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「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
268
269
章
第4章
全般
職業
研究者
会社員
性別 年齢
男
男
50
58
ご意⾒
回答
(2) 知の基盤の強化(p. 26)について。今年のノーベル賞受賞でも注⽬されたように、⽣物資源の創薬などへの貢献は今後ますます⾼まると考えられ
る。したがって、「共通基盤的な技術、先端的な研究施設・設備や知的基盤の整備・共⽤、情報基盤」には具体的に、バイオリソースという語を挙げるべきで 第4章(2)② ii)に「⽣物遺伝資源等の知的
ある。具体的には、「バイオリソースなどの知的基盤の整備・共⽤・情報基盤」とすることが良いと思われる。
基盤の整備」について記述させていただきました。
この基本計画は、⽇本⼈に向けた計画であるはずですが、全体を⾒渡すと意味不明な⽚仮名⽤語が氾濫し異様な⽂書になっています。⽬を覆いたくなるよう
な⽇本語の劣化です。以下に掲げる技術系業務に携わる⽇本⼈にも理解できない語彙については、⽇本⼈に理解し得る⽇本語への修正を強く要望しま
す。
イノベーションシステム、ステージゲート制、アワード制、エネルギーバリューチェーン、コアシステム、セキュリティ・バイ・デザイン、レギュラトリーサイエンス、エネルギー ご意⾒ありがとうございます。⼀部の⽤語については、
ミックス、アセットマネジメント技術、クロスアポイントメント制度、テニュアトラック制、フェローシップ、アクティブ・ラーニング、ライフイベント、ロールモデル、グッドプラク ⽇本語への書き換えや、⽤語の解説の本⽂挿⼊等
ティス、グルーバルヤングアカデミー、セクター、オープンサイエンス、オープンアクセス、オープンデータ、オープン・アンド・クローズ戦略、シリアルアントレプレナー、カー を⾏いました。
ブアウトベンチャー、エンジェル投資、グローバル・ベンチャー、3Dプリンティング、ライセンシング体制、クラスター施策、グローバルニーズ、SDGs、インクルーシ
ブ・イノベーション、サイエンスカフェ、シチズンサイエンス、テクノロジー・アセスメント、ポートフォリオマネジメント、IR、パブリック・ディプロマシー
以上
以下の語彙について再考願います。
1.狭い専⾨領域で使われているものの定義が不明瞭。⽇本語化あるいは注釈が必要。
ゲームチェンジ、プラットフォーム、インシデント、シェアリング仲介サービス、アクチュエータ技術、ヒューマンインターフェース技術、フェローシップ、オープンサイエンス、
オープンイノベーション、クラウドサービス、サイバーセキュリティ、テクノロジー・アセスメント、ポートフォリオマネジメント
270
全般
会社員
男
58
2.安易な⽚仮名表記であり、⽇本語化すべき
ポストドクター、ステークホルダー、ゲームチェンジ、プラットフォーム、インシデント、ライフサイクル、コンポーネント化、リアルタイム処理、コンポーネント、ショーケー
ス、レアメタル、サプライチェーン、キャリアパス、ガイドライン、リモートセンシング、ミスマッチ、フェローシップ、ライフイベント、セクター、フロンティア、ミッション、ガバナ
ンス、マネジメント、インターンシップ、インセンティブ、ベンチャー・キャピタル、マインド、アントレプレナー教育、M&A、スピンアウト、グレーゾーン、コミットメント、
フォローアップ体制、エビデンス、リテラシー、IR、リスクマネジメント、インセンティブ、ファンディング、フラッグシップ、リテラシー
ご意⾒ありがとうございます。⼀部の⽤語については、
⽇本語への書き換えや、⽤語の解説の本⽂挿⼊等
を⾏いました。
全般的に特殊な専⾨⽤語が注釈なく⽤いられているため、理解にしにくい⽂書となっています。以下の⽤語については、注釈が必要です。
271
272
全般
第7章
会社員
会社員
男
男
58
58
ステージゲート制、アワード制、レギュラトリーサイエンス、エッジコンピューティング、アクチュエータ技術、ヒューマンインターフェース技術、エネルギーミックス、アセット ご意⾒ありがとうございます。⼀部の⽤語について、⽤
マネジメント技術、クロスアポイントメント制度、テニュアトラック制、グルーバルヤングアカデミー、オープンサイエンス、カーブアウトベンチャー、エンジェル投資、クラウ 語の解説の本⽂挿⼊等を⾏いました。
ドサービス、3Dプリンティング、サイエンスカフェ
この章で扱う「⼤学」とは、国⽴⼤学のみを指しているように読み取れます。
科学技術イノベーションの重要な担い⼿である私⽴⼤学が無視されています。
北⾥⼤の⼤村先⽣や近畿⼤学のマグロの完全養殖に⾒られるように、私⽴⼤学は税⾦に頼らずに⾃ら研究を稼いで⻑期研究を遂⾏できる体制を確⽴する
ことも可能です。
この基本計画が⽇本国の科学技術イノベーションを⽬的とするならば、私⽴⼤学を中⼼にした政策が必要です。国⽴⼤学に期待するより、私⽴⼤学から⽇
本のスタンフォード⼤が出現するような政策を提⾔すべきです。
国⽴⼤学の改⾰は、別途⽂科相の中で結論を出すべき課題であろうと思います。
48
第7章も含め、本計画中で「⼤学」とある箇所につい
ては、国⽴⼤学だけではなく、私⽴⼤学も含めた全
ての⼤学を機能強化していくことが重要と考えていま
す。
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
273
274
275
276
章
第4章
第4章
第3章
第2章
職業
研究者
研究者
その他
団体職員
性別 年齢
男
男
男
男
48
29
45
36
ご意⾒
回答
我が国の科学を中⼼的に発展させていく次世代の研究者の促進に関しては、主に2つ、1) ⽇本学術振興会の事業と、2) ⽂部科学省によって提供される
様々なプログラムにより試みられている。ここでは、より強化される傾向のある、2) のアプローチに関し、その効率性を問いたい。例えば、⾃分の所属する専攻で
は以前GCOEに採択されたが、⽬標である「既存の学術の境界領域を開拓する若⼿研究者」となるげていたが、そのような可能性を匂わせる⼈材は⼀⼈も出
なかった、と断⾔できる。成果をモニターしているのか?外部評価は他機関の顔⾒知りに依頼され、プログラムの内容やwebページ(膨⼤な数の⼈を呼んでセ
ミナーをたくさん開催している、ということで彩られる)などを通した活動の把握、それだけで点数をつけるため、⽬的が結局果たされたことになったか、という最も
重要な問いをしない。プログラム遂⾏に割り当てらた経費の⼤半は、セミナーや特別講義で講師(海外からも)を招聘する際の旅費や謝礼、及び、プログラム
の⾻⼦に反し、より多くの⼤学院⽣に、という⽅針で RAとしての給料と旅費へと化した。Aが専⾨の者に、AだけでなくBの専⾨の授業やセミナーを受けなさい、
というだけで、開拓する資質を獲得することは不可能である。顕著な研究成果を出しても昇進も給料が上がらない⾝からすれば、「⼤学内の常識」として受け
⼊れることができないでいる。
ご意⾒ありがとうございます。今後、指標や科学技術
イノベーション総合戦略を⽤いて、しっかりとフォロー
アップしてまいります。また、ご指摘の点は、今後の参
考にさせていただきます。
四章では若⼿研究者の待遇改善や挑戦的な研究の促進が歌われています。そのために若⼿研究者に安定したポストを与え、シニア研究者に年俸制や再審
査を導⼊すべし、と提案されています。しかしこの対策は全く逆の結果を⽣み出すのではないでしょうか。若⼿研究者もいずれは歳を重ねてシニア研究者になり
ます。そのとき再審査され、場合によっては年俸制や任期付きポストに転換される可能性があるとすれば、多くの研究者は挑戦することを恐れてしまいます。私
のような若⼿研究者は確かに⾝分が不安定ですが、いつか⼤きな成果を挙げ、テニュアを得て、挑戦を続けたいと考えています。しかし、ポストを得ても何度も
再審査され、場合によっては切り捨てられるとわかれば、誰が挑戦を続けようと思うでしょうか?
むしろ、現状のように⼊り⼝を絞り若⼿にしわ寄せがあったとしても、ポストを得たあとは安定している仕組みのほうが、⼼置きなく挑戦的な研究に取り組めるよう
に考えます。
第4章(1)②ⅲ)に追記したように、「若⼿から
シニアまであらゆる世代の⼈材が適材適所で活躍で
きる」ことが重要と考えております。その際、現状とし
て、⼤学等における若⼿研究者の雇⽤が過度に不
安定であることから、第4章(1)①ⅰ)のような
内容を掲げています。
素案の第3章?4項に安全保障の技術開発が盛り込まれていますが、法制度が変わり武器輸出が可能となった経緯、安保法の制定により海外で展開され
我が国の安全保障を巡る環境が⼀層厳しさを増して
る作戦において⼈を殺傷する機会が増えることもあり、対⼈の⼩⽕気、対航空機、対戦⾞、対潜⽔艦の⽕器の開発をしない⽂⾔を追加してください。
いる中で、科学技術イノベーションが対応すべき経
⽇本製の⽕器が海外で⼈が死ぬことに関係することに反対しますので、その開発に税⾦を使うことにも反対します。
済・社会的課題の⼀つとして、国家安全保障上の
私は元防衛産業に従事していました。もと同僚たちが⼈を殺すための装備の開発に関わることがないように切に願います。
諸課題への対応を掲げる必要があると考えています。
【コスト意識の⽋落】
⺠間企業を経て、○○⼤学に勤務しております。おそらく、公的な研究機関および⼤学関係者からは、予算増額の訴えが多く届けられていることと思われま
す。しかしながら、⺠間企業と⽐較して、⼤学の職員はコスト意識が全般的に⽋落していることをこれまで強く実感して参りました。超スマート社会の構築を描く
以前の問題として、⼤学という組織⾃⾝が「超スマート」な組織運営を実現し、社会に⾝をもって⽰す責務があると考えられます。⼤学・研究機関の合理的な
組織運営の在り⽅をさらに⾒直すための機会創出という観点から、むしろ財政のさらなる緊縮化こそが望まれる⽅針であると感じております。
49
ご指摘の点につきましては、今後の参考にさせていた
だきます。第7章(5)等にも記載したように、恒常
的な政策の質の向上を図るように努めてまいります。
ご指摘の点につきましては、今後の参考にさせていた
だきます。
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
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278
279
章
第4章
全般
第4章
職業
研究者
研究者
研究者
性別 年齢
男
男
男
24
45
48
ご意⾒
回答
全般的にだが,「社会実装」という⾔葉が理解できない.
p.21「イノベーションが創出される可能性を最⼤限⾼めるために,これまでとは異なる知識,視点,発想等を持つ多種多様な⼈材を育成・確保し,⼈材の
流動性を⾼める」とあるが,多種多様な⼈材を育てようとした施策によって,イノベーションが⾼まった例があるのか.これは妥当しない可能性はないのか.
p.22 「⼤学および公的研究機関等が,組織として⼈材育成及び雇⽤に責任を持つ」とはどういうことか.労働法令などを遵守して雇⽤を⾏っていくということ
か.拘束されるが,給料が出ないというほぼブラックバイトと化している,化学系の実験室での実験などはどう取り扱うのか.
p.23 「博⼠課程学⽣等の段階において,多様な経験を積む」とあるが,博⼠課程の学⽣は学位論⽂を書くのがメインの仕事であるので,余計なお世話で
ある.
p.24 現状では修⼠課程の学⽣(博⼠前期課程の学⽣)への⽀援が少なすぎる.アメリカ型を⽬指すにせよ,研究⼤学院では100%の雇⽤を⽬指し,
年間200万円程度の給与を与えられるようにすべきである.それに加え,博⼠課程の学⽣への税制⾯での優遇もあってしかるべきである.⼀貫の博⼠課程
の学⽣全部をカバーできない制度は単に学⽣間での敵対関係をあおるだけである.
「社会実装」は、「科学技術の成果を、社会で実際
に使われる、⼜は社会に組み込まれるようにすること」
という観点で使⽤しています。P21へのご指摘につ
いては、知のフロンティアが拡⼤し、また⼈々の価値
観が多様化する中で、多様な⼈材を育成・確保する
ことの重要性が増しており、そのような記述を⾏ってい
ます。P22へのご指摘については、趣旨が明確とな
るよう、「組織として⼈材育成や雇⽤する若⼿研究
者のキャリアパス形成に強い責任感を持って取り組む
ことが重要」と修正しています。P23へのご指摘に
ついては、博⼠課程学⽣のキャリアパスの多様化する
ためには多様な経験が重要と考え、そのような記述を
⾏っています。最後のご指摘については、博⼠課程
(後期)学⽣の経済的⽀援の充実がまずは重要と
考えておりますが、今後の参考にさせていただきます。
⽇本の国⼒を永く維持するためには、⼤学における研究及びそれと結びついて⼈材育成が重要であり、その機能強化が必須だと考えます。
国⽴⼤学の現状は、法⼈化後に運営費交付⾦の削減に伴う基盤的経費の減少と評価業務の対応でもはや限界を超えています。
まず、単年度や短期の評価に耐えるために、短時間で確実に成果を出せることに資源を集中することになり、成果がでるまでに時間がかかったり、研究成果
に対する国際的評価が定まるまで時間がかかったりする研究が壊滅状態に向かっています。すでに、海外、特に新興国にこのような研究成果を奪われ始めて
第4章(3)①に「基盤的経費について、…確実
います。
また、基盤的経費をほとんど研究に使⽤できない悲惨な環境となり、すでに優秀な⼈材から海外に引き抜かれ始めています。もはや、⽇本の国⽴⼤学の任 な措置を⾏う」と記載いたしました。
期の無い職よりも海外の職の⽅が魅⼒的な状況になりつつあります。
知の蓄積や⼈材を失い外国に奪われ、⻑期的には⽇本は海外に勝つことのできない国となってしまうことを危惧します。
以上のことから、財政規律の視点から短期間で効果があるように⾒える政策を⾏うのではなく、基盤的経費を拡充してリソースの海外流出を防ぐべきであると
考えます。
答申中の組織に対する評価、⼤学内及び⼤学に対する評価についてのコメントである。答申では組織間の移動経験を評価すると述べているが、「独⽴⾏政
法⼈化」とは「⼤学の企業化」では?職員の能⼒や成果の評価を、⼤学(会社)が昇進・昇給という形で表現することで⼤学の成⻑を図り、競争を促すこと
で国全体の学術レベルの向上を⽬指していると思っていた。以下が所属する⼤学内の評価の例:⼤型の間接経費を獲得してきた、賞をもらった、という点で
のみ昇給。経営者が⾃らの脳を駆使して評価しない。最低限の科研費で突出した成果を出しても昇給どころか昇格もない。それを求めると、過去に碌な成果
もなく能⼒の遥かに劣る教授から、出て⾏くしかない、と⾔われる。光速を超えるニュートリノ説を唱えた教員は昇格した中で。学位審査も崩壊:論⽂のタイト
ルから学術的に審査に値しないことは⾃明だが、教授会で審査遂⾏が了承された以上、粛々と審査を進めろと脅さる。学位取得者の数も⼤学の評価に繋が
るからか?内部昇格⼈事では「評価の捏造」が横⾏:内閣総理⼤⾂賞も受賞し極めて優秀と装飾され+⼥性で昇格した教員が、上記例の学位審査対象
のた学⽣の指導教官である。この例はさらに優遇・冷遇が教員限定ではなく、指導する院⽣の差別化にも波及している現状を意味する。
50
ご指摘にあるような⼈材の評価に関しては、第4章
(1)に記載しているように、⼤学等における⼈材シ
ステムの改⾰や⼈材の適材適所の配置を促進して
いく中で、適切な評価が進んでいくことを考えていま
す。本計画の記載事項に対する関係者の理解が進
んでいくよう、努めてまいります。
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
280
281
282
283
284
285
章
第4章
全般
第3章
第4章
第6章
第7章
職業
研究者
研究者
研究者
研究者
研究者
研究者
性別 年齢
男
⼥
⼥
男
男
男
ご意⾒
回答
少なくとも素粒⼦・宇宙では、研究の独創性・多様性という⾔葉は死語と化した。主要な要因の⼀つは、科学研究費が「新学術領域」など⼤型のタイプに重
点に配分されるようになったことにある。たとえ、海外研究者らと共同で先駆的研究を推進していても、旅費など研究活動に最低限必要な経費さえ確保が難
しい。「新しい学術領域を創出するための基盤を構築」できた課題はごくわずかであろうに。また、我が国の素粒⼦実験は多⼤な⽀援を受けてきた。進⾏中の
ものが多数ある中、建設だけで1兆円規模の資⾦を要するILCの推進が唱えられいる。⾃分は⽀援しない:⾒込める成果が乏しい。研究の多様性の損失
にさらに拍⾞がかかるから。では、多様性の損失を補填する成果が各プロジェクトに⾒込めるのか、について何⼈かの理論研究者に尋ねた。現在進⾏中のうち
最も⼤型のプロジェクト「Bファクトリー」には、⼩林・益川⾏列要素のさらに精密な決定以外に如何なる成果が⾒込まれているのか、という問いには、「やれば何
か⾒つかるでしょ。」ILCプロジェクトでは、ヒッグス粒⼦の⾃⼰相互作⽤の詳細な分析以外に、どのような成果・発⾒が期待されるのか?「やれば何か⾒つかる
でしょ。」成果以前に、震度4レベルの地震が発⽣しても稼働・衝突させ続けなければ、データさえとれないであろう。
ご指摘の点につきましては、今後の参考にさせていた
だきます。なお、第4章(3)②において、競争的
資⾦について、研究⼒及び研究成果の最⼤化、⼀
層効果的・効率的な活⽤を⽬指す旨を記載しており
ます。
57
第5期科学技術基本計画では基礎科学が軽視されている。「経済・社会的対応」は重要であるが、あまりこれを重視しすぎると短期的な成⻑はあっても、⻑
期的な成⻑が望めない。数⼗年〜100年先を⾒越した基礎科学への投資が重要である。
先⾏きの⾒通しが⽴ちにくい⼤変⾰時代において、
持続的な発展を遂げていくためには、国として、いか
なる状況変化や新しい課題に直⾯しても、柔軟かつ
的確に対応できる基盤的な⼒を備えておく必要があ
ることから、基本計画の4本柱の⼀つとして、第4章
「科学技術イノベーションの基盤的な⼒の強化」を掲
げているところです。また、第7章(5)においても、
ご指摘にあるような内容を追記させていただきました。
39
我が国の安全保障を巡る環境が⼀層厳しさを増して
第3章2の4の「国家安全保障上の諸課題への対応」の項を削除してください。国が,防衛とはいえ軍事や武器製造に応⽤可能な研究開発を推し進める
いる中で、科学技術イノベーションが対応すべき経
という姿勢は,到底容認できません。
済・社会的課題の⼀つとして、国家安全保障上の
諸課題への対応を掲げる必要があると考えています。
48
37
37
37
第4章
p. 25 グローバル⼈材の育成と外国⼈研究者の受⼊れ促進
海外からの研究員の受け⼊れの障壁の⼤きな問題の⼀つは、事務処理を⽇本語ではなく英語で⾏えるかである。そのためには研究員ではなく事務スタッフの
国際化が重要である。また研究員が訪⽇した後に研究費が取れるような環境整備も⼤事である。科研費はいいが、⽇本語が基本とされる戦略研究も多いよ
うである。さらには、国以外の⺠間助成財団も英語対応ができるように⽀援するのも⼤事である。笹川平和財団は⽇英どちらでも助成応募を受け⼊れるが、
これは例外的である。
第4章(1)②ⅱ)において、「⼤学及び公的研
究機関における英語による研究⽀援等の研究環境
の整備」を追記するなど、外国⼈の受⼊れ・定着を
促進するための取組内容を整理・充実いたしました。
本基本計画では、様々なステークホルダーの対話・
協働による「共創的科学技術イノベーション」を掲げ
第6章
ており、この中において、科学技術の推進とリスク管
p. 42 倫理的・法制度的・社会的取組
最近ではテクノロジー・アセスメントや移⾏管理(transition management)に加えて、「責任あるイノベーション 」(responsible innovation)も重 理の両⾯を取り扱っております。本計画では「共創」
の概念を強調していることから、ご指摘の「責任あるイ
要な概念であり、記述があってしかるべきであろう。科学技術の推進の側⾯と、リスク管理の側⾯を統合する意味も持つ概念である。
ノベーション」に関する追記は⾏っておりません。
第7章
p. 45 科学技術イノベーション政策の戦略的推進
evidence-based policyや科学的助⾔の⽂脈では、科学者コミュニティからの情報整理や情報発信の在り⽅が議論されてきているが、innovation
studiesで極めて影響⼒があるabsorptive capacityという概念を援⽤すれば、政府機関における科学的知⾒の吸収能⼒も重要になる。⽇本は他の先進
諸国に⽐べて博⼠号取得者が少なく、ローテーションが2年など短い。⼈事院留学制度を2年から5年に増やして博⼠号を取得させる、またローテーションを⻑く
して経験の蓄積と国内的・国際的ネットワーク拡充を促すなどの対策が肝要と思われる。。
51
ご意⾒ありがとうございます。今後の参考にさせていた
だきます。なお、第4章(1)②ⅲ)において、科
学技術イノベーション⼈材のキャリアパスを多様化し、
公務等の場でその知⾒や能⼒を活⽤することに関す
る記述を追記するとともに、第7章(3)に科学技
術外交の活動に対応できる⼈材の育成・確保に関
する記述を追記させていただきました。
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
286
287
288
289
290
章
第4章
第4章
第4章
第5章
第4章
職業
研究者
研究者
研究者
会社員
研究者
性別 年齢
⼥
男
男
男
男
40
35
62
47
28
ご意⾒
回答
⼥性の採⽤、登⽤割合の数値⽬標について、さらに取り組みを加速させるため、年度毎の数値⽬標を細かく設定すべきである。また、⼥性の指導的⽴場への
登⽤に伴って、単⾝での⼦育て⽀援策の拡充も必要であるため、基本政策に盛り込んで欲しい。現状、⾼い意欲を持つ⼦育て中の⼥性が指導的⽴場に登
⽤された際、夫や両親などの、それまで⼦育てを共に担っていた家族と離れた赴任地にて単⾝で⼦育てする、というケースが急増している。仕事と⼦育ての両
⽴に奮闘する中、まだ少数派であるため周りの⽀援が得づらく孤⽴しがちである、という問題点が深刻化している。このような、意欲や能⼒のある指導的な⼥
性研究者たちのパフォーマンスを最⼤限発揮してもらうために、社会全体でも同居⽀援や研究⽀援などのさらなるサポート体制を整えていくことが急務である。
⼥性研究者の数値⽬標について、第4章(1)②
i)に記載させていただきました。ただし、本計画の性
格上、年度毎の⽬標は規定せず、当該数値⽬標の
状況は毎年度フォローアップし、政策に反映することと
しています。また、同箇所において、研究等とライフイ
ベントとの両⽴を図るための⽀援や環境整備等につ
いても掲げているところです。
若⼿研究者の育成・活躍促進に賛成である.これを実現していくためには⼗分な雇⽤費⽤の継続的な獲得が必要である.現状は国⽴⼤学の運営費交
付⾦の削減などにより雇⽤費⽤が⼗分ではない.⼀⽅,研究機関の運営管理には電気代・⽔道代などの費⽤がかかり,研究機関の規模によってばらつき
はあるが年間数億円から数⼗億円になる.ところが,もし電気代を10%削減できれば,外部資⾦の獲得がなくても数名から⼗数名の若⼿研究者を雇⽤ ご意⾒ありがとうございます。ご指摘の点につきまして
することが可能となる.そこで,第5期基本計画を進める中で,設備管理費削減を基にした優秀な若⼿研究者を雇⽤することに取り組むモデル研究機関の は、今後の参考にさせていただきます。
募集を進めてほしい.
