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平仮名読みに困難を示した2事例への読み指導

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平仮名読みに困難を示した2事例への読み指導
7
3
弘前大学教育学部紀要 第 9
4
号 :7
3
-8
0(
2
0
0
5
年1
0月)
Bu
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l
.
Fa
c
.
Ed
u
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Hi
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9
4:
7
3
-8
0(
Oc
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.
2
0
0
5
)
平仮名読みに困難を示 した2
事例への読み指導
-5
0
音表暗唱 と対連合学習を用いてTr
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ngo
fRe
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rTwoJ
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el
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ni
ng
松
本
敏
治*
To
s
h
i
ha
r
uMATSUMOTO`
【
論文要 旨】
小学校入学後 に顕著な読み書 き障害 を示 した二事例 に対 して,5
0
音表の活用 と単語 と呼称の対連合学習 を
用いた指導 を行い,指導期 間中の絵 ・
単語 シー トの読み時間の変化お よび指導前 ・
指導後の文字 ・
有意味語 ・
無意味語 ・イラス トの リス トの読み速度の変化 を調査 した。一事例では,指導 とともに単語読み速度が上昇
し,絵の呼称速度を上回るようにな り,一文字 ・
有意味語 ・
無意味語 ・イラス トともに読み速度が上昇 した。
しか し,他の事例では,単語の読み速度は上昇 した ものの,絵 の呼称速度 と同程度にとどま り,文字 ・
単語 ・
イラス トリス トの読みは指導前後で変化 しなかった。単語の読みは, しば らく見つめた後一気 に呼称するな
ど,l
ogogr
a
phi
cな学習 を行 っている様子が伺 えた。以上の ことについて二事例が示 した他の心理検査 の結
果 をもとに認知特性 との関係で考察 した。
0
昔表暗唱,対連合学習
キーワー ド:発達性読み書 き障害,5
本稿 は,小学校低学年において平仮名の読み書
0
き習得 に困難 を示 した二事例 に対 して実施 した5
音表活用 と対連合学習による読み指導の結果 を報
告 し,各被験者の認知特性 との関係 を論 じる。
も含めて広 く認識 されて きたのは, きわめて近年
9
9
0)
。
のことである (
森永,1
読み書 きとは文字 とい う視覚的言語の使用 を意
味 し,読みが文字表現 された言語 を理解する過程
読み書 き障害 についての歴史は古 く, 1
8
9
6年 に
とすれば,書 きは文字 を用いた思考の表現過程で
Mor
ga
nが アル フ ァベ ッ トの読 み書 きは出来 て
ある。 読み書 きの発達 においては,視覚的言語発
Wor
dbl
i
ndも,文章の理解が 出来 ない少年 を "
達に至 るまでの音声言語理解や表現 などの聴覚的
'
'として報告 してお り,その後 アルファベ ッ
ne
s
s
言語の発達 と言語発達の基礎 になる諸経験がその
ト圏においては数多 くの報告がなされて きた。一
前提 となる (
森永,1
9
9
0)
。 子 どもの読み獲得の
方 日本 においては,3
0
年ほ ど前 まで,読み書 き障
e
bus
t(
1
9
6
5
,
1
9
7
3)は,1)非言語
過程 としてMykl
害 を含め,学習障害が問題 になることはほとん ど
的体験の学習,2) 聴覚性言語獲得,3) 経験 と聴
9
6
8年に教師に対 して行 ったア
なかった。牧田が1
覚性 の シンボルの両方 を表す視覚言語の過程 の3
a
di
ngDi
s
ンケ ー ト調査 は, 日本 にお い て はRe
段 階 を提 案 した。 一 方, 単 語 の読 み につ い て
a
bi
l
i
t
yが少 ない とす る結果 を示 した し,特殊教育
Fr
i
t
h(
1
9
8
5) は,1)
l
o
gogr
a
phi
cs
t
a
ge(
単 語 の全
関係お よび医学系の雑誌 において も,発達性読み
体的形状 に対 して命名),2) つづ り一昔韻の対応
書 き障害 を取 り扱 った報告 は欧米に比べて非常 に
