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グリーンワーカー事業知床半島におけるエゾシカの

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グリーンワーカー事業知床半島におけるエゾシカの
環境省委託事業
平成 19(2007)年度
グリーンワーカー事業
(知床半島におけるエゾシカの植生への影響調査事業)
報告書
平成 20 年 3 月
財団法人 知床財団
目次
Ⅰ.知床連山におけるエゾシカの採食圧モニタリングサイトの設定、ならびに登山道の植生
荒廃に関するモニタリングサイトの調査報告書
・・・・・・・・・・1
Ⅱ.知床岬の植生に関する 2007 年度調査報告書
−防鹿柵を用いた植生回復実験5年目の経過
・・・・・・・・・・35
Ⅲ.固定柵を用いたエゾシカ密度操作実験区の植生と採食量調査
・・・・・・・・・・53
Ⅳ.土壌浸食状況把握調査
・・・・・・・・・・57
Ⅰ.知床連山におけるエゾシカの採食圧モニタリングサイトの設定、ならびに
登山道の植生荒廃に関するモニタリングサイトの調査報告書
石川幸男(専修大学北海道短期大学みどりの総合科学科)
中西将尚(知床財団)
宮木雅美(北海道立環境科学研究センター)
1. はじめに
知 床 半 島 に お い て は 、 1980 年 代 に 始 ま っ た エ ゾ シ カ の 増 加 に よ っ て 、 植 物 の 種 の
分 布 、植 生 の 分 布 と 構 造 に 大 き な 影 響 が 生 じ て い る 。こ れ ま で の 調 査 か ら は 、シ カ の
越 冬 地 に お い て 採 食 に よ る 影 響 が 特 に 大 き い こ と が 明 ら か に な っ て い る 。主 要 な 越 冬
地 は 、 冬 季 の 気 候 が 比 較 的 穏 や か な 標 高 300m 程 度 以 下 で 、 積 雪 を 防 ぐ 針 葉 樹 の 混 交
割合が高い針広混交林と餌場となる草原とがセットになっている場所に位置してい
る ( 山 中 ほ か 2003) 。 し か し 、 そ れ 以 外 の 場 所 で の 状 況 は 明 ら か で は な い 。 低 標 高
で も 越 冬 地 以 外 の 情 報 は 少 な く 、ま た 、300m 以 上 の 針 広 混 交 林 分 布 域 か ら 亜 高 山 帯 、
高 山 帯 に 関 し て は 、採 食 の 影 響 に 関 す る 情 報 は 非 常 に 限 ら れ て い る 。こ の 点 に 関 し て
は 昨 年 度 ( 2006 年 度 ) か ら 実 施 さ れ て い る 広 域 採 食 圧 調 査 に よ っ て 越 冬 地 の 周 辺 を
中心に把握が努められている。
こ う し た 越 冬 地 中 心 の 監 視 に 加 え て 、高 山 帯 か ら 低 標 高 ま で を セ ッ ト と し て 定 期 的
に 採 食 圧 を モ ニ タ リ ン グ す る こ と も 不 可 欠 で あ る 。地 形 的 に 急 峻 で 、調 査 に 困 難 さ が
伴 う 知 床 半 島 の 世 界 自 然 遺 産 地 域 に お い て 、効 率 的 に モ ニ タ リ ン グ を 行 う た め の 地 域
区 分 を 考 え た 場 合 、そ の 候 補 地 と し て は 、知 床 沼 周 辺 、知 床 連 山 周 辺 、お よ び 遠 音 別
岳 周 辺 の 3 地 域 を 重 点 地 域 と し て 取 り 上 げ る こ と が 妥 当 で あ ろ う 。す で に 昨 年 度 に 調
査 し た 遠 音 別 岳 周 辺 ( 石 川 ほ か 2007) に 続 い て 、 本 年 度 は 知 床 連 山 の 登 山 道 周 辺 に
おいて、モニタリングサイトを設定した。
な お 今 回 の 調 査 に 際 し て は 、 採 食 圧 の モ ニ タ リ ン グ サ イ ト の 一 部 と し て 、 2004 年
度に知床連山登山道に設定された登山者による踏圧モニタリングサイト(石川ほか
2005)も 利 用 し た 。こ れ ら は 二 つ 池 1 と 2 、三 峰 北 東 斜 面 、羅 臼 岳 一 の 肩 、お よ び 大
沢 二 の 岩 の 5 地 点 で あ る 。 こ れ ら 5 サ イ ト の 調 査 結 果 は 、 2004 年 か ら 2007 年 の 3 年
間における踏圧による変化のモニタリングも兼ねている。
ま た 、昨 年 度 に サ イ ト の 設 定 を 予 定 し て い た も の の 、行 程 的 な 制 約 か ら 設 定 の 場 所
を選定しただけに終わっていた遠音別岳地区の春苅古丹川中流においても 1 サイト
を設定したので、結果を掲載する。
本 調 査 を 行 う に 当 た っ て は 、株 )村 山 ギ ソ ー の 村 上 智 子 氏 に は 、現 地 調 査 で お 世 話
に な っ た 。東 京 農 工 大 学 農 学 府 の 山 本 悠 子 氏 に も ご 協 力 い た だ い た 。ま た 本 文 に も 記
し た よ う に 、高 山 帯 に お け る シ カ の 採 食 に 関 す る 情 報 を 、知 床 山 考 舎 滝 澤 大 徳 氏 と 北
1
海 道 大 学 大 学 院 地 球 環 境 科 学 研 究 科 の 工 藤 岳 准 教 授 か ら い た だ い た 。さ ら に 林 野 庁 の
関 係 各 位 に も 調 査 の 手 続 き 面 で お 世 話 に な っ た 。以 上 の 方 々 に 謝 意 を 表 す る 次 第 で あ
る。
2.
