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パンフレット - 日本弁護士連合会

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パンフレット - 日本弁護士連合会
 ちょっと相談を
.. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
01
1.弁護士の見つけ方
.. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
02
2.相談、依頼のコツ
.. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
04
3.費用はいくらかかるか
.. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
4.民事法律扶助って何だろう
.. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
5.こんなとき弁護士にご相談ください
.. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
06
10
12
(1)民事事件
暮らしのアドバイザー
■契約書の作成 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 12
■近隣関係 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 13
■交通事故 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 13
■職場のトラブル .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 14
■借地・借家 .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 15
■不動産取引 .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 15
■マンションの法律問題 .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 16
■離婚 .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 16
■遺産分割・遺言 .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 17
■サラ金・クレジット .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 18
■消費者被害 .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 18
■債権回収 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 19
■倒産・破産 .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 19
■その他の法律問題 .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 20
・裁判によらない解決方法(ADR).. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 20
(2)刑事・少年事件
■刑事事件 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 21
■少年事件 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 22
(3)被害者支援活動 .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 22
全国の弁護士会所在地・電話番号
事件解決への流れ
.. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
23
......................................................................
24
日本の弁護士制度
弁護士の前身は「代言人」です。
これがわが国で公認されたのは、明治 9 年 2 月 22 日の「免許代言人規則」によってです。
その後明治 26 年弁護士法が制定され、初めて弁護士という名称が使用されることにな
りましたが、弁護士は検事正の監督下に置かれ、昭和 11 年に施行された弁護士法でも、
司法省の監督下に置かれるなど、弁護士の自治、自由は制限されていました。
昭和 24 年、日本国憲法のもとに現在の弁護士法が制定されました。その弁護士法第一
条は「弁護士は基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする」と定めて
います。同時にすべての弁護士と全国の弁護士会で組織された「日本弁護士連合会」が
発足し、日本弁護士連合会は他からいっさい監督、干渉を受けない自治権を有する組織
となりました。
ちょっと相談を
「弁護士に相談しようかな」と思っても、
「弁護士を知らないし、知らな
い弁護士にいきなり聞いても、相手にしてもらえないのではないか」
「つ
まらないことだと馬鹿にされないか」
「費用がすごく高いのでは」
「むずか
しい法律の話をされるだけで、自分の言い分を聞いてもらえないのでは」
と不安になって尻込みしていませんか。この冊子では、そんなみなさんの
不安と疑問にお答えします。
弁護士は、みなさんの生命、財産、健康などの基本的人権を守り、社会
正義を実現することを使命としています。そのために、弁護士には単に法
的な知識だけでなく、高い倫理感が必要とされているのです。
弁護士がこのような使命を帯びていることは、決して、弁護士がとっつ
きにくい存在であることを意味するものではありません。弁護士は、この
使命を達成するために、自分も市民の一人として、みなさんとともに行動
しようとしています。そして、広く市民のみなさんに窓口を開放し、みな
さんが気軽に相談できるようにしようと努力しています。
みなさんが抱えているいろいろな悩みの中には、法律を知っていれば簡
単に解決することもあれば、簡単に考えていたけれど意外に危険な状況だ
ったりすることもあります。公害や消費者問題のように、行政や立法の手
当てが遅れているために、司法による一歩進んだ解決が求められる場合も
あります。
ちょっと相談を。
そしてともに解決と納得を目指しましょう。
日本弁護士連合会広報室長
p01
人を守る 社会を見守る
知り合いがいれば
日本に弁護士は 3 万 2134 人います(2012 年 4 月 1 日現在)
。日本弁