関係 の獲得 による読み,3) 視覚的情報か ら直接
少 なか った。 しか し,1
9
8
2
年 のSt
e
ve
ns
on(
1
9
8
2
)
的に読み と意味が導かれる, とい う3
段 階 を提案
の研究は, 日本 ・アメ リカ ・中国の読字困難な子
した。読み学習 とは,視覚的な刺激である文字 と
どもの比較研究 を行い,三者 間で差がないことを
聴覚的な音韻,そ して経験 によって構築 された意
明 らか に した。 だが,LDの存在が学校現場 な ど
味 とい う三つの情報の関係性 を構築 してい く過程
*弘前大学教育学部学校教育講座障害児教育分野
Educ
a
t
i
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nf
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n,
Hi
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s
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kiUni
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r
s
l
t
y
7
4
松
といえる。
本 敏
治
聴覚性言語の発達段 階で意味理解の発達 に問題 を
後天性 の失読症 の説明モデル として提 出 された
抱 える。 この タイプは数や数字の意味の理解が出
l
t
he
a
r
t
文 字 読 み につ い て の モ デ ル と して,Co
SCでは言語性 <非言
来ず,算数障害 を持つ。WI
(
1
9
8
3
)の二重経路仮説 と, コンピュー タネ ッ ト
語性 のプロフィールを示すが,動作性検査で も絵
ワークモデルをもととす る トライア ングルモデル
画配列,絵画完成 な どの有意味性 の成績 は低 く,
0
0
3
)
。二重経路 モデル
がある (
伊集 院 ・辰 巳,2
言語性 で も数唱な どは高い。
では,読み処理 において語嚢経路 (
単語全体) と
一方,二重経路仮説 に基づいて読み書 き障害 を
非語嚢 (
下位語)経路の二経路 を想定す る。文字
解釈す る と,視覚的符号化経路 の欠陥がある場合
の音読 は,単語 に対 して文字,音韻,意味の情報
は,読みス ピー ドは普通だが,単語の置 き換 えが
(
語嚢情報) を用 いて文字列 を音韻列 に変換す る
生 じやすい。対 して,音韻符号化経路 に問題があ
語菜経路 (
視覚的符号化経路) と文字 ・音素規則
る場合 は,単語の読みが非常 に遅 く,打診的に読
を用 いて書記列 を音 素列 に変換 す る非語嚢経路
Co
l
t
he
a
r
t
,1
9
7
8)
。J
o
r
m
む タイプが典型 となる (
つ の経路 か らな る (
Co
l
t
(
音韻 符号化 経路 ) の2
(
1
9
7
9
)は,二重経路仮説 に よれば発達性 の失読
t
,1
9
8
3
)
。語嚢経路 は更 に二つの経路 か らな
he
a
r
は音韻経路の損傷 によるため,意味性 の錯読が顕
る。第一の ものは,文字ユニ ッ ト-文字入力辞書
El
l
i
s(
1
9
7
9)は,
著 に見 られると主張 した。一方,
-音韻 出力辞書-音素 システム,第二の ものは,
発達性 のデ イス レクシアは,意味的誤 りを示 さな
文字ユニ ッ ト-文字入力辞書-意味 システム-普
い と主張 している。発達性 の読み障害 も単一の原
韻 出力辞書-音素 システムか らなる。一方,非語
因によって生 じるものではないため原因によ りそ
嚢経路 は文字素 を音韻素 に変換す るシステムで文
の特徴 もことなる。
字ユ ニ ッ ト一文字素一
音素 変換規則 システム-普
日本語の表記 は,表音文字 としての平仮名 ・カ
素 シ ス テ ム と い う流 れ で あ る (ワ イ デ ル,
タカナ と表象文字の側面 ももつ漢字が混在 してい
2
0
0
3
)
。 トライア ングルモデルは,文字ユニ ッ ト
る。 表象文字である漢字は,意味 を処理す るプロ
つのユ ニ ッ トか
音韻ユ ニ ッ ト ・意味ユ ニ ッ トの3
セス (
語嚢的経路)で処理 され,一方,表音文字
らな り,
相互 に情報のや り取 りを行 う。これ らは,
である仮名は非語嚢的読みのプロセス (
非語桑的
後天性失読症 の説明モデル として提 出 された もの
Sa
s
a
numa
,
経 路 ) で処 理 され る と見 な され る (
だが,発達期 において生 じた読み書 き障害 につい
1
9
8
0;Ya
ma
d
o
r
i
,1
9
7
5
)
。 このため, 日本語話者
て も, これ らのモデルが適応 されることが多い。
の失語症患者では漢字 と仮名読みの成績の乗離現
1
9
9
0
)は,発達性 の読み書 き障害 をその
森永 (
象の見 られる。だが,単純 に漢字 は語嚢的処理 ・