調査地、行程と方法
知 床 連 山 に お け る 現 地 調 査 は 、 2007 年 8 月 16 日 か ら 19 日 に か け て 実 施 さ れ た 。
調 査 地 点 と し て は 新 設 の サ イ ト と し て 3 ヶ 所 が 選 定 さ れ 、図 1 に 示 し た よ う に 、羅 臼
岳 登 山 道 の 斜 里 側 に 2 ヶ 所( SR1 と 2 )、羅 臼 側 に 1 ヶ 所( SR3 )で あ る 。一 方 、既
存 の 踏 圧 モ ニ タ リ ン グ サ イ ト は 、図 2 に 示 し た 位 置 に あ る 。ま た 、遠 音 別 岳 地 区 の 春
苅 古 丹 川 に お け る サ イ ト の 調 査 は 9 月 13 日 に 実 施 さ れ 、そ の 位 置 は 石 川 ほ か( 2007)
を参照されたい。
上 記 の サ イ ト の 概 要 を 表 1 に 示 し た 。な お 、踏 圧 用 の サ イ ト と 新 設 の 森 林 サ イ ト と
の統一性を取るために、踏圧用のサイトにも表1のような連続した名称をつけた。
表1
知床連山登山道沿いにおけるシカ採食モニタリングサイトの概要
(サイトの長さは斜距離で示している)
地点名
標高
面積
備考
亜高山帯以下 SR1
550m
100m×4m
SR2
830m
50m×4m
SR3
500m
100m×4m
高山帯 二つ池1 SR4
1330m
10m×1m
踏圧モニタリングサイトを兼ねる
二つ池2 SR5
1340m
15m×1m
踏圧モニタリングサイトを兼ねる
三峰
SR6
1350m
12m×1m
踏圧モニタリングサイトを兼ねる
羅臼岳一の肩 SR7
1540m
25m×1m
踏圧モニタリングサイトを兼ねる
大沢二の岩 SR8
1280m
23m×1m
踏圧モニタリングサイトを兼ねる
2
SR1
SR2
N
0
2km
SR3
図 1. 亜 高 山 帯 以 下 の 森 林 帯 に 設 定 さ れ た 帯 状 区 の 位 置
3
N
0
図 2
1km
登山者による踏圧モニタリングサイトの位置
図 3. 森 林 の モ ニ タ リ ン グ サ イ ト に お け る 方 形 区 の 配 置 デ ザ イ ン
4
2-1. 亜 高 山 帯 以 下 の 森 林 に お け る 調 査 方 法
モ ニ タ リ ン グ サ イ ト の 形 状 は 基 本 的 に 帯 状 区 法( ベ ル ト 調 査 区 法 )を 用 い て い る が 、
対象としている植生のタイプに応じて、大きさと調査項目等の詳細は変更している。
す な わ ち 、 山 地 の 針 広 混 交 林 か ら 亜 高 山 の 落 葉 広 葉 樹 林 に 設 定 さ れ た SR1 か ら SR3
ま で の 3 ヶ 所 で は 、 混 合 ベ ル ト 調 査 区 法 ( 小 平 ほ か 2004) を 基 本 に 、 一 部 を 変 更 し
て 用 い て い る 。す な わ ち 、始 点( 0m)か ら 終 点( 100m)ま で の 基 線 を も と に 、基 線 の
両 側 各 2m 幅 の 長 方 形 区 ( 4m×100m) を 設 定 し 、 さ ら に 基 線 を 20m ご と に 区 切 っ た 基
準 点 を 左 下 と し た 6 つ の 小 方 形 区( 1m×1m)、同 じ 基 準 点 を 左 下 と し た 中 方 形 区( 2m
×2m) を 設 定 し た ( 図 3 ) 。
長 方 形 区 内 で は 出 現 し た 胸 高 以 上 の 立 木 を 毎 木 調 査 し 、 位 置 を 10cm 単 位 で 記 録 す
る と と も に 、種 別 、生 死 、胸 高 周 囲 長 、被 食 が あ れ ば そ の 新 旧 、被 食 最 大 幅 、被 食 上
端 と 下 端 の 高 さ 等 を 記 録 し た 。 次 に 、 小 方 形 区 で は 生 育 す る 2m 未 満 の 植 物 の 種 別 、
被 度 と 高 さ を 記 録 し た 。 一 方 、 中 方 形 区 で は 高 さ 2.5m ま で に 出 現 す る 木 本 葉 の 現 存
量 を 推 定 し た 。 エ ゾ シ カ が 直 接 採 食 で き る 高 さ は 、 地 上 か ら 約 2.5m ま で で あ り 、 葉
が 強 度 に 採 食 さ れ る と そ の 部 分 の 見 通 し が 良 く な っ て 採 食 ラ イ ン が 明 瞭 に な る 。中 方
形 区 内 に 存 在 し て い る 葉 の 現 存 量 の 推 定 は 、広 葉 樹 に つ い て は 各 種 樹 木 の 葉 数 を 、針
葉 樹 に つ い て は 手 の ひ ら の 大 き さ を 1 単 位 と し た 総 数 を 、 高 さ 0.5m 区 分 に 分 け た 層
ご と に 記 録 す る と と も に 、周 辺 か ら 葉 の 標 本 を 採 取 し て 各 単 位 当 た り の 平 均 絶 乾 重 量
を 求 め た 。 こ の 両 者 を 乗 じ た 値 を 、 中 方 形 区 内 で の 0.5m 刻 み の 階 層 に お け る 葉 量 の
推定値とした。
2-2. 高 山 帯 で の 調 査 方 法
知 床 連 山 の 登 山 道 沿 い に 設 定 さ れ た 5 ヶ 所 の モ ニ タ リ ン グ サ イ ト は 、順 に 二 つ 池 1
( SR4 )、二 つ 池 2( SR5 )、三 峰 北 東 斜 面( SR6 )、羅 臼 岳 の「 一 の 肩 」( SR7 )、
大 沢 二 の 岩 場 の 上 部( SR8 )で あ る( 図 2 )。各 モ ニ タ リ ン グ サ イ ト に お い て 登 山 道
を 横 切 る よ う に 帯 状 区 を 設 定 し 、地 形 の 横 断 形 と 植 生 を 調 査 し た 。帯 状 区 の 両 端 の 基
点 に は 直 径 約 1.5cm の 赤 色 の 鉄 柱 を 埋 設 し て い る 。
植 生 調 査 は 石 川 ほ か( 2005)と 同 様 に 、各 帯 状 区 を 均 質 な 植 物 群 落 に 占 め ら れ る 部
分( 以 下 、区 画 )に 区 分 し 、区 画 ご と に 出 現 種 の 優 占 度 階 級( Braun-Blanquet 1964;