科学的イノベーションの基盤的な⼒の発信源は⼤学である。⼤学での基礎研究と⼈材養成がなければ、⽇本の科学界の将来はあり得ない。そのためには、
科学の裾野を広げるために⼤学の若⼿教員の数を倍増することが極めて有効な⼿段となるはずである。現在では、⼤学教員数の削減ばかりが⽬⽴つが、若
⼿の教員数を増加する⽅針が全くみえてこない。この点について抜本的な⽅針を打ち出すことが急務である。
⼤学等の若⼿教員数や若⼿教員割合の⽬標値に
ついて、第4章(1)① i)に追記させていただきま
した。
これからのオープンイノベーションにおける場の形成においては、参画する⼤学、企業等の研究者が1箇所に常駐する必要性は無く、必要な時や定例会合等で
集まれば良く、⽇常はナレッジシステム等のIT活⽤し情報を共有することで、対応は可能であるので、ハード領域も踏まえ、「場」の解釈を拡⼤した標記を記載 ご意⾒ありがとうございます。ご指摘の点につきまして
して頂きたい。
は、今後の参考にさせていただきます。
「⼤学等における若⼿研究者のポストの確保、公正で透明性の⾼い⼈事シス テムの確⽴、若⼿研究者への処遇や研究費の充実等を促し、若⼿研究者が
⾼い能⼒と意欲を最⼤限発揮できる環境を整備する。」
優秀な⼈材が適切な職につける保証がなく、公募が出なければ競争する機会すら得られないのは極めて残念と⾔わざるを得ない。私⾃⾝、学位取得後の進
路の選択肢はないにも等しかった。かろうじて⾮常勤ポスドクの職が得られたものの、⽣計を⽴てられるほどの給料がもらえず、アルバイトをしながら研究を継続し
なければならなかった。そういった不安定な環境において、意欲的で⾃由な研究を遂⾏することは難しい。
ご意⾒ありがとうございます。ご指摘の内容は、第4
任期付きのプロジェクト型ポスドクとして(低い給料で)雇われ、プロジェクトが終了すれば⾏き先を失うことも多々ある。⼤型の研究費を持つ研究グループに
章(1)①ⅰ)に記載しているところですが、今後
ポスドクが集中し、若⼿研究者が独創的な研究を主体的に展開できるとは程遠い状況にある。
の参考にさせていただきます。
「組織の新陳代謝を促し、若⼿研究者が挑戦できる任期を付さないポストを拡充する。」
新陳代謝を促すならば、新規雇⽤だけでなく、研究遂⾏能⼒が低い任期なし研究者の雇⽤を⾒直すことも考えるべきである。任期の定めのない職には確か
に魅⼒は⼤きいが、⼀⽅で任期なしに⽢んじて研究を⾏わない、論⽂を書かない情けない研究者が少なからずいることも考慮すべきである。
291
第4章
研究者
男
26
科学技術イノベーションの重要な担い⼿は、若⼿研究者である。しかし、⼤学等にお
ける若⼿研究者のキャリアパスが不透明で雇⽤が不安定な状況にあり、若⼿研究者が⾃⽴的に研究を⾏う環境も⼗分に整備されていない。⼤学等におけ
ご意⾒ありがとうございます。ご指摘の内容は、第4
る若⼿研究者のポストの確保、公正で透明性の⾼い⼈事システムの確⽴、若⼿研究者への処遇や研究費の充実等を促し、若⼿研究者が⾼い能⼒と意欲
章(1)①ⅰ)に記載しているところです。
を最⼤限発揮できる環境を整備してほしい。
52
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
292
293
294
295
296
章
第4章
第6章
第6章
全般
第2章
職業
研究者
研究者
研究者
その他
研究者
性別 年齢
男
男
男
男
男
50
ご意⾒
回答
「iv) 初等中等教育段階からの⼈材育成と裾野の拡⼤」について、11⽉13⽇に東北⼤学で開催された説明会の際に「前期計画に⽐べて量としては多く書
いているが、教育の中⾝にはイノベーション部局として⼊っていってよいかは悩ましいところ」との説明があったが、総合科学技術会議に「イノベーション」という⾔葉
が加わったことを踏まえれば、イノベーションに資するような教育の中⾝についての⾔及も必要ではないか。例えば、⾼校教員の専⾨性や⽇本特有の理科観
(⾃然現象の観察に⼒点を置く。学習指導要領では社会との関係が重視されるようになってきたが、⾼校現場ではまだ従来の傾向が強い)等の影響もあ
り、スーパーサイエンスハイスクールの⽣徒研究発表会での203件の発表の中で「⾼校の科⽬でみると⽣物が4割で、物理や化学のほぼ倍」「7割以上が理学
的研究であり、⼯学的研究は15%程度に留まる」に⽰されるように、これまでの「理数好き児童⽣徒の拡⼤」「理数教育の充実等を図った⼩中⾼での学習
指導要領に基づく教育の推進」だけでは「イノベーションを担う次世代⼈材の育成」には不⼗分であることを認識すべきである。
具体的には、本⽂3⾏⽬の「理数学習の機会」を「理数学習、科学技術に触れる機会」とする、本⽂10⾏⽬の「理数教育の充実」を「理数イノベーション教
育の充実」とする、などの修正をすることが望ましいと考える。
ご意⾒ありがとうございます。第4章(1)①ⅳ)
については、全体的に記述を整理・修正いたしました
が、理数教育のみならず、「創造性を育む教育」「課
題解決的な学習」といったことにも⾔及しているところ
です。また、第5章(2)①「起業家マインドを持つ
⼈材の育成」や、第6章(1)②「共創に向けた各
ステークホルダーの取組」においても、初等中等教育
段階の取組に⾔及しているところです。
50
第5章(5)ではイノベーション創出に向けた「地域」の役割が書き込まれているのに対して、第6章では「地域」の概念が第4期計画に⽐べて弱くなってきている
のではないか。博物館・科学館や地域に根付いたNPOなど地域にはステークホルダーによる対話・協働を促進することが可能な様々な地域リソースが存在して
いるが、⾔及されていない。本⽂7⾏⽬に「国、⼤学及び公的研究機関等が中⼼となり共創の場を設ける」とあるが、地域(地⽅)においてはこれら以外の
地域リソースが中⼼となりえる場合もある。例えば仙台では特定⾮営利活動法⼈natural scienceが⾏っている「サイエンスコミュニティ」(http://sciencecommunity.jp/)の活動は、国、⼤学、公的研究機関も含めてNPOが(次世代⼈材育成に加えてステークホルダー間の対話促進の点でも)対話の場
をオーガナイズしている事例である。
本⽂7⾏⽬を「国、⼤学及び公的研究機関等が中⼼となって、あるいは地域で対話・共創を進める団体等を⽀援して共創の場を設けるとともに」というように
することがよいのではないか。
50
「ステークホルダーが双⽅向で対話・協働し」について、研究者が中⼼にあり、周りにいる他のステークホルダーと1対1でやりとりするようにも読める。また「対話」
重要の対話プロセスが⼀⽅向に陥りがちであったこと
であれば「双⽅向」は⾃明である。研究者は他のステークホルダーより優位にあるものではなく、対話・協働は様々なステークホルダー間で多様に⾏われるべきも
から、「双⽅向」であることを強調させていただいており
のであることを踏まえれば、「ステークホルダーが様々な形で対話・協働し」や「多⾯的に対話・協働し」のような⾔葉の⽅がよいのではないか。
ます。
44
63
第6章冒頭や(1)①において、共創の場の中⼼
として「科学館」を追記するとともに、②において、「科
学館、博物館等の社会教育施設が果たす役割も⼤
きく、そうした場において、・・・⽀援する。」と追記させ
ていただきました。
「第5期科学技術基本計画」素案において、社会からの要請として知の拠点としての⼤学への期待は⼤きいものと思います。
国⽴⼤学は、平成16年度の法⼈化以降、⼤学改⾰促進係数等による運営費交付⾦の削減が続く中、基盤的な⼤学の運営経費の削減努⼒をしてきま
第4章(3)①に「基盤的経費について、…確実
したが、昨今の⼤学をとりまく環境は⼀層厳しさを増しております。各種の諸経費の⾼騰も重なり、財政的状況はもはや⼤学⾃⾝の努⼒のみでは到底追いつ
な措置を⾏う」と記載いたしました。
けない程、脆弱化している状況です。このため、基盤的経費については充実すべきだと思います。
11ページ、『(2) 新たな価値創出のコアとなる強みを有する基盤技術』という項では、根本的なものを正確に位置づけるべきである。例えば、例⽰されている
ご指摘のプラズマ科学・技術については、光・量⼦技
『⾰新的な構造材料や新機能材料など、様々なコンポーネントの⾼度化によりシステムの差別化につながる「素材・ナノテクノロジー」など、』においてはプラズマ
術に含まれるものと考えており、第2章(3)③
科学・技術は必須でありまた我が国から育ったものでもあり、明⽰すべき。その部分は、『⾰新的な構造材料や新機能材料など、様々なコンポーネントの⾼度
ⅱ)における「光・量⼦技術」の内容について、「加
化によりシステムの差別化につながる「素材・ナノテクノロジー」など、またそれらを⽀えるプラズマ科学など』と補筆修正すべきである。
⼯技術」を追記するなど修正させていただきました。
53
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
297
章
第4章
職業
研究者
性別 年齢
男
48
ご意⾒
回答
(1) i)若⼿研究者の育成・活躍促進
若⼿研究者の定義を明確にして下さい
ア)40歳以下など年齢
イ)博⼠号取得後経過年数
ウ)⼤学等における任期付雇⽤の通算期間10年以下
など、案件により異なり概念が統⼀されていません。また、若⼿に含まれないポスドクに対する⽀援は⾏わないのでしょうか。
第4章(1)①ⅰ)冒頭に、ポストドクターが若⼿
研究者に含まれる旨を追記いたしました。なお、本計
画においては、若⼿研究者に対して⼀律の定義を付
すことはしておりませんが、若⼿教員数に関する⽬標
値については「40歳未満」とさせていただきました。ご
⼤学に再⼊学した私は、若⼿対象の研究助成から除外されました。企業から⼤学へ、海外から国内へ、などの流動性の⾼い研究環境を⽬指す場合、⼀律 意⾒については、今後の参考にさせていただきます。
に年齢で制限することは妥当でしょうか。
基礎研究において(「選択と集中」ではなく)多様性がより必要である理由
298
299
300
第4章
第5章
第5章
研究者
研究者
研究者
男
男
男
48
48
48
基礎研究の⼟壌は製薬における候補物質ライブラリーのようなものです。
スクリーニング前から「選択と集中」を施し少数の有⼒候補だけに絞ることは妥当ではない。
多数の候補物質からなる巨⼤ライブラリーを持つことが製薬企業の⼒となります。
基礎研究は同じように多様性を持つ広い⼟壌を持つ必要があります。
持続的なイノベーションの創出のためには、イノベー
ションの源である多様で卓越した知を⽣み出す基盤
の強化が重要と考えており、第4章(2)におい
て、その旨を記載しているところです。
第五章 イノベーション創出に向けた⼈材、知、資⾦の好循環システムの構築
⽇本における投資家(投資資⾦)の不在、および基礎研究への公的⽀援の必要性
⽶国の⼤学発ベンチャーはGoogleなど世界を席巻する企業に成⻑する例に事⽋かない。
⽇本においてこのような例が⾒られない⼀因は投資家の不在にある。
ア)⽇本ではベンチャー投資に関⼼を持つ超富裕層や⾦融機関が存在しない。
ご指摘の内容は、第5章(2)②及び③において
イ)⾒識と⼤資⾦は空前の内部留保を持つ⼤企業にあるが、⾰新技術を開発するベンチャー企業へ⼤企業が進んで資⾦協⼒するというインセンティブは働
記載しているところですが、具体的な点については、
かない。⼤企業は既に保有する既存技術を保護・活⽤することにより利益を継続的に得るという⾏動様式を取る。既存技術を過去のものとする⾰新技術は、
今後の参考にさせていただきます。
⼤企業の巨⼤化した⽣産体制(⼈材・設備・知識など)の再構築を要求するため歓迎されない。⽇本の⼤企業がベンチャーに資⾦供与を⾏うのは、技術
⾰新が誰の⽬にも明らかとなり放置すると⾃社技術が過去のものとされる場合である。⼤企業は⼤資⾦をもって⾰新技術をベンチャー企業ごと買収し⾃社外
に⾰新技術が⽣まれることを阻⽌する。
ア)イ)から現状では⼤学発の基礎科学技術は(⽂科省などの)公的資⾦による⽀援がなければ成⻑することができない。投資環境の整備と公的⽀援を
必要としている。
資⾦の好循環システムの構築例
多数の批判を受けることを承知で提案します。⼭中伸弥教授によるiPS研究組織は企業体にすべきです。この例で出来なければバイオ分野で資⾦の好循
環システムは構築できません。国が10年間で1000億円超の資⾦援助を⾏うことは否定しませんが株式投資などの形を取るべきではないでしょうか。iPS関連
技術は既に基礎研究の枠をでており、実⽤化されることは間違いありません。将来、特許や⽣産物で利益を産んだ際に、⼭中教授と共に株式を保有する国 ご指摘の点につきましては、今後の参考にさせていた
が利益を回収する形を取るべきです。企業体となることで⼭中教授が⼼配されているiPS研究者の雇⽤問題は解決します。場合によっては、共同研究してい だきます。
る武⽥薬品などに合併・吸収される形で⽀援を受けても良いのではないでしょうか。
iPS細胞の発展と共に国が得た資⾦は、第⼆、第三の⼭中教授とiPS細胞を⽣み出すために基礎研究⼟壌へと薄く広く投資されるべきです。
54
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
301
302
303
304
305
306
章
第4章
第4章
第4章
第4章
全般
全般
職業
研究者
研究者
団体職員
研究者
その他
その他
性別 年齢
男
⼥
男
男
⼥
男
61
40
44
ご意⾒
回答
第4章(1)まる1、iv) において
理数教育の充実を述べられていることは、適切であるが、このために最も重要なのは、中等教育に携わる教員の専⾨性のレベルであることも述べていただきた
い。現状で理数教育にあたっている教員は、必ずしも理学、数理科学の修⼠号を持っていない。博⼠号を持っているものは、⾮常に少ない。⽣徒が最初に理
科、数学の授業を受ける⼀般の教員が、教える内容を専⾨家として理解し、現代の科学の中の位置づけが出来ていることが、その授業を受ける⽣徒全体の
レベルを上げ、その中から⾮常に優れた⽣徒が出てくることが期待できることになる。⾯⽩い授業があることも、ないよりはましであるが、全体の教員の質の向上
に取り掛かれば、10年後には、その成果が表れるものと思う。
ご意⾒ありがとうございます。今後の参考にさせていた
だきます。なお、第4章(1)①ⅳ)の記述を充実
しており、この中に、理数教員養成の取組も含まれる
と考えております。
国、⼤学、公的研究機関及び産業界における⼥性採⽤の数値⽬標は必要です。極端に少ない⼥性⽐率においては、⼥性が意⾒を⾔うことさえできない状
態にあるだけでなく、男性社会の中で潰されてしまい、⼗分に能⼒を発揮することができません。また、能⼒のある⼥⼦がキャリアを⽬指さない傾向ができあがっ
てしまう、(特にアカデミアにおいて)キャリアを⽬指したい⼥性が海外流出してしまう等の問題が起きています。これからの⼈⼝減少社会において、男⼥問わ
ず能⼒ある⼈材が⽇本の科学技術を牽引してゆかねば、益々衰退の道をたどることになってしまいます。
また、特に⼤学においては、学務が多過ぎて研究時間を確保できないという問題があります。⼥性が両⽴できないだけでなく、男性研究者も研究に専念でき
ず、弱体化の⼀途をたどっています。⼤学の数を制限し、研究⼤学の運営交付⾦を⼤幅に増額し、⼊試を専⾨に⾏う職員を採⽤し教員は⼊試業務をお⾏
わない、教養課程の授業を担当する専任講師を採⽤する等の⽶国並みの政策が必要です。⽶国を⾒習い、研究施設・機器の共⽤化を進め、研究室や学
部の壁を低くすることが重要です。
国⽴⼤学等の施設整備の予算は厳しいため、政府の資⾦制度の改⾰を進めるにあたり、以下についても必要と考える。
1.補助⾦適正化法の制度を⾒直し、事業期間の緩和、使途の緩和など、予算を柔軟に利⽤できるしくみをつくる。
2.施設の整備率の考え⽅を⾒直し、施設の集約化による減築を進めるしくみをつくる。
3.施設維持費を確保するため、例えば施設賃貸の収益による積⽴⾦といった資⾦を確保できるしくみをつくる。
前者のご指摘については、⼥性研究者の数値⽬標
を第4章(1)② i)に記載させていただきました。
また、後者のご指摘については、基盤的経費について
第4章(3)①に「基盤的経費について、…確実
な措置を⾏う」と追記するとともに、第4章(2)②
ⅱ)には施設・機器の共⽤促進、第7章に⼤学改
⾰・機能強化等について⾔及しているところです。ご
指摘については、今後の参考にさせていただきます。
第7章(1)において、「国⽴⼤学を含む⼤学が、
計画的かつ効率的な財政運営を⾏えるよう制度の
⾒直しの検討を⾏い、必要な措置を講ずる。」と追
記いたしました。ご指摘の点につきましては、今後の
参考にさせていただきます。
68
安全保障の環境が厳しくなっている、と戦⼒増強へ誘導する視点は、戦前の軍国主義化の道と同じである。安全保障上の課題とは、⾔い換えれば軍事対 我が国の安全保障を巡る環境が⼀層厳しさを増して
応、軍事研究である。あくまで、わが国は平和の視点にたつ科学技術を押し出すことで、世界に貢献できる、そしてそれがわが国の安全と平和になるのです。歴 いる中で、科学技術イノベーションが対応すべき経
済・社会的課題の⼀つとして、国家安全保障上の
史に真摯に学ぶべきであり、よって、第3章2の4項の削除を強く求めます。
諸課題への対応を掲げる必要があると考えています。
69
我が国の安全保障を巡る環境が⼀層厳しさを増して
科学技術基本計画の⽬的に、「国家安全保障上の諸課題に対し、必要な技術の研究開発を推進」として、国家安全保障、つまり、軍事研究を合法化しよ
いる中で、科学技術イノベーションが対応すべき経
うということは、⽇本国憲法違反であり、許されません。削除するべきです。
済・社会的課題の⼀つとして、国家安全保障上の
諸課題への対応を掲げる必要があると考えています。
75
我が国の安全保障を巡る環境が⼀層厳しさを増して
新たに⽬的に加えた、「国家安全保障上の諸課題に対し、必要な技術の研究開発を推進する」は、全削除すべきである。科学技術開発は、平和的な⽬的
いる中で、科学技術イノベーションが対応すべき経
に限定すべき。
済・社会的課題の⼀つとして、国家安全保障上の
諸課題への対応を掲げる必要があると考えています。
55
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
307
308
309
310
章
第3章
第3章
第3章
第3章
職業
団体職員
団体職員
団体職員
団体職員
性別 年齢
男
男
男
男
ご意⾒
回答
48
私どもは、⽇本において安全性科学と保健・医療研究の⾰新を促すための提⾔として、急速に発展しているグローバルな研究分野において、⽇本の基礎研
究、トランスレーショナル・リサーチ及び学際的研究の⼒を向上させるための提⾔を含めた、以下の社会⾯及び技術⾯双⽅に及ぶ点について要望しておりま
す。
●経済協⼒開発機構(OECD)とその加盟国との連携のもと実施するヒト疾患や有害性転帰経路(AOP)の発⾒やカテゴリー化作業、動物を⽤いない
ご意⾒ありがとうございます。今後の参考にさせていた
安全性試験の基盤となりAOPの鍵となる事象における化学物質の影響を評価することのできるインビトロやコンピューターを活⽤したツールの開発に対する、
だきます。
EUやアメリカに相当する、⽇本の保健・医療関連の予算の投資(約350億円 )
●特定の疾患(例:喘息、アルツハイマー病、⾃閉症、免疫学等)に特化した、AOPを基盤とした研究の前進と、⽇本の保健・医療分野の研究における、
ヒト⽣物学を基盤とした⾼度なツールや技術の戦略的活⽤を拡⼤するための開発ロードマップの作成の優先
(⽂字数が⾜りないため、次のメールに続く)
48
(前のメールから続く 2通⽬)
近年、科学技術における⽬覚ましい発展により、毒性学や保健医療研究に対する「21世紀」アプローチのように、⽣体⼯学技術により作られたチップ上のヒト
の臓器、⾃動ロボットによる⾼スループットのヒトの細胞や遺伝⼦の試験や、次世代のコンピューターを⽤いたモデル等、動物を⽤いないヒト⽣物学を基盤とした
最先端のツールを活⽤した研究が注⽬されています。これらのツールの開発と活⽤は、従来の動物を⽤いた安全性試験や、動物モデルを基盤とした保健医療
(同上)
の研究よりも、研究の質を⾼めることにつながり、時間や費⽤の削減も期待できます。
15ページ「i)世界最先端の医療技術の実現による健康⻑寿社会の形成」においてぜひこれらの最新動向をもりこんでいただけますよう、よろしくお願い申し上
げます。
参考資料として21世紀毒性学へのパラダイム転換を概観するレビュー論⽂の要旨を添付いたします。
(⽂字数が⾜りないため3通⽬のメールに続く)
48
(前のメールから続く 3通⽬)
別紙 論⽂要旨
Lessons from toxicology: developing a 21st-century paradigm for medical research
<毒性学からの教訓: 医学研究における21世紀パラダイムの構築>
著者:
(同上)
Gill Langley,1 Christopher P. Austin,2 Anil K. Balapure,3 Linda S. Birnbaum,4 John R. Bucher,5 Julia Fentem,6 Suzanne C.
Fitzpatrick,7 John R. Fowle III,8 Robert J. Kavlock,9 Hiroaki Kitano,10 Brett A. Lidbury,11 Alysson R. Muotri,12 Shuang-Qing
Peng,13 Dmitry Sakharov,14 Troy Seidle,15 Thales Trez,16 Alexander Tonevitsky,17 Anja van de Stolpe,18 Maurice
Whelan,19 and Catherine Willett20
(次のメールに続く)
48
(前のメールから続く 4通⽬)
所属:
1ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル 研究毒性学部⾨; 2⽶国国⽴衛⽣研究所 国⽴先進トランスレーショナル科学センター(NCATS); 3セントラ
ル・ドラッグ・リサーチ・インスティテュート(CSIR) ⽣物⽣理化学部⾨; 4⽶国国⽴衛⽣研究所 国⽴環境衛⽣科学研究所国家毒性プログラム; 5⽶国国⽴
衛⽣研究所 国⽴環境衛⽣科学研究所国家毒性プログラム; 6ユニリーバ研究開発安全環境保証センター(SEAC); 7⽶国⾷品医薬品局⾷品安全・応
⽤栄養センター センター⻑室; 8Science to Inform LLC; 9⽶国環境保護庁 研究開発室; 10システム・バイオロジー研究機構; 11オーストラリア国⽴ (同上)
⼤学ジョン・カーティン医学研究所 ゲノミクス・予測医学; 12カルフォルニア⼤学サンディエゴ校 医学部⼩児科、ラディー・チルドレンズ病 細胞・分⼦医学科
幹細胞プログラム; 13中国軍事医学科学院 疾病予防コントロールセンター 毒性学評価研究センター; 14ロシアScientific Research Centre
Bioclinicum; 15ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル 研究毒性学部⾨; 16アルフェナス国⽴⼤学科学技術研究所;
(次のメールへ続く)
56
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
311
312
章
第3章
第3章
職業
団体職員
団体職員
性別 年齢
男
男
48
48
ご意⾒
回答
(前のメールから続く 5通⽬)
17ロシア国⽴医学放射線研究所; 18フィリップスリサーチ; 19欧州委員会共同研究センター 健康・市⺠保健研究所; 20全⽶⼈道協会(Humane
Society of the United States) レギュラトリー・トキシコロジー、リスク評価及び代替法部⾨
要旨:
21世紀の発展は、動的で⼈間に特化した、システムレベルにおける疾病の原因や病態⽣理学の理解を深める、前例のない機会を提供するものである。保健
医療研究、創薬、臨床応⽤等において失敗が繰り返されている中、これは、必要不可⽋なものである。最先端のアプローチのポテンシャルを最⼤限に発揮す
るためには、動物モデルが主流の20世紀の概念的枠組みでは不⼗分である。新しい技術が環境保健研究に導⼊され、疾患研究にも応⽤が可能になってい (同上)
るが、これらの進展の恩恵を最⼤限に引き出すためには、新たな保健医療研究や創薬のパラダイムが必要となる。我々は、毒性学における21世紀への移⾏
に新たな位置付けを与えるための新しい概念的枠組みを提案する。ヒトの疾患は、外因性及び内因性の複数の原因の結果として捉えられるべきであり、研究
は、毒性学における有害転帰経路に類似した、異なる⽣物学的レベルにおいて疾患経路を理解するための最新のヒトモデルに焦点を当てるべきである。
(次のメールへ続く)
(前のメールから続く 6通⽬)
このようなアプローチにより、ヒト疾患の理解における障壁を乗り越え、実りある創薬や臨床応⽤に向けて、進展が望める。解決すべき多くの課題や問いを特定
(同上)
するための議論を、今、開始すべきである。
(以上で参考資料終わり)
私どもは、⽇本において安全性科学と保健・医療研究の⾰新を促すための提⾔として、以下の点について要望しております。
313
314
第6章
第4章
団体職員
研究者
男
男
48
動物実験に関しては、動物愛護管理法により、3R
●⼈間の健康に関するアウトカムに対する動物モデルの妥当性の主張の根拠や、動物の種類にかかわらず、動物に「中程度」以上の苦痛を与えることが予想
の原則(苦痛の軽減等)に配慮するよう努めること
される脊椎動物を⽤いる全ての実験における遡及的評価や体系的な解析を要件とすることを含む、動物を⽤いる新たな実験計画に対する、さらに厳格かつ
が定められ、同法に基づく「実験動物の飼養及び保
透明性のある倫理審査と科学的メリットに関する審査のプロセスの設⽴
管並びに苦痛の軽減に関する基準」や関係各省によ
る指針が策定されているところです。
42ページ「(4) 倫理的・法制度的・社会的取組」においては、先端研究のみならず既存の基礎研究の⼿法についても倫理的な側⾯からの⾒直し及び法制
度の確⽴が必要であることを盛り込んでいただきたくよろしくお願い申し上げます。
56
若⼿の登⽤を⾏うには、シニア層の早期退職をセットにしないといけません。研究能⼒は40台をピークに次第に下降するので、シニア層を研究からマネジメン ご意⾒ありがとうございます。4章(1)① i)に、
トを主とするポジションに移⾏させるのが重要と思います。現時点での⼤きな問題は、働き盛りの若⼿PIが、莫⼤なマネジメント業務により疲れ切ってしまうこと 若⼿研究者が挑戦できる任期を付さないポストの拡
充と、シニア研究者向けに必要となる取組を掲げてい
であることを知ってください。
るところです。
8ページの<(2) 世界に先駆けた「超スマート社会」の実現>の節について、以下2件の意⾒を提出致します。
315
第2章
研究者
男
72
(1)1⾏⽬に「ネットワーク化やIoTの活⽤が・・・」と記されていますが、「ネットワーク化」は今に始まったことではなく以前から実現されていることであるの
で、最近の状況を表すには以下のように修正するのが妥当と考えます。
案A)ネットワークのさらなるブロードバンド化やIoTの活⽤が・・・
案B)ネットワークの⾼度化やIoTの活⽤が・・・
ご意⾒ありがとうございます。前者のご指摘について
は、簡潔な表現を⽤いるために原案のままとしていま
す。後者のご指摘については、「システムの⼤規模化
や複雑化に対応するための情報通信基盤技術の開
発強化」をすでに記載しているところですが、その位置
(2)24⾏⽬に「IoTサービスプラットフォームの構築に当たっては、複数システム間のデータ利活⽤を促進する・・・」と記されていますが、先進的なIoT
付けが明確になるよう、(2)②の⽂章全体につい
サービスプラットフォームの構築には、その基盤となるICTシステムについて⾼性能化、超⾼信頼度化あるいはIoTサービスに応じたカスタマイズ化などの⾼
て整理・修正いたしました。
度化が不可⽋のはずであり、ICT関連技術の開発が同時に必要なことを明⽰することが必要と考えます。⽂案として、例えば「IoTサービスプラットフォー
ムの構築に当たっては、その基盤となるICTシステムの⾼度化、複数システム間のデータ利活⽤を促進する・・・」を提案します。
57
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
316
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章
第4章
全般
第4章
第4章
第3章
第3章
職業
研究者
会社員
研究者
研究者
研究者
研究者
性別 年齢
男
男
男
⼥
男
男
33
55
42
78
59
44
ご意⾒
回答
若⼿研究者のキャリアパスの明確化を是⾮進めていただきたいと思います。
私⾃⾝「今回の任期が切れたら⼀⽣無職になるかもしれない」という恐怖と戦いながら毎⽇を過ごしています。
将来の不安定さに不安になり、研究者になることをやめた優秀な⼈材もたくさん⾒てきました。
仮に研究者の仕事でなくても、それなりの能⼒のある⼈であれば何らかの職につけるという希望が欲しいものです。
これは結婚や出産などの⼈⽣計画にも関わってきます。
将来が無職になるかもしれないのに⼦供を産もうとはなかなか思わないものです。
ご意⾒ありがとうございます。ご指摘の内容は、第4
章(1)①ⅰ)に記載しているところですが、さら
に、⼤学の若⼿教員数に関する⽬標値を設定する
等の⼯夫を⾏いました。
この素案について、知の拠点である⼤学への期待は⼤きいと思いますが、⼤学の基盤的経費を⽀える運営費交付⾦は年々減額されています。授業料への負
担は学⽣にとって厳しいものです。今後世界の⼤学と渡りあったり、ノーベル賞などをとるためには国からの⽀援が必要だと思います。現在⾏われている農⽔省
第7章(5)に投資⽬標額について追記いたしま
のオリンピックのための菊の早期開花の研究や、環境省のアサリによる浄⽔へ予算を配るよりも⼤学への投資を充実すべきと考えます。また、財政審の答申の
した。また、第4章(3)①に「基盤的経費につい
様に、すべてに経費⾯だけからの視点で検討されると⼈材育成や梶⽥先⽣のような基礎研究は厳しく査定されてしまうのではないでしょうか?30〜40年スパ
て、…確実な措置を⾏う」と記載いたしました。
ンでの研究は⽇を⾒ないことになります。⽇本の科学研究のために予算を充実すべきであり、⽬標⾦額も具体的に提⽰すべきだと思います。
⼈材⼒の強化について、今後「⼈材」確保が重要になっていくことに異論はない。特に若⼿の⼈材育成が重要であることにも同意できる。しかし、これまでポスド
ク1万⼈計画等で確保した⼈材を活⽤することも⼀案であると思う。具体的には、余っているとされる40〜45歳前後の⼈材は、ある程度経験も積んでおり、
この先20年前後(2035年前後まで)⼗分に活躍できる⾒込みもあるにもかかわらず、⼗分な⼿当てがされずに少しずつ消えていっている状態である。若⼿
育成も重要であるが、それ以前に、現在「シニアポスドク」と呼ばれる存在になっている彼らをイノベーションの中核として積極的に活⽤できる施策を盛り込むこと
はできないか。⽅法は、「テニュアトラック制もしくは同趣旨の⼈事システム」に年齢制限やそれに該当する内容を課さないこと、それだけである。
また、URA、プログラムマネージャー、技術⽀援者の確保についても、年齢制限を課さないことを望む。それと同時に、これらの職位に⼗分な権限を持たせるな
ども必要であると思う(現時点では、特に⼤学では教員の職位に就くものが優遇され、それ以外は制限が多いのが実情である)。
我が国の今年度⾃然科学分野での複数ノーベル賞受賞は⼤変栄誉なことであるが、この栄誉を維持していくには、⼈材確保についてもう⼀段踏み込んだ施
策を盛り込んでいただきたい。
第4章 科学技術イノベーションの基盤的な⼒の強化 (1)⼈材の強化(2)⼈材の多様性確保と流動化の促進のi)⼥性の活躍の個所について意⾒を
申し上げます。
1.i)のタイトルを「⼥性研究者の育成・採⽤・活躍促進と修正。
2.i)の上から7⾏⽬から9⾏⽬の⽂章の修正。
第3期、第4期基本計画で⼥性研究者の採⽤に関する数値⽬標を掲げた結果、⼥性研究者数は年々微増傾向にある。現在の博⼠課程(後期)の⼥
性⽐率を考慮し、2020年までに⼥性研究者の割合を30%にするという数値⽬標を実現させる取り組みを加速させる。なお、その際、男⼥をとわず、公平に
評価するプロセスが重要である。
3.⼥性研究者を30%にするという数値⽬標を必ず盛り込んで頂きたい。
(3)地球規模課題への対応と世界の発展への貢献、(1) 地球規模の気候変動への対応について、意⾒を申し上げます。現在の⼆酸化炭素削減政策
では、ご存知のように減るどころか増えているという結果が出ております。したがって、もう⼀度、地球規模で⼆酸化炭素について検討し、確実に削減する⽅針
を⽴てるべきです。その具体例として、森林⽕災から排出される⼆酸化炭素量はFAO発表で毎年約100億トンあると推定されておりますので、森林⽕
災の制御による⼆酸化炭素削減⽅法を検討すべきと存じます。
「国家安全保障上の諸課題に対し必要な技術の研究開発を推進する」の記載では,武⼒兵器を含んでしまいますので,この⽂案の削除,もしくは,『武
⼒兵器の開発を除く』と追記すべきだと思います。
58
ご指摘の点につきましては、今後の参考にさせていた
だきます。第4章(1)②ⅲ)に追記したように、
「若⼿からシニアまであらゆる世代の⼈材が適材適所
で活躍できる」ことが重要と考えております。なお、具
体的取組については、毎年度策定する「科学技術イ
ノベーション総合戦略」の中で明確化していくこととし
ています。
1のご指摘については、⼥性研究者の採⽤や育成を
含め、「⼥性の活躍促進」と記載いたしました。2及
び3のご指摘については、⼥性研究者の数値⽬標を
記載させていただきました。なお、男⼥問わず、公平
に評価する透明な雇⽤プロセスの構築が重要である
旨は、すでに記述しているところです。
COP21において、世界共通の⻑期⽬標が設定
され、我が国においても、⻑期的視野に⽴った温室
効果ガスの抜本的な排出削減を実現するための戦
略を策定してまいります。ご指摘の点につきましては、
今後の参考にさせていただきます。
我が国の安全保障を巡る環境が⼀層厳しさを増して
いる中で、科学技術イノベーションが対応すべき経
済・社会的課題の⼀つとして、国家安全保障上の
諸課題への対応を掲げる必要があると考えています。
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
322
323
324
325
章
第4章
第3章
全般
第4章
職業
団体職員
研究者
その他
研究者
性別 年齢
男
男
⼥
男
47
59
60
73
ご意⾒
回答
⼤学の研究は、企業が関⼼を持つようなすぐに成果が出る研究もあれば、企業が研究費を投じることのない光の当たらない基礎研究もあります。しかし現在
ノーベル賞など世界で評価される成果はこの基礎研究の継続があってこそ⽣まれたものだと思います。現在基盤的経費が削減され、研究費のほとんどは競争
的資⾦と呼ばれる公募型の申請を経て採択されたもののみが⼤きく研究費を獲得し単年度や数年度で成果を求められているものであり、基礎研究で数年で
は成果が出ないものには⽐較的不利な状況だと感じています。基礎研究に対して成果が出なくても継続的には投⼊することが将来の世界的な研究成果に繋
がるものあると思いますので国⽴⼤学に対し運営費交付⾦などのよる基礎研究に対する継続的な予算措置を期待します。
(1) エネルギー・資源・⾷料の安定的な確保について意⾒を述べさせて頂きます。この問題は我々が⽇本で⽣活する上での根幹であり、特にエネルギーはホル
ムズ海峡経由に85%も依存している状況は、昨今の原発休⽌状況、および、中東情勢や南シナ海情勢からして安定供給に不安を抱くことは当然のことで
あります。例えば、ドイツで脱原発法が成⽴した本当の理由は、ウラル⼭脈を越えてロシアから9本のパイプラインがきているからです。
安倍⾸相とプーチン⼤統領はお互いに⽇露平和条約を締結すると公⾔しております。近い将来必ず実現するでしょう。そうなると、極東・シベリア開発は⼀気
に加速することは間違いありません。例えば、エネルギー安全保障の⾯からもサハリンや東シベリアからパイプラインを複数ひいてリスクを分散することは可能であ
り、最も現実的であります。今はそのために⽇露で共同研究を⾏う必要があると存じます。これは、エネルギーだけでなく、天然資源の確保や⽔産資源を含む
⾷糧の確保、森林資源の確保についても同様であります。
「国家安全保障上の諸課題に対し、必要な技術の研究開発を推進する」との⽂⾔を削除するようお願いします。
(1)⼈材⼒の強化: 「⾼い能⼒を持つ学⽣等が、知の創出をはじめ科学技術イノベーション活動の中核を担う博⼠⼈材となることを躊躇するようになっ
てきており、このことは、我が国が科学技術イノベーション⼒を持続的に確保する上での深刻な課題である」とある。イノベーションを創出することができる⼈材
は、これまでとは異なる知識、視点、発想等を持って独創的なアイデアに果敢にチャレンジする勇気が強く要求される。PD増強制度によって、多くの研究者を
輩出したが、公的機関におけるポジション数が限られているために、正規の職に就けない者が多数いる。それを⾒ている若い学⽣は、研究者として⽣きていくこ
とに不安を感ずることとなる。 これを解消する究極の⽅法が、ドイツで実⾏されており、それを早急に可能にする⽅策を⽴てて実⾏するとよい。すなわち、博⼠
に中等教育機関において教える機会を与えることである。博⼠の学位を有する者に、約1年半の教育実習を⾏わせ、現場で教職課程を履修させ、それに合
格した者が中⾼で教えることができるというものである。博⼠は、知がどのようにして⽣まれてきたかを知っており、それを経験している。最先端の研究を⾏ってきた
者が、6年間もの⻑い中学及び⾼等学校教育期間中に、理数科⽬の教育を⾏うことを可能にすることが、将来のイノベーターを育成するために是⾮とも必要
である。この制度変更を早急に⾏うべきである。
私は、本答申素案に反対します。
326
全般
その他
男
68
「国家安全保障上の諸課題に対し、必要な技術の研究開発を推進する」との⽂⾔を削除すべきです。
327
第5章
その他
男
49
「国家安全保障上の諸課題に対し、必要な技術の研究開発を推進する」との⽂⾔を削除せよ。武器を輸出し、他国の⼈々を傷つける⾏為は平和どころか
国を混乱に陥れるだけの愚⾏に過ぎない!
