報に基づき、これらの保証契約に基づく支払いが要求される可能性は低いと考えている。
当社の投資ポートフォリオは主に持分証券の他、投資適格格付けの短期証券投資信託、米国財務省証券及び米国政府機
関債、地方債、社債並びにモーゲージ証券及び資産担保証券で構成されている。当社は定期的に投資ポートフォリオの信用
リスクを監視し、投資方針に基づいてかかるリスクを慎重に管理するために、一定の有価証券の売却も含め、適切な措置を
講じている。
2010年度に通常の投資の見直しプロセスの一環として、当社は非公開企業に対する持分法投資に関して13百万ドルの減
損費用を計上した。2010年10月31日現在の投資ポートフォリオにおける未実現損失総額は1百万ドルであり、これは、特定
の固定利付債券の公正価値が下落したことによるものである。当社は減損の可能性を示す投資を明確にし、評価するため
に、投資ポートフォリオを定期的に見直している。損失が一時的であるか否かを判断する際に考慮される要素には、公正価
値が原価を下回っている期間及び度合い、投資先の財政状態、信用状況及び当面の見通し、並びに当社が予期される公正価
値の回復を待たずに有価証券を売却せざるを得ない可能性が含まれる。通常、投資の契約条件により、投資の償却原価を下
回る価格での決済は認められていない。当社は将来の市況又は市場の流動性を予測することはできないが、当社の投資方
針により投資ポートフォリオにおけるリスクを管理する適切な手段をとることができると考えている。
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2010年度及び2009年度に、一定の顧客の財政状態が悪化したことから、当社は貸倒引当金(回収額控除後)をそれぞれ
10百万ドル及び62百万ドル計上した。当社は2010年10月31日現在の貸倒引当金は十分であると考えている一方で、引続き、
顧客の流動性及び経済状況の監視を緊密に行なう。
キャッシュの必要額は上記のような要因の時期と規模によって変動するが、当社の経営陣は、事業活動により生み出さ
れるキャッシュと、既存のキャッシュ残高及び借入能力から得られる流動性とを合わせれば、今後12ヶ月間における当社
の流動性要件を満たすのに十分であると考えている。当社の営業、投資及び財務活動に関する詳細については、本書中の連
結キャッシュ・フロー計算書(「第6 経理の状況 − 1 財務書類 − (4)連結キャッシュ・フロー計算書」)を参照
のこと。
(イ) オフ−バランスシート項目
通常の業務の過程で、当社はまた、当社若しくはその子会社のどちらかにより開始された特定の取引のために要求され
たスタンドバイ信用状又はその他の保証商品を、第三者に提供している。2010年10月31日現在、これらの保証契約に基づい
て将来、当社に要求される可能性のある最高支払額は54百万ドルであった。当社はこれらの保証契約に関連して、保証の対
象となる取引の適切な会計処理で要求される金額を上回る負債は計上していない。当社は、過去の経験及び現在入手可能
な情報に基づき、これらの保証契約に基づく支払いが要求される可能性は低いと考えている。
当社はまた、様々な施設についてオペレーティング・リースを有している。オペレーティング・リースの賃借料の合計
は、2010年度は52百万ドル、2009年度は64百万ドル、2008年度は68百万ドルであった。
(ロ) 契約債務
以下の表は、2010年10月31日現在の当社の契約債務の要約である。
(単位:百万ドル)
期間別返済額
契約債務
合計
長期債務
205
1
2
1
201
長期債務に関連する支払利息
101
14
29
29
29
オペレーティング・リース債務
購入義務*
その他長期債務
1年未満
1−3年
3−5年
5年超
143
42
45
26
30
2,055
2,053
2
−
−
239
21
44
45
129
2,743
2,131
122
101
389
* 購入義務には以下のものが含まれる:(a)発注済未納の商品又はサービス、(b)商品を受領していなくても一定の
最低額の支払いを行う旨の契約をしているもの。
上記の契約債務に加え、当社は特定の租税債務を有している。1年以内に支払い又は受取りが見込まれていない利息、
課徴金並びに未認識の税務上の恩恵の総額は連結貸借対照表上長期負債に計上された。2010年10月31日現在、未認識の
税務上の恩恵に係る債務総額は328百万ドル(利息及び課徴金を除く。)であった。不確実な税務ポジションに係る利息
及び罰金の増減は連結損益計算書の法人所得税の引当金に含まれる。不確実な税務ポジションに係る利息及び罰金は、
2010年10月31日現在で6百万ドル、2009年10月25日現在で5百万ドルであった。連結貸借対照表上、利息及び課徴金の6
百万ドル全額が長期債務に計上されている。現時点では、税務調査の結論の時期が不確実であることから、年度ごとの支
払時期について合理的に信頼し得る見積りを行うことは不可能であり、従って、これらの金額は上記の契約債務の表に
は含められていない。
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(5) 特に重要な会計方針
米国において一般に公正妥当と認められている会計原則に準拠して連結財務書類及び関連する開示事項を作成するため
に、経営陣は開示される金額に影響を与えることとなる判断、仮定及び見積りを行う必要がある。下記「第6 経理の状況」
に記載されている連結財務書類注記1は、連結財務書類の作成に用いられた重要な会計方針について説明している。これら
の重要な会計方針の一部は、特に重要な会計方針であると考えられている。
特に重要な会計方針は、当社の連結財務書類の表示に重要なものであり、また、当社の財政状態又は経営成績に重要な影響
を与える、経営陣による困難かつ抽象的で複雑な判断が求められるものであると、定義されている。具体的には、これらの方
針の見積りには、以下の特性がある。(1)当社は見積り時において極めて不確定な事象について仮定を行う必要がある。
(2)当社が合理的に使用できたと考えられる別の見積り、又は合理的に生じる可能性がある見積りの変更によって、当社の
財政状態及び経営成績に重要な影響が及ぶ可能性がある。
将来の事象及びその影響についての見積り及び仮定は、確実性を持って決定することができない。当社のその見積りは、過
去の経験及びその状況において適用可能かつ合理的であると考えられた様々なその他の仮定に基づいている。これらの見積
りは、新しい事象が起こり、追加的な情報が得られ、当社の事業環境が変わるにつれ、変更する可能性がある。これらの変更は
過去において重要ではなく、把握され次第、連結財務書類に含められてきた。さらに、経営陣は、コントロールが及ばない事象
に起因する結果や、長期間その結果について知り得ないという不確定要素に定期的に直面している。これらの不確定要素は、
下記「第3 事業の状況−4 事業等のリスク−(1)リスク要因」に記載されているものを含む。会計方針並びにこれらの方
針の適用に影響を与える判断及び不確定要素についての重要な評価に基づき、経営陣は当社の連結財務書類は、米国で一般
に公正妥当と認められている会計原則及び会計慣行に基づいて適正に表示され、当社の財政状態及び経営成績の重要な表示
を提供していると考えている。
経営陣は、以下が特に重要な会計方針であると考えている。
(イ) 収益認識
当社は、契約についての説得力のある証拠が存在する、引渡しが行われた又はサービスが提供されている、買い手に対す
る売り手の価格が決定している又は決定可能である、回収可能性が十分に考えられる、という4つの収益認識基準の全て
を満たした時点で収益を認識する。各販売契約には、他の契約と異なる商業上の条項を含むことがある。また、当社は複数
の製品・サービスを提供する契約を頻繁に締結する。複数の製品・サービスを提供する取引の会計単位を適切に特定し、
収益が会計単位に配分される方法を決定するために判断が必要とされる。さらに、商業上の条項を解釈する際、及び妥当な
会計期間に収益認識がなされるよう、いつ全ての収益認識基準が満たされたかを決める際にも判断が活用される。会計単
位間で見積販売価格の配分を変更したことにより、特定の販売契約について認識した収益の総額に影響が及ぶことはない
が、これら配分の重大な変更は収益認識のタイミングに影響が及ぶ可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に重大な
影響が及ぶ可能性がある。
2009年、財務会計基準審議会(以下、「FASB」という。)は複数の製品・サービスを提供する契約及び有形製品とともに
販売される一定のソフトウェアに関する収益認識の指針(改訂版)を発行した。この新しい指針では、収益認識の残余法
は除外し、ベンダー固有の証拠又は第三者の証拠を入手できない場合に、契約の個々の要素について経営陣による最良の
見積販売価格を使用することができるとされている。当社は、この指針を、2010年度に開始したか又は重要な変更を行った
取引について、2010年度第1四半期より将来に向けて適用する。新しい指針は販売契約内で会計単位を変更しなかったた
め、この新しい指針の適用が報告された純売上高に及ぼした影響は、従来の指針に基づく純売上高と比べて重大なもので
はなかった。また、契約対価の配分に関する残余法の除外が報告された純売上高の金額及びタイミングに及ぼした影響は
重大なものではなかった。
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(ロ) 品質保証費用
当社は、収益が認識された時点で品質保証費用の見積額を引当てている。品質保証費用の見積額は、特定の製品及び機器
構成に関する現在及び過去の数値並びに地域的品質保証サポート費用の分析によって決定する。当社の品質保証債務は、
製品及びコンポーネント故障率、原材料の使用度、及び品質保証期間における製品故障の修理で発生した人件費によって
影響される。当社のカスタマー・エンジニア及びプロセス・サポート・エンジニアは、高度に訓練され、世界的に展開され
ているため、労働力の利用可能性は人件費を算定する上で重要な要因となっている。重要な交換部品の数量及び利用可能
性も、人件費を見積る上でもう一つの重要な要因となっている。予測しなかったコンポーネント故障又は例外的なコン
ポーネント性能もまた、品質保証費用の変更という結果をもたらす。実際の品質保証費用が当社の見積りと大幅に異なる
場合は、品質保証債務の見積りの変更が必要となり、当社の事業、財政状態及び経営成績に重要な悪影響が及ぶ可能性があ
る。
(ハ) 貸倒引当金
当社は、顧客が必要な支払いを行なえないことから見積もられた損失に対する貸倒引当金を計上している。かかる引当
金は、過去の経験、信用力の評価、特定の顧客からの回収履歴及び当社が明確にした顧客固有の問題に基づいている。主要
な顧客の当社に対する金融債務の返済能力又は支払能力に、予期せぬ重大な変化が生じる等の状況の変化により、当社は、
当社に支払われるべき金額の回収の見積りの更なる変更が必要となり、当社の事業、財政状態及び経営成績に重要な悪影
響が及ぶ可能性がある。
(ニ) 棚卸資産評価
棚卸資産は、通常、低価法で評価され、取得原価は先入先出法で算定される。原価と将来における需要の仮定に基づく市
場価値の見積額との差額が、陳腐化の見積額として、棚卸資産の帳簿価額から減額される。当社は、余剰及び陳腐化棚卸資
産の潜在的リスクに対して、過去及び予想される需要を分析することにより、棚卸資産の帳簿価額を評価している。さら
に、棚卸資産は、既知の、及び予想される技術的変更に関連する受注及び新製品の影響により、潜在的陳腐化について評価
される。実際の需要が、見積りより大幅に低かった場合、余剰又は陳腐化棚卸資産についての追加調整が求められ、当社の
事業、財政状態及び経営成績に重要な悪影響が及ぶ可能性がある。
(ホ) のれん及び無形固定資産
当社では、のれん及び無形固定資産について、一定の事象又は環境の変化により、当該資産の帳簿価額に回収不能の兆候
が生じた場合には、減損の有無を検討している。また、年に一度、のれん及び耐用年数が無期限の無形固定資産の減損の有
無を検討している。購入テクノロジーなどの無形固定資産は、一般に事業買収に関連して計上される。無形固定資産に割り
当てられた価値は、通常、取得した製品及び技術の成功及びライフ・サイクルに対する予測に関する見積り及び判断に基
づき決定される。実際の製品受入れが見積りと大幅に異なる場合には、当社は報告ユニットの帳簿価額を実現可能価額ま
で評価減し、減損費用を計上することが求められることがある。報告ユニットの公正価値は、予期される今後の経営成績及
び見積資本コストとしてかかる要因を考慮して、所得アプローチ及びマーケット・アプローチを用いて見積もられる。経
営陣は、特に新興市場においてのれんの潜在的な減損を見積もる際に重要な判断を行う。市場価値の著しい下落は、予期し
ないのれんの減損損失という結果をもたらし、当社の事業、財政状態及び経営成績に重要な悪影響を及ぼす可能性がある。
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(ヘ) 法人所得税
実効税率は、当社の全世界における収益の地域別構成、各地域に適用されている税規法、買収に関連して生じた損金不算
入の費用及び税額控除などに、大きく左右される。経営陣は、多くの要因の変動を注意深く監視し、必要に応じて、実効税率
を調整する。実際の結果がこれらの見積りと異なる場合には、当社は繰延税金資産に係る評価引当金を計上するか、又は実
効税率を調整することが求められる可能性があり、それによって、当社の財政状態及び経営成績に重要な悪影響が及ぶ可
能性がある。
当社は、計上された資産及び負債の帳簿価額(繰越欠損金及び繰越税額控除控除後)と税務上の金額との一時差異によ
る影響に対して、法定税率を用いて繰延税金資産及び負債を認識することによって法人所得税の会計処理を行っている。
また、繰延税金資産の一部が実現される可能性が低い場合には、繰延税金資産から評価引当金の金額が減額される。経営陣
は、将来における課税所得は繰延税金資産を実現するには十分である可能性が高いと判断した。
税額計算は、複雑な税法の適用における不確定要素の見積りにおいて、重要な判断を必要とする。不確定要素の解消が当
社の予想に反した場合、当社の経営成績及び財政状態に重要な悪影響が及ぶ可能性がある。
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2【生産、受注及び販売の状況】
(1) 受注残高
当社は、受注残高分の注文及び顧客との約束で提示された要求に合う装置を製造している。受注残高は、(1)書面による
承認が受理され、割り当てられた出荷日が12ヶ月以内である注文、又は出荷は行われたが収益が認識されていない注文、
(2)12ヶ月以内に稼得することが予定されているサービス契約収入及び保守収入、(3)12ヶ月以内に収益認識が見込まれ
るSunFab Line の注文の3種類の注文で構成されている。
当社の受注残高は、2009年10月25日における27億ドルから2010年10月31日における32億ドルへと増加した。特定の日にお
ける当社の受注残高は、必ずしもその後の期間の実際の売上高を示すものではない。顧客は、製品の受取りを遅延したり、妥
当な解約手数料を支払って出荷前に注文を取り消したりすることがある。特定の期間における納品スケジュールの遅延や受
注残高の減少は、当社の事業及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性がある。
(2) 製造、原材料及び供給
当社の製造業務は、主として、装置の製造に使用される様々な所有及び市販の部品、構成部品及び組立品(以下、総称して
「部品」という。)の調達、組立て、検査及び統合である。生産には、原材料(様々な機械構成部品及び電子構成部品を含
む。)を当社仕様に合せて製造する必要がある。当社は、当社製品の製造及びサポートのために、委託製造業者を含む多くの
企業を利用して、部品及び組立てサービスの供給をしている。当社は、資格を有する複数の供給業者から確実に部品を入手で
きるよう合理的な努力をしているが、常に可能なわけではない。したがって、一部の主要部品は、単独又は限られたグループ
の供給業者からしか入手できない。当社は、(1)主要部品の代替供給業者を選択及び適格化し、(2)主要供給業者の財政状
態を監視し、(3)主要部品の適正在庫を維持し、(4)新しい部品を適時適格化し、(5)供給業者と顧客に近接した地域に
一定の製造拠点を設置することによって、コストを削減し、主要部品の不足に加えて生産及びサービス中断のリスクを軽減
するよう努力する。当社は、一部の製造及びサプライ・チェーン業務を米国及びヨーロッパからシンガポール、台湾及びその
他のアジア諸国に移転させること及び顧客の工場において一部の装置を組み立てること等、製造方法をさらに分散化させて
いる。
(3) マーケティング及び販売
顧客の施設の所在地に帰属する地域別の純売上高は、以下のとおりである。
(単位:パーセンテージを除き、百万ドル)
2010年度
2009年度
2008年度
台湾
2,750
29%
1,026
21%
1,837
22%
韓国
1,768
19%
664
13%
1,309
16%
中国
1,557
16%
635
13%
780
10%
日本
768
8%
718
14%
1,218
15%
578
6%
252
5%
516
6%
東南アジア
アジア太平洋
北米(*)
ヨーロッパ
7,421
1,147
981
78%
12%
10%
3,295
966
753
66%
19%
15%
5,660
1,520
949
69%
19%
12%
合計
9,549
100%
5,014
100%
8,129
100%
(*) 主として米国である。
当社は、その製品の高い技術性のために、直販力によって世界中にその製品を販売している。当社の2010年度における純売
上高の約88%は米国以外の地域に対するものであった。
一般的な経済状況は当社の事業及び業績に影響を及ぼす。時に、製品が販売されている市場が、販売に悪影響を及ぼし得る
経済状況の悪化に見舞われる。当社の事業は、通常、季節的な性質のものではないが、主要な半導体、フラットパネル・ディス
プレイ、太陽光電池及びその他の製造業者の設備投資に基づいた周期性の高いものとなっている。顧客の投資は半導体、LCD、
太陽光電池セル及びモジュール、及びその他の基板の市場需要及び価格の予測、新技術の開発、顧客の工場稼働率、資金源及
び資金調達活動、世界経済及び地域経済の状況など多くの要因の影響を受ける。
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当社は上記のセグメントに基づきその事業を運営し、財務成績を報告しているが、一部の販売費用をセグメントに割当て
ていない。
関係会社以外の顧客に対する純売上高及び当社の地理的区域に帰属する長期資産に関する情報は、下記「第6 経理の状
況」に記載されている連結財務書類注記17に含まれている。下記の会社は、2010年度、2009年度及び/又は2008年度における
当社の純売上高の10%以上を占めている。これらの純売上高は複数の報告対象セグメントにおける製品に関するものであっ
た。
2010年度
2009年度
2008年度
サムスン・エレクトロニクス・カンパニー・リミテッド
タイワン・セミコンダクター・マニュファクチャリング・カ
ンパニー・リミテッド
インテル・コーポレーション
14%
10%
16%
11%
*
*
12%
*
*
* 10%未満
3【対処すべき課題】
「第2 企業の概況 − 3 事業の内容」及び「第3 事業の状況 − 1 業績等の概要」を参照のこと。
上記以外に、当社は、不公正、強制的かつ差別的な買収策の利用を阻止し、当社を買収することに関心のある第三者に取締役会
との交渉を促し、それにより株主価値を増大させるために株主権利制度(以下、「権利制度」という。)を以前に導入したが、権
利制度の効力は2009年7月に失効し、取締役会はかかる失効後、権利制度の期間延長を行わなかった。
4【事業等のリスク】
(1) リスク要因
(イ) 当社が取引を行う業界は不安定で予測困難である
半導体、フラットパネル・ディスプレイ、太陽光電池及び関連業界への供給業者として、当社は、景気循環の影響を受け
ており、その時期、期間及び変動は予測困難であり、報告対象セグメントにより異なる。同業界はこれまで周期的に変動し
てきたが、これは、技術移行速度の他、顧客の稼働率、生産量、妥当なコストでの資金調達、エンドユーザーの需要及び需要
に対する顧客の棚卸資産のレベルにある程度左右される、顧客の生産量及び先端技術の必要性並びに設備投資額の急激な
変動によるものである。これらの変動は、顧客のテクノロジーの購入及び投資の時期及び金額に影響を及ぼし、また当社の
受注、純売上高、営業費用及び当期純利益に引続き影響を及ぼしている。
当社は、サービスを提供する業界での急速な需要の変化に対応するために、需要を正確に予測し、各セグメントについて
及び複数のセグメントにわたり当社の資源及び生産能力を効果的に管理しなければならない。当社の製品に対する需要の
増加期には、当社は、顧客の需要を満たすための十分な生産能力及び棚卸資産を確保し、サプライ・チェーンを効果的に管
理し、かつ、十分な人数の能力のある従業員を勧誘し、引き留め、士気を高揚させ、継続的にコスト管理を行わなければなら
ない。需要の減少期には、当社は、コストを削減して当社のコスト構造を現行の景気動向に合わせて調整し、サプライ・
チェーンを効果的に管理し、主要な従業員の士気を高揚させ、引き留めなければならない。当社が事業環境の変動を正確に
予測し、そのの変動に合わせて時宜を得て適切に対応しない場合、当社の事業、財政状態及び経営成績に悪影響が及ぶ可能
性がある。
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(ロ) 当社は当社が営業活動を行う様々な業界の継続的な変化の結果生じるリスクにさらされている
当社が営業活動を行う世界の半導体、フラットパネル・ディスプレイ、太陽光電池及びその関連業界は、以下を含め、こ
れらの一部又は全ての業界に影響を及ぼす継続的な変化が特徴である。
・ 新規組立工場の建築及び運転に対する資金需要の増加及び特に金融市場が厳しい状況にある時における顧客の必要
資金の調達能力
・ 半導体、ディスプレイ及び太陽光電池の業界ごとの成長率の差異
・ 顧客との強固な関係の確立、強化及び維持の重要性の高まり
・ 顧客及びエンドユーザーの需要の性質及び量の急激で予想外の変化
・ 新しい製造技術の導入割合の低下をもたらす可能性のある、顧客の製品設計から大量生産への移行のコスト増大と
複雑性
・ 一部にはビジネス情報技術に対する支出に比べて低価格の家庭用電化製品に対する需要の高まりに伴う製造システ
ムの総所有コスト引下げの必要性
・ 顧客に対するシステムの信頼性及び生産性の重要性の高まり並びに生産性、デバイスの歩留まり及び信頼性の向上
による製造システムの需要への影響
・ 顧客の購入判断を促すために、十分差別化された製品を開発することの重要性の高まり及びその開発における課題
の増加
・ 製造機器の開発、製造及び設置に係るサイクル時間の短縮化に対する要求
・ 半導体デバイス、LCD及び太陽光電池の価格及び性能の動向とそれら製品に対する需要への影響
・ 顧客のシステムが稼動可能である時間を最大限にするためのスペアパーツの利用可能性の重要性の高まり
・ 当社の製品におけるソフトウェアの役割の増大及び複雑化
・ エネルギー利用の削減、環境影響の緩和及び製造活動と関連した持続可能性重視の高まり
当社が、半導体、フラットパネル・ディスプレイ、太陽光電池及び関連業界における継続的な変化の結果生じるリスクを
巧みに管理できない場合は、当社の事業、財政状態及び経営成績に重要な悪影響が及ぶ可能性がある。
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(ハ) 当社は半導体業界特有の継続的な変化の結果生じるリスクにさらされている
これまで、世界中の半導体業界に対するシリコン・システムズ・グループ部門による製造装置の販売が当社における連
結純売上高及び収益の大部分を占めている。また、アプライド・グローバル・サービス部門の収益の大半は半導体製造業
者向けのサービス製品の販売による。半導体業界は前述のリスク要因で記載した一般的な業界の変化に加え、以下を含め、
当業界固有の継続的な変化が特徴である。
・ チップ上の線幅の縮小、コバルトやイットリウム等の新しい原料の利用、より複雑な新しいデバイス構造、アプリ
ケーション数及びプロセス数の増加、チップデザイン費の増大、製造プロセスの統合によるコスト増及び複雑化など
の多くの要因による研究開発費の増大
・ 半導体のタイプ及び種類の多様化並びに複数の回路基板サイズにわたるアプリケーション数の増加
・ NANDフラッシュ、DRAM、ロジック及びファウンドリ等のアプリケーション毎に異なる市場成長率及び設備投資の要求
の差、並びにその結果がもたらす顧客の設備投資の傾向及びかかる市場分野における当社の競争力への影響
・ 半導体製造業者がより先端の技術力及びより小さな線幅での大量生産に移行するためのコストの増大と複雑化及び
その結果が技術移行速度及び資本設備への投資率に及ぼす影響
・ 半導体製造業者による、200ミリメートル装置の生産能力との関連でより生産性の高い300ミリメートル装置の導入
の増加、並びにその結果がもたらす製造装置及びサービスに対する需要への影響
・ 半導体製造業者の収益率と連動する設備投資率の減少
・ 顧客の発注と製品の出荷までのサイクル時間の短縮。これは売上総利益を減少させる棚卸資産の償却及び製造の非
効率性につながる可能性がある。
・ 当社が適応しなければならない可能性がある、リソグラフィー等の関連市場における技術開発
・ 市場ポジションの強化を困難にする競合性の要因
・ エッチングや検査などの大きな市場分野における市場ポジション向上の重要性
・ 1ヶ国(当社のサービスの普及率及びウエーハ製造当たりのサービス収益が他の地域より低い韓国)におけるウ
エーハ製造が集中すること
・ 半導体市場での細分化の進行。それにより、他の市場が先端技術製品を要求しなくなる一方で、特定の市場が縮小し、
新規組立工場のコスト支援ができなくなる。
・ 業界において予想される300ミリメートル・ウエーハから450ミリメートル・ウエーハへの移行に関わるコスト、技
術的な複雑性及びタイミング
当社が、半導体業界で発生する継続的な変化の結果生じるリスクを巧みに管理できない場合は、当社の事業、財政状態及
び経営成績に重要な悪影響が及ぶ可能性がある。
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(ニ) 当社はフラットパネル・ディスプレイ業界特有の継続的な変化の結果生じるリスクにさらされている
これまで世界のフラットパネル・ディスプレイ業界は、LCD製造業者数が限られていること及びLCDの最終用途の集中等
により装置への設備投資の水準にかなりの変動があった。近年、業界の成長はかなりの程度までより大型で先進的なテレ
ビに対する消費者の需要に左右されるようになってきている。上記(ロ)項のリスク要因で記載した一般的な業界の変化
に加え、以下を含め、ディスプレイ業界はこの業界固有の継続的な変化が特徴である。
・ 中国における外資のディスプレイ製造会社のみならず中国のディスプレイ製造会社による中国での製造工場の拡充
計画及び外資の製造会社が政府の承認を得る可能性
・ LCD用大型基板への移行に伴う技術的及び財務的課題。これは基板作成のスケーリングを減速させるか又は妨げる可
能性がある。
・ 資本集約化と製品差別化に対する大型基板への移行の減速の影響
・ タッチパネルやOLED(有機EL)などの新種のディスプレイの重要性の高まり
・ バックライト用のLEDなどLCD製造に使用する新技術の開発に伴う技術的な難しさ及びコスト
・ 将来的なLCD技術の最終用途のアプリケーション及びその成長要因の不確実性
当社がディスプレイ業界に継続的に発生している変化の結果生じるリスクを巧みに管理できない場合は、当社の事業、
財政状態及び経営成績に重要な悪影響が及ぶ可能性がある。
(ホ) 当社は太陽光電池業界特有の継続的な変化の結果生じるリスクにさらされている
新興の太陽光電池市場における事業が当社の事業に占める割合は増加しており、上記(ロ)項のリスク要因で記載した
一般的な業界の変化に加え、太陽光電池業界は、以下を含め、この業界固有の継続的な変化が特徴である。
・ とりわけ操業コストの削減、太陽光発電のためのスループットの増加、太陽光発電における変換効率の向上により、
太陽光発電製品による1ワット当たりの発電コストをグリッドパリティ(系統電力との等価)以下に継続的に下げ
る必要性
・ 既存のグリッド又は他のエネルギー源からの電力のコストと比較して、太陽光発電による発電コストが太陽光発電
製品に対する需要に及ぼす影響
・ 世界中の政府の変化するエネルギー政策、並びに税額の控除、固定価格買取制度及び割戻し等の太陽光発電に対する
政府助成金の入手可能性及びその金額、電力会社に対して再生可能エネルギー源からのエネルギーの販売目標を課
す再生可能エネルギー利用割合基準及び政府施設への太陽光発電装置設置目標等の、太陽光発電市場の成長率に影
響を及ぼす世界中の政府のエネルギー政策が担う重要な役割
・ 太陽光関連に対する助成金の増加及び低価格の製造コストにより主に中国で、太陽光発電製品の製造業者が増加し
ていること、及び世界的に太陽光発電の発電量が増加していること
・ 太陽光発電業者の操業及び業界での経験の多様性及びその結果当社に求められる顧客サポートのサービス内容及び
範囲の差異
・ 広範で多岐にわたる顧客に対する製造装置及びサービスのマーケティング及び販売に関する課題
・ ポリシリコン、その他材料のコスト
・ 顧客及びエンドユーザーの妥当なコストでの資金調達
上記に加えて、世界的な太陽光発電に関する現在の予測はエンドユーザーの短期需要の予測を上回っている。エンド
ユーザーの需要は1ワット当たりの導入コスト、政府の政策及び優遇、並びに設備投資の利用可能性に大きく左右される。
太陽光発電の供給過剰は、顧客による生産能力及び新しい技術への投資の見送り又は削減につながる可能性があり、当社
の製品の販売増加率及び/又は生産性に悪影響が及ぶ可能性がある。当社が太陽光電池業界に継続的に発生している変化
の結果生じるリスクを巧みに管理できない場合は、当社の事業、財政状態及び経営成績に悪影響が及ぶ可能性がある。
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(ヘ) 当社は厳しい金融市場及び不透明な世界経済に伴うリスクにさらされている
2008年に始まった金融市場の混乱及び世界経済の低迷は当社が事業を営む業界における景気の著しい減速を招いた。中
には経済成長を統制する政策を実施できる政府もある一方で、経済状況及び市況は改善したものの、金融市場が引続き厳
しく、世界経済の回復が不透明であるため課題が生じている。特に半導体及びフラットパネル・ディスプレイの市場は個
人消費の動向に大きく左右される。景気の不透明性は個人消費の下降傾向を加速させ、これにより一部の当社の顧客が装
置又はサービスに対する発注を延期、取消又は見合わせる結果を招く可能性が生じ、この結果、当社の純売上高及び受注残
高が減少し、また受注残高を売上高につなげる当社の能力を低下させる可能性が生じる。また、資金調達が困難であるこ
と、不透明な市場状況及び収益性の低下に伴い、一部の顧客が操業の縮小、事業撤退、他の製造業者との合併又は破産保護
申請及び潜在的な操業停止に陥り、顧客の研究開発の財源及び/又は設備投資が減少することで、当社の売上が減少及
び/又は棚卸資産若しくは貸倒損失が増加する可能性も生じる。これらの状況は主要な供給業者にも同様の影響を及ぼす
可能性があり、供給業者の部品供給能力を損ね、当社の製品のための部品供給が遅延する又は追加的なコストが生じる可
能性がある。加えて、これらの状況は、その他の装置製造業者による戦略的提携又は合併につながり、当社の効率的な競争
力に悪影響が及ぶ可能性がある。
また、将来の経済状況及び業界の状況の不透明性により、当社の業績の予測、事業上の意思決定、並びに事業、資金源と使
途、財政状態及び経営成績に影響を与えるリスクの特定が更に難しくなる。当社は、リストラクチャリング活動を含む追加
的なコスト削減努力の実行及び/又はビジネスモデルの修正を行なう必要があり、かかる修正により市場が回復した時に
当社がビジネスチャンスを生かす能力に悪影響が及ぶ可能性がある。また、当社の投資ポートフォリオは一般的な信用、流
動性、外国為替、市場及び金利に関わるリスクの影響を受ける。金融市場における状況が悪化した場合、当社の投資ポート
フォリオに対するリスクに悪影響が及び、その結果、投資ポートフォリオの価値及び流動性並びに年金資産利益が悪影響
を受け、減損費用が生じる可能性がある。当社が不透明なマクロ経済環境及び業界の状況から生じる変動に合わせて時宜
を得て適切に対応しない場合、当社の事業、財政状態又は経営成績に重要な悪影響が及ぶ可能性がある。
(ト) 当社は競争及び急激な技術的変化に対応するために、事業及び製品提供を調整しなければならない
競争の激しい環境で営業活動を行っているため、当社の将来の成功は、装置、サービス及び関連製品の効果的な宣伝及び
顧客の支持を含む多くの要因に依存する。また、当社は、継続的に業績を向上させる一方で、既存の市場における市場シェ
アの拡大、関連市場への進出、新たな市場の開拓、業界成長率を上回る成長等の成長戦略を成功させなければならない。よ
り多様な競争環境において、広範囲な製品の開発、導入及びサポートは、時の経過につれてますます複雑で高額なものに
なってきている。
さらに、新規及び改良された製品の導入はコストの増大及び利益の減少を伴うことがある。当社が以下の点に関して適
時に、コスト効率よくかつ首尾よく行わない場合、当社の業績に悪影響が及ぶ可能性がある。
・ 新製品の開発、既存の製品に対する新たなアプリケーションの改良及び/又は開発、及び様々な技術的要求を備えた
異なるアプリケーション及び/又は市場の顧客向けの類似の製品への適応
・ 製品の適正な価格及び市場での支持の獲得
・ 競合企業の製品との差別化及び破裂性技術に基づく製品との区別、仕様の性能の達成並びに効率化及びコスト削減
への取組み
・ 市場、顧客及びアプリケーションごとに異なる対応を可能にする業務上の柔軟性の維持
・ 当社製品間で、また新製品の開発及び既存製品の向上との間での人員、研究開発資金等の資源の、将来の成長のため
に最も適切で有効な配分
・ 研究開発活動のコスト削減及びかかる活動に投資された資本の生産性の向上
・ 需要の正確な予測、供給業者との協業及び製造計画の達成
・ 製造工程の改善及び製品提供全体にわたるコストの効率化
・ サプライ・チェーンの別の部分に位置する会社からの価値の変更の申し出への適応
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・ 評価の結果大量生産に向けて、顧客と共に製品を認定すること
・ 材料費及びサイクル時間の削減、異なる装置で使用されるメインフレーム及びパーツのタイプの共通化、製品のライ
フサイクルマネジメントの効率化並びにエネルギー使用及び環境への影響を減らすことを可能にする変更を含む、
デザイン・エンジニアリングの方法の変更
当社が、これらの問題に対処することができない場合には、当社の事業、財政状態及び経営成績に重要な悪影響が及ぶ可
能性がある。
(チ) 多業界での営業活動並びに新規市場及び新規業界への参入は更なる課題を伴う
成長戦略の一環として、当社は、既存の製品又は社内で開発した新商品若しくは買収を通じて取得した新商品のいずれ
かをもって関連する又は新規の市場及び業界への参入を首尾よく行わなければならない。異なる市場への参入は更なる課
題を伴う。それらの課題には以下のものが含まれる。
・ 新規市場のための新製品を開発し、新規市場で事業運営するために追加的な資金を投入する必要性
・ 事業間で異なる利益率及び成長率
・ 需要の予期及び機会の利用並びにリスクの回避又は最小化に係る当社の能力
・ 生産計画とその実施、サプライ・チェーン管理及び物流の異なる多角化された事業運営の複雑さ
・ 新しいビジネスモデルの導入
・ 最終製品に対する需要を高めるために取組むべき活動の必要性
・ 適切な新規業務過程及びシステムの開発の必要性
・ 需要の高まりを満たすために操業を急速に拡大する能力及びそれに伴う運転資金への影響
・ 新材料、プロセス及び技術
・ それら新規分野において技術及び専門知識を有する従業員を勧誘し、士気を高揚させ、引き留める必要性
・ 開業後間もなく、財源が不明確かつ/又は限られた、発展するビジネスモデル及び/又は当社が従来、業務を行った
ことがない地域に所在するものを含む新規でかつより多様な顧客及び供給業者
・ 顧客の異なるサービスの要求
・ 潜在的に資金又は他の大きな経営資源と業界経験及び/又は確立した顧客関係を持つ新規又は異業界の競合企業
・ 政府関与の程度、法令、並びに事業、雇用及び安全対策に関する慣習が異なる新規事業及び国への参入
・ 第三者の知的所有権
・ 業界の基準及び慣行を遵守又は確立する努力の必要性
上記に加えて、当社は、研究開発の財源を増やし、新たな市場機会に取り組むために、特定の戦略的開発プログラムに関
して米国及びその他政府機関に資金提供の申請を行い、提供を受け始めた。かかる政府の資金提供に対する条件により、当
社は一定の記録管理、監査、知的財産権の共有及び/又はその他の義務に服する可能性がある。
当社が、多角化並びに新規市場及び業界への参入から生じるリスクを巧みに管理できない場合は、当社の事業、財政状態
及び経営成績に悪影響が及ぶ可能性がある。
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(リ) 当社は世界規模での事業運営に関するリスクにさらされている
2011年度第1四半期における当社の収益の約77%は米国外での顧客に対する売上によるものであった。当社の研究開発
並びに製造工場及び当社に対する供給業者の一部もまたシンガポール、台湾、中国、韓国、イスラエル、イタリア及びスイス
など米国外に所在している。また、当社は新たに諸外国において事業及び運営を拡張している。当社の世界規模での事業及
び運営の内容には、以下の問題が含まれるが、これらに限られるものではない。
・ 変化する地域的及び地政学的な経営状況及び需要
・ 政治・社会的姿勢、及び地元の競合企業の発展及び成長に対する顧客又は政府の特別振興支援を含む、外国企業に対
して国内企業を優遇する国における政策、法律及び規制
・ 現地、地域、国内又は海外での法規制(知的財産、労働、税金及び輸出入に関する法律を含む。)及びその法規制の解
釈・適用のばらつき並びに変化
・ 輸出入許可の解釈及び適用に関連する問題を含む国際貿易問題
・ 国際的な事業運営により生じる可能性のある経済及び/又は安全保障問題に関する政府機関の見解
・ 原材料、商品及びエネルギー・コストの変動
・ 地理的に異なる運営及びプロジェクトの管理に伴う課題
・ 地域により異なる従業員の慣習、慣例及び期待
・ 現地の顧客、供給業者及び政府との関係を発展させる能力の違い
・ 相対的な米ドル高又は米ドル安及びユーロ高又はユーロ安など金利及び為替レートの変動
・ 異なる場所で十分なレベルの技術サポートを提供する必要性
・ 当社が事業又は販売を行い、供給業者を有する地域における又は当社がサービスを提供する業界のバリュー・
チェーンに影響を及ぼす可能性のある政情不安、地震、洪水又は暴風雨などの自然災害、流行病、テロ又は戦争
・ 文化及び言語の多様性
・ 出荷コスト及び/又は遅延
・ 当社の運営上のコスト構造を継続的に改善する必要性
・ 諸外国への新規の参入が困難であること及びその不確実性
・ 様々な国における経済成長率が不確定であること
・ 特定の発展途上経済諸国における半導体、LCD及び太陽光電池の製造及び販売の成長率に関する不確実性
これらの難問の多くは、供給業者及び競合企業の両方が著しく増加している中国及び韓国で発生している。一部の商品
に関して過年度に他の地域で達成した収益性及び利幅よりもその予測水準は低いが、当社は、中国及び韓国がその製品の
潜在的な大規模市場であり、長期間にわたる成長の機会が存在すると考えている。さらに、当社は、世界的なインフラの規
模、生産能力及び所在を定期的に見直し、適切に変更しなければならず、当社の事業及び運営の変更に対処するために経営
上のプロセス及び手続きの変更を効果的に行わなければならない。これらの課題により、当社の事業、財政状態及び経営成
績に重要な悪影響が及ぶ可能性がある。
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(ヌ) 当社は非常に集中した顧客層に関するリスクにさらされている
当社の半導体及びフラットパネル・ディスプレイの顧客層は従来より非常に集中していたが、現在は経済及び業界の状
況の結果、以前にも増して集中している。例えば、2011年度第1四半期のシリコン・システムズ・グループ部門の純売上高
の66%は4社の半導体製造業者からのものであり、ディスプレイ部門の純売上高の89%は4社のLCD製造業者によるもの
であった。一部の顧客は、所有割合又は経営陣の大幅な変更、他の製造業者との合併、製造活動のアウトソーシング、又は他
の製造業者との連携若しくは提携の取決めを行っている。さらに、顧客は、提携会社により決定される技術における主要な
業界の参加企業の影響力を高めることになった戦略的提携又は合弁事業を開始した。また、一部の半導体及びディスプレ
イの顧客は、それぞれ関連する業界の機器に対する設備投資の割合をますます増やしている。
このような状況において、比較的限られた数の半導体及びディスプレイ製造業者との契約又は受注が、当社の事業の相
当な部分を占めており、今後も占め続ける可能性が高く、そのため顧客との関係及び取引の管理を更に複雑にする可能性
がある。さらに、顧客の構成及び種類並びに単一の顧客への売上は、四半期ごとに及び年度毎に変動する可能性がある。顧
客が注文を継続しないか又は注文を大幅に減らす場合、又は注文を延期したり、取消した場合、当社は、かかる事業を補う
ことができない可能性がある。当社の製品は顧客の仕様に応じた設定となっているため、受注の変更、予定の組み直し又は
取消により、多額の回収不能な費用が生じる可能性がある。また、主要な顧客は、当社に不利な価格、支払、知的財産関係又
はその他の商業的条件及びその他の条件を求め、時としてこれを得ることがある。これらの要因は、当社の事業、財政状態
及び経営成績に重要な悪影響を及ぼす可能性がある。
(ル) 顧客の需要を正確に見積もることができなかった場合、余剰及び陳腐化棚卸資産が生じる可能性がある一
方、製造の中断又は遅延により、当社の顧客需要への対応能力に影響が及び、コスト増につながる可能性が
ある
当社の事業は、顧客の急速に変化する技術的及び量的要求を満たす製品、サービス及び関連製品を適時に供給すること
にかかっている。当社の製造能力は、供給業者からの部品、構成部品、部分組立て品(総称して「部品」という。)の時宜に
かなった納入及び委託業者による適時の職務履行にかかっている。いくつかの重要な部品は、発注から配達までの時間が
長くかかったり、単一の供給業者又は限られたグループの供給業者からしか取得できない可能性があり、一部の部品調達
又は部分組立は、中国及び韓国を含む米国外の国に所在する供給業者により提供されている。周期的な業界の変動及び製
造装置に対する需要の変動は、当社のサプライ・チェーン内の会社の資本、技術、運営及びその他のリスクを増大させる。
さらに、現在のクレジット市場及び金融市場における厳しい状況並びに業界市況の減速により、一部の供給業者の事業規
模の縮小、事業からの撤退、他社との合併、又は破産申請及び潜在的な操業停止が起きており、今後も継続して起きる可能
性があり、このため当社の高品質の部品の時宜にかなった調達能力が影響を受ける可能性がある。当社は以下の事項の結
果として、製造活動の著しい中断、製品若しくはサービスの納入遅延、コストの増大又は顧客による注文取消を被る可能性
がある。
・ 供給業者が必要量の高品質な部品を適時にコスト効率よく納入しない又はできない事態
・ 原材料の入手可能性及び原価の変動性
・ 必要な輸入及び輸出許可の取得困難又は遅延
・ 情報技術又はインフラの障害
・ 地震、洪水又は暴風雨などの自然災害、又は
・ 地域的な経済の低迷、流行病、政情不安若しくはテロ又は戦争などのその他の原因によって生じる可能性のある、納
入の遅延、製造効率の低下、コスト増又は注文の取消
供給業者が、品質、コスト又はその他の性能要因に関して当社の要求を満たせない場合、当社は代替の調達先にその業務
を移す可能性があり、その場合に製造の遅延、追加的なコスト又はその他の問題を引き起こす可能性がある。加えて、需要