生 態 学 実 習 懇 談 会 1967 よ り 引 用 )、植 分 の 植 生 高 と 植 被 率 を 測 定 し た 。地 形 断 面 は 、
両 基 点 間 に 強 く 張 っ た 巻 尺 か ら 地 表 面 ま で の 距 離 を 斜 距 離 50cm ご と に 測 定 し 、 地 表
面 の 凹 凸 を 表 現 し た 。た だ し 、断 面 の 形 状 を よ り 的 確 に 表 現 す る た め に 、顕 著 な 地 形
の変化地点や植生の変化地点においても、補足的に地表面までの距離を測定した。
3.結果
3-1.亜 高 山 帯 以 下 の 森 林 に お け る モ ニ タ リ ン グ サ イ ト の 概 要
1)SR1
5
本 サ イ ト は 羅 臼 岳 登 山 道 の 斜 里 側 に 位 置 し 、 通 称 560m 岩 峰 の 南 側 に 設 定 さ れ た 。
標 高 は 約 550m で あ り 、 こ こ で の 樹 高 2m 以 上 の 上 層 木 の 胸 高 断 面 積 と 個 体 数 の 内 訳
を表2に、下層木の葉群の現存量を図4に、さらに林床植生を表3に示した。また、
樹 高 2m 以 上 の 各 個 体 の デ ー タ は 文 末 の 付 表 1 に 掲 載 し た ( こ れ 以 降 、 図 は 本 文 中 に
掲載し、表は文末に一括した)。
SR1 に 生 育 す る 樹 高 2m 以 上 の 樹 木 は 9 種 で あ り 、胸 高 断 面 積 の 合 計 は 32.00 ㎡ /ha、
個 体 数 は 1400/ha で あ っ た 。冷 温 帯 の 針 広 混 交 林 領 域 と 亜 寒 帯 の ダ ケ カ ン バ 林 と の ほ
ぼ 境 界 に あ る こ と か ら 、 ミ ズ ナ ラ と ダ ケ カ ン バ と が 胸 高 断 面 積 で そ れ ぞ れ 約 60% と
24% を 占 め て お り 多 か っ た 。 こ れ に 対 し て 個 体 数 で は ミ ズ ナ ラ に 次 い で ア ズ キ ナ シ 、
イ タ ヤ カ エ デ 、ハ ウ チ ワ カ エ デ の 小 径 個 体 が 多 か っ た 。こ れ ら の 樹 木 に 残 さ れ た シ カ
に よ る 樹 皮 の 採 食 痕 と 角 と ぎ 痕 は 、ア ズ キ ナ シ 、ハ ウ チ ワ カ エ デ 、ミ ネ カ エ デ と オ オ
カメノキの各 1 個体に観察された。
図 4 に 、 SR1 に お け る 高 さ 2.5m ま で の 樹 木 の 葉 量 の 分 布 を 示 す 。 落 葉 広 葉 樹 の 葉
群 は 2.5m 以 下 に ほ ぼ 均 一 に 少 量 が 分 布 し て お り 、 そ の 量 は 約 0.6 か ら 1.0g/㎡ 程 度
で あ っ た 。 そ の 一 方 で 針 葉 樹 の 葉 量 は 下 層 ほ ど 多 く 、 1.0m 以 上 2.0m 未 満 の 層 で は 約
2.0g/㎡ で あ っ た の に 対 し て 、 0.5m 以 上 1.0m 未 満 で は 約 5.5g/㎡ 程 度 、 0.5m 未 満 で
は 約 9g/㎡ に 達 し て い た 。
図 4 SR1 における高 さ 2.5m まで
の葉 量 の分 布
図 5 SR1 の概況(2007 年 8 月 16 日)
SR1 に お け る 林 床 に は 、 29 種 が 生 育 し て お り 多 様 で あ っ た ( 表 3 ) 。 全 般 に シ ョ
ウ ジ ョ ウ ス ゲ と チ シ マ ザ サ が 優 占 し て お り 、そ の 他 の 種 で は ミ ズ ナ ラ 、ミ ヤ マ ガ マ ズ
ミ 、ト ド マ ツ や ハ ウ チ ワ カ エ デ が 時 に 量 的 に 多 い 以 外 は 、ど の 種 も 被 度 は わ ず か で あ
っ た 。 本 サ イ ト の 林 床 に 生 育 す る 種 の う ち 、 チ シ マ ザ サ の 稈 高 は 最 大 で も SR1(0)に
お け る 78cm で あ り 、 こ れ ら チ シ マ ザ サ の 上 部 に は 稈 の 上 部 が 食 い ち ぎ ら れ た 跡 も 認
められたことから、シカによる軽度の採食がかかっているものと推察された。
6
2) S R 2
本 サ イ ト は 羅 臼 岳 登 山 道 の 斜 里 側 に 位 置 し 、通 称 で 極 楽 平 と 称 さ れ る 平 坦 地 の 標 高
約 830m 地 点 に 設 定 さ れ た 。 こ こ で の 樹 高 2m 以 上 の 上 層 木 の 胸 高 断 面 積 と 個 体 数 の
内 訳 を 表 4 に 、下 層 木 の 葉 群 の 現 存 量 を 図 6 に 、さ ら に 林 床 植 生 を 表 5 に 示 し た 。ま
た 、 樹 高 2m 以 上 の 各 個 体 の デ ー タ は 文 末 の 付 表 2 に 掲 載 し た 。 な お 、 本 サ イ ト で は
ダ ケ カ ン バ の 幹 が 風 雪 に よ っ て 錯 綜 し て お り 、見 通 し が 悪 い 上 に 歩 行 に も 困 難 さ が 高
か っ た た め に 、 長 方 形 区 の 長 さ を 50m と し た 。
SR2 に 生 育 す る 樹 高 2m 以 上 の 樹 木 は 5 種 で あ り 、胸 高 断 面 積 の 合 計 は 49.91 ㎡ /ha、
個 体 数 は 1900/ha で あ っ た 。 ダ ケ カ ン バ が 胸 高 断 面 積 で 約 95% を 占 め て お り 、 圧 倒
的 に 多 か っ た 。こ こ で の ダ ケ カ ン バ は 中 か ら 大 径 木 が 多 く 、小 径 木 で は ナ ナ カ マ ド と
タ カ ネ ナ ナ カ マ ド が 多 か っ た 。こ れ ら の 樹 木 に 残 さ れ た シ カ に よ る 樹 皮 の 採 食 痕 と 角
とぎ痕は特に観察されなかった。
図 7 に 、 SR2 に お け る 高 さ 2.5m ま で の 樹 木 の 葉 量 の 分 布 を 示 す 。 こ こ で は 落 葉 広
葉樹のみが分布し、その量は上層ほど多かった。
高さ(cm)
250
200
150
広葉樹
100
50
0
2
4
6
8
10
12
葉重(g/㎡)
図 6.SR2 における高さ 2.5mまでの
葉重の分布.
