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- Hitachi Construction Machinery
日立 建機 グル ープ
CSR報告書
2007
●
●
危険作業の地雷除去を安全に
地雷除去期間も大幅に短縮
地元住民の自立に向けた
地雷除去後の土地利用
農業用水路
従来の作業員の手作業による地雷除去に比
べ、機械による地雷除去ではおよそ 20 倍の速
さで、しかも安全に地雷除去作業が行えます。
また、作業負荷の軽減により作業員がマラリヤ
やデング熱に感染する可能性も低くなります。
農地
世界 5カ国で活躍している対人地雷除去機は油圧ショベルをベース機として利用。油
圧ショベルの持つ優れた作業能力、操作性、
メンテナンス性などを備えています。さらに、
対爆性、潅木・岩などの切削能力などの地雷除去機ならではの特徴を持ち、地雷除
去作業に対応しています。
手作業による地雷除去
「平和な大地」をつくる地雷除去機、
それは日立建機グループ CSR の
シンボルです
学校
子供たちの幸せのために
教室で学ぶ
グラウンドで遊ぶ
日立建機グループは、
「豊かな大地、豊かな街を未来へ…」の
企業理念のもとお客様に建設機械にかかわるサービスを提供
し、お客様が建設機械を使ってインフラ整備するといった形
で快適な生活空間作りに事業を通して貢献しています。この
快適空間作りの大前提が「平和な大地」。平和な大地を安全に
効率良くつくることを目的として開発している地雷除去機、
それは日立建機グループCSRのシンボルです。
2
日立建機グループ CSR 報告書 2007
3
目次
「日立建機グループ CSR 報告書 2007」
発行にあたって
◆ 売上高
会社概要
日立建機グループは2005年4月にCSR(Corporate
����� ■ 輸出売上高(単独) ■ 売上高(単独) (億円) ■ 連結売上高 輸出比率(単独)
�����
�����
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日立建機会社情報
資
本
金 426 億 3,566 万円
(2007 年 3 月 31日現在)
(発行済株式総数 196,095,038 株)
本
社 東京都文京区後楽二丁目 5 番 1号
設
立 1970 年 10 月1日
代
表
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者 代表執行役 執行役社長 木川理二郎
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事 業 目 的 建設機械、運搬機械などの製造、販売、サービス
ホームページ http://www.hitachi-kenki.co.jp
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����(年度)
事
業
���
西日本事業部
(京都府乙訓郡大山崎町)
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10
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日立建機グループと社会との関わり
………………………
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業
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と認識しました。従って、
さまざまなステークホルダー
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霞ヶ浦総合研修所、技術研修センタ
■ 開発・製造関連
���
土浦工場
���
霞ヶ浦工場
���
日立建機グループの概要
会社数
88 社
連結子会社
70 社
・日本
44 社
・米州
5社
・欧州・アフリカ・中近東
・豪州・アジア
・中国
持分法適用会社
・日本
5社
11 社
❸ NPO 法人などを通した国際貢献 ………………………16
ら、その成果が分かる形で本報告書を作成しました。
❹ かすみがうらマラソン兼国際盲人マラソン
かすみがうら大会特別協賛 ……………………………17
���
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本報告書を通じてお客様や株主をはじめ取引先や
�����
社員、さらには地域社会の方々などのさまざまなス
�����
コーポレートガバナンス ……………………………………20
テークホルダーの皆様に日立建機グループへのご理
�����
コンプライアンス・リスクマネジメント …………………21
■ 単独総資産 ■(単独純資産)
(億円)
■ 連結総資産 ■(連結純資産)
一株当たり純資産(円)
�����
������
9社
�����
・豪州・アジア
3社
3社
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�����
(�����)
情報セキュリティ・個人情報保護 …………………………26
2007 年 4 月1日以降のものも含まれます。
�����
情報公開・コミュニケーション ……………………………27
対 象 組 織
�����
従業員満足、雇用、労働安全衛生 …………………………28
日立建機グループ連結対象会社
�����
社会貢献活動 …………………………………………………30
実績データ範囲
�����
(�����)
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�����
(�����)
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(�����)
(�����)
(���)
���
の皆様へ」
などで詳しく情報開示しています。
����
����
����(年度)
���
サステナブルビジネスモデル ………………………………37
���
地球温暖化防止への取組み …………………………………38
������
廃棄物削減への取組み ………………………………………40
���
������
化学物質の管理と削減 ………………………………………41
������
���
���
環境適合設計…………………………………………………42
���
「サステナビリティーリポーティングガイドライン 2002」
環境技術の研究・開発 ………………………………………43
������
Global Reporting Initiative
�
������
������
次回発行予定
2008 年 6 月発行
4
2006 年度の実績と 2007 年度の目標 ………………………34
「環境報告書ガイドライン」
(2003 年度版)
環境省
���
����
環境経営………………………………………………………32
事業活動に伴う投入量・排出量 ……………………………36
������
日立建機の経済性報告については「有価証券報告書」
「株主
������
参考にしたガイドライン
環境保全活動報告
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(���)
(円)
関連レポート
���
�����
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(�����)
���
顧客満足………………………………………………………24
だし、内容によっては 2006 年 3 月 31日以前のもの、
�
[ 環 境 報 告 ] 日立建機株式会社および一部連結子会社
����(年度)
������
�
調達……………………………………………………………23
����
[ 財 務 報 告 ] 日立建機グループ連結対象会社
�����
�����
2社
��
����
日立建機グループの CSR ……………………………………18
製品の品質・安全 ……………………………………………22
◆ 総資産/純資産
18 社
・欧州・アフリカ・中近東
���
����
マネジメント
�����
[ 社会性報告 ] 日立建機株式会社および一部連結子会社
�����
1社
���
���
����
�����
り増やしました。
対 象 期 間
���
���
5社
・米州
・中国
���
���
(2007 年 3 月 31日現在)
�
�
❶ 地雷除去機の開発
………………………………………12
CSR 活動計画を作成して活動を展開してきたことか
2006 年 4 月1日∼ 2007 年 3 月 31日を中心に報告。た
���
�
❷すべてをその場で処理する Hi-OSS
(日立オンサイトスクリーニング&ソリューション) …14
対象範囲
���
技術開発センタ
CSR 活動ハイライト
社会性報告
���
(億円) ■ 単独 ■ 連結
�
������
CSR 報告書発行の 2 回目となる本年は、昨年初めて
解をさらに深めていただきたいと考えています。
����(年度)
������
��
の意見を取り入れて、企業経営をきちんと行えば
CSR
�
◆ 当期純利益
所 121カ所
��
プが企業理念のもと行ってきた経済面、環境面、社会
店 17 カ所
支
営
�
8
中期経営計画 …………………………………………………
������
ことから本年はグループ会社に関する記載をできる限
���
���
�
������
CSR 報告書 2006」の編集を通じて、日立建機グルー
また、昨年はグループ会社に関する記載が少なかった
���
���
�
6
トップメッセージ ……………………………………………
������
を実践できると考えています。
���
���
���
部 東日本事業部
(埼玉県草加市)
�
(億円) ■ 単独 ■ 連結
���
■ 販売・サービス、研修関連
��
◆ 経常利益
���
日立建機事業所
…5
������
������
従 業 員 数 連結 14,272 名 単独 3,311 名
(2007 年 3 月 31日現在、持分法適用会社除く)
�
��
「日立建機グループ
CSR 報告書 2007」
発行にあたって
������
面のさまざまな活動は CSR の実践そのものであった
�����
�������
�������
�������
4
会社概要………………………………………………………
������
動取組み状況調査や昨年度発行の「日立建機グループ
�����
�������
������
発足し CSR 活動を開始しました。日立建機の CSR 活
��
�����
�
��
���
�����
2
「平和な大地」
をつくる地雷除去機 …………………………
������
���
Social Responsibility: 企 業の 社 会的責 任 ) 委 員 会を
�����
�����
Hitachi Construction Machinery Co.,Ltd.
���
������
(%)
���
�����
号 日立建機株式会社
商
���
�
���
���
サイト別環境データ …………………………………………44
���
環境会計………………………………………………………46
�
第三者所感 ……………………………………………………47
日立建機グループ CSR 報告書 2007
5
トップ メッセージ
企業を運営することが
CSRそのものであり、
それは事業を通して
実現していくものです。
今、ブランドイメージで、
「ケンキジン」という言葉
ていくことだと思っています。企業を運営することが
を使っています。
「お客様に対して高品質なソリュー
CSR そのものであり、それは事業を通して実現してい
ションを提供できる存在」=「ケンキジン」なのですが、
くものだと位置づけています。
今後、さらなるグローバル化に取り組む中で、日立建
機グループとは何かを各国の人々にご理解いただくた
ー環境ビジネスの取組みについては ?
めにも、
「ケンキジン」へ至る道を明らかにし、日立建
現在は、産業廃棄物の処理や建屋の解体作業、土壌
機グループの目指す価値をより多くの関係者に共有し
浄化などに取り組んでいます。わが社の環境ビジネス
ていただけるように努めます。
の特色は、
「オンサイト」でのソリューションを目指す
日立建機グループの現状、社会的責任、
ことにあります。
経営姿勢、目指している価値などについて、
ー社員に求めることはどのようなものでしょうか ?
例えば、解体作業の場合、解体したものはどうする
キャッチフレーズでいえば、
「燃える集団」
「明るい
木川理二郎代表執行役社長にインタビューしました。
のか。コンクリートのガラがいっぱい出ます、鉄も出ま
集団」
「約束を守る集団」を目指すということです。ここ
す。それらの廃棄物をその場で使えるように処理でき
で「集団」という言葉を意識して使っています。体育会
たら、外に持ち出す必要がなくなります。これは、CO2
系の乗りですが、
「みんなの力を合わせる」
、そして
「決
排出量削減という点で大きなメリットです。CO2 排出量
めたからには必死にやる」
、それが
「燃える集団」
の意味
を容易に計算できるツールを開発し、データを科学的
です。
「明るい集団」というのは、仕事は楽しくなけれ
に提示できるようにしました。オンサイトで処理でき
ばなりません。それには風通しのいいことが必要です。
れば、これだけのメリットがあるということを徐々に
そして、最後は、やはり、信頼関係。よい信頼関係をつ
お客様にもご理解いただいて誕生したベストソリュー
くるには「約束を守る」ことが大切です。人と人の約束、
ションが、
「Hi-OSS
(ハイオス)
」
です。
会社と会社の約束、人と会社の約束、そういうことを
代表執行役 執行役社長
企業としての基礎体力を強化
ーまず、2004 年∼ 2007 年までの中期経営計画
「創 21」
の成果についてお聞かせください。
なければいけないと思います。ただ、忘れてはならな
きちんと守るということが大事です。
いことは、売上高 1兆円を達成できるのは、これまで
環境にも恵まれたこともありますが、約束した数字
の諸先輩の努力が結実したからです。一朝一夕にでき
ー会社はどのような存在であるべきでしょうか ?
は全部達成できました。これは全員で頑張った結果だ
たわけではありません。例えば中国事業ですが、実は、
ひと言でいえば、
「ベストパートナー」でありたい、
コンプライアンスは風通しの良さ
と思います。とてもうれしく思っています。
1984 年からいろいろなビジネスに取り組んでいます。
すべてのステークホルダーの方々に
「日立建機グループ
ー社長に就任されて以降、特に努力されていることは ?
ただ、一方で、急速に成長した分、手足が伸び切っ
ヨーロッパでも、アメリカでも、いろいろな事業が花開
はベストパートナーだ」と言っていただけるような存在
風通しを良くすることです。私は、コンプライアンス
てしまい、足元を固めなければいけないという感じも
くには、
やはり10 年はかかります。そういうことをやっ
になりたいと考えています。翻ってみると、これは言い
は企業の風通しだと思っています。風通しが良くない
持っています。具体的には、まる一年かけて
「内部統制」
てきた結果としての 1兆円ではないかと思っています。
古された言葉ですが、結局は顧客満足に行き着きます。
と、コンプライアンスは絶対に守れません。実はいま、
の整備に取り組みました。それと「人材教育」にも努め
そして、次の成長は、今私たちが何をやるかによって
お客様にどう満足いただくかということになります。
社員と直接コミュニケーションするため全国の営業所
ています。霞ヶ浦総合研修所をつくりましたが、中身
決まります。
はこれからです。日立建機グループが目指す「価値観の
共有」
、それと海外の技術者と技能者を対象とした「技
術教育」
をしっかりとやっていきたいと思っています。
6
たすためにできる最大のことは、きちんと経営を続け
「ベストパートナー」でありたい
ー 日立建機グループにとっての CSR とは ?
を回っています。また、5 人ずつくらいの社員と
「スモー
グローバルな価値としての「ケンキジン」
ルミーティング」というアフター5 の懇親会もやってい
ー日立建機グループが目指す価値とは
ます。
どのようなものでしょうか ?
また、こうした試みとは別に、法務部が中心になっ
去年も申し上げていますが、企業が社会的責任を果
企業ビジョンのなかで経営姿勢を「お客様第一」
「技
て、この 1年間にコンプライアンス教育を徹底してや
ー売上高 1 兆円達成の見通しは ?
たすことは当然です。しかし、それをことさら CSR とい
術創造」
「人間尊重」の 3 つにまとめています。また、日
りました。内部統制対応、コンプライアンス対応という
今年度の売上高予算が 8,600 億円です。新中期経営
うのには少し抵抗があります。社会的責任を果たすこ
立グループの創業の精神では、
「和」
「誠」
「開拓者精神」
ことでは、全社一丸となって取り組んでいます。
計画
「創 2010」
の最終年である 2010 年まであと 4 年、大
とは、私どもの企業理念であり、ずっと実践してきた
を掲げています。これらの意味するところを一度整理
今後も、こうした取組みを進めるとともに、お客様
きな環境変化がなければ、売上高 1兆円は達成できる
ことです。
「当たり前のことを当たり前にやっていく」
し、これを
「あうんの呼吸」
で伝えることで、私たちが目
へのベストソリューションを提供し続けることにより、
と思っています。むしろ、1年くらい前倒しで実現させ
ということにすぎません。ですから、社会的責任を果
指す価値を明確にしていきたいと考えています。
企業としての社会的責任を全うして行く決意です。
日立建機グループ CSR 報告書 2007
7
中期経営計画
さらなる飛躍に向けて
「創 2010-For The New Stage」
スタート
日立建機グループは、技術創造・需要創造をキーワー
ドに、2007 年度から 2010 年度を最終年度とする新
中期経営計画「創 2010-For The New Stage」をス
タートしました。
この計画をもとに、世界の建設機械総合メーカーとし
て確固たる市場地位を築き、21世紀グローバル企業と
計画の要点
① ハード(製品)
② ソフト(サービス)
③ 地域
油圧ショベルや超大型ショベルなど強い製品をより
お客様のご満足をさらに高めていただくために充実
日本、北米、欧州、アジアなどの在来市場での事業展
強くすると同時に、ホイールローダなど次なる基軸商
のバリューチェーンを一層強化します。
開に加え日立建機が圧倒的に強い BRICs、VISTA などで
品づくりに注力し、競合他社を陵駕する強力な製品群
コンサル
を構築します。
システム
販売
の競争力をさらに強化し市場地位の一層の向上を図っ
ファイナンス
ていきます。
して飛躍していきます。
お客様
コンポ再生
お客様のベストパートナーを目指して!
グローバルでの HITACHI プレゼンス拡大!
● 実力 No.1 を証明
部品
販売・サービス・レンタル・ファイナンスなど建設機
中古車流通
経済成長が著しい中国をはじめ、ロシア、インド、中
サービス
オランダの建設機械専門誌
◆ 新中期経営計画
「創 2010-For The New Stage」基本方針
1. グローバルビッグプレーヤーとして
目指す姿
世界中のお客様に信頼される
('06 年 6 月 Bouw Machines
マガジン社)世界の油圧ショ
ベルの性能比較実施結果
日立建機
世界の
マイニング市場で
圧倒的な支持
建設機械総合メーカーとして
ビッグ 3 の地位を不動に
世界シェア
以上
(190t 以上) 35%
売上高:1 兆円以上
の需要が著しい伸びを示しています。
コンサル
コンポ
再生
部品
サービス
システム
販売
ファイ
ナンス
お客様
保守
サービス
レンタル
的な強さを誇る日立建機にとっては上位の競合メー
を格段に強化していきます。
世界 5 極体制
日本
米州
欧州・アフリカ・中近東
豪州・アジア
中国
中古車
流通
「Hi-OSS」
をグローバルで展開
超大型
ダンプトラック
売上目標
応用した新型機
3.5 倍
EH4500
(190t 積)
・ファイナンス…日立建機リーシングの強化、海外市場
ミニショベル
クレーン
2倍
2倍
売上目標
売上目標
ホイールローダ
フォークリフト
2倍
1.5 倍
売上目標
売上目標
BRICs
B ブラジル
R ロシア
I インド
C 中国
�������
�������
油圧ショベルシェア
中 国
ロシア
インド
見通し
(台)
強い BRICs
より強く!
トップクラス
圧倒的シェア
実績
�������
VISTA
V ベトナム
I インドネシア
S 南部アフリカ
T トルコ
A アルゼンチン
( )内
対2005年比
���
(2.2倍)
新興国
���
���
(1.1倍)
先進国
(在来)
����
����
(当社調べ)
���
�������
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�
でのファイナンスビジネス強化拡充
・レンタル…高品質の総合レンタルショップ化の推進、
拠点網の拡充
・中古車…グローバル流通の促進、ビッド、インター
ネットオークション体制の充実
・保守サービス…先進の e- サービスシステムを世界展
開
(メンテナンス費用の最小化)
・部品サービス…お客様への即納体制強化
(アベイラビ
リティ目標…全世界で 90%以上)
・コンポ再生…エンジン、油圧機器などの再生ビジネ
スを世界展開
8
ビッグビジネスが期待されるロシアやインドで圧倒
カーを追撃する絶好のチャンスととらえ地域事業体制
・システム販売…お客様の CSR 活動に大きく貢献する
高い技術力で次なる基軸製品を!
