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JP 2012-531205 A 2012.12.10 10 (57)【要約】

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JP 2012-531205 A 2012.12.10 10 (57)【要約】
JP 2012-531205 A 2012.12.10
(57)【要約】
インフルエンザヘマグルチニンおよびノイラミニダー
ゼ変異体を含むポリペプチド、ポリヌクレオチド、方法
、組成物、およびワクチンを提供する。
【選択図】図1A
10
(2)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
b) K119E、K119NおよびA186Dからなる群から選択される少なくとも1
つのアミノ酸置換を含む配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
c) K119EおよびA186Dアミノ酸置換を含む配列番号1のアミノ酸配列を含む
ポリペプチド;
d) K119NおよびA186Dアミノ酸置換を含む配列番号1のアミノ酸配列を含む
ポリペプチド;
e) D222Gおよび/またはQ223R置換を含む配列番号1のアミノ酸配列を含む
10
ポリペプチド;
f) (i)D222Gおよび/またはQ223R置換を含み、かつ(ii)K119E
、K119NおよびA186Dからなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換
をさらに含む配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
g) (i)D222Gおよび/またはQ223R置換を含み、かつ(ii)K119E
およびA186Dアミノ酸置換をさらに含む配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチ
ド;
h) (i)D222Gおよび/またはQ223R置換を含み、かつ(ii)K119N
およびA186Dアミノ酸置換をさらに含む配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチ
ド;
20
i) 配列番号1の残基1∼327のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
j) K119E、K119NおよびA186Dからなる群から選択される少なくとも1
つのアミノ酸置換を含む配列番号1の残基1∼327のアミノ酸配列を含むポリペプチド
;
k) K119EおよびA186Dアミノ酸置換を含む配列番号1の残基1∼327のア
ミノ酸配列を含むポリペプチド;
l) K119NおよびA186Dアミノ酸置換を含む配列番号1の残基1∼327のア
ミノ酸配列を含むポリペプチド;
m) D222Gおよび/またはQ223R置換を含む配列番号1の残基1∼327のア
ミノ酸配列を含むポリペプチド;
30
n) (i)D222Gおよび/またはQ223R置換を含み、かつ(ii)K119E
、K119NおよびA186Dからなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換
をさらに含む配列番号1の残基1∼327のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
o) (i)D222Gおよび/またはQ223R置換を含み、かつ(ii)K119E
およびA186Dアミノ酸置換をさらに含む配列番号1の残基1∼327のアミノ酸配列
を含むポリペプチド;
p) (i)D222Gおよび/またはQ223R置換を含み、かつ(ii)K119N
およびA186Dアミノ酸置換をさらに含む配列番号1の残基1∼327のアミノ酸配列
を含むポリペプチド;
q) 配列番号6のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
40
r) 配列番号6の残基1∼327のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
s) (a)∼(r)のいずれか1つのポリペプチドのアミノ酸配列と少なくとも95%
、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%
、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくと
も99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチド;
t) 3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個
未満のアミノ酸残基が、置換、欠失または挿入されている(a)∼(r)のいずれか1つ
のポリペプチドのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
u) (a)∼(r)のいずれか1つのポリペプチドのアミノ酸配列を含み、かつH27
3Y置換をさらに含むポリペプチド;および
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v) 配列番号8のアミノ酸配列を含むポリペプチド
からなる群から選択される、単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチド。
【請求項2】
前記ポリペプチドが免疫原性である、請求項1に記載の単離されたポリペプチドまたは
組換えポリペプチド。
【請求項3】
請求項1に記載の単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチドを含む滅菌組成物
。
【請求項4】
請求項1に記載の単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチドに特異的な抗体。
10
【請求項5】
免疫学的有効量の請求項1に記載の単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチド
を含む免疫原性組成物。
【請求項6】
請求項1に記載の単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチドをコードする核酸
を含む再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項7】
請求項1に記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む単離された核酸ま
たは組換え核酸。
【請求項8】
20
配列番号3または配列番号7のヌクレオチド配列を含む請求項7に記載の単離された核
酸または組換え核酸。
【請求項9】
前記核酸がDNAである、請求項7に記載の単離された核酸または組換え核酸。
【請求項10】
前記核酸がRNAである、請求項7に記載の単離された核酸または組換え核酸。
【請求項11】
前記ポリヌクレオチドが免疫原性ポリペプチドをコードする、請求項7に記載の単離さ
れた核酸または組換え核酸。
【請求項12】
30
請求項7に記載の単離された核酸または組換え核酸を含む組成物。
【請求項13】
免疫学的有効量の請求項7に記載の単離された核酸または組換え核酸を含む免疫原性組
成物。
【請求項14】
請求項7に記載の核酸を含む再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項15】
請求項8に記載の核酸を含む再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項16】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、1以上のドナーウイルス由来の6つの内部ゲ
40
ノムセグメント、請求項1に記載のポリペプチドをコードする第1のゲノムセグメントお
よびノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントを含む6:2再
集合体ウイルスである、再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項17】
請求項1に記載のポリペプチドをコードする第1のゲノムセグメントを含み、かつ6つ
の内部ゲノムセグメントと1以上のドナーウイルス由来のノイラミニダーゼポリペプチド
をコードする第2のゲノムセグメントとをさらに含む7:1再集合体ウイルスである、再
集合体インフルエンザウイルス。
【請求項18】
前記ドナーウイルスが、弱毒化、低温適応型および温度感受性からなる群から選択され
50
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る1以上の表現型特性を含む、請求項16または17に記載の再集合体インフルエンザウ
イルス。
【請求項19】
前記ドナーウイルスが、A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A
/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/17からなる群か
ら選択される、請求項16∼18のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイル
ス。
【請求項20】
前記ウイルスが生ウイルスである、請求項16∼19のいずれか一項に記載の再集合体
インフルエンザウイルス。
10
【請求項21】
前記第1のゲノムセグメントが、K119E、K119NおよびA186Dからなる群
から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含む
ポリペプチドをコードする、請求項16∼20のいずれか一項に記載の再集合体インフル
エンザウイルス。
【請求項22】
前記第1のゲノムセグメントが、前記K119EおよびA186Dアミノ酸置換を含む
配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、請求項16∼20のいずれ
か一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項23】
20
前記第1のゲノムセグメントが、前記K119NおよびA186Dアミノ酸置換を含む
配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、請求項16∼20のいずれ
か一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項24】
前記第1のゲノムセグメントにコードされるポリペプチドのアミノ酸配列が、D222
Gおよび/またはQ223R置換をさらに含む、請求項21∼23のいずれか一項に記載
の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項25】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがブタインフルエンザウイルスノイラミニダーゼで
ある、請求項16∼24のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
30
【請求項26】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがN1ノイラミニダーゼである、請求項16∼24
のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項27】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドが配列番号4のアミノ酸配列を含む、請求項16∼
26のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項28】
細胞培養物中で再集合体インフルエンザウイルスを生成する方法であって、
a) インフルエンザウイルスゲノムを含む複数のベクターを、宿主細胞の集団に導入す
ること、ここで、複数のベクターは、第1のインフルエンザ株の6つの内部ゲノムセグメ
40
ント;請求項1に記載のポリペプチドをコードする第1のゲノムセグメントおよびノイラ
ミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントを含み、かつ集団は、イン
フルエンザウイルスの複製を支持することができる、と
b) 前記宿主細胞の集団を培養することと
c) 複数の再集合体インフルエンザウイルスを回収することと
を含む方法。
【請求項29】
前記第1のゲノムセグメントが、K119E、K119NおよびA186Dからなる群
から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含む
ポリペプチドをコードする、請求項28に記載の方法。
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【請求項30】
前記第1のゲノムセグメントが、前記K119EおよびA186Dアミノ酸置換を含む
配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記第1のゲノムセグメントが、前記K119NおよびA186Dアミノ酸置換を含む
配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記第1のゲノムセグメントにコードされるポリペプチドのアミノ酸配列が、D222
Gおよび/またはQ223R置換をさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
10
前記第2のゲノムセグメントがブタインフルエンザウイルスゲノムセグメントである、
請求項28∼32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがN1ノイラミニダーゼである、請求項28∼33
のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドが配列番号4のアミノ酸配列を含む、請求項28∼
34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記第1のインフルエンザウイルス株が、弱毒化、低温適応型および温度感受性からな
20
る群から選択される1以上の表現型特性を含む、請求項28∼35のいずれか一項に記載
の方法。
【請求項37】
前記第1のインフルエンザ株が、A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/
34、A/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/17から
なる群から選択される、請求項28∼35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、鼻腔内ワクチン製剤での投与に好適である、
請求項28∼37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
30
前記インフルエンザウイルスゲノムを含む複数のベクターがA型インフルエンザウイル
スゲノムを含む、請求項28∼38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記複数のベクターが複数のプラスミドベクターである、請求項28∼39のいずれか
一項に記載の方法。
【請求項41】
前記宿主細胞の集団が、Vero細胞、PerC6細胞、MDCK細胞、293T細胞
、またはCOS細胞のうちの1つまたは複数を含む、請求項28∼40のいずれか一項に
記載の方法。
【請求項42】
40
ヘルパーウイルスの使用を含まない、請求項28∼41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記複数のベクターが8つのベクターからなる、請求項28∼42のいずれか一項に記
載の方法。
【請求項44】
請求項1に記載の単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチドを含む免疫原性組
成物。
【請求項45】
請求項7に記載の単離された核酸または組換え核酸を含む免疫原性組成物。
【請求項46】
50
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賦形剤をさらに含む、請求項44または45に記載の組成物。
【請求項47】
前記賦形剤が薬学的に許容される賦形剤である、請求項46に記載の組成物。
【請求項48】
請求項14∼27のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスを含む免疫
原性組成物。
【請求項49】
1以上の薬学的に許容される賦形剤をさらに含む請求項48に記載の組成物。
【請求項50】
前記組成物が弱毒化生インフルエンザワクチンである、請求項48または49に記載の
10
組成物。
【請求項51】
再集合体インフルエンザウイルスワクチンを生成する方法であって、
a) インフルエンザウイルスゲノムを含む複数のベクターを宿主細胞の集団に導入する
こと、ここで、複数のベクターは、第1のインフルエンザ株の少なくとも6つの内部ゲノ
ムセグメント;請求項1に記載のポリペプチドをコードする第1のゲノムセグメントおよ
びノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントを含み、かつその
集団はインフルエンザウイルスの複製を支持することができる、と
b) 前記宿主細胞の集団を培養することと
c) 複数の再集合体インフルエンザウイルスを回収することと
20
d) 1以上の薬学的に許容される賦形剤を提供することと
を含む方法。
【請求項52】
前記第1のゲノムセグメントが、K119E、K119NおよびA186Dからなる群
から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む配列番号1のアミノ酸配列を含むポ
リペプチドをコードする、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記第1のゲノムセグメントが、前記K119EおよびA186Dアミノ酸置換を含む
配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
30
前記第1のゲノムセグメントが、前記K119NおよびA186Dアミノ酸置換を含む
配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
前記第1のゲノムセグメントにコードされるポリペプチドのアミノ酸配列が、D222
Gおよび/またはQ223R置換をさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項56】
前記第2のゲノムセグメントがブタインフルエンザウイルスゲノムセグメントである、
請求項51∼55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがN1ノイラミニダーゼである、請求項51∼55
40
のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドが配列番号4のアミノ酸配列を含む、請求項51∼
57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記第1のインフルエンザウイルス株が、弱毒化、低温適応型および温度感受性からな
る群から選択される1以上の表現型特性を含む、請求項51∼58のいずれか一項に記載
の方法。
【請求項60】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、鼻腔内ワクチン製剤での投与に好適である、
50
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請求項51∼59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記インフルエンザウイルスゲノムを含む複数のベクターがA型インフルエンザウイル
スゲノムを含む、請求項51∼60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記第1のインフルエンザ株が、A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/
34、A/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/17から
なる群から選択される、請求項51∼61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記再集合体ウイルスが、鼻腔内ワクチン製剤での投与に好適である、請求項51∼6
10
2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記ウイルス感染の予防的または治療的処置のために対象内でウイルス感染に対する免
疫原性応答を生じさせるのに有効な量で請求項1に記載のポリペプチドを含む、再集合体
インフルエンザウイルス。
【請求項65】
前記対象が哺乳動物である、請求項64に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項66】
前記哺乳動物がヒトである、請求項65に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項67】
20
前記ウイルス感染がウイルス性インフルエンザ感染である、請求項64∼66のいずれ
か一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項68】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、インビボで前記対象にまたはインビトロもし
くはエクスビボで前記対象の1つもしくは複数の細胞に投与されることになっている、請
求項64∼67のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項69】
前記再集合体インフルエンザウイルスと薬学的に許容される賦形剤とを含む組成物が、
前記ウイルス感染を予防的にまたは治療的に処置するのに有効な量で前記対象に投与され
る、請求項64∼68のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
30
【請求項70】
孵化卵における再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス
のピーク力価を増大させるための方法であって、配列番号1の位置119または186の
アミノ酸残基に対応する位置の前記ヘマグルチニンポリペプチドのアミノ酸残基を改変し
、それにより孵化卵における前記インフルエンザウイルスのピーク力価を増大させること
を含む方法。
【請求項71】
配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基を改変する、請求項7
0に記載の方法。
【請求項72】
40
配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基をグルタミン酸(E)
となるように改変する、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基をアスパラギン(N)
となるように改変する、請求項71に記載の方法。
【請求項74】
配列番号1の位置186のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基を改変する、請求項7
0に記載の方法。
【請求項75】
配列番号1の位置186のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基をアスパラギン酸(D
50
(8)
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)となるように改変する、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
配列番号1の位置119および186のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基を改変す
る、請求項70に記載の方法。
【請求項77】
配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基をグルタミン酸(E)
となるように改変し、かつ配列番号1の位置186のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残
基をアスパラギン酸(D)となるように改変する、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基をアスパラギン(N)
10
となるように改変し、かつ配列番号1の位置186のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残
基をアスパラギン酸(D)となるように改変する、請求項76に記載の方法。
【請求項79】
前記ヘマグルチニンポリペプチドがH1ヘマグルチニンポリペプチドである、請求項7
0∼78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
前記ヘマグルチニンポリペプチドがブタインフルエンザウイルスのヘマグルチニンポリ
ペプチドである、請求項70∼78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが配列番号1のアミノ酸配列を含む、請求項70∼8
20
0のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、D222Gおよび/またはQ223R置換をさら
に含む、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、A/アナーバー/6/60、A/プエルトリ
コ/8/34、A/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/
17からなる群から選択されるウイルスの少なくとも6つの内部ゲノムセグメントを含む
、請求項70∼82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
30
前記再集合体インフルエンザウイルスが、A/アナーバー/6/60、A/プエルトリ
コ/8/34、A/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/
17からなる群から選択されるウイルスの7つのゲノムセグメントを含む、請求項70∼
82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、弱毒化
、低温適応型および温度感受性からなる群から選択される1以上の表現型特性を含む、請
求項70∼83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、A/アナーバー/6/60のまたはB/アナ
40
ーバー/1/66の少なくとも6つの内部ゲノムセグメントを含む、請求項85に記載の
方法。
【請求項87】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、A/アナーバー/6/60またはB/アナー
バー/1/66の7つのゲノムセグメントを含む、請求項85に記載の方法。
【請求項88】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
ルスのピーク力価が、アミノ酸改変を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまた
は組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも2倍増加している、請求項70∼8
7のいずれか一項に記載の方法。
50
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【請求項89】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
ルスのピーク力価が、アミノ酸改変を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまた
は組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも4倍増加している、請求項70∼8
7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
ルスのピーク力価が、アミノ酸改変を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまた
は組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも8倍増加している、請求項70∼8
7のいずれか一項に記載の方法。
10
【請求項91】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
ルスのピーク力価が、アミノ酸改変を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまた
は組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも10倍増加している、請求項70∼
87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
ルスのピーク力価が、アミノ酸改変を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまた
は組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも20倍増加している、請求項70∼
87のいずれか一項に記載の方法。
20
【請求項93】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
ルスのピーク力価が、アミノ酸改変を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまた
は組換えインフルエンザウイルスと比べて2倍∼10倍増加している、請求項70∼87
のいずれか一項に記載の方法。
【請求項94】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
ルスのピーク力価が、アミノ酸改変を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまた
は組換えインフルエンザウイルスと比べて2倍∼20倍増加している、請求項70∼87
のいずれか一項に記載の方法。
30
【請求項95】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
ルスのピーク力価が、アミノ酸改変を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまた
は組換えインフルエンザウイルスと比べて2倍∼40倍増加している、請求項70∼87
のいずれか一項に記載の方法。
【請求項96】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
ルスのピーク力価が、アミノ酸改変を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまた
は組換えインフルエンザウイルスと比べて5倍∼20倍増加している、請求項70∼87
のいずれか一項に記載の方法。
40
【請求項97】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
ルスのピーク力価が、アミノ酸改変を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまた
は組換えインフルエンザウイルスと比べて5倍∼40倍増加している、請求項70∼87
のいずれか一項に記載の方法。
【請求項98】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約7.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項70∼
87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項99】
50
(10)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約8 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項70∼87
のいずれか一項に記載の方法。
【請求項100】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約8.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項70∼
87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約9 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項70∼87
10
のいずれか一項に記載の方法。
【請求項102】
請求項70∼101のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換え
インフルエンザウイルスを含む免疫原性組成物。
【請求項103】
請求項70∼101のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換え
インフルエンザウイルスを含むインフルエンザワクチン。
【請求項104】
請求項70∼101のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換え
インフルエンザウイルスを含む低温適応型であり、温度感受性の、弱毒化生インフルエン
20
ザワクチン。
【請求項105】
ヘマグルチニンポリペプチドが配列番号1の位置119または186のアミノ酸残基に
対応する位置に改変されたアミノ酸残基を含む、ヘマグルチニンポリペプチドを含む再集
合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項106】
前記改変されたアミノ酸残基が配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応する、請
求項105に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイル
ス。
【請求項107】
30
配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基がグルタミン酸(E)
となるように改変されている、請求項106に記載の再集合体インフルエンザウイルスま
たは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項108】
配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基がアスパラギン(N)
となるように改変されている、請求項106に記載の再集合体インフルエンザウイルスま
たは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項109】
前記改変されたアミノ酸残基が配列番号1の位置186のアミノ酸残基に対応する、請
求項105に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイル
40
ス。
【請求項110】
配列番号1の位置186のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基がアスパラギン酸(D
)となるように改変されている、請求項109に記載の再集合体インフルエンザウイルス
または組換えインフルエンザウイルス。
【請求項111】
配列番号1の位置119および186のアミノ酸残基に対応する位置に改変されたアミ
ノ酸残基を含む、請求項105に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えイ
ンフルエンザウイルス。
【請求項112】
50
(11)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
前記改変された配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基がグル
タミン酸(E)となるように改変され、かつ前記改変された配列番号1の位置186のア
ミノ酸残基に対応するアミノ酸残基がアスパラギン酸(D)となるように改変されている
、請求項111に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウ
イルス。
【請求項113】
前記改変された配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基がアス
パラギン(N)となるように改変され、かつ前記改変された配列番号1の位置186のア
ミノ酸残基に対応するアミノ酸残基がアスパラギン酸(D)となるように改変されている
、請求項111に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウ
10
イルス。
【請求項114】
前記ヘマグルチニンポリペプチドがH1ヘマグルチニンポリペプチドである、請求項1
05∼113のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えイン
フルエンザウイルス。
【請求項115】
前記ヘマグルチニンポリペプチドがブタインフルエンザウイルスのヘマグルチニンポリ
ペプチドである、請求項105∼113のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザ
ウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項116】
20
前記ヘマグルチニンポリペプチドが配列番号1のアミノ酸配列を含む、請求項105∼
115のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエ
ンザウイルス。
【請求項117】
前記ヘマグルチニンポリペプチドがD222Gおよび/またはQ223R置換をさらに
含む、請求項116に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエン
ザウイルス。
【請求項118】
A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A/レニングラード/13
4/17/57、およびA/レニングラード/17からなる群から選択されるウイルスの
30
少なくとも6つの内部ゲノムセグメントをさらに含む請求項105∼117のいずれか一
項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項119】
A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A/レニングラード/13
4/17/57、およびA/レニングラード/17からなる群から選択されるウイルスの
7つのゲノムセグメントをさらに含む請求項105∼117のいずれか一項に記載の再集
合体インフルエンザウイルス。
【請求項120】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、弱毒化
、低温適応型および温度感受性からなる群から選択される1以上の表現型特性を含む、請
40
求項105∼119のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換
えインフルエンザウイルス。
【請求項121】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、A/アナーバー/6/60、A/プエルトリ
コ/8/34、A/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/
17からなる群から選択されるウイルスの少なくとも6つの内部ゲノムセグメントを含む
、請求項120に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項122】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、A/アナーバー/6/60、A/プエルトリ
コ/8/34、A/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/
50
(12)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
17からなる群から選択されるウイルスの7つのゲノムセグメントを含む、請求項120
に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項123】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
ルスのピーク力価が、前記改変されたアミノ酸残基を含まない同じ再集合体インフルエン
ザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも2倍増大している、
請求項105∼122のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組
換えインフルエンザウイルス。
【請求項124】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
10
ルスのピーク力価が、前記改変されたアミノ酸残基を含まない同じ再集合体インフルエン
ザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも4倍増大している、
請求項105∼122のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組
換えインフルエンザウイルス。
【請求項125】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
ルスのピーク力価が、前記改変されたアミノ酸残基を含まない同じ再集合体インフルエン
ザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも8倍増大している、
請求項105∼122のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組
換えインフルエンザウイルス。
20
【請求項126】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
ルスのピーク力価が、前記改変されたアミノ酸残基を含まない同じ再集合体インフルエン
ザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも10倍増大している
、請求項105∼122のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは
組換えインフルエンザウイルス。
【請求項127】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
ルスのピーク力価が、前記改変されたアミノ酸残基を含まない同じ再集合体インフルエン
ザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも20倍増大している
30
、請求項105∼122のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは
組換えインフルエンザウイルス。
【請求項128】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
ルスのピーク力価が、前記改変されたアミノ酸残基を含まない同じ再集合体インフルエン
ザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて2倍∼10倍増大している、請
求項105∼122のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換
えインフルエンザウイルス。
【請求項129】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
40
ルスのピーク力価が、前記改変されたアミノ酸残基を含まない同じ再集合体インフルエン
ザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて2倍∼20倍増大している、請
求項105∼122のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換
えインフルエンザウイルス。
【請求項130】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
ルスのピーク力価が、前記改変されたアミノ酸残基を含まない同じ再集合体インフルエン
ザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて2倍∼40倍増大している、請
求項105∼122のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換
えインフルエンザウイルス。
50
(13)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
【請求項131】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
ルスのピーク力価が、前記改変されたアミノ酸残基を含まない同じ再集合体インフルエン
ザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて5倍∼20倍増大している、請
求項105∼122のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換
えインフルエンザウイルス。
【請求項132】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
ルスのピーク力価が、前記改変されたアミノ酸残基を含まない同じ再集合体インフルエン
ザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて5倍∼40倍増大している、請
10
求項105∼122のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換
えインフルエンザウイルス。
【請求項133】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約7.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項105
∼122のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフル
エンザウイルス。
【請求項134】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約8 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項105∼1
20
22のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエン
ザウイルス。
【請求項135】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約8.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項105
∼122のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフル
エンザウイルス。
【請求項136】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約9 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項105∼1
30
22のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエン
ザウイルス。
【請求項137】
請求項105∼136のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換
えインフルエンザウイルスを含む免疫原性組成物。
【請求項138】
請求項105∼136のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換
えインフルエンザウイルスを含むインフルエンザワクチン。
【請求項139】
請求項105∼136のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換
40
えインフルエンザウイルスを含む低温適応型であり、温度感受性の、弱毒化生インフルエ
ンザワクチン。
【請求項140】
アミノ酸EまたはNが位置119にあり、かつアミノ酸Dが位置186にあることを除
いて、配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするゲノムセグメントを含
む再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項141】
アミノ酸EまたはNが位置119にあり、かつアミノ酸Dが位置186にあることを除
いて、H1N1ブタインフルエンザウイルスのアミノ酸配列を含むポリペプチドをコード
するHAゲノムセグメントを含む再集合体インフルエンザウイルス。
50
(14)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
【請求項142】
非天然アミノ酸が位置119および位置186にあることを除いて、H1N1ブタイン
フルエンザウイルスのアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするHAゲノムセグメン
トを含む再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項143】
請求項28∼43のいずれか一項に記載の方法によって生成される前記再集合体インフ
ルエンザウイルスを含む免疫原性組成物。
【請求項144】
1以上の薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項143に記載の組成物。
【請求項145】
10
前記組成物が弱毒化生インフルエンザワクチンである、請求項143または144に記
載の組成物。
【請求項146】
ヘマグルチニンポリペプチドが、配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応する位
置または配列番号1の位置186のアミノ酸残基に対応する位置に非天然アミノ酸を含む
、ヘマグルチニンポリペプチドを含む再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えイン
フルエンザウイルス。
【請求項147】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応す
る位置または配列番号1の位置186のアミノ酸残基に対応する位置に非天然アミノ酸を
20
含む、請求項146に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエン
ザウイルス。
【請求項148】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応す
るアミノ酸残基におけるグルタミン酸(E)、配列番号1の位置119のアミノ酸残基に
対応するアミノ酸残基におけるアスパラギン(N)、および配列番号1の位置186のア
ミノ酸残基に対応するアミノ酸残基におけるアスパラギン酸(D)からなる群から選択さ
れる少なくとも1つの非天然アミノ酸を含む、請求項146に記載の再集合体インフルエ
ンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項149】
30
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応す
るアミノ酸残基におけるグルタミン酸(E)、および配列番号1の位置186のアミノ酸
残基に対応するアミノ酸残基におけるアスパラギン酸(D)を含む、請求項148に記載
の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項150】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応す
るアミノ酸残基におけるアスパラギン(N)、および配列番号1の位置186のアミノ酸
残基に対応するアミノ酸残基におけるアスパラギン酸(D)を含む、請求項148に記載
の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項151】
40
前記ヘマグルチニンポリペプチドがH1ヘマグルチニンポリペプチドである、請求項1
46∼150のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えイン
フルエンザウイルス。
【請求項152】
前記ヘマグルチニンポリペプチドがブタインフルエンザウイルスのヘマグルチニンポリ
ペプチドである、請求項146∼150のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザ
ウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項153】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、位置119および/または186にアミノ酸置換
を有する配列番号1のアミノ酸配列を含む、請求項146∼152のいずれか一項に記載
50
(15)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項154】
前記ヘマグルチニンポリペプチドがD222Gおよび/またはQ223R置換をさらに
含む、請求項153に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエン
ザウイルス。
【請求項155】
A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A/レニングラード/13
4/17/57、およびA/レニングラード/17からなる群から選択されるウイルスの
少なくとも6つの内部ゲノムセグメントをさらに含む請求項146∼154のいずれか一
項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
10
【請求項156】
A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A/レニングラード/13
4/17/57、およびA/レニングラード/17からなる群から選択されるウイルスの
7つのゲノムセグメントをさらに含む請求項146∼154のいずれか一項に記載の再集
合体インフルエンザウイルス。
【請求項157】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、弱毒化
、低温適応型および温度感受性からなる群から選択される1以上の表現型特性を含む、請
求項146∼156のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換
えインフルエンザウイルス。
20
【請求項158】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
ルスのピーク力価が、非天然のアミノ酸を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルス
または組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも2倍増大している、請求項14
6∼157のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフ
ルエンザウイルス。
【請求項159】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
ルスのピーク力価が、非天然のアミノ酸を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルス
または組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも4倍増大している、請求項14
30
6∼157のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフ
ルエンザウイルス。
【請求項160】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
ルスのピーク力価が、非天然のアミノ酸を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルス
または組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも8倍増大している、請求項14
6∼157のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフ
ルエンザウイルス。
【請求項161】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
40
ルスのピーク力価が、非天然のアミノ酸を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルス
または組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも10倍増大している、請求項1
46∼157のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えイン
フルエンザウイルス。
【請求項162】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
ルスのピーク力価が、非天然のアミノ酸を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルス
または組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも20倍増大している、請求項1
46∼157のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えイン
フルエンザウイルス。
50
(16)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
【請求項163】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
ルスのピーク力価が、非天然のアミノ酸を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルス
または組換えインフルエンザウイルスと比べて2倍∼10倍増大している、請求項146
∼157のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフル
エンザウイルス。
【請求項164】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
ルスのピーク力価が、非天然のアミノ酸を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルス
または組換えインフルエンザウイルスと比べて2倍∼20倍増大している、請求項146
10
∼157のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフル
エンザウイルス。
【請求項165】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
ルスのピーク力価が、非天然のアミノ酸を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルス
または組換えインフルエンザウイルスと比べて2倍∼40倍増大している、請求項146
∼157のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフル
エンザウイルス。
【請求項166】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
20
ルスのピーク力価が、非天然のアミノ酸を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルス
または組換えインフルエンザウイルスと比べて5倍∼20倍増大している、請求項146
∼157のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフル
エンザウイルス。
【請求項167】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
ルスのピーク力価が、非天然のアミノ酸を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルス
または組換えインフルエンザウイルスと比べて5倍∼40倍増大している、請求項146
∼157のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフル
エンザウイルス。
30
【請求項168】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約7.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項146
∼157のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフル
エンザウイルス。
【請求項169】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約8 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項146∼1
57のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエン
ザウイルス。
40
【請求項170】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約8.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項146
∼157のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフル
エンザウイルス。
【請求項171】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約9 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項146∼1
57のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエン
ザウイルス。
50
(17)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
【請求項172】
請求項146∼171のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換
えインフルエンザウイルスを含む免疫原性組成物。
【請求項173】
請求項146∼171のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換
えインフルエンザウイルスを含むインフルエンザワクチン。
【請求項174】
請求項146∼171のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換
えインフルエンザウイルスを含む低温適応型であり、温度感受性の、弱毒化生インフルエ
ンザワクチン。
10
【請求項175】
配列番号6のアミノ酸配列を含むヘマグルチニンポリペプチドを含む再集合体インフル
エンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項176】
配列番号6のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98
.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも
99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するア
ミノ酸配列を含むヘマグルチニンポリペプチドを含む再集合体インフルエンザウイルスま
たは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項177】
20
3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満
のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6のアミノ酸配列を含むヘマグルチニン
ポリペプチドを含む再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイル
ス。
【請求項178】
配列番号6の残基1∼327のアミノ酸配列を含むヘマグルチニンポリペプチドを含む
再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項179】
配列番号6の残基1∼327のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%
、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.
