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SMO/CROハイブリッドサービスを基盤に、先端医療

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SMO/CROハイブリッドサービスを基盤に、先端医療
アイロムグループ
SMO/CROハイブリッドサービスを基盤に、先端医療(再生医療・遺伝子創薬)が成長ドライバー
TICKER:2372|東証1部|HP:
http://www.iromgroup.co.jp/
事業概要
S&Wサマリー
創薬、iPS細胞作製キット、SMO/CROサービスまで医療関連事業を広範囲に展開
強み
ビ ジネス モデル :臨床 試験 にお いて医 療機関 側を支 援す るSMO 事業 ( Site
先端医療とSMO/CROの両軸:成長ドライバー
Management Organization)/臨床試験において製薬会社側を支援するCRO事業
と安定収益基盤の両軸による好バランス
(Contract Research Organization)のグローバル・ハイブリッド・サービスとメ
特許:SeV基本特許の専用実施権や、SeVを利
ディカルサポートといった安定基盤事業のうえに、センダイウィルスベクターに
用してiPS細胞を作製する技術の特許を、子会
よる再生医療・遺伝子創薬といった先端医療事業(成長ドライバー)を上乗せ。
社IDファーマが世界的に保有
センダイウィルスベクター(SeV):ディナベック研究所が世界で初めて実用化
大学・アカデミア、医療機関、専門医師との
に成功した「細胞質型RNAベクター」(注:ベクターは遺伝子の運び手)。高い安
長期関係性:ニーズとシーズのマッチング
全性、高い効率性、宿主細胞の広範性が特長。SeVの基本特許に関する専用実施
弱み
権を、同社100%子会社IDファーマが日本、欧州、米国、中国などで保有。
再生医療:SeVを利用し最終的にベクターや外来遺伝子を含まない安全性の高い
iPS細胞を作製する技術の特許をIDファーマが日本、米国、中国など主要国で保有。
同技術によるiPS細胞作製キット「CytoTune®-iPS」を代理店経由で販売。同技術
成熟事業を基盤とする点:設立以来収益基盤
とするSMOは成熟事業であり、競争が厳しい
経営資源の分散:同社は創薬、創薬研究ツー
ル、サービスまで幅広い事業を手掛けている
を大日本住友製薬など複数の製薬会社へライセンスしている。
人的配分のアンバランス:従業員の約9割は
主要創薬パイプライン計3つ:虚血肢治療製剤(DVC1-0101)に関しては、オー
SMO事業に従事、新規事業に従事するのは5%
ストラリアで2016年に臨床第Ⅰ相試験を開始する計画。中国では治験許可取得。
業績動向
利益成長ドライバー
2023年3月期に先端医療売上高が安定収益基盤売上高を超えると同社は予想
【従来】SMO
中長期成長性:同社が想定する中期的成長のイメージは、先端医療事業の売上高
【中期】SMO/CROハイブリッド+先端医療
が、GMPベクター及びベクター製剤の受託製造収入、ロイヤリティ収入などの増
指標
収により、2020年3月期以降に成長を加速し、2023年3月期にはSMO等の安定収益
時価総額
基盤売上高を超えるというものである。今期(2016年3月期)同社予想は売上高
10,156 百万円
株価(2016/3/3)
5,300百万円(前期比28.2%増)、営業損失130百万円(前期は772百万円の損失)。
中期戦略
956 円
発行済株式数
10,623,665 株
外国人持株比率
0.89 %
BPS(FY03/15)
419.05 円
PBR(FY03/15)
SMO/CROハイブリッド安定収益とSeVの収益化による成長
2.28 倍
PER(FY03/16会予)
253.6 倍
配当(FY03/16会予)
- 円
配当利回り(FY03/16予)
SeVの収益化:SeVを、iPS細胞作製キット販売、ライセンス許諾、創薬パイプラ
- %
ROE(03/16会予)
0.9 %
純負債/株主資本倍率(FY03/15)
イン等に適用し、収益化。GMP(Good Manufacturing Practice)基準ベクター製
-27.6 %
*発行株式数は自己株含む
造施設の建設(2016年4月着工、2017年年初生産開始予定)で受託製造利益の享
受も。臨床試験(SMO/CRO事業)で得たノウハウを再生医療・遺伝子治療へ活用。
業績推移
FY03/06
FY03/07
FY03/08
FY03/09
FY03/10
FY03/11
売上高
( 百万円)
12,368
14,890
13,727
14,478
13,815
13,990
前期比
営業利益
( %)
( 百万円)
169.2%
209
20.4%
-1,252
-7.8%
-252
5.5%
175
-4.6%
-162
1.3%
340
FY03/12
11,018
-21.2%
-432
NM
-1,697
NM
-364
NM
-39.02
241.43
-17.7%
-15.0%
FY03/13
6,704
-39.2%
369
NM
587
NM
1,751
NM
187.25
428.60
9.9%
55.9%
FY03/14
4,011
-40.2%
-402
NM
-322
NM
-294
NM
-30.85
434.38
-5.4%
-7.0%
FY03/15
4,134
3.1%
-772
NM
-600
NM
-606
NM
-59.12
419.05
-9.3%
-13.7%
FY03/16 会予
5,300
28.2%
-130
NM
-350
NM
40
NM
3.77
-
-
-
*EPSは希薄化前
01/21|Research Espresso|Published in 2016/03/03
前期比
経常利益
( %)
( 百万円)
-58.6%
140
NM
-1,223
NM
-95
NM
182
NM
-225
NM
233
前期比
純利益
( %)
( 百万円)
NM
162
NM
-168
NM
-932
NM
-10,559
NM
-731
NM
226
前期比
( %)
NM
NM
NM
NM
NM
NM
EPS
( 円)
14.82
-18.00
-99.65
-1,129.14
-78.22
24.18
BPS
( 円)
1,618.74
1,583.92
1,467.51
330.46
255.18
278.89
ROA
( %)
0.8%
-4.4%
-0.3%
0.8%
-1.5%
1.7%
ROE
( %)
1.1%
-1.1%
-6.5%
-125.6%
-26.7%
9.1%
R
アイロムグループ|2372|
Research Espresso by Shared Research
事業概要
創薬、iPS細胞作製キット、SMO/CROサービスまで医療関連事業を広範囲に展開
会社概要
アイロムグループは1997年4月の設立以来、SMO(Site Management Organization: 臨床試
SMO を軸に、メディカルサポート事業、新規
に、医療関連事業ポートフォリオを時代のニーズに合わせて柔軟に構築・転換してきた。
【2015 年 3 月期実績:売上高 4,134 百万円】
Research Organization: 開発業務受託機関>)、その他事業を行っている(2015年3月期
▶ メディカルサポート:18.9%
験の実施に係る業務の一部を実施医療機関から受託又は代行する治験施設支援機関)を軸
現在では、SMO事業、メディカルサポート事業、新規事業(先端医療とCRO<Contract
売上高構成比は、それぞれ、64.0%、18.9%、14.5%、2.6%)。中でも、同社が成長ドライ
バーと捉え、新規事業の柱となる先端医療(再生医療・遺伝子創薬)事業は、同社が2014
年1月に完全子会社化したIDファーマ(旧ディナベック)が担う。同社グループは、アイロ
ムグループ、連結子会社18社及び関連会社1社からなる。2015年3月末連結従業員数338名
(SMO事業297名、メディカルサポート事業1名、新規事業17名、全社共通23名)。
CRC(Clinical Research Coordinator:臨床研究コーディネーター)約320名:内訳は、臨
床検査技師:27%、薬剤師:11%、管理栄養士:12%、看護師:10%、その他・なし:40%。
同社は創業以来、自社でCRCを育成することに注力しており、医療資格の有無に関わらず
意欲のある人材を積極的に採用している。同社は、CRC・治験事務局担当者の社内認定資
格制度を設けるとともに、日本SMO協会(JASMO: Japan Association of Site Management
Organizations)等社外認定試験の受験も推奨している(JASMOは必須)。
アイロムグループの概要
・アイロム
・アイロムCS
・MCフィールズ
・SOAピリカ
・エクセル
M&Aによる買収
(2013年3月~2014年6月)
・アイクロス
・アイクロスジャパン
グローバル規模でのハイブリッドサービス
SMO事業
CRO事業
メディカル
先端医療
サポート事業
事業
・アイロムプロパティマネジメント
・IDファーマ
(旧ディナベック)
M&Aによる買収
(2014年1月)
出所:会社資料よりSR社作成
02/21
遺
伝
子
創
薬
の
パ
イ
プ
ラ
イ
ン
拡
大
事業(先端医療と CRO)、その他事業を展開
▶ SMO:構成比64.0%
▶ 新規事業(先端医療、CRO事業):14.5%
▶ その他:2.6%
R
アイロムグループ|2372|
Research Espresso by Shared Research
売上高、営業利益(以上、単位:百万円)、粗利益率、営業利益率の推移
25,000
38.3%
29.1%
20,000
15,000
11.0%
10,000
5,000
0
-5,000
25.4%
14,890
12,368
14,478
13,727
-1.8%
209
-1,252
FY03/05
27.6%
26.7%
23.9%
FY03/06
FY03/07
売上高
-1.2%
175
-252
FY03/09