新幹線技術を
変えよう!
! 変わろう!
! 進化しよう!
!
え、ベストソリューションの提案に努めていきます。
(当社調べ)
経常利益:1,000 億円以上
(経常利益率 10%以上)
近東などといった新興市場においては、近年建設機械
ZAXIS200
● 圧倒的に強い超大型ショベル
EX8000
数値目標
保守
サービス
械 1台ごとの一生の流れを一つのサイクルとしてとら
◆ ベストソリューションを実現する日立建機のバリューチェーン
作業量・燃費効率
第1位
20 社中
2. 業界最高水準の利益体質を実現
市場地位
レンタル
強いものはより強く!
!油圧ショベル、超大型ショベル
国内外生産拠点の能力増強!
油圧ショベル生産量 61,000 台体制確立
(2006 年度̶36,000 台)
茨城県常陸那珂地区に 2 工場
(油圧機器コンポーネン
ト製造工場・超大型機組立工場)
を建設するほか、海外
工場
(オランダ、中国、インドネシアなど)
の生産能力を
大幅に増強します。
また、躍進が見込まれるインドでは、テルココンスト
ラクションエクイップメント Co.,Ltd. において、第三工
場の建設を決定しています。
日立建機グループ CSR 報告書 2007
9
日立建機グループと社会との関わり
今日も世界で
日立建機グループが活躍しています
農業
廃棄物
処理
林業
解体工事
日立建機グループと
ステークホルダーとのつながり
日立建機グループは土木、建築など社会の基盤となるインフラ整備に携わる建設機械・運搬機械の製造販売、
サービス、レンタル、中古機販売、ファイナンスなどの各種サービスをトータルで提供しています。
人間では不可能な大きな力を生み出し、新しい社会を構築していくメーカーとして、地球上のすべての人々が
より快適で、より豊かに暮らせるよう、日立建機グループは今日も、世界で活躍しています。
資源開発
災害復旧
日立建機グループ
製品稼動情報
インターネット
本社
主要連結子会社・持分法適用会社
■ 豪州・アジア
(※持分法適用会社)
調達先
■ 欧州・アフリカ・中近東
部品の改良
❷日立建機フランス S.A.S.
❸日立建機南部アフリカ Co.,Ltd.
部品リユース
製品販売
ファイナンス
レンタル
中古機販売
部品・再生品販売
点検修理
ソリューションの提供
素材リサイクル
解体工場
(外部委託)
日立建機(上海)有限公司
ディア日立コンストラクションマシナリー
Corp. ※
日立建機ホールディング U.S.A.Corp.
日立建機(マレーシア)Sdn.Bhd.
P.T. ヘキシンドアディプルカサ Tbk
日立建機(オーストラリア)Pty Ltd.
ケーブルプライス
(NZ)Ltd.
日立建機グループ
データバンク
株主・
投資家
プレス
リリース
マス
メディア
調達先
日立建機トラックLtd.
❼テルココンストラクションエクイップメントCo.,Ltd. ※
製品改善情報の
フィードバック
IR 情報
素材・部品
の納入
■ 米州
日立建機(中国)有限公司
❾日立建機アジア・パシフィックPte.Ltd.
部品の
リユース
リサイクル
❺ヘビーコンストラクションマシナリーLtd. ※
■ 中国
❻ P.T.日立建機インドネシア
❽日立建機タイランド Co.,Ltd.
供給
❹スカイS.p.A. ※
工場
工場港湾
● 日立建機 本社 ● 製造・販売会社 ● 販売・サービス会社 ● 駐在員事務所
❶日立建機(ヨーロッパ)N.V.
営業・
サービス拠点、
教習所
消防
人命救助
建設工事
日立建機の
グループネットワーク
人工衛星
データ
バンク
土木工事
●
❺
●
営業情報の共有
❶
●
●
❷
●
❹
●
●
営業情報の共有
●
●
製品
●
行事・
活動などに
参加・支援
●
❼
●
地域社会
NPO・NGO
教習
センター
●
●
●
●
●
製品情報の集約
●
サービス
■ 日立建機 本社 ❽
●
■ 製造会社 ■ 販売・サービス会社 ●
製品情報の提供
お客様の声
中古機下取・買取
■ ソフト事業会社
❾
●
■ リース・レンタル会社
❻●
●
中古機の
下取り・買取
日立建機(株)土浦工場・
霞ヶ浦工場
日立建機(株)西日本事業部
株主・
投資家
お客さま
製造会社
(株)
日立建機ティエラ
(株)
日立建機カミーノ
❸
●
安 全第一
●
製品回収
地域社会
●
マス
メディア
廃棄物適正処理
(外部委託)
日立建機(株)本社
日立建機(株)東日本事業部
製品リサイクル
お客様
■ 国内
教習
センター
(株)新潟マテリアル
日立建機ファインテック
(株)
日立住友重機械建機クレーン(株)
多田機工(株)
TCM(株)
ソフト事業会社
日立建機トレーディング(株)
日立建機コメック
(株)
日立建機ロジテック
(株)
日立建機ビジネスフロンティア(株)
(株)
日立建機教習センタ
日立建機リーシング(株)
販売・サービス会社
沖縄日立建機(株)
リース・レンタル会社
(株)
レック北海道
(株)
レック東北
(株)
レック関東
(株)
レック甲信越
(株)
レック中部
(株)
レック関西 OKG
(株)
レック四国
(株)
レック西日本
サービス
10
日立建機グループ CSR 報告書 2007
11
ハイライト
Highlight 1
地雷除去機の開発
なトラブルが発生した場合は緊急支援サービスも行っ
ています。2006 年度はカンボジア、アフガニスタン、
ニカラグアに対して合計で巡回点検サービス 2 回、緊
急 支 援 サ ービ ス
地雷被害の撲滅に向けて
3 回を延べ 6 週間
で行いました。こ
の 結 果、2000 年
か ら 納 入し て き
た 52 台すべての
山梨日立建機の雨宮社長は1994 年商用でカンボジアに訪れた際に地雷被害の実態を目の当たりにしたのを契機に、
「子供たちが裸足で遊べる平和な大地を取り戻したい」という強い思いを持って地雷除去機の開発に今まで13 年間
機 械 が 順 調に稼
動しています。
携わってきました。この間、地雷被害国の状況に合わせて地雷除去機の開発を行い、現在では6 機種 52 台の対人地
リッパで農地を耕作し、肥料をまく
ニカラグアでの納入指導。中央が
山梨日立建機の雨宮社長と徳納課長
雷除去機が世界 5カ国で稼動中です。しかし、地雷被害の撲滅への道のりはまだ緒についたばかりです。日立建機とし
ても雨宮社長と思いをともにして積極的に地雷除去機の開発に取り組んでいきます。
アフリカ大陸の南西に位置するアンゴラは、石油と
新型地雷除去機の開発
ダイヤモンドなどの多種多量の鉱物資源を産出するこ
カンボジアなどに機械を納入し稼動をサポートする
とから今後の発展が期待される国です。しかし、2002
なかで、現場からは大型地雷にも耐えうる地雷除去機
年に終結した内戦は 27 年も断続的に続いたことから国
現場に根ざした地雷除去機開発
と、広範囲の土地をすばやく除去できる地雷除去機の
内には約 700 万個の地雷が残されているといわれてい
雨宮社長は、開発の当初から現場に根ざして地雷
要望があがってきました。この要望に応えて 2002 年
て、国土の大半はいまだに荒廃しています。今回アン
除去機の開発を行っています。地雷除去機 1号機の開
度よりNEDO(
(独)新エネルギー・産業技術総合開発機
ゴラ政府よりフレールハンマと回転カッタの 2 種類の
発では実際に地雷原を訪れ使用条件を確認するとと
構)の開発費援助を得てフレールハンマ式の地雷除去
アタッチメントが装着可能な地雷除去機 2 台を受注し
もに、地雷処理担当者の意見も取り入れて、回転カッ
機とプッシュ式フレール地雷除去機の開発に着手しま
ました。2007 年 6 月末に出荷予定で、まずは道路工事
タ型の対人地雷除去機の開発に着手しています。そし
した。2004、2005 年度の日本での準備試験を終えた後、
の前工程として地雷除去作業に使用されます。
て、1号機完成まではいうまでもなく現場で得られる試
2006 年度は外務省の資金援助を得てカンボジアでの
験結果に基づく試行錯誤の連続でした。製品納入後も
現地試験に臨みました。
現場での使用結果に基づき、モータ変更によるトルク
現地試験は、まずシェムリアップ郊外のテストサイ
アップや、欠損防
トで地雷除去性能テストと大型地雷による対爆テスト
止と耐 摩 耗 性 の
を 7 月 20 日∼ 8 月 31日に CMAC(カンボジア地雷処理
向 上 を 目 的 とし
センター)協力のもと行いました。一番懸念された対爆
た カ ッ タ ビ ット
テストでもアタッチメントを溶接補修すればよいだけ
の材質、形状、取
の損傷しか受けず、無事にテストに合格しました。この
後を絶たない地雷被害
付方法の改良な
合格を受け、バッタンバン州の地雷原でのフィールド
第 2 次世界大戦では 3 億個以上の地雷が使用された
どを行ってきて
といわれていますが、第 2 次大戦後も冷戦構造下でベ
います。
雨宮社長とカンボジアの子供たち
対人地雷除去機 1 号機
トナム戦争に代表される多くの戦争が起きています。
テストにも臨みました。10 月からほぼ 2ヵ月かけて行っ
たフィールドテストでも良好な結果が得られ、新型地
雷除去機 2 機種の実用化のめどが立ちました。
また、1989 年の冷戦終結後も 1970 年代に植民地支配
機械の順調な稼動をサポート
なお、新型地雷除去機の後部には雨宮社長の地雷
から解放され独立を確立したアフリカをはじめ、世界
機械による地雷除去は手作業に比べおよそ 20 倍の
被害地復興への
各地で民族対立や宗教対立などによる紛争が多発し
速さでできるので地雷除去を効率的に行うことができ
思 い が こもっ た
ています。このため現在でも世界 83 カ国に 1 億 1千万
ます。しかし、機械が順調に稼動しなければ地雷除去
リッ パ を 装 着し
個の地雷が埋められているといわれています。地雷は
を効率的に行うことができなくなります。そこで、地
ています。地雷除
いったん埋められると 50 年生
雷除去機納入時には必ず運転指導とメンテナンス指導
去と同 時 に 土 地
き続けるため、内戦などの紛争
を行います。これは現地の人が自力で地雷除去機を運
を 耕 すこと が 可
が発生した国では地雷被害が後
用できるようにするためです。これに加え基本的には
能です。
を絶ちません。今日でも毎日 70
2 年に 1回は巡回点検サービスを行い、各部を点検して
人以上の命が奪われています。
12
アンゴラより地雷除去機 2 台受注
対人地雷
います。また、エンジンや油圧系統の不具合など大き
地雷被害、地雷除去状況について
知らせる義務がある
地雷被害撲滅に向けて一番大切なことは地雷が使われ
ない環境づくりをすることです。このことから雨宮社長は
一般市民の方々にも地雷被害、地雷除去状況について知
らせる義務があると考え、啓蒙活動として精力的に講演会
を行っています。
2006 年度は、学校関係 10 回、日立建機グループ 11回
を含め 32 回の講演会を行いました。日立建機沖縄支店と
沖縄日立建機が共催で行った講演会では TV 取材もあり、
136 名の学校関係者が参加しました。講演に参加した学
生からは、
「自分のできる国際貢献をしたい」
「自分のでき
る社会貢献を考えたい」
との感想が寄せられました。
なお、雨宮社長の活動は高校の教科書や TBS のドキュメ
ンタリー番組
「夢の扉」
でも取り上げられています。
対爆テスト
高校の教科書
沖縄での講演会参加者とともに
日立建機グループ CSR 報告書 2007
13
ハイライト
Highlight 2
すべてをその場で処理する Hi-OSS
不法投棄
砕石
農林畜産
解体
土地改良
港湾荷役
(日立オンサイトスクリーニング&ソリューション)
廃棄物をその場で再資源化し、
CO2 排出量も大幅に削減
「Hi-OSS」
は、廃棄物処理だけではなく、農林畜産、土質改良などのさまざま場
面で活躍し、その場(オンサイト)
で処理することにより、環境負荷、エネルギー
(日立オンサイトスクリーニング&ソリューション)
消費、コストを低減できるトータルソリューションです。
どこでも「Hi-OSS」
施工現場で発生する廃棄物をその場で処理
どこでも「Hi-OSS」
日立建機は、汚泥、石、木材、混合廃棄物など施工現
廃棄物処理のソリューションとして始まった「Hi-
場で発生する廃棄物を処理するために、クラッシャ、
OSS」ですが、その活用範囲を農林畜産、砕石などの廃
選別機(ふるい機)
、土質改良機、シュレッダなどの自
棄物処理分野以外にも広げています。2006 年度は、土
走式機械を施工現場のニーズに合わせて組み合わせ、
質改良に自走式土質改良機 SR-P1200 と新規開発の自
その場(オンサイト)で選別・処理・リサイクルするシ
走式スクリーン VR408 を組み合わせた「Hi-OSS」が採用
ステム「Hi-OSS」を提案、数多くの活用事例を通して施
され、高規格工事・災害予防に活躍しています。また、
工ノウハウを蓄積してきました。その場で処理再利用
宅地造成でもオンサイトでのマテリアルリサイクルに
することにより、中間処理施設や最終処分場に大量の
威力を発揮しています。
廃棄物をその場で再資源化
「Hi-OSS」をご利用いただいたお客様の声
(株)北越フォレストでの「Hi-OSS」採用事例
(株)北越フォレストは、北越製紙(株)勝田工場のバイオ
マス発電に使う燃料供給を目的に茨城事業所・木材中間
処理プラント
[破砕]を新設しました。ここでは近隣で発生
する木くずや北越製紙
(株)
工場の廃パレットなどを破砕し
ますが、生木・建築廃材の両方に対応できる木材リサイ
クラ HC4700 を用い環境負荷低減を目指した「Hi-OSS」
が採用されました。
廃棄物を持ち込むこれまでの処理方法に対し、環境負
荷やエネルギー消費、コストを大幅に削減するメリッ
トがあります。
CO2 排出量計算シミュレーションを開発
「Hi-OSS」がもたらすメリットはさまざまですが、な
かでも注目されているのが CO2 排出量の削減効果で
自走式土質改良機 SR-P1200
(左)
と自走式スクリーン VR408
(右)
す。日立建機では、その効果をより明確に示すため、
CO2 排出量計算操作
「Hi-OSS」を採用した場合とこれまでの方法で処理を
行った場合の CO2 排出量をあらかじめ計算し、比較検
◆ 計算結果(CO2 排出量)
討するシミュレーションを開発し、2006 年 9 月より運
現場処理
(Hi-OSS)
用を開始しました。
(単位:t )
全量最終処分場
現場戻し+最終処分
へ運搬
中間処理後
「Hi-OSS」は、廃棄物の処理を厳格に行っていて、し
68.1
68.1
運送
44.9
269.4
449.0
選別
28.4
0.0
0.0
うな状況ではありません。しかしながら、地球温暖化
についてヒアリングしたその場で、工事に関わる建設
土地改良
23.8
0.0
0.0
防止の観点では CO2 排出量を大幅に削減する「Hi-OSS」
機械やダンプが排出する CO2 の量を計算し、オンサイ
破砕
32.2
0.0
0.0
は共感を得るものと考えています。2006 年度は海外展
中間処理
0.0
91.7
0.0
最終処分
76.0
76.0
760.0
273.6
21%
505.2
40%
1277.1
100%
ト処理による CO2 排出量の削減効果を確認できます。
また、工事を計画する施主に CO2 排出量削減効果を理
解してもらうためにも役立っています。
合計
バイオマス発電用チップの供
給は、木材の有効活用という
ソリューションです。
68.3
ことにより、営業活動で訪問したお客様に、工事現場
導入いただいたお客様の声
かも最終処分場が逼迫している日本で育ったトータル
掘削
このソフトを営業員のパソコンにインストールする
14
「Hi-OSS」を海外展開
中間処理プラント
面ではリサイクル推進と不法
投棄の防止にも繋がります。
CO2 バランスを崩さない木材
資源の有効活用は地球温暖化
廃棄物処理については各国事情もあり日本と同じよ
開を視野に、東南アジア、中国、北米での基礎調査に
着手しました。地球的課題である地球温暖化防止の解
(株)
北越フォレスト
茨城事業所 取締役所長
防止のためにも是が非でも進
めなければならない事業と考
えております。
矢沢 敏之 様
決に事業を通してグローバルに取り組んでいきます。
日立建機グループ CSR 報告書 2007
15
ハイライト
Highlight 3
ハイライト
Highlight 4
NPO 法人などを通した国際貢献
NPO 法人などを通して国際貢献の輪を拡げる
1
4
5
2
かすみがうらマラソン兼
国際盲人マラソンかすみがうら大会特別協賛
チャレンジする心が生きる力を与える
6
1 2
3
5
6
4
7
3
1 スラッパン村で
「豊かな大地」
が活動キックオフ。2 カンボジア・
CMAC ミュージアムでのミニショベル贈呈式
(左:日立建機ティエラ米
谷社長、
右:CMAC ヘン・ラタナ副長官)
。3 地雷除去機の説明。4 スラッ
パン村の子供たち。5 6 アンコールワットとマラソンに出場する車椅
子ランナーたち。7 日立建機ティエラの更家選手が完走。
日立建機は、地雷除去機開発の取組みと連動して
NPO 法人などを通して国際貢献を行います。
※地雷除去機の開発に関しては 12、13 ページで紹介しています。
日立建機ティエラがカンボジアへミニショベルを寄贈
日立建機ティエラは、企業としてできる国際貢献の
一環として、カンボジアで地雷除去活動を行っている
CMAC にミニショベル ZX50U-2 を 2006 年 12 月に寄贈
しました。このミニショベルは、地雷除去時の枝や石な
NPO 法人「豊かな大地」を全面支援
どの処理や地雷除去後の土地の農業環境整備に利用さ
地雷除去後の土地復興などにより地元住民の自立支
れます。
援を行うNPO 法人「豊かな大地」が 2007 年 3 月に設立
されました。日立建機はこの趣旨に賛同し全面的に支
援していきます。
16
1 日立建機土浦工場前を通過する選手たち。給水と太鼓の応援で
選手を後押し。2 新入社員が給水ボランティア。3 快走する日立
建機の橋本選手。4 義足ランナーのチン・パンさん
(右)
とサン・
マオさん
(左)
。5 土浦駅で盲人ランナー出迎え。6 盲人ランナー
細川さん完走
(左)
。
2007 年 4月15日、第 17 回かすみがうらマラソン
兼国際盲人マラソンかすみがうら大会(以下かすみ
がうらマラソン大会)が「蘇れ霞ヶ浦 水はスポーツの
源」をメインテーマに開催されました。日立建機は、
本大会開催地の地元企業としてこの大会の趣旨に賛
同して昨年に引き続き特別協賛を行いました。
NPO 法人ハート・オブ・ゴールドが企画する
「アンコールワット国際ハーフマラソンツアー」に協力
念されたため彼らにとってはひとつのチャレンジでし
