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ISO9001 改正の最新情報
JRCA講演会 ISO9001 改正の最新情報 株式会社テクノファ TC176/SC2委員 平林良人 テクノファ 平林良人 1 ISO9001追補改正版の審議経過 2003年10月 :ブカレスト、定期見直し実施の決議 ■ 2004年12月:クアラルンプール 、ISO 9001追補、ISO 9004改正 の決定、規格の設計仕様書の検討開始 ■ 2005年5月 :カルタヘナ、規格の設計仕様書の作成 ■ 2005年10月:パナマシティ 、WD1(第1次作業文書)の作成 ■ 2006年6月 :トラリー 、WD2(第2次作業文書)の作成 ■ 2006年11月 :釜山 、CD1(第1次委員会原案)の作成 ■ 2007年6月 :ヘルシンキ 、DIS(国際規格案)の作成 ■ 2008年5月 :ノビサド 、FDIS(最終国際規格案)の作成 ■ 2008年8月 :FDISの回付(投票) ■ 2008年11月 :ISの発行(予定) ■ 2008年12月 :JISQ9001:2008の発行(予定) ■ テクノファ 平林良人 2 ISO 9001:2008追補改正版の目的 ■要求事項の明確化 • user survey • systematic review • justification study ■公式解釈を必要とするような曖昧さの除去 ■ ・規格解釈委員会 ISO14001との整合性の向上 ※ 要求事項の追加、変更はしない 、規格の本 来の意図が正しく理解され、活用されることを 目的としている。 テクノファ 平林良人 3 ISO Web FAQ’s(Frequently Asked Questions) 16. 私の組織の文書はすべて書換えなければならないでしょうか? No(いいえ). ISO 9001:2008 doesn’t introduce major changes to the requirements, when compared to ISO 9001:2000. However,(しかし) to benefit from the changes, we suggest you get acquainted with the new version of the standard and the clarifications introduced. If, during your analysis of the clarifications you find there are differences from your current interpretation of ISO 9001:2000, then you should analyse the impact on your current documentation and make the necessary arrangements to update it. (もし、2000年版への解釈 が異なっていたならば・・・)It is intended that the amendment of ISO 9001 will have minimal or no impacts on documentation. テクノファ 平林良人 4 ISO 9001:2008追補改正版の目的 ■場合によっては、品質マネジメントシステムの運 用等に関して見直しが必要となり、適切な対応が 必要になる。 ー追補改正で規格の意図が明確になったこと によって、ISO9001:2000の本来の意図が正 しく理解されていなかったことが判明した場合 ■ このことは、組織の品質マネジメントシステム を見直す良い機会になる。 (品質マネジメントシステム規格国内委員会 ) テクノファ 平林良人 5 例えば・・・・ 4.1アウトソースしたプロセスの管理 7.4購買の考え方をもっと適用したら・・・ ■ 5.5.2管理責任者 ・・・組織の管理層の中から管理責任者を任命 すること。 ■ 5.6.3マネジメントレビューからのアウトプット 品質マネジメントシステム及びそのプロセスの 有効性の改善 ■ テクノファ 平林良人 6 例えば・・・・ ■6.2.2力量、教育・訓練及び認識 c)教育・訓練又は他の処置の有効性を評価 ■ 7.3.1設計・開発 設計・開発のレビュー、検証、妥当性確認の組 み合せ ■ 7.3.3設計・開発からのアウトプット 製品の保存に関する詳細 テクノファ 平林良人 7 例えば・・・・ ■8.2.3 プロセスの監視及び測定 適切な方法を適用しなければならない。 ■8.2.4 製品の監視及び測定 合否判定基準への適合の証拠は記録でなけれ ばならないか。 ■8.2.4 リリースの意味 顧客への引渡し、次のプロセスへ進めてよいこ との許可 テクノファ 平林良人 15:20 8 ISO 9001:2008追補改正版の目的 ■ISO9001の要求事項の追加及び要求事項の 意図の変更につながる提案 ー修正作業の過程で多く出された。 ■今回の作業では採用せず、次期ISO9001の改 正時において議論、検討を行う ーISO9001設計仕様書(DS、追補改正作業 の範囲及び内容を規定)からの逸脱 ーDS変更の提案も出されたが、コンセンサ スは得られなかった。 テクノファ 平林良人 9 “consistent pair”の概念 ■“consistent pair(整合性のある一対の規格)” 概念の変更 −2000年版における“consistent pair”の概念: ISO9001とISO9004とが、単独でも使用が可能で、双 方で矛盾がなく、概念と用語が整合し、かつ、その章 構成が一致している。 “consistent pair(整合性のある一対の規格)”の概念が変更されました。2000年版における“consistent pair”の概念は、ISO9001とISO9004とが、単独でも使用が 可能で、双方で矛盾がなく、概念と用語が整合し、かつ、その章構成が一致していることでした。しかしながら、今回の追補改訂作業において、ISO9001及 びISO9004の章構成が一致していることは“consistent pair”の条件から外されています。 −今回の追補改正作業における概念: ISO9001及びISO9004の章構成が一致していることは “consistent pair”の条件から外れた。 テクノファ 平林良人 10 “Output Matters”への対応 ■“Output Matters”とは次の問題提起スローガン ーISO9001が提示する品質マネジメントシステ ム ・要求事項を満たした製品を一貫して提供し、 顧客満足を向上させるためのもの。 ー現実にはISO9001に適合していると判断され ていながら、要求事項を満たす製品を提供でき ていない組織がある。 テクノファ 平林良人 11 “Output Matters”への対応 ■ The ISO 9000 Advisory Group (IAG), a multi-lateral group comprising experts from ISO/TC176, ISO/CASCO, ISO/COPOLCO, IAF and IPC, made a series of recommendations to the ISO/IAF/ILAC Joint Working Group in June 2006 to address these concerns and, as a result, a number of initiatives are currently underway to improve the conformity assessment components of the problem. ■ ISO 9000 Advisory Group (IAG) ISO/TC176, ISO/CASCO, ISO/COPOLCO, IAF and IPCは、2006年6月にISO/IAF/ILAC Joint Working Groupでこの問題を述べ、以来適合性審査の要素を 改善する主導を行なっている。 テクノファ 平林良人 12 “Output Matters”への対応 ■ 1.1 General This International Standard specifies requirements for a quality management system where an organization a) needs to demonstrate its ability to consistent -ly provide product that meets customer and applicable regulatory requirements, and ■顧客要求事項及び適用される規制要求事項に 合致した製品を一貫して提供する能力をもつこ とを実証する必要がある場合 テクノファ 平林良人 13 “Output Matters”への対応 The requirement ,to achieve “consistent, conforming product”, is often there, disguised as “effectiveness of the QMS”, but this is not always immediately apparent to some users of the standard. ■ 「一貫して適合製品」を完成させるという要求事 項は、 QMSの有効性 という言葉に変装されて いるので、規格のユーザーに明確に伝わってい ない。