増又は迅速な出荷日程に対応するために、当社が事業規模と生産能力を急速に拡大する必要があるということは、当社の
製造活動及びサプライ・チェーンの供給に悪影響を及ぼす可能性があり、それに関連して当社の運転資金に影響する可能
性がある。さらに、当社の製品に対する実際の需要が予想と異なった場合、当社は、必要以上の若しくは必要以下の部品を
購入し、又は部品の納入の取消、延期若しくは急送に係る費用を負担することがある。当社が実体のない顧客の需要を予期
して棚卸資産を買取る場合、又は顧客が注文を減らすか若しくは遅らせる場合、当社は超過分の棚卸資産費用を負担する
可能性がある。これらの要因は単独でも全体としても、当社の事業、財政状態及び経営成績に重要な悪影響を及ぼす可能性
がある。
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(ヲ) 当社は買収及び戦略的投資に関連するリスクにさらされている
当社は、当社にとって既存市場、関連市場又は新規市場における企業、技術又は製品に対して、買収及び投資を行ってお
り、また将来行う予定である。買収には様々なリスクが伴い、以下のものが含まれるが、これらに限られるものではない。
・ 他の経営問題から経営陣の関心がそらされること
・ 予想どおりに又は全く買収を完了することができないこと
・ 予想された利益を実現できないこと
・ 購入した技術の商業化の失敗
・ なじみのないサプライ・チェーン又は比較的小規模なサプライ・パートナーへの初めての依頼
・ 当社の既存事業と著しく異なる可能性があり、市場において競合企業が強固な市場基盤及び顧客関係を有する可能
性のある新規市場の特徴を十分に利用することができないこと
・ 被買収事業からの主要な従業員を勧誘し、引き留め、かつ士気を高揚させることができないこと
・ 当社が過去に事業を行ったことがない国に被買収事業が所在する範囲において新たな運営上のリスク、規則、規制、
従業員に期待されるもの、慣習及び慣行にさらされること
・ より多様で、広範囲に及ぶ新しい運営、プロジェクト及び人事の管理に伴う課題
・ 重要な技術の知的財産権を取得又は保護できないこと
・ 被買収企業の内部の財務統制、開示統制及び開示手続き、及び/又は環境、安全衛生、腐敗防止、人事、その他の方針若
しくは慣例の不備及び非効率性
・ 事業環境の変化、技術進歩又は予想外のセグメントの業績不振による取得した無形固定資産及びのれんの減損
・ 提案されている又は完了した買収に関連する訴訟又は損害賠償請求のリスク
・ 不知、過小評価された、及び/又は非公開(未公表)の契約債務又は負債
・ 業務上のニーズに対して買収した企業の重要な資源又は施設の規模が不適切であること
・ 被買収事業の業務、システム、技術、製品又は従業員の非効果的な統合
当社はまた、合弁会社として設立された企業を含む他の企業に対して戦略的投資を行っているが、価値が低下したり、期
待した目標を達成できない可能性がある。これらの投資を成功させるには、当社がわずかにしか又は全く制御できない可
能性のある様々な要因に左右され、特に合弁会社に関しては、戦略的パートナーとの継続的かつ効果的な提携が必要とさ
れる。不安定な金融市場及びマクロ経済の状況は、当社の戦略的な投資ポートフォリオに対するリスクを増幅させる可能
性があり、その結果、投資ポートフォリオの価値が悪影響を受け、減損費用が生じる可能性がある。合併及び買収並びに戦
略的投資には本質的に重要なリスクがあり、これらのリスクを効果的に管理できない場合は、当社の事業、財政状態及び経
営成績に重要な悪影響が及ぶ可能性がある。当社が買収及び戦略的投資に関連するリスクを首尾よく管理できない場合、
当社の事業、財政状態及び経営成績に重要な悪影響が及ぶ可能性がある。
(ワ) 主要な従業員を勧誘し、引き留め、士気を高揚させることは当社の成功に不可欠である
当社の成功及び競争力は、主要な従業員を勧誘し、引き留め、かつ士気を高揚させる能力に大きくかかっている。この目
標の達成は、世界経済及び業界の状況の変動、当社の経営陣又は指導者の変更、競合企業の雇用慣行、費用削減への取組
(従業員削減等)及び株式に基づく制度を含む当社の報酬及び給付制度の実効性等、多くの要因により困難なものとなり
うる。当社が主要な従業員の勧誘、慰留及び士気の高揚に成功しない場合、当社が好機を十分に利用できなくなり、当社の
経営成績に重要な悪影響が及ぶ可能性がある。
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(カ) アウトソーシング活動並びにその他業務上のイニシアチブが成功しなかった場合、経営成績に悪影響が及
ぶ可能性がある
景気動向に合わせてコストをより良く調整し、顧客との距離を縮め、成長市場でのプレゼンスを高め、生産性を高め、効
率を上げるために、当社は、技術、ソフトウェア開発、製造、調達及びその他の業務をインド、中国及び韓国等の米国以外の
地域で行っている。当社は、製造及びサプライ・チェーン業務の一部を米国及びヨーロッパからシンガポール、台湾及びそ
の他のアジア諸国に移転させること及び顧客の工場において一部の装置を組み立てること等、製造方法をさらに分散化さ
せている。また一部の機能を米国、インド、中国、韓国及びその他の国の企業等の第三者にアウトソースしている。アウト
ソースした機能には、委託製造、技術、顧客サポート、ソフトウェア開発、情報技術サポート、財務及び一般管理活動が含ま
れている。第三者供給業者の役割拡大に伴い、潜在的な生産性及び操業の効率化の実現、品質の保証及び継続的な供給並び
に当社の知的財産の保護のために、当社の既存の業務を変更し、これらの供給業者の雇用及び管理に関して新しい手続き
及び方法を採用し、そしてその結果として責任を再配分する必要が生じた。当社が製品の需要の量、タイミング及び構成内
容を正確に予測しない場合、又は委託製造業者若しくはその他の外部委託業者が適時に若しくは充分な品質水準で職務を
履行できない場合、特に市場が好転している時に顧客の要求に応じる当社の能力が削がれる可能性がある。
さらに、当社は、アジアのサプライ・チェーンの強化、販売チームの事業部門への統合並びにより効率的に取引を処理す
るためのバック・オフィス及び情報技術のインフラの改善を主導する等、当社の世界中の組織及びプロセスのより良い連
携のための包括的なプログラムを実施している。当社はまた、様々な機能を有する単一の統合業務(以下、「ERP」とい
う。)ソフトウェア・システムへの移行を含む一定のビジネス・プロセスを転換するために複数年で全社的なプログラム
を実施している。この新ERPシステムに対する追加的な機能の導入には、製品の注文の追跡及び適時の納入、必要在庫の予
測、サプライ・チェーンの管理並びに財務データ及び業務データの処理機能等、当社の業務を混乱させ得る事業プロセス
の変更の課題等のリスクを伴う。新しいイニシアチブの実施により予想利益を達成できない可能性があり、経営陣の関心
を他の事業活動からそらし、従業員の士気に悪影響を及ぼし、又はその他の意図しない結果を生む可能性がある。
当社が、アウトソーシング及び移転戦略を効果的に構築及び実行しなかった場合、必要な輸出及びその他の政府の許可
を期日内に得ることができなかった場合、当社の第三者供給業者が期待どおりの実績をあげなかった場合、又は事業プロ
セスの強化に遅延若しくは問題がある場合、当社は、予期される生産性の向上又は費用の効率化を実現することができず、
また、業務上の問題の発生、費用増(エネルギー及び輸送コストを含む)、製造の遅延や中断、当社のサプライ・チェーン
の構造上及び/又は業務上の非効率又は知的財産権の喪失、品質問題、製品化に要する時間の増加及び/又は人材の非効
率的な配置に見舞われ、その一部又は全部により、当社の事業、財政状態及び経営成績に重要な悪影響が及ぶ可能性があ
る。
(ヨ) 当社はのれん又は長期性資産の減損費用を生じる可能性がある
当社には多額ののれん及び買収に関連するその他の取得した無形固定資産がある。のれん及び耐用年数が無期限の購入
無形固定資産は償却はされないが、各事業年度第4四半期に実施される年次での検討に加え、事象又は環境の変化により
当該資産の帳簿価額が回収不能となる兆候が生じた場合にはより高い頻度で、減損の有無が検討される。かかる検討では、
当社ののれんを含む各報告対象セグメントの公正価値とそれに関連する帳簿価額が比較される。のれん及び無形固定資産
の減損となり得る要因には、業界又は経済の下降基調、将来キャッシュ・フロー評価減、当社普通株式の市場価格の下落、
当社の戦略又は製品ポートフォリオの変更、リストラクチャリング活動が含まれる。当社の減損を判定する評価手法では、
過去の経験に基づく判断及び前提並びに将来の業績予想が必要とされる。当社はのれんの減損又は償却可能な無形固定資
産が存在すると判定された期間中、利益に対して費用計上しなければならない可能性があり、当社の経営成績に重要な悪
影響が及ぶ可能性がある。
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(タ) 当社は訴訟又は損害賠償請求及び知的財産権の保護に関するリスクにさらされている
時として、当社は、特許権の侵害、知的財産権、反トラスト、環境規制、証券、契約、製品の性能、製造物責任、不正競争、企業
秘密の流用、雇用、労働環境の安全及びその他の事項に関する訴訟又は損害賠償請求に関わっており、将来においてもその
可能性がある。さらに、当社は、時として、第三者から顧客に対して申し立てられた損害賠償請求に関連した賠償金又はそ
の他の債務を当社が支払う義務があると考えている顧客から通知を受けることがある。
2010年2月、韓国の東部地区管轄のソウル検察当局は、主要な顧客であるサムスン・エレクトロニクス・カンパニー・
リミテッド(以下、「サムスン」という。)の秘密情報の不適切な受領及び利用容疑で、アプライド マテリアルズ コリア
(以下、「AMK」という。)の数名の従業員(起訴当時は当社の副社長だったAMKの元ヘッドを含む。)とその他数社の会社
の従業員を起訴した。本件は現在ソウル東部地方裁判所で係属中である。当社とサムスンは2010年11月1日に効力を生じ
る和解合意を行い、同合意は、本件に関して生じる可能性のある民事請求を解決するものであり、刑事訴訟とは別途行われ
たもので、刑事訴訟に影響を及ぼさない。
訴訟及び損害賠償請求(利点があるにせよないにせよ)並びに関連する内部調査は、(1)原告・被告いずれの立場にお
いても多くの時間と費用を要し、(2)経営陣の関心やその他の当社の資源をそらし、(3)当社製品の販売を阻害し、(4)損害
賠償、差止めによる救済及び違約金について不利な判決が下され、及び/又は(5)当社の事業に悪影響を及ぼす場合があ
る。現在若しくは将来の訴訟、損害賠償請求又は捜査の結果に関しては、何の保証もない。当社が訴訟又は損害賠償請求を
有利に解決又は和解できない場合、又は当社若しくは当社の従業員に対して不利な判決が下された場合、当社の事業、財政
状態及び経営成績に重要な悪影響が及ぶ可能性があり、当社の評判が害される可能性がある。
当社の成功のほとんどは、知的財産権その他の権利の保護によるものである。製品又はスペアパーツの不正製造又は販
売など当社の知的財産権が第三者に侵害された場合、何の補償もなく、当社の市場及び収益を得る機会を失う結果となり
得る。当社の知的財産権は、急速な技術変化により回避、無効あるいは陳腐化した場合、又は当社がこれらの権利を適切に
保護又は主張しなかった場合、重要な競争上の優位をもたらさなくなる可能性がある。しかも、中国、インド、台湾、韓国を
含む他国の法律及び慣行が当社の財産権の保護及び強制執行を容認している程度は様々であり、当社の権利を保護するの
に十分でない可能性がある。当社は、以前、競合企業のうちの1社との間で、将来における特許権侵害訴訟のリスクを減少
させるために取決めを締結した。本取決めの意図した結果が達成され、又はかかる取決めに関連した制限により、当社が知
的財産権を適切に保護することができるという保証はない。当社が、損害賠償請求の有利な解決又は和解、知的財産権の取
得又は実施、商業的に合理的な条件での必要なライセンスの取得、及び/又は当社の知的財産権の地位の訴追又は抗弁を
行えない場合は、当社の事業、財政状態及び経営成績に重要な悪影響が及ぶ可能性があり、当社の評判が害される可能性が
ある。
(レ) 税率変更又は課税資産・負債は、経営成績に影響を及ぼす可能性がある
世界的企業として、当社は、米国及び他の様々な国の課税対象となっている。世界規模の租税債務を算定し、見積もるた
めには、重要な判断が必要とされる。当社の将来の年間及び四半期の税率は、以下に関する変更を含む、様々な要因により
影響を受ける可能性がある。すわなち、(1)適用税法、(2)税率が異なる国ごとの税引前利益の金額と構成、又は(3)当
社の繰延税金資産及び負債の評価である。
ますます国際化する当社の事業内容により合わせるために、当社は製造、サプライ・チェーン及びその他の業務の一部
をアジアに移転し、顧客とより身近な場所で業務を行っている。これらの変更は結果的に将来の運営コストの削減につな
がると予想される。当社は、シンガポールで稼得した一定の利益は免税期間又は法人所得税の減税措置の対象となる旨を
定める税制上の優遇措置を受けるための承認をシンガポールで得た。これらの税務規定の恩恵を受けるためには、当社は
様々な活動に関する要件を満たさなければならない。とりわけ、適用される要件を満たさない場合、又は純損失が生じ、そ
の控除を請求できない場合、これらの規定による恩恵を受ける可能性に悪影響が及ぶ可能性がある。
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さらに、当社は内国歳入庁及びその他の税務当局による定期的な調査の対象であり、また、その時々に、以前に提出した
税務申告書について修正申告を行う場合がある。当社は、法人所得税引当金の妥当性を判断するために、これらの調査及び
修正申告から生じる可能性のある有利な又は不利な結果を定期的に評価しているが、その評価には見積もりと判断が必要
とされる。当社の納税見積額は合理的であると当社は考えているが、税務当局がこの見積もりに同意する保証はなく、当社
の見積もりに反映された結果を得るために訴訟を提起しなければならない場合があり、これに多額の時間と費用を要する
可能性がある。また、当社が訴訟に成功する、又は最終的な決定が、当社の過去の法人所得税引当金及び計上額に反映され
た処理と大幅に異ならないという保証はなく、当社の財政状態及び経営成績に重要な悪影響が及ぶ可能性がある。
(ソ) 当社は環境規制及び安全規制への非遵守に関するリスクにさらされている
当社は、世界的な事業活動に関連して環境規制及び安全規制の対象となっており、それらには製品の開発、製造及び使
用、当社製品に使用又は製造工程で使用された原料のリサイクル及び処分、設備の運用並びに不動産の利用に関する規制
が含まれるが、これらに限られるものではない。気候変動関連の規制等、現在又は将来の環境規制及び安全規制を遵守しな
い場合、又は遵守できない場合には、結果として、(1)原状回復のための重要な債務、(2)罰金の賦課、(3)当社の特定
製品の開発、製造、販売又は使用の一時停止又は中止、(4)当社施設における操業又は不動産の利用能力の制限、及び/又
は(5)不動産価値の下落となる可能性があり、そのいずれによっても当社の事業、財政状態及び経営成績に重要な悪影響
が及ぶ可能性がある。
(ツ) 当社は規制環境に関連した様々なリスクにさらされている
当社は、以下に関する様々なリスクの影響を受けている。すなわち、(1)当社が営業活動を行っている国の立法機関及
び/又は規制当局によって制定される可能性がある、新規の、異なる、一貫性のない又は相反する法律、規則及び規制、(2)
国際貿易に関する国家又は地域の規制当局との意見の不一致又は論争、並びに(3)法律、規則及び規制の解釈及び適用で
ある。例えば、世界的に事業展開する公開株式会社として、当社は財務及びその他の開示、コーポレート・ガバナンス、プラ
イバシー保護及び腐敗防止に関する法規制など、複数の地域の法律及び様々な政府機関の規則及び規制に従わなければな
らない。法令及び基準の改正により遵守事項に関して不確実性が生じる可能性がある。新規の規制や改正される規制を遵
守しようと努めると、結果として一般管理費を増加させ、収益の創出から遵守の取り組みに経営上の時間及び注意を振り
向けることとなり、また継続的にそのような結果となる可能性がある。当社が裁判所又は規制当局により適用ある法律、規
則及び規制を遵守していないとみなされる場合には、当社は法令上の制裁を受け、当社の一般的な認知度が低下し、当社の
事業、財政状態及び経営成績に重要な悪影響が及ぶ可能性がある。
(2) 市場リスクの開示
2010年10月31日現在、当社の投資ポートフォリオは、公正価値で約20億ドルの固定利付証券を含んでいる。かかる証券は
金利リスクの影響を受け、金利が上昇した場合はその価値が下がる。2010年10月31日現在の当社の投資ポートフォリオに
基づき、金利が直ちに1.00%上昇した場合、約25百万ドルのポートフォリオの公正価額が減少することになる。金利の上昇
により投資ポートフォリオの公正価額が低下している間は、回復前に固定利付証券を売却しない限り、又は損失が一時的
ではないと判断されない限り、当社は、連結損益計算書において損失を実現しない。
当社の営業活動の一部は日本円、ユーロ、イスラエル・シェケル、台湾ドル及びスイスフランなどの外国通貨で行われて
いる。当社は、現存の外貨建取引及び24ヶ月以内に発生が予想される外貨建予定取引の一部(全部ではない)をヘッジす
るために、先物為替予約及び通貨オプション契約を締結している。これらの契約に係る損益は、通常、関連するヘッジ対象
取引が認識された時点で収益に認識される。為替レートの変動が先物為替予約や通貨オプション契約に与える影響は、通
常、ヘッジ対象項目に対する影響を相殺するので、これらの金融商品が当社に為替レートの変動によるリスクを生じさせ
ることはないと予想される。当社はデリバティブをトレーディングあるいは投機目的には使用していない。2010年度にお
ける外貨変動の純損益は重大なものではなかった。
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5【経営上の重要な契約等】
「第3 事業の状況 − 1 業績等の概要 − (3) セグメント情報 − (ホ) 企業結合」を参照のこと。
2009年12月21日付のセミツール・インクの買収以降、当社は、①営業の全部又は重要な一部の譲渡、②当社の営業に重要な影
響を与える他社の営業の全部又は重要な一部の譲受け、③他社による当社の吸収合併又は新設合併への同意、④吸収分割又は
新設分割への同意、又は⑤これらに関する契約の締結を行うことを決定していない。
当社は、事業の全部若しくは重要な一部の賃貸借又はそれらの経営の委任、他社と営業上の損益全部を共通にする契約、技術
援助契約その他当社の営業に重要な影響を与える契約を締結していない。
6【研究開発活動】
当社の長期的な戦略には、新製品の継続開発が必要となる。当社は、研究開発及び技術に多大な投資を行っているため、一般
に新製品や新技術を需要が大きくなる前に発表することができ、よって顧客もこれらの新製品を技術選定サイクルの早い段階
で製造計画に組み込むことが可能となる。当社は、世界中の顧客と密接に協力して、顧客の計画する技術・生産要件に合ったシ
ステム及びプロセスを設計している。製品開発及び技術組織は、主に米国、ヨーロッパ、イスラエル、台湾及び中国に置かれてい
る。さらに、当社は、研究開発及び技術活動の一部(その一部は、米国外、とりわけインドで行われている。)を外部委託してい
る。米国、中国、台湾、ヨーロッパ及びイスラエルには、プロセスサポートと顧客向け実演用ラボが置かれている。
当社が過去3年間に製品及び技術の創出又は改善を目的として製品開発及び技術開発プログラムのための研究開発費及び
技術費に投資した金額は、2010年度には11億ドル(純売上高の12%)、2009年度には934百万ドル(純売上高の19%)、2008年
度には11億ドル(純売上高の14%)であった。当社は、過去5年間に、平均して純売上高の13%を研究開発費及び技術費にあて
ている。当社は、特定製品技術の研究開発及び技術のほかにも、製品に応用する自動制御システム、素材研究及び環境管理の進
行中のプログラムを継続している。
2010年度に、当社は22ナノメートル以降の次世代チップデザインを実現する新技術を開発した。これらの装置は、high-k/メ
タルゲート技術及びダブル・パターニング処理を利用して同一の空間でより多くのトランジスタをパッキングしようとする
顧客を支援するために設計された。当社はまた、高性能な装置、低消費電力及び異種デバイスの統合を実現するために、3Dチッ
プ積層を相互に接続する新進のソリューションであるシリコン貫通ビア技術を開発した。太陽光電池分野では、当社は引続き、
高度な結晶シリコン技術により太陽光発電にかかるコストを抑制するための精密なウエーハ及び太陽光電池セルの製造製品
の開発を行った。研究開発及び技術では、低コストでの太陽光エネルギーの生産、ディスプレイのバックライトや一般の照明用
の発光ダイオード機器の生産を可能にする製品及び省エネルギーを実現するその他の製品の開発活動も行われた。
2009年度には、当社は半導体の顧客の32ナノメートル以降の形状の新しいチップデザイン用の装置(歪み技術及びhigh-kメ
タルゲートを使用し、より高速なトランジスタを可能にする装置を含む。)、及び顧客が次世代技術により従来の193ナノメー
トルのリソグラフィーツールを拡張することを可能にするダブルパターニング処理の開発に重点を置いた。また当社は次世代
のディスプレイを製造するための技術開発にも重点を置いた。研究開発及び技術では、低コストでの太陽光エネルギーの生産
を可能にする製品及び省エネルギーを実現するその他の製品の開発活動も行われた。
2008年度に、当社は半導体デバイスの継続的なスケーリングのためのプロセス及び装置の開発に焦点を当てた。当社は従来
型の光学式リソグラフィーを使用した22ナノメートル以降のデバイスの製造を可能にする自己整合型ダブルパターニング手
法の先駆者となった。また当社は、シリコン貫通ビアを実施するための技術を開発した。また、太陽光電気の1ワット当たりの
コストを削減する装置及び技術の開発にも焦点を当てて開発努力が行われた。
7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
「第3 事業の状況 − 1 業績等の概要 − (2) 経営成績及び(4) 財政状態、流動性及び資金の源泉」を参照のこと。
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第4【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
下記「第4 設備の状況 − 2 主要な設備の状況」を参照のこと。
2【主要な設備の状況】
2010年10月31日における当社の主要な資産に関する情報を以下に記載する。
所在地
面積
(平方フィート)
種類
主な用途
オフィス、工場及び倉
庫
本社、マーケティング
製造、販売、研究、開発及び
技術
1,640,000
420,000
所有
賃借
オフィス、工場及び倉
庫
製造
1,458,000
145,000
所有
賃借
イスラエル、レホヴォ
ト
オフィス、工場及び倉
庫
製造、研究、開発及び技術
442,000
所有
ドイツ
オフィス、工場及び倉
庫
製造、研究、開発及び技術
255,000
賃借
オフィス、工場及び倉
庫
製造、研究、開発及び技術
252,000
所有
スイス、シェゾー
オフィス、工場及び倉
庫
製造、研究、開発、技術及び
営業活動
163,000
賃借
イタリア、トレビソ
オフィス、工場及び倉
庫
製造、研究、開発、技術及び
営業活動
89,000
賃貸
シンガポール
オフィス、工場及び倉
庫
製造及び営業活動
392,000
55,000
所有
賃貸
台湾、台南
オフィス、工場及び倉
庫
製造及び営業活動
320,000
所有
中国、西安
オフィス、工場及び倉
庫
研究、開発及び技術
486,000
所有
台湾、新竹
オフィス及び倉庫
営業活動
90,000
28,000
所有
賃借
中国、上海
オフィス及び倉庫
営業活動
95,000
賃借
アメリカ合衆国
カリフォルニア州、サ
ンタクララ
アメリカ合衆国
テキサス州、オース
ティン
アルツェナウ
アメリカ合衆国
モンタナ州、カリスペ
ル
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所有形態
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当社の業務は相互に関連しているため、1ヶ国内の資産は当該国内において業務を行う全てのセグメントにより共有されう
る。シリコン・システムズ・グループ部門の製品はテキサス州オースティン、イスラエルのレホヴォト及びシンガポールで製
造されている。アプライド・グローバル・サービス部門の再生製品は主にテキサス州オースティン及び韓国で製造されてい
る。ディスプレイ部門の製品は、カリフォルニア州サンタクララ、ドイツのアルツェナウ及び台湾の台南で製造されている。エ
ネルギー・環境ソリューション部門の製品は主にドイツのアルツェナウ、スイスのシェゾー、イタリアのトレビソ及びカリ
フォルニア州サンタクララで製造されている。
上記の資産のほかに、当社は全世界で80ヶ所のマーケティング、販売、技術及び顧客サポート用の事務所を賃借していた。そ
の内訳は、ヨーロッパに19、日本に18、北米(主に米国)に17、中国に9、韓国に8、東南アジアに7、台湾に2となっている。当
社はテキサス州オースティンに売却可能な261,000平方フィートの製造施設を有している。
さらに、当社は、テキサス州に約1,708,000平方フィートの追加建築面積を利用可能な112エーカーの建設用地を、カリフォル
ニア州に約1,247,000平方フィートの追加建築面積を利用可能な43エーカーの建設用地を所有している。また、当社は、イタリ
アにおいて約180,000平方フィートの追加建築面積を利用可能な4エーカーを、イスラエルにおいて約111,000平方フィートの
追加建築面積を利用可能な10エーカーを賃借している。
当社は、所有又は賃借している資産は、当社における現在及び将来の需要に対応するのに必要十分であると考えている。当社
は、世界中の設備の規模、生産能力及び所在地を定期的に評価し、かかる評価に基づき周期的に調整を行っている。
3【設備の新設、除却等の計画】
当社は、世界中の設備の規模、生産能力及び所在地を定期的に評価し、かかる評価に基づき周期的に調整を行っている。しか
しながら、当社は本項に該当する設備の新設又は除去に関する計画を最終決定していない。
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第5【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
(2010年10月31日現在)
授権株数
発行済株式総数
普通株式 2,500,000,000株
未発行株式数
普通株式 1,865,054,614株(1)
優先株式 1,000,000株
普通株式 634,945,386株
優先株式 0株
優先株式 1,000,000株
(1) 自己株式(537,056,133株)を含む。
②【発行済株式】
(2010年10月31日現在)
上場金融商品
取引所名又は
登録認可金融
商品業協会名
記名・無記名の別及び
額面・無額面の別
種類
発行数
額面記名株式
(額面0.01ドル)
普通株式
1,865,054,614株(1)
Nasdaq
普通株式1株につき
1個の議決権を有す
る。
計
―
1,865,054,614株(1)
―
―
内容
(1) 自己株式(537,056,133株)を含む。
(2)【発行済株式総数及び資本金の推移】
「第6 経理の状況 − 1 財務書類 − (3) 連結株主持分及び包括利益(損失)計算書」を参照のこと。
当社が発行するストックオプションの2010年10月31日現在の状況は以下の通りである。
新株予約権の残高
51,113,871個
新株予約権の行使により発行する株式の発行価額
768,961,420ドル
新株予約権の行使により発行する株式の資本組入額
768,961,420ドル
(3)【所有者別状況】
当社普通株式は、ナスダック・グローバル・セレクト市場において、AMATの記号で取引される。2010年11月19日現在、
4,407名の普通株式の株主が当社株主名簿に登録されていた。
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(4)【大株主の状況】
以下の表は、2010年12月31日現在における(1)当社が把握している5%以上の当社普通株式を保有する者、(2)各取締役、
(3)主席執行役員、主席財務役員並びにSEC規則の定めによる取得報酬額上位3名の執行役員及び旧執行役員(以下、総称し
て「指名された執行役員」という。)並びに(4)当グループの現在の取締役及び執行役員全体のそれぞれによる当社普通株
式の実質保有状況を示すものである。一般的に、実質的な所有とは、事業体又は個人が議決権又は処分権を有した株式及び
2010年12月31日より60日以内にかかる事業体又は個人が取得する権利を有した株式をいう。当社は最新の情報を提供するた
めに、大株主の状況に関して、事業年度末現在の情報ではなく暦年末現在の情報を公表している。
氏名又は名称
主要株主
FMRエルエルシー
02109マサチューセッツ州、ボストン
デボンシャー・ストリート82
取締役(最高経営責任者を除く。)
アート・ジェイ・デ・ゲウス
スティーブン・アール・フォレスト
トーマス・ジェイ・イアノッティ
スーザン・エム・ジェームズ
アレクサンダー・エー・カースナー
ガーハード・エイチ・パーカー
デニス・ディー・パウエル
ウィレム・ピー・ロレンツ
ジェームズ・イー・ロジャース
ロバート・エイチ・スワン
指名された執行役員
マイケル・アール・スプリンター
ジョージ・エス・デイビス
マーク・アール・ピント
ランディール・タクール
ジョセフ・ジー・フラナガン
フランツ・ヤンカー
現在の取締役及び執行役員全体(22名)
所有株式数 (株)
(1)
発行済株式総数に
対する所有株式数
の割合(%)(2)
184,224,151 (3)
13.93
29,913 (4)
24,913 (4)
92,413 (5)
961
9,491 (4)
160,697 (6)
19,868 (7)
125,993 (8)
37,000
10,845 (9)
4,029,462
592,583
1,034,119
241,902
43,750
590,187
7,623,918
(10)
(11)
(12)
(13)
(14)
(15)
(16)
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
*
* 1%未満
(1) 別段の記載のある場合及び適用ある夫婦共有財産法による場合を除き、上記表に記載のある者は、保有する全ての普通株式について単
独での議決権及び投資権限を有している。
(2) 上記表に記載される者及びグループのそれぞれについて、発行済株式総数に対する所有株式数の割合は、当該者又はグループが実質的
に所有する株式数を2010年12月31日現在で発行済の普通株式1,322,872,983株に当該者又はグループが2010年12月31日から60日以内
に取得する権利を有する普通株式数を加えた数で除して計算される。
(3) FMRエルエルシーとエドワード・シー・ジョンソン3世が共同で2010年2月16日にSECに提出した修正版別紙13Gには、2009年12月31日
現在、FMRエルエルシーとジョンソン氏は184,224,151株の処分を指図する単独の権限を有し、FMRエルエルシーは15,247,116株の単独
の議決権を有する旨記載されている。184,224,151株のうち、フィデリティー・マゼラン・ファンドは81,454,187株の実質所有者であ
り、FMRエルエルシーの完全所有子会社であるフィデリティー・マネジメント・アンド・リサーチ・カンパニーは、投資会社数社(以
下、「ファンド」という。)の投資顧問を務めていることから、ファンドの保管会社の取締役会が所有するそれらの株式の投票を指図
する権限を有する168,647,145株の実質所有者であった。
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(4) 2010年12月31日から60日以内に権利確定予定の9,491株の業績連動株式を含むか若しくは当該株式から成る。
(5) (a)2010年12月31日から60日以内に権利確定予定の9,491株の業績連動株式及び(b)2010年12月31日から60日以内に行使可能な70,000株
についてのストックオプションを含む。
(6) (a)2010年12月31日から60日以内に権利確定予定の9,491株の業績連動株式、(b)2010年12月31日から60日以内に行使可能な75,000株に
ついてのストックオプション及び(c)慈善信託である家族基金で保有する484株を含む。パーカー博士は、家族基金で保有する484株の
実質的な所有権を放棄する。
(7) 2010年12月31日から60日以内に権利確定予定の4,068株についての業績連動株式を含む。
(8) (a)2010年12月31日から60日以内に権利確定予定の4,068株の業績連動株式及び(b)2010年12月31日から60日以内に行使可能な95,000株
についてのストックオプションから成る。
(9) 2010年12月31日から60日以内に権利確定予定の5,423株の業績連動株式を含む。
(10) (a)186,875株の制限付株式、(b)2010年12月31日から60日以内に行使可能な3,105,000株についてのストックオプション及び(c)家族基
金で保有する300,000株を含む。
(11) (a)家族基金で保有する220株及び(b)2010年12月31日から60日以内に行使可能な385,000株についてのストックオプションを含む。
(12) 2010年12月31日から60日以内に行使可能な806,000株についてのストックオプションを含む。
(13) 2010年12月31日から60日以内に行使可能な200,000株についてのストックオプションを含む。
(14) 2010年12月31日から60日以内に権利確定予定の43,750株についての業績連動株式から成る。
(15) 2010年12月31日から60日以内に行使可能な510,000株についてのストックオプションを含む。
(16) (a)2010年12月31日から60日以内に行使可能な5,620,166株についてのストックオプション及び(b)2010年12月31日から60日以内に権
利確定予定の124,764株の業績連動株式を含む。
2【配当政策】
2010年度中に、当社の取締役会は1株当たり0.07ドルの四半期現金配当を3度、1株当たり0.06ドルの四半期現金配当を1
度宣言した。2010年度第4四半期に宣言された1株当たり0.07ドルの現金配当は、2010年11月24日現在の登録株主に対して、
2010年12月15日に支払われる。2009年度中に、当社の取締役会は各四半期毎に1株当たり0.06ドルの四半期現金配当を4度宣
言した。2010年度、2009年度及び2008年度中に宣言された配当は、それぞれ総額361百万ドル、320百万ドル及び323百万ドルで
あった。将来の現金配当の宣言及びその金額は、取締役会の裁量により、当社の財政状態、経営成績、必要資本、事業状態及びそ
の他の要因、並びに現金配当は株主の最善の利益であるとの判断に基づき決定されるが、当社は、現在のところ、今後も四半期
ごとに現金配当を実施していくものと予想される。
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3【株価の推移】
以下の表は、記載の期間のNasdaqにおける当社普通株式の取引の高値及び安値を示している。
(1)【最近5年間の事業年度別最高・最低株価】
回次
決算
年月日
2006年度
2007年度
2008年度
2009年度
2010年度
2006年10月29日
2007年10月28日
2008年10月26日
2009年10月25日
2010年10月31日
(2005年10月31日∼ (2006年10月30日∼ (2007年10月29日∼ (2008年10月27日∼ (2009年10月26日∼
2006年10月29日) 2007年10月28日) 2008年10月26日) 2009年10月25日) 2010年10月31日)
最高($)
20.82
22.96
21.53
14.01
14.87
最低($)
14.76
17.08
11.36
8.14
10.37
注 数値は、株価終値の高値及び低値を反映している。
(2)【当該事業年度中最近6月間の月別最高・最低株価】
月別
2010年10月
2010年11月
2010年12月
2011年1月
2011年2月
2011年3月
最高($)
12.35
12.98
14.13
16.10
16.49
16.85
最低($)
11.49
12.37
12.77
13.76
15.64
14.46
注 数値は、株価終値の高値及び低値を反映している。
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4【役員の状況】
(1) 執行役員
(イ) 執行役員の状況
以下の表及び注記は、当社の執行役員に関する情報を示している。株式の所有に関する情報については、「第5 提出会
社の状況 − 1 株式等の状況 − (4) 大株主の状況」を参照のこと。
(2010年10月31日現在)
氏 名
(年齢)
役 職 名
略 歴
マイケル・アール・スプリン 取締役会会長兼社長兼 2003年4月に当社に入社した際、当社の社長兼最高経
ター
最高経営責任者
営責任者及び取締役会のメンバーに任命され、2009年
(Michael R. Splinter)
3月から取締役会会長を務めている。当社の一員とな
(60歳)
る前には、インテル・コーポレーション(以下、「イ
ンテル」という。)に20年近く勤務、最近まで販売及
びマーケティング・グループで世界中の販売及び事
業を担当する上席副社長兼取締役を務めていた。イン
テルでは、技術及び製造グループの上席副社長兼ゼネ
ラル・マネージャーを含む様々な管理職を経験した。
ジョージ・エス・デイビス
(George S. Davis)
(53歳)
上席副社長
マーク・アール・ピント
(Mark R. Pinto)
(51歳)
上席副社長
最高財務責任者
エネルギー・環境ソ
リューション部門及び
ディスプレイ部門担当
ゼネラル・マネー
ジャー
最高技術責任者
2006年11月にグループ副社長兼最高財務責任者に任
命された後、2006年12月に上席副社長兼最高財務責任
者に昇進した。それ以前は、2005年2月からグループ
副社長兼法人事業開発担当ゼネラル・マネージャー
を務めていた。1999年11月から2005年2月まで、副社
長兼企業財務担当者として、当社の全社的な財務活動
を管理し、投資、税務、金融リスク管理並びに貿易及び
輸出事項を担当した。1999年に当社に入社した。
2004年1月に当社に入社して以来、上席副社長を務め
た。現在は、最高技術責任者兼エネルギー・環境ソ
リューション部門及びディスプレイ部門担当ゼネラ
ル・マネージャーを務めている。当社に入社する以前
は、ベル・ラボラトリーズ及びルーセント・マイクロ
エレクトロニクス・グループ(後にアギア・システ
ムズ・インクとなる。)に19年間勤務し、最近ではア
ナログ製品部門副社長を務めていた。スタンフォード
大学の電気工学の博士号を取得している。
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氏 名
(年齢)
役 職 名
ランディール・タクール
(Randhir Thakur)
(48歳)
上席副社長
ジョセフ・フラナガン
(Joseph Flanagan)
(39歳)
全世界でのオペレー
ション及びサプライ・
チェーン担当上級副社
長
略 歴
2009年10月以来、上席副社長兼シリコン装置担当ゼネ
ラル・マネージャーを務めている。それ以前は、上級
シリコン装置担当ゼネ
副社長兼薄膜太陽光電池及びディスプレイ担当ゼネ
ラル・マネージャー
ラル・マネージャーであった。2008年5月に当社に再
入社した際に上級副社長兼戦略管理担当ゼネラル・
マネージャーに任命された。2000年から2005年まで当
社においてグループ副社長及びフロント・エンド製
品担当ゼネラル・マネージャーを含む各種業務執行
の役職に就いていた。2005年9月から2008年5月ま
で、サンディスク・コーポレーションにおいてテクノ
ロジー及びファブ・オペレーション担当上席副社長
並びに同社の国際オペレーション部長を務めていた。
2000年に当社に入社する以前は、エステッグ・エレク
トロニック・システムズ・アーゲー及びマイクロン
・テクノロジー・インクにおいてリーダー職に就い
ていた。
2010年2月に全世界でのオペレーション及びサプラ
イ・チェーン担当上級副社長に任命された。当社に入
社する以前は、2009年8月から2010年2月までノーテ
ル・ビジネス・サービシズの社長を含め、ノーテル・
ネットワークス・コーポレーションにおいて全世界
でのオペレーションを担当する業務執行職に就いて
いた。それ以前は、1993年から2006年までゼネラル・
エレクトリックにおいて多くの役職を務めていた。
マンフレッド・ケルシュバウム 上級副社長
(Manfred Kerschbaum)
従業員チーフ
(56歳)
2009年9月に上級副社長及び従業員チーフに任命さ
れた。それ以前は、2005年1月から2009年9月まで、上
級副社長兼アプライド・グローバル・サービス部門
担当ゼネラル・マネージャーを務めていた。2004年7
月から2005年1月まで、及び2002年10月から2003年5
月まで、国際オペレーション担当上級副社長を務め
た。2003年5月から2004年7月まで、基礎工法及びオ
ペレーション担当グループ副社長を務めた。1996年1
月から2002年10月まで、アプライド・マテリアルズ・
ノース・アメリカにおいて様々な役職を務め、最近で
は、アプライド・マテリアルズ・ノース・アメリカの
グループ副社長兼ゼネラル・マネージャーを務めて
いた。1983年に当社に入社してからその他様々な業
務、顧客サービス及び技術担当の役職に就いた。
ジョセフ・ジェイ・スウィー 上級副社長
ニー
首席法律顧問
(Joseph J. Sweeney)
(62歳)
コーポレート秘書役
2005年7月以来、当社の上級副社長兼首席法律顧問兼
コーポレート秘書役を務め、国際法務、知的財産及び
担保に関与している。2002年4月から2005年7月ま
で、グループ副社長兼法務及び知的財産担当業務兼
コーポレート秘書役を務めていた。1993年に当社に入
社した。
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氏 名
(年齢)
役 職 名
略 歴
クリス・バウワーズ
(Chris Bowers)
(50歳)
コーポレート・イニシ 2008年3月以来、コーポレート・イニシアチブ担当グ
アチブ担当グループ副 ループ副社長を務めている。2008年3月から2009年9
社長
月まで、グループ副社長兼法人業務担当ゼネラル・マ
ネージャー兼従業員チーフを務め、効果的な事業戦略
の実施に関して役員と緊密に職務を遂行した。当社に
入社以前は、ヘイ・グループにおける共同経営者であ
り、同社にて1992年から2008年まで様々な事業のリー
ダー職及び顧問の役職に就いていた。最近まで、ヨー
ロッパ・中近東・アフリカにおける顧客サービス担
当取締役であり、ヘイ・グループのグローバル研究開
発顧問のメンバーであった。
ロン・カイファー
(Ron Kifer)
(59歳)
グループ副社長
メアリー・ハミストン
(Mary Humiston)
(45歳)
グローバル人事担当グ 2010年5月にグローバル人事担当グループ副社長に
ループ副社長
任命された。それ以前は、エネルギー・環境ソリュー
ション部門及びディスプレイ部門の人事担当コーポ
レート副社長を務めていた。当社に入社する以前は、
2002年10月から2008年6月までハニーウェル・イン
ターナショナル・インクにおいて様々な企業及び海
外法人を担当する人事担当副社長を務めていた。また
以前にピープルPC、ギャップ・インク及びゼネラル・
エレクトリックにおいて業務執行の役職に就いてい
た。
チャーリー・パピス
(Charlie Pappis)
(50歳)
グローバル副社長
トーマス・エス・ティムコ
(Thomas S. Timko)
(42歳)