つ の タイプに分 けた。第- は,視
原因 によって3
平仮名 は音韻処理 とい う二分法 とは一致 しない研
覚性読字障害で,視覚的区別の困難,視覚的順序
究結果 もある。漢字の読みにおいて同音異義語で
の理解 困難のため文字か ら意味 を導 くことが出来
の読み反応時間が非同音意義漢字 よ りながいこと
ない タイプである。 意味の理解その ものには問題
(
Wyde
l
l& Pa
t
t
e
r
s
o
n,1
9
9
3
)等,語嚢経路 と非語
が ないため,読み上げ られた内容 を理解す る上で
嚢経路の両方で処理 されることを示す結果が得 ら
の障害はない。第二は,聴覚性読字障害で,文字
Fus
hi
mi
,I
j
ui
n,Pa
t
t
e
r
s
o
n,a
ndTa
t
s
uれている (
習得 は可能だが音声か ら単語 を理解す ることがで
9
9
9;Hi
noa
ndLupke
r
,1
9
9
8;Sa
s
a
numa
,
mi1
きない タイプで,聴覚的な判別能力お よび知覚上
Sa
kur
a
,Ki
t
a
no
,1
9
9
2
) 同様 に親和性が高い平仮
の障害 をその原因を見 なす。音の分類が うま くで
名 ・カタカナ,す くな くともカタカナでは,その
きず,音や単語 を再聴覚化す ることに困難 を抱 え
読みにおいて語嚢的経路 と非語嚢的経路 を両者が
る。文字 を見 て も音 を思い出す ことが出来ず,黙
関連 している (
Be
s
ne
ra
ndHi
l
de
br
a
ndt
s
,1
9
8
7;
読の方が理解 出来 る傾 向がある。この タイプのは,
Hi
no
,
Lupke
r
,
Se
a
r
s
,
a
ndOga
wa1
9
9
8
)
。平仮名 ・
子 どものデ イス レクシアでは,音韻操作が不確実
カタカナにおいては非語嚢経路が,漢字 において
。
なために,耳か ら入 る語が不正確 となること,請
は語嚢経路が有意 な処理 プロセス と考 え られるが
の想起が困難であること,文字で確かめて記憶す
完全 に一方 にのみ依存す るのではな く,両経路 と
ることが出来ない,文字情報が人 らない等のため,
もすべ ての文字の処理 に関連 している と考 え られ
年齢 レベルに比べ ると語嚢発達が遅れる (
加藤,
る。
2
0
0
3)
。第三は,意味の障害 をもつ読みの障害で,
英語圏における研究では,発達性 の読み書 き障
平仮名読みに困難 を示 した2
事例-の読み指導
害の原因を音韻操作 と音想起のス ピー ドの遅 さの
7
5
対象児
どち らかあるいは両者の障害 とする説が一般的で
0
03)。宇野 (
20
03) は,英語 圏で
ある (
加藤,2
A児 :小 学校 1
年生男子。K病 院で学習 障害 と
発達性読み書 き障害の原因を音韻認識能力 にもと
診 断 され,小学校1年児 にH大学教育学部特別支
める理由について,英語では音韻分解 ・抽出の困
援相談 に来談 した。主訴は,「国語お よび算数 に
難 さや音 と文字 クラス ターの対応関係が難 しいこ
おける学習困難,数の概念 も弱い。文字読みは一
とを挙げている。 日本語では英語の音素 に対応す
文字読みは可だが,文章 として読めない。
」であっ
る単位 としてモーラが使用 されるが,モーラの分
た。
析抽出に困難を抱 える児童の仮名習得が遅れ,普
SC-Ⅲ 全知能 (
FI
Q)67,言語
検査結果 :WI
韻処理能力 と発達 と文字習得の早 さの関連性がみ
性知能 (
VI
Q)6
6, 動作性知能 (
PI
Q)75、言語
0
03)
。/
」
、
林 ・加藤 ・ヘ イ ンズ ・
られ る (
宇野,2
理解 (
VC)73,知覚統合 (
PO)7
9,注意記憶 (
FC)
20
03) も, 日本の小学1
マルカ- ソー ・フック (
PS)61であった。下位検査 間の
6
2,処理速 度 (
年生 を対象 に認知言語能力が読み書 き能力 を予見
差が大 きく。類似 ・算数 ・配列 ・記号 のSSは1
。
するかを調査 し,
音韻処理 (
音韻意識,
音韻記憶,
一方,単語 ・理解 ・積 み木組 み合 わせ は、
9
,8
,9
,
RAN(
Ra
pi
dAut
oma
t
i
cNa
mi
ng)
)が読み習得の
1
0であった (
図1)。 グッ トイナフ人物画知能検査
重要 な要因であることを示 した。 日本語話者 にお
(
DAM):I
Q77。SM社会生活能力検査 :SQ71
。
いて も,発達性読み書 き障害の一因 として音韻処
絵画語嚢発達検査,CA7
4,語嚢年齢 (
VA)63
理能力が関連 している。
(
表1
)
。
発達性の読み書 き障害 を示す児童児童生徒 に対
年長児用学習障害スクリーニ ング検査 (
宇野 ・
してその認知処理特性 に応 じた指導 を行 う必要が
春原,2
0
02) をお こなった。 この検査 は,Ra
pi
d
ある。 現在,認知特性 にあわせた学校現場 向けの
秒 (
SD5.
