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電子黒板の活用 - 松原研究室

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電子黒板の活用 - 松原研究室
教育情報化の事例紹介
(2011年度/増補版)
2012年3月
教育情報化推進研究会
(SIG_EEP)
◇もくじ
1.まえがき
………………………………………………………………………………3
2.【事例1】滋賀大学教育学部附属小学校
3.【事例2】大津市立瀬田北中学校
…………………………………………4
…………………………………………………6
3.1 調査の概要
3.2 各教科等における教育の情報化
3.3 特別支援学級における教育の情報化
3.4 特別教室における教育の情報化
3.5 校務の情報化
4.【事例3】滋賀大学教育学部附属中学校
5.あとがき
謝辞
…………………………………………11
………………………………………………………………………………13
…………………………………………………………………………………………14
2
1. まえがき
教 育 の 情 報 化 に つ い て は,「教 育 の 情 報 化 ビ ジ ョ ン」(文 部 科 学 省,2011年
4月)が公開され,国家的な課題となっている。例えば,全国の小・中学校では,
電 子 黒 板 を 始め デ ィジ タ ル 教 科 書の 利 用な ど,ICTを 活 用 した 授 業 が 各 校で 実 践
研 究 が 進 め ら れ て い る が,ま だ そ の 理 論 的 背 景 と な る 研 究 や 実 践 に 役 立 つ 研 究
など,十分でないところが大きい。
そ こ で,本 研 究 プ ロ ジ ェ ク ト で は,「教 育 情 報 化 推 進 研 究 会)」を 組 織 し て,
教員養成段階での教育情報化という視点から,電子黒板などのICT教育機器だけで
なく,総務省が進める「未来の学校」をイメージした教育の在り方についても視野を
広げて調査研究を行っている。そして,その成果は,ニューズレター(紙媒体)を
発 行 す る と と も に,そ の デ ィ ジ タ ル 版 は,本 研 究 会 のWebサ イ ト(http://
www.mlab.sue.shiga-u.ac.jp/sig_eep/)にて配信している。
本冊子(ディジタル版)の作成に当たっては,大津市立瀬田北中学校,本学教育学部
附属小学校および附属中学校のご協力を頂いた。瀬田北中学校は,電子黒板の活用に
ついて先進校で,上林眞人先生には,企画の段階から親切に協力を頂くとともに,
校長先生を始め,多くの関係の皆様にご理解を頂くとともに,本冊子にて使用した
写真の使用について許諾を頂いた。また,この視察を進めるにあたり,山岸憲明氏
(大 津 市 教 育 委 員 会 指 導 主 事,本 研 究 会 の メ ン バ ー)の ご 協 力 も 頂 き ま し た。
一方,附属小学校では,森滋彦先生,及び,西田和弘先生をはじめ,校長,副校長の
先生など多くの皆様にご理解をいただきました。また,附属中学校においでも,多く
の先生方にご理解をいただきました。
活 動 の 成 果 は,当 初,教 育 情 報 化 の 説 明 資 料(テ キ ス ト)と し て 作 成 さ れ,
メディア教育コースの交流実習の事前指導(2011年12月)において使用されるととも
に,2012年2月14日に開催された「大学・附属学校園共同研究懇話会」に設置された
「教育情報化」のセッションでも活用された。本冊子(ディジタル版)は,上記の
経緯のもとに,既に作成された説明資料(テキスト)をもとに,あらためて内容を
充実させてディジタル版として発行するものである。
本研究プロジェクトを進めるに当たり,横山成彦氏(大阪学院大学高等学校 講師)
には,機材の搬入から情報収集・編集などの各場面において貢献が大きい。
あらためて関係者の皆様のご理解とご協力に対して,お礼を申し上げたい。
2012年12月3日
教育情報化推進研究会(SIG_EEP)
http://www.mlab.sue.shiga-u.ac.jp/sig_eep/
代表
3
松原 伸一(滋賀大学教授)
滋賀大学教育学部
附 属 小 学 校
2 . 【事例1】
2.1 整備されている電子黒板の概要
滋賀大学教育学部附属小学校には,パイオニア社
製電子黒板「EPD-C507E2」(図1)が整備されて
いる。本製品は,50V型高精細プラズマディスプレイを
搭載し,ハンドライティングデバイス,キャリア
ブルスタンド,イージーコントローラ,スピーカー
を有している。また,オプションにより,スキャン
図1.EPD-C507E2
カメラの搭載および地上ディジタル放送の受信など,テレビの視聴が可能である。