護士連合会(日弁連)で一般の人々にアンケート調査をしたところ、弁護
士の知り合いがいる方は 4 人に 1 人でした。
何かトラブルがあって弁護士に相談したいとき、あるいは日頃から自分
の“かかりつけの弁護士”を持っておきたいと思うときに、どのようにし
て見つければよいのかはだれしも迷うところでしょう。
法律が関係する問題といえば、財産とか家庭の事情とか、プライバシー
にかかわってくることが多いので、信用が第一です。みなさんも、まった
く知らない弁護士に、いきなり、自分の秘密を話すのは不安に思われるこ
とでしょう。友人などに弁護士を知っている人がいれば、その人に紹介し
てもらうのがよいでしょう。
知り合いがいないとき
弁護士会の“相談窓口”が便利
身近に弁護士がいない場合は、どのようにして見つければよいでしょ
うか。
各都道府県ごとに弁護士会が設置されており(北海道は 4 つ、東京は 3
つ)
、支部があるところもあります。ぜひお近くの弁護士会に相談してみ
てください。23 ページに各弁護士会の連絡先を掲載していますので、連
絡してみてください。弁護士会での法律相談は有料ですが、相談だけなら
おおむね 30 分 5000 円です。
また、県や市など各自治体が、地域の住民のために「無料法律相談」を
行っています。ここでも弁護士が相談を引き受けています。詳しくは、各
自治体に問い合わせてください。このほか、日本司法支援センター(法テ
ラス)でも経済的にお困りの方のために、
「無料法律相談」を行っています。
無料法律相談を受けられる条件など、詳しくは 11 ページに掲載している
法テラスの連絡先まで問い合わせてください。
p02
債務整理、債権回収、交通事故などの示談の場合に、
「取立屋」
「整理屋」
「事件屋」と呼ばれる人たちのことを耳にしたことがありませんか。
彼らは「弁護士に頼めば処理が遅いうえに費用がかかる。自分たちに頼
めば早く、安く処理する」と言葉巧みに近寄ってきます。
しかし、事件屋は脅迫、恐喝などの不正な手段を使ったり、事件の相手
方と馴れ合ったりなどします。あなたの利益になる活動をしてくれる保証
は全くありません。費用も結局は弁護士費用よりはるかに高くかかり、身
ぐるみはいで持っていくということが多いのです。また、仮に事件が早く
「事件屋は危 険 」
事件屋には頼まない
終了しても、自宅に出入りしたり、事件で知った秘密をばらすと脅して口
止め料を要求したり、用心棒代などと称してことある毎に金銭を要求する
など、事件終了後でも関係を切ることができない例もよくあります。
このように、事件屋に関わるとみなさんにとって利益になることは何ひ
とつありません。それどころか、長期間いやな思いをすることになります。
何か困りごとがあったら、弁護士に相談して、適切な解決方法を考えてく
ださい。
p03
早めに 法律相談を
トラブル予防と早期解決のため
法律上の問題は、健康の問題と似ています。どちらも日頃からの注意が
必要です。日頃から健康管理につとめ、1年に何度か健康診断を受ける人
が万一病気になったとしても、その病気は比較的軽いうちに発見され、適
切な治療を受けることができます。
法律上の問題についても、トラブルになる前に弁護士に相談し、その問
題がどんな意味をもっているのか、どんな法律上の手当てをすればよいの
かといったことを知っていれば、たいていの紛争は避けることができるは
ずです。
弁護士ヘの相談の時期が遅れたために、紛争が複雑・長期化し、必要以
上のコストがかかるということもよくあるのです。弁護士は、日常の活動
のなかで法的知識を活用し、解決のノウハウを持っています。トラブルを
予防するには、こうした豊かな経験をふまえた弁護士の意見がいちばん頼
りになるはずです。
事件単位で個人から受ける初めての法律相談で、事業に関する相談を除
くものを初回市民法律相談といいます。このときの相談料は、おおむね
30 分 5000 円です。早めに弁護士による相談を受けることをおすすめし
ます。
p04
相談には予約を
ていたりして事務所にいない場合も多く、ほかの依頼者の相談を受けてい
る場合もあるからです。
どんな事件が得意なのかなど遠慮せずに質問してください。貸金、売掛
金、離婚、相続、借地、借家など一般的な問題はたいていの弁護士が取り
扱っています。ただし、外国との契約や特許に関する
事件などの事件は、その分野を多く取り扱っている
弁護士に頼んだほうが効率的で事件の処理もうまく
いくでしょう。
書類 はなるべく多く持参
不利なことも打ち明けて相談
を入れてください。弁護士は法廷に出かけたり、あるいは現地調査に行っ
弁護士はあなたの味方
弁護士の事務所(法律事務所)を訪問する場合には、事前に電話で予約
弁護士に法律相談をしたり、事件を依頼するときは、事実を正確にあり
のままに伝えてください。また、事件に関係すると思われる書類は、コピ
ーでも結構ですのでなるべく多く持参してください。有利なことだけでな
く、不利なこと、知られて恥ずかしいことや、秘密であっても打ち明けて
ください。依頼者の方の秘密も含めた正確な事実を把握できなければ、弁
護士も適切な法律上の判断や問題へのアドバイスをすることができないか
らです。
弁護士は、依頼者や相談者の秘密を守ることを義務づけられ
ており、その秘密をもらすことはありませんので、安心してく
ださい。
また、弁護士に会う前には、自分なりに事
件を整理し、できれば要点をメモ書きにして
おくとよいでしょう。そうすることによって、
法律相談の時間が長引かなくて済み、弁護士
も事実を正確に把握することができるので、
より適切な法律判断が可能になります。
p05
弁護士費用の種類
弁護士に支払う費用については、よく話し合って
p06
弁護士に支払う費用の種類としては、
「弁護士報酬」と「実費」があります。
「弁護士報酬」は、依頼された仕事
を処理する対価として、弁護士の収入
になるものです。一方、
「実費」は、弁
護士報酬とは別のものです。例えば、収
入印紙代、郵便切手代、謄写料、交通費、
通信費、宿泊料、保証金、保管金、供託金、測量費などです。これらは、
弁護士の収入になるものではありませんが、依頼者にとっては、あとで意
外にも大きな支出になることもありますので、依頼をするときに弁護士の
説明を十分にお聞きください。
弁護士に支払う費用は、
弁護士と依頼者の話し合いで
決められるものです。
弁護士に支払う報酬は、それぞれの弁護士が基準を定めています。多く
ています。このほかにも、
「1 時間あたり○○円」というタイムチャージ
方式での取り決め方もあります。弁護士に依頼する際には、あなたの希望
を十分伝えたうえで、報酬の額を取り決めてください。※1
着手金 弁護士に事件を依頼する際に支払う費用です。事件の結
果とは別に取り決めるもので、通常は事件が不成功に終わ
っても返還されません。
報酬金 弁護士に依頼した事件が成功に終わった場合に支払う費
用です。
「○○が成立した場合○○万円」あるいは「得られ
た利益の○○%」という形で取り決めます。
弁護士報酬について
の弁護士は、
「着手金」