たが、レース当日は天候に恵まれ 10 マイルを難なく走
り切ることができました。
土浦工場前でランナーを応援
土浦工場はマラソンコースの 7km 地点に位置するこ
とから、土浦工場前でランナーの応援を行いました。
新入社員 140 名を含む 200 名が給水ボランティアとし
地雷被害に遭ったカンボジアの義足ランナーが参加
てランナーを支援したほか、盲人ランナーを意識した
「豊かな大地」は 4 月からカンボジアのバッタンバン
ハート・オブ・ゴールドは 1996 年に開催されたアン
かすみがうらマラソン大会は、茨城県土浦市の川口
太鼓の応援も繰り広げました。この応援はランナーを
州スラッパン村で本格的に活動を開始しました。活動
コールワット国際ハーフマラソンを契機に設立された
運動公園陸上競技場を発着点に霞ヶ浦湖畔を走るマラ
元気づけるのが目的ですが、応援する側もすがすがし
内容は、農業訓練、農業環境整備、学校建設など多岐
NPO 法人で地雷被害者へ義手、義足の提供を行う活動
ソン大会です。フルマラソンのほか、10 マイルレース
い気持ちになる良い体験ですので今後も新入社員の参
にわたりますが、2003 年まで広大な地雷原であったス
もしています。現在はマラソンの運営協力をするほか、
などの種目があります。今回の大会には、およそ 12,000
加を奨励していきます。
ラッパン村に住む人々が稲作だけで自立できるように
日本人向けマラソン参加ツアーの企画も行っていま
名のランナーが参加しましたが、日立建機グループか
するのが目的です。そして、子供たちがいつも笑顔で
す。日立建機はこのツアー参加者にカンボジアの地雷
らも 96 名のランナーが参加し大会を盛り上げました。
盲人ランナーのサポート
学び遊べる環境づくりに貢献します。
被害状況をご理解いただくため CMAC の援助を得て地
また、カンボジアから 2 名の義足ランナー、チン・パン
日立建機グループ社員、取引先社員 13 名で、5 名の
カンボジアでの活動の協力機関は、CMAC(カンボジ
雷除去機と模擬地雷原の見学をツアーの内容に加える
さんとサン・マオさんが NPO 法人ハート・オブ・ゴー
盲人ランナーのガイドヘルパーを行いました。大会前
ア地雷処理センター)ですが、農業訓練については現
協力をしました。
ルドの招待で来日し、10 マイルレースに参加しました。
日の土浦駅での出迎えに始まり、宿泊ホテルまでの見
地 NGO(非政府組織)CEDAC(カンボジア農業開発研修
なお、今回のマラソンには日立建機ティエラの更家
2 人とも地雷の被害者で足を失った当時は絶望して長
送り、大会当日の会場までの引率、伴走ランナーとの
センター)から専門家を派遣してもらいます。このよう
選手が参加しました。現地の子供たちのハイタッチの
い間何もする気が起きませんでしたが、このような状
ひき会わせ、大会後のケアまでさまざまな仕事をこな
な現地の協力を得て 4 月 25日にスラッパン村で活動の
応援や声援を受け見事に完走しました。
「言葉にでき
況のなかで生きる力を与えてくれたのがアンコール
しました。今回サポートした細川さんは、フルマラソン
キックオフをしました。
ない ありがとう 」を胸に帰国し、カンボジアの実情を
ワット国際ハーフマラソンへのチャレンジでした。今
への初めてのチャレンジで完走を果たし 3 位に入賞し
職場に伝えました。
回のレースも日本の気温の低さによる足への影響が懸
ました。ガイドヘルパー一同大いに感銘を受けました。
日立建機グループ CSR 報告書 2007
17
マネジメント
日立建機グループのCSR
グループ共通の目的、方針でCSR活動を推進
日立建機では 2005 年度に「CSR の目的」
(CSR 活動の
CSR 報告書の発行
方向性を明確にしたもの)と活動テーマごとの取組み
昨年度初めて CSR 報告書を日本語版と英語版で作成
方針を定めました。また、CSR 活動の取組み状況調査を
しました。株主、アナリスト、取引先、学生などのステー
行いました。2006 年度はこれらに基づき CSR 活動実行
クホルダーに積極的に配布するとともに Web 公開もし
計画を作成し活動を推進してきました。今後は活動結
て一般市民も含めさまざまなステークホルダーに日立
果に基づき次年度の計画を立てるいわゆる PDCA サイ
建機の CSR 活動を知っていただく機会を可能な限り増
クルで CSR 活動を推進していきます。
やしました。また、グループ会社も含め全従業員に配
国内グループ会社の CSR 教育と
日立建機トラック全従業員会議で
CSR 活動取組み状況調査を実施
CSR とブランドマネジメントを説明
CSR 活動はグループ会社も含めて推進する必要があ
カナダの日立建機トラックは、2006 年12 月に開催の
ることから国内グループ会社 22 社に対して CSR 教育を
全従業員会議で CSRとブランドマネジメントについて
実施しました。また、CSR 活動取組み状況調査をアン
Walter 社長から説明し、両活動のキックオフを行いまし
ケートとインタビューにより行いました。この結果に
た。
「ケンキジン」
として CSR 活動を展開していきます。
基づき国内グループ会社各社でも 2007 年度の CSR 活
動実行計画を立て CSR 活動に取り組みます。今年度は
日立住友重機械建機クレーンでも
これを海外グループ会社に展開していきます。
企業ビジョンを策定
日立住友重機械建機クレーンでは「日立」と「住友」を
統合した企業文化をつくりあげて、世界 No.1の建機ク
レーン会社を目指すことを目的に 2007 年 1月に企業ビ
布し、日立建機グループの CSR 活動についての周知を
ジョンを策定しました。企業使命、企業姿勢、行動指針
図りました。今年度は中国語の CSR 報告書も作成し中
CSR の目的
からなる企業ビジョンに基づいて CSR 活動を展開して
国でも活用しやすいものにしていきます。また、Web
「わたしたちは当社企業理念に基づいた活動を
いきます。
上でステークホルダーの方々のご意見を記事ごとにい
グローバルに展開し、社会に貢献し続けて参ります。
」
だだけるようにしていきます。
TCM での CSR 教育
◆ CSR 活動の 2006 年度の計画と実績および 2007 年 度目標
取組み方針
18
2006 年度計画
2006 年度活動結果
掲載ページ
2007 年度計画
1. 企業活動としての社会的責任の自覚
・CSR 報告書の発行
・日立建機および国内グループ会社 22 社への CSR 教育の実施
・日本語版 (06/6)と英語版 (06/9) の発行
・実施
P18
P19
・CSR 報告書日本語版、英語版、中国語版の発行
・海外グループ会社の教育と活動取組み状況調査
2. 事業活動を通じた社会への貢献
・品質の継続的な改善
・顧客情報の整理
・新型地雷除去機の開発
・環境適合製品の開発
・環境保全型製品の開発
・
“落穂拾い”
8 社、グローバルモノづくり診断 1社、PS
(製品安全)
診断 1社実施
・実施
・2 機種をカンボジアでテスト実施
・6 機種を製品化
・3 機種を製品化
P22
P24
P12
P42
P43
・継続実施
・情報活用の仕組みの導入
・地雷被害国でのデモ実施
・継続実施
・継続実施
3. 情報開示とコミュニケーション
・CSR 報告書、CSR 活動の Web 掲載
・秘文、指紋認証などの導入によるセキュリティ強化
・グループ会社 4 社に個人情報保護に関する監査
・CSR 報告書日本語版 (06/7)、英語版 (06/10)Web 公開。CSR 活動は適宜掲載
・実施
・グループ会社 3 社に実施 P18
P26
P26
・中国語版を追加して継続実施
・セキュリティプラットフォームの運用開始
・グループ会社 6 社の監査実施
4. 企業倫理と人権の尊重
・日立建機とレック会社の全従業員、土浦工場勤務のグループ会社従業員のコンプライアンス教育
・コンプライアンス監査 グループ会社 6 社
・輸出管理教育 グループ会社 1社 輸出管理監査 営業統括本部とグループ会社 3 社
・海外への技術流出防止策の策定
・会社を取り巻くリスクの洗い出し
・実施
(289 回実施、出席者数 6,540 名)
・3 社実施
・輸出管理教育実施。輸出管理監査は営業統括本部とグループ会社 1社に対して実施
・規則を制定し、関連会社へ通達
・情報収集実施
P21
̶
P21
̶
P21
・グループ会社コンプライアンス研修実施
・監査 6 社実施
・関係部署に実務教育の実施 監査 4 社実施
・国内グループ会社などに防止策策定サポート
・リスクの洗い出しの実施
5. 環境保全活動の推進
34 ページに掲載
34 ページに掲載
6. 社会貢献活動の推進
・社会貢献方針の作成
・計画的な社会貢献の実施
・実施
・NPO 法人
「豊かな大地」
への支援決定、かすみがうらマラソンの特別協賛実施
7. 働き易い職場づくり
・国際事業のための教育拡大、レンタル事業人材育成、グループ会社人材育成
・従業員満足度調査の内容検討
・3C 面談の完全実施
・メンタルヘルスの検討
・各種教育に対応するために霞ヶ浦総合研修所のオープン
・事前調査実施
・およそ 9 割の実施。評価者への研修を実施
・本社、東西事業部、海外駐在者に健康調査実施。EAP 導入を決定
P28
̶
P28
P29
・継続実施
・従業員満足度調査の実施
・3C 面談の完全実施
・EAP の導入
8.ビジネスパートナーとの社会的責任意識の共有化
・
「資材調達基本方針」
の見直し
・
「資材調達基本方針」
を見直し、取引先へ伝達
P23
・継続実施
・調達先への CSR 教育を実施
34 ページに掲載
P30
P16, P17
・NPO 法人「豊かな大地」の支援、かすみがうらマラソン特別協賛
日立建機グループ CSR 報告書 2007
19
マネジメント
マネジメント
コーポレートガバナンス
公正で分かりやすい経営体制を目指して
持続的に安定した成長を図るため、時代の要請に応じてつねにコーポレートガバナンス体制の見直
しを行っています。経営戦略の健全・適切な実行を可能とする公正かつ透明な経営体制を維持する
ために社内教育・監査を実施しています。
コンプライアンス・リスクマネジメント
全従業員に意識を浸透
日立建機グループは、高い倫理観をもって事業に臨み、コンプライアンスの徹底やリスクマネジメ
ントの整備に継続的に取り組んできました。
日立建機のコーポレートガバナンス体制
グローバルウェブマネジメント
コンプライアンス意識浸透を目指して
トラインの社外窓口の検討をしていきます。一方、海外
世界的に企業経営の透明性が強く求められる中で、
IT 活用が拡がるなか、ガバナンスには IT 統制が重要
全従業員への教育を実施
グループ会社についてもより通報しやすい仕組みを検
日立グループの一員として、経営戦略遂行のスピード
になってきています。この IT 統制を行いやすくするた
日立建機では 2002 年のコンプライアンス本部の設
討する予定です。
アップ、経営の信頼性向上、グローバル経営の推進を
めにグローバルウェブマネジメントに取り組みました。
置以来、独禁法遵守を中心とした全社教育を実施した
目的として、2003 年から委員会等設置会社に移行しま
日立建機グループのサイト群はこれまでグループ各
ほか、新入社員研修、若手営業員研修、課長研修など
輸出関連法規の遵守と輸出管理
した。この移行により、経営と執行を分離して、よりス
社で個別に運用されてきましたが、この世界中のサイ
の階層別研修において定期的な教育を実施してきまし
輸出に関する日本およびそのほかの国の貿易関連法
ピーディーな意思決定と慎重な経営管理を実現してい
ト群をデザイン、ブランド、コンテンツ、インフラなど
た。2005 年度に実施した全従業員を対象にしたコンプ
規を遵守するために「安全保障輸出管理規則」を定め、
ます。
を統一したサイト群として 2006 年度に運用を開始しま
ライアンスアンケートでは日立建機企業行動基準やコ
定期的な教育と監査を通じ、その周知徹底を図ってい
また、米国に追随して日本でも内部統制の整備が法
した。これにより、日立建機グループの総合力を世界
ンプライアンス・ホットラインなどの周知度が低くコ
ます。
制化されることになり、その整備が大きな課題となり
にアピールすることを可能としました。また、日立製作
ンプライアンスに関する取組みに課題があることが判
2006 年度は日立建機(ヨーロッパ)に対する教育を中
ました。日立建機ではインターナル・コントロール委員
所グローバルサイト群とも連携し、
「HITACHI」ブラン
明しました。そこで、2006 年度には日立建機、レック各
東センタも含め行いました。また、営業統括本部に対
会を 2006 年 5 月に発足させ、国内外のグループ会社も
ド向上にも寄与しています。さらに、現地代理店で働
社の全従業員、土浦・霞ヶ浦工場内に勤務するグルー
する監査を実施しました。今後も関係部署に実務レベ
含め内部統制の整備を行うとともに、各会社に対して
く社員にも日立建機グループの一員であることの認識
プ会社の従業員 6,540 名を対象に全国の多数の拠点に
ルの教育を引き続き行っていきます。
その整備状況の監査も行いました。今後はこの基盤を
が拡がる効果もありました。
訪問してコンプライアンス教育を 289 回実施しました。
生かして日本版 SOX 法にも対応していきます。
なお、日立建機(ヨーロッパ)では、上記の世界共通
コンプライアンスの周知徹底を図るとともに、
アンケー
リスクマネジメント
のガイドラインを踏襲しつつ、欧州主要 5 言語(英語、
トの結果、問題点として浮かび上がった点を重点的に
自然災害や不祥事など、あらゆるリスクへの適切な
世界に拡がる「ケンキジン」
ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語)
対応
教育を行いました。今後は本教育をグループ会社にも
対応を重要な経営課題と捉え、リスク対策本部を設置
ブランドマネジメントの展開
の新サイトの運用をして欧州への「HITACHI」ブランド
展開していきます。
しています。社内におけるさまざまなリスクを分析し、
「身近で頼りになるパートナー」が合言葉のブランド
の浸透を図っています。
重大リスクに対して主幹部門を任命して、リスク発生
ブック「ケンキジンになろう」の各国語版を作成し、配
コンプライアンス・ホットラインの周知
時の対応をルール化しています。
布しました。また、海外を含め社内教育を実施しまし
コンプライアンス上のさまざまな問題を早期に摘出
土浦工場では大規模地震時の被害を最小限に食い止
た。世界のどこで働いていても日立建機の企業理念と
し、適切に対応することを目的としてコンプライアン
め、早期の事業復興を実現するための対策会議を実施
行動の規範、仕事に取り組む姿勢などを理解し、ブラ
ス・ホットラインを設置しています。当社およびグルー
しています。建屋の耐震
ンドおよび企業価値向上への意識を共有します。
プ会社社員が問題を発見した際、直接コンプライアン
補強、作業機械の転倒防
ス本部に通報することができ、通報者も適切に保護さ
止アンカーの増設、天井
れる制度です。2004 年 5 月の設置以来毎年数件の通報
クレーンサドルへの落下
を受け対処してきましたが、上記のようにその周知度
防止ストッパ取付、サー
は高くありませんでした。そこで、2006 年度の教育で
バ・ルームの免震対策な
はコンプライアンス・ホットラインの周知にも努めま
ど具体的な施策を進めて
した。また、教育後のアンケートでは、コンプライアン
います。
日立建機
(ヨーロッパ)
で
ウェブ戦略を説明するキセニア氏
ス・ホットラインの社外窓口を設けて欲しいとの要望
日本語、英語、中国語、インドネシア語版ブランドブック
20
があったことから、
2007 年度はコンプライアンス・ホッ
土浦工場東館の耐震補強
日立建機グループ CSR 報告書 2007
21
社会性報告
製品の品質・安全
世界のすべての工場で
「Made by HITACHI」
を実現する
日立建機では、海外のすべての生産拠点で、つねに同等の統一した品質レベルを確保するため「Made
by HITACHI」
をキーワードに、厳しい品質保証体制を確立しています。
社会性報告
調達
企業価値を相互に高めるパートナーシップ
日立建機は 100 社以上の部品・資材の調達先と情報交換や話し合いを行い、双方の企業価値を高め
る業務展開と関係構築に努めながら CSR 活動を推進しています。
グローバルな品質保証活動
品質保証システムで海外のお客様にも迅速に対応
信頼のパートナーシップ「筑峰会」「ときわ会」
調達先への詳細発注計画を公開
低コストで良質な製品を供給していくため、海外生
海外で発生した事故については精度の良い情報が得
日立建機では、調達先とのパートナーシップを構築・
建設機械の世界的な需要の急拡大を受けて、2006 年
産の比率が年々高まってきています。そのなかで重要
られず適切な対応がとれない場合がありました。
維持することを目的として、継続的な取引のある調達
8 月より土浦工場は増産体制に入りました。これに伴
なのが、世界中の全工場で「Made by HITACHI」の品質
2005 年 10 月に運用を開始した e- サービスは、パー
先に「筑峰会」
(72 社所属)
、
「ときわ会」
(41社所属)のい
い、調達先に対して発注計画の詳細を事前に公開する
を保つこと。このために海外工場、国内グループ会社
ツカタログ(HOP)や機械台帳検索(M-Find)などのアク
ずれかの会に所属していただいています。両会では、日
方針を決定。従来からの機種別の生産計画に加え、共
の工場を含め 落穂拾い 、グローバルモノづくり診断、
セス件数が月 45 万件に達し、お客様に迅速に対応する
立建機の方針の理解や安全・品質・環境などに関連す
通化を進めている部品の品番で必要数を明示すること
PS
(製品安全)
診断を行っています。
ための不可欠なツールになっています。これとともに
るさまざまな取組みを進めるために合同講演会、合理
により、増産を支える各調達先が人材確保や設備投資
落穂拾い は、ミレーの絵画「落穂拾い」をなぞらえ
機械の稼動状況が衛星通信により入手でき、海外につ
化事例発表会、技能競技会、会員相互の安全巡視など
を伴う生産計画を立てやすくしました。これにより調
たもので、対策を行った事故や不具合を再度深く検証
いても国内と同様に精度の良い情報が得られるように
を行っています。2006 年度の合同講演会では木川社長
達する素材、部品の品質維持と安定調達の確立を図っ
して内在する原因を明らかにし、対策を行って再発防
なりました。
この情報を用いて累積事故率、
事故リスト、
が日立建機の中期経営計画について説明しました。
ていきます。