1
2)) 文 章 の 理 解 (
4。0
4
na
mi
ng(
1
8.
29
指導書 や指導 マニュアルが数多 く刊行 されてい
(
SD-1
.
26)
),数字の逆唱2.
25 (
SD-1
.
1
7)
),3モー
る。 しか し,具体的な指導はいまだ手探 りである
ラの逆唱 (
1
.
61(
SD-1
.
35))
,図形の記憶課題 (
2.
63
部分 も多 く,実際的には認知特性 と具体的指導法
5
.
49 (
SD-1
.
2
2)) か ら
(
SD-0.
9
8)), か な音 読 (
の関係 についての客観的数量的なデー タは少 ない
なる。 就学前6カ月の年長幼児の平均反応 を ( )
9
96;宇野 ・金子 ・春原,
(
宇野 ・加我 ・稲垣,1
の中に示 した (
宇野 ・春原,2
002)
。
A児 は,Ra
p-
2
0
03)。指導法が どの ような側面で効果 をもち,
i
dna
mi
ng21
.
5
秒,文章の理解6,数字の逆唱2,
どの認知特性や レディネスを持つ子供 にとって有
3モーラの逆唱0点,図形の記憶課題2,かな音読6
効であるかを検証する必要がある。 そこで,本報
点であ り,すべ て6才児 と比較 した場合 ではある
告では,小学校入学後 に顕著 な読み書 き障害 を示
標準偏差の中に収 まっていた (
表2)
。
が1
0音表の記銘再生お よ
した2事例 に対 して行 った5
柏 を取 る課題 :単語 をいってその単語のモーラ
び単語-読みの対連合学習課題 を用いた指導の結
数だけ手 をたた くとい う課題 を行 った (
例 :りん
果 と読み速度の変化 を報告 し,両名が持つ認知的
ご-3回)。3
モーラ以上の単語で も可能であった。
特性 との関係 を論 じる。
しり取 りを行 った ところ,語尾音 を認識す ること
は可能であった。
A児
I
Q(
DAM)
77
SQ
67
平仮名読み
1
1
/2
0
7/1
0
B児
8
4
7
6
1
1
/
2
0
4/1
0
聴写
絵の呼称 書 き取 り
1
5/
2
0
1
7/
2
0
1
8/
2
0
6/
2
0
表 1:指導前の二事例のI
Q・
SQおよび読み書き能力の比較
A児
Ra
pi
d
na
mi
ng
21
.
5
秒
文章の
理解
6
数字の
逆唱
2
B児
3
4秒
5
2
3モ ー ラ
の逆唱
0
0
図形の
記憶
2
かなの
3
6
表 2 :年長用学習障害スクリーニング検査の二事例の結果
音
読
6
7
6
松
本
敏
治
平仮名読み :平仮名単語20間を読 ませた ところ
柏 を取 る課題 :単語の柏 を取 らせる課題を実施
中1
1間正解。「さる」- 「さく」
,
「
せみ」- 「
せん」
,
した ところ,3
モー ラ以上は困難であった。 しり
「ろけっ と」- 「ろけつ と」
,「ぬ りえ」- 「ぬ」
取 りも2モーラの単語で も出来ないことがあった。
「
ねこ」- 「なこ」,
「きっ
の読み方を指導者 に確認,
て」- 「きつね」,
「
がっこう」- 「
がつ こう」
,
「きょ
平仮名読み :平仮名単語 を読 ませたところ,20
間中11間正解。「えんぴつ」, 「の こぎり」, 「はぶ
,「でん しゃ」- 「で きし
うしっ」- 「
がつ こう」
らし」「
ふ うせん」は読めず,「ろうそ く」- 「ろ
や」
けっと」,「
ぬ りえ」- 「いるえ」
,「がっこう」-
視写 :「
ぬ」「め」をともに3画 (
2つの斜め線 と
円弧)で書 く。
「
かぞにそ」,「きょうしっ」- 「きょうしる」,「
で
ん しゃ」- 「
でん しゅ」などの誤反応がみ られた。
聴写 :
指導者が読み上げた 「て,かに,ぽんだ.