59
第4章(3)①に「基盤的経費について、…確実
な措置を⾏う」と記載いたしました。また、第4章
(2)冒頭に「なお、こうした取組の実施に当たって
は、研究者が腰を据えて研究に取り組める環境を整
備することや、・・・⻑期的な観点で成果の創出を⾒
守ることが重要であることにも留意する。」と追記いた
しました。
科学技術イノベーションの観点からは、エネルギーの
安定的な確保と効率的な利⽤のために、現⾏技術
の⾼度化と先進技術の導⼊の推進が図る必要があ
ると考えています。
我が国の安全保障を巡る環境が⼀層厳しさを増して
いる中で、科学技術イノベーションが対応すべき経
済・社会的課題の⼀つとして、国家安全保障上の
諸課題への対応を掲げる必要があると考えています。
ご指摘の点につきましては、今後の参考にさせていた
だきます。なお、第4章(1)②ⅲ)の最後に「科
学技術イノベーション⼈材のキャリアパスを多様化し、
研究機関のみならず、起業・経営、初等中等教育、
公務といった社会の様々な場において、科学技術イ
ノベーション活動で培われた知⾒や能⼒が活⽤される
ことを促す。」と追記いたしました。
我が国の安全保障を巡る環境が⼀層厳しさを増して
いる中で、科学技術イノベーションが対応すべき経
済・社会的課題の⼀つとして、国家安全保障上の
諸課題への対応を掲げる必要があると考えています。
我が国の安全保障を巡る環境が⼀層厳しさを増して
いる中で、科学技術イノベーションが対応すべき経
済・社会的課題の⼀つとして、国家安全保障上の
諸課題への対応を掲げる必要があると考えています。
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
328
329
章
第4章
第4章
職業
学⽣
研究者
性別 年齢
男
男
25
35
330
全般
その他
⼥
70
331
全般
学⽣
⼥
90
332
333
第6章
第6章
その他
その他
⼥
⼥
48
48
ご意⾒
回答
「若⼿研究者のポストの確保」は、⽇本の科学技術の発展に不可⽋であると考えます。若⼿研究者の将来が不明瞭・不安定であることは、私⾃⾝も含め多
くの学⽣にとって、研究者を志す決断をする上で⼤きなネックとなっています。優秀な学⽣が、学位取得後研究職に就けず⼀般企業に就職することも、私の周
りでも少なからずあります。研究者を志す学⽣が現在のような不安を抱えずに研究者を志せるような制度が必要であると考えます。
「公正で透明性の⾼い⼈事システムの確⽴」について、現在の評価システムは業績に⾮常に⼤きなウエイトがかかっていると感じます。業績は重要な評価項⽬
であることは間違いないのですが、業績に重きを置きすぎると、学⽣や若⼿研究者の研究姿勢が「論⽂の数を稼ぐため⼩さくまとまった研究をする」⽅向に向い
てしまう危険性があると考えられます。科学技術の発展の多くは、⻑期的な視点を持った研究から⽣まれるものです。評価⽅法について具体的な案があるわけ
ではないのですが、適切な⼈事評価システムの確⽴は⽇本の科学技術の発展に⼤きな影響を持ちうると考えます。
⽴案の前提となる現状に関しては⼤枠で同意する。⾼い能⼒を持つ学⽣が研究者として⽣きる道に希望を⾒出せずその他の進路を選ぶことで知の創出に貢
献する機会が失われている。この点について抜本的な⽅針転換を求めたい。
私⾃⾝は幸いにして教員の⽴場にあるが、現状では30~40歳代の研究者には実績・実⼒が⼗分にも関わらずポスドクの⽴場にある者が多数含まれている。
彼らを有効に活⽤することで、新たな⼈材育成を⾏うことなく我が国の研究⼒を⼤きく向上させることができると考える。また、これらの研究者がある意味理不
尽な形で不遇にあることを将来のイノベーターの候補となる学部学⽣などに⾒せることは得策ではない。そのためにはテニュアポジション確保のため、交付⾦をは
じめとした資⾦投⼊増⼤が最も望ましい。特に各⼤学が優良な研究者を多数抱えることは、研究⼒と教育⼒を⼤きく増すことにつながるものと考える。
⼀⽅で、我が国の財政状況を考えれば⻘天井な資⾦投⼊は難しいと思われる。よって、科学研究の最前線に⽴つ諸外国と同程度か上回る程度の資⾦投
⼊を⾏いつつ、その他の⽅法でも効率化を試みることが望ましい。近年では⼤学組織においてアドミニストレーション部署に博⼠取得者を置くことが増えている
が、その他にも多様な部署で博⼠取得者など研究を理解する⼈員を増⼤し、サポート能⼒を上げることで全体の研究⼒向上を図る必要があると考える。
第4章(1)① i)において、若⼿研究者のポスト
の確保に関わる制度等についての記述を充実いたし
ました。また、⼈事評価について、多⾯的な評価の重
要性について記述しております。
ご意⾒ありがとうございます。第4章(3)①に「基
盤的経費について、…確実な措置を⾏う」と記載い
たしました。また、第7章(1)を「⼤学改⾰と機能
強化」として充実するなど、全体にわたって、⼤学等
の経営・⼈事システムの改⾰に関する記述を充実い
たしました。ご指摘については、今後の参考にさせてい
ただきます。
「第5期科学技術基本計画」答申素案に、
「国家安全保障上の諸課題に対し、必要な技術の研究開発を推進する」と
明記したが、この⼤変危険な⽂⾔を削除してください。
我が国の安全保障を巡る環境が⼀層厳しさを増して
いる中で、科学技術イノベーションが対応すべき経
済・社会的課題の⼀つとして、国家安全保障上の
諸課題への対応を掲げる必要があると考えています。
だめ
ご意⾒ありがとうございます。
42ページ「倫理的・法制度的・社会的取組」の部分に関して
意⾒1 計画案にはガイドラインとしか記載がないが、「法律の整備」を明確に盛り込むべき。
意⾒2 「動物倫理」についても⽂⾔を盛り込むべき。
理由
素案には先端研究のことしか書かれていないが、⽇本では既存の基礎研究において動物倫理の取組みに遅れが⾒られる。国際学会で⽇本⼈の動物実験の
発表が⾮倫理的であるために会場がざわめくといったことは現在でも起きている。
また、STAP細胞事件では動物実験計画の事前審査を受けていなかったことが明らかになっている。そういった倫理問題に関して態度が緩い機関において
STAP細胞事件のような不正事件が起きたことはまったく無関係なことではないと思われる。⽬新しくて奇抜な研究課題に取り組むことが優先で、その他の
事柄はおろそかにされた。対応も処罰等はなく、紙が1枚公表されただけである。⼀事が万事ではないか。
動物倫理に関しても、理念を念仏のように唱えるだけではなく、具体的に現場で実験動物の苦痛を取り除けるような審査・管理の仕組み、教育訓練等につい
て法律で義務事項を定め、不適切事例に対し⾏政的介⼊もできる仕組みを構築するべきである。
これらの仕組みのない⽇本の基礎研究は、実際のところ欧⽶から信頼されていないのではないかと感じる。
(2通⽬に続く)
(前のメールの意⾒1・2の理由続き 2通⽬)
動物実験だけでなく研究不正に関しても同様だが、機関の⾃主管理に委ねる仕組みであることをいいことに事なかれ主義で済ませることは、国⺠の科学への
信頼を⼤きく損ねる。
60
ご意⾒1につきましては、第6章(1)④の「倫理
ガイドライン等の策定」に法整備が含まれるものと考
えております。ご意⾒2につきましては、動物愛護管
理法により、3Rの原則(苦痛の軽減等)に配慮
するよう努めることが定められ、同法に基づく「実験動
物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基
準」や関係各省による指針が策定されているところで
す。
(同上)
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
334
335
336
337
章
全般
第6章
第3章
第2章
職業
団体職員
その他
その他
公務員
性別 年齢
男
⼥
⼥
男
39
ご意⾒
回答
「イノベーション」の視点が多く、「学術」の視点が少ないと感じる。「学術」はずべての原点であり、イノベーションは学術を⺟体としている。また学術の継承と基礎
学術の確保の意味を⼤切にし、その継続性を考慮する⼿⽴てを講じなければイノベーションなど⽣まれない。ご意⾒番として⼀時のイノベーション成功者と⾔わ
れる企業経営者の意⾒を聞くのは良いが、当⼈たちは数年後にその⽴場にいない事が多い。資本主義経営の企業⼈はたかが数⼗年の歴史しかなく、他⽅で
⼤学経営は2000年以上の歴史がある。流⾏りの企業⼈もいいが、流⾏り⾔葉で安易な学術を形成できるとは到底思えない。⼤学形成者の意⾒をもっと取
り⼊れるべき。また、世界の例を挙げて何かをするのではなく、「ジャパン・スタンダード」を主眼に置き、わが国独⾃の⽅法を構築すべきではないか。その意味で
「学術」の視点にもっと重きを置いた提⾔があってもよいと感じる。また⼈材育成では、イノベーションをマネジメントする⼈材育成の必要性を強く感じる。URAが
整備されているが、URAは本来はサポート⼈材ではなく、マネジメント⼈材である。どの⼈財育成事業もサポート⼈材、サポート⾯の偏った事業が多い。イノ
ベーション、学術をマネジメントする⼈材を育成する事業や科学技術マネジメント⼈材を(企業にばかりに頼るのではなく)、アカデミア業界をよく理解したうえ
で舵を取れる⼈材を育成すべきと考える。
ご意⾒ありがとうございます。基本計画策定に当たっ
ては、⽇本学術会議や⼤学を含めた関係機関と幅
広く意⾒交換させていただいているところです。なお、
学術の重要性に関するご指摘については、第4章に
おいて学術研究の重要性を記述しているところではあ
りますが、その趣旨がより明確になるよう、同章
(2)①ⅰ)の表題を「学術研究の改⾰と強化」
から「学術研究の推進に向けた改⾰と強化」と変更さ
せていただきました。また、URAに関するご指摘につ
いては、同章(1)ⅱ)のURAの定義を「研究
活動全体のマネジメントを主務とする」と変更いたしし
ました。
48
意⾒3 科学研究の実施を国⺠が阻⽌することができる仕組みを作るべき
理由
科学研究は、研究者がやりたいと思えばできてしまい、事前に国⺠に必要性や倫理性を問うことがされない。国⺠に科学研究を中⽌させる⼿段がないことは
問題である。
例えば、体細胞クローン⽜は、消費者が気持ち悪いと感じる⾁が流通することで⽜⾁全体の消費が落ち込むことを懸念し、農⽔省は⾃主的禁⽌を貫いたま
ま流通を解禁せず、研究も中⽌され、現在に⾄っている。経済性の⾯からもそもそも実⽤化には無理のある研究だった。最初に国⺠の意向について汲んでお
けば、無駄な研究に予算を割かずに済んだのである。
また、CRISPR-Cas9のようなゲノム編集技術によって、動物の体を著しく改変させる研究が次々⾏われているが、このようなことが無制限に⾏われてよいのか。
基本計画専⾨調査会において遺伝⼦改変した昆⾍を利⽤する技術について発⾔をした委員がいたが、このような技術が実⽤化されることは問題ではない
か。ヒトと動物のキメラを受精卵の段階から作成するといった⾮倫理的な研究⼿法についても解禁へ向けて検討されており、問題である。
⼀つ⼀つの研究について許しているうちに、全体として⽣命観が損なわれ、それによって⼈間社会や⽣態系に実害が⽣じることもありうるのではないか。科学優
先では、明るい未来があるように感じられない。具体的に対策がとれる⼿段が必要。
55
我が国の安全保障を巡る環境が⼀層厳しさを増して
第3章 経済・社会的課題への対応 の(2)の4から、「国家安全保障
いる中で、科学技術イノベーションが対応すべき経
戦略(平成 25 年 12 ⽉閣議決定)を踏まえ、国家安全保障上の諸課題に対し、関係府省・産学官連携の下、適切な国際的連携体制の構築も含め
済・社会的課題の⼀つとして、国家安全保障上の
必要な技術の研究開発を推進する。」を削除するよう求めます。
諸課題への対応を掲げる必要があると考えています。
41
世界の情勢を⾒渡してみても、超スマート社会に向けてIoTやAIなどの研究開発を進めることは世界のフロントランナーとして必須の活動であり、基本計画の
枠組みは⾮常に素晴らしいものと考える。⼀⽅、超スマート社会では、スマートシティーや⾃動運転に代表されるように、⼈の代わりとなるICTの研究開発に偏
りがちであり、結果、⼀部の⼈、⼀部の地域だけが研究開発に携わり、富を享受する傾向にある。加えて、これらの取り組みは、より多くの利⽤者の能⼒を衰
えさせるリスクも含んでいる。すでに、基本計画においても⼈間のあり⽅に⼤きく影響を及ぼすために、社会との対話や⼈⽂社会科学の研究者との融合も記載
されているが、その研究の具体的な領域が必ずしも⼗分ではないと感じる。
このような中で、社会課題に対処する脳科学研究こそが、社会との対話を可能にし、IoTやAIと⼈⽂社会科学の橋渡しとなり、多くの⼈に役⽴つ研究領域の
中⼼になると考える。欧⽶で進む急速に進む脳科学研究は、基礎研究や医療、軍事利⽤が中⼼であることから、このような広く社会的な課題の中に脳科学
研究を位置づけることは、⽇本がフロントランナーとして国際的に⼤きく貢献するものになると考える。
61
⽣命科学分野における研究倫理については、総合
科学技術・イノベーション会議⽣命倫理専⾨調査会
において議論させていただいております。なお、ご指摘
の点については、今後の参考にさせていただきます。
超スマート社会に向けた取組を進めるに当たっては、
脳科学をはじめ、様々な分野の連携・協⼒が重要と
考えており、ご指摘の点については今後の参考にさせ
ていただきます。
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
章
職業
性別 年齢
ご意⾒
回答
ご意⾒ありがとうございます。第4章(1)①ⅲ)
にTAとしての博⼠課程(後期)学⽣の雇⽤の拡
⼤と処遇の改善を記載しているところではありますが、
ご指摘内容について、今後の参考にさせていただきま
す。
338
第4章
研究者
男
73
⼤学・⼤学院における教育改⾰の推進: ⽇本の⼤学⽣が勉強しないことはよく知られている。その最⼤の原因は、⼤学の特に学部1〜3年における学習
時間の短さと、ユニバーサル⾔語としての英語⼒の弱さである。それを改善するために、TAによる教育⽀援が⾮常に効果があることは、⽶国におけるTAによ
る教育補助制度の定着が証明している。基礎学⼒(スキル)を最もつけなければならない学部1〜3年の間に、学習時間が短いことが、多くの情報を⾃分
で⾒つけ出す能⼒を付けさせないままで、卒業させている。筆者の試算では、1万⼈の学部学⽣のTAによる教育⽀援のために年間約17億円が必要で
ある。この予算額は、⼤学の運営費の内では多額であるが、卒業⽣の学⼒向上には極めて効果がある。TAによる教育⽀援は、中等学校・⼤学におけるア
クティブ・ラーニングの導⼊とともに是⾮とも必要である。欧⽶では当然のように⾏われている、イノベーターの前段階である博⼠課程(前期及び後期課程)学
⽣への経済的な⽀援のため、また学部学⽣や⼤学院学⽣の強⼒な学習⽀援のためにも、TA予算の増強は極めて有効である。特に、⼤学院⽣へのTA
及びRAとしての経済的な⽀援は、優秀な⼤学院⽣の増強、⽇本の⼤学の研究⼒増⼤及び優秀な研究者輩出のために是⾮とも⾏って頂きたい。これらの
⽀援無くして、⼤学の教育及び研究⼒(結果としてランキング)の⾶躍的上昇はあり得ない。
339
全般
研究者
男
38
総合科学技術・イノベーション会議という名前が付いており、その名から「イノベーション」という単語が多数使われているが、その定義が明確では無い。官、学、
第1章(1)に「科学技術イノベーション」の定義を
⺠、それぞれが想像・期待する「イノベーション」と、そこに⾄るまでに必要なリソース(⼈・時間・予算)の認識が⼀致していないのではないか。
記載させていただきました。
340
341
342
343
全般
第3章
第4章
第2章
団体職員
研究者
研究者
研究者
男
男
男
男
51
41
38
64
第4期基本計画策定時は中⼼的な記述として東⽇本⼤震災からの復興、原発事故からの復旧・復興等が挙げれていた。復興庁はじめ関係機関の⽀援を
受け被災者が復興を⽬指す中、5年経過しようとする現在、原発事故の例をひくまでもなく、未だ復興が遂げられていないことは明らかと⾔える。しかしながら、
第5期科学技術基本計画においては東⽇本⼤震災からの復興、原発事故からの復旧に関する記述が確認できない。東⽇本⼤震災からの復興や原発事
故における安全安⼼の確保において科学技術の果たすべき役割は⼤きく、国⺠からの期待が⾼まっている。そうであればこそ、第5期科学技術基本計画にお
いても、科学技術イノベーションを通じた復興に関する記載を何らかの形で⾏うことを通じ、国⺠の信頼に応えることが必要と思う。政府が復興庁を設置し被
災者・被災地を⽀援している現在の計画から、「震災復興」「原発事故からの復旧」といった記載がなくなった場合、被災者に対して科学技術不信といった
「負の感情」が⽣ずるのではないかと危惧するものである。
第3章(2)の4「国家安全保障上の諸課題への対応」は、⼤学などの研究者を、防衛省を含む省庁との連携によって、軍事⽤にも応⽤可能なデュアル
ユース技術の研究開発に取り込んでいくことを記載している。軍事を⽬的とする研究は、とりわけ応⽤段階では秘密研究となり、研究開発の過程が⾮公開に
なっていく可能性が⾼い。例えば、仮想敵国の研究者との交流が妨げられていく可能性が考えられる。また、研究の秘密性が⾼くなると、研究不正が頻繁に起
こる可能性も⾼まっていくであろうことが予想される。このような状況が進⾏してしまえば、本来、公開を原則とする学術とは相いれなくなり、学術の健全な発展
が阻害される。国家安全保障上の諸課題に対しては、防衛政策として対応すべきであって、科学政策の中に位置づけて学術を歪めるべきではないと考える。
以上のような理由により、第3章(2)の4「国家安全保障上の諸課題への対応」を削除すべきと考える。
第3章冒頭に「東⽇本⼤震災をはじめ、各地の災
害からの復興状況等を鑑み、…科学技術イノベー
ションの取組を進めていくことが重要である」と追記さ
せていただきました。
我が国の安全保障を巡る環境が⼀層厳しさを増して
いる中で、科学技術イノベーションが対応すべき経
済・社会的課題の⼀つとして、国家安全保障上の
諸課題への対応を掲げる必要があると考えています。
「グローバル⼈材の育成と外国⼈研究者の受⼊れ促進」について。現在多くの研究者公募が⽇本語のみであり、外国⼈研究者を受け⼊れる状況とはいえな 第4章(1)②ⅱ)において、「⼤学及び公的研
い。特にテニュアポストに関しては国際公募の⽐率を上げる(可能な範囲で義務づける)べきである。これに伴い、学内事務⼿続きも⽇本語以外で対応でき 究機関における英語による研究⽀援等の研究環境
の整備」を追記するなど、外国⼈の受⼊れ・定着を
るよう、事務職員の採⽤は多⾔語習得者を優先し、技術に相応した待遇を⽤意すべきである。
促進するための取組内容を整理・充実いたしました。
数理科学は「超スマート社会」に向けた種々の基盤技術を⽀える横断的な科学技術であるという御意⾒に賛同いたします。
先進的な取組を⾏っている国として、答申素案の中でドイツ、⽶国、中国が挙がっていましたが、背景として、ドイツではこれまで数学をキーテクノロジーとして
認識しており、数学を振興してきました。中国では国を挙げて、数学の研究所を数多く作り、海外で研究している中国出⾝の数学者を呼び戻す政策を⾏って
います。⽶国では、グーグルの創設者やフェースブックの創設者らIT関連の事業家が設⽴したブレイクスルー財団が2013年にフレイクスルー賞(1件300万ド
ル)を⽣命科学分野で創設しましたが、その後、数学も加えました。これは同財団が数学を重視していることの証しでもあります。
純粋数学と応⽤数学を峻別せず数学全体を振興することが、キーテクノロジーとしての数学の、強⼒でしかも息の⻑い数学応⽤には不可⽋です。翻って、
⽇本でも科学全般の中で数学の役割は増⼤しています。⽇本学術振興会が⽇本学術振興会賞を授与していますが、数学・数理科学の受賞者が理⼯系
のみならず総合系においても⾒られるようになってきたことからもわかります。ぜひ、数学・数理科学を全体として振興して頂きますようお願いいたします。
62
数理科学の重要性については、第2章(3)②ⅰ
に「これらの基盤技術を⽀える横断的な科学技術と
して数理科学が挙げられ、・・・その振興を図る。」とし
ているところです。ご指摘に点については、今後の参
考にさせていただきます。
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
344
345
346
347
章
第4章
第4章
第4章
第5章
職業
研究者
研究者
研究者
研究者
性別 年齢
男
男
男
男
38
38
38
76
ご意⾒
回答
研究者のキャリアパスを明確にすることは重要だと思います。しかし、若⼿研究者のみに良い待遇を与えることで若⼿の流⼊を促すというのは、優秀でもなく覚
悟もない⼈材が進学するリスクを⾼めるため、あまり好ましくないように思います。
現在問題になっているのは、優秀でありながらキャリアを築くことができずにいる⼈が多く存在する世代があることだと思います。ですので、優秀な⼈材であればき
ちんとポストにつけるという、正常な状態にすることが先なのではないでしょうか。そうなれば、優秀な学⽣が進学してくれるようになるはずです。
また、冷遇された中堅の世代を置き去りにしたまま若⼿のみを優遇すると、多額の税⾦を使って育てたその世代に眠る、多くの優秀な⼈材をうまく活⽤できない
まま放置しまうことになりかねません。そういった観点からも、年齢に関係なく優秀な⼈材には応分の処遇を与えるというやり⽅の⽅が好ましいのではないでしょう
か。
第4章(1)②ⅲ)に追記したように、「若⼿から
シニアまであらゆる世代の⼈材が適材適所で活躍で
きる」ことが重要と考えております。その際、現状とし
て、⼤学等における若⼿研究者の雇⽤が過度に不
安定であることから、第4章(1)①ⅰ)のような
内容を掲げています。
男⼥問わず公平に評価する透明な雇⽤プロセスは当然であり、「第4期基本計画に掲げられた⼥性研究者の新規採⽤割合に関する数値⽬標の達成」より
優先されるべきだと思います。
優秀な⼥性が研究者として活躍できる環境を作るのは当然ですが、数値⽬標の達成によってそのような環境が整うわけではないと思います。そうではなく、障
害となる下記のような原因を取り除いていくべきだと思います。
・研究者は夫婦での同居が難しいため、家庭を優先し研究者であることをあきらめてしまう。(⽇本では、こういったケースで⼥性が離職する悪しき慣習が根強
いように思います)
・出産や育児における⼥性の負担の割合が⼤きいため、出産前後において業績が低下し、評価において不利に働く。
前者については、夫婦同居が理由の場合に、希望地域にある⼤学への異動をバックアップするなど研究者を続けながら夫婦⼀緒に暮らせるような形の⽀援を
⾏うことで、後者については、出産や育児を実際に⾏った場合、⼥性研究者の業績を多く⾒積もるか、あるいは実働年数を少なくカウントし、定年も延⻑する
などの⽅法で改善できると思います。
現状は、多くの⼤学で⼥性であることのみを根拠に採⽤時の優遇が⾏われている傾向があるように思います。そのため「出産や育児などを経験しておらず不利
ではない⼥性」が有利になり、優秀な男性が職に就きにくくなっているという弊害が懸念されます。
内容ではなく⽂章についての指摘なのですが、「男⼥問わず、公平に評価する透明な雇⽤プロセスが重要である」の読点は、「男⼥問わず公平に評価する、
透明な雇⽤プロセスが重要である」の⽅が良いのではないでしょうか?(前者だと、「このようなプロセスはどちらの性にとっても重要である」、という解釈をされか
ねないことが懸念されます。)
「第5章 イノベーション創出に向けた⼈材、知、資⾦の好循環システムの構築」においては、オープンイノベーションの仕組みを構築し、グローバルな形でのイノ
ベーションの創出を促すことにしている。経済再⽣を最優先する産(政)官の要求としてオープンイノベーションが強調されている。その「仕組み」構築が、企業、
⼤学、国⽴研究開発法⼈等の関係者が有機的かつ持続的に創造活動を展開して⾰新的で新しい経済的価値を創り出すようなシステムを構築することで
あれば、経済的利益をすべてに優先させる体制は、科学・技術の総合的発展を妨げる危惧を感じる。
開発研究に直結する技術的側⾯に過度に傾斜した「科学技術」―Science and Technology ではなく Science-based Technology にすり替えられ
ている―が企業活動の活発化のための「教育・研究システム改⾰」とすれば、「科学 Science」の総合的発展はおぼつかなくなり、延いては技術を通じての産
業活性化をも阻害する。
科学研究の主要な担い⼿である・⾼等教育機関で「イノベーション創出に向けた⼈材、知、資⾦の好循環システムの構築」するには,⾼等教育予算とりわけ
基盤的経費の⼤幅増額が求められる。第4章の「資⾦改⾰を通じた科学技術イノベーションの推進」の「国⽴⼤学改⾰と研究資⾦改⾰の⼀体的推進」のよ
うな「改⾰」を強制することは避けるべきである。
63
ご意⾒ありがとうございます。ご指摘の点につきまして
は、今後の参考にさせていただきます。なお、⼥性研
究者の数値⽬標について、第4章(1)② i)に
記載させていただきました。また、同箇所において、研
究等とライフイベントとの両⽴を図るための⽀援や環
境整備等についても掲げているところです。
「男⼥問わず」は、「公平に評価する透明な雇⽤プロ
セス」にかかる⽂書であるため、原案通りとしていま
す。
本計画が推進する科学技術イノベーションとは、第1
章に追記させていただいたように、「科学的な発⾒や
発明等による新たな知識を基にした知的・⽂化的価
値の創造と、それらの知識を発展させて経済的、社
会的・公共的価値の創造に結び付ける⾰新」である
と考えています。⼤学は、第5章のみならず、第4章
「基盤⼒の強化」をはじめ、本計画に掲げた様々な
取組の実施主体となる存在であり、⼤学⾃らの改⾰
を促進することが重要であると考えています。なお、基
盤的経費については、第4章(3)①に「基盤的
経費について、…確実な措置を⾏う」と記載いたしま
した。
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
348
349
350
351
章
第4章
第3章
第2章
第2章
職業
研究者
その他
研究者
研究者
性別 年齢
男
男
男
男
30
68
ご意⾒
回答
(1)-1-i) について:若⼿研究者の研究を奨励することは賛成。ただし、博⼠を出てすぐの学⽣をテニュアないしテニュアトラックとして採⽤することは考えにくいの
で、つなぎであるポスドクの処遇の改善(社会保険や年⾦、学振PDと学振が雇⽤関係を結ぶ)を明⾔すべき。
3段落⽬について:シニア研究者への処遇を厳しくすることは、シニアの研究を阻害する。シニアへの冷遇と、若⼿研究者の優遇の対⽐を⾒ると、若⼿研究者
のみ研究をすればよく、シニア研究者は研究しなくてよい(研究できない)、という構図になる。⼈材⼒の強化とは、既存の⼈材⼒をさらに補強するものでなけ
ればなず、シニアの冷遇はこの⽅針と⽭盾する。若⼿研究者育成には、まずシニアに対しても雑⽤をなくし、年俸制でない従来の処遇を継続すべき。シニアに
なると研究しにくくなるなら、⾃分は、シニアになるステップからは外国に⾏く。
(1)-1-iii) 5段落⽬について:国際⽔準並みを⽬指すのであれば、授業料の免除をした上でさらに⽣活費相当額程度を受給することを⽬指す、に変更すべ
き。2割程度が...とあるが、アメリカなどでは2割などではなくもっと多くの学⽣が授業料免除の上で⽣活費以上をもらっている。2割というのは、東⼤でのDC1よ
り少ない。今の⾃分が、学⽣をやり直すのであれば、最低でも8割程度の学⽣が給与をもらえないんだったら、⽇本の博⼠には進まない。
国家安全保障上の諸課題に産学官が連携して国際的に連携するとは軍需産業を奨励し、武器輸出を⽬指すべき国の姿とすることなのか?軍事衛星の計
画も⽬指しているのではないのか。そんなことのために優秀な頭脳や若い⼈を使うことは是⾮とも⽌めてほしい。
何故、⼈類の幸福の進歩に反することに科学技術イノベーションを利⽤しようとするのか。本来もっとあるべきものに資⾦やエネルギーを有効につかうべきである。
また、破たんした核燃料サイクルの確⽴にとあるが、おかしいではないでしょうか。
最初のご指摘については、すでに第4章(4)①
ⅰ)で⾔及しているところですが、趣旨がより明確と
なるよう、「若⼿研究者」に「ポストドクターをはじめと
する」や「ポストドクター等として実績を積んだ」と追記
させていただきました。⼆番⽬のご指摘については第
4章(1)②ⅲ)に追記したように、「若⼿からシニ
アまであらゆる世代の⼈材が適材適所で活躍でき
る」ことが重要と考えております。その際、現状として、
⼤学等における若⼿研究者の雇⽤が過度に不安定
であることから、シニアに対する取組を掲げています。
最後のご指摘については、我が国の現状が1割程
度であること等から、まずは「2割程度」と掲げている
ところです。
我が国の安全保障を巡る環境が⼀層厳しさを増して
いる中で、科学技術イノベーションが対応すべき経
済・社会的課題の⼀つとして、国家安全保障上の
諸課題への対応を掲げる必要があると考えておりま
す。また、核燃料サイクルについては、⾼速増殖炉以
外にプルサーマル利⽤等も含めた広義の意味で記載
しております。
72
(2)世界に先駆けた「超スマート社会」の実現
(3) 超スマート社会の競争⼒の維持・強化の項において、「IoTサービスプラットフォームの技術やインターフェース等に係る知的財産戦略と国際標準化戦
略、・・・・・産業競争⼒の強化・・・」は、その通りですが、先進的なIoTサービスプラットフォームを実現するには、その前提(基盤)となるICTネットワー
ク(およびシステム)についても⼀層先進的な技術開発が必要であり、その知的財産戦略、国際標準化戦略等を含む産業競争⼒の強化を実現しなけれ
ばならない状況にあります(ICT関連分野で⽇本は国際マーケットの挽回に⼀層努める必要があります)。
以上の認識から、具体的には以下2か所の修正⽂案を提案します。
1)<指摘箇所(3)項の7〜10⾏⽬>
「また国は、産学官・関係府省連携の下で、IoTサービスプラットフォームおよびその前提となるICTシステムの技術やインターフェース等に係る知的財産
戦略と国際標準化戦略、個々のシステムやIoTサービスプラットフォームのパッケージ輸出の促進等を通じ、産業競争⼒の強化につなげていく。」
2)<10ページの最初から 11〜12⾏⽬:前の項だが同様の記述の箇所>
「国は、産学官・関係府省連携の下で、このようなIoTサービスプラットフォームの構築およびその前提となるICTネットワークの⾼度化に必要となる取組
を推進する。」
以上
46
「プラズマ科学技術」については、光・量⼦技術に含
「第2章:(3)「超スマート社会」に向けた基盤技術の戦略的強化:(2) 新たな価値創出のコアとなる強みを有する基盤技術」において,「センサー技
まれるものと考えており、第2章(3)③ⅱ)にお
術」や「素材・ナノテクノロジー」が重要であることはもちろんであるが,これらを創り出す⼿法における「プラズマ科学技術」,「化学触媒反応技術」等の基盤技 ける「光・量⼦技術」の内容について、「加⼯技術」を
術の重要性についても記載していただきたい.
追記するなど修正させていただきました。また、「化学
触媒反応技術」については、同箇所における「素材・
ナノテクノロジー」に含まれるものと考えております。
64
ご意⾒ありがとうございます。ご指摘のIoTシステム
構築技術やネットワーク技術については、(3)②
ⅰ)「超スマート社会サービスプラットフォームの構築
に必要となる技術」の⼀つとして掲げているところであ
り、(3)①に、その知財戦略と国際標準化戦略
の推進を掲げているところです。なお、第2章(2)
と(3)の関係を⾒直し、(3)を「「超スマート社
会」の競争⼒向上と基盤技術の強化」として、⽂章
を全体的に修正しました。
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
352
353
354
355
356
章
第4章
全般
第4章
第1章
第1章
職業
研究者
研究者
団体職員
その他
その他
性別 年齢
男
男
男
男
男
54
53
36
67
67
ご意⾒
回答
知的基盤に関する意⾒
バイオリソースは科学技術・イノベーションの発展に必要不可⽋な基盤であり、国際的にも特筆すべき我が国が強みとする知的基盤です。下記に⽰す第4章の
科学技術イノベーションの基盤的な⼒の強化(p26)の第4段落中には単に知的基盤の整備と記載されていますが、知的基盤の整備の前に「バイオリソース
等の」を挿⼊することが適切です。
第4章 科学技術イノベーションの基盤的な⼒の強化
第4章(2)② ii)に「⽣物遺伝資源等の知的
(2) 知の基盤の強化
基盤の整備」について記述させていただきました。
第4段落
こうした研究開発活動を⽀える共通基盤的な技術、先端的な研究施設・設備やバイオリソース等の知的基盤の整備・共⽤、情報基盤の強化等にも積極
的に対応するとともに、イノベーションの創出につながるオープンサイエンスの世界的な流れに適切に対応する。
以上
「第5期科学技術基本計画」素案において、知の拠点としての⼤学への期待は⼤きいものと思います。
国⽴⼤学においては、法⼈化以降、運営費交付⾦の削減が続く中、基盤的な運営経費を削減する努⼒をしてきましたが、昨今の⼤学をとりまく環境は⼀層
第4章(3)①に「基盤的経費について、…確実
厳しさを増しており、諸経費の⾼騰も相まって財政的な状況はもはや⼤学⾃⾝の努⼒のみでは到底追いつけない程、脆弱化している状況です。
な措置を⾏う」と記載いたしました。
このため、基盤的経費については充実すべきだと思います。
国⽴⼤学においては可能な限り努⼒していると⾒受けられます。⼀⽅で、保険料率の引上げなどのため、⼈件費が急増しており、今後も増加することが⾒込
まれています。これらの増⼤については、国⽴⼤学での努⼒だけでは対応できることは難しいと考えます。ですので、保険料率引き上げなどによる⼈件費の増加 ご指摘の点につきましては、今後の参考にさせていた
分については、財源を確保すべきであると考えます。
だきます。
(1)現状認識の構成について:
科学・技術に関する政策を論ずるのに、国を取り巻く「経済・社会情勢」に対する認識からスタートするのは、科学・技術、学術政策を、経済政策の下僕と
する基本的姿勢が反映している。この計画が、各府省の予算獲得や特定の企業への資⾦補助にお墨付きを与えるものに矮⼩化されるおそれがある。科学技
術基本計画の「現状認識」を最初に述べる、この⽂章・段落においては、(2)の末尾の段落にある、「世界における我が国の科学技術の⽴ち位置は全体
として劣後」していることを特徴として記載することが適切である。
第2段落に「従来のように技術⾰新の追求にとどまることなく」とあるが、「従来」が、いつのことを意味するのか不明である。⽂脈上は、科学技術基本計画20
年を総括すると、「ユーザーの多様な要望や共感に応え」ることなく、「技術⾰新の追求」をしてきたという評価になると思われるが、そうであれば「(2)科学技
術基本計画の20年間の実績と課題」の記述を⼤幅に修正する必要がある。
1⾴最終段落のエネルギー、資源の安定供給等についての記述は、東⽇本⼤震災と東電福島原発事故を意図するものと推察できるので、その旨を明記す
るとともに、経験・教訓の具体的内容を記述すべきである。現在の記述は、抽象的情緒的である。
最初のご意⾒について、科学技術イノベーション政策
は「経済、社会及び公共のための政策」であるため、
まずは、経済と社会・公共がどのように変化しているか
を述べ、その上で、当該変化による科学技術イノベー
ション政策(第5期基本計画)への影響や、過去
の基本計画の実績・課題を記載し、その後の基本⽅
針へとつなげています。次のご意⾒について、「ユー
ザーの多様な要望や強化に応える」ことは、過去の基
本計画の課題ではなく、近年の経済社会の変化によ
る影響として記載しています。最後のご意⾒について
は、「東⽇本⼤震災を契機として、」と追記いたしまし
た。
「(1)現状認識」の「オープンサイエンス」について:
第3段落に「こうした中で、科学研究の進め⽅も、オープンサイエンスが世界的な潮流となりつつある。」とあるが、「こうした中で」の趣旨が不明である。サイエン
ご指摘も踏まえ、「こうした中で」を「それに呼応して」
スは、本質的には⼈類の共有知となるべきものであり、ICTの進化により、共有知としてオープンにする条件が広がっている、と捉えるべきではないか。
と変更しました。その他のご指摘については、今後の
また、「オープンイノベーション」によれば、組織外の知識や技術が企業内に取り組まれる結果、「オープンサイエンス」の「オープン」性が阻害される可能性があ
参考にさせていただきます。
る。両者のバランスをどうとるのか、という観点からの考察と対策を提⽰する必要がある。
65
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
357
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359
360
361
章
第1章
第5章
第1章
第1章
第1章
職業
その他
会社員
その他
その他
その他
性別 年齢
男
男
男
男
男
67
27
67
67
67
ご意⾒
回答
「(1)現状認識」のまとめについて:
「科学技術イノベーションを今後も強⼒に推進していくことが必要である」とあるが、「推進」できるのは、「科学技術イノベーション政策」であり、「科学技術イノ
ベーション」⾃体は、「推進」ではなく「発展」「進化(深化)」するものである。本基本計画は、政策の推進に関するプランであるという基本的性格に関する誤
解があるように思われる。
また、「技術の多義性」への⾔及は、「技術に多義性がある結果、意図せざる軍事転⽤や、無辜の⼈々の命や⽣活を脅かすおそれがあることに、研究者は
留意する必要がある」旨を追記すべきである。
ご意⾒ありがとうございます。「科学技術イノベーショ
ン」の定義を第1章(1)に記述させていただきまし
た。また、技術の多義性に関するご指摘については、
第6章(1)④において「意図せざる利⽤を予測」
と記述するなど、ご指摘のような技術の性質を踏まえ
た取組に⾔及しているところです。
「第5期科学技術基本計画」素案において、知の拠点としての⼤学への期待は⼤きいものと思います。
国⽴⼤学においては、法⼈化以降、運営費交付⾦の削減が続く中、基盤的な運営経費を削減する努⼒をしてきましたが、昨今の⼤学をとりまく環境は⼀層
第4章(3)①に「基盤的経費について、…確実
厳しさを増しており、諸経費の⾼騰も相まって財政的な状況はもはや⼤学⾃⾝の努⼒のみでは到底追いつけない程、脆弱化している状況です。
な措置を⾏う」と記載いたしました。
このため、基盤的経費については充実すべきだと思います。
「(2)科学技術基本計画の20 年間の実績と課題」について:
「我が国の⾼い国際競争⼒」「我が国の競争⼒向上」とあるが、国の「(国際)競争⼒」とはいかなる概念か、いかなる指標で測られるものか疑義がある。
企業の国際競争⼒と「国」の競争⼒とを混同することにより、国⺠⽣活向上の視点が疎かになっているのではないかと懸念する。
第4期基本計画については、同計画が、「⽬指すべき国の姿」の最初に「震災から復興、再⽣を遂げ、…」を挙げ、「これが科学技術イノベーション政策に最
も期待される役割の⼀つである」と述べたことに⾔及すべきである。「20年間の実績と課題」においても、「震災から復興、再⽣」の到達点について分析し、総
括することが必要である。
⻘⾊発光ダイオードの発明とLED照明の実⽤化を、20年間の基本計画に基づく科学技術政策の成果である旨を記載しているが、⻘⾊発光ダイオード
の発明⾃体は、「この20年間」の科学技術政策の遂⾏と直接関係を有しないのでミスリードであり、基本計画の信頼性を失わせるものとなっている。
科学技術基本計画の20 年間の「様々な問題点」について:
5⽉の「中間とりまとめ」では、具体的な事例を挙げていたので、問題点の深刻さが理解しやすく、実感された。
例えば、「⼤学等の基盤的経費の減少、研究評価の改善が⼗分でない状況等を理由に、基礎研究の多様性が他国と⽐べると相対的に低下しているほ
か、研究者が短期的なリスクの低い研究を⾏う傾向が⾼まるなど」や「⼤学の研究者の研究時間は、ここ10年の間に⼤幅に減少しており、研究者の数と研究
時間から推計される⼤学の総研究時間は減少している」などである。
今回の答申素案では、抽象的記載になっているので、「中間とりまとめ」に記載した具体的な事例への⾔及を復活することが適切である。
「組織を越えた⼈材の流動性も低いままである」については、産(企業)の側の受⼊体制の不備にあることに⾔及が必要ではないか?