コーポレート副社長
最高情報責任者
2006年5月にグループ副社長兼グローバル情報サー
ビス担当最高情報責任者として入社した。それ以前
は、5年間、DHLにおいて様々な上級管理職に就き、最
近では上級副社長兼北米、アジア・太平洋及び新興市
場担当最高情報責任者を務めていた。
2009年9月以来、グループ副社長兼アプライド・グ
ローバル・サービス部門担当ゼネラル・マネー
アプライド・グローバ
ジャーに任命された。それ以前は、アプライド・グ
ル・サービス部門担当
ローバル・サービス部門においてコーポレート副社
ゼネラル・マネー
長兼半導体サービス・ソリューション・グループ担
ジャー
当ゼネラル・マネージャーや設備生産性サービス担
当ゼネラル・マネージャーを務めていた。1986年に当
社に入社以来、その他様々な管理職に就いていた。
2010年3月に、コーポレート副社長兼コーポレートコ
ントローラー兼最高会計責任者として当社に入社し
コーポレートコント
た。2006年6月から2010年3月までデルフィ・オート
ローラー
モーティブ・エルエルピーに勤務し、直近では最高会
最高会計責任者
計責任者及びコントローラーを務めていた。2004年12
月から2006年6月までザ・インターパブリック・グ
ループ・オブ・カンパニーズ・インク、それ以前は
ドーバー・コーポレーションにおいて、コントロー
ラー補佐を務めていた。職歴はプライスウォーターハ
ウスクーパース・エルエルシーに入社した1991年に
始まる。公認会計士である。
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(ロ) 役員報酬及び関連事項
(a) 報酬の概要
以下の表は2008年度、2009年度及び2010年度における指名された執行役員の報酬に関する情報を示している。
株式報奨金
(ドル)
(2)
オプション
報奨金
(ドル)
(2)
持分以外
の報奨
制度に
よる報酬
(ドル)
(3)
年金原資及び
非適格繰延
報酬所得の
変動額
(ドル)
(4)
その他の
全報酬
(ドル)
氏名及び
主たる役職
事業
年度
給 与
(ドル)
(1)
マイケル・アール・ス
プリンター
取締役会会長兼社長兼
最高経営責任者
2010
2009
2008
972,462
814,154
929,385
5,363,500
−
8,139,500
−
2,270,457
−
3,400,000
−
650,000
−
−
−
12,333
12,333
12,271
(5) 9,748,295
(5) 3,096,944
(6) 9,731,156
ジョージ・エス・デイ
ビス
上席副社長兼
最高財務責任者
2010
2009
2008
559,131
426,185
479,631
2,682,000
−
3,165,750
−
1,513,638
−
1,500,000
−
400,000
−
−
79
12,473
15,110
14,434
(7) 4,753,604
(8) 1,954,933
(9) 4,059,894
マーク・アール・ピン
ト
上席副社長兼エネル
ギー・環境ソリュー
ション部門及びディス
プレイ部門担当ゼネラ
ル・マネージャー
2010
2009
2008
565,961
456,923
516,923
2,682,000
−
3,618,000
−
1,513,638
−
1,400,000
−
490,000
−
−
−
399,996 (10) 5,047,957
12,104 (11) 1,982,665
11,265 (12) 4,636,188
ランディール・タクー
ル(13)
上席副社長兼シリコン
・システムズ・グルー
プ部門担当ゼネラル・
マネージャー
2010
2009
2008
554,885
407,077
195,204
2,682,000
−
4,295,250
−
1,513,638
−
1,600,000
−
180,000
−
−
−
13,993 (14) 4,850,878
13,073 (15) 1,933,788
310,913 (16) 4,981,367
ジョセフ・ジー・フラ
ナガン(17)
全世界でのオペレー
ション及びサプライ・
チェーン担当上級副社
長
2010
2009
2008
334,615
−
−
−
−
−
700,000
−
−
フランツ・ヤンカー
(19)
元企業会計管理担当上
席副社長
2010
2009
2008
463,777
493,477
559,815
−
1,513,638
−
−
−
460,000
2,145,500
−
−
2,682,000
−
3,618,000
合計額
(ドル)
− 1,523,709 (18) 4,703,824
−
−
−
−
−
−
−
−
728
795,191 (20) 3,940,968
12,190 (21) 2,019,305
11,341 (22) 4,649,884
(1) 2009年度の金額は年間基本給与の20%減額を反映している。
(2) 記載されている金額は指名された執行役員が実際に受領した報酬額を示しているわけではないが、上記の「株式報奨金」及び
「オプション報奨金」の欄で報告されている金額は、FASB会計基準編纂書第718号(以下、「ASC第718号」ともいう。)に従って
決定された各事業年度に付与された株式報奨金及びオプション報奨金の付与日時点の公正価値総額を示している。株式報奨金及
びオプション報奨金の価値の算定に使用された前提は2008年度の有価証券報告書に記載されている連結財務書類の注記1及び
8並びに下記「第6 経理の状況」の連結財務書類の注記13にそれぞれ記載されている。スプリンター氏が保有する業績に基づ
く制限付株式を除き、株式報奨金は業績連動株式(以下、「制限付株式ユニット」ともいう。)からのみ構成される。
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(3) 金額は該当する年度に提供された役務に対して執行役員賞与制度に基づき稼得した賞与から構成される。全ての指名された執行
役員は、2009年度に執行役員賞与制度に基づき受領することができた賞与を放棄した。
(4) 金額は、アプライド・マテリアルズ・インク執行役員繰延報酬制度及び/又は2005年執行役員繰延報酬制度に基づき該当する年
度以前に繰り延べられた報酬に関して該当する年度中の(SEC規則に定められる)市場水準を上回る所得から構成される。2009
年度及び2010年度については市場水準を上回る所得はなかった。
(5) この金額は、(a)適格401(k)プランに基づき当社が負担した11,025ドルの拠出金、(b)スプリンター氏のために生命保険料に関して
当社が支払った1,308ドルから成る。
(6) この金額は、(a)適格401(k)プランに基づき当社が負担した10,350ドルの拠出金、(b)スプリンター氏のために生命保険料に関して
当社が支払った1,176ドル及び補助医療給付として支払った745ドルから成る。
(7) この金額は、(a)適格401(k)プランに基づき当社が負担した11,025ドルの拠出金、(b)デイビス氏のために生命保険料に関して当社
が支払った1,109ドル及び(c)当社役員を称えるイベントでデイビス氏に贈呈された物品339ドルから成る。
(8) この金額は、(a)適格401(k)プランに基づき当社が負担した11,025ドルの拠出金及び(b)デイビス氏のために生命保険料に関して
当社が支払った1,007ドル及び補助医療給付として支払った3,078ドルから成る。
(9) この金額は、(a)適格401(k)プランに基づき当社が負担した10,350ドルの拠出金、(b)デイビス氏のために生命保険料に関して当社
が支払った849ドル及び補助医療給付として支払った3,235ドルから成る。
(10) この金額は、(a)適格401(k)プランに基づき当社が負担した11,025ドルの拠出金、(b)ピント博士のために生命保険料に関して当
社が支払った1,120ドル、(c)当社役員を称えるイベントでピント博士に贈呈された物品339ドル、(d)ピント博士のカリフォルニ
アから中国の北京への転居に付随する費用をカバーするための10,000ドルの一時金、(e)ピント博士のために当社が支払った転
居に伴う一部の費用284,227ドル、及び(f)転居に関して同氏が負担した税金93,285ドルの払戻しから成る。
(11) この金額は、(a)適格401(k)プランに基づき当社が負担した11,025ドルの拠出金、(b)ピント博士のために生命保険料に関して当
社が支払った1,079ドルから成る。
(12) この金額は、(a)適格401(k)プランに基づき当社が負担した10,350ドルの拠出金、(b)ピント博士のために生命保険料に関して当
社が支払った915ドルから成る。
(13) タクール博士は2008年5月27日に上級副社長兼戦略管理担当ゼネラル・マネージャーとして当社に入社した。
(14) この金額は、(a)適格401(k)プランに基づき当社が負担した11,025ドルの拠出金、(b)タクール博士のために生命保険料に関して
当社が支払った1,129ドル、(c)当社の特許報奨制度に基づく1,500ドルのタクール博士への支払い、及び(d)当社役員を称えるイ
ベントでタクール博士に贈呈された物品339ドルから成る。
(15) この金額は、(a)適格401(k)プランに基づき当社が負担した11,025ドルの拠出金、(b)タクール博士のために生命保険料に関して
当社が支払った908ドル及び補助医療給付として支払った765ドル、及び(c)当社の特許報奨制度に基づく375ドルのタクール博士
への支払いから成る。
(16) この金額は、(a)適格401(k)プランに基づき当社が負担した10,350ドルの拠出金、(b)タクール博士のために生命保険料に関して
当社が支払った563ドル、及び(c)新任賞与300,000ドルの支払いから成る。
(17) フラナガン氏は2010年2月16日に全世界でのオペレーション及びサプライ・チェーン担当上級副社長として当社に入社した。
(18) この金額は、(a)フラナガン氏のために生命保険料に関して当社が支払った736ドル、(b)当社役員を称えるイベントでフラナガン
氏に贈呈された物品293ドル、(c)新任賞与250,000ドルの支払い、(d)フラナガン氏のテキサスからシンガポールへの転居に付随
する費用をカバーするための10,000ドルの一時金、(e)フラナガン氏の転居に関して支払われた5,000ドルの賞与、(f)フラナガン
氏のために当社が支払った転居に伴う一部の費用829,351ドル(フラナガン氏の住居売却による損失についての295,800ドルを
含む。)、及び(g)転居に関して同氏が負担した税金428,329ドルの払戻しから成る。
(19) ヤンカー氏は2010年7月30日付で当社を退職した。
(20) この金額は、(a)適格401(k)プランに基づき当社が負担した11,025ドルの拠出金、(b)ヤンカー氏のために生命保険料に関して当
社が支払った971ドル、(c)ヤンカー氏の退職時に支払われた未払いの有給休暇68,538ドル、及び(d)2010年7月10日付退職契約に
従って当社が支払った714,657ドル(詳細については下記「雇用契約及び退職契約」の項を参照のこと。)から成る。退職契約に
基づき、当社はヤンカー氏が当該契約を継続的に遵守することを条件として、さらに1,264,657ドルを同氏に支払うことに合意し
た。
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(21) この金額は、(a)適格401(k)プランに基づき当社が負担した11,025ドルの拠出金及び(b)ヤンカー氏のために生命保険料に関して
当社が支払った1,165ドルから成る。
(22) この金額は、(a)適格401(k)プランに基づき当社が負担した10,350ドルの拠出金及び(b)ヤンカー氏のために生命保険料に関して
当社が支払った991ドルから成る。
(b)制度に基づく報奨金の付与
以下の表は、2010年10月31日に終了した2010年度において指名された執行役員に付与された制度に基づく報奨金の全
容を示している。以下の表に分類されるオプション報奨金は、下記の2010年度末現在の未行使株式報奨金の表にも報告
されている。
2010年度における制度に基づく報奨金の付与
持分以外の報奨制度に基づく
報奨金の実現可能な支払見積額(1)
氏名
付与日
基準
目標
上限
(ドル)
(ドル)
(ドル)
その他
オプシ
持分報奨制度に基づく報奨金
その他
の全オ
ョン報
株式及び
の将来の支払見積額(2)
の全株
プショ
奨金の
オプショ
式報奨
ン報奨
行使価
ン報奨金
金:ユ
金:オ
格又は
の付与日
ニット
プショ
基本価
現在の公
の株式
ンの原
格
正価値
数
証券数
(ドル/株)
(ドル)(3)
基準
目標
上限
マイケル・
アール・スプ
リンター
2010年1月19日
2010年1月19日
−
−
−
0
−
−
1,715,000
−
−
5,000,000
87,500
12,500
−
350,000
50,000
−
350,000
50,000
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
4,693,500
670,000
−
ジョージ・エ
ス・デイビス
2010年1月19日
−
−
0
−
718,750
−
2,156,250
50,000
−
200,000
−
200,000
−
−
−
−
−
−
−
2,682,000
−
マーク・アー
ル・ピント
2010年1月19日
−
−
−
−
718,750
−
2,156,250
50,000
−
200,000
−
200,000
−
−
−
−
−
−
−
2,682,000
−
ランディール
・タクール
2010年1月19日
−
−
0
−
718,750
−
2,156,250
50,000
−
200,000
−
200,000
−
−
−
−
−
−
−
2,682,000
−
ジョセフ・
ジー・フラナ
ガン
2010年2月16日
−
−
0
−
500,000
−
1,500,000
−
−
−
−
−
−
175,000
−
−
−
−
−
2,145,500
−
フランツ・ヤ
ンカー
2010年1月19日
−
−
0
−
742,500
−
2,227,500
50,000
−
200,000
−
200,000
−
−
−
−
−
−
−
2,682,000
−
(1)
示されている金額は、執行役員賞与制度及びアプライド・インセンティブ・プランに基づく2010年度の見積支払可能額である。
これらの金額は各人の2010年度の基本給及び役職に基づいている。執行役員賞与制度に基づき参加者に対して勤続期間に支払わ
れる上限金額であるスプリンター氏の金額を除き、示されている上限金額は、指名された各執行役員の目標額の3倍である。執行
役員賞与制度の規定に基づき、2010年7月30日付で当社を退職した後、ヤンカー氏は2010年度の賞与を受領できなくなった。指名
された執行役員が2010年度に実際に受領した賞与は、報酬の概要の表における「持分以外の報奨制度の報酬」欄において報告さ
れている。
(2)
示されている報奨金は株式報奨金であり、業績連動株式(「制限付株式ユニット」ともいう。)からのみ構成される。示されてい
る全ての報奨金は当社の従業員株式報奨制度に基づき付与され、年間の調整後営業利益に関連する特定の業績目標の達成が条件
とされた。2010年度の当社の調整後営業利益の業績により、報奨金の40%の権利が確定可能となった。適格報奨金の25%が2010年
12月19日に権利確定し、残り75%は2011年12月19日から年賦で3等分で権利確定する予定である(但し指名された執行役員が該
当する各権利確定日まで当社に継続的に雇用されていることを条件とする。)。権利確定が可能とならなかった報奨金の60%は
今後3事業年度のいずれかの年度において当社の業績次第で獲得される可能性がある。
(3)
SEC規則が定めるところにより、これらの金額はASC第718号に従って計算された報奨の付与日時点の公正価値総額を示している。
これらの金額は、受領者が実際に(業績連動株式又は制限付株式報奨金の権利を確定すること等により)報奨から金銭的な利益
を実現したか又は実現する予定であるかについては示していない。かかる計算に使用された評価の前提に関する情報は、下記
「第6 経理の状況」の連結財務書類の注記13 「株主持分、包括利益及び株式報酬」を参照のこと。
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(c) 未行使の持分報奨金
以下の表は、2010年10月31日に終了した2010年度末現在、指名された執行役員が保有する未行使の持分報奨金の全容
を示している。
2010年度末現在の未行使の持分報奨金
オプション報奨金
氏名
マイケル・アール・ス
プリンター
行使可能な未
行使オプショ
ンの原証券数
行使不可能
な未行使オ
プションの
原証券数
持分報奨制度
の報奨金:未
行使未稼得の
オプションの
原証券数
株式報奨金(1)
オプション
行使価格
(ドル)
オプション行使
期限
権利が確定
していない
株式の株数
又はユニッ
ト数
権利が確定
していない
株又はユニ
ットの市場
価値
(ドル)(2)
持分報奨制
度の報奨
金:権利が
確定してい
ない未稼得
の株数、ユ
ニット数又
はその他の
権利数
持分報奨制
度の報奨
金:権利が
確定してい
ない未稼得
の株、ユニ
ット又はそ
の他の権利
の市場価値
又は支払価
値(ドル)(2)
400,000
700,000
705,000
900,000
1,200,000
300,000
−
−
−
−
−
−
−
600,000(3)
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
22.45
22.45
17.56
19.20
15.72
8.58
−
−
2010年12月8日
2010年12月8日
2011年12月7日
2012年12月13日
2013年5月12日
2014年3月9日
−
−
−
−
−
−
−
−
37,500(4)
35,000(5)
−
−
−
−
−
−
463,125
432,250
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
87,500(6)
122,500(7)
−
−
−
−
1,080,625
1,512,875
−
−
−
−
−
−
105,000(8)
350,000(9)
30,000(10)
50,000(11)
−
−
1,296,750
4,322,500
370,500
617,500
ジョージ・エス・デイ
ビス
125,000
60,000
200,000
−
−
−
−
−
−
400,000(12)
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
16.12
18.64
8.58
−
−
−
−
2011年11月3日
2012年12月1日
2014年3月9日
−
−
−
−
−
−
−
50,000(6)
61,250(3)
−
−
−
−
−
617,500
756,438
−
−
−
−
−
−
−
52,500(14)
200,000(15)
−
−
−
−
−
648,375
2,470,000
マーク・アール・ピン
ト
400,000
125,000
81,000
200,000
−
−
−
−
−
−
−
400,000(12)
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
23.39
16.12
18.64
8.58
−
−
−
−
2011年1月14日
2011年11月3日
2012年12月1日
2014年3月9日
−
−
−
−
−
−
−
−
31,250(6)
25,000(6)
70,000(16)
−
−
−
−
−
385,938
308,750
864,500
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
60,000(17)
200,000(15)
741,000
2,470,000
ランディール・タクー
ル
200,000
−
−
−
−
400,000(12)
−
−
−
−
−
−
−
−
−
8.58
−
−
−
−
2014年3月9日
−
−
−
−
−
39,375(18)
−
−
−
−
486,281
−
−
−
−
−
33,750(19)
112,500(20)
200,000(15)
−
−
416,813
1,389,375
2,470,000
ジョセフ・ジー・フラ
ナガン
−
−
−
−
−
175,000(21)
2,161,250
−
−
100,000
240,000
260,000
250,000
−
−
−
−
−
−
−
−
23.74
23.74
17.56
19.20
2010年11月17日
2010年11月17日
2011年7月30日
2011年7月30日
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
フランツ・ヤンカー
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アプライド マテリアルズ インク(E05851)
有価証券報告書
(1)
別段の定めがある場合を除き、株式報奨金は業績連動株式(「制限付株式ユニット」ともいう。)からのみ構成され、権利確定時
に当社普通株式に1対1の割合で転換される。2010年12月、人事及び報酬委員会は、本表で報告されている持分報奨制度の報奨金
に関する業績目標は2010年度に関して一部が達成されたと判断した。したがって、これらの報奨の一部は、下記の該当する注記に
記載のとおり、稼得され、権利確定した。
(2)
株式報奨金の市場価値は権利未確定又は未稼得の株式数に、ナスダック・グローバル・セレクト・マーケットで公表された2010
年度最終取引日である2010年10月29日付け当社普通株式の終値である12.35ドルを乗じて決定された。
(3)
オプションは2009年3月9日に付与された。当社での勤務を継続した場合、300,000株がそれぞれ2011年及び2012年の4月1日に行
使可能となる。
(4)
2007年1月25日に付与された業績連動制限付株式から成る。かかる株式の権利は2010年12月19日に確定した。
(5)
2007年12月10日に付与された業績連動制限付株式から成る。そのうち17,500株の権利は2010年12月19日に確定した。当社での勤
務を継続した場合、2011年12月19日に17,500株の権利が確定する。
(6)
業績連動株式は2007年1月25日に付与された。かかる株式の権利は2010年12月19日に確定した。
(7)
業績連動株式は2007年12月10日に付与された。そのうち61,250株の権利は2010年12月19日に確定した。当社での勤務を継続した
場合、2011年12月19日に61,250株の権利が確定する。
(8)
業績連動株式は2007年12月10日に付与された。そのうち19,687株の権利は2010年12月19日に確定した。当社での勤務を継続した
場合、2011年12月19日に6,563株の権利が確定する。特定の業績目標が達成されることを条件とし、当社での勤務を継続した場合、
78,750株の権利が2011年12月19日に確定する。
(9)
業績連動株式は2010年1月19日に付与された。そのうち35,000株の権利は2010年12月19日に確定した。それぞれの権利確定日ま
で当社での勤務を継続した場合、それぞれ2011年、2012年及び2013年の12月19日に35,000株の権利が確定する。特定の業績目標が
達成されることを条件とし、当社での勤務を継続した場合、105,000株の権利が2011年12月19日に、52,500株の権利がそれぞれ
2012年及び2013年の12月19日に確定する。
(10) 2007年12月10日に付与された業績連動制限付株式から成る。 そのうち5,625株の権利は2010年12月19日に確定した。権利確定日
まで当社での勤務を継続した場合、2011年12月19日に1,875株の権利が確定する。特定の業績目標が達成されることを条件とし、
当社での勤務を継続した場合、22,500株の権利が2011年12月19日に確定する。
(11) 2010年1月19日に付与された業績連動制限付株式から成る。そのうち5,000株の権利は2010年12月19日に確定した。当社での勤務
を継続した場合、それぞれ2011年、2012年及び2013年の12月19日に5,000株の権利が確定する。特定の業績目標が達成されること
を条件とし、当社での勤務を継続した場合、15,000株の権利が2011年12月19日に、7,500株の権利がそれぞれ2012年及び2013年の
12月19日に確定する。
(12) オプションは2009年3月9日に付与された。 当社での勤務を継続した場合、200,000株がそれぞれ2011年及び2012年の4月1日に
行使可能となる。
(13) 業績連動株式は2007年12月10日に付与された。 そのうち30,625株の権利は2010年12月19日に確定した。 当社での勤務を継続し
た場合、2011年12月19日に30,625株の権利が確定する。
(14) 業績連動株式は2007年12月10日に付与された。そのうち9,843株の権利は2010年12月19日に確定した。当社での勤務を継続した場
合、2011年12月19日に3,282株の権利が確定する。特定の業績目標が達成されることを条件とし、当社での勤務を継続した場合、
39,375株の権利が2011年12月19日に確定する。
(15) 業績連動株式は2010年1月19日に付与された。そのうち20,000株の権利は2010年12月19日に確定した。それぞれの権利確定日ま
で当社での勤務を継続した場合、それぞれ2011年、2012年及び2013年の12月19日に20,000株の権利が確定する。特定の業績目標が
達成されることを条件とし、当社での勤務を継続した場合、60,000株の権利が2011年12月19日に、30,000株の権利がそれぞれ2012
年及び2013年の12月19日に確定する。
(16) 業績連動株式は2007年12月10日に付与された。そのうち35,000株の権利は2010年12月19日に確定した。当社での勤務を継続した
場合、2011年12月19日に35,000株の権利が確定する。
(17) 業績連動株式は2007年12月10日に付与された。そのうち11,250株の権利は2010年12月19日に確定した。当社での勤務を継続した
場合、2011年12月19日に3,750株の権利が確定する。特定の業績目標が達成されることを条件とし、当社での勤務を継続した場合、
45,000株の権利が2011年12月19日に確定する。
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(18) 業績連動株式は2008年5月27日に付与された。そのうち19,687株の権利は2010年12月19日に確定した。当社での勤務を継続した
場合、2011年12月19日に19,688株の権利が確定する。
(19) 業績連動株式は2008年5月27日に付与された。そのうち6,328株の権利は2010年12月19日に確定した。当社での勤務を継続した場
合、2011年12月19日に2,110株の権利が確定する。特定の業績目標が達成されることを条件とし、当社での勤務を継続した場合、
25,312株の権利が2011年12月19日に確定する。
(20) 業績連動株式は2008年5月27日に付与された。そのうち21,093株の権利は2010年12月19日に確定した。当社での勤務を継続した
場合、2011年12月19日に7,032株の権利が確定する。特定の業績目標が達成されることを条件とし、当社での勤務を継続した場合、
84,375株の権利が2011年12月19日に確定する。
(21) 業績連動株式は2010年2月16日に付与された。 当社での勤務を継続した場合、43,750株の権利はそれぞれ2011年、2012年、2013年
及び2014年の3月1日に確定する。
(d) オプションの行使及び権利が確定した株式
以下の表は、2010年10月31日に終了した2010年度において指名された執行役員により行使されたストックオプション
及び行使時に実現した価値、並びに権利が確定した株式報奨金及び権利確定時に実現した価値の全容を示している。
2010年度に行使されたオプション及び権利が確定した株式
オプション報奨金
氏名
行使時に
取得した
株式数
株式報奨金
行使時に
実現した価値
(ドル)
権利確定時に
取得した
株式数(1)
権利確定時に
実現した価値
(ドル)(2)
マイケル・アール・スプリンター
−
−
203,750
2,774,525
ジョージ・エス・デイビス
−
−
80,625
1,098,113
マーク・アール・ピント
−
−
91,250
1,242,825
ランディール・タクール
−
−
19,688
268,151
ジョセフ・ジー・フラナガン
−
−
−
−
200,000
1,006,060
110,000
1,498,200
フランツ・ヤンカー
(1) この欄に示される金額のうち、スプリンター氏のために89,015株、デイビス氏のために30,516株、ピント博士のために35,859株、タ
クール博士のために7,222株及びヤンカー氏のために45,508株を源泉徴収義務のために当社が差し引いた。
(2) 実現価値は、権利確定日の当社普通株式の公正市場価値に権利が確定した株式数を乗じた額に等しい。但し、制限付株式の1株当
たりの価格である0.01ドルと権利確定日の当社普通株式の公正市場価値の差額に権利が確定した株式数を乗じた額に相当する、
制限付株式55,000株の権利確定時のスプリンター氏による実現価値を除く。
(e) 年金給付
2010年度末現在、当社の確定給付型年金制度に基づく累積年金給付を受けた指名された執行役員はいなかった。当社
は米国外の一部の事務所に所在する従業員に対してのみ確定給付型年金制度を提供している。
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(f) 非適格繰延報酬
当社は、アプライド・マテリアルズ・インク2005年執行役員繰延報酬制度(以下、「2005年EDCP」という。)とアプラ
イド・マテリアルズ・インク執行役員繰延報酬制度(以下、「旧制度」という。)(以下、「繰延報酬制度」と総称す
る。)の2つの非適格繰延報酬制度を運営している。2005年EDCPにより、執行役員を含む適格な従業員は任意で、(1)適格
な就任時賞与支払額(もしあれば)(2)一定金額を超える分の基本給与、(3)適格な年間賞与支払額(もしあれば)、(4)
適格な退職金支払額(もしあれば)の全額又は一部の受領を繰り延べることができる。旧制度により、執行役員を含む
適格な従業員は任意で、一定金額を超える分の基本給与及び/又は適格な年間賞与支払額の全部又は一部(もしあれ
ば)の受領を繰り延べることができる。旧制度は2004年12月31日に凍結され、同日以降同制度に基づく新たな報酬の繰
延べを行えなくなった。
繰延報酬制度に基づく繰延金額は、(a)5年米国中期国債の最終利回りに(b)1.50%を加えたみなし利息の合計額が付
されて貸方記入される。繰延金額とそのみなし利息を加えた金額は、通常、参加者が選択した日又は繰延報酬制度の規定
に基づき指定された日に支払われる。当社は繰延報酬制度に対するマッチング拠出又はその他雇用主からの拠出を行っ
ていない。
以下の表は、繰延報酬制度に基づく指名された執行役員に関する一定の情報を示している。
2010年度の非適格繰延報酬
氏名
前事業年度
における
執行役員への
拠出金
(ドル)
前事業年度
における
登録者への
拠出金
(ドル)
前事業年度
における
所得総額
(ドル)(1)
引出額/
分配額
の合計額
(ドル)
前事業年度末
現在の
残高合計額
(ドル)
マイケル・アール・スプリンター
−
−
−
−
−
ジョージ・エス・デイビス
−
−
29,179
3,855
833,121
マーク・アール・ピント
−
−
−
−
−
ランディール・タクール
−
−
−
−
−
ジョセフ・ジー・フラナガン
−
−
−
−
−
フランツ・ヤンカー
−
−
120,534
326,850
3,174,060
(1) 2010年度については市場水準を上回る所得はなかった。
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(g) 雇用契約及び退職契約
(i) 雇用契約
社長兼最高経営責任者として当社への入社を勧誘するために、2003年4月21日に、当社は、マイケル・アール・
スプリンター氏との間で契約(2008年12月8日付修正・改訂済)を締結した。かかる修正・改訂雇用契約に基づ
き、スプリンター氏が理由なく解雇された場合、その時点での年間基本給与の275%の金額に相当する一時金を受
け取ることができる。また、スプリンター氏の雇用契約には、同氏が理由なく解雇された場合、解雇後12ヶ月間に権
利が確定したはずのストックオプションは、同氏の退職日に権利が確定する旨が定められている。また、解雇され
た場合、別段の要請がない限り、スプリンター氏は取締役会を辞任する。
当社が、当社の2010年度の最終営業日である2010年10月29日に理由もなくスプリンター氏を解雇した場合、スプ
リンター氏は同氏の修正・改訂雇用契約に基づき、(a)一括払いによる2010年度末現在の年間基本給与の275%
である2,695,000ドル、及び(b)300,000株の普通株式についてのストックオプションの繰上げによる権利確定か
ら成る退職金を受領したことになる。当該オプションの行使価格である8.58ドルと2010年10月29日付け当社普通
株式の終値である12.35ドルの間の差額に基づくと、かかるオプションの正味価格は1,131,000ドルである。
(ⅱ) フランツ・ヤンカーとの退職契約
2010年7月10日、当社は当社の元企業会計管理担当上席副社長で2010年7月30日付で退職したフランツ・ヤン
カーと退職契約を締結した。かかる契約に基づき、当社は、ヤンカー氏が継続的にかかる契約を遵守することを条
件として、ヤンカー氏に合計1,979,314ドルの現金による退職金を3回(2010年8月15日に714,657ドル、2011年1
月31日に550,000ドル、2011年8月1日に714,657ドル)に分けて支払うことに合意した。同契約はまた、ヤンカー
氏による継続的な守秘義務、悪評禁止義務、勧誘禁止義務及び競業避止義務に加えて、当社に賛同する旨の一般的
な通達を規定している。
他の指名された執行役員は当社と雇用契約又は退職契約を締結していない。
(h) 関係者間取引に関する方針及び手続き
取締役会は、関係者間取引が潜在的又は実際の利益相反の高度なリスクを示しうることに関する責任及び認識を果た
す高水準で倫理的な行為を維持するよう努力している。したがって、一般事項として、関係者間取引を回避することは当
社の優先事項である。
当社の監査委員会憲章では、社外取締役で構成される監査委員会の委員は、SEC規則及びNasdaq上場基準を含む適用法
令により承認が要求される全ての関係者間取引の審査及び承認を行うことが要求されている。現在のSEC規則は、当社が
関与し、以下の者が直接又は間接的に利益を得たか又は得ることになるいかなる取引、取決め及び関係を関係者間取引
に含めることを定めている。
・当社の執行役員、取締役又は取締役候補者
・当社普通株式の5%以上の実質所有者として知られる者
・執行役員、取締役若しくは取締役候補者又は当社普通株式の5%以上の実質所有者の近親者(SECレギュレーショ
ンS-K第404項で定義される者)である者、及び
・上記の者が雇用されているか又はパートナー若しくはプリンシパルであるか又は同様の地位にある、又はかかる者
が上記のその他の者とともに5%以上の実質所有権を有する事務所、会社又はその他の事業体
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さらに、監査委員会は、利益相反及び当社のビジネス行動規範の遵守を含む経営管理の整合性に関連する事項の審査
及び調査に対する責任を負う。ビジネス行動規範に基づき、取締役、役員及びその他の従業員メンバーは利益相反を生じ
させる又は生じることが明らかである関係、影響又は活動を回避することが求められる。当社のコーポレート・ガバナ
ンス・ガイドラインは、関与する潜在的又は実際の利益相反はを速やかに取締役会に開示するよう取締役会に要求して
いる。同ガイドラインに基づき、取締役会は個別的に適切な判断を下す。全ての取締役は個人的、事業上又は専門的な利
益に影響する議論又は判断を避けなければならない。
全ての関係者間取引はSEC規則に基づき要求される通りにSECに対する適切な提出文書において開示されるものとす
る。
(i) 一定の関係及び関連する取引
該当なし。
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(2) 取締役
(イ) 取締役の状況
当社の取締役会は毎年年次株主総会において選任される。11名の取締役が2011年3月8日の総会で選出された。各取締
役は2012年の年次株主総会まで、適格に選任された他の取締役により継承されるまで又はそれ以前に当人が死亡、辞任若
しくは解任した場合はそれまで任務を継続する。当社取締役についての詳細は、以下のとおりである。2010年12月31日現在
の株式の所有に関する情報については、「第5 − 提出会社の状況 − 1 株式等の状況 − (4) 大株主の状況」を参照の
こと。
(2011年3月8日現在)(1)
氏 名
(年齢)
主たる職業
マイケル・アール・スプリン 当社取締役会会長
ター
兼社長兼最高経営
(Michael R. Splinter)
責任者
(60歳)
取締役
就任年
2003年
略 歴
2009年3月より当社取締役会会長を、2003
年4月より当社取締役及び社長兼最高経営
責任者を務めている。1984年から2003年4
月まで、半導体チップ及びコンピュータ、
ネットワーキング並びに通信機器製造会社
であるインテル・コーポレーションに勤務
し、最近は上席副社長兼販売及びマーケ
ティング・グループのディレクターを務め
ていた。インテルでは、上席副社長並びに技
術及び製造グループのゼネラル・マネー
ジャーを含む様々な管理職を経験した。イ
ンテルに勤める以前は、ロックウェル・イ
ンターナショナルに10年間勤務した。
NASDAQ OMXグループ・インクの取締役を務
めている。
技術/情報分野において35年以上の勤務経
験を有し、グローバル・ビジネス、運営、
マーケティング及び産業における広範な経
験を発揮し取締役会を統率している。当社
の最高経営責任者として、取締役会におい
て当社の戦略的な見通しを示し、複雑な業
界、世界的な課題及び機会に関する経営の
経験及びそれらに対する理解をもたらすこ
とで取締役会による経営上の主要な観点か
らの監視を可能にしている。ナスダックOMX
グループの取締役会における勤務により、
コーポレート・ガバナンスの着実な履行及
び様々な産業の企業が直面する多岐にわた
る問題における広範なリスクに対する理解
を深めている。
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氏 名
(年齢)
アート・ジェイ・デ・ゲウス
(Aart J. de Geus)
(56歳)
主たる職業
取締役
就任年
略 歴
シノプシス・イン
ク
会長兼最高経営責
任者
2007年
コンピュータによる設計の自動化(EDA)
ソフトウェア及び半導体設計会社向け関連
サービスの提供業者であるシノプシス・イ
ンクの共同設立者であり、現在、取締役会会
長兼最高経営責任者を務めている。1986年
以来、デ・ゲウス博士はシノプシスで取締
役を務め、社長、技術担当上級副社長及び
マーケティング担当上級副社長など様々な
役職に就いてきた。1982年から1986年まで、
デ・ゲウス博士はゼネラル・エレクトリッ
ク・カンパニーに勤務し、コンピュータ支
援先進技術グループのマネージャーを務め
た。
1986年に共同で設立したシノプシスを設立
から一流の株式公開会社に成長させた経験
がある。約25年に及ぶ経営上及び技術面で
の統率力により、革新、経営開発、世界的な
課題や機会について指図する他、各成長段
階まで会社を主導している。
スティーブン・アール・フォ ミシガン大学研究
レスト
所副所長
(Stephen R. Forrest)
(60歳)
2008年
2006年1月からミシガン大学研究所副所長
を務めており、同大学の工学部において電
気工学及びコンピュータ科学の教授に、ま
た、文学・科学・学芸学部において物理学
の教授に任命されている。同大学の光電子
部品及び素材グループを指揮している。
1992年から2005年まで、プリンストン大学
において電子工学部長、光学素材及び光電
子素材に関するセンター長、統合光学技術
センター長等の多くの役職に就いていた。
プリンストン大学以前は、サザン・カリ
フォルニア大学電子工学及び物質科学の教
授陣の一員であった。
優れた学術的主導者として、半導体及び代
替エネルギー技術の広範な知識と研究開
発、ポートフォリオ管理、政策、技術ライセ
ンス及び製品の商品化に関する経験を取締
役会にもたらしている。技術を通じて経済
的な転換を達成するという職能上の枠を超
えた活動により独自の見識を有している。
業界、政府、企業家及びコミュニティーにお
けるリーダーと緊密に仕事を行い、国家の
経済を多角化し、世界的な競争力を高める
ために代替エネルギーやその他の技術に焦
点を当てた事業の開発を行っている。
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氏 名
(年齢)
主たる職業
取締役
就任年
略 歴
トーマス・ジェイ・イアノッ
ティ
(Thomas J. Iannotti)
(54歳)
ヒューレット−
パッカード・カン
パニー
上級副社長兼エン
タープライズ・
サービス担当ゼネ
ラ ル ・ マ ネ ー
ジャー
2005年
2009年2月以降、世界的に一般消費者、会社
及び公共機関向けにテクノロジーソリュー
ションを供給する会社であるヒューレット
−パッカード・カンパニーの上級副社長兼
エンタープライズ・サービス担当ゼネラル
・マネージャーを務めている。2002年から
2009年1月までの間、ヒューレット−パッ
カードにおいて、最近では上級副社長及び
南北アメリカ・エンタープライズ・ビジネ
ス・グループ担当執行取締役を含む様々な
管理職を務めた。1978年から2002年まで、デ
ジタル・イクイプメント・コーポレーショ
ンに、またデジタル・イクイプメント・
コーポレーション買収後はコンパック・コ
ンピュータ・コーポレーションに勤務して
いた。
産業及び技術の広範で深い知識、統率力、並
びにヒューレット-パッカードにおける現
在の上級管理職を含め、30年以上にわたり
数々の技術系株式公開会社で様々な業務執
行職に就いた幅広い経験を有している。ア
ジア及びヨーロッパを含む、世界、地域、国
のそれぞれのレベルでのサービス管理につ
いての経験は、当社取締役会に有益な観点
をもたらしている。
スーザン・エム・ジェームズ
(Susan M. James)
(64歳)
アーンスト・アン
ド・ヤング・エル
エルピー
元パートナー
2009年
1987年から2006年まで保険、税金、商取引及
び助言サービスの世界的な大手事務所であ
るアーンスト・アンド・ヤング・エルエル
ピーにおいてパートナーを務めていた。
1975年にアーンスト・アンド・ヤングに入
社し、2006年に退職後、2009年12月まで同事
務所の顧問を務めた。また、2002年1月から
2006年6月までアーンスト・アンド・ヤン
グの南北アメリカ執行取締役会のメンバー
を務めていた。公認会計士であり、米国会計
士協会のメンバーである。コーヒレント・
インク及びヤフー・インクの取締役会のメ
ンバーを務めている。
ジェームズ氏が取締役会にもたらす能力に
は、35年に及ぶアーンスト・アンド・ヤン
グでの勤務で得た広範な財務・会計の経
験、確かな統率力、世界的なテクノロジー企
業との広範な経験がある。独立会計監査人
としての経験を通じて、会計方針、財務報告
規則を深く理解し、監査手続きの知識を得
た。さらに、コヒーレント及びヤフー!にお
ける現監査委員会委員長を務めながら、当
社の監査委員会のメンバーとしての役務に
おいて統率力を発揮し、有益な観点をもた
らしている。
81/206
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アプライド マテリアルズ インク(E05851)
有価証券報告書
氏 名
(年齢)
主たる職業
取締役
就任年
略 歴
アレクサンダー・エー・カー
スナー
(Alexander A. Karsner)