「報酬金」
「手数料」に分けて報酬の額を取り決め
手数料 書類作成(契約書、遺言書など)
、 遺言執行、 会社設立、
登記、登録などの事務手続を依頼する際に支払う費用です。
※ 1 依頼する弁護士との間で委任契約を結ぶ際の取り決めの仕方によって、
弁護士報酬の金額や種類が決まります。
p07
弁護士によってそれぞれ報酬額は異なりますが、それでは、市民の方々
弁護士報酬の 目 安
にとって費用がいくらになるのか、妥当な価格かどうかも分からないこと
になりかねません。そこで、おおよその目安を知りたいと思われるときは、
日弁連がまとめた報酬アンケートが役に立つでしょう。これは、ごく一般
的な事件を受任した場合の弁護士報酬について弁護士にアンケートをした
ものです。
交通事故の損害賠償や離婚、賃金請求や借金の整理など、市民にとって
身近と思われる種類の事件について、いくらくらいかかるかということの
およその目安がわかります。中小企業を対象とした事件も紹介しています。
弁護士への相談を考えている方は、このアンケートを使ってみてください。
※2
ただ、紹介した事例はごく一般的なものを想定していますので、事件が
複雑であったり、相手の対応によってこちらも新たな対応を迫られたりす
るような場合には報酬額が異なってきます。あくまでも目安としてご利用
ください。
※ 2 このアンケートは、日弁連または各弁護士会でお渡しすることができま
す。日弁連のホームページでも見ることができます。
(http://www.nichibenren.or.jp/contact/cost/legal_aid.html)
p08
かかりつけのお医者さんを持つ
つことは、便利で安心です。それ
は、会社のみならず、個人にとっ
ても同様です。
顧問弁護士は、顧問料の範囲内
で法律相談や簡単な契約書のチェ
ックをします。初対面の弁護士に
はちょっと聞きにくいことでも顧
問弁護士なら顧問料の範囲内で気軽
に相談でき、その結果、案外重大な問題が早期に発見されることもありま
す。さらに、相談を継続することによって相談する側のさまざまな事情に
顧問弁護士を頼むと
のと同じように、顧問弁護士を持
通じていますので、迅速かつ適切な判断がしやすくなります。また、かり
に顧問弁護士が得意ではない分野の事件が発生したときでも、他の適切な
弁護士を紹介してくれるでしょう。
前出のアンケートによれば、月額の顧問料額は 5 万円が最も多い回答で
したが、1 万円未満という回答もありました。無論、顧問契約を結んだか
らといって、ずっと支払いを続けることはありません。必要なければ解約
を申し入れることもできます。
弁護士保険(権利保護保険)
自動車保険(共済)
、火災保険、傷害保険などの特約として販売されている弁護士保険
に加入していると、対象となる事故などの被害に遭ったとき、法律相談料や弁護士費用が
損害保険会社・共済協同組合から支払われます。弁護士に相談・依頼しようとする際には、
ご自身が加入している保険・共済の契約内容(特約の有無)を確認してみてください。
また、知り合いの弁護士がいなくても、日弁連と協定を結んでいる損害保険会社・共済
協同組合の保険・共済に加入されている方は、日弁連や各地の弁護士会が設置する「リー
ガル・アクセス・センター」を通じて弁護士の紹介を受けることができます。
この制度が拡がっていけば、より便利に弁護士を利用することができるでしょう。その
ために、日弁連は、日頃から損害保険会社・共済協同組合との協議を行っています。
詳細は日弁連ホームページに掲載している協定会社・組合にお問い合せください。
p09
民事法律扶助
弁護士費用を援助する
法律問題について弁護士に相談したい、弁護士に依頼して裁判がしたい。
しかし、知っている弁護士はいないし、生活に手一杯で訴訟費用や弁護士
の着手金を払う余裕がない。こんなときは、「日本司法支援センター」
(法
テラス)が行っている「民事法律扶助」の無料法律相談や弁護士費用など
の立替えの制度を利用してみてはいかがでしょう。
法テラスでは法テラスの地方事務所や法テラス登録弁護士・司法書士な
どの事務所、指定相談場所で無料法律相談を行っています。法律相談の結
果、必要な場合には、法テラスが弁護士費用などを立て替えます。この立
て替えた費用は、原則として、援助を受けた人が月々法テラスに返済しま
す。
この制度を利用するためには、
「資力基準」や「勝訴(問題解決)の見
込み」などについて要件に該当する必要があります。また、弁護士費用な
どの立替えには、審査があります。
「 資 力 基 準 」 は、 手 取 り の 月 収( 賞 与 を 含 む。
) が、 単 身 者 は 18 万
2000 円以下、2 人家族は 25 万 1000 円以下、3 人家族は 27 万 2000
円以下、4 人家族は 29 万 9000 円以下となっています(2011 年4月現
在)
。東京や大阪など生活保護法の定める一級地では上記の額に 10%を
加算したものを基準としています。
収入がこの基準を上回るときでも、家賃・住宅ローン・医療費・教育費
などの出費により、生活困難と認められるときは、これらを考慮する場合
もあります。
また、居住用以外の不動産やその他の資産を有するときは援助できませ
ん。ただし、係争物件であるときなどは援助できる場合があります。
p10
民事法律扶助の制度の利用やお申込みについては、各地の法テラス地方
問い合せください。
日本司法支援センター(法テラス)は、2006 年 4 月に総合法律支援法
に基づき設立されました。それまで財団法人法律扶助協会が行っていた民
事法律扶助業務は同年 10 月に日本司法支援センター(法テラス)に引き
継がれました。
日本司法支援センターでは、2011年度実績で、年間約 28 万件の法律
相談援助(無料法律相談)が実施され、約 10 万 4 千件の民事事件の代理
援助(弁護士費用などの立替え)が実施されています。
■法テラス地方事務所一覧
〈北海道〉法テラス札幌
法テラス函館
法テラス旭川
法テラス釧路
〈東 北〉法テラス宮城
法テラス福島
法テラス山形
法テラス岩手
法テラス秋田
法テラス青森
〈関 東〉法テラス東京
法テラス神奈川
法テラス埼玉
法テラス千葉
法テラス茨城
法テラス栃木
法テラス群馬
法テラス静岡
法テラス山梨
法テラス長野
法テラス新潟
〈中 部〉法テラス愛知
法テラス三重
法テラス岐阜
法テラス福井
0503383-5555
0503383-5560
0503383-5566
0503383-5567
0503383-5535
0503383-5540
0503383-5544
0503383-5546
0503383-5550
0503383-5552
0503383-5300
0503383-5360
0503383-5375
0503383-5381
0503383-5390
0503383-5395
0503383-5399
0503383-5400
0503383-5411
0503383-5415
0503383-5420
0503383-5460
