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電気用品安全法 技術基準体系等見直しに関する アクション

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電気用品安全法 技術基準体系等見直しに関する アクション
電気用品安全法
技術基準体系等見直しに関する
アクションプランについて
平成23年5月17日
電気用品の安全に関する技術基準等に係る調査検討会
目
次
1. はじめに ·····························································1
第1部
技術基準の性能規定化及び階層化について ···························3
2. 作業計画の全容及び作業手順について ···································4
2.1.
作成するもの ·································································· 4
2.2.
作業手順 ······································································ 4
3. 当初の技術基準体系化の作業内容 ·······································5
3.1.
当初の技術基準体系階層化について ·············································· 5
3.2.
現実的性能規定(一次文書)の作成(作業①)······································· 5
3.3.
技術基準の解釈(二次文書)の作成 ················································ 6
3.4.
技術基準の解釈の解説(三次文書)の作成(作業⑥)··································· 7
3.5.
作業体制 ······································································ 7
3.6.
当初の技術基準体系化のスケジュール ··········································· 12
4. 将来的な技術基準体系の階層化を構築するための作業内容 ················14
4.1.
将来的な技術基準体系階層化について ··········································· 14
4.2.
将来的な技術基準の作業体制 ··················································· 14
5. 性能要求の考え方 ····················································16
5.1.
アウトラインについて ························································· 16
5.2.
一般要求事項(安全原則)について ··············································· 17
5.3.
個別要求事項 ································································· 19
第2部
電気用品の指定の在り方及び法運用の改善 ··························21
6. 電気用品の指定の在り方及び法運用の改善 ······························22
6.1.
法令手続きの合理化について ··················································· 23
6.2.
電気用品の指定の在り方及び法運用の改善の検討結果としての成果物 ················ 23
目次-i
7. 検討プロセスにおける留意事項について ································24
7.1.
抜本的政令改正を行うために必然的な課題········································ 24
7.2.
電安法ユーザーの法令遵守の促進の観点からの課題································ 24
8. 検討課題について ····················································25
8.1.
電気用品指定の考え方の整理 ··················································· 25
8.2.
品目指定の変更に関する検討 ··················································· 25
8.3.
法令手続きの合理化に関する検討 ··············································· 27
8.4.
改正による影響範囲の見積(事前影響評価)の検討································ 27
8.5.
周知活動計画の検討 ··························································· 27
9. 検討体制について ····················································28
10. 成果物の作成手順について ············································30
第3部
スケジュール ····················································35
11. スケジュールについて ················································36
11.1.
全体スケジュール ····························································· 36
11.2.
技術基準性能規定化及び階層化の詳細スケジュール································ 37
11.3.
電気用品の指定の在り方及び法運用の改善スケジュール···························· 38
委員名簿································································39
目次-ii
1.
はじめに
「電気用品安全法技術基準体系等見直し基本計画(以下、
「基本計画」という。) が平成
22年7月23日に取りまとめられたところ。今後、基本計画の考え方に従い、これを具
体化していくことが必要である。
このため、基本計画策定後、着実に改善を実施していくため、どのような方針で、誰が、
いつまでに、何を行う必要があるかについて具体化したアクションプランを策定したもの
である。
第 1 部 技術基準の性能規定化及び階層化
第 2 部 電気用品の指定の在り方及び法運用の改善
第 3 部 スケジュール
1
第 1 部 技術基準の性能規定化及び階層化について
3
2. 作業計画の全容及び作業手順について
基本計画において、技術基準体系の移行は、関係者が混乱なく円滑に移行できるように
するため、当初及び将来的の2段階で行うこととしている。
当初の技術基準体系の階層化については、現行の省令第1項及び省令第2項の技術基準
を技術基準の解釈として、これに整合する技術基準(以下「現実的性能規定」という。) と
することとする。当初の技術基準体系の階層化は、平成 24 年度に公布、平成 25 年度施行
を目指し、速やかに具体的作業を開始することが必要である。
現実的性能規定を作成するに当たっては、はじめに将来的な技術基準体系の階層化に必
要な理想的性能規定案を策定した後、現行技術基準を否定しない現実的性能規定案を策定
する。
2.1.
作成するもの
① 技術基準性能規定化作業計画
体制及びスケジュール
② 理想的性能規定案
基本計画の 4.3.1~4.3.3 のすべてを考慮した性能規定案
③ 現実的性能規定案
理想的性能規定と現行の技術基準を比較し、現行の技術基準と整合しない部分を割愛
したもの
2.2.
作業手順
① 技術基準性能規定化作業計画案の作成
② 性能規定の構成及び項目の検討
③ 理想的性能規定案の策定
本来あるべき性能規定を明確化
④ 現実的性能規定案を策定
理想的性能規定案を基に、現行技術基準を否定しない現実的性能規定案を策定
⑤ 課題の抽出
理想的性能規定案と現実的性能規定の差分の明確化
⑥ 是認スキームの検討
仕様規定である JIS 又は民間規格が技術基準を満たすものとするための是認スキーム
の検討
⑦ 規格作成団体に対する将来的な仕様規定策定方法の明示
⑤及び⑥から、規格作成団体に対して、将来的な技術基準体系の階層化に向けた仕様
規定策定の方法をあらかじめ明示する。
4
3. 当初の技術基準体系化の作業内容
3.1.
当初の技術基準体系階層化について
当初の技術基準体系階層化を図 1 に示す。
この体系は、現行の技術基準及び同解釈を階層化するものである。このため、一次文書
である現実的性能規定を策定するためには、現行の技術基準及び同解釈の仕分を行いなが
ら、二次文書及び三次文書についても同時に策定していく必要がある。
省令第1項技術基準については、基本的には現在の省令第1項技術基準を二次文書、解
釈文を三次文書として採用することとなる。しかしながら、技術基準省令の中に一次文書
的な性能規定が存在する一方、
解釈の中に二次文書的な仕様規定が存在していることから、
仕分を行うことが必要となる。
他方、省令第2項技術基準については、現行でも JIS が基本となっていることから、基
本的には、そのまま二次文書として採用することが可能と考えられる。
技術基準(省令)
性能規定
(現実的性能規定)
一次文書
技術基準の解釈(通達)
(技術基準を満たす例示基準)
二次文書
技術基準の解釈の解説
(ガイダンス)
三次文書
図 1 当初の技術基準体系階層化のイメージ
3.2.