FY03/10
-3.9%
340
-162
FY03/08
5.5%
2.4%
FY03/11
-432
FY03/12
369
FY03/13
粗利率(右軸)
4,011
168
2,182 1%
18%
-402
FY03/14
FY03/06
売上高
12,368百
2,257
18%
318
3%
人材コンサルティング
医薬品等の販売事業
105
1%
5,355
38%
FY03/11
売上高
13,990百
万円
メディカルサポート
人材コンサルティング
547
4%
医薬品等の販売事業
64
1%
医薬品等の製造販売事業
30
770
1%
14%
850
16%
SMO
FY03/16
同社予想
売上高
5,300
百万円
メディカルサポート
3,650
69%
新規事業
出所:会社データよりSR社作成
*表の数値が会社資料とは異なる場合があるが、四捨五入により生じた相違であることに留意。
03/21
その他事業
3,807
27%
4,110
29%
SMO
医薬品等の製造販売事業
その他事業
その他事業
5,300
-2.5%
-130
-772
-18.7%
FY03/15
営業利益率(右軸)
2,606
21%
4,836
39%
4,134
-10.0%
過去10年間における同社の事業ポートフォリオの変化
メディカルサポート
20%
10%
6,704
営業利益
出所:同社データよりSR社作成
SMO
30%
20.1%
13,990
13,815
1.2%
-8.4%
505
28.2%
11,018
1.7%
4,595
29.8%
29.0%
40%
31.4%
FY03/16
CE
0%
-10%
-20%
R
アイロムグループ|2372|
Research Espresso by Shared Research
ビジネスモデル
SMO(治験施設支援機関)/CRO(開発業務受託機関)のグローバル規模でのハイブリッド
SMO/CRO グローバルハイブリッドサービス
先端医療事業(成長ドライバー)を上乗せしていくのが同社の包括的なビジネスモデルで
せ
サービスとメディカルサポートの安定基盤事業のうえに、再生医療・遺伝子創薬といった
ある。事業別では、以下の通り。
SMO事業
同社グループの安定収益基盤は設立以来軸となっているSMO事業である。製薬会社等から
委託を受けた医療機関による臨床試験の業務を支援すること(標準作業手順書の作成・提
示、治験事務局の立ち上げ・運営補助、治験審査委員会の設立・運営、CRC<Clinical
とメディカルサポートの安定基盤事業のうえ
に、先端医療事業(成長ドライバー)を上乗
SMO 事業:臨床試験を行う医療機関側を支援
するサービス
Research Cordinator: 臨床研究コーディネーター>などの派遣、治験データの管理など)
でサービスの対価を得る。競合には、EPSホールディングス(東証1部4282)及び同グルー
プがいる。
治験に関わる機関
IRB
厚生労働省
承認
(治験審査委員会)
治験の妥当性と
参加者の人権・安全性
を評価
申請
評価
設置
契約
製薬会社
モニター
モニタリング
治験責任
医師
治験分担
医師
医療機関
各種業務支援
業務委託
モニタリング
各種支援業務
・CRC派遣
・治験事務局業務
・IRB事務局業務
業務委託
CRC
/Rh
(医薬品開発業務受託
機関)
モニター
被験者
SMO
(治験施設支援機関)
(臨床研究
コーディネー
ター)
出所:日本SMO協会HP(http://jasmo.org/ja/business/outline/index.html)よりSR社作成
メディカルサポート事業
メディカルサポート事業は医療モールの運営などに付帯する不動産ビジネスである。
新規事業
メディカルサポート:不動産ビジネス
新規事業は先端医療事業(中期戦略の章で詳述)とCRO事業に分かれる。
新規事業は先端医療事業と CRO 事業からなる
先端医療事業は再生医療と遺伝子創薬に関わる事業に分かれる。遺伝子創薬は医薬品候補
【先端医療】再生医療、遺伝子創薬
のライセンス許諾による契約一時金、マイルストン収入、ロイヤリティ収入の獲得がビジ
ネスモデルとなっている。一方、再生医療では、「iPS細胞作製キット」の販売/ライセン
ス許諾、医薬品の受託製造・販売などがビジネスモデルとなっている。バイオベンチャー
は約600社(社数の出所はJBA、バイオインダストリー協会レポート)と数が多い中で、再
生医療と遺伝子創薬事業における競合は、ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング
(JASDAQ7774)、サンバイオ(東証マザーズ4592)、ナノキャリア(東証マザーズ4571)
などである。
04/21
【CRO 事業】臨床試験を行う製薬会社側を支
援するサービス;SMO 事業と CRC 事業のハイ
ブリッドサービスを展開
R
アイロムグループ|2372|
Research Espresso by Shared Research
先端医療事業のバリューチェーン
基礎研究
非臨床試験
臨床試験(第Ⅰ相~第Ⅲ相)
承認申請・審査
販売
大手製薬会社等
ライセンス許諾・
ライセンスアウト
遺伝子創薬
契約一時金 マイルストン収入
SeV(遺伝子の運び屋)
+
医療用遺伝子
ロイヤリティ収入
IDファーマ
大学・アカデミア / 企業とのアライアンス
「iPS細胞作製キット」の販売
Sevを利用したiPS細胞作製技術のライセンス(遺伝子創薬と同じ収益獲得フロー)
再生医療
医薬品の受託製造・販売
大手製薬会社等
出所:SR社作成
CRO事業では、製薬会社が医薬品開発のために行う治験業務(臨床開発)を受託・代行す
ること(モニタリング、データマネジメント、薬事申請、非臨床試験など)でサービスの
対価を得る。同一の治験(臨床試験)でSMOとCROを兼務することはないが、SMOで培っ
たノウハウを各国法令等に準拠した形でCRO業務と併せて製薬会社及び医療機関に提供す
ることは可能であり、同社ではハイブリッドサービスと称して推進中である。競合はシミッ
クホールディングス(東証1部2309)及びシミックグループ、EPSホールディングス(東証
1部4282)及び同グループがいる。
セグメント別
セグメント別の2015年3月期の売上高(構成比)及び同セグメント営業損益は、以下の通
り。
▶
▶
▶
▶
SMO事業:売上高2,646百万円(構成比64.0%)、営業損失417百万円
メディカルサポート事業:売上高781百万円(同18.9%)、営業利益72百万円
新規事業:売上高599百万円(同14.5%)、営業利益78百万円
その他事業:売上高107百万円(同2.6%)、営業利益61百万円
セグメント別売上高(百万円)と売上高対前年比(%)
16,000
14,000
12,000
260%
275
169%
2,182
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
0
4,595
4,770
5,165
220%
105
628
5,355
180%
59
140%
3,973
4,836
5,892
20%
318
270
2,257
1,495
2,606
2,694
FY03/06
FY03/07
SMO
医薬品等の販売事業
出所:同社データよりSR社作成
05/21
732
502
4,265
168
4,202
381
954
-8%
3,092
FY03/08
4,041
397
1,078 5%
3,457
FY03/09
4,048
611 203
-5%
3,157
FY03/10
メディカルサポート
医薬品等の製造販売事業
100%
4,111
547 64
1%
3,807
FY03/11
2,419
3,835
506
2,642
66
36
564
-21%
FY03/12
新規事業
その他事業
3,653
60%
1,027
107 599
781
2,946
-40%
-39%
FY03/13
FY03/14
2,646
FY03/15
30
770
850 28% 20%
3%
3,650
FY03/16
CE
-20%
-60%
人材コンサルティング
売上高前年比(右軸)
R
アイロムグループ|2372|
Research Espresso by Shared Research
提携医療施設数の推移
2,000
1,500
1,179
1,228
1,292
1,427
1,000
500
0
FY03/10
FY03/11
関東
近畿
九州
出所:同社データよりSR社作成
06/21
FY03/12
北海道
FY03/13
東海・北陸
1,516
68
92
1,546
25
80
78
18
1,583
66 27
100
112
192
116
200
116
220
269
281
282
758
773
772
FY03/15
FY03/16
Q2
FY03/14
中国・四国
東北
R
アイロムグループ|2372|
Research Espresso by Shared Research
セグメント別収益構造(過去10年間)
07年3月期
08年3月期
09年3月期
10年3月期
11年3月期
12年3月期
13年3月期
14年3月期
連結
連結
連結
連結
連結
連結
連結
連結
連結
12,368
14,890
13,727
14,478
13,815
13,990
11,018
6,704
4,011
4,134
5,300
(前年比)
169.2%
20.4%
-7.8%
5.5%
-4.6%
1.3%
-21.2%
-39.2%
-40.2%
3.1%
28.2%
2,606
2,694
3,092
3,457
3,157
3,807
2,642
3,653
2,946
2,646
3,650
(前年比)
31.6%
3.3%
14.8%
11.8%
-8.7%
20.6%
-30.6%
38.3%
-19.4%
-10.2%
37.9%
(構成比)
21.1%
18.1%
22.5%
23.9%
22.9%
27.2%
24.0%
54.5%
73.4%
64.0%
68.9%
2,257
1,495
954
1,078
611
547
506
564
1,027
781