「科学技術や研究者・技術者に対する信頼が失われつつある」ことに関しては、「東⽇本⼤震災に起因して、」を挙げるのでは、地震予知科学の問題になっ
てしまうので、「東電福島原発事故に起因して、」と修正すべきである。
(3)⽬指すべき国の姿について:
科学技術基本計画という性格に照らすと、「iv)知の資産の持続的創出」を⽬指すべき国の姿の第⼀に挙げることが適切である。
「ii)国及び国⺠の安全・安⼼の確保と豊かで質の⾼い⽣活の実現」の表題は、本⽂の「国⺠の⽣命…国の使命である。」の記述に照らしても、⾒出しと
本⽂中の「国」と「国⺠」の語順を変更することが適切である。また、本⽂の「国⺠の⼼が豊かで質の⾼い⽣活を保障」の前に、「すべての」を追記することが適
切である。
「iii)地球規模課題への対応と世界の発展への貢献」では、「世界の持続的発展」とともに、「平和の確保」及び/⼜は「戦争の廃絶」を追記することが適
切である。更に、「我が国は、軍事技術輸出⼤国にはならない。」という決意を、本基本計画に記載することが必要である。
66
最初のご指摘について、「国」の競争⼒とは、世界に
おける我が国の産業競争⼒、研究⼒、⼈材⼒といっ
た総合的な競争⼒を指す⽤語として⽤いています。
次のご指摘については、(1)で「いまだ道半ばであ
り、着実に対応していく必要がある」と記載しているた
め、(2)では記載しておりません。最後のご指摘に
ついては、LED照明の実⽤化は、平成27年版科
学技術⽩書でも特集・解説されているように、この20
年間の科学技術政策の成果の⼀つであると考えてい
ます。
第1章においては、俯瞰的な視点で、正確な内容を
記述することに努めています。ご指摘のような内容
は、具体的取組が記載されている章、節等で可能な
限り取り上げるようにしております。なお、最後のご指
摘については、「東⽇本⼤震災やそれに伴う原⼦⼒
発電所事故、また〜」と修正させていただきました。
「国の姿」の①から④は並列関係であるため、原案通
りとしています。また、姿②の「国」と「国⺠」も並列関
係であり、原案通りとしています。「全ての」を付すこと
や、「平和の確保」以降のご指摘については、⾃明で
あり、かつ過去の基本計画と⽅針が変わるものではな
いため追記していませんが、第1章(1)において
「国際社会の平和と発展に積極的に関与していくこと
が求められている」と記述しています。
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
362
363
364
365
366
章
第1章
第1章
第2章
第2章
第3章
職業
その他
その他
その他
その他
その他
性別 年齢
男
男
男
男
⼥
67
67
67
67
58
ご意⾒
回答
(4)基本⽅針について:
「i)未来の産業創造・社会変⾰に向けた新たな価値創出の取組」については、「新たな」は、「価値」、「価値創出」⼜は「取組」の何を修飾するのかが、本
⽂を読んでも不明確である。また、本⽂中の「⼤変⾰時代を先導」については、「先導」の前に、「技術⾯のみならず、格差の解消や平和利⽤の徹底等道義
⾯においても」を追記することが適切である。
「ii)経済・社会的な課題への対応」では、「東⽇本⼤震災からの復興」への⾔及が不可⽋であるので、追記すべきである。
「iii)科学技術イノベーションの基盤的な⼒の強化」の「基盤的な⼒の抜本的な強化に向けた取組」については、基盤的な⼒の弱化が、「(2)」で挙げられ
た基本計画の20年間の政策がもたらした問題点であることを踏まえて、「従来の政策の延⻑にこだわることなく、基盤的経費の⼿厚い確保等、」を直前に追
記することが適切である。
「iv)イノベーション創出に向けた⼈材、知、資⾦の好循環システムの構築」では、「資⾦」に関して、公的資⾦と私的セクターの資⾦の循環とを同列視する誤
りに陥っている。好循環システムの構築において、企業の社会的責任を⾃覚する⽴場から産業界に抜本的な姿勢転換を求めるという観点を追記する必要が
ある。
ⅰ)へのご指摘について、前者に関しては、「新たな」
は「価値」を補う⾔葉として⽤いています。後者に関し
ては、⼤変⾰時代において未来の産業創造・社会
変⾰を科学技術イノベーションによって先導する、とい
う趣旨で⽤いているため、ご指摘のような追記は⾏っ
ておりません。ⅱ)へのご指摘については、第3章冒
頭部分に、東⽇本⼤震災からの復興取組に関する
記述を追記させていただきました。ⅲ)へのご指摘に
ついては、第1章や第4章で⾔及しているところです
が、さらに第4章③(3)に「基盤的経費の確実な
措置」と追記するなど、⼯夫させていただきました。
ⅳ)へのご指摘については、第5章(1)①等にお
ける産業界へのメッセージを強調するなど、⼯夫させ
ていただきました。
「科学技術基本計画の推進に当たっての重要事項」について:
「多様なステークホルダーの協働」に関して、第5期基本計画を具体化するための専⾨委員会、PT、WG等においては、多様な価値観が反映されるよう
⼈選に際して⼗分な配慮を⾏うこと、及び、科学技術イノベーション政策と連携する他の「司令塔機能」に係るPT、WG等についても、多様な価値観が反
ご指摘のような内容については、第1章(4)②
映されるよう⼈選に際しての⼗分な配慮を期待すること、を追記する必要がある。例えば、原発の⽐重の低下や再⽣エネルギーの推進においては、広くステー
ⅱ)に追記させていただきました。具体的な点につい
クホルダーの参加を求めることが必要である旨を追記することが適切である。
ては、今後の参考にさせていただきます。
「柔軟な政策運営」に関しては、「朝令暮改により、科学技術イノベーション活動の主体に混乱をもたらさないよう配慮することは当然である」、旨を追記する
ことが必要である。
「これまでの基本計画で進めてきた取組とは⼤きく異なるアプローチが必要」「新しいことに果敢に挑戦し、⾮連続なイノベーションを積極的に起こすことで、
ゲームチェンジにつながる新たな価値を⽣み出すことが不可⽋」として、既存産業ではない新産業に投資しようとするものと推察されるが、基本計画で想定され
ているのはおおよそ5年、10年、せいぜい想定されているのは15年の猶予期間である。しかしながら、この短い猶予期間では、現時点でイノベーションにつなが
今後、毎年度「科学技術イノベーション総合戦略」を
ると認定されない科学・技術シーズは、助成や⽀援の対象とならないおそれがある。ゲームチェンジにつながるシーズの取りこぼしを掬い上げる施策の準備をする
策定し、取組を具体化していくこととしています。ご指
ことを、基本計画に明⽰する必要がある。
摘の点につきましては参考にさせていただきます。
チャレンジングな研究開発の推進に適した⼿法の普及拡⼤の施策の⼀つとして、「ハイリスク・ハイインパクト研究を奨励する評価」が挙げられるが、答申素案
では、その判定基準 については触れられていない。結局、審査担当者の主観に依存する制度設計であり、客観性が担保されない。あらかじめ基準について議
論をし、明⽰すべきではないか。
「超スマート社会」の実現に関して:
「超スマート社会」の実現は、ある時点で「必要」と判断されたものに特化して助成や⽀援をする結果、相対的に必要でないものが淘汰されていく可能性があ
り、多様性を内包した豊かな社会にはならないおそれがある。さらに、答申素案では、そのリスクに対する対策がみられない。
第2章は、「未来の産業創造と社会変⾰」を謳いながら、実体は「超スマート社会」実現に集約され、IoT関連技術への⽀援と助成に限定されている。未来
志向型の科学・技術政策を謳う以上、IoTに集約される重点分野⽅式を⾒直す必要がある。なお、、IoTに関連して、ITの社会的格差=デジタルデバイド
に対する対策を明記すべきではないか?
ご指摘の点につきましては、今後の参考にさせていた
だきます。なお、第2章(2)においては、本計画に
掲げた取組を更に深化していく旨を追記しておりま
す。
我が国の安全保障を巡る環境が⼀層厳しさを増して
第3章(2)(3)「国家安全保障上の諸課題に対し、必要な技術の研究開発を推進する」との⽂⾔を削除するべきです。防衛省が税⾦による軍事研究の
いる中で、科学技術イノベーションが対応すべき経
公募を始めたが、⽇本の技術を軍備に使う道を開くと、テロの危険が増すからです。
済・社会的課題の⼀つとして、国家安全保障上の
諸課題への対応を掲げる必要があると考えています。
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「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
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章
全般
第2章
全般
第4章
職業
団体職員
会社員
研究者
研究者
性別 年齢
男
男
男
男
58
ご意⾒
回答
基本計画素案における⼤学への期待は⼤きいものと思います。
国⽴⼤学は,法⼈化以降の運営費交付⾦削減に対応するため,基盤的な運営経費を削減するなどの努⼒をしてきましたが,昨今の⼤学をとりまく環境
は⼀層厳しさを増しており,消費税率引き上げや,年⾦⼀元化による保険料率引き上げに伴う事業者負担増など,財政状況はもはや⼤学⾃⾝の努⼒の 第4章(3)①に「基盤的経費について、…確実
みではとても対応できないほど弱体化しています。この状況が続けば,我が国の科学技術政策の⼀翼を担うべき国⽴⼤学がその活⼒を維持できなくなること な措置を⾏う」と記載いたしました。
が危ぶまれます。基本計画を実現するためにも,国⽴⼤学の基盤的経費を充実させるべきだと思います。
63
脳科学の活⽤は、ヒューマンインターフェース技術の分野にとどまらず、あらゆる機械の⾃動運⽤(⾃動⾞の⾃動運転、⼯場の⾃動化等)を安全・安⼼に⾏ 超スマート社会に向けた取組を進めるに当たっては、
うことや、現在主流のテキストや画像の⼤量データ駆動型⼈⼯知能の限界を超える、⼈間の脳活動の理解を通じての⾼度な⼈⼯知能の構築につながる重 脳科学をはじめ、様々な分野の連携・協⼒が重要と
考えており、ご指摘の点については今後の参考にさせ
要な基盤技術であり、⽇本が得意とする分野であるので、⼤いに進めるべきである。
ていただきます。
64
学術研究については、「第4章(2)知の基盤の強化」において、⼩項⽬「(1)イノベーションの源泉としての学術研究と基礎研究の推進 i)学術研究の改
⽬次について詳細化しました。また、第4章(2)
⾰と強化」として触れられているが、学術研究の重要性について基本計画の中でより強調するため、⽬次レベルで「学術研究」について触れるようにすべきでは
①ⅰ)の表題を「学術研究の改⾰と強化」から「学
ないか。また、p26の「学術研究の改⾰と強化」という⼩⾒出しについては、「学術研究」そのものを改⾰することはおかしく、学術研究が本来の役割を発揮する
術研究の推進に向けた改⾰と強化」へと変更させて
ために施策等を改⾰・強化すべき、ということが本旨と考えられるため、「学術研究の推進に向けた改⾰と強化」とすべきではないか。
いただきました。
64
⼤学ランキングについて過剰に反応して正常な⼤学の発展を歪めることがないよう、警鐘を鳴らしておくべきではないか。ランキングは評価⽅法も毎年変わってお
り、単純に経年⽐較できる性質のものではない。特にTimes Higher Education(THE)については、今年から評価⽅法を⼤きく変えており、昨年度との連
ご意⾒ありがとうございます。なお、第1章(4)②
続性がないものとなっている。また、国の政策ではTHEが念頭に置かれていることが多いが、世界的な⼤学ランキングとしては他にクアクアレリ・シモンズ(QS)
ⅱ)に、⽬標値や指標の意義に関する記載を充実
等さまざまなものがあり、同じ⼤学でも⽤いるランキングによって順位が全く異なっていることも多い。こうした⼤学ランキングの順位に⼀喜⼀憂したり、特定の⼤
しました。
学ランキングの順位をもって⽇本の⼤学の国際競争⼒の低下を論ずることは、妥当ではないのではないか。
1章(2)、科学技術基本計画の20年間の実績と課題、において、i) ⼤学や公的研究機関等の資⾦基盤における産学連携の位置づけ、ii) 地球規模課
題解決にむけた国際連携、の2点について次章以降で詳述される検討事項に呼応するべき課題認識が明⽰されていません。具体的には、たとえば以下括弧
内で⽰すような内容の追記を提案します。
371
第1章
公務員
男
38
ご意⾒ありがとうございます。ご指摘のような内容は、
… また、産学連携は「国内・国際双⽅で」いまだ本格段階には⾄っていない。産学連携活動は⼩規模なものが多く、「⼤学や公的研究機関等の資⾦基盤
第5章(1)や(6)において⾔及しているところ
における⺠間受託等の外部資⾦⽐率は主要先進国に⽐べて低く」、組織を超えた⼈材の流動性も低いままである。ベンチャー企業等は我が国の産業構造を
です。
変化させる存在にはなりきれていない。「また、新興国を含む海外研究機関や国際機関等との協業を通じた科学技術の国際的な社会実装・地球規模課題
の解決においても、我が国の国⼒に相応する主導的な役割を担えているとはいえない。」…
68
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
372
373
374
375
章
第4章
第4章
第4章
第5章
職業
研究者
団体職員
公務員
公務員
性別 年齢
男
男
男
男
64
48
38
38
ご意⾒
回答
ノーベル物理学賞を授与された⻘⾊発光ダイオードの研究は、経済波及効果3500億円とも⾔われる巨⼤な成果を⽣み出している。その基礎となったのは⾚
崎博⼠らの正に地道な研究であり、それが可能となったのは「学術研究」に対する基盤的経費等の⽀援があったからである。
学術研究は、将来の⼈類社会の発展を⽀える苗床であるが、それが基礎的であればあるほど、往々にして可視的成果を得ることは困難であり、⽬先の出
⼝志向が強調される近年の状況では、ややもすればこうした研究に⽬配りされなくなってしまうおそれが強い。
また、既に近年の基盤的経費の予算削減、頻繁な研究プロジェクトの制度変更、短期的なプロジェクトに研究者が⾶びつかざるを得ない状況に追い込まれ
ていることにより、この苗床が既に枯渇の危機にさらされている。
しかしながら、社会の変化のスピードが⾼まり、何が新たな価値につながるかの予測が困難な今⽇においては、イノベーションを⽣み出すためには、研究者の
⾃由な発想に基づく多様な広がりを持つ知を蓄積することが必要であり、そのためには学術研究を⼀層⽀援していくことが必要である。
答申素案においては、学術研究についてイノベーションの源泉であるとして⽐較的平板に書かれているが、学術研究がなぜイノベーションの源泉となるのかにつ
いて、より詳しく記述することにより、その重要性が理解されるようにするべきではないか。
第4章(2)に記載しているように、⼤変⾰時代に
おいてイノベーションが⽣み出されるためには、「従来
の慣習や常識にとらわれない柔軟な思考と斬新な発
想を持って研究が実施されることが特に重要」と考え
ています。このため、研究者の内在的動機に基づく学
術研究を「イノベーションの源泉」としています。なお、
基盤的経費については、第4章(3)①に「基盤
的経費について、…確実な措置を⾏う」と記載いたし
ました。
国⽴⼤学は,世界的に活躍する⼈材育成,イノベーションの創出が求められ,教育研究活動を安定的に運営し,プロジェクト研究推進や若⼿・⼥性研
究者活躍推進,産学官連携を拡⼤するための運営費交付⾦などの基盤的経費や受託研究・共同研究における間接経費の拡充が重要だと考えていま
す。世界的に活躍する⼈材育成やイノベーションを創出するための教育研究活動,受託・共同研究の実施は,研究スペース確保や設備の充実など,研究
環境の整備・維持管理に膨⼤な財政負担が⽣じており,運営費交付⾦などの基盤的経費が削減され続ける中、これらの活動を維持拡⼤し続けることは不
可能な状況となっています。
このため,財源多様化の検討においても,財源の確保を国から⺠間資⾦活⽤へ置き換える議論ではなく,運営費交付⾦や間接経費の量的な拡充を念
頭においた議論をしていただきたいと思います。
第4章(3)①に「基盤的経費について、…確実
な措置を⾏う」と記載いたしました。また、第4章
(3)②において、「全ての競争的資⾦において間
接経費の原則30%措置」「競争的資⾦以外の研
究資⾦について間接経費の導⼊の検討と必要な措
置」について⾔及しているところです。加えて、第5章
(1)①に、企業から提供される資⾦の間接経費
の在り⽅に関連する内容を、第7章から移動して記
述させていただきました。
第4章(3)①の基盤的経費に関する記述は、研
究開発法⼈も対象としており、また、第7章(2)
に国⽴研究開発法⼈に関する節を設ける等の⼯夫
4章(3)、資⾦改⾰を通じた科学技術イノベーションの推進、の主眼が国⽴⼤学に置かれていますが、科学技術イノベーションの基盤に投じる公的資⾦の効
を⾏いました。また、第4章(3)①及び②につい
率・効果を最⼤化する観点からは、⼤学以外の公的研究機関の研究開発成果を科学技術基本計画に沿ったものとするための財政的措置について⾔及が
ては、国⽴研究開発法⼈も対象に含めた記述として
あってよいと考えます。7章(1)2(国⽴研究開発法⼈の機能強化)で公的研究機関の中⻑期⽬標の設定と法⼈評価、また競争⼒向上について⾔及が
います。なお、①においては、「国は、基盤的経費に
ありますから、これらを促進する上でも、国⽴研究開発法⼈を明⽰的な対象とした基盤的経費の改⾰および公募型資⾦の改⾰の検討をすすめる旨を明⽰
ついて、…確実な措置を⾏う。」と記載いたしました。
することを提案します。
また、第4章(1)①ⅰ)の⼈事システム改⾰や、
第5章(1)①の産学官連携強化の箇所では、
国⽴研究開発法⼈の業務実績評価の活⽤等に⾔
及しているところです。
5章(6)1のグローバルニーズを先取りする研究開発の推進において、国際機関等の活⽤も視野に⼊れた課題設定、政策誘導等の戦略的な実施、を明⽰
的な⽬的とすることに賛同します。その達成のためには、(いわば受動的な)探索・分析体制や情報共有システム・フォローアップ体制のみならず、(能動的
に)我が国が優位性を持つ技術の普及につなげうる課題設定や政策誘導を⾏うための、国際機関等への働きかけを関連省庁横断で実施する情報連携の
仕組みを新設する、あるいは既存の情報連携の枠組みにおいて科学技術・イノベーションの視点を取り⼊れることが有⽤と考えます。これは総合科学技術・イ
ノベーション会議の司令塔機能の強化において明⽰される、科学技術外交戦略を実⾏する政府体制の強化、の⼀環として位置づけられるものと考えます。
また、5章(6)2のインクルーシブ・イノベーションの推進においては、5章(6)導⼊部分にもある「協調の中にも戦略性を持って」「我が国を含む世界の共同利益
の追求」に沿って、我が国の⺠間部⾨による新ビジネス創出や新興市場における競争⼒の維持および向上が⽬的の⼀つとして明⽰されるべきと考えます。持
続可能なビジネスと科学技術新興との共同プログラムの創設にあたっては、既存の関連プログラムの成果と教訓を適切に評価したうえで、今回定義する⽬的
の達成に向けて正しく進捗を把握できる体制を構築することが肝要と考えます。
69
ご意⾒ありがとうございます。ご指摘の内容は、その趣
旨が明確になるよう、第3章(3)に⼀部記述を
移動させていただくとともに、第7章(3)に「科学
技術イノベーション政策の戦略的国際展開」として新
たな節を設けさせていただきました。具体的な点は、
今後の参考にさせていただきます。
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
376
377
378
379
章
第7章
第4章
第4章
第4章
職業
公務員
研究者
公務員
その他
性別 年齢
男
男
男
男
38
30
40
63
ご意⾒
回答
7章において、エビデンスに基づく実効性ある科学技術イノベーション政策の推進、を明⽰的な⽬的とすること、また透明化および評価・検証体制の強化をはか
ること、に強く賛同します。指標の設定およびフォローアップ体制の構築にあたっては、政策や施策の実施・進捗状況(アウトプット)のみならず達成成果(ア ご意⾒ありがとうございます。指標に加えて⽬標値を
ウトカム)の指標を、短期と中⻑期のバランスを考慮しつつも取り⼊れ、⽬標値および達成の責任省庁を明⽰し、情報公開および財政措置等を含めた検証 設定させていただきました。ご指摘の点につきまして
は、今後の参考にさせていただきます。
結果の将来の政策への反映が実施機関に正しく成果試⾏の政策⽴案を促すものとなるよう、⼊念な検討を要するものと考えます。
意⾒箇所:
第4章 科学技術イノベーションの基盤的な⼒の強化
(2)知の基盤の強化
②研究開発活動を⽀える共通基盤技術、施設・設備、情報基盤の戦略的強化
ii)研究施設・設備及び知的基盤の整備・共⽤、ネットワーク化
第4章(2)② ii)に「⽣物遺伝資源等の知的
意⾒:
本項で⽬指す研究開発の進展・多種多様な⼈材の交流には研究施設・設備の強化・共⽤化だけでなく,ナショナルバイオリソースプロジェクト(NRBP)の 基盤の整備」について記述させていただきました。
ような研究試料の体系的な収集・保存・提供体制も重要であると思う。私⾃⾝はネッタイツメガエルを新たに研究材料に⽤いる時に,NRBPから提供を受け
て,⼤変ありがたかった。カエル⾃体の提供はもちろんだが,NRBPを通してネッタイツメガエルを使⽤する研究者たちからアドバイスを受けたり,交流することが
でき,研究を推進する上で⾮常に役に⽴った。私の周りでは,メダカを新たに研究材料とする研究者がいたが,その⽅もNRBPを利⽤していた。
研究開発は,施設・設備だけでなく,研究試料の調達も重要なファクターであり,それを担うNRBPのような体制が必要であると思う。
現在、運営費交付⾦を毎年削減している状況で、⼤学の通常業務に忙殺されています。運営費を削り公募型の資⾦に応じさせ、政府の⽅針に強く⼤学を
改⾰させていく⽅向に強い危機感を感じます。また学⻑のリーダーシップによるマネジメント強化とありますが、そもそも⼤学は⾃由な発想による、研究・学問の 第4章(3)①に「基盤的経費について、…確実
場であり、研究資⾦コントロールされる事によって、特定の学問・研究を弱体化させたりしてしまうのではないかと危惧しています。イノベーション促進や若⼿研究 な措置を⾏う」と記載いたしました。なお、⼤学改⾰
を促進することは重要であると考えています。
者の活躍を謳うのは良いですが、資⾦改⾰はあくまで、追加予算を措置するべきです。
基盤的な⼒を強化するための⼈材を育てるためには、評価、流動化、若⼿・⼥性登⽤すればできるものでもなく、⼈材を育てる⼤学を強化していく必要があ
る。そのためには、現在の産学官のように、育成資⾦を出し惜しみしながら、成果だけを取り上げ、そこにだけ資⾦を集中する⽅式は、将来的に我が国の科学
第4章(3)①に「基盤的経費について、…確実
技術基盤を消滅させる⽅向に進めているとしか思えない。継続的に科学技術シーズを産出させていくためには、⼤学に対する基盤的経費の拡⼤充実を図る
な措置を⾏う」と記載いたしました。
べきと考える。
380
第4章
研究者
⼥
70
最終案に「⼥性の活躍促進」が盛り込まれたことに感謝いたします。ただし、(1)⼈材の育成・確保と活躍促進の項⽬で、i) 若⼿研究者の育成・活躍促進、
及びii)科学技術イノベーションを担う多様な⼈材の育成・活躍促進、が項⽬⽴てされて⼊っているように、⼥性についても第3期、第4期基本計画と同様
「⼥性研究者・技術者の育成・活躍促進」として⼈材育成の項⽬に⼊れていただきたい。i)⼥性の活躍促進の項に記載されている内容は、科学技術分野
における⼥性研究者・技術者に対応している。従って、ここに⼥性研究者・技術者育成の視点を付加して、「⼈材育成」の項⽬に移⾏しても違和感はないは
ず。⽶国NSFは1980年に⼥性研究者育成⽀援(minorityも含む)を始め、現在も全⽶にわたって活発に⼥性研究者育成⽀援を展開している。実に
35年以上に及ぶ。それでもなお、⼥性をとりまくバイアスは育成段階から存在する。我が国の⼥性研究者・技術者についても科学技術政策(基本計画)の
なかで「育成の段階」がきちんと担保されてこそ、育った⼈材が活躍でき、そこで初めて⼈材の多様性も確保されよう。⼈⼝の半分は⼥性。国は「⼥性研究者
の育成」を基本計画の中に明記し、継続的に推進してほしい。数値⽬標については⼥性活躍推進法で個々の機関に縛りがかかるであろうが、この10年の⽀
援の成果を継続発展させるには、基本計画のなかで数値を明記することが重要。
381
第5章
団体職員
男
50
「第5期科学技術基本計画」第5章(1)に以下の内容を盛り込むこと。
筑波研究学園都市等に関して、第5章(1)③
すでに優れた⼤学・研究機関等が集積する筑波研究学園都市等においては、イノベーション・エコシステムを確⽴するとともに、周辺の研究機関等との広域的
に追記させていただきました。
な連携を構築することにより、国際的なイノベーション創出拠点としての機能を抜本的に強化する。
70
ご意⾒ありがとうございます。第4章(1)② i)に
おいては、育成の観点も含めて記述しているところで
すが、「⼥性リーダーの登⽤」を「⼥性リーダーの育成
と登⽤」とするなど⼯夫させていただきました。また、⼥
性研究者の数値⽬標について記載させていただきま
した。
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
章
職業
382
第4章
研究者
性別 年齢
男
基盤的な⼒を強化するためには、総合的で⻑期的な視点が重要と考えられます。学部の1年⽣が博⼠課程を修了するまでには10年程度の年⽉が必要
ご意⾒ありがとうございます。ご指摘の点につきまして
であることから明らかなように、研究教育機関としての⼤学では、最低でも10年単位で物事を考える必要があります。そのような⻑期的な意思決定が可能と
は、今後の参考にさせていただきます。
なるような、基盤強化のための⽀援が必要です。
「第5期科学技術基本計画」素案において、知の拠点としての⼤学への期待は⼤きいものと思います。
国⽴⼤学においては、法⼈化以降、運営費交付⾦の削減が続く中、基盤的な運営経費を削減する努⼒をしてきましたが、昨今の⼤学をとりまく環境は⼀層
厳しさを増しており、諸経費の⾼騰も相まって財政的な状況はもはや⼤学⾃⾝の努⼒のみでは到底追いつけない程、脆弱化している状況です。
外部資⾦の終了後、⼈件費等を運営費交付⾦で賄うようにするシステムはナンセンス。
⼤学独⾃で財源の⼯夫しても、その分運営費交付⾦を削減する措置はナンセンス。
基盤的経費は、充実させるべきと考えます。
第4章(3)①に「基盤的経費について、…確実
な措置を⾏う」と記載いたしました。また、第7章
(1)において、「国⽴⼤学を含む⼤学が、計画的
かつ効率的な財政運営を⾏えるよう制度の⾒直しの
検討を⾏い、必要な措置を講ずる。」と追記いたしま
した。
「(2)④の 国家安全保障上の諸課題への対応」において⽶国での9.11テロやマレーシア機墜落等の状況を踏まえ、国家安全保障上重要となる空路、
航空機の分野を含めるべきと考える。具体的には「その際、海洋、航空、宇宙空間、サイバー空間に関するリスクへの対応」とすべきではないか。
ご指摘の記述はあくまでも例⽰であり、これ以外にも
安全保障の確保に資する技術の研究開発は含まれ
ています。
第1章
団体職員
⼥
42
384
第3章
研究者
男
34
386
387
第1章
全般
第4章
研究者
団体職員
研究者
⼥
男
男
回答
55
383
385
ご意⾒
63
48
49
5ページの⼩⾒出し
『iii 科学技術イノベーションの基盤的な⼒の強化』を
『iii 科学技術イノベーションの基盤的な⼒の強化と学術研究』
として、基盤的な⼒の強化のために学術研究が必須である事を強調すべき。それに付随して、この段落の最後の⽂章を
『今や、 我が国の研究⼒の国際的地位は低下傾向にあり、若⼿⼈材を巡って多くの諸問題が顕在化している中で、若⼿⼈材の育成・活躍促進と⼤学改
⾰を中⼼に、学術研究の充実はじめ基盤的な⼒の抜本的な強化に向けた取組を進める。』と補筆する。
「多様で卓越した知を⽣み出す⼒」を「多様で卓越し
た知を⽣み出す学術研究や基礎研究」と変更しまし
た。
科学技術⽴国「⽇本」を根本から⽀える「第5期科学技術基本計画」素案において,科学技術イノベーション政策は,「我が国を未来へと導いていくもので
ある」と位置づけられています。この科学技術イノベーションのエンジンとなる「知の拠点」としての⼤学への期待は⼤きいものと思います。
国⽴⼤学においては,法⼈化以降,運営費交付⾦の削減が続いており,基盤的な運営経費を削減する努⼒を⾏ってきましたが、諸経費や施設維持管
第4章(3)①に「基盤的経費について、…確実
理費の⾼騰も相まって財政的な状況はもはや⼤学⾃⾝の努⼒のみでは到底追いつけない程の危機的状況になっており,昨今の⼤学をとりまく環境は⼀層
な措置を⾏う」と記載いたしました。
厳しさを増しています。このため、世界的に活躍する⼈材育成やイノベーション創出に資する教育研究スペース確保,設備の充実などの教育研究環境の整
備・維持管理に必要な基盤的経費については充実すべきだと思います。
第4章(2)知の基盤の強化では、知的基盤の強化に⾔及しており、まことにその通りではあるが、ややもすると知的基盤が設備や情報のみ注⽬され、モノとし
ての⽣物研究材料(バイオリソース)が取りこぼされる。そこで、第4段落、「こうした研究開発活動を⽀える共通基盤的な技術、先端的な研究施設・設備 第4章(2)② ii)に「⽣物遺伝資源等の知的
や『バイオリソース等』の知的基盤の整備・教養、情報基盤の強化等にも積極的に対応...」と、『バイオリソース等』の追記を希望する。
基盤の整備」について記述させていただきました。
71
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
388
389
390
391
392
章
第6章
第2章
第1章
第4章
第4章
職業
研究者
研究者
研究者
研究者
研究者
性別 年齢
男
⼥
男
⼥
⼥
47
63
ご意⾒
回答
第5期科学技術基本計画の答申素案は、第4期に続き経済・社会的課題への対応が重要な基本⽅針として打ち出されており、社会との関わりの中で科学
技術イノベーション政策を位置づけたものとして⾼く評価できる。
他⽅、その「社会との関わり」がどのようになされるかについては不明確な部分も残されている。素案P3にあるように、「これまで、シーズとニーズのマッチングが⼗
分に機能してこなかったこと等により、我が国の科学技術⼒がイノベーションを⽣み出す⼒に⼗分につながっていないという認識を強く持つ必要がある」のであり、
ご意⾒ありがとうございます。第6章(1)② 及び
この「社会のニーズ」を如何に捉えるかが重要である。それにはデータに基づいた科学的な議論が不可⽋であり、それは⼈⽂・社会科学との緊密な連携によって
④に、⼈⽂社会科学及び⾃然科学の連携等に関
初めて可能となるものである。
する記述を追加させていただきました。
第1章(4)基本⽅針の「推進にあたっての重要事項」で「⼈⽂社会科学及び⾃然科学のあらゆる分野の参画を得ながら」と記載されているにもかかわら
ず、それに対応する第6章では、市⺠との対話や科学技術リテラシー、政策形成への科学的助⾔等についての記述にとどまり、「社会のニーズ」をエビデンスに
基づき科学的に指し⽰す役割を果たす⼈⽂・社会科学者との協働/共創が明記されていないのは残念。第6章(1)に、「⼈⽂・社会科学者との連携」と
いった⼀項を設けるべきではないか。
11ページ⼩項⽬『2 新たな価値創出のコアとなる強みを有する基盤技術』において、
『⼈やあらゆるものから情報を収集する「センサー技術」 (センサー機能の⾼度化に資する光・量⼦技術を含む)』という記述がある。しかし、光・量⼦技術などは
センサー技術にとどまらず広汎で深いインパクトを持つ。『(センサー機能の⾼度化に資する光・量⼦技術を含む)』という部分は削除し。この段落の末尾の部分
第2章(3)②ii)の「光・量⼦技術」の記述を修
を
正いたしました。
『・・・「素材・ナノテクノロジー」など、さらにはこれらすべての基幹をなす「光・量⼦・プラズマ科学技術」など、新たな価値創出のコアとなる実空間(フィジカル)で
機能する基盤技術の更なる強化を図る。』と修正する。
58
我が国は2000年以降、国別のノーベル賞受賞者数で⽶国に次いで2位であるが、今後20年にわたって、この地位が下落することは多くの識者が予想すると
ころである。今回の科学技術基本計画を⾒ても、総じて応⽤や産業創⽣に近い研究に多額の科学技術予算が配分されやすい傾向にある。、これらの多くが
政策主導型のトップダウンの研究費である。⼀⽅、研究者の⾃由な発想に基づくボトムアップの研究費およびそれを⽀える⼤学等の基盤研究費、⼈件費は
先細りの傾向が鮮明である。基礎研究を軽視しては、我が国の科学技術⼒の⻑期的な強化とその応⽤による産業⼒の強化は望み薄と思う。また、若者の
理科離れを⾷い⽌め、国⺠に科学にもっと関⼼を持ってもらえるようにならなければ、科学技術創造⽴国を標榜する我が国の将来は暗い。そのためには、「科
学は⾯⽩く夢がある」ことを⽰すことが何より重要である。また、科学技術で世界をリードし、尊敬を得るためには、我が国発の独創性の⾼い研究を育むことが