現実的性能規定(一次文書)の作成(作業①)
図 1 の体系を構築していくためには、基本計画及び二次文書のベースとなる現行の省令
第1項技術基準及び省令第2項技術基準を十分に理解し、体系化作業が要求される。
可及的速やかに着手すべき当初の技術基準体系化作業においては、「3.5 作業体制」の
「表 1 当初の技術基準体系階層化作業に関する作業内容」に示す作業分担を明確にした
上で、作業を行う必要がある。本作業の多くは、関連団体の協力の下実施する必要がある
ことから、事前に十分な調整作業が必要である。
その上で「表 2 ワーキンググループの構成について」に示すような技術基準性能規定
5
化を実施するためのワーキンググループを設置することとする。
3.3.
技術基準の解釈(二次文書)の作成
二次文書の策定には、次に示す作業②から作業⑤までの4つの作成手順を採用する。
(「図 2 当初の技術基準体系化仕分作業のイメージ」参照)
3.3.1 省令第1項基準の例示基準化(作業②)
・ 現在の省令第1項技術基準の省令文で、一次文書(性能規定)とする文と二次文書(技術
基準の解釈)とする文を選別する。(作業②-A)
・ 現在の省令第1項技術基準の解釈文のうち、二次文書(技術基準の解釈)とする文と三
次文書(技術基準の解釈の解説)とする文を選別する。(作業②-B)
○新技術基準省令(性能規定)(作業①)
一次文書
Guide51、Guide104 を
ベースとした基本規定
危険源別の性能要求案
省令第1項由来の性能規定
移動
○省令第1項の技術基準(移行後)
二次文書
省令にすべき技術基準
の解釈
要素を抽出
省令第1項の技術基準(現行)
(作業②-A)
省令第1項の性能
規定的内容
移動(作業②-B)
○省令第1項の技術基準の解説(移行後)
三次文書
省令にすべき技術基準
の解釈
解説として扱うにふさわしい内容のみとする
図 2 当初の技術基準体系化仕分作業のイメージ
3.3.2 省令第2項基準の例示基準化(作業③)
・ 現在の省令第2項技術基準を二次文書として、新たにリスト化する。
・ 現在の省令第2項の技術基準で不要な引用規格は、リストから削除する。
3.3.3 必要な JIS の例示基準化(作業④)
・ 現在の省令第2項の技術基準を改正又は新たに追加して二次文書とする JIS をリスト
6
化する。
・ 雑音の基準など、現在の省令第2項技術基準を改正又は新たに追加して二次文書とす
るものがあれば、基準を作成し、リスト化する。
3.3.4 将来的な技術基準体系構築への準備(作業⑤)
・ 理想的性能規定の段階に移行する際に必要な二次文書の是認スキームについて検討を
行う(「図 6 将来的な技術基準体系階層化のイメージ」参照)。
3.4.
技術基準の解釈の解説(三次文書)の作成(作業⑥)
三次文書については、基本計画により、当初から民間で作成することになっていること
から、国も参加し、民間団体等で審議を行う(図 5 参照)。ただし、二次文書として採用す
る JIS にあっては、技術的な解説文は JIS 本文に記載することを原則とする。
3.5.
作業体制
当初の技術基準体系階層化に関する作業内容を表 1 に示す。なお、作業⑤は当初の技術
基準性能規定化の作業において、将来の技術基準体系化の基盤整備のために並行的に作業
を行うものである。
一次文書(技術基準の性能規定化)の作業体制を図 3、表 2
二次文書(技術基準の解釈)の作業体制を図 4
三次文書(技術基準の解釈の解説)の作業体制を図 5
にそれぞれ示す。
7
表 1 当初の技術基準体系階層化作業に関する作業内容
作業番号
作業①
作業②-A
作業②-B
作業③
作業④
作業⑥
作業⑤
作業内容
備考
必要に応じて、技術基準改正要
各 WG は原案を作成し、技術基準性能規定化分科会
望に関する民間スキームと情報
は、これを審議し、幹事会に上程する。
交換
現在の省令第2項技術基準と同
じ流れ
現行のスキームなどを活用(図 4、図 5 参照)
技術基準性能規定化分科会は、是認スキームの検
討を実施
関連団体は、理想的性能規定と現実的性能規定の 二次文書は、JIS 又は民間規格
差分を参考に、将来的な技術基準体系に必要な二
次文書を作成
公布、施行
製品安全小委員会
審議
パブリックコメント
国
電気用品の安全に関する技術基準等に係る調査検討会
幹事会
技術基準性能規定化分科会
(事務局:NITE)
WG0
WG1
WG2
・・・・・
テーマ別ワーキンググループ(関係団体等)
図 3 当初の技術基準体系化の作業体制
8
WG10
作業①ルート
表 2 ワーキンググループの構成について
WG 番
号
該当する技術
基準の別表
主な対象製品、項目
メンバー(関連団体)
一次文書、作業手順書
一般財団法人電気安全環境研究所(JET)
財団法人家電製品協会(AEHA)
社団法人日本電気協会(JEA)
一般社団法人電子情報技術産業協会
(JEITA)
一般社団法人日本電機工業会(JEMA)
社団法人日本配線器具工業会(JEWA)
ティフラインランドジャパン株式会社
別表一
電線類
社団法人日本電線工業会(JCMA)
別表二
電線管類
社団法人電気設備学会(IEIEJ)
0
なし
1
2
日本ヒューズ工業組合
一般社団法人日本電機工業会(JEMA)
一般社団法人電子情報技術産業協会
(JEITA)
社団法人日本配線器具工業会(JEWA)
一般社団法人日本電機工業会(JEMA)
社団法人日本照明器具工業会(JLA)
社団法人電気設備学会(IEIEJ)
社団法人日本縫製機械工業会(JASMA)
3
別表三
ヒューズ
4
別表四
配線器具
5
別表五
電流制限器
6
別表六
社団法人日本電球工業会(JELMA)
一般社団法人日本電機工業会(JEMA)
小型単相変圧器、電圧調整 一般社団法人電子情報技術産業協会
(JEITA)
器及び放電灯用安定器
社団法人日本玩具協会
日本暖房機器工業会
7
別表七
小型交流電動機
一般社団法人日本電機工業会(JEMA)
電気機械器具の完成品
一般財団法人日本品質保証機構(JQA)
一般社団法人日本電機工業会(JEMA)
一般社団法人電子情報技術産業協会
(JEITA)
社団法人ビジネス機械・情報システム産業