850
(前年比)
na
-33.8%
-36.1%
13.0%
-43.3%
-10.5%
-7.5%
11.5%
82.1%
-24.0%
8.8%
(構成比)
18.2%
10.0%
7.0%
7.4%
4.4%
3.9%
4.6%
8.4%
25.6%
18.9%
16.0%
318
270
381
397
203
64
-
-
-
-
-
(前年比)
-25.1%
-15.0%
40.8%
4.3%
-48.9%
-68.5%
-
-
-
-
-
(構成比)
2.6%
1.8%
2.8%
2.7%
1.5%
0.5%
-
-
-
-
-
4,836
5,892
4,202
4,041
4,048
4,111
3,835
2,419
-
-
-
(前年比)
532.0%
21.8%
-28.7%
-3.8%
0.2%
1.6%
-6.7%
-36.9%
-
-
-
(構成比)
39.1%
39.6%
30.6%
27.9%
29.3%
29.4%
34.8%
36.1%
-
-
-
2,182
4,265
4,595
4,770
5,165
5,355
3,973
-
-
-
-
(前年比)
na
95.4%
7.7%
3.8%
8.3%
3.7%
-25.8%
-
-
-
-
(構成比)
17.6%
28.6%
33.5%
32.9%
37.4%
38.3%
36.1%
-
-
-
(百万円)
売上高(外部顧客への売上高)
SMO事業
メディカルサポート事業
人材コンサルティング事業
医療品等の販売事業
医療品等の製造販売事業
連結
-
na
28.5%
-
14.5%
14.5%
-
-
-
-
-
-
-
(前年比)
-
-
-
-
-
-
-
-
(構成比)
-
-
-
-
-
-
-
-
(前年比)
770
-
その他の事業
連結
599
-
新規事業
168
275
502
732
628
105
59
66
36
107
30
na
64.1%
82.3%
45.8%
-14.2%
-83.3%
-43.8%
11.9%
-45.5%
197.2%
-72.0%
1.4%
1.8%
3.7%
5.1%
4.5%
0.8%
0.5%
1.0%
0.9%
2.6%
0.6%
1,084
-172
461
988
630
987
291
785
-8
-204
na
(前年比)
-17.8%
-115.8%
-369.0%
114.1%
-36.2%
56.7%
-70.5%
169.8%
-101.0%
2450.0%
-
(利益率)
8.8%
-1.2%
3.4%
6.8%
4.6%
7.1%
2.6%
11.7%
-0.2%
-4.9%
-
1,182
805
955
868
717
1,018
92
675
-109
-417
400
(前年比)
8.6%
-32.0%
18.7%
-9.1%
-17.4%
42.0%
-91.0%
633.7%
nm
nm
nm
(構成比)
109.1%
-
207.0%
87.9%
113.8%
103.1%
31.6%
86.0%
nm
nm
nm
(利益率)
45.4%
29.9%
30.9%
25.1%
22.7%
26.7%
3.5%
18.5%
-3.7%
-15.8%
11.0%
(構成比)
営業利益(全社費用調整前)
SMO事業
72
120
69
123
-18
117
-138
-154
-89
0
130
(前年比)
na
77.7%
nm
nm
nm
nm
nm
nm
nm
(構成比)
6.4%
-
-3.9%
11.8%
-21.9%
-15.6%
-30.6%
0.0%
nm
nm
nm
(利益率)
3.1%
8.2%
-1.9%
10.9%
-22.6%
-28.2%
-17.6%
0.0%
12.7%
9.2%
14.1%
3
6
17
30
-31
-5
-
-
-
-
-
(前年比)
-92.3%
98.9%
170.3%
73.8%
nm
nm
-
-
-
-
-
(構成比)
0.3%
-
3.7%
3.0%
-4.9%
-0.5%
-
-
-
-
-
(利益率)
1.0%
2.4%
4.5%
7.6%
-15.3%
-7.8%
-
-
-
-
-
-203
-619
30
53
73
123
143
98
-
-
-
(前年比)
nm
nm
nm
74.7%
37.7%
68.5%
16.3%
-31.5%
-
-
-
(構成比)
-18.7%
-
6.6%
5.4%
11.6%
12.5%
49.1%
12.5%
-
-
-
(利益率)
-4.2%
-10.5%
0.7%
1.3%
1.8%
3.0%
3.7%
4.1%
-
-
-
-1
-519
-547
-114
41
90
307
-
-
-
-
(前年比)
na
nm
nm
nm
nm
119.5%
241.1%
-
-
-
-
(構成比)
0.0%
-
-118.6%
-11.5%
6.5%
9.1%
105.5%
-
-
-
-
(利益率)
0.0%
-12.2%
-11.9%
-2.4%
0.8%
1.7%
7.7%
-
-
-
-
78
80
メディカルサポート事業
人材コンサルティング事業
医療品等の販売事業
医療品等の製造販売事業
-44.6%
66.7%
-
-
-
-
-
-
-
-
-
(前年比)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
na
na
(構成比)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
nm
nm
新規事業
-
-
-
-
-
-
-
-
13.0%
10.4%
32
33
24
33
-32
-85
-162
11
-28
61
-140
(前年比)
na
2.3%
-27.0%
37.5%
nm
nm
nm
nm
nm
-317.9%
nm
(構成比)
3.0%
-
5.2%
3.3%
-5.1%
-8.6%
-55.7%
1.4%
350.0%
-29.9%
nm
(利益率)
19.1%
11.9%
4.8%
4.5%
-5.1%
-81.0%
-274.6%
16.7%
-77.8%
57.0%
-466.7%
(利益率)
その他の事業
出所:同社データよりSR社作成
07/21
15年3月期 16年3月期会予
06年3月期
-
R
アイロムグループ|2372|
Research Espresso by Shared Research
業績動向
2023年3月期に先端医療売上高が安定収益基盤売上高を超えると同社はイメージ
今期(2016年3月期)同社予想:売上高5,300百万円(前年同期比28.2%増)、営業損失は
130百万円(損失幅縮小:前期は772百万円の営業損失)。セグメント別売上高では、同社
はSMO事業と新規事業の前期比大幅増収を予想(前者は提携医療機関の拡大によるシェア
拡大や受注残高の増加が、後者は先端医療事業の拡大やCRO事業の拡大が背景)。また、
セグメント別営業損益では、その他事業を除く全セグメントで営業損益の黒字化を予想。
尚、先端医療事業の売上高は2015年3月期361百万円から2016年3月期384百万円へ拡大、
CRO事業の売上高は同250百万円(国内142百万円、国外108百万円)から同400百万円(国
内、国外ともに200百万円)へ拡大すると同社は予想している(先端医療及びCRO事業の
売上高は連結調整前数値ベース)。
4,700
4,640
4,268
3,448
3,137
2,899
3,315
4,500
3,414 3,412
2,470
2,004
FY03/11
FY03/12
受注高(単位︓百万円)
出所:同社資料よりSR社作成
期初会社予想と実績
(百万円)
売上高
期初予想
実績
差異
営業利益
期初予想
実績
差異
経常利益
期初予想
実績
差異
当期利益
期初予想
実績
差異
FY03/13
FY03/14
FY03/15
受注残高(単位︓百万円)
FY03/16
CE
FY03/10 FY03/11 FY03/12 FY03/13 FY03/14 FY03/15 FY03/16
連結
連結
連結
連結
連結
連結
会予
14,900
14,800
13,900
8,150
5,100
5,600
5,300
13,815
13,990
11,018
6,704
4,011
4,134
-7.3%
-5.5% -20.7% -17.7% -21.4% -26.2%
210
750
540
110
400
280
70
-162
340
-432
369
-402
-772
- -54.7%
- 235.5%
160
700
450
70
420
350
120
-225
233
-1,697
587
-322
-600
- -66.7%
- 738.6%
-100
10
290
20
350
280
100
-731
226
-364
1,751
-294
-606
- 2,160.0%
- 8,655.0%
-
出所:会社データよりSR社作成
*表の数値が会社資料とは異なる場合があるが、四捨五入により生じた相違であることに留意。
2016年3月期第3四半期決算実績
2016年2月10日に発表された同社の2016年3月期第3四半期累計決算実績は、売上高2,702
百万円(前年同期比+1.1%)、営業損失649百万円(前年同期は764百万円の営業損失)、
経常損失957百万円(前年同期は602百万円の営業損失)、親会社株主に帰属する四半期純
損失は974百万円(前年同期は620百万円の純損失)であった。営業損失が前年同期に比べ
て縮小したのに対して、経常損失が同拡大したのは営業外費用の拡大(貸倒引当金繰入額
362百万円の計上)が主因。
同社は2016年3月期会社予想を継続している。毎年度第4四半期に売上高が集中する傾向が
あること、今第4四半期に先端医療分野のロイヤリティ収入(粗利益率が高い)が見込ま
れること、今第4四半期に販売用不動産の売却益の計上を計画していることなどが背景。
08/21
⇒Q2 決算発表時に利益予想を下方修正:
ヘルスケア分野において当年度より開始した
IT インフラを活用する新規事業が予想以上に
拡大し、当初予想を上回る費用が発生するこ
となどが背景
▶ 営業損益:従来70百万円の利益⇒新予130