止の徹底を図る活動です。2006 年度は日立建機オース
詳細事故情報、統計的負荷条件などが短時間で得られ
トラリア、日立建機インドネシアなど豪州、東南アジア
る品証システム QAS
(Quality Assurance System)
を開発
調達方針の説明
グリーンサプライヤ率向上の取組み
のグループ会社 6 社および日立建機ティエラ、TCM な
し、その運用を 2007 年 3 月に開始しました。今後はこ
調達先の企業に対しては、半年ごとに日立建機の調
調達先のEMS ※1(環境マネジメントシステム)取得率
どの国内グループ会社で 落穂拾い を実施しました。
のシステムを用いて海外のお客様にも適切に対応して
達方針について説明しています。2006 年 10 月の取引先
を示すものがグリーンサプライヤ率です。この取得率
グローバルモノづくり診断は、溶接、機械加工、組立、
いきます。また、製品の改善や新製品の開発にも活用
説明会では CSR 項目を追加した「資材調達基本方針」を
の向上は CSR 活動の大きなテーマのひとつです。以前
塗装、品質管理などを 5 段階で評価して技能レベルを
していきます。
説明し、この取組みの協力を要請しました。今後、調達
より調達先各社のEMS 取得を促進してきた成果として、
先への CSR 教育にも取り組んでいきます。
2006 年度の時点で全体の 71%、85 社の企業が EMS 取
把握したのち、具体的な改善提案による指導を行って
技能レベルの向上を図る活動です。2006 年度は日立建
第 3 回国際技能競技会を開催
機
(中国)
で実施しました。
2006 年 10 月 31日、11 月1日の両日、土浦工場で第 3
製品安全は PS(Product Safety)と称して最重要項目
回国際技能競技会を開催しました。高い品質を維持す
に位置づけていますが、設計開発段階での PS チェック
るうえで重要な現場での技能の向上。これを奨励する
とリスクアセスメント、各種安全性試験、重要部品の
国際技能競技会に日立建機グループ国内外の 14 生産
安全性評価を実施するほか、市場での重要事故情報の
拠点から総勢 23 名の選手が集まり、圧力容器を課題に
共有化も行っています。2006 年度はカナダの日立建機
溶接技術を競いました。これまで以上に技能の向上が
トラックで PS 診断を実施しました。
求められるなか、今後も機械加工、組立、塗装なども含
め幅広い分野の技能者たちの技を評価・継承すること
を奨励し、技能の底上げを図っていきます。
得を達成しました。2010 年までに調達先全社が取得し、
資材調達基本方針に追加された CSR 項目
1. 法の遵守
当社は調達活動にあたり関係法規を遵守し、社会規範に
従います。
グリーンサプライヤ率100%達成を目指しています。
※1 EMS
(Environmental Management System)
ISO14001、HI-KES、エコステージ、エコアクション 21など
◆ 調達先の EMS の取得実績と計画
年度
2. 環境保全の取り組み
04 年
05 年
06 年
07 年
08 年
09 年
10 年
実績と 58 社
70 社
85 社
95 社 100 社 110 社
119 社
計画 (49%)(59%)(71%)(80%)(84%)(92%)(100%)
当社は地球環境保全に積極的に取り組みます。
3. 人権と労働環境への配慮
レック中部が廃棄物処理委託業者の設備チェック
当社は人権を尊重し、労働安全衛生確保に取り組みます。
レック中部は、産業廃棄物処理に関し通常のマニフェ
スト管理に加え、産業廃棄物の処理委託業者を訪問
日立建機インドネシアでの 落穂拾い
22
人権…強制労働・児童労働を行いません。
し、廃棄物処理設備が適切に維持管理されているかを
労働安全衛生…安全な職場への取組みを実施します。
チェックしました。そして、必要に応じて委託業者の見
直しも行いました。
日立建機グループ CSR 報告書 2007
23
社会性報告
顧客満足
すべてはお客様の声から始まる
世界中で展開する営業・サービス活動を通して集まるお客様の声。日立建機グループは、それを生かす
さまざまなシステムでのお客様サポート、生産能力アップ、VEC 活動などでお客様の満足度向上を図っ
ています。
タイムリーな製品納入の実現に向けて
製品情報を製品発売に合わせて
全世界的に建設機械の需要が急拡大するなか、生産
Web 上で全世界同時公開
が間に合わない状態が続いています。この解消に向け
製品情報の提供は、大きく分けてカタログ配布と
て、2006 年 8 月からは土浦工場の組立部門で昼夜 2 交
Web サイト公開の 2 通りですが、従来はこの作業を
代制を導入して生産増強を図ったほか、茨城県ひたち
別々に行っていたために特に海外サイトにおいては製
なか市に「コンポーネント工場」と「大型建設機械工場」
品発売と同時に製品情報を Web 公開することができま
の新工場をそれぞれ 2007 年 9 月、2008 年 4 月の稼動を
せんでした。また、作業負荷軽減のために Web 上では
目指して着工することを決めました。これらを通してお
カタログレベルの製品情報を掲載できていないのが実
客様へのタイムリーな製品納入を実現していきます。
情でした。
なお、土浦工場の組立部門での昼夜 2 交代制の導入
以 上 の 問 題 点 を 解 決 す る た め に 2005 年 9 月 か ら
に際しては周辺住民への騒音の影響を配慮してあらか
CMS
(コンテンツ・マネジメント・システム)
の構築を始
じめ境界線上に二重の防音塀を設置しました。
め 2006 年 9 月から運用を開始しました。このシステム
お客様の声を生かすさまざまなシステム
提供のために活用しています。
日立建機グループでは営業・サービス活動や Web サ
今後、日々蓄積される膨大な世界中からの情報を可
イトなどを通して集まるお客様の声を、営業進捗管理
視化し、開発、設計、製造、品質保証、営業、サービス
VEC 活動の推進
と Web 情報自動制作システムなどからなります。この
システム「プロジェクト・プラス」
、「KISS」(市場情報共
部門などに迅速的確に伝えるようにするため、この膨
VEC(Value Engineering for Customers)とは、お客様
システムにより、日本、グローバル、豪州、アジアの 4
有システム)
、問い合わせ管理システムなどで共有して
大な情報を活用しやすくする仕組みを整備していきま
のための製品価値向上の活動です。製品価値は、以下
つの Web サイトに製品発売と同時にカタログと同レベ
います。また、グローバルe- サービスを通して集まる
す。これにより製品・サービスの改善、新製品開発など
の式に示すように機能をコストで割ったもので表され
ルの製品情報を公開することができ、全世界のお客様
製品の稼動情報も共有しています。これらの情報をグ
をスピードアップして、お客様の満足度のさらなる向
ます。この製品価値は、切り口を変えるとお客様満足
にタイムリーな充実した製品情報を提供することがで
ループでの一体的な顧客サービスやソリューションの
上を図ります。
と企業満足からなります。お客様に満足していただけ
きるようになりました。
はカタログ・Web 共用の製品情報データベースの構築
る機能アップと、お客様に納得いただける価格で製品・
サービスを提供できるようにコストダウンすることが
◆ お客様の声の主な収集ルート
◆ CMS の概念図
ウェブ向け情報を、
データベース登録に
適した形へ定形化
お客様の満足度向上につながることから日立建機では
VEC センタを設け VEC 活動に取り組んでいます。
V = F/C =(F/P)×(P/C)
お客様満足
企業満足
V:製品価値
(Value)
F:機能
(Function)
C:コスト
(Cost)
P:価格
(Price)
データベース
への登録
2006 年度は国内においては土浦工場で 6 月に開催し
配信する
サイトの設定
た全社 VEC 記念大会に続き、11月には第 1回 VEC 事例
発表会を行い VE(Value Engineering)技術の向上に努め
配信
ました。また、VEC ニュースを定期的に配信し VE の浸
透を図りました。一方、海外においては日立建機
(中国)
を対象に VE 専門家養成研修を開催し、VE の浸透と定着
M
を図りました。今後も VE 文化がグローバルに浸透、定
着するように活動を進めていきます。
日経ビジネス、知財力ベスト 100 で 14 位に
日立建機は、お客様に新しい価値を提供することを
目的に技術創造に取り組んでいます。
日経ビジネスが選ぶ、独創経営で勝つ会社
「上場企業
の知財力ベスト100」
で、当社が第 14 位に選ばれました
(日経ビジネス 11月13日号)
。これは即効力、投入力、
伸長力、特許力、価値創出力の 5 要素のバランスを独自
に分析し、ベスト100 社を選出したものです。日立建機
研修会でのチーム討議
は、研究開発費の伸びを示す伸長力が評価され、上位
にランキングされました。
24
日立建機グループ CSR 報告書 2007
25
社会性報告
情報セキュリティ・個人情報保護
各種システムの運用拡大に並行して、
情報セキュリティを強化
業務に IT(情報技術)の活用が不可欠になるとともに不正侵入や情報漏洩などのリスクを回避する施
策も重要になっています。日立建機では、海外も視野に入れたセキュリティ対策を推進しています。
情報公開・コミュニケーション
タイムリーな情報発信で、信頼関係を築く
すべてのステークホルダーの皆様は企業経営のパートナーです。その認識に基づき、
コミュニケーショ
ンと情報発信の機会を豊富に設け、社会との信頼関係の強化に努めています。
積極的な IT 活用で業務を効率化
情報セキュリティ意識の徹底
全世界のお客様に製品を紹介
経営トップが積極的に情報公開
日立建機グループの事業拠点は全世界に点在してい
情報漏洩の多くは人を介して発生することが実情で
お客様に製品をより深く理解していただくために、
木川社長は、経営トップとして日立建機の経営姿勢、
ます。また、お客様に納入する膨大な数の機械のさま
あることから、情報セキュリティ関連規則の周知徹底
Web 上で全世界に製品情報を公開するとともに施工事
経営方針などについて、新聞、テレビ、ラジオなどを通
ざまな管理が必要です。このような事業特性から効率
を行いました。そして、ID・パスワードの管理、メール
例についても紹介しています。また、世界各地で開催
して積極的に語っています。2007 年 2 月13日のラジオ
的な情報共有・情報活用には IT 活用が有効と考え、業
誤送信防止、メディア・ノートパソコンの保管などの
される展示会にも積極的に出展し、お客様とのコミュ
日経 IR 番組では、2007 年3月期第3四半期決算内容、
界のなかでも早期から導入を進めてきましたが、昨今
詳細な項目も含め教育を行い、危機意識を持ったうえ
ニケーションを図っています。
今後の業績見通し、事業展望について話しました。日
の全世界的な需要の急拡大に対応するために、IT 活用
での情報ツールの活用を促しました。また、e- ラーニ
による業務の効率化がますます重要になっています。
ング(パソコンを使ったオンライン研修)による情報セ
現在、さらなる効率化を図るため、今まで拠点ごとに
キュリティ教育も実施しました。これらを通じ情報セ
・
「インテルマット2006」(2006 年 4月、フランス・パリ郊外で開催)
個別に活用していたメール、スケジューラ、電子掲示
キュリティ意識の徹底を図っています。
・
「2006NEW 環境展」(2006 年 5月、東京都で開催)
世界への投資をもっと身近にすることを目的とし
・
「CONET2006 建設機械と施工技術展示会」
て 2006 年 11月19 日に開催された 「 投資の万国博覧会
板などのコミュニケーションソフトをグローバルに統
合することを進めています。
日立建機ビジネスフロンティアが
プライバシーマークを取得
情報セキュリティの強化
日立建機ビジネスフロンティアは、グローバルに展
日立建機グループでは IT 活用を促進するとともに情
開する日立建機グループで IT を担当する会社です。日
報セキュリティの強化を図っています。このセキュリ
立建機グループのさまざまな業務システムを開発す
ティ強化で最も重要なことは、情報漏洩防止です。
るとともにサーバーやパソコンなどの情報機器の管
サーバーについては、印刷、コピー、メール添付な
理も担当しています。日立建機グループの情報セキュ
どによる情報漏洩を防止するセキュリティ・プラット
リティの根幹を担っていることから一段と高い情報セ
フォームの導入を進めています。一方、パソコンについ
キュリティ体制を確立することが必須と考えプライバ
ては、2006 年11月末より全国の営業拠点、本社、土浦
シーマークを 2006 年9月に取得しました。
立建機のホームページでも紹介しました。
2006 年度の主な出展事例
(2006 年 7月、千葉県で開催)
「投資の万国博覧会 2006」に参加
2006」 に参加しました。カンパニーセミナー会場で、
・
「2006 土壌・地下水環境展」(2006 年 10月、東京都で開催)
・
「2006 森林・林業・環境機械実演会」(2006 年 10月、広島県で開催)
・
「第 2 回国際ユニヴァーサルデザイン会議」
(2006 年 10月、京都府で開催)
・
「青島誠日建機展示会」(2006 年 11月、中国山東省青島で開催)
コーポレートコミュニケーション部の川島部員が 「 身
近で頼りになるパートナー 世界の建機ユーザーに応え
る日立建機 」と題して講演しました。米州、欧州、中国、
アジア、豪州などグローバルに展開する日立建機のビ
ジネスについて紹介しました。
・
「日立建設機械展 2006 in 名古屋」
(2006 年 11月、名古屋で開催)
・
「バウマチャイナ2006」
(2006 年 11月、中国上海で開催)
・
「ゆきみらい 2007 in 会津
/除雪機械展示・実演会」
(2007 年 2月、福島県で開催)
工場のパソコンの更新を順次行い、ウィルス対策ソフト
26
社会性報告
を最新バージョンに更新するとともにパソコンのハー
個人情報保護意識の定着
ドディスクの暗号化ソフト「 秘文 」 を全パソコンに導
日立建機では個人情報保護委員会で「 個人情報保護
入中です。また、これと同時にノートパソコンには指紋
方針」、「 個人情報管理規則 」 を 2005 年 2 月に制定して、
IR 活動を積極的に推進
共通の価値観の醸成のために
認証を導入して
国内グループ会社も含め個人情報漏洩防止の徹底を図
株主の皆様と協調し、信頼関係を維持する取組みの
海外売上高がおよそ 70%となった今、全世界で働く
います。今後は、
りました。2006 年度は個人情報保護意識の定着を図る
一環として、経営方針、業績、配当政策など経営全般の
およそ 1万 4 千人の社員が共通の価値観を持つことが
さらなるセキュ
ために新潟マテリアル、レック関東、日立建機(上海)
情報を、ホームページによる常時開示をはじめ、株主
重要になっています。そのためにはまず社内情報の共
リティ強化の方
のグループ会社 3 社への業務監査時に個人情報保護に
総会・株主懇談会、四半期ごとの決算説明会などのさ
有化が必要であることから社内報を定期的に発行し、
法としてディス
関する監査も行いました。今後も定期的に監査を行い、
まざまな機会を通じてできるだけ早く発信しています。
イントラネット上で閲覧できる「Web Landy」を公開し
クレスのパソコ
個人情報保護意識を定着させていきます。
また、海外投資家に対しては毎年アニュアルリポー
ています。グループ会社の日立建機ティエラ、日立建
ンの導入も検討
トを配布するほか、欧米を中心に海外 IR を数回実施し
機トレーディングでもそれぞれ社内報「Hola! "Tierra"」
、
していきます。
コミュニケーションを図っています。
バウマチャイナ 2006
「HCTIMES」
を定期的に発信しています。
日立建機グループ CSR 報告書 2007
27
社会性報告
従業員満足、雇用、労働安全衛生
ひとづくり をグループ全社で推進
CSR の取組みのベースは“ひとづくり”
。日立建機はグループ全社を網羅する教育で社員のキャリア
形成をサポートするとともにさまざまな人事施策、労働安全衛生の取組みで快適な職場環境づくり
を進めています。
労働安全衛生の徹底
■タイの年中行事を開催
タイで事業展開する日立建機タイランドほか3社は、
日立建機では労働安全衛生推進委員会でグループ全
※2
従業員福利厚生の一環として新年のタンブンピーマイ
社の労働災害などに関する情報を収集しています。こ
という仏教行事を開催しています。日系企業でこの行
の結果に基づき基本方針と具体的実施事項を定めて活
事を開催している企業は多くはありません。
動を推進し、継続的に事故防止に取り組んでいます。
2006 年度は海外グループ会社に安全マニュアルの英語
※ 2 タンブンピーマイ タンブン=善行、功徳を積む/ピーマイ=新年の意。新年に各事業所にお坊
さんに来ていただき読経によるお清めの後に喜捨を行います。
版を配布し、さらなる安全教育の徹底を図りました。
◆ 休業災害発生頻度(度数率)の推移
全産業
建設機械・鉱山機械・製造業
機械修理業
日立建機単独
国内グループ会社
(度数率)
意欲を育てるキャリアサポート
男性社員が育児休職を取得
日立建機は各個人が目標を設定し、主体的にスキル
日立建機では男女共同参画社会の重要性を認識し、
アップを図る目標管理制度を導入しています。その運
社員の育児休職取得を積極的に支援しています。2006
営にあたって重視されているのが主任以下の社員に対
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年度には 8 名
(新規 5 名、継続 3 名)
の女性社員が育児休
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して上司が実施する 3C ※1 面談です。この面談で上司と
職を取得しましたが、2006 年 5 月 21日∼ 9 月 30 日にわ
部下のコミュニケーションを促進し、社員一人ひとり
たって男性社員が初めて育児休職を取得しました。
にあった年度目標やキャリアアッププランを設定し、
育児休職制度を利用したのは本社経理部の吉田主任
シニア社員の雇用
意欲を持って働ける職場づくりを推進しています。
で、以下の感想を寄せています。
日立建機では改正高齢者雇用安定法の成立前の
「育児休職を決意した当初は周囲の理解が得られる
2004 年 4 月にシニア社員制度を導入しました。高年齢
※1 目標管理に用いる