協会(JBMIA)
社団法人日本照明器具工業会(JLA)
温水洗浄便座協議会
一般社団法人日本ペット用品工業会
日本暖房機器工業会
電気床暖房工業会
社団法人日本厨房工業会
社団法人日本サウナ・スパ協会
社団法人日本縫製機械工業会(JASMA)
社団法人日本アミューズメントマシン工業
協会(JAMMA)
8
別表八
WG0 と同じ
9
WG 番
号
該当する技術
基準の別表
主な対象製品、項目
メンバー(関連団体)
社団法人日本冷凍空調工業会(JRAIA)
一般社団法人日本自動販売機工業会(JVMA)
社団法人日本ガス石油機器工業会(JGKA)
社団法人日本陸用内燃機関協会
社団法人日本熔接協会
社団法人日本玩具協会
日本家庭用殺虫剤工業会
一般社団法人インターホン工業会
日本写真映像用品工業会
社団法人日本ホームヘルス機器協会(HAPI)
社団法人日本配線器具工業会(JEWA)
社団法人日本電球工業会(JELMA)
9
別表九
10
なし
リチウムイオン蓄電池
社団法人電池工業会(BAJ)
雑音
電気用品調査委員会電波雑音部会
10
公布、施行
製品安全小委員会
審議
国
パブリックコメント
改正要望
基準に係る調査検討会
電気用品調査委員会
(事務局:JEA)
幹事会
専門部会
技術基準性能規定化分科会
作業③ルート
電気用品等規格・基準国際化委員会
(事務局:JEA)
関連団体等による WG
JIS 原案作成委員会
作業②ルート
作業④ルート
図 4 当初の技術基準の解釈の作業体制
11
現行の民間における技術基準改正要望スキーム
電気用品の安全に関する技術
一次~三次文書を統合したものを発行
民間団体
解説作成 WG(仮称)
その他の提案(国、民間)
作業②-B 以外に必要な場合
表1の作業②-B からの引継ぎ
作業⑥ルート
図 5 当初の技術基準の解釈の解説の作業体制
3.6.
当初の技術基準体系化のスケジュール
当初の技術基準体系化の性能規定化を実現するためには、表1の作業を並行して実施し
なければならない。
このための年度ごとの概略スケジュールは基本計画に次のようにある。
なお、これらのスケジュールを具体的に実施するためには、その前から各作業の準備を
しておかなくてはならない。全体的な作業進行スケジュールは「11.2 技術基準の性能規定
化及び階層化の詳細スケジュール」のようになる。
①平成 22 年度
•
技術基準の性能規定化の作業計画を作成
•
性能規定案の作成
将来的な技術基準体系の階層化の構築のため、例えば ISO/IEC ガイド 51 及び IEC ガイ
ド 104 を基に、まず理想的性能規定案を策定する。これを基に、現行技術基準を否定しな
い現実的性能規定を作成する。
②平成 23 年度
•
技術基準の解釈案及び同解説案を策定(必要に応じて、性能規定案の見直し)
12
•
任意規格を技術基準の要求を満たす仕様規定として位置付けるための是認スキームを
構築するための体制の検討
③平成 24 年度
•
技術基準の性能規定化と技術基準の解釈の策定
④平成 25 年度以降
•
個別電気用品ごとに技術基準の要求を満たす仕様規定の一本化を踏まえた理想的性能
規定への移行を検討
13
4. 将来的な技術基準体系の階層化を構築するための作業内容
4.1.
将来的な技術基準体系階層化について
基本計画では、将来的な技術基準体系階層化イメージを図 6 のとおりとしている。図 1
と図 6 の主な違いは、次のとおりである。
①性能規定を現実的性能規定から理想的性能規定に移行する。
②二次文書を JIS 又は民間規格として、国がそれを是認する。
この実現に向けては、品目の大括り化等を踏まえて、政令で定める電気用品名ごとに具
体的な移行時期を検討する必要がある。(平成 25 年度以降の検討。)
国による是認
技術基準(省令)
A 基本安全規格
(理想的性能規定)
一次文書
B グループ安全規格及び
C 個別製品安全規格
(JIS 又は民間規格)
二次文書
三次文書
適用のためのガイダンス
図 6 将来的な技術基準体系階層化のイメージ
4.2.
将来的な技術基準の作業体制
将来的に JIS 又は民間規格作成団体によるグループ安全規格又は個別製品安全規格が整
備された後、技術基準を理想的性能規定に改正する。
この場合、JIS 又は民間規格作成団体により作成された技術基準の性能要求を満たす仕
様規定に対して、国が技術審査を行う。技術審査を通過したものは、技術基準の性能要求
を満たす基準として国が是認することによって、
これらは技術基準体系の二次文書となる。
このため、将来的には、図 4 に示す技術基準の解釈(二次文書)の作成体制について、図
7 に示すような是認スキームを考慮した体制に変更することが必要となる。
この是認スキーム及び是認体制は、今後、検討していく。
14
公布、施行
製品安全
小委員会
審議
二次文書のリスト公布
三次文書を発行
パブリック
国
コメント
是認スキーム(要検討)
電気用品の安全に関する技術
国
基準に係る調査検討会
是認要望
幹事会
技術基準性能規定化分科会
連携
JIS 原案作成委員会又は
連携
民間団体
参加
民間規格作成委員会
関連団体等による WG
理想的性能規定の検討ルート
二次文書検討ルート
図 7 将来的な技術基準の作業体制(例)
15
三次文書検討ルート
国
5. 性能要求の考え方
基本的には、あらゆる電気用品による危険及び障害の発生を防止するため、電気用品が
具備すべき安全性能を規定する。電気用品は部品類から製品群まで範囲が広く、使用され
る環境、想定している使用者も幅広いことから、それぞれの電気用品に賦存するリスクに
応じた安全設計がなされる必要がある。
このため、ISO/IEC ガイド 51 で規定される「機器は、通常使用状態のみならず、使用時
に通常起こり得る不注意(合理的に予見可能な誤使用)又は故障があっても、人、周囲に危
害をもたらさないように安全に機能する構造であること。」を基本として、展開していく
ことが適当と考えられる。
具体的なイメージとして、上記を含めた一般要求事項(安全原則)を規定し、その一般要
求事項に加えて、電気用品別の個別要求事項(個別規定)を定めることとする。
アウトラインについて
5.1.