百万円の損失
▶ 経常損益:従来120百万円の利益⇒新予
350百万円の損失
▶ 親会社株主に帰属する当期純利益:従来
530百万円(期初予想100百万円が関係会
SMO事業受注高及び同受注残高
5,000
4,500
4,000
3,500
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
【2016 年3月期同社予想】
社株式売却益等により上方修正されてい
た)⇒新予40百万円
⇒販売用不動産の売却益を計上予定
R
アイロムグループ|2372|
四半期業績推移
(百万円)
売上高
YoY
SMO事業
YoY
構成比
メディカルサポート事業
YoY
構成比
新規事業
YoY
構成比
その他事業
YoY
構成比
売上原価
YoY
原価率
売上総利益
YoY
利益率
販管費
YoY
売上高販管費率
給料手当及び賞与
支払手数料
賃借料
その他
YoY
給料手当及び賞与
支払手数料
賃借料
その他
構成比(対売上比)
給料手当及び賞与
支払手数料
賃借料
その他
営業利益
YoY
利益率
SMO事業
YoY
利益率
メディカルサポート事業
YoY
利益率
新規事業
YoY
利益率
その他事業
YoY
利益率
経常利益
YoY
利益率
当期純利益
YoY
利益率
出所:同社データよりSR社作成
Research Espresso by Shared Research
FY03/15
1Q
1,147
30.2%
651
-3.3%
56.8%
142
-29.4%
12.4%
117
na
10.2%
236
4620.0%
20.6%
745
30.9%
65.0%
402
29.3%
35.0%
395
27.0%
34.4%
74
43
27
250
2Q
732
-32.7%
511
-31.1%
69.8%
111
-67.4%
15.2%
257
na
35.1%
-148
nm
-20.2%
668
-28.5%
91.3%
63
-59.1%
8.6%
403
38.0%
55.1%
76
42
59
224
3Q
793
-18.1%
574
-5.7%
72.4%
129
-63.5%
16.3%
78
na
9.8%
13
160.0%
1.6%
879
0.1%
110.8%
-85
nm
-10.7%
347
14.9%
43.8%
82
29
61
176
4Q
1,462
36.0%
910
-1.3%
62.2%
399
200.0%
27.3%
147
na
10.1%
6
-68.4%
0.4%
1,013
80.9%
69.3%
449
-13.0%
30.7%
456
-19.6%
31.2%
76
55
61
265
FY03/16
1Q
903
-21.3%
688
5.7%
76.2%
121
-14.8%
13.4%
86
-26.5%
9.5%
6
-97.5%
0.7%
694
-6.8%
76.9%
209
-48.0%
23.1%
443
12.2%
49.1%
75
45
63
258
2Q
830
13.4%
665
30.1%
80.1%
121
9.0%
14.6%
38
-85.2%
4.6%
7
-104.7%
0.8%
631
-5.5%
76.0%
198
214.3%
23.9%
460
14.1%
55.4%
79
38
83
261
3Q
969
22.2%
747
30.1%
77.1%
112
-13.2%
11.6%
103
32.1%
10.6%
7
-46.2%
0.7%
695
-20.9%
71.7%
274
-422.4%
28.3%
428
23.3%
44.2%
78
36
49
264
10.4%
-43.4%
58.8%
67.8%
-8.4%
-30.0%
353.8%
63.5%
15.5%
-31.0%
134.6%
8.0%
10.1%
37.5%
205.0%
-39.1%
1.4%
4.7%
133.3%
3.2%
3.9%
-9.5%
40.7%
16.5%
-4.9%
24.1%
-19.7%
50.0%
6.5%
3.7%
2.4%
21.8%
6
na
0.5%
72
-2.7%
11.1%
6
-60.0%
4.2%
-19
na
-16.2%
80
nm
33.9%
32
52.4%
2.8%
67
294.1%
5.8%
10.4%
5.7%
8.1%
30.6%
-338
na
-46.2%
-301
nm
-58.9%
16
-62.8%
14.4%
110
na
42.8%
-21
nm
14.2%
-287
nm
-39.2%
-341
na
-46.6%
10.3%
3.7%
7.7%
22.2%
-432
na
-54.5%
-260
nm
-45.3%
16
-68.0%
12.4%
-51
na
-65.4%
8
nm
61.5%
-347
nm
-43.8%
-346
na
-43.6%
5.2%
3.8%
4.2%
18.1%
-8
na
-0.5%
72
60.0%
7.9%
34
54.5%
8.5%
38
na
25.9%
-6
nm
-100.0%
2
nm
0.1%
14
na
1.0%
8.3%
5.0%
7.0%
28.6%
-233
nm
-25.8%
-38
nm
-5.5%
18
200.0%
14.9%
-20
na
-23.3%
-41
nm
-683.3%
-200
nm
-22.1%
-211
nm
-23.4%
9.5%
4.6%
10.0%
31.4%
-262
nm
-31.6%
46
nm
6.9%
20
25.0%
16.5%
-65
na
-171.1%
-45
nm
-642.9%
-537
nm
-64.7%
-547
nm
-65.9%
8.0%
3.7%
5.1%
27.2%
-154
nm
-15.9%
81
nm
10.8%
16
0.0%
14.3%
-35
na
-34.0%
-59
nm
-842.9%
-220
nm
-22.7%
-216
nm
-22.3%
4Q
同社による中長期成長性のイメージ:同社は中長期の業績予想数値を正式発表していない。
しかし、同社が想定する中期成長性のイメージは、先端医療(再生医療、遺伝子創薬)事
業の売上高が、2020年3月期以降に成長を加速し、2023年3月期にはSMO等の安定収益基盤
売上高を超えるというものである。売上高成長の牽引役は、GMPベクター及び同ベクター
【同社の中期成長性イメージ】
2023 年3月期に先端医療事業売上高が、SMO
等の安定収益基盤売上高を超える
製剤の受託製造収入、ロイヤリティ収入などを同社は見込んでいる。
経済産業省「再生医療の制度整備と事業展開」では、再生医療の将来市場として、国内の
市場規模を2020年に95,000百万円、2030年に1兆円、2050年に2.5兆円、世界の市場規模
は2020年に1兆円、2030年に12兆円、2050年に38兆円と予想している(2012年実績はそ
れぞれ、9,000百万円、100,000百万円)。
中期戦略
SMO/CROハイブリッド安定収益基盤に、先端医療事業の収益拡大を重ねた成長
SMO/CROハイブリッド安定収益
日本SMO協会のデータによると、国内SMO市場は2012年の41,300百万円から2014年37,000
百万円と縮小傾向にある中で、この間に同協会に属する会員社数は61社から38社へ減少。
市場が成熟するなかで、業界における企業の合従連衡が進んでいる。同社は積極的なM&A
によりSMO市場の中でリーディング企業の一角を形成(2015年3月期同社同部門売上高を
2014年のSMO市場規模で割った単純計算では7.2%のマーケットシェア)。同社の全国提携
09/21
【SMO/CRO ハイブリッド安定収益】
SMO 事業のノウハウを CRO 事業に活かすハ
イブリッドサービスをグローバルに展開
⇒オーストラリアで臨床データを得て、それ
を EMA や FDA への申請へ活用
R
アイロムグループ|2372|
Research Espresso by Shared Research
医療機関は2012年3月期末の1,228から2016年3月期第2四半期末の1,587へ拡大している。
一方、CRO市場では、新薬開発のアウトソーシングの流れを受けて、市場及び同事業従事
者数ともに拡大が続いている。日本CRO協会のデータによれば、国内CRO市場は2010年の
113,200百万円から2014年の143,500百万円へ年率6.1%成長を遂げた。同社はCRO事業を
2014年以降本格化させている(参入は2007年)。
日本のSMO市場の推移(SMO協会会員ベース)
50,000
40,000
30,000
61
34,300
20,000
35,900
34,700
55
49
35,300
35,600
40
38
10,000
0
2007
2008
2009
2010
日本SMO協会会員売上高(単位︓百万円)
2011
41,300
日本のCRO市場の推移(日本CRC協会会員ベース)
40,600
40
40
2012
2013
70
37,000
38
2014
60
200,000
150,000
50
100,000
40
50,000
30
0
日本SMO協会会員社数(右軸︔単位︓社)
出所:日本SMO協会データ2014年よりSR社作成
10,126
113,200
10,807
119,200
12,473
12,361
12,757
133,000
136,800
143,500
13,484
15,000
153,500
10,000
5,000
2010
2011
2012
日本CRO協会会員売上高(単位︓百万円)
2013
2014
2015E
0
日本CRO協会会員従業員数(右軸︔単位︓人)
出所:日本CRC協会2014年 年次業績報告よりSR社作成
同社は 1997 年の創業以来培ってきた SMO 事業のノウハウを CRO 事業に活かすハイブリッ
ドサービスをグローバルに展開していく。アライアンス先との業務提携により確保してい
るオーストラリアの拠点で、国内製薬会社及びバイオベンチャーから委託された臨床試験
を実施し、その試験データを利用した欧州医薬品庁(EMA:European Medicines Agency)