「チャレンジプログラム」
、職務遂行能力の分析と能力開発
か不安でしたが、人事部や上司に相談し、同僚の協力
目標を明確にする「キャリアアップレポート」
、上司に対する相談・質問を記
入する
「コミュニケーションシート」
の頭文字をとったもの。
者の雇用安定に積極的に取り組むとともに、技術・技
も得て育児休職を取得しました。この取得中に育児や
能の伝承をはじめとした後継者育成にも注力していま
家事を通じて得難い経
す。グループ会社の日立建機教習センタでは教習の講
霞ヶ浦総合研修所を新設し、教育環境を整備
験ができました。入 社
師としてシニア社員を積極的に雇用しており、シニア
日立建機では、全社教育推進委員会の統括のもと、
して 10 年、会社生活し
社員が事業の中核を担っています。
国内外を問わずグループ会社も網羅して階層別・職能
か知らなかった私に地
別教育と選抜型・選択型教育を行ってきました。これ
域社会との接点も生ま
インドネシアからの実習生を雇用
らの教育のさらなる充実を目的として 2007 年 4 月1日
れました。この貴重な
日立建機カミーノでは(財)中小企業国際人材育成事
に霞ヶ浦総合研修所を新設しました。施設内には教室、
経験は今後の業務にも
業団の「技能実習制度」の一環でインドネシアからの実
実習用の工場、宿泊施設も備え、新入社員への技能研
きっと役立つはずです。
習生の受入れを行っています。その 1期生 4 名が 1年目
修から幹部養成までを行います。また、海外からの研
もし周囲から相談を受
の日本語実習と 3 年間の溶接技術実習を終え、インド
修生の受入れも行います。
けたら積極的に応援し
ネシアに 6 月に帰国しますが、その全員を日立建機イ
たいですね。
」
ンドネシアで雇用する予定です。日本語も話せる社員
メンタルヘルスケア
としてインドネシアでの活躍が期待されます。
日本国内では心の不調により休業に至る勤労者が増
霞ヶ浦総合研修所外観
28
����
���
新入社員の英会話研修 ( 上 )、
宿泊施設 ( 下 )
ケーブルプライス社での
クリスマスイベント
タンブンピーマイ
����
���
����
����
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����
����
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����
���
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����
����
����
����(年度)
※度数率
100 万延べ実労働時間当たりの労働災害による死傷者数をもって、災害発生
の頻度を表したもの。
(統計では休業 1日以上が対象)
度数率=労働災害による死傷者数÷延べ実労働時間×1,000,000
新潟マテリアルでは本質安全で
プレス機械に防護ネットを設置
英語版安全衛生
マニュアル
海外における従業員満足の推進
加していることから、日立建機ではメンタルヘルスに
海外事業比率が高まるなか、海外赴任者とその家族
ついても取組みを進めています。2006 年度は本社、東
の生活のバックアップやさまざまなケアを行うと同時
西事業部、海外駐在者に対してメンタル面も含む健康
に、各地の生活習慣や文化に根ざした行事を積極的に
調査を実施しました。また、EAP ※ 3 の導入の検討を行い
開催し、現地採用の従業員福祉厚生にも取り組んでい
2007 年度からの導入を決定しました。なお、日立建機
ます。
ビジネスフロンティアでは 2006 年度にすでに EAP を導
■ニュージーランドの従業員の福利厚生
入しています。
ケーブルプライス社では 4 カ月ごとに夕食会を行っ
インドネシアからの実習生
溶接実習
たり、子供を集めたイベントやクリスマスパーティー
※ 3 EAP(Employee Assistant Program)
などを支店ごとに開催し、親睦を深めています。
企業が外部団体と契約してカウンセリングなどの実施で社員の心の健康を
サポートするシステム。
日立建機グループ CSR 報告書 2007
29
社会性報告
社会貢献活動
よりよい社会のために私たちにできること
日立建機グループは、事業の特性を生かした社会貢献の取組みを推進しています。また、社員一人ひ
とりが企業市民としての自覚を持ち、社会のさまざまな要請に応える社会貢献活動をステークホル
ダーの皆様のご理解のもと進めていきます。
手の優勝で、日本は 2008 年北京オリンピックの出場枠
イスラム教徒が多いインドネシアで操業する日立建
を獲得しました。また、中山選手は北京オリンピック代
機インドネシアでは、創立 15 周年の記念事業として地
表の有力候補になりました。
域住民に開放するモス
■日立・川崎オフロードバイクレースチームを支援
ジット(モスク)を 2006
日立建機(オーストラリア)は、日立・川崎オフロー
年 度 に 建 設 し ま し た。
ドバイクレースチーム
毎 週 金 曜日には 200 人
の 支 援 を し て い ま す。
以上の地域住民が礼拝
2006 年は 14 才の Callan
モスジット
に訪れています。
※地雷除去機の開発については 12、13 ページ、NPO 法人などを通した国際貢献については 16 ページ、かすみがうらマラソンについては 17 ページで紹介しています。
Dickson 少年にバイクな
■
「種子島土木フェスタ 2006」
に参加
どの機材の供与と大会
土木の働きを身近に感じていただき、社会基盤整
参加にかかわる費用の
オフロードバイクレース
日立建機グループ社会貢献方針を策定
地域共生
備に関心をもってもらうために「種子島土木フェスタ
援助を行いました。その結果、スーパークロスのオー
日立建機グループでは社会貢献を重点的に進めるた
■日立建機フェスティバル
2006」が 開 催 さ れ まし
ストラリアのジュニア・チャンピオンとなり、ヤマハか
めに社会貢献方針を 2006 年度に策定しました。この方
2006 年 11 月19 日、土浦工場で恒例となった
「日立建
た。レック西日本はこの
ら 2007 年のチームライダーへの申し出があるまでにな
針のもと、日立建機らしい社会貢献活動を展開してい
機フェスティバル」を開催しました。地域住民と従業員
趣旨に賛同し、ミニショ
りました。
きます。
の家族との交流を深めるために開催しているものです
ベルや高所作業車の試
■スプリングサイエンスキャンプ 2007 に協力
が、当日はあいにくの雨にもかかわらず家族連れでお
乗会を行いました。
日立建機グループ社会貢献方針
(独)科学技術振興機構が主催するサイエンスキャ
ミニショベル試乗会
よそ 3,000 名の方々にご来場いただきました。
ンプは、先端的研究テーマに取り組む大学や企業など
コンベンションホールで開催した神立小学校のファ
環境保全
の研究開発の現場で高校生が実験や実習を通じて科
日立建機グループは、より良い社会を実現するために、事業を
ンファーレバンド演奏会、ボウケンジャーショーや油
■ ( 社 ) 霞ヶ浦市民協会の活動へ参加
学技術を学ぶ合宿型の体験学習プログラムです。日立
通して社会の課題の解決に取り組むとともに、良き企業市民と
圧ショベル実演会、工
茨城県霞ヶ浦地域に
建機技術開発センタはスプリングサイエンスキャンプ
場見学、チャリティー
主要生産拠点を有する
2007 に「近未来建設ロボットを操縦しよう」というテー
プの特長を生かし、
「ひとの支援」
「ものの支援」
「お金の支援」を
ゲームコーナー、北
日立建機では、霞ヶ浦
マで協力。全国各地から
通して社会貢献活動を進めます。
海道浦幌物産展など
の水質浄化を目的に幅
集 ま っ た 高 校 生 8 名 は、
2. 重点テーマ
のアトラクションで
広い環境保全活動を
1. 方針
して社会貢献活動を積極的に推進します。また、ステークホル
ダーの皆様のご理解のもとに社員が参加して、日立建機グルー
「人道支援」…日立建機グループの特長を生かし、ひとりの人間
ではできない、ひとのためになる活動を行います。
大いに楽しんでいた
神立小学校のファンファーレバンド
行っている(社)霞ヶ浦
2007 年 3 月 21日 か ら の 3
霞ヶ浦里山交流会
日間で双腕作業機「アス
市民協会の活動に参加しています。
タコ」の操作方式の検討
■湯島聖堂改修に寄付
霞ヶ浦流域の林野率は 2003 年現在で 22% と全国平
などの実習を行いました。
本社所在地の東京都文京区にある湯島聖堂は、江戸
均の 67% に比べて極めて小さいことから霞ヶ浦流域で
時代の学問、教育の中心であり、近代教育の原点とし
里山づくりに取り組んでいる市民団体は数多くありま
ての役割を果たしたことから国の史跡に指定されてい
すが、独自に活動していて相互に交流がないのが問題
人道支援
ます。この聖堂の改修事業である「孔子祭復活百周年記
でした。2006 年度はそこに着目して霞ヶ浦流域里山交
■インドネシア・ジャワ島地震への緊急支援
念事業」に地域におけ
建設機械は自然災害などの復興に大きな役割を果
「地域共生」…国内外に広く展開している日立建機グループが、
地域とともに歩む活動を行います。
「環境保全」…環境と人間が共生する循環型社会を作りだす活
動を行います。
だきました。
憧れの
「アスタコ」
の前で
◆ その他の主な社会貢献
地域
活動内容
日立建機
中国、日本
天津ライオンズのスポンサー活動、NPO 団
体への寄付ほか
流会を発足しました。今後は各市民団体の情報交換に
日立建機
東日本事業部
東日本
お祭り、花火大会などの地域イベントへの
寄付ほか
る文化財保護の観点
より里山づくりがスピードアップし霞ヶ浦の水質改善
西日本
たします。日立建機グループはそうした製品特性から
か ら 参 加。史 跡 湯 島
が進むことが期待されますが、こうした活動に日立建
日立建機
西日本事業部
盆踊り、レガッタ大会など地域イベントへ
の寄付ほか
災害発生時には国内外を問わずスピードを重視した支
聖堂の管理団体であ
機としても積極的にかかわっていきます。
レック北海道
北海道
募金活動ほか
援を行っています。2006 年 5 月 27 日に発生したイン
る(財)斯文会に寄付
会社名
ドネシア・ジャワ島中部を震源地とする大地震被害に
を行いました。
対して現地代理店ヘ
レック東北
青森県
ねぶた祭りに協賛ほか
日立建機コメック
茨城県
かすみがうらマラソンへの売店出店ほか
その他
多田機工
千葉県
イラク派遣時の地元自衛隊への寄付ほか
■中国安徽省合肥市の教育振興基金に寄付
■クレー射撃ワールドカップで
クリスマス・ライトアップへの寄付ほか
キシンド社保有の油
日立建機(中国)は 1995 年の設立以来、日立建機グ
中山選手が優勝
シンガ
日立建機
アジア・パシフィック ポール
日立建機
(上海)
中国
ホルチン砂漠の緑地化ほか
圧 シ ョ ベ ル ZX200、
ループ有数の生産拠点として合肥市政府の多大な支援
2007 年 4 月15、16 日 に 韓 国 で
オランダ
ZX330 の 2 台 を イ ン
のもと順調に発展を遂げてきました。これに対する感
開催されたクレー射撃のワールド
地域のマラソン大会、サッカーチームへの
寄付ほか
ドネシアの公共事業
謝と地域共生の観点から合肥市の教育振興基金に寄付
カップ女子トラップで中山選手が
アメリカ
共同募金
「United Way」
への寄付ほか
しました。
見事に優勝を飾りました。中山選
省へ寄付しました。
30
■モスジット ( モスク ) の建設
日立建機インドネシアでの贈呈式
改修された仰高門
日立建機
(ヨーロッパ)
ディア日立
金メダルを手に
日立建機グループ CSR 報告書 2007
31
環境保全活動報告
環境経営
環境マインド&
グローバル環境経営
環境経営をグループ全体で継続的に展開
環境マネジメント推進体制
◆ 環境マネジメント体制
日立建機グループでは、グループ全体での組織的な
環境保全活動の推進を目的に、1991年にグループ横断
組織としての環境本部を発足。環境本部を中心とした
社長
環境本部
環境本部長
環境本部会議
環境マネジメント体制により、日立建機グループの環
境保全活動における連結を強化し、より適切な活動を
日立建機は地球環境憲章に基づき環境経営を推進しています。また、グリーンコンパスの指針のも
推進しています。
とにさまざまな活動を行っています。
年に 2 回開催される環境本部会議では、担当役員、関
連部門責任者、グループ各社社長からなるメンバー構
成で、日立建機グループの環境方針および環境行動計
環境推進室
製造部会
国内事業部会
本社部会
本社
国内事業所
(営業・サービス)
非製造関連会社(国内・海外)
土浦工場・霞ヶ浦工場
製造関連会社
(国内・海外)
画の審議・決定、活動実績の検証などを行っています。
地球環境憲章
歯止めがかかるグリーンフロンティア(地域自立型サ
また、環境本部は各拠点およびグループ各社の環境
日立建機グループでは、環境保全活動の礎として地
ステナビリティ社会)
を目指し、環境保全活動を行って
保全活動の指導を随時実施しています。
球環境憲章を定め、グループ全体で環境保全活動を積
きました。2005 年度はこのプランの中間点にあたるこ
極的に推進しています。また、地球環境憲章にある環
とから、CO2 の大気中の濃度を 550ppm 以下にする取
※1
環境業務監査の実施
環境保全活動をグループ全体で推進するため、環境
ISO14001 などのグループ全社構築を目指して
境保全行動指針は、グローバルに活動する企業として、
組みやミレニアム開発目標
などの世の中の動向を踏
日立建機では、環境保全活動における仕組みとし
(通常 3 年に1 度)実施しています。2006 年度は日立建
環境保全をどのように実現していくべきかの方向づけ
まえ活動の見直しを 2015 年に向けて行いました。これ
て環境マネジメントシステムの構築が重要であると
機ティエラ滋賀工場と日立住友重機械建機クレーン名
を示しています。この指針をもとに、グループ全体で
に伴い、環境保全活動の具体的指針を示すグリーンコ
考え、生産拠点である土浦工場で 1997 年にいち早く
古屋工場の国内 2 拠点で実施しました。日立建機ティ
の環境保全活動を展開しています。
ンパスも改定されました。
ISO14001の認証を取得し、運用しています。また、グ
エラではバイオディーゼル燃料の使用を推進する団体
また、環境経営の方向と取組みを表すものとして、
日立建機においても日立グループの方針に則り、
ループ会社、海外の拠点を含めた環境マネジメントシ
に加盟し、再生可能な燃料使用に向けた積極的な取組
日立グループのグリーンコンパスを採用しています。
2006 年度からは新グリーンコンパスを具体的な指針と
ステムの構築を推奨し、グループ全体での環境保全活
みが認められました。指摘としては法規制値を守るた
して環境保全活動を展開しています。
動のレベルアップを推進しています。2006 年度は日立
めの自主管理基準の設定、化学物質の適正管理などが
建機本社とグループ会社の本社がある湯島ビルで非生
ありましたが、今後も積極的な環境保全の取組みを展
産拠点として初めて ISO14001を取得しました。また、
開していきます。2007 年度は国内 3 拠点、海外 2 拠点で
グループ会社の多田機工でも ISO14001を取得しまし
環境業務監査を実施する予定です。
新グリーンコンパスで環境保全活動を展開
日立グループでは、2001年度にエコバリュープラン
※1 ミレニアム開発目標は 2000 年 9 月にニューヨークで開催され、189 の加盟国
が参加した国連ミレニアム・サミットで採択された 21世紀の国際社会の開
発目標です。極度の貧困と飢餓の撲滅などの 8 項目からなり、その 7 番目の
目標に環境の持続可能性の確保が挙げられています。
2010 を作成し、2010 年度には地域が自立し環境悪化に
◆ 新グリーンコンパス
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た。その結果、国内で 7 社 11拠点、海外で 3 社 4 拠点が
認証を取得しています。2007 年度はさらに非生産拠点
拠点の独自性を踏まえた環境教育
2 拠点の認証取得を予定しています。
日立建機グループでは、拠点独自の環境との関わり
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をテーマとし、従業員が実際に体験するなかで学ぶ参
◆ グループ会社の ISO14001 などの認証取得状況
ステークホルダーとの環境協働
次世代製品とサービスの提供
目的と成果を明確にしつつ、
積極的にステークホルダー
との具体的なパートナーシップを実現する
�
取得時期
2006 年度は土浦工場近隣の茨城県霞ヶ浦環境科学
2007 年 1月
競争力の高い製品とサービスの革新を続け、
日立建機東日本事業部、西日本事業部
2007 年度予定
センターで新入社員が地域の環境問題について学びま
新しいビジネスモデルの展開に挑戦する
日立建機土浦工場・霞ヶ浦工場
1997 年 11月
した。また、各部門の環境保全推進者は、環境保全の動
日立建機ティエラ
2002 年 11月
向について学ぶために外部講習会に参加しました。
日立建機カミーノ
2005 年 12 月
2006 年 3 月※
工場内の廃棄物処理については職場の朝礼などで徹
新潟マテリアル
日立住友重機械建機クレーン
1999 年 1月
持続可能な社会の構築に貢献する
(31ページに掲載)
�
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TCM
環境マインド&グローバル環境経営
地球温暖化防止活動を徹底し、
グループ全体において、先進的な環境マインドと
資源循環のための取り組みを進めると同時に、
それを行動に変える力を醸成し、グローバルに機能する
環境に配慮した拠点づくりを推進する
管理・評価システムを構築・運用する
会社名
日立建機
(ヨーロッパ)
日立建機インドネシア
日立建機
(中国)
底するとともに写真の表示やインドネシア語、中国語
2006 年 11月
表記などで外国人
龍ヶ崎工場
1999 年 1月
従業員でも分別方
滋賀工場
1999 年 1月
壬生工場
2004 年 4 月
法が理解しやすい
アムステルダム工場
2005 年 5 月
ブカシ工場
2001年 7 月
チビタン工場
2001年 7 月
多田機工
海外
環境に高いレベルで配慮した工場とオフィス
加型の教育を拠点ごとに実施しています。
日立建機本社
(湯島ビル含む)
国内
世界で、
環境コミュニケーションを強化すると同時に、
32
本部によるグループ会社の環境業務監査を定期的に
ようにしました。