電安法第1条(目的)に規定される「電気用品による危険及び障害の発生を防止する」た
めに電気用品に求められる性能を基本として規制する。
具体的には、次のような構成とする。(「図 8 性能規定と例示基準の構成のイメージ」
参照)
①適用範囲
②用語の定義
③一般要求事項(安全原則)
④個別要求事項
⑤現行技術基準で規定している表示義務(電気用品の表示の方式、経年劣化に係る注意
喚起表示等)
⑥雑則
16
技術基準
(性能要求)
一般要求事項
技術基準の解釈
(例示基準)
個別要求事項
表示要求等、雑則等
一般要求事項
個別要求事項
図 8 性能規定と例示基準の構成のイメージ
5.2.
一般要求事項(安全原則)について
ISO/IEC ガイド 51 及び IEC ガイド 104 を基本として一般要求事項を作成する。
5.2.1 リスクインフォームド安全設計
機器は、通常使用状態のみならず、使用時に通常起こり得る不注意(合理的に予見可能
な誤使用)があっても、人、周囲に危害をもたらさないように安全に機能する構造であるこ
と。
5.2.2 設計に適用する規格基準
安全設計に対して、安全機能の重要度を考慮して適切と認められる規格及び基準によっ
て適合性評価手続きが行われたものであること。
5.2.3 フェイルセーフ等に対する設計上の配慮
単一故障が発生しても、機器は安全性を維持すること。
誤操作を防止するための適切な処置を講じた設計であること。(フールプルーフ)
5.2.4 危険源を考慮した性能規定
感電、火災、傷害、健康障害の危険を避けるための規定。
17
5.2.5 安全機能
機器の安全機能は、安全機能が期待されるすべての環境条件(設置条件、人と機器の関
係を含む)に適合できる設計であること。機器の安全機能は、その重要度に応じて、十分に
高い信頼性を確保する設計であること。
5.2.6 使用者を考慮した安全設計
機器の使用者(専門家、素人成人、子供、高齢者、障害者など)を考慮した安全な設計で
あること。(例えば、現在「電動式おもちゃ」
、
「電熱式おもちゃ」は「電気用品の範囲等の
解釈」で規定しているが、昨今の社会情勢を踏まえ、弱者保護を技術基準の一般要求事項に
記載する。)
5.2.7 供用期間中における安全機能の維持
合理的に想定される供用期間中、安全機能が維持される設計であること。
5.2.8 組み込みソフトウエアの安全性
制御にソフトウエアを用いている場合は、ソフトウエアのバグによる危険が発生しない
設計であること。又は、バグがあっても別の手段によって機能を維持しようとする設計で
あること。
5.2.9 外乱による耐性
機械的なスイッチがなく電子的なスイッチだけで主電源の開閉を行う場合、外乱による
誤動作がないこと。
5.2.10 映像又は音響による健康、発達障害の防止
電気用品は、自らが発する映像又は音響出力により、使用者への健康、子供の脳への発
達障害が発生するおそれがある場合には、その発生を防止する処置を講じること。
5.2.11 省令1項基準別表1~9の共通の事項
省令1項基準別表1~9の共通の事項のうち、すべての電気用品に共通するものを抽出
して規定する。
(例)
(1) 通常の使用状態において、危険が生じるおそれがないものであって、形状が正しく、
組立てが良好で、かつ、動作が円滑であること。
(2) 器体の材料は、通常の使用状態における温度に耐えること。
18
(3) 電気用品から発生する雑音の強さは、他の機器の障害とならないこと。
5.3.
個別要求事項
省令1項基準別表1~9の共通の事項のうち、各別表固有のものを抽出して規定する。
さらに、性能要求を十全に規定するため、電気用品固有の個別要求事項を規定する必要
があるものは規定する。
5.3.1 別表8固有の例
①製品の始動
一般用電気工作物への接続により、電気用品の作動部分は作動しないこと。ただし、
当該接続により、使用者が危険源に触れるおそれがない場合を除く。
②中断後の再起動
一般用電気工作物への接続が中断され、その後再度接続された際、電気用品が自動的
に再起動し、それが危険源となるおそれがある場合は、その再起動を防止する設計であ
ること。
③動力供給の中断
使用者の意思により、電気用品の動力を中断又は停止操作により停止した場合には、
その停止状態を維持すること。
19
第 2 部 電気用品の指定の在り方及び法運用の改善
21
6.
電気用品の指定の在り方及び法運用の改善
基本計画においては、「表 3 品目指定方法の方向性」に示すとおり、電安法施行令に
基づき指定される電気用品の在り方について取りまとめられたところ。
このため、この考え方を具現化し、関係法令等の骨子を提案することが必要である。
表 3 品目指定方法の方向性
現行
将来的な方向性
対象
対象
部品類
特定電気用品以外の電気用品(PS)E
(品目を指定)
除外品目(他法令で規制されるものや
一般消費者の生活の用に供されないも
のなど)
情報・通信機器や定格消費電力範囲の
上限を超えた機器など
対象
特定電気用品以外の電気用品(PS)E
(品目を指定)
特定電気用品<PS>E
(品目を指定)
対象
電気製品
非対象
非対象
特定電気用品<PS>E
(品目を指定)
特定電気用品以外の電気用品(PS)E
(品目を指定)
特定電気用品<PS>E
(品目を指定)
除外品目
(除外基準の明確化に関する検討が必要)
特定電気用品以外の電気用品(PS)E
(対象となる電気用品を包括的に指定する
指定方法の検討が必要)
特定電気用品<PS>E
(品目を指定)
その結果、基本計画においては、今後、更なる詳細検討が必要であるものの、「表 4 将
来的な大括り化の方向性の例」に示すように電安法施行規則別表第一の14~18 を「電気機
械器具」とする括りなどが考えられるとしている。
表 4 将来的な大括り化の方向性の例
(電気用品安全法施行規則 別表第一 電気用品の区分)
14
15
16
17
18
現
行
電熱器具
電動力応用機械器具
光源及び光源応用機械器具
電子応用機械器具
(施行令別表第一第八号に掲げるものを含
む。)
交流用電気機械器具
(施行令別表第一第九号及び施行令別表第二
第一一号に掲げるもの。)
将
14
22
電気機械器具
来
案
6.1.