聴写 :
「て,かに,ぽんだ,たぬ き,うま,むぎ,
たぬ き,うま,むぎ,なす,にっこ り,ひこうき,
なす,にっこり,ひこうき, きゅうり」の各単語
きゅうり」の単語を書 くように求めた。「ぽんだ」
を読み上げて書 き取 らせた ところ,「て,かに,
「
たぬ き」「むぎ」の 「だ」「き」「む」で不正確 な
うま,なす」は正確 にかけた。「ぽんだ」- 「ん」
,
文字を書いた。 また,「ひこうき」- 「ひこお き」
「たぬ き」- 「た き」,「む ぎ」- 「うぎ」, 「にっ
であった。
絵 カー ド呼称 と書字 :1
モーラか ら3
モーラの名
詞をもつ具体物 を画いたイラス トの名称 を言 うよ
うに求めた。20刺激中1
5間で正解。間違いのうち
3
つは,「
矢」を 「ゆみや」, 「ブタ」 を 「
ぶたのは
な」, 「はぶ らし」- 「はみが き」など意味的に関
,
「きゅうり」- 「きり」であっ
こり」- 「にこり」
た。 また,「ひこうき」 は一字づつ発音す ると書
くことが出来た。
視写 :平仮名 を見なが らうつす ことは出来る。
字は崩れている。
絵 カー ド呼称 と書字 :絵 カー ドの呼称には発音
連 したものであった。
発音上の不完全 さとしては,
上の問題はみ られなかった。名称がわか らなかっ
「たまね ぎ」- 「たまげに」,「おにぎり」- 「お
ぶた」以外 は正確 に発音発音 した単語
た 「や」「
にに り」が見 られた。発音 した単語の書 き取 りで
の書 き取 り (
平仮名)を行ったところ,正確に書
は,20単語中1
7間で発音通 り書けた。呼称が誤っ
けたのは「き」
,
「いす」
,
「にわとり」
,
「
か ぎ」
,
「
め」
,
ていた もの 「おにに り」「たまげに」は発音 どお
「さる」のみ。「
お」- 「を」
,「よ」- 「ろ」,「ね」
り「
おにに り」,「たまげに」 と表記 した。あやま
つ」- 「め」,「ひ」- 「り」,「は」- 「な」,「
りは,
「
ず」と 「む」の形の不完全 さと 「にわ 下り」
「
す」 などの誤 りが頻発 し,書字 においては音 と
と途中カタカナが混 じったことによるものであっ
文字の対応が不完全であった。 また,単語の模倣
た。
は可であるが,ゆっ くりと発音するように求めた
B児 :H市学習セ ンターにて検査でLDの疑い と
され,
H大学教育学部特別支援相談に来談。主訴 :
ところ困難であった。
矢印の命名 :上下左右 をむいた矢印のリス トを
0音 を覚えられない。聞き違
音読 と書字の困難。5
「
右,
左,
上,下」などと読んでい く課題 をおこなっ
い ・言い間違いが多い (
例 :ボクシング-ボシコ
た ところ,言葉で反応で きず,指で方向を指 し示
ング)。歌 う時,語尾だけ歌 う。
した。
検査結果 :小学校2
年生男子。WI
SC-Ⅲは本人
が解答を拒否 したため測定不能であ り数唱のみ実
数字のみ正答。DAMでI
Q8
4。S-M
施で きた。2
数字 リス ト読み :空白をふ くんだ数字 リス トを
指導
社会生活能力検査 :SQ7
6。絵画語嚢発達検査,
2
0
04年1
2月 よ り2
0
05年3月 まで2週 に1回の割合
CA7
5,
語嚢年齢 (
VA)4
6(
Ta
bl
e1)
。ベ ンダー
回に
でA児 には5回,B児に6回指導を実施 した。1
ゲシュタル ト検査 :コビッツ法で8
点で1
標準偏差
指導する内容は,順 に1