0503383-5470
0503383-5471
0503383-5475
〈近
〈中
〈四
〈九
法テラス石川
法テラス富山
畿〉法テラス大阪
法テラス京都
法テラス兵庫
法テラス奈良
法テラス滋賀
法テラス和歌山
国〉法テラス広島
法テラス山口
法テラス岡山
法テラス鳥取
法テラス島根
国〉法テラス香川
法テラス徳島
法テラス高知
法テラス愛媛
州〉法テラス福岡
法テラス佐賀
法テラス長崎
法テラス大分
法テラス熊本
法テラス鹿児島
法テラス宮崎
法テラス沖縄
0503383-5477
0503383-5480
0503383-5425
0503383-5433
0503383-5440
0503383-5450
0503383-5454
0503383-5457
0503383-5485
0503383-5490
0503383-5491
0503383-5495
0503383-5500
0503383-5570
0503383-5575
0503383-5577
0503383-5580
0503383-5501
0503383-5510
0503383-5515
0503383-5520
0503383-5522
0503383-5525
0503383-5530
0503383-5533
お近くの法テラスにお問い合わせを
お な や み な し
事務所又は、コールセンターの専用電話番号(0570 − 078374)にお
日本司法支援センター本部 TEL : 0503383-5333(代表)
〒164-8721 東京都中野区本町 1-32-2 ハーモニータワー 8 階
http://www.houterasu.or.jp
p11
(1) 民事事件
暮らしを守る弁護士
暮らしのアドバイザー
私たちの日々の生活を見渡すだけでも無数の法律問題が生じています。
「住まい」を確保するにも、買うか、借りるか、相続するかしなければな
らず、これらはすべて法律問題です 。
みなさんは、法律がどうなっているのか知らないまま、事に当たっては
いませんか。知らないで決断するのは不安ではありませんか。紛争に発展
しないまでも、必要な法律知識を身につけ、自信をもって決断したいと考
えてはいませんか。
そんなとき、法律問題を気軽に尋ねることができる「暮らしのアドバイ
ザー」として弁護士を利用してみてはいかがでしょうか。これからいくつ
かの例を紹介しながら、
「暮らしのアドバイザー」として弁護士に何がで
きるかをご案内します。
契約書の
作成
ひとくちに「契約書」といっても、金銭消費貸借(貸金)
契約書、売買契約書、賃貸借契約書など、いろいろな契約書
があります。社会生活が複雑となり、発達するにつれて、ま
すます多くの新しいタイプの契約が作り出されていくでしょう。
では、なぜ「契約書」を作成しておく必要があるのでしょうか。
「金銭
消費貸借(貸金)契約」を例にあげて説明してみましょう。
ある人に金 100 万円を 1 年後返済してもらう約束で貸し付けました。
信用して契約書もつくらず、借用書ももらわずにいました。1 年後に返済
を求めたところ、その人は「100 万円など受け取った覚えはない」とい
いわけしてきました。
「まさか、そんな人だとは思わなかった!」と後悔しても後の祭りです。
こんなとき契約書がないと、話し合いでも、裁判を起こしても解決がむずか
しくなったり、長引いたりします。もし「契約書」があれば、相手のいいわ
けは通らないし、裁判でも簡単にお金を貸したことの証明ができるでしょう。
このように「契約書」の作成は、トラブルを未然に防ぎ、迅速に問題を
解決するために必要不可欠です。ただし、不完全な契約書では役に立ちま
せん。その契約書の作成については、法律の専門家である弁護士に相談し
たり、依頼することをおすすめします。
p12
ご近所つきあいは大切、しかし、人の迷惑を考えない非常
隣地の所有者の土地を通って公道に出ていたところ、所有
者から通行を禁止されて公道に出られなくなったとか、隣地との境界につ
いて苦情をいわれたといった話を耳にしたことはありませんか。
また、隣地にマンションが建つと日照、風通し、電波、眺望などが害さ
れることもあります。隣家のクーラーやカラオケの騒音に悩まされている
人もいるでしょう。
近隣関係については、当事者同士の話し合いによる解決が望ましいので
すが、実際は、なかなか簡単にはいきません。
そんなとき、弁護士に紛争の解決を依頼す
ることもご検討ください。
弁護士は、裁判所の仮処分制度や調停
などを利用し、早期解決に努力します。
弁護士に依頼して…
識な人もなかにはいます。
トラブルもすっきり解決
近隣関係
交通事故
あなたが不幸にして交通事故に遭ってしまった場合、自分
一人で加害者側と交渉して、はたして満足な補償が得られる
でしょうか。
加害者が任意保険に加入している場合、あなたは保険会社の社員と交渉
することになります。相手は数多くの交渉を経験している一方、素人では
妥当な損害賠償額がいくらかもわかりません。また、加害者が任意保険は
もちろん強制保険にも加入していない場合があります。このとき、あなた
は加害者と直接示談交渉しなければなりません。
保険にも加入していない加害者は、示談交渉にも誠意を見せないのが通
常です。その結果、あなたが泣き寝入りに終わるおそれもあるのです。
弁護士は、あなたに代わって加害者と示談交渉し、あなたに有利な形で
解決するよう努力します。もし示談が成立しないときは裁判となります
が、裁判となっても事前の交渉経過があるので通常とくらべて早く解決し
ます。
弁護士の知り合いがいなければ、各地の弁護士会に公益財団法人日弁連
交通事故相談センターの支部がありますのでご相談ください。交通事故法
律相談、示談あっせんを無料で行っています。
p13
職場のトラブルにも力になります
p14
職場の
トラブル
職場は人間関係の縮図であるとともに、使用者と労働者の
利害が対立するところです。そのため使用者との経済的な力
の差から、一方的に不当な労働条件を押し付けられ、正当な
権利を主張できず泣き寝入りする例もあります。
「残業代が支払われない」
「理由もないのに解雇された」
「セクシャルハ
ラスメントにあった」
、こんなとき、職場に労働組合があれば、使用者と
の団体交渉を通じた解決も可能ですが、労働組合がない場合や労働組合が
支援してくれない場合、労働者は一人でどうしたらいいのか悩むことにな
ってしまいます。
労働問題は、使用者と労働者が自主的な話し合いによって解決すべき場
合が多いのですが、明白な法律違反は、弁護士の力によって解決するほか
ありません。また、労働組合はあるが、労働関係の法的知識が十分でなく、
具体的な職場のトラブルをどう解決していいかわからないときもあるでし
ょう。こんなとき、ふだんから弁護士に法律相談をしていれば、使用者と
の交渉も有効に進められます。
使用者にとっても、正しい法律知識を前提に労働者に対処し、労働者、
労働組合との健全な労使関係を確立することは、無用な労使間のトラブル
を避け、健全な事業運営をするために必要なはずです。この点からも、弁