法令手続きの合理化について
電気用品取締法(以下、
「電取法」という。) 時代の運用の名残が一部みられること
から、現行の法令手続きによる関係者が行うべき正しい法令手続きの流れを「見える
化」する。
その上で、ボトルネックとなっているプロセスや周知不足によって適正化が求めら
れるプロセスを明確にするとともに、別途検討を行う品目及び型式の区分等の大括り
化が法令手続き合理化にもたらす効果を踏まえながら、現行運用の問題点や課題等を
整理し、法令手続きの合理化方策を検討する。
この作業結果を基に、政省令改正案骨子を作成するとともに、運用改善のための周
知活動において、テキストとして活用していく。
6.2.
電気用品の指定の在り方及び法運用の改善の検討結果としての成果物
以下の項目について、検討・策定する。
① 電安法施行令別表第二(特定電気用品以外の電気用品の指定)改正案骨子
② 電安法施行規則別表第一(電気用品の区分)改正案骨子
③ 電安法施行規則別表第二(型式の区分)改正案骨子
④ その他関係条文改正案骨子
⑤ 電気用品の範囲等の解釈についての改正案骨子
⑥ 電気用品安全法法令業務実施ガイド案(現状版)
⑦ 電気用品安全法法令業務実施ガイド案(将来版)
⑧ 現状の課題を抽出・整理したもの
⑨ 周知活動計画
23
7. 検討プロセスにおける留意事項について
なお、次のような検討における留意事項を明確化して対応する必要がある。
7.1.
抜本的政令改正を行うために必然的な課題
① 電安法の考え方の整理(特に品目指定の考え方)
② 国際整合及び理論的なアプローチを踏まえた品目指定の方法の変更、品目の大括り化、
型式の区分の大括り化の検討
③ 政省令改正を踏まえた、用語定義の明確化、責任と権限の明確化、コミュニケーショ
ンプランの策定
④ 段階に応じ、策定した計画の適宜更新
品目指定の大括り化は、政令改正を伴うものであることを踏まえ、用語定義の明確化、
責任と権限の明確化、コミュニケーションプランの策定する必要がある。
今回の検討の結果、副次的に発生した検討結果は、データベース化する。
7.2.
電安法ユーザーの法令遵守の促進の観点からの課題
⑤ 関係者が規制対象か否か、を自律的に判断可能なわかりやすい体系化された内容とす
る。
⑥ 事業者向け電気用品安全法法令業務実施ガイド(案)の作成
⑦ 過去の経団連や(財)家電製品協会による要望等の斟酌
現行の電気用品の指定は、判断しづらくなっている。一層の自主保安を確立させるため
には、電安法のユーザーが自律的に判断できるよう、考え方を整理する。
平成 13 年の改正電安法施行の際、政府認証から自己適合の仕組みに変更された。しか
し、現在でも電取法時代の運用が一部みられる。こうしたことを解消すること、法令業務
をレビューし法令手続き合理化に資すること、周知不足による混乱を防ぐこと、等の観点
から、
具体的に電安法の義務を的確に行うためにどのようなことをすべきかを明示した
「電
気用品安全法法令業務実施ガイド」の作成は必須である。
過去の要望は、電安法に対するレビュー結果として受け止め、反映できるものは今回の
改正で反映できるように検討する。
24
8. 検討課題について
8.1.
電気用品指定の考え方の整理
電安法は、電気用品を法第2条で「一般電気工作物の・・・政令で定めるもの」とし
て、政令で電気用品名を限定列挙する方式で規定している。この電気用品の指定の考え
方は、前身である電取法から引き継いでいる。当初は、危険なもののみを限定的に指定
するという考えであったものが、
「家庭用の機器は、すべて電気用品に包括的に指定し、
粗悪な電気用品による危険及び障害の発生を防止する。事務所、商店農業用等の業務用
の機器については、一般大衆が広く利用する機器はもちろん、電気知識に乏しい者が取
り扱う機器を選定し、電気用品に指定する。
」(昭和43年政令改正時に開かれた公聴会
における意見)という考え方のもと、規制対象品目の改正を行っている。
また、工場等特殊な環境において使用され、取扱責任者により十分な管理方法につい
ての専門知識が要求されるものなど、既に他法令の規制下にあるものについては、更な
る規制をかける必要がないため、電気用品には指定していない考え方をとっているが、
一部例外もみられる。二重規制を排除するために、ワット(定格消費電力)等で「~以
下」、「防爆型のものを除く。」、「家庭用~」等の文言を当該電気用品名に付して、電安
法の規制対象となる電気用品の範囲を定めている。しかしながら、一般大衆が広く利用
する汎用性のあるもの(例えばコード、電気トースター、毛髪乾燥機、電子レンジ、電
気楽器等の電気用品)の場合については、電安法において指定することとしている。
その理由は、①たとえ工場等で使用されたとしても仕様内容について特段の差異がな
いこと、②購買者に使用環境を強制する義務は課せられない製品であるため他法令で規
制されていたとしても他法令に基づく規制が及ばない使用環境において使用された場
合には、無規制となってしまうため、製品自体に安全性を持たせる必要があるからであ
る。このような場合、電気用品名に特段の除外規定は行っていない。
今回の品目指定の見直しは、こうした従来の考え方の延長であることを前提として検
討することが必要である。
8.2.