(43歳)
マニフェスト・エ
ネルギー・エルエ
ルシー
最高経営責任者
2008年
2009年7月以降、クリーンエネルギーイン
フラ開発及び金融会社であるマニフェスト
・エネルギー・エルエルシーの最高経営責
任者を務めていた。2006年3月から2008年
8月まで米国エネルギー省においてエネル
ギー効率及び再生可能エネルギー担当秘書
役補佐を務めていた。2002年4月から2006
年3月まで、再生可能エネルギーのインフ
ラに関する国際的なプロジェクト開発・運
営・資金調達に携わる民間企業であるエネ
ルコープ・エルエルシーの執行取締役を務
めていた。また、テキサスのトンデュー・エ
ネルギー・システムズ、フィンランドの
ヴァルチラ・パワー・ディベロップメント
及びその他エネルギー関連企業及びエネル
ギー開発の多国籍企業に勤めていた。現在
はコデキシス・インクの取締役会のメン
バーを務めている。
エネルギー産業及び関連する公共政策にお
ける経験及び知識を取締役会にもたらして
いる。特に、再生可能エネルギー政策、技術
及び商業化における統率力、国内外でのエ
ネルギー市場における経験は、革新、戦略及
び市場の多角化に対する取締役会の観点を
広げた。コデキシスの取締役会での役務に
より、クリーン・エネルギー及び代替技術
に関する問題点の理解をさらに深めてい
る。
ガーハード・エイチ・パー
カー
(Gerhard H. Parker)
(67歳)
インテル・コーポ
レーション
元上席副社長
(ニュー・ビジネス
・グループ)
2002年
1998年以降、2001年5月に退任するまで、
チップ並びにコンピュータ・ネットワーク
及び通信関連製品の製造メーカーであるイ
ンテル・コーポレーションの上席副社長
(ニュー・ビジネス・グループ担当)、1988
年から1998年までは、インテルのテクノロ
ジー&マニュファクチャリング・グループ
上級副社長であった。現在は、エフイーアイ
・カンパニー及びラティス・セミコンダク
ター・コーポレーションの取締役会のメン
バーを務めている。
製造、技術、オペレーション及び戦略面での
広範な経験を取締役会にもたらしている。
さらに、インテルにおいて新規事業、世界規
模での製造及び技術開発を行った上級業務
執行役としての長年の経験は、取締役会に
よるこれらの分野の監督に役立っている。
FEIの取締役会長を含む、FEI及びラティス
・セミコンダクターの取締役会における役
務により、戦略、世界的な課題と機会に関す
る更なる経験及び取締役会の統率力をもた
らしている。
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氏 名
(年齢)
デニス・ディー・パウエル
(Dennis D. Powell)
(63歳)
主たる職業
取締役
就任年
略 歴
シスコ・システム
ズ・インク
元上席副社長
元最高財務責任者
2007年
2008年2月から2010年9月までネットワー
ク製品及びサービスの提供業者であるシス
コ・システムズ・インクの上席顧問を務め
た。2003年5月から2008年2月まで、同社の
最高財務責任者を務めていた。同職に加え
て、2007年8月から上席副社長を、2003年5
月から上級副社長を務めていた。また1997
年にシスコに入社して以来、コーポレート
ファイナンス担当上級副社長及びコーポ
レートコントローラー担当副社長を務めて
きた。シスコに入社する以前、クーパース・
アンド・ライブランド・エルエルピーに26
年間務め、最終役職はシニア・パートナー
であった。現在はイントゥイット・インク
及びヴィエム・ウェア・インクの取締役会
のメンバーを務めている。
シスコの最高財務責任者として財務上の戦
略及び管理を行っていたこと及びクーパー
ス・アンド・ライブランドにおいて独立会
計監査人として26年間勤務したことから得
た、財務・会計の多くの専門的知識及び経
営管理の経験を取締役会にもたらしてい
る。イントゥイット及びヴィエム・ウェア
の取締役及び監査委員会のメンバーとして
の現在の役務は、コーポレート・ガバナン
スに関する同氏の見識を広め、当社の監査
委員会委員長としての観点を向上させてい
る。
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氏 名
(年齢)
ウィレム・ピー・ロレンツ
(Willem P. Roelandts)
(66歳)
主たる職業
取締役
就任年
略 歴
ザイリンクス・イ
ンク
元取締役会会長兼
社長兼最高経営責
任者
2004年
2003年7月から2009年2月まで、プログラ
マブルロジックソリューションの供給業者
であるザイリンクス・インクの取締役会会
長を、1996年1月から2009年8月まで取締
役を務めていた。1996年1月から2008年1
月までザイリンクスの社長兼最高経営責任
者を務めた。ザイリンクス入社以前には、
ヒューレット・パッカード・カンパニーに
29年間勤務し、様々な要職を歴任した。最終
役職はCSO(Computer Systems
Organizations)の上級副社長兼ゼネラル
マネージャーであった。現在、アルバ・ネッ
トワークス・インクの取締役を務めてい
る。サンタクララ大学の科学技術社会
(STS)センターの諮問委員会の委員でも
ある。
ザイリンクスの社長、最高経営責任者及び
取締役会を13年間務めたこと、またヒュー
レット・パカードにおいて約30年間に様々
な業務執行役を務めたことから、戦略・部
門ライン管理、技術革新、市場多様化、経営
管理に関して多くの経験を有している。グ
ローバルな経営管理の広範な経験により、
革新や研究開発が原動力となる企業におい
て成功に導くものは何かを深く理解するこ
とになり、その理解は当社取締役会に有益
な観点を提供している。アルバ・ネット
ワークスにおける取締役及び報酬委員会メ
ンバーとしての現在の役務は同氏の観点を
さらに広げている。
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氏 名
(年齢)
主たる職業
取締役
就任年
略 歴
ジェームズ・イー・ロジャー
ス
(James E. Rogers)
(63歳)
デューク・エネル
ギー・コーポレー
ション
社長兼会長兼最高
経営責任者
2008年
電力及び天然ガスのサービスを供給する電
力会社であるデューク・エネルギー・コー
ポレーションにおいて、2007年から会長を、
2006年から社長兼最高経営責任者及び取締
役会のメンバーを務めている。1994年以降、
電力及びガスのサービスの提供会社である
シナジー・コーポレーションがデューク・
エネルギーと合併した2006年まで、シナ
ジー・コーポレーションの会長兼最高経営
責任者を務めた。1988年から1994年まで
ピーエスアイ・エネルギー・インクの会長
兼社長兼最高経営責任者であった。1995か
ら2009年までフィフス・サード・バンコー
プの取締役を務め、現在はシグナ・コーポ
レーションの取締役を務めている。
高度に規制されたエネルギー産業におい
て、デューク・エネルギーにおける現在の
会長兼社長兼最高経営責任者を含め、20年
以上に及ぶ公共事業会社での最高経営責任
者としての勤務から、エネルギー分野にお
ける幅広い知識及び経験の他、グローバル
での指導的地位の経験を取締役会にもたら
している。さらに、以前に他の企業で報酬委
員会に勤務しており、また現在はシグナの
報酬委員会委員長を務めていることから、
当社の人事及び報酬委員会のメンバーとし
ての役務に貢献している。
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氏 名
(年齢)
ロバート・エイチ・スワン
(Robert H. Swan)
(50歳)
主たる職業
取締役
就任年
略 歴
eBayインク
財務担当上級副社
長兼最高財務責任
者
2009年
2006年3月から、インターネット上の市場
及び決済サービスのプロバイダーである
eBayインクの財務担当上級副社長兼最高財
務責任者を務めている。2003年から2006年
3月まで、エレクトロニック・データ・シ
ステムズ・コーポレーションの最高財務責
任者兼上席副社長を務めていた。また2001
年から2002年まで、TRWインクにおいて上席
副社長兼最高財務責任者を務め、1999年か
ら2001年までウェブヴァン・グループ・イ
ンクにおいて様々な執行役に就いていた。
就職してから15年間、ゼネラル・エレクト
リック・カンパニーで様々な役職に就い
た。
eBayにおいて現在の最高財務責任者とし
て、またグローバルな大企業における以前
の役職で長年、財務管理に携わってきたこ
とから、多くの財務及びグローバルな財務
管理の経験を有している。さらに、eBayにお
いて多くの管理及び指導力を有している。
同社において、コントローラー、財務計画及
び財務分析、税務、財務、監査、合併・買収並
びに投資家向け開示等、eBayの財務機能全
般に責任を有している。同氏の財務経験並
びに管理及び指導力は取締役会及び監査委
員会にとって有益である。
(1) 年齢、主たる職業及び略歴は、2011年1月27日現在のものである。
(2) ジェームズ・シー・モーガン氏は2009年3月から当社の名誉会長を務めている。同氏は当社の取締役及び従業員とし
ての勤務が31年を超え、そのうち20年以上、取締役会会長を務めた。同氏は1976年に当社に入社し、1977年から2003年
まで最高経営責任者を務めていた。名誉会長として、同氏は取締役会及び委員会への出席を招聘されているが、議決権
はなく、依頼報酬又は会議出席費用は一切受領していない。
取締役及び当社執行役員との間に一切の親族関係はない。当社の執行役員は、取締役会の裁量に基づき任務を遂行して
いる。
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(ロ) 取締役の報酬
(a) 依頼報酬及び会議出席費用
当社の従業員たる取締役は、取締役としての職務に対する報酬を別途受領することはない。2010年度中に、社外取締役各
人は、四半期ごとに分割して支払われる65,000ドルの年間依頼報酬及び1回の会議につき2,000ドルの取締役会の委員会
への出席費用(取締役会への出席に関するものを除く。)を受領した。勤務期間が1事業年度未満の社外取締役各人は年
間依頼報酬について当該取締役の事業年度における勤務期間に基づき比例按分した額を受領する。コーポレート・ガバナ
ンス及び指名委員会、戦略委員会の各委員長は追加で1年当たり10,000ドルを受領し、人事及び報酬委員会委員長及び主
任社外取締役はそれぞれ1年当たり追加で15,000ドルを受領した。監査委員会委員長は1年当たり追加で20,000ドル受領
した。社外取締役が2つ以上の委員会の委員長を務めているか又は主任社外取締役及び委員会の委員長である場合、その
うち単独の役職において最高支払額の役職についてのみ年間報酬を受領する。2011年度の取締役会の報酬水準に変更はな
かった。
2010年度における社外取締役に対する現金報酬は以下の通りである。
2010年度
(ドル)
年間依頼報酬(1)
65,000
委員会の委員長及び主任社外取締役に係る年間依頼報酬:
監査委員会
85,000
コーポレート・ガバナンス及び指名委員会
75,000
人事及び報酬委員会
80,000
戦略委員会
75,000
主任社外取締役
80,000
1回の取締役会出席費用
0
1回の委員会出席費用
2,000
(1) 社外取締役が、(a)監査委員会、コーポレート・ガバナンス及び指名委員会、人事及び報酬委員会又は戦略委員会の委員長、又は(b)主任社外
取締役でない場合に当該年間依頼報酬を受領する。
上記の依頼報酬及び会議出席費用に加えて、社外取締役は取締役会及び委員会出席、当社のための業務上のイベント並
びに取締役の責務に関する議題のセミナー及びプログラムへの出席に係る交通費、その他妥当な必要経費の払戻しを受け
る。
(b) 慈善寄付
2010年12月、人事及び報酬委員会はアプライド・マテリアルズ基金マッチング・ギフト制度への社外取締役の参加を承
認した。かかる制度に基づき、同基金は社外取締役の適格な非営利団体及び教育団体に対する寄付に関して取締役1名に
つき年間2,000ドルを上限として寄付金に上乗せして拠出する。社外取締役はマッチング拠出の上限金額及びその他の規
定につき当社の従業員と同じ条件に服する。
(c) 株式報酬制度
社外取締役株式購入制度
社外取締役株式購入制度に基づき、当社の社外取締役は、依頼報酬及び/又はその他取締役会における役務のために現
金で支払われる会議出席費用の代わりに当社普通株式を受領することを毎年選択することができる。取締役がこの選択を
した場合、四半期の依頼報酬は、現金で支払われる場合を除き、定期取締役会開催日(又は複数日にわたり開催される取締
役会の最終日)の1株当たりの公正市場価値の100%の額に基づき、当社普通株式に転換される。会議出席費用は、現金で
支払われる場合を除き、委員会の開催日(又は複数日にわたり開催される会議の最終日)における1株当たりの公正市場
価値の100%の額に基づき、当社普通株式に転換される。過去の依頼報酬及び/又は会議出席費用のうち株式で支払われな
い分は現金で支払われる。同制度に基づき加入する取締役に発行された株式は全額権利が確定し、課税対象となるが、当社
は当該株式の購入価格の割引は行わない。
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業績連動株式
社外取締役は、従業員株式報奨制度と呼ばれる1つの株式報奨制度に加入している。同制度は当社の社外取締役各人に
対して以下に記載される業績連動株式(以下、「制限付株式ユニット」ともいう。)の自動的な付与を定めている。
・ 200,000ドルを付与日現在の当社普通株式1株当たりの公正市場価値の100%の額で除した数に相当する業績連動株式
の株式数(単元未満は切り下げる。)の付与(以下、「年間付与」という。)を各株主総会日に行う。
・ 200,000ドルを割当てられた付与日現在の当社普通株式1株当たりの公正市場価値の100%の額で除した数に相当する
業績連動株式の株式数(単元未満は切り下げる。)を社外取締役が取締役会に最初に任命又は選任された日から次の
株主総会日までの期間を反映させるために比例按分して行う当初付与(以下、「当初付与」という。)を、第一期任命
日又は選任日に行う。株主総会日に取締役会への第一期任命又は選任を受ける社外取締役は当初付与は受けず、上記の
年間付与を受ける。
2010年度に社外取締役に対して付与された業績連動株式は以下の通りである。
・ 当社の株主総会日である2010年3月9日に、イアノッティ氏、カースナー氏、パウエル氏、ロレンツ氏、ロジャース氏、ス
ワン氏、ジェームズ氏、デ・ゲウス博士、フォレスト博士及びパーカー博士の各氏に対して16,273株の業績連動株式の
年間付与が行われた。
・ ジェームズ氏は、社外取締役としての第一期任命日である2009年12月7日に3,845株の業績連動株式の当初付与を受け
た。
取締役会及び人事及び報酬委員会は今後、従業員株式報奨制度に基づく社外取締役に付与される業績連動株式の株式数
を変更する可能性がある。通常、取締役会での社外取締役の継続的な勤務を条件として、2009年度前に社外取締役に付与さ
れた業績連動株式及び2009年度以降に行われる当初付与は、付与日の1年後から年賦で4回に分けて権利確定する予定で
ある。通常、取締役会での社外取締役の継続的な勤務を条件として、2009年度以降に行われる業績連動株式の年間付与は、
付与された年の翌年の3月1日から年賦で4回に分けて権利確定する予定である。
2009年度より前に付与された業績連動株式については、社外取締役が死亡した場合はその権利確定が繰り上げられる。
2009年度以降に付与される業績連動株式については、社外取締役が適格な退職、障害又は死亡により取締役会における任
務を終了した場合は、その権利確定は継続されるか又は繰り上げられる。さらに、当社の普通株式の長期的な保有を奨励す
るために、2009年度以降に行われる業績連動株式の付与に関しては、社外取締役は業績連動株式の権利確定時に受領する
ことになる当社普通株式の受領を当該取締役の任期終了まで繰り延べることを事前に選択することができる。ロジャース
氏、スワン氏及びジェームズ氏は、2010年度に付与された業績連動株式の権利確定時に受領することになっていた当社普
通株式の受領を繰り延べることを選択した。
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下記の表は2010年度の当社の現社外取締役及び元社外取締役の報酬に関する情報を示している。
2010年度取締役報酬
氏 名
現金で稼得
又は支払わ
れた報酬
(ドル)
株式報奨金
(ドル)
(1)(2)(3)
オプション
報奨金
(ドル) (4)
持分以外の
報奨制度に
よる報酬
(ドル)
年金原資及び
非適格繰延報
酬所得の変動
額
(ドル)
その他の
全報酬
(ドル)
合計
(ドル)
アート・ジェイ・デ・ゲウス
81,000
188,930
−
−
−
−
269,930
スティーブン・アール・フォレ
スト
71,000
188,930
−
−
−
−
259,930
トーマス・ジェイ・イアノッ
ティ
83,000
188,930
−
−
−
−
271,930
スーザン・エム・ジェームズ
(5)
85,000
237,646
−
−
−
−
322,646
アレクサンダー・エー・カース
ナー
71,000
188,930
−
−
−
−
259,930
ガーハード・エイチ・パーカー
103,000
188,930
−
−
−
−
291,930
デニス・ディー・パウエル
112,000
188,930
−
−
−
−
300,930
ウィレム・ピー・ロレンツ
98,000
188,930
−
−
−
−
286,930
ジェームズ・イー・ロジャース
77,000
188,930
−
−
−
−
265,930
ロバート・エイチ・スワン
91,000
188,930
−
−
−
−
279,930
フィリップ・ヴィ・ガーディン
(6)
56,500
−
−
−
−
300(7)
56,800
(1) 記載されている金額は取締役が実際に受領した報酬額を示しているわけでない。「株式報奨金」の欄に記載されている価値は、ASC第718号
に従って定められた2010年度に付与された業績連動株式の付与日時点の公正価値総額を示している。
(2) 2010年3月9日付に付与された16,273株の業績連動株式及び2009年12月7日付で付与された3,845株の業績連動株式の付与日時点の公正
価値総額を示しているジェームズ氏の金額を除き、取締役各人の金額は、2010年3月9日付で付与された16,273株の業績連動株式の付与
日時点の公正価値総額を示している。
(3) 2010年度末現在、取締役の権利未確定の業績連動株式数は以下のとおりである。デ・ゲウス博士は37,542株、フォレスト博士とカースナー
博士はそれぞれ42,542株、イアノッティ氏とパーカー博士はそれぞれ35,042株、ジェームズ氏は20,118株、パウエル氏は42,964株、ロレン
ツ氏は40,464株、ロジャース氏は47,964株、スワン氏は32,542株、ガーディン氏は16,269株。パウエル氏、ロレンツ氏及びロジャース氏が保
有する業績連動株式には、権利が確定し、取締役各人の選択により当社普通株式に転換され、当社取締役会から退任する日に支払われた
5,422株が含まれている。
(4) 2010年度において取締役は新たなオプションの付与を受けなかった。2010年度末現在、取締役には当社普通株式(イアノッティ氏は70,000
株、パーカー博士とガーディン博士は75,000株、ロレンツ氏は95,000株)の購入について過去に付与されたオプションがあった。2010年度
末現在、デ・ゲウス博士、フォレスト博士、カースナー氏、パウエル氏、ロジャース氏、スワン氏及びジェームズ氏には過去に付与されたオ
プションはなかった。
(5) ジェームズ氏は2009年12月7日付で取締役会のメンバーに任命された。
(6) ガーディン博士は2010年3月9日付で取締役会を退任した。
(7) 金額はガーディン博士の取締役会の退任に関して贈呈された物品の価値を示している。
当社の取締役会会長であるスプリンター氏は、当社の社長兼最高経営責任者でもあるため、2010年度に社外取締役に対
して支払われた依頼報酬若しくは会議出席費用、又は自動付与された業績連動株式を受領しなかった。スプリンター氏の
2010年度の報酬に関する情報は報酬の概要の表に記載されている。
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5【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)【コーポレート・ガバナンスの状況】
① コーポレート・ガバナンス
(イ) コーポレート・ガバナンス・ガイドライン
当社は、とりわけ取締役会の役割及び機能、各種取締役会委員会の責任並びに取締役会に対する懸念の報告手続きを述べ
たコーポレート・ガバナンス・ガイドラインを導入している。かかるガイドラインは、その他のコーポレート・ガバナンス
に関する資料とともに、当社のウェブサイト(www.appliedmaterials.com/investors/corporate_governance.html.)で公
表されている。
取締役会の運営は絶えず変化するプロセスであるため、取締役会は、変化する法令上及び規制上の要件を定期的に検討し、
ベストプラクティス及びその他の発展を展開しており、適宜コーポレート・ガバナンス・ガイドラインを変更することがで
きる。
(ロ) ビジネス行動規範
当社は長年にわたり、倫理的又は法的な業務慣行を全うするための取組みを具現化したビジネス行動規範を備えてい
る。取締役会は、当社の取締役、役員及びその他全ての従業員が、常に倫理的に行動し、当社のビジネス行動規範の公約に同
意することを期待している。ビジネス行動規範は、当社のウェブサイト(www.appliedmaterials.
com/investors/corporate_governance/standards.)で公表されている。
(ハ) 株式所有ガイドライン
当社の取締役及び指名された執行役員の利益と株主の利益をより綿密に調整するために、取締役会は、株式所有ガイド
ラインを採用している。ガイドラインは、社外取締役は、当社の株式への投資を最低300,000ドルの価値に維持すべきであ
ると規定している。当社の最高経営責任者及び取締役会会長は、年間基本給与の最低5倍に相当する投資を維持すべきで
ある。当社の最高経営責任者を除く指名された執行役員は、年間基本給与の最低3倍に相当する当社株式への投資を維持
するべきである。必要な投資水準を満たしているかの判定を行う際、取得日時点の当社株式の株価の終値を使用して株式
が評価される。いずれの場合も、人事及び報酬委員会が例外を設けない限り、かかる投資水準は、取締役又は役員の最初の
選任若しくは任命後5年以内に達成されるべきである。
(ニ) 株主との連絡
当社のいずれかの取締役と当社について連絡を取りたいと希望する株主は、下記の住所宛に書面により連絡することが
できる。
95054 カリフォルニア州サンタクララ
M/S 1241 私書箱58039号
オークメッド・ヴィレッジ・ドライブ3225番
アプライド マテリアルズ インク
秘書役 ジョゼフ・ジェイ・スウィーニー気付
秘書役は、これらの連絡を直接取締役に転送する。株主が取締役会と効果的に連絡を取るために、取締役会の社外取締役
は、株主の連絡方法を定期的に見直し、承認する。
② 取締役会及び取締役会委員会
(イ) 取締役会及び経営陣の役割
取締役会は、経営陣を監督し、株主の長期的利益を確実にするために、株主により選任される。取締役会は、最高経営責任
者(以下、「CEO」という。)の指図に基づき、従業員、経営陣及び役員が遂行する当社の事業を監督する責任を有する。取
締役会及び経営陣はともに、従業員、顧客、供給業者、当社が事業を営んでいる地域、政府及び一般市民等、当社の成功に不
可欠なその他の利害関係者からの懸念に責任を持って取り組むことにより、株主の長期的利益が向上することを認識して
いる。
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(ロ) 取締役会の機能
取締役会は、定例会議(通常年4回)及び臨時会議において、当社が直面している問題に加え、当社の業績、その計画及
び見通しについての経営陣による報告書を検討する。取締役は、全ての定例取締役会議及び該当する委員会会議に備え、出
席し、参加することになっている。取締役会は、経営の全体的な監督に加え、以下の機能を含む多くの特定の機能も果たし
ている。
・ 基本的な財務戦略及び企業戦略並びに主要な企業活動の検討、承認及び監督
・ 長期戦略計画及び長期事業計画の検討及び承認、かかる計画の実行の監督並びに結果評価
・ 取締役の指名、取締役会の機構及び運営の検討並びに効果的なコーポレート・ガバナンスの監督
・ 当社が直面している主なリスクの評価の監督及びかかるリスクを軽減するための選択肢の検討
・ 財務諸表の健全性及び透明性、法令及び倫理遵守、顧客及び供給業者との関係の健全性並びに他の利害関係者との関係
等、当社の健全性を維持する手順が確実に整うよう確保すること
・ 当社のCEO、取締役会会長及び主任社外取締役の選任
(ハ) 取締役会の規模、取締役の資格及び選任手順
取締役会は、当社の運営の性質及び範囲並びに取締役会の意見を多様化する必要性に基づき、取締役の員数を決定する
責任を有する。取締役会は、現在、その範囲を8名ないし14名に定めており、取締役会の適切な規模を定期的に検討してい
る。
当社の株主は年次株主総会において毎年取締役を任命する。コーポレート・ガバナンス及び指名委員会の推薦に基づ
き、取締役会は被任命者を選び、株主による任命のためにかかる者を推薦し、また、年次株主総会までの間に生じる可能性
のある欠員の補充を行う。欠員を補充するために取締役会に追加された全ての取締役は、次回の年次株主総会において任
命のために推薦される。当該任命プロセスの一環として、取締役会は、取締役会の質を向上させ、株主の長期的な利益に尽
力し、当社の全体的な企業目標に貢献する多様な経歴及び経験を有する取締役候補者についてその他の情報源から推薦を
検討することがある。取締役会は審査過程をコーポレート・ガバナンス及び指名委員会に委嘱することができる。また、株
主は、95052-8039 カリフォルニア州サンタクララ、M/S2064、私書箱58039号、スコット・ブールバード2881、アプライド・
マテリアルズ・インク秘書役宛てに氏名及び補足情報を提出することにより、コーポレート・ガバナンス及び指名委員会
による検討のために被任命者を提案することができる。
各々の候補者が取締役会メンバーとして適任かどうかを評価する際に、取締役会及びコーポレート・ガバナンス及び指
名委員会は候補者の独立性、人格及び洞察力の評価を行い、業務上の判断、運営管理、会計及び財務、当社が活動する業界の
知識(技術及び市場を含む。)、製造及びサービスに関する理解、リーダーシップ、戦略の展望、海外市場の知識、販売、危
機/リスク管理、研究開発、政府及び当社の事業に関連するその他の分野を含む、取締役会の中核的能力について多くの領
域における経歴の多様性を共同で確立することに努める。取締役は最高の個人的な及び職業上の倫理観、品位及び価値観
並びに関連する業務上の経験を有する必要があり、当社の株主の長期的な利益の表明が委ねられる。また、取締役は探求的
で客観的な視点、独自の分析的な調査を行う能力、実践的知識、十分に円熟した判断力を備えている必要がある。当社は、取
締役会が当社の全社的な活動に関連する様々な分野における方針決定レベルにおいて多岐にわたる経験を示すよう努め
る。
取締役の過半数は、アメリカ合衆国証券取引委員会(以下、「SEC」という。)規則及びNasdaq株式市場(以下、
「Nasdaq」という。)の上場規則に則った「社外取締役」である。取締役の過半数は独立でなければならないが、独立基準
を満たしていない取締役でも、経験、知識及び当社を熟知していることで、取締役会及び当社に貴重な貢献をしていると認
識されている。
取締役は、任務及び責務を効率的に果たすために十分な時間を充てるよう進んで行わなければならず、延長期間におい
て取締役会で任務を行う努力をするべきである。取締役会の各メンバーは、その他の既存の責務及び予定される今後の責
務が取締役としての業務の重大な妨げとならないことを確保することが求められる。取締役は、取締役が当社に対する義
務を果たせるよう任務を遂行するその他の取締役会(非営利を除く。)の数を制限するよう推奨されている。取締役会は、
各取締役が任務を遂行する他の公開会社の取締役会の数を4社に制限する方針を採用した。
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コーポレート・ガバナンス及び指名委員会は、取締役会の現在の構成及び当社の必要性を考慮に入れて、随時、取締役会
のメンバーの適切な技能及び必要な特性を検討することができる。この評価には取締役会が形成する中核的能力の分野が
含まれ、時宜を得てその時点で取締役会にとって有効な技能と(機能的、文化的及び地理的に)多様な視野を複合化でき
るよう努力する必要がある。
取締役会は、当社のCEOが年1回指名され、取締役会で任務を遂行すると同時に取締役会会長としての任務も遂行できる
ことを予期している。取締役会は、当社の経営陣の中から、取締役会がその責務を果たす上で有用な経験及び役割が期待さ
れる一定の他のメンバーを任命又は指名することもできる。さらに、取締役会は主任社外取締役として任務を遂行する社
外取締役1名を任命又は指名することもある。主任社外取締役は、社外取締役の業務執行会議の議長を務め、他の社外取締
役の活動を調整し、取締役会がその時々で必要とみなすその他の任務を遂行する。
取締役会の新しいメンバーは当社が提供する取締役向け教育プログラムに参加し、当該プログラムにおいて資料の提供
を受け、主要な経営陣との会合及び当社の施設の訪問を行う。取締役各人は自身の責務を果たすために必要な専門性のレ
ベルを維持するために継続して教育プログラムに参加することが求められる。当社の最高法務責任者及び最高財務責任者
は、新任取締役向けの教育プログラムを提供すること及び全ての取締役向けに、取締役が任務を遂行する際に有用なテー
マに関して資料又は説明会を定期的に提供することの責任を負う。
退任又は主要な役職もしくは業務団体を異動した取締役が必ずしも取締役会を退任すべきであるとは取締役会は考え
ていない。しかしながら、取締役の勤務形態が常勤ではなくなる場合には、かかる取締役は取締役会の退任を申し出る書状
を取締役会に提出しなければならない。コーポレート・ガバナンス及び指名委員会は、引続き取締役のメンバーであるこ
との適切性を検討し、かかる退任の申し出について執るべき措置を取締役会に提言する。
取締役会は、取締役の任務に関する任意の期間制限が有益であるとは考えておらず、また、取締役が再度指名を受けるこ
とが当然であるとも考えていない。取締役の自己評価プロセスは、取締役会における任期の重要な決定要因である。一般に
取締役は、取締役会が通常妥当な退職年齢と考える70歳を迎えてからは取締役会への選任に関して指名を受けないが、取
締役会が個々人のケースに応じて当該方針の撤回を決定することもできる。
(a) 取締役選任に関する過半数投票方針
取締役会は、取締役が無競争選挙において投票された株式の過半数の票を獲得した場合に限り選任されるという原則
を確約している。そのため、取締役会は以下の過半数投票方針を採用した。
無競争選挙において、取締役への被任命者がその選任に関して賛成票を上回る留保票を獲得した場合(以下、「過半
数留保票」という。)、株主による投票の認証後直ちにかかる者は辞表を提出するものとする。コーポレート・ガバナン
ス及び指名委員会は辞任の申し出を検討し、取締役会に対してかかる辞任の申し出に関して執るべき措置((ⅰ)辞任の
受理、(ⅱ)取締役を留任させるが、コーポレート・ガバナンス及び指名委員会が考える当該留保票の根本原因の解決に
あたること、(ⅲ)かかる取締役が今後、選任の指名を受けないようにすることを決議すること、又は(ⅳ)辞任の否認。)
を提言する。決定に至る間に、コーポレート・ガバナンス及び指名委員会は、関係があると委員がみなす全ての要因を検
討するものとする。かかる要因には、辞任を承認することにより当社が該当するSEC規則又は証券取引所上場若しくは統
治要件を満たすことができるか否かも含めて、(a)株主がかかる取締役に対して留保を投じた公の理由、(b)留保票の根
本原因を解決するための一切の選択肢、(c)取締役の在職期間、(d)取締役の資格、(e)取締役の過去の及び今後見込まれ
る当社への貢献、及び(f)取締役会の全体の構成が含まれる。
取締役会は、株主による投票の認証後90日以内に、コーポレート・ガバナンス及び指名委員会の勧告に対処する。その
後、取締役会は直ちに、通常と同じ公表方法による当社のプレスリリースにおいて、及びSECへの適切な提出書類におい
て、辞任の申し出を受理したかどうかの取締役の決定(該当する場合、辞任を認めない理由)を公表する。
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本規定に従って辞表を提出した取締役は、辞任の申し出を受理するかどうかについてのコーポレート・ガバナンス及
び指名委員会の勧告又は取締役会の措置に関与してはならない。コーポレート・ガバナンス及び指名委員会の各委員が
同一の選挙において過半数留保票を獲得した場合、過半数留保票を獲得していない社外取締役が同取締役の間で特別委
員会を指定し、辞任の申し出を検討し、かかる申し出を受理するか否かを取締役会に勧告するものとする。同一の選挙に
おいて、過半数留保票を獲得しなかった取締役が3名以下であった場合、全ての取締役が辞任の申し出を受理するか否
かについての措置に関与することができる。
上記の過半数投票方針は、取締役の選任に関する当社の年次株主総会の委任状勧誘資料に記載されるものとする。
(ニ) 取締役会委員会
取締役会は、その責務履行の一助として、(ⅰ)監査委員会、(ⅱ)コーポレート・ガバナンス及び指名委員会、(ⅲ)
人事及び報酬委員会、(ⅳ)投資委員会、(ⅴ)株主権利委員会及び(ⅵ)戦略委員会を設置している。取締役会は、その
時々の状況により、新しい委員会を設置したり、現行の委員会を解散することができる。
監査委員会、コーポレート・ガバナンス及び指名委員会並びに人事及び報酬委員会の規約は、当社のウェブサイト(
www.appliedmaterials.com)で公表されており、書面による請求があった場合には、投資家に郵送される。取締役会は、各
委員会の委員長及び委員を任命する責任を有する。委員長は、各委員会の会議後に、取締役会に対し会議の重要点を報告す
る。委員会は、時々、取締役会と共同で委員会を開催することがある。
委員会会議の数、内容、頻度、時間及び議題並びに委員会統治に関するその他の事項は、当該委員会の規約に記載されて
いる通り、当該委員会が取締役会から委任された権限に照らして決定される。各委員会の委員長は、該当する当社の経営陣
からの情報をもとに、委員会の議題及び目的、委員会の規約(もしあれば)(取締役会の承認を受ける。)並びに当該委員
会の機能に適用される法律上、規制上、会計上又は統治に関する原則を作成する。議題を検討するための十分な時間が与え
られ、委員が会議における議題についての議論に備えることができるよう、議題に関する資料は、会議の前に十分余裕を
持って委員に送付される。
(a) 監査委員会
監査委員会は、株主及びその他の者に対して当社が提供する財務報告書及びその他の財務情報、当社の財務方針、財務
手続、開示規制及び開示手続、当社の財務報告に関する内部統制並びに当社の監査、会計及び財務報告手順を監督する。
また、委員会は、必要に応じて関係会社間取引を検討及び承認し、独立登録公認会計事務所を任命し、その業績を検討す
る。さらに、委員会は、苦情又は懸念の受付、保留、処理手続としてのオンブズマン・プロセスの監督等、当社の税務、法
律、規制及び倫理の遵守の監督、並びに当社のリスク評価及びリスク管理業務についても取締役会を援助する。
(b) コーポレート・ガバナンス及び指名委員会
コーポレート・ガバナンス及び指名委員会は、取締役会が当社のコーポレート・ガバナンス・ガイドランを作成、維
持及び監督するのを援助し、取締役会及び取締役会委員会の構成、機構及び評価を監督し、取締役会が取締役としての資
質を有する人物を特定する手助けをする。また同委員会は、取締役の独立性並びに取締役会の構成及び編成に関するリ
スク管理の監督を行う。同委員会は、かかるガイドラインを定期的に見直し、必要に応じて変更を提言する。
(c) 人事及び報酬委員会
人事及び報酬委員会は、従業員及び役員の育成及び維持を図る当社の制度を監督し、役員報酬を決定し、当社の従業員
及び役員に関する重要な従業員給付に関する計画、方針及び制度を監督する。さらに、同委員会は、株式関連報奨制度及
び上級役員賞与制度を採用、修正及び監督し、取締役の報酬を承認する。また同委員会は、当社の報酬の方針及びプログ
ラムに関するリスク管理の監督を行う。
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(d) 投資委員会
投資委員会は、企業の買収及び売却並びに不動産及びその他の資産の購入及び売却等、当社の主要な投資を検討及び
承認する。
(e) 株主権利委員会
株主権利委員会は、当社の買収防衛策及び買収防衛準備、買収の環境、合併・買収活動、買収案の評価に関する取締役
及び役員の義務、長期的に株主価値を最大化する方法並びにその他の関連事項を定期的に検討し、取締役に提言する権
限を有している。
(f) 戦略委員会
戦略委員会は、既存の又は潜在的な市場、技術、製品、サービス及び事業機会に関する当社の長期的な戦略目標、目的及
び計画を検討し、必要に応じて変更を提言する。かかる検討の一環として、委員会は、当社の技術能力並びに顧客のニー
ズ及び市場機会にあった製品及びサービスの提供を効果的に調整し、最大限に高めるために、戦略を評価する。
(ホ) 委員の独立性
取締役会の過半数が上述の独立基準を満たすという要件に加え、監査委員会、コーポレート・ガバナンス及び指名委員
会並びに人事及び報酬委員会は、社外取締役のみで構成される。監査委員会の委員は、取締役報酬以外に当社から直接又は
間接的に報酬を受けておらず、当社又は子会社の関係者でない旨を定めるSEC及びNasdaqの規則に基づく独立要件も満た
さなくてはならない。
(ヘ) 会長、CEO及び主任社外取締役の選任
取締役会は、当社の取締役会会長、CEO及び主任社外取締役を選任する責任を有する。取締役会は、かかる選任時のあらゆ
る状況下で、当社にとって最善であると考える方法でかかる選任を行うべきである。会長及びCEOは、専任又は兼任するこ
とができ、また会長は、社内取締役又は社外取締役のいずれの場合もある。
このような柔軟性により、取締役会は、当社の株主の最善の利益にかなうと判断する方法で、当社のCEO及び会長を選任
することができる。また、取締役会は、社外取締役を主任社外取締役に指名する責任を有する。会長は、社外取締役である場
合に主任社外取締役を務めることができる。
(ト) 社外取締役の執行会議
社外取締役は、通常の取締役会議の期間内に、少なくとも年2回、経営幹部又は社外取締役ではない取締役の同席なしで
会議を行う。かかる執行会議は、主任社外取締役が召集し、議長を務める。
(チ) 自己評価及び同僚評価
取締役会及び各委員会は、年に一度自己評価及び同僚評価を行う。かかる評価の目的は、取締役会の有効性を最大限に生
かすために委員会及び取締役個人の貢献度を高めることにある。
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(リ) 倫理及び利益相反
取締役会は、その責任を果たすにあたり、最も高度な法律及び倫理的基準を遵守する。取締役会は、当社の取締役、役員及
びその他全ての従業員が、常に倫理的に行動し、当社のビジネス行動規範に記載される方針及び要件への誓約を年1回、証
明することを期待している。監査委員会の支援を受けて、取締役会は、現在のところ、当社のビジネス行動規範、苦情の受付
及び調査を担当するオンブズマン並びに24時間対応国際無料ホットラインを含む当社の倫理制度を監督する。
取締役は、当社取締役会のコーポレート・ガバナンス及び指名委員会から事前の承認を取得しない限り、他の会社の取
締役会において任務を遂行することはできない。
取締役が、当社の利益に反する又は反するように思われる行為又は利益に関与し、かかる行為が実際に利益相反になり、
又は利益相反になる可能性が生じた場合、取締役は、速やかにかかる利益相反を取締役会に開示しなくてはならない。取締
役会は、個別に、適当な解決策を決定する。全ての取締役は、各自の個人的、業務上の又は専門的利益に影響を及ぼす協議又
は決定に関与しない。取締役会は、CEO又は(1934年証券取引法のルール16a-1(f)において定められる)当社のその他の執
行役員(以下、「第16条に定められる役員」という。)に関する利益相反問題を解決する。CEOは、第16条に定められる役員
以外の当社の役員に関する利益相反問題を解決する。
当社は、取締役又は役員に対する個人貸付又は信用供与を行わない。取締役(従業員取締役を除く。)又は家族は、当社
に対し、報酬を得て個人的に役務を提供することはできない。
(ヌ) 社外取締役又は監査委員会への懸念の報告
当社の行為又は会計、内部会計統制若しくは監査に関する問題について懸念を抱いている者は、かかる懸念を社外取締
役、監査委員会又はオンブズマンに直接連絡することができる。かかる連絡は、親展又は匿名でもよく、また、指定の宛先に
電子メール若しくは書面により送付し、又は国際無料電話番号に電話で報告することもできる。かかる懸念は全て、該当す
る取締役に転送され、検討されると同時に、当社が対処しているその他の懸念と同じ方法で、当社のオンブズマンにより検
討され、対処される。社外取締役又は監査委員会に提起された全ての懸案事項の状況は、四半期ごとに又は状況に応じて更
に頻繁に取締役に報告される。社外取締役又は監査委員会は、提起された懸念について、外部のアドバイザー又は法律顧問
の雇用等、特別な手段をとることができる。当社のビジネス行動規範は、誠実な懸念を提起し、又は解決に協力した者に対
して、従業員が報復又は敵対的行為を取ることを禁じている。
③ 規制及び手続
当社の経営陣は、財務報告の適切な内部統制制度を確立し、維持する責任を負う。本報告書の該当期間末現在、当社の経営
陣は、当社の財務報告の開示規制制度及び手続の策定及び管理の有効性の評価を行い、本報告書の該当期間末現在において
これらは有効であると判断された。
開示規制及び手続並びに財務報告に係る内部統制制度の固有の限界
いかにうまく設計され、運用されている統制制度であっても、制度の目的が達成できるという絶対的な保証はないこ
とに留意されたい。さらに、統制制度の設計の一部は、将来の事由の可能性についての一定の仮定に基づいている。
④ リスク管理体制
「第5 提出会社の状況 − 5 コーポレート・ガバナンスの状況等 − (1) コーポレート・ガバナンスの状況 − ② 取
締役会及び取締役会委員会 −(ロ) 取締役会の機能」に記載のとおり、取締役会は、数ある責任の中で、当社が直面している
主要なリスクを評価し、かかるリスクを軽減するための選択肢を検討する。
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⑤ 取締役及び役員の報酬
取締役報酬に関する情報については、「第5 提出会社の状況 − 4 役員の状況 − (2) 取締役」を参照のこと。
人事及び報酬委員会は、社外取締役に対する報酬並びにストックオプション及び制限付株式ユニットを含む給付金の検討
及び承認の責任を負う。かかる責務を果たすに当たり3つの目標が指針となる。その目標とは、報酬は当社の規模及び範囲に
おいて会社のために要請された仕事に対して適正に取締役に支払われること、報酬は取締役の利益と長期的な株主の利益に
合致していること、報酬体系は明白で容易に理解できるものであることである。人事及び報酬委員会は社外取締役の報酬及
び給付金を随時検討する。
役員報酬に関する情報については、「第5 提出会社の状況 − 4 役員の状況 − (1) 執行役員」を参照のこと。
人事及び報酬委員会は年1回、CEOの給与、賞与及びその他の報奨並びに株式報酬を決定し、かかる決定に関して、CEOに課
された目標を検討及び承認し、かかる目標に照らしてCEOの業績を評価する。また、同委員会は年1回、当社の役員及び同委員
会が適当であると判断したその他の主要な従業員に対する報酬合計の主な要素を検討し、承認する。
⑥ 内部監査並びに監査委員会の組織、委員及び手続等
監査委員会