30
4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列
同一性を有するアミノ酸配列を含むヘマグルチニンポリペプチドを含む再集合体インフル
エンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項180】
3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満
のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6の残基1∼327のアミノ酸配列を含
むヘマグルチニンポリペプチドを含む再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えイン
フルエンザウイルス。
【請求項181】
A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A/レニングラード/13
40
4/17/57、およびA/レニングラード/17からなる群から選択されるウイルスの
少なくとも6つの内部ゲノムセグメントをさらに含む請求項175∼180のいずれか一
項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項182】
A/アナーバー/6/60の少なくとも6つの内部ゲノムセグメントをさらに含む請求
項175∼180のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換え
インフルエンザウイルス。
【請求項183】
A/プエルトリコ/8/34の少なくとも6つの内部ゲノムセグメントをさらに含む請
求項175∼180のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換
50
(18)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
えインフルエンザウイルス。
【請求項184】
A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A/レニングラード/13
4/17/57、およびA/レニングラード/17からなる群から選択されるウイルスの
7つのゲノムセグメントをさらに含む請求項175∼180のいずれか一項に記載の再集
合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項185】
A/アナーバー/6/60の7つのゲノムセグメントをさらに含む請求項175∼18
0のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザ
ウイルス。
10
【請求項186】
A/プエルトリコ/8/34の7つのゲノムセグメントをさらに含む請求項175∼1
80のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエン
ザウイルス。
【請求項187】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、弱毒化
、低温適応型および温度感受性からなる群から選択される1以上の表現型特性を含む、請
求項175∼186のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換
えインフルエンザウイルス。
【請求項188】
20
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約7.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項175
∼187のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフル
エンザウイルス。
【請求項189】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約8 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項175∼1
87のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエン
ザウイルス。
【請求項190】
30
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約8.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項175
∼187のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフル
エンザウイルス。
【請求項191】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約9 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項175∼1
87のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエン
ザウイルス。
【請求項192】
40
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約9.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項175
∼187のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフル
エンザウイルス。
【請求項193】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約10 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項175∼
187のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエ
ンザウイルス。
【請求項194】
50
(19)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
請求項175∼193のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換
えインフルエンザウイルスを含む免疫原性組成物。
【請求項195】
請求項175∼193のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換
えインフルエンザウイルスを含むインフルエンザワクチン。
【請求項196】
請求項175∼193のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換
えインフルエンザウイルスを含む低温適応型であり、温度感受性の、弱毒化生インフルエ
ンザワクチン
【請求項197】
10
ノイラミニダーゼポリペプチドをさらに含む請求項105∼196のいずれか一項に記
載の再集合体組換えインフルエンザウイルス。
【請求項198】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがブタインフルエンザウイルスノイラミニダーゼで
ある、請求項197に記載の再集合体組換えインフルエンザウイルス。
【請求項199】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがN1ノイラミニダーゼである、請求項197に記
載の再集合体組換えインフルエンザウイルス。
【請求項200】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドが配列番号4のアミノ酸配列を含む、請求項197
20
に記載の再集合体組換えインフルエンザウイルス。
【請求項201】
ドナーウイルスの6つの内部ゲノムセグメントと、ヘマグルチニンポリペプチドをコー
ドする第1のゲノムセグメントと、ノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲ
ノムセグメントとを含む再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウ
イルス。
【請求項202】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが前記配列番号6のアミノ酸配列を含む、請求項20
1に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項203】
30
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、前記配列番号6のアミノ酸配列との少なくとも9
5%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.
2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少な
くとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項201に記載の再集
合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項204】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、
20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6
のアミノ酸配列を含む、請求項201に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組
換えインフルエンザウイルス。
40
【請求項205】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが配列番号6の残基1∼327のアミノ酸配列を含む
、請求項201に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウ
イルス。
【請求項206】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、前記配列番号6の残基1∼327のアミノ酸配列
との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、
少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99
.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項2
01に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
50
(20)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
【請求項207】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、
20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6
の残基1∼327のアミノ酸配列を含む、請求項201に記載の再集合体インフルエンザ
ウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項208】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがブタインフルエンザウイルスノイラミニダーゼで
ある、請求項201∼207のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスま
たは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項209】
10
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがN1ノイラミニダーゼである、請求項201∼2
07のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエン
ザウイルス。
【請求項210】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドが配列番号4のアミノ酸配列を含む、請求項201
∼207のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフル
エンザウイルス。
【請求項211】
前記ドナーウイルスが、A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A
/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/17からなる群か
20
ら選択される、請求項201∼210のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウ
イルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項212】
前記ドナーウイルスがA/アナーバー/6/60である、請求項201∼210のいず
れか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス
。
【請求項213】
前記ドナーウイルスがA/プエルトリコ/8/34である、請求項201∼210のい
ずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイル
ス。
30
【請求項214】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、弱毒化
、低温適応型および温度感受性からなる群から選択される1以上の表現型特性を含む、請
求項201∼213のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換
えインフルエンザウイルス。
【請求項215】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約7.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項201
∼214のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフル
エンザウイルス。
40
【請求項216】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約8 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項201∼2
14のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエン
ザウイルス。
【請求項217】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約8.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項201
∼214のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフル
エンザウイルス。
50
(21)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
【請求項218】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約9 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項201∼2
14のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエン
ザウイルス。
【請求項219】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約9.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項201
∼214のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフル
エンザウイルス。
10
【請求項220】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約10 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項201∼
214のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエ
ンザウイルス。
【請求項221】
請求項201∼220のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換
えインフルエンザウイルスを含む免疫原性組成物。
【請求項222】
請求項201∼220のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換
20
えインフルエンザウイルスを含むインフルエンザワクチン。
【請求項223】
請求項201∼220のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換
えインフルエンザウイルスを含む低温適応型であり、温度感受性の、弱毒化生インフルエ
ンザワクチン。
【請求項224】
ドナーウイルスの6つの内部ゲノムセグメントと、ヘマグルチニンポリペプチドをコー
ドする第1のゲノムセグメントと、ノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲ
ノムセグメントとを含む、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザ
ウイルス。
30
【請求項225】
前記第1のゲノムセグメントが、配列番号7のヌクレオチド配列を含む、請求項224
に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項226】
前記第1のゲノムセグメントが、配列番号7の84∼1064のヌクレオチド配列を含
む、請求項224に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザ
ウイルス。
【請求項227】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがブタインフルエンザウイルスノイラミニダーゼで
ある、請求項224∼226のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスま
40
たは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項228】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがN1ノイラミニダーゼである、請求項224∼2
26のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエン
ザウイルス。
【請求項229】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドが配列番号4のアミノ酸配列を含む、請求項224
∼226のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフル
エンザウイルス。
【請求項230】
50
(22)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
前記第2のゲノムセグメントが配列番号5のヌクレオチド配列を含む、請求項224∼
226のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエ
ンザウイルス。
【請求項231】
前記ドナーウイルスが、A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A
/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/17からなる群か
ら選択される、請求項224∼230のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウ
イルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項232】
前記ドナーウイルスがA/アナーバー/6/60である、請求項224∼230のいず
10
れか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス
。
【請求項233】
前記ドナーウイルスがA/プエルトリコ/8/34である、請求項224∼230のい
ずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイル
ス。
【請求項234】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、弱毒化
、低温適応型および温度感受性からなる群から選択される1以上の表現型特性を含む、請
求項224∼233のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換
20
えインフルエンザウイルス。
【請求項235】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約7.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項224
∼234のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフル
エンザウイルス。
【請求項236】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約8 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項224∼2
34のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエン
30
ザウイルス。
【請求項237】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約8.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項224
∼234のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフル
エンザウイルス。
【請求項238】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約9 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項224∼2
34のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエン
40
ザウイルス。
【請求項239】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約9.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項224
∼234のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフル
エンザウイルス。
【請求項240】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵
中で少なくとも約10 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項224∼
234のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエ
50
(23)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
ンザウイルス。
【請求項241】
請求項224∼240のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換
えインフルエンザウイルスを含む免疫原性組成物。
【請求項242】
請求項224∼240のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換
えインフルエンザウイルスを含むインフルエンザワクチン。
【請求項243】
請求項224∼240のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換
えインフルエンザウイルスを含む低温適応型であり、温度感受性の、弱毒化生インフルエ
10
ンザワクチン。
【請求項244】
ウイルス感染を予防的または治療的に処置するために対象内でウイルス感染に対する免
疫原性応答を生じさせるのに有効な量の請求項14∼27または140∼142のいずれ
か一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項245】
前記対象が哺乳動物である、請求項244に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項246】
前記哺乳動物がヒトである、請求項245に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項247】
20
前記ウイルス感染がウイルス性インフルエンザ感染である、請求項244∼246のい
ずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項248】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、インビボで前記対象にまたはインビトロもし
くはエクスビボで前記対象の1つもしくは複数の細胞に投与されることになっている、請
求項244∼247のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項249】
前記再集合体インフルエンザウイルスと薬学的に許容される賦形剤とを含む組成物が、
前記ウイルス感染を予防的にまたは治療的に処置するのに有効な量で前記対象に投与され
る、請求項244∼248のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
30
【請求項250】
ウイルス感染を予防的または治療的に処置するために対象内でウイルス感染に対する免
疫原性応答を生じさせるのに有効な量の請求項105∼136、146∼171、175
∼193、197∼220または224∼240のいずれか一項に記載の再集合体インフ
ルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項251】
前記対象が哺乳動物である、請求項250に記載の再集合体インフルエンザウイルスま
たは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項252】
前記哺乳動物がヒトである、請求項251に記載の再集合体インフルエンザウイルスま
40
たは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項253】
前記ウイルス感染がウイルス性インフルエンザ感染である、請求項250∼252のい
ずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイル
ス。
【請求項254】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、インビボで前記対象にまたはインビトロもし
くはエクスビボで前記対象の1つもしくは複数の細胞に投与されることになっている、請
求項250∼253のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換
えインフルエンザウイルス。
50
(24)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
【請求項255】
前記再集合体インフルエンザウイルスと薬学的に許容される賦形剤とを含む組成物が、
前記ウイルス感染を予防的にまたは治療的に処置するのに有効な量で前記対象に投与され
る、請求項250∼254のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまた
は組換えインフルエンザウイルス。
【請求項256】
対象におけるウイルス感染の予防的または治療的処置方法であって、前記対象に、前記
ウイルス感染に対する免疫原性応答を生じさせるのに有効な量の請求項14∼27または
140∼142のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスを投与すること
を含む、方法。
10
【請求項257】
前記対象が哺乳動物である、請求項256に記載の方法。
【請求項258】
前記哺乳動物がヒトである、請求項257に記載の方法。
【請求項259】
前記ウイルス感染がウイルス性インフルエンザ感染である、請求項256∼258のい
ずれか一項に記載の方法。
【請求項260】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、インビボで前記対象にまたはインビトロもし
くはエクスビボで前記対象の1つもしくは複数の細胞に投与される、請求項256∼25
20
9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項261】
前記再集合体インフルエンザウイルスと薬学的に許容される賦形剤とを含む組成物が、
前記ウイルス感染を予防的にまたは治療的に処置するのに有効な量で前記対象に投与され
る、請求項256∼260のいずれか一項に記載の方法。
【請求項262】
対象におけるウイルス感染の予防的または治療的処置方法であって、前記対象に、前記
ウイルス感染に対する免疫原性応答を生じさせるのに有効な量の請求項105∼136、
146∼171、175∼193、197∼220または224∼240のいずれか一項
に記載の再集合体インフルエンザウイルスを投与することを含む、方法。
30
【請求項263】
前記対象が哺乳動物である、請求項262に記載の方法。
【請求項264】
前記哺乳動物がヒトである、請求項263に記載の方法。
【請求項265】
前記ウイルス感染がウイルス性インフルエンザ感染である、請求項262∼264のい
ずれか一項に記載の方法。
【請求項266】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、インビボで前記対象にまたはインビトロもし
くはエクスビボで前記対象の1つもしくは複数の細胞に投与される、請求項262∼26
40
5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項267】
前記再集合体インフルエンザウイルスと薬学的に許容される賦形剤とを含む組成物が、
前記ウイルス感染を予防的にまたは治療的に処置するのに有効な量で前記対象に投与され
る、請求項262∼266のいずれか一項に記載の方法。
【請求項268】
細胞培養物中で再集合体インフルエンザウイルスを生成する方法であって、
a) インフルエンザウイルスゲノムを含む複数のベクターを、宿主細胞の集団に導入す
ること、ここで、複数のベクターは、第1のインフルエンザ株の6つの内部ゲノムセグメ
ント、ヘマグルチニンポリペプチドをコードする第1のゲノムセグメントおよびノイラミ
50
(25)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
ニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントを含み、かつ宿主細胞の集団
は、インフルエンザウイルスの複製を支持することができる、と
b) 前記宿主細胞の集団を培養することと
c) 複数の再集合体インフルエンザウイルスを回収することと
を含む方法。
【請求項269】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが配列番号6のアミノ酸配列を含む、請求項268に
記載の方法。
【請求項270】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、配列番号6のアミノ酸配列との少なくとも95%
10
、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%
、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくと
も99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項268に記載の方法。
【請求項271】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、
20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6
のアミノ酸配列を含む、請求項268に記載の方法。
【請求項272】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが配列番号6の残基1∼327のアミノ酸配列を含む
、請求項268に記載の方法。
20
【請求項273】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、配列番号6の残基1∼327のアミノ酸配列との
少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少な
くとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8
%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項268
に記載の方法。
【請求項274】
3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満
のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6の残基1∼327のアミノ酸配列を含
む、請求項268に記載の方法。
30
【請求項275】
前記第1のゲノムセグメントが、配列番号7のヌクレオチド配列を含む、請求項268
に記載の方法。
【請求項276】
前記第1のゲノムセグメントが前記配列番号7の84∼1064のヌクレオチド配列を
含む、請求項268に記載の方法。
【請求項277】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがブタインフルエンザウイルスノイラミニダーゼで
ある、請求項268∼276のいずれか一項に記載の方法。
【請求項278】
40
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがN1ノイラミニダーゼである、請求項268∼2
76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項279】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドが配列番号4のアミノ酸配列を含む、請求項268
∼276のいずれか一項に記載の方法。
【請求項280】
前記第2のゲノムセグメントが配列番号5のヌクレオチド配列を含む、請求項268∼
276のいずれか一項に記載の方法。
【請求項281】
前記第1のインフルエンザウイルス株が、弱毒化、低温適応型および温度感受性からな
50
(26)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
る群から選択される1以上の表現型特性を含む、請求項268∼280のいずれか一項に
記載の方法。
【請求項282】
前記第1のインフルエンザ株が、A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/
34、A/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/17から
なる群から選択される、請求項268∼281のいずれか一項に記載の方法。
【請求項283】
前記第1のインフルエンザ株がA/アナーバー/6/60である、請求項268∼28
1のいずれか一項に記載の方法。
【請求項284】
10
前記第1のインフルエンザ株がA/プエルトリコ/8/34である、請求項268∼2
81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項285】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、鼻腔内ワクチン製剤での投与に好適である、
請求項268∼284のいずれか一項に記載の方法。
【請求項286】
前記インフルエンザウイルスゲノムを含む複数のベクターがA型インフルエンザウイル
スゲノムを含む、請求項268∼285のいずれか一項に記載の方法。
【請求項287】
前記複数のベクターが複数のプラスミドベクターである、請求項268∼286のいず
20
れか一項に記載の方法。
【請求項288】
前記宿主細胞の集団が、Vero細胞、PerC6細胞、MDCK細胞、293T細胞
、またはCOS細胞のうちの1つまたは複数を含む、請求項268∼287のいずれか一
項に記載の方法。
【請求項289】
ヘルパーウイルスの使用を含まない、請求項268∼288のいずれか一項に記載の方
法。
【請求項290】
前記複数のベクターが8つのベクターからなる、請求項268∼289のいずれか一項
30
に記載の方法。
【請求項291】
再集合体インフルエンザウイルスワクチンを生成する方法であって、
a) インフルエンザウイルスゲノムを含む複数のベクターを、宿主細胞の集団に導入す
ること、ここで、複数のベクターは、第1のインフルエンザ株の6つの内部ゲノムセグメ
ント、ヘマグルチニンポリペプチドをコードする第1のゲノムセグメントおよびノイラミ
ニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントを含み、かつ宿主細胞の集団
は、インフルエンザウイルスの複製を支持することができる、と
b) 前記宿主細胞の集団を培養することと
c) 複数の再集合体インフルエンザウイルスを回収することと
40
d) 1以上の薬学的に許容される賦形剤を提供することと
を含む方法。
【請求項292】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが配列番号6のアミノ酸配列を含む、請求項291に
記載の方法。
【請求項293】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、配列番号6のアミノ酸配列との少なくとも95%
、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%
、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくと
も99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項291に記載の方法。
50
(27)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
【請求項294】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、
20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6
のアミノ酸配列を含む、請求項291に記載の方法。
【請求項295】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが配列番号6の残基1∼327のアミノ酸配列を含む
、請求項291に記載の方法。
【請求項296】
前記配列番号6の残基1∼327のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも9
8%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも9
10
9.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の
配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項291に記載の方法。
【請求項297】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、
20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6
の残基1∼327のアミノ酸配列を含む、請求項291に記載の方法。
【請求項298】
前記第1のゲノムセグメントが配列番号7のヌクレオチド配列を含む、請求項291に
記載の方法。
【請求項299】
20
前記第1のゲノムセグメントが配列番号7の84∼1064のヌクレオチド配列を含む
、請求項291に記載の方法。
【請求項300】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがブタインフルエンザウイルスノイラミニダーゼで
ある、請求項291∼299のいずれか一項に記載の方法。
【請求項301】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがN1ノイラミニダーゼである、請求項291∼2
99のいずれか一項に記載の方法。
【請求項302】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドが配列番号4のアミノ酸配列を含む、請求項291
30
∼299のいずれか一項に記載の方法。
【請求項303】
前記第2のゲノムセグメントが配列番号5のヌクレオチド配列を含む、請求項291∼
299のいずれか一項に記載の方法。
【請求項304】
前記第1のインフルエンザウイルス株が、弱毒化、低温適応型および温度感受性からな
る群から選択される1以上の表現型特性を含む、請求項291∼303のいずれか一項に
記載の方法。
【請求項305】
前記第1のインフルエンザ株が、A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/
40
34、A/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/17から
なる群から選択される、請求項291∼304のいずれか一項に記載の方法。
【請求項306】
前記第1のインフルエンザ株がA/アナーバー/6/60である、請求項291∼30
4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項307】
前記第1のインフルエンザ株がA/プエルトリコ/8/34である、請求項291∼3
04のいずれか一項に記載の方法。
【請求項308】
前記再集合体インフルエンザウイルスが鼻腔内ワクチン製剤での投与に好適である、請
50
(28)
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求項291∼307のいずれか一項に記載の方法。
【請求項309】
前記インフルエンザウイルスゲノムを含む複数のベクターがA型インフルエンザウイル
スゲノムを含む、請求項291∼308のいずれか一項に記載の方法。
【請求項310】
前記複数のベクターが複数のプラスミドベクターである、請求項291∼309のいず
れか一項に記載の方法。
【請求項311】
前記宿主細胞の集団が、Vero細胞、PerC6細胞、MDCK細胞、293T細胞
、またはCOS細胞のうちの1つまたは複数を含む、請求項291∼310のいずれか一
10
項に記載の方法。
【請求項312】
前記方法がヘルパーウイルスの使用を含まない、請求項291∼311のいずれか一項
に記載の方法。
【請求項313】
前記複数のベクターが8つのベクターからなる、請求項291∼312のいずれか一項
に記載の方法。
【請求項314】
ポリペプチドが、
a) 配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
20
b) H273Yアミノ酸置換を含む配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
c) 配列番号8のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
d) (a)∼(c)のいずれか1つのポリペプチドのアミノ酸配列との少なくとも95
%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2
%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なく
とも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチド;および
e) 3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個
未満のアミノ酸残基が置換、欠失または挿入された(a)∼(c)のいずれか1つのポリ
ペプチドのアミノ酸配列を含むポリペプチド
からなる群から選択される、単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチド。
30
【請求項315】
前記ポリペプチドが免疫原性である、請求項314に記載の単離されたポリペプチドま
たは組換えポリペプチド。
【請求項316】
請求項314に記載の単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチドを含む滅菌組
成物。
【請求項317】
請求項314に記載の単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチドに特異的な抗
体。
【請求項318】
40
免疫学的有効量の請求項314に記載の単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプ
チドを含む免疫原性組成物。
【請求項319】
請求項314に記載の単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチドをコードする
核酸を含む再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項320】
請求項314に記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む単離された核
酸または組換え核酸。
【請求項321】
前記核酸がDNAである、請求項320に記載の単離された核酸または組換え核酸。
50
(29)
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【請求項322】
前記核酸がRNAである、請求項320に記載の単離された核酸または組換え核酸。
【請求項323】
前記ポリヌクレオチドが免疫原性ポリペプチドをコードする、請求項320に記載の単
離された核酸または組換え核酸。
【請求項324】
請求項320に記載の単離された核酸または組換え核酸を含む組成物。
【請求項325】
免疫学的有効量の請求項320に記載の単離された核酸または組換え核酸を含む免疫原
性組成物。
10
【請求項326】
請求項320に記載の核酸を含む再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項327】
請求項321に記載の核酸を含む再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項328】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、1以上のドナーウイルス由来の6つの内部ゲ
ノムセグメントと、請求項314に記載のポリペプチドをコードする第1のゲノムセグメ
ントと、ノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントとを含む6
:2再集合体ウイルスである、再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項329】
20
前記再集合体インフルエンザウイルスが、請求項314に記載のポリペプチドをコード
する第1のゲノムセグメントを含み、かつ1以上のドナーウイルス由来の6つの内部ゲノ
ムセグメントとノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントとを
さらに含む7:1再集合体ウイルスである、再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項330】
前記ドナーウイルスが、弱毒化、低温適応型および温度感受性からなる群から選択され
る1以上の表現型特性を含む、請求項3146または17に記載の再集合体インフルエン
ザウイルス。
【請求項331】
前記ドナーウイルスが、A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A
30
/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/17からなる群か
ら選択される、請求項328∼330のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウ
イルス。
【請求項332】
前記ウイルスが生ウイルスである、請求項328∼331のいずれか一項に記載の再集
合体インフルエンザウイルス。
【請求項333】
前記第1のゲノムセグメントが、配列番号8のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコー
ドする、請求項328∼332のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス
。
40
【請求項334】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがブタインフルエンザウイルスノイラミニダーゼで
ある、請求項328∼333のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項335】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがN1ノイラミニダーゼである、請求項328∼3
33のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項336】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドが配列番号4のアミノ酸配列を含む、請求項328
∼333のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項337】
50
(30)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
細胞培養物中で再集合体インフルエンザウイルスを生成するための方法であって、
a) インフルエンザウイルスゲノムを含む複数のベクターを、宿主細胞の集団に導入す
ること、ここで、複数のベクターは、第1のインフルエンザ株の6つの内部ゲノムセグメ
ント、請求項314に記載のポリペプチドをコードする第1のゲノムセグメントおよびノ
イラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントを含み、かつ宿主細胞
の集団は、インフルエンザウイルスの複製を支持することができる、と
b) 前記宿主細胞の集団を培養することと
c) 複数の再集合体インフルエンザウイルスを回収することと
を含む方法。
【請求項338】
10
請求項314に記載の単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチドを含む免疫原
性組成物。
【請求項339】
請求項328∼336のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスを含む
免疫原性組成物。
【請求項340】
再集合体インフルエンザウイルスワクチンを生成する方法であって、
a) インフルエンザウイルスゲノムを含む複数のベクターを、宿主細胞の集団に導入す
ること、ここで、複数のベクターは、第1のインフルエンザ株の少なくとも6つの内部ゲ
ノムセグメント、請求項314に記載のポリペプチドをコードする第1のゲノムセグメン
20
トおよびノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントを含み、か
つ宿主細胞の集団は、インフルエンザウイルスの複製を支持することができる、と
b) 前記宿主細胞の集団を培養することと
c) 複数の再集合体インフルエンザウイルスを回収することと
d) 1以上の薬学的に許容される賦形剤を提供することと
を含む方法。
【請求項341】
前記ウイルス感染を予防的または治療的に処置するために対象内でウイルス感染に対す
る免疫原性応答を生じさせるのに有効な量の、請求項314に記載のポリペプチドを含む
再集合体インフルエンザウイルス。
【発明の詳細な説明】
30
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下、2009年6月25日に出願された米国
仮特許出願第61/220,426号;2009年7月23日に出願された同第61/2
27,986号;2009年8月14日に出願された同第61/234,021号;およ
び2009年11月6日に出願された同第61/258,890号の恩典を主張する。こ
れらの出願の各々は、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【背景技術】
40
【0002】
2009年4月のヒトにおけるブタ起源のA型インフルエンザ(H1N1)ウイルスの
世界的な広がりは、ここ41年で初めてのインフルエンザパンデミックとなった。200
9年6月15日の時点で35,000人を超える人々がこの新規のH1N1ウイルスに感
染した。前世紀に、H1N1インフルエンザウイルスは、深刻な1918∼19年のパン
デミックも引き起こした。さらに、ブタ由来のH1N1ウイルスは、1976年にパンデ
ミック寸前にまで行った。1918年のインフルエンザウイルスは、1918年の春に軽
い感染、そして、その年の秋には世界規模で致死的な高まりを生み、世界中で5000万
人もの人々を死亡させた。2009年のブタ起源のH1N1インフルエンザウイルスは、
2009年の初めには軽いとみなされたが、このウイルスが、2009年の秋までに突然
50
(31)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
変異し、より毒性が強くなる可能性が存在する。それゆえ、2009年のH1N1ウイル
スによって引き起こされる深刻なパンデミックを予防するために有効なワクチンを開発す
る差し迫った必要性がある。
【0003】
生ワクチンと死菌ワクチンの両方のワクチン開発に有用な6:2再集合体インフルエン
ザウイルス(ブタ起源のA型インフルエンザ(H1N1)ウイルスのHAおよびNAセグ
メントと弱毒化インフルエンザウイルスの「バックボーン」セグメントとを有する)が単
離されているが、これまでに単離されたほとんどの株は、卵の中で低い力価を示す。同じ
単離株はMDCK細胞に感染しにくく、また、CPEに乏しい小さいプラークを形成する
。さらに、ウイルスの濾過後に、ウイルス効力の深刻な喪失が観察される。したがって、
10
当初単離されたH1N1再集合体インフルエンザウイルス株は、ワクチン株の開発には不
十分な候補である。
【0004】
本発明は、多くの種類のワクチンの生成に、および研究、診断などに使用することがで
きる新しいおよび/または新しく単離されたブタインフルエンザH1ヘマグルチニン変異
体を提供する。本発明はさらに、H1インフルエンザウイルスの複製効率を改善する方法
を提供する。以下を検討することにより、数々の他の利益が明らかになるであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
20
本明細書に記載されたように、H1N1ワクチンの開発において使用するのに好適な6
:2再集合体インフルエンザ株は、リバースジェネティックスによって作製された。当初
単離された、卵の中であまり増殖しない、野生型HAおよびNAゲノムセグメントを含む
再集合体ウイルスは、卵の中でのその増殖が大きく改善されるように修飾された。修飾さ
れた再集合体ウイルスの配列解析から、H1ブタヘマグルチニンの位置119、153、
154および186におけるアミノ酸変化が、卵およびMDCK細胞における増殖優位性
に関与することが示された。ブタ1976年型ウイルスの複製を増大させることが以前に
示されたHA残基155におけるアミノ酸置換も、卵の中での再集合体A/CA/7/0
9ウイルス複製を増大させることが分かった。HA残基119および186におけるアミ
ノ酸変化を有するウイルスは、ウイルスの抗原性をそれほど変化させずに卵での増殖を増
30
大させた。本明細書に記載のH1 HA変異体は、PR8またはA/アナーバー/6/6
0ウイルス株の6つの内部ゲノムセグメントを含む6:2再集合体ウイルスに増大した増
殖表現型を付与した。さらに、ca A/アナーバー/6/60バックボーンとHA残基
119または186におけるアミノ酸置換を有するH1 HA変異体とを含む変異体ウイ
ルスは、弱毒化されており、かつフェレットにおいて極めて免疫原性であった。これらの
データは、HA残基119および/または186におけるアミノ酸置換を含む再集合体イ
ンフルエンザウイルス変異体がヒトで使用されるH1N1ブタインフルエンザワクチンの
開発に好適であることを示している。
【図面の簡単な説明】
【0006】
40
【図1A】MDCK細胞から選択された変異体および導入されたアミノ酸変化を含む示さ
れた変異体のプラーク形態(A)。33℃で4日間インキュベートし、A型インフルエン
ザウイルスに対するポリクローナル抗血清で免疫染色したMDCK細胞でプラークアッセ
イを行なった。パネルBでは、二重突然変異体V5−119E/186Dのプラーク形態
が、単一の119Eおよび186D突然変異体と比較されている。
【図1B】MDCK細胞から選択された変異体および導入されたアミノ酸変化を含む示さ
れた変異体のプラーク形態(A)。33℃で4日間インキュベートし、A型インフルエン
ザウイルスに対するポリクローナル抗血清で免疫染色したMDCK細胞でプラークアッセ
イを行なった。パネルBでは、二重突然変異体V5−119E/186Dのプラーク形態
が、単一の119Eおよび186D突然変異体と比較されている。
50
(32)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
【図2】A/カリフォルニア/7/09、A/ブタ/アイオワ/1/1976(ヌクレオ
チド配列アクセッションコードCY022069)、A/ブタ/1931(ヌクレオチド
配列アクセッションコードCY009628)、およびA/サウスダコタ/6/07のH
A1タンパク質配列の比較。位置119、153、154、155、186および278
のアミノ酸が強調されている。
【図3A】孵化卵から精製されたウイルス調製物のタンパク質組成。
【図3B】孵化卵から精製されたウイルス調製物のタンパク質組成。
【図4】孵化卵から精製されたウイルス調製物のタンパク質組成。
【図5A】(A)48時間および(B)60時間で孵化卵から回収された精製ウイルス調
製物のタンパク質組成。
10
【図5B】(A)48時間および(B)60時間で孵化卵から回収された精製ウイルス調
製物のタンパク質組成。
【図6】孵化卵中で2種の再集合体H1N1ウイルスによって生成されたHA1タンパク
質の量的比較。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、インフルエンザヘマグルチニンのポリペプチド配列およびポリヌクレオチド
配列ならびにそのような配列を含むベクター、ウイルス、ワクチン、組成物などならびに
それらの使用法を含む。本発明のさらなる特徴は、本明細書でより詳細に記載されている
。
20
【0008】
いくつかの態様では、本発明は、単離されたヘマグルチニンポリペプチドまたは組換え
ヘマグルチニンポリペプチドを提供する。一実施形態では、本発明の単離されたHAポリ
ペプチドまたは組換えHAポリペプチドは、H1 HAポリペプチドである。別の実施形
態では、本発明の単離されたHAポリペプチドまたは組換えHAポリペプチドは、ブタイ
ンフルエンザHAポリペプチドであり得る。
【0009】
一実施形態では、本発明の単離されたHAポリペプチドまたは組換えHAポリペプチド
は、配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応する位置または配列番号1の位置18
6のアミノ酸残基に対応する位置に非天然のアミノ酸を含み得る。別の実施形態では、本
30
発明の単離されたHAポリペプチドまたは組換えHAポリペプチドは、配列番号1の位置
119のアミノ酸残基に対応する位置および配列番号1の位置186のアミノ酸残基に対
応する位置に非天然のアミノ酸を含み得る。さらなる実施形態では、本発明の単離された
HAポリペプチドまたは組換えHAポリペプチドは、K119E、K119NおよびA1
86Dからなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む。
【0010】
特定の実施形態では、本発明の単離されたHAポリペプチドまたは組換えHAポリペプ
チドは、K119E、K119NおよびA186Dからなる群から選択される少なくとも
1つのアミノ酸置換を含む配列番号1のアミノ酸配列を含む。別の特定の実施形態では、
本発明の単離されたHAポリペプチドまたは組換えHAポリペプチドは、配列番号1の位
40
置119のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基におけるグルタミン酸(E)と、配列番
号1の位置186のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基におけるアスパラギン酸(D)
とを含み得る。さらなる特定の実施形態では、本発明の単離されたHAポリペプチドまた
は組換えHAポリペプチドは、配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応するアミノ
酸残基におけるアスパラギン(N)と、配列番号1の位置186のアミノ酸残基に対応す
るアミノ酸残基におけるアスパラギン酸(D)とを含み得る。
【0011】
さらなる実施形態では、本発明の単離されたHAポリペプチドまたは組換えHAポリペ
プチドは、H273Y置換をさらに含み得る。
【0012】
50
(33)
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さらなる実施形態では、本発明の単離されたHAポリペプチドまたは組換えHAポリペ
プチドは、D222Gおよび/またはQ223R置換をさらに含み得る。
【0013】
特定の実施形態では、本発明のHAポリペプチドは配列番号6または8のアミノ酸配列
を含む。別の実施形態では、本発明のHAポリペプチドは、配列番号6または8のアミノ
酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも9
9%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくと
も99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。さ
らなる実施形態では、本発明のHAポリペプチドは、3個未満、5個未満、10個未満、
15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含
10
む配列番号6または8のアミノ酸配列を含む。
【0014】
特定の実施形態では、本発明のHAポリペプチドは、配列番号6または8の残基1∼3
27のアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、本発明のHAポリペプチドは、配列番号
6または8の残基1∼327のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、
少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4
%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同
一性を有するアミノ酸配列を含む。さらなる実施形態では、本発明のHAポリペプチドは
、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満
のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6または8の残基1∼327のアミノ酸
20
配列を含む。
【0015】
本発明はまた、本発明のポリペプチドをコードする核酸と、そのような本発明のポリペ
プチドおよび/または核酸を含む再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフル
エンザウイルスとを包含する。
【0016】
特定の実施形態では、本発明の核酸は、配列番号7のヌクレオチド配列を含む。別の実
施形態では、本発明の核酸は、配列番号7のヌクレオチド配列との少なくとも95%、少
なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少
なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも9
30
9.9%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。さらなる実施形態では、本発明
の核酸は、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、3
0個未満のヌクレオチド置換、欠失または挿入を含む配列番号7のヌクレオチド配列を含
む。
【0017】
特定の実施形態では、本発明の核酸は、配列番号7の残基84∼1064のヌクレオチ
ド配列を含む。別の実施形態では、本発明の核酸は、配列番号7の84∼1064のヌク
レオチド配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なく
とも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少
なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するヌクレオチド配列
40
を含む。さらなる実施形態では、本発明の核酸は、3個未満、5個未満、10個未満、1
5個未満、20個未満、25個未満、30個未満のヌクレオチド置換、欠失または挿入を
含む配列番号7の84∼1064のヌクレオチド配列を含む。
【0018】
一実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエン
ザウイルスは、A/アナーバー/6/60由来の6つの内部ゲノムセグメントと、第1の
配列番号6または8のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードするゲノムセグメン
トと、ノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントとを含む。特
定の実施形態では、第1のゲノムセグメントは、配列番号6または8のアミノ酸配列との
少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少な
50
(34)
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くとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8
%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHAポリペプチ
ドをコードし得る。特定の実施形態では、第1のゲノムセグメントは、3個未満、5個未
満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠
失または挿入を含む配列番号6または8のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコード
し得る。特定の実施形態では、第2のゲノムセグメントは、配列番号5のヌクレオチド配
列を含む。特定の実施形態では、ノイラミニダーゼポリペプチドは、配列番号4のアミノ
酸配列を含む。特定の実施形態では、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えイン
フルエンザウイルスは、孵化卵中で少なくとも約7.5 log10 PFU/ml、少
なくとも約8 log10 PFU/ml、少なくとも約8.5 log10 PFU/
10
ml、少なくとも約9 log10 PFU/ml、少なくとも約9.5 log10 PFU/ml、少なくとも約10 log10 PFU/ml、少なくとも約10.5 log10 PFU/mlまたは少なくとも約11 log10 PFU/mlという力
価まで増殖する。特定の実施形態では、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えイ
ンフルエンザウイルスは、組織培養物中で少なくとも約7.5 log10 PFU/m
l、少なくとも約8 log10 PFU/ml、少なくとも約8.5 log10 P
FU/ml、少なくとも約9 log10 PFU/ml、少なくとも約9.5 log
10 PFU/ml、少なくとも約10 log10 PFU/ml、少なくとも約10
.5 log10 PFU/mlまたは少なくとも約11 log10 PFU/mlと
いう力価まで増殖する。
20
【0019】
別の実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエ
ンザウイルスは、A/アナーバー/6/60由来の6つの内部ゲノムセグメントと、配列
番号6または8の残基1∼327のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードする第
1のゲノムセグメントと、ノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグ
メントとを含む。特定の実施形態では、第1のゲノムセグメントは、配列番号6の残基1
∼327のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5
%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99
.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ
酸配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。特定の実施形態では、第1のゲノムセグ
30
メントは、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、3
0個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6または8の残基1∼327の
アミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。特定の実施形態では、第2のゲノ
ムセグメントは、配列番号5のヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、ノイラミ
ニダーゼポリペプチドは、配列番号4のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、再集
合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、孵化卵中で少なく
とも約7.5 log10 PFU/ml、少なくとも約8 log10 PFU/ml
、少なくとも約8.5 log10 PFU/ml、少なくとも約9 log10 PF
U/ml、少なくとも約9.5 log10 PFU/ml、少なくとも約10 log
10 PFU/ml、少なくとも約10.5 log10 PFU/mlまたは少なくと
40
も約11 log10 PFU/mlという力価まで増殖する。特定の実施形態では、再
集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、組織培養物中で
少なくとも約7.5 log10 PFU/ml、少なくとも約8 log10 PFU
/ml、少なくとも約8.5 log10 PFU/ml、少なくとも約9 log10
PFU/ml、少なくとも約9.5 log10 PFU/ml、少なくとも約10 log10 PFU/ml、少なくとも約10.5 log10 PFU/mlまたは少
なくとも約11 log10 PFU/mlという力価まで増殖する。
【0020】
一実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエン
ザウイルスは、A/プエルトリコ/8/34由来の6つの内部ゲノムセグメントと、第1
50
(35)
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の配列番号6または8のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードするゲノムセグメ
ントと、ノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントとを含む。
特定の実施形態では、第1のゲノムセグメントは、配列番号6または8のアミノ酸配列と
の少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少
なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.