必須である。これらを推進するには、科学の原点である、⾃由な発想に基づく基礎科学研究を充実させること以外にないと考える。⾮常に厳しい国家の財政
状況ではあるが、我が国が将来にわたって科学技術で世界をリードできるようにするために、是⾮お願いしたい。
先⾏きの⾒通しが⽴ちにくい⼤変⾰時代において、
持続的な発展を遂げていくためには、国として、いか
なる状況変化や新しい課題に直⾯しても、柔軟かつ
的確に対応できる基盤的な⼒を備えておく必要があ
ることから、基本計画の4本柱の⼀つとして、第4章
「科学技術イノベーションの基盤的な⼒の強化」を掲
げているところです。また、第7章(5)においても、
ご指摘にあるような内容を追記させていただきました。
35
優秀な⼥性研究者は沢⼭おり、今後も⼥性の起⽤とその活躍の促進は重要な課題である。
しかし、⼥性研究者が⽇本で増えない理由の⼀つにライフイベントが挙げられる。働き盛りの⼥性研究者は出産や育児という最⼤のライフイベントと平⾏しなが
ら仕事を進めていることが多い。研究者として成功するためには、出産中の休職や⼦育て中の研究推進⼒の低下が⾮常にネックとなる。出産を若⼿時代に経
験すると、若⼿研究者としての発表機会や下積み時代を逃し、後のキャリアに⼤きく影響する。さらに、このような⼥性研究者の家庭では共働き世帯や単⾝
赴任世帯となることが多い。
従って、⼥性研究者は男性研究者と⽐べて過酷な状況下で研究活動をしている場合が多い。そのため、活躍促進の為には⼦育て⽀援は必須事項とな
る。もし、⼥性研究者が男性研究者と同等に働ける、若しくは優遇されるサポートシステムあればもっと⽇本の科学推進⼒は⾼まる。例えば、科研費の年齢
制限や出産・⼦育ての有無で優遇枠を作るなど。
さらに⼥性研究者活躍促進の政策等を推し進める為には⼥性研究者の意⾒を取り⼊れるために、⼀定以上の⼥性研究者が意⾒をできる⽴場にいる事が
必須条件となる。従って、P24の欄外に書かれた⽬標⼥性数を明確に本⽂中に掲げ早期に達成する必要がある。そして、⼥性研究者を増やすことで、⼥性
リーダーも⼀定数早期に導⼊することが必要である。
ご意⾒ありがとうございます。ご指摘の点につきまして
は、今後の参考にさせていただきます。なお、第4章
(1)②ⅰ)において、研究等とライフイベントとの
両⽴を図るための⽀援や環境整備等について掲げて
いるところです。また、⼥性研究者の数値⽬標につい
て、第4章(1)② i)に記載させていただきまし
た。
63
26ページの⼩⾒出し
『i 学術研究の改⾰と強化』
は
『i 学術研究の推進を⽬指した改⾰と強化』とすべきではないか
第4章(2)①ⅰ)の表題を「学術研究の改⾰と
強化」から「学術研究の推進に向けた改⾰と強化」へ
と変更させていただきました。
72
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
393
394
395
396
章
第3章
第6章
第1章
全般
職業
その他
その他
団体職員
研究者
性別 年齢
男
⼥
男
男
48
ご意⾒
回答
(1) エネルギー・資源・⾷料の安定的な確保
「安全性・核セキュリティの⾼度化等の原⼦⼒の利⽤に資する研究開発を推進する」は不要である。核セキュリティと⾔えば聞こえはいいが、処理できない施設
とそのために溜まり続けるプルトニウムは47トンにおよび、国際的な核不拡散の視点から、⽇本が懸念対象になっていることは常識である。そのような、国内的
にはそもそもの計画⽴案の妥当性およびその責任主体の曖昧さの問題、国際的には核不拡散の点から、⽇本が核セキュリティを⽬標とすることは実現性の⾯
今後も原⼦⼒はエネルギー源の⼀つであり、原⼦⼒
からも⼤いに疑問であり、国際的な信⽤の⾯からも厳しい⽬を向けられる。国内の問題を解決を真っ先にすべきで、核セキュリティに税⾦を投⼊すべきではな
利⽤の前提である核セキュリティの確保は重要な取
い。よって、この項⽬は削除すべきである。
組として記述しております。 「我が国の安全保障を巡
る環境」については、国家安全保障戦略の記載など
(2)国及び国⺠の安全・安⼼の確保と豊かで質の⾼い⽣活の実現
を踏まえております。研究開発評価は⼤綱的指針等
④国家安全保障上の諸課題への対応
の枠組の中で⾏われるものと考えております。
⾮常に抽象的な⽂⾔で、「反対のしにくい」書きぶりとなっている。災害対策基本法などで、災害の定義などされているが、「安全保障を巡る環境」とはなにか、
また、どのように厳しくなっているのかを過去と⽐較して⽰し、今後どのような傾向が考えられるのか、明⽰すべきである。武器の研究に関してもこの領域に⼊るの
ではないかと思われるが、研究の妥当性をチェックする第三者委員会(国⺠、有識者、専⾨家等幅広く中⽴な委員で構成)を設けることが必要である。
44
第5期科学技術基本計画の答申素案は、第4期に続き経済・社会的課題への対応が重要な基本⽅針として打ち出されており、社会との関わりの中で科学
技術イノベーション政策を位置づけたものとして⾼く評価できる。
他⽅、その「社会との関わり」がどのようになされるかについては不明確な部分も残されている。素案P3にあるように、「これまで、シーズとニーズのマッチングが⼗
分に機能してこなかったこと等により、我が国の科学技術⼒がイノベーションを⽣み出す⼒に⼗分につながっていないという認識を強く持つ必要がある」のであり、
ご意⾒ありがとうございます。第6章(1)② 及び
この「社会のニーズ」を如何に捉えるかが重要である。それにはデータに基づいた科学的な議論が不可⽋であり、それは⼈⽂・社会科学との緊密な連携によって
④に、⼈⽂社会科学及び⾃然科学の連携等に関
初めて可能となるものである。
する記述を追加させていただきました。
第1章(4)基本⽅針の「推進にあたっての重要事項」で「⼈⽂社会科学及び⾃然科学のあらゆる分野の参画を得ながら」と記載されているにもかかわら
ず、それに対応する第6章では、市⺠との対話や科学技術リテラシー、政策形成への科学的助⾔等についての記述にとどまり、「社会のニーズ」をエビデンスに
基づき科学的に指し⽰す役割を果たす⼈⽂・社会科学者との協働/共創が明記されていないのは残念。第6章(1)に、「⼈⽂・社会科学者との連携」と
いった⼀項を設けるべきではないか。
51
p3(2)「科学技術基本計画の実績と課題」、p4(3)「⽬指すべき国の姿」において、もっと「⽬指すべき国の姿に向けた課題ははるかに⾼く、それに
引き替え現況は厳しく、なすべき努⼒は⾮常に⼤きい」というトーンが⾔えないか。例えば『GDP600兆円という⽬標は、1990年代初めからずっと我が
国GDPが500兆円という状況を考えると極めて⾼いレベルの⽬標であるし、⼀⽅、我が国主要国内企業が、研究開発機能を含めて海外展開することを
⾃然に考える状況になってきているという外的環境の変化を考えると、我が国の科学技術イノベーション政策を通じて、我が国の経済・産業が国際社会の中で
沈没しないよう、より良いイノベーションと⼒強く成⻑する経済産業の正のフィードバックを⽣むための努⼒を⼀層真摯に⾏うことが必要である』旨強調したほうが
良いと考える。
関連して、p5(4)基本⽅針iv)「好循環システムの構築」でも「今のままでは我が国の中に好循環システムを構築することが極めて厳しい」という現状認識
も⽰すとよいと思われる.
ご意⾒ありがとうございます。ご指摘のような内容は、
第1章(2)最終段落における「世界における我が
国の科学技術の⽴ち位置は・・・思い切った改⾰に
取り組まなければならない」や、同章(4)①第2
段落における「その際、我が国の科学技術イノベー
ション活動が・・・現状を踏まえ、」といった表現で記載
しているところです。また、第5章の冒頭⽂書や各節
の中においても、ご指摘のような内容に⾔及している
ところです。
51
本素案は、(1)科学技術=⾃然科学系、(2)学問研究が国家⽬的のために推進されるということ、(3)社会との連携という場合の「社会」が産業界と政策担
当者に偏重していること、という3つの固定観念と、A国際テロ・災害対策という⽂脈を通じた「安全保障の確保に資する技術の研究開発」や、Bエネルギー
政策に原発依存体質の維持などの⽂⾔が巧みに刷り込まれるなど、イデオロギー性の強いものである。そこでは、「科学」の⼀端を担う⼈⽂社会系は、「政策
形成への科学的助⾔」として、きわめて狭い範囲に役割を限定されており、とくに法律系は、研究不正への対応への期待に限定されているようである。これらの
姿勢は、昨今の国⽴⼤学の⽂系学部つぶしとの軌を⼀にしたものと⾒ざるを得ない。さらに問題は、⽇本の国際競争⼒や安全保障領域に関するところには、
「不正競争防⽌法や外国為替及び外国貿易法等の法令や関連するガイドラインに基づき、各主体が組織として適切に管理することが求められる」とするな
ど、本来公共財である研究成果を、政府・財界が私物化する⽅向性も出されている点である。この場合、研究者が成果を公表したら、特定秘密保護法に違
反でもするのであろうか。またこの計画の⽅向性への同調は、各⼤学における運営費交付⾦の配分に反映しようとすることも⽰唆されている。本計画は、本来
的な「学問」のあり⽅と相容れないものである。根本的練り直しを求める。
⼈⽂社会科学の重要性に関する記述を、第1章
(4)の基本⽅針の冒頭⽂に追記させていただきま
した。また、不正競争防⽌法等に対するご指摘につ
いては、研究成果は公共財との認識の上で、安全保
障上の配慮等の必要性がある限定的な技術につい
ては、それらの特性に応じた適切な取扱いが必要との
趣旨で記載しております。
73
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
章
職業
性別 年齢
397
第4章
会社員
男
36
398
全般
その他
⼥
36
ご意⾒
回答
国⽴⼤学が今後も⽇本を⽀える優秀な⼈材を輩出し,優れた研究結果を残し,海外の優れた⼤学に追いつくためには,⻑期的な視野に⽴って安定的な
基盤的経費が不可⽋である。
第4章(3)①に「基盤的経費について、…確実
短期の研究結果ばかりを追い求め,すぐには結果の出ない研究に資⾦を提供しないことは,基礎的研究⼒の低下を招くことになる。
な措置を⾏う」と記載いたしました。
特になし
ご意⾒ありがとうございます。
このような重要な取り決めに関しまして、意⾒を申し上げる場を設けてくださり有難うございます。
399
400
401
402
第1章
第3章
第4章
第2章
研究者
研究者
研究者
団体職員
⼥
男
男
男
32
34
53
51
将来の研究者・開発者を育成する指導教員の基礎的な知識及びその責任感に⼤きな個⼈差があることを深刻に思っております。
特に理系は、⾃然現象としての事実を扱い、公表するということに責任を持ち、研究倫理や安全管理、研究者・開発者としての世界基準のマナーといった研
究以前に基礎的な事柄を⾝に付けることも必須です。
ご意⾒ありがとうございます。第6章(1)②におい
研究者・開発者としての基礎を満たすための倫理、安全、マナーなどのチェックや処理はスキップしたくなるような⾯倒で時間のかかることも多いのです。
て、研究者の社会リテラシーの向上の重要性に関す
⼊社応募書類、教員公募や科研費の書類に表れない技能の上、⽇々⽤⼼を怠るとベテランでも危ないと思います。
現状では、ばれない限りつい楽をし先に進んでしまおうという⼈の陰で、努⼒を積んで基礎を教える教員も、模範的に実⾏する学⽣や博⼠も、⽇の⽬を⾒ない る記述を充実させていただきました。
努⼒に過ぎないとばかりに損をしている状態です。
ご提案したいのは、今後輩出される研究者や開発者の質的な向上のために、暗黙や当たり前も明⽂化し、学⽣だけでなく現職の教員も勿論含めて、基礎知
識の習得と指導について、越えるべきラインを設けるということです。
例えば、博⼠や教員ではコンプライアンスと同等な講習やチェックを設ける、学⽣は必修の⾏事や単位とするなどです。
(1)②の2「持続可能な都市及び地域のための社会基盤の実現」の「具体的には、ICT等を駆使して、コンパクトで機能的なまちづくり、交通事故や
渋滞のない安全かつ効率的で誰もが利⽤しやすい⾼度道路交通システムを推進する。」について都市の社会基盤としての交通システムは道路のみでなく、鉄
道、海路、空路とある中で、道路網のみの⾼度化では都市としての交通システムの向上に資さないと考える。オリンピックの開催を前に「鉄道、海路、空路」に
ついても⾼度化を図るべきではないか。
ご意⾒ありがとうございます。御指摘の箇所は公共交
通インフラの維持、基盤構築等の課題に対する取組
の例として、総合戦略2015に記載され、交通事故
低減等の社会的課題への対応が昨今迫られている
「⾼度道路交通システム」を記載しているところです
が、頂いたご意⾒につきましては、今後の施策推進に
際しての参考とさせて頂きます。
「第5期科学技術基本計画」答申素案 に⽬を通させていただきました。従来の科学技術基本計画ですと、第4章の科学技術イノベーションの基盤的な⼒の
強化に相当すると思いますが、ここに⽣命科学の基本をなしている、研究者に整備された⽣物材料(バイオリソース)を提供するバイオリソースのことに触れて
いたように思います。
第4章(2)② ii)に「⽣物遺伝資源等の知的
しかし今回の素案ではその⽂字がなくなり漠然とした表現に変わっているようです。⽂科省(現在ではAMED)のナショナルバイオリソースプロジェクト
基盤の整備」について記述させていただきました。
(NBRP)は2002年にスタートし、現在まで継続してきておりますが、ここで保存されている29の⽣物種は⽇本の⽣命科学の基礎をなす⾮常に重要なもので
世界にも誇りうるリソースです。これを永続的に維持することは⽇本の科学技術の発展にとっても⾮常に重要ですのでぜひバイオリソースのことにも⾔及していた
だけましたら幸いに思います。
p8(2)①「超スマート社会の姿」第1パラが、実際の超スマート社会の定義だと思われるが、このような機能的定義だとすると、同社会を構築するに必要
な技術は、⾮常に幅広いものとなりうる。また、我が国にとって「科学技術イノベーションを通じて経済産業の⼒強い成⻑」に資する技術を戦略的に拾うために
も、関係する基盤技術であって我が国が強みを持ちうる技術を柔軟に拾って振興していくことが⼤切となる。
今回の「プラットフォーム」-「新たな価値創出のコアとなる強みを有する基盤技術」の考え⽅⾃体は上記の認識に整合していると思うが、(1)プラットフォームを
「IoTサービスプラットフォーム」(サイバー空間関係の情報処理技術)とIoTに限定しているのは、全体の可能性を狭くしている感じ。(2)また「新たな価値創
出のコアとなる強みを有する基盤技術を、我が国経済産業の成⻑に資するとの観点から柔軟かつ機動的に選択し振興していく」ことをもっとはっきりと⾔明した
ほうが良いのではないか。
74
「IoTサービスプラットフォーム」の名称については、
「超スマート社会サービスプラットフォーム」に変更させ
ていただきました。また、(3)②ⅱ)「新たな価値
創出のコアとなる強みを有する基盤技術」の第1段
落の⽂章を修正させていただきました。
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
403
404
405
406
407
408
章
第4章
第4章
第2章
第4章
第3章
第4章
職業
その他
団体職員
会社員
研究者
公務員
研究者
性別 年齢
⼥
男
男
男
男
男
30
51
50
ご意⾒
回答
⼈材強化や知の基盤強化において⼤学での役割は⼤きいものであると思います。
必要分を適所へ配分できるよう基盤的経費と公募的資⾦を充実させる必要があると考えます。
様々な企業や外部との連携を深め⼤学全体としての基盤強化を⽬指していくことが⼤切であると思います。
p30(3)③「国⽴⼤学改⾰と研究資⾦改⾰の⼀体的促進」において、国⽴⼤学改⾰の⼿段が列記されているが、「現在講じようとされているアクション
の羅列」的な感じが否めない。その⼼として、5年後にこうなってほしい国⽴⼤学の姿などについて、もう少し具体的に⽰せないものか。
ちなみに産学連携の視点で⾒ると、我が国の多くの⼤学や研究機関の研究者が⾃発的に科学技術の芽を発⾒し、科学技術イノベーションの芽として育てて
いくシステムを学内や研究機関内に⾃⽴的な形で構築しなければとても(補助⾦だけでは)⼿が回らない、そのためにも持続可能な形での適切な研究⽀援
部⾨や戦略部⾨の構築が必要であり、間接経費率向上や寄附⾦改⾰、産学の⼀層の対話などが必要となる、というような認識がある。こうした、⼀歩背景
となるような状況や、解決に向けての⽅向性を改⾰の「⼼」としてもっとしっかり書いたほうが良いのではないか。
超スマート社会の実現には、準天頂衛星の整備に合わせ3次元地図の⾼精度化、共通基盤化が重要となる。⾼精度3次元共通基盤が構築できると、⾃
動⾛⾏、防災・減災、バリアフリー社会、インフラ維持管理など様々な分野で横断的な利活⽤が可能となる。例えば、道路では、現在のカーナビでは⾞線まで
の表⽰はできないが、⾼精度3次元共通基盤の整備することにより⾞線の位置まで特定可能となる。勾配やカーブ情報を事前に知ることにより渋滞緩和やエ
コドライブが可能となり、安全運転⽀援・⾃動⾛⾏の技術にも⼤きく貢献する。また、ゲリラ豪⾬による道路の冠⽔などのシミュレーションの⾼度化も期待でき
る。東京オリンピック・パラリンピックに向けて段差情報を含めたナビの開発や農業機械の⾃動化や安全な除雪作業へのへの活⽤も期待できる。現在整備を進
めている準天頂衛星システムとともに、⾼精度3次元地図は国の重要なインフラとなるべき基盤であり、「総合科学技術・イノベーション会議」が中⼼となり議論
を進め、官⺠連携して早期に整備を進めるべきである。
第4章(3)①に「基盤的経費について、…確実
な措置を⾏う」と記載いたしました。また、同章
(3)③の最終段落においては、国⽴⼤学の基盤
的経費と公募型資⾦について、⼀体的に有効活⽤
を図る旨⾔及しているところです。
ご意⾒ありがとうございます。第4章(3)は「資⾦
改⾰」の観点から⼿段を中⼼に記載しておりますが、
第7章(1)を「⼤学改⾰と機能強化」と整理した
上で、⼤学の役割に関する第1段落の記述を充実
したり、「国⽴⼤学を含む⼤学が、計画的かつ効率
的な財政運営を⾏えるよう制度の⾒直しの検討を⾏
い、必要な措置を講ずる。」と追記したりする等の⼯
夫を⾏いました。
ご意⾒ありがとうございます。今後の参考にさせていた
だきます。なお、(2)の最後に、「その上で、総合
科学技術・イノベーション会議は、超スマート社会
サービスプラットフォームの構築に向けた・・・取組の重
点化や詳細な⽬標設定等を実施する」と追記いたし
ました。
63
⼈材⼒の強化の観点から、URA、技術⽀援者、プログラムマネージャー、⼤学経営⼈材等の必要性が指摘されています。極めて重要な視点でありますが、そ
の⼈材供給・育成システムに関する具体的な検討が進められている様⼦はなく、関係機関の⾃助努⼒に任されているように⾒えます。上記⼈材を育成し今
後の活躍を期待するためには、安定的な(短期的な任期では無い)ポジションの確保が不可⽋です。⼀⽅で⼤学等においては、⼤学教員など既存の承継
職員の⼈件費も運営費交付⾦では⼗分に充当できない状況が⽣まれており、新たな職種の⼈材を安定的に抱える(育成する)枠組みを⾃助努⼒で確保
するのは困難な状況にあります。
⼈材⼒の強化を実のあるものとするためにも、運営費交付⾦で充当する⼈件費の考え⽅も合わせて、我が国全体としての議論と⽅針提⽰が必要と考えま
す。
67
「i)世界最先端の医療技術の実現による健康⻑寿社会の形成」にある「このため、健康・医療戦略推進本部の下、「健康・医療戦略」及び「医療分野研
究開発推進計画」に基づき、国⽴研究開発法⼈⽇本医療研究開発機構を中⼼に、オールジャパンでの医薬品創出・医療機器開発、⾰新的医療技術創
動物実験に関しては、動物愛護管理法により、3R
出拠点の整備、再⽣医療やゲノム医療など世界最先端の医療の実現、がん、認知症、精神疾患、新興・再興感染症や難病の克服に向けた研究開発など
の原則(苦痛の軽減等)に配慮するよう努めること
を着実に推進する。」の⽂章の後ろに、新たに以下の⽂章を加筆する。
が定められ、同法に基づく「実験動物の飼養及び保
管並びに苦痛の軽減に関する基準」や関係各省によ
「我が国の科学技術イノベーションにおいて実験動物を⽤いた動物実験による試験・研究の実施は、極めて重要であり、今後も強⼒に推進していくためには、
る指針が策定されているところです。
研究内容を熟知する研究開発機関の⾃主的な管理(機関管理)の下、これを動物愛護の観点と科学技術の進歩の観点の調和を図りながら、引き続
き、適切に実施することが必要である。」
49
ご指摘のような内容については、第4章(1)①
ⅱ)において「科学技術イノベーションを担う多様な
⼈材について、キャリアパスの確⽴と・・・を推進する」
と記載しているところです。具体的な点については、今
後の参考とさせていただきます。
今回、バイオリソースに関する具体的な記述が消えている。データベースやバイオリソースの整備は国が⽀える基幹的な事柄であり、基本計画案からこの⽂⾔
が消えることは、⾮常に憂慮すべきことであると思う。特に国間での遺伝資源や⽣物資源のやり取りが厳格化、制限される⽅向にある状況下で、この事業を縮 第4章(2)② ii)に「⽣物遺伝資源等の知的
減することは⻑きに渡り科学技術全般に負の影響を与えかねない。バイオリソースに関する記述を是⾮復活させてほしい。
基盤の整備」について記述させていただきました。
75
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
章
職業
409
第4章
学⽣
410
411
412
413
第5章
第2章
第4章
第6章
その他
会社員
公務員
その他
性別 年齢
男
男
男
男
⼥
ご意⾒
回答
24
素案第4章に記載されている「若⼿研究者が挑戦できるテニュアポストを拡⼤する」という内容が,第5期科学技術基本計画に確実に盛り込まれることを, ご意⾒ありがとうございます。第4章(1)① i)
強く希望いたします.
に、若⼿研究者が挑戦できる任期を付さないポスト
の拡充を掲げているところです
56
国⽴⼤学法⼈への運営費交付⾦は法⼈化以降減額されております。本国は、資源等が乏しく従前より「知的財産⽴国」等知的資産による国⼒強化をう
たってきました。知的資産を⽀える基盤は、⼤学等の研究及び⼈材育成教育です。運営費交付⾦が減額となる中で⼤学の教員は、⾃らの研究資⾦を確保
するためにさまざまな研究資⾦獲得に時間を費やし、学⽣の教育の時間や⾃らの研究時間の確保が困難な現状となっています。また、この間の競争的資⾦
や企業等との共同研究は未来に繋がる研究内容ではなく、短・中期の研究成果が求められています。これでは⼤学の教員は単なる技術者であり、⽇本の将 ご意⾒ありがとうございます。第4章(3)①に「基
来を担う⼈材を育成する教育・研究者ではありません。⽇本が今後、世界の中で真にグローバルな⼈材を育成し、確固たる地位を確保していくためには、⾃ 盤的経費について、…確実な措置を⾏う」と記載い
由な発想で⾃由な研究が確保できる環境が重要と考えます。国の厳しい財政状況は承知していますが、⼤学等教育・研究機関に⼗分な経費を配分し研 たしました。
究・教育に⼗分な時間がかけれるよう配慮をお願いします。ノーベル賞の物理、化学、⽣理医学賞の本国の受賞者は、20代から30代でその基礎等を確⽴
し、その後の研究によって受賞されている⽅がほとんどです。研究開始から30年ほど後の受賞です。これは基礎研究が重要であることを⽰しているものと考えま
す。基礎研究を充実させるためにも⼤学への運営費交付⾦の拡充が重要です。
57
・情報系(データ駆動型)AIについては、⽶国巨⼤IT企業(アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト、グーグル)が既に覇権を握っており、⽇本が追
いつくことは不可能である。
・⼀⽅、⾮情報系AI、例えば、モノづくり系(⾃動⾞、建設、農業など)、サービス系(医療、介護、物流など)などリアルな現場が絡むもの、については、
ビッグデータを集めるのに⼤きなコストがかかり困難であるだけではなく現場毎のすり合わせが不可⽋であるため、実際の作業時における脳機能(脳活動)に
基づく知能を理解し作ることが不可⽋である。また、これらの分野は⽇本の得意とする分野であるため、国際競争⼒が⾼く、産業へのインパクトも⼤きい。
45
⼀番⽬のご指摘に関して、全ての競争的資⾦とは、
各府省全ての競争的資⾦を指しています。⼆番⽬
(3)資⾦改⾰を通じた科学技術イノベーションの推進
のご指摘に関しては、まずは検討することが重要であ
2 公募型資⾦の改⾰
り、検討を踏まえて必要な措置を講じると記載してい
「全ての競争的資⾦において間接経費の原則30%措置」とありますが、「各省庁全ての競争的資⾦において間接経費30%措置」と各省庁に求めるる
るところです。三番⽬のご指摘に関しては、本⽂中で
内容とすべきではないでしょうか。また、「競争的資⾦以外の研究資⾦についても、間接経費の導⼊」とあるところを「競争的資⾦以外の研究資⾦についても、
は「競争的資⾦以外の研究資⾦」と記載しているよ
間接経費30%の導⼊」と数値⽬標を掲げるべきである。併せて、「競争的資⾦の研究資⾦」のみならず、「公募型資⾦の全て」ついて、対象を広げる必要
うに、ご指摘のような資⾦も対象として含んでいると考
があると思いますので、間接経費の量的な拡充についても念頭においた議論をしていただきたい。
えています。ご意⾒については、今後の参考にさせて
いただきます。
28
ご意⾒ありがとうございます。今後の参考にさせていた
税⾦で多額の経費を負担している科学技術分野について、関⼼は⾼まっているものの、まだ社会の中でも⼀部の⼈にしか関係のないことのように認識されてい だきます。なお、「はじめに」に、「第5期科学技術基
るのではと感じています。その必要性について、国⺠全員が理解できるくらいの⽬標を持って、関係を深めるだけでなく広めることも⼤切なことなのではと考えてい 本計画は、「政府、学界、産業界、国⺠といった幅
広い関係者が共に実⾏する計画」であり・・・」と記載
ます。政策として、そのような仕掛けができるとよいと思います。
させていただきました。
76
「超スマート社会サービスプラットフォームの構築に必
要となる技術」については、現在の我が国の強み・弱
みにかかわらず、超スマート社会を形成する上で強化
することが不可⽋な技術であることから、記載していま
す。また、その中で、「AI技術」を基盤技術として特
定し、強化することとしています。
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
章
職業
性別 年齢
ご意⾒
回答
第1段落で、科学技術の社会実装に関して遺伝⼦診断、再⽣医療、AIを例⽰し倫理的・法的課題をあげている。しかし、科学技術の開発段階でも、その
⼿法に対して⽣命倫理、遺伝⼦操作、動物実験等の倫理的、法的課題が継続して存在する。国や学会等の指針は存在するが、それらの周知や遵守状
況の検証、社会動向や国際状況に合わせた改正等が必要である。特に、動物実験の問題は、動物愛護と科学技術の進展のバランスが不可⽋であるが、社
会的には動物愛護の視点ばかりが強調される傾向が強い。⾰新的医薬品・医療機器の開発等において動物実験は不可⽋であり、国が定める指針の下で
適切に実施することの必要性は、「医学医療イノベーション5か年戦略(平成24年6⽉)」にも特記されている。以上の理由より、「⽣命倫理、遺伝⼦操
作、動物実験等の倫理的・法的課題に対して、国や学会等が指針等の周知、遵守状況の検証等を進め、社会動向や国際情勢に応じて改正等を進め
る。」ことを、追加していただきたい。
⽣命倫理等に関する検討については、第6章
(1)④「倫理ガイドライン等の策定」に含まれると
考えております。なお、⽣命倫理については、総合科
学技術・イノベーション会議⽣命倫理専⾨調査会に
おいて議論させていただいております。
42ページ「倫理的・法制度的・社会的取組」について
414
415
416
417
418
第6章
第2章
全般
第2章
第4章
研究者
研究者
その他
団体職員
研究者
男
男
⼥
男
男
65
(3)「超スマート社会」に向けた基盤技術の戦略的強化<11ページ>
において、3か所について意⾒を述べます。
(a)「(1)IoTサービスプラットフォームの構築に必要となる基盤技術」の2つ⽬のパラグラフの冒頭⽂章の真意が表現できていないように思います。以下に、
⽂案を提案します。
「このため、安全な情報通信等の設計からはじまりIoTの実運⽤を経て廃棄にいたるライフサイクル・・・」
(b)「(1)IoTサービスプラットフォームの構築に必要となる基盤技術」の11⾏⽬に「ネットワーク技術」が挙げられていますが、IoTでは特に携帯端末やド
ローンなど多様な移動機器のニーズが増えることから電波周波数の効率的な利⽤技術が⼤きな課題であると考えます。この部分の⽂案として以下を提案しま
す。
「増⼤するデータを⼤容量・⾼速で流通するための「⾼効率無線通信技術」ならびに「ネットワーク技術」、・・・」
(c)「(2)新たな価値創出のコアとなる強みを有する基盤技術」の2つ⽬のパラグラフにおいてセンサー技術のカッコ内説明に違和感があります。光・量⼦技術は
センサーのみならず、多様な可能性を秘めた基礎技術ですので、むしろ10⾏⽬の「素材・ナノテクノロジー」と合わせて記載した⽅が良いと思います。その際、
「光・量⼦技術」を別の⽤語であるフォトニクスとして、「素材・フォトニクス・ナノテクノロジー」とすることを提案します。
ご意⾒ありがとうございます。(a)のご指摘について
は、「サイバーセキュリティ技術」の記述を趣旨が明確
になるよう修正いたしました。(b)のご指摘につい
ては、無線通信技術もネットワーク技術に含まれるも
のと考えます。(c)のご指摘については、「光・量
⼦技術」の記述を修正いたしました。
57
税⾦で国⺠は、今、福祉が必要であり、宇宙の事に、税⾦を掛ける余裕はない。無駄な税⾦の使い⽅は、やめてください。
宇宙は、国家戦略上重要なフロンティアであり、宇宙
に関連する科学技術は、産業競争⼒の強化や経
済・社会的課題の対応等に重要な役割を果たすこと
から、本計画に掲げています。
58
バイオテクノロジーは、医療・農業・物質⽣産などの新たなイノベーション創出に貢献する産業技術への応⽤に留まらず、近未来に地球規模で懸念される⼈⼝
増加、⾷料不⾜、気候変動、環境汚染、パンデミック等の課題を克服できうる重要かつ代替法のない基盤技術である。今回の計画案では、バイオテクノロ
ジーに関連する記載として、第3章で「エネルギー・資源・⾷料の安定的な確保」(14ページ)、「世界最先端の医療技術の実現による健康⻑寿社会の実
現」(15ページ)、「⾷品安全、⽣活環境、労働衛⽣等の確保」(17ページ)、「地球規模課題への対応と世界の発展への貢献」(18ページ)などの記
載がある⼀⽅、第2章「未来の産業創造と社会変⾰に向けた新たな価値創出の取組」では、バイオテクノロジーの産業への利⽤に関しては、「センサー技術
やアクチュエーター技術に変⾰をもたらす『バイオテクノロジー』」(11ページ)と記載があるのみで、総じて、バイオテクノロジーは有⽤な技術として各分野に分
散して記載されているが、「未来の産業創造と社会変⾰に向けた」重要技術として明記されていない。しかし、例えば、シーケンサーやゲノム編集技術などの国
産技術の開発は、産業や社会貢献において⽇本が世界をリードする上で⾮常に重要である。第2章において、バイオテクノロジーを「未来の産業創造と社会
変⾰に向けた」重要技術として明記いただきたい。
第2章(3)②において、「新たな価値創出のコア
となる強みを有する基盤技術」の⼀つとして「バイオテ
クノロジー」を明確に箇条書きで掲げているところで
す。
72
58
物理学における加速器、あるいは数理計算科学でのスパコンなど⼤型共⽤施設・設備と同様に、⽣物材料はライフサイエンスにおいて必要不可⽋な基盤で
す。特に研究の再現性を保証し研究成果を更に発展させるためには、研究成果物の保存と有効活⽤は喫緊の課題です。また名古屋議定書の発効を受け
て海外からの⽣物資源の導⼊が困難になりつつある中、天然資源の乏しい我が国は既に国内に存在する資源、及び研究開発により新たに⽣じた資源を活
第4章(2)② ii)に「⽣物遺伝資源等の知的
⽤するための⽅策をとることが必須です。そこで、(2)知の基盤強化の最終段落で『先端的な研究施設・設備や知的基盤の整備・共⽤、情報基盤の強
基盤の整備」について記述させていただきました。
化等』とあるところ、「バイオリソース等知的基盤の整備・共⽤」のように⽣物材料について⾔及すべきと考えます。ライフサイエンス分野における我が国の潜在⼒
をイノベーションに活⽤し、国際競争⼒の強化につなげるため、ぜひご検討お願いします。
77
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
419
420
421
422
章
第1章
第4章
第4章
全般
職業
研究者
研究者
その他
その他
性別 年齢
男
男
⼥
⼥
34
50
52
49
ご意⾒
回答
「第5期科学技術基本計画」素案を読む限り,知的創造や⼈材育成の⾯で国⽴⼤学への期待は⼤きいものだと感じています.近年の国⽴⼤学は学⻑
に権限を集中した新しいガバナンス,教員への年俸制の導⼊など,新しい組織作りを積極的に⾏っており,⼤学の組織改⾰は急速に進んでおります.