図 7.SR2 の概況(2007 年 8 月 19 日)
SR2 に お け る 林 床 に は 、26 種 の 高 等 植 物 が 生 育 し て い た( 表 5 )。こ の う ち で チ シ
マ ザ サ 、シ ラ ネ ワ ラ ビ と マ イ ヅ ル ソ ウ の 3 種 が 6 ヶ 所 す べ て の 小 方 形 区 に 生 育 し て お
り 、前 2 種 が 優 占 し て い た 。こ の ほ か に 、イ ワ ノ ガ リ ヤ ス 、ウ コ ン ウ ツ ギ と コ ヨ ウ ラ
ク ツ ツ ジ が 時 に 高 い 被 度 に 達 し て い た 。こ の ほ か の 種 は 量 的 に わ ず か で あ っ た 。コ ガ
ネ ギ ク に は 採 食 痕 が 残 さ れ て い る こ と に 加 え て 、チ シ マ ザ サ も 稈 高 が 低 く 、な お か つ
稈 の 上 部 が 食 い ち ぎ ら れ た 跡 も 認 め ら れ た こ と か ら 、シ カ に よ る 軽 度 の 採 食 が か か っ
ているものと推察される。
3) S R 3
本 サ イ ト は 羅 臼 岳 登 山 道 の 羅 臼 側 に 位 置 し 、ハ イ マ ツ が 低 標 高 に ま と ま っ て 出 現 す
る こ と か ら 通 称 で ハ イ 松 原 と 称 さ れ る 地 点 の 直 下 、 標 高 約 500m 地 点 に 設 定 さ れ た 。
こ こ で の 樹 高 2m 以 上 の 上 層 木 の 胸 高 断 面 積 と 個 体 数 の 内 訳 を 表 6 に 、下 層 木 の 葉 群
7
の 現 存 量 を 図 8 に 、 さ ら に 林 床 植 生 を 表 7 に 示 し た 。 ま た 、 樹 高 2m 以 上 の 各 個 体 の
データは文末の付表3に掲載した。
SR3 に 生 育 す る 樹 高 2m 以 上 の 樹 木 は 4 種 で あ り 、胸 高 断 面 積 の 合 計 は 26.38 ㎡ /ha、
個 体 数 は 950/ha と 、 や や 疎 開 し た 林 分 で あ っ た 。 胸 高 断 面 積 の 面 で は ト ド マ ツ が 約
半 分 を 占 め て お り 、 続 い て ミ ズ ナ ラ が 28% 、 ダ ケ カ ン バ が 約 15% を 占 め て 、 こ の 3
種 で ほ ぼ 100% に 達 し て い た 。個 体 数 で は ミ ズ ナ ラ と ダ ケ カ ン バ の 順 位 が 逆 転 す る も
の の 、状 況 は 変 わ ら な か っ た 。ア ズ キ ナ シ の 1 個 体 に 古 い 樹 皮 の 採 食 痕 が 認 め ら れ た
ほかに、トドマツ3個体に古い角とぎ痕が確認された。
図 8 に 、 SR3 に お け る 高 さ 2.5m ま で の 樹 木 の 葉 量 の 分 布 を 示 す 。 こ こ で は 落 葉 広
葉樹の葉群は最上層にわずかに分布するだけであったのに対して、針葉樹の葉群は、
最 下 層 を 除 い て 豊 富 に 分 布 し て い た 。す な わ ち 、0.5m 以 上 2.5m 未 満 の 各 層 に は 約 2.2
か ら 4.0g/㎡ の 葉 量 が 分 布 し て お り 、 最 下 層 の み 、 約 0.7g/㎡ 程 度 で あ っ た 。
図 8.SR3における高 さ 2.5m まで
の葉 量 の分 布 .
図 9.SR3の概況(2007 年 8 月 16 日)
SR3 に お け る 林 床 で は ク マ イ ザ サ が 優 占 し て お り 、種 組 成 は す で に 述 べ た 2 サ イ ト
に 比 較 し て 著 し く 単 調 で あ っ た 。生 育 す る 種 は 8 種 に 過 ぎ ず 、ク マ イ ザ サ 以 外 に 被 度
10% に 達 し て い る 種 は な か っ た 。上 木 の 樹 皮 に は ご く 軽 度 の 樹 皮 は ぎ が 見 ら れ た の に
対して、林床植生にはシカによる採食痕は確認されなかった。
4) O N 6
本サイトは昨年度にシカ採食圧のモニタリングサイトが設定された遠音別岳周辺
地 区 に お い て 、時 間 の 都 合 か ら 地 点 の み を 確 定 し た だ け で 終 わ っ て い た 春 苅 古 丹 川 中
流 の 右 岸 に 設 定 さ れ た サ イ ト で あ る 。 標 高 は 約 500m で あ る 。 こ こ で の 樹 高 2m 以 上
の 上 層 木 の 胸 高 断 面 積 と 個 体 数 の 内 訳 を 表 8 に 、 下 層 木 の 葉 群 の 現 存 量 を 図 10 に 、
さ ら に 林 床 植 生 を 表 9 に 示 し た 。 ま た 、 樹 高 2m 以 上 の 各 個 体 の デ ー タ は 文 末 の 付 表
4に掲載した。本サイトは河畔にあることから流路によって森林が寸断されており、
連 続 し た 林 分 が 広 く は 得 ら れ な か っ た た め に 、 長 方 形 区 の 長 さ は 50m と し た 。
8
ON6 に 生 育 す る 樹 高 2m 以 上 の 樹 木 は 6 種 で あ り 、胸 高 断 面 積 の 合 計 は 30.31 ㎡ /ha、
個 体 数 は 1750/ha で あ っ た 。胸 高 断 面 積 の 面 で は ト ド マ ツ が 約 半 分 を 占 め て お り 、続
い て イ タ ヤ カ エ デ が 約 33% で 多 か っ た 。 個 体 数 で は ト ド マ ツ に 加 え て 低 木 性 の ミ ヤ
マ ハ ン ノ キ と ウ コ ン ウ ツ ギ が 多 か っ た 。シ カ に よ る 樹 皮 の 採 食 痕 は 確 認 さ れ な か っ た 。
図 10 に 、ON6 に お け る 高 さ 2.5m ま で の 樹 木 の 葉 量 の 分 布 を 示 す 。こ こ で は 落 葉 広