8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHAポリペプ
チドをコードし得る。特定の実施形態では、第1のゲノムセグメントは、3個未満、5個
未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、
欠失または挿入を含む配列番号6または8のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコー
ドし得る。特定の実施形態では、第2のゲノムセグメントは、配列番号5のヌクレオチド
10
配列を含む。特定の実施形態では、ノイラミニダーゼポリペプチドは、配列番号4のアミ
ノ酸配列を含む。特定の実施形態では、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えイ
ンフルエンザウイルスは、孵化卵中で少なくとも約7.5 log10 PFU/ml、
少なくとも約8 log10 PFU/ml、少なくとも約8.5 log10 PFU
/ml、少なくとも約9 log10 PFU/ml、少なくとも約9.5 log10
PFU/ml、少なくとも約10 log10 PFU/ml、少なくとも約10.5
log10 PFU/mlまたは少なくとも約11 log10 PFU/mlという
力価まで増殖する。特定の実施形態では、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換え
インフルエンザウイルスは、組織培養物中で少なくとも約7.5 log10 PFU/
ml、少なくとも約8 log10 PFU/ml、少なくとも約8.5 log10 20
PFU/ml、少なくとも約9 log10 PFU/ml、少なくとも約9.5 lo
g10 PFU/ml、少なくとも約10 log10 PFU/ml、少なくとも約1
0.5 log10 PFU/mlまたは少なくとも約11 log10 PFU/ml
という力価まで増殖する。
【0021】
別の実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエ
ンザウイルスは、A/プエルトリコ/8/34由来の6つの内部ゲノムセグメントと、配
列番号6または8の残基1∼327のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードする
第1のゲノムセグメントと、ノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセ
グメントとを含む。特定の実施形態では、第1のゲノムセグメントは、配列番号6または
30
8の残基1∼327のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくと
も98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少な
くとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有
するアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。特定の実施形態では、第1の
ゲノムセグメントは、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25
個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6または8の残基1
∼327のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。特定の実施形態では、
第2のゲノムセグメントは、配列番号5のヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では
、ノイラミニダーゼポリペプチドは、配列番号4のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態
では、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、孵化卵
40
中で少なくとも約7.5 log10 PFU/ml、少なくとも約8 log10 P
FU/ml、少なくとも約8.5 log10 PFU/ml、少なくとも約9 log
10 PFU/ml、少なくとも約9.5 log10 PFU/ml、少なくとも約1
0 log10 PFU/ml、少なくとも約10.5 log10 PFU/mlまた
は少なくとも約11 log10 PFU/mlという力価まで増殖する。特定の実施形
態では、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、組織
培養物中で少なくとも約7.5 log10 PFU/ml、少なくとも約8 log1
0 PFU/ml、少なくとも約8.5 log10 PFU/ml、少なくとも約9 log10 PFU/ml、少なくとも約9.5 log10 PFU/ml、少なくと
も約10 log10 PFU/ml、少なくとも約10.5 log10 PFU/m
50
(36)
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lまたは少なくとも約11 log10 PFU/mlという力価まで増殖する。
【0022】
一実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエン
ザウイルスは、A/アナーバー/6/60由来の6つの内部ゲノムセグメントと、配列番
号7のヌクレオチド配列を含む第1のゲノムセグメントと、ノイラミニダーゼポリペプチ
ドをコードする第2のゲノムセグメントとを含む。別の実施形態では、本発明の再集合体
インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、A/アナーバー/6/
60由来の6つの内部ゲノムセグメントと、配列番号7の残基84∼1064のヌクレオ
チド配列を含む第1のゲノムセグメントと、ノイラミニダーゼポリペプチドをコードする
第2のゲノムセグメントとを含む。さらなる実施形態では、本発明の再集合体インフルエ
10
ンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、A/プエルトリコ/8/34由来
の6つの内部ゲノムセグメントと、配列番号7のヌクレオチド配列を含む第1のゲノムセ
グメントと、ノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントとを含
む。別の実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフル
エンザウイルスは、A/プエルトリコ/8/34由来の6つの内部ゲノムセグメントと、
配列番号7の残基84∼1064のヌクレオチド配列を含む第1のゲノムセグメントと、
ノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントとを含む。特定の実
施形態では、第2のゲノムセグメントは、配列番号5のヌクレオチド配列を含む。特定の
実施形態では、ノイラミニダーゼポリペプチドは、配列番号4のアミノ酸配列を含む。特
定の実施形態では、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイル
20
スは、孵化卵中で少なくとも約7.5 log10 PFU/ml、少なくとも約8 l
og10 PFU/ml、少なくとも約8.5 log10 PFU/ml、少なくとも
約9 log10 PFU/ml、少なくとも約9.5 log10 PFU/ml、少
なくとも約10 log10 PFU/ml、少なくとも約10.5 log10 PF
U/mlまたは少なくとも約11 log10 PFU/mlという力価まで増殖する。
特定の実施形態では、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
ルスは、組織培養物中で少なくとも約7.5 log10 PFU/ml、少なくとも約
8 log10 PFU/ml、少なくとも約8.5 log10 PFU/ml、少な
くとも約9 log10 PFU/ml、少なくとも約9.5 log10 PFU/m
l、少なくとも約10 log10 PFU/ml、少なくとも約10.5 log10
30
PFU/mlまたは少なくとも約11 log10 PFU/mlという力価まで増殖
する。
【0023】
他の態様では、本発明は、上で列挙された1以上のポリペプチド、またはその断片を含
む滅菌組成物を含む。本発明はまた、免疫学的有効量の1以上の上記のポリペプチドを含
む免疫原性組成物、および個体の免疫系を刺激して、インフルエンザウイルスに対する防
御免疫応答を生じさせるための方法であって、個体に免疫学的有効量の1以上の上記のポ
リペプチドを投与することを含む方法を包含する。特定の実施形態では、本発明の免疫原
性組成物は、配列番号6または8のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。別の実施形
態では、本発明の免疫原性組成物は、配列番号6または8のアミノ酸配列との少なくとも
40
95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99
.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少
なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。さら
なる実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、3個未満、5個未満、10個未満、15
個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配
列番号6または8のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。特定の実施形態では、本発
明の免疫原性組成物は、配列番号6または8の残基1∼327のアミノ酸配列を含むポリ
ペプチドを含む。別の実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、配列番号6または8の
残基1∼327のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも9
8.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくと
50
(37)
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も99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有する
アミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。さらなる実施形態では、本発明の免疫原性組成
物は、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個
未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6または8の残基1∼327のアミ
ノ酸配列を含むポリペプチドを含む。
【0024】
一実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、1種の再集合体インフルエンザウイルス
を含む一価の免疫原性組成物である。一実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、3種
の再集合体インフルエンザウイルスを含む三価の免疫原性組成物である。一実施形態では
、本発明の免疫原性組成物は、2種の再集合体A型インフルエンザウイルスと1種の再集
10
合体B型インフルエンザウイルスとを含む三価の免疫原性組成物である。一実施形態では
、本発明の免疫原性組成物は、1種のタイプH1の再集合体A型インフルエンザウイルス
と、1種のタイプH3の再集合体A型インフルエンザウイルスと、1種の再集合体B型イ
ンフルエンザウイルスとを含む三価の免疫原性組成物である。別の実施形態では、本発明
の免疫原性組成物は、4種の再集合体インフルエンザウイルスを含む四価の免疫原性組成
物である。一実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、2種の再集合体A型インフルエ
ンザウイルスと2種の再集合体B型インフルエンザウイルスとを含む四価の免疫原性組成
物である。一実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、1種のタイプH1の再集合体A
型インフルエンザウイルスと、1種のタイプH3の再集合体A型インフルエンザウイルス
と、ビクトリア系統の1種の再集合体B型インフルエンザウイルスと、山形系統の1種の
20
再集合体B型インフルエンザウイルスとを含む四価の免疫原性組成物である。特定の実施
形態では、本発明の免疫原性組成物は、配列番号6または8のアミノ酸配列を含むHAポ
リペプチドをコードするゲノムセグメントを含む再集合体インフルエンザウイルスまたは
組換えインフルエンザウイルスを含む。別の実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、
配列番号6または8のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくと
も98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少な
くとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有
するアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードするゲノムセグメントを含む再集合体
インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスを含む。さらなる実施形態
では、本発明の免疫原性組成物は、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20
30
個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6また
は8のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードするゲノムセグメントを含む再集合
体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスを含む。特定の実施形態
では、本発明の免疫原性組成物は、配列番号6または8の残基1∼327のアミノ酸配列
を含むHAポリペプチドをコードするゲノムセグメントを含む再集合体インフルエンザウ
イルスまたは組換えインフルエンザウイルスを含む。別の実施形態では、本発明の免疫原
性組成物は、配列番号6または8の残基1∼327のアミノ酸配列との少なくとも95%
、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%
、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくと
も99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードするゲ
40
ノムセグメントを含む再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイ
ルスを含む。さらなる実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、3個未満、5個未満、
10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失ま
たは挿入を含む配列番号6または8の残基1∼327のアミノ酸配列を含むHAポリペプ
チドをコードするゲノムセグメントを含む再集合体インフルエンザウイルスまたは組換え
インフルエンザウイルスを含む。
【0025】
さらに、本発明は、1以上の上記のポリペプチドをコードするゲノムセグメントを含む
再集合体インフルエンザウイルスを包含する。さらに、本発明は、免疫学的有効量のその
ような再集合体インフルエンザウイルスを含む免疫原性組成物を包含する。個体の免疫系
50
(38)
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を刺激して、インフルエンザウイルスに対する防御免疫応答を生じさせるための方法であ
って、生理学的に許容される担体中の免疫学的有効量のそのような再集合体インフルエン
ザウイルスを投与することを含む方法もまた、本発明の一部である。一実施形態では、本
発明の再集合体インフルエンザウイルスは、1以上のドナーウイルス(例えば、A/AA
/6/60またはより一般的にPR8として知られるA/プエルトリコ/8/34)由来
の6つの内部ゲノムセグメントを含み、かつさらに2つのゲノムセグメント(通常および
好ましくはHAもしくはNAまたはそれらの断片をコードする)を含む6:2再集合体ウ
イルスである。そのような再集合体(組換え)ウイルスを含む免疫原性組成物もまた、本
発明の特徴である。
【0026】
10
一実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエン
ザウイルスは、A/アナーバー/6/60の6つの内部ゲノムセグメントとHAポリペプ
チドをコードするゲノムセグメントとを含む。HAポリペプチドは、少なくとも1つの置
換、欠失または挿入を有する配列番号1のアミノ酸配列を含み得る。HAポリペプチドは
、H273Y置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含み得る。HAポリペプチドは、
D222Gおよび/またはQ223R置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含み得る
。HAポリペプチドは、K119E、K119NおよびA186Dからなる群から選択さ
れる少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含み得る。特定
の実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザ
ウイルスは、A/アナーバー/6/60の6つの内部ゲノムセグメントと、D222G、
20
K119EおよびA186D置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むHAポリペプ
チドをコードするゲノムセグメントとを含む。特定の実施形態では、本発明の再集合体イ
ンフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、A/アナーバー/6/6
0の6つの内部ゲノムセグメントと、Q223RおよびA186D置換を有する配列番号
1のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードするゲノムセグメントとを含む。特定
の実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザ
ウイルスは、A/アナーバー/6/60の6つの内部ゲノムセグメントと、Q223R、
H273YおよびA186D置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むHAポリペプ
チドをコードするゲノムセグメントとを含む。特定の実施形態では、本発明の再集合体イ
ンフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、A/アナーバー/6/6
30
0の6つの内部ゲノムセグメントと、HA配列番号6または8のアミノ酸配列を含むHA
ポリペプチドをコードするゲノムセグメントとを含む。特定の実施形態では、HAゲノム
セグメントは、配列番号6または8のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも9
8%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも9
9.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の
配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。特定の実施形
態では、HAゲノムセグメントは、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20
個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6また
は8のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。特定の実施形態では、HA
ゲノムセグメントは、配列番号6または8の残基1∼327のアミノ酸配列を含むHAポ
40
リペプチドをコードし得る。特定の実施形態では、HAゲノムセグメントは、配列番号6
または8の残基1∼327のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少
なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%
、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一
性を有するアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。特定の実施形態では、
HAゲノムセグメントは、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、
25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6または8の残
基1∼327のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。
【0027】
一実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエン
50
(39)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
ザウイルスは、A/プエルトリコ/8/34(PR8)の6つの内部ゲノムセグメントと
HAポリペプチドをコードするゲノムセグメントとを含む。HAポリペプチドは、少なく
とも1つの置換、欠失または挿入を有する配列番号1のアミノ酸配列を含み得る。HAポ
リペプチドは、D222Gおよび/またはQ223R置換を有する配列番号1のアミノ酸
配列を含み得る。HAポリペプチドは、K119E、K119NおよびA186Dからな
る群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を
含み得る。HAポリペプチドは、H273Y置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含
み得る。特定の実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えイ
ンフルエンザウイルスは、A/プエルトリコ/8/34(PR8)の6つの内部ゲノムセ
グメントと、D222G、K119EおよびA186D置換を有する配列番号1のアミノ
10
酸配列を含むHAポリペプチドをコードするゲノムセグメントとを含み得る。特定の実施
形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイル
スは、A/プエルトリコ/8/34(PR8)の6つの内部ゲノムセグメントと、Q22
3RおよびA186D置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドを
コードするゲノムセグメントとを含み得る。特定の実施形態では、本発明の再集合体イン
フルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、A/プエルトリコ/8/3
4(PR8)の6つの内部ゲノムセグメントと、Q223R、H273YおよびA186
D置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードするゲノムセ
グメントを含む。特定の実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは
組換えインフルエンザウイルスは、A/プエルトリコ/8/34(PR8)の6つの内部
20
ゲノムセグメントと、HA配列番号6または8のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドを
コードするゲノムセグメントとを含む。特定の実施形態では、HAゲノムセグメントは、
配列番号6または8のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくと
も98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少な
くとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有
するアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。特定の実施形態では、HAゲ
ノムセグメントは、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個
未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6または8のアミノ酸
配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。特定の実施形態では、HAゲノムセグメン
トは、配列番号6または8の残基1∼327のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコ
30
ードし得る。特定の実施形態では、HAゲノムセグメントは、配列番号6または8の残基
1∼327のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.
5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも9
9.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミ
ノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。特定の実施形態では、HAゲノムセグ
メントは、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、3
0個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6または8の残基1∼327の
アミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。
【0028】
本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む再集合体インフルエンザウ
40
イルスもまた本発明の範囲内である。一実施形態では、そのような再集合体ウイルスは、
1以上のドナーウイルス(例えば、A/AA/6/60またはA/プエルトリコ/8/3
4)由来の6つの内部ゲノムセグメントと、本発明のヘマグルチニンポリペプチドをコー
ドする第1のゲノムセグメントと、ノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲ
ノムセグメントとを含む6:2再集合体ウイルスである。免疫学的有効量のそのような再
集合体/組換えインフルエンザウイルスを含む免疫原性組成物もまた、本発明の範囲内で
ある。
【0029】
本発明の再集合体ウイルスまたは組換えウイルスは、組織培養物または孵化卵中で高い
複製率を示す。一実施形態では、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフル
50
(40)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
エンザウイルスは、孵化卵中で少なくとも約7.5 log10 PFU/ml、少なく
とも約8 log10 PFU/ml、少なくとも約8.5 log10 PFU/ml
、少なくとも約9 log10 PFU/ml、少なくとも約9.5 log10 PF
U/ml、少なくとも約10log10PFU/ml、少なくとも約10.5 log1
0 PFU/mlまたは少なくとも約11 log10 PFU/mlという力価まで増
殖する。別の実施形態では、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエン
ザウイルスは、組織培養物中で少なくとも約7.5 log10 PFU/ml、少なく
とも約8 log10 PFU/ml、少なくとも約8.5 log10 PFU/ml
、少なくとも約9 log10 PFU/ml、少なくとも約9.5 log10 PF
U/ml、少なくとも約10 log10 PFU/ml、少なくとも約10.5 lo
10
g10 PFU/mlまたは少なくとも約11 log10 PFU/mlという力価ま
で増殖する。
【0030】
本発明のポリヌクレオチドを有する宿主細胞を培養することによって再集合体/組換え
インフルエンザウイルスを生成する方法も想定されている。
【0031】
本明細書における他の実施形態では、本発明は、免疫学的有効量の1以上の上記の本発
明の再集合体インフルエンザウイルスを有する免疫原性組成物を含む。一実施形態では、
本発明の免疫原性組成物は、本発明の生ウイルスを含む。他の実施形態は、個体の免疫系
を刺激して、インフルエンザウイルスに対する防御免疫応答を生じさせるための方法であ
20
って、(任意で生理学的に有効な担体中の)免疫学的有効量の1以上の上記の再集合体イ
ンフルエンザウイルスを個体に投与することを含む方法を含む。
【0032】
本発明はまた、本発明の組換えインフルエンザウイルスまたは再集合体インフルエンザ
ウイルスを含むワクチンを包含する。一実施形態では、本発明のワクチンは、スプリット
ワクチンまたは死菌ワクチンである。別の実施形態では、本発明のワクチンは、弱毒化生
インフルエンザウイルスワクチンである。さらなる実施形態では、本発明のワクチンは、
一価、二価、三価または四価のワクチンであり得る。
【0033】
インフルエンザウイルスワクチンを生成する方法もまた本発明に含まれる。一実施形態
30
では、本発明のワクチンは、一価、二価、三価または四価のワクチンであり得る。
【0034】
本発明はまた、例えば、孵化鶏卵および/または細胞培養物中でインフルエンザウイル
スの複製能を増大させるための方法および組成物に関する。本発明は、増大した複製能力
と関連する特定のH1タンパク質アミノ酸の同定に一部基づいている。これらの特定のア
ミノ酸のうちの1つまたは複数を含むH1 HAタンパク質をコードするH1 HA遺伝
子を使用することによって、改善されたインフルエンザウイルス収量を達成することがで
きる。一実施形態では、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウ
イルスの複製能力を増大させるための方法であって、配列番号1の位置119または18
6のアミノ酸残基に対応する位置でヘマグルチニンポリペプチドのアミノ酸残基を改変し
40
、それにより、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスの
複製能力を増大させることを含む方法が提供される。本方法によって生成される組換えイ
ンフルエンザウイルスも提供される。
【0035】
本発明はまた、例えば、孵化鶏卵および/または細胞培養物中で、H1N1再集合体イ
ンフルエンザウイルスの複製能力を増大させるための方法および組成物に関する。一実施
形態では、H1N1再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイル
スの複製能力を増大させるための方法であって、配列番号1の位置119または186の
アミノ酸残基に対応する位置でヘマグルチニンポリペプチドのアミノ酸残基を改変し、そ
れにより、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスの複製
50
(41)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
能力を増大させることを含む方法が提供される。本方法によって生成される組換えインフ
ルエンザウイルスも提供される。
【0036】
一実施形態では、非天然のアミノ酸を有する本発明のヘマグルチニンポリペプチドを含
む、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスの複
製能力は、同じ位置で非天然のアミノ酸を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルス
または組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも2倍、少なくとも4倍、少なく
とも6倍、少なくとも8倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも40倍、
少なくとも50倍、または少なくとも100倍増加している。別の実施形態では、非天然
のアミノ酸を有する本発明のヘマグルチニンポリペプチドを含む、本発明の再集合体イン
10
フルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスの複製能力は、同じ位置で非天
然のアミノ酸を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエン
ザウイルスと比べて2倍∼10倍、2倍∼20倍、2倍∼40倍、2倍∼100倍、5倍
∼10倍、5倍∼20倍、5倍∼40倍、または5倍∼100倍増加している。
【0037】
一実施形態では、非天然のアミノ酸を有する本発明のヘマグルチニンポリペプチドを含
む、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスの孵
化卵におけるピーク力価は、同じ位置で非天然のアミノ酸を含まない同じ再集合体インフ
ルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも2倍、少なく
とも4倍、少なくとも6倍、少なくとも8倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少
20
なくとも40倍、少なくとも50倍、または少なくとも100倍増加している。別の実施
形態では、非天然のアミノ酸を有する本発明のヘマグルチニンポリペプチドを含む、本発
明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスの孵化卵にお
けるピーク力価は、同じ位置で非天然のアミノ酸を含まない同じ再集合体インフルエンザ
ウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて2倍∼10倍、2倍∼20倍、2
倍∼40倍、2倍∼100倍、5倍∼10倍、5倍∼20倍、5倍∼40倍、または5倍
∼100倍増加している。
【0038】
特定の実施形態では、H1N1ウイルスのHAポリペプチドを含み、このポリペプチド
がK119E、K119NおよびA186Dからなる群から選択されるアミノ酸を含む、
30
組換えインフルエンザウイルスが提供される。特定の実施形態では、H1N1ウイルスの
HAポリペプチドを含み、このポリペプチドが、K119XおよびA186Xからなる群
から選択されるアミノ酸を含み、ここで、Xは、該H1N1ウイルスにおいて天然には生
じない任意のアミノ酸である、組換えインフルエンザウイルスが提供される。特定の実施
形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、弱毒化ウイルスの(または弱毒化
ウイルスに由来する)少なくとも5つまたは6つのセグメントを含む6:2再集合体ウイ
ルスである。特定の実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、アナーバ
ー/6/60(A/Ann Arbor/6/60)、A/プエルトリコ/8/34(A
/Puerto Rico/8/34)、A/レニングラード/134/17/57(A
/Leningrad/134/17/57)、およびA/レニングラード/17(A/
40
Leningrad/17)からなる群から選択される弱毒化ウイルスの(または弱毒化
ウイルスに由来する)少なくとも5つまたは6つのセグメントを含む6:2再集合体ウイ
ルスである。特定の実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、配列番号
6または8のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドを含む。別の実施形態では、本発明の
組換えインフルエンザウイルスは、配列番号6または8のアミノ酸配列との少なくとも9
5%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.