2001年 10 月
※
エコアクション 21を取得
インドネシア語の表示
日立建機グループ CSR 報告書 2007
33
環境保全活動報告
2006年度の実績と2007年度の目標
環境マインド&
グローバル環境経営
グループ基準を定め活動の
ステップアップを図る
新しくなったグリーンコンパスに沿って環境保全活動の内容を分類し、それぞれ個別の目標を定めて、
取組みを進めています。
日立建機グループの環境行動計画
GREEN21 活動
改訂された日立グループの環境ビジョンにあわせ、
環境保全活動を自己評価するためのツール
日立建機グループの環境行動計画も以下の表に示すよ
「GREEN21」 が 2006 年度に Ver.3 に改訂され、以下の表
うに改訂しました。
に示す 8 つの新評価基準で活動を展開しています。
環境行動計画には、日立建機グループ共通の計画と
2006 年度は日立建機グループの目標 768GP(グリー
非生産拠点と生産拠点に分けた計画がありますが、上
ンポイント)
に対して 780GP となり、目標を達成するこ
記の改訂に伴って計画のカテゴリーなどが変わったこ
とができました。2007 年度は 896GP を目指し、さらに
とからそれに合わせて計画の見直しを行いました。
活動の強化を図ります。
◆ 日立建機グループ共通
○:達成
カテゴリー
環境価値創造企業の確立
環境マインド&
グローバル環境経営
GREEN21 Ver.3
2006 年度計画
2006 年度結果
評価
○
2007 年度計画
896 GP
最終年度
(2010 年)
768 GP
780 GP
1280 GP
○
環境連結経営の強化と環境規制対応
環境経営の推進
環境連結経営の強化と環境規制に対応した体制
同左
新環境組織で TCM グループ強化
各社環境負荷報告
環境マネジメントシステム
関連会社を含む環境マネジメントシステムの導入
ISO14001認証取得
多田機工、日立建機本社
(湯島ビル含む)
取得
○
国内 2 拠点
認証事業所拡大
環境会計
連結環境会計の定着
8 社連結の環境会計
7 社連結で実施
○
取組み会社の拡大
取組み会社の拡大
環境リテラシー
(活用能力)
の醸成
意識の啓蒙と環境教育の推進
環境 e- ラーニングの受講促進
環境 e- ラーニングの受講開始
△
対象事業所の拡大
対象事業所の拡大
̶※
30%
50%
グリーン購入の推進
ステークホルダーとの
環境協働
環境行動計画
グリーンポイント
(GP)
の向上
△:未達成
̶※
グリーン購入比率向上(基準年度 2006 年)
環境に配慮した事務用品の購入推進
情報開示
環境活動・環境会計の積極的な開示
地球市民活動
社会貢献活動への積極的な企画や参画
90% 以上
(基準年度 2004 年)
CSR 報告書発行
̶※
購入比率 66%
̶※
△
○
CSR 報告書 6 月発行
CSR 報告書発行、
事業所開放など
◆ グリーンポイント目標と実績推移
評価基準
「GREEN21」
Ver.3
年度
2006
2007
2008
2009
2010
目標
768GP
896GP
1024GP
1152GP
1280GP
実績
780GP
̶
̶
̶
̶
◆ グリーンポイント実績内訳
̶※
CSR 報告書発行、
事業所開放など
❶ エコマネジメント
環境経営
���
❽ステークホルダー
との環境協働
❷ エコマインド
��
◆ 非生産拠点(本社、東日本事業部、西日本事業部、サービス、販売・レンタルなど関連会社)
カテゴリー
環境に高いレベルで
配慮した工場とオフィス
○:達成
環境行動計画
2006 年度計画
2006 年度結果
評価
2007 年度計画
△:未達成
最終年度
(2010 年)
地球温暖化防止
エネルギー起源の CO2 排出量削減
電気使用量 2% 削減
(基準年度 2004 年)
12%増加
(グループ会社との拠点統合などのため)
̶
2% 削減
資源の有効利用
3R
(Reduce, Reuse, Recycle)
の推進
各事業所目標値
(基準年度 2004 年)
リサイクル率 74%
△
各拠点目標
6% 削減
各拠点目標
PCB 管理
(国内)
PCB 使用電気機器
(トランス、コンデンサなど)
の保管管理
(数量、漏洩など)
の徹底と処理
同左
PCB 使用機器の定期調査と適正管理
○
管理の徹底と処理
2016 年度処理完了
�
❼エコファクトリー
資源循環
❻ エコファクトリー
地球温暖化防止
◆ 生産拠点
○:達成
カテゴリー
次世代製品と
サービスの提供
環境行動計画
CO2 排出削減技術の開発
環境適合製品
新製品の環境適合設計アセスメントの実施
環境 CSR 対応モノづくりの推進
循環型社会ビジネスモデル
地球温暖化防止
̶※
計画策定
2007 年度計画
最終年度
(2010 年)
日立建機グループ平均
(目標)
日立建機グループ平均
(実績)
△
100% 維持
100% 維持
グリーン調達の推進 グリーンサプライヤ率の向上
グリーンサプライヤ率 72%
73%
(日立建機)
○
79%
100%
Hi-OSS の拡販、使用済み製品の回収・リサイクルなど、循環型ビジネスモデルの拡大
同左
使用済みカウンタウェイトの回収・リサイクル開始
○
各部門業務目標
各部門業務目標
△
○
△
8%増
7% 削減
22% 削減
25% 削減
2% 削減
5% 削減
❶ エコマネジメント
環境経営
行動計画、環境会計、
リスクマネジメント
エネルギー起源の
CO2 排出量削減
日立グループ平均
(実績)
◆「GREEN21」Ver.3 の評価項目
CO2 排出量削減
(国内)
(基準年度 1990 年)
3.8% 削減
売上高 CO2 原単位削減
(国内)
(基準年度 1990 年)
21% 削減
売上高 CO2 原単位削減
(海外)
(基準年度 2003 年)
2% 削減
増産の影響で12.5% 増
26% 削減
21%増加
改正省エネ法に基づく調査
19,751万 t・㎞
○
1% 削減
4% 削減
❷ エコマインド
従業員への教育
10% 削減
❸ エコプロダクツ
環境適合製品
エコデザインマネジメントシステム 、
環境適合製品、製品含有化学物質管理
❹ エコプロダクツ
グリーン調達
グリーン調達、グリーン購入
❺ ネクスト製品・
サービス戦略
事業・製品戦略 、
サステナブルビジネス 、 外部宣伝
❻ エコファクトリー
地球温暖化防止
事業所省エネ、
物流における環境対応
❼ エコファクトリー
資源循環
廃棄物削減、化学物質管理
❽ ステークホルダーとの
環境協働
情報開示、コミュニケーション活動、
地球市民活動
売上高輸送エネルギー原単位削減率
(基準年度 2006 年 )[国内]
推進計画立案
25% 削減
(日立建機)
○
7% 削減
最終処分率1% 以下、かつ最終処分量 5t/ 年未満
3R
(Reduce, Reuse, Recycle)
の推進
(産業廃棄物と一般廃棄物を対象)
ゼロエミッション達成の推進
国内 3 拠点
△
推進事業所での完了
水資源の有効活用
推進計画立案 1% 削減
2% 削減
○
2% 削減
5% 削減
同左
排水協定値の遵守
○
排水協定値の遵守
排水協定値の遵守
1% 削減
1% 削減
○
2% 削減
5% 削減
推進計画立案
削減方針を作成
16%削減
(国内)
○
16.5% 削減
25% 削減
同左
PCB 使用機器の定期調査と適正管理
○
管理の徹底と処理
2016 年度処理完了
工場排水・水質管理
売上高原単位削減
(基準年度 2000 年)
用水使用量の売上高原単位削減
(基準年度 2005 年)
排水処理設備の事故防止徹底
自主管理基準による兆候管理の徹底
補給部品の梱包材の新規使用原単位削減
(基準年度 2005 年)
VOC 大気排出量売上高原単位削減
[国内]
( 基準年度 2000 年 )
化学物質管理
VOC 大気排出量削減
PCB 管理
PCB 使用電気機器
(トランス、コンデンサなど)
の保管管理
(数量、漏洩など)
の徹底と処理
※ 2006 年度に
「−」
となっているのは 2006 年度に計画がなく、2007 年度から始まる活動テーマ。2007 年度に
「−」
となっているのは 2006 年度で終了した活動テーマ
34
評価
̶※
❺ ネクスト製品・
サービス戦略
△:未達成
アセスメント実施機種すべてを
環境適合製品化
(6 機種)
廃棄物の発生量の削減
資源の有効利用
2006 年度結果
❹ エコプロダクツ
グリーン調達
アセスメント実施製品の環境適合製品化
輸送時のエネルギー削減
環境に高いレベルで
配慮した工場とオフィス
2006 年度計画
̶※
地球温暖化防止
❸エコプロダクツ
環境適合製品
日立建機グループ CSR 報告書 2007
35
環境保全活動報告
事業活動に伴う投入量・排出量
環境に高いレベルで
配慮した工場とオフィス
事業に関連する環境負荷の全体像
環境保全活動報告
サステナブルビジネスモデル
次世代製品と
サービスの提供
経済・環境・社会の調和を目指して
日立建機グループでは資源の有効利用と環境に負荷を与える物質の排出量の削減を積極的に進めて
日立建機グループでは、経済・環境・社会のバランスをとった
「サステナブルビジネスモデル」
の構築
います。2006 年度の生産拠点、販売、サービス拠点における資源の投入量と排出量を紹介します。
に向けて、さまざまな取組みを行っています。
�����
素材
大気への排出
部品・材料調達
���������
日立建機
グループ(国内)
グループ(海外)
投
入
256,000 t
172,000 t
‒
排
製造
出
● 地球温暖化物質の削減
燃料
日立建機
グループ(国内)
グループ(海外)
���������
日立建機
41,200 t
グループ(国内) 34,600 t
グループ(海外) 26,700 t
エネルギー
電気
燃料
7,660 万 kWh
5,227 万 kWh
2,235 万 kWh
5,273 ㎘
5,745 ㎘
2,333 ㎘
用水
物流
INPUT
燃料
6,400 ㎘
日立建機
グループ
4,300 ㎘
2,100 ㎘
OUTPUT
CO2 排出量
日立建機
グループ
�����
SOx NOx
������ �������
PRTR 対象
479 t
504 t
―
SOx
NOx
0.24 t 1.64 t
1.36 t 11.89 t
―
―
17,600 t
11,900 t
5,700 t
部品再生事業
日立建機グループでは、レック関東、レック関西
日立建機グループでは、1998 年度から資源の有効
OKG などのレンタル会社 8 社を全国に展開し、サービ
活用と廃棄物の削減、安価な部品の提供による顧客満
スおよび販売と連動する形でレンタル事業を行ってい
足度の向上を目的に、使用できなくなった部品を引き
ます。1台で多数のお客様のニーズに応えられることか
取って再生する部品再生事業を開始しました。
ら、新車製造が削減でき省エネにつながります。
2006 年度はエンジン再生事業のグループ会社への
一方、中古車販売事業については日立建機トレー
拡大などで新部品製造時に必要な 5,100 M Wh相当の
ディングで行っています。神戸、古河の常設会場で行う
電力を節約しました。CO2 排出量換算でおよそ 1,800t
パレード方式のオークションには世界各地のバイヤー
の削減になります。
が集まります。2 月に神戸で開催したオークションには
台数 641台のうち 614 台が落札されました。この中古
車販売事業は、中古車に
排水
化学物質
���������
日立建機
グループ(国内)
グループ(海外)
レンタル事業と中古車販売事業
海外から 71人、合計で 196 人のお客様が来場し、出展
水域への排出
※1
19,751万 t・km
13,679万 t・km
6,072万 t・km
国内物流量
日立建機
グループ
PRTR 対象
CO2
● 水質・土壌汚染の防止
������ 万kW�
������ ㎘
化学物質
CO2
● 省エネ活動の推進
● 化学物質の適正管理
電気
������
研究・開発・設計
COD
BOD
満たすとともにリユース
排水
COD
BOD
による廃棄物の削減と新
324,000 t
369,000 t
149,000 t
0.11 t
1.01 t
5.48 t
1.38 t
2.18 t
0.44 t
省エネ量(MWh)
日立建機
グループ(国内)
グループ(海外)
362,000 t
376,000 t
149,000 t
廃棄物
販売・サービス
※2
INPUT
電気
燃料
550 万 kWh
835 ㎘
26 t
コピー用紙
化学物質
�������
751 t
580 t
‒
��������
��������
OUTPUT
CO2 排出量
廃棄物(排出)
廃棄物(再資源)
廃棄物(埋立)
4,300
2,670
1,988
460
日立建機
グループ(国内)
グループ(海外)
使用
回収・リサイクル
※1
カウンタウエイト回収 330 t
部品リサイクル回収量 1,144 t
埋立処分
�������
t
t
t
t
PRTR 対象
日立建機
グループ(国内)
グループ(海外)
再資源
排出
排出
再資源
13,655 t
12,190 t
18 t
12,490 t
21,072 t
10,290 t
20,350 t
267 t
723 t
埋立処分
データ集計対象範囲
日立建機
国内2拠点 グループ
国内8拠点 海外2拠点
※1 国内のみの数値、 ※2 国内15拠点の数値
�����
����� �����
����� �����
�����
�����
神戸でのオークション
�����
�����
�����
�����
�����
�����
�����
�����
�����
�����
�
���������
CO2 削減量 (t)
�����
�����
車製造削減による省エネ
につながります。
■ 省エネ効果 CO2排出量削減効果
�����
対するお客様のニーズを
������ ������
◆ 再生事業の省エネ効果と CO2 排出量削減効果の推移
���
�
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��
���
���
���
���
���
�
���� ���� ���� ���� ���� ���� ���� ���� ����(年度)
カウンタウエイト・リサイクル活動を開始
2005 年度にほかの建機メーカーとともに実証実験を
土壌浄化事業
行った製缶製カウンタウエイトの回収・リサイクル活
日立建機では、工場跡地などで発見される VOC(揮
動を、リサイクル阻害要因の運搬費を日立建機が負担
発性有機化合物)
汚染土壌、油汚染土壌の浄化処理に加
することによって 2006 年 9 月より開始しました。
え、重金属汚染土壌の浄化処理も行っています。
日立建機ロジテックが窓口業務と運搬業務を担当し
■ 再生事業の省エネ効果推移
再生品によるCO 削減効果推移
鉛・ヒ素・フッ素などの重金属汚染土の浄化処理は、
ます。また、解体リサイクルについてはカウンタウエ
����
����
汚染土壌に化学薬剤を混合し不溶化処理することに
イト・メーカーに委託し
�����
より地下水への溶出を防止します。
�����
�����しかも、この不溶
����
����
て鉄分と内容物の再利用
化処理をその場で行いますので、汚染土壌をダンプト
�����
を行います。2006 年度に
ラックで場外搬出し
は、 約 140 個、330t の カ
て処理を行う工法に
2
省エネ量
CO2 削減量
����
����
����� �����
�����
�����
�����
����
�����
ウンタウエイトを回収し
����
比
べ 低 コ ス ト で CO2
リサイクルしました。
の排出量を大幅に削
���
����
カウンタウエイトのリサイクル
�
���
��
減できます。
�
�
���
���
���
���
���
����
土壌浄化現場
�
���� ���� ���� ���� ���� ���� ���� ���� ����(年度)
36
日立建機グループ CSR 報告書 2007
37
環境保全活動報告
地球温暖化防止への取組み
環境に高いレベルで
配慮した工場とオフィス
建設機械のライフサイクルを考慮して
CO2 排出量を削減
日立建機グループは、省エネ機械の提供、「Hi-OSS」 というソリューションの提供、製造時の省エネ
活動により CO2 排出量の削減に努めています。
輸送に関わる範囲を調査したところ、13,679 万 t・km の
日立建機ティエラでは、環境にやさしい活動の一環
輸送量となり
「特定荷主」
の基準である 3,000 万 t・km を
として BDF(Bio Diesel Fuel)によるフォークリフトの実
超えたため、経済産業省に対して「省エネ計画の作成・
証試験運行を 2007 年 4 月から開始しました。BDF とは
提出」
が義務づけられる予定です。
菜の花・コーンなどの植物から得られるディーゼル燃
日立建機グループは、従来より独自の原単位によっ
料のことです。植物は大気中の CO2 を吸収してできた
て輸送負荷(燃料使用量および CO2 排出量)の低減を
ものであるため、BDF を燃やして発生する CO2 は大気
行ってきました。2006 年度は北九州向けに出荷する製
に戻るだけで、CO2 濃度には影響を与えません。このた
品の船積み港を、横浜港から日立港に変更しました。
め、使用した分だけ化石燃料の使用を削減できます。
これにより、生産拠点から港までの輸送距離が短縮さ
当面はフォークリフト1台からのスタートですが、
れ、北九州向け製品輸送における CO2 排出量
(輸送船の
今後このフォークリフトの実績データをもとに対象
CO2 排出量は除く)を約 30%削減することができまし
建設機械の使用時の CO2 排出量削減
単位排出量は 2005 年度より約 9%下がっていますが、
フォークリフトの拡大、ミニショベル製品への適用の
た。年間削減量は従来指標で約 205t-CO2 になる見込
2005 年 2 月に京都議定書が発効され、日本には温室
生産拡大のため総排出量は約 27%増加しました。
検討を行います。また、原料の廃食油の確保活動も行
みです。
効果ガスの削減が 1990 年度比で 6%が義務づけられま
日立建機グループは統一削減目標として 2010 年度
う予定です。
日立建機は 2007 年度より、2006 年度のエネルギー
した。日本政府の「改訂地球温暖化対策推進大綱」では
までに 1990 年度比 7%削減および売上高原単位 1990
消費原単位を基準として一層の省エネ効果を達成する
産業部門は 7%減の計画になっています。
年度比 25%削減
(海外 2003 年度比 5%削減)