護士の活用は有益といえるでしょう。
みなさんが、最も多く体験し、見聞きする法律問題の一つは、
土地や建物の貸し借りに関するものではないでしょうか。借地
や借家に関する法律があることもご承知の方が多いでしょう。
そのために、
「弁護士に相談するまでもない。自分でも十分に解決できる」
と考えて、かえってトラブルを大きく、複雑にしてしまうことも少なくな
いように思われます。
「生兵法はケガのもと」です。
この分野は、弁護士が最も数多く取り扱う分野の一つであり、一般にど
の弁護士でも十分に対応できます。安心して相談してください。
①契約を更新しないという通知書がきたがどうすればよいか、②賃料を
値上げしたいが応じてくれない、③借地上の建物を建て替えたいが…など、
貸主の立場からでも、借主の立場からでも、弁護士は相談に応じます。そ
して必要とあれば、あなたの代理人として相手方との交渉も行います。
不動産
取引
不動産の売買は、一生のうち数回あるかないかというとこ
ろでしょう。金額も数千万円~数億円にのぼります。そのため、
大切な財産をきちんと守る
借地
・
借家
トラブルが生じると、取り返しがつかないほど深刻になるこ
とが多いようです。
それだけに、不動産の取引には、周到な準備と調査、法律知識が必要で
す。たとえば、土地に対しては、都市計画法、建築基準法、農地法などの
規制があり、土地を買っても思うように利用できないこともあります。
また、土地と道路との関係も確認しなければなりません。
資格のある不動産業者による不動産の取引は、宅地建物取引業法によっ
て、種々の消費者保護の定めがあり、比較的安全ですが、だからといって
業者はあなたの代理人として行動してくれるわけではありません。
このような不動産取引に際して、あなたは、弁護士の法的知識と不動産
取引の経験を活用することができます。また、あなたの代理人として、相
手方と交渉し、あるいは契約書をチェックし、立会人として取引に関与し、
あなたの権利を守ります。
p15
さまざまな法律問題にお答えします
マンション
の法律問題
マンションは、生活の本拠であるとともに、大きな財産で
もあります。ですからトラブルの発生は、日常生活に支障を
生じることになると同時に、財産価値の減少を招く可能性も
あります。
ところが、マンションは 1 つの建物の中にたくさんの人が住んでいるた
め、権利関係が複雑で、一般の方には非常にむずかしいものとなります。
このためにいったんトラブルが発生すると、簡単には解決できません。
マンションについての基本法は、
「建物の区分所有等に関する法律」です。
この分野でも、弁護士は法律の専門家として活動します。
①専有部分の範囲はどこまで? ②共用部分はどのように利用できる
か? ③敷地を駐車場として利用するには? ④管理はどのように? さら
に、⑤マンションを購入するときどんな点に注意すればよいか? など、
弁護士に気軽に相談し、トラブルの発生を防止し、あるいはトラブルの早
期解決を心がけてください。
離婚
離婚をする場合には、①慰謝料、②財産分与、③養育費、
④親権者、⑤離婚後の氏(姓)など、いろいろな問題が発生
します。また、手続も協議離婚、離婚調停、裁判手続と複雑
です。ただでさえ精神的につらい時期に、法律問題も一人で解決するのは
大変です。
また、離婚するときの当事者同士はたいてい感情的になっています。子
どもの親権や、慰謝料、財産分与の額も、冷静には話し合えません。こん
なとき、弁護士は、子どもの幸せ、そして双方の今後の幸せを考え、裁判
例なども参考に適切なアドバイスができます。
さらに裁判による離婚はもちろん、協議離婚、離婚調停にも当事者の代
理人となり、冷静な第三者として、新たな出発に向けて早期解決のために
助言し、活動します。
離婚に際して、相手から不当な要求をされている方も、泣き寝入りする
ことなく、早期に弁護士に相談されることをおすすめします。
p16
ある人が亡くなると、その財産(遺産)は相続人の所有に
なります。相続人が複数いるときは、
「遺産分割」という問題
が生じてきます。
「遺産分割」は、遺言によって分割の定めが
あればそれに従います。遺言によって定めがなければ、共同相続人の協議
により行います。協議が調わないときは、家庭裁判所によって分割が行わ
れます。もちろん、共同相続人間の協議が調えば、どのようにでも分割す
ることができます。
遺産についての遺言もなく、共同相続人間で遺産について協議が調わな
いときは、家庭裁判所で調停や審判という手続により遺産の分割を行うこ
とになりますが、これには時間、労力、費用などもかかります。
もし、「遺産分割」の争いを未然に防ぎたいと考えるならば、生前に遺
言書を作成しておくことが望ましいといえます。遺言書の形式には、自筆
証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言などがありますが、後々の争いを
防ぐためには公証人が作成する公正証書遺言がよいでしょう。
遺言書には厳格な要件が求められており、それを欠くと遺言書は無効と
なり、そのことが新たな争いの原因ともなりかねません。また、遺言書に
どんな条項を盛り込むかも簡単なようでなかなかむずかしい問題です。
そこで、遺言書の作成にあたっては、弁護士に相談されることをおすす
めします。
当事者の幸せを考えた適切な助言
遺産分割
・
遺言
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消費者問題にも取り組んでいます
サラ金
・
クレジット
いまはカード1枚で、簡単にお金が借りられる便利な時代
です。そのために、自分の返済能力を超えて、知らず知らず
のうちに多額の借金を抱え込み、借金の返済のためにまた借
金をするという、いわゆる“借金地獄“へと落ちていくおそれもあります。
そんなことにならないうちに、弁護士に相談してみてください。弁護士
はまず業者からの督促をやめさせます。その上で弁護士は、借入先、借金
の額、収入などにもとづいて、返済が可能なら返済計画を作成して借入先
と交渉します。その結果、借金の減額、無理のない支払方法への変更など
の成果が得られます。また、場合によっては払い過ぎた利息が戻ってくる
こともあります。
返済不可能なら、裁判所に破産を申し立てることがあります。ただしこ
の際、一定の予納金を納める必要はありますし、借金で浪費、ギャンブル
などをしたり、業者を騙して借金したなどのケースでは、裁判所が一部又
は全部返済責任を免除しないことがあります。弁護士とよく相談してみて
ください。
消費者被害
現代の消費者をとりまく環境は、複雑で多岐にわたり、消
費者問題といってもいろいろな形のものがあります。
「訪問販
売によって高い英会話教材や調理器具を売りつけられた」
「レ
ジャークラブの会員権を買ったが、すぐに会社が倒産してしまった」
「イン
チキな貴金属の先物取引にひっかかり、全財産を取り上げられてしまった」
「買わないと先祖の因縁で不幸になるといわれて高額の商品を売りつけられ
た」こんな話が、身辺に渦巻いていませんか?