本製品を電子黒板として利用する場合は,PCと接続する必要がある。また,本製品
には,電子黒板を利用するための専用ソフトウェアと専用電子ペンが付属する。
本製品の操作は,専用電子ペンを用いるか,またはタッチパネル機能により,指先を
用いて直感的におこなうことができる。マルチタッチには未対応である。
2.2 EPD-C507E2の機能
本製品には,3種類の授業モードを搭載している。
「パソコンモード」では,PCで表示している画面をディスプレイに映し出すことができる。
また,映し出した画面の上から専用電子ペンなどを用いて,自由に書き込むことができる。
「黒板モード」では,背景が単色となり,黒板に板書するように,専用電子ペンなど
を用いて自由に書き込むことができる。最大100ページ分まで保存することができる。
また後述する「画面メモ」で記録した内容を閲覧することができる。
「コラボモード」とは,画面の範囲内のみならず,映し出されている画面を,大きな
模造紙の一部分のようにして,自由に書き込むことができる。
2.2.1 イージーコントローラーの各機能
本製品には画面横に「イージーコントローラー」を搭載している。このボタンを押す
ことで,本製品の各機能を呼び出すことができる。
「イージーコントローラー」の各機能は,図2に示す。
4
○ジャンプ
○拡大
ディスプレイの入力切替を
表示している画面の一部を
おこなう。
拡大する。
○画面メモ
○ページ送り・ページ戻り
表示している画面とその上
次のページ,もしくは前の
から書き込んだ内容を「黒
ページを表示する。
板モード」のページとして
取り込む。
○ペン
○スキャナカメラ
1回目のタッチでペン機能
スキャンカメラを操作する
を呼び出す。2回目のタッ
(オプション)。
チで画面上にペンパレット
が表示され,ペンの色や太
さを変更できる。
○消しゴム
○ツールバー
1回目のタッチでペン機能
ツールバーを呼び出す。
で入力した内容のうち選択
した領域を消去する。2回
目のタッチでは画面上の
すべてのペン情報を消去する。
○マウス
○画面サイズ切換
設 定 環 境 に よ り,通 常 の
表示の縦横比を4:3と16:9で
マウス操作,もしくは手の
切り換える。
ひらツールを表示する。
○黒板↔パソコン
○ボタン操作ON/OFF
記入モードを切り換える。
情報ボードソフトウェアの
起動・終了をおこなう。
図2.イージーコントローラーの各機能
5
大 津 市 立
瀬 田 北 中 学 校
3 . 【事例2】
3.1 調査の概要
近 年,教 育の 情 報化 が め ざま し い。文部 科 学 省の 調 査に よる と,平 成22年 度 に
小学校,中学校,高等学校,中等教育学校及び特別支援学校において,電子黒板が
整備されている学校の割合は,69.3%である。1学校あたりの電子黒板の整備台数は
平均1.7台と,統計上は我が国のすべての学校に電子黒板が整備されていることとなる。
また,いわゆる電子教科書の制作や,総務省が推進するフューチャースクール推進
事業など,今後も教育の情報化が一層活発化する様相をみせている。
平成23年度以降,各学校種で実施される学習指導要領では,いずれの学校種において
も,各教科の指導において,視聴覚機器や教育機器などの教材・教具の適切な活用を
図ることが示されている。
このような状況から,教育の情報化の現状を把握する必要があると考えた。そのため,
滋賀県における教育の情報化の先進校である大津市立瀬田北中学校で調査をおこなった。
大津市立瀬田北中学校(図3)は,滋賀県大津市に所在する。生徒数は2011年度
現在,約900名である。
調査は2011年11月17日木曜日,3~4限目にかけておこなった。
図3.大津市立瀬田北中学校
6
3.2 各教科等における教育の情報化
瀬田北中学校には,すべての普通教室に電子黒板(パイオニア製)が整備されている。
普通教室の電子黒板はネットワークに接続されており,インターネットに接続する
ことも可能である。
(1)第1学年 英語科
英語科の授業では,電子黒板がほとんどの時間で
使われている。従来,CDデッキを用いてリスニング
をおこなっていたが,瀬田北中学校では大津市教育
センターのサーバに設置された教科書会社から購入
した教科書に準拠した電子教材をオンラインで活用
し,電子黒板を用いておこなっている(図4)。
CDデッキを用いた場合との違いとして,クラス
図4.電子教材の利用例
の進捗度に応じて,リスニングのスピードを変更
することができたり,英文のリスニングの際は,カラオケのように画面に文章が表示
さ れ,リ ス ニ ン グ を お こ な っ て い る と こ ろ の 色 が 変 わ る な ど の 機 能 が あ る。
また,スピーキングの際は,教科書に登場する特定の人物をミュートにし,登場