葉 樹 の み が 分 布 し 、 い ず れ の 層 に お い て も 1 か ら 2g /㎡ 程 度 で あ っ た 。
高さ(cm)
250
200
150
広葉樹
100
50
0
2
4
葉重(g/㎡)
図 10.ON6における高さ 2.5m までの
要領の分布
図 11. ON6の概況
(2007 年 9 月 13 日村上智子氏撮影)
ON6 に お け る 林 床 に は 22 種 が 生 育 し て い た 。 こ の 中 で は チ シ マ ザ サ が 優 占 し て お
り 、 被 度 は 50% か ら 90% で あ っ た 。 こ の ほ か に は シ ラ ネ ワ ラ ビ と エ ゾ ノ ヨ ツ バ ム グ
ラ が す べ て の 小 方 形 区 に 出 現 し て お り 、前 者 は 時 に 50% を 越 え る 被 度 に 達 し て い た 。
こ れ 以 外 の 種 は わ ず か で あ っ た 。コ ガ ネ ギ ク に わ ず か に シ カ に よ る 採 食 痕 が 認 め ら れ
た。
3-2. 高 山 帯 の モ ニ タ リ ン グ サ イ ト に お け る 調 査 結 果
2004 年 に 設 定 さ れ た 、 知 床 連 山 に お け る 登 山 者 に よ る 踏 圧 の モ ニ タ リ ン グ サ イ ト
は 、二 つ 池 1 、二 つ 池 2 、三 峰 北 東 斜 面 、羅 臼 岳「 一 の 肩 」、羅 臼 岳「 大 沢 二 の 岩 場
上 部 」 で あ る 。 こ れ ら の サ イ ト に お け る 植 生 の 詳 細 は 石 川 ほ か ( 2005) に 記 述 し た 。
ほ ぼ 水 平 な 地 形 を 呈 す る 二 つ 池 1 ( 図 13) を 除 い て 、 10°以 上 の 傾 斜 を 有 す る 残
り の 4 サ イ ト に お い て は 、 地 形 断 面 を 示 す 各 図 ( 図 14、 15、 16、 18) に お け る 横 軸
は 、水 平 距 離 を 示 し て い る 。一 方 、そ れ ぞ れ の 帯 状 区 に お け る 植 生 デ ー タ ・ 種 組 成 の
変 化 を 示 し た 表 ( 表 10 か ら 表 15) で は 、 各 区 画 の 距 離 を 斜 距 離 で 示 し て い る こ と に
注 意 さ れ た い 。斜 距 離 で の 表 示 は 、今 後 、現 地 で モ ニ タ リ ン グ 調 査 を 継 続 す る 場 合 に 、
現実の作業としては各帯状区の両側の基点を基準にした斜距離にあわせて巻尺を設
置 し 、こ れ を 基 準 に も と の 区 画 を 再 現 す る こ と に よ っ て 、モ ニ タ リ ン グ 地 点 に お け る
植生変化を追跡することを勘案したからである。
9
1) 二 つ 池 1( SR4 )
本 サ イ ト は 、二 つ 池 の 大 沼 と 小 沼 を 連 絡 す る ほ ぼ 平 坦 な 登 山 道 上 に 設 定 さ れ た( 図
12、 表 10) 。 本 サ イ ト は 、 両 側 を ハ イ マ ツ 群 落 に 囲 ま れ た 季 節 的 湿 性 の 雪 田 を 横 断
す る よ う に 設 定 さ れ た 。長 さ は 10m で あ り 、植 生 調 査 を 実 施 し た の は 帯 状 区 の 進 行 方
向 右 側 で あ る 。全 般 に チ ン グ ル マ 、エ ゾ ゼ ン テ イ カ 、チ シ マ ワ レ モ コ ウ の 3 種 の 頻 度 、
優占度が高かった。このほかにイワノガリヤスとコケモモの出現頻度も高かった。
表 10 に 示 し た よ う に 、 こ の 地 の 植 生 に 顕 著 な シ カ の 採 食 痕 は 認 め ら れ ず 、 2004 年
の 状 況 と 変 化 は な か っ た 。シ カ の 採 食 圧 に 関 し て は 現 時 点 で 特 段 の 変 化 は な い と 判 断
される。
し か し そ の 一 方 で 登 山 者 に よ る 影 響 の 面 で は 、 2007 年 に は 図 12 の 右 写 真 、 向 か っ
て 左 側 に 新 た に 踏 み 跡 が 広 が り 、 植 生 の 荒 廃 が 広 が っ て い た 。 地 形 断 面 図 ( 図 13)
に 見 ら れ る 起 点 か ら の 距 離 4 m 付 近 の く ぼ み が そ れ で あ る 。 こ の 状 況 は 2005 年 に も
確 認 さ れ て お り 、簡 易 に 状 況 を 把 握 し た 結 果 を も と に 関 係 各 機 関 に 注 意 を 喚 起 す る と
と も に 、登 山 道 の 付 け 替 え を 強 く 求 め て い た も の の 、そ の 後 に 対 策 は 採 ら れ て い な い 。
この場所を含めた二つ池周辺は知床連山でも数少ない湿原的な環境が維持されてい
る 場 所 で あ り 、ミ ズ ゴ ケ 類 が 生 育 す る こ と に 加 え て 、国 内 で は 知 床 半 島 高 山 帯 以 外 に
は ほ ぼ 生 育 地 の な い ラ ウ ス ス ゲ も 生 育 し て お り 、特 異 的 な 場 所 と 言 え る 。事 実 、こ の
サ イ ト に も ラ ウ ス ス ゲ が 生 育 し て お り 、今 後 と も こ の 状 況 が 続 け ば 、そ の 存 続 が 危 ぶ
ま れ る 。今 回 の 状 況 は 2005 年 に 比 べ て 踏 み 跡 の 明 瞭 化 が さ ら に 進 ん で い る こ と か ら 、
早急に登山道を周辺のハイマツ帯中に付け替える対応を取る必要がある。
図 12 SR4の状況の変化 左:2004 年、右:2007 年
10
2007年
0.5
比 高(m)
0
0
5
10
0
5
10
0.5
0
距 離(m)
図 13 SR4 における地形断面模式図.(上は 2007 年 8 月 18 日、下は 2004 年 7 月 23 日)
2) 二 つ 池 2 ( SR5 )