しかし急速な変化の中で,ここ数年の国⽴⼤学には研究や教育に対する姿勢の歪みが⾒受けられるようになりました.独⽴⾏政法⼈化以降,運営費交
付⾦の削減が続くことで資⾦集めが常に喫緊の課題となり,「何をやるべきか,何をやりたいか」ではなく,「何をすれば資⾦が集まるか」ばかりを考える研究者
が増えています.本来⼤学は,「すぐにお⾦にはならないために⺠間企業にはできないが,社会のために役⽴つ研究や教育」を⾏う場所です.そのような場 第4章(3)①に「基盤的経費について、…確実
な措置を⾏う」と記載いたしました。
所にいる研究者達が,今は⾃分達の組織を守るために資⾦集めのことばかりを考えているのが現状です.
限られた予算をより効率的に配分するという⽅針には全く異存はありません.また,少⼦化が続く中,国⽴⼤学への予算配分を減らさなくてはならないとい
う現実も理解できます.ですが,どの⼤学も予算を減らしつつ,国が⽤意した枠組みやプロジェクトに参加する⼤学だけに資⾦を渡すという⽅法では,本当
に優れた研究や教育は⾏われなくなるように思います.少なくとも国⽴⼤学の基盤的経費についてはもう少し余裕を与えて頂きたく存じます.
⼤学では教員が教育や研究に時間をかけられなくなってきています。余りにも他の⽤務が多く、実際の時間以上に本務に頭が回らなくなってきているのが現状
でしょう。この現状を打破するには、⼤学や学術機関の組織的な仕事を担う⼈材をきちんとした形で雇⽤し、その⼈数を増やすことが極めて重要です。その結
果、研究成果も上がり、⼤学の世界ランキングも上がり、ノーベル賞受賞者も数⼗年後に出てくるでしょう。
⼈材については、学⽣がいろいろな⼤学を渡り歩いて研鑽を積めるようなシステムを構築する必要があります。アメリカのように、学部で在籍した⼤学の⼤学
院にそのまま進学するのが普通でないような状況を作ることが⼤切です。これにより、学⽣は広い視野をもって(研究だけでなく)様々な世界を経験することが
でき、海外を⽬指す若⼿⼈材も増えてくると思います。また、⼥性研究者については、中⾼⽣の頃から研究の現場で最先端の研究を経験させて、⾃らの適性
を判断できる機会を増やすことが⼤切だと思います。
研究については、イノベーションという⾔葉が踊っている感がありますが、真のブレークスルーは未開拓の分野から⽣まれてきますから、イノベーションだけを⽬標と
していてはいつまでも進展は⾒られないと思います。基礎と応⽤という2カテゴリーに分けるのは意味がないと思いますが、技術開発を視野に⼊れた基礎研究の
重点領域について熟考する必要があります。
⼤学の⾮常勤職員です。今後の⽇本の科学技術の発展に期待をしつつ、残念なところも⾒てきました。グローバルな世界の中の⽇本、これには、⽇本国内に
おける科学技術分野に羨望とあこがれがなければならないと感じています。国内の研究者、若⼿、⼥性、海外研究者にぜひ⽇本で研究したいと思ってもらえる
ような魅⼒が必要だと考えます。
師匠となる教授クラスまたは退職された研究者からの研究の伝承だけではなく、⼈間⼒や感性までも代々脈々と以前は受け継がれていた⼤事なものが、最近
は伝わらなくなっている現状を知ってほしいと思います。
1.研究費・・・⼤学への予算配分は削減してはならない、増強を望みます。学⽣1⼈あたりの研究費の⼗分な確保を望みます。
2.教育職である教授、准教授の働き⽅。会議や研究費獲得などに費やされる時間がかなり多くて、⼤事な学⽣を育てる時間や研究に向き合う時間が少
ないことが残念。先⽣⽅の⼈間⼒や感性をぜひ伝える場⾯が必要。退官後に後任の先⽣が就任しないことで授業の確保の困難、現職の先⽣や他⼤学講
師でのやりくりで学⽣の教育が万全かといえるのかどうか。
3.⼥性研究者、若⼿研究者の登⽤にあたって、うまく研究が軌道にのるように⼿厚いサポート、研究室の⽴ち上げや費⽤の⾯だけでなく助⾔や⼼のサポー
ト、勤務時間のサポートなど研究への新しい取り組み⽅を編み出し、魅⼒的な研究の場を整えてほしい。
国からの補助⾦を⼀定程度充実させ、また⼤学に使い道を委ねることにより、より活発な研究につながることと思う。
78
ご意⾒ありがとうございます。ご指摘の内容につきまし
ては、第2章(1)、第4章(1)及び(2)に
記載しているところですが、今後の参考にさせていただ
きます。
ご意⾒ありがとうございます。ご指摘の点については今
後の参考にさせていただきます。なお、第7章(5)
に、⼤学等に対する政府研究開発投資の重要性や
投資⽬標を記載させていただきました。
ご指摘の点については今後の参考にさせていただきま
す。なお、第7章(5)に、⼤学等に対する政府研
究開発投資の重要性や投資⽬標を記載させていた
だきました。
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
423
424
425
426
427
428
章
第3章
第2章
第6章
第6章
第4章
第6章
職業
研究者
団体職員
研究者
団体職員
公務員
研究者
性別 年齢
男
⼥
男
⼥
⼥
⼥
58
42
38
42
25
30
ご意⾒
回答
我が国は世界で最初に未曽有の超⾼齢化社会を迎えることになるが、最重要課題の⼀つは、こころの健康を如何に⻑く保つか、ということである。そのため、
認知症とうつ病等の精神神経疾患の克服に最⼤限の⼒を注がねばならない。また、現役の勤労者世代においても、統合失調症、発達障害、うつ病等の精
神疾患やこころの障害による労働⼒の喪失と社会的コストは莫⼤であり、適切な対策を取ることが喫緊の課題であることは明⽩である。政府もこれらの問題を
⼗分に認識しており、近年、精神神経疾患に関する研究費が増加傾向にあることは⾼く評価できる。⼀⽅で、応⽤や臨床⾯での短期的な成果が求められ、
それらを⽀える基礎研究の予算が減少傾向にあることは憂慮すべきことと⾔わざるを得ない。しっかりとした基礎研究の⼟台がなければ、応⽤や臨床⾯での成
果も短期的、散発的になってしまう。限られた国家予算を有効に使⽤して⼤きな成果を挙げるためには、、ここで基礎研究に投資することが重要であると考え
る。今後30年を⾒据え、⻑期的展望に⽴脚した計画を切望する。
以下を加筆してはどうか。
・超サイバー社会の負の側⾯として、中程度の賃⾦が得られる定型業務の機械化による、労働市場の変化と格差の拡⼤も挙げられる。
ご意⾒ありがとうございます。基礎研究全般に関して
は、第4章(2)で記載しているところです。また、
医療分野については、第3章(1)② i)第1段
落に「基礎科学研究を展開して医療技術の開発を
推進」と記載しているところです。
第1章(1)において、「世界的な規模で急速に
広がるネットワーク化は、これまでの社会のルールや価
値観を覆す可能性有しており・・・科学技術と社会と
の関係を再考することが求められている」と記載してい
るところです。
第1章(4)基本⽅針の「推進にあたっての重要事項」で「⼈⽂社会科学及び⾃然科学のあらゆる分野の参画を得ながら」と記載されているにもかかわら
ず、それに対応する第6章では、市⺠との対話や科学技術リテラシー、政策形成への科学的助⾔等についての記述にとどまり、「社会のニーズ」をエビデンスに 第6章(1)② 及び④に、⼈⽂社会科学及び⾃
基づき科学的に指し⽰す役割を果たす⼈⽂・社会科学者との協働/共創が明記されていないのは残念。第6章(1)に、「⼈⽂・社会科学者との連携」と 然科学の連携等に関する記述を追加させていただき
ました。
いった⼀項を設けるべきではないか。
以下を加筆してはどうか。
・超サイバー社会の負の側⾯として、中程度の賃⾦が得られる定型業務の機械化による、労働市場の変化と格差の拡⼤も挙げられる。
・新たな労働環境で活躍する⼈材像や教育、雇⽤のあり⽅について、国⺠的議論が必要である。
第1章(1)において、「世界的な規模で急速に
広がるネットワーク化は、これまでの社会のルールや価
値観を覆す可能性有しており・・・科学技術と社会と
の関係を再考することが求められている」と記載してい
るところです。また、ICTの発展に伴う社会への影
響について検討していくことが重要と考えており、第2
章(2)②や第6章(1)④にその旨⾔及してい
るところです。
第4章には「研究者の内在的動機に基づく学術研究は、新たな学際的・分野融合的領域を創出するとともに、幅広い分野でのイノベーション創出の可能性
を有しており、学術研究はイノベーションの源泉となっている。」との記述があります。ここから読み取れることは、「研究者の⾃由な発想に基づく⾃由な研究は、
科学分野での⾰新的なイノベーションを⽣み出す」という事であると思います。その⾃由な研究を⽀えるのは、使途を限定されない運営費交付⾦であると考え
第4章(3)①に「基盤的経費について、…確実
ます。ですが、運営費交付⾦は年々減少の⼀途をたどっています。第5期科学技術基本計画では、⼤学は⾃らの経営⼒強化のために企業との対話を進め
な措置を⾏う」と記載いたしました。
ることを求められています。ですが、企業との共同研究による研究資⾦は使途が限定されるため、「研究者の内在的動機に基づく学術研究」を⾏うことは困難
です。イノベーションを起こすためには、やはり運営費交付⾦の拡充が必要であると考えます。
第5期科学技術基本計画の答申素案は、第4期に続き経済・社会的課題への対応が重要な基本⽅針として打ち出されており、社会との関わりの中で科学
技術イノベーション政策を位置づけたものとして⾼く評価できます。
しかし、その「社会との関わり」がどのようになされるかについては不明確な部分も残されています。例えば、素案P3にありますように、「これまで、シーズとニーズの
マッチングが⼗分に機能してこなかったこと等により、我が国の科学技術⼒がイノベーションを⽣み出す⼒に⼗分につながっていないという認識を強く持つ必要が
ご意⾒ありがとうございます。第6章(1)② 及び
ある」ので、この「社会のニーズ」を如何に捉えるかが重要です。それにはデータに基づいた科学的な議論が不可⽋であり、それは⼈⽂・社会科学との緊密な連
④に、⼈⽂社会科学及び⾃然科学の連携等に関
携によって初めて可能となるものです。
する記述を追加させていただきました。
ところが、第1章(4)基本⽅針の「推進にあたっての重要事項」で「⼈⽂社会科学及び⾃然科学のあらゆる分野の参画を得ながら」と記載されているにもか
かわらず、それに対応する第6章では、市⺠との対話や科学技術リテラシー、政策形成への科学的助⾔等についての記述にとどまり、「社会のニーズ」をエビデン
スに基づき科学的に指し⽰す役割を果たす⼈⽂・社会科学者との協働/共創が明記されていないのは、解釈に混乱をきたします。第6章(1)に、「⼈⽂・
社会科学者との連携」といった⼀項を設けるべきではないかと考えます。
79
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
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430
431
章
第6章
第4章
第4章
職業
研究者
会社員
会社員
性別 年齢
男
⼥
⼥
ご意⾒
回答
63
第5期科学技術基本計画の答申素案は、第4期に続き経済・社会的課題への対応が重要な基本⽅針として打ち出されており、社会との関わりの中で科学
技術イノベーション政策を位置づけたものとして⾼く評価できる。
他⽅、その「社会との関わり」がどのようになされるかについては不明確な部分も残されている。素案P3にあるように、「これまで、シーズとニーズのマッチングが⼗
分に機能してこなかったこと等により、我が国の科学技術⼒がイノベーションを⽣み出す⼒に⼗分につながっていないという認識を強く持つ必要がある」のであり、
ご意⾒ありがとうございます。第6章(1)② 及び
この「社会のニーズ」を如何に捉えるかが重要である。それにはデータに基づいた科学的な議論が不可⽋であり、それは⼈⽂・社会科学との緊密な連携によって
④に、⼈⽂社会科学及び⾃然科学の連携等に関
初めて可能となるものである。
する記述を追加させていただきました。
第1章(4)基本⽅針の「推進にあたっての重要事項」で「⼈⽂社会科学及び⾃然科学のあらゆる分野の参画を得ながら」と記載されているにもかかわら
ず、それに対応する第6章では、市⺠との対話や科学技術リテラシー、政策形成への科学的助⾔等についての記述にとどまり、「社会のニーズ」をエビデンスに
基づき科学的に指し⽰す役割を果たす⼈⽂・社会科学者との協働/共創が明記されていないのは残念。第6章(1)に、「⼈⽂・社会科学者との連携」と
いった⼀項を設けるべきではないか。
52
<国際的な発信のできる⼈材>⼈材育成に関して、⽇本の科学技術界をオープンにし世界に発信しようという視点に⽋けるように感じる。⽇本の科学技術
界で不⾜していると私が感じるのは、国際的に⽇本のメッセージを発信する⼒だと思う。国際的な場で影響⼒をもった提⾔ができて、⽇本の若者や若⼿研究
者が世界に⽬を向けるためのロールモデルとなれるような、科学者、研究者であり優秀なコミュニケーターでもあるという中堅⼈材の育成も必要だと思うのだが、
それに関して計画には全く触れられていない。例えば、数多く開かれたポスト2015SDGに関する会議でも、⽇本の科学技術界が「持続可能な成⻑の
ために科学技術はどのような役割を果たせるか」、「⽇本の科学技術が貢献できる事はなにか」など発⾔できる機会が多くあり、そこに提⾔を残すことによって、
次の20年間に⽇本のメッセージが影響を与えることも出来たと思うのだが、せっかくの場に⽇本⼈の専⾨家、特に中堅の科学者が出てこない、いつも同じ専
⾨家の新鮮味に⽋けるメッセージ、という⻭がゆさを感じた。⽇本は結果が認められるタイプの発信(ノーベル賞受賞、⽇本の技術の実⽤化、等)を重視して
きた。課題を⼀緒に解決する国際協⼒や国家間の相互依存が重要になる状況では、結果だけでなく過程でも世界に発信できる専⾨家、科学界とステークホ
ルダーを巧みにつなぐことのできる⼈材が不可⽋だと思う。
52
ご意⾒ありがとうございます。多様な視点や優れた発
<⼥性研究者のコミュニケーターとしての役割>⼥性は単にイノベーターとして役割を果たせるだけでなく、男性研究者がほとんどである⽇本の科学技術界の”
想を取り⼊れ科学技術イノベーション活動を活性化
従来の習慣や常識“に捉われない”柔軟な思考と斬新な発想“が出来るという点でも、⾮常に優れていると思います。⼥性が、研究者としての⾼度な専⾨知
していくためには⼥性の活躍促進が不可⽋と考えて
識をもち、かつ⽇本に不⾜している多様性と柔軟性をもったコミュニケーター、ネゴシエーターとして国際社会で活躍できる⼈材に育つ可能性は、(もしかすると
います。ご指摘の点につきましては、今後の参考にさ
男性よりも)⾼いかもしれません。だからころなおさら⼥性の活躍促進が必要であると思います。
せていただきます。
第7章(3)に科学技術外交の活動に対応できる
⼈材の育成・確保に関する記述を追記させていただ
きました。ご指摘の点につきましては、今後の参考にさ
せていただきます。
バイオリソースは、我が国の基礎研究の基盤であるため、第5期科学技術基本計画の⽂章に記載するべきと考える。
432
433
第4章
第4章
研究者
会社員
男
⼥
31
52
「バイオリソース等」の挿⼊の⽂章
【第1候補】
科学技術基本計画について(答申素案)平成27年10⽉29⽇
第4章 科学技術イノベーションの基盤的な⼒の強化
(2) 知の基盤の強化(p. 26)
第4段落
こうした研究開発活動を⽀える共通基盤的な技術、先端的な研究施設・設備やバイオリソース等の知的基盤の整備・共⽤、情報基盤の強化等にも積極
的に対応するとともに、イノベーションの創出につながるオープンサイエンスの世界的な流れに適切に対応する。
第4章(2)② ii)に「⽣物遺伝資源等の知的
基盤の整備」について記述させていただきました。
<科学技術リテラシー(Scientific and Technological Literacy) の社会への浸透>
地球規模の課題を考える必要があるのは科学者だけではありません。科学に直接携わる⼈材や知的プロフェッショナルの育成だけではなく、⼀般の科学技術リ
テラシーの浸透も不可⽋だとおもいます。基本計画ではこれから⼒をいれる科学技術分野の確認とそのための⼈材育成を強調しているだけのように読み取れま ご指摘の内容については、第6章(1)②におい
す。⽇本社会全般の科学技術リテラシーにも⼒をいれ、⽇本社会全体において、地球規模の課題を“科学的”な⽬でみられる⼈⼝が増えることは、結局は科 て、国⺠の科学技術リテラシーの向上の重要性と必
学技術にたいする裾野を広げたり、科学者に対する信頼を⽣んだり、しいては科学技術を⽬指す若い⼈材の育成に役⽴つと思います。国の科学技術⼒がイ 要となる取組について記載しているところです。
ノベーションを⽣み出す⼒に繋がっていないのは、社会の科学技術リテラシーの⽋如(低さ)にも関連があるように思います。
80
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
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435
436
437
438
章
第5章
第1章
第6章
第4章
第6章
職業
会社員
研究者
研究者
研究者
その他
性別 年齢
⼥
⼥
男
男
⼥
52
75
28
ご意⾒
回答
ご意⾒ありがとうございます。第7章(3)に科学
科学者、研究者であり、かつ優秀なコミュニケーターでもあるという中堅⼈材の育成にも⼒をいれないと、「グローバルニーズを先取りする研究開発の推進」にも
技術外交の活動に対応できる⼈材の育成・確保に
遅れをとる事になる、という視点で、第4章にコメントしました。重複すると思われましたので、第4章のコメントとして投稿しましたが、⾒ていただける幸いです。
関する記述を追記させていただきました。ご指摘の点
につきましては、今後の参考にさせていただきます。
原案:「また、第5期基本計画の進捗及び成果の状況を適切に把握していくための主要指標を別途定め、当該指標の状況に合わせて恒常的に政策の質
の向上を図っていく。」
修正案:「また、第5期基本計画の進捗及び成果の状況を適切に把握していくための主要指標を別途定め、当該指標の状況に合わせて恒常的かつ柔軟
ご指摘の観点も含め、第1章(4)②ⅱ)及び第
に政策の質の向上を図っていく。」
7章(4)の記述を充実させていただきました。
理由:法令を実践に落とし込む⼿続きを含めて末梢まで法規制するのではなく、⽬標とする成果に向かって⾃由闊達に議論し、⽅法を柔軟に選択できるよう
な政策・施策の⽴案がわが国には必要である。
「様々なステークホルダーとの対話・協働が⽋かせない」とあるが、これ⾃体を否定するのではなく、より実効的な追加措置を提起したい。それはアカデミック・コ
ミュニティー内での⽂理の学問分野を超えた更なる連携である。倫理の⾯では⼈⽂学者の、組織的・社会的な課題では社会科学者の英知・知⾒といったも 第6章(1)② 及び④に、⼈⽂社会科学及び⾃
のを導⼊しながら進める⽅が効率的で実効性が⾼い。そういった意味で、ここで⼈⽂・社会科学と⾃然科学との「共創」の必要性と、「共創」のプラットフォーム 然科学の連携等に関する記述を追加させていただき
ました。
を形成する必要性について⾔及するべきではないか。「ステークホルダーとの対話・協働」の前段階として、学際的なアカデミックな議論の場が必要と考える。
35
⼈材の多様性確保に関して、現⾏案では⼗分な対応が可能であるか疑念が残る。
ただでさえ⾼い能⼒を持つ学⽣が研究者になることを躊躇している中、⽇本⼈男性のみに過⼤な負担をかけはしないか、結果としてさらに将来世代の⼈材枯
渇を⽣じないか、⼗分な検討が必要である。⼥性や外国⼈研究者の受け⼊れは通常の運営コストに負荷をかけないよう、別予算等で⾏うことが望ましいと考
える。
近年では優秀な学⽣に対する進路指導に際しても、男⼦学⽣には博⼠取得後の厳しい⼈⽣に覚悟を求める⼀⽅で、⼥⼦学⽣に対してはポジションの公募
や新学術等のコンソーシアムを組織する上で有利になることをエサとして進学を勧めるなどの状況が⽣じている。若⼿世代におけるこのような逆転現象を⼗分に
調査し、把握したうえで⽴案を⾏っていただきたい。要は量的に適切なレベルを設定することが必要である。
外国⼈研究者の受け⼊れも、現時点では絵に描いた餅で終わる可能性が⾼い。理研などでは外国⼈研究者の⽣活や⼿続き等のサポートに専⾨⼈員を置
くなどのコストをかけている。何の⼿当もせずに⼤学に対応を求めることは無謀である。地⽅都市ではそもそも外国⼈対応のためのインフラが弱いことも問題であ
る。⽂科省として、⼤学の事務職員等に博⼠取得者などの研究を理解する英語話者を配置することを求めるなど、研究部署以外の整備の⽅針を⽰すことが
望ましいのではないか。
31
第5期科学技術基本計画の答申素案は、第4期に続き経済・社会的課題への対応が重要な基本⽅針として打ち出されており、社会との関わりの中で科学
技術イノベーション政策を位置づけたものとして⾼く評価できる。
他⽅、その「社会との関わり」がどのようになされるかについては不明確な部分も残されている。素案P3にあるように、「これまで、シーズとニーズのマッチングが⼗
分に機能してこなかったこと等により、我が国の科学技術⼒がイノベーションを⽣み出す⼒に⼗分につながっていないという認識を強く持つ必要がある」のであり、
ご意⾒ありがとうございます。第6章(1)② 及び
この「社会のニーズ」を如何に捉えるかが重要である。それにはデータに基づいた科学的な議論が不可⽋であり、それは⼈⽂・社会科学との緊密な連携によって
④に、⼈⽂社会科学及び⾃然科学の連携等に関
初めて可能となるものである。
する記述を追加させていただきました。
第1章(4)基本⽅針の「推進にあたっての重要事項」で「⼈⽂社会科学及び⾃然科学のあらゆる分野の参画を得ながら」と記載されているにもかかわら
ず、それに対応する第6章では、市⺠との対話や科学技術リテラシー、政策形成への科学的助⾔等についての記述にとどまり、「社会のニーズ」をエビデンスに
基づき科学的に指し⽰す役割を果たす⼈⽂・社会科学者との協働/共創が明記されていないのは残念。第6章(1)に、「⼈⽂・社会科学者との連携」と
いった⼀項を設けるべきではないか。
81
⼥性の活躍促進は、多様な視点や優れた発想を取
り⼊れ科学技術イノベーション活動を活性化していく
ためには不可⽋であり、その⼀⽅で、我が国では⼥性
の活躍状況が⼗分でないことから、第4章(1)②
ⅰ)に必要な取組や⽬標値を掲げています。また、
同章(1)②ⅱ)について、「⼤学及び公的研究
機関における英語による研究⽀援等の研究環境の
整備」を追記するなど、外国⼈の受⼊れ・定着を促
進するための取組内容を整理・充実いたしました。ご
指摘については、今後の参考にさせていただきます。
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
439
440
441
442
443
章
全般
第6章
第4章
第3章
第3章
職業
公務員
研究者
団体職員
研究者
その他
性別 年齢
男
男
男
⼥
男
60
ご意⾒
回答
国⽴⼤学における教育・研究は、⻑期的視野に⽴った計画で⾏われており、国⺠各層からの信頼も⾼い⽔準にある。法⼈化以降、各⼤学は経費の削減
に努⼒しているが、昨今の円⾼やデフレ脱却の影響により物価⽔準等の経費上昇により、経営が苦しくなってきているのも事実である。近年、⽇本⼈のノーベ
ル賞受賞に輿論も沸いているが、これは基本的に20〜30年前に国が国⽴⼤学へ投資を⾏った結果である。この投資は、⻘⾊LED,iPS細胞、寄⽣⾍の予 第4章(3)①に「基盤的経費について、…確実
防薬等、⼈類が受けた恩恵に対し⾮常に効率的な(儲かった)ものとなっている。この成果を続けるためにも、国⽴⼤学への⽀援は必須である。よって、⼤学 な措置を⾏う」と記載いたしました。
の基盤となる経費については、物価の⾼騰に合わせてこれを拡充すべきであると考えます。
38
3ページにある、シーズとニーズのマッチングが⼗分に機能してこなかったことが、科学技術のイノベーション創出⼒を不⼗分なものにしている、という議論に感銘
ご意⾒ありがとうございます。第6章(1)② 及び
を受けました。諸外国との⽐較を持ち出すまでもなく、これは重要な観点であると思います。例えば第6章において、この考え⽅についてのより詳細な議論を明
④に、⼈⽂社会科学及び⾃然科学の連携等に関
記しても良いのではないでしょうか。私は、ニーズとシーズのマッチングを成功させるためには、社会のニーズを科学的に、つまり、データ・エビデンス・理論に基づい
する記述を追加させていただきました。
て、明らかにする役割を担うであろう⼈⽂・社会科学者との協⼒作業が重要であると考えています。
51
国⽴⼤学においては、法⼈化以降、運営費交付⾦の削減が続く中、経費削減に努めてきましたが、昨今の⼤学をとりまく環境は⼀層厳しさを増しており、諸
経費の⾼騰もあり、財政的な状況はもはや⼤学⾃⾝の努⼒のみでは追いつけない状況となっています。
ご指摘の点につきましては、今後の参考にさせていた
特に、年⾦⼀元化にともなう保険料率の引上げや⼈事院勧告を踏まえた給与引き上げに伴う⼈件費が急増しており、今後も増加することが予測されます。
だきます。
これらの増⼤については、⼤学の経営努⼒では解決できないと考えます。よって、このような外的要因による⼈件費の増加分については、国家公務員と同様
に財源を確保すべきであると考えます。
75
(1)持続的な成⻑と地域社会の⾃律的な発展 (2)超⾼齢化・⼈⼝減少社会等に対する持続可能な社会の実現 1)世界最先端の医療技術の実
現による健康⻑寿社会の形成
原案:「このため、(中略)世界最先端の医療の実現、がん、認知症、精神疾患、新興・再興感染症や難病の克服に向けた研究開発などを着実に推進
する。」
修正案:「このため、(中略)世界最先端の医療の実現、がん、認知症、精神疾患、新興・再興感染症や難病の克服に向けた研究開発などを着実に推
進する。研究開発の推進に不可⽋なインイボ実験医学の科学的適正化に係る法的枠組みを整備する。」
理由:現在のところ、動物実験基本指針が⽂科、厚労、農⽔の各省からそれぞれ告⽰または通知されているが、同指針の法的根拠は3R原則を明⽂化し
た動物愛護管理法であり、この親法は科学動物である実験動物と癒しのためのペットを同等に扱っている。⽶国は科学技術イノベーションに向けて、動物福
祉法とは別に健康科学拡⼤法を定め、科学技術を所管する⾏政機関の政策を援護している。
49
第3章(2)④の「国家安全保障上の諸課題への対応」の項⽬を丸ごと削除してください。安倍政権が⺠意を無視して成⽴させた憲法違反の安保法制 我が国の安全保障を巡る環境が⼀層厳しさを増して
(戦争法)は国内外の市⺠の安全を脅かすものです。また、紛争を助⻑する武器輸出の促進にも反対します。そうした中での「国家安全保障のための技術 いる中で、科学技術イノベーションが対応すべき経
済・社会的課題の⼀つとして、国家安全保障上の
開発」など百害あって⼀利なしです。
諸課題への対応を掲げる必要があると考えています。
444
第6章
研究者
男
65
445
第6章
研究者
⼥
40
⽇本の技術⼒は決して劣っていないにもかかわらず経済が停滞し⼈々の暮らしが苦しくなっているのは、暮らしを豊かにするような技術の開発に向けて⽇本の
優れた技術⼒を⽅向づけることに失敗しているからである。ニーズをシーズにつなぐためには、まず社会のニーズを正確に捉える必要があり、データに基づいた科
学的な議論がなされなければならない。社会のニーズをエビデンスに基づき科学的に指し⽰す役割を果たすのは⼈⽂・社会科学であるから、⼈⽂・社会科学
者との緊密な連携が不可⽋である。したがって「⼈⽂・社会科学者との連携」を明記すべきである。
動物実験に関しては、動物愛護管理法により、3R
の原則(苦痛の軽減等)に配慮するよう努めること
が定められ、同法に基づく「実験動物の飼養及び保
管並びに苦痛の軽減に関する基準」や関係各省によ
る指針が策定されているところです。
第6章(1)② 及び④に、⼈⽂社会科学及び⾃
然科学の連携等に関する記述を追加させていただき
ました。
社会のニーズを正しくとらえた上で、科学技術によるイノベーションを起こすには、エビデンスに基づいた科学的分析が必要である。そのためには、⾃然科学にとど 第6章(1)② 及び④に、⼈⽂社会科学及び⾃
まらず、⼈⽂科学・社会科学の知⾒も併せて重要と考える。「⼈⽂・社会科学者との連携」といった⽂⾔を加えて頂きたい。
然科学の連携等に関する記述を追加させていただき
ました。
82
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
446
447
448
449
章
第1章
第2章
第1章
第2章
職業
研究者
研究者
研究者
研究者
性別 年齢
男
男
男
男
ご意⾒
回答
55
p1 (1)現状認識「知のフロンティアの拡⼤に伴い、知識や技術の全てを個⼈や⼀つの組織で⽣み出すことが困難となっている。」とありますが、これだけが⼤事
⼀点⽬のご指摘については、第4章冒頭や第4章
なわけではありません。「最近のノーベル賞輩出は喜ばしいことであり、これらは個⼈の発想、⾃由で⾃⽴的な研究活動が新しい知を⽣み出すのに重要である
(2)などに記載しているところです。⼆点⽬のご指
ことを表している。」という認識も必要と思います。
摘については、「課題解決への転換」のみではなく、
「基本計画に基づき国として⼀体的に科学技術政
p2「「研究開発の重点化を従来の分野に基づくものから課題解決を⽬指したものへと転換した。」ことの成果が、p3「今世紀に⼊り、我が国の⾃然科学系の
策を進めてきたこと」に対して、「我が国の科学技術が
ノーベル賞受賞者数が世界第2位の実績であることは、世界の中で我が国の科学技術が優れた存在感を有している証しでもある。」ではないと思います。この
⼤きな存在感を有している」と記述しているところで
転換がノーベル賞のような独創的な研究成果につながるかは、疑問であり、むしろ逆なのではないかと思います。
す。
63
「超スマート社会」が⽬指すのは、先端的な科学技術をシステムを通じて社会実装し、さらに、これらを連携協調させることにより、新たな価値を効果的かつ
継続的に創出しようとするものと理解しました。また、これを実現するために、IoTサービスプラットフォームを設定し、この構築に必要な基盤技術の強化が掲げら
れており、戦略的な研究開発の⽅向付けがなされていると考えます。
システムを通じた価値創出には⼤いに賛同しますが、これらのプラットフォームや基盤技術を研究開発するには、システムに求められる機能、実現、品質等の
要件とそれらの構成を普遍性をもって明確にしておかなければなりません。これらは、⼀般に参照モデルと呼ばれ、技術開発、知財開発の海図となるとされてい ご意⾒ありがとうございます。ご指摘の点につきまして