品目指定の変更に関する検討
電気製品全般を包括的に規制対象とするためには、対象品目と除外品を明確化した上
で、電気用品名を大括り化することが必要である。
この際、電気用品名が変更となることから、電安法施行規則で定める「電気用品の区
分」及び「型式の区分」とそれに付随する「電気用品名」(省令電気用品名)を見直す必
要があるほか、必要に応じて電安法施行令で定める「電気用品名」(政令電気用品名)を
25
見直す必要がある。
「基本計画」では、電気製品の大括り化による電気用品名として、電安法施行規則別表
第一の 14~18 をひと括りにして「電気機械器具」が例として示された。この場合、現
行の5区分が1区分に大括り化されることになるが、電安法施行令別表第一(特定電気
用品)及び別表第二(特定以外の電気用品)では当該電気用品の区分と同じように政令電
気用品名を分類していることから、政令改正を行って項目数を変更するか、施行令別表
第二のみの改正に留めるため、電気用品の区分に相当する5品目を設けるなどして大括
り化を行い、全体の平仄を合わせる必要がある。
また、電気用品名の大括り化にあわせて、これまで電気用品名に対応して定めていた
型式の区分(電安法施行規則別表第一の 14~18 に関連する電安法施行規則別表第二)につ
いても大括り化の検討を行う必要がある。本検討は、事業の届け出等の手続きの合理化
と関連して検討することが必要である。
「表 5 電気用品の区分及び電気用品名と型式の区分の方向性」をベースとして、検討
していくこととする。
表 5 電気用品の区分及び電気用品名と型式の区分の方向性
電気用品名(案)
(型式の区分の種類)
電気用品の区分
従来案
C
E
I
適用準拠案
電気機械器具
複合案
(1)電熱器具
(2)電動力応用機械器具
(3)光源及び光源応用機械器具
(4)電子応用機械器具
(5)その他の交流用電気機械器具
(1)家庭用及びこれに類する電気機器
(IEC60335 の適用範囲を想定)
(2)電動工具
(IEC60745、IEC61029)
(3)照明器具
(IEC60598)
(4)ランプ
(IEC60432-1、61195、61199、60968)
(5)電子及び情報通信機器
(IEC60065、60950-1)
(6)アーク溶接機
(IEC60974)
(7)その他の交流用電気機械器具
複合案(従来+IEC 適用準拠案)
新たな、分かりやすい区分に再整理
区分の参考例は、
「解釈」文章に掲載する。
26
要素
区分
① 対象品目と除外品目の考え方の整理
とりわけ、大括り化するために必須な除外品目の整理が重要である。
② 電安法施行規則別表第一の 14~18 の大括り化による電気用品名の改正案骨子の策定
(施行規則別表第一の内容)
③ 適切な電気用品の区分を設ける改正案骨子の策定
電安法施行規則別表第一の 14~18 に関連する電安法施行令別表第二の七から一一ま
でを大括り化し一本化する。(施行令別表第ニと施行規則第一の内容)
8.3.
法令手続きの合理化に関する検討
現状ルールにおける法令手続き全般に対する「見える化」を行い、現状の法令手続きの
ボトルネックを検出し、所要の対策を講じることが必要である。
また、この結果を活用して「電安法法令業務実施ガイド(現状版)」を策定する。
① 電安法第 3~6 条の事業の届出に係る型式の区分改正案骨子(施行規則別表第二の内容)
② 電安法施行令第 6 条、電安法施行規則第 3 条の見直し(届出関係)
③ 電安法施行規則第 11 条の改正案骨子(検査の方式と検査記録関係)
8.4.
改正による影響範囲の見積(事前影響評価)の検討
法令手続きの合理化等により政省令の改正が必要となる部分については、改正により想
定されるコストや便益(事故減少)といった影響を客観的に分析し、影響範囲の見積(事
前影響評価)を行い、公表することにより、規制制定過程における客観性と透明性の向上
を図ることが必要となる。
8.5.
周知活動計画の検討
電安法のユーザーである事業者、検査機関、行政が、電気用品の指定のあり方をこれま
での個々の電気用品の列挙方式から、大括り化により包括的に対象とする方式に変更とす
ることに関し、内容を適切に理解し、運用していくことが必須となる。
特に、長年の間、電気用品の対象・非対象に専ら関心が注がれていた運用の変更を事前
に関係者に熟知させるためには、種々の機会を通じて周知していくことが重要である。こ
れまでに増して今後関係する関係者の参加を呼びかけていくとともに、周知のためのツー
ルを作ることが必要である。
このような状況を踏まえ、電気用品の製造・輸入のビジネスモデルの実態を十分に調査
した上で、
「電安法法令業務実施ガイド(仮称)
」など適切なテキストを作成するとともに、
これを活用し、効果的な全国規模の周知活動を検討していく必要がある。
27
9. 検討体制について
「基本計画」を基にした実行段階に入り、今後の作業内容に伴う実効性を上げていくた
め、図 9 及び表 6 のとおり検討体制を構築することとした。
公布、施行
製品安全小委員会
審議
パブリックコメント
国
電気用品の安全に関する技術基準等に係る調査検討会
検討作業幹事会
政省令・制度運用検討分科会
(事務局:NITE)
WG
連携
・・・
WG
技術基準
性能規定化分科会
WG
作業内容に応じて適宜ワーキンググループを設置(関係団体等)
図 9 検討体制
28
表 6 検討メンバー(関連団体)
団体名(略称)※順不同
1
財団法人家電製品協会(AEHA)
2
社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)
3
一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)
4
一般社団法人日本電機工業会(JEMA)
5
一般財団法人電気安全環境研究所(JET)
6
社団法人日本電球工業会(JELMA)
7
社団法人日本照明器具工業会(JLA)
8
社団法人日本配線器具工業会(JEWA)
9
一般財団法人VCCI協会(VCCI)
10 一般財団法人日本品質保証機構(JQA)
11 株式会社ULJapan(ULJ)
29
10. 成果物の作成手順について
6.2.電気用品の指定の在り方及び法運用の改善の検討結果としての成果物に示した①
から⑨の成果物について、以下の作成手順に従い検討を行うこととする。
① 「電安法施行令別表第二(特定電気用品以外の電気用品の指定)改正案骨子」の作成手順
電安法施行令別表第二(特定以外の電気用品の指定)改正案骨子について、次の内容を踏
まえ当成果物の作成に資することとする。
(1) 規制対象範囲の決定
・施行令で定める電気用品を引用する他法令等の規制内容・影響度の調査