人物と対話するようにスピーキングの練習をすることができる。
その他にも,授業で解説している内容の理解を深めるために,電子黒板に画像を
映し出して解説するなど,さまざまな場面で電子黒板が活用されていた。
(2)第1学年 保健体育科 保健(女子)
保健の授業では,映像教材を使って学習をおこ
なっていた(図5)。映像教材の活用は,従来より
普通教室に設置されていたテレビで視聴するように,
電 子 黒 板 に 接続され ているノート型PCの光学式
ドライブに記録メディアを挿入し,おこなわれる。
また,映像教材も従来のVHSテープからDVDに
図5.映像教材の利用例
移行が進んだため,編集が容易となった。そのため,授業で必要な部分のみを映像
から抜き出し,編集する教員もいるという。
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(3)第2学年 社会科 地理
地理の授業では,米国・Google社が無償で提供
するソフトウェア・Google Earthを活用しておこな
われていた。この授業では,地図帳を見ながら都市
の 特 徴 を 探 し 出 し,Google Earthで そ の よ う す を
確認していくという形で進められていた(図6)。
図6.Google Earthの利用例
瀬田北中学校では,英語科と同様に社会科でも
電子黒板の利用率が高い。都市のようすをライブカメラに接続して,リアルタイムの
映像を映し出すなど,授業に積極的に活用されている。
(4)第3学年 数学科
数学科の授業では,教科書をPDFにしたものを
電子黒板に映し出し,進められていた(図7)。
多角形の相似を学習する授業では,教科書の図形を
ズームして表示させ,教員が解説をおこなっていた。
従来,多角形の解説の際は,教員が黒板に図形を
書き写すことが多かった。しかし,電子黒板を活用
図7.PDF化された教科書の利用例
することで,その時間が省け,これまでよりも机間
巡視に時間をとることが可能となった。そのため,生徒ひとりひとりに指導をおこなう
時間が長くなったという。
3.3 特別支援学級における教育の情報化
特 別 支 援 学 級 で は,生 徒 1 人 に つ き 1 台,
無線LANでネットワークに接続したノート型PCが
貸し出されている。この授業では,「秋の虫」の
鳴く声の学習がおこなわれていた。生徒たちは,
インターネットを活用して,秋の虫の鳴く声を
聴いたり,秋の虫はどこにいるのか検索をおこ
図8.特別支援学級での教育情報化の例
なっていた(図8)。
特別支援学級は,生徒の自立を目指しており,電車の時刻表の検索など,生徒
が主体的となって調べ学習をおこなうことを,日頃よりおこなっている。
8
3.4 特別教室における教育の情報化
(1)コンピュータ室
コンピュータ室には,生徒が利用するPCとして,有線LANでネットワークに接続
さ れ た デ ス ク ト ッ プ 型PC(Windows XP搭 載)が40台 設 置 さ れ て い る。前 方 に は
スクリーンが設置されており,教員機の映像を映し出すことができる。
インターネットは大津市教育センターを経由し,接続することができる。フィルタ
リングがされているため,Webメールやキャラクタの画像が掲載されたWebサイトなどは
表 示 さ れ な い。そ の た め 調 べ 学 習 に は 支 障 が 生 じ る 場 合 も あ る が,大 津 市 教 育
センターに時間帯を指定した上でフィルタリングを解除してもらうこともできる。
プリンタは設置されているが,生徒機から直接プリントアウトすることはできない。
これは調べ学習をおこなったとき,インターネットなどに掲載された情報をそのまま
プリントアウトすることで,その知識が身についたと誤解してしまうことを防止する
ためである。そのため瀬田北中学校では,生徒が自由にプリントアウトすることは
させず,PCを用いて調べ,それをノートなどに書き写すことをさせている。
コンピュータ室はおもに技術の授業や,選択教科「情報」の授業で利用されている。
また,後方には無線LANでネットワークに接続できるノート型PCが20台,10台ずつ
ラックに保管されている。コンピュータ室にはアクセスポイントが設置されていない
ため,ネットワークに接続することはできない。アクセスポイントが設置されて
いる,図書室や特別支援学級に持ち込むことで,ネットワークに接続することができる。
(2)図書室
図 書 室 に は,無 線LANで ネ ッ ト ワ ー ク に 接 続
さ れ た ノ ー ト 型PCが20台 常 備 さ れ て お り,10台
ずつラックに収納されている(図9)。図書室に
は コ ン セ ン ト が 十 分に な い た め,1 時 間あ た り
10台を貸し出し,図書やインターネットを用いて