このほか、エステなどの擬似医療行為による健康被害、欠陥自動車によ
る交通事故、住宅の手抜き工事による被害-新聞の社会面をにぎわすこう
した事件も、個々の消費者にとっては深刻な、生命や人生の問題です。消
費者問題の最終的な解決には、適切な法律の制定や行政が行われることが
必要ですが、被害者にはそれを待っている時間はありません。
こうした個々の消費者を助けるために、弁護士は積極的に消費者問題に
取り組んでいます。弁護士への相談は、早ければ早いほど、救済に効果が
あります。金額が小さいからとか、自分一人ではなどとためらわずに、気
軽に弁護士に相談してください。大勢の被害者が団結することで、一人ひ
とりにとって少額の被害でも、解決のための訴訟費用などのコストを低減
し、十分に救済が得られることもあります。
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「ある人に金を貸したが、返してくれない」
「物を売ったが、
代金を支払ってくれない」
「受け取った手形、小切手が不渡り
となってしまった」というようなことで困ったことはありませ
んか。
こんなとき、債権を回収するためにはどうしたらいいでしょうか。
債務者の自宅や、銀行預金、給料・ボーナス・退職金などを差し押さえ、
これらを売却したり取り立てたりして回収をはかることが考えられます。
また、保証人がいれば、その人に対しても同様の手続をとることができます。
しかし、このような差押手続をとるには、ふつうは訴えを起こして判決
を得なければならず、それには相当な時間がかかります。その間に債務者
の財産が他に名義を移されてしまうなどして、なくなってしまうおそれが
あります。そこで、訴えを起こす前に「仮差押」手続をしておくのが賢明
です。
なお、金銭の支払いについては、
「債務弁済の公正証書」を作成しておく
と、判決を得なくても、その公正証書で差し押さえができるので、債権の
回収も早く、費用も安くできます。
債権の回収手続は、遅れれば遅れるほどむずかしくなるので、弁護士に
相談して早急に効果的な手続をとるのが得策です。
取引上のトラブルにも迅速に対応
債権回収
経済は生き物です。いいときもあれば、悪いときもあります。
倒産・破産
いくら努力しても、倒産という事態を招くこともあります。
「取引先が倒産した」
「期日の来る手形が落とせない」
「従業
員の給料が払えない」このようなとき、あなたはどのようにし
ますか。
債権者集会を開いてほかの債権者と協議したり、債権者に支払いを猶予
してくれるよう頼みにいったり、銀行に融資を申し込んだりと、しなけれ
ばならないことがたくさんあります。冷静に考える余裕はほとんどないで
しょう。
そんなときは、弁護士に相談してみてください。弁護士は債権回収
の仕方から今後の進路にいたるまで、あなたの立場に立って最も適
切な方法をアドバイスします。
不幸にして倒産したら…。
倒産の際には、残されたわずかな財産をめぐって奪い合いがはじ
まります。あなたの力だけでは公正妥当な解決はおそらく不可能です。
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中立的な立場で適切な処理のできる弁護士に任せることが賢明です。
困ったことがあれば弁護士に
弁護士は、あなたの会社の財産状態を調査し、大口債権者と会ったりして、
会社が再建できるかどうかを調査します。その結果、再建できるとなれば、
会社の規模によって、民事再生、会社更生などの手続をとります。
再建できずに清算するときは、会社の財産を債権者に公平に配当する必
要があります。そのために、裁判所に破産の申立てをすることもあります。
その他の
法律問題
このほか、子どもの学校事故、遊び中のケガ、職場での労
働災害、各種商品の欠陥による事故、子どものいじめによる
人権侵害など、ありとあらゆる事故、トラブルは、弁護士によ
る法的な救済が可能です。困ったことがあったら、迷わずに最寄りの弁護
士会にお問い合せください。
裁判によらない解決方法(ADR)
トラブルが発生したとき、話し合いによって解決できればいいのですが、それが難しい
場合があります。そんなとき、
「弁護士に頼むまでの問題ではないから我慢しよう」
「長期
間の裁判で煩わされたくない」などと考える方もいらっしゃるでしょう。
そこで、裁判によらない解決手段として、弁護士会が当事者間の間に入り、話し合いの
仲介をする機関(裁判外紛争解決機関…ADR)を利用してみてはいかがでしょうか。
2012 年 4 月現在、30 の弁護士会に仲裁センターや紛争解決センターの名称でADRが設
けられています。ADRでは、審理期間平均3か月という速さで事件が解決されています。
ADRを使えば、あなたのトラブルを意外と早く、費用をかけずに解決できるかもしれ
ません。小さなトラブルを大きなトラブルにしないためにも、各弁護士会の仲裁センター・
紛争解決センターにご相談ください。
p20
刑事事件
刑法犯(交通関係を除く)として警察が把握する件数は年間約 227
万件、
検挙者は約102 万人にのぼります(平成 23 年版犯罪白書より)
。
犯罪とは無縁だと思っている普通の市民でも、ある日突然、捜査の対
象として取調べを受けるということがあるかもしれません。
逮捕された場合、警察署内の留置場で長時間にわたり身体拘束されることもあり
ます。家族や知人との連絡を断たれ、密室で取調べを受けるなかで、捜査官からの
威圧や利益誘導を受ける可能性も否定できません。取調べで嘘の自白をさせられた
結果、裁判で否認しても有罪の判決を受け、えん罪を晴らすために長い間、大変な
苦労を強いられたケースも少なくありません。
全国の弁護士会では、当番弁護士制度を実施しており、逮捕された人から要請が
あれば、当番弁護士が初回は無料で面会に行き、助言を行っています。もし、あな
たが逮捕されたら、警察、検察、裁判所のどこからでも当番弁護士の派遣を要請す
ることができることを覚えておいてください。親族や知人を通じてお近くの弁護士
会にお問い合わせいただくこともできます(23 ページの全国弁護士会一覧を参照)
。
捜査段階
弁護士は、被疑者と接見(面会)し、言い分をよく聞いた上で、被