を定めてい
よう努力していきます。
日立建機グループでは国民運動「チーム・マイナス
ます。売上高原単位は 2006 年度に 1990 年度比 26%減
6%」に参加するとともに建設機械のライフサイクルを
で目標をクリアしました。一方、総排出量は生産拡大
考慮した CO2 排出量削減に取り組んでいます。
のため 1990 年度比 12.5%増となりました。また、建設
出荷量が多い油圧ショベル ZX200-3 のライフサイ
機械の旺盛な需要に応えるために新工場の建設などで
クルでの CO2 排出量を評価した結果、使用時と製造時
さらなる生産拡大をしていく予定(25 ページ参照)です
の省エネの効果が大きいことがわかりました。使用時
ので、CO2 排出量削減の抜本的対策の検討を行います。
の CO2 排出量が最大であるためメーカーの使命とし
て省エネ機械の開発に取
り 組 ん で い ま す(43 ペ ー
ジ参照)
。ま た、
「Hi-OSS」
(14 ページ参照)というソ
◆ ZX200-3 の
ライフサイクルでの
CO2 排出割合
廃棄時
製造時
��
���
納入時
リューションを提供して
�����
工 事 全 体 で の CO2 排出 量
の削減にも努めています。
使用時
���
製造段階の CO2 排出量削減の取組み
■ 日立建機CO2排出量
■ グループ(国内)CO2排出量
■ グループ(海外)CO2排出量
������
������
二
酸 ������
化
炭 ������
素
排
出 ������
量
������
はじめ国内・海外グループ各社の環境負荷の大きい拠
�
すが、2003 年度以降の生産量の急増により使用エネル
ギー量の増加が削減量を上回る状況が続いています。
2006 年度は、日本国内については総排出量が 75,808
(t-CO2 /億円)
������
������
す省エネ施策などを実施し排出量の削減に努めていま
������
円減少する、という結果になりました。
なお、海外グループ会社についても省エネ施策で原
������
������
����
����
製品などの輸送における省エネ対策
������
������
������
������
����
������
����
国内基準年 海外基準年
事業者および荷主企業も輸送における省エネ対策に取
�
り組むことになりました。日立建機は以下の図に示す
��
�����
����
�����
��
����
�����
��
������
������
������
����
����
����
����
����
����
�����
���
����
1% /年改善
���
����
売
��� 上
高
原
��� 単
位
����
����
������
���
����
����
����
����
���
����
��
��
�����
��
��
�����
��
サプライヤー
�����
����
�����
��
�
�
�
��
直接納入
D
������
二 ������
酸
自社生産拠点
化 ������
炭
素
土浦工場 排 �����
出
量 �����
部品
A
主な省エネ施策
削減 CO2 量
❶ 高効率化
アモルファストランス、セラミック
メタルハライドランプ、インバータ
式油圧ポンプの採用
❷ 工場エア
設定圧の見直し、エアブローの自動
化、定期的エア漏れ対策
98t-CO2 / 年
❸ 待機電力削減
工作機械切削ポンプの連動化、局部
照明・排気ファンのタイマー運転
76t-CO2 / 年
❹ 空調機
氷蓄熱式空調機設置、空調運転方法
の変更
4t-CO2 / 年
179t-CO2 / 年
土浦物流
センタ
�����
�����
�����
サプライヤー
サプライヤー
B
C
部品
1% /年改善
�����
供給部品など
������
��
対象
���
��
売
生産委託会社
��� 上
�����
高
��
(グループ会社など)
原
��� 単
位
���
�
���
����
����
����
����
日立建機
の営業所
部品・コンポーネント
二次輸送
霞ヶ浦工場
構内物流
巡回引取り納入
直接納入
����
�
輸入品
�����
���
対象外
��
����
サプライヤー
�����
�����
�����
������
�����
センタ
�
構内物流
�����
��
■ 日立建機CO2排出量 売上高原単位
■ グループ会社CO2排出量
(t-CO2 /億円)
��
(t-CO2 /年)
◆ 日立建機の「輸送に係る措置」に関する主な調査範囲
����
◆ 主な省エネ実施例
区分
「輸送に係る措置」が設けられました。このため、輸送
����
���� 売
上
���� 高
原
単
���� 位
����
����
������
二
酸
化 ������
炭
素
排 �����
出
量
�����
����
������
�����
������
����
t-CO2/ 年、原単位が 14.7 t-CO2/ 億円で、昨年度より総
排出量が 5,216 t-CO2/ 年増え、原単位は約 0.8 t-CO2/ 億
������
国内:10 事業所
海外:2 事業所
国内売上高原単位
海外売上高原単位
■ 日立建機CO2排出量 売上高原単位
■ グループ会社CO2排出量
(t-CO2 /億円)
(t-CO2 /年)
2006 年 4 月より、改正省エネ法が施行され、新たに
(t-CO2 /年)
製造段階の CO2 排出量の削減のために、土浦工場を
重油から電気へのエネルギー代替に加え、右表に示
◆ 輸送時の CO2 排出量
◆ CO2 排出量と原単位の推移
点に排出量管理の対象を拡大してきました。
38
BDF フォークリフト運行開始
一部購入
通関後
自社に所有権のある製品・部品が対象
グループ会社も同様に対象範囲を定め集計
各工場の構内物流は製造時のエネルギー負荷
直接納入
顧客
輸出品
通関前
日立建機グループ CSR 報告書 2007
39
環境保全活動報告
廃棄物削減への取組み
環境保全活動報告
環境に高いレベルで
配慮した工場とオフィス
廃棄物最終処分の継続的削減を図る
日立建機グループは、新規に使用する化学物質の事前安全審査、化学物質と排水などの管理を通じ
方針は Reduce
(発生抑制)
、Reuse
(再使用)
、Recycle
(再資源化)
の 3R 活動です。廃棄物の最終処分
て地球環境の保全に努めています。
量削減活動であるゼロエミッション活動において、ハイレベルな目標設定をしています。
ハイレベルなゼロエミッション達成を目指して
廃棄物最終処分量の削減
PRTR 法対象物質の管理
日立建機グループでは、日立グループ共通のゼロエ
近年の増産に伴い廃棄物排出量も増加の一途をた
PRTR(Pollutant Release and Transfer Register:環境汚
日立建機の主力生産工場である土浦工場では、1日
どっています。2006 年度は前年度に比べ国内外合わせ
※1
約 1,000t もの水を使用しています。土浦工場は脱窒処
ミッション定義を用いて活動していますが、その定義
※2
は
「排出する廃棄物
(有価物を含む)
の最終処分量が、排
て 7,665t
(国内 2,566t、海外 5,099t)
の増加です。しかし、
および移動量
を適切に管理・把握しているほか、使
理装置や活性炭吸着搭などの設備を有し、県内でも有
出量の 1%以下 かつ年間 5t 未満」というものです。こ
グループ各社の分別・リサイクルに関する種々の取組
用量の削減に取り組んでいます。また、排出量の大部
数の総合排水処理場となっています。工場からの排水
の場合の「廃棄物」は産業廃棄物のみでなく、紙くずや
みが成果を結び、最終処分量は継続して削減されてい
分は、塗料・溶剤などに含まれる揮発性の有機化合物
は近くの霞ヶ浦に流れ込むため、水質汚濁防止には高
弁当容器、清掃ゴミといった一般廃棄物も含まれます。
ます
(前年度比国内 72t 減、海外 707t 減、合計 779t 減)
。
(VOC:Volatile Organic Compounds)
であるため、VOC
目標達成にはきめ細かい分別活動とリサイクル処理が
日立建機グループは排出量の増加に伴って目標量が増
成分の少ない塗料などの導入を順次進め、排出量の削
工場排水の管理にあたっては、地元自治体との公害
要求されます。以下の円グラフに示すように木くず、
える「排出量の 1%以下」に甘んじることなく、
「年間 5t
減に努めています。
防止協定 値よりも
紙くずなどはより一層のリサイクル推進が必要です。
未満」
という厳しい最終処分量の目標を掲げ、ハイレベ
◆ 廃棄物「種類ごとの排出割合」
(上)、「種類ごとの最終処分割合」
(下)
燃えがら 0.1%
がれき類 0.6%
鉱さい 0.2%
ガラス・陶磁器
0.2%
廃プラスチック
3.6%
金属くず 0.1%
繊維くず 0.6%
紙くず 5.2%
木くず 9.2%
.8%
汚泥
13.6%
鉱さい 11.7%
ガラス・陶磁器
12.5%
金属くず 0.1%
がれき類 0.6%
鉱さい 0.2%
ガラス・陶磁器
0.2%
廃油 0.6%
廃プラスチック
10.8%
燃えがら 0.1%
木くず 25.7%
がれき類 6.7%
廃油 8.3%
木屑 9.2%
ゴム屑 0.0%
繊維屑
0.0%
0.1%
繊維屑 0.6%
製品など
への使用
13.6%
����
工の
3 0.0%
拠点です。
ゴム屑
製品など
への使用
������
40
マンガンおよび
その化合物
����
紙屑
17.6%
木屑 25.7%
排出量
������
取扱量
�������
トリメチル
ベンゼン
����
/年)
1000
分解など
性状変更
�%
���
���
最
終
処
分
量
��
600
メタクリル酸メチル 0.2%
400
1,3,5-トリメチルベンゼン
0.8%
■ 廃棄物排出量
排出量
および移動量
������
��
エチレン
グリコール
�����
トルエン
23%
�����
(t /年)
������
�����������
�����
������
������
������
������
���
����
����
��
��
��������
�����
���
���
��
25000
アスベストに関わる健康相談窓口設置
��%
20000
日立建機グループでは、過去にアスベストを取り扱
15000
う作業がありましたが、飛散性のアスベストは使用し
エチレングリコール 0.5%
10000
ていませんでした。しかし、念のため 2005 年 10 月に従
マンガンおよびその化合物
0.2%
5000
0
������
業員および OB を対象に過去のアスベスト使用につい
ビスフェノール A 型
エポキシ樹脂
0.0%
て周知するとともに各事業所に相談窓口を設置しまし
た。現在のところアスベストによる健康被害は報告さ
キシレン
58.7%
れていません。
※ 国内 10 拠点、扱い量 1t/ 年以上
日立建機最終処分量
グループ会社最終処分量
������
�����
������
���
������
排出量
排出量
および移動量
最終処分量
土浦工場総合排水処理場
(t /年)
�����
�����
������
30000
������
トリメチルベンゼン
17%
0
�
����(年度)
����
800
200
���
���
最
��� 終 ���
処
��� 分
量 ���
���
最
終
処
分
量
�����
�����
�����
�����
�
����(年度)
����(年度)
土壌汚染の調査
日立建機ファインテックは半導体と機械産業用向け
日立建機グループは過去の土地利用で生じた土壌汚
のさまざまな検査装置を製造していますが、そのノウハ
メタクリル酸メチル
エチレングリコール
染が環境破壊や健康被害につながることを防ぐため、
���%
���%
ウを生かし、建設機械用の鉛フリーコントローラの製作
��%
�%
取扱量
排出量
および移動量
した。
20 件です。
分解など これまでの調査件数は
������
�%
廃棄物排出量
(t /年)
������
������
������
最終処分量
ビスフェノール A 型
エポキシ樹脂
トリメチルベンゼン
トルエン
性状変更
■ 廃棄物排出量
マンガン及びその化合物
行っています。
2006 年度は新規に
��%1 件の調査を行いま
移動量
���%
����
����
����
-
�
キシレン
鉛フリーコントローラ
1,3,5 トリメチルベンゼン
建替えや土地の売買を行った際、土壌汚染の調査を
製品への使用
���%
���%
����
�
ビスフェノール A 型
エポキシ樹脂
(液状のものに限る)
����
�����
������
��
紙屑
17.6%
�����
�����
エチルベンゼン
������
������
10.8%
木屑 9.2%
1200
���
����
������
������
排
出 ������
トルエン
建機霞ヶ浦工場、日立建機ティエラ滋賀工場、多田機
陶磁器
チック
紙屑 5.2%
12.5%
�����
���
������
���
��
量 ������
����
������
廃プラス
������
えています。
取扱量
移動量
�%
������
���
■ グループ会社廃棄物排出量
排 ������
ビスフェノール
A型
エポキシ樹脂
出
(液状のものに限る)
量 ������
マンガンおよび
その化合物
廃油 0.6%
鉱さい
移動量
う目標まで達成できた拠点は、前記
5 拠点のうち日立
汚泥
11.7%
�����
(t /年)
測装置を設置し厳
重な管理体制を整
製品への使用
��%
(日立建機グループ海外 2 拠点)
木屑 25.7%
(t
の 5 拠点が達成しました。
しかし、
「年間 5t 未満」とい
燃えがら 0.0%
繊維屑
0.0%
������
������
立建機ティエラ滋賀工場、多田機工、日立建機(中国)
金属屑
0.1%
繊維屑 0.6%
������
廃油 0.6%
汚泥
(t /年)
13.6%
������ 廃プラス
チック
10.8%
■
日立建機廃棄物排出量
鉱さい
11.7%
ガラス・
陶磁器
12.5%
廃プラスチック
3.6%
がれき類 6.7%
日立建機最終処分量
グループ会社最終処分量
燃えがら 0.0%
汚泥 6.8%
ゴム屑 0.0%
金属屑
ては、2006 年度は日立建機土浦工場、霞ヶ浦工場、日
金属屑 65.8%
ゴム屑 0.0%
�����
�����
「最終処分量が排出量の 1%以下」という目標につい
屑 65.8%
排
出 ������
量
水質検査のほか、常
◆ 取扱量と排出量・移動量(上)、排出量・移動量の内訳(下)
������
������木くず 25.7%
�
紙屑 5.2%
ガラス・
������
紙くず
17.6%
繊維くず 0.6%
廃プラスチック
3.6%
紙くず
17.6%������
������
がれき類 6.7%
廃プラスチック
3.6%
������
準値を定め、毎日の
時監視する自動計
廃油 0.6%
(日立建機グループ国内
10 拠点)
汚泥
鉱さい 11.7%
13.6% ■ 日立建機廃棄物排出量
廃プラスチック
■ グループ会社廃棄物排出量
ガラス・陶磁器
10.8%
12.5%
(t /年)
木くず 9.2%
廃油 8.3%
所における埋立処分量を合わせたもの
※ 2 移動量…下水道と当該事業所の外への移動量
◆ 廃棄物排出量と最終処分量の推移
金属くず 65.8%
汚泥 6.8%
※1 排出量…大気、公共用水域、当該事業所における土壌への排出量と当該事業
がれき類 6.7%
廃油 8.3%
度処理を行う管理体制を取っています。
厳しい自主管理基
きます。
汚泥 6.8%
紙くず 5.2%
廃油 8.3%
工場排水の管理(水質汚濁防止)
染物質排出移動登録)法対象物質に関しては、排出量
ルなゼロエミッション達成を目指して活動推進してい
汚泥 6.8%
環境に高いレベルで
配慮した工場とオフィス
適切な管理で、環境負荷を最小限に抑える
日立建機グループは、国内・海外の生産拠点を中心に廃棄物削減の取組みを推進しています。その基本
0.1%
化学物質の管理と削減
������
������
������
������
������
排出量
��%
������
キシレン
���
���
���
を担当しています。2005 年度に「ZAXIS-3」シリーズで初
���
めて導入した鉛フリーコントローラを2006 年度には 47
�
機種17,406 台の建設機械に適用しました。
����%
��%
最終処分量
������
日立建機グループ CSR 報告書 2007
41
環境保全活動報告
環境適合設計
環境保全活動報告
次世代製品と
サービスの提供
設計段階から総合的な環境負荷を評価
環境技術の研究・開発
次世代製品と
サービスの提供
技術力で環境との調和を図る
日立建機グループは、建設機械の環境との調和を目指しています。3 次排出ガス規制のクリア、電動
日立建機グループは製品のライフサイクル全体の環境負荷を評価する仕組みを取り入れ、
式ミニショベルの開発、リサイクル技術の研究開発など、さまざまなかたちで研究の成果が出てき
総合的に改善する取組みを行っています。
ています。
環境適合設計アセスメント
2006 年度は新たに 18 機種を加え累計で 95 機種が目
中型油圧ショベルとホイールローダ発売
出方式、チッパディスクの低回転数化、エコモードの
日立建機グループでは、事業・製品特性をふまえ、製
標でしたが、6 機種追加の 83 機種に留まりました。こ
2006 年 1月のホイールローダ ZW シリーズ 3 機種の
採用で騒音を低減し作業環境にも配慮しています。
品の開発段階から環境に配慮した製品および環境保全
れらは環境適合製品として登録しました。
発売に続き、4 月と 6 月には中型油圧ショベル ZX-3 シ
を用途とした環境保全型製品の開発を推進しています。
特に設計段階においては、製品がそのライフサイク
ルを通して環境に与える影響を総合的に評価する手法
「環境適合設計アセスメント」
(①減量化②長期使用性
◆ 環境適合製品登録数
(機種総数)
���
���
��
��
③再資源化④分解・処理容易性⑤環境保全性⑥省エネ
ルギー性⑦情報提供⑧包装材の 8 項目で評価)を実施
し、製品と製造プロセスの環境負荷低減に活用してい
ます。また、環境配慮基準に適合した製品については、
環境適合製品として登録し、ホームページやカタログ
��
��
��
��
��
��
��
��
��
��
��
��
などの環境マークを通し、お客様に製品環境情報の提
�
供を行っています。
����
����
����
����
����
����(年度)