)5
0音練習,2) 絵 カー ド・
の範囲である。
単語 カー ド読み,3) 対連合学習,4) 絵 カー ド・
年長児用学習障害スクリーニ ング検査 (
宇野 ・
単語 カー ド読みである。
春原,2
002):
Ra
pi
dna
mi
ng3
4秒,文章の理解5,
1
)5
0音練習は,
5
0音 を `
あ̀いうえお"の順に言っ
数字の逆唱2,3モーラの逆唱0,図形の記憶3,仮
てい くことを求めた。最初に縦 (
行(
あいうえお)
)
名音読6であ り,年長幼児の平均か らして も呼称
を暗唱 させ,次に横 (
列 (
あか きたな)) を暗唱
Ta
bl
e
2)
。
の速度に顕著な遅れがみ られる (
させた。プロンプ トとして,50音表あるいは行あ
平仮名読みに困難を示した2事例への読み指導
るいは列の始 まりの音 を提示 した。
2
)絵あるいは単語が2
0
枚並 んだシー トを提示
し.右上か ら下に左下 まで順に絵の名前あるいは
7
7
た。 また,単語 を数秒見つめた後,一気 に呼称す
る反応が頻発 した。
リス ト読み速度 :A児では,指導前 は,一文字
単語 を出来るだけ早 く言 うようにもとめた。単語
1
7"
,有意味語3
9■
'
,無意味語53"
. イラス ト39"
は,縦書 きとした。
が指導後 に1
4"
,24"
,36"
,28" とすべ てにおい
3)対連合学習では,単語 (
平仮名)を1
0個1
組
て読み時間が短縮 した。短縮率 を (
(
指導前 一指
組の刺激 を作成。文字 (
単語)を提示 し,
として2
0
0として求めるとそれぞれ
導後) ÷指導後) ×1
2
秒以内に反応がない場合は絵 カー ドを提示 し名
秒以内
前 を確認 した。すべての単語 をそれぞれ2
に言えた場合 を合格 とした。2回目の指導以後は,
iO
親 日の学
指導を行った。合格が2回連続 した ら,1
袖
コンピュータ上に文字およびイラス トを提示 し,
親 日の課題 を実施 した。休憩後,2
習を終了 し,2
10 秒
順序は一定であった。ただ し,提示順序 による学
f・,
4)2の課題 と同様の方法で行った。刺激の提示
加
粗 目,1
粗 目の順序で再度実施 した。
習か否かをチェックするための提示順序 を変更す
1
っ こともあった。
2
3
4
3
0
指導
0個の刺激 (
1
文字 ・
全体の指導前 と指導後 に5
図 1:絵シー ト,単語シー ト読み時間の変化
無意味語 ・イラス ト・有意味語 (
指導中に用いた
刺激 とは異 なる)
)の書かれた リス ト読みの時間
60
を計測 した。
5
0
リ
ス
結果
5
0音練習 :A児では1・2・3回日の指導では 「サ
ト
!
時
n
間
3
0
行 ・タ行 ・ラ行」が抜 けるなどの反応が見 られた
2
0
が,6回 目の指導では正確 な順序で再生で きた。
1
0
ハ行 ・マ行 ・ヤ行 ・ラ行」
一方,B児では,当初 「
が出なか った。6回 日において も 「タ行 ・ハ行」
秒
指主
■前
の間違いが見 られた。
絵 カー ド・単語 カー ド読み課題 :2と4の絵 カー
ド・単語 カー ド読み課選の平均反応時間を図1に
指 #凌
図2:A児の指導前と指導後のイラス ト・文字読み時
間の変化
0音表のみの指
示 した。A児 の第3回の指導 は,5
導であったため,データが欠落 している。B児で
川
m
3・
5回目で対連合学習後の課題4を実施できず.