疑者が不当逮捕や無実を主張しているときは、捜査機関への申入れ、
刑事事件に不可欠な弁護士の役割
(2) 刑事・少年事件
違法な捜査に対する救済手続の申立てなど、被疑者の権利を守る活動
をします。被疑者が実際に罪を犯した場合であっても、行き過ぎた捜
査を防いだり、被害者との示談を早期に実現することなどにより、起
訴に至らないようにするなどの活動を行います。
被告人が罪を認めていない事件(否認事件)の場合は、無罪判決獲
起訴され
た段階
得のために活動を行い、罪を認めている事件(自白事件)であれば、
被告人の反省の程度や、更生の可能性などの事情を裁判所に伝えて適
正な判決を求めます。身体拘束が起訴後にまで及んだ場合に、保釈を
実現するための活動を行うのも弁護士の役割です。
国選弁護
刑事手続において弁護士を依頼する資力がない人のために、国選弁
制度
護制度があります。2006 年までは起訴後の国選弁護制度しかありま
せんでしたが、2006 年から起訴前の被疑者についても国が弁護人を
選任する制度が導入され、2009 年からその対象が大きく広がりまし
た。ただし、全ての事件がカバーされるわけではありませんので、当
番弁護士制度と各地の法律援助事業が連動して、起訴前の捜査段階に
おける刑事被疑者弁護を担っています。
p21
人権を守ること、それが大きな使命です
少年事件
少年(20 歳未満)が罪を犯した場合、捜査段階の手続は成
人と同様で、警察や検察庁で取調べを受け、逮捕・勾留され
ることもあります。捜査終了後は、成人と異なり、すべての
事件が家庭裁判所に送られて少年審判を受け、その結果、少年院送致や保
護観察といった保護処分が言い渡されます。審判までの間、少年鑑別所に
拘束されることもあります。
少年審判手続では、刑事裁判の「弁護人」ではなく、
「付添人」を付ける
ことができます。付添人は、弁護人と同様、少年の権利を守り、少年に面
会し、その言い分を十分聞き取って、裁判所に伝えます。それだけでなく、
少年の立ち直りを援助するために、就学先や雇用先を確保したり、家族間
の問題を調整するなどして、再非行を防ぐために必要な環境の整備も行い
ます。これをふまえて、少年に対する適切な処分を求めます。
国選付添人制度は、刑事裁判の国選弁護制度に比べて、大変狭い制度に
なっています。しかし、弁護士会では、少年がお金の
ことを気にせずに付添人を選任できるよう、当番
付添人制度や少年保護事件付添援助制度を用意し
ています。ぜひ、弁護士会にご相談ください。
(3) 被害者支援活動
弁護士は、従来から、告訴・被害届提出や、マスコミ対応、そして捜査
の際の付添や検察審査会不服申立などの被害者支援活動を行ってきまし
た。また、近時、犯罪被害者の権利が確立し、制度のひとつとして、被害
者やご遺族の方が刑事裁判に参加できる制度ができました。これは、一定
の要件のもとで、被告人に質問をしたり、法廷で自分の意見を述べること
などができるというものです。そして、弁護士は、被害者や遺族の方などが、
適切かつ効果的に刑事裁判に参加できるよう必要に応じてアドバイスや支
援活動をしています。資力が乏しい被害者の方などは、国が支援する弁護
士の報酬や費用を負担する国選弁護制度により、支援を受けることができ
ます。さらに、損害賠償請求についても、刑事手続の成果を利用して簡易
迅速な解決をはかる損害賠償命令制度ができ、ここでも、弁護士が被害者
の方のために活動をしています。
このように、弁護士は、犯罪により被害を受けたり、傷ついた被害者や
ご遺族の方々のためにアドバイスや支援活動を行っています。
p22
全国の弁護士会所在地・電話番号(2012年4月1日現在)
名 称
〈関東・甲信越〉
東
京
第 一 東 京
第 二 東 京
横
浜
埼
玉
千
葉
県
茨
城
県
栃
木
県
群
馬
静
岡
県
山
梨
県
長
野
県
新
潟
県
〈 近 畿 〉
大
阪
京
都
兵
庫
県
奈
良
滋
賀
和
歌
山
〈 中 部 〉
愛
知
県
三
重
岐
阜
県
福
井
金
沢
富
山
県
〈 中 国 〉
広
島
山
口
県
岡
山
鳥
取
県
島
根
県
〈 九 州 〉
福
岡
県
佐
賀
県
長
崎
県
大
分
県
熊
本
県
鹿 児 島 県
宮
崎
県
沖
縄
〈 東 北 〉
仙
台
福
島
県
山
形
県
岩
手
秋
田
青
森
県
〈 北 海 道 〉
札
幌
函
館
旭
川
釧
路
〈 四 国 〉
香
川
県
徳
島
高
知
愛
媛
〒
住 所
電 話
100-0013
100-0013
100-0013
231-0021
330-0063
260-0013
310-0062
320-0036
371-0026
420-0853
400-0032
380-0872
951-8126
千代田区霞が関 1-1-3 弁護士会館6階
千代田区霞が関 1-1-3 弁護士会館 11 階
千代田区霞が関 1-1-3 弁護士会館9階
横浜市中区日本大通 9
さいたま市浦和区高砂 4-7-20
千葉市中央区中央 4-13-12
水戸市大町 2-2-75
宇都宮市小幡 2-7-13
前橋市大手町 3-6-6
静岡市葵区追手町 10-80 静岡地方裁判所構内
甲府市中央 1-8-7
長野市妻科 432
新潟市中央区学校町通 1-1 新潟地方裁判所構内
03-3581-2201
03-3595-8585
03-3581-2255
045-211-7707
048-863-5255
043-227-8431
029-221-3501
028-622-2008
027-233-4804
054-252-0008
055-235-7202
026-232-2104
025-222-5533
530-0047
604-0971
650-0016
630-8237
520-0051
640-8144
大阪市北区西天満 1-12-5
京都市中京区富小路通丸太町下ル
神戸市中央区橘通 1-4-3
奈良市中筋町 22-1
大津市梅林 1-3-3
和歌山市四番丁 5
06-6364-0251
075-231-2335
078-341-7061
0742-22-2035
077-522-2013
073-422-4580
460-0001
514-0032
500-8811
910-0004