は、今後の参考にさせていただきます。
ます。NISTは、昨年からCPS参照モデルの開発に注⼒していますが、⽇本として「超スマート社会」に関する参照モデルを構築する必要があります。
⾃然との共⽣感を正しく持つ⽇本では、実空間それ⾃体が強い因果性を持った拘束条件を形成していることが認識され、さらに、連携協調においても独⾃
の⽂化を育んできており、世界の関⼼を集める参照モデルを構築できると期待されます。
このような参照モデルは、システム科学技術者や情報科学技術者が中⼼となって、さらに、⼈⽂社会科学者の参画も得て、産学官が⼀体となって開発する
ことが必要です。
55
55
p3「我が国の科学技術活動が世界から取り残されてきていると⾔わざるを得ない。科学技術イノベーション活動を担う⼈材に関して、若⼿が能⼒を⼗分に発
揮できる環境が整備されていない、⾼い能⼒を持つ学⽣等が博⼠課程進学を躊躇しているなどの問題点もある。」これは問題点を的確にとらえていると思いま
ご意⾒ありがとうございます。本計画が推進する科学
す。
技術イノベーションとは、第1章に追記させていただい
たように、「科学的な発⾒や発明等による新たな知
p4「iv)知の資産の持続的創出」
識を基にした知的・⽂化的価値の創造と、それらの
「多様で卓越した知を絶え間なく創出し、その成果を経済的、社会的、⽂化的価値として速やかに社会実装していく国」これも⼤事ですが、短絡的でもありま
知識を発展させて経済的、社会的・公共的価値の
す。速やかに社会実装できない、できなくても⼤事な知もあります。例えば、メンデルの遺伝の法則、ダーウィンの進化論、これらは速やかに社会実装されるよう
創造に結び付ける⾰新」であると考えています。
な知ではないと思いますが、⼈類に貢献するものです。そのような知を⽣み出すことも重要です。
p7「第2章 未来の産業創造と社会変⾰に向けた新たな価値創出の取組」
の序⽂はたいへんわかりにくく、論理性が低いものになっています。「莫⼤なつながりから全く異なる要素間の結びつきや融合が進むことで新たな形でイノベーショ
ンが⽣み出される状況を迎えている。」これは推測でしかないのではないでしょうか?それでイノベーションが⽣み出される根拠はなんでしょう?もう少し論理的な
解説が必要と思います。
p7「挑戦的(チャレンジング)な研究開発の推進に適した⼿法を普及拡⼤していく。具体的な⼿法として…」
チャレンジングな研究開発とは、失敗を許すシステムです。研究者が失敗したら⽣活の糧も失うような環境では、チャレンジングな研究開発はできません。「再
チャレンジのシステム、セーフティネットの構築」等が不可⽋です。
p8「年齢、性別、地域、⾔語」ここに「⾝体的、精神的ハンディキャップ」を加えていただきたい。
p8「超スマート社会」この名称もう⼀⼯夫していただきたい。超スマート社会はIoT中⼼ではあるということですが同時に「ひとに優しい社会」でなくてはなりませ
ん。そのような意味合いも含めていただきたい。
83
第2章の冒頭⽂については、修正させていただきまし
た。また、第2章(1)については、「「リスクが⾼い
研究開発において失敗は付き物であり、挑戦すること
⾃体に価値がある」・・・重要である」といった⽂⾔を追
加するなど、全体を修正・充実させていただきました。
ハンディキャップについては、ご指摘のような内容も
「様々な違い」に含まれると考えます。超スマート社会
の名称については、「⼈々に豊かさをもたらす」といった
⽂⾔を追加したり、関連する⼀連の取組を「Soc
iety5.0」とするなど、⼯夫させていただきまし
た。
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
450
451
452
453
章
第3章
第4章
第5章
第4章
職業
研究者
研究者
公務員
研究者
性別 年齢
男
男
男
男
55
55
ご意⾒
回答
p14「核セキュリティの⾼度化等の原⼦⼒の利⽤に資する研究開発を推進する。さらに、将来に向けた重要な技術である核融合等の⾰新的技術、核燃料サ
イクル技術の確⽴に向けた研究開発にも取り組む。」
原⼦⼒関係で重要な課題は「原発事故収束」「廃炉技術」「使⽤済み核燃料処理」もあります。これらに関する技術開発にも取り組んでいただきたい。また
「核融合等の⾰新的技術、核燃料サイクル技術の確⽴に向けた研究開発」に関しては現時点で国⺠のコンセンサスがあるとは考えません。もう少し慎重な表
現に変更していただきたい。
p16(2)国及び国⺠の安全・安⼼の確保と豊かで質の⾼い⽣活の実現
福島の原発事故およびその被災者、健康被害の有無の問題はこの先10〜20年の深刻な国レベルの問題であると思います。ここには、やはりひとつ福島
の項⽬を設けていただきたい。その中では放射線の影響、健康被害の有無の調査の継続、それへの対応、これらに対処するための対策の推進をもりこんでい
ただきたい。
p19 遺伝資源を含む⽣態系サービスの経済・社会的価値の評価技術や持続可能な管理・利⽤技術の研究開発を推進する。
ここに「⼤学や⼤学共同利⽤機関等研究機関と協⼒して」などの⽂⾔を加えて、⼤学や実績のある⼤学共同利⽤機関を書き込めばべよいと思います。
⼀点⽬のご指摘については、原⼦⼒関係で重要な
課題として、「安全性、核セキュリティ、廃炉技術」に
ついて記述しております。また、核燃料サイクルは、プ
ルサーマル利⽤等も含めた広義の意味で記載してお
ります。⼆点⽬のご指摘については、第3章冒頭⽂
に、東⽇本⼤震災を含む災害復興の視点を記載さ
せていただきました。三点⽬のご指摘について、⼤学
や⼤学共同利⽤機関等研究機関との協⼒に関して
は、この技術に限らず様々な研究開発で重要であ
り、これらの研究機関の改⾰・強化に関して第4章
や第7章に記述しています。
p21「その際、イノベーションが創出される可能性を最⼤限⾼めるために、これまでとは異なる知識、視点、発想等を持つ多種多様な⼈材を育成・確保し、⼈
材の流動性を⾼める。」
この⽂が唐突で、根拠や論理性に乏しい⾒解を表していると思います。「これまでとは異なる」が何にかかって何を意味しているのかが明瞭ではありません。「流
⼀点⽬のご指摘箇所については、⽂章を修正させて
動性」は、どのようにしてイノベーションが創出される可能性を⾼めるのでしょう?こつこつ⼀つのことをやった結果、⽣み出されたイノベーションの⽅が多いのではな
いただきました。なお、流動性を⾼める意義は、第4
いかとさえ思います。そのあとの⽂ともつながりがわるいので、これは削除された⽅がよいのではないでしょうか?
章(1)②ⅲ)や第5章(1)②に記載している
ところです。⼆点⽬のご指摘については、同章(1)
p21「科学技術イノベーションを担うのは「⼈」である。」これには賛成です。
①ⅰ)において具体的取組を記載しているところで
ここに、専⾨性をもつ⼈材の社会で価値を⾼める(そのための努⼒をする)ことも書き込んでいただきたい。「育成・確保」の確保の意味があいまいですが、専
す。三点⽬のご指摘については、重要な問題の⼀つ
⾨性の⾼い⼈材(博⼠号保持者)の雇⽤を促進する、など具体的に記載してください。
とは存じますが、本⽂中に記載する事項は正確な根
拠があり、かつ内容を絞って記載しているところです。
p21「その重要な担い⼿である若⼿研究者を巡る状況は、危機的である。」「深刻な課題である。」のあとに、「また従来ならば常勤職についたであろう優秀な
研究者が職不⾜により⾮常勤、あるいは研究を離れる事態も⽣じている」のような⼀⽂をいれていただきたい。現在の重要な問題です。
50
ご指摘の点については、今後の参考にさせていただき
⼤学の知的財産等の戦略的な活動には企業経験を有する⼈材が極めて重要です。しかし、企業と⼤学では雇⽤体系が⼤きくことなることもあり、⽐較的若
ます。なお、第4章、第5章、第7章に記載の通
年層の優秀な企業経験者を安定して確保するのが難しいのが現状です。これを解決するためには、⼤学でのポストとして、職員、教員及びURAとは異なる
り、⼤学の⼈事システム改⾰は重要な事項であり、
別のポストを⽤意し、特別の財源を確保すべきと考えます。
国としても必要な取組を進めていくことを考えていま
す。
55
p22「⼤学及び公的研究機関等が、組織として⼈材育成及び雇⽤に責任を持つことが重要である。」
「このため、。。。留意する。」
ここは⼤事な部分です。この費⽤捻出⽅法が、シニア研究者にかかる経費の削減でまかないきれるのか甚だ疑問です。「年俸制やクロスアポイントメント制度の
導⼊」では結局は経費削減にならないと思います。「⼈事評価の導⼊と評価結果の処遇への反映、再審査の導⼊」これは審査に合格しなかったら解雇せよ、
ということでしょうか。それは実際には可能でしょうか?またたとえ可能であったとしても、その効果は短期的であると思います。「外部資⾦による任期付雇⽤への
転換促進」これは後述の直接経費で給与を⽀給する可能性でしょうか?そうであるならば、可能性があるとは思います。しかしながら、通常の研究費に1000
万円(以上)の上乗せが必要になり、これは現実的に可能でしょうか?ここで、⼗分な運営費交付⾦等を措置する、と⾔うことはできないのだと思いますが、
「国の努⼒で運営費交付⾦の確保にも務める」ような記述があってもよいのではないでしょうか?この財源にはすぐに良い考えはうかびませんが、⼤学等の⾃助
努⼒で何とかしろ、と⾔うだけでは無理があると思います。
84
ご指摘の点につきましては、趣旨が明確となるよう修
⽂いたしました。なお、第4章(3)①に「基盤的
経費について、…確実な措置を⾏う」と記載いたしま
した。ご意⾒については今後の参考にさせていただき
ます。
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
章
職業
性別 年齢
ご意⾒
回答
p22「研究代表者等への⼈件費⽀出」これを⾏なう場合には、現時点では研究費が獲得できない場合は、研究機関等が給与を払う場合に限るべきと思い
ます。そうでないと今より環境が過酷になり、新しいことにチャレンジすることにプラスになるとは思えません。
454
第4章
研究者
男
55
p23「このため、科学技術イノベーションを担う多様な⼈材について、キャリアパスの確⽴と⼈材の育成・確保のための取組を推進する。」
この⼀⽂が、上で述べた「また従来ならば常勤職についたであろう優秀な研究者が職不⾜により⾮常勤、あるいは研究を離れる事態も⽣じている」のような⼈
材のキャリア確保、ポスドク⼀万⼈計画、⼤学院重点化で増やしてしまった⼈材の活⽤も意味しているのであれば、よいと思います。
⼀番⽬のご意⾒については、ご指摘も踏まえ、今後
検討していきたいと考えております。その他のご指摘に
ついては、今後の参考にさせていただきます。
p23「⽂理融合など異分野間の⼀体的教育や我が国が強みを持つ分野における最先端の教育を推進する⼤学院の形成を促進する。」これはけっこうなので
すが、⽂理融合で⽣み出されるのは理系に強い⽂系研究者、であると思います。
p24「「博⼠課程(後期)在籍者の2割程度が⽣活費相当額程度を受給することを⽬指す。」
これはもう少し⼤きな数字にする必要があると思います。科研費の直接経費に含める可能性がありますが、そうしますとやはり科研費の総額を増額しなければ
ならなくなります。「国は、フェローシップの充実」とありますが、国だけでなく⺠間、産業界からのさまざまなフェローシップの拡充も期待したいところです。
455
第4章
研究者
男
55
⼀番⽬のご指摘については、国の施策以外ももちろ
ん重要であると考えています。⼆番⽬のご指摘につい
ては、第4章(1)②ⅱ)を「国際的な研究ネット
p25 ii)グローバル⼈材の育成と外国⼈研究者の受⼊れ促進
ワーク構築の強化」として、記述内容を充実・修正い
ここに外国留学のための奨学⾦の充実の記載がありません。加えていただきたい。
たしました。三番⽬のご指摘について、流動化促進の
意義については、第4章(1)②ⅲ)等に記載し
p25iii)分野、組織、セクター等の壁を越えた流動化の促進
ているところです。ここに追記したように、「若⼿からシ
上述のように、流動化の促進がイノベーションにプラスになるか?は即座に判断できませんが、難しい問題だと思います。この個々の研究者の性格や研究内容
ニアまであらゆる世代の⼈材が適材適所で活躍でき
によってケースバイケースのように思いますので、⼀律に流動化を促進しますと、おかしなことになるのではないかと危惧します。促進する、よりも⾃発的な流動化
る」ことが重要と考えております。
を⽀援する、位の⽅がよいように思います。
p26また、国は、研究とライフイベントの両⽴を図るための⽀援や環境整備を⾏うとともに、ロールモデルやグッドプラクティスを幅広く周知し、情報共有を図る。
この⽂の前半は育児等を意味すると判断しますが、後半の情報共有で実質的に何が進むのでしょう?
456
第4章
研究者
男
55
⼀点⽬のご指摘については、ロールモデルや好事例を
幅広く周知し、共有化を図ることにより、そうした取組
が広がっていくことを考えています。⼆点⽬のご指摘に
p26 学術研究、基礎研究の定義、区別があいまいです。ここでいう学術研究とは「戦略的でない」基礎研究、でしょうか?「戦略的な基礎研究」はもはや基
ついて、研究の種類は、研究の性格(基礎-応⽤
礎研究ではないように思います。
-開発)と研究の契機(学術-戦略-要請)の
⼆つの観点による分類があると考えています。学術研
p26「新たな学際的・分野融合的領域を創出するとともに、幅広い分野でのイノベーション創出の可能性を有しており」これは順序が逆であると思います。
究とは、「個々の研究者の内在的動機」に基づく「基
礎研究以外の応⽤研究等も含む研究」と考えており
p26 内在的動機で⾏なわれる学術研究を挑戦性、総合性、融合性及び国際性の観点、と限られた観点からのみ分類すべきではないと思います。
ます。戦略的な基礎研究とは、「政府の政策的な戦
略」に基づく「基礎研究」であると考えております。三
p26 研究者が新たな課題を積極的に探索し、挑戦することを可能とする⽀援を強化する。
点⽬のご指摘については、原案の⽅がつながりが良い
研究者は常に新しいことに挑戦しているので、ここに特記する理由がよくわかりません。この⽂章が、へんてこりんな研究費の創設につながるのであれば、ここに記
と考えます。残る⼆点のご指摘について、本⽂記載
載しない⽅がよいと考えます。
事項はいずれも科研費改⾰における重要な点である
と考えています。
85
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
457
章
第3章
職業
研究者
性別 年齢
男
63
ご意⾒
回答
「超スマート社会」で新しい価値・サービスを創出することと、エネルギー・交通インフラ等における各種課題を解決し、より優れたシステムを実現することは、⼀
体となって進めるべき⽬標だと思います。インフラの課題解決のためには、物理システムの運⽤・制御とサイバー空間での情報処理との緊密な連携が必須とな
るからです。
特に異種複数のシステムを連携させて⾼付加価値サービスを提供することは、データ収集・分析・活⽤というサイバー空間での技術・基盤だけでは達成するこ
ご意⾒ありがとうございます。ご指摘のような内容は、
とはできません。物理システム間の⾃律的・協調的な⽔平連携の仕組みが不可⽋です。さらに、サイバー空間での物理システムのモデル化・シミュレーション・最
第2章(3)に記載しているところですが、具体的
適化によって、実空間の物理システムとサイバー空間の仮想システムを垂直連携させる技術基盤の確⽴が必要と考えます。
な内容は、今後の参考にさせていただきます。
IoTサービスプラットフォームの構築には、システム構築技術が⽋かせませんが、⽔平・垂直連携する仕組みを持たせた⼤規模で複雑なシステムを設計・構
築・運⽤するためには、参照モデル(アーキテクチャ)を定義することが極めて重要です。参照モデルに基づくシステムを構築することにより、物理システム⾃⾝
の⾼度化を進め、新サービスの創出と同時に耐災害性や⾼セキュリティ、運⽤コストの抜本的な低減などの課題解決につなげ、さらにはインフラ輸出等における
産業競争⼒を強化することができるものと考えます。
p26 国際共同研究等の促進を図る
これも⽀援する、事項であって、促進する事項ではないと思います。必要があれば研究者が内在的動機に基づいて⾏なうと思いますので。
458
459
460
第4章
第4章
第6章
研究者
研究者
その他
男
男
⼥
55
55
56
⼀番⽬のご指摘について、国際共同研究を科研費
を通じて促進するため、原⽂の通りとしています。⼆
番⽬のご指摘について、当該箇所は、「戦略的な基
p27 ii)戦略的な基礎研究の改⾰と強化
この前の記載、全体の⽂章とあわせて、学際的、融合的、分野横断的等の⾔葉が強調されすぎのように思います。最近の新学術領域研究等の創設、従来 礎研究」の改⾰強化の⽅向性を記述する部分であ
の特定領域研究の廃⽌等によって、逆に既存の分野の軽視、が問題になっているように思います。このどこかに「既存の分野」もしくは「伝統的な学術分野」の り、このような記述としています。三番⽬のご指摘につ
いては、⼤学が個々の強みや特性を⽣かしたビジョン
強化、という⽂⾔の挿⼊を希望します。
の実現に向けた⾃⼰改⾰を進めることが重要であると
考えています。そうした趣旨を、第1章、第4章、第
p30このため、国は、⾃⼰改⾰に積極的に取り組む⼤学を重点⽀援することで経営⼒強化を進め、⼤学間競争を活性化する。
スタート時点で条件が同じならばよいのですが、既に⼤学間にいろいろな点で⼤きな差がついています(たとえば東⼤、京⼤、阪⼤とほかの⼤学)。それを⼀ 7章など、全体にわたって記載しているところです。
律に競争をを強化するのはあまりに酷というものです。それを考慮してこの⽂は削除もしくは改訂していただきたい。
p30 特に国際的な厳しい競争環境に対応し得る⼀定の条件を満たしている国⽴⼤学については、これまでの国⽴⼤学法⼈制度の枠組みとは別の仕組み
の中で⽀援・評価を⾏うことを検討し、所要の措置を講ずる。
ここも同様です。頂を⾼くすることも⼤事ですが、今年のノーベル賞受賞からもわかりますように、その他の⼤学の可能性を無くすあるいは低下させるようなもので ご指摘につきましては、今後の検討において、参考に
あってはならないと思います。新しい、これまでに無かったイノベーションをもとめるならば、「選択と集中」ではなく「分散と多様性」に重点をおくべきです。これは研 させていただきます。
究費の配分にも通ずることですが。これを再考願いたい。
第5期科学技術基本計画の答申素案は、第4期に続き経済・社会的課題への対応が重要な基本⽅針として打ち出されており、社会との関わりの中で科学
技術イノベーション政策を位置づけたものとして⾼く評価できる。
他⽅、その「社会との関わり」がどのようになされるかについては不明確な部分も残されている。素案P3にあるように、「これまで、シーズとニーズのマッチングが⼗
分に機能してこなかったこと等により、我が国の科学技術⼒がイノベーションを⽣み出す⼒に⼗分につながっていないという認識を強く持つ必要がある」のであり、
ご意⾒ありがとうございます。第6章(1)② 及び
この「社会のニーズ」を如何に捉えるかが重要である。それにはデータに基づいた科学的な議論が不可⽋であり、それは⼈⽂・社会科学との緊密な連携によって
④に、⼈⽂社会科学及び⾃然科学の連携等に関
初めて可能となるものである。
する記述を追加させていただきました。
第1章(4)基本⽅針の「推進にあたっての重要事項」で「⼈⽂社会科学及び⾃然科学のあらゆる分野の参画を得ながら」と記載されているにもかかわら
ず、それに対応する第6章では、市⺠との対話や科学技術リテラシー、政策形成への科学的助⾔等についての記述にとどまり、「社会のニーズ」をエビデンスに
基づき科学的に指し⽰す役割を果たす⼈⽂・社会科学者との協働/共創が明記されていないのは残念。第6章(1)に、「⼈⽂・社会科学者との連携」と
いった⼀項を設けるべきではないか。
86
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
461
462
463
464
章
第6章
第4章
第4章
第3章
職業
その他
研究者
研究者
研究者
性別 年齢
⼥
男
男
男
37
35
ご意⾒
回答
第5期科学技術基本計画の答申素案は、第4期に続き経済・社会的課題への対応が重要な基本⽅針として打ち出されており、社会との関わりの中で科学
技術イノベーション政策を位置づけたものとして⾼く評価できる。
他⽅、その「社会との関わり」がどのようになされるかについては不明確な部分も残されている。素案P3にあるように、「これまで、シーズとニーズのマッチングが⼗
分に機能してこなかったこと等により、我が国の科学技術⼒がイノベーションを⽣み出す⼒に⼗分につながっていないという認識を強く持つ必要がある」のであり、
ご意⾒ありがとうございます。第6章(1)② 及び
この「社会のニーズ」を如何に捉えるかが重要である。それにはデータに基づいた科学的な議論が不可⽋であり、それは⼈⽂・社会科学との緊密な連携によって
④に、⼈⽂社会科学及び⾃然科学の連携等に関
初めて可能となるものである。
する記述を追加させていただきました。
第1章(4)基本⽅針の「推進にあたっての重要事項」で「⼈⽂社会科学及び⾃然科学のあらゆる分野の参画を得ながら」と記載されているにもかかわら
ず、それに対応する第6章では、市⺠との対話や科学技術リテラシー、政策形成への科学的助⾔等についての記述にとどまり、「社会のニーズ」をエビデンスに
基づき科学的に指し⽰す役割を果たす⼈⽂・社会科学者との協働/共創が明記されていないのは残念。第6章(1)に、「⼈⽂・社会科学者との連携」と
いった⼀項を設けるべきではないか。
初等中等教育に関して、現状よりもさらに⾼いレベルを求めたい。全国共通の指導⽅針は重要であるが、そういった枠からはみ出てしまう、いわゆる「浮きこぼ
れ」児童・⽣徒への対策として⾼度な教育や知への興味の誘導などの積極的な対策を明記して頂きたい。
具体的には、博⼠取得者や研究の最前線に⽴った経験を持つ教師を多数配置し、実践的な研究教育を⾏うことは公⽴⾼校や中学校でも可能と考える。
実際、いくつかの私⽴⾼校では⾼⼤連携の⼀環として⻑期休暇中に⼤学の研究室でインターンを⾏ったり⼤学所属の研究者が⾼校の教壇に⽴ったりするな
どの試みが⾏われている。無論、最低限の質を確保するための教員免許等の制度は尊重すべきであるが、部分的にはそういった規制を緩和して優秀な博⼠
取得者等の⼈材を活⽤することが望ましいと考える。特に、優秀な児童や⽣徒は早い段階から⼤学の研究室などで学べるようにすることが、⾼度な⼈材育成
に有効ではないかと考える。
また、こういった⾼度な初等中等教育のカリキュラムには、英語は当然としてもプレゼンテーションや交渉術など、対⼈技術の設定などを検討して頂きたい。現時
点では主に⼤学院で研究室に所属しながらトレーニングを⾏っているが、遅きに失している。東⼤・京⼤などのトップ校はもとより、地⽅国⽴⼤レベルまでをこの
クラスの⼒を持つ学⽣で満たすことができれば、グローバル⼈材の育成につながるものと考える。
初等中等教育の重要性は第4章(1)①ⅳ)に
記載しているところですが、②ⅲ)の最後に、科学技
術イノベーション⼈材のキャリアパスを多様化し、初等
中等教育等の場でその知⾒や能⼒を活⽤することに
関する記述を追記いたしました。ご意⾒については、
今後の参考にさせていただきます。
73
答申素案を読ませていただきました。”バイオリソース整備”の⽂字がどこにも⾒当たらず、残念⾄極に存じます。“知の基盤強化(p26)第4段落”に「バイオリ
ソース等の」を挿⼊していただけますよう、伏してお願い申し上げます。⽂部科学省の施策として始まったNBRPは第3期終盤を迎え、格段に整備されてまいり
ました。これもひとえに政府によるご⽀援の賜物と厚く感謝申し上げます。バイオリソースには地球上での⽣命誕⽣以来⽣み出されてきた⽣命現象に関する膨
⼤な数の情報が内蔵されています。このリソースは⽣命科学研究をはじめ医療・諸産業の技術開発にも不可⽋で、NBRPの役割は今後さらに重要となりま
第4章(2)② ii)に「⽣物遺伝資源等の知的
す。多くの研究機関が参画する国家プロジェクトは世界を⾒回しても⽇本を含め僅かしかございません。最近、遺伝⼦組換え技術は⽣命科学研究や医薬品
基盤の整備」について記述させていただきました。
等の⽣産に盛んに⽤いられています。時代の変遷に伴いやがて合成⽣物学が台頭し、⾼品質のバイオリソースの価値は⼀段と⾼まります。DNA・タンパク質
等を⼈為的に設計して詳細な⽣命現象を解明できるようになり、⼈⼯的にデザインされた⽣体システムは⾼度な産業の創設につながるでしょう。NBRPのバイ
オリソースが失われますと復元はもはや不可能です。バイオリソースは⽇本経済を牽引することは間違いございません。NBRP発展のために、引き続き政府のご
⽀援を賜りますようお願い申し上げます。
75
(1)2,i)世界最先端の医療技術・・・の項のうち、第2パラグラフ、・・・を着実にに推進する。の部分について、さらに、科学技術基本法第12条第2項に
あるような「研究開発の⽀援機能の充実に関する部分、特に実験医学に関する研究材料の円滑な供給に配慮する旨の記載が望ましい。近年、動物実験
に強い規制を加えることを⽬的とする政治運動が激しく、実験的研究の阻害要因の1つとなっている。動物愛護のための動愛法はそnの41条に科学的⽬的
による動物利⽤については除外する旨の規定を持ち、動物実験は動物実験基本指針、および学術会議ガイドラインに基づき研究機関により⾃律的に管理さ
れている。この仕組みは⽶国にシステムに準じるものであるが、⽶国では健康科学拡⼤法により裏打ちされているが、⽇本では政令に基づいており法的背景が
脆弱であると指摘されており、この意味で、科学技術基本計画を通じて、⽣命科学研究振興の主旨での法的裏付けが⾏われる⽅向性が⽰されることが望ま
しいと考える。
87
動物実験に関しては、動物愛護管理法により、3R
の原則(苦痛の軽減等)に配慮するよう努めること
が定められ、同法に基づく「実験動物の飼養及び保
管並びに苦痛の軽減に関する基準」や関係各省によ
る指針が策定されているところです。
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
465
466
467
468
章
第6章
全般
全般
第5章
職業
その他
その他
研究者
公務員
性別 年齢
⼥
⼥
男
男
ご意⾒
回答
42
第5期科学技術基本計画の答申素案は、第4期に続き経済・社会的課題への対応が重要な基本⽅針として打ち出されており、社会との関わりの中で科学
技術イノベーション政策を位置づけたものとして⾼く評価できる。
他⽅、その「社会との関わり」がどのようになされるかについては不明確な部分も残されている。素案P3にあるように、「これまで、シーズとニーズのマッチングが⼗
分に機能してこなかったこと等により、我が国の科学技術⼒がイノベーションを⽣み出す⼒に⼗分につながっていないという認識を強く持つ必要がある」のであり、
ご意⾒ありがとうございます。第6章(1)②及び
この「社会のニーズ」を如何に捉えるかが重要である。それにはデータに基づいた科学的な議論が不可⽋であり、それは⼈⽂・社会科学との緊密な連携によって
④に、⼈⽂社会科学及び⾃然科学の連携等に関
初めて可能となるものである。
する記述を追加させていただきました。
第1章(4)基本⽅針の「推進にあたっての重要事項」で「⼈⽂社会科学及び⾃然科学のあらゆる分野の参画を得ながら」と記載されているにもかかわら
ず、それに対応する第6章では、市⺠との対話や科学技術リテラシー、政策形成への科学的助⾔等についての記述にとどまり、「社会のニーズ」をエビデンスに
基づき科学的に指し⽰す役割を果たす⼈⽂・社会科学者との協働/共創が明記されていないのは残念。第6章(1)に、「⼈⽂・社会科学者との連携」と
いった⼀項を設けるべきではないか。
47
先⾏きの⾒通しが⽴ちにくい⼤変⾰時代において、
持続的な発展を遂げていくためには、国として、いか
私は⼤学の実験室で⽇々働いている者です。研究者の⽅々と⽇常的に顔を合わせている中で感じているのは、国から⼤学への予算配分が激減し、「(すぐ
なる状況変化や新しい課題に直⾯しても、柔軟かつ
には)お⾦にならない研究」がどんどん切り捨てられていることへの危機感です。このままでは将来役に⽴つことになるかもしれない基礎研究の芽が出なくなってし
的確に対応できる基盤的な⼒を備えておく必要があ
まいます。研究者の皆さんがお⾦のことばかり杞憂しないで研究を⾏えるようになりますことを強く望みます。
ることから、基本計画の4本柱の⼀つとして、第4章
「科学技術イノベーションの基盤的な⼒の強化」を掲
げているところです。
55
第1章(4)基本⽅針にも記載しているように、本
計画では、先⾒性、戦略性、多様性、柔軟性を重
視しています。また、第4章(2)に、「なお、こうし
全体を通じて、(1)融合、流動化、競争等、に重きがおかれすぎているように思います。これまでのノーベル賞等の成果からわかるようなこれまでの⽇本のシ
た取組の実施に当たっては、研究者が腰を据えて研
ステムの良い⾯への温故知新、分散、多様性、ひとつのこと(課題)に集中できる環境作り、等をもう少し考慮されてはいかがでしょう?⼭中先⽣のノーベル
究に取り組める環境を整備することや、・・・⻑期的な
賞受賞時には「研究がうまくいかなかったらクリニックでもやっていた」という発⾔がありました。新しいことにチャレンジするには、⽣活までをかけられない、ということを
観点で成果の創出を⾒守ることが重要であることにも
ご承知下さい。(2)成果の評価システムの改⾰、健全化、公正化に関する記述が少ないように思います。これまで巨額の研究資⾦が、それに⾒合った成
留意する。」と追記いたしました。研究資⾦の評価シ
果をあげてきたか?についての評価が不⼗分であったように思います。研究資⾦の有効活⽤のためにも評価システムの改⾰をもりこんでいただきたい。それに
ステムの改⾰については、第4章(3)②の「公募
は、その配分を決定した審査⽅法や審査内容の適切さの評価も同時に含まれます。
型資⾦の改⾰」において、「国は、競争的資⾦につい
て、研究⼒及び研究成果の最⼤化、⼀層効果的・
効率的な資⾦の活⽤を⽬指す」と記載しているよう
に、持続的に取組を進めていきます。
54
筑波研究学園都市では,次世代がん治療,⽣活⽀援ロボット,藻類バイオマス,世界的ナノテクノロジー拠点(TIA-nano)等の先進科学技術の産業
化や世界的拠点化に官⺠⼀体で取り組む「つくば国際戦略総合特区」や,オールつくばで低炭素社会づくりに挑戦する「環境モデル都市つくば」,ロボットの
実⽤化の促進や⼈材育成,ロボットを活⽤したまちづくり等で着実に成果を挙げているところです。さらに,世界的知名度を背景として,本年10⽉には世界