(イ) 目的
監査委員会の主要な機能は、当社の取締役会が(ⅰ)株主及びその他の者に対して当社が財務報告書及びその他の財
務情報、(ⅱ)当社の財務方針、財務手続、開示規制及び開示手続、(ⅲ)当社の財務報告に関する内部統制制度、(ⅳ)
当社の監査、会計及び財務報告手順、(ⅴ)当社の独立登録公認会計事務所(以下、「独立会計監査人」という。)の適
格性及び独立性、(ⅵ)当社の内部監査機能の実績及び(ⅶ)リスク評価及びリスク管理に関する監督責任を果たす一
助となることである。また、監査委員会は、関係会社間取引(アメリカ合衆国証券取引委員会(以下、「SEC」という。)
規則及びNasdaq株式市場(以下、「Nasdaq」という。)の上場規則等の適用法令により定義され、かつ、要求される場
合。)を検討及び承認する。さらに、監査委員会は、当社の税務、法律、規制及び倫理の遵守の監督についても取締役会を
援助する。加えて、監査委員会は、SEC規則により当社の年次株主総会の委任状勧誘資料に含めるよう要求されている監
査委員会報告書を作成する。
この機能を実行するにあたり、監査委員会は、(ⅰ)当社の財務報告手順及び内部統制制度を監督する独立の客観的
な当事者であり、(ⅱ)当社の独立会計監査人の適格性及び独立性を検討及び評価し、(ⅲ)当社の独立会計監査人が
提供した全ての監査業務及び許容される非監査業務を承認し、(ⅳ)当社の独立会計監査人及び内部監査人の実績を検
討及び評価し、(ⅴ)独立会計監査人、財務担当経営幹部、法律顧問、内部監査人、オンブズマン及び取締役会の開かれた
対話を促進させる。
(ロ) 構成
監査委員会は、取締役会の決定に従い、3名以上の取締役で構成され、各委員は、(ⅰ)ナスダック規則に定めるとこ
ろの独立であり、(ⅱ)1934年証券取引法のルール10A-3に定める独立基準を満たし、(ⅲ)過去3年間に、当社又は当
社の現在の子会社の財務諸表の作成に関与していないものとする。全ての委員は、会社の貸借対照表、損益計算書、
キャッシュ・フロー計算書を含む基本的な財務諸表を読み、理解することができ、かつ適用法令(SEC規則及びナスダッ
ク規則を含む。)により要求されるその他の要件を満たすものとする。監査委員会の少なくとも1名は、SEC規則に定め
る「監査委員会財務専門家」であり、ナスダック規則に定める「財務に精通している」ものとする。取締役会が監査委
員会委員を任命するものとし、解任することができる。取締役会が指名する監査委員会の委員1名が委員長となり、会計
又は財務の専門知識を備えていなければならない。
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(ハ) 会議
監査委員会は、定期的に、少なくとも年4回(又は必要に応じてさらに頻繁に)会合する。四半期ごとの会議では、経
営陣、内部監査人及び独立会計監査人と個別の幹部会議が行われる。監査委員会は、取締役会に対してその活動を定期的
に報告し、取締役に対して適宜提案を行う。
(ニ) 内部監査
監査委員会は、経営陣及び内部監査人とともに、(ⅰ)年間監査計画及びその変更、(ⅱ)当該年度における重要な監
査結果及びそれに対する経営陣の対応、(ⅲ)内部監査部門の有効性及び妥当性並びに(ⅳ)機能的基準で当社の最高
財務責任者に対して、運営的基準で監査委員会に報告を行う内部監査部長の実績、評価や任命及び交代を検討する。また
監査委員会は内部監査機能の有効性について経営陣及び独立会計監査人と検討し、議論する。
⑦ 取締役の責任の制限
当社の基本定款において、当社の取締役は、受任者義務違反による金銭賠償に関して当社又は株主に対して個人的責
任を負わない旨が定められている。但し、(i)当社又は株主に対する取締役の忠実義務違反、(ⅱ)不誠実又は意図的な不
正行為若しくは故意の違法行為を伴う作為又は不作為、(ⅲ)デラウェア一般会社法第174条に基づく行為、(ⅳ)取締役が
個人的に不正な利益を得る取引に関する責任を除く。さらに、当社は当社の基本定款に従って取締役各人と補償契約を
締結している。
⑧ 取締役の員数及び選解任
取締役の員数に関する情報については、「第1 本国における法制等の概要 − 1 会社制度等の概要 − (2) 提出会
社の定款等に規定する制度 − (ハ)取締役会 − (a) 員数」を参照のこと。付属定款に基づく資格制限はない。取締
役の選解任に過半数を要することはデラウェア州法の要件と一致している。
⑨ 種類株式毎の議決権の内容の差異
優先株式の内容に関する情報については、「第1 本国における法制等の概要 − 1 会社制度等の概要 − (2) 提出
会社の定款等に規定する制度 − (イ)株式 − (c) 優先株式」を参照のこと。
⑩ 株主の利益が害されることを防止するための措置
「第5 提出会社の状況 − 4 役員の状況 − (1) 執行役員 − (ロ)役員報酬及び関連事項 − (h) 関係者間取
引に関する方針及び手続き」を参照のこと。
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(2)【監査報酬の内容等】
①【外国監査公認会計士等に対する報酬の内容】
以下の表は、当社がそれぞれ2009年10月25日及び2010年10月31日に終了した2009年度及び2010年度にケーピーエムジー
・エルエルピー(以下、「ケーピーエムジー」という。)より提供された専門的業務に対して支払った報酬を表す。以下の
表に記載のある報酬の全ては、事前承認プロセスに従って監査委員会により承認された。
(単位:千ドル)
報酬区分
監査報酬
監査関連報酬
2009年度
2010年度
5,287
4,668
−
20
200
300
−
−
−
−
5,487
4,988
税務報酬
税法遵守及びレビュー
税務計画及び助言
その他全報酬
報酬合計
監査報酬は、(a)当社の連結財務諸表の年次監査、(b)四半期報告書に含まれる連結財務諸表のレビュー及び(c)法令上及
び規制上の届出又はそれに関連して通常提供される専門的業務に対する報酬で構成される。
2010年度の監査関連報酬は、当社の連結財務諸表の監査又はレビューの実施と合理的に関連する保証業務及びその関連
業務に対する報酬で、「監査報酬」に含まれないもので構成される。
税務報酬は、税法遵守及びレビューに関する専門的な業務に対する報酬で構成される。税法遵守及びレビュー業務は、連
邦税法、州税法及び国際税法の遵守、税務調査及び審査請求並びに関税調査の支援等で構成される。
監査委員会は、上記の非監査業務の提供がケーピーエムジーの独立性の維持に矛盾しないと判断した。
②【その他重要な報酬の内容】
上記「① 外国監査公認会計士等に対する報酬の内容」を参照のこと。
③【外国監査公認会計士等の提出会社に対する非監査業務の内容】
上記「① 外国監査公認会計士等に対する報酬の内容」を参照のこと。
④【監査報酬の決定方針】
監査委員会は、独立登録公認会計事務所が提供する全ての監査業務及び許容される非監査業務を検討し、必要に応じて
事前承認する。かかる業務には、監査業務、監査関連業務及び税務業務、並びに独立登録公認会計事務所の独立性を損なわ
ないと監査委員会が判断した場合には、特別に指定された非監査業務が含まれる。事前承認は、通常、1年間を上限とし、特
定の業務又は業務区分については詳細に規定され、通常、一定の予算に基づく。独立登録公認会計事務所及び当社の経営陣
は、かかる事前承認に従って独立登録公認会計事務所が提供する業務の範囲(その日までに遂行された業務に対する報酬
を含む。)について、定期的に監査委員会に報告しなければならない。さらに、監査委員会は、必要に応じて、特別な業務を
個別に事前承認することもできる。
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第6【経理の状況】
(イ) 本書記載のアプライド マテリアルズ インク及びその子会社(以下、「当社」という。)の2010年10月31日及び2009年10
月25日現在の連結貸借対照表、並びに2010年10月31日に終了した3年間の各事業年度の連結損益計算書、連結株主持分及び
包括利益(損失)計算書及び連結キャッシュ・フロー計算書(以下、「連結財務書類」という。)は、米国において一般に
公正妥当と認められ、また1934年制定の米国証券取引法により要求されている企業会計基準、会計手続、用語、様式及び作成
方法に従って作成されたものである。
当社の採用した企業会計基準、会計手続及び表示方法と、日本において一般に公正妥当と認められている企業会計基準、会
計手続及び表示方法との間の主な相違点に関しては、「第6 経理の状況−4 米国と日本における会計原則及び会計慣行
の相違」に説明されている。
当社の連結財務書類は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下、「財務
諸表等規則」という。)第129条第1項の規定の適用を受けている。
(ロ) 本書記載の米国において一般に公正妥当と認められている会計基準に従って作成された当社の2010年10月31日現在、2009
年10月25日現在及び2008年10月26日現在並びに同日に終了した年度における連結財務書類は、当社の会計監査人ケーピー
エムジー エルエルピーの監査を受けている。以下にその監査報告書を掲げている。
なお、前述した連結財務書類は、「財務諸表等の監査証明に関する内閣府令」(昭和32年大蔵省令第12号)第1条の2の
規定により、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査は受けていない。
(ハ) 以下に掲げる連結財務書類のうち、原文(英文)は、当社が米国証券取引委員会に提出したものの写しであり、独立監査人
の監査報告書(英文)は同連結財務書類に添付された監査報告書(原文)と実質的に同じである。日本文は、これら原文の
連結財務書類及び監査報告書を翻訳したものである。
(ニ) 本書記載の当社の連結財務書類(原文)は、米ドルで表示されている。「円」で表示されている金額は、「財務諸表等規
則」第130条の規定に基づき、2011年3月31日現在の東京外国為替市場における対顧客電信直物売買相場仲値、1米ドル=83
円15銭の為替レートで換算された金額である。金額は、百万円単位(四捨五入)で表示されている。
(ホ) 円換算額及び「第6 経理の状況−2 主な資産・負債及び収支の内容」から「第6 経理の状況−4 米国と日本におけ
る会計原則及び会計慣行の相違」までにおける記載事項は、原文の連結財務書類には含まれておらず、当該事項における財
務書類への参照事項を除き、上記(ロ)の会計監査の対象にもなっていない。
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EDINET提出書類
アプライド マテリアルズ インク(E05851)
有価証券報告書
1【財務書類】
(1) 連結損益計算書
期 別
科 目
2010年10月31日
終了事業年度
千ドル
2009年10月25日
終了事業年度
百万円
千ドル
2008年10月26日
終了事業年度
百万円
千ドル
百万円
(単位:1株当たり金額を除き、ドルは千ドル、株
は千株、円は百万円)
純売上高
9,548,667
793,972
5,013,607
416,881
8,129,240
675,946
売上原価
5,833,665
485,069
3,582,802
297,910
4,686,412
389,675
売上総利益
3,715,002
308,902
1,430,805
118,971
3,442,828
286,271
1,143,521
95,084
934,115
77,672
1,104,122
91,808
一般管理費
535,820
44,553
406,946
33,838
505,762
42,054
販売費
リストラクチャリング費用及び資産減損
(注記12)
406,028
33,761
327,572
27,238
459,402
38,199
245,925
20,449
155,788
12,954
39,948
3,322
施設売却益
-
-
-
-
21,837
1,816
営業費用合計
2,331,294
193,847
1,824,421
151,701
2,087,397
173,567
営業利益(損失)
1,383,708
115,055
(393,616)
(32,729)
1,355,431
112,704
-
-
34,983
2,909
35,527
2,954
投資及び戦略的投資の減損(注記3)
12,665
1,053
84,480
7,025
-
-
支払利息
21,507
1,788
21,304
1,771
20,506
1,705
受取利息
37,430
3,112
48,580
4,039
109,320
9,090
1,386,966
115,326
(485,803)
(40,395)
1,408,718
117,135
法人所得税(調整)額
449,100
37,343
(180,476)
(15,007)
447,972
37,249
当期純利益(損失)
937,866
77,984
(305,327)
(25,388)
960,746
79,886
基本的
0.70ドル
58円
(0.23)ドル
(19)円
0.71ドル
59円
希薄化後
0.70ドル
58円
(0.23)ドル
(19)円
0.70ドル
58円
営業費用:
研究開発費及び技術費
持分法投資損失
税引前利益(損失)
1株当たり利益(損失):
期中加重平均株式数:
基本的
1,339,949千株
1,333,091千株
1,354,176千株
希薄化後
1,348,804千株
1,333,091千株
1,374,507千株
添付の連結財務書類注記を参照のこと。
100/206
EDINET提出書類
アプライド マテリアルズ インク(E05851)
有価証券報告書
(2) 連結貸借対照表
期 別
2010年10月31日現在
2009年10月25日現在
科 目
千ドル
(単位:1株当たり金額を除き、ドルは千ドル、株は千株、
円は百万円)
(資産の部)
流動資産:
現金及び現金同等物(注記3)
短期投資(注記3)
売掛金(純額)(注記6)
棚卸資産(注記7)
繰延税金資産(純額)(注記15)
未収法人所得税(注記15)
その他流動資産
流動資産合計
長期投資(注記3)
有形固定資産(純額)(注記7)
のれん(純額)(注記8)
購入テクノロジー及びその他の無形固定資産(純額)(注記8)
繰延税金資産及びその他資産(注記15)
資産合計
百万円
千ドル
百万円
1,857,664
726,918
1,831,006
1,547,378
512,944
857
288,548
154,465
60,443
152,248
128,664
42,651
71
23,993
1,576,381
638,349
1,041,495
1,627,457
356,336
184,760
264,169
131,076
53,079
86,600
135,323
29,629
15,363
21,966
6,765,315
1,307,283
963,004
1,336,426
286,821
284,496
562,536
108,701
80,074
111,124
23,849
23,656
5,688,947
1,052,165
1,090,433
1,170,932
306,416
265,350
473,036
87,488
90,670
97,363
25,478
22,064
10,943,345
909,939
9,574,243
796,098
(負債及び株主持分の部)
流動負債:
1,258
105
1,240
103
1,765,966
146,840
1,061,502
88,264
顧客預り金及び繰延収益(注記7)
847,231
70,447
864,280
71,865
未払法人所得税(注記15)
273,421
22,735
12,435
1,034
1年以内返済長期債務
買掛金及び未払費用(注記7)
2,887,876
240,127
1,939,457
161,266
長期債務(注記11)
204,271
16,985
200,654
16,684
従業員給付及びその他負債(注記14)
315,085
26,199
339,524
28,231
3,407,232
283,311
2,479,635
206,182
流動負債合計
負債合計
契約債務及び偶発債務(注記16)
株主持分(注記13):
優先株式:額面1株当たり0.01ドル;
-
-
-
-
13,280
1,104
13,409
1,115
授権株式数 ‒ 1,000千株
発行済株式数 ‒ 0株
普通株式:額面1株当たり0.01ドル;
授権株式数 ‒ 2,500,000千株;
発行済株式数 ‒2010年度1,327,998千株
2009年度1,340,917千株
資本準備金
5,406,598
449,559
5,195,437
432,001
利益剰余金
11,510,843
957,127
10,934,004
909,162
自己株式: 2010年度に537,056千株、2009年度に508,254千株(純額)
(9,396,274)
(781,300)
(9,046,562)
(752,222)
(1,680)
(140)
その他の包括利益(損失)累計額
株主持分合計
負債及び株主持分合計
1,666
139
7,536,113
626,628
7,094,608
10,943,345
909,939
9,574,243
添付の連結財務書類注記を参照のこと。
101/206
589,917
796,098
EDINET提出書類
アプライド マテリアルズ インク(E05851)
有価証券報告書
(3) 連結株主持分及び包括利益(損失)計算書
普通株式
株数
千株
1,385,711
2007年10月28日現在残高
包括利益の構成要素
(税額控除後)
当期純利益
投資に係る未実現損失の変動
デリバティブ商品に係る
未実現利益の変動
確定給付年金制度の債務の
変動
退職者医療給付の変動
外貨換算調整額
包括利益
法人所得税における不確実性の
課税上の解釈に係る指針の適用
による累積的な効果
配当
株式に基づく報酬
株式プランによる発行
(税軽減額11,519千ドル及び
その他控除後)
28,213
(83,163)
普通株式の買戻し
2008年10月26日現在残高
1,330,761
包括損失の構成要素
(税額控除後)
当期純損失
投資に係る未実現利益の変動
デリバティブ商品に係る
未実現利益の変動
確定給付年金制度の債務の
変動
退職者医療給付の変動
外貨換算調整額
包括損失
確定給付年金制度に係る
権威ある指針採用のための
測定日の変更
配当
株式に基づく報酬
株式プランによる発行
(税軽減額13,409千ドル及び
その他控除後)
12,098
(1,942)
普通株式の買戻し
2009年10月25日現在残高
1,340,917
包括損失の構成要素
(税額控除後)
当期純利益
投資に係る未実現利益の変動
デリバティブ商品に係る未実
現利益の変動
確定給付年金制度の債務の
変動
退職者医療給付の変動
外貨換算調整額
包括損失
配当
株式に基づく報酬
株式プランによる発行
(税軽減額27,678千ドル及び
その他控除後)
15,883
(28,802)
普通株式の買戻し
2010年10月31日現在残高
1,327,998
その他の
包括利益
(損失)
金額
累計額
千ドル
千ドル
(7,725,924)
11,353
自己株式
金 額
千ドル
13,857
資本準備金
千ドル
4,658,832
利益剰余金
千ドル
10,863,291
株数
千株
434,686
-
-
960,746
-
-
-
-
-
合 計
千ドル
7,821,409
-
(41,739)
960,746
(41,739)
-
9,448
9,448
-
-
(7,440)
1,866
(58)
(7,440)
1,866
(58)
922,823
-
-
-
-
-
178,943
283
(832)
13,308
258,119
5,095,894
-
-
-
-
-
-
-
147,160
121
(20)
13,409
-
100,000
(322,749)
-
11,601,288
(305,327)
-
(4,617)
83,163
513,232
90,114
(1,499,152)
(9,134,962)
-
(26,570)
100,000
(322,749)
178,943
348,516
(1,499,984)
7,548,958
-
-
44,956
-
-
-
(7,729)
(7,729)
-
-
-
(12,492)
(719)
874
(12,492)
(719)
874
(280,437)
-
-
(1,942)
(320,117)
-
(47,617)
(39,898)
5,195,437 10,934,004
(6,920)
1,942
508,254
111,286
(22,886)
(9,046,562)
-
(305,327)
44,956
(1,942)
(320,117)
147,160
(1,680)
23,892
(22,906)
7,094,608
-
-
937,866
-
-
-
4,410
937,866
4,410
-
-
-
-
-
4,000
4,000
-
-
-
-
-
(6,698)
(284)
1,918
-
126,070
-
-
159
(288)
13,280
85,091
5,406,598
(361,027)
-
11,510,843
添付の連結財務書類注記を参照のこと。
102/206
28,802
537,056
(349,712)
(9,396,274)
-
(6,698)
(284)
1,918
941,212
(361,027)
126,070
1,666
85,250
(350,000)
7,536,113
EDINET提出書類
アプライド マテリアルズ インク(E05851)
有価証券報告書
(3) 連結株主持分及び包括利益(損失)計算書(続き)
普通株式
2007年10月28日現在残高
包括利益の構成要素
(税額控除後)
当期純利益
投資に係る未実現損失の変動
デリバティブ商品に係る
未実現利益の変動
確定給付年金制度の債務の
変動
退職者医療給付の変動
外貨換算調整額
包括利益
法人所得税における不確実性の
課税上の解釈に係る指針の
適用による累積的な効果
配当
株式に基づく報酬
株式プランによる発行
(税軽減額958百万円及び
その他控除後)
普通株式の買戻し
2008年10月26日現在残高
包括損失の構成要素
(税額控除後)
当期純損失
投資に係る未実現利益の変動
デリバティブ商品に係る
未実現利益の変動
確定給付年金制度の債務の
変動
退職者医療給付の変動
外貨換算調整額
包括損失
確定給付年金制度に係る
権威ある指針採用のための
測定日の変更
配当
株式に基づく報酬
株式プランによる発行
(税軽減額1,115百万円及び
その他控除後)
普通株式の買戻し
2009年10月25日現在残高
包括損失の構成要素
(税額控除後)
当期純利益
投資に係る未実現利益の変動
デリバティブ商品に係る
未実現利益の変動
確定給付年金制度の債務の
変動
退職者医療給付の変動
外貨換算調整額
包括損失
配当
株式に基づく報酬
株式プランによる発行
(税軽減額2,301百万円及び
その他控除後)
普通株式の買戻し
2010年10月31日現在残高
その他の
包括利益
(損失)
金額
累計額
百万円
百万円
(642,411)
944
自己株式
株数
千株
1,385,711
金 額
百万円
1,152
資本準備金
百万円
387,382
利益剰余金
百万円
903,283
株数
千株
434,686
-
-
-
79,886
-
-
-
-
-
-
-
(3,471)
-
786
-
-
(619)
155
(5)
-
-
合 計
百万円
650,350
79,886
(3,471)
786
-
-
-
-
-
14,879
28,213
(83,163)
1,330,761
24
(69)
1,107
21,463
423,724
-
8,315
(26,837)
-
964,647
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
12,236
(161)
(26,618)
-
(3,959)
432,001
(3,318)
909,162
12,098
(1,942)
1,340,917
10
(2)
1,115
(25,388)
-
(4,617)
83,163
513,232
7,493
(124,654)
(759,572)
-
(619)
155
(5)
76,733
8,315
(26,837)
14,879
(2,209)
28,979
(124,724)
627,696
3,738
(25,388)
3,738
-
-
-
-
-
(643)
(643)
-
-
-
(1,039)
(60)
73
(1,039)
(60)
73
(23,318)
-
-
(6,920)
1,942
508,254
9,253
(1,903)
(752,222)
-
(161)
(26,618)
12,236
(140)
1,987
(1,905)
589,917
-
-
-
77,984
-
-
-
367
77,984
367
-
-
-
-
-
-
333
333
-
-
-
-
-
-
(557)
(24)
159
-
-
10,483
-
-
15,883
(28,802)
1,327,998
13
(24)
1,104
7,075
449,559
(30,019)
-
957,127
添付の連結財務書類注記を参照のこと。
103/206
28,802
537,056
(29,079)
(781,300)
-
(557)
(24)
159
78,262
(30,019)
10,483
139
7,089
(29,103)
626,628
EDINET提出書類
アプライド マテリアルズ インク(E05851)
有価証券報告書
(4) 連結キャッシュ・フロー計算書
期 別
2010年10月31日
終了事業年度
千ドル
科 目
営業活動によるキャッシュ・フロー:
当期純利益(損失)
利益(損失)を営業活動から得た
キャッシュに調整するための調整項目:
減価償却費及び償却費
固定資産処分損失
貸倒引当金
リストラクチャリング費用及び資産減損
繰延税金
認識投資損失(純額)
持分法投資損失
投資の減損
株式に基づく報酬制度による超過税軽減額
株式に基づく報酬
営業資産・負債の変動(純額):
売掛金
棚卸資産
未収法人所得税
その他流動資産
その他資産
買掛金及び未払費用
顧客預り金及び繰延収益
未払法人所得税
従業員給付及びその他負債
営業活動から得たキャッシュ
投資活動によるキャッシュ・フロー:
資本的支出
買収に伴う支払金額(取得現金控除後)
施設の売却による収入
投資の売却及び満期による収入
投資の購入
投資活動(に使用された)から得たキャッシュ
財務活動に使用されたキャッシュ・フロー:
債務の返済(純額)
普通株式の発行による手取金
普通株式の買戻し
株式に基づく報酬制度による超過税軽減額
株主への配当金の支払い
財務活動に使用されたキャッシュ
現金及び現金同等物に対する為替変動の影響
現金及び現金同等物の増加
937,866
2009年10月25日
終了事業年度
百万円
77,984
千ドル
(305,327)
304,515
20,034
17,000
245,925
(186,057)
20,473
12,665
126,070
25,320
1,666
1,414
20,449
(15,471)
1,702
1,053
10,483
291,203
24,017
62,539
155,788
18,863
10,231
34,983
84,480
147,160
(766,937)
144,626
183,903
(4,590)
(6,690)
469,049
(22,908)
261,909
(34,000)
(63,771)
12,026
15,292
(382)
(556)
39,001
(1,905)
21,778
(2,827)
586,993
359,560
(59,155)
94,740
(6,530)
(660,006)
(361,455)
(229,128)
83,709
1,722,853
143,255
2008年10月26日
終了事業年度
百万円
千ドル
百万円
(25,388)
960,746
79,886
24,214
1,997
5,200
12,954
1,568
851
2,909
7,025
320,051
6,826
2,456
39,948
(58,259)
4,392
35,527
(7,491)
178,943
26,612
568
204
3,322
(4,844)
365
2,954
(623)
14,879
421,834
(638,256)
(125,605)
94,247
(394)
(260,041)
622,645
133,731
(20,832)
35,075
(53,071)
(10,444)
7,837
(33)
(21,622)
51,773
11,120
(1,732)
12,236
48,808
29,897
(4,919)
7,878
(543)
(54,879)
(30,055)
(19,052)
6,960
332,665
27,661
1,710,468
142,225
(287,906)
(235,324)
42,210
5,939,509
(5,534,475)
(23,939)
(19,567)
3,510
493,870
(460,192)
(75,986)
(6,318)
(169,081)
(322,599)
1,407,804
(1,777,736)
(14,059)
(26,824)
117,059
(147,819)
(248,427)
1,317,365
(956,249)
(20,657)
109,539
(79,512)
(861,612)
(71,643)
112,689
9,370
(6,441)
128,823
(350,000)
(348,522)
(536)
10,712
(29,103)
(28,980)
(750)
61,824
(22,906)
(319,507)
(62)
5,141
(1,905)
(26,567)
(2,117)
393,978
(1,499,984)
7,491
(325,405)
(176)
32,759
(124,724)
623
(27,057)
(576,131)
(47,905)
(281,339)
(23,393)
(1,426,037)
(118,575)
(3,827)
(318)
742
62
457
38
現金及び現金同等物期首残高
281,283
1,576,381
23,389
131,076
164,757
1,411,624
13,700
117,377
208,902
1,202,722
17,370
100,006
現金及び現金同等物期末残高
1,857,664
154,465
1,576,381
131,076
1,411,624
117,377
388,144
200,660
14,485
32,274
16,685
1,204
206,537
72,297
14,372
17,174
6,011
1,195
490,826
122,367
14,580
40,812
10,175
1,212
キャッシュ・フローに関する補足情報:
法人所得税支払額
法人所得税還付額
利息支払額
添付の連結財務書類注記を参照のこと。
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アプライド マテリアルズ インク(E05851)
有価証券報告書
(5) 連結財務書類注記
注記1. 重要な会計方針の要約
連結方針及び作成基準
この連結財務書類は、アプライド マテリアルズ インク及びその子会社(以下、「当社」という。)の財務書類を含んで
いる。連結会社間の残高及び取引は消去されている。事業年度に言及している場合は全て、10月の最終日曜日に終了する当
社の事業年度を指している。2010年度は53週であり、2009年度及び2008年度はそれぞれ52週であった。2010年度の第1四半
期は14週であり、第2、第3、第4四半期は13週であった。また、2009年度及び2008年度の各四半期はそれぞれ13週であっ
た。
見積りの使用
米国において一般に公正妥当と認められている会計原則に準拠して財務書類を作成するために、経営陣は連結財務書類
及びその注記に開示される金額に影響を与えることとなる判断、見積り及び仮定を行う必要がある。実際の結果はこれら
の見積りと大きく異なることがある。当社は、特に売掛金及び値引き、金融商品の公正価値、棚卸資産、無形固定資産及びの
れん、無形固定資産及び有形固定資産の耐用年数、株式に基づく報奨の公正価値、並びに法人税等に関連する見積りを継続
的に評価している。当社は、過去の経験及びその他の合理的と確信する様々な仮定に基づき見積りを行い、資産及び負債の
帳簿価額に関する判断を行う根拠としている。
現金同等物
購入時における満期までの残存期間が3ヶ月以内の流動性の高い投資は、全て現金同等物とされる。現金同等物は、主に
機関投資家向けマネー・マーケット・ファンドへの投資から成る。
投資
当社の全ての投資は、貸借対照表日において売却可能有価証券に分類される。売却可能有価証券に分類された投資は市
場価格に基づく公正価値で計上され、取得原価と公正価値の一時的な差異は、その他の包括利益(損失)累計額の独立項
目として表示される。投資に係る利益及び損失の算定には、個別法が用いられる。
棚卸資産
棚卸資産は、低価法で評価され、取得原価は先入先出法で算定される。当社は、見積もられた陳腐化について棚卸資産の
帳簿価額を修正し、棚卸資産の原価と、将来の需要及び市場の状況についての仮定に基づく見積市場価額との差額をその
修正額としている。当社は陳腐化したとみなされる棚卸資産及び取消不能な発注品については、全額引当金を計上してい
る。当社は過剰在庫を判定するために、在庫品と最近の消費実績及び需要予測を用いた所要量予測とを比較することによ
り定期的に在庫を調査している。顧客の需要予測がさらに減少するか、又は市場の状況が当社の予測と比べて悪化した場
合には、棚卸資産の追加修正が必要となる場合がある。2010年度、当社はSunFab薄膜太陽光電池装置に関する330百万ドル
を含む棚卸資産関連費用を負担した。
有形固定資産
有形固定資産は、取得原価で計上される。減価償却費は当該資産の見積耐用年数にわたって定額法で計上される。財務報
告目的における見積耐用年数は、建物及び改良工事は3年から30年、デモンストレーション用装置及び製造設備は3年か
ら5年、ソフトウェアは3年から5年、器具備品及びその他の機器は3年から15年である。土地改良工事は、15年又は見積
耐用年数のいずれか短い期間にわたって償却される。賃借物件改良工事は、5年又は当該賃借期間のいずれか短い期間に
わたって償却される。
無形固定資産
のれん及び耐用年数が無期限の資産は償却されないが、年に一度第4四半期に減損の有無を検討する。購入テクノロ
ジー及びその他の無形固定資産は、取得原価から償却累計額を差引いた価額で表示され、1年から15年の見積耐用年数に
わたって定額法で償却される。
長期性資産
当社では、長期性資産について、一定の事象又は環境の変化により、当該資産の帳簿価額が回収不能となる兆候が生じた
場合には、減損の有無を検討している。当社では、当該資産により生ずる見積将来キャッシュ・フローに基づき、当該資産
についての減損を検討している。
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アプライド マテリアルズ インク(E05851)
有価証券報告書
企業結合
2010年度第1四半期より、当社は企業結合に関する権威ある会計指針の改訂版を適用した。この改訂版は、企業結合の対
価として発行される買収企業の株式の測定、偶発対価の認識、買収前の偶発損失又は偶発利益の会計処理、資産化された仕
掛研究開発費の認識、買収に関連したリストラクチャリング費用引当金の会計処理、買収関連取引費用の取扱い、及び買収
企業の税金費用に関連した評価性引当金の変動の認識についての変更を規定している。また、この指針は、親会社の支配持
分の増加及び減少の両方についての会計処理も改定している。
研究開発費及び技術費
研究開発費及び技術費は発生時に費用計上される。
売上税及び付加価値税
顧客から回収され、政府当局に支払う税金は、添付の連結損益計算書においては控除して表示されている。
法人所得税
法人所得税は、税引前利益に基づく。繰延税金資産及び負債は、財務諸表上の資産及び負債(繰越欠損金及び繰越税額控
除控除後)の帳簿と税務上の金額との間の一時的な差異による予想される税効果について認識される。
収益認識
当社は、契約についての説得力のある証拠が存在する、引渡しが行われた又はサービスが提供されている、買い手に対す
る売り手の価格が固定している又は決定可能である、回収可能性が十分に考えられる、という4つの収益認識基準の全て
を満たした時点で収益を認識する。当社の出荷条件は、通例FOBアプライド出荷地渡し又は同等の条件である。当社の収益
認識方針により、通常、以下の時点で収益認識が行われる。(1)出荷時に顧客に法的所有権が移行する全ての取引において
は、当社は、出荷以前に製造仕様書に適合すると証明された全製品について、出荷時に収益を認識する。特定の据付関連作
業に関する収益の一部は繰り延べられ、作業が完了した時点で認識される。(2)出荷以前に製造仕様書に適合すると証明さ
れなかった製品については、収益は顧客による技術的検収の時点で認識される。(3)出荷時に法的所有権が移行しない取引
においては、法的所有権が顧客に移行した時点で収益が認識される。これは一般に顧客による技術的検収の時点である。
(4)複数の要素を含み、2010年度より前に契約された取引については、未引渡し部分に関する収益は、当該要素の引渡しま
で各要素の相対的な見積公正価値で繰り延べられる。(5)複数の要素を含み、2010年度中に契約又は重要な契約改訂が行わ
れた取引については、未引渡し部分に関する収益は、当該要素の引渡しまで見積販売価格を用いた相対的販売価格法を使
用して繰り延べられる。当社は、引渡し済の要素に関する収益の認識額を、将来の製品の引渡し若しくはサービスの提供、
将来の履行義務、又は顧客が要求できる返品若しくは修正の権利に影響を受けない金額に制限している。当社が出荷以前
に製造仕様書に適合すると証明された製品を販売した場合、当社は、引渡し時に収益として認識される金額に対して執行
TM
可能な請求権を有するものと確信する。SunFab 薄膜製造ラインには工事完成基準が適用される。一部のSunFab 薄膜契
約では、ラインが工場における受入後一定の生産基準を充足した場合には、当社に対して追加の金額を支払うことが定め
られている。上記の契約に基づいて得られた一切の追加的な金額は、上記の基準が充足された時点で認識される。スペア
パーツの収益は通常出荷時に認識され、サービス収益は、一般にサービスが提供される期間にわたり認識される。
2010年度第1四半期、当社は財務会計基準審議会(以下、「FASB」という。)が公表した複数成果物を含む売上契約に関
する修正後会計基準を、2009年10月25日より後に締結又は重要な変更が行われた契約で当該会計基準が適用される取引に
ついて、非遡及的に早期適用することを選択した。この新会計基準は、複数要素を含む契約においてそれぞれの要素を別個
に処理される会計単位とするための要件を変更し、相対的販売価格に基づき契約対価を各要素に配分することを要求して
いる。また、FASBは収益認識に関する会計基準を修正し、有形製品に含まれるソフトウェアがその有形製品の機能に対して
重要な役割を果たす場合には、そのソフトウェアはソフトウェアの収益認識指針の適用範囲から除外されることとした。
これらの新たな権威ある指針を適用しても、売上契約内の会計単位に変更はなく、契約対価の配分における残余法の廃止
も、報告される純売上高の計上金額及び時期に対して重要な影響を及ぼさなかったため、従来の指針に基づく純売上高と
比べ、新指針を適用して報告される純売上高に重要な差異はなかった。
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有価証券報告書
2010年度以降、売上契約にハードウェア、サービス及び/又はソフトウェア製品などの複数の要素が含まれている場合、
当社は販売価格のヒエラルキーに基づき収益を各要素に配分する。成果物の販売価格は、販売者特有の客観的証拠(以下、
「VSOE」という。)が入手可能であればそれに基づいて、入手不可能であれば第三者証拠(以下、「TPE」という。)に基づ
いて、またVSOE及びTPEのどちらも入手不可能な場合は見積販売価格(以下、「ESP」という。)に基づいて算定される。当
社は製品の性格上、通常ESPを使用する。付随的でないソフトウェア成果物が含まれる複数要素契約においては、収益は、各
非ソフトウェア成果物及びソフトウェア成果物合計を各会計単位として、契約における各成果物の相対的販売価格を用い
て前述の販売価格ヒエラルキーに基づいて配分される。当該契約に複数のソフトウェア成果物が含まれている場合は、ソ
フトウェア成果物合計に配分された契約対価は、修正後のソフトウェア収益認識指針に基づいて各ソフトウェア成果物に
配分される。
デリバティブ(金融派生商品)
当社は、現存の外貨建取引及び通常24ヶ月以内に発生が予想される外貨建予定取引の一部(全部ではない)をヘッジす
るために、先物為替予約及びオプション契約等の金融商品を利用している。ヘッジ目的に利用されている為替関連金融商
品の期間は、通常、ヘッジ対象の取引の時期と一致している。当社の為替リスク管理の目的は、一部の外貨建収益、費用及び
その結果生じるキャッシュ・フローに対する為替レート変動の影響を軽減することである。当社の全てのデリバティブ
は、比較可能な商品の市場価格に基づく公正価値で計上されている。外貨建予定取引のキャッシュ・フロー・ヘッジとし
て指定され適格であるデリバティブについて、当該ヘッジに係る損益の有効部分は、株主持分のその他の包括利益(損
失)累計額の構成要素として報告され、ヘッジ対象取引が損益に影響を及ぼした時点で損益項目に組替えられる。ヘッジ
対象取引が実行されない場合又はデリバティブの一部が無効な場合には、関連金融商品に係る損益は速やかに損益項目に
計上される。既存の外貨建資産又は負債のヘッジに利用されているデリバティブに関して、当該ヘッジに係る損益は、ヘッ
ジ対象の資産及び負債の公正価値の増減を相殺するために速やかに損益項目に計上される。当社は、デリバティブをト
レーディング又は投機目的には使用していない。
外貨換算
2010年10月31日現在、ほぼ全ての当社の子会社が米ドルを機能通貨として用いている。したがって、これらの子会社の資
産及び負債は期末日の為替レートで換算される。ただし、棚卸資産や有形固定資産などの非貨幣性資産は、取得時の為替
レートで換算される。収益及び費用は期中平均レートで換算されるが、これらの貸借対照表項目に関連する費用は、取得時
の為替レートで換算される。その結果生じる換算差損益は、発生時に連結損益計算書に計上される。
信用リスクの集中
当社に重要な信用リスクの集中をもたらす可能性のある金融商品は、主に現金同等物、投資、売掛金及びヘッジ活動に使
用されるデリバティブである。当社は、限定されてはいないが、預金証書、社債及び地方債、米国財務省証券及び政府機関
債、資産担保証券及びモーゲージ証券などの金融商品に投資しており、方針により、特定の金融機関又は発行体である事業
会社に対する信用リスクの金額を制限している。当社は、顧客の財政状態について信用評価を継続的に行っており、通常は
売掛金に対して担保を要求していない。当社は、売掛金の回収可能性の評価に基づき、回収できない可能性のある売掛金に
ついて貸倒引当金を計上している。当社は、過去の経験、信用度、売掛金残高の経過期間及び顧客の支払能力に影響する可
能性がある現在の景気等の要因を考慮することにより引当金を定期的に検討する。その他にも、当社は、適当と考えた場合
には、信用リスクを軽減するために信用状を利用する。当社は、デリバティブの契約相手先が債務不履行となった場合に
は、信用リスクに関連する損失を被るおそれがあるが、契約相手先のいずれかが債務を履行できなくなるとは予想してい
ない。
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有価証券報告書
最近公表された会計基準
2010年3月、FASBは権威ある指針の改訂を発行し、意思決定機関又は役務提供者が変動持分事業体を保有しているかど
うかを評価する要件を修正し、定量的アプローチだけが変動持分事業体の決定のための判定基準を評価する際の唯一の検
討事項ではないことを明確にした。また、当該指針では、意思決定機関及び役務提供者の要件を適用する際には常に、関連