2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少な
くとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHAポリペプチドを含む。さ
らなる実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、3個未満、5個未満、
10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失ま
50
(42)
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たは挿入を含む配列番号6または8のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドを含む。特定
の実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、配列番号6または8の残基
1∼327のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドを含む。別の実施形態では、本発明の
組換えインフルエンザウイルスは、配列番号6または8の残基1∼327のアミノ酸配列
との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、
少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99
.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHAポリペ
プチドを含む。さらなる実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、3個
未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミ
ノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6または8の残基1∼327のアミノ酸配列を
10
含むHAポリペプチドを含む。
【0039】
特定の実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、本発明のHAポリペ
プチドを含む6:2再集合体または7:1再集合体ウイルスである。特定の実施形態では
、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、本発明のHAポリペプチドと、A/アナー
バー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A/レニングラード/134/17/5
7、およびA/レニングラード/17からなる群から選択される弱毒化ウイルスの(また
は弱毒化ウイルスに由来する)少なくとも5つまたは6つのセグメントとを含む6:2再
集合体または7:1再集合体ウイルスである。一実施形態では、本発明の組換えインフル
エンザウイルスは、(例えば、位置119、186における)1個、2個、または3個の
20
置換を有するA/CA/04/09もしくはA/CA/07/09の(またはA/CA/
04/09もしくはA/CA/07/09に由来する)HAポリペプチドを含む。一実施
形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、アミノ酸位置119のグルタミン
酸またはアスパラギンと位置186のアスパラギン酸とを有するA/CA/04/09も
しくはA/CA/07/09の(またはA/CA/04/09もしくはA/CA/07/
09に由来する)HAポリペプチドを含む。一実施形態では、本発明の組換えインフルエ
ンザウイルスは、アミノ酸位置119および位置186にアミノ酸置換を有するA/CA
/04/09もしくはA/CA/07/09の(またはA/CA/04/09もしくはA
/CA/07/09に由来する)HAポリペプチドを含む。一実施形態では、本発明の組
換えインフルエンザウイルスは、アミノ酸位置119および位置186にアミノ酸置換を
30
有するH1N1ブタインフルエンザウイルスの(またはH1N1ブタインフルエンザウイ
ルスに由来する)HAポリペプチドを含む。特定の実施形態では、本発明の組換えインフ
ルエンザウイルスは、配列番号6または8のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドを含む
。別の実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、配列番号6または8の
アミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なく
とも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少
なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含
むHAポリペプチドを含む。さらなる実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイ
ルスは、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30
個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6または8のアミノ酸配列を含む
40
HAポリペプチドを含む。特定の実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルス
は、配列番号6または8の残基1∼327のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドを含む
。別の実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、配列番号6または8の
残基1∼327のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも9
8.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくと
も99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有する
アミノ酸配列を含むHAポリペプチドを含む。さらなる実施形態では、本発明の組換えイ
ンフルエンザウイルスは、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、
25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6または8の残
基1∼327のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドを含む。
50
(43)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
【0040】
当業者であれば、アミノ酸の正確な位置は、本発明のベクター、方法、およびウイルス
において使用される特定のインフルエンザ株によって様々に異なり得ることを認識するで
あろう。例えば、特定のインフルエンザ株のHAタンパク質は、配列番号1の位置119
に対応する位置が、例えば、その特定のインフルエンザ株のHAタンパク質の残基93ま
たは97で見出されるように、HAタンパク質をコードするHA遺伝子に挿入または欠失
を含み得る。特に、表3に示すように、A/CA/07/09 HAポリペプチド(配列
番号1)の位置119および186は、それぞれ、A/サウスダコタ/6/07 H1 HAポリペプチドの位置118および185に対応する。当業者であれば、当技術分野に
従来からある手法を用いて、特定のアミノ酸位置が、改変されたときに複製能力の増大と
10
関連する位置に対応するかどうかをすぐに認識することができるであろう。1つのそのよ
うな手法は、当技術分野で利用可能なアルゴリズムを用いて、配列番号1のアミノ酸配列
と特定のインフルエンザ株HAポリペプチドとを整列させることである。
【0041】
本発明のこれらのおよび他の目的および特徴は、以下の詳細な説明を添付の図面および
特許請求の範囲と併せて読んだときにより完全に明白になるであろう。
【0042】
定義
特に断りのない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明
が属する分野の当業者によって共通に理解されるのと同じ意味を有する。以下の定義は、
20
当技術分野におけるそれらの意味を補足し、本出願に対するものであって、必ずしも関連
する事例または無関係の事例(例えば、一般に所有される特許または特許出願)にまで及
ぶべきものではない。本明細書に記載されるものと同様または同等の方法および材料を、
本発明の試験の実施において使用することができるが、好ましい材料および方法が本明細
書に記載されている。したがって、本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態の
みを記載するためのものであり、限定することを意図するものではない。さらなる用語が
、全体を通じて定義および記載されている。
【0043】
2つの核酸またはポリペプチド(例えば、HAもしくはNA分子をコードするDNA、
またはHAもしくはNA分子のアミノ酸配列)に関する「実質的に同一」という語句は、
30
配列比較アルゴリズムを用いるかまたは目視検査によって測定される、最大一致を求めて
比較し、整列させたときに少なくとも約90%、好ましくは91%、最も好ましくは92
%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、98.5%、99%、99.1
%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99
.8%、99.9%またはそれより大きいヌクレオチドまたはアミノ酸残基同一性を有す
る3以上の配列またはサブ配列を指す。
【0044】
ポリペプチドに関する「変異体」という用語は、参照配列に対して1以上のアミノ酸に
よって改変されているアミノ酸配列を指す。変異体は、「保存的」な変化を有することが
あり、その場合、置換されるアミノ酸は構造的または化学的に同様の特性を有する(例え
40
ば、ロイシンとイソロイシンとの置換)。あるいは、変異体は、「非保存的」な変化、例
えば、グリシンとトリプトファンとの置換を有することもある。同様の小さい変異には、
アミノ酸の欠失もしくは挿入、またはその両方も含まれることがある。生物学的または免
疫学的な活性を消失させずに、どのアミノ酸残基を置換、挿入、または欠失できるかを決
定する上での指針を、当技術分野で周知のコンピュータプログラム(例えば、DNAST
ARソフトウェア)を用いて見出すことができる。保存的な置換の例も、本明細書に記載
されている。
【0045】
本発明の「ノイラミニダーゼ」ポリペプチドは、インフルエンザウイルス由来の1以上
の既知のノイラミニダーゼ分子との免疫学的交差反応性を示す。文献には、そのような既
50
(44)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
知のノイラミニダーゼの実例が多数存在する(例えば、GenBank、CDCからの刊
行物など)。同様に、本発明の「ヘマグルチニン」ポリペプチドは、インフルエンザウイ
ルス由来の1以上の既知のヘマグルチニン分子との免疫学的交差反応性を示し得る。これ
についても、文献にそのような既知のヘマグルチニン分子の実例が多数存在する。
【0046】
遺伝子には、例えば、他のタンパク質の認識配列を形成する非発現核酸セグメントも含
まれる。非発現調節配列には、転写因子などの調節タンパク質が結合して、隣接配列また
は近接配列の転写をもたらす「プロモーター」および「エンハンサー」が含まれる。「組
織特異的」プロモーターまたはエンハンサーは、特定の組織型または細胞型(単数または
複数)において転写を調節するプロモーターまたはエンハンサーである。
10
【0047】
「遺伝子の発現」または「核酸の発現」は通常、文脈が示すものに応じて、DNAのR
NAへの転写(場合によっては、RNAの修飾(例えば、スプライシング)を含む)もし
くはRNAのmRNAへの転写、RNAのポリペプチドへの翻訳(場合によっては、その
後のポリペプチドの修飾、例えば、翻訳後修飾を含む)、または転写と翻訳の両方を意味
する。
【0048】
「オープンリーディングフレーム」または「ORF」は、DNAまたはRNA(例えば
、遺伝子)を翻訳することが可能である読み枠であり、ポリペプチドへの翻訳が可能であ
る。すなわち、このリーディングフレームは、終止コドンによって中断されない。しかし
20
ながら、ポリヌクレオチドが実際にポリペプチドに翻訳されることを、ORFという用語
が必ずしも示すわけではないことに留意すべきである。
【0049】
「ベクター」という用語は、生物、細胞、または細胞構成要素の間で核酸を伝播および
/または転移することができる手段を指す。ベクターとして、自律的に複製するかまたは
宿主細胞の染色体に組み込むことができる、プラスミド、ウイルス、バクテリオファージ
、プロウイルス、ファージミド、トランスポゾン、人工染色体などが挙げられる。ベクタ
ーは、自律的に複製しない裸のRNAポリヌクレオチド、裸のDNAポリヌクレオチド、
同一鎖中にあるDNAとRNAの両方から構成されているポリヌクレオチド、ポリリジン
コンジュゲートされたDNAまたはRNA、ペプチドコンジュゲートされたDNAまたは
30
RNA、リポソームコンジュゲートされたDNAなどであることもできる。全てではない
が、多くの一般的な実施形態において、本発明のベクターは、プラスミドである。
【0050】
「発現ベクター」は、その中に組み込まれている核酸の発現および複製を促進すること
ができるベクター(例えば、プラスミド)である。通常、発現される核酸は、プロモータ
ーおよび/またはエンハンサーに「機能的に連結」されており、かつプロモーターおよび
/またはエンハンサーによる転写調節制御を受ける。
【0051】
「二方向性発現ベクター」は、両方向に発現が開始され、例えば、プラス(+)または
センス鎖RNA、およびマイナス(−)またはアンチセンス鎖RNAの転写を生じること
40
できるように、2つのオルタナティブなプロモーターがこれら2つのプロモーター間に配
置されている核酸に関して反対向きに配置されていることを特徴とする。
【0052】
本発明との関連において、「単離された」という用語は、その天然に生じる環境下で、
通常はそれに付随するかまたはそれと相互作用する構成要素を実質的に含まない生体物質
(例えば、ウイルス、核酸またはタンパク質)を指す。単離された生体物質は、場合によ
り、その天然の環境(例えば、細胞または野生型ウイルス)ではこの物質とともに見出さ
れないさらなる物質を含む。例えば、この物質がその天然の環境(例えば、細胞)にある
場合、この物質はその環境で見出されるそのような物質が存在しない細胞内の位置(ゲノ
ムまたは遺伝子エレメントなど)に配置されている可能性がある。例えば、天然に生じる
50
(45)
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核酸(例えば、コード配列、プロモーター、エンハンサーなど)が、天然には生じない手
段で、その核酸が存在しないゲノムの座(例えば、プラスミドベクターもしくはウイルス
ベクターなどのベクター、またはアンプリコン)に導入されている場合、それは、単離さ
れたことになる。そのような核酸は、「異種」核酸とも呼ばれる。単離されたウイルスは
、例えば、野生型ウイルスの生息環境(例えば、感染した個体の鼻咽頭)以外の環境(例
えば、細胞培養系、または細胞培養物から純化された環境)にある。
【0053】
ウイルスに言及する場合の「キメラの」または「キメラ」という用語は、ウイルスが、
2以上の親ウイルス株または供給源に由来する遺伝子および/またはポリペプチド構成要
素を含むことを示す。同様に、ウイルスタンパク質に言及する場合の「キメラの」または
10
「キメラ」という用語は、ウイルスが、2以上の親ウイルス株または供給源に由来するポ
リペプチド構成要素(すなわち、アミノ酸サブ配列)を含むことを示す。本明細書で明白
となるように、そのようなキメラウイルスは、通常、再集合体/組換えウイルスである。
したがって、いくつかの実施形態では、キメラは、例えば、B型インフルエンザウイルス
(例えば、B/AA/1/66など)から構成されるか、もしくはB型インフルエンザウ
イルスから構築される/B型インフルエンザウイルスに由来するバックボーンに置かれて
いるA型インフルエンザウイルス由来の(例えば、HAおよび/もしくはNAの)配列、
または例えば、A/AA/6/60などのようなA型インフルエンザウイルスバックボー
ン(すなわち、ドナーウイルス)に置かれているB型インフルエンザウイルス配列を任意
で含むことができる。
20
【0054】
「組換え(体)」という用語は、物質(例えば、核酸またはタンパク質)がヒトによる
介入によって人工的にまたは合成的に(非天然に)改変されていることを示す。改変は、
その天然の環境もしくは状態にある物質、またはそのような環境もしくは状態から取り出
した物質に対して行なうことができる。特に、例えば、組換え核酸の発現によって生成さ
れる場合、そのインフルエンザウイルスは組換え体である。例えば、「組換え核酸」は、
例えば、クローニング、DNAシャッフリングもしくは他の処置の間に核酸を組み換える
ことによって、または化学的もしくは他の突然変異導入によって作製される核酸であり、
「組換えポリペプチド」または「組換えタンパク質」は、組換え核酸の発現によって生成
されるポリペプチドまたはタンパク質であり、また、「組換えウイルス」(例えば、組換
30
えインフルエンザウイルス)は、組換え核酸の発現によって生成される。
【0055】
ウイルス(本明細書では、通常、インフルエンザウイルス)に言及する場合の「再集合
体」という用語は、1以上の親ウイルス株または供給源に由来する遺伝子および/または
ポリペプチド構成要素を含むウイルスを示す。例えば、7:1再集合体は、第1の親ウイ
ルス由来の7つのウイルスゲノムセグメント(または遺伝子セグメント)と、例えば、本
明細書に記載のヘマグルチニンまたはノイラミニダーゼをコードする、単一の相補的なウ
イルスゲノムセグメントとを含む。6:2再集合体は、6つのゲノムセグメント(最も一
般的には、第1の親ウイルス由来の6つの内部ゲノムセグメント)と、1以上の異なる親
ウイルス由来の2つの相補的なセグメント(例えば、ヘマグルチニンおよびノイラミニダ
40
ーゼゲノムセグメント)とを含む。再集合体ウイルスは、本明細書中の文脈によって、「
キメラ」および/または「組換え」と呼ばれることもある。
【0056】
異種核酸または単離された核酸に言及する場合の「導入された」という用語は、真核細
胞または原核細胞への核酸の組込みを指し、その場合、核酸は、細胞のゲノム(例えば、
染色体、プラスミド、プラスチドもしくはミトコンドリアDNA)に組み込まれるか、自
律性レプリコンに変換されるか、または一過的に発現される(例えば、トランスフェクト
されたmRNA)可能性がある。この用語は、「感染」、「トランスフェクション」、「
形質転換」および「形質導入」のような方法を含む。本発明との関連において、エレクト
ロポレーション、リン酸カルシウム沈殿、脂質媒介性トランスフェクション(リポフェク
50
(46)
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ションなどをはじめとする、種々の方法を用いて、核酸を細胞に導入することができる。
【0057】
「宿主細胞」という用語は、ベクターまたはウイルスなどの異種核酸を含有し、その核
酸の複製および/または発現を支持する細胞を意味する。宿主細胞は大腸菌(E.col
i)などの原核細胞または酵母細胞、昆虫細胞、両生類細胞、鳥類細胞またはヒト細胞を
含む哺乳動物細胞などの真核細胞であることができる。例示的な宿主細胞としては、例え
ば、Vero(アフリカミドリザル腎臓)細胞、BHK(ベビーハムスター腎臓)細胞、
ニワトリ腎臓初代(PCK)細胞、Madin−Darbyイヌ腎臓(MDCK)細胞、
Madin−Darbyウシ腎臓(MDBK)細胞、293細胞(例えば、293T細胞
)、およびCOS細胞(例えば、COS1細胞、COS7細胞)などが挙げられる。他の
10
実施形態では、場合により、宿主細胞として、卵(例えば、鶏卵、孵化鶏卵など)を挙げ
ることができる。
【0058】
インフルエンザウイルスの「免疫学的有効量」とは、後に起こるインフルエンザウイル
スへの曝露に対する個体(例えば、ヒト)自体の免疫応答を増強するのに十分な量のこと
である。誘発された免疫レベルは、プラーク中和アッセイ、補体結合アッセイ、酵素連結
免疫吸着アッセイ、または微量中和アッセイによって、分泌抗体および/または血清抗体
を中和する量を測定することにより、モニタリングすることができる。
【0059】
インフルエンザウイルスに対する「防御免疫応答」は、個体(例えば、ヒト)が示す免
20
疫応答を指し、この免疫応答は、個体が後に野生型インフルエンザウイルスに曝露され、
かつ/またはそれに感染した場合、疾患から防御するものである。いくつかの例において
、野生型(例えば、自然に蔓延している)インフルエンザウイルスはそれでも感染を引き
起こすことができるが、深刻なまたは生命を脅かす感染を引き起こすことはできない。通
常、防御免疫応答は、同じ株および/またはサブグループ(そしておそらくは、異なる、
非ワクチン株および/またはサブグループ)のウイルスを、インビトロおよびインビボで
中和することができる検出可能なレベルの血清抗体および分泌抗体を宿主で生じさせる。
【0060】
本明細書で使用する場合、「抗体」は、実質的にまたは部分的に、免疫グロブリン遺伝
子または免疫グロブリン遺伝子の断片によってコードされる1以上のポリペプチドを含む
30
タンパク質である。認識されている免疫グロブリン遺伝子としては、κ、λ、α、γ、δ
、εおよびμの定常領域遺伝子、ならびに無数の免疫グロブリンの可変領域遺伝子が挙げ
られる。軽鎖は、κまたはλのいずれかとして分類される。重鎖は、γ、μ、α、δ、ま
たはεとして分類され、これらは、免疫グロブリンのクラスであるIgG、IgM、Ig
A、IgDおよびIgEをそれぞれ規定する。典型的な免疫グロブリン(抗体)構造単位
は、四量体を含む。各四量体は、2つの同一ポリペプチド鎖対から構成され、各対は、1
つの「軽」鎖(約25kD)と1つの「重」鎖(約50∼70kD)を有する。各鎖のN
末端は、主に抗原認識に関与する約100∼110個またはそれより多くのアミノ酸の可
変領域を規定する。可変軽鎖(VL)および可変重鎖(VH)という用語は、それぞれ、
これらの軽鎖および重鎖を指す。抗体は、インタクトの免疫グロブリンとしてまたは様々
40
なペプチダーゼで消化されて生成されたいくつかの十分に特徴付けされた断片として存在
する。したがって、例えば、ペプシンは、ヒンジ領域のジスルフィド結合より下で抗体を
消化し、F(ab)’2を生成させる。F(ab)’2はFabの二量体であり、それ自
体は、ジスルフィド結合によってVH−CH1に結合した軽鎖である。F(ab)’2を
、穏やかな条件の下で還元して、ヒンジ領域のジスルフィド結合を破壊し、それにより(
Fab’)2二量体をFab’単量体に変換し得る。Fab’単量体は、本質的には、ヒ
ンジ領域の一部を含むFabである(他の抗体断片についてのより詳細な説明については
、Fundamental Immunology,W.E.Paul編,Raven Press,N.Y.(1999)を参照されたい)。様々な抗体断片は、インタクトの
抗体の消化に関して規定されるが、当業者であれば、そのようなFab’断片が、化学的
50
(47)
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にまたは組換えDNAの手法を用いて、デノボで合成され得ることを理解するであろう。
したがって、本明細書で使用する場合、抗体という用語は、全抗体の修飾によって生成さ
れるかまたは組換えDNAの手法を用いてデノボで合成されるかのいずれかの抗体または
断片を含む。抗体としては、例えば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、多重鎖
抗体または単鎖抗体(可変重鎖と可変軽鎖が(直接的にまたはペプチドリンカーを介して
)1つに結合して、連続したポリペプチドを形成する単鎖Fv(sFvまたはscFv)
抗体を含む)、ならびにヒト化抗体またはキメラ抗体が挙げられる。
【0061】
インフルエンザウイルス
本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、インフルエンザのHAおよび/また
10
はNA配列の変異体である。例えば、下記の図1および図2の配列表を参照されたい。一
般に、インフルエンザウイルスは、セグメント化された一本鎖RNAゲノムを含有する内
部リボ核タンパク質コアとマトリックスタンパク質で裏打ちされた外側のリポタンパク質
エンベロープとで構成されている。インフルエンザウイルスのゲノムは、免疫原性のヘマ
グルチニン(HA)タンパク質およびノイラミニダーゼ(NA)タンパク質、ならびに6
つの内部コアポリペプチド(ヌクレオカプシド核タンパク質(NP)、マトリックスタン
パク質(M)、非構造タンパク質(NS)および3つのRNAポリメラーゼ(PA、PB
1、PB2)タンパク質)をコードする、線状の(−)鎖リボ核酸(RNA)の8つのセ
グメントから構成される。複製の間に、ゲノムウイルスRNAは、宿主細胞の核内で(+
)鎖メッセンジャーRNAと(−)鎖ゲノムcRNAに転写される。8つのゲノムセグメ
20
ントの各々は、RNAの他に、NPとポリメラーゼ複合体(PB1、PB2、およびPA
)とを含むリボ核タンパク質複合体へとパッケージングされる。ヘマグルチニン分子は表
面糖タンパク質からなり、宿主細胞表面受容体上のN−アセチルノイラミン酸(NeuN
Ac)(別名、シアル酸)に結合するよう作用する。本明細書におけるいくつかの実施形
態では、本発明のポリペプチド(および本発明のポリヌクレオチドによってコードされる
ポリペプチド)は、インビトロまたはインビボを問わず、NeuNAcに結合するよう作
用することができる。そのような作用は、いくつかの実施形態では、ヘマグルチニン活性
を保持するヘマグルチニンの断片によってなされることもできる。ヘマグルチニンは、H
A1およびHA2という2つのサブユニットでできており、構造全体は、約550アミノ
酸長で、約220kDである。ノイラミニダーゼ分子は、インフルエンザウイルスの細胞
30
表面受容体から末端シアル酸残基を切断し、それによって、感染細胞からビリオンを放出
させる。ノイラミニダーゼは、新たに作られたヘマグルチニン分子およびノイラミニダー
ゼ分子からもシアル酸を取り除く。本明細書におけるいくつかの実施形態では、本発明の
ポリペプチド(および本発明のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド)は
、インビトロまたはインビボを問わず、シアル酸残基を切除するよう作用することができ
る。この作用は、いくつかの実施形態では、ノイラミニダーゼ活性を保持するノイラミニ
ダーゼの断片によってなされることもできる。本発明のノイラミニダーゼポリペプチドは
、インフルエンザウイルス由来の1以上の既知のノイラミニダーゼ分子との免疫学的交差
反応性を示す。文献には、そのような既知のノイラミニダーゼの実例が多数存在する(例
えば、GenBank、CDCからの刊行物など)。同様に、本発明のヘマグルチニンポ
40
リペプチドは、インフルエンザウイルス由来の1以上の既知のヘマグルチニン分子との免
疫学的交差反応性を示す。これについても、文献にそのような既知のヘマグルチニン分子
の実例が多数存在する。
【0062】
インフルエンザは一般的に、A型インフルエンザおよびB型インフルエンザのカテゴリ
ー、ならびに通常あまり重要でないC型のカテゴリーに分類される。A型インフルエンザ
ウイルスとB型インフルエンザウイルスは各々、負の極性を有する8つの一本鎖RNAの
セグメントを含有する。A型インフルエンザゲノムは、11個のポリペプチドをコードす
る。セグメント1∼3は、RNA依存性RNAポリメラーゼを構成する3つのポリペプチ
ドをコードする。セグメント1は、ポリメラーゼ複合体タンパク質PB2をコードする。
50
(48)
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残りのポリメラーゼタンパク質PB1およびPAは、それぞれ、セグメント2およびセグ
メント3によってコードされる。さらに、いくつかのインフルエンザ株のセグメント1は
、PB1コード領域内の別のリーディングフレームによって生成される小タンパク質PB
1−F2をコードする。セグメント4は、感染の間の細胞への接着および侵入に関与する
ヘマグルチニン(HA)表面糖タンパク質をコードする。セグメント5は、ウイルスRN
Aと関連する主要な構造成分であるヌクレオカプシド核タンパク質(NP)ポリペプチド
をコードする。セグメント6は、ノイラミニダーゼ(NA)エンベロープ糖タンパク質を
コードする。セグメント7は、異なるようにスプライシングされたmRNAから翻訳され
る、M1およびM2と命名された2つのマトリックスタンパク質をコードする。セグメン
ト8は、選択的にスプライシングされたmRNA変異体から翻訳される2つの非構造タン
10
パク質である、NS1およびNS2をコードする。B型インフルエンザの8つのゲノムセ
グメントは11個のタンパク質をコードする。最も大きな3つの遺伝子は、RNAポリメ
ラーゼの構成要素であるPB1、PB2およびPAをコードする。セグメント4は、HA
タンパク質をコードする。セグメント5は、NPをコードする。セグメント6は、NAタ
ンパク質とNBタンパク質をコードする。NBとNAの両タンパク質は、バイシストロニ
ックなmRNAの重複するリーディングフレームから翻訳される。B型インフルエンザの
セグメント7もまた、2つのタンパク質(M1およびBM2)をコードする。最も小さい
セグメントは、2つの産物をコードし、NS1は、全長RNAから翻訳され、一方、NS
2は、スプライシングされたmRNA変異体から翻訳される。
【0063】
20
A型インフルエンザとB型インフルエンザは、通常、ヒト集団におけるインフルエンザ
発生と関連する。しかしながら、A型インフルエンザは、他の種(例えば、トリ、ブタ、
および他の動物)にも感染する。A型ウイルスは、そのヘマグルチニンおよびノイラミニ
ダーゼの表面糖タンパク質抗原における違いに基づいてサブタイプに分類される。A型ウ
イルスのヘマグルチニンには16の既知のサブタイプがあり、ノイラミニダーゼには、9
つの既知のサブタイプがある。ヒトでは、現在、およそ4つの異なるヘマグルチニンサブ
タイプと2つの異なるノイラミニダーゼサブタイプ(例えば、H1、H2、H3、H5、
N1、およびN2)しか知られていない。特に、A型インフルエンザの2つの主要なサブ
タイプ(すなわち、H1N1およびH3N2)はヒトで活性がある。しかしながら、最近
では、H1N2が懸念されている。B型インフルエンザウイルスは、そのヘマグルチニン
30
およびノイラミニダーゼタンパク質に基づいてサブタイプに分類されない。
【0064】
異なるインフルエンザ株を、例えば、インフルエンザが赤血球(red blood cell)(RBCまたは赤血球(erythrocyte))を凝集させる能力に基づ
いて分類することができる。特定のインフルエンザ株に特異的な抗体はウイルスに結合す
ることができ、そのため、そのような凝集を防ぐことができる。そのような阻害に基づい
て株の種類を決定するアッセイは、通常、ヘマグルチニン阻害アッセイ(HIアッセイま
たはHAIアッセイ)として知られており、インフルエンザ株を特徴付けるための、当技
術分野において標準的でかつ周知の方法である。当然、当業者であれば、それを用いてイ
ンフルエンザ株を特徴付ける他のアッセイ(例えば、ELISA、間接蛍光抗体アッセイ
40
、免疫組織化学、ウェスタンブロットアッセイなど)に精通しているであろうし、HIア
ッセイの本明細書における使用および考察は、必ずしも限定的なものであると解釈される
べきではない。
【0065】
簡潔に述べると、典型的なHIアッセイでは、フェレットで生成されることが多い、タ
イピングまたは分類に使用される血清を、様々な希釈(例えば、2倍など)で赤血球サン
プルに添加する。その後、赤血球が1つの塊になる(すなわち、凝集する)かまたは懸濁
される(すなわち、凝集しない)かを光学的に測定する。細胞が塊にならないならば、そ
のインフルエンザに特異的な血清中の抗体による阻害のために、凝集が起こらなったので
ある。したがって、インフルエンザのタイプは、同じ株に含まれるものであると定義され
50
(49)
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る。いくつかの例では、ある株は、他の株の「様」である(例えば、株xは、「y様」株
である、など)と記載される。例えば、2つのサンプルが、HIアッセイで測定したとき
に互いに4倍の力価の範囲内である場合、それらは同じ株に属する(例えば、両方とも「
ニューカレドニア」株に属するまたは両方とも「モスクワ様」株に属する、など)と記載
することができる。言い換えれば、これらの株は、通常、それらの免疫原性または抗原性
プロファイルに基づいて分類される。HAI力価は、通常、血球凝集を完全に阻害する血
清の最大希釈として定義される。例えば、Schild,et al.,Bull.Wl
d Hlth Org.,1973,48:269−278などを参照されたい。この場
合もやはり、当業者であれば、インフルエンザの株へのカテゴリー化および分類ならびに
それを行なう方法によく精通しているであろう。
10
【0066】
上記のことから、本発明は、本明細書に列挙された特定の配列だけでなく、様々なベク
ター(例えば、プラスミドの再集合およびレスキューに使用されるベクター、下記参照)
内の配列ならびに本明細書に列挙された配列と同じ株に含まれるヘマグルチニンおよびノ
イラミニダーゼの配列も含むことが理解されるであろう。また、様々なベクター(例えば
、通常、プラスミドの再集合およびレスキューに使用されるベクター(例えば、A/アナ
ーバー/6/60もしくはB/アナーバー/1/66、A/プエルトリコ/8/34、B
/レニングラード/14/17/55、B/14/5/1、B/USSR/60/69、
B/レニングラード/179/86、B/レニングラード/14/55、またはB/イン
グランド/2608/76など))に含まれるのと同じ株も含まれる。
20
【0067】
本明細書で使用する場合、「同様の株」という用語は、第1のインフルエンザウイルス
が第2のインフルエンザウイルスと同じ株または関連する株であることを示すものと理解
されるべきである。典型的な実施形態では、そのような関連は、一般的に、HAIアッセ
イを使用することによって決定される。したがって、HAIアッセイで互いに4倍の力価
の範囲に収まるインフルエンザウイルスは、「類似株」である。しかしながら、当業者で
あれば、類似株を決定するための他のアッセイなど(例えば、FRID、中和アッセイな
ど)に精通しているであろう。本発明はまた、本明細書中の様々なプラスミド、ベクター
、ウイルス、方法などにおいて、そのような類似株(すなわち、本明細書中の配列表に存
在する株と類似した株)を含む。したがって、文脈上、そうでないと明確に示されない限
30
り、特定の配列(例えば、配列表にある配列)またはその断片についての本明細書におけ
る記載は、それらの類似株由来の配列(すなわち、本明細書中のプラスミド、ベクター、
ウイルスなどにこれらの配列を含むそれらの株の類似株)も含むと考えられるべきである
。したがって、そのような類似株に含まれるNAポリペプチドおよびHAポリペプチドは
、「類似株」間で比較した場合、「類似ポリペプチド」となることも理解されるであろう
。
【0068】
インフルエンザウイルスワクチン
本明細書中の配列、組成物および方法は、主にワクチン用のインフルエンザウイルスの
生成に関係するが、それだけではない。歴史的に、インフルエンザウイルスワクチンは、
40
主に、選択されたウイルス株または関連株の経験的な予測に基づくウイルス株を用いて孵
化鶏卵で生成されている。最近では、承認された弱毒化温度感受性マスター株に関連して
、選択されたヘマグルチニンおよび/またはノイラミニダーゼ抗原を組み込んだ再集合体
ウイルスが生成されている。鶏卵での複数回の継代でウイルスを培養した後、インフルエ
ンザウイルスを回収し、場合によって、例えば、ホルムアルデヒドおよび/またはβ−プ
ロピオラクトンを用いて、不活化する(または代わりに弱毒化生ワクチンで使用する)。
このように、(本発明に見られる)HAおよびNA配列が、インフルエンザワクチンを構
築するのに極めて有用であることが理解されるであろう。
【0069】
細胞培養で組換えワクチンおよび再集合体ワクチンを生成する試みは、ワクチン生成用
50
(50)
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に承認された株のうちのいくつかが、標準的な細胞培養条件の下で効率的に増殖できない
ことにより妨げられている。しかしながら、本願発明者らおよびその共同研究者らによる