SR5 は 、 オ ッ カ バ ケ 岳 山 頂 か ら 二 つ 池 に 下 り 大 沼 に 到 着 す る 直 前 の 、 斜 度 12°の
緩 傾 斜 地 に 設 定 さ れ た ( 図 14、 表 11) 。 本 サ イ ト は 、 両 端 で ハ イ マ ツ 群 落 に 隣 接 す
る 季 節 的 湿 性 雪 田 に 設 け ら れ 、斜 距 離 で 15m の 長 さ で あ る 。調 査 を 行 っ た の は 、サ イ
トの進行方向左側である。
比 高 (m)
3
二つ池 2
2
1
0
0
5
10
距 離 (m)
図 14.SR5における地形断面模式図と概況(2007 年 8 月 18 日)
11
15
こ こ で は 、斜 距 離 2.6m∼ 4.6m の 区 画 と 5.7m∼ 6.9m の 区 画 が 植 被 を 失 っ た 歩 道 で あ
る 。 基 点 か ら の 距 離 が 0.6∼ 12.7m の 部 分 で は 、 歩 道 部 分 を 除 き 共 通 し て チ ン グ ル マ
が 優 勢 に 出 現 し 、ホ ソ バ ノ キ ソ チ ド リ が 低 い 優 占 度 で 出 現 し た 。雪 田 の 周 辺 ほ ど エ ゾ
ゼ ン テ イ カ 、イ ワ ノ ガ リ ヤ ス 、ミ ヤ マ ヤ ナ ギ 、エ ゾ ノ ツ ガ ザ ク ラ な ど が 優 勢 に 出 現 し 、
そ の 中 央 部 ほ ど 持 続 的 湿 性 の 雪 田 要 素 で あ る ミ ネ ハ リ イ 、エ ゾ コ ザ ク ラ が 相 対 的 に 高
い 優 占 度 で 出 現 し た 。こ こ で も 希 少 な ラ ウ ス ス ゲ が 、歩 道 に 接 し 相 対 的 に 最 も 湿 潤 な
立 地 と 推 測 さ れ る 第 7 区 画 を 中 心 に 出 現 し た 。2 本 の 歩 道 部 分 は 、植 被 に 被 わ れ た 他
の 部 分 に 比 べ て 、 地 形 的 に お お む ね 60cm∼ 90cm 程 度 低 下 し て い た 。
本 サ イ ト で の 植 生 の 状 況 は 2004 年 と 特 段 の 変 化 は 認 め ら れ ず 、 そ の 時 点 で は ほ と
ん ど な か っ た シ カ 採 食 圧 の 状 況 に 大 き な 変 化 は な い も の と 判 断 さ れ る 。登 山 者 に よ る
影響にも特段の変化は認められなかった。
3) 三 峰 北 東 斜 面 ( SR6 )
SR6 は 、 三 峰 キ ャ ン プ 指 定 地 よ り 500m ほ ど 三 峰 側 に 上 っ た 、 斜 度 14°の 緩 斜 面 に
設 定 さ れ た ( 図 15、 表 12) 。 本 帯 状 区 は 斜 距 離 が 12m で あ り 、 比 較 的 広 い 季 節 的 湿
性 雪 田 の 内 部 に 設 定 さ れ た 。本 帯 状 区 に お い て は 、歩 道 よ り 上 部 で は チ ン グ ル マ が 優
勢 で あ り 、ほ か に コ エ ゾ ツ ガ ザ ク ラ 、シ ラ タ マ ノ キ 、タ チ ハ イ ゴ ケ 、シ ッ ポ ゴ ケ sp.
等 の 優 占 性 が 高 か っ た 。そ の 一 方 で 帯 状 区 の 下 方 で は 、上 方 と 共 通 す る 種 と し て タ カ
ネ ヒ カ ゲ ノ カ ズ ラ 、 ア オ ノ ツ ガ ザ ク ラ 、 ミ ヤ マ ク ロ ス ゲ 、 シ ッ ポ ゴ ケ sp. が 生 育 し
て い た も の の 、上 記 種 以 外 に エ ゾ ノ ツ ガ ザ ク ラ 、キ ン ス ゲ 、コ メ バ ツ ガ ザ ク ラ 、ミ ネ
ズオウ、コメススキ、などが新たに出現する違いが認められた。
比 高 (m)
3
三 峰
2
1
0
0
5
10
15
距 離 (m)
図 15 三峰北東斜面のモニタリング地点における地形断面模式図と概況(2007 年 8 月 18 日)
12
2004 年 と 2007 年 の 状 況 に は 特 段 の 相 違 は 認 め ら れ ず 、シ カ の 採 食 圧 が 高 ま っ た 傾
向は見出せなかった。また登山道としての状況にも変化はなかった。
な お 、 本 サ イ ト の 両 端 の 基 点 の あ る 部 分 で は 、 2004 年 の 設 定 時 と 比 較 し て 、 ハ イ
マ ツ が 枯 れ る な ど し て 植 生 の 状 況 に 変 化 が 生 じ て お り 、基 点 が 発 見 し に く か っ た 。今
後 の モ ニ タ リ ン グ に お い て こ れ ら 基 点 を 発 見 し や す い よ う に 、以 下 の 図 16 に 2007 年
の状況を示す。
図 16 SR6の始点(上)と終点(下)の状況(2007 年 8 月 18 日)
13
4)羅臼岳「一の肩」(SR7)
本 サ イ ト は 、羅 臼 平 か ら 羅 臼 岳 山 頂 に 至 る 途 中 、岩 清 水 か ら 地 形 図 上 の 直 線 で 500m
ほ ど 山 頂 に 向 か っ た 、標 高 約 1550m、斜 度 約 30°の 季 節 的 湿 性 の 雪 田 に 設 定 さ れ た( 図
17、 表 13) 。 帯 状 区 は 長 さ が 斜 距 離 25m で 、 進 行 方 向 左 側 を 調 査 し た 。 斜 面 上 方 は
ハ イ マ ツ 低 木 林 に 隣 接 し 、斜 面 上 部 の 区 画 1 は ハ イ マ ツ 低 木 林 の ソ デ 群 落 と し て 狭 く
成 立 す る ウ ラ ジ ロ ナ ナ カ マ ド 低 木 林 で あ り 、低 木 種 ミ ヤ マ ハ ン ノ キ と エ ゾ ノ ツ ガ ザ ク
ラ 、コ エ ゾ ツ ガ ザ ク ラ 、キ バ ナ シ ャ ク ナ ゲ な ど の 矮 低 木 が 優 勢 に 出 現 し て い た 。残 る
斜 面 で は 、チ ン グ ル マ 、ツ ガ ザ ク ラ 類 が 共 通 し て 生 育 し て い た 。し か し 、斜 面 上 方 の