は,
1
2
0
2の課題の結果 を示 している。A児では,1・2回
目は,単語の読みが絵の読み時間を上回っている
リ 1
00
ス
が,後半単語の読み時間が顕著に短縮 し絵の呼称
警8
0
児では,前半に比較 して後半
を上回る。一方,B
で単語読み時間は短縮 しているが.ほぼ,絵 カー
ト
時
M
B
E
40
ド読みの時間と同程度に止 まった。
対連合学習 :
両児 ともに,第一回目の指導では,
文字 ・4
文字の読みに困難
濁点を含む文字お よび3
2
0
%
指斗 歯
を示 した ものの,その後速やかに反応で きた。 し
指事 後
か し,B児についてはカー ドの碇示順序 を手掛か
図3:B児の指導前と指導後のイラス ト・文字読み時
りとしたと思われ,順序 を変えると混乱が見 られ
間の変化
7
8
松
1
8
%,3
8
%,3
2
%,2
8
%である (
図2
)
。
B児 では,指導前 で21
"
,1
3
0"
,1
0
0"
,3
3"
,指
導後で3
2"
,1
2
3"
,9
3'
'
,6
9"とであ り,短縮率で
本
敏
治
字一昔想起過程 にとどまらず,意味一昔想起 に も
なん らかの問題 を抱 えると推測で きる。
指導 にあたっては,春原 ・宇野 ・金子 (
2
0
0
4)
見 て も,5
2
%,5
%,7
%,1
0
9
%で有意味語 の読
が平仮名 ・カタカナ読み指導のために行 った5
0音
み時間が無意味語のそれ よ り顕著 に長かった (
図
表の活用 を参考 とした。 これは,文字か ら音 を想
3)
。指導前の単文字お よび無意味語読みでは「さ」
起するに際 して,5
0
音表の配列 に従 って音 を検索
- 「ち」
,「ぎ」- 「き」
,「り」- 「い」の誤 りが
し,その文字 に対応する読みを想起 させ るとい う
み られた。 イラス トをみての呼称想起 は,全体 に
技法である。再生 よ りは再認が用意であることは
すばや く呼称で きるが,絵 をみて しば らくして早
記憶課題 においてはよく知 られた事実であ り,5
0
口に一気 に答 えるとい う反応がみ られた。 また,
音表の活用 は文字一昔想起課題 を文字 ・音同定課
有意味語 で は,初見 では じっ くり文字 をみて区
題に変換することを意味するであろう。 当初は,
切 って発音 した。
時間がかかるとして もこのような形での音想起 は
確実 なものであると考 えられた。また,
絵本 (
1
9
9
8)
考察
が報告 している読み書 き障害の事例では, 自発的
B児 は,数唱以外WI
SC-Ⅲの結果がないため全
にこの ような方略 を用いている。 これ らのことか
般的認知機能について考察す ることが出来ない。
ら5
0
音の活用が読み学習において指導は有効であ
ここでは,他の心理的諸検査の結果 をもとに両者
ろうと考え られた。同時に単語 と読みの対連合課
の認知特 性 を比 較 す る。DAMのI
QはA児7
7
,B
題 を実施す ることで,文字-意味-読み という語
児8
4と動作性知能には,平均の下か境界線 にある
嚢経路 を通 した読み処理指導 も行 うこととした。
と思われるものの,両者 に大 きな差異はない。 ま
A児では,単語 シー ト読み時間は指導の進行 と
た,社会生活指数 も6
7
,7
6で差 は大 きな ものでは
ともに短縮 し,絵 シー ト読みを上回るようになっ
ない。平仮名読み,聴写,絵の理解の成績 にも大
た。 また,読みに際 して,文字 を読むような一定
きな差異はみれない。一方,書 き取 りでは大 きな
の リズムでの呼称が安定 して きた。指導前 と指導
差が見 られた。A児が呼称 において発音 に誤 りを
後の一文字 ・有意味語 ・無意味語 ・イラス ト読み
示 し,発音上の修正 は困難なが らも,書字 におい
の リス ト読み時間の結果は,無意味語で も有意味
ては 自発 した発音 どお りにほぼ正確 に書字 出来
語 とほぼ同 じ程度の短縮率 を示 している。 このこ
た。 しか し,B児 は絵 カー ドの呼称 において誤 り
とか ら,A児では的確 に文字一昔 とい う音韻的処
や音韻結合 ・構成上の誤 りが見 られないに もかか
理 (
非語嚢的処理経路) を経由 した読みが成立 し
わ らず, 自発 した発音 を正確 に書 くことは出来な
た と思われた。一方,B児では異 なる結果 を示 し
かった。両者 はともに,スクリーニ ングテス トの
た。当初,単語 シー トの読み時間が絵 シー トのそ
読みにおいては全問正答 し,著者が実施 した平仮
れを上回ること,指導 とともに単語 シー トの読み
名読みテス トで も物音,促音 などの含 む単語以外
時間が短縮 したことは,A児 と同様であった。 し
は正確 に読むことが出来た。その正解率 も全 く同
か し,A児 にみ られたような絵 シー トと単語 シー
じであった。両者 ともに単純 な清音 については正
トの読み時間の逆転現象 は見 られなかった。
A児では音か ら文字へ
B児の指導前後の一文字 ・有意味語 ・無意味語 ・
の想起 も清音 についてはほぼ成立 しているのに く
イラス ト読み時間の結果は,ほ とん ど短縮 を示 さ
らべ,B児では顕著 な困難 を示 した。年長用学習
ず,イラス トは逆 に顕著 な増大 を示 した。B児で
障害スクリーニ ング検査 (
宇野 ら,2
0
0
2
)の結果
は,対連合学習や有意味語 ・イラス ト読みにおい
は,A児では年長幼児 とほぼ同程度の成績 をしめ
て しば らく単語 ・イラス トをみつめてか ら一気 に
pi
dna
mi
ngを除けばA児 と同 じ傾向
し,B児 もRa
呼称 をす るとい う反応がみ られた。対連合学習で
を示 した。B児 のRa
pi
dna
mi
ngは3
4
秒 で あ り,
提 示順序 を入 れか えた ところ,「順番 替 えたで
8
秒 ・標準偏差が5
.