・除外品の範囲とその根拠・定義の検討
・電気機械器具(仮称)に含める完成品と部品の扱いの整理
・規制対象品目の施行令における指定方法の検討
(2) 新たな電気用品名の検討
・国際規格を意識した新たな電気用品名の検討
・新電気用品名の適用範囲とその根拠・定義の検討
・電気用品の区分及び型式の区分との整合性確認
・電気用品の区分との整理
・施行令別表第一との整合性確認
本改正案骨子では、新しい技術にも対応可能な普遍的な内容となるように努め、電安法
の各条文、電安法関連法令及び他法令との整合性並びに改正により関係者に与える影響を
考慮しつつ作業を進めることとする(電気用品の区分、
型式の区分の検討についても同様)。
また、実際に施行令で記載される内容は、現行の規定ぶりとの整合性から一定の制約を
受けるため、新電気用品名、除外品等新たに規定するものについての定義・根拠に関する
検討経緯を整理・記録し、施行令の具体的説明・解説となる「電気用品の範囲等の解釈の
改正案骨子」に活用できるようあらかじめ準備しておく必要がある。
なお、本改正案骨子を基に国が改正案を審議・策定することとなるが、法令審査、パブ
リックコメント、WTO/TBT 通報等により改正案に意見が付された場合には、影響範囲の調
査等のサポートを行うこととする(他の改正案骨子の検討についても同様)。
30
② 「電安法施行規則別表第一(電気用品の区分)改正案骨子」の作成手順
電安法施行規則別表第一(電気用品の区分)改正案骨子について、次の内容を踏まえ当
成果物の作成に資することとする。
(1) 新たな電気用品の区分の範囲の決定
・電気用品の区分を引用する関係法令の規制内容・影響度の調査
・電気機械器具(仮称)の細分化の検討
・新電気用品名との整合性確認
(2) 新たな電気用品の区分名の検討
・新電気用品の区分の適用範囲とその根拠・定義の検討
・型式の区分との整合性確認
・施行令の区分との整理
なお、電気用品の区分は法第 3 条等の事業届出関係条文と関連することから、法令手続
き合理化の観点からの検討とあわせて作業を進めることとする。
また、現行の電気用品の区分は特定電気用品でも使用しているので、影響がないか考慮
する必要がある。
③ 「電安法施行規則別表第二(型式の区分)改正案骨子」の作成手順
電安法施行規則別表第二(型式の区分)改正案骨子について、次の内容を踏まえ当成果物
の作成に資することとする。
(1) 要素の検討
・新電気用品名に含める要素の検討
・要素の根拠・定義の検討
(2) 区分の検討
・各要素に含める区分の検討
・区分の根拠・定義の検討
なお、型式の区分は法第 3 条等の事業届出関係条文と密接に関連することから、法令手
続き合理化の観点からあらかじめ「改正による影響範囲の見積(事前影響評価)
」に活用で
きるよう作業を進めることとする。
また、型式の区分は法第12条表示の禁止等の発動単位でもあるので、合理的な運用方
法についても検討する必要がある。
31
④ 「その他関係条文改正案骨子」の作成手順
その他の関係条文改正案骨子について、次の内容を踏まえ当成果物の作成に資すること
とする。
(1) 施行令別表第二並びに施行規則別表第一及び第二の改正による関係条文改正案骨子の
策定
・電気用品名、電気用品の区分、型式の区分の改正による関係条文の影響調査
(2) (1)以外の関係条文改正案骨子の策定
・過去の改正要望、ガイド(現状版)から抽出したボトルネック等による関係条文改正
の検討
なお、法令手続きが合理化される場合は、あらかじめ「改正による影響範囲の見積(事
前影響評価)
」に活用できるよう作業を進めることとする。
また、電安法以外の他法令においては、改正案骨子は作成しないが、改正による影響が
認められた他法令の名称及び影響箇所はリスト化しておく。
⑤ 「電気用品の範囲等の解釈についての改正案骨子」の作成手順
電気用品の範囲等の解釈の作成手法について、次の内容を踏まえ当成果物の作成に資す
ることとする。
・電気用品安全法の対象の範囲及び除外品の概念等の明確化
・電気用品名の対象の範囲及び概念等の明確化
なお、施行令検討時からあらかじめ本解釈を念頭に検討を進めるものの、確定版の策定
は、政令改正案がパブコメ、WTO/TBT 通報等を経て確定した段階で、現行の電気用品の範
囲等の解釈を基に作成することとする。
⑥ 「電気用品安全法法令業務実施ガイド案(現状版)
」の作成手順
電気用品安全法法令業務実施ガイド案(現状版)について、次の内容を踏まえ当成果物
の作成に資することとする。
・既存のガイド等活用可能なコンテンツの調査及び収集
・製造・輸入・販売事業者の各種手続きフローの図式化(プロセスマップの作成)
・対象となる電気用品の基本的な考え方を整理
32
・法令条文だけでは読み取れない現行運用の実態調査とその整理
・逐条解説、連絡先等使い勝手の良いコンテンツの検討
本ガイド案は、法第8条と9条の義務等混同しやすい内容の明確化を図り、事業者が疑
問に思う点をできる限り定義等で一般化した内容とすることで、誰でも容易に理解できる
内容となるよう努める。
なお、当面の間現行の運用が継続することから、現行制度の周知活動の材料として活用
することとする。
また、本ガイド案の策定にあたり、見える化された法令手続きから抽出されたボトルネ
ック等の課題については、本ガイド案とは別に取りまとめ、その後の各政省令改正案骨子
等の検討に活用する。
⑦ 「電気用品安全法法令業務実施ガイド案(将来版)
」の作成手順
電気用品安全法法令業務実施ガイド案(将来版)について、次の内容を踏まえ当成果物
の作成に資することとする。
・改正による製造・輸入・販売事業者の各種手続きのプロセスマップの更新
・改正により対象となる電気用品の基本的な考え方を整理
・法令条文だけでは読み取れない運用の整理
・逐条解説、連絡先等使い勝手の良いコンテンツの検討
本ガイド案は、ガイド案(現状版)と同様、関係者が内容を容易に理解し、適切に法令
遵守できる内容となるよう努める。また、関係条文の改正内容が法令審査、パブコメ、
WTO/TBT 通報等を経て確定した後、ガイド案(現状版)を基に本ガイド案を策定すること
とする。
なお、本ガイド案は、改正後の制度の周知活動の材料として活用することとする。
⑧ 「現状の課題を抽出・整理したもの」の作成手順
現状の課題を抽出・整理したものについて、次の内容を踏まえ当成果物の作成に資する
こととする。
・過去の改正要望の整理
・各検討時に抽出された政省令改正では対応できない課題の整理
33
また、記録フォーマットを作成し分野別で整理するなどデータベース化を図り、課題抽
出の度にメンテナンスを行っていくこととする。
⑨ 「周知活動計画」の作成手順