第 5 区 画 ま で は エ ゾ ノ ツ ガ ザ ク ラ 、コ エ ゾ ツ ガ ザ ク ラ 、コ メ ス ス キ な ど が 優 勢 に 出 現
す る が 、下 方 に な る に 従 い ア オ ノ ツ ガ ザ ク ラ と タ カ ネ ト ウ ウ チ ソ ウ が 優 勢 に な り 、持
続 的 湿 性 の 雪 田 要 素 で あ る エ ゾ コ ザ ク ラ 、キ ン ス ゲ な ど も 出 現 し て い た 。こ の よ う な
種 組 成 の 変 化 は 、 北 海 道 内 の 雪 田 に お け る 典 型 的 な 例 と い え る 。 表 13 に 示 し た よ う
に、本サイトでも顕著なシカの採食痕は認められなかった。
10
比 高 (m)
8
6
4
2
0
0
5
10
15
20
25
距 離 (m)
図 17 SR7の概況(2007 年8月17 日)。写真と断面図では互いに向きが逆であることに注意。
そ の 一 方 で 登 山 者 の 利 用 に よ る 影 響 の 面 で は 、 第 3 区 画 ( 斜 距 離 4.5m∼ 5.1m) 、
第 5 区 画( 8.8m∼ 11.1m)、第 7 区 画( 11.5m∼ 14.1m)、第 11 区 画( 17.6m∼ 19.2m)、
14
お よ び 第 13 区 画 ( 20.8m∼ 23.1m) に 合 計 5 本 の 歩 道 が 認 め ら れ た 。 こ こ で は 斜 面 が
急 で あ り 、登 山 者 が 雪 渓 の 消 失 と と も に 歩 き や す い 雪 渓 上 部 を 求 め て 恣 意 的 に 歩 行 す
る た め に 歩 道 が 複 線 化 し 、 植 生 荒 廃 は 広 い 範 囲 で 顕 在 化 し て い た 。 2004 年 段 階 ( 石
川 ほ か 2005)と 比 較 す る と 、区 画 の 区 分 に 若 干 の 相 違 が あ る も の の 、第 5 区 画( 8.8m
∼ 11.1m) の 歩 道 の 幅 が 拡 張 し て い る 傾 向 が 認 め ら れ た 。 こ の 斜 面 は 砂 礫 が 多 く て 土
砂 が 容 易 に 移 動 す る た め 、歩 道 か ら 斜 面 下 方 へ の 影 響 も 大 き い と 考 え ら れ る 。こ の 歩
道が羅臼岳に向かうメインストリートとも言うべき場所に位置していることを考え
れば、今後とも注意深くモニタリングすることが必要といえる。
な お 、本 サ イ ト も 始 点 と 終 点 が や や 発 見 し に く い こ と か ら 、今 後 の モ ニ タ リ ン グ の
際 に 基 点 を 発 見 し や す い よ う に 、 両 基 点 と そ の 周 辺 の 状 況 を 図 18 に 示 し た 。
←始点
←終点
図 18 SR7始点と終点の位置(2007 年8月17日)
5) 大 沢 二 の 岩 場 上 部 ( SR8 )
SR8 も 雪 田 内 に 設 定 さ れ た が 、比 較 的 急 傾 斜 の 、北 向 き の 沢 地 形 を ま た ぐ 形 で 、23m
の 斜 距 離 で 設 定 さ れ た( 図 19、表 14)。沢 の 右 岸 側( 西 向 き 分 斜 面 )の 斜 度 は 20°、
左 岸 側 ( 東 向 き 分 斜 面 ) の 斜 度 は 22°で あ り 、 東 向 き 斜 面 の 方 が 長 い 斜 距 離 を も っ
て い た 。こ こ で は 進 行 方 向 右 側 を 調 査 し て い る 。両 側 の 斜 面 上 方 は ハ イ マ ツ 低 木 林 に
隣 接 す る が 、本 帯 状 区 は 、右 岸 で ハ イ マ ツ 低 木 林 に ミ ヤ マ ハ ン ノ キ 、ウ ラ ジ ロ ナ ナ カ
マ ド な ど の 低 木 種 が 混 生 す る 植 分 、左 岸 で は ハ イ マ ツ 低 木 林 の ソ デ 群 落 で あ る ウ ラ ジ
ロ ナ ナ カ マ ド 優 占 低 木 林 の 植 分 を 両 端 と し て い た 。右 岸 上 部( 第 1 と 第 3 区 画 )で は
ハ イ マ ツ と ミ ヤ マ ハ ン ノ キ の ほ か 、エ ゾ ツ ツ ジ 、キ バ ナ シ ャ ク ナ ゲ 、エ ゾ ノ ツ ガ ザ ク
ラ 、 チ ン グ ル マ な ど の 矮 性 低 木 が 優 勢 で あ っ た 。 左 岸 最 上 部 ( 区 画 14) で は ウ ラ ジ
ロ ナ ナ カ マ ド の ほ か エ ゾ ツ ツ ジ が 優 勢 に 出 現 し 、ウ コ ン ウ ツ ギ や コ メ ス ス キ な ど が 新
15
た に 出 現 し た 。残 る 区 画 で は 、歩 道 の 区 画 を 除 く ほ ぼ 全 て に 共 通 し て 、チ ン グ ル マ と
ミ ヤ マ ク ロ ス ゲ が 生 育 し て い た 。 ま た 、 最 低 部 分 ( 第 8 区 画 か ら 第 10 区 画 ) で は タ
カ ネ ト ウ ウ チ ソ ウ 、 ミ ヤ マ ク ロ ス ゲ の 優 占 性 が 高 か っ た 。 左 岸 中 部 の 区 画 11 か ら 13
は 、い わ ゆ る「 雪 田 底 砂 礫 地 」に 当 り 、崩 壊 し や す い 砂 礫 地 に ミ ヤ マ ク ロ ス ゲ 、チ シ
マ ク モ マ グ サ お よ び ク モ マ ス ズ メ ノ ヒ エ が わ ず か に 散 生 し 、植 被 の 小 さ な 荒 原 群 落 の
相観を示した。
こ こ で の シ カ に よ る 採 食 痕 は 、タ カ ネ ト ウ ウ チ ソ ウ に わ ず か に 見 ら れ た 。ま た 調 査
の 途 上 で も オ ス ジ カ が 採 食 に 現 れ て 、サ イ ト 外 で は あ る も の の タ カ ネ ト ウ ウ チ ソ ウ と
シラネニンジンを採食していたことを付記する。
比 高 (m)
6
4
2
0
0
5
10
15
20
25
距 離 (m)
図 19 SR8 における概況と地形断面模式図(2007 年 8 月 19 日).