や米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)への申請を支援する。
成長ドライバー:先端医療事業
同社の事業ポートフォリオの中で、同社が今後の成長ドライバーの柱と考えている事業は、
100%子会社IDファーマ(旧ディナベック)が行う先端医療事業である(同社の「新規事
業」セグメントに属する)。その具体的事業領域(ドメイン)は再生医療と遺伝子創薬で
ある。その基盤となっているのがセンダイウィルスベクター(SeV)である。
IDファーマの強み:センダイウィルスベクター(SeV)にiPS細胞作製用4因子を搭載
◤
してiPS(人工多能性幹)細胞を作製する技術の特許を世界的に保有すること、ディナ
ベック研究所が基本特許を保有するSeVに関して同社が世界的に専用実施権を有する
こと、大学や企業との間に多数のアライアンスを有すること、同社のSMO/CRO事業と
◤
のシナジー効果を期待できることなどがIDファーマの強みであるとSR社では考える。
SeVは同社の先端医療事業を支えるプラットフォーム:SeVは、iPS細胞作製キット
子会社IDファーマが行う先端医療が成長ドライバー
100%子会社 ID ファーマ:再生医療と遺伝子
創薬が事業ドメイン;そのプラットフォーム
となっているのがセンダイウィルスベクター
(SeV)
ID ファーマの強み
▶ SeVを利用してiPS細胞を作製する技術の
特許を世界的に保有すること
▶ ディナベック研究所が基本特許を保有す
るSeVに関して、同社が世界的に専用実施
権を有すること
▶ 大学・企業との複数アライアンス
▶ SMO/CRO事業とのシナジー
「CytoTune®-iPS」(再生医療領域向け)の製造・販売、及びSeVを利用しiPS細胞を作
製する技術の製薬会社等へのライセンス許諾、更には、遺伝子創薬領域における遺伝
子治療製剤等への応用など、同社の新規事業を支える重要な基盤技術となっている。
同社先端医療事業の基盤となるセンダイウィルスベクター(SeV)
センダイウイルスベクター(SeV)は、ディナベック研究所が世界で初めて実用化に成功
した「細胞質型RNAベクター」である。IDファーマは、ディナベック研究所が基本特許を
有するSeVの専用実施権を、日本、欧州、米国、中国などを含む主要各国で保有している。
尚、SeVの特許成立は、米国が2004年4月、日本が同年10月、欧州が2005年6月。
「ベクター」とは遺伝子を効果的に標的細胞へ導入する働きを持つ物質(細胞へ遺伝子を導
入する運び屋)のことを言う。ベクターは人工的に無毒化したウイルスの感染システムを
利用して細胞内に目的遺伝子を導入する「ウイルスベクター」と、それ以外の「非ウイル
スベクター」の2つに大別される。
10/21
センダイウィルスベクター:世界で初めて実
用化に成功した「細胞質型 RNA ベクター」
【特長】
▶ 安全性が高い:ベクターがRNA(リボ核酸)
の状態で細胞質にとどまり核の中には入
らないため、患者の染色体に影響を与えな
い
▶ 遺伝子導入効率が高い
▶ 導入遺伝子のタンパク質の発現量が大き
い
▶ 宿主細胞域が広い
R
アイロムグループ|2372|
Research Espresso by Shared Research
ウイルスベクターには、SeVの他に、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レトロウイ
ルスなどがある。また、代表的な「非ウイルスベクター」にはバクテリアに内在性の自律
増殖DNA(プラスミド)を応用したプラスミドベクターがある。The Journal of Medicine,
©2015 John Wiley and Sons Ltd. (www.wiley.co.uk/genmed/clinical)によれば、遺伝子治
療においてこれまでに世界で利用されてきたベクターの比率は、1位アデノウイルス
22.2%、2位レトロウイルス18.4%、3位非ウイルスプラスミド17.4%の順である。
各ベクターの特徴
ベクターの種類
センダイウイルス
レトロウイルス
レンチウイルス
アデノウイルス
染色体への
組込み
無
有
有
低頻度
遺伝子 遺伝子の
発現期間 導入効率
中短期
高
長期
低
長期
低
短期
中
アデノ随伴ウイルス
低頻度
短期
低
非ウイルス系プラスミド
低頻度
短期
低
主な対象疾患
安全性
循環系、感染症、癌等
遺伝性疾患、癌
遺伝性疾患、癌
癌、感染症
遺伝性疾患、神経疾
患、眼疾患など
循環系疾患
◎ 細胞質での発現
× 挿入異変
△ 挿入異変の可能性
○
○
○ ウイルスを使用しない
出所:日経産業新聞(2015年7月13日付け)、「遺伝子治療ベクターの定義と適用範囲」よりSR社作成
遺伝子治療ベクターの使用比率
出所:The Journal of Medicine, ©2015 John Wiley and Sons Ltd. (www.wiley.co.uk/genmed/clinical)よりSR社作成
高い安全性
SeV以外のベクターが細胞の核の中にまで入り込んでDNA(デオキシリボ核酸)として遺
伝子発現を行うのに対し、SeVは核の中には入らず、RNA(リボ核酸)の状態で細胞質に
留まって、自らのゲノム(遺伝子と染色体から合成された造語)を複製して大量のタンパ
患者に害を与えないという点でその安全性の
重要性は言うまでもない
ク質を作り出す(細胞質型RNAベクター)。その結果、SeVは他のベクターとは異なり患
者の染色体に影響を与えず、遺伝子の挿入による染色体の構造変化といった危険性(遺伝
毒性)が理論的に存在せず、安全性が高い。
センダイウイルスベクターと他のウイルスベクターとの相違点
出所:同社資料
高い効率性
SeVの第二の特徴は、他のベクターと比べて、遺伝子を細胞に運び込む効率とその遺伝子
からタンパク質を発現する効率が高いことである。
具体的には、
遺伝子導入に他のベクター
では数時間掛かるところを、SeVではほんの数分程度の短時間接触により果たせる。また、
11/21
高い効率性:実際に治療のために使用される
となると大量に、均一な品質の製剤を生産す
ることが求められるため、少しの血液で多量
に iPS 細胞や分化細胞が作製できる、という
効率性は非常に重要
R
アイロムグループ|2372|
Research Espresso by Shared Research
同社のCytoTune®-iPSを販売する国内の代理店である医学生物学研究所の資料によれば、
アデノウイルスベクターとの遺伝子導入効率及び発現量の比較(遺伝子導入2日後)では、
同じMOI(Multiplicity of infection)において類似の遺伝子導入効率を有しているが、導入
遺伝子の発現量では数倍~数十倍の発現量を示している(注:100~1000などの高いMOI
では近似値を示す場合がある)。
宿主細胞*の広範性
SeVの第三の特徴は、ほとんどの哺乳類細胞に遺伝子導入できることである。この性質に
よりSeVはiPS細胞を利用した再生医療**や遺伝子創薬(遺伝子治療製剤、遺伝子ワクチン)
の他にも、研究・診断用抗体の作製、組替タンパク質の生産、遺伝子解析機能など、広範
宿主細胞の広範性:ほとんどの哺乳類細胞に
遺伝子導入できるため、再生医療や遺伝子創
薬の他にも、広範囲に応用が可能
囲に応用できる。
*宿主(しゅくしゅ)細胞:ウイルスあるいは別のタイプの微生物によって感染を受けた細胞
**再生医療:人の細胞・組織を用いた医療法で、手術・投薬など従来の手法では治療困難とされる疾患
の根本治療に活路を開こうとする医療法の1つ
再生医療領域:iPS細胞作製キット「CytoTune®-iPS」の販売
「CytoTune®-iPS」は、京都大学の山中伸弥教授の人工多能性細胞(iPS細胞)作製技術(特
許は国立大学法人京都大学が保有)と、IDファーマが専用実施権を保有するSeV技術とを
用いて、最終的にベクターや外来遺伝子を含まない安全性の高いiPS細胞を作製するキット
CytoTune®-iPS: SeV に iPS 細胞作製用 4 因
子を搭載して iPS 細胞を作製する iPS 細胞作
製キット; ID ファーマが基本特許を保有
である。本キットに使用している技術(SeVを用いてiPS細胞を作製する技術)は2015年5
月に日本と米国で、同年6月には中国において、それぞれIDファーマが特許を取得している。
また、同年10月には欧州において特許査定をIDファーマが取得している。
iPS細胞作製キット「CytoTune®-iPS」に関しては、国内では2010年より、海外では2011
年より代理店(国内は株式会社医学生物学研究所とiPSポータル、海外ではサーモフィッ
シャーサイエンス)を通じて研究用の「CytoTune®-iPS」販売している。2013年10月には、
他 の 技 術 で は iPS 細 胞 の 樹 立 が 難 し い 細 胞 か ら も iPS 細 胞 の 作 製 が 可 能 な
「CytoTune®-iPS2.0」を、2015年4月にはc-Myc遺伝子よりガン病原性の低い遺伝子である
L-Mycを組入れた「CytoTune®-iPS2.0L」を発売している。
*iPS細胞とは2006年に山中伸弥教授率いる京都大学の研究グループによって誕生した新しい多能性幹
細胞であり、再生医療を実現するために重要な役割を果たすと期待されている。人間の皮膚などの体細
胞に、極少数の因子を導入し、培養することによって、様々な組織や臓器の細胞に分化する能力とほぼ
無限に増殖する能力をもつ多能性幹細胞に変化する。この細胞を人工多能性幹細胞(induced
pluripotent stem cell: iPS細胞)と呼ぶ。受精卵から作成するES細胞(embryonic stem cell: 胚性幹細胞)
では倫理面での障壁が大きいのに対し、iPS細胞では皮膚や血液など採取しやすい体細胞を使って作製す
ることが可能である。一方、遺伝子組み換えに伴うガン化のリスクという短所もある。
再生医療領域:SeVを利用した iPS細胞作製技術のライセンス許諾
同社はiPS細胞作製キット「CytoTune®-iPS」を発売するだけでなく、SeVを利用したiPS細