1
2であ
健常年長幼児の平均が1
しょ。 嫌だ」 と拒否的な反応が見 られた。 このこ
確 に音想起が可能である。
ることか ら顕著な遅れであることがわかる。 著者
とか ら,B児では文字一昔 とい う音韻的処理 (
非
が指導後に実施 した リス ト読み課題で もイラス ト
語嚢経路)による読み とい う過程 に至 らず,あ く
呼称課題 は2
0
個のイラス トの読み上げに6
9
秒 と極
まで も語嚢経路あるいは,それ以前のl
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o
g
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c
端 な遅れを示 している。 この ことか ら,B児 は文
な学習 を行 っていた可能性が考 えられる。 この よ
平仮名読みに困難 を示 した2
事例への読み指導
7
9
うな結果 を生んだ原因については,B児 について
7)伊集院睦雄 ・辰 巳 格 (
2003)健常成人 と後
は,WI
SC-Ⅲな どの心理検査 を行 えない事情 な
天性失読症例の音読モデル研究の立場か ら一
どもあ り,十分な資料 をもって議論することは出
二重経路モデル と トライアングルモデル-.
来ない。現時点のデータとの関係で言及するな ら
LD研究,1
2(
3)
,
2
6
8
2
7
8
.
ば,A児 とB児の もっ とも大 きな差 は,音韻分析
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能力 ・音想起速度などの音韻処理 に関連 した部分
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であ り, このことは先 に述べた読み書 き障害の原
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3
.
因を音韻処理 と昔想起速度にもとめる説 と一致す
る。 もう一つのA児 とB児 の違いは,音字 におけ
9)加藤醇子 (
2
0
0
3)読み書 きの言語認知心理学
る音一文字想起 が習得 されているかい ないかで
と研究の動 向一
特集 にあたって-.LD研究,
あった。音一文字想起が習得 されていれば, 自発
1
2(
3)
,
2
4
02
4
7
.
した読 み が正 しい か ど うか につ い て 自発 的 な
1
0)金子真人 ・宇野 彰 ・加我牧子他 (
1
9
9
7)仮
チェックが行われ,そのことが読み学習 を更に効
名 ・漢字双方に読み書 き障害の障害 を認めた
率的にす るか もしれい。
学習障害児 における平仮名 1文字の読み書 き
今回の結果は,す くな くとも文字読み学習にお
9
,
2
4
9
2
5
3
.
過程.脳 と発達,2
いて5
0
音表お よび対連合学習が効果を示 した事例
l
l
)金子真人 ・宇野 彰 ・春原則子他 (
1
9
9
8)仮
が存在す る一方で,音韻分析 ・音想起速度などに
名 と漢字に特異的な読み書 き障害 を呈 した学
顕著 な遅れを示す事例では大 きな改善が期待で き
9
,
習障害児の仮名書字訓練.音声言語医学,3
ない可能性 を示唆 した。
2
7
4
2
7
8
.
引用文献
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志帆)・加藤醇子 ・チ ャールズ へ
1
2)小林マヤ (
インズ ・ポール マルカ-ソー ・パ メラ フッ
2
0
0
3)幼児の読み能力 に関わる認知言語
ク (
2(
3)
,
2
5
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2
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7
.
能力.LD研究,1
1
3)松本敏治 (
1
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9
8)漢字 ・読字書字困難 を示す
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0)発達性 の失読 と失 善一LD
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4)森永 良子 (
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長児用学習障害スクリーニ ング検査 開発 に関
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関するデータに基づいた治療教育-.発達障
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経心理学 における読みについて.LD研究,1
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