周知活動計画について、次の内容を踏まえ当成果物の作成に資することとする。
(1) 事前準備
・ビジネスモデルの調査
・ガイド案以外の周知活動ツールの作成支援
(2) 周知計画の策定
・周知対象、周知方法、周知説明者、周知内容、周知回数、周知時期等の検討
本周知活動計画により、電気用品の規制を受ける国内製造・輸入・販売事業者のみなら
ず、一般消費者、海外の製造事業者・認証機関等の電気用品を取り扱う関係者に対しても
様々な機会、媒体を通じて、消費者団体、業界団体、国、地方自治体、試験機関等の協力
の下、周知活動を実施することとする。
なお、周知計画の実行に際し、関係者への協力依頼、周知活動の管理、周知活動の効果
把握等を行うこととする。
⑩ その他
成果物①~④の改正案骨子が確定した後、改正による影響範囲の見積(事前影響評価)
を次の内容を踏まえ、実施することとする。
・製品事故情報の分析・精査
・改正による事故未然防止効果(事故削減件数、リコール費用減少等)の評価
・製品設計に係るコスト及び販売価格への影響評価
・法令手続き適正化の効果の検証
34
第 3 部 スケジュール
35
11. スケジュールについて
11.1. 全体スケジュール
項目
平成 22 年度
平成 23 年度
平成 24 年度
平成 25 年度
平成 26 年度以降
内部検討
電気用品の指定方法の変更
・品目の大括り化
・型式区分の大括り化
当初の階層
法令審査
検討状況
報告
関係者周知(全国規模)
検討状況
報告
規制範囲拡大につき、
関係者周知は不可欠
内部検討
化
検討状況
報告
技術基準の性
施行
公布
法令
審査
公布
廃止
施行
能規定化及び
階層化
内部検討
ニューアプ
ローチ
検討状況
報告
36
関係者周知
法令
審査
公布
施行
11.2. 技術基準性能規定化及び階層化の詳細スケジュール
年度
時期
一次文書(性能規定:省
令)
二次文書(技術基準の解釈)
作業②-A
(現行1項の整理)
作業①
平成22年度 第4四半期 理想的性能規定案の作成
作業②-B
(現行解釈の整理)
作業③
(現行2項リストの見直し)
三次文書(解説)
作業④
(新規又は改正JISの採用)
リストの見直し
従来ルートで適宜要望
平成23年度
作業⑥
作業手順書の作成
課題の抽出
(上記の理想的性能規定案と
現実的性能規定案の差分の
二次文書原案の作成
第1四半期 明確化を含む。)
第2四半期
作業⑤
(将来的な体制への準備)
規格体系の考え方(基本理
念)の策定課題の抽出
理想的性能規定案と現実的
性能規定案の差分の明確化
是認スキームの検討
現実的性能規定案の作成
省令第1項由来の性能規定 とりまとめ(横並びの確認)
案の策定及び個別要求事項
の一部追加
解説案作成
第3四半期 一次文書と二次文書との内容調整
第4四半期
現実的性能規定の最終案作
国に二次文書原案を提出
成
第1四半期
検討会説明(資料作成含む)
将来的な技術基準体系階層化に対応への検討開始
調整
新リスト案の作成
将来的な技術基準体系階層
化に対応したJIS原案又は民
間規格案の適宜作成
第2四半期 国手続き(是認スキーム又は従来方法)
平成24年度
第3四半期 パブコメ等
第4四半期 公布(省令)
平成25年度
理想的性能規定案の見直し
(必要な場合)
公布(通達)
リスト公布(通達)
民間規格への移行検討(必要な場合)
-
分科会作業(WG0を含む)
国作業
業界作業(WG1以降を含む)
37
発行
将来的な技術基準体系階層化に対応したJIS又は民間規格 将来的な技術基準体系階層
の適宜発行
化に対応した解説検討
11.3. 電気用品の指定の在り方及び法運用の改善スケジュール
フェーズ
No
1
フェーズ
平成23年度
項目
2
平成24年度
上期
下期
上期
フェーズ
平成25年度
下期
上期
3
平成26年度以降
下期
調査
策
1
成果物⑥
電気用品安全法法令業務実施ガイド案(現状版)
内容の検討
周知活動
定
ボトルネックの整理
規制対象範囲の決定
2
成果物① 電安法施行令別表第二
(特定以外の電気用品の指定)改正案骨子
新たな電気用品名の検討
具体的制度設計に
係るサポート
電気用品の区分の範囲の決定
3
成果物② 電安法施行規則別表第一
(電気用品の区分)改正案骨子
施
策
電気用品の区分名の検討
政省令改正に係るサポート
行
定
4
成果物③ 電安法施行規則別表第二
(型式の区分)改正案骨子
要素・区分の検討
全国規模の周知活動
過去の要望、ボトルネック等を考慮した関係条文の改正
検討
5
成果物④
その他関係条文改正案骨子
成果物①~③の改正のよる関係条
文の骨子案とりまとめ
6
策
影響評価項目・方法の検討
改正による影響範囲の見積
(事前影響評価)
RIAへ活用
影響評価(数値化)
定
策
解釈を見据えた適用範囲・定義・根拠等の整理
7
成果物⑤
電気用品の範囲等の解釈改正案骨子
解釈案の検討
定
策
ガイドを見据えた法令手続きプロセス等の整理
8
成果物⑦
電気用品安全法法令業務実施ガイド案(将来版)
内容の検討
9
成果物⑧
定
課題の抽出及び整理(都度)
現状の課題を抽出・整理
策
10 成果物⑨
周知先・周知方法等の検討
周知活動計画の策定
定
38
委員名簿
○電気用品の安全に関する技術基準等に係る調査検討会
(敬称略、五十音順)
委員長
大崎 博之
国立大学法人東京大学大学院
新領域創成科学研究科先端エネルギー工学専攻 教授
委員
五野 克昭
社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会
技術委員会安全小委員会 副委員長
大河内 美保
主婦連合会 副会長
亀田 実
社団法人日本電線工業会 技術部長
岸本 哲郎
社団法人日本冷凍空調工業会 専務理事
松野 勉
一般財団法人日本品質保証機構 理事
(~平成 23 年 3 月 31 日)
近藤 繁幸
一般財団法人日本品質保証機構 理事
(平成 23 年 4 月 20 日~)
澁江 伸之
社団法人日本配線器具工業会 専務理事
武内 徹二
社団法人日本電球工業会 専務理事
泥 正典
社団法人日本照明器具工業会 専務理事
中谷 謙助
社団法人電池工業会 専務理事
前田 純一
社団法人日本ガス石油機器工業会 技術委員会委員
松尾 清一
一般財団法人電気安全環境研究所 常務理事
松島 実
一般社団法人電子情報技術産業協会 安全委員会委員
松野 雄史
一般社団法人日本電機工業会
委員長
三浦 佳子
消費生活コンサルタント
森 信昭
社団法人日本電気協会 常務理事
吉岡 包晴
財団法人家電製品協会 技術法規専門委員会 委員長
39
製品安全制度技術専門委員会
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