胞作製技術を積極的にライセンス許諾している。2014年9月、大日本住友製薬(東証1部
4506)と眼疾患領域及び神経疾患領域でのSeVを利用した臨床用iPS細胞作製技術の特許実
施許諾契約を締結した。契約一時金、本契約を用いた製品開発の進捗に伴うマイルストン
及び製品販売額の目標達成に応じた販売マイルストンとして、最大で総額25億円並びに製
品販売額に応じたロイヤリティを受取ることになっている。また、2015年8月には米国
Minerva Biotechnologies社、英国Newcells Biotech Limited社と、両社がIDファーマの
「CytoTune®-iPS」を用いて研究用iPS細胞を作製し、そのiPS細胞等を製品として供給・販
売することを許諾する契約を締結した(経済的対価については非開示)。更に、2015年9
12/21
大日本住友製薬、Minerva Biotechnologies、
Newcells Biotech Limited、タカラバイオなど
へ特許実施契約を許諾
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アイロムグループ|2372|
Research Espresso by Shared Research
月 に は 、 タ カ ラ バ イ オ ( 東 証 マ ザ ー ズ 4974 ) と 、 タ カ ラ バ イ オ が ID フ ァ ー マ の
「CytoTune®-iPS」を用いて研究用iPS細胞等の受託製造を行うこと及び作製した研究用iPS
細胞並びに分化細胞の開発・製造・販売を行うことに関する全世界における非独占的実施
権を許諾した(経済的対価については非開示)。
再生医療領域:GMPベクターの製造施設建設
iPS細胞作製キットCytoTune®-iPSの世界的な市場性の広がりを見据えて、同社は、臨床用
iPS作製キットの製造・販売を行うためGMP基準の製造施設を茨城県つくば市に建設する
計画である(2016年4月着工、2017年年初生産開始予定:設備投資額約5億円)。同設備投
資資金は、マッコリ―・バンク・リミテッドへの第6回新株予約権及び無担保社債の発行
により調達された約7億円(2015年2月現在)から賄われる。従来の研究用iPS細胞作製キッ
トに加え、GMP基準の臨床用iPS作製キットを自社製造・販売する計画である。更には、
遺伝子治療製剤の治療薬及び市販薬の受託製造までを行う予定である。
研究用から臨床用へシフトすることによる単価上昇や自社生産による粗利益率上昇を図
数量増及び単価上昇、自社生産により粗利上
昇;受託製造までに至れば、更なる数量増効
果、ロイヤリティ収入に加え、製造利益の上
乗せも
GMP:Good Manufacturing Practice;医薬品
や医療機器の安全性を確保するために、製造
設備とその管理、品質管理、製造管理につい
て製造業者が守らなくてはいけないことを明
確にした基準
る。また、受託製造まで至れば、ロイヤリティ収入に加え、製造利益の上乗せを図ること
ができる。
遺伝子創薬領域
SeVは遺伝子治療(疾病の治療を目的として遺伝子又は遺伝子を導入した細胞をヒトの体
内に投与する治療方法)向けに開発されたものであり、IDファーマはSeVを応用した創薬
開発事業も行っている。創薬事業の主要パイプラインは循環系疾患、がん、呼吸系疾患、
感染症など多岐にわたり、その中にはすでに臨床試験に入ったものもある。主要パイプラ
インは3つ。内訳は、SeVを応用したものが2つ:虚血肢治療製剤(DVC1-0101)、エイズ
治療ワクチン(S001)、サル免疫不全ウイルスベクター(SIV)を応用したものが1つ:網
膜色素変性症治療製剤(DVC1-0401)。
◤
虚血肢治療製剤(DVC1-0101):虚血肢(閉塞性動脈硬化症の1つ:足の血管が詰まり、
疼痛、潰瘍、壊死などの症状が発生する)患者に対し、SeVにFGF-2遺伝子(血管新生
に関連した遺伝子)を搭載した遺伝子治療製剤を静注して、下肢に新しい血管を作る
製剤である。日本では九州大学と共同で臨床研究(I/IIa)を2006年7月に開始(2010
年8月に終了)。オーストラリアでは、2016年に臨床I/IIa試験が開始される予定。また
中国ではすでに大手製薬企業に導出しており、2015年3月に臨床試験の許可を取得し
◤
た。上市計画時期は2022年。
エイズ治療ワクチン(S001):国立感染症研究所と共同でSeVを用いたエイズワクチ
ンを開発し、前臨床試験では他の遺伝子ワクチンに比べて高い感染抑制効果が得られ
た。2000年3月に特許を出願。2009年4月、中国大手製薬企業の石薬集団有限公司に対
するエイズ治療ワクチンの技術導出契約を締結。同社によれば、上市計画時期は2026
◤
年。
網膜色素変性症治療製剤(DVC1-0401):網膜色素変性症は、網膜の視細胞層及び色
素上皮層が広範囲に侵されてアポトーシス(細胞が自ら死に至る現象)に至る難治性
の遺伝性疾患。日本において九州大学による臨床Ⅰ相試験を実施中である。2010年11
月に、中国の北京三諾佳邑生物技術有限公司に対する導出契約を締結。上市計画時期
は2024年。
13/21
SeVは遺伝子治療向けに開発されたもの
創薬事業パイプライン:合計 3 つ
▶ 虚血肢治療製剤(DVC1-0101)
▶ エイズ治療ワクチン(S001)
▶ 網膜色素変性症治療製剤(DVC1-0401)
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アイロムグループ|2372|
Research Espresso by Shared Research
創薬事業の主要パイプライン
出所:同社資料
IDファーマについて
IDファーマは、厚生省(現厚生労働省)所轄の特殊法人として、1995年3月に発足したディ
ナベック研究所が前身である。同研究所は、医薬品機構(正式名称は「医薬品副作用被害
IDファーマ(旧ディナベック)
ナショナルプロジェクト発ベンチャー:公的
プロジェクトの事業化モデル
救済・研究振興調査機構」)が推進する先端的医療技術の研究推進プログラムとしてスター
トした。以下の通り、IDファーマの生い立ちは「ナショナルプロジェクト発ベンチャー」
であり、公的プロジェクトの事業化モデルケースとしての特徴を持つ。
ディナベック研究所の目的は、日本発のオリジナルの医療(遺伝子治療)技術を開発する
ことであった。創薬プラットフォーム技術や遺伝子治療のためのベクターの開発を行った。
ディナベック研究所は、医薬品機構の他、協和発酵工業、久光製薬、山之内製薬、三共、
住友製薬、田辺製薬、塩野義製薬の7社(全て当時の社名)が出資し、研究員は7社からの
ディナベック研究所の目的
日本発のオリジナル技術の開発:創薬プラッ
トフォーム技術や遺伝子治療のためのベク
ター開発
出向者と独自採用の構成員で構成されていた。主要な成果として、センダイウイルスベク
ター(SeV)とサル免疫不全ウイルスを骨格としたレンチウイルスベクター(SIV)がある。
2003 年 9 月、ディナベック研究所の成果を事業化させる会社として、ディナベック株式会
社(2015 年 4 月 1 日、ID ファーマに社名変更:以下、ID ファーマ)が設立され、医薬品
の開発、組み換えタンパク質の生産、遺伝子・タンパク質の機能解析を事業ドメインとし
た。ID ファーマは、大学とのアライアンス(国内外の大学との積極的な共同研究)を進め
ており、2006 年 7 月に、九州大学と重症虚血肢を対象とした遺伝子治療製剤を用いて行う
臨床試験を開始。これは、世界初の SeV を用いた臨床試験であった。また、癌などの疾患
領域においても SeV を応用する研究を千葉大学はじめ複数大学と、嚢胞性繊維症の治療に
おける肺への SIV 導入の研究を英国インペリアル・カレッジ及びエジンバラ大学と共同で
行うなど、ID ファーマは大学との強固なアライアンス関係を有している。
14/21
大学とのアライアンス:積極的なシーズの確保
京都大学、九州大学、千葉大学、インペリア
ル・カレッジ、エジンバラ大学など多数
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アイロムグループ|2372|
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IDファーマの先端医療共同研究分野
出所:同社資料よりSR社作成
IDファーマはSeVやSIVを用いた治療製剤の開発・技術を製薬会社へ導出することを積極的
に行っている。中国大手製薬会社である北京医薬集団有限責任公司(遺伝子治療製剤導出
契約;2004年12月)の他、前述及び図表の通り、複数の導出実績がある。
IDファーマの共同研究・提携・技術導出先
出所:同社資料
同社グループとなった経緯
同社は2012年11月よりIDファーマ(当時はディナベック)と戦略的パートナーシップ基本
契約を締結して出資を行い、2014年1月に簡易株式交換(アイロムホールディングス<現
アイロムグループ>1株に対し、ディナベック0.96株)により完全子会社化した。同社が保
有する医療機関を通じて臨床研究及び臨床試験に関する業務支援を行うことで、IDファー
マの各種プロジェクトの成果をいち早く患者に提供し、早期実地医療の促進と先端医療の
事業化を推進することが完全子会社化の目的である。
Strength, Weakness分析
強み
◤
先端医療とSMO/CROの両軸:同社は成長ドライバーである先端医療(再生医療・遺伝
子創薬)とSMO(治験施設支援機関)/CRO(医薬品開発業務受託機関)及びメディカ
ルサポートといった安定収益基盤を両軸に持つ。SMO/CRO事業により臨床試験で培っ
たノウハウを再生医療・遺伝子創薬に活用することが可能。両軸事業によるリスク分
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企業とのアライアンス
Minerva Biotechnologies、Newcells Biotech
Limited、北京医薬集団有限責任公司、タカラ
バイオなど多数
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アイロムグループ|2372|