先の研究は、培養で組換えウイルスおよび再集合体ウイルスを生成するためのベクター系
、および方法を提供し、したがって、1つまたは多数の選択された抗原性ウイルス株(例
えば、A株またはB株のいずれか)、様々なサブタイプまたは亜株など(例えば、本明細
書中のHAおよびNA配列を含むもの)に対応するワクチンを迅速に作製することが可能
となった。全て「Multi−Plasmid System for the Pro
duction of Influenza Virus.」というタイトルの米国特許
出願第60/420,708号(2002年10月23日出願)、米国特許出願第10/
423,828号(2003年4月25日)、および米国特許出願第60/574,11
10
7号(2004年5月24日)を参照されたい。通常、培養物を、制御された湿度および
CO2の下、温度レギュレーター(例えば、温度が35℃を超えないことを保証するサー
モスタット)を用いて一定の温度にした、細胞培養インキュベーターなどのシステムで維
持する。再集合体インフルエンザウイルスは、マスターインフルエンザウイルスのゲノム
セグメントを、対象となる株(例えば、本明細書中のHAおよび/またはNA抗原変異体
)由来の相補的セグメントと組み合わせたものに対応するベクターのサブセットを導入す
ることによって、容易に得ることができる。通常、マスター株は、ワクチン投与に関する
望ましい特性に基づいて選択される。例えば、ワクチン生成のために(例えば、弱毒化生
ワクチンの生成のために)、マスタードナーウイルス株を弱毒化表現型、低温適応型およ
び/または温度感受性について選択し得る。本明細書中の別の場所、および例えば、米国
20
特許出願第10/423,828号などで説明されているように、本発明の様々な実施形
態は、A/アナーバー(AA)/6/60またはB/アナーバー/1/66またはA/プ
エルトリコ/8/34、またはB/レニングラード/14/17/55、B/14/5/
1、B/USSR/60/69、B/レニングラード/179/86、B/レニングラー
ド/14/55、またはB/イングランド/2608/76インフルエンザ株を、HAお
よび/またはNA遺伝子(例えば、本明細書に列挙された配列など)を付加する「バック
ボーン」として利用して、望ましい再集合体ウイルスを生成させる。したがって、例えば
、6:2再集合体では、2つの遺伝子(すなわち、NAおよびHA)は、免疫原性反応が
望まれるインフルエンザ株に由来するが、他の6つの遺伝子は、アナーバー株または他の
バックボーン株などに由来する。アナーバーウイルスは、低温適応型、弱毒化、温度感受
30
性という特性があるので有用である。当然、本明細書中のHAおよびNA配列は、いくつ
かの他のウイルス遺伝子またはウイルス型との再集合が可能であることが理解されるであ
ろう(例えば、いくつかの異なる「バックボーン」(例えば、A/プエルトリコ/8/3
4など)は、再集合体に存在する他のインフルエンザ遺伝子(すなわち、非HA遺伝子お
よび非NA遺伝子)を含有する。ヒトインフルエンザウイルスに対する弱毒化A型生イン
フルエンザウイルスワクチンが最近米国で認可された。上記を参照されたい。そのような
ワクチンは、A/アナーバー(AA)/6/60(H2N2)低温適応型(ca)ウイル
スの内部タンパク質遺伝子によって、AA caウイルスの低温適応型、弱毒化および温
度感受性表現型が再集合体ウイルス(すなわち、非アナーバー株由来のヘマグルチニンお
よびノイラミニダーゼ遺伝子を有するウイルス)に付与される再集合体H1N1およびH
40
1N2ウイルスである。いくつかの実施形態では、再集合体は、7:1再集合体を含むこ
ともできる。言い換えれば、HAまたはNAのみがバックボーンまたはMDV株に由来し
ない。以前の研究は、場合によって、本発明の様々な実施形態の範囲内にある好適なバッ
クボーンドナーウイルス株に関して報告されている。例えば、全て「Multi−Pla
smid System for the Production of Influe
nza Virus」というタイトルの米国特許出願第60/420,708号(200
2年10月23日出願)、米国特許出願第10/423,828号(2003年4月25
日出願)、および米国特許出願第60/574,117号(2004年5月25日出願)
;Maassab et al.,J.of Inf.Dis.,1982,146:7
80−790;Cox,et al.,Virology,1988,167:554−
50
(51)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
567;Wareing et al.,Vaccine,2001,19:3320−
3330;Clements,et al.,J Infect Dis.,1990,
161(5):869−77などを参照されたい。
【0070】
いくつかの実施形態では、本発明中の配列は、場合により、(核酸配列またはアミノ酸
配列の両方または一方において)除去された特定の領域を有することができる。例えば、
多塩基性切断部位を有する分子については、場合により、そのような部位を除去すること
ができる。本明細書中のいくつかの実施形態におけるそのような切断部位は、例えば、そ
の配列が、(例えば、切断を不能にするまたはそこでの切断を低下させる、などのために
)そのような配列が由来した野生型配列と比較して修飾または改変されている。そのよう
10
な修飾/改変は、出発配列における切断部位の配列が様々であるため、異なる株または配
列で異なっている可能性がある。例えば、4つの多塩基性残基(RRKK)は通常、(w
tと比較したとき)いくつかのHA配列で除去されている。様々な実施形態では、そのよ
うな多塩基性切断部位をいくつかの方法で修飾することができる(その全てが本発明に含
まれる)。例えば、多塩基性切断部位を一度に1アミノ酸除去することができる(例えば
、1つのRを除去する、2つのRを除去する、RRKを除去する、またはRRKKを除去
する)。さらに、切断部位のすぐ上流にあるアミノ酸残基もまた、除去または改変する(
例えば、RからTへ、など)ことができる。また、切断部位の直後のアミノ酸残基をコー
ドするヌクレオチドも修飾することができる。当業者であれば、そのような特定の領域を
除去する様々な方法に精通しているであろう。結果として得られる短縮された配列も本発
20
明に含まれる。例えば、Li et al.,J.of Infectious Dis
eases,179:1132−8,1999を参照されたい。
【0071】
任意で本発明の配列を包含するウイルスに対して適用される(通常、ワクチンとしてま
たはワクチン生成のために使用される)「温度感受性」、「低温適応型」および「弱毒化
」という用語は、当技術分野で周知である。例えば、「温度感受性」(「ts」)という
用語は、例えば、A型インフルエンザ株について、ウイルスが、33℃と比べて39℃で
100倍以上の力価の減少を示すこと、またはB型インフルエンザウイルス株について、
ウイルスが、33℃と比べて37℃で100倍以上の力価の減少を示すことを示す。「低
温適応型」(ca)という用語は、ウイルスが、33℃でのその増殖の100倍以内の増
30
殖を25℃で示すことを示し、一方、「弱毒化」(att)という用語は、ウイルスが、
フェレットの上気道では複製するが、その肺組織では検出されず、また、動物でインフル
エンザ様の病気を引き起こさないことを示す。中間の表現型を有するウイルス、すなわち
、39℃(A株ウイルスの場合)もしくは37℃(B株ウイルスの場合)で100倍未満
の力価減少を示すか、または33℃でのその増殖よりも100倍大きい(例えば、200
倍、500倍、1000倍、10,000倍未満の)25℃での増殖を示し、かつ/また
はフェレットの上気道での増殖と比べて肺での増殖の減少(すなわち、部分的弱毒化)お
よび/もしくは動物でのインフルエンザ様疾病の低下を示すウイルスもまた、有用なウイ
ルスであり、かつ本明細書中のHAおよびNA配列とともに使用することができる。
【0072】
40
したがって、本発明は、培養細胞中でのインビトロのワクチン生成と比べて望ましい特
性(例えば、弱毒化された病原性または表現型、低温適応型、温度感受性など)を有する
、例えば、適切な培養条件下での、ウイルス株(A株とB株の両方のインフルエンザウイ
ルス)の増殖を利用することができる。インフルエンザウイルスは、クローン化されたウ
イルスゲノムセグメントを組み込んだ複数のベクターを宿主細胞に導入し、細胞を35℃
を超えない温度で培養することによって生成することができる。インフルエンザウイルス
ゲノムを含むベクターをトランスフェクトした場合、ワクチンとして好適な組換えウイル
スを標準的な精製手順によって回収することができる。本発明のベクター系および方法を
用いて、ワクチン生成に関するその望ましい特性について選択された株の6つの内部遺伝
子セグメントと、選択された、例えば、病原性の株由来の免疫原性HAおよびNAセグメ
50
(52)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
ント(例えば、本明細書中の配列表にあるもの)とを組み込んだ再集合体ウイルスを、組
織培養で迅速かつ効率的に生成することができる。したがって、本明細書に記載の系およ
び方法は、弱毒化生ワクチン(例えば、鼻腔内投与に好適なワクチン)をはじめとするワ
クチンとして使用するのに好適なウイルスを含む組換えA型インフルエンザウイルスおよ
び再集合体A型インフルエンザウイルスならびに組換えB型インフルエンザウイルスおよ
び再集合体B型インフルエンザウイルスの細胞培養物の迅速な生成に有用である。
【0073】
そのような実施形態では、通常、単一のマスタードナーウイルス(MDV)株が、Aサ
ブタイプおよびBサブタイプの各々について選択される。弱毒化生ワクチンの場合、マス
タードナーウイルス株は、通常、ワクチン生成に関するその望ましい特性、例えば、温度
10
感受性、低温適応型および/または弱毒化について選択される。例えば、例示的なマスタ
ードナー株としては、それぞれ、A/アナーバー/6/60およびB/アナーバー/1/
66のそのような温度感受性株、弱毒化株および低温適応型株、ならびに全体を通して言
及した他の株が挙げられる。
【0074】
例えば、選択されたマスタードナーA型ウイルス(MDV−A)、またはマスタードナ
ーB型ウイルス(MDV−B)は、ウイルスゲノムを構成する複数のクローニングされた
ウイルスcDNAから生成される。実施形態は、組換えウイルスが8つのクローニングさ
れたウイルスcDNAから生成されたものである。PB2、PB1、PA、NP、HA、
NA、MおよびNSの選択されたMDV−A配列またはMDV−B配列のいずれかに相当
20
する8つのウイルスcDNAは、ウイルスゲノムRNAを一方の鎖に由来するRNAポリ
メラーゼI(pol I)プロモーターから転写することができ、かつウイルスmRNA
をもう一方のRNAポリメラーゼII(pol II)プロモーターから合成することが
できるように、任意でプラスミド(例えば、pAD3000)などの二方向性発現ベクタ
ーにクローニングされる。任意で、(例えば、多重塩基性切断部位(別名、多塩基性切断
部位)を除去するために)HAセグメントを含む任意の遺伝子セグメントを修飾すること
ができる。
【0075】
次に、8つのウイルスcDNAを担持するプラスミドを適切な宿主細胞(例えば、Ve
ro細胞、共培養されたMDCK/293TまたはMDCK/COS7細胞)にトランス
30
フェクトした後に、感染性の組換えMDV−AまたはMDV−Bウイルスを回収すること
ができる。本明細書に、ならびに例えば、全て「Multi−Plasmid Syst
em for the Production of Influenza Virus
」というタイトルの米国特許出願第60/420,708号(2002年10月23日出
願)、米国特許出願第10/423,828号(2003年4月25日出願)、および米
国特許出願第60/574,117号(2004年5月24日出願);Hoffmann
,E.,2000,PNAS,97(11):6108−6113;Hoffmannに
対する米国公開特許出願第20020164770号;ならびにPaleseらに対する
米国特許第6,544,785号(2003年4月8日発行)に記載されているプラスミ
ドおよび方法を用いて、本発明は、例えば、選択されたウイルス(例えば、MDV−A、
40
MDV−B)の6つの内部遺伝子(PB1、PB2、PA、NP、MおよびNS)を、異
なる対応する型(AまたはB)のインフルエンザウイルスに由来するHAおよびNA(例
えば、本明細書中の配列表に示されているもの)と共トランスフェクトすることによって
、6:2再集合体インフルエンザワクチンを作製するのに有用である。例えば、HAセグ
メントは、ワクチン生成のために通常行なわれているように、病原性に関連するH1株、
H3株またはB株から好都合に選択される。同様に、HAセグメントを、病原性株(例え
ば、本明細書中の配列表に示されているもの)としての新たな関連性を有する株から選択
することができる。MDVの7つのゲノムセグメントと、選択された株のHAまたはNA
遺伝子のいずれかとを組み込んだ再集合体(7:1再集合体)も生成することができる。
全体を通して詳述しているように、場合によっては、本発明の分子を任意の望ましい組合
50
(53)
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せで組み合わせることができることが理解されるであろう。例えば、本明細書中のHAお
よび/またはNA配列を、例えば、再集合体バックボーン、例えば、6:2再集合体また
は7:1再集合体などの中のA/AA/6/60、B/AA/1/66、A/プエルトリ
コ/8/34(すなわち、PR8)など)に入れることができる。したがって、以下でよ
り完全に説明するように、ドナーウイルス(この場合も、例えば、A/AA/6/60な
ど)由来の6つの内部ゲノムセグメントと、第2の株(例えば、野生型株、ドナーウイル
スではない)由来の2つのゲノムセグメントとが存在することになる。そのような2つの
ゲノムセグメントは、好ましくはHAおよびNA遺伝子である。同様の状況は7:1再集
合体についても生じるが、この集合体では、ドナーウイルス由来の7つのゲノムセグメン
トと異なるウイルス(通常、野生型またはそれに対する免疫応答が望ましいウイルス)由
10
来の1つのゲノムセグメント(HAまたはNAのいずれか)とが存在する。また、本明細
書中の配列(例えば、図1の配列表にある配列など)を本明細書中の様々な実施形態にお
いていくつかの手段で組み合わせることができることが理解されるであろう。したがって
、本明細書中の配列はいずれも、7:1再集合体中に単独で存在する(すなわち、本発明
の配列は、7つのドナーウイルスゲノムセグメントとともに存在する)ことができ、かつ
/または6:2再集合体中に本発明の別の配列とともに存在することができる。そのよう
な6:2再集合体において、本発明の配列はいずれも、任意で、本発明の任意の他の配列
とともに存在することができる。しかしながら、典型的かつ好ましい実施形態は、同じも
との野生型株(または修飾された野生型株、例えば、修飾された多塩基性切断部位を有す
るもの)由来のHAおよびNAを含む。例えば、典型的な実施形態は、ドナーウイルス(
20
例えば、A/AA/6/60)由来の6つの内部ゲノムセグメントと、本明細書に記載の
HAおよびNAゲノムセグメントとを有する6:2再集合体を含むことができる。当然、
この場合も、本発明は、HAおよびNAゲノムセグメントが類似の株に由来する再集合体
ウイルスをも含むことが理解されるであろう。上記の参照は、あらゆる目的のために、例
えば、特に、プラスミド、ウイルス(インフルエンザウイルス)のプラスミドレスキュー
、ウイルスレスキュー/生成のための多重プラスミド系などに関するその教示のために、
その全体が本明細書に具体的に組み込まれる。
【0076】
また一方、本発明のHAおよびNA配列は、場合により、そのようなプラスミド再集合
ワクチンで(ならびに/または他のts、cs、ca、および/もしくはattウイルス
30
およびワクチンで)利用される。しかしながら、本発明のHAおよびNA配列などは、特
定のワクチン組成物または生成方法に限定されるものではなく、したがって、株特異的な
HAおよびNA抗原(例えば、本発明の配列)を利用する実質的に全てのワクチンタイプ
またはワクチン生成方法において利用可能であることに留意すべきである。
【0077】
FluMist(登録商標)
これまでに述べたように、インフルエンザワクチンの非常に多くの例および型が存在す
る。例示的なインフルエンザワクチンは、FluMist(MedImmune Vac
cines Inc.,Mt.View,CA)であり、これは、インフルエンザ疾患か
ら子供および大人を守る弱毒化生ワクチンである(Belshe et al.(199
40
8) The efficacy of live attenuated,cold−
adapted,trivalent,intranasal influenza v
irus vaccine in children N Engl J Med 33
8:1405−12;Nichol et al.(1999) Effectiven
ess of live,attenuated intranasal influe
nza virus vaccine in healthy,working adu
lts:a randomized controlled trial JAMA 2
82:137−44)。典型的でかつ好ましい実施形態では、本発明の方法および組成物
は、好ましくは、FluMistワクチンの生成に適合/使用される。しかしながら、本
明細書中の配列、方法、組成物などは、同様のまたは異なるウイルスワクチンの生成にも
50
(54)
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適合可能であることが、当業者に理解されるであろう。
【0078】
FluMistワクチン株は、例えば、野生型株に由来するHAおよびNA遺伝子セグ
メントを含み、この野生型株(または、場合によって、関連株)に由来するHAおよびN
A遺伝子セグメントに対して、一般的なマスタードナーウイルス(MDV)に由来する6
つの遺伝子セグメント(PB1、PB2、PA、NP、MおよびNS)とともに、ワクチ
ンが対処されている。したがって、本明細書中のHA配列は、場合によって、様々なFl
uMist製剤の一部である。FluMistのA型インフルエンザ株用のMDV(MD
V−A)は、連続してより低い温度でニワトリ腎臓組織の初代培養物にて野生型A/アナ
ーバー/6/60(A/AA/6/60)株を連続継代することにより作出された(Ma
10
assab(1967) Adaptation and growth charac
teristics of influenza virus at 25 degre
es C Nature 213:612−4)。MDV−Aは、25℃で効率的に複製
する(ca、低温適応型)が、その増殖は、38℃および39℃で制限される(ts、温
度感受性)。さらに、このウイルスは、感染したフェレットの肺では複製しない(att
、弱毒化)。ts表現型は、気道の最も冷えた領域を除く全ての領域でその複製を制限す
ることによって、ヒトでのワクチンの弱毒化に寄与すると考えられている。この特性の安
定性は、動物モデルおよび臨床研究で実証されている。化学的突然変異導入によって作出
されたインフルエンザ株のts表現型とは対照的に、MDV−Aのts特性は、感染した
ハムスターで継代した後、または子供から排出された分離株で戻らない(最近の総説につ
20
いては、Murphy & Coelingh(2002) Principles u
nderlying the development and use of liv
e attenuated cold−adapted influenza A an
d B virus vaccines Viral Immunol 15:295−
323)を参照されたい)。
【0079】
12種の別個の6:2再集合体株を伴う20,000人を超える成人および子供におけ
る臨床研究により、これらのワクチンが、弱毒化されており、安全で、かつ有効であるこ
とが示された(Belshe et al.(1998) The efficacy of live attenuated,cold−adapted,trivalen
30
t,intranasal influenza virus vaccine in children N Engl J Med 338:1405−12;Boyce et al.(2000) Safety and immunogenicity o
f adjuvanted and unadjuvanted subunit in
fluenza vaccines administered intranasal
ly to healthy adults Vaccine 19:217−26;E
dwards et al.(1994) A randomized control
led trial of cold adapted and inactivate
d vaccines for the prevention of influen
za A disease J Infect Dis 169:68−76;Nich
40
ol et al.(1999) Effectiveness of live,at
tenuated intranasal influenza virus vacc
ine in healthy,working adults:a randomiz
ed controlled trial JAMA 282:137−44)。MDV
−Aの6つの内部遺伝子と、野生型ウイルスの2つのHAおよびNA遺伝子セグメントと
を担持する再集合体(すなわち、6:2再集合体)は、一貫してca、tsおよびatt
表現型を保持する(Maassab et al.(1982) Evaluation
of a cold−recombinant influenza virus v
accine in ferrets J.Infect.Dis.146:780−9
00)。
50
(55)
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【0080】
B型インフルエンザ株を用いたそのような再集合体ウイルスの生成はより困難であるが
、最近の研究(例えば、例えば、全て「Multi−Plasmid System f
or the Production of Influenza Virus」という
タイトルの米国特許出願第60/420,708号(2002年10月23日出願)、米
国特許出願第10/423,828号(2003年4月25日出願)、および米国特許出
願第60/574,117号(2004年5月24日出願))により、クローニングされ
たcDNAに完全に由来するB型インフルエンザウイルスを作製するための8つのプラス
ミド系が示された。ワクチン製剤(例えば、鼻腔内投与に有用な生ウイルスワクチン製剤
)に好適な弱毒化A型およびB型インフルエンザ生ウイルスの生成方法も示された。
10
【0081】
これまでに記載したシステムおよび方法は、弱毒化生ワクチン(例えば、鼻腔内投与に
好適なワクチン)を含むワクチンとしての使用に好適なウイルスをはじめとする、組換え
および再集合体のA型およびB型インフルエンザの細胞培養物における迅速な生成に有用
である。ワクチン用のウイルスを生成するために、本発明の配列、方法などを、場合によ
って、例えば、ワクチン生成用の再集合体インフルエンザウイルスを伴うこれまでの研究
とともに、またはそのような研究と組み合わせて使用する。
【0082】
ワクチンを予防投与するための方法および組成物
上記のように、FluMist(商標)ワクチンの生成で使用する代わりに、またはそ
20
れに加えて、本発明を他のワクチン製剤で使用することができる。一般に、本発明の組換
えウイルスおよび再集合体ウイルスを、免疫学的に有効な量でかつ適切な担体または賦形
剤中で予防的に投与して、HAおよび/またはNA配列によって決定されるようなインフ
ルエンザウイルスの1つまたは複数の株に特異的な免疫応答を刺激することができる。通
常、担体または賦形剤は、薬学的に許容される担体または賦形剤、例えば、滅菌水、生理
食塩水溶液、緩衝生理食塩水溶液、ブドウ糖水溶液、グリセロール水溶液、エタノール、
非感染鶏卵由来の尿膜腔液(すなわち、正常尿膜腔液もしくはNAF)、またはそれらの
組合せである。滅菌性、pH、等張性、および安定性を保証するそのような溶液の調製は
、当技術分野で確立されたプロトコルに従って達成される。一般に、担体または賦形剤は
、アレルギーおよび他の望ましくない効果を最小限にするように、かつ特定の投与経路(
30
例えば、皮下、筋肉内、鼻腔内など)に適するように選択される。
【0083】
本発明の関連態様は、個体の免疫系を刺激して、インフルエンザウイルスに対する防御
免疫応答を生じさせるための方法を提供する。この方法では、免疫学的有効量の組換えイ
ンフルエンザウイルス(例えば、本発明のHAおよび/もしくはNA分子)、免疫学的有
効量の本発明のポリペプチド、ならびに/または免疫学的有効量の本発明の核酸を、生理
学的に許容される担体中で個体に投与する。
【0084】
一般に、本発明のインフルエンザウイルスを、インフルエンザウイルスの1つまたは複
数の株に(すなわち、本発明のHAおよび/またはNA株に対して)特異的な免疫応答を
40
刺激するのに十分な量で投与する。好ましくは、インフルエンザウイルスの投与によって
、そのような株に対する防御免疫応答を誘発する。1以上のインフルエンザ株に対する防
御免疫応答を誘発するための投与量および方法は当業者に公知である。例えば、米国特許
第5,922,326号; Wright et al.,Infect.Immun.
37:397−400(1982);Kim et al.,Pediatrics 5
2:56−63(1973);およびWright et al.,J.Pediatr
.88:931−936(1976)を参照されたい。例えば、インフルエンザウイルス
を、1回の投与当たり、約1∼1000 HID50(ヒト感染用量)、すなわち、約1
05∼108pfu(プラーク形成単位)の範囲で投与する。通常、この用量を、例えば
、年齢、身体の状態、体重、性別、食事、投与時間、および他の臨床的要因に基づいて、
50
(56)
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この範囲内で調整する。予防的ワクチン製剤を、例えば、針とシリンジ、または無針注射
装置を用いる皮下または筋肉内注射により全身投与する。あるいは、ワクチン製剤を、液
滴、大きな粒子状エアロゾル(約10ミクロンよりも大きい)、または上気道への噴霧の
いずれかにより鼻腔内投与する。上記の送達経路はいずれも、防御的な全身性の免疫応答
を生じさせるが、鼻腔内投与は、インフルエンザウイルスの侵入部位で粘膜免疫系を誘発
するという追加の利点を与える。鼻腔内投与については、多くの場合、弱毒化生ウイルス
ワクチンが好ましい(例えば、弱毒化、低温適応型および/または温度感受性の組換えイ
ンフルエンザウイルスまたは再集合体インフルエンザウイルス)。上記を参照されたい。
単回用量を用いて防御免疫応答を刺激することが好ましいが、さらなる投与量を、同じま
たは異なる経路で投与して、所望の予防的効果を達成することができる。
10
【0085】
通常、ワクチンで使用されるような本発明の弱毒化組換えインフルエンザは、感染の症
状、または少なくとも重篤な感染の症状が、その弱毒化インフルエンザウイルスで免疫化
された(またはさもなければそれに感染した)大半の個体で現われない程度に十分に弱毒
化されている。いくつかの例では、弱毒化インフルエンザウイルスは、それでもなお、軽
度の疾患(例えば、軽度の上部呼吸器疾患)の症状を生じさせ、かつ/またはワクチン接
種をしていない個体に拡散することが可能である。しかしながら、その病原性は、重篤な
下気道感染がワクチン接種した宿主または偶然の宿主で生じない程度に十分に無効になっ
ている。
【0086】
20
あるいは、免疫応答を、本明細書中の配列を含むインフルエンザウイルスを用いて、樹
状細胞をエクスビボまたはインビボでターゲッティングすることによって刺激することが
できる。例えば、増殖している樹状細胞を、十分な量で、かつこの樹状細胞がインフルエ
ンザ抗原を捕捉することができるほど十分な時間、ウイルスに曝露させる。次に、これら
の細胞を、標準的な静脈内移植法により、ワクチン接種される対象に移す。
【0087】
単回用量を用いて防御免疫応答を刺激することが好ましいが、さらなる投与量を、同じ
または異なる経路で投与して、所望の予防的効果を達成することができる。新生児および
幼児では、例えば、十分なレベルの免疫を誘発するために複数回投与が必要になる場合が
ある。投与は、野生型インフルエンザ感染に対して十分なレベルの防御を維持する必要に
30
応じて、幼児期を通して間をおいて継続することができる。同様に、成人(特に、繰り返
しまたは重篤なインフルエンザ感染を受けやすい人(例えば、医療従事者、介護士、幼い
子供、高齢者および心肺機能不全の人の家族))は、防御免疫応答を確立および/または
維持するために複数回の免疫化を必要とする場合がある。誘導された免疫のレベルは、例
えば、分泌抗体および血清抗体を中和する量を測定することによってモニタリングするこ
とができ、かつ所望のレベルの防御を誘発および維持する必要に応じて、投与量を調整す
るかまたはワクチン接種を繰り返すことができる
【0088】
場合によって、インフルエンザウイルスを予防投与するための製剤はまた、インフルエ
ンザ抗原に対する免疫応答を増強するための1以上のアジュバントを含む。好適なアジュ
40
バントとしては、完全フロイントアジュバント、不完全フロイントアジュバント、サポニ
ン、ミネラルゲル(例えば、水酸化アルミニウム)、界面活性剤(例えば、リゾレシチン
)、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油または炭化水素エマルジョン
、カルメットゲラン桿菌(BCG)、コリネバクテリウム・パルウム(Coryneba
cterium parvum)、ならびに合成アジュバントのQS−21およびMF5
9が挙げられる。
【0089】
望ましい場合、インフルエンザウイルスの予防ワクチン投与を、1以上種の免疫刺激分
子の投与とともに行うことができる。免疫刺激分子としては、インターロイキン(IL−
1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−12、IL−13など);増殖因子(例えば
50
(57)
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、顆粒球マクロファージ(GM)コロニー刺激因子(CSF))などの、免疫刺激活性、
免疫増強活性、および炎症促進活性を有する様々なサイトカイン、リンホカインおよびケ
モカインならびに他の免疫刺激分子(例えば、マクロファージ炎症性因子、Flt3リガ
ンド、B7.1、B7.2など)が挙げられる。免疫刺激分子を、インフルエンザウイル
スと同じ製剤中で投与することができるか、または別々に投与することができる。タンパ
ク質(例えば、本発明のHAおよび/もしくはNAポリペプチドまたはタンパク質をコー
ドする発現ベクターのいずれかを投与して、免疫刺激効果をもたらすことができる。
【0090】
上記の方法は、治療的または予防的に有効なHAおよび/もしくはNAポリペプチド(
もしくはペプチド)またはHAおよび/もしくはNA RNA(例えば、アンチセンスR
10
NAもしくはリボザイム)をコードする異種ポリヌクレオチドを含む本発明のベクターを
、標的細胞の集団にインビトロ、エクスビボまたはインビボで導入することによって、疾
患または障害(通常、インフルエンザ)を治療的および/または予防的に処置するのに有
用である。通常、対象となるポリペプチド(もしくはペプチド)またはRNAをコードす
るポリヌクレオチドは、例えば、本明細書に記載されたような適切な調節配列に機能的に
連結されている。場合によって、2以上の異種コード配列が、単一のベクターまたはウイ
ルスに組み込まれている。例えば、治療活性または予防活性のあるHAおよび/もしくは
NAポリペプチドまたはRNAをコードするポリヌクレオチドの他に、ベクターは、さら
なる治療的または予防ポリペプチド(例えば、抗原、共刺激分子、サイトカイン、抗体な
ど)、および/またはマーカーなども含むことができる。
20
【0091】
特定のサブグループの特定の株の弱毒化インフルエンザウイルスを個体にワクチン接種
することにより、異なる株および/またはサブグループのインフルエンザウイルスに対す
る交差防御を誘導することができるが、望ましい場合、少なくとも2種、少なくとも3種
、または少なくとも4種のインフルエンザウイルス株または亜株(例えば、そのうちの少
なくとも2種は、異なるサブグループに相当し得る)由来の弱毒化インフルエンザウイル
スを個体にワクチン接種することにより、交差防御を増強することができる。例えば、弱
毒化インフルエンザウイルスの少なくとも4種の株または亜株を個体にワクチン接種する
ことは、A型インフルエンザウイルスの少なくとも2種の株または亜株と、B型インフル
エンザウイルスの少なくとも2種の株または亜株を個体にワクチン接種することを含み得
30
る。弱毒化インフルエンザウイルスの少なくとも4種の株または亜株を個体にワクチン接
種することは、A型インフルエンザウイルスの少なくとも3種の株または亜株と、B型イ
ンフルエンザウイルスの少なくとも3種の株または亜株を個体にワクチン接種することを
含み得る。少なくとも4種のインフルエンザウイルス株または亜株を個体にワクチン接種
することは、少なくとも4種の弱毒化インフルエンザウイルス株または亜株の全てを含む
1回の四価ワクチンの投与を必要とし得る。あるいは、ワクチン接種は、複数回のワクチ
ン(その各々は、弱毒化インフルエンザウイルス株または亜株の1種、2種、または3種
を含む)の投与を必要とし得る。さらに、ワクチンの組み合わせ物は、場合により、流行
性ワクチンと非流行性株の混合物を含む。ワクチン混合物(または複数回のワクチン接種
)は、ヒト株および/または非ヒトインフルエンザ株(例えば、トリおよびヒトなど)に
40
由来する成分を含むことができる。同様に、本発明の弱毒化インフルエンザウイルスワク
チンは、場合により、他の感染性因子に対する防御免疫応答を誘導するワクチンと組み合
わせることができる。一実施形態では、本発明のワクチンは、3種の再集合体インフルエ
ンザウイルスを含む三価ワクチンである。一実施形態では、本発明のワクチンは、2種の
再集合体A型インフルエンザウイルスと1種の再集合体B型インフルエンザウイルスとを
含む三価ワクチンである。一実施形態では、本発明のワクチンは、1種のタイプH1の再
集合体A型インフルエンザウイルスと、1種のタイプH3の再集合体A型インフルエンザ
ウイルスと、1種の再集合体B型インフルエンザウイルスとを含む三価ワクチンである。
別の実施形態では、本発明のワクチンは、4種の再集合体インフルエンザウイルスを含む
四価ワクチンである。一実施形態では、本発明のワクチンは、2種の再集合体A型インフ
50
(58)
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ルエンザウイルスと2種の再集合体B型インフルエンザウイルスとを含む四価ワクチンで
ある。一実施形態では、本発明のワクチンは、1種のタイプH1の再集合体A型インフル
エンザウイルスと、1種のタイプH3の再集合体A型インフルエンザウイルスと、ビクト
リア系統の1種の再集合体B型インフルエンザウイルスと、山形系統の再集合体B型イン
フルエンザウイルスとを含む四価ワクチンである。
【0092】
組換えウイルスの生成
マイナス鎖RNAウイルスを、組換えリバースジェネティックスの手法を用いて遺伝子
操作し、回収することができる(Paleseらに対する米国特許第5,166,057
号)。そのような方法は、もともと、インフルエンザウイルスゲノムを操作するために適
10
用され(Luytjes et al.(1989) Cell 59:1107−11
13;Enami et al.(1990) Proc.Natl.Acad.Sci
.USA 92:11563−11567)、かつセグメント化されたおよびセグメント
化されていない多種多様なマイナス鎖RNAウイルス、例えば、狂犬病(Schnell
et al.(1994) EMBO J.13:4195−4203);VSV(L
awson et al.(1995) Proc.Natl.Acad.Sci.US
A 92:4477−4481);麻疹ウイルス(Radecke et al.(19
95) EMBO J.14:5773−5784);牛痘ウイルス(Baron & Barrett(1997) J.Virol.71:1265−1271);ヒトパラ
インフルエンザウイルス(Hoffman & Banerjee(1997) J.V
20
irol.71:3272−3277;Dubin et al.(1997) Vir
ology 235:323−332);SV5(He et al.(1997) V
irology 237:249−260);イヌジステンパーウイルス(Gassen
et al.(2000) J.Virol.74:10737−44);およびセン
ダイウイルス(Park et al.(1991) Proc.Natl.Acad.