グループで調べ学習をおこなうことを想定している。
図9.図書室の教育情報化の例
また,現在,瀬田北中学校では,ICT支援員に
より,図書目録のディジタル化が進められている。
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(3)その他の特別教室
理科室には,ネットワークに接続されていない電子黒板が設置されているが,その
他の特別教室にはディジタルテレビが設置されている。ディジタルテレビには,DVD
デッキなどが接続できるほか,ノート型PCを持ち込めば,ディジタル教材などを映し
出すことができる。ただし,特別教室にはネットワークが敷設されていないため,
インターネットなどに接続することはできない。
3.5 校務の情報化
瀬田北中学校には2系統(事務用,教育用)の
ネットワークが敷設されている。教員がおもに
利用するのは教育用のネットワークである。教員
には,校務用のノート型PC(図10)が配布されて
おり,有線LANを接続して,インターネットにも
接続することができる。生徒の個人情報なども
ディジタル化されており,それらは校長室に設置
図10.校務用のノート型PC
されたサーバで管理されている。個人情報の流出
を防ぐため,個人情報を管理するサーバにアクセスする際は,ハードロックキーを
ノート型PCのUSBポートに接続しなければアクセスできない仕組みとなっており,
その間はインターネットには接続できない。
原則,ディジタルデータの持ち帰りはできない。校内でUSBフラッシュメモリを
利用する際は,あらかじめ登録をおこなわなければならない仕組みとなっている。
また,年に数回,個人情報の取り扱いに関する注意喚起がおこなわれる。
また,教育の情報化に関する研修体制としては,大津市教育センターがICTに関する
研修会をおこなっているほか,校内でICT推進委員会を組織しており,小規模な研修が
おこなわれている。
10
滋賀大学教育学部
附 属 中 学 校
4 . 【事例3】
4.1 滋賀大学教育学部附属中学校の教育情報化の概要
滋賀大学教育学部附属中学校(以下,附属中学校と記す)では,2010年度に校内
教材提示システムの整備がおこなわれた。これにより,表1に示す機器が導入された。
附属中学校では,2010年度に文部科学省から研究開発学校指定を受け,「情報の
時間」を設置している。校内教材提示システムは,「情報の時間」をはじめ,授業
などの教育活動に役立てられている。
本章では,2011年度に附属中学校でおこなわれた,平成23年度教育研究発表協議会
における公開授業から,その活用例を紹介する。
表1.附属中学校に整備されたICT機器(七里,2011)
設置場所
ICT機器
個数
液晶プロジェクタ(黒板に提示)
13台
液晶プロジェクタ(スクリーンに提示) 20台
教室
教室(一部)
職員室
提示用デスクトップ型コンピュータ
23台
書画カメラ
23台
DVDプレーヤー
23台
プレゼンターマウス
24台
設置用ラック(普通教室)
9台
設置用ラック(特別教室)
14台
ハブ
23台
スクリーン
19台
遮光カーテン
20枚
無線LAN
-
コンテンツ作成用コンピュータ
1台
LAN接続用ハードディスク
1台
地上ディジタル放送キャプチャユニット 1台
イメージスキャナ
1台
Blu-rayレコーダ
1台
11
4.2 校内教材提示システムを使用した授業実践
附属中学校では,普通教室に電子黒板を設置せずに,プロジェクタを各教室に2台
設置した。教室前方隅に設置されたスクリーンに提示するためのプロジェクタと,黒
板に提示するためのプロジェクタ(図11)である。
図11.教室に設置された2台のプロジェクタ
スクリーンに提示するプロジェクタは,天吊りで
据え付けられており,おもに資料の提示などのために
利用されている。各教室に配備されている書画カメラ
(図12)を用いることで,実物の教材を拡大して
表示させたり,グループで集約した意見を書いた
プリントをスクリーンに映し出すことができる。
図12.書画カメラ
黒板に提示するプロジェクタは,壁に据え付けられており,スクリーンに提示する
プロジェクタと同様に,資料の提示などのために利用されている。しかし,黒板に
照射されているため,黒板に表示された画面の上から,チョークで黒板に書き込みを
することができる。たとえば,図11のようにYチャートを黒板に提示し,生徒がワーク
シートに記入した意見を集約し,クラス内でまとめをするなど,プロジェクタを活用
して,授業をシームレスに展開できる仕組みが構築されていた。
( 参 考
文 献 )
七里広志(2011),ICT機器(校内教材提示システム)の整備と活用,滋賀大学教育学部附属中学校
平成22年度(2010年度)研究紀要,第53集,pp.187-192.