(ISO9000規格3.2.14) ■ テクノファ 平林良人 14 “Output Matters”への対応 5.5.3 内部コミュニケーション ・・・また,品質マネジメントシステムの有効性 に関しての情報交換が行われることを確実 にしなければならない。 ■ 5.6.3 マネジメントシステムからのアウトプット a)品質マネジメントシステム及びそのプロセス の有効性の改善 ■ テクノファ 平林良人 15 “Output Matters”への対応 ■8.2.2内部監査 b)品質マネジメントシステムが効果的に(有効に) 実施され,維持されているか。 ■8.5.1継続的改善 組織は,品質方針,監査結果,データの分析, 是正処置,予防処置及びマネジメントレビュー を通じて,品質マネジメントシステムの有効性を 継続的に改善しなければならない。 テクノファ 平林良人 16 “Output Matters”への対応 0.1 一般 ■組織の品質マネジメントシステムのの設計及び 実施は,次の事項によって影響を受ける。 a)組織事業環境,組織事業環境の変化,又は 組織環境に関連するリスク b)多様なニーズ c)固有の目標, d)提供する製品 e)用いるプロセス f)規模,及び 織構造 テクノファ 平林良人 17 要求事項の明確化 1.1 適用範囲 一般 ■ 注記1 この規格の“製品”という用語は,次の製品に限 定してられて用いられる。 − 顧客向けに意図された製品,又は顧客に要 求された製品 − 製品実現プロセスの結果として生じる,意図 したアウトプットすべて テクノファ 平林良人 18 要求事項の明確化 4.1 一般要求事項 ■アウトソースしたプロセスの管理の内容及び範囲、並 びに7.4(購買)との関係を注記に追加説明 ■注記3 アウトソースしたプロセスに対する管理を確実にしたとし ても,全ての顧客要求事項及び法令・規制要求事項への適合に 対する組織の責任が免除されるものではない。アウトソースした プロセスに適用される管理の方式及び程度は,次のような要因 によって影響され得る。 a) 要求事項に適合する製品を提供するために必要な組織の能 力に対する,アウトソースしたプロセスの影響の可能性 b) そのプロセスの管理への関与の度合い c) 7.4の適用において必要な管理を遂行する能力 テクノファ 平林良人 19 要求事項の明確化 記録作成(4.2.1)と記録管理(4.2.4)との区別 ■記録の作成の要求は4.2.1(一般)で既になされて いるため、4.2.4(記録の管理)では、記録の作成 に関する規定は削除し、作成された記録の管理 に関する要求事項だけを規定する。 ■本文中の箇条で頻出する“(4.2.4参照)”の意味 するところは、作成した記録を4.2.4に基づいて管 理することを明確にした。 テクノファ 平林良人 20 要求事項の明確化 5.5.2 管理責任者 ■ ISO9001で求められる“管理責任者”は、組織 の管理層の中から任命された者であることを明 確にした。 トップマネジメントは,組織の管理層の中から 管理責任者を任命しなければならない。 ■ テクノファ 平林良人 21 要求事項の明確化 6.2 人的資源 ■“製品品質”とは何であるかを明確にするため、 “製品要求事項への適合”と変更した。 6.2.1 一般 ■注記 製品要求事項への適合は,品質マネジメントシステム 内の作業に従事する要員によって,直接又は間接的 に影響を受ける可能性がある。 テクノファ 平林良人 22 要求事項の明確化 6.2.2 力量,教育・訓練及び認識 ■ c)教育・訓練又は他の処置の有効性を評価 する。 ← 2000年版のまま ※必要な力量に到達したことを確実にする。 ← 2008年版で最後まで議論になった テクノファ 平林良人 23 要求事項の明確化 6.4 作業環境 ■製品要求事項への適合に影響を与えるものに 限定するものであることを明確にするため、 ISO9000の定義(3.3.4 作業環境)にあわせた 事例を注記に掲げた。 ■注記 作業環境という用語は,物理的,環境的及びそ の他の要因を含む(例えば,騒音,気温,湿度, 照明,天候),作業が行われる状態と関連して いる。 テクノファ 平林良人 24 要求事項の明確化 7.2.1 製品に関連する要求事項の明確化 ■7.2.1における、“引渡し後の活動”を明確にする ため、事例を注記に上げた。 ■注記 引渡し後の活動には,例えば, 保証に関する 取決め,メンテナンスサービスのような契約義務, 及びリサイクル又は最終廃棄のような補助的サ ービスのもとでの活動を含む。 テクノファ 平林良人 25 要求事項の明確化 7.3 設計・開発の計画 ■7.3.1(設計・開発の計画)では、設計・開発のレビ ュー(7.3.4)、検証(7.3.5)、妥当性確認(7.3.6)はそれ ぞれの目的があるとしながらも、それらを組み合わせて 実施してもよいことを注記に追加した。 ■注記 設計・開発のレビュー,検証及び妥当性確認は異 なった目的をもっている。