当事者について検討しなければならないことを明確にしている。この指針はFASBが2009年6月に公表し、ある事業体が変
動持分事業体に該当するかの決定に適用され、企業の保有する変動持分又は持分が変動持分事業体における支配財務持分
に該当するかを決定するための分析を行うことを求めている権威ある指針の追加として公表された。この指針では、企業
は(1)変動持分事業体の経済的業績に最も重要な影響を与える活動を指図できる権限及び(2)当該事業体の損失を吸収す
る義務又は当該事業体にとって潜在的に重要となる可能性がある恩恵を当該事業体から受ける権利を有する場合に、支配
財務持分を有するとしている。また、この指針は、変動持分事業体の経済的業績に最も重要な影響を与える活動を指図でき
る権限があるかを判定する際に、当該企業に変動持分事業体が計画どおりに事業を遂行することを確実にする暗示的な財
務的責任があるかどうかを評価することを要求している。さらに、この指針では、企業が変動持分事業体の主たる受益者で
あるかどうかを継続的に評価することを要求し、開示の拡大を要求し、適格特別目的事業体の適用範囲からの除外規定を
廃止している。この指針は、当社には2011年度第1四半期より適用されるが、この指針の適用により、当社の財政状態又は
経営成績は重要な影響を受けないと予想されている。
2010年1月、FASBは公正価値による測定に関して権威ある指針を発行し、開示要求を追加すると共に既存の開示指針を
明確化している。この権威ある指針は、報告企業に対し、公正価値測定のレベル1及びレベル2からの重要なレベル変更の
金額とその理由を個別に開示することを要求している。また、この権威ある指針は公正価値測定レベル3における変動の
開示の拡大も求めている。この公正価値測定レベル1及びレベル2に関する新たな開示要求及び既存の開示要求の明確化
は、当社には2010年度第2四半期より適用となった。公正価値測定レベル3の変動に関する開示は、2010年12月15日より後
の最初の中間報告期間より発効し、当社には2011年度第2四半期より適用される。当社は、この権威ある指針の適用が当社
の連結財務書類に及ぼす潜在的な影響を評価している。当社の公正価値による測定についての情報及び関連した開示につ
いては注記4を参照のこと。
2009年6月、FASBは変動持分事業体に関する権威ある指針を公表し、この指針により、事業体が変動持分事業体であるか
否かの見直し、同事業体に対する支配の継続的な評価、及び変動持分に関する追加的開示が必要となった。2009年12月、
FASBは変動持分事業体に関する財務報告について権威ある指針を発行し、以前に発行された変動持分事業体についての指
針を修正した。この権威ある指針における改訂は、変動持分事業体に対して支配財務持分を有する企業が存在するならば、
それはどの企業かを決定する方法を、定量的なリスクと報酬の計算から、どの企業が当該変動持分事業体の経済的業績に
最も重要な影響を及ぼす活動を指図する権限と、(1)変動持分事業体の損失を吸収する義務又は(2)変動持分事業体からの
恩恵を受ける権利を有しているかを判定するアプローチに変更するものである。この指針は、当社には2011年度より適用
されるが、この指針の適用により、当社の財政状態又は経営成績は重要な影響を受けないと予想されている。
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有価証券報告書
注記2. 1株当たり利益(損失)
基本的1株当たり利益(損失)は、普通株式の期中加重平均発行済株式数を用いて計算される。希薄化後1株当たり利
益は、普通株式及び潜在的普通株式(ストックオプション、制限付株式ユニット及び従業員株式購入制度に基づく株式購
入権による希薄化効果を表す。)の期中加重平均発行済株式数を用いて計算される。当社の資本構成は複雑ではないため、
基本的又は希薄化後1株当たり利益(損失)の計算にあたり、記載されたいずれの期間についても、当社の当期純利益
(損失)は調整されていない。希薄化後1株当たり利益の計算に当たり、ストックオプションの行使価格が当社の普通株
式の期中平均公正市場価値を超える場合には、逆希薄化効果があるため、当該ストックオプションは加重平均潜在普通株
式数には含まれていない。潜在普通株式は逆希薄化効果があるため、2009年10月25日に終了した年度の希薄化後1株当た
り損失の計算には含まれず、基本的1株当たり純損失と希薄化後1株当たり純損失の計算には同一の分子と分母が使用さ
れた。
(単位:千株(1株当たり金額はドル))
2010年度
2009年度
2008年度
分子
当期純利益(損失)
937,866
(305,327)
960,746
分母
期中加重平均発行済普通株式数
ストックオプション、制限付株式ユニット及び
従業員株式購入制度に基づく株式購入権の希薄効果
希薄化後1株当たり利益(損失)計算の分母
1,339,949
1,333,091
1,354,176
8,855
̶
20,331
1,348,804
1,333,091
1,374,507
基本的1株当たり純利益(損失)
0.70
(0.23)
0.71
希薄化後1株当たり純利益(損失)
0.70
(0.23)
0.70
潜在的に希薄化効果を持つ株式数
33,706
109/206
85,049
36,423
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アプライド マテリアルズ インク(E05851)
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注記3. 現金、現金同等物及び投資
現金、現金同等物及び投資の要約
以下の表は、当社の現金、現金同等物及び投資を有価証券のタイプ別に要約したものである。
(単位:千ドル)
未実現
利益総額
未実現
損失総額
700,467
̶
̶
700,467
1,138,770
̶
̶
1,138,770
18,427
̶
̶
18,427
現金同等物合計
1,157,197
̶
̶
1,157,197
現金及び現金同等物合計
1,857,664
̶
̶
1,857,664
米国財務省証券及び政府機関債
664,573
8,697
41
673,229
州債券及び地方債証券
500,392
5,039
65
505,366
米国コマーシャル・ペーパー、社債及び
ミディアムターム・ノート
501,686
6,611
40
508,257
その他の負債証券*
261,335
2,317
382
263,270
1,927,986
22,664
528
1,950,122
9,119
16,067
̶
25,186
58,893
̶
̶
58,893
短期投資及び長期投資合計
1,995,998
38,731
528
2,034,201
現金、現金同等物及び投資合計
3,853,662
38,731
528
3,891,865
2010年10月31日
現金
取得原価
見積公正価値
現金同等物
マネー・マーケット・ファンド
州債券及び地方債証券
短期及び長期投資
固定利付証券合計
公開企業持分証券
非公開企業に対する持分投資
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有価証券報告書
(単位:千ドル)
未実現
利益総額
未実現
損失総額
341,127
̶
̶
341,127
1,235,254
̶
̶
1,235,254
現金同等物合計
1,235,254
̶
̶
1,235,254
現金及び現金同等物合計
1,576,381
̶
̶
1,576,381
米国財務省証券及び政府機関債
653,627
8,013
170
661,470
州債券及び地方債証券
419,640
7,597
̶
427,237
米国コマーシャル・ペーパー、社債及び
ミディアムターム・ノート
382,550
5,676
281
387,945
その他の負債証券*
103,193
1,430
391
104,232
1,559,010
22,716
842
1,580,884
9,572
9,439
̶
19,011
90,619
̶
̶
90,619
短期投資及び長期投資合計
1,659,201
32,155
842
1,690,514
現金、現金同等物及び投資合計
3,235,582
32,155
842
3,266,895
2009年10月25日
現金
取得原価
見積公正価値
現金同等物
マネー・マーケット・ファンド
短期及び長期投資
固定利付証券合計
公開企業持分証券
非公開企業に対する持分投資
* その他の負債証券は、主に投資適格格付けの資産担保証券及びモーゲージ証券から構成されている。
投資の満期日
以下の表は、2010年10月31日現在の当社の投資を契約上の満期日別に要約したものである。
(単位:千ドル)
取得原価
見積公正価値
1年以内満期
699,095
701,494
1年超5年以内満期
964,098
981,459
3,457
3,899
329,348
347,349
1,995,998
2,034,201
5年超満期
無期限**
** 無期限の証券には、公開企業持分証券、非公開企業に対する持分証券、資産担保証券及びモーゲージ証券が含まれる。
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投資に係る損益
2010年度、2009年度及び2008年度の投資の売却による実現損益は以下のとおりである。
(単位:千ドル)
2010年度
2009年度
2008年度
実現利益総額
6,184
8,666
13,483
実現損失総額
1,622
10,486
14,690
2010年10月31日現在の未実現損失総額は1百万ドルであり、これは、特定の固定利付債券の公正価値が下落したことに
よるものである。当社は、減損の可能性を示す投資を明確にし、評価するために投資ポートフォリオを定期的に検討してい
る。損失が一時的であるか、それとも一時的ではなく、したがって減損が生じているかを判断する際に考慮される要素に
は、公正価値が原価ベースを下回っている期間及び度合い、投資先の財政状態、信用度及び当面の見通し、並びに当社が公
正価値の回復を待たずに証券を売却せざるを得なくなる可能性が含まれる。通常、市場性を有する有価証券は、契約条件に
より、投資の償却原価を下回る価格での決済を認めていない。当社は、2010年10月31日現在の市場性を有する有価証券の未
実現損失の総額は、一時的なものであると判断した。したがって、当社は、2010年度に市場性を有する有価証券について減
損は認識していない。当社は、2010年度において一部の非公開企業に対する持分投資に一時的でない価値の下落が生じて
いると判断し、これに伴い、13百万ドルの減損額を認識した。2009年度の金融資産に関連する減損額は84百万ドルであり、
その内訳は、持分法投資45百万ドル、公開企業持分証券20百万ドル及び非公開企業に対する持分投資17百万ドル、市場性を
有する有価証券2百万ドルであった。当社は、2008年度に金融資産の減損は認識していない。
下記の表は、2010年10月31日現在の、一時的な価値の下落とみなされる未実現損失が発生している当社の投資の公正市
場価値を示している。
(単位:千ドル)
損失状態が12ヶ月未満
公正価値
未実現
損失総額
損失状態が12ヶ月以上
公正価値
合計
未実現
損失総額
公正価値
未実現
損失総額
米国財務省証券及び政府機関債
37,742
31
7,543
10
45,285
41
州債券及び地方債証券
66,024
65
̶
̶
66,024
65
米国コマーシャル・ペーパー、
社債及びミディアムターム・
ノート
54,127
40
̶
̶
54,127
40
その他の負債証券
56,113
264
1,624
118
57,737
382
214,006
400
9,167
128
223,173
528
合計
売却可能に分類される投資における未実現利益及び一時的な損失は、関連する税効果控除後、その他の包括利益(損
失)累計額に含めて計上されている。これらの金額は実現時にその他の包括利益(損失)累計額から損益項目に組み替え
られる。
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注記4. 公正価値による測定
当社の金融資産は、非公開企業に対する持分投資を除き、公正価値で測定され計上される。非公開企業に対する持分投資
は通常、原価法で会計処理され、一時的でない価値の下落が起こりうる事象又は状況が発生した場合には定期的に、一時的
でない減損の有無が評価される。のれん、無形固定資産及び有形固定資産などの非金融資産は、取得原価で計上され、一時
的でない価値の下落が起こりうる事象又は状況が発生した場合には、一時的でない減損の有無が評価される。
公正価値の階層
当社は、以下の公正価値の階層を使用しており、この階層により公正価値測定に使用される評価技法に組み込まれる
データは優先順位がつけられ、入手可能で公正価値測定に重要なデータで最も低いレベルのデータに基づいて各階層に分
類される。
・レベル1−活発な市場における同一の資産又は負債の相場価格
・レベル2−観察可能なレベル1のデータ以外の直接的又は間接的に観察可能なデータで、例えば類似した資産若しく
は負債の相場価格、活発でない市場の相場価格、又はその他の観察可能なデータ若しくは実質的に当該資産又は負債
の全期間にわたって観察可能な市場データにより裏付けられるデータ
・レベル3−市場活動による裏付けがほとんど又は全くなく、資産又は負債の公正価値に関して重要性のある観察不能
なデータ
当社の投資は、主に売却可能に分類され、公正価値で計上される負債証券で構成されている。当社は投資の公正価値の算
定に際し、有価証券を市場相場価格及び観察可能な市場データを利用する価格モデルに基づいて評価するプライシング・
サービスからの価格情報を使用する。プライシング・サービスからの見積公正価値が入手不能な場合、当社は通常ブロー
カーから拘束力のない建値を入手する。そして当社は、短期及び長期の投資の公正価値を算定するために、プライシング・
サービス又はブローカーより提供された情報を検討する。加えて、プライシング・サービスから入手した値付けの情報を
検証するために、当社は定期的に有価証券のサンプルの追加分析を実施する。この分析から予期しない重要な差異が発見
された場合、当社は適正な公正価値を算定するために、その差異を検討する。
満期までの残存期間が貸借対照表日から12ヶ月以内の投資は短期投資に分類され、満期までの残存期間が貸借対照表日
から12ヶ月を超える投資は長期投資に分類される。2010年10月31日現在、実質的に全ての当社が保有する売却可能な短期
及び長期の投資は、観察可能なデータに基づいて算定された公正価値で認識されている。
113/206
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経常的に公正価値で測定される資産及び負債
2010年10月31日及び2009年10月25日現在の、経常的に公正価値で測定される金融資産及び金融負債(現金残高を除く)
の要約は以下のとおりである。
(単位:千ドル)
2010年10月31日
レベル1
レベル2
2009年10月25日
レベル3
合計
レベル1
レベル2
レベル3
合計
資産
マネー・
マーケット・
ファンド
1,138,770
̶
̶
1,138,770
1,235,254
̶
̶
1,235,254
153,426
519,803
̶
673,229
145,166
516,304
̶
661,470
州債券及び地方債
証券
̶
523,793
̶
523,793
̶
427,237
̶
427,237
米国コマーシャル・
ペーパー、社債及び
ミディアムターム・
ノート
̶
508,257
̶
508,257
̶
387,945
̶
387,945
その他の負債証券
̶
263,270
̶
263,270
̶
104,232
̶
104,232
公開企業持分証券
25,186
̶
̶
25,186
19,011
̶
̶
19,011
外国為替
デリバティブ資産
̶
5,983
̶
5,983
̶
2,173
̶
2,173
1,317,382
1,821,106
̶
3,138,488
1,399,431
1,437,891
̶
2,837,322
米国財務省証券
及び政府機関債
合計
負債
外国為替
デリバティブ負債
̶
(1,265)
̶
(1,265)
̶
(1,678)
̶
(1,678)
合計
̶
(1,265)
̶
(1,265)
̶
(1,678)
̶
(1,678)
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2010年10月31日に終了した年度に、重要な公正価値測定レベル1及びレベル2の分類変更はなかった。2009年10月25日
に終了した年度において、レベル3に分類された資産は資産担保証券及びモーゲージ証券であった。これらの証券の評価
はブローカーから提供された拘束力のない建値に基づいており、観察可能な市場データによる裏付けがない可能性があっ
た。以下の表は、2010年度及び2009年度におけるレベル3の金融商品に関する変動を示している。
(単位:千ドル)
期首現在残高
2010年度
2009年度
レベル3
レベル3
̶
13,100
損益項目に計上
̶
(1,856)
その他の包括損失に計上
̶
(1,152)
購入、売却、償還
̶
(9,606)
レベル3からの組替え(純額)
̶
(486)
期末現在残高
̶
̶
実現損失及び未実現損失の合計
非経常的に公正価値で測定される資産及び負債
非公開企業に対する持分投資は通常、原価法で会計処理され、一時的でない価値の下落が起こりうる事象又は状況が発
生した場合には定期的に、一時的でない減損の有無が評価される。一時的ではない減損が発生していると判断された場合
には、当該投資は、最近の資金調達におけるプライシング、現金持高、損益及びキャッシュ・フロー見通し、最近の業績並び
にその他の容易に入手可能な市場データ等の利用可能な情報に基づいた見積公正価値まで評価減される。2010年10月31日
現在の非公開企業に対する持分投資の総額は59百万ドルであり、このうち40百万ドルが原価法で会計処理され、19百万ド
ルが一時的でない価値の下落により非経常的に公正価値で測定された。2009年10月25日現在の非公開企業に対する持分投
資の総額は91百万ドルであり、このうち52百万ドルが原価法で会計処理され、39百万ドルが一時的でない価値の下落によ
り非経常的に公正価値で測定された。
以下の表は、上記のプロセスに従い非経常的に公正価値で測定された持分証券の2010年10月31日及び2009年10月25日現
在の残高、並びに同日に終了した年度に計上された減損費用を示している。
(単位:千ドル)
2010年度に非経常的に公正価値で
測定された、非公開企業に対する持分投資
レベル1
レベル2
̶
̶
レベル3
18,781
非公開企業に対する
持分投資の減損
12,665
(単位:千ドル)
2009年度に非経常的に公正価値で
測定された、非公開企業に対する持分投資
レベル1
レベル2
̶
̶
115/206
レベル3
39,250
非公開企業に対する
持分投資の減損
17,529
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有価証券報告書
その他
当社の金融商品(現金及び現金同等物、売掛金、短期借入金、並びに買掛金及び未払費用を含む。)の帳簿価額は、満期日
までの期間が短いため、公正価値と同等である。2010年10月31日現在、長期債務の帳簿価額は206百万ドルであり、見積公正
価値は238百万ドルであった。2009年10月25日現在、長期債務の帳簿価額は202百万ドルであり、見積公正価値は216百万ド
ルであった。長期債務の見積公正価値はレベル2のデータにより決定され、主に、同一又は類似した負債証券の市場価格に
基づいている。
注記5. デリバティブ及びヘッジ活動
デリバティブ(金融派生商品)
当社は多くの外国で事業を行っており、一部の取引が、日本円、ユーロ、イスラエル・シェケル、台湾ドル及びスイス・フ
ランなどの現地通貨建てで行われている。当社は、今後24ヶ月以内に発生すると予想される特定の外貨建予定取引のヘッ
ジに先物為替予約及び通貨オプション契約などのデリバティブを使用している。当社の為替リスク管理の目的は、一部の
外貨建収益、費用及びその結果生じるキャッシュ・フローに対する為替レート変動の影響を軽減することである。ヘッジ
目的に利用されている為替関連金融商品の期間は、通常、ヘッジ対象の取引の時期と一致している。当社は、デリバティブ
をトレーディング又は投機目的には使用していない。
為替予約を含むデリバティブ及びヘッジ活動は、貸借対照表上に公正価値で認識される。ヘッジ会計処理の要件を満た
していないデリバティブの公正価値の増減及びヘッジの非有効部分は、当該期間に損益として認識されている。当社のデ
リバティブは全て、その他流動資産又は買掛金及び未払費用に公正価値で計上されている。
予定取引に関連するヘッジはキャッシュ・フロー・ヘッジとしてヘッジの開始時に指定及び文書化され、通常は月に一
度契約が締結される。キャッシュ・フロー・ヘッジはその有効性が四半期ごとに評価される。当該ヘッジに関する損益の
有効部分は株主持分のその他の包括利益又は損失累計額(AOCI)の構成要素として計上され、ヘッジ対象取引が損益に影
響を及ぼした時点で損益項目に組み替えられる。2010年10月31日時点でAOCIに含まれるデリバティブに関連する税引後の
純損益の大部分は12ヶ月以内に損益項目に組み替えられると見込まれる。時間的価値の増減に起因する先物為替予約及び
オプション契約の公正価値の変動は、有効性の評価からは除外される。ヘッジの非有効部分及びヘッジの有効性評価から
除外された部分は、速やかに損益に認識される。ヘッジ対象の取引が発生する見込みがなくなった場合、又はデリバティブ
の一部に有効性がないとみなされた場合、関連する金融商品に関する損益は速やかに一般管理費として認識される。予定
取引が当初指定された時期までに実行される見込みがなくなったために、キャッシュ・フロー・ヘッジが中止されたこと
に伴い認識された金額は、2010年度又は2008年度には重要性はなかった。予定取引が当初指定された時期までに実行され
る見込みがなくなったために、キャッシュ・フロー・ヘッジが中止されたことに伴い2009年度に認識された金額は25百万
ドルであった。
さらに、一定の外貨建資産又は負債のヘッジのために、通常先物為替予約を利用している。これらのデリバティブは、通
常、月に一度契約が締結され、ヘッジ会計の対象とは指定されない。したがって、当該ヘッジ商品の公正価値の増減は、ヘッ
ジ対象の資産又は負債の公正価値の増減を相殺するために速やかに損益項目に計上される。
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デリバティブの公正価値は以下のとおりである。
(単位:千ドル)
デリバティブ資産
貸借対照表 2010年
表示科目 10月31日
デリバティブ負債
2009年
10月25日
貸借対照表 2010年
表示科目 10月31日
2009年
10月25日
ヘッジ商品として指定された
デリバティブ
外国為替予約
その他
流動資産
4,547
1,811
未払費用
1,042
1,225
その他
流動資産
1,436
362
未払費用
223
453
5,983
2,173
1,265
1,678
ヘッジ商品として指定されていない
デリバティブ
外国為替予約
デリバティブ合計
デリバティブが2010年10月31日及び2009年10月25日に終了した年度の連結要約損益計算書に与えた影響は以下のとお
りである。
(単位:千ドル)
2010年度
非有効部分
及び有効性
テストから
除外された
金額
有効部分
AOCIから損益に
組み替えられた
利益(損失)
又は損益に
認識された
利益(損失)の
表示科目
AOCIに
認識
された
利益
(損失)
2009年度
AOCIから
損益に
組み替え
られた利益
(損失)
損益に認識
された利益
(損失)
非有効部分
及び有効性
テストから
除外された
金額
有効部分
AOCIに
認識された
利益
(損失)
AOCIから
損益に
組み替えら
れた利益
(損失)
損益に
認識された
利益
(損失)
キャッシュ・フロー・
ヘッジ関係にある
デリバティブ
外国為替予約
売上原価
616
(4,317)
(2,420)
外国為替予約
一般管理費
̶
(1,003)
(1,686)
外国為替予約
研究開発費
及び技術費
̶
(327)
616
(5,647)
合計
117/206
̶
(4,106)
(3,467)
(11,676)
(3,352)
̶
(5,511)
23,582
̶
(327)
̶
(17,514)
20,230
(3,467)
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アプライド マテリアルズ インク(E05851)
有価証券報告書
(単位:千ドル)
2010年度
損益に認識された利益
(損失)の表示科目
2009年度
損益に認識された利益
(損失)
ヘッジ商品として指定されていないデリバティブ
外国為替予約
一般管理費
合計
(19,590)
(9,848)
(19,590)
(9,848)
税引後のその他の包括損失累計額におけるデリバティブ関連活動は以下のとおりである。
(単位:千ドル)
2010年度
期首デリバティブ未実現利益
310
2009年度
8,039
デリバティブの公正価値の増加(減少)
1,849
(10,591)
純利益に組み替えられた損失
2,151
2,862
期末デリバティブ未実現純利益
4,310
310
信用リスク条件付契約
当社の信用格付けが投資適格を下回った場合は、上記のデリバティブにおける信用リスク条件規定の違反となり、一部
の契約相手は正味負債ポジションにあるデリバティブについて即時の支払いを要求する可能性がある。2010年10月31日現
在、正味負債ポジションにある信用リスク関連の条件付きのデリバティブの公正価値総額に重要性はない。
銀行と外国為替契約を締結することにより、当社は当該銀行が契約不履行を起こした場合に信用関連損失にさらされる
ことになる。しかし、当社は、当社のエクスポージャーには重要性はないと考えている。
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注記6. 売掛金(純額)
当社は、様々な金融機関との間で、特定の顧客からの売掛金の売却契約及び約束手形の割引契約を締結している。また、
当社は、様々な金融機関を通じて信用状を割引する。当社の売掛金売却は遡及義務なしで行われている。2010年10月31日、
2009年10月25日及び2008年10月26日に終了した年度の信用状割引高、売掛金売却額及び約束手形割引高は以下のとおりで
ある。
(単位:千ドル)
2010年度
2009年度
2008年度
信用状割引高
229,803
299,401
167,110
売掛金売却額
153,079
38,868
132,788
3,458
3,550
5,570
386,340
341,819
305,468
約束手形割引高
合計
売掛債権の売却及び信用状の割引に関する金融費用は、連結要約損益計算書の支払利息に含まれており、表示されてい
るいずれの年度においても重要な金額ではなかった。
売掛金は貸倒引当金控除後で表示されており、2010年10月31日及び2009年10月25日における貸倒引当金はそれぞれ、74
百万ドル及び67百万ドルであった。当社の販売先は主に、半導体業界、ディスプレイ業界及び太陽光電池業界の製造業者で
ある。厳しい経済状況及び業界の状況により、これらの製造業者の一部で債務の期限内履行が困難な状況に陥る可能性も
ある。当社は、貸倒引当金残高は適切で、2010年10月31日における当社の最善の見積りを表していると確信しているが、当
社は引続き顧客における流動性とその他の経済状況を注意深く監視し、その結果、回収可能性に関する当社の見積りを変
更することもあり得る。
注記7. 貸借対照表明細
(単位:千ドル)
2010年10月31日
2009年10月25日
棚卸資産
顧客サービス部品
323,693
263,688
原材料
260,591
351,824
仕掛品
499,931
667,484
製品*
463,163
344,461
1,547,378
1,627,457
* 2010年10月31日及び2009年10月25日現在の製品在庫には、新規に導入された装置の販売取引で、顧客へ搬送されたが、注記1に
記載されている当社の収益認識基準を満たさなかったために在庫となった金額が、それぞれ148百万ドル及び133百万ドル含
まれている。
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耐用年数
(単位:年)
2010年10月31日
2009年10月25日
(単位:千ドル)
有形固定資産(純額)
土地及び改良工事
227,202
228,057
建物及び改良工事
3-30
1,233,850
1,164,384
デモンストレーション用装置及び製造設備
3-5
669,473
654,779
器具備品及びその他の機器
3-15
719,119
713,505
19,144
146,232
2,868,788
2,906,957
(1,905,784)
(1,816,524)
建設仮勘定
有形固定資産総額
減価償却累計額
963,004
1,090,433
買掛金
657,971
477,148
報酬及び従業員給付
435,021
134,949
製品保証
155,242
117,537
リストラクチャリング引当金
104,229
31,581
その他の未払税金
98,634
36,954
未払配当
92,960
80,455
221,909
182,878
1,765,966
1,061,502
顧客預り金
407,115
564,412
繰延収益
440,116
299,868
847,231
864,280
買掛金及び未払費用
その他
顧客預り金及び繰延収益
当社は、主にエネルギー・環境ソリューション部門のリストラクチャリングに関連して2010年度に117百万ドルの資産
減損費用を負担した。2010年10月31日現在、その他の未払費用には40百万ドルの契約終了債務費用が含まれる。
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注記8. のれん、購入テクノロジー及びその他の無形固定資産
のれん及び購入無形固定資産
当社が買収に関連して買収価格を割り当てる方法は、確立され一般に認められた評価技法に基づき決定される。のれん
は、買収コストが、取得した有形資産及び識別可能無形資産に割り当てられた合計額から引き継いだ債務を控除した額を
超過した金額として測定される。取得した資産(のれんを含む)及び引き継いだ債務は取得日に1又は複数の報告ユニッ
トに割り当てられる。通常、買収は単一の報告ユニットに関連するため、のれんを複数の報告ユニットに割り当てる必要は
ない。買収によって取得された製品が複数の報告ユニットに割り当てられる場合、のれんは買収価格の割当プロセスの一
部として関係する各報告ユニットに配分される。
のれん及び耐用年数が無期限の購入無形固定資産は償却はされないが、年に一度、各事業年度第4四半期に減損の有無
が検討されるのに加え、特定の事象又は環境の変化により当該資産の帳簿価額が回収不能となる兆候が生じた場合には、
その都度減損の有無が検討される。のれん及び無形固定資産の潜在的な減損を評価するプロセスにおいては、多大な判断
が必要とされるが、新興市場においては特にその必要性が高い。当社は、現在の事業環境に加え、将来の業績に影響を与え
る可能性のある業界又は経済の下降トレンド、リストラクチャリング、利益性低下の見込みなどの要因を定期的に監視し
ている。のれんについては、当社は2段階の減損テストを実施している。最初のステップでは、各報告ユニットの見積公正
価値と帳簿価額が比較される。当社の報告ユニットは注記17に示されている報告対象セグメントと一致しており、当社の
事業の遂行体制と事業の性格に基づいている。当社は各報告ユニットの公正価値をインカム・アプローチとマーケット・
アプローチを比較検討して算定している。インカム・アプローチでは、報告ユニットの公正価値は見積将来キャッシュ・
フローの現在価値に基づいて算定される。見積将来キャッシュ・フローは、将来の業績予測、見積資本コスト及び/又は割
引率などいくつかの要因の影響を受ける。マーケット・アプローチでは、場合に応じて比較可能な企業の収益又は利益の
市場乗数に基づき公正価値が見積もられる。報告ユニットの公正価値が当該報告ユニットに割り当てられた純資産の帳簿
価額を上回っている場合は、のれんの減損はなく、これ以上のテストは行われない。報告ユニットに割り当てられた純資産
の帳簿価額が報告ユニットの公正価値を上回っている場合は、当該報告ユニットののれんの推定公正価値を算定するため
に、減損テストの第2ステップが実施される。報告ユニットの公正価値は、あたかも当社が当該報告ユニットを企業結合で
取得し、その公正価値が「買収価格」であるかのように、全ての資産及び負債に割り当てられる。「買収価格」が資産及び
負債の帳簿価額を超過する額が、のれんの推定公正価値とされる。報告ユニットののれんの帳簿価額がのれんの推定公正
価値を上回っていると判定された場合には、その差額は減損として計上される。
当社はこれらの減損テストを2010年度第4四半期に実施したが、減損テストの最初のステップで、当社の各報告ユニッ
トののれん及び耐用年数が無期限の購入無形固定資産に減損はないことが示された。
耐用年数が無期限の無形固定資産の内訳は以下のとおりである。
(単位:千ドル)
2010年10月31日
2009年10月25日
その他
の無形
固定
資産
その他
の無形
固定
資産
のれん
合計
のれん
合計
シリコン・システムズ・グループ
381,305
̶
381,305
223,584
̶
223,584
アプライド・グローバル・サービス
177,184
17,400
194,584
177,184
17,860
195,044
ディスプレイ
115,908
̶
115,908
115,908
̶
115,908
エネルギー・環境ソリューション
662,029
̶
662,029
654,256
̶
654,256
1,336,426
17,400
1,353,826
1,170,932
17,860
1,188,792
帳簿価額
2009年10月25日から2010年10月31日の間に、のれんは、セミツール・インク(以下、「セミツール」という。)の買収に
より158百万ドル増加し、アドベント・ソーラー・インク(以下、「アドベントソーラー」という。)からの資産取得によ
り7百万ドル増加した。これらの買収はいずれも2010年度第1四半期に行われた(注記9を参照のこと)。その他の償却
の対象とならない無形固定資産は、主に商号から構成される。
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耐用年数が有限の購入無形固定資産
当社は耐用年数が有限の購入無形固定資産を、1年から15年の見積経済的耐用年数にわたり定額法を用いて償却してい
る。
当社は長期性資産について、特定の事象又は環境の変化により資産グループの帳簿価額が回収不能となる兆候が生じた
場合にはその都度減損の有無を検討する。公正価値は当該資産が生み出すと見込まれる割引前の将来キャッシュ・フロー
金額に基づき評価され、当該資産の使用と正味売却手取金から見込まれる割引前の将来キャッシュ・フローが当該資産の
帳簿価額を下回る場合に減損が認識される。減損が判定された場合、当該資産グループの帳簿価額は、比較可能な市場価額
が利用可能でかつ適当である場合は市場価額に、それ以外の場合は割引キャッシュ・フロー・アプローチに基づく見積公
正価値まで減額される。
購入テクノロジーなどの無形固定資産は、一般に事業買収に関連して計上される。無形固定資産に割り当てられた価値
は、通常、取得した製品及び技術の成功及びライフ・サイクルに対する予測に関する見積り及び判断に基づき決定される。
当社は、報告期間ごとに無形固定資産の耐用年数を検討し、特定の事象及び環境により残存償却年数を改定する必要が生
じているかを判定している。また、特定の事象又は環境の変化により無形固定資産の帳簿価額が回収不能となる兆候が生
じた場合には、減損の有無を検討する。経営陣は実際の製品の受入の見積りとの大幅な差異、競合及び経済環境の変化、技
術の進歩並びに原価構成の変化を減損の兆候と考えている。
償却資産である無形固定資産の詳細は以下のとおりである。
(単位:千ドル)
2010年10月31日
購入テク
ノロジー
シリコン・システムズ・グループ
その他の
無形固定
資産
2009年10月25日
合計
購入テク
ノロジー
その他の
無形固定
資産
合計
310,259
19,800
330,059
244,558
̶
244,558
32,089
60,564
92,653
39,729
60,564
100,293
ディスプレイ
109,828
33,500
143,328
109,828
33,500
143,328
エネルギー・環境ソリューション
105,305
231,667
336,972
160,805
235,565
396,370
帳簿価額総額
557,481
345,531
903,012
554,920
329,629
884,549
アプライド・グローバル・サービス
シリコン・システムズ・グループ
(247,115)
(5,578)
(252,693)
(238,628)
アプライド・グローバル・サービス
(19,022)
(43,279)
(62,301)
(19,974)
(38,635)
(58,609)
ディスプレイ
(96,429)
(22,258)
(118,687)
(91,364)
(19,602)
(110,966)
エネルギー・環境ソリューション
(36,690)
(163,220)
(199,910)
(50,127)
(137,663)
(187,790)
(399,256)
(234,335)
(633,591)
(400,093)
(195,900)
(595,993)
158,225
111,196
269,421
154,827
133,729
288,556
償却累計額
帳簿価額
̶
(238,628)
2009年10月25日から2010年10月31日の間の、償却資産である無形固定資産の帳簿価額総額の増加は約18百万ドルであ
り、これは主として2010年度第1四半期におけるセミツールの買収による。これは2010年度第3四半期のエネルギー・環
境ソリューション部門のリストラクチャリングに関連する無形固定資産の減損により相殺された。2010年度、2009年度及
び2008年度の償却費の合計は、それぞれ113百万ドル、89百万ドル及び121百万ドルであった。
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2010年10月31日現在、将来における見積償却費は以下のとおりである。
(単位:千ドル)
償却費
2011年度
52,787
2012年度
51,342
2013年度
48,633
2014年度
40,986
2015年度
24,897
2016年度以降
50,776
269,421
注記9. 企業結合
2009年12月21日、当社はモンタナ州を拠点とする株式公開会社であるセミツールを、公開買付け及びその後の簡易合併
により、現金323百万ドル(取得した現金控除後)の買収価格で買収した。被買収事業は世界中の半導体パッケージメー
カー及び半導体製造会社が使用する電解めっき装置及びウエーハ表面処理装置の大手供給業者である。当該買収の当社の
主要な理由は既存の製品提供を補完し、今後の成長機会を提供することであった。取得した事業は、シリコン・システムズ
・グループ部門に含められている。
2009年11月、当社は、結晶シリコン(c-Si)太陽光電池及びモジュールの先端技術開発企業である、アドベントソーラー
の知的財産を含んだ実質的に全ての資産を14百万ドルで取得した。この取得により、当社の太陽光発電技術は補完され、
c-Si装置市場における当社の機会を高めた。この取得は、エネルギー・環境ソリューション部門の業績に含められた。
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当社は、それぞれの買収について、買収価格を見積公正価値に基づき、取得された有形資産、負債及び識別可能無形固定
資産に割り当て、買収価格が公正価値総額を超過した部分をのれんとして計上した。取得された識別可能無形固定資産に
割り当てられた公正価値は、経営陣による見積り及び仮定に基づいて算定され、かかる見積りは、確立され一般に認められ
た算定法に基づき決定された。当社は、買収価格を割り当てるために、取得した有形資産及び無形固定資産の公正価値をそ
れぞれの取得日時点で計算した。かかる計算に基づき、上記買収における買収価格は以下のように割り当てられた。
(単位:千ドル)
買収
2010年度
公正市場価値
現金及び現金同等物
38,744
売掛金(純額)
37,961
棚卸資産
61,838
その他流動資産
3,837
有形固定資産(純額)
45,578
のれん
165,495
93,376
購入無形固定資産
446,829
取得した資産合計
買掛金及び未払費用
(46,246)
その他負債
(25,240)
負債合計
(71,486)
割当買収価格
375,343
購入無形固定資産
耐用年数
2010年度
(単位:年)
(単位:千ドル)
開発技術
6 - 10
65,700
顧客関係
8
10,900
商号
3 - 10
5,700
特許及び商標
7 - 10
5,462
受注残高
1
4,100
その他
5
1,514
93,376
購入無形固定資産合計
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2008年1月31日、当社はイタリアを拠点とする非公開会社のバッチーニの全発行済株式を現金約215百万ドル(取得し
た現金及び市場性を有する有価証券を控除後)で取得した。同社はc-Si太陽光電池の製造に用いられる自動メタライゼー
ション装置及び試験装置の大手供給業者である。この買収に関連して、当社はのれんに158百万ドル、無形固定資産に130百
万ドルを計上した。取得した130百万ドルの無形固定資産のうち、61百万ドルは取得した受注残高(2年にわたり償却され
る。)、34百万ドルは顧客関係(9年にわたり償却される。)、27百万ドルは購入テクノロジー(7年にわたり償却され
る。)、6百万ドルは競業避止の誓約(2年にわたり償却される。)及び3百万ドルは商標及び商号(7年にわたり償却さ
れる。)に割り当てられた。買収価格は、取得した資産の公正価値の見積もりに応じて割り当てられる。取得した事業は、エ
ネルギー・環境ソリューション部門において報告される。
2007年11月9日、当社は、エドワーズ・バキューム・インクから19百万ドルでカチナ半導体装置部品洗浄及び改修事業
の資産の一部を買収した。この買収により、世界中の顧客に技術及びチャンバ部品の保守サポートを提供する当社の既存
のチャンバ・パフォーマンス・サービス・ネットワークが拡大された。本買収に関連して、当社はのれんとして13百万ド
ル及び無形固定資産として3百万ドル(13年にわたり償却される予定の顧客との関係)を計上した。取得した事業は、ア
プライド・グローバル・サービス部門において報告される。
上記の全てのパーチェス法による企業結合において、買収日以前の経営成績はここに表示されているどの期間において
も当社の経営成績に対して重要ではなかった。のれんは償却されないが、減損の有無について定期的に見直され、購入テク
ノロジーは1年から15年の耐用年数にわたり償却される。
注記10. 借入枠
当社は、様々な通貨による無担保借入のための信用枠を有しており、その上限は11億ドルであり、うち10億ドルは銀行グ
ループとの5年間リボルビング信用契約(2012年1月満了予定)である。当該契約は、当社が各回ごとに選択した2つの
レートのいずれかに合わせた金利で米ドル建の借入を提供し、財務上その他の特約条項を含んでいるが、2010年10月31日
現在、当社はそれらの条項を遵守していた。残りの信用枠約98百万ドルは日本の銀行との契約である。これらの信用枠に基
づく当社の借入は融資申込時点で銀行の承認を必要とし、全ての借入は当該銀行の円建プライム・レートに連動した金利
が適用される。2010年10月31日現在、これらの信用枠に基づく借入残高はなかった。
注記11. 長期債務
2010年10月31日及び2009年10月25日現在の長期債務残高は以下のとおりであった。
(単位:千ドル)
2010年10月31日
年利7.125%無担保シニア・ノート、2017年満期、
利息支払日4月15日及び10月15日
