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地球外生命体 - Seesaa Wiki(ウィキ)

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地球外生命体 - Seesaa Wiki(ウィキ)
06/04/14
法政天文研究会学習会資料
文責:仲川
地球外生命体
~46 億年後の可能性~
ⅰ)はじめに
私たちが今いる場所は、東京都千代田区にあるキャンパス内です。東京都はもちろん日
本という国の首都であり、日本は地球という星にある国の一つです。更に地球とは太陽系
ぼううずまき
という惑星系を成す一つの惑星であり、太陽系は銀河系という棒渦巻銀河に含まれ、その
銀河系は局部銀河群に属しています。つまり、我々人類をはじめとする地球内生物の全て
が、広大な宇宙においてはほんの小さな存在に過ぎないのです。それは同時に、地球の他
に未知の生命体が存在するかもしれないことを示唆しています。では、本当に地球の外に
も生命体は存在するのでしょうか。
ⅱ)たぐいまれな星、地球
そもそもこの地球には、なぜこんなにも様々な生命が溢れているのでしょうか。それは、
水・エネルギー・有機物などという生命体に欠かせない要素がバランス良く存在していた
からです。また人類が文明を築くことにより、地球は知的な発展をも成し遂げました。こ
うした、生物が住める安定した環境が揃っていること自体が極めて稀なことであり、その
お陰で長い時間をかけて我々は徐々に進化してこられたのです。
ⅲ)地球外生命の存在
「我々の世界のほかにも、生物の住む世界が存在する」という哲学的・神学的な考えは、
紀元前からありました。後に科学的調査が進められ、いくつかの星に生物存在の可能性が
見出されました。以下に代表的な例をあげることとします。
火星
エウロパ(木星の第二衛星)
・1877 年の「水路」発見
・1989 年の探査機「ガリレオ」打ち上げ
・地球に似た環境(大気、温度、極冠)
・零下 160℃の凍てついた表層
・「ゆっくりと退歩している惑星」
・地形(カオス、ダブル・リッジ)
・H.G.ウェルズ『宇宙戦争』
・木星との潮汐力と放射線
・現在では地下の水の多い場所が生命の主
・表面の氷や水における生態系と、熱水噴出
な住処か?
孔付近の生態系の二つがある?
先述した通り、生命体に最低限必要なのは水と熱エネルギーであり、生命の材料となる
有機物は、何十億年もかけて無数の彗星が降り注ぐ度に海に溶け込んでいきます。しかし
酸素も太陽もない地下生命圏・岩石中における微生物発見や、光の届かない深海底に住む
生物の調査を経て、他惑星(海の無い星を含む)にも生命が存在するかもしれないという考
えはより深まりました。
ⅳ)科学者の考える『宇宙人』
・気球に似た生物が、海も陸地も無いガス惑星を漂う。
・シリコンでできた生物が光や電気の信号によってコミュニケートする。
・エウロパの第一次生産者「シースネア」と、細い巻きひげで周囲を察知しこれを食べる
「アイスドラゴン」
。
ⅴ)知的生命との交信
プエルトリコのアレシボにある世界最大の電波望遠鏡では、毎日宇宙からの電波を受信
しています。この膨大な電波から地球外文明が発した信号を探す研究は SETI と呼ばれてい
ます。一千億個ほどの星の周波数から宇宙人のものと思われる振動数を見つけ出すには、
1.420GHz の周波数(「水素の歌」と呼ばれ、水素原子核のスピンが回転するときに発生する。)
が用いられます。これは、宇宙人がもし真面目に我々と交信するつもりならば、特別で分
かりやすい周波数を使うだろうという推測からきています。しかし同時に、
「フェルミのパ
ラドクス」という概念も忘れてはいけないでしょう。
ⅵ)おわりに
地球外生命体について学ぼうと思った時、初めはその存在に否定的な見解しか持てませ
んでしたが、数多の科学者による論考を読み進めていくに当たり、その実現も不可能では
ないかもしれないと思うようになりました。人類の他に文明を作り出すことのできる生命
体がいるのなら、その「宇宙人」も、夜になれば私たちと同じような星空を眺めているので
しょうか。そう考えるとおかしな気持ちになりますが、どこまで続くかもわからない宇宙
に、地球と同じような惑星が二つや三つあってもなんら不思議はないのです。
地球以外のどこかの惑星に生命体を探し出すという行為は、一見すると大変興味深くロ
マンチックな研究のように思われますが、一方では脅威的な模索でもあると考えなければ
なりません。これまで長いこと地球本位かつ人間本位の世界で生きてきた私たちは、果た
してより高度な知性を持つ生命体に出くわした時、どのような行動に出るのでしょうか。
そこに潜む危険性をも予期しながら、私たちは生命体との交信を図らなければならないと
強く思います。かつ同時に、これからの未知なる生命体研究にも大いに期待したいです。
ⅶ)参考文献
・ポール・デイヴィス(1997)『宇宙に隣人はいるのか』草思社
・唐牛 宏・唐牛幸子 共訳(1993)『宇宙の中の生命体』丸善株式会社
・NHK「宇宙」プロジェクト・編(2001)『1天に満ちる生命』NHK 出版
参考 web
・「ウィキペディア(Wikipedia)」
<http://ja.wikipedia.org/>
・「SETI@home」
< http://setiathome.ssl.berkeley.edu/>
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