それらは、製品及び組織 に適するように,個々に又はどのような組合せでも, 実施及び記録をすることができる。 テクノファ 平林良人 26 要求事項の明確化 7.3.3 設計・開発からのアウトプット ■注記 製造及びサービス提供に対する情報には, 製品の保存に関する詳細を含めることができる。 テクノファ 平林良人 27 要求事項の明確化 7.5.1 製造及びサービス提供の管理 7.6 監視機器及び測定機器の管理 ■“equipment”と“device” “equipment”と“device”との差異についての議論 があり、“equipment”に統一した。チェックリストな どの道具としての“device”も“equipment”に含ま れる(ISO9000の3.10.4(measuring equipment)の 定義で“equipment”に“device”が含まれると解釈 される)。 テクノファ 平林良人 28 要求事項の明確化 7.5.2 製造及びサービス提供に関するプロセスの 妥当性確認 ■注記に妥当性確認が必要と思われる例示を掲 げようとしたが、それよりもISO9000規格3.4.1プロ セス参考3を掲げた方がよいとの意見があった。 ■結果として得られる製品の適合が,容易に又は 経済的に検証できないプロセスは, “special process ” (特殊工程)と呼ばれることが 多い。 テクノファ 平林良人 29 要求事項の明確化 7.6 監視機器及び測定機器の管理 ■ 注記 意図した用途を満たすコンピュータソフトウェア の能力の確認には,通常,その使用の適切性を 維持するための検証及び構成管理 (configuration management)も含まれる。 テクノファ 平林良人 30 要求事項の明確化 8.2.1 顧客満足 ■ 注記 顧客がどのように受けとめているかの監視に は,顧客満足度調査,提供された製品品質に関 する顧客からのデータ,ユーザ意見調査,失注 分析,顧客からの賛辞,補償請求,ディーラ報告 などの情報源から得たインプットを含めることが できる。 テクノファ 平林良人 31 要求事項の明確化 8.2.2 内部監査 ■監査された領域に責任をもつ管理者は, 検出された不適合及びその原因を除去するた めに遅滞なく必要な修正及び是正処置すべて がとられることを確実にしなければならない。 テクノファ 平林良人 32 要求事項の明確化 8.2.3 プロセスの監視及び測定 ■組織は,品質マネジメントシステムのプロセス の監視,及び適用可能な場合に行う測定には, 適切な方法を適用しなければならない。 ■注記 適切な方法を決定するとき,組織は,製品要求 事項への適合及び品質マネジメントシステムの 有効性への影響に応じて,個々のプロセスに対 する適切な監視又は測定の方式及び程度を考 慮すること推奨する。 テクノファ 平林良人 33 要求事項の明確化 8.2.4 製品の監視及び測定 ■“合否判定基準への適合の証拠”は“記録”でな くてはならないとの誤解を避けるため,第2パラ グラフから第1パラグラフに移動した。 ■顧客への引渡しのための製品のリリースを正 式に許可した人を、記録しておかなければなら ない(4.2.4参照)。 (ISO9000規格3.6.13) テクノファ 平林良人 34 要求事項の明確化 8.2.4 リリースの対象(7.4.3、7.5.1も対象) ■8.2.4 製品の監視及び測定 では、“リリース” の対象が“顧客への引き渡しのための製品”で あることを明確にしている。 なお、8.2.4では“リリース”を正式に許可した人 の記録について求めており、“リリース”の管理 自体は7.5.1 製造及びサービス提供の管理で 規定している。 7.4.3 購買製品の検証 にも留意するとよい。 テクノファ 平林良人 35 要求事項の明確化 8.3 不適合製品の管理 ■d) 引渡し後又は使用開始後に不適合製品が 検出された場合には,その不適合による影響又 は起こり得る影響に対して適切な処置をとる。 ← d)項を、本文下から移動して新設 ■“該当する場合には”を挿入することによって、 不適合製品に関して実施しなければならない 処理方法をサービス業にも明確になるように規 定した。 テクノファ 平林良人 36 要求事項の明確化 8.4 ■a) b) c) データの分析 顧客満足(8.2.1参照) 製品要求事項への適合(8.2.4参照) 予防処置の機会を得ることを含む, プロセス及び製品の,特性並びに傾向 (8.2.3及び8.2.4参照) d) 供給者(7.4参照) テクノファ 平林良人 37 要求事項の明確化 8.5.2 是正処置、8.5.3 予防処置 f)是正処置において実施した活動の有効性の レビュー ■ e)予防処置において実施した活動の有効性の レビュー (ISO9000規格3.8.7) ■ テクノファ 平林良人 38 ご清聴 ありがとうございました テクノファ 平林良人 39