Sci.USA 88:5537−5541;Kato et al.(1996) G
enes to Cells 1:569−579)に首尾よく適用されている。当業者
であれば、本発明のHAおよびNA配列を含むインフルエンザウイルスを生成するための
これらのおよび同様の技術に精通しているであろう。1以上の本発明の核酸および/また
はポリペプチドを含む組換えインフルエンザウイルスと同様に、そのような方法によって
30
生成される組換えインフルエンザウイルスもまた本発明の特徴である。当然、当業者に理
解されるように、一般のインフルエンザウイルスは(そして、本発明のインフルエンザウ
イルスも)、マイナス鎖RNAウイルスである。したがって、インフルエンザウイルスが
、例えば、図1の配列などを含むものとして本発明に記載されるとき、それは、通常、そ
の配列の対応するマイナス鎖RNAバージョンを意味すると理解されるべきである。図1
のヌクレオチド配列は、(ヌクレオチド配列中の一部の非翻訳領域とともに)遺伝子のD
NAバージョン(例えば、コードするプラスセンスなど)を含む。当業者は、RNA配列
とDNA配列(例えば、UからTへの変換など)、および相補的ヌクレオチド配列同士(
RNA、DNAを問わない)などを容易に変換することができる。したがって、例えば、
当業者は、ヌクレオチド配列から、対応するアミノ酸配列または対応する相補的配列(D
40
NA、RNAを問わない)などに容易に変換することができる。また、明らかなことであ
るが、そのようなHAおよび/またはNA配列がDNAベクター(例えば、プラスミドな
ど)中に記載されている場合、通常、その配列の対応するDNAバージョンが理解される
べきである。この場合も、本発明の核酸は、本明細書中の配列表にある明示的な配列、お
よびそのような配列(RNAとDNAの両方)の相補体、配列表にある配列の二本鎖形態
、配列表にある配列の対応するRNA形態(配列表にある明示的な配列のRNA相補体と
してまたは例えば、同じセンスだが、Tの代わりにUを含むRNAから構成される、配列
表にある配列のRNAバージョンとして、など)を含む。
【0093】
細胞培養および発現宿主
50
(59)
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本発明はまた、本発明のベクターが導入(形質導入、形質転換またはトランスフェクト
)された宿主細胞、および組換え技術による本発明のポリペプチドの生成方法に関する。
宿主細胞は、本発明のベクター(例えば、発現ベクター)を用いて遺伝子操作(すなわち
、形質導入、形質転換またはトランスフェクト)されている。上記のように、ベクターは
、プラスミド、ウイルス粒子、ファージなどの形態であることができる。適切な発現宿主
の例としては、細菌細胞(例えば、大腸菌、ストレプトミセス、およびネズミチフス菌(
Salmonella typhimurium);真菌細胞(例えば、出芽酵母(Sa
ccharomyces cerevisiae)、ピキア・パストリス(Pichia
pastoris)、およびアカパンカビ(Neurospora crassa);
または昆虫細胞(ショウジョウバエ(Drosophila)およびヨトウガ(Spod
10
optera frugiperda)が挙げられる。
【0094】
最も一般的には、哺乳動物細胞を用いて、本発明のHAおよびNA分子を培養する。(
例えば、本明細書中のHAおよび/またはNA配列を有する)インフルエンザウイルスを
複製するのに好適な宿主細胞としては、例えば、Vero細胞、BHK細胞、MDCK細
胞、293T細胞、COS7細胞をはじめとする、293細胞およびCOS細胞などが挙
げられる。一般的には、複製効率を改善するために、上記の細胞株のうちの2つ(例えば
、MDCK細胞と293T細胞またはCOS細胞のいずれか)を含む共培養物を、例えば
、1:1の割合で使用する。通常、細胞を、標準的な市販の培養培地(例えば、血清(例
えば、10%胎仔ウシ血清)を補充したダルベッコ改変イーグル培地)または無血清培地
20
中、制御された湿度および中性に緩衝されたpH(例えば、pH7.0∼7.2)を維持
するのに好適なCO2濃度の下で培養する。場合により、培地は、細菌の増殖を防ぐため
の抗生物質(例えば、ペニシリン、ストレプトマイシンなど)、および/または追加の栄
養素(例えば、L−グルタミン、ピルビン酸ナトリウム、非必須アミノ酸、有利な増殖特
性を促進するためのさらなる添加物(例えば、トリプシン、β−メルカプトエタノールな
ど))を含む。
【0095】
操作された宿主細胞は、プロモーターの活性化、形質転換体の選択、または例えば、ウ
イルスの生成による挿入されたポリヌクレオチド配列の増幅に適するように改変された従
来の栄養培地中で培養することができる。温度、pHなどの培養条件は通常、発現用に選
30
択される特定の宿主細胞で以前に使用された条件であり、当業者にとって、また例えば、
Freshney(1994) Culture of Animal Cells,a
Manual of Basic Technique,第3版,Wiley−Lis
s,New Yorkおよびその中の引用文献をはじめとする、本明細書に引用された参
考文献中で明らかである。他の役立つ参考文献としては、例えば、Paul(1975)
Cell and Tissue Culture,第5版,Livingston,
Edinburgh;Adams(1980) Laboratory Techniq
ues in Biochemistry and Molecular Biolog
y−Cell Culture for Biochemists,Work and Burdon(編) Elsevier,Amsterdamが挙げられる。インビトロ
40
でのインフルエンザウイルスの生成において特に関心の高い組織培養方法に関するさらな
る詳細としては、例えば、Cohen and Shafferman(編)Novel
Strategies in Design and Production of VaccinesにおけるMerten et al.(1996) Producti
on of influenza virus in cell cultures f
or vaccine preparationが挙げられ、これは、あらゆる目的のた
めに、その全体が本明細書に組み込まれる。さらに、本発明に適合されたそのような方法
のバリエーションは、日常的な実験によって容易に決定され、かつ当業者によく知られて
いる。
【0096】
50
(60)
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(例えば、本発明のHAおよび/またはNA配列を有する)インフルエンザウイルスを
生成するための細胞を、血清含有培地または無血清培地中で培養することができる。場合
によって、例えば、精製ウイルスを調製するために、通常、無血清条件で宿主細胞を増殖
させることが望ましい。細胞を小規模(例えば、25ml未満の培地)の培養チューブも
しくは培養フラスコで、または大きなフラスコで撹拌しながら、回転ボトル中で、または
フラスコ、ボトルもしくはリアクター培養中のマイクロキャリアビーズ(例えば、DEA
E−デキストランマイクロキャリアビーズ(Dormacell,Pfeifer & Langenなど)、スーパービーズ(Flow Laboratories)、スチレ
ンコポリマー−トリメチルアミンビーズ(例えば、Hillex,SoloHill,A
nn Arbor))上で培養することができる。マイクロキャリアビーズは、(直径1
10
00∼200ミクロンの範囲の)小さな球であり、付着細胞増殖用に細胞培養物の容量当
たりの大きな表面積を提供する。例えば、1リットルの培地は、2000万個を上回るマ
イクロキャリアビーズを含み、8000cm2以上の増殖表面を提供することができる。
ウイルスの商業的生産のために(例えば、ワクチン生産のために)、細胞をバイオリアク
ターまたは発酵槽中で培養することが望ましいことが多い。バイオリアクターは、1リッ
トル未満から100リットルを超える容量まで利用可能である(例えば、Cyto3バイ
オリアクター(Osmonics,Minnetonka,MN);NBSバイオリアク
ター(New Brunswick Scientific,Edison,NJ);B
.Braun Biotech International製の実験室または商業的規
模のバイオリアクター(B.Braun Biotech,Melsungen,Ger
20
many))。
【0097】
培養の容量とは無関係に、本発明の多くの望ましい態様において、培養物を適切な温度
に維持し、温度依存性の多重プラスミド系(例えば、全て「Multi−Plasmid
System for the Production of Influenza Virus」というタイトルの米国特許出願第60/420,708号(2002年10
月23日出願)、米国特許出願第10/423,828号(2003年4月25日出願)
および米国特許出願第60/574,117号(2004年5月24日出願)を参照され
たい)、濾過するためのウイルス溶液の加熱などを用いて、組換えインフルエンザウイル
スおよび/または再集合体インフルエンザウイルスの効率的な回収を保証することが重要
30
である。通常、レギュレーター(例えば、サーモスタット、または細胞培養系および/も
しくは他の溶液の温度を感知し、維持するための他の装置)を用いて、温度が、適当な期
間(例えば、ウイルス複製の間など)、正確なレベルであることを保証する。
【0098】
本明細書中のいくつかの実施形態(例えば、再集合体ウイルスをベクター上のセグメン
トから生成しようとする場合)において、インフルエンザゲノムセグメントを含むベクタ
ーを、真核細胞に異種核酸を導入するための当技術分野で周知の方法(例えば、リン酸カ
ルシウム共沈殿、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、リポフェクショ
ン、およびポリアミントランスフェクション試薬を用いたトランスフェクションを含む)
に従って宿主細胞に導入(例えば、トランスフェクト)する。再集合体ウイルスなどを生
40
成するために、例えば、ベクター(例えば、プラスミド)を、製造元の指示に従って、ポ
リアミントランスフェクション試薬であるTransIT−LT1(Mirus)を用い
て、宿主細胞(例えば、COS細胞、293T細胞またはCOS細胞もしくは293T細
胞とMDCK細胞の組合せ)にトランスフェクトすることができる。したがって、一実施
形態では、約1μgの各ベクターを、160μlの培地(好ましくは、無血清培地)に希
釈した約2μlのTransIT−LT1とともに総容量200μlで宿主細胞の集団に
導入する。DNAとトランスフェクション試薬の混合物を、室温で45分間インキュベー
トし、その後、800μlの培地を添加する。トランスフェクション混合物を、宿主細胞
に添加し、細胞を、当業者に周知の他の方法によって記載した通りに培養する。したがっ
て、細胞培養で組換えウイルスまたは再集合体ウイルスを生成するために、8つのゲノム
50
(61)
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セグメント(PB2、PB1、PA、NP、M、NS、HAおよびNA(例えば、本発明
のもの))の各々を組み込んだベクターを、約20μlのTransIT−LT1と混合
し、宿主細胞にトランスフェクトする。場合によって、トランスフェクション前に、血清
含有培地を無血清培地(例えば、Opti−MEM I)と交換し、4∼6時間インキュ
ベートする。
【0099】
あるいは、エレクトロポレーションを用いて、インフルエンザゲノムセグメントを組み
込んだそのようなベクターを宿主細胞に導入することができる。例えば、A型インフルエ
ンザウイルスまたはB型インフルエンザウイルスを組み込んだプラスミドベクターを、以
下の手順に従ってエレクトロポレーションを用いて、Vero細胞に好都合に導入する。
10
簡潔に述べると、例えば、10%の胎仔ウシ血清(FBS)を補充した改変イーグル培地
(MEM)中で増殖した約5×106個のVero細胞を、0.4mlのOptiMEM
に再懸濁し、エレクトロポレーションキュベットに入れる。最大25μlの容量中の20
μgのDNAをキュベット中の細胞に添加し、次に、それをタッピングして穏やかに混合
する。エレクトロポレーションを、製造元の指示に従って、300ボルト、950マイク
ロファラッド、28∼33msecの時定数で行なう(例えば、Capacitance
Extender Plusが接続されたBioRad Gene Pulser I
I)。細胞を穏やかにタッピングして再び混合し、エレクトロポレーションから約1∼2
分後、10%のFBSを含む0.7mlのMEMをキュベットに直接添加する。次に、細
胞を、2mlのMEM、10%のFBSを含む標準的な6ウェル組織培養ディッシュの2
20
つのウェルに移す。残存する細胞を回収するためにキュベットを洗浄し、この洗浄懸濁液
を2つのウェルに分ける。最終容量は、約3.5mLである。次に、細胞を、ウイルスの
増殖を許容する条件下(例えば、低温適応型株の場合、約33℃)でインキュベートする
。
【0100】
哺乳動物の宿主細胞において、いくつかの発現系(例えば、ウイルスに基づく系)を利
用することができる。アデノウイルスを発現ベクターとして使用する場合、コード配列を
場合によって、後期プロモーターと3つに分かれたリーダー配列とからなるアデノウイル
ス転写/翻訳複合体に連結する。ウイルスゲノムの非必須E1またはE3領域に挿入する
ことにより、感染した宿主細胞で対象となるポリペプチドを発現することができる生存可
30
能なウイルスが得られる(Logan and Shenk(1984) Proc N
atl Acad Sci 81:3655−3659)。さらに、転写エンハンサー(
例えば、ラウス肉腫ウイルス(RSV)エンハンサー)を用いて、哺乳動物の宿主細胞に
おける発現を増加させることができる。
【0101】
宿主細胞株は、場合によって、挿入された配列の発現を調節する能力または発現された
タンパク質を所望の様式で処理する能力について選択される。そのようなタンパク質の修
飾としては、アセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、リン酸化、脂質化およびアシ
ル化が挙げられるが、これらに限定されない。(前駆形態を切断して成熟形態にする)タ
ンパク質の翻訳後プロセシングは、正確な挿入、折畳みおよび/または機能にとって重要
40
である場合がある。さらに、宿主細胞内の適切な位置(例えば、細胞表面上)もまた重要
である。異なる宿主細胞(例えば、COS、CHO、BHK、MDCK、293、293
T、COS7など)は、そのような翻訳後活性に関する特異的な細胞機構や特徴的なメカ
ニズムを有し、その時導入されている外来タンパク質の正確な修飾およびプロセシングを
確実に行なうように選択することができる。
【0102】
本発明のポリヌクレオチドにコードされているか、または本発明のポリヌクレオチドに
コードされているサブ配列を有する組換えタンパク質を長期間、高収率で生成するために
、安定した発現系を場合により使用する。例えば、本発明のポリペプチドを安定に発現す
る細胞株を、ウイルスの複製または内在性発現エレメントの起点と選択可能なマーカー遺
50
(62)
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伝子とを含む発現ベクターを用いてトランスフェクトする。例えば、ベクターを導入した
後、細胞を富栄養培地中で1∼2日間増殖させ、その後、選択培地に移し換える。選択可
能なマーカーの目的は、選択に対する耐性を付与することであり、それが存在することに
よって、導入した配列をうまく発現している細胞の増殖および回収が可能になる。したが
って、例えば、単一の細胞型に由来する安定に形質転換した細胞の耐性集団を、その細胞
型に適した組織培養技術を用いて増殖させることができる。
【0103】
本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列で形質転換した宿主細胞を、場合
により、コードされたタンパク質の発現および細胞培養物からの回収に好適な条件下で培
養する。該タンパク質を発現する細胞を、選別、単離および/または精製することができ
10
る。組換え細胞によって生成されたタンパク質またはその断片は、分泌されるか、膜に結
合するか、または細胞内に保持されることができるが、それは、配列(例えば、膜保持シ
グナルなどをコードする融合タンパク質)および/または使用されるベクターによって決
まる。
【0104】
本発明の核酸に対応する発現産物は、動物以外の細胞(例えば、植物、酵母、真菌、細
菌など)で生成することもできる。Sambrook,Berger and Ausu
bel(全て下記)の他に、Payne et al.(1992) Plant Ce
ll and Tissue Culture in Liquid Systems John Wiley & Sons,Inc.New York,NY;Gambor
20
g and Phillips(編)(1995) Plant Cell,Tissu
e and Organ Culture;Fundamental Methods Springer Lab Manual,Springer−Verlag(Berl
in Heidelberg New York)およびAtlas and Park
s(編) The Handbook of Microbiological Med
ia(1993) CRC Press,Boca Raton,FLに細胞培養に関す
る詳細を見出すことができる。
【0105】
細菌系において、いくつかの発現ベクターを、発現される産物に意図される用途に応じ
て選択することができる。例えば、大量のポリペプチドまたはその断片が抗体の生成に必
30
要とされる場合、容易に精製される融合タンパク質の高レベルの発現を導くベクターを好
都合に利用する。そのようなベクターとしては、多機能性の大腸菌クローニングおよび発
現ベクター(例えば、BLUESCRIPT(Stratagene))(このベクター
中では、対象となるコード配列(例えば、本明細書に見出されるものを含む配列など)を
、アミノ末端翻訳開始メチオニン、それに続く7残基のβ−ガラクトシダーゼ(触媒とし
て活性のあるβガラクトシダーゼ融合タンパク質を生じる)の配列とともにインフレーム
でベクターに連結することができる);pINベクター(Van Heeke & Sc
huster(1989) J Biol Chem 264:5503−5509);
pETベクター(Novagen,Madison WI)などが挙げられるが、これ
らに限定されない。同様に、出芽酵母(Saccharomyces cerevisi
40
ae)において、構成的または誘導性プロモーター(例えば、α因子、アルコール酸化酵
素およびPGH)を含むいくつかのベクターを、所望の発現産物を生成するために使用す
ることができる。概説については、Ausubel(下記)、およびGrant et al.,(1987);Methods in Enzymology 153:516
−544を参照されたい。
【0106】
対象となる生体分子のクローニング、突然変異導入および発現
本発明に適用できる分子生物学的技術(例えば、クローニング、突然変異、細胞培養な
ど)が記載されている一般的な教科書としては、Berger and Kimmel,
Guide to Molecular Cloning Techniques,Me
50
(63)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
thods in Enzymology 第152巻 Academic Press
,Inc.,San Diego,CA(Berger);Sambrook et a
l.,Molecular Cloning − A Laboratory Manu
al(第3版),第1∼3巻,Cold Spring Harbor Laborat
ory,Cold Spring Harbor,New York,2000(「Sa
mbrook」)およびCurrent Protocols in Molecula
r Biology,F.M.Ausubel et al.,編,Current P
rotocols,a joint venture between Greene Publishing Associates,Inc.and John Wiley
& Sons,Inc.,(2002年まで増補)(「Ausubel」))が挙げら
10
れる。これらの教科書には、突然変異導入、ベクターの使用、プロモーターおよび他の多
くの関連トピック(例えば、HAおよび/またはNA分子の生成など)が記載されている
。
【0107】
場合によって、例えば、新規もしくは新たに単離されたHAおよび/もしくはNA分子
を生成および/もしくは単離し、かつ/または本発明のポリペプチド(例えば、HAおよ
びNA分子)をさらに修飾する/突然変異させるために、様々なタイプの突然変異導入を
本発明で使用する。突然変異導入としては、部位特異的、ランダム点突然変異導入、相同
組換え(DNAシャッフリング)、ウラシル含有鋳型を用いた突然変異導入、オリゴヌク
レオチド特異的突然変異導入、ホスホロチオアート修飾型DNA突然変異導入、ギャップ
20
のある二本鎖DNAを用いた突然変異導入などが挙げられるが、これらに限定されない。
さらなる好適な方法としては、点ミスマッチ修復、修復欠損宿主株を用いた突然変異導入
、制限選択および制限精製、欠失突然変異導入、全遺伝子合成による突然変異導入、二本
鎖切断修復などが挙げられる。例えば、キメラ構築物を伴う突然変異導入も本発明に含ま
れる。一実施形態では、突然変異導入を、天然の分子または改変したもしくは突然変異さ
せた天然の分子に関する既知の情報(例えば、配列、配列比較、物理的特性、結晶構造な
ど)によって導くことができる。
【0108】
上記の教科書および本明細書に見られる実施例には、これらの方法ならびに以下の出版
物(およびその中で引用されている参考文献)が記載されている:Sieber,et 30
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ations:a gapped duplex DNA procedure wit
hout enzymatic reactions in vitro,Nucl A
cids Res 16:6987−6999(1988);Kramer et al
.,Improved enzymatic in vitro reactions in the gapped duplex DNA approach to oli
50
(64)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
gonucleotide−directed construction of mu
tations,Nucl Acids Res 16:7207(1988);Sak
amar and Khorana,Total synthesis and exp
ression of a gene for the a−subunit of b
ovine rod outer segment guanine nucleoti
de−binding protein(transducin),Nucl Acid
s Res 14:6361−6372(1988);Sayers et al.,Y
−T Exonucleases in phosphorothioate−base
d oligonucleotide−directed mutagenesis,N
ucl Acids Res 16:791−802(1988);Sayers et
10
al.,Strand specific cleavage of phospho
rothioate−containing DNA by reaction wit
h restriction endonucleases in the prese
nce of ethidium bromide,(1988) Nucl Acid
s Res 16:803−814;Carter,Improved oligonu
cleotide−directed mutagenesis using M13 vectors,Methods in Enzymol 154:382−403(1
987);Kramer & Fritz Oligonucleotide−dire
cted construction of mutations via gappe
d duplex DNA,Methods in Enzymol 154:350−
20
367(1987);Kunkel,The efficiency of oligo
nucleotide directed mutagenesis,in Nucle
ic Acids & Molecular Biology(Eckstein,F.