環境適合製品事例
超大型油圧ショベル
EX8000(2006年4月発売)
活況を呈するマイニングビジネス。カナダ、オーストラリ
ア、アフリカなどの大規模鉱山では大型ショベルが活躍して
EPA排ガス1次規制をクリア
● 油脂、
フィルタの定期交換時間の延長
● 流量応援型分散バルブシステム採用による油圧ロス低減
●
�
リーズ 6 機種を発売しました。これらは新型高出力エ
電動式ミニショベル「2WAY エコショベル」
ンジンの搭載と新油圧システムの採用で作業能力向上
日立建機では、鹿島道路(株)と共同し、都市型工
と省エネを両立させ、日米欧の排ガス 3 次規制に対応
事に対応した省エネ、低騒音の電動式ミニショベル
するとともに国土交通省の低騒音型建設機械基準値を
「2WAY エコショベル」
を開発しました。このミニショベ
クリアするなど環境にも配慮しています。
ルは、使用環境に応じて商用電源とバッテリの使い分
中型油圧ショベル ZX210-3
(日本名 ZX200-3)
は、作業
けができるほか、ディーゼルエンジン仕様の従来機と
量 12%アップとともにエンジン回転・トルクを制御す
変わらない性能を発
る省エネモードで 13%の燃費低減を実現しています。
揮します。また、CO2
オランダの雑誌「Bouw Machines」に掲載された調査結
排出量やランニング
果では、ZX210-3 は世界
コストを大幅に削減
主要建設機械メーカー
できるうえ、6 デシベ
10 社の 20t クラスの油圧
ルの騒音ダウンも実
ショベルのなかで作業
現。都 市 部 で の 夜 間
量・燃費ともに
「ナンバー
作業に適しています。
ワン」を獲得しました。日
立建機グループの技術力
国内初のハイブリッド式トランスファークレーン
の高さを世界に示す結果
TCM は、コンテナターミナルでの環境への取組みと
となりました。
ZX210-3
( 日本名 ZX200-3)
して、安川シーメンスオートメーション・ドライブ
(株)
と共同で国内初のハイブリッド式トランスファーク
高性能木材チッパ「ZR30FC」
レーンを開発しました。このトランスファークレーン
木材チッパは、街路樹などの剪定枝木のオンサイ
は、コンテナ巻き下げ時に発生するエネルギーを電気
ケットは、1 杯で 11tダンプトラック約 6 台分を満杯にします。
ト処理に威力を発揮します。日立建機の木材チッパ
二重層コンデンサに蓄積し、巻き上げ時に再利用する
EX8000 は、24 時間稼動の鉱山での過酷な作業条件に対
「ZR30FC」は、チッパナイフとハンマナイフによる 2 段
ことで燃費 40% 削減を可能にしました。また、搭載エ
応して優れた作業性、耐久性、機動性でお客様のニーズに
階の破砕処理機構と排出スクリーンを組み合わせた独
ンジンの小型化
応えています。こうした経済性を追求した機械ですが、EPA
自の破砕構造で、リサ
が可能になり、排
(アメリカ合衆国の環境保護局)排ガス1次規制をクリアし
イク ル 可 能 な 高 品 質
ガ ス の 40% 削 減
たエンジン搭載、流量応援型分散バルブシステム採用によ
の 木 材 チップ を 効 率
と騒 音 14 デ シ ベ
る油圧ロス低減
(省エネ)
、油脂・フィルターの定期交換時間
良く生産します。また、
ル低減を実現し
の延長など環境にも配慮して環境適合製品に登録しました。
ファンを使用しないコ
ました。
います。その世界最大の機械が超大型油圧ショベル EX8000
です。質量およそ800t、高さおよそ10 mで、容量 40m3 のバ
ンベヤによるチップ排
42
日立建機グループ CSR 報告書 2007
43
環境保全活動報告
サイト別環境データ
日立建機株式会社
土浦工場
日立建機株式会社
霞ヶ浦工場
所在地
茨城県土浦市神立町 650
茨城県かすみがうら市深谷 2200
滋賀県甲賀市水口町笹ヶ丘 1-2
事業内容
建設機械全般の開発・製造
油圧機器の開発・製造
建設機械・農業機械の開発・製造
47,620
28,984
9,428
事業所名
電気
燃料
(原油換算)
大気への排出
㎘
3,091
2,182
953
t
280,721
81,395
44,540
CO2
t
25,140
16,085
5,637
SOX
t
0.16
0.08
0.00
NOX
t
0.99
0.65
1.84
廃棄物
排水量
t
260,360
63,333
44,540
発生量
t
7,240
6,414
2,001
再資源化量
t
6,327
5,863
1,346
最終処分量
t
15
2
4
化学物質名称 入
/
出
取扱量
移動量
(廃棄物)
取扱量
大気への
排出量
移動量
(廃棄物)
取扱量
大気への
排出量
TCM 株式会社
滋賀工場
日立住友重機械建機クレー
ン株式会社 名古屋工場
所在地
茨城県龍ヶ崎市 3 番地
滋賀県近江八幡市長光寺町 578
愛知県大府市朝日町 6-1
事業内容
ホイールローダの製造
フォークリフトの製造
クローラクレーンの製造
MWh
12,077
9,704
6,020
㎘
874
778
674
t
143,735
75,117
12,231
CO2
t
6,551
5,350
4,196
SOX
t
0.00
0.09
0.00
NOX
t
0.00
0.36
0.25
電気
エネルギー
燃料
(原油換算)
用水
大気への排出
水域への排出
廃棄物
移動量
(廃棄物)
排水量
t
137,606
75,117
12,231
発生量
t
2,074
2,503
788
再資源化量
t
1,410
2,102
773
最終処分量
t
44
60
化学物質名称 取扱量
大気への
排出量
移動量
(廃棄物)
取扱量
大気への
排出量
15
移動量
(廃棄物)
取扱量
大気への
排出量
移動量
(廃棄物)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(液状) t
11.4
0.0
0.0
1.2
0.0
0.0
5.9
0.0
0.0
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(液状) t
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
エチルベンゼン
t
66.7
60.9
5.8
15.2
15.2
0.0
29.7
29.7
0.0
エチルベンゼン
t
12.8
12.8
0.0
25.9
25.9
0.0
0.9
0.9
0.0
エチレングリコール
t
220.2
0.0
5.1
0.0
0.0
0.0
33.5
0.0
0.0
エチレングリコール
t
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
5.5
0.0
0.0
入
/
出
キシレン
t
291.8
286.0
5.8
24.4
24.4
0.0
27.1
27.1
0.0
キシレン
t
46.3
46.3
0.0
82.1
82.1
0.0
54.6
54.6
0.0
1,3,5-トリメチルベンゼン
t
4.7
4.7
0.0
0.3
0.3
0.0
1.9
1.9
0.0
1,3,5-トリメチルベンゼン
t
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.4
0.0
0.0
トルエン
t
80.5
74.7
5.8
12.9
12.9
0.0
42.1
42.1
0.0
トルエン
t
20.2
20.2
0.0
32.6
32.6
0.0
19.6
19.6
0.0
マンガンおよびその化合物
t
21.4
0.2
0.9
0.0
0.0
0.0
2.9
0.0
0.0
マンガンおよびその化合物
t
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
事業所名
所在地
株式会社日立建機カミーノ
株式会社新潟マテリアル
新潟工場
TCM 株式会社
壬生工場
山形県東根市若木七窪 5600-1
新潟県長岡市寺泊竹森 1510
栃木県下都賀郡壬生町壬生乙 3451
道路機械の開発・製造
型鍛造部品の製作
ホイールローダ、ホイールショベルの製造
5,495
1,303
2,859
事業内容
電気
燃料
(原油換算)
大気への排出
廃棄物
㎘
290
1,643
348
t
12,000
6,459
62,772
CO2
t
3,539
4,943
1,912
SOX
t
0.00
1.26
0.00
NOX
t
0.06
9.38
0.00
排水量
t
11,040
6,459
62,772
発生量
t
851
1,412
431
再資源化量
t
817
1,226
419
最終処分量
t
19
112
11
化学物質名称 取扱量
大気への
排出量
移動量
(廃棄物)
取扱量
大気への
排出量
移動量
(廃棄物)
取扱量
所在地
PT.日立建機インドネシア
日立建機
(中国)
有限公司
千葉県船橋市習志野台 8-58-1
インドネシア
中国
事業内容
電気
エネルギー
燃料
(原油換算)
用水
大気への排出
出
出
水域への排出
MWh
多田機工株式会社
事業所名
入
入
エネルギー
用水
入
/
出
大気への
排出量
TCM 株式会社
龍ヶ崎工場
事業所名
出
出
水域への排出
MWh
株式会社日立建機ティエラ
滋賀工場
入
入
エネルギー
用水
44
環境に高いレベルで
配慮した工場とオフィス
水域への排出
廃棄物
大気への
排出量
移動量
(廃棄物)
建設機械部品の製造
建設機械の製造
建設機械の製造
MWh
5,387
6,939
15,408
㎘
184
354
1,979
t
19,488
14,972
133,960
CO2
t
2,456
6,396
20,257
SOX
t
0.00
0.00
0.00
NOX
t
0.00
0.00
0.00
排水量
t
19,488
14,972
133,960
発生量
t
2,430
601
20,471
再資源化量
t
2,198
19
20,331
最終処分量
t
2
582
141
化学物質名称 取扱量
大気への
排出量
移動量
(廃棄物)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(液状) t
1.5
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(液状) t
0.0
0.0
0.0
エチルベンゼン
t
2.5
2.5
0.0
0.0
0.0
0.0
13.3
11.5
1.8
エチルベンゼン
t
4.6
4.6
0.0
エチレングリコール
t
0.8
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
エチレングリコール
t
0.0
0.0
0.0
キシレン
t
32.9
30.6
2.3
0.0
0.0
0.0
30.1
25.2
4.9
キシレン
t
11.5
11.5
0.0
1,3,5-トリメチルベンゼン
t
0.5
0.4
0.0
0.0
0.0
0.0
0.1
0.1
0.0
1,3,5-トリメチルベンゼン
t
0.0
0.0
0.0
トルエン
t
20.7
18.1
2.7
0.0
0.0
0.0
5.2
3.2
2.0
トルエン
t
0.0
0.0
0.0
マンガンおよびその化合物
t
12.1
0.1
0.5
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
マンガンおよびその化合物
t
0.0
0.0
0.0
入
/
出
取扱量
大気への
排出量
移動量
(廃棄物)
取扱量
大気への
排出量
移動量
(廃棄物)
日立建機グループ CSR 報告書 2007
45
環境保全活動報告
環境会計
環境マインド&
グローバル環境経営
環境投資の効率化と
環境保全活動の継続的改善のために
「日立建機グループ CSR報告書 2007」への第三者所感
日立建機グループ「CSR 報告書 2007」
(以下「報告書」と称する)を
拝見し、得た所感を述べさせていただきます。なお、本所感は、
報告書に記載されている情報の正確性等につき、一般に公正妥当
日立建機グループでは 2006 年度に環境会計を 7 社 11拠点で実施しました。環境投資と環境保全
コストの把握により、環境保全活動の費用対効果を分析し、活動のレベルアップにつなげていきます。
と認められる基準を判断基準として第三者審査意見を述べるも
のではなく、かつ、その他保証又は証明を行うものでありません。
株式会社 トーマツ環境品質研究所
代表取締役社長
古室正充
2006 年度環境会計
環境保全コストは 8%の増加となりました。各拠点にお
日立建機グループでは環境投資、環境保全コストの
いては引き続き増産傾向にあることを反映し、資源循
的確な把握による環境保全活動の継続的改善を目的に
環(特に廃棄物)などのコストが増加しました。研究開
環境会計を環境省の
「環境会計ガイドライン 2005」
に準
発コストは前年同様大きな金額となっています。これ
拠して行っています。
は建設機械が排気ガス規制への対応とあわせ、新製品
トップメッセージで昨年から語られている、
「企業を運営していくことが CSR そのものである」
環境保全コストは環境保全活動にかかわる環境保全
の開発を行っているためです。環境投資は前年比 1%
という姿勢は、貴社のすべての活動において社会的責任に関わる活動が行われるという点で大
設備の運転管理費用、研究開発費用、環境投資などを
増でしたが、金額としては依然高いレベルを維持しま
変すばらしいと思います。この姿勢は報告書の中にも現れており、コンプライアンスアンケート
合計して算出しています。環境保全効果は金額で評価
した。これは生産能力増強に伴う環境関連設備への投
において不十分な点が発見された後に改善のための活動が実施されている点、社会貢献方針を
する経済効果と、環境負荷抑制量で評価する物量効果
資を行っているためです。環境保全効果のうち、実収
作成し計画的に進めている点など、CSR 活動が経営活動の一環として行われていることが分か
の両面で算出しています。物量効果では生産時と製品
入効果は 12%増加しました。これは日立建機(中国)で
ります。また、特筆すべき点として、本業による社会貢献を積極的に展開されている点が挙げら
使用時に分けて算出しています。製品使用時の効果に
の増産と鉄板切板の内作化が原因です。物量効果のう
は、環境保全型製品が現場でリサイクルする量を算出
ち省エネルギー量は前年度より56%減と大幅に少なく
し、循環型社会への貢献度を示す指標としています。
なりましたが、省エネのための投資は継続しています。
2006 年度は計 7 社 11拠点の連結環境会計を実施し
廃棄物の最終処分量削減は約 4.4 倍になりましたがグ
ました(日立建機アルバの TCM への編入で会社数減少。
ループ全体で推進している効果です。今後さらに合理
ただし、集計対象の拠点数は同じ)
。前年度に比較し、
的な環境経営を推進していきます。
1. 経営活動の一環としての CSR 活動
れます。
2. CSR 報告書の進化に向けて
本報告書は昨年に続いて2回目の発行になりますが、昨年と比較して、各所に創意工夫が見ら
れます。具体的には、労働安全衛生の度数率の開示、従業員のページをはじめグループ会社の記
載が増えている点、VEC 活動のような自社独自の活動の開示など、情報の充実です。改善点とし
◆ 環境保全コスト
分類
2005年度 2006年度
1,444
1,855
2006 年度の主な内容
分類
環境負荷低減設備の維持・償却
費
実収入効果(百万円)
941
965 排水・塗装設備維持管理
②地球環境保全
128
158 省エネ設備維持償却
③資源循環
376
732 廃棄物減量化、再資源化
❷ 上下流コスト
52
内訳
①公害防止
250
❺ 社会活動コスト
0.5
環境投資
7.4
61 油圧機器など再生管理費用
4,833 製品の研究開発費および設計費
0.7 環境保護団体会費
32.3 土壌改良
6,599
7,111
773
783
製品使用時
4,845
合計
省エネルギー量
物量効果
❹ 研究開発コスト
❻ 環境損傷コスト
合計
生産時
❸ 管理活動コスト
経費節減効果(百万円)
(㎘ / 年)
環境マネジメントシステム運用
328 費および人件費、緑化・美化など
の環境改善
NOx 削減(t / 年)
水使用量削減(t / 年)
環境設備、作業環境改善、省エネ
機器
2005年度 2006年度
1,232
1,376
219
207
1,451
1,583
1,487
652
0.1
0.0
14
53
アスファルトなど再
資源化量(万 t / 年)※
610
1,190
廃木材リサイクル量
※
2006 年度の主な内容
金属くずなど有価物、油機
再生品の売却、特許収入
省電力、廃棄物減量化、
製品直送化など
̶
省エネ設備による
エネルギー削減
̶
66,884 67,489 放流水の再利用
廃棄物最終処分量の
削減(t / 年)
(万 t / 年)
̶
ては、経営が CSR そのものであるということをより読者に分かりやすく伝えるために、経営姿勢
◆ 環境保全効果
経済効果
❶ 事業所エリア内
コスト
(単位:百万円)
504
再資源化推進による
削減
環境保全製品使用に
744 よる削減
の3項目「お客様第一・技術創造・人間尊重」に合わせて報告書を構成していくのもひとつの方
法であると思います。個別の改善テーマとしては、個人情報保護についてプライバシーマーク
の取得事業所の情報だけでなく、グループ全体の認証取得方針を開示されるとよいと思います。
また、前述した VEC 活動については、考え方と枠組のみで具体的な定量情報が記載されておら
ず、成果が分かりにくい記載となっています。今後は成果について記載されることをお勧めし
ます。環境会計については、環境の目標管理と連動させて記載されると、活動への投資と効果が
分かりやすくなるかと思われます。
3. さいごに
CSR 報告書は CSR 活動の鏡であると考えています。今後とも CSR 活動は経営の一環であるとい
う意識を維持しながら、報告書が進化を続けられることを期待しております。
土質改良量(万 t / 年)※
630
グリース削減(t / 年)
4.4
4.9 HN ブッシュによる削減
鉛はんだ削減(t / 年)
0.6
0.9 油圧ショベル、
ミニショベル
1,240
※製品稼動時間から推定
46
日立建機グループ CSR 報告書 2007
47
〒112ー8563
東京都文京区後楽二丁目 5 番 1 号
TEL (03) 3830ー8000
URL http://www.hitachi-kenki.co.jp
KO-JA036(07.06 GP/GP,FT4)
Fly UP