その他の負債
200,000
200,000
5,529
1,894
205,529
201,894
(1,258)
1年以内返済
2009年10月25日
204,271
(1,240)
200,654
当社は、財務上その他の特約条項を含んだ借入契約を締結している。当該特約条項は、当社が一定の最低財務比率を維持
することを要求している。2010年10月31日現在、当社はかかる特約条項を全て遵守していた。2010年10月31日現在における
全債務の期限の到来は、2011年度が1百万ドル、2012年度が1百万ドル、2013年度が1百万ドル、2014年度が1百万ドル及
びそれ以降が201百万ドルであった。
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注記12. リストラクチャリング費用及び資産減損
下記の表は、2010年度、2009年度及び2008年度のリストラクチャリング及び資産減損費用の主な内訳の要約である。
(単位:千ドル)
リストラクチャリング引当金(退職金)
リストラクチャリング引当金(施設)
2010年度
2009年度
128,857
142,098
78
2008年度
(3,355)
28,549
11,399
資産減損
116,990
17,045
̶
合計
245,925
155,788
39,948
2010年7月21日、当社は全世界で400人から500人に影響を及ぼすと見込まれるエネルギー・環境ソリューション部門の
リストラクチャリング計画を公表した。これは、実用規模の太陽光発電の導入の遅れ、太陽光パネル製造業者の設備投資の
困難さ、政府の再生可能エネルギー政策の変更及び不透明性、並びに結晶シリコン(c-Si)太陽光電池技術の競争圧力等
を含む薄膜太陽光電池の不利な市況に対処するために計画されたものである。同計画に基づき、当社は合計403百万ドルの
費用を負担し、これにはSunFab薄膜太陽光電池装置に関連する247百万ドルの売上原価を含む棚卸関連費用、108百万ドル
の資産減損費用、45百万ドルの従業員退職費用及び3百万ドルのその他の費用を含む。
2009年11月11日、当社は全世界で従業員を18ヶ月間で2009年10月25日時点と比べ約1,300人から1,500人(10%から
12%)削減するリストラクチャリングプログラムを公表した。2010年度第1四半期に、当社は当プログラムに伴うリスト
ラクチャリング費用104百万ドルを計上した。2010年度第3四半期において、ビジネス要件の変更により、当社は全世界に
おける人員削減数を約1,000人まで減少し、20百万ドルの上方修正を行った。
上記のリストラクチャリングプログラムに基づく未払退職給付金に係るリストラクチャリング引当金の2010年度の増
減は、以下のとおりである。
(単位:千ドル)
退職給付金
リストラクチャリング引当金繰入
148,855
引当金取崩額
(35,655)
リストラクチャリング引当金の調整
(20,000)
93,200
2010年10月31日現在残高
2009年度、当社は全世界で従業員を約2,000人削減するリストラクチャリングプログラムを開始した。2009度において、
当社はリストラクチャリング及び資産減損費用を156百万ドル認識し、この主な内訳は、143百万ドルが上記プログラムの
実施に伴うリストラクチャリング費用、15百万ドルが資産減損費用であった。リストラクチャリング費用は、自然減、希望
退職及びその他の従業員削減プログラムによる当社の従業員の削減に伴う従業員関連費用から構成される。2008度におい
て、当社はリストラクチャリング費用を40百万ドル認識し、そのうち29百万ドルが2008年度に発表した全世界での経費削
減計画に関連し、11百万ドルが2007年度に発表した計画に関連するものであった。
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2010年度、2009年度及び2008年度のその他のリストラクチャリング計画及び過年度に開始された施設再編成プログラム
に関するリストラクチャリング引当金の増減は、以下のとおりである。
(単位:千ドル)
退職給付金
2007年10月28日現在残高
施設
合計
9,739
13,454
23,193
38,670
11,399
50,069
引当金取崩額
(32,174)
(8,428)
(40,602)
リストラクチャリング引当金の調整
(10,121)
リストラクチャリング引当金繰入
(412)
外貨変動額
2008年10月26日現在残高
リストラクチャリング引当金繰入
引当金取崩額
リストラクチャリング引当金の調整
外貨変動額
2009年10月25日現在残高
リストラクチャリング引当金繰入
引当金取崩額
外貨変動額
(2,092)
5,702
14,745
20,447
144,901
114
145,015
(121,265)
(6,074)
(127,339)
(2,803)
(3,469)
(6,272)
(182)
(88)
(270)
26,353
5,228
31,581
̶
238
238
(459)
(20,341)
2
(160)
(158)
̶
(291)
(291)
6,473
2010年10月31日現在残高
(10,121)
(1,680)
(19,882)
リストラクチャリング引当金の調整
̶
4,556
11,029
2010年度に、当社はエネルギー・環境ソリューション部門のリストラクチャリングに関連して108百万ドルの資産減損
費用及び特定の施設について同一地域の比較可能な不動産価格に基づいた見積公正価値まで評価減するために9百万ド
ルの減損費用を計上した。この施設はその他流動資産の内訳科目である売却目的保有資産に組み替えられた。
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注記13. 株主持分、包括利益及び株式報酬
その他の包括利益(損失)累計額
税引後のその他の包括利益(損失)累計額の内訳は以下のとおりである。
(単位:千ドル)
2010年10月31日
年金債務
2009年10月25日
(38,862)
退職者医療給付
(269)
投資に係る未実現利益(純額)
キャッシュ・フロー・ヘッジとして要件を満たしている
デリバティブ商品に係る未実現利益
累積外貨換算調整額
(32,164)
15
24,382
19,972
4,310
310
12,105
10,187
1,666
(1,680)
デリバティブ商品に関する詳細については、連結要約財務書類注記の注記5を参照のこと。
株式買戻しプログラム
2010年3月8日、当社の取締役会は、2013年3月までの3年間で20億ドルを限度とする新たな株式買戻しプログラムを
承認した。この承認に基づき、当社は計画的な株式買戻しプログラムの更新を行い、加えて、市場の状況、株価及びその他の
要因に応じて適宜公開市場から普通株式を追加で買い戻す可能性もある。2010年度に、当社は、28,802,000株の当社普通株
式を1株当たり平均価格12.15ドル、現金総額350百万ドルで買い戻した。2009年度に、当社は、1,942,000株の当社普通株式
を1株当たり平均価格11.80ドル、現金総額23百万ドルで買い戻した。2008年度に、当社は、83,163,000株の当社普通株式を
1株当たり平均価格18.04ドル、現金総額15億ドルで買い戻した。
当社は、自己株式の買戻しを先入先出法を用い原価法で計上している。自己株式の再発行に当たり、買戻価格を超える金
額は追加払込資本金に組み入れられる。当社が自己株式を買戻価格を下回る金額で再発行した場合であって、従前の自己
株式取引による追加払込資本金で買戻価格と再発行価格の差額を補てんできない場合には、当該差額は利益剰余金に計上
される。2009年度において、当社のESPPに関連して発行された自己株式の価値の総額は自己株式の買戻価格を下回ってい
たため、40百万ドルが利益剰余金に計上された。
配当
2010年度中、当社の取締役会は1株当たり0.07ドルの四半期現金配当を3度、1株当たり0.06ドルの四半期現金配当を
1度宣言した。2010年度第4四半期に宣言された1株当たり0.07ドルの現金配当は、2010年11月24日現在の登録株主に対
して、2010年12月15日に支払われる。2009年度中は、当社の取締役会は、1株当たり0.06ドルの四半期現金配当を4度宣言
した。2008年度中は、当社の取締役会は、1株当たり0.06ドルの四半期現金配当を4度宣言した。2010年度、2009年度及び
2008年度に支払われた配当金はそれぞれ361百万ドル、320百万ドル及び323百万ドルであった。当社は現時点では、将来に
おいても四半期毎の現金配当の支払いを継続すると予想しているが、将来の現金配当の宣言及びその金額は取締役会の裁
量により、当社の財政状態、経営成績、必要資本、事業状況及びその他の要因並びに現金配当が当社株主の最善の利益であ
るとの判断に基づき決定される。
株式に基づく報酬
当社は、従業員に対してストックオプション、制限付株式及び制限付株式ユニット(当社の主要な従業員に対する株式
報酬制度である従業員株式報奨制度において「業績連動株式」ともいう。)を含む株式に基づく報奨を付与する株式報酬
制度を採用している。さらに、従業員株式報奨制度は社外取締役への制限付株式ユニットの自動付与について定め、顧問へ
の持分に基づく報奨の付与を認めている。当社はまた、米国内従業員向け及び国外の従業員向けの2種類の従業員株式購
入制度(以下、合わせて「ESPP」という。)を導入しており、これにより資格を有する従業員は当社の普通株式を購入する
ことができる。
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2010年度、2009年度及び2008年度において、当社は、ストックオプション、ESPP株式、制限付株式ユニット及び制限付株式
に関連して株式に基づく報酬費用を認識した。株式に基づく報酬及び関連する法人所得税軽減額のそれぞれの合計は以下
のとおりである。
(単位:千ドル)
株式に基づく報酬
認識された法人所得税軽減額
2010年度
2009年度
2008年度
126,070
147,160
178,943
38,035
41,205
50,104
期間の経過のみが権利確定要件である持分に基づく報奨に関連する費用は、全ての報奨につき、予想失効額の差引後、各
報奨に係る勤務期間にわたり定額法で認識される。業績連動型の持分に基づく報奨に関連する費用は、各部分について、業
績目標の達成状況の評価に基づき、勤務期間にわたって認識される。
2010年10月31日現在のストックオプション、制限付株式ユニット及び制限付株式の付与に関連した、見積失効額控除後
の未認識報酬費用は合計、180百万ドルであり、加重平均で2.4年にわたって認識される。株式制度に基づき、2010年10月31
日、2009年10月25日及び2008年10月26日現在付与可能な株式はそれぞれ155,617,000株、151,809,000株及び167,289,000株
であった。
ストックオプション
当社は、従業員及び当社顧問に対して、将来、付与日の公正市場価値で当社の普通株式を購入できるオプションを付与し
ている。ほとんどのオプションは、4年間で権利が確定し、付与日から7年以内にその権利が失効する予定である。各ス
トックオプションの行使価格は、付与日における当社の普通株式の公正市場価値に等しい。ほとんどのオプションは、4年
間で権利が確定し、付与日から7年以内にその権利が失効する予定である。各オプションの公正価値は、ブラック-ショー
ルズ・オプション価格決定モデルを用いて付与日に評価される。このモデルは、権利確定に関する制限がなく完全に譲渡
可能な、市場で取引されるオプションの価値の評価に使用するために開発されたものであるが、当社の従業員ストックオ
プションには、市場で取引されているオプションとは大幅に異なる特徴がある。2010年度には、ストックオプションは付与
されなかった。以下の表は、2009年度及び2008年度に同モデルで使用された加重平均仮定値を示している。
2009年度
2008年度
ストックオプション
配当利回り
2.8%
1.24%
予想ボラティリティー
49.9%
32.1%
無リスク金利
1.26%
2.92%
3.0
3.9
予想残存期間(単位:年)
新たに付与されたオプションのブラック-ショールズ計算において使用される予想ボラティリティー仮定値の計算は、
ヒストリカル・ボラティリティーとインプライド・ボラティリティーの組み合わせをもとに行われる。予想残存期間の仮
定値を決定するために、当社は定期的に、付与されたオプションに関する従業員の行使状況を調査している。
2009年度及び2008年度に付与されたオプションの付与日における加重平均公正価値はそれぞれ2.52ドル及び5.05ドル
であった。
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未行使オプションの2010年10月31日、2009年10月25日及び2008年10月26日現在の本源的価値総額はそれぞれ73百万ド
ル、109百万ドル及び1百万ドルであった。2009年度及び2008年度に付与されたオプションの付与日における公正価値の合
計はそれぞれ62百万ドル及び34,000ドルであった。2010年度、2009年度及び2008年度に行使されたオプションの本源的価
値の合計はそれぞれ15百万ドル、1百万ドル及び54百万ドルであった。2010年度、2009年度及び2008年度に権利が確定した
オプションの公正価値の合計はそれぞれ21百万ドル、14百万ドル及び55百万ドルであった。ストックオプションの行使に
より受領した現金は、2010年度、2009年度及び2008年度においてそれぞれ78百万ドル、9百万ドル及び328百万ドルであっ
た。2010年度、2009年度及び2008年度に行使されたオプションにより実現した法人所得税軽減額はそれぞれ26百万ドル、22
百万ドル及び57百万ドルであった。
2010年度、2009年度及び2008年度のストックオプションの変動は以下のとおりであった。
(単位:千株(1株当たり金額はドル))
2010年度
加重
平均
行使
価格
株式数
期首の未行使残高
付与
行使
2009年度
2008年度
加重
平均
行使
価格
株式数
加重
平均
行使
価格
株式数
73,101
14.72
60,757
17.71
94,901
17.81
̶
̶
24,514
8.58
7
19.38
(7,149)
10.88
(797)
11.44
(19,004)
17.27
(14,838)
15.64
(11,373)
17.73
(15,147)
18.86
期末の未行使残高
51,114
15.04
73,101
14.72
60,757
17.71
期末の行使可能残高
37,476
17.39
49,727
17.53
57,671
17.73
取消又は失効
下記の表は、2010年10月31日現在のオプションの未行使残高及び行使可能残高に関する情報の要約である。
未行使オプション残高
行使価格の範囲
株式数
加重
平均
行使
価格
(千株)
行使可能オプション残高
加重平均
残存契約
期間
本源的
価値総額
株式数
(年)
(千ドル)
(千株)
加重
平均
行使
価格
本源的
価値総額
(千ドル)
0.01̶ 9.99
19,133
8.58
3.35
72,171
5,524
8.57
20,877
10.00̶ 19.99
19,459
16.99
1.70
555
19,429
16.99
541
20.00̶ 29.99
12,522
21.89
0.14
̶
12,522
21.89
̶
51,114
15.04
1.94
72,726
37,475
17.39
21,418
50,402
15.13
1.92
70,105
行使可能オプ
ション及び行使
可能となる見込
みのオプション
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制限付株式ユニット及び制限付株式
制限付株式ユニットは、権利確定時に1対1の割合で当社の普通株式に転換される。制限付株式は、配当参加権がないこ
と及び報奨の権利が確定するまでエスクローに入れられることを除き、当社の他の発行済普通株式と同一の権利を有す
る。制限付株式ユニット及び制限付株式の報奨の権利は通常3年から4年にわたって確定し、通常は従業員が当社で継続
して勤務することが条件となり、特定の業績の達成が条件となる場合もある。これらの報奨に関する報酬費用は、付与日に
おける当社の普通株式の公正市場価値を用いて決定され、報酬費用は権利確定期間にわたって認識される。2007年度より、
当社は、指名された執行役員及びその他の主要な従業員に対する業績に基づく株式報奨プログラムを開始した。このプロ
グラムに基づき付与された制限付株式ユニット又は制限付株式の報奨は、当社取締役会の人事及び報酬委員会(以下、
「委員会」という。)が設定した特定の業績目標が達成され、付与された従業員が適用される権利確定日まで当社の従業
員であった場合にのみ権利が確定する。業績目標では、付与年度から開始される4年間で少なくとも1度は同業他社との
比較における相対的な年間営業利益率目標を達成することが必要とされる。これらの業績に基づく報奨の公正価値は付与
日における当社の普通株式の公正市場価値を使用して、業績目標が達成されると仮定して見積もられる。業績目標が達成
された場合には、特定の残存する勤務期間にわたり権利が確定する。業績目標が達成されない場合、報酬費用は認識され
ず、すでに認識された報酬費用は戻入される。報奨の見積費用は勤務期間にわたり反映され、見積失効額が控除される。委
員会は2010年度にこの制度に基づき、業績に基づく制限付株式ユニット1,825,000ユニット及び業績に基づく制限付株式
50,000株の付与を承認した。2009年度には業績連動報奨は付与されなかった。委員会は2008年度にこの制度に基づき、業績
に基づく制限付株式ユニット1,565,000ユニット及び業績に基づく制限付株式100,000株の付与を承認した。2010年度に付
与された業績連動報奨に関しては、2010年10月31日現在で業績目標の40%が達成されており、残りの60%についても業績
目標は、翌3年度中に達成される可能性がある。2008年度に付与された業績連動報奨に関しては、2010年10月31日現在で業
績目標の78%が達成されており、残りの22%についても業績目標は、2011年度に達成される可能性がある。
2010年度、2009年度及び2008年度の当社の株式報酬プランに基づく発行済制限付株式ユニットの変動の要約は以下に示
される。
(単位:千株(1株当たり金額はドル))
株式数
加重平均
付与日
公正価値
2009年10月25日現在権利が確定していない
制限付株式ユニット及び制限付株式
12,105
16.16ドル
付与
12,779
12.36
権利確定
(4,760)
17.13
取消
(1,774)
15.41
2010年10月31日現在権利が確定していない
制限付株式ユニット及び制限付株式
18,350
権利が確定していないが権利が確定する
予定の制限付株式ユニット及び制限付株式
16,143
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加重平均
残存契約
期間
本源的
価値総額
2.4年
156,762ドル
13.33
2.8
226,627
13.42
2.7
199,364
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従業員株式購入制度
ESPPにおいては、ほぼ全ての従業員が、給与からの控除により、6ヶ月間の各購入期間の開始時又は終了時における当社
普通株式の公正市場価値のいずれか低い金額の85%に等しい価格で、一定の制限に従い当社の普通株式を購入することが
できる。2010年度、2009年度及び2008年度にESPPに基づき発行された株式数は、それぞれ5,436,000株、6,920,000株及び
4,617,000株であった。2010年10月31日現在、ESPPに基づく将来の株式発行に備えて、59,386,000株が留保されていた。ブ
ラック-ショールズ・オプション価格決定モデルに基づくと、2010年10月31日、2009年10月25日及び2008年10月26日に終了
した年度におけるESPPに基づく株式購入権の加重平均見積公正価値は、それぞれ1株当たり2.76ドル、3.19ドル及び4.97
ドルであった。報酬費用は、ブラック‐ショールズ・モデルに基づいた従業員の株式購入権の公正価値を用いて算出され
る。以下の表は、2010年度、2009年度及び2008年度に同モデルで使用された仮定値を示している。
2010年度
2009年度
2008年度
配当利回り
2.44%
2.37%
1.21%
予想ボラティリティー
33.3%
58.8%
29.9%
無リスク金利
0.19%
0.33%
4.16%
0.5
0.5
1.25
ESPP
予想残存期間(単位:年)
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注記14. 従業員給付制度
従業員ボーナス制度
当社は様々な従業員ボーナス制度を有している。裁量ボーナス制度では、他の業績に基づくインセンティブ制度の対象
となっていない当社の従業員に対して、その報酬の一定の割合を上限として、税引前利益の一定割合を配分することを規
定している。別の制度では、当社の執行役員及びその他の主要な貢献者に対して、収益性及び/又はその他の特定の業績指
標の達成に基づいてボーナスを支給する。同制度に基づく費用は、2010年度は320百万ドル、2009年度はなし、2008年度は
150百万ドルであった。
従業員貯蓄・退職制度
当社の従業員貯蓄・退職制度(以下、「401(k)制度」という。)は、米国内国歳入法典第401条(a)項及び(k)項において
適格と認められている。適格従業員は、401(k)制度に基づき税引前ベースで、給与控除及び追加で拠出を行うことができ
る。当社は、各加入者の給与控除の割合にマッチングする現金拠出を行う。2010年1月1日以降に当社又はその関係会社の
いずれかに雇用されている加入者は、当社のマッチング拠出の口座残高の100%の受給権が確定する。加入者は、401(k)制
度の口座に保有する資金(当社のマッチング拠出を含む。)を401(k)制度に基づき利用可能な多様な投資ファンドのいず
れか又は一定の制限内で当社の普通株式にのみ投資するアプライド・マテリアルズ・インク普通株式ファンド(以下、
「株式ファンド」という。)に投資することを指図することができる。株式ファンドはノン・レバレッジド従業員持株制
度(米国内国歳入法典第4975条(e)項(7)号に定める。)であるため、加入者は、株式ファンドに保有する株式について今後
支払われる現金配当を株式ファンドに再投資するか又は配当の支払いが行われた暦年後90日以内に直接現金で受領する
かを選択することができる。この制度に基づく当社の拠出金は、2010年度は25百万ドル(失効額1百万ドル控除後)、2009
年度は24百万ドル(失効額1百万ドル控除後)及び2008年度は29百万ドル(失効額2百万ドル控除後)であった。
海外子会社の確定給付年金制度及びその他の退職後給付
当社の複数の海外子会社は確定給付年金制度を有しており、この年金制度は適格従業員のほぼ全員を対象としている。
これらの制度では、通常、勤続年数及び最終平均給与水準に基づいて給付額が決定される。かかる制度は、現地の適用法及
び慣行に基づき運用されている。当社は、一部の制度について、保険会社、年金信託会社、政府勘定に預託し、連結財務書類
において未拠出の給付金債務を未払費用として計上している。当社は、適用ある現地の政府監督当局及び税務当局により
設定された最低要件を十分に満たす金額を様々な年金制度に拠出することを慣行としている。制度の設計、現地の慣習及
び市場の状況に応じて、制度の負債は適格制度資産を超える場合がある。当社は、見積給付債務総額と制度資産総額の差額
を負債として連結貸借対照表の従業員給付及び未払費用に含めて計上している。2009年度において、当社は確定給付年金
制度及びその他の退職後給付制度の資産及び債務の測定日を、事業年度中の日から事業年度末日に変更した。
当社は、55歳以上で、かつ退職日現在で勤続年数が10年以上である有資格退職者に対し、一定の医療費及び眼科医療費給
付を提供する退職後給付制度も有している。有資格退職者はメディケアの対象外の配偶者又は同居者も対象とすることが
できる。この制度の適用は、通常、退職者及びその配偶者又は同居者の双方がメディケアの対象になった時点で終了する。
同制度に基づく当社の負債は、2010年10月31日現在12百万ドル及び2009年10月25日現在11百万ドルであり、当該金額は、連
結貸借対照表のその他の長期負債に含まれている。
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2010年度及び2009年度の給付債務及び制度資産(退職後給付を含む。)の変動の要約は、以下のとおりである。
(単位:千ドル)
2010年度
2009年度
予測給付債務の変動
期首予測給付債務
279,394
230,754
勤務費用
12,975
13,604
利息費用
12,915
12,095
1,088
1,174
年金数理損失
24,765
11,316
縮小、清算及び特別退職給付
(9,156)
(5,842)
外国為替変動
(6,588)
21,789
給付額
(6,050)
(5,496)
加入者による拠出額
(223)
制度変更及び企業結合
̶
期末予測給付債務
309,120
279,394
期末累積給付債務
279,075
253,934
割引率
1.5% - 5.6%
2.0% - 6.7%
予定昇給率
2.0% - 5.0%
2.0% - 6.0%
109,607
97,578
7,569
2,608
雇用主による拠出額
60,798
14,996
加入者による拠出額
1,088
1,174
外国為替変動
(2,864)
5,642
投資の処分、清算及び企業結合
(7,967)
(6,895)
給付額
(6,050)
(5,496)
給付債務を決定するための基礎率
制度資産の変動
期首制度資産の公正価値
制度資産の収益
期末制度資産の公正価値
積立状況
162,181
109,607
(146,939)
(169,787)
連結貸借対照表において認識した金額
非流動資産
̶
流動負債
30
(2,616)
(2,048)
非流動負債
(144,323)
(167,769)
合計
(146,939)
(169,787)
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(単位:千ドル)
2010年度
2009年度
翌事業年度におけるその他の包括損失累計額から
期間給付費用純額への償却見積額
年金数理損失
2,119
過去勤務債権
1,145
(484)
(251)
32
54
1,667
948
純年金数理損失
47,996
27,580
過去勤務債権
(3,966)
(1,943)
経過債務
合計
その他の包括損失累計額において認識した金額
109
157
44,139
25,794
予測給付債務
309,120
270,425
制度資産の公正価値
162,181
100,608
累積給付債務
225,308
237,174
制度資産の公正価値
105,823
89,443
経過債務
合計
予測給付債務が制度資産を超過する年金制度
累積給付債務が制度資産を超過する年金制度
2010年度
2009年度
年金資産―分類
持分証券
38%
47%
負債証券
29%
40%
不動産
̶
3%
現預金
̶
1%
その他
33%
9%
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有価証券報告書
期末制度資産の公正価値の要約は以下のとおりである。
(単位:千ドル)
2010年10月31日
レベル1
レベル2
レベル3
合計
持分証券
61,905
̶
̶
61,905
負債証券
45,993
̶
̶
45,993
保険契約
̶
̶
44,077
44,077
合同運用ファンド
̶
9,795
̶
9,795
不動産
̶
̶
153
153
現預金
258
̶
̶
258
108,156
9,795
44,230
162,181
合計
以下の表は、2010年度におけるレベル3の金融商品に関する変動を示している。
(単位:千ドル)
2010年度
レベル3
期首現在残高
11,308
制度資産の実際の収益
報告日現在保有している資産に関連するもの
380
購入、売却、決済(純額)
31,745
レベル3へ及び/又はレベル3からの変更に関する実際の収益
̶
797
為替変動の影響
44,230
期末現在残高
当社の確定給付年金制度に対する当社の投資戦略は、制度における支払時期に見合った長期的目標により十分に分散さ
れたポートフォリオを維持しつつ、慎重な方法で投資を行うことである。資産分類の決定は、通常、当社の国際年金制度監
視委員会からの情報提供により制度受託者によって行われる。当社の資産分類戦略は、制度債務に関連した長期的な株式
の期待アウトパフォーマンスによって制度に利益が得られるような多様な株式を組み込んでいる。当社は、必要に応じて、
制度資産を運用するために投資管理者を置いている。投資管理者の実績は、現地の投資コンサルタントの協力のもとで制
度受託者により監督されている。投資管理者は、制度受託者により定められたガイドラインの範囲内で投資決定を行う。リ
スク管理業務には、資産クラスの分散、投資スタイル及びターゲットとなる資産分類の範囲に対する定期的なリバランス
が含まれている。投資管理者は、効果的なポートフォリオ管理目的によりデリバティブ商品を使用することができる。制度
資産には、当社の自己株式又は自己債券は含まれていない。
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2010年度、2009年度及び2008年度の期間給付費用純額の構成要素並びに期間給付費用純額及び給付債務の計算に使用さ
れる加重平均基礎率の要約は、以下のとおりである。
(単位:千ドル)
2010年度
2009年度
2008年度
期間給付費用純額の構成要素
勤務費用
12,975
13,604
15,546
利息費用
12,915
12,095
13,409
制度資産の期待収益
(7,181)
(7,187)
(8,583)
年金数理損失の償却額
1,012
過去勤務費用(債権)の償却額
移行時債務の償却額
清算に伴う損失認識額
634
561
(303)
(294)
231
51
76
83
1,273
807
91
(68)
縮小利益
(1,379)
̶
20,674
18,356
21,338
割引率
4.76%
5.00%
4.81%
長期期待収益率
6.92%
7.43%
7.41%
予定昇給率
3.30%
3.67%
3.31%
期間給付費用純額
加重平均基礎率
想定資産利回りは、年金数理的及び統計的な手法に基づき、各制度が効力を有する国の長期的な過去のデータ及び当該
制度に適用される投資の分析から得られる。各制度の割引率は、制度債務の残存期間及び関連するベンチマークの利回り
に見合った優良社債のベンチマークの利回りを参考にして算出される。
年金制度及び退職後給付制度の今後10年間の将来の見積給付額は、2011年度に10百万ドル、2012年度に11百万ドル、2013
年度に11百万ドル、2014年度に16百万ドル、2015年度に16百万ドル及び2016年度から2020年度にかけて総額94百万ドルで
ある。2011年度の当社のかかる制度への拠出金は、約18百万ドルを予定している。
執行役員繰延報酬制度
当社は2つの非積立型繰延報酬制度、執行役員繰延報酬制度(旧EDCP)及び2005年執行役員繰延報酬制度(2005年
EDCP)を採用している。 この制度に基づき、特定の従業員は、翌年の所得の一部を繰り延べることができる。旧EDCPは2004
年12月31日をもって凍結され、その日以降はその制度の下での新規の繰延はできなくなり、米国内国歳入法典第409A条の
適用が除外となった。ただし、既存の旧EDCPの参加者口座はそのまま継続され、みなし利息を受け取ることがきる。2005年
EDCPは、米国内国歳入法典第409A条の要件を満たす目的で、2005年1月1日付けで実施された。執行役員繰延報酬制度に基
づく未払金(未払のみなし利息を含む。)は、2010年10月31日現在66百万ドルであり、2009年10月25日現在77百万ドルで
あった。当該金額は、連結貸借対照表のその他の長期負債に含まれている。
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注記15. 法人所得税
2010年度、2009年度及び2008年度の税引前利益(損失)の内訳は、以下のとおりである。
(単位:千ドル)
2010年度
2009年度
2008年度
米国
786,675
(555,456)
外国
600,291
69,653
1,386,966
1,021,961
386,757
(485,803)
1,408,718
2010年度、2009年度及び2008年度の法人所得税(調整)額の内訳は、以下のとおりである。
(単位:千ドル)
2010年度
2009年度
2008年度
当年度分:
米国連邦税
463,119
(196,643)
248,308
外国税
133,745
22,858
182,803
33,796
(36,683)
5,314
630,660
(210,468)
436,425
(160,396)
25,351
61,469
4,537
10,347
(43,505)
(25,701)
(5,706)
(6,417)
(181,560)
29,992
11,547
449,100
(180,476)
447,972
州税
繰延分:
米国連邦税
外国税
州税
2010年度、2009年度及び2008年度の米国連邦法人所得税の法定税率35%と、当社の法人所得税の実際の実効税率との調
整は、以下のとおりである。
2010年度
米国連邦法人所得税の法定税率による法人所得税(調整)
2009年度
2008年度
35.0%
(35.0)%
35.0%
̶
(2.9)
̶
(3.0)
̶
(1.0)
0.9
(3.9)
0.7
研究費税額控除
(0.3)
(2.0)
(1.1)
輸出販売/製造関連減税額
(1.2)
̶
(2.0)
̶
5.7
0.9
株式に基づく報酬
0.6
2.4
1.0
その他
0.4
(1.5)
(1.7)
32.4%
(37.2)%
31.8%
前年度の法人所得税申告の調査による有利な決定
様々な税率で課税される海外事業の影響
州法人所得税(連邦法人所得税減税額控除後)
持分法投資による損失/減損
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繰延税金は、資産及び負債の財務会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異にかかる税効果(純額)を反映したも
のである。繰延税金資産及び負債の内訳は、以下のとおりである。
(単位:千ドル)
2010年10月31日
2009年10月25日
繰延税金資産:
棚卸資産評価引当金及び評価基準差異
156,226
102,180
38,832
44,802
307,289
178,414
リストラクチャリング引当金
40,024
16,510
繰延収益
47,308
24,631
繰越キャピタルロス
17,629
11,049
税額控除及び欠損金
65,017
84,075
繰延報酬
25,624
29,041
株式に基づく報酬
46,346
63,791
無形固定資産
22,020
28,415
繰延税金総資産
766,315
582,908
評価性引当金
(12,949)
(11,049)
繰延税金資産合計
753,366
571,859
(43,064)
(56,927)
(113,462)
(98,717)
(48,984)
(33,807)
(205,510)
(189,451)
547,856
382,408
据付及び保証引当金
未払負債
繰延税金負債:
減価償却費
購入テクノロジー
その他
繰延税金総負債合計
純繰延税金資産
以下の表は、流動及び固定繰延税金資産及び負債の純額の内訳を示している。
(単位:千ドル)
2010年10月31日
2009年10月25日
流動繰延税金資産
512,944
356,336
非流動繰延税金資産
112,147
98,271
流動繰延税金負債
非流動繰延税金負債
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(2,534)
(3,487)
(74,701)
(68,712)
547,856
382,408
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流動繰延税金負債は、連結貸借対照表の買掛金及び未払費用に含まれ、非流動繰延税金負債は、連結貸借対照表の従業員
給付及びその他の負債に含まれる。
評価性引当金は、未実現の可能性がある繰延税金資産の見積額を反映するために計上される。評価性引当金は、繰越キャ
ピタルロスに対して、残存する繰越期間中に十分なキャピタルゲインが実現する可能性が50%を超えないと考えられる場
合に設定されている。
2010年度、複数の米国外子会社の未分配利益累計額約652百万ドルに関しては、米国連邦法人所得税の引当を行っていな
い。当社は、これらの利益を無期限で米国外の事業に再投資する予定である。これらの利益が配当又はその他の形態で米国
内で分配された場合又は関連する外国の子会社の株式が売却若しくはその他譲渡された場合、当社は、追加の米国連邦法
人所得税(外国税額控除の調整を受ける。)及び外国の源泉徴収税を課される場合がある。これらの利益に関連する未認
識の繰延税金負債の金額を決定することは現実的ではない。
2010年10月31日現在、当社の州税上の純営業損失による繰越欠損金は55百万ドルであった。この繰越欠損金の繰越期限
は、2021年度から2031年度の間に満了する。当社はカリフォルニア州の研究開発に係る繰越税額控除額を31百万ドル計上
したが、この繰越期限は無期限である。当社はまた、外国における純営業損失による繰越欠損金を105百万ドル計上してい
る。繰越の期間は5年から無期限にわたっている。経営陣は、2010年10月31日現在の繰越欠損金及び繰越税額控除額は、将
来の期間にわたって全額利用される可能性が高いと予想している。
従業員ストックオプション取引に関連した税務上の恩恵により、当社の未払法人所得税が減少した。株主持分に直接貸
方計上されたこれらの恩恵額は、2010年度において2百万ドル、2009年度において1百万ドル及び2008年度において7百
万ドルあり、2010年度において2百万ドル、2009年度において1百万ドル及び2008年度において7百万ドルの未払法人所
得税を減少させた。
当社は不確実な税務ポジションについて負債を計上している。かかる負債の大部分は当社の判断や予想によって算定さ
れており、経営陣により、入手可能な情報に基づいて常に監視されている。未認識の税務上の恩恵(総額)の期首及び期末
残高の合計の調整は以下のとおりである。
(単位:千ドル)
2010年度
期首における未認識の税務上の恩恵(総額)の残高
税務当局と合意された金額
325,300
̶
前年までの税務ポジションの増加
3,000
(300)
前年までの税務ポジションの減少
期末における未認識の税務上の恩恵(総額)の残高
328,000
2009年度
363,400
(37,400)
1,000
(1,700)
325,300
2010年10月31日現在、当社は、324百万ドルの未認識の税務上の恩恵(州税の連邦税額控除後)を有しており、これが全
額認識された場合には当社の実効税率が減少する。
2010年10月31日現在、未認識の税務上の恩恵に係る債務総額は328百万ドル(利息及び課徴金を除く。)であった。不確
実な税務ポジションに係る利息及び罰金の増減は連結損益計算書の法人所得税の引当金に含まれる。不確実な税務ポジ
ションに係る利息及び罰金は、2010年10月31日現在で6百万ドル、2009年10月25日現在で5百万ドルであった。連結貸借対
照表において、この6百万ドルの利息及び罰金は、全額長期債務に分類された。長期未払法人所得税は、一部の未認識の税
務上の恩恵によって軽減された。
2010年度に、当社は2009年度の純営業損失に関連して2005年度分までの米国連邦税の繰戻還付約130百万ドルを受けた。
2009年度中に米国内国歳入庁による当社の2007年度及び2006年度の連邦税務申告の調査が開始された。当社は、当該税
務調査から生じる可能性のある税務上の不確実性については適切に引当が行われていると確信している。
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当社の税務申告の多くは、引続き税務当局の審査の対象となる。この中には2004年度以降の米国における連邦税務申告、
2006年度以降のカリフォルニア州の税務申告、2005年度以降のその他一部の州の税務申告、及び2003年度以降の米国外の
一部の法域における税務申告が含まれる。
法人所得税の税務調査結果の決定時期は非常に流動的であり、調査結果に含まれる可能性がある様々な税金の支払金額
及び時期も未定である。これにより、貸借対照表上の流動資産並びに非流動資産及び負債が大幅に変動する可能性がある。
当社は、今後12ヶ月間に未認識の税務上の恩恵の金額が大幅に変動することは予想していない。
注記16. 製品保証、保証債務及び偶発債務
リース
当社は、解約不能なオペレーティング・リース契約に基づき複数の施設及び装置をリースしており、そのほとんどの
リースを更新できるオプションを有しており、賃借料は交渉により決定される。賃借料の合計は、2010年度は52百万ドル、
2009年度は64百万ドル及び2008年度は68百万ドルであった。
2010年10月31日現在、将来における見積最低リース料支払額は以下のとおりである。
(単位:千ドル)
リース料支払額
2011年度
41,765
2012年度
28,924
2013年度
16,100
2014年度
14,211
2015年度
12,114
2016年度以降
30,376
143,490
製品保証
2010年度及び2009年度の保証引当金の変動は以下のとおりである。
(単位:千ドル)
2010年度
2009年度
期首残高
117,537
142,846
製品保証引当金繰入額
151,915
92,976
(114,210)
(118,285)
155,242
117,537
引当金取崩額
期末残高
当社製品は通常、据付後12ヶ月間の保証付きで販売されている。保証に係る見積費用に対する引当金は、収益の認識と同
時に計上される。部品代及び作業費用は保証契約の条項により保証の対象となっている。製品保証引当金は、製品、機器構
成及び地域別の過去の経験値に基づいている。したがって、当期の製品保証引当金は当期の純売上高に関連しており、製品
保証引当金取崩額は当期及び過年度の純売上高に関連している。
保証債務
通常の業務の過程で、当社は、当社若しくはその子会社のどちらかにより開始された特定の取引のために要求されたス
タンドバイ信用状又はその他の保証商品を、特定の当事者に提供している。2010年10月31日現在、これらの保証契約に基づ
いて将来当社に要求される可能性のある支払額は最大で約54百万ドルである。当社はこれらの保証契約に関連して、保証
の対象となる取引の適切な会計処理で要求される金額を超える負債は計上していない。当社は、過去の経験及び現在入手
可能な情報に基づき、これらの保証契約に基づく支払いが要求される可能性は低いと考えている。
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当社はまた、子会社の国際的な銀行取引を促進するために様々な銀行と契約(当座貸越しの取り決め、銀行保証の発行、
信用状を含む。)を締結している。2010年10月31日現在、アプライド マテリアルズ インクはこれらのサービスをカバーす
るために銀行に対して約181百万ドルの親会社による保証を差し入れている。
法的事項
セミツール株主訴訟
2009年11月17日、当社は、セミツールと締結した合併契約及び合併計画に従ってセミツールの全発行済株式を取得する
ために公開買付けを行ったことを発表した。かかる発表の後、セミツール、セミツールの取締役、当社及び当社の買収子会
社に対し、モンタナ州フラットヘッド郡の第11地方裁判所に、3件の株主代表訴訟が提起された。これらの訴訟は、セミ
ツールの普通株式の全株主(被告とその関係会社を除く。)の地位の確認を求めるものであった。同訴訟において原告は、
セミツールの取締役が、とりわけ株主価値の最大化を行わず、かつ重要な情報の開示を怠ることにより、その信任義務に違