and Lilley,D.M.J.編,Springer Verlag,Berl
in))(1987);Kunkel et al.,Rapid and effic
ient site−specific mutagenesis without p
henotypic selection,Methods in Enzymol 1
54,367−382(1987);Zoller & Smith,Oligonuc
leotide−directed mutagenesis:a simple me
thod using two oligonucleotide primers a
30
nd a single−stranded DNA template,Method
s in Enzymol 154:329−350(1987);Carter,Si
te−directed mutagenesis,Biochem J 237:1−
7(1986);Eghtedarzadeh & Henikoff,Use of oligonucleotides to generate large delet
ions,Nucl Acids Res 14:5115(1986);Mandec
ki,Oligonucleotide−directed double−stran
d break repair in plasmids of Escherichi
a coli:a method for site−specific mutage
nesis,Proc Natl Acad Sci USA,83:7177−718
40
1(1986);Nakamaye & Eckstein,Inhibition o
f restriction endonuclease Nci I cleavag
e by phosphorothioate groups and its app
lication to oligonucleotide−directed mut
agenesis,Nucl Acids Res 14:9679−9698(198
6);Wells et al.,Importance of hydrogen−b
ond formation in stabilizing the transit
ion state of subtilisin,Phil Trans R Soc
Lond A 317:415−423(1986);Botstein & Sho
rtle,Strategies and applications of in v
50
(65)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
itro mutagenesis,Science 229:1193−1201(1
985);Carter et al.,Improved oligonucleot
ide site−directed mutagenesis using M13 vectors,Nucl Acids Res 13:4431−4443(1985
);Grundstrom et al.,Oligonucleotide−dire
cted mutagenesis by microscale ‘shot−gun
’ gene synthesis,Nucl Acids Res 13:3305−
3316(1985);Kunkel,Rapid and efficient si
te−specific mutagenesis without phenotyp
ic selection,Proc Natl Acad Sci USA 82:4
10
88−492(1985);Smith,In vitro mutagenesis,
Ann Rev Genet 19:423−462(1985);Taylor et
al.,The use of phosphorothioate−modifie
d DNA in restriction enzyme reactions to
prepare nicked DNA,Nucl Acids Res 13:87
49−8764(1985);Taylor et al.,The rapid ge
neration of oligonucleotide−directed mut
ations at high frequency using phosphoro
thioate−modified DNA,Nucl Acids Res 13:8
765−8787(1985);Wells et al.,Cassette mut
20
agenesis:an efficient method for generat
ion of multiple mutations at defined sit
es,Gene 34:315−323(1985);Kramer et al.,T
he gapped duplex DNA approach to oligonu
cleotide−directed mutation construction,
Nucl Acids Res 12:9441−9456(1984);Kramer
et al.,Point Mismatch Repair,Cell 38:87
9−887(1984);Nambiar et al.,Total synthes
is and cloning of a gene coding for the ribonuclease S protein,Science 223:1299−
30
1301(1984);Zoller & Smith,Oligonucleotid
e−directed mutagenesis of DNA fragments cloned into M13 vectors,Methods in Enzym
ol 100:468−500(1983);and Zoller & Smith,
Oligonucleotide−directed mutagenesis usi
ng M13−derived vectors:an efficient and general procedure for the production of point mutations in any DNA fragment,Nucl
Acids Res 10:6487−6500(1982)。上記の方法の多くにつ
いてのさらなる詳細を、Methods in Enzymol Volume 154
40
に見出すことができ、これには、様々な突然変異導入、遺伝子の単離、発現および他の方
法についてのトラブルシューティングの問題に関する役に立つ操作が記載されている。
【0109】
例えば、本発明の突然変異導入(例えば、本発明のHAおよび/またはNA分子のライ
ブラリーを突然変異させること、または改変すること)において使用されるオリゴヌクレ
オチドは、通常、例えば、Needham-VanDevanter et al.,N
ucleic Acids Res,12:6159−6168(1984)に記載され
ているような自動合成装置を用いて、Beaucage and Caruthers,
Tetrahedron Letts 22(20):1859-1862,(1981
)によって記載された固相ホスホルアミダイトトリエステル法に従って化学的に合成され
50
(66)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
る。
【0110】
さらに、本質的に全ての核酸は、種々の商業的供給源のいずれかから注文される特注品
または標準品であることができる。同様に、ペプチドおよび抗体は、種々の供給源のいず
れかから注文される特注品であることができる。
【0111】
本発明はまた、本発明のHAおよび/もしくはNA分子もしくは他のポリペプチドおよ
び/もしくは核酸を含む宿主細胞および生物またはそのようなHAおよび/もしくはNA
もしくは様々なベクター内の他の配列(例えば、6:2再集合体インフルエンザウイルス
、プラスミドレスキューシステムにおけるプラスミドなど)に関する。宿主細胞は、本発
10
明のベクター(例えば、クローニングベクターまたは発現ベクターであり得る)を用いて
、遺伝子操作(例えば、形質転換、形質導入またはトランスフェクト)される。ベクター
は、例えば、プラスミド、細菌、ウイルス、裸のポリヌクレオチド、またはコンジュゲー
トされたポリヌクレオチドの形態であることができる。ベクターは、エレクトロポレーシ
ョン(From et al.,Proc Natl Acad Sci USA 82
,5824(1985)を参照されたい)、ウイルスベクターによる感染、小さなビーズ
もしくは粒子のマトリックスの内部または表面のいずれかに核酸を有する小さな粒子によ
る高速弾道貫通(Klein et al.,Nature 327,70−73(19
87))をはじめとする標準的な方法によって、細胞および/または微生物に導入される
。Berger、Sambrook、およびAusubelには、種々の適切な形質転換
20
方法が提供されている。上記を参照されたい。
【0112】
標的核酸を細菌細胞に導入するいくつかの周知の方法が利用可能であり、これらの方法
のうちのいずれかを本発明で使用することができる。これらの方法としては、レシピエン
ト細胞とDNAを含む細菌プロトプラストとの融合、エレクトロポレーション、粒子衝突
(projectile bombardment)、およびウイルスベクターによる感
染などが挙げられる。細菌細胞を用いて、本発明のDNA構築物を含むプラスミドの数を
増幅することができる。細菌を対数期まで増殖させ、細菌内のプラスミドを当技術分野で
公知の種々の方法によって単離することができる(例えば、Sambrookを参照され
たい)。さらに、細菌からプラスミドを精製するための多くのキットが市販されている(
30
例えば、EasyPrep(商標)、FlexiPrep(商標)(両方ともPharm
acia Biotech);StrataClean(商標)(Stratagene
);およびQIAprep(商標)(Qiagen)を参照されたい)。次に、単離およ
び精製されたプラスミドをさらに操作して、細胞にトランスフェクトするために用いられ
るかまたは生物に感染させるために関連ベクターに組み入れられる他のプラスミドを生成
する。通常のベクターは、転写および翻訳ターミネーター、転写および翻訳開始配列、な
らびに特定の標的核酸の発現の調節に有用なプロモーターを含む。ベクターは、場合によ
り、少なくとも1つの独立したターミネーター配列、真核生物もしくは原核生物またはそ
の両方においてカセットの複製を可能にする配列(例えば、シャトルベクター)ならびに
原核生物および真核生物の両方の系のための選択マーカーを含む一般的な発現カセットを
40
含む。ベクターは、原核生物、真核生物、または好ましくは両方における複製および組込
みに好適である。Giliman & Smith,Gene 8:81(1979);
Roberts,et al.,Nature,328:731(1987);Schn
eider,B.,et al.,Protein Expr Purif 6435:
10(1995);Ausubel,Sambrook,Berger(全て上記)を参
照されたい。クローニングに有用な細菌およびバクテリオファージのカタログは、例えば
、ATCCによって提供されている(例えば、ATCCによって発行されているThe ATCC Catalogue of Bacteria and Bacteriop
hage(1992) Gherna et al.(編))。シークエンシング、クロ
ーニングおよび分子生物学の他の態様のための、理論的考察に基づく、さらなる基本的な
50
(67)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
方法は、Watson et al.(1992) Recombinant DNA 第2版 Scientific American Books,NYに見出される。上
記を参照されたい。
【0113】
ポリペプチド生成および回収
いくつかの実施形態では、好適な宿主細胞株(cell line)または株(cel
l strain)に形質導入し、適切な細胞密度まで宿主細胞を増殖させた後、選択さ
れたプロモーターを、適切な手段(例えば、温度変化または化学物質による誘導)によっ
て誘導し、細胞をさらなる期間培養する。いくつかの実施形態では、次に、分泌型ポリペ
プチド産物(例えば、分泌型融合タンパク質形態のHAおよび/またはNAポリペプチド
10
)を培養培地から回収する。他の実施形態では、1以上の本発明のHAおよび/またはN
Aポリペプチドを含むウイルス粒子を細胞から生成させる。あるいは、細胞を遠心分離に
よって回収し、物理的または化学的手段によって破壊し、得られた粗抽出物をさらなる精
製のために保持することができる。タンパク質の発現に使用される真核細胞または微生物
細胞を、凍結融解の繰返し、超音波処理、機械的破壊、もしくは細胞溶解剤の使用、また
は他の方法をはじめとする、当業者によく知られた任意の好都合な方法によって破壊する
ことができる。さらに、本発明のHAおよび/またはNAポリペプチド産物を発現する細
胞を、細胞からポリペプチドを分離することなく利用することができる。そのような状況
では、本発明のポリペプチドは、場合によって、細胞表面に発現され、それゆえ、(例え
ば、HAおよび/もしくはNA分子、またはそれらの断片を有する(例えば、融合タンパ
20
ク質などを含む)ことによって)細胞表面結合抗体で調べられる。そのような細胞もまた
、本発明の特徴である。
【0114】
発現されたポリペプチドは、硫安沈殿またはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは
陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作
用クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー(例えば、当業者に公知のタグ化シス
テムのいずれかを用いるもの)、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、およびレ
クチンクロマトグラフィーをはじめとする、当技術分野で周知のいくつかの方法のいずれ
かによって、組換え細胞の培養物から回収および精製することができる。望ましい場合、
成熟型タンパク質の構造を完成させるのに、タンパク質の折畳み工程を使用することがで
30
きる。また、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を最終精製工程で利用することが
できる。本明細書に記述した参考文献の他に、種々の精製方法が当技術分野で周知であり
、そのような方法としては、例えば、Sandana(1997) Biosepara
tion of Proteins,Academic Press,Inc.;and
Bollag et al.(1996) Protein Methods,第2版
Wiley−Liss,NY;Walker(1996) The Protein Protocols Handbook Humana Press,NJ,Harri
s and Angal(1990) Protein Purification A
pplications:A Practical Approach IRL Pre
ss at Oxford,Oxford,England;Harris and A
40
ngal Protein Purification Methods:A Prac
tical Approach IRL Press at Oxford,Oxfor
d,England;Scopes(1993) Protein Purificat
ion:Principles and Practice 第3版 Springer
Verlag,NY;Janson and Ryden(1998) Protei
n Purification:Principles,High Resolutio
n Methods and Applications,Second Editio
n Wiley−VCH,NY;およびWalker(1998) Protein P
rotocols on CD−ROM Humana Press,NJに示されてい
るものが挙げられる。
50
(68)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
【0115】
本発明の発現ポリペプチドをウイルス中で生成する場合、通常、感染(トランスフェク
ト)した細胞が増殖した培養培地からウイルスを回収する。通常、インフルエンザウイル
スを濃縮する前に粗培地を清澄化する。一般的な方法としては、限外濾過、硫酸バリウム
への吸着および溶出、ならびに遠心分離が挙げられる。例えば、感染培養物に由来する粗
培地をまず、細胞破片および他の大きな微粒子物質を除去するのに十分な時間(例えば、
10∼30分間)遠心分離する(例えば、1000∼2000×g)ことにより、清澄化
することができる。場合によっては、次に、清澄化した培地上清を遠心分離して(例えば
、15,000×gで、約3∼5時間)、インフルエンザウイルスをペレット化する。S
TE(0.01M Tris−HCl;0.15M NaCl;0.0001M EDT
10
A)またはリン酸緩衝食塩水(PBS)(pH7.4)などの適切な緩衝液にウイルスペ
レットを再懸濁した後、ショ糖(60%∼12%)または酒石酸カリウム(50%∼10
%)を用いた密度勾配遠心分離によってウイルスを濃縮する。連続的または段階的勾配(
例えば、12%ずつ4段階の12%∼60%のショ糖勾配)が好適である。回収される明
確なバンドへとウイルスが濃縮されるのに十分な速度で、かつ回収される明確なバンドへ
とウイルスが濃縮されるのに十分な時間、勾配を遠心分離する。あるいは、最大規模の商
業的用途のために、ウイルスを連続的な様式で操作するゾーン遠心分離ローターを用いて
密度勾配から浄化する。組織培養物からインフルエンザウイルスを調製するように当業者
を導くのに十分なさらなる詳細は、例えば、Nicholson et al.(編) Textbook of Influenza pp.324−332におけるFurm
20
inger.Vaccine Production;Merten et al.(1
996) Production of influenza virus in ce
ll cultures for vaccine preparation,in C
ohen & Shafferman(編) Novel Strategies in
Design and Production of Vaccines pp.14
1−151、および米国特許第5,690,937号に提供されている。望ましい場合、
回収されたウイルスを、安定剤としてのショ糖−ホスファート−グルタマート(SPG)
の存在下、−80℃で保存することができる。
【0116】
修飾アミノ酸
30
本発明の発現ポリペプチドは、1以上の修飾アミノ酸を含むことができる。修飾アミノ
酸の存在は、例えば、(a)ポリペプチド血清の半減期の増大、(b)ポリペプチドの抗
原性の低下/増大、(c)ポリペプチドの保存安定性の増大などにおいて好都合であるこ
とができる。アミノ酸は、例えば、組換え生成の間に、翻訳と同時にもしくは翻訳後に修
飾されるか(例えば、哺乳動物細胞での発現の間のN−X−S/TモチーフにおけるN結
合型グリコシル化)または合成手段によって(例えば、PEG化によって)修飾される。
【0117】
修飾アミノ酸の非限定的な例としては、グリコシル化アミノ酸、硫酸化アミノ酸、プレ
ニル化(例えば、ファルネシル化、ゲラニルゲラニル化)アミノ酸、アセチル化アミノ酸
、アシル化アミノ酸、PEG化アミノ酸、ビオチン化アミノ酸、カルボキシル化アミノ酸
40
、リン酸化アミノ酸など、および例えば、脂質部分または他の有機誘導化剤へのコンジュ
ゲーションによって修飾されたアミノ酸が挙げられる。アミノ酸を修飾する際に当業者の
案内となるのに適した参考文献は、本文献の全体を通して多数見られる。例となるプロト
コルは、Walker(1998) Protein Protocols on CD
−ROM Human Press,Towata,NJに見出される。
【0118】
融合タンパク質
本発明はまた、本発明の配列(例えば、HAおよび/またはNAポリペプチドをコード
するもの)またはその断片と、例えば、免疫グロブリン(またはその一部)、例えば、G
FP(緑色蛍光タンパク質)または他の同様のマーカーなどをコードする配列との融合体
50
(69)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
を含む融合タンパク質を提供する。そのような融合タンパク質をコードするヌクレオチド
配列は、本発明の別の態様である。本発明の融合タンパク質は、場合によって、例えば、
本発明の非融合タンパク質と同様の用途(例えば、本明細書に記載されたような治療的、
予防的、診断的、実験的用途などを含む)に使用される。免疫グロブリン配列とマーカー
配列との融合に加えて、本発明のタンパク質はまた、場合によって、例えば、融合タンパ
ク質の選別および/または融合タンパク質の特定の細胞型、領域などへのターゲティング
を可能とする配列と融合される。
【0119】
抗体
本発明のポリペプチドを用いて、本明細書に示されたポリペプチドおよび/または本発
10
明のポリヌクレオチド(例えば、本明細書に示されたもの)によってコードされるポリペ
プチド、ならびにそれらの保存的変異体に特異的な抗体を生成することができる。上述の
ポリペプチドに特異的な抗体は、例えば、診断および治療目的(例えば、標的ポリペプチ
ドの活性、分布および発現に関するもの)に有用である。例えば、そのような抗体は、場
合によって、本明細書中のHA/NA配列と同じ株に含まれる他のウイルスを規定するの
に利用することができる。
【0120】
本発明のポリペプチドに特異的な抗体は、当業者に周知の方法で生成することができる
。そのような抗体としては、ポリクローナル、モノクローナル、キメラ、ヒト化、単鎖、
Fab断片およびFab発現ライブラリーにより生成される断片を挙げることができるが
20
、これらに限定されない。
【0121】
ポリペプチドは、抗体生成のための生物学的活性を必要としない(例えば、全長の機能
的ヘマグルチニンまたはノイラミニダーゼは必要ではない)。しかしながら、ポリペプチ
ドまたはオリゴペプチドは、抗原性でなければならない。特異的抗体を誘導するために用
いられるペプチドは通常、少なくとも約4アミノ酸、多くの場合、少なくとも5または1
0アミノ酸のアミノ酸配列を有する。ポリペプチドの短いストレッチを、別のタンパク質
(例えば、キーホールリンペットヘモシアニン)、およびキメラ分子に対して生成される
抗体と融合させることができる。
【0122】
30
ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を生成するための数々の方法が当業者に
知られており、また、これらの方法は、本発明のポリペプチド、および/または本発明の
ポリヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドなどに特異的な抗体を生成する
ように適合させることができる。例えば、Coligan(1991) Current
Protocols in Immunology Wiley/Greene,NY
;Paul(編)(1998) Fundamental Immunology,Fo
urth Edition,Lippincott−Raven,Lippincott
Williams & Wilkins;Harlow and Lane(1989
) Antibodies:A Laboratory Manual Cold Sp
ring Harbor Press,NY;Stites et al.(編) Ba
40
sic and Clinical Immunology(第4版) Lange M
edical Publications,Los Altos,CA、およびその中に
引用されている参考文献;Goding(1986) Monoclonal Anti
bodies:Principles and Practice(第2版) Acad
emic Press,New York,NY;ならびにKohler and Mi
lstein(1975) Nature 256:495−497を参照されたい。抗
体調製のための他の好適な技術としては、ファージまたは同様のベクター中の組換え抗体
のライブラリーの選択が挙げられる。Huse et al.(1989) Scien
ce 246:1275−1281;およびWard,et al.(1989) Na
ture 341:544−546を参照されたい。特異的なモノクローナル抗体および
50
(70)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
ポリクローナル抗体ならびに抗血清は通常、例えば、少なくとも約0.1μM、少なくと
も約0.01μM以下、通常、少なくとも約0.001μM以下のKDで結合する。
【0123】
特定の治療用途のためには、ヒト化抗体が望ましい。キメラ(ヒト化)抗体を調製する
ための詳細な方法は、米国特許第5,482,856号に見出すことができる。ヒト化な
らびに他の抗体生成および改変技術についてのさらなる詳細は、Borrebaeck(
編)(1995) Antibody Engineering,第2版 Freema
n and Company,NY(Borrebaeck);McCafferty et al.(1996) Antibody Engineering,A Prac
tical Approach IRL at Oxford Press,Oxfor
10
d,England(McCafferty)、およびPaul(1995) Anti
body Engineering Protocols Humana Press,
Towata,NJ(Paul)に見出すことができる。特定の手順に関するさらなる詳
細は、例えば、Ostberg et al.(1983),Hybridoma 2:
361−367、Ostberg、米国特許第4,634,664号、およびEngel
manら、米国特許第4,634,666号に見出すことができる。
【0124】
核酸およびポリペプチド配列変異体
本明細書に記載されるように、本発明は、核酸のポリヌクレオチド配列およびポリペプ
チドのアミノ酸配列(例えば、ヘマグルチニンおよびノイラミニダーゼ配列)、ならびに
20
例えば、該配列を含む組成物および方法を提供する。該配列の例は、本明細書に開示され
ている。しかしながら、当業者であれば、本発明が本明細書に開示されたそれらの配列に
必ずしも限定されるわけではなく、本発明が本明細書に記載された機能を有する多くの関
連配列および無関係な配列(例えば、HA分子および/またはNA分子をコードするもの
)も提供することを理解するであろう。
【0125】
また、当業者であれば、開示された配列の多くの変異体が本発明に含まれることを理解
するであろう。例えば、機能的に同一の配列を生じる開示された配列の保存的変異が本発
明に含まれる。核酸ポリヌクレオチド配列の変異体は、その変異体が少なくとも1つの開
示された配列にハイブリダイズする場合、本発明に含まれると考えられる。例えば、標準
的な配列比較技術によって決定されるような、本明細書に開示された配列の特有の部分配
列もまた本発明に含まれる。
【0126】
サイレント変異
遺伝暗号の縮重のために、本発明のポリペプチドおよび/またはウイルスをコードする
種々の核酸配列のどれかが場合によって生成され、そのうちのいくつかは、HAおよびN
A核酸ならびに本明細書中のポリペプチド配列との低いレベルの配列同一性を有する可能
性がある。以下に、多くの生物学および生化学の教科書に見られる、遺伝暗号を特定する
典型的なコドン表を提供する。
30
(71)
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【表1】
10
20
【0127】
このコドン表は、多くのアミノ酸が、2以上のコドンによってコードされていることを
示す。例えば、コドンのAGA、AGG、CGA、CGC、CGG、およびCGUは全て
は、アミノ酸のアルギニンをコードする。したがって、コドンによってアルギニンが特定
される、本発明の核酸の全ての位置で、コードされるポリペプチドを変化させることなく
、コドンを上記の対応するコドンのいずれかに変化させることができる。RNA配列中の
30
Uは、DNA配列中のTに対応することが理解される。
【0128】
そのような「サイレント変異」は、以下で論じられる「保存的に改変された変異」の1
種である。当業者であれば、核酸中の各コドン(通常メチオニンに対する唯一のコドンで
あるATG、および通常トリプトファンに対する唯一のコドンであるTTGは除く)を、
標準的な技術によって、機能的に同一のポリペプチドをコードするように改変することが
できることを認識するであろう。したがって、ポリペプチドをコードする核酸の各サイレ
ント変異は、どの記載された配列にも内在する。それゆえ、本発明は、本発明のポリペプ
チドをコードする核酸配列の生じ得る各々のおよび全ての変異を明示的に提供するもので
あり、この変異は、可能性のあるコドン選択に基づいて組合せを選択することによって作
40
り出すことができる。本発明のヘマグルチニンまたはノイラミニダーゼポリペプチドをコ
ードする核酸配列に適用するときに、これらの組合せを標準的な3文字遺伝暗号(例えば
、表1に示したもの、または当技術分野で一般に利用可能なもの)に従って作り出す。本
明細書中の全ての核酸のそのような変異は全て、遺伝暗号と組み合わせて配列を考慮する
ことによって、具体的に提供および記載される。当業者は、本明細書中の方法を用いて、
これらのサイレントな置換を十分に行なうことができる。
【0129】
保存的変異
遺伝暗号の縮重のために、「サイレント置換」(すなわち、コードされたポリペプチド
に変化をもたらさない核酸配列中の置換)は、アミノ酸をコードする本発明の全ての核酸
50
(72)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
配列の黙示的な特徴である。同様に、アミノ酸配列中の1個または数個のアミノ酸におけ
る「保存的アミノ酸置換」は、高度に類似した特性を有する異なるアミノ酸で置換されて
おり、これはまた、開示された構築物(例えば、本明細書中の構築物)と高度に類似した
ものとして容易に同定される。各々開示された配列のそのような保存的変異は本発明の特
徴である。
【0130】
特定の核酸配列の「保存的変異」とは、同一もしくは本質的に同一のアミノ酸配列をコ
ードする核酸、またはアミノ酸配列をコードしない場合、本質的に同一の配列を指す(下
記の表2を参照されたい)。当業者であれば、コードされた配列中の1つのアミノ酸また
は小さな割合のアミノ酸(典型的には5%未満、より典型的には4%、3%、2%または
10
1%未満)を、変化させるか、付加するかまたは欠失させる個々の置換、欠失または付加
が、「保存的に改変された変異」であり、その場合、その変化によって、アミノ酸の欠失
、アミノ酸の付加、または化学的に類似したアミノ酸とのアミノ酸置換が生じることを認
識するであろう。したがって、列挙された本発明のポリペプチド配列の「保存的変異」は
、同じ保存的置換基の保存的に選択されたアミノ酸との、小さな割合(ポリペプチド配列
のアミノ酸の典型的には5%未満、より典型的には4%、3%、2%または1%未満)の
置換を含む。最後に、コードされた核酸分子の活性を変化させない配列の付加(例えば、
非機能的配列の付加)は、基本的核酸の保存的変異である。
【表2】
20
【0131】
配列比較、同一性、および相同性
3以上の核酸またはポリペプチド配列との関連において、「同一の」または「同一性」
30
パーセントという用語は、下記の配列比較アルゴリズム(もしくは当業者に利用可能な他
のアルゴリズム)のうちの1つを用いて、または目視検査によって測定される、最大一致
を求めて比較および整列させたときに、同一であるか、または同一である特定の割合のア
ミノ酸残基もしくはヌクレオチドを有する3以上の配列またはサブ配列を指す。
【0132】
2つの核酸またはポリペプチド(例えば、HAもしくはNA分子をコードするDNAお
よび/もしくはRNA、またはHAもしくはNA分子のアミノ酸配列)との関連において
、「実質的に同一な」という語句は、配列比較アルゴリズムを用いて、または目視検査に
よって測定される、最大一致を求めて比較および整列させたときに、少なくとも約90%
、好ましくは91%、最も好ましくは92%、93%、94%、95%、96%、97%
40
、98%、98.5%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、9
9.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%またはそれより大きいヌク
レオチドまたはアミノ酸残基同一性を有する3以上の配列またはサブ配列を指す。そのよ
うな「実質的に同一の」配列は通常、実際の祖先を参照することなく、「相同」であると
考えられる。好ましくは、「実質的な同一性」は、少なくとも約200残基の長さのアミ
ノ酸配列の領域にわたって、より好ましくは、少なくとも約250残基の領域にわたって
存在し、最も好ましくは、配列は、アミノ酸がヘマグルチニンまたはヘマグルチニン断片
である場合、少なくとも約300残基、350残基、400残基、425残基、450残
基、475残基、480残基、490残基、495残基、499残基、500残基、50
2残基、559残基、565残基、もしくは566残基にわたって、または比較される2
50
(73)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
つの配列の全長にわたって実質的に同一であるか、またはアミノ酸がノイラミニダーゼま
たはノイラミニダーゼ断片である場合、連続する少なくとも約350アミノ酸にわたって
、少なくとも約400アミノ酸にわたって、少なくとも約436アミノ酸にわたって、少
なくとも約450アミノ酸にわたって、少なくとも約451アミノ酸にわたって、少なく
とも約465アミノ酸にわたって、少なくとも約466アミノ酸にわたって、少なくとも
約469アミノ酸にわたって、少なくとも約470アミノ酸にわたって、または少なくと
も約566アミノ酸にわたって実質的に同一である。
【0133】
配列比較および相同性決定のために、通常、1つの配列が参照配列としての役割を果た
し、これに対して試験配列を比較する。配列比較アルゴリズムを用いた場合、試験配列お
10
よび参照配列をコンピュータに入力し、必要な場合、サブ配列座標を指定し、そして配列
アルゴリズムプログラムパラメータを指定する。次に、配列比較アルゴリズムを、指定さ
れたプログラムパラメータに基づいて、参照配列に対する試験配列の配列同一性パーセン
トを算出する。
【0134】
比較のための配列の最適アライメントは、例えば、Smith & Waterman
,Adv Appl Math 2:482(1981)の局所相同性アルゴリズムによ
るか、Needleman & Wunsch,J Mol Biol 48:443(
1970)の相同性アライメントアルゴリズムによるか、Pearson & Lipm
an,Proc Natl Acad Sci USA 85:2444(1988)の
20
類似性検索法によるか、Wisconsin Geneticsソフトウェアパッケージ
(Genetics Computer Group,575 Science Dr.