12
5. あとがき
「教育情報化の事例紹介(2011年度/増補版)では,大津市立瀬田北中学校,滋賀
大学教育学部附属小学校,および,滋賀大学教育学部附属中学校の3校での教育情報化の
事例を紹介した。これらの学校での授業を拝見し,すでに日常的に電子黒板をはじめ
とした機器を活用して授業がおこなわれていたことが窺える。
全国的には1学校当たりの電子黒板の整備台数が平均1.7台と,すべての普通教室に
電子黒板が設置されている学校は少ない。しかし,すべての普通教室に電子黒板や校内
教材提示システムが設置されていることにより,教員は必要に応じ,授業で自由に活用
することが可能である。
瀬田北中学校では,電子黒板を本格的に活用をはじめて2年目である。電子黒板を
導入する前と比べ,生徒の興味・関心が高まったという。特に従来の授業形態で理解
度の低い生徒は,電子黒板を活用した授業で理解度が高まっているという。教員も電子
黒板という新しいツールが教室に入ってきたことにより,それを用いて,より分かり
やすい授業を開発しようとする意識が高まったという。
実際に電子黒板を授業に取り入れることにより,授業のテンポが早くなったという。
これは,多角形の相似を取り扱う授業のように,従来の形態では教科書に掲載されて
いる図形を,黒板に書き写して解説しなければならなかった。しかし,電子黒板を
用いることで,その時間を短縮することが可能である。また,世界各国の特徴を取り
扱う授業では,単に地図帳を見るだけでは,その国の特徴などは文字や記号による
情報でしか分からない。しかし,電子黒板を用いてGoogle Earthを活用することで,
地球上のどこに位置するか,衛星写真からどのような街並みなのかということが視覚
的に理解することができる。また,ライブカメラに接続することにより,人々の特色や
環境といったことも分かる。
このように,教育の情報化は,教員が電子黒板を用いることにより授業での表現力が
高まり,生徒の理解力が向上する。また,タイムリーである教材,動きのある教材は,
生徒の興味・関心をひきつける。教育の情報化は,我が国の学校教育に大きな効果を
もたらすものと考える。
13
謝
辞
本誌を作成するにあたり,調査にご協力いただいた滋賀大学教育学部附属小学校では,
同校教諭 森滋彦先生に教育の情報化における実践例を示してくださった。また同校教諭
西田和弘先生には機器の取り扱いの説明をしていただいた。ここに深謝の意を表する。
また,授業を拝見させていただいた児童のみなさんに感謝の意を表する。
調査にご協力いただいた大津市立瀬田北中学校では,同校教諭 上林眞人先生に,施設
設備の説明及びご指導をいただいた。ここに深謝の意を表する。授業を拝見させていただいた
先生方及び生徒のみなさんに感謝の意を表する。また,本調査をおこなうにあたり,
山岸憲明氏(大津市教育委員会指導主事,本研究会 のメンバー)にご協力いただいた。
ここに感謝の意を表する。
調査にご協力いただいた滋賀大学教育学部附属中学校では,2011年8月におこなわれた,
平成23年度教育研究発表協議会において,校内教材提示システムを活用した公開授業を
拝見させていただいた。ここに授業を拝見させていただいた先生方に深謝の意を表する。
また授業を拝見させていただいた生徒のみなさんに感謝の意を表する。
本研究プロジェクトを進めるにあたり,横山成彦氏(大阪学院大学高等学校 講師)は,
各場面において貢献が大きい。ここに感謝の意を表する。
教育情報化の事例紹介(2011年度/増補版)
発
行
日
2012年3月21日(初
版)
2012年12月10日(増補版)
発
行
者
教育情報化推進研究会(SIG_EEP)
代表
松原
伸一
〒520-0862
滋賀県大津市平津2-5-1
滋賀大学教育学部松原研究室内
教育情報化推進研究会(SIG_EEP)
URL
http://www.mlab.sue.shiga-u.ac.jp/
e-mail
[email protected]
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