の主要な科学技術都市における研究機関,⼤学,企業等の幹部が⼀堂に会する「ハイレベルフォーラム」を成功裏に終えるとともに,来年5⽉には「G7
筑波研究学園都市に関して、第5章(1)③に
茨城・つくば科学技術⼤⾂会合」の開催が予定されるなど,国内外の関⼼が集まっております。⼀⽅,「第5期科学技術基本計画」答申素案においては,
追記させていただきました。
これまでの科学技術基本計画に記述されていた「筑波研究学園都市の機能強化」に係る内容がありません。つきましては,「第5章 イノベーション創出に向
けた⼈材,知,資⾦の好循環システムの構築」に以下の内容を盛り込んでいただきたい。「すでに優れた⼤学・研究機関等が集積する筑波研究学園都市
等においては,イノベーション・エコシステムを確⽴するとともに,周辺の研究機関等との広域的な連携を構築することにより,国際的なイノベーション創出拠
点としての機能を抜本的に強化する。」
88
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
469
470
章
第4章
第4章
職業
研究者
研究者
性別 年齢
男
男
56
37
471
第6章
研究者
⼥
39
472
第6章
研究者
⼥
42
473
474
第4章
第6章
研究者
研究者
男
男
47
44
ご意⾒
回答
現在、理学系の⼤学院博⼠後期課程に進学する優秀な学⽣が減少している。⼤学院教育教育を⾏なう⽴場にいる者から⾒ると、⼤学教員や研究者が魅
⼒的に⾒えないことが、最⼤の理由であると思われる。優秀な学⽣は修⼠課程修了後に就職する場合も多く、その結果、博⼠後期課程全体のレベルが下
ご指摘の点については、第4章(1)①ⅰ)等に
がっているように感じられる。まずは、「優秀な」学⽣が博⼠の学位を⽬指すような仕組みが必要である。企業においても、博⼠の学位があることで仕事の内
記載しているところです。今後の参考にさせていただき
容、給与等で優遇されるなど、⽅策が必要である。企業と⼤学でミスマッチがあり、解消する必要があることが書かれているが(23ページ)、企業のみなら
ず、⼤学教員、公的研究機関の研究員が魅⼒的でないと本当に優秀な学⽣が博⼠の取得を⽬指さなくなる。また、このことは、⾼等教育機関である⼤学そ ます。
のものの教育研究⼒の低下に繋がり、我が国の将来に⼤きな影響を及ぼすものと考える。是⾮、御検討をお願いしたい。
(1)1-i について、⽇本では、下の⽅ばかり競争させられて、上の⽅で吹き溜まっている。(1)2-iiとも関連するが、⽇本の教授陣に殆ど外国⼈PIが⾒られな
い。留学⽣にお⾦をばら撒いて来てもらうというような国際化政策は⽌めて、欧⽶の⼤学に倣って3割以上を外国⼈PIに割り当て、PI間の競争を活発化し、
⼤学の魅⼒を⾼めることで留学⽣を惹きつけるという施策に転換する。留学⽣に対する財政⽀援は国が直接⾏うのではなく、チャリティーなどの⺠間の財団を
通じて⾏う。そのために寄付に対して、税⾦を控除するなどの施策を欧⽶並みに拡充する(ふるさと納税などの成功例を参考にする)。これは患者団体による
ファンディング・エージェンシーの創設を即すことにもつながり、研究者がより市⺠の⽅に顔を向けるようになり「ふわっとした空気」の醸成にも失する。また、国際化
のための国費は海外に留学する⽇本⼈学⽣のために使う。PIの業績評価には学⽣による評価の視点を持たせる。⽇本の⼤学院に欧⽶の学⽣が寄り付かな
い原因は、⾔語の問題よりも閉鎖的な徒弟制度にある。⾃由な環境で育ったものは、より不⾃由な環境の下で⽣育することはできない。博⼠学位の標準修
業年限内での取得率や、退学者の数などを各研究室ごとに公表する。これは国費の投⼊に加え、授業料を得ているものとして当然の責務(株式会社に情
報公開が求められるのと同じ理屈である)。
第5期科学技術基本計画の答申素案の基本⽅針において重要事項として「科学技術イノベーション活動を推進する上で、⼈⽂社会科学及び⾃然科学の
あらゆる分野の参画を得ながら、社会の多様なステークホルダーとの協働に取り組んでいく」と記載されているが、第6章にはその点が明確に⽰されていない。
「社会のニーズ」をエビデンスに基づいて科学的に指し⽰す役割を果たす⼈⽂・社会科学者との協働/共創が必要不可⽋であり、第6章に盛り込むべきであ
る。
社会のニーズをエビデンスに基づき科学的に指し⽰す役割を果たす⼈⽂・社会科学者との協働/共創が必要であると思います。
ご指摘のような内容の⽅向性は、第4章(1)①
ⅰ)や②ⅱ)、第7章(1)等に記載しているとこ
ろですが、全体的に記述の整理・充実を⾏いました。
具体的なご提案については、今後の参考にさせてい
ただきます。
第6章(1)② 及び④に、⼈⽂社会科学及び⾃
然科学の連携等に関する記述を追加させていただき
ました。
第1章(4)や第6章(1)②及び④に⼈⽂社
会科学に関する記述を追加させていただきました。
p. 26の「(2) 知の基盤の強化」の第4段落において、「知的基盤の整備・共⽤」とありますが、ここを具体的内容を⽰す表現を含めて、「バイオリソース等
の知的基盤の整備・共⽤」としていただきたいと思います。現在、国⽴⼤学等において進められているナショナルバイオリソースプロジェクトは、個々の⼤学では維
持し難い多様な研究資源の共有化を担うハブとして、また異分野をも跨ぐ⼈材交流のハブとして極めて重要な役割を果たしています。特に地⽅⼤学にとって、
地域貢献の役割を果たしつつ、且つ教育研究において⼀定の質を維持するにあたって、バイオリソースは質の⾼い教育研究資源の供給元として、またその利 第4章(2)② ii)に「⽣物遺伝資源等の知的
⽤により⽣じた研究成果を中核的研究拠点に還元するための窓⼝として、⽂字通りの命綱です。万が⼀、このようなバイオリソースが衰退してしまうと、中核的 基盤の整備」について記述させていただきました。
研究拠点と裾野の教育研究機関との完全な分断が起きてしまいます。
このようなことを防ぎ、科学技術イノベーションの基盤的な⼒の強化を進めるためにも、「知的基盤の整備・共⽤」の具体的内容として、バイオリソースに触れ
ていただくことを希望いたします。
第6章では「共創的科学技術イノベーションの推進」のため、「ステークホルダーによる対話・協働」の必要性を訴えている。この基本路線には賛同でき、ステーク
ホルダーの中でも国⺠の必要性・利益が強く反映されることが望ましいと考える。
社会にとって必要・利益となるものについて国⺠が判断し意⾒を形成するためには、前提として、集計的な社会ニーズを知っておく必要があるのではないか。集
ご意⾒ありがとうございます。第6章(1)② 及び
計的な社会ニーズとは、⼈⽂・社会科学者によってエビデンスに基づき科学的に⽰されたものである。集計的な社会ニーズを前提に、国⺠が意⾒形成をおこな
④に、⼈⽂社会科学及び⾃然科学の連携等に関
えるからこそ、「ステークホルダーによる対話・協働」が活きてくると考えられる。
する記述を追加させていただきました。
6ページに「科学技術イノベーション活動を推進する上で、⼈⽂社会科学及び⾃然科学のあらゆる分野の参画を得ながら、社会の多様なステークホルダーと
の協働に取り組んでいく」(第1章(4))とあるが、これと対応する形で、第6章に、⼈⽂・社会学者との協働・共創の必要性を追加することを提案する。
89
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
475
476
477
478
479
章
全般
全般
第4章
第2章
第4章
職業
団体職員
研究者
研究者
会社員
研究者
性別 年齢
男
男
男
男
男
ご意⾒
回答
50
第4章(3)①に「基盤的経費について、…確実
法⼈化以降、国⽴⼤学においては基盤的な経費(運営費交付⾦)が削減され続ける中で、⼤学の役割を果たすべく削減⽅策・増収⽅策の努⼒を⾏って な措置を⾏う」と記載いたしました。また、第7章
きていますが、⼤学を取り巻く環境は厳しさを増しており、もはや現状の制度の枠組みの中においてでは脆弱化している状況である。よって、規制緩和等の積 (1)において、「国⽴⼤学を含む⼤学が、計画的
極的な改⾰などを早急に実現していただき、⼤学の役割が果たせるように、基盤的経費の充実を望みます。
かつ効率的な財政運営を⾏えるよう制度の⾒直しの
検討を⾏い、必要な措置を講ずる。」と追記いたしま
した。
57
第⼀に,⼤学及び⼤学院の在り⽅について,抜本的な⾒直しが迫られている.研究・開発という知の創造の役割と,将来の社会を担う⼈材の育成とは,
過去においては調和的関係にあったかもしれないが,現在においては,国際的共同研究を始め⼈的,資⾦的,設備的にその規模が急拡⼤しており,研
究と教育の双⽅を同時にこなすべきこととするのは,双⽅の機能を⼤学が果たせなくなるリスクを急拡⼤させている.⼤学・⼤学院における研究教員と教育教
員を重なりを持たせつつ区別する必要があるように思われる.この両使命の関係性の再検討が迫られている.
第⼆に,科学技術基本計画の基本的⽅向については賛成するとともに,「⽇本および⼈類の科学技術に対する期待と需要」を事実と証拠に基づき科学的
に指し⽰す役割(エビデンス・ベース・ポリシー)を果たすものである⼈⽂・社会科学者と,科学技術者との間の協⼒・共創・共進化が必要であることを強調
したい.科学・技術の発展が,⼈々の幸福と世界平和に結びつくためには,「科学技術のための科学技術」や「科学者・⼯学者のための科学技術」であって
はならず,⼈々と社会のニーズにリスポンシブな⽅向付けのある科学技術の発展でなければならない.そのためには,科学技術と⼈⽂社会科学の間の共進
化がエビデンス・ベースに進められなければならない.
33
59
33
ご意⾒ありがとうございます。第1章(4)の基本
⽅針に⼈⽂社会科学の重要性に関する記述を追
加させていただきました。なお、ご指摘については、今
後の参考にさせていただきます。
科学技術イノベーションのため、多様な⼈材の確保の重要性を掲げておられますが、多様な⼈材の確保のためには多様な⼈材を雇⽤するための予算的措
置、そして多様な⼈材に研究・教育を継続させるための予算の双⽅が不可⽋です。残念なことに、国⽴⼤学並びに独⽴⾏政法⼈の運営費交付⾦は毎年
1%ずつの削減を受けており、研究室に配分される年間の研究予算は危機的状況にあります。地⽅国⽴⼤学では年間4万円未満の予算という所も実在しま 第4章(3)①に「基盤的経費について、…確実
すが、この予算で⼀体何が研究できるというのでしょうか? ⼈材を確保するだけでは、⼈材を活⽤することにはなりません。多様な⼈材を集めるだけで無く、⾃ な措置を⾏う」と記載いたしました。
由な発想に基づき、多様な研究が出来ることが⼈材⼒の強化のためには重要ですので、ぜひこの視点を答申に盛り込んでいただきますようお願いいたします。
基本計画に超スマート社会を実現する新たな価値創出のコアとなる強みの基盤技術として「素材・ナノテクノロジー」が取り上げられ、円滑な社会実装を⽬
指して産学官協調して研究開発を進めるとしている点に⼤いに賛同します。
特にナノカーボン分野はナノ材料の中でも国内研究開発機関の積極的な⽀援により、様々な産業分野において実⽤化へ向けた連携が進展しつつある領
域であり、強い基盤技術創出を早期に実現するモデルケースになりうるものと期待します。この分野の早期社会実装に向けては、内閣府に各省庁横断のナノ
カーボン(ナノ材料)・デバイスの産学官連携の研究開発から製品化へ向けたアプリケーション開拓を統合して検討するワーキングの設⽴が効果的でありこの
設置を要望いたします。
また、このワーキングにおいては安⼼安全の担保ため、産業界等に対する適切な安全指針・規制の提⽰と認可などの仕組みづくりと安全基準の標準化にお
いて世界をリードする機能も同時に担っていただくことで⽇本における研究開発から社会実装が加速し、世界で使われるナノ材料とそれを利⽤した製品を⽣み
出すことが可能になると考えます。
ご意⾒ありがとうございます。今後、内閣府では、「素
材・ナノテクノロジー」で取り組むべき分野及び具体的
な施策について、府省連携の場で検討してまいりま
す。その際、頂いたご意⾒は参考にさせていただきま
す。
科学技術イノベーションのために⼥性の活躍促進を挙げており、そのために⼥性研究者の割合を増⼤させる、との⽬標を掲げられておりますが、答申作成につ
いて以下の点についてご考慮いただければ幸いです。
・現在のアカデミアは教員の過剰労働により⽀えられている⾯があり、サポートを⾏う職員の数が⼗分ではありません。このことは、多様なライフスタイルと、研究・
教育の仕事の両⽴を著しく困難にしています。直接的な⼥性研究者の⼈員拡⼤だけでなく、サポート⼈員の拡⼤の提⾔もご検討下さい。
・4章前半のテニュアトラック拡⼤と合わせまして、ライフイベントをテニュア審査でも考慮に⼊れることは、「研究とライフイベントの両⽴を図るための⽀援や環境 ご指摘のような取組の⽅向性は、第4章(1)②
ⅰ)等に掲げているところですが、具体的なご提案に
整備を⾏う」ことの⼀部とされるべきです。
・残念なことに、⽇本では伝統的に理科学部⾨に於いて、⼥性の学⽣⽐率が低い状況が⻑期にわたり続いております。⼀つの理由として、少なくない⼥⼦学 ついては、今後の参考にさせていただきます。
⽣が⼤学院前期後期課程への進学を資⾦的な(=親族からの資⾦的⽀援が得られない)理由から断念するケースを⾒聞きしております。答申素案にある
ような興味関⼼の惹起は必要な施策の⼀つですが、もう⼀つの⾯として学⽣全般に対する給付型奨学⾦の整備を⾏い、裾野の⼈⼝を広げる施策も必要で
すので、答申におかれましてはご考慮のほどお願いいたします。
90
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
480
481
章
第4章
第7章
職業
研究者
研究者
性別 年齢
男
男
ご意⾒
回答
67
⼤学の基盤的経費・裁量的経費が年々減少していく中で、⼤学の基礎研究⼒が相対的に低下しており、この為の施策として全ての競争的資⾦において、
原則30%の間接経費の措置や府省統⼀ルールの徹底が提案されている。この事⾃体は⼀般的には歓迎すべき提案ですが、間接経費の確保が直接経費
の減額や、配分機関数の減少等に繋がる可能性が懸念されます。
⼀⽅、現在の競争的資⾦の現⾏制度では、全国⼀律の部差別級型のルールでの競争となっており、競争的基盤が優位な⼤学が益々資⾦を集め競争⼒
を⾼める仕組みです。この形態のままで、全ての競争的資⾦で間接経費が導⼊されるとすれば、益々競争的基盤の優位な⼤学が有利な状況が創出されま
す。今回の基本計画の狙いがそこにあるとすれば、それは間違った⽅向性の選択と⾔えます。RU11等の体⼒のある⼤学とそれ以外の⼤学との資⾦⾯での
差別化が拡⼤する事が懸念されます。
欧⽶の⼤学では、⽇本ほどの研究資⾦の⼤学間での偏在化の傾向は少なく、⽇本での偏在化は異常である事が指摘されています。この原因の⼀つは、⼤
学の個性・特性を無視した競争ルールが関連していると考えられます。科学研究費を含めて、競争的資⾦の在り⽅を再考する必要を感じます。研究の裾野
の広がりを確保する事が、国全体の健全な研究⼒の醸成を⽣むと考えます。研究資⾦の過度の集中は、多くの無駄な研究資⾦の利⽤を⽣じると懸念しま
す。
第4章(3)②において、「国は、競争的資⾦につ
いて、研究⼒及び研究成果の最⼤化、⼀層効果
的・効率的な資⾦の活⽤を⽬指す」としているところ
です。ご指摘の点については、今後の参考にさせてい
ただきます。
33
国⽴⼤学法⼈ならびに国⽴研究開発法⼈の機能強化につきまして、以下の点について、答申に盛り込んでいただけるかご検討下さい。先⽇、⼀部の国⽴研
究開発法⼈に於いて、会計検査院から研究⽤試薬(⼈⼯合成DNA)の⽀払いが「預け⾦」と指摘された問題がありました。⼈⼯合成DNAを初めとするい
くつかの試薬については、試薬発注のスピードが極めて重要であり、「研究者を効率良く使う」という観点からは可能な限り発注に使う時間を短縮すべきであり
ます。
・研究活動の効率化のために、このような実態に即さないいくつかの会計制度を、効率良く実施できるよう調整するよう、答申にてご配慮お願いいたします。こ
れは省庁横断的な調整が必要な案件でありますので、是⾮とも内閣府からのリーダーシップにより実現していただきたい施策の⼀つです。
・また、極端な経費削減のために、費⽤対効果が考慮されない⾮効率な慣習が、特に国⽴研究開発法⼈で散⾒されます。過去に所属した⽇本原⼦⼒研
究開発機構では、900円の試薬を購⼊するために、業者に相⾒積もりを研究者が取る状況であり、100円を節約するために研究者の30分が使われる状況
でありました。「研究者を効率良く使う」観点から、効率化への提⾔を答申にてご配慮願えればと思います。
⼤学については、第7章(1)において、「国⽴⼤
学を含む⼤学が、計画的かつ効率的な財政運営を
⾏えるよう制度の⾒直しの検討を⾏い、必要な措置
を講ずる。」と追記いたしました。国⽴研究開発法⼈
については、第7章(2)において、「国は、法⼈の
競争⼒向上に資するよう、研究開発に係る調達等、
運⽤事項の改善に努めるとともに・・・進める。」と記
載しているところです。
482
第6章
研究者
男
45
483
第4章
研究者
⼥
45
484
第6章
研究者
男
39
「第1章 基本的考え⽅」の「(2)科学技術基本計画の20 年間の実績と課題」P3に書かれている「これまで、シーズとニーズのマッチングが⼗分に機能してこな
かったこと等により、我が国の科学技術⼒がイノベーションを⽣み出す⼒に⼗分につながっていないという認識を強く持つ必要がある」という認識の下で、この「社
会のニーズ」を捉えるには、データに基づいた科学的な議論が不可⽋であると考えます。
ご意⾒ありがとうございます。第6章(1)② 及び
そのためには、第1章(4)基本⽅針の「推進にあたっての重要事項」に書かれているように「⼈⽂社会科学及び⾃然科学のあらゆる分野の参画を得ながら」
④に、⼈⽂社会科学及び⾃然科学の連携等に関
進める必要があると考えます。
する記述を追加させていただきました。
したがって、「第6章 科学技術イノベーションと社会との関係深化」にも、「「社会のニーズ」をエビデンスに基づき科学的に指し⽰す役割を果たす⼈⽂社会科
学の研究者と、⾃然科学の研究者が協働、「共創」する必要性」について記載すべきと考えます。
⼥性研究者の数値⽬標に関しては、達成するまでは残すべきである。
⼥性研究者の数値⽬標について、第4章(1)②
i)に記載させていただきました。
科学技術イノベーションを推進し、活⽤するためには「社会のニーズ」を明らかにする必要があると考えます。そのためにはそのニーズをエビデンスに基づき科学的
に指し⽰す役割を果たす⼈⽂・社会科学者との協働・共創が重要です。アメリカのイノベーション振興政策の⼀つである「21st-century Grand
Challenges」の達成のために、アメリカの122の⼤学の⼯学部⻑が⼯学教育において社会科学的な勉強も必要と声明を出しています(今年3⽉)。わが
国でも「⼈⽂・社会科学者との協働・共創」をより明⽰的に謳うべきと考えます。
91
第1章(4)や第6章(1)②及び④に⼈⽂社
会科学に関する記述を追加させていただきました。
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
485
486
487
章
第6章
第4章
第4章
職業
学⽣
研究者
研究者
性別 年齢
男
男
⼥
24
53
54
ご意⾒
回答
第5期科学技術基本計画の答申素案は、社会の変化に伴って科学技術のあり⽅も変化するという点を意識した基本⽅針を打ち出しており、現代の科学技
術イノベーションの課題をあらわしたものとして評価できる。
ただし、社会と科学技術の関係についての⾔及は具体性に⽋ける側⾯がある。素案では、イノベーションにあたって社会のニーズを捉えることの重要性を説いて
いるが、そのためには理論的、歴史的観点を踏まえ、データに基づいた社会のニーズの把握に努める必要がある。これは、⼈⽂・社会科学の各分野と連携した
ご意⾒ありがとうございます。第6章(1)② 及び
現状分析なしには実現できない。科学技術専⾨家と⼈⽂・社会科学専⾨家の間では上述の課題に関する共通認識のすり合わせが不完全な⽔準でしかな
④に、⼈⽂社会科学及び⾃然科学の連携等に関
されてこなかったことに起因していると⾔える。
する記述を追加させていただきました。
それゆえに、第1章(4)基本⽅針の「推進にあたっての重要事項」で「⼈⽂社会科学及び⾃然科学のあらゆる分野の参画を得ながら」と記載されていること
は⼤いに歓迎する点である。しかし、第6章では、市⺠との対話や科学技術リテラシー、政策形成への科学的助⾔等の⾔及にとどまり、「社会のニーズ」をエビ
デンスに基づき科学的に指し⽰す⼈⽂・社会科学者との協働や共創の実現が明記されていない。第6章(1)に、「⼈⽂・社会科学者との連携」に関する
⼀項を設け、多様な研究者に対し、科学技術と社会のニーズの分析への、より積極的な参加を促す意義は⼤きいのではないか。
第4章 科学技術イノベーションの基盤的な⼒の強化
(1)⼈材⼒の強化:
科学技術イノベーションを担うのは「⼈」であり、⼈材の質の向上と能⼒発揮がいっそう重要になってきているとしているにもかかわらず、若⼿が博⼠⼈材になる
ことを躊躇する⽤になってきており、科学技術イノベーション⼒を持続的に確保する上で深刻な問題であることは、間違いのない事実である。
しかし、その⼈材を育成するための社会制度が整っていないのが問題である。多様な職種のキャリアパスの確⽴、⼈材の流動化などの施策を打ち出している
が産学官の場所において、特に産業界において博⼠⼈材の活躍する場所が少ないのが現状である。この認識は、科学技術イノベーションを進めるにあたっては
⼤きな問題である。
また、⼤学及び公的研究機関等が⼈材育成及び雇⽤に責任を持つことが重要であるとしているが、キャリアパスの多様性を謳うのであれば⼈材育成、雇⽤
の責任を産学官で連携して負うことが必要である。
①
iv) 初等中等教育段階からの⼈材育成と裾野の拡⼤
次世代の科学技術イノベーションを担う⼈材育成と理数好きの児童⽣徒の裾野の拡⼤を図ることが重要であるとしているが、どのように理数好きの児童⽣徒
を多くしていくかについての具体的な施策を⽰すことが必要である。
前半のご指摘の⽅向性については、第4章(1)
①全体を通じて記載しているところです。また、後半
のご指摘については、①ⅳ)の内容を修正・充実い
たしました。
ご指摘の点については、今後の参考にさせていただき
ます。なお、間接経費については、第4章(3)②
企業から⼤学へ出向した研究者として申し上げます。
において、「全ての競争的資⾦において間接経費の
⼤学の産学官連携を拡⼤し、企業や⼤学双⽅にとって実りある成果を得るためには、研究スペースや設備の充実に加えて、企業のニーズと研究者の⽴場の
原則30%措置」「競争的資⾦以外の研究資⾦に
仲⽴ちし、発⾔⼒を持った⼈材の確保が⼤変重要であると感じています。基盤的な経費(運営費交付⾦)が削減され続ける中、これらの活動を維持拡⼤
ついて間接経費の導⼊の検討と必要な措置」につい
し続けることは不可能であります。その為には直接経費では賄えない間接経費の拡充が重要だと考えています。
て⾔及しているところです。また、第5章(1)①
また、企業の側も商品開発のような短期的・単発的な産学連携にとどまるのではなく、⻑期的に共同研究に取り組むことができるよう、税制上の優遇措置など
に、企業から提供される資⾦の間接経費の在り⽅に
の施策とセットで産学官連携を推進して頂きたいと思います。
関連する内容を、第7章から移動して記述させてい
ただきました。
92
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
488
章
第4章
職業
研究者
性別 年齢
男
53
ご意⾒
回答
第4章 科学技術イノベーションの基盤的な⼒の強化
(1)⼈材⼒の強化:
②
i) ⼥性の活躍促進
まず、⼥性研究者の活躍できる場としての、社会的基盤を整備することが必要である。
単に⼥性研究者の採⽤割合を増やすだけでは⼥性研究者の活躍する社会とはならない。
また、理⼯系分野で⼥性が活躍するためには、やはり初等中等教育段階からの教育課程において理数好きの⼈材の拡⼤が必須である。
iii) 分野、組織、セクター等の壁を越えた流動化の促進
伝統的に⻑期雇⽤によって⼈材を育成・確保する考え⽅が基本となってきており、多くの社会システムもその考え⽅に基づいて整備されていることと述べてい
る。この社会システムの上で科学技術イノベーションを推進していく上で⼈材の流動化進めるには、まず、⻑期雇⽤制度に匹敵する⼈材育成制度があるとする
ならば、その制度を具体的に⽰すことが必要である。
また、あらゆる世代の⼈材が適材適所で活躍できる仕組みの構築のためには、産学官の社会全体として受け⽫となることが必要である。
第4章 科学技術イノベーションの基盤的な⼒の強化
(2)知の基盤の強化
②研究開発活動を⽀える共通基盤技術、施設・設備、情報基盤の戦略的強化
共通基盤技術、施設・設備、情報基盤の戦略的強化のためには、我が国の共通基盤を⽀える⼈材を育成・確保することが絶対的に必要である。
研究⽀援者で研究施設・研究設備・実験装置等の管理・運営、保守・点検を⾏うノウハウを持った⼈材を育成していくことが更なる科学技術イノベーション
を推進の上で必須である。
489
第4章
研究者
男
53
(3)資⾦改⾰を通じた科学技術イノベーションの推進
基盤的経費とこう公募資⾦の双⽅について改⾰を進めるとともに、特に国⽴⼤学の組織改⾰を推進し、研究成果の最⼤化や組織の機能強化を図ること
が⽰されているが、研究成果を評価するシステムの問題もあると考える。
また、⼤学や研究開発法⼈が改⾰を⾏うにあたっては、対費⽤効果ではない研究成果の評価⽅法の確⽴、科学技術貢献の⻑期的な視点が必要であ
る。
490
第2章
公務員
男
67
第4章(1)に⼥性研究者の活躍できる場として
の環境整備についての記述を充実させていただきまし
た。また、中⾼⽣段階からの取組の必要性について
記載しております。後段のご意⾒につきましては、第
4章、第5章中に取組の⽅向性を幾つか記述して
いるところです。
第4章(1)① ii)において技術⽀援者の重要
性を掲げているところですが、「研究施設・設備等を
⽀える技術⽀援者」と追記させていただきました。な
お、第4章(3)②において、「国は、競争的資⾦
について、研究⼒及び研究成果の最⼤化、⼀層効
果的・効率的な資⾦の活⽤を⽬指す」としており、ま
た、第7章(4)を⼤幅に修正し、「政策効果を評
価・分析するためのデータ及び情報の体系的整備、
指標及びツールの開発等を推進する。」等の追記を
⾏っています。
冒頭のご指摘については、再⽣可能エネルギーの最
⼤限の利⽤及び徹底した省エネ、ベースロード電源
に位置づけられている原⼦⼒発電の安全性の確保
を⼤前提とした利⽤等により、エネルギーの安定的な
「将来のエネルギー需給構造を⾒据えた最適なエネルギーミックスに向け、エネルギーの安定的な確保と効率的な利⽤を図る必要がある」としているのは原発 確保と効率的な利⽤を可能とすべく、現⾏技術の⾼
回帰でありとても認められない。
度化と先進技術の導⼊の推進を図ってまいります。
また、同章の「⾷料の安定的な確保」でTPPへの対応で農林⽔産業の⽣産性の向上を主張しているが、お⾨違いも甚だしい。労働についても現在政府の 「⾷料の安定的な確保」については、世界的規模で
派遣労働法改悪をはじめとする労働法改悪をやめさせるのが先決。⼀応労働環境にも配慮していますかの表現は⾒苦しい。
の⾷料供給リスクが顕在化しつつある状況の下で、
安全保障環境が厳しさを増しているのではなく、問題は⽇本社会がこれほど不安を募らせ希望を失わせているのかをきちんと分析して科学技術基本計画を作 ⾷料の多くを輸⼊に頼っている我が国においては、農
る必要があり、このような答申素案ではますます先が⾒えなくなる。
林⽔産業の⽣産性の向上や関連産業の活性化が
重要な課題であると認識しております。また、労働に
ついては、科学技術の振興に関する事項として、労
働者の安全、快適な職場環境の確保を重要な課
題としてとらえ、第3章にそれらに資する研究を進め
ることを記載しています。
93
「第5期科学技術基本計画」 答申素案へのパブリックコメントに寄せられたご意⾒および回答
No.
491
492
493
章
第4章
第3章
全般
職業
団体職員
その他
研究者
性別 年齢
⼥
⼥
男
56
70
65
ご意⾒
回答
⼥性研究者の能⼒を公平に審査するためには、より明確な情報公開が必要であると思われるが、まだまだ組織は旧態前としている。
しかし、この問題は、⽇本社会が持つ伝統的な社会のあり⽅も影響していると思われるため、⻑い⽬で⼥性研究者⽀援を継続していく必要があると思われ
る。
科学と技術を国家安全保障という、軍事⽬的につながる問題に利⽤するのをやめてください。かっての富国強兵政策の繰り返しに他なりません。
1.過去の4回の科学技術基本計画の評価に関する記述が必要ではないか。(でないと第5次の⽅向性の評価ができない。)
2.政策は市場への介⼊であるが、イノベーションに関する政府による市場介⼊の根拠を⽰すべきではないか。(基本計画は⾮常に多くの⼈が読むものなの
で、介⼊の必要性とねらいを明確に記すべき。)
3.科学技術政策の⼤⽬標とパイプライン(基礎研究段階、開発段階、実⽤化(商業化)段階、産業化(普及)段階毎)の把握と進捗管理につい
ての記述が必要ではないか。(⼤⽬標がないと⽅向性の評価ができず、パイプラインの実態を把握せず予算を投⼊しても成果を⽰せない。なお、「世界で最も
イノベーションに適した国」はキャッチフレーズであって数値化された⽬標になっていない。数値化されていない⽬標は達成できない。)
※個⼈情報に関わる表現については、⼀部削除等させていただきました。
※同⼀⽒名・属性の意⾒者からの同⼀意⾒は省略させていただきました。
94
ご意⾒ありがとうございます。ご指摘の点につきまして
は、今後の参考にさせていただきます。
我が国の安全保障を巡る環境が⼀層厳しさを増して
いる中で、科学技術イノベーションが対応すべき経
済・社会的課題の⼀つとして、国家安全保障上の
諸課題への対応を掲げる必要があると考えています。
⼀番⽬のご指摘については、第1章(2)におい
て、20年間の実績と課題を記述しているところです。
⼆番⽬のご指摘については、基本計画全体にわたっ
て、国が取組を⾏うとする場合には、各章や各節等
において、可能な限りその意義や理由を記載している
ところです。三番⽬のご指摘に対しては、本⽂中に幾
つかの⽬標値を記述させていただきました。
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