,Madison,WI)中のアルゴリズム(例えば、GAP、BESTFIT、FAS
TA、およびTFASTA)のコンピュータによる実行によるか、または目視検査によっ
て実施することができる(一般に、Ausubelら(上記)を参照されたい)。
【0135】
配列同一性パーセントおよび配列類似性パーセントを決定するのに好適なアルゴリズム
の一例は、Altschul et al.,J Mol Biol 215:403−
410(1990)に記載されているBLASTアルゴリズムである。BLAST解析を
実施するためのソフトウェアは、National Center for Biote
30
chnology Information(www.ncbi.nlm.nih.go
v/)を通じて公に利用可能である。このアルゴリズムはまず、データベース配列中の同
じ長さのワードと整列させたときに、一致するかまたは何らかの正の値を持つ閾値スコア
を満たすかのいずれかの、クエリー配列中の長さWの短いワードを同定することによって
、高スコア配列対(HSP)を同定することを含む。Tは、近傍ワードスコアの閾値と呼
ばれる(Altschul et al.,上記を参照されたい)。これらの初期の近傍
ワードヒットは、検索を開始し、それらを含むより長いHSPを見付けるためのシードと
しての役割を果たす。次に、ワードヒットを、累積アライメントスコアが増加し得る限り
、各配列に沿って両方向に伸長させる。累積スコアは、ヌクレオチド配列については、パ
ラメーターM(一致する残基対に対する報酬スコア;常に0よりも大きい)およびN(不
40
一致の残基に対するペナルティスコア;常に0よりも小さい)を用いて算出する。アミノ
酸配列については、スコアリングマトリックスを用いて、累積スコアを算出する。各方向
へのワードヒットの伸長は、累積アライメントスコアが、その最大達成値から量Xだけ減
少するとき;累積スコアが、1以上のネガティブスコア残基アライメントの蓄積により、
0以下になるとき;またはいずれかの配列の末端に到達したときに停止する。BLAST
アルゴリズムのパラメータ(W、T、およびX)は、アライメントの感度および速度を決
定する。(ヌクレオチド配列についての)BLASTNプログラムは、ワード長(W)1
1、期待値(E)10、カットオフ100、M=5、N=−4、および両鎖の比較をデフ
ォルトとして使用する。アミノ酸配列について、BLASTPプログラムは、ワード長(
W)3、期待値(E)10、およびBLOSUM62スコアリングマトリックスをデフォ
50
(74)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
ルトとして使用する(Henikoff & Henikoff(1989) Proc
Natl Acad Sci USA 89:10915を参照されたい)。
【0136】
配列同一性パーセントの算出に加えて、BLASTアルゴリズムは、2つの配列間の類
似性の統計学的分析も行なう(例えば、Karlin & Altschul,Proc
Natl Acad Sci USA 90:5873−5787(1993)を参照
されたい)。BLASTアルゴリズムによって与えられる類似性の1つの尺度は、最小和
確率(P(N))であり、これは、2つのヌクレオチド配列またはアミノ酸配列間の一致
が偶然に起こる確率の指標を提供する。例えば、核酸は、試験核酸と参照核酸とを比較し
たときの最小和確率が、約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、および最も好ま
10
しくは約0.001未満である場合、参照配列と類似していると考えられる。
【0137】
有用な配列アライメントアルゴリズムの別の例は、PILEUPである。PILEUP
は、漸進的な一対アライメントを用いて一群の関連配列から複数の配列アライメントを生
成する。これは、アライメントを生成するために使用されるクラスター形成の関連性を示
す系統樹をプロットすることもできる。PILEUPでは、Feng & Doolit
tle(1987) J.Mol.Evol.35:351−360の漸進的アライメン
ト法を単純化したものが使用される。使用される方法は、Higgins & Shar
p(1989) CABIOS5:151−153に記載された方法に類似している。こ
のプログラムは、例えば、最長5,000文字の300配列までを整列させることができ
20
る。多重アライメント法は、整列した2つの配列のクラスターを生じさせる、2つの最も
類似する配列の一対アライメントから開始される。次に、このクラスターは、整列した配
列の次に最も関連する配列またはクラスターと整列させることができる。2つ配列クラス
ターは、2つの個々の配列の一対アライメントを単に伸長することによって整列させるこ
とができる。最終的なアライメントは、一連の漸進的な一対アライメントによって達成さ
れる。このプログラムを用いて、クラスター形成の関係性を示す樹形図または系統樹をプ
ロットすることもできる。このプログラムは、配列比較の領域に対して特定の配列および
そのアミノ酸またはヌクレオチド座標を指定することによって実行される。
【0138】
複数の核酸またはアミノ酸の配列アライメントに好適なアルゴリズムのさらなる例は、
30
CLUSTALWプログラムである(Thompson,J.D.et al.(199
4) Nucl.Acids.Res.22:4673−4680)。CLUSTALW
は、配列群間の多重一対比較を行ない、それらをアセンブルして相同性に基づく多重アラ
イメントを作る。ギャップオープンおよびギャップ伸長ペナルティーは、例えば、それぞ
れ10および0.05であることができる。アミノ酸アライメントについては、BLOS
UMアルゴリズムを、タンパク質重量マトリックスとして用いることができる。例えば、
Henikoff and Henikoff(1992) Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA 89:10915−10919を参照されたい。
【0139】
デジタルシステム
40
本発明は、本明細書中の核酸および単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチド
(例えば、本明細書に示した配列を含む)ならびに様々なサイレント置換およびその保存
的置換についての本明細書中の配列情報に対応する文字列を含むデジタルシステム(例え
ば、コンピュータ、コンピュータ可読媒体および統合システム)を提供する。統合システ
ムは、例えば、文字列に対応する遺伝子を作製するための遺伝子構成装置をさらに含むこ
とができる。
【0140】
当技術分野で公知の様々な方法を用いて、異なる文字列間の相同性または類似性を検出
することができるか、またはこれらの方法を用いて、他の望ましい機能を実施する(例え
ば、出力ファイルを制御する、配列などを含む情報を提示するための基礎を提供する)こ
50
(75)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
とができる。例としては、上に論じられたBLASTが挙げられる。本発明のコンピュー
ターシステムは、そのようなプログラムを、例えば、本明細書に記述されるような配列を
含む1以上のデータファイルまたはデータベースとともに含むことができる。
【0141】
したがって、様々なHAもしくはNA配列または断片間の様々なストリンジェンシーお
よび長さに関する異なる種類の相同性および類似性を、本明細書中の統合システムにおい
て検出および認識することができる。例えば、生体ポリマーの配列を比較分析するために
、ワードプロセシングでスペルチェックを行なうために、および様々なデータベースから
データを回収するために、多くの相同性決定法が設計されている。天然ポリヌクレオチド
中の4つの主要なヌクレオ塩基間の二重らせんの一対の相補的相互作用を理解することに
10
よって、相補的な相同ポリヌクレオチド鎖のアニーリングをシミュレーションするモデル
を、配列アライメントまたは本明細書中の配列に対応する文字列に対して通常行われる他
の操作(例えば、ワードプロセシング操作、配列またはサブ配列の文字列を含む図面の構
築、出力表の構築など)の基盤として用いることができる。
【0142】
したがって、標準的なデスクトップアプリケーション、例えば、ワードプロセシングソ
フトウェア(例えば、Microsoft Word(商標)またはCorel Wor
dPerfect(商標))およびデータベースソフトウェア(例えば、Microso
ft Excel(商標)、Corel Quattro Pro(商標)などの表計算
ソフトまたはMicrosoft Access(商標)、Paradox(商標)、G
20
eneWorks(商標)もしくはMacVector(商標)もしくは他の同様のプロ
グラムなどのデータベースプログラム)を、1以上の本発明のポリヌクレオチドおよびポ
リペプチド(核酸もしくはタンパク質のいずれか、または両方)に対応する文字列を入力
することによって本発明に適合させることできる。例えば、本発明のシステムは、例えば
、本明細書中の配列に対応する文字列を操作するためのユーザインターフェース(例えば
、Windows、MacintoshまたはLINUXシステムなどの標準的なオペレ
ーティングシステムにおけるGUI)とともに使用される、適切な文字列情報を有する前
述のソフトウェアを含むことができる。述べたように、特殊化したアライメントプログラ
ム(例えば、BLAST)を、核酸またはタンパク質(または対応する文字列)のアライ
メントのために本発明のシステムに組み込むこともできる。
30
【0143】
本発明のシステムは通常、本明細書中の配列のいずれかを含むソフトウェアシステムに
入力されたデータセットを備えるデジタルコンピュータを備える。コンピュータは、例え
ば、PC(Intel x86もしくはPentiumチップ互換性DOS(商標)、O
S2(商標)、WINDOWS(商標)、WINDOWSNT(商標)、WINDOWS
95(商標)、WINDOWS2000(商標)、WINDOWS98(商標)、LIN
UXベースのマシン、MACINTOSH(商標)、Power PC、もしくはUNI
Xベースの(例えば、SUN(商標)ワークステーション)マシン)または当業者に公知
の他の市販のコンピュータであることができる。配列を整列させるかもしくは別の形で操
作するためのソフトウェアが利用可能であるか、または標準的なプログラミング言語(例
40
えば、Visualbasic、PERL、Fortran、Basic、Javaなど
)を用いて当業者により容易に構築され得る。
【0144】
どのコントローラまたはコンピュータも任意でモニターを備え、モニターは、多くの場
合、陰極線管(「CRT」)ディスプレイ、フラットパネルディスプレイ(例えば、アク
ティブマトリックス方式液晶ディスプレイ、液晶ディスプレイ)などである。コンピュー
タ回路網は、多くの場合、数多くの集積回路チップ(例えば、マイクロプロセッサ、メモ
リ、インターフェース回路など)を備えるボックス内に配置されている。このボックスは
任意でハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、高容量のリムーバブルド
ライブ(書き込み可能なCD−ROM)、および他の一般的な周辺素子も備える。キーボ
50
(76)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
ードまたはマウスなどの入力装置は任意で、ユーザーからの入力、および関連コンピュー
ターシステムにおいて比較されるかまたは別の形で操作される配列のユーザー選択を提供
する。
【0145】
コンピュータは通常、(例えば、GUI中の)セットパラメーターフィールドへのユー
ザーの入力の形態か、または予めプログラムされた指示(例えば、種々の異なる特定の操
作のために予めプログラムされたもの)の形態かのいずれかで、ユーザーの指示を受ける
ための適切なソフトウェアを備える。次に、ソフトウェアは、これらの指示を、例えば、
適切なメカニズムまたはトランスポートコントローラの操作を指示して、所望の操作を実
施するための適切な言語に変換する。ソフトウェアはまた、(例えば、本明細書中の配列
10
もしくは配列アライメントに基づく)核酸合成、示差的な遺伝子発現についての試料の比
較、または他の操作を制御するための出力エレメントを備えることができる。
【0146】
キットおよび試薬
本発明は、場合により、キットとしてユーザーに提供される。例えば、本発明のキット
は、本明細書に記載の1以上の核酸、ポリペプチド、抗体、または細胞株(例えば、本発
明のHAおよび/もしくはNA分子を含むか、または有するもの)を含む。キットは、診
察用の核酸またはポリペプチド(例えば、抗体)、プローブセット(例えば、好適な容器
に梱包されたcDNAマイクロアレイ)、または他の核酸(例えば、1以上の発現ベクタ
ー)を含むことができる。キットは、通常、発現産物、チューブおよび/または他の付属
20
物を標識するための1以上の追加の試薬(例えば、基質、標識、プライマー)、サンプル
を回収するための試薬、緩衝液、ハイブリダイゼーションチャンバー、カバーガラスなど
をさらに含む。キットは、場合により、発見のためにキットの構成要素を用いる好ましい
方法、または診断セットの用途などを詳述した指示セットまたはユーザーマニュアルをさ
らに含む。
【0147】
指示書に従って用いる場合、キットを、例えば、疾患状態もしくは疾病を評価するため
、細胞または生物における疾患状態もしくは疾病の進行に対する薬学的薬剤もしくは他の
治療的介入の効果を評価するため、またはワクチンとして使用するためなどに使用するこ
とができる。
30
【0148】
さらなる態様において、本発明は、本明細書中の方法、組成物、システムおよび装置を
具現化するシステムキットを提供する。本発明のシステムキットは任意で以下のうちの1
つまたは複数を含む:(1)装置、システム、システム構成要素または装置構成要素;(
2)本明細書に記載の方法を実施するため、および/または本明細書中の装置または装置
構成要素を操作するため、および/または本明細書中の組成物を使用するための指示書。
さらなる態様では、本発明は、本明細書中の任意の装置、装置構成要素、組成物もしくは
キットの使用、本明細書中の任意の方法もしくはアッセイの実施、および/または本明細
書中のアッセイもしくは方法を実施するための任意の装置もしくはキットの使用を提供す
る。
40
【0149】
さらに、キットは、1以上の上述のような翻訳系(例えば、細胞)を、適切な梱包材料
、キットの構成要素を収納するための容器、本明細書中の方法を実施するための説明資料
などとともに含むことができる。同様に、翻訳系の産物(例えば、HAおよび/またはN
A分子などのタンパク質)を、例えば、キットの構成要素を収納する容器、本明細書中の
方法を実施するための説明資料などとともに、キットの形態で提供することができる。さ
らに、キットは、本明細書中のHAおよび/またはNA配列を含む弱毒化生ワクチン(例
えば、FluMist)などの様々なワクチン(例えば、プラスミドレスキュープロトコ
ルによって生成されるもの)を含むことができる。
【0150】
50
(77)
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本発明の方法および組成物の使用を容易にするために、ワクチン成分および/または組
成物(例えば、尿膜液中の再集合体ウイルスなど)、ならびに実験または治療ワクチン目
的のためのインフルエンザウイルスのパッケージングおよび感染に有用な追加成分(例え
ば、緩衝液、細胞、培養培地)のいずれかを、キットの形態で梱包することができる。通
常、キットは、上記の構成要素に加えて、さらなる材料を含み、この材料としては、例え
ば、本発明の方法を実施するための説明書、梱包材料、および容器を挙げることができる
。
【実施例】
【0151】
次に、以下の実施例に関して本発明を記載する。これらの実施例は例示の目的のために
10
のみ与えられ、本発明はこれらの実施例に限定されると決して解釈されるべきではなく、
むしろ本明細書に与えられる教示の結果として明らかになる任意のおよび全ての変形を包
含すると解釈されるべきである。
【0152】
材料および方法
組換えウイルスの作製:野生型(wt)A型インフルエンザH1N1ウイルスである、M
DCK細胞から単離されたA/CA/4/09と卵から単離されたA/CA/7/09と
を米国疾病対策センター(CDC)から得た。A/CA/4/09卵適合ウイルスRNA
は、米国食品医薬品局(FDA)のZiping Ye博士によって提供された。A/C
A/4/09およびA/CA/7/09のHAおよびNA遺伝子セグメントを、HAおよ
20
びNA遺伝子の末端配列に共通するプライマーを用いるRT−PCRで増幅させ、プラス
ミドベクターpAD3000(Hoffman(2000) PNAS 97:6108
−6113)にクローニングした。特定の変化をHA遺伝子に導入するために、Quik
Change(登録商標)部位特異的突然変異導入キット(Stratagene)を用
いて部位特異的突然変異導入を行ない、シークエンシング解析によってHA配列を確認し
た。6:2再集合体ワクチン株は、H1N1ウイルスのHAおよびNAならびに低温適応
型(ca)A/アナーバー/6/60(MDV−A、A型インフルエンザウイルスのマス
タードナーウイルス)の6つの内部遺伝子セグメントをコードする8つのcDNAプラス
ミドを、共培養された293T細胞およびMDCK細胞に共トランスフェクトすることに
よって作製した。生成に使用されるワクチン株は、エレクトロポレーションによって無血
30
清Vero/CEK細胞で生成される。ウイルスを10∼11日齢の孵化鶏卵の尿膜腔の
中で繁殖させた。レスキューしたウイルスのHAおよびNA配列は、vRNAから増幅さ
れたRT−PCR cDNAのシークエンシングによって確認した。
【0153】
ウイルス力価測定:ウイルス力価は蛍光フォーカスアッセイで測定し、log10FFU
(蛍光フォーカスユニット単位)/mlとして表した(Forrest et al.(
2008) Clin Vaccine Immunol 15:1042−1053)
。ウイルスプラークの形態を以前に記載されたようなプラークアッセイで調べた(Jin
et al.,(2003) Virology 306,18−24)。
【0154】
40
受容体結合アッセイ:ニワトリ赤血球(cRBC)(HEMA Resource an
d Supply,Inc.)を以前に記載されたように脱シアリル化および再シアリル
化した()。100μlの10%cRBCを50mUのコレラ菌(Vibrio cho
lerae)ノイラミニダーゼ(Sigma,St.Louis,MO)とともに37℃
で1時間インキュベートして、シアル酸を除去した。1mlのPBSで3回洗浄した後、
1%ウシ血清アルブミン(BSA)を含有する1mlのPBSに細胞を再懸濁し、1.5
mMのCMP−SA(Sigma,St.Louis,MO)を加えて、2.5mUのα
2,3(N)−シアリルトランスフェラーゼ(Calbiochem,La Jolla
,CA)または2mUのα2,6(N)シアリルトランスフェラーゼ(Calbioch
em,La Jolla,CA)とともに37℃で1.5時間インキュベートした。PB
50
(78)
JP 2012-531205 A 2012.12.10
Sで3回洗浄した後、再シアリル化したcRBCを0.5%(v/v)としてPBSに再
懸濁した。結合活性について、V底の96ウェルマイクロ力価プレート中で、血液凝集ア
ッセイ(HA)を行なった。50μlの2倍連続希釈ウイルスを、50μlの0.5%の
cRBC、α2,3、またはα2,6再シアリル化cRBCとともに室温で60分間イン
キュベートした。HA力価をRBCを凝集させる最大希釈として定義した。
【0155】
フェレット研究:3匹からなる群にしたSimonson(Gilroy,CA)からの
8∼10週齢の雄および雌のフェレットを用いて、気道におけるウイルス複製とワクチン
の免疫原性とを評価した。フェレットを個別に飼育し、0.2ml用量につき7.0 l
og10FFUのウイルスを鼻腔内に接種した。感染3日後、フェレットを安楽死させ、
10
肺および鼻甲介(NT)を摘出した。肺およびNTにおけるウイルス力価をEID50ア
ッセイで決定し、組織1グラム当たりの50%卵感染用量(log10EID50/g)
として表した。免疫原性研究に割り当てたフェレットから、感染後14日目、21日目お
よび28日目に採血し、HAIによる抗体力価について、血清をアッセイした。
【0156】
HAIアッセイによる血清抗体検出:感染後のフェレット血清中の同種および異種ウイル
スに対するH1N1特異的抗体のレベルをHAIアッセイで測定した。血清学的解析の前
に、フェレット血清をバイアル当たり10mLの0.9%NaClで再構成した受容体破
壊酵素(RDE)(Denka Seiken,Tokyo,Japan)で処理した。
0.1mLの血清を0.15mLのRDEと混合し、37℃で18時間インキュベートし
20
、0.15mLの0.9%クエン酸ナトリウムを添加して最終的な1:4希釈となるよう
調整し、その後、56℃で45分間インキュベートした。0.5%のtRBCを用いて種
特異的血清HAI力価を決定した。このHAIは、血球凝集を阻害した最大血清希釈の逆
数として示される。
【0157】
結果
再集合体候補ワクチン株の作製
wt A/CA/4/09由来のHAおよびNA遺伝子セグメントを、感染させたMD
CK細胞のRNAからRT−PCR増幅後にクローニングした。ヌクレオチド配列解析に
より、各々のHAまたはNA由来の合計12個のcDNAクローンが同一であることが分
30
かった。このwt A/CA/4/09のHA配列およびNA配列を表すプラスミドを、
MDV−Aの6つの内部タンパク質遺伝子セグメントを表すプラスミドと一緒に293/
MDCK細胞にトランスフェクトしたが、MDCK細胞または卵のいずれにおいても生き
た再集合体子孫を回収することができなかった。wt A/CA/4/09卵分離株から
クローニングされたHA cDNAは、2つのアミノ酸位置において異種であった(表3
)。解析した12個のクローンから、以下の変化:L191I(42%)、Q223R(
50%)が観察され、1つ(8%)には、L191IとQ223Rの両方があった。これ
らの異なるHA配列を表すプラスミドを組み合わせて、MDV−A内部タンパク質遺伝子
とともに293/MDCK細胞にトランスフェクトすると、再集合体ウイルスがすぐにレ
スキューされた。
【0158】
残基222または223にアミノ酸変化を持たないA/CA/7/09からクローニン
グされたHAプラスミドは、子孫ウイルスを生成するようにレスキューすることができた
。これにより、CA/7/09におけるT197A変化が、効率的なA/CA/7/09
のレスキューの一因であることが示唆された。他のA/CA/7/09クローンは、D2
22GまたはQ223Rのいずれかの変化を有し、HA中のD222GまたはQ223R
を含有するウイルスもレスキューされた。A/CA/4/09のHAとA/CA/7/0
9のHAには高度の類似性があるため、およびNA配列はこれら2つの株で同一であるた
め、A/CA/7/09由来の変異体をさらに開発した。
40
(79)
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【表3】
10
20
【0159】
孵化鶏卵中でより良好に増殖するワクチン株の選択
表3に示すように、レスキューされたA/CA/4/09およびA/CA/7/09再
集合体ワクチン株は、ニワトリ孵化卵において、季節性H1N1ワクチン株よりも少なく
とも10倍低い7.4∼7.8log10FFU/mlという力価で複製された。さらに
、回収されたA/CA/7/09再集合体ワクチン候補は、MDCK細胞で非常に小さい
プラークを形成した。MDCK細胞および卵におけるワクチンウイルス増殖を改善するた
30
めに、A/CA/7/09候補(V5およびV6)をMDCK細胞において4.0、0.
4および0.04というmoiで2回継代し、その後、上清中に存在するウイルスをプラ
ークアッセイで調べた。MDCKで継代したウイルスは全て、親ウイルスよりも遙かに大
きい(2∼4mm)プラークを含有していた(図1)。MDCKで継代したV5およびV
6ワクチン候補由来の12個のプラークのHA遺伝子セグメントをシークエンシングした
。大きいプラーク形態の分離株の各々のHAは、以下の位置:K119NまたはK119
E、K153E、K154E(V5由来)およびA186D(V6由来)のうちの1つに
単一のアミノ酸変化を有していた。
【0160】
A/CA/7/09のHA配列をブタが起源である2つの初期のH1N1ウイルス、A
40
/ブタ/アイオワ/1/1976およびA/ブタ/1931、ならびに最近のヒトH1N
1ウイルスであるA/サウスダコタ/6/07(A/SD/07)とも比較した。図2に
示すように、K119、K153およびK154は、ブタH1N1ウイルスの間で高度に
保存されている。A/SD/6/07は、K119およびK154残基も含有していた。
186のアミノ酸は、図2に示した4つのウイルス間でより多様であった。以前の研究(
Both et al.(1983) Proc Natl Acad Sci USA
80:6996−7000)では、G155E変化が卵中での高いウイルス増殖の一因
であることが示された。これらのデータは、153∼155領域の負電荷を有するE残基
が、MDCK細胞および卵中でのウイルス複製に好ましいことを示している。A/NJ/
76ウイルスについて以前に報告されたG155E変化もまた、卵中でのA/CA/7/
50
(80)
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09ウイルス複製を改善することができるかどうかを調べるために、G155EをV5お
よびV6に導入した。さらに、大きいプラークで同定されたアミノ酸が、卵中でウイルス
増殖優位性を付与したことを確認するために、同定された突然変異の各々をHAに導入し
、再集合体ワクチン候補株をレスキューした。さらに、V6で同定されたA186D変化
をV5およびV5−119Eにも導入した。同様に、V5で見出された119N突然変異
をV6およびV6−186Dにも導入し、卵中でのウイルス複製に対する単一または二重
アミノ酸変化の影響を評価した。同様に、V5で見出された119N突然変異をV6およ
びV6−186Dにも導入し、卵中でのウイルス複製に対する単一または二重アミノ酸変
化の影響を評価した。HA配列解析によって、A/CA/09株が残基278に独特のグ
リコシル化を含有することも示された(図2)。この追加のグリコシル化部位がウイルス
10
増殖に影響を及ぼすかどうかを評価するために、T278K変化をV5およびV6にそれ
ぞれ導入した。
【0161】
レスキューされたウイルスを卵中でのその増殖について調べた。表4に示すように、導
入されたHA突然変異を含有する変異体の大半は、V5およびV6よりも有意に良好に増
殖した。V5−278KおよびV6−278Kは、V5およびV6と類似した7.6およ
び7.7Log10FFU/mlという力価を有していた。したがって、278グリコシ
ル化部位の除去は、卵中でのウイルス力価に最小限の影響を及ぼした。119、186、
153、154、155および186部位での変化は、0.2∼1.2log10FFU
/mlだけウイルス力価を増大させた。V5において119E変化と186D変化を組み
合わせると、119Eまたは186Dのどちらかだけよりもわずかに高い力価が得られた
。
20
(81)
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【表4】
10
20
30
【0162】
ワクチン変異体のその抗原性についての評価
H1 HAに導入されたアミノ酸変化のいずれかが、ウイルス抗原性に影響を及ぼした
かどうかを明らかにするために、HAIアッセイを用いて、A/CA/7/09変異体を
、様々な感染後フェレット血清との反応性について評価した(表5)。低温適応型(ca
)ウイルスである、223R残基を有するA/CA/4/07(V3)、222G残基を
有するA/CA/7/09(V5)および223R残基を有するA/CA/7/09(V
6)は、wt A/CA/4/09、ca A/CA/4/09(V3)、ca A/C
A/7/09(V5)およびca A/CA/07/09(V6)で免疫化したフェレッ
ト由来の4つの参照血清と同様に反応した。V5の位置119および186にアミノ酸変
化が導入された変異体は、V5と同様の抗原性を有していた。しかしながら、位置153
、154および155に変化を有するウイルスは、これらの血清との反応性が遙かに低く
、4倍を超える力価の低下が検出された。したがって、これらのデータは、残基153∼
154での突然変異がワクチン株中に存在すべきでないことを示している。位置119お
よび186での変化は、ウイルス抗原性に影響を及ぼすことなくワクチン株に導入するこ
とができた。
40
(82)
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【表5】
10
20
【0163】
A/CA/7/09ワクチン候補は、フェレットにおいて弱毒化されているが、免疫原性
である
A/CA/7/09ワクチン変異体を、その弱毒化表現型および抗体応答を誘導するそ
の能力について評価するために、フェレットに7.0log10FFUのウイルスを0.
2mlの投与容量で鼻腔内接種し、フェレットの上下気道におけるウイルス複製をEID
30
50アッセイで明らかにした。表6に示すように、A/CA/7/09変異体は全て、N
T組織では効率的に複製したが、肺ではウイルスが検出されなかった。これらのデータに
より、これらのウイルスがフェレットにおいて弱毒化されていること(これは、MDV−
Aの6つの内部タンパク質遺伝子セグメントによって付与される特徴的な表現型である)
が確認された。
【0164】
フェレットの感染後血清を鼻腔内接種後14日目に回収し、HAIアッセイで抗体力価
を評価した(表6)。V5変異体は全て、非常に免疫原性が強く、HAI力価が256∼
1024の範囲の、H1N1特異的抗体応答を誘導した。いくつかのV6変異体も、その
免疫原性について評価し、V5よりも免疫原性が低いことがわかった(データは示さない
40
)。残基119および186に突然変異を有する変異体は、wtウイルスと同様の抗原性
を維持したが、154Eおよび155E変異体とはあまり反応しなかった。154Eおよ
び155E変異体感染フェレット血清で感染させたフェレット由来の血清もまた、wtウ
イルス、V5、ならびに119Eおよび186D変化を有するV5変異体とはあまり反応
せず;それらの力価の違いは2倍以内であった。V5−154Eおよび155E感染後フ
ェレット血清は、他の変異体よりも4倍を超えて高い同種HAI力価を有していた。興味
深いことに、186Dでの突然変異は、154Eおよび155E変異体との反応性を大き
く低下させた。これらのデータは、A/CA/07/09(H1N1)の119および1
86HA変異体が、ウイルス抗原性または免疫原性を変化させることなく、卵中での高い
増殖を付与し、そのため、ブタ起源のH1N1ウイルスの潜在的なワクチン候補となるこ
50
(83)
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とを示している。
【表6】
10
20
【0165】
A/CA/7/09 変異体の受容体結合特異性
卵中での野生型A/CA/4/09およびA/CA/7/09ウイルスの増殖によって
、HA受容体結合部位におけるアミノ酸変化(D222GおよびQ223R)が生じた。
これらの位置は、卵で継代した後の他のH1N1株で以前に同定されており、HA受容体
結合特異性に関与している。ワクチンウイルス変異体が異なる受容体結合特異性を有する
30
かどうかを明らかにするために、V5、V6ならびにV5−119およびV5−186変
異体を、RBC結合アッセイにより、その受容体結合特異性について評価した(表7)。
(222および223が変化していない)V4は、α2,3 SAよりもα2,6 SA
に結合する傾向があった。V5(D222G)は、α2,3 SAおよびα2,6 SA
で再シアリル化されたRBCに同程度によく結合した。しかしながら、V6(Q223R
)は、α2,3 SAで再シアリル化されたRBCにしか結合することができず、これら
2つの残基がウイルス受容体結合特異性に影響を及ぼすことが確認された。V5−119
E/NおよびV5−186Dウイルスは、V5と同様の結合特異性を有していた。二重H
A突然変異体V5−119E/186Dは、α2,3 SAよりもα2,6 SAに良好
に結合する傾向があった。V6に導入された119Eおよび186D残基は、α2,6 SAに対するその結合を回復することができなかった(データは示さない)。したがって
、119および186残基における変化は、ウイルス受容体結合特異性にそれほど影響を
及ぼさない。
40
(84)
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【表7】
10
【0166】
A/CA/7/09再集合体のタンパク質組成
感染させた卵から回収した13mlの尿膜腔液を2mlの30%ショ糖クッションに2
5krpmで1時間通してペレット化した。ウイルスペレットを0.2mlのPBSに再
20
懸濁した。5μlのウイルス懸濁液を4∼20%ポリアクリルアミドゲルに充填し、クマ
シーブルーで染色したサンプルの順番は以下の通りであった。
図3A
レーン1.組換えHAA/NC/20/99 0.5μg
レーン2.組換えHAA/NC/20/99 2μg
レーン3.MDVA−V5−119E/186D(FFA 8.6)
レーン4.MDVA−V6(FFA 7.9)
レーン5.MDVA−V6−186D(FFA 8.1)
レーン6.PR8−V5−119E/186D(FFA 8.2)
レーン7.PR8−V6(FFA 7.8)
30
レーン8.PR8−V6−186D(FFA 8.5)
レーン9.NYMC X−179A(FFA 8.5)
レーン10.PR8サウスダコタ(FFA 8.7)
図3B
レーン1.NYMC X−179A(FFA 8.5)
レーン2.MDVA−V5−119E/186D(FFA 8.6)
レーン3.MDVA−V5−119E/186D/PA−S395N(FFA8.9)
レーン4.サウスダコタ(FFA 8.7)
【0167】
標準的な方法を用いて、FFAおよびピーク力価の値を決定した。その名称に「MDV
40
A」が含まれる再集合体ウイルスは、A/アナーバー/6/60の6つの内部ゲノムセグ
メントを含む。その名称に「PR8」が含まれる再集合体ウイルスは、PR8の6つの内
部ゲノムセグメントを含む。
【0168】
A/カリフォルニア/7/09変異体のHAタンパク質収量の比較
PR8由来の6つの内部ゲノムセグメントと、A/CA/7/09由来のHAおよびN
Aゲノムセグメントとを含む6:2再集合体インフルエンザウイルスを作製した。PR8
由来の6つの内部ゲノムセグメントと、A/CA/7/09由来のNAゲノムセグメント
と、本明細書に記載のH1 HA変異体ポリペプチドをコードするHAゲノムセグメント
とを含むさらなる6:2再集合体ウイルスを作製した。A/Texas/5/2009 50
(85)
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RG15(A/TX/7/09 RG15)およびA/カリフォルニア/07/09 N
YMC X179Aとともに、様々なA/CA/7/09HA変異体を含む6:2再集合
体ウイルスをニワトリ孵化卵中で拡大し、そのピーク力価をFFAで決定した。アッセイ
したウイルス株を表8に示す。6:2PR8−サウスダコタは、PR8由来の6つの内部
ゲノムセグメントと、A/サウスダコタ/6/07由来のHAおよびNAゲノムセグメン
トとを含む6:2再集合体ウイルスである。6:2AA−V5−119E/186Dは、
A/アナーバー/6/60由来の6つの内部ゲノムセグメントと、A/CA/7/09由
来のNAゲノムセグメントと、V5−119E/186D 変異体HAゲノムセグメント
とを含む6:2再集合体ウイルスである。本明細書に記載のH1 HA変異体ゲノムセグ
メントを含むPR8再集合体ウイルスは、TIV生成に利用可能な最高収量株であるX1
10
79Aと同程度の力価を有していた。
【表8】
20
【0169】
ピーク力価の測定の他に、本発明者らは、表8に列挙された再集合体ウイルスのうちの
いくつかのHAタンパク質収量も決定した。50個の卵に各々103FFU/卵のMOI
で感染させることにより、選択されたウイルスを増幅させた。33℃で62時間のインキ
ュベーションの後、ウイルスを回収した。その後、等量の尿膜腔液(250ml)をショ
糖勾配で精製した。SDS PAGE、次いでクマシーブルー染色により、ウイルスタン
パク質を解析した。
【0170】
30
結果の代表的なサンプルを図4に示す。図4Aに示すように、X179A、6:2PR
8−V6−186Dおよび6:2AA−V5−119E/186Dの総タンパク質収量は
、ぞれぞれ、460、300、および350μgであった。6:2AA−V5−119E
/186Dは、A/CA/7/09 X179Aよりも総タンパク質収量が低かったにも
かかわらず、6:2AA−V5−119E/186DのHAタンパク質収量が最大であっ
た。この実験で6:2AA−V5−119E/186Dについて見られたより低い総タン
パク質収量は、アッセイのばらつきによる可能性が高かった。図4Bに示すように、6:
2PR8−V5−119E/186DおよびX179Aの総タンパク質収量は、それぞれ
、780および720μgであった。6:2PR8−V5−119E/186DのHAタ
ンパク質収量はまた、A/CA/7/09 X179AのHAタンパク質収量よりも高か
った。
【0171】
PR8バックボーンと変異体A/カリフォルニア/7/09 H1ポリペプチドとを含む
再集合体ウイルス
PR8由来の6つの内部ゲノムセグメントと、A/CA/7/09 H1 HAゲノム
セグメントの変異体と、A/CA/7/09 NAゲノムセグメントとを含むさらなる6
:2再集合体インフルエンザウイルスを作製した。H1 HAアミノ酸変異を表9にまと
める。
40
(86)
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【表9】
【0172】
10
試験した変異体HAのうち、V5−119E/186D/190Rにおける変化のみが
抗原性を低下させた(表9)。HAタンパク質収量を決定するために、様々なA/CA/
7/09 HA変異体を含む6:2再集合体ウイルスをニワトリ孵化卵中で拡大した。3
3℃で48時間(図5A)または60時間(図5B)のインキュベーションの後、ウイル
スを回収した。その後、ショ糖勾配沈降でウイルスを精製した。SDS−PAGE、次い
でクマシーブルー染色により、精製ウイルスのタンパク質組成を解析した。1つ1つのレ
ーンに、等量の精製ウイルス(図5A)または等容量の回収された尿膜腔液から精製した
ウイルス(図5B)のいずれかを含むサンプルを充填した。AA−V5−ED(V5−1
19E/186D変異体HAおよびA/アナーバー/6/60バックボーンを含む)なら
びにX179Aウイルスから調製されたサンプルを対照として含めた。PR8−Cウイル
20
スは、X179Aよりも高い収量のHAポリペプチドを生成した。
【0173】
SDS−PAGE、次いでクマシーブルー染色を用いて、X179AのHA収量と比べ
たPR8−CおよびAA−V5−EDのHA収量をさらに測定した。様々な容量(10、
7.5、5および2.5マイクロリットル)のPR8−CおよびAA−V5−EDサンプ
ルならびに10マイクロリットルのX179AサンプルをSDS−PAGEで解析した。
画像解析ソフトウェアを用いて、各サンプルに見られるHA1タンパク質の相対量を測定
した。測定の結果を図6に示す。AA−V5−EDおよびPR8−Cウイルスは、X17
9Aよりも1∼1.5倍多いHAタンパク質を生成する。
【0174】
30
前述の発明は、明瞭性と理解を目的として少し詳細に記載されているが、本開示を読む
ことによって、形態および細部における様々な変更が、本発明の真の範囲から逸脱するこ
となく行なわれ得ることが当業者には明らかとなるであろう。例えば、上記の全ての技術
および装置は、様々な組合せで使用することができる。全ての出版物、特許、特許出願、
または本出願に引用される他の文献は、あたかも各々の個々の出版物、特許、特許出願、
または他の文献が、あらゆる目的のために参照により組み込まれるように示されているの
と同じ程度まで、あらゆる目的のためにその全体が参照により組み込まれる。特に、以下
の特許出願:米国仮出願第61/220,426号(2009年6月25日出願)、同第
61/227,986号(2009年7月23日出願)、および同第61/234,02
1号(2009年8月14日出願)は、あらゆる目的のためにその全体が参照により組み
込まれる。
40
(87)
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3A】
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(88)
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
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(89)
【図6】
【配列表】
2012531205000001.app
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(90)
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【国際調査報告】
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(94)
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.
FI
テーマコード(参考)
A61P 31/16
(2006.01)
A61P 31/16
A61K 35/76
(2006.01)
A61K 35/76
A61K 39/145
(2006.01)
A61K 39/145
(31)優先権主張番号 61/258,890
(32)優先日 平成21年11月6日(2009.11.6)
(33)優先権主張国 米国(US)
10
(81)指定国 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,T
M),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,S
E,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,
BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,I
L,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ
,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,
ZM,ZW
(特許庁注:以下のものは登録商標)
20
1.フロッピー
2.JAVA
3.UNIX
4.Linux
(72)発明者 ジン,ホン
アメリカ合衆国 95014 カリフォルニア州,クパチーノ,サンタ ポーラ アベニュー 2
2385
Fターム(参考) 4B024 AA01 BA32 CA04 DA02 DA03 EA04
4B065 AA95X AA95Y AB01 AC14 AC20 BA01 CA24 CA45
4C085 AA03 BA55 CC08 EE01
4C087 AA01 AA02 BC83 NA14 ZB33
4H045 AA11 AA20 AA30 BA10 CA01 DA75 DA86 EA31 FA74
30
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