◤
散、キャッシュのグループ内融通、ノウハウ・技術のシナジーを図ることができる
特許:ディナベック研究所が基本特許を有するセンダイウイルスベクター(SeV)に
関して、その専用実施権を100%子会社IDファーマが世界主要国で保有している。更
に、IDファーマはSeVにiPS(人工多能性幹)細胞作製用4因子を搭載してiPS細胞を作
◤
製する技術の特許を主要国で保有している
大学・アカデミア、医療機関、専門医師との長期関係性:ニーズとシーズのマッチン
グを図ることができる。同社の先端医療事業は大学・企業との複数のアライアンスを
通じた複数の先進的な研究シーズをもととしている。研究開発数の多さは成功確率を
高めることに寄与する。また、SMO/CRO事業では多数の医療機関や専門医師との長期
関係性も構築している
弱み
◤
成熟事業を基盤とする点:設立以来収益基盤となっているSMO事業は成熟化が進んで
おり、値下げ圧力も高く競争が厳しい(日本SMO協会会員売上高は2012年の41,300百
万円から2014年の37,000百万円へ縮小)。同社は全国規模で1,583施設の医療機関と提
携している(2015年9月30日現在)が、病院に比べて病床数の少ないクリニック(19
◤
◤
床以下)の比率が相対的に高い
経営資源の分散:リスク分散やグループ間シナジーの点では強みとなるも、創薬から
ツール開発、治験・開発支援サービスに至るまで幅広く事業を行っている故の経営資
源の分散は弱みにもなり得る
人的配分のアンバランス:従業員の約9割はSMO事業に従事しており、先端医療事業
とCRO事業からなる新規事業に従事するのは現在5%に過ぎない。今後、先端医療事業
が成長していく過程で、その専門性の高さ故に、他グループ会社からIDファーマへの
定期的な人事異動等を継続的に行うことは必ずしも簡単ではないのではないかとSR
社では推測する
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アイロムグループ|2372|
Research Espresso by Shared Research
損益計算書
損益計算書
(百万円)
売上高
前年比
売上原価
前年比
売上原価率
売上総利益
前年比
売上総利益率
販管費
前年比
売上販管費率
営業利益
前年比
営業利益率
経常利益
前年比
経常利益率
06年3月期
07年3月期
08年3月期
09年3月期
10年3月期
11年3月期
12年3月期
13年3月期
14年3月期
連結
連結
連結
連結
連結
連結
連結
連結
連結
15年3月期 16年3月期会予
連結
連結
12,368
14,890
13,727
14,478
13,815
13,990
11,018
6,704
4,011
4,134
5,300
169.2%
20.4%
-7.8%
5.5%
-4.6%
1.3%
-21.2%
-39.2%
-40.2%
3.1%
28.2%
8,763
11,106
9,739
10,165
9,926
10,131
8,389
4,602
2,941
3,305
209.1%
26.7%
-12.3%
4.4%
-2.4%
2.1%
-17.2%
-45.1%
-36.1%
12.4%
70.9%
74.6%
71.0%
70.2%
71.8%
72.4%
76.1%
68.6%
73.3%
79.9%
3,604
3,785
3,988
4,313
3,889
3,858
2,628
2,102
1,070
829
104.9%
5.0%
5.4%
8.2%
-9.8%
-0.8%
-31.9%
-20.0%
-49.1%
-22.5%
29.1%
25.4%
29.0%
29.8%
28.2%
27.6%
23.9%
31.4%
26.7%
20.1%
3,395
5,037
4,238
4,137
4,051
3,518
3,061
1,733
1,472
1,601
-23.9%
-12.8%
14.3%
2.5%
-5.5%
-2.0%
-13.5%
31.5%
-14.9%
-24.8%
33.8%
30.9%
28.6%
29.3%
25.1%
27.8%
25.9%
36.7%
38.7%
-1,252
-252
175
-162
340
-432
369
-402
-772
-58.6%
nm
nm
nm
nm
nm
nm
nm
nm
nm
nm
1.7%
-8.4%
-1.8%
1.2%
-1.2%
2.4%
-3.9%
5.5%
-10.0%
-18.7%
-2.5%
27.5%
209
-130
-350
140
-1,223
-95
182
-225
233
-1,697
587
-322
-600
nm
nm
nm
nm
nm
nm
nm
nm
nm
nm
nm
1.1%
-8.2%
-0.7%
1.3%
-1.6%
1.7%
-15.4%
8.8%
-8.0%
-14.5%
-6.6%
162
-168
-932
-10,559
-731
226
-364
1,751
-294
-606
40
前年比
nm
nm
nm
nm
nm
nm
nm
nm
nm
nm
nm
利益率
0.8%
当期純利益
1.3%
-1.1%
-6.8%
-72.9%
-5.3%
1.6%
-3.3%
26.1%
-7.3%
-14.7%
減価償却費・のれん償却額
380
769
885
608
788
562
299
111
76
115
EBITDA
589
-483
633
783
626
902
-133
480
-326
-657
12年3月期
連結
13年3月期
連結
販売費及び一般管理費の内訳(百万円)
(百万円)
販管費
役員報酬
給料手当及び賞与
賞与引当金繰入額
賃借料
貸倒引当金繰入額
その他
<構成比︓売上を100%とした時>
販管費
役員報酬
給料手当及び賞与
賞与引当金繰入額
賃借料
貸倒引当金繰入額
その他
出所:会社データよりSR社作成
◤
◤
◤
17/21
06年3月期
連結
07年3月期
連結
08年3月期
連結
09年3月期
連結
10年3月期
連結
11年3月期
連結
14年3月期
連結
15年3月期
連結
3,395
444
855
19
484
33
1,561
5,037
453
1,227
70
733
61
2,492
4,238
348
889
76
574
94
2,258
4,137
394
1,206
13
600
5
1,919
4,051
401
1,169
18
592
0
1,871
3,518
340
1,120
20
508
0
1,530
3,061
295
1,032
19
456
0
1,259
1,733
231
588
0
216
0
698
1,472
240
290
0
76
262
604
1,601
290
308
0
208
-62
857
27.5%
3.6%
6.9%
0.2%
3.9%
0.3%
12.6%
33.8%
3.0%
8.2%
0.5%
4.9%
0.4%
16.7%
30.9%
2.5%
6.5%
0.6%
4.2%
0.7%
16.4%
28.6%
2.7%
8.3%
0.1%
4.1%
0.0%
13.3%
29.3%
2.9%
8.5%
0.1%
4.3%
0.0%
13.5%
25.1%
2.4%
8.0%
0.1%
3.6%
0.0%
10.9%
27.8%
2.7%
9.4%
0.2%
4.1%
0.0%
11.4%
25.9%
3.4%
8.8%
0.0%
3.2%
0.0%
10.4%
36.7%
6.0%
7.2%
0.0%
1.9%
6.5%
15.1%
38.7%
7.0%
7.5%
0.0%
5.0%
-1.5%
20.7%
売上高:事業ポートフォリオの変更により、過去10年間のピークであった14,890百万
円(2007年3月期)から同ボトムの4,011百万円(2014年3月期)へ縮小。IDファー
マの業績寄与により、その後回復基調にある。
粗利益率:過去10年間平均27.1%
過去10年間に6度営業損失を計上
R
アイロムグループ|2372|
Research Espresso by Shared Research
貸借対照表
貸借対照表
(百万円)
現金及び預金
受取手形及び売掛金
営業貸付金
短期貸付金
棚卸資産
前渡金
06年3月期
連結
6,402
2,593
3,387
0
1,869
-
07年3月期
連結
5,432
3,263
6,097
0
1,673
-
08年3月期
連結
2,736
2,949
5,534
1,683
4,244
-
09年3月期
連結
1,519
2,900
2,344
1,398
1,991
-
10年3月期
連結
11年3月期
連結
12年3月期
連結
698
2,753
0
857
1,687
-
1,090
2,468
0
832
1,542
-
803
591
0
0
500
-
13年3月期
連結
1,926
1,061
0
348
607
-
14年3月期
連結
1,592
647
0
204
665
146
15年3月期
連結
1,595
794
0
235
800
146
繰延税金資産
188
285
50
51
64
57
9
18
45
62
その他
貸倒引当金
流動資産合計
有形固定資産
950
-212
15,177
5,963
2,281
479
2,460
648
95
1,602
1,456
0
146
4,020
2,262
0
62
0
109
0
0
1,717
-130
11,585
26,763
1,717
4,665
89
263
1
59
2,459
9,252
744
460
190
625
2,019
11,271
15,128
364
15,491
4,291
2,745
1,705
-273
18,182
4,636
2,174
180
1,796
376
111
1,265
0
1,007
257
4,279
2,318
0
111
139
173
0
0
1,669
-130
10,180
28,362
1,529
8,052
17
211
2
74
2,040
11,925
471
191
524
1,186
13,112
14,805
7