反し、当社がかかる違反を幇助及び教唆したと主張した。同訴訟は、被告に対して合併の完了を禁じる差止めによる救済、
損害賠償、及び弁護士費用の支払いを求めた。
2009年12月14日、かかる訴訟の全当事者は概ね、和解の合意に達し、原告は合併の完了を禁じる申立てを取り下げた。セ
ミツールは、一切の不正行為又は過失を認めず、2009年12月14日付でSECに提出された別紙14D-9において一定の追加情報
を開示した。セミツールの発行済普通株式の95%超に相当する株式の応募により、2009年12月21日にセミツールがアプラ
イドの買収子会社となる合併が完了した。当事者間の覚書に従って、和解の公平性及び妥当性を裏付けるために妥当な開
示を行い、被告は弁護士報酬及び費用の支払いについて200,000ドルまでは原告の訴訟代理人による申請に異議を唱えな
いことに同意した。セミツールの株主は和解のためにのみその地位が確認され、和解が裁判所に承認された場合、全ての株
主代表訴訟の取下げが完了する。
対ジュソン
当社は2003年以降、台湾及び韓国において、また最近は中国においてジュソン・エンジニアリング・カンパニー・リミ
テッド及び/又はジュソン・パシフィック・カンパニー・リミテッド(以下、「ジュソン」という。)との間で、LCDの製
造に使用される技術に関連し、何件かの訴訟、特許権侵害訴訟、行政手続を行っている。当社は、ジュソンに対して実体法上
の主張及び抗弁を有していると考えており、積極的に勝訴を獲得しにいくつもりである。
当社は2004年に、ジュソンに対して、特許侵害についての訴訟を台湾新竹地方裁判所に提起した。本訴訟において、当社
は、当社の化学的気相成長(以下、「CVD」という。)装置に関係する特許権の侵害に対する損害賠償及び永久差止め命令
を求めており、現在係争中となっている。ジュソンは当社のCVD特許の無効を台湾の特許庁(以下、「TIPO」という。)に申
し立て、却下された。2010年9月、行政最高裁判所はTIPOの決定に対するジュソンの申立てを却下した。2009年、ジュソンは
TIPOに当社のCVD特許の無効を求める2度目の申立てを行い、現在係争中となっている。
2006年に当社は、TIPOにおいて、CVD技術における搬送チャンバの可分性に関してジュソンの特許の有効性に異議を申し
立てる訴訟を提起した。ジュソンは、当社及びAKTアメリカに対して、同特許の侵害を主張する訴訟を台湾の新竹地方裁判
所に提起した。2009年3月に、新竹地方裁判所はジュソンの訴訟を却下し、2010年10月には、台湾の特許裁判所がジュソン
の申立てを却下した。また、TIPOは当社の無効請求を認め、ジュソンの特許も取り消した。2010年1月、台湾知的財産裁判所
はTIPOの特許無効の決定に対するジュソンの不服申立てを認め、本件を有効性の再検討のためTIPOに差し戻した。2009年
11月、当社は中国において、この特許の無効を求める申立てを国家知識産権局の特許再審査委員会に提起した。2010年6月
18日、特許再審査委員会は、中国におけるジュソンの特許の無効を決定した。ジュソンはこれに対して上訴している。
2006年にジュソンは、台湾の台北地方裁判所において個人に対する訴えを提起し、当社の顧問弁護士が、係争中の特許侵
害訴訟においてジュソンが提出したものでジュソンが極秘にとどめるつもりでいた専門家報告を裁判所から受領し、その
写しを利用したと主張した。訴状では被告として、当社の台湾における社外法律顧問、及び当社の法的な代表者として、当
社会長兼社長兼最高経営責任者であるマイケル・アール・スプリンターを告発した。台北地方裁判所はこの訴えを却下
し、事件は台北地方検察局に移送された。台北地方検察局は一連の4件の事件について不起訴の決定を下したが、いずれに
ついてもジュソンは上訴した。台湾高等裁判所地方検事はそれぞれの事件を台北地方検察局に差し戻して更なる調査を求
めた。2010年10月、台北地方検察局は5件目についても不起訴の決定を下した。
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韓国における刑事訴訟
2010年2月、韓国の東部地区管轄のソウル検察局(以下、「検察当局」という。)は、韓国に本社を置く当社の主要な顧
客であるサムスン・エレクトロニクス・カンパニー・リミテッド(以下、「サムスン」という。)の機密情報の不適切な
受領及び利用で数社の従業員を起訴した。検察当局は、当社も当社子会社もこの刑事事件の当事者として告発していない。
起訴された個人には、起訴の時点でアプライド マテリアルズ インクの副社長で以前のアプライド・マテリアルズ・コリ
ア(以下、「AMK」という。)のトップに加え、複数のAMK従業員が含まれていた。この事件は現在ソウル東部地方裁判所で
審問中である。当社とサムスンは2010年11月1日に効力を生じる和解合意を行い、同合意は、本件に関して生じる可能性の
ある民事請求を解決するものであり、刑事訴訟とは別途行われたもので、刑事訴訟に影響を及ぼさない。
当社は、時として、顧客及び供給業者を含む第三者から、当該第三者に対する請求に関連して、当社による補償、訴訟にお
ける援助、金銭の支払い又はその他の行為を求める通知を受けることがある。さらに、当社は、時として、当社が第三者の知
的財産権又はその他の権利を侵害若しくは不正使用している又はその可能性があると主張する通知を受けることもある。
また当社は、主張の有無によらず、通常の業務から生じるその他様々な訴訟及び申立てを受けている。
上記の事柄又はこれらの請求及び訴訟の結果を確実に予測することはできないが、当社は、これらの訴訟又はその他の
請求が当社の連結財政状態又は経営成績に重大な悪影響を及ぼすことはないと考える。
注記17. 産業セグメント別事業
当社の報告対象セグメントは、シリコン・システムズ・グループ部門、アプライド・グローバル・サービス部門、ディス
プレイ部門及びエネルギー・環境ソリューション部門である。当社の最高経営意思決定者は社長兼最高経営責任者である
と認識されており、そこでは全社にわたる資源配分及び業績評価に関する意思決定を行うために、経営成績をレビューし
ている。セグメント情報は当社の2010年10月31日現在の経営組織構造及び各セグメントの独特の性質に基づき表示されて
いる。かかる社内財務報告体制の将来の変更により、当社の報告対象セグメントは変更される場合がある。
各報告対象セグメントは別々に管理され、当社の最高経営意思決定者は個別の財務成績をレビューする。各報告対象セ
グメントには、当該特定のセグメント固有の密接に関連した製品が含まれる。セグメントの営業利益は、最高経営意思決定
者が使用する社内業績測定方法に基づき決定される。
当社のセグメント別業績は内部管理報告システムから直接作成される。当社が報告対象セグメントの業績を作成する際
に使用する会計方針は、外部報告目的で使用するものと実質的に同じである。2010年度第1四半期より、当社は変動報酬の
構成要素及び全世界の販売組織に関する営業費用等特定の費用を報告対象セグメントに配賦する方法を変更した。2009年
度及び2008年度のセグメント別業績は、2010年度に合わせて組替表示されている。経営陣は、各報告対象セグメントの業績
を受注、純売上高及び営業利益を含むいくつかの指標に基づき測定する。経営陣は、これらの結果を使用して各報告対象セ
グメントの業績を評価し、各報告対象セグメントに資源を配分する。当社は、別途全社で管理する特定の営業費用を報告対
象セグメントに配賦していない。これらの費用には、株式に基づく報酬、全社的な管理、財務、法務、人事並びに研究開発及
び技術部門に関する費用並びに未配賦の情報技術及び設備費用が含まれる。さらに、当社は、報告対象セグメントにリスト
ラクチャリング費用及び資産減損費用並びにリストラクチャリング活動に係る調整額を配賦しない。ただし、これらの費
用及び調整額が特定の報告対象セグメントに関連する場合はこの限りではない。セグメントの営業利益から、特定の報告
対象セグメントの経営成績が測定される方法に従い、受取利息、支払利息並びにその他の金融費用及び法人所得税を除外
している。経営陣は、報告対象セグメントの業績評価の際に、配賦されない費用は考慮しない。
シリコン・システムズ・グループ部門には、エッチング、高速熱処理、原子層成膜、化学的機械的平坦化、測定及び検査並
びにウエーハ・パッケージング用の半導体資本設備が含まれる。
アプライド・グローバル・サービス部門には、作業効率を改善し、運転コストを削減し、半導体、ディスプレイ及び太陽
光電池の顧客の工場の環境に対する影響を緩和するための技術的に差別化された製品並びにサービスが含まれる。アプラ
イド・グローバル・サービス部門の製品は、スペアパーツ、サービス、一定の旧世代製品及び再生装置から構成される。こ
れらの製品及びサービスに対する顧客の需要は、世界規模の販売システムを通じて、顧客に近接した拠点に訓練を受けた
サービス・エンジニアを配置することで満たされている。
ディスプレイ部門には、テレビ、パソコンその他のビデオ対応デバイス用のLCD製造用製品が含まれる。
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アプライド マテリアルズ インク(E05851)
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エネルギー・環境ソリューション部門には、太陽光電池及びモジュール、フレキシブルな電子機器及びウェブ製品用の
高スループットの巻き取り成膜装置並びにエネルギー効率のよいガラスを製造するための装置が含まれる。
2010年10月31日、2009年10月25日及び2008年10月26日現在又は当該日に終了した年度の各報告対象セグメントの情報は
以下のとおりであった。
(単位:千ドル)
純売上高
営業利益
(損失)
減価償却
資本的支出
セグメント
資産
2010年度:
シリコン・システムズ・グループ
5,304,028
1,892,307
66,465
38,514
2,317,023
アプライド・グローバル・サービス
1,864,938
337,386
25,306
5,453
1,285,405
898,998
267,495
7,820
4,534
418,874
(466,124)
56,717
41,412
1,401,634
ディスプレイ
エネルギー・環境ソリューション
1,480,703
9,548,667
2,031,064
156,308
89,913
5,422,936
シリコン・システムズ・グループ
1,960,225
200,829
53,504
23,167
1,194,929
アプライド・グローバル・サービス
1,396,643
115,170
33,641
14,952
1,043,022
501,692
51,226
11,924
14,428
444,619
1,155,047
(234,259)
80,095
51,320
1,853,283
5,013,607
132,966
179,164
103,867
4,535,853
シリコン・システムズ・グループ
4,005,141
1,229,432
104,130
61,518
1,773,348
アプライド・グローバル・サービス
2,328,930
545,065
34,831
19,694
1,306,158
ディスプレイ
975,582
300,607
8,397
11,478
658,744
エネルギー・環境ソリューション
819,587
(206,211)
106,663
7,544
2,075,516
254,021
100,234
5,813,766
合計
2009年度:
ディスプレイ
エネルギー・環境ソリューション
合計
2008年度:
合計
8,129,240
1,868,893
2010年度、2009年度及び2008年度について、当社の連結合計額に対するセグメントの経営成績の調整は以下のとおりで
あった。
(単位:千ドル)
2010年度
セグメント営業利益合計
全社及び未配賦費用
リストラクチャリング及び資産減損費
2,031,064
132,966
2008年度
1,868,893
(554,427)
(370,794)
(495,351)
(92,929)
(155,788)
(39,948)
̶
施設売却益
営業利益(損失)
2009年度
1,383,708
144/206
̶
(393,616)
21,837
1,355,431
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アプライド マテリアルズ インク(E05851)
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2010年度、2009年度及び2008年度について、当社の連結合計額に対するセグメントの減価償却の調整は以下のとおりで
あった。
(単位:千ドル)
2010年度
2009年度
2008年度
セグメント減価償却合計
156,308
179,164
254,021
共有施設及びIT設備の償却
148,207
112,039
66,030
連結減価償却
304,515
291,203
320,051
2010年度、2009年度及び2008年度について、当社の連結合計額に対するセグメントの資本的支出の調整は以下のとおり
であった。
(単位:千ドル)
2010年度
2009年度
2008年度
セグメント資本的支出合計
89,913
103,867
100,234
共有施設及びIT設備
79,168
144,560
187,672
169,081
248,427
287,906
連結資本的支出
2010年10月31日、2009年10月25日及び2008年10月26日現在の当社の連結合計額に対するセグメントの資産の調整は以下
のとおりであった。
(単位:千ドル)
2010年10月31日
2009年10月25日
2008年10月26日
セグメント資産合計
5,422,936
4,535,853
5,813,766
現金及び投資
3,891,865
3,266,895
3,467,724
貸倒引当金
(73,940)
(67,313)
繰延税金
625,091
454,607
502,534
その他の流動資産
92,736
337,015
382,912
共有有形固定資産
740,087
820,959
644,578
̶
̶
79,533
その他の資産
244,570
226,227
120,546
連結資産合計
10,943,345
9,574,243
11,006,318
持分法投資
145/206
(5,275)
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アプライド マテリアルズ インク(E05851)
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地域別報告については、収益は顧客の施設の所在地で分類されている。長期性資産は主に有形固定資産及び持分法投資
から成り、当該資産の所在地で分類されている。地域別の純売上高及び長期性資産は、以下のとおりであった。
(単位:千ドル)
純売上高
長期性資産
2010年度:
北米(1)
1,147,186
714,527
台湾
2,749,448
32,200
韓国
1,767,860
4,747
中国
1,556,900
77,813
ヨーロッパ
981,396
94,792
日本
767,503
5,494
東南アジア
578,374
65,140
北米以外の合計
8,401,481
280,186
連結合計
9,548,667
994,713
965,603
803,071
台湾
1,025,823
32,939
韓国
663,813
4,624
中国
635,371
97,707
ヨーロッパ
752,635
115,280
日本
718,573
7,611
東南アジア
251,789
57,121
北米以外の合計
4,048,004
315,282
連結合計
5,013,607
1,118,353
北米(1)
1,519,898
895,723
台湾
1,837,097
43,169
韓国
1,309,490
6,258
中国
779,853
37,166
ヨーロッパ
949,105
109,224
1,217,635
89,782
516,162
16,953
北米以外の合計
6,609,342
302,552
連結合計
8,129,240
1,198,275
2009年度:
北米(1)
2008年度:
日本
東南アジア
(1) 主として米国である。
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アプライド マテリアルズ インク(E05851)
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以下の企業は、2010年度、2009年度及び/又は2008年度において複数の報告対象セグメントの製品について当社の純売
上高の少なくとも10%を占めている。
2010年度
2009年度
2008年度
サムスン・エレクトロニクス・カンパニー・リミテッド
14%
10%
16%
タイワン・セミコンダクター・マニュファクチャリング・
カンパニー・リミテッド
11%
*
*
*
12%
*
インテル・コーポレーション
* 10%未満。
2010年10月31日現在、2010年度において当社の純売上高の少なくとも10%を占めている以下の顧客の売掛金の割合は以
下のとおりである。
2010年10月31日
タイワン・セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー・リミテッド
サムスン・エレクトロニクス・カンパニー・リミテッド
14%
7%
注記18. 後発事象
2010年11月29日、当社はサムスン・エレクトロニクス・カンパニー・リミテッド(以下、「サムスン」という。)と和解
合意(以下、「本合意」という。)を行った。本合意は、韓国のソウル東部地方裁判所において、複数の会社の従業員(現在
及び過去のアプライド・マテリアルズ・コリアの従業員を含む。)に対して提起され、係争中となっている刑事訴訟(以
下、「韓国訴訟」という。)の主題となっているサムスンの半導体に関する機密情報の韓国における取得、流用及び不正使
用の申立てに関して両当事者間で生じる可能性のある民事請求を解決するものであり、民事訴訟のリスクを排除した。当
社又はその子会社のいずれも韓国訴訟の被告にはなっていない。本合意の和解条件は、両当事者間で生じる可能性のある
民事請求に関連するものであり、個人の被告(韓国訴訟において告発された個人を含むが、これに限らない。)に対する刑
事訴訟とは別途行われたもので、これに影響を及ぼさない。
2010年11月1日から3年間の効力を有する本合意に基づき、当社はサムスン及びその関係会社が購入する半導体製品に
ついて数量ベースの割戻しを行う。当社は、(i)サムスンが以前に当社のシステムを使用していたアプリケーション用の半
導体デバイス製造及び(ii)共同開発活動において、サムスンが当社のシステムを利用する場合の数量ベースの優遇も行
う。さらに、本合意には、一定のアップグレード、エンジニアリング・サービス及びスペアパーツについて数量ベースの掛
け売りが含まれる。上記の割戻し及び優遇が当社の連結財務状態及び経営成績に及ぼす財務的な影響は、本合意の効力発
生後にサムスンが購入する数量に左右される。
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注記19. 無監査四半期連結財務データ
(単位:千ドル(1株当たり金額はドル))
第1四半期
第2四半期
第3四半期
第4四半期
事業年度
1,848,902
2,295,540
2,517,790
2,886,435
9,548,667
売上総利益
711,184
926,892
860,128
1,216,798
3,715,002
当期純利益
82,751
264,004
123,096
468,015
937,866
0.06
0.20
0.09
0.35
0.70
1,333,396
1,020,077
1,133,740
1,526,394
5,013,607
391,576
155,519
324,874
558,836
1,430,805
(132,934)
(255,390)
(54,865)
137,862
(305,327)
(0.10)
(0.19)
(0.04)
0.10
(0.23)
2010年度:
純売上高
希薄化後1株当たり利益
2009年度:
純売上高
売上総利益
当期純利益(損失)
希薄化後1株当たり利益(損失)
(6) 附 属 明 細 表
貸倒引当金
(単位:千ドル)
期首残高
費用計上
した増加額
企業結合に
よる増加額
減少額
費用計上
されなかった
減少額
期末残高
2010年度
67,313
17,000
2009年度
5,275
62,539
-
(501)
-
67,313
2008年度
4,136
2,456
501
(1,818)
-
5,275
-
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2【主な資産・負債及び収支の内容】
添付の連結財務書類注記及び附属明細表を参照のこと。
3【その他】
(1) 決算日後の状況
2010年11月29日、当社はサムスン・エレクトロニクス・カンパニー・リミテッド(以下、「サムスン」という。)と和解合
意(以下、「本合意」という。)を行った。本合意は、韓国のソウル東部地方裁判所において、複数の会社の従業員(現在及び
過去のアプライド・マテリアルズ・コリアの従業員を含む。)に対して提起され、係争中となっている刑事訴訟(以下、「韓
国訴訟」という。)の主題となっているサムソンの半導体に関する機密情報の韓国における取得、流用及び不正使用の申し
立てに関して両当事者間で生じる可能性のある民事請求を解決するものであり、民事訴訟のリスクを排除した。当社又はそ
の子会社のいずれも韓国訴訟の被告にはなっていない。本合意の和解条件は、両当事者間で生じる可能性のある民事請求に
関連するものであり、個人の被告(韓国訴訟において告発された個人を含むが、これに限らない。)に対する刑事訴訟とは別
途行われたもので、これに影響を及ぼさない。
2010年11月1日から3年間の効力を有する本合意に基づき、当社はサムスン及びその関係会社が購入する半導体製品につ
いて数量ベースの割戻しを行う。当社は、(i)サムスンが以前に当社のシステムを使用していたアプリケーション用の半導体
デバイス製造及び(ii)共同開発活動において、サムスンが当社のシステムを利用する場合の数量ベースの優遇も行う。さら
に、本合意には、一定のアップグレード、エンジニアリング・サービス及びスペアパーツについて数量ベースの掛け売りが含
まれる。上記の割戻し及び優遇が当社の連結財務状態及び経営成績に及ぼす財務的な影響は、本合意の効力発生後にサムス
ンが購入する数量に左右される。
(2) 訴訟事件
「第2 企業の概況 −3 事業の内容 − (5)訴訟」及び連結財務書類注記16を参照のこと。
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4【米国と日本における会計原則及び会計慣行の相違】
本書記載の連結財務書類は、米国で一般に妥当と認められた会計原則及び会計慣行に基づいて作成されている。したがって、
日本で一般に公正妥当と認められている会計原則に基づいて作成される場合とは相違する部分もある。主な相違点の要約は、
以下のとおりである。
2009年6月に米国財務会計基準審議会(FASB)は、唯一の米国における一般に認められた会計基準の文献として、FASB会計基
準編纂書からなる権威ある指針を公表した。この編纂書は何ら新しい一般に認められた会計基準を定めるものではなく、現存
する会計報告基準を新しい体系に置換えるものである。
(1) 年金以外の退職後給付
米国においては、権威ある指針に従って、年金以外の退職後給付費用は、従業員の勤務期間にわたって費用計上される。
日本においては、これに該当する規定はない。
(2) 退職年金給付
米国においては、確定給付制度及び他の退職後給付についての権威ある指針により、雇用主に対し、確定給付退職後制度の積
立超過額又は積立不足額を資産又は負債として貸借対照表において認識し、積立状態の変動額を、その変動が発生した事業年
度においてその他包括利益を通じて認識するよう要求している。この権威ある指針はまた、一部の例外はあるものの雇用主に
対して事業年度末の貸借対照表日に制度の積立状態を測定するよう要求している。
また、権威ある指針により、未認識数理差損益に関しては、期首時点での予測給付債務と年金資産のいずれか大きいほうの
10%(コリドール)を超えた場合に償却をする(コリドールアプローチ)こととされている。
日本においては、「退職給付に係る会計基準」及び「退職給付会計に関する実務指針」により、確定給付退職制度の積立超
過額又は積立不足額の全額を貸借対照表に計上することは行われておらず、それらは未認識損益の残高と共に財務諸表におけ
る注記事項として開示される。
また、コリドールアプローチは採用することができず、未認識数理差損益は毎期一定の方法で償却される。
(3) 企業結合
米国においては、2001年7月1日以降に開始された企業結合は、権威ある指針に基づき、全て取得法により処理される。
日本においては、企業結合に係る会計処理について、「企業結合に係る会計基準の設定に関する意見書」が2008年12月26日
に改正され、2010年4月1日以降実施される企業結合より企業は企業結合を取得法により会計処理することとなり、持分プー
リング法は禁止されることとなった。
(4) のれん
米国においては、取得法による会計処理において、買収価額が被買収企業の買収時における有形純資産の公正価値を超える
額は、のれんに計上される。のれん及びその他の無形固定資産についての権威ある指針により、2001年7月1日以降に完了する
企業結合に係るのれんは償却せずに、少なくとも年に一回の減損テストを行うことを含め、のれんの減損の有無を定期的に検
討することが求められている。
日本においては、2006年4月1日以後に開始する事業年度から「企業結合に係る会計基準の設定に関する意見書」に従い、
のれんは20年以内の効果の及ぶ範囲内で規則的に償却するとともに、「固定資産の減損に係る会計基準」の適用対象に含まれ
ている。ただし、負ののれんは即時償却される。
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(5) 収益の認識
米国においては、権威ある指針に従って、収益は、 (1) 契約締結の確証が存在する、(2) 製品等の引渡し、あるいはサービス
の提供がなされている、(3) 買主に対する売主の価格が決定、あるいは確定できる、(4) 代金の回収可能性が高い、といった要
件全てが満たされた場合に認識される。
日本においては、出荷基準及び検収基準等の収益認識基準があるが、上記のような権威ある指針に相当する明確な規定はな
い。
(6) 撤退又は処分活動に伴う費用
米国においては、権威ある指針が2002年12月31日より後に開始される事業再編活動を含む撤退又は処分活動に伴う費用の認
識、測定及び報告に関する会計処理について指針を提供している。一時的な退職割増費用はその給付を受け取るために従業員
が将来のサービスの提供を要求されるかどうかに基づいて、負債の認識及び関連する測定の時期が決められる。契約期間終了
前にオペレーティング・リース又はその他の契約を終了するための費用に係る負債は、契約を終了する場合、又は契約によっ
て譲渡された権利の利用を中止する場合に認識される。撤退又は処分活動に伴うその他の費用は全て、発生時に費用計上され
る。権威ある指針は、利息配分法を用いて各報告期間に認識される公正価値のその後の変動とともに、負債を公正価値で測定す
ることを要求している。
日本においては、2008年3月31日に企業会計基準委員会から公表された「資産除去債務に関する会計基準」に従い、資産除
去債務を負債として計上することとなった。同基準は、2010年4月1日以降に開始する事業年度から適用される。
(7) 公正価値の測定
米国においては、権威ある指針により、公正価値が定義されたうえ、公正価値の測定の枠組みが確立され、公正価値による測
定についての開示要件が拡大された。権威ある指針では、公正価値に3段階のレベルを設定しており、これにより公正価値の測
定に用いるデータに優先順位がつけられる。3つのレベルは以下のとおりとなっている。:レベル1は活発な市場における同
一の資産又は負債の相場価格、レベル2はレベル1以外の直接的又は間接的に観察可能なデータで、例えば類似した資産又は
負債の相場価格、活発でない市場の相場価格、又はその他の観察可能なデータ、もしくは実質的に当該資産または負債の全期間
にわたって観察可能な市場データにより裏付けられるデータなど、レベル3は市場活動による裏付がほとんど又は全くなく、
資産又は負債の公正価値にとって重要性のある観察不能なデータ、と定義されている。
日本には、公正価値の測定に関する包括的な規定はない。
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第7【外国為替相場の推移】
日本円と米ドルとの為替相場は、国内において時事に関する事項を掲載する2以上の日刊新聞紙に、最近5年間の事業年度及
び最近6か月間において掲載されているので、本項の記載を省略する。
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第8【本邦における提出会社の株式事務等の概要】
(イ) 本邦における名義書換代理人及び名義書換取扱場所
当社は、新株式に関する名義書換代理人又は名義書換取扱場所を日本には置かない。
(ロ) 決算期
当社の会計年度は10月の最終日曜日に終了する。
(ハ) 公告
日本において新株式に関する公告は行わない。
(ニ) 株式の譲渡制限
なし。ただし、アプライド マテリアルズ インク従業員株式購入制度及びオフショア従業員用のアプライド・マテリア
ルズ・インク従業員株式購入制度(以下総称して、「ESPP」という。)に基づき購入した株式を除く。ESPPに基づき購入し
た株式は、加入者のために、指定ブローカー(現在はUBSファイナンシャル・サービシズ・インク(以下、「UBS」とい
う。))に電子的に預託される。加入者は通常、指定ブローカーに対して、随時株式の売却を依頼することができるが、株式
の募集日から2年間及び購入日から1年間の期間が満了するまでは、株式を他のブローカーに移管し、又は株券そのもの
を加入者に送付することはできない。
(ホ) 日本における課税上の取扱い
日本における課税上の取扱いの概要は、以下のとおりである。
(a) 配当
株主に対して支払われる配当金は、日本の法人税法上、個人については配当所得となり、法人については益金となる。
株主に対して支払われる配当金については、個人の配当控除及び法人の益金不算入の適用は認められない。
日本の居住者たる個人又は日本の法人に対して支払われる株式の配当金については、国内における支払の取扱者によ
り支払われるものを除き、日本の税金の源泉徴収は行われない。かかる個人又は法人は、原則として、確定申告をする際
に、配当額合計を配当所得として所得に含めることを要し、課税総所得額に基づいて税金を納付しなければならない。た
だし、日本の居住者たる個人株主のうち年間の給与所得金額が2,000万円以下であり、かつ、当該年度のその他の所得の
額が20万円以下で一定の要件に該当する者は、確定申告をすることを要しない。
日本の居住者たる個人又は日本の法人が確定申告をしたときは、一定の場合、配当金に対する米国の源泉徴収税額に
関し、外国税額控除が受けられる。
(b) 売買損益
株式の売買による損益は、内国法人株式の売買損益と同様の取扱いを受ける。
(c) 相続税
日本国の居住者が株式を相続した場合、当該株式は日本国の相続税の対象となる。
この場合、株式が同時に米国の遺産相続税の対象となることがあるが、米国で徴収されたこれらの租税については、一
定の場合、日本国の相続税法上外国税額控除が認められている。
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(ヘ) 株主名簿又は台帳への記録
当社の名義書換代理人が新株式の発行を株主の名義で当社の株主名簿又は台帳に記録する。
(ト) 株式の移転の手続き
(1)ストックオプションの行使、(2)制限付株式ユニット(業績連動株式とも呼ばれる。)の権利確定(ただし、社外取締
役が一定の場合において権利確定以降に株式の発行を繰り延べる場合を除く。)、(3)ESPPを通じた購入、又は(4)権利確定
時に行われる制限付株式のエスクローからの解除後、事務的手続きの実施が可能な限り速やかに、当社の従業員株式報奨
制度の加入者に対して発行された株式が、加入者のために、指定ブローカー(現在はUBS)に電子的に預託される。株式は、
株主からUBSに対して請求があった場合、電子的に譲渡することができる。ただし、ESPPを通じて取得した株式については、
募集日から2年間及び購入日から1年間の期間が満了するまでは、他のブローカーに移管し、又は加入者に株券そのもの
を送付することはできない(但し、売却することはできる。)
公開市場で購入した株式は、株主の指定ブローカーにより「ストリート・ネーム」で、又は株主名義の株券で保有され
る。ストリート・ネームで保有されている株式は、上記の場合を除き、株主の指定ブローカーに対して請求があった場合、
電子的に譲渡することができる。
株主名義の株券で保有されている権利確定した株式は、当社の株主名簿又は台帳上の名義書換を行うことによって、こ
れを譲渡することができる。名義書換を行うためには、株主本人又はその適法に指名された代理人が、適法に裏書きした株
券を提出することを要する。
(チ) 株主への通知
株主への全ての通知は、書面によるものとし、郵送又はその他の合法的手段(デラウェア州一般会社法が定める方法で
電子的な送信を含むがこれに限らない。)によりこれを行う。
(リ) 議決権行使に関する手続き
当社は、株主総会の10日以上前に、株主名簿又は台帳上の当該総会の基準日現在の株主に対して、書面をもって、株主総
会の日時及び場所を通知する。臨時株主総会については、議案についても通知する。
(ヌ) 配当支払の手続き及び基準日
当社は、独自の判断で取締役会の決議により株主に対し配当を支払うことができる。配当支払いのための基準日は、取締
役会がこれを定め、その基準日現在の株主名簿又は台帳上の株主に対して配当が支払われる。
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第9【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
該当なし
2 【その他の参考情報】
2009年10月26日から本有価証券報告書提出日までの期間において、金融商品取引法第25条1項各号に基づき、当社が提出した
書類は以下のとおりである。
有価証券報告書及びその添付書類
事業年度
自 平成20年10月27日
至 平成21年10月25日
平成22年4月23日
関東財務局長に提出
半期報告書及びその添付書類
事業年度
自 平成21年10月26日
至 平成22年5月2日
平成22年7月21日
関東財務局長に提出
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第二部【提出会社の保証会社等の情報】
第1【保証会社情報】
該当なし
第2【保証会社以外の会社の情報】
該当なし
第3【指数等の情報】
該当なし
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独立登録会計事務所の監査報告書
アプライド マテリアルズ インク
取締役会及び株主 御中
私たちは、「第6 経理の状況 − 1 財務書類」の(1)から(5)に掲げられている、アプライド マテリアルズ イン
ク及び子会社(以下「会社」という。)の2010年10月31日及び2009年10月25日現在の連結貸借対照表及び2010年10月
31日に終了した3年間の各事業年度の連結損益計算書、株主持分及び包括利益(損失)計算書及びキャッシュ・フ
ロー計算書について監査を行った。私たちは、連結財務書類の監査に関連して、「第6 経理の状況 − 1 財務書
類」の(6)に記載されている2010年10月31日現在及び同日に終了した3年間の各事業年度の附属明細表の監査も実
施した。これらの連結財務書類及び附属明細表は会社の経営者の責任において作成されたものである。私たちの責任
は、私たちの監査に基づいてこれらの連結財務書類及び附属明細表について意見を表明することにある。
私たちは、米国公開会社会計監視委員会の基準に準拠して監査を実施した。これらの基準は、財務書類に重要な虚
偽の表示がないかどうかについて合理的な保証を得るために、私たちが監査を計画し実施することを要求している。
監査には、財務書類上の金額及び開示内容の証拠を試査により検証することが含まれている。監査はまた、財務書類
の表示を全体的に検討するとともに、経営者による会計方針の選択及び経営者によって行われた重要な見積りの評
価も対象としている。私たちは、私たちの監査が私たちの意見表明に対する合理的な基礎を提供しているものと確信
している。
私たちの意見によれば、上記の連結財務書類は、すべての重要な点において、アプライド マテリアルズ インク及
び子会社の2010年10月31日及び2009年10月25日現在の財政状態、並びに2010年10月31日に終了した3年間の各事業
年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、米国において一般に公正妥当と認められる会計原則に準拠して
適正に表示している。また、私たちの意見によれば、2010年10月31日現在及び同日に終了した3年間の各事業年度の
附属明細表は、基本連結財務書類に関連して考慮された場合、すべての重要な点において、全体としてそこに記載さ
れている情報を適正に表示している。
連結財務書類の注記1において論じられているとおり、2010年10月31日に終了した事業年度中に会社は会計基準
トピック805「企業結合」を採用した。
ケーピーエムジー エルエルピー
マウンテン・ビュー、カリフォルニア
2010年12月10日
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Report of Independent Registered Public Accounting Firm
The Board of Directors and Stockholders
Applied Materials, Inc.:
We have audited the accompanying consolidated balance sheets of Applied Materials, Inc. and subsidiaries (the
Company) as of October 31, 2010 and October 25, 2009, and the related consolidated statements of operations,
stockholders’ equity and comprehensive income (loss), and cash flows for each of the years in the three-year
period ended October 31, 2010 listed in subsections (1) through (5) of the following section, “VI. FINANCIAL
CONDITION - FINANCIAL STATEMENTS.” In connection with our audits of the consolidated financial statements,
we also have audited the financial statement schedule as of and for each of the years in the three-year period
ended October 31, 2010, listed in subsection (6) of “VI. FINANCIAL CONDITION - FINANCIAL STATEMENTS.”
These consolidated financial statements and financial statement schedule are the responsibility of the Company’s
management. Our responsibility is to express an opinion on these consolidated financial statements and financial
statement schedule based on our audits.
We conducted our audits in accordance with the standards of the Public Company Accounting Oversight Board
(United States). Those standards require that we plan and perform the audit to obtain reasonable assurance about
whether the financial statements are free of material misstatement. An audit includes examining, on a test basis,
evidence supporting the amounts and disclosures in the financial statements. An audit also includes assessing the
accounting principles used and significant estimates made by management, as well as evaluating the overall
financial statement presentation. We believe that our audits provide a reasonable basis for our opinion.
In our opinion, the consolidated financial statements referred to above present fairly, in all material respects, the
financial position of Applied Materials, Inc. and subsidiaries as of October 31, 2010 and October 25, 2009, and the
results of their operations and their cash flows for each of the years in the three-year period ended October 31,
2010, in conformity with U.S. generally accepted accounting principles. Also in our opinion, the related financial
statement schedule as of and for each of the years in the three year period ended October 31, 2010, when
considered in relation to the basic consolidated financial statements taken as a whole, presents fairly, in all material
respects, the information set forth therein.
As discussed in Note 1 to the consolidated financial statements, the Company adopted Accounting Standards
Topic 805, Business Combinations, during the year ended October 31, 2010.
/s/ KPMG LLP
Mountain View, California
December 10, 2010
206/206
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