920-0912
930-0076
名古屋市中区三の丸 1-4-2
津市中央 3-23
岐阜市端詰町 22
福井市宝永 4-3-1 三井生命ビル7階
金沢市大手町 15-15 3 階
富山市長柄町 3-4-1
052-203-1651
059-228-2232
058-265-0020
0776-23-5255
076-221-0242
076-421-4811
730-0012
753-0045
700-0807
680-0033
690-0886
広島市中区上八丁堀 2-66
山口市黄金町 2-15
岡山市北区南方 1-8-29
鳥取市二階町 3-204 アイシン二階町ビル 2 階
松江市母衣町 55-4 松江商工会議所ビル 7 階
082-228-0230
083-922-0087
086-223-4401
0857-22-3912
0852-21-3225
810-0043
840-0833
850-0875
870-0047
860-0078
892-0815
880-0803
900-0014
福岡市中央区城内 1-1 裁判所合同庁舎構内
佐賀市中の小路 7-19 佐賀県弁護士会館
長崎市栄町 1-25 長崎 MS ビル 4 階
大分市中島西 1-3-14
熊本市中央区京町 1-13-11
鹿児島市易居町 2-3
宮崎市旭 1-8-28
那覇市松尾 2-2-26-6
092-741-6416
0952-24-3411
095-824-3903
097-536-1458
096-325-0913
099-226-3765
0985-22-2466
098-865-3737
980-0811
960-8115
990-0042
020-0022
010-0951
030-0861
仙台市青葉区一番町 2-9-18
福島市山下町 4-24
山形市七日町 2-7-10 NANA BEANS8 階
盛岡市大通 1-2-1 サンビル 2 階
秋田市山王 6-2-7
青森市長島 1-3-1 日赤ビル 5 階
022-223-1001
024-534-2334
023-622-2234
019-651-5095
018-862-3770
017-777-7285
060-0001
040-0031
070-0901
085-0824
札幌市中央区北1条西10丁目 札幌弁護士会館 7階
函館市上新川町 1-3
旭川市花咲町 4
釧路市柏木町 4-3
011-281-2428
0138-41-0232
0166-51-9527
0154-41-0214
760-0033
770-0855
780-0928
790-0003
高松市丸の内 2-22
徳島市新蔵町 1-31
高知市越前町 1-5-7
松山市三番町 4-8-8
087-822-3693
088-652-5768
088-872-0324
089-941-6279
p23
事件解決への流れ
事件解決への流れ
裁判の手続には、大きく分けて民事事件と刑事事件があります。
裁判の手続には、大きく分けて民事事件と刑事事件があります。
ここでは、それぞれの基本的な流れを図示しました。
ここでは、それぞれの基本的な流れを図示しました。
民事事件の主な流れ
民事事件の流れ
第一審
(地方裁判所)
弁護士に
相談
保全処分
*
第 一回 口 頭 弁 論 期 日
紛争の
発生
被告への訴状送達
第一回口頭弁論期日の指定
訴えの
提起
解 決
相手との
直接交渉
弁護士に
相談
(被告側)
*1 訴訟に先立って、相手方の財産の処分を禁じるなど
して、判決の実効性を確保する手続
*2 事案によっては、簡易裁判所、家庭裁判所などが第
一審となることがあります。また、訴えの提起前に
調停を経ることもあります。
刑事事件の主な流れ
刑事事件の流れ
第一審
(地方裁判所)
起 訴
官
の
捜索・差押・検証
始
事
取調べ(身体拘束なし)
家裁送致
任意出頭
依頼
弁護人の
活動
■現場での事実確認
■被害者との示談
■裁判所に対し、
勾留理由開示・準抗告等の申立て
p24
理
被疑者
・
家族
■捜査機関との協議
処
■関係者等の事情聴取
件
■被疑者との面会・助言
少年事件の
場合
不起訴
・
不送致
公判前整理
手続
被告人の召喚
の
開
起訴ののち
保釈が可能
公 判 期 日 の 指 定
察
逮捕 取調べ 勾留 取調べ
査
犯罪の
発生
10∼20日
検
捜
72時間以内
・起訴状謄本の
被告人への送達
・弁護人選任権の
告知
上訴手続
●棄却
●破棄自判
●破棄差戻
口頭弁論手続
主張のやりとりと
証拠の提出
証拠調
手続
弁論手続
証人尋問
本人尋問
検証、鑑定など
終 結
証拠調べの結果を
ふまえた主張の
整理
判 決
弁論手続
不服の場合
2週間以内
に控訴
和解
成立
和解
成立
和解
成立
判決の内容に
従わない場合
確 定
控 訴
上 告
(高等裁判所)
(最高裁判所)
強制執行
和解内容に従わない場合
上訴手続
●棄却
●破棄自判
●破棄差戻
公判期日
冒頭手続
証拠調
手続
最終弁論
●検察官の冒頭陳述
●検察官による論告・求刑
●検察官の起訴状朗読
●検察官の立証
●弁護人による弁論
●裁判官の黙秘権告知
●被告人=弁護人の立証
●被告人による最終陳述
●被告人の罪状認否
証人尋問
証拠書類朗読
判 決
●裁判官の人定尋問
不服の場合
2週間以内
に控訴
結 審
控 訴
上 告
(高等裁判所)
(最高裁判所)
有 罪
刑の執行
確 定
証拠物の展示
●情状に関する立証
●被告人質問
無 罪
確 定
再 審
有罪判決が確定した
後、判決の事実認定の誤り
を推測しうる一定の事由があ
る場合に、再度、裁判をやりな
おす制度として「再審」の手続
があります。民事裁判につい
ても、同様の「再審」の道
があります。
p25
弁護士さん ちょっと相談…
新
補
版 平成 19 年 4 月 1 日
補
訂 平成 21 年 4 月 1 日
補
訂 平成 22 年 4 月 1 日
補
訂 平成 24 年 4 月 1 日 日本弁護士連合会
訂 平成 20 年 4 月 1 日
〒100- 0013 東京都千代田区霞が関 1 丁目 1 番 3 号
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