438
15,250
3,460
3,407
947
-510
17,633
4,128
2,129
440
1,429
11
120
902
0
704
198
3,796
1,518
0
177
0
302
0
0
2,059
-260
8,827
26,459
1,257
7,449
665
269
1
34
1,833
11,508
59
401
-
658
-3,137
7,728
6,011
3,013
523
2,360
15
98
854
-26
6,826
5,229
2,660
445
1,947
90
86
815
-34
6,834
4,903
2,517
342
1,968
5
69
619
-2
2,522
2,641
1,509
1
1,094
0
37
571
0
413
157
2,141
243
3,835
0
0
90
0
1,032
1,210
-4,271
8,723
16,452
1,514
6,883
664
341
0
34
1,657
11,097
154
409
1,101
171
360
2,198
13,296
3,127
-37
66
3,156
-2,440
3,377
235
0
124
111
1,712
142
0
5,423
0
71
0
1,096
792
-5,813
7,178
14,005
1,426
5,806
517
334
37
1,386
9,508
130
421
963
172
327
2,015
11,523
2,396
-10
70
2,481
-4,531
2,584
49
0
0
49
1,372
135
0
5,623
0
63
529
915
270
-6,166
6,325
13,160
1,726
5,268
191
246
38
1,418
8,889
447
538
172
437
1,595
10,485
2,622
-14
46
20
2,674
-3,904
2,714
72
0
0
72
758
5
0
4,327
0
0
389
693
58
-4,715
3,473
5,996
504
1,175
0
5
284
-16
4,231
874
465
0
367
0
41
38
0
0
38
687
181
0
661
0
0
308
422
86
-977
1,601
5,832
92
93
294
-23
3,572
550
342
0
132
0
75
597
0
0
597
1,307
562
0
733
0
0
300
527
46
-872
2,456
6,029
49
14
508
221
-210
1,003
44
0
121
53
319
539
1,542
4,353
-6
76
40
16
4,486
1,752
1,263
242
-11
3,867
633
391
0
132
0
109
863
0
0
863
1,475
722
0
116
0
0
210
639
67
-280
2,972
6,839
60
290
74
15
461
247
-307
1,457
194
0
160
16
397
769
2,226
4,439
-14
7
67
99
4,613
1,272
1,534
建物及び構築物
機械装置及び運搬具
土地
建設仮勘定
その他
無形固定資産
連結調整勘定
のれん
その他
投資その他の資産計
投資有価証券
長期営業貸付金
長期貸付金
関係会社長期貸付金
繰延税金資産
長期未収入金
差入保証金
その他
貸倒引当金
固定資産合計
資産合計
支払手形及び買掛金
短期借入金
1年以内返済予定の長期借入金
未払法人税等
繰延税金負債
前受金
預り金
賞与引当金
その他
流動負債合計
長期借入金
退職給付に係る負債
債務保証損失引当金
資産除去債務
繰延税金負債
その他
固定負債合計
負債合計
株主資本
(自己株式)
その他の包括利益累計額
少数株主持分
新株予約権
純資産合計
ネットキャッシュ
運転資金
172
516
1,148
12,656
13,780
-57
80
13,804
1,780
5,937
出所:同社データよりSR社作成
◤
バランスシートは改善傾向へ:2009年3月期に、貸倒引当金繰入額6,772百万円、債
務保証損失引当金繰入額1,101百万円など合計10,235百万円の特別損失を計上するな
どにより大幅赤字となり、株主資本が大きく棄損。事業売却(2012年3月期及び2013
年3月期)、子会社アイロムメディック(現アイロムプロパティマネジメント)の累
損解消、繰越利益剰余金の欠損額補填のための減資(効力発生2013年10月1日)など
を実施。2013年3月期以降、同社のバランスシートは改善が進みつつある。
18/21
574
410
0
233
2,903
9
315
105
81
308
819
3,722
2,257
0
0
15
2,273
-372
587
517
240
-404
1,348
0
0
96
43
323
462
1,810
4,008
0
13
4,021
2,274
1,576
R
アイロムグループ|2372|
Research Espresso by Shared Research
一株あたりデータ(円、株式分割調整後)
一株当たりデータ(円、株式分割調整後)
期末発行済株式数(株)
EPS(1株当たり当期純利益)
EPS(潜在株式調整後)
DPS(年間配当金)
BPS(1株当たり純資産)
出所:会社データよりSR社作成
06年3月期
連結
07年3月期
連結
08年3月期
連結
09年3月期
連結
935,142
-1129.14
330.46
935,142
-18.00
10.00
1,583.92
935,142
-99.65
10.00
1,467.51
06年3月期
07年3月期
08年3月期
09年3月期
連結
連結
連結
連結
934542
14.82
10.00
1,618.74
10年3月期
連結
11年3月期
連結
12年3月期
連結
13年3月期
連結
14年3月期
連結
15年3月期
連結
935,142 10,203,665 10,203,665
-59.12
-30.85
187.25
434.38
419.05
428.60
935,142
24.18
278.89
935,142
-39.02
241.43
10年3月期
11年3月期
12年3月期
13年3月期
14年3月期
15年3月期
連結
連結
連結
連結
連結
連結
935,142
-78.22
255.18
キャッシュフロー計算書
キャッシュフロー計算書
(百万円)
営業活動によるキャッシュフロー
-1,937
-5,255
-1,339
-780
345
720
-101
-625
-45
-785
投資活動によるキャッシュフロー
-3,908
1,090
-1,781
財務活動によるキャッシュフロー
608
174
40
2,525
2,868
-421
-471
10,735
3,294
-53
-562
-1,249
-852
-2,303
-1,175
26
1,242
出所:会社データよりSR社作成
財務指標
財務指標
06年3月期
07年3月期
08年3月期
09年3月期
10年3月期
11年3月期
12年3月期
13年3月期
14年3月期
15年3月期
連結
連結
連結
連結
連結
連結
連結
連結
連結
連結
総資産経常利益率(ROA)
0.8%
-4.4%
-0.3%
0.8%
-1.5%
1.7%
-17.7%
9.9%
-5.4%
-9.3%
自己資本当期純利益率(ROE)
1.1%
-1.1%
-6.5%
-125.6%
-26.7%
9.1%
-15.0%
55.9%
-7.0%
-13.7%
11.7
8.4
4.6
4.6
7.8
8.7
10.1
12.1
6.3
5.6
4.1
2.8
3.1
2.9
2.5
2.8
2.9
3.8
5.6
7.0
164.0%
152.5%
153.2%
69.6%
71.8%
76.9%
86.9%
313.9%
356.1%
265.4%
57.9%
52.2%
51.9%
18.8%
17.2%
20.0%
37.9%
68.9%
73.7%
66.5%
棚卸資産回転率 (回)
有形固定資産回転率(回)
流動比率
純資産比率
出所:会社データよりSR社作成
大株主
氏名又は名称
森 豊隆
森 利恵
日本証券金融株式会社
長谷川 譲
大和証券株式会社
株式会社SBI証券
森 龍介
神林 忠弘
吉田 靖史
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口)
発行済株式数
出所:会社データよりSR社作成
2015年9月末現在
所有株式数
割合
(株)
4,754,250
44.8%
825,000
7.8%
213,300
2.0%
194,251
1.8%
91,090
0.9%
83,300
0.8%
75,000
0.7%
71,000
0.7%
64,200
0.6%
59,000
0.6%
10,623,665
100.0%
株主還元方針
株主への利益還元については重要な経営課題であると同社は認識。安定的かつ継続的な配
当の実施を基本とするも、企業体質強化及び今後の成長に向けた内部留保を勘案し、現在、
無配である。
19/21
R
アイロムグループ|2372|
Research Espresso by Shared Research
コーポレートガバナンス情報
組織形態・資本構成等
森豊隆
支配株主の有無
親会社のコード
取締役関係
定款上の取締役数
20名
1年
定款上の取締役任期
1名
社外取締役(独立役員)人数
監査役関係
定款上の監査役員数
5名
社外監査役(独立役員)人数
1名
その他
独立役員人数(社外取締役、社外監査役合計)
2名
議決権電子行使プラットフォームへの参加
無
その他機関投資家の議決権行使環境向上に向けた取り組み
無
招集通知(要約)の英文での提供
無
取締役報酬の開示状況
無
執行役員報酬の開示状況
-
報酬の額又はその算定方法の決定方針の有無
無
買収防衛策の有無
無
出所:会社データよりSR社作成
20/21
ディスクレーマー
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