本 サ イ ト に お け る 歩 道 は 、第 2 区 画( 斜 距 離 1.6m∼ 2.0m)、第 5 区 画( 5.8m∼ 8.1m)、
第 7 区 画 ( 8.3m∼ 8.6m) 、 第 9 区 画 ( 9.5m∼ 9.9m) に 明 瞭 に 残 さ れ て い る 。 2004 年
の 調 査 ( 石 川 ほ か 2005) に お い て は 最 低 部 分 の 一 部 に 残 雪 が あ っ た た め に 、 今 回 の
第 7 区 画 ( 8.3m∼ 8.6m) と 第 9 区 画 ( 9.5m∼ 9.9m) の 歩 道 は 認 識 さ れ て い な か っ た 。
16
さ ら に 、 第 12 区 画 ( 17.6m∼ 17.2m) に も 歩 道 ら し き 跡 が 残 さ れ て い る が 、 こ れ 以 外
の 4 区 画 よ り は 明 瞭 で は な か っ た 。こ の 部 分 の 登 山 道 は 、比 較 的 深 い 沢 形 に 大 量 に 残
さ れ た 積 雪 の 消 失 程 度 に 応 じ て 、斜 面 の 歩 き や す い 部 分 を 選 ん で 登 山 者 が 通 過 す る こ
と か ら 、複 線 化 が 著 し い 。消 雪 後 に は 沢 形 の 最 低 部 分( 第 7 、9 区 画 )を 歩 く よ う に
環 境 省 に よ る ロ ー プ を 用 い た ル ー ト 指 示 ( 図 19、 20 参 照 ) が な さ れ て い る が 、 登 山
者 は 、大 量 の 残 雪 が あ る 場 合 に は よ り 高 い 低 木 林 と 雪 田 の 境 界 部 も 歩 道 と し て 利 用 し
ていることに注意されたい。
今 後 の モ ニ タ リ ン グ に お い て 基 点 を 発 見 し や す い よ う に 、本 サ イ ト に お い て も 別 ア
ン グ ル の 写 真 を 以 下 の 図 20 に 示 す 。
図 20 大沢の上方から見た SR8(2007 年 8 月 19 日) 帯状区の始点は画面中央右端
の岩の向こう側、ハイマツ群落中に位置する.
4. ま と め
以 上 に 示 し た よ う に 、 遠 音 別 岳 近 傍 の ON6 を 除 け ば 、 知 床 連 山 の 登 山 道 沿 い に お
い て は 2004 年 に 設 定 し た 登 山 者 に よ る 踏 圧 の モ ニ タ リ ン グ サ イ ト 5 地 点 を 含 め て 、
合 計 で 8 地 点 の モ ニ タ リ ン グ サ イ ト を 設 定 す る こ と が で き た 。こ の う ち で 亜 高 山 帯 以
下 の 森 林 の サ イ ト は 新 設 の 3 ヶ 所 で あ り 、踏 圧 モ ニ タ リ ン グ 用 の 5 サ イ ト は い ず れ も
高山帯に設置されている。
1) シ カ の 採 食 圧
今 年 度 の 調 査 に お い て 認 め ら れ た 明 ら か な シ カ の 採 食 痕 は 亜 高 山 帯 以 下 の SR1 、
17
2 と 3 で 、い ず れ も 林 床 植 生 に 軽 度 の 採 食 痕 が 認 め ら れ た 。ま た 、角 と ぎ も 含 め た 樹
木 の 樹 皮 剥 ぎ も SR1 と SR3 で 確 認 さ れ て い る も の の 、 ど ち ら も 軽 微 で あ っ た 。 高 山
帯 に 設 置 さ れ た モ ニ タ リ ン グ サ イ ト で は 近 傍 に シ カ の 食 痕 や 足 跡 は 認 め ら れ 、植 物 の
生 育 期 に シ カ が こ の 地 帯 を 利 用 し て い る こ と は 明 ら か で あ る も の の 、採 食 痕 は ご く わ
ず か に 確 認 さ れ た に と ど ま っ て い た 。 し た が っ て 、 2004 年 か ら の 急 激 な 変 化 は な い
ものと考えられる。
そ の 一 方 で 、 2007 年 夏 に 観 察 さ れ た 事 象 と し て 、 比 較 的 広 範 囲 に 低 木 や 矮 性 低 木
の 上 部 が き れ い に 刈 り 取 ら れ た よ う に 採 食 さ れ て い る 様 子 が 、羅 臼 岳 岩 清 水 周 辺 、三
峰 の コ ル 周 辺 、三 峰 キ ャ ン プ 場 下 の 登 山 道 沿 い 、お よ び サ シ ル イ 北 斜 面 の 線 状 凹 地 中
ほ ど に 観 察 さ れ た ( 図 21) 。 現 地 で の 観 察 に よ れ ば 、 あ た か も 融 雪 期 に 早 め に 積 雪
か ら 出 た 部 分 だ け を 採 食 し た か の よ う に 、数 10m か ら 200 な い し 300m 程 度 の 範 囲 の
中 に 、採 食 ら し き 跡 が パ ッ チ 状 に 散 ら ば っ て い た 、こ の 状 況 は わ れ わ れ の 調 査 以 前 に 、
地 元 の 山 岳 ガ イ ド で あ る 知 床 山 考 舎 滝 澤 大 徳 氏 、な ら び に 北 海 道 大 学 大 学 院 地 球 環 境
科 学 研 究 科 の 工 藤 岳 准 教 授 よ り 情 報 が 寄 せ ら れ 、状 況 の 確 認 を 行 っ た も の で あ る 。し
か し 、今 回 の 確 認 で は 明 瞭 に シ カ の 採 食 と 決 定 付 け る 証 拠( 糞 や 足 跡 )は 発 見 で き な
かった。
図 21 採食痕と疑われる地点の状況(左上;岩清水下方、右上;三峰コル北斜面、左下;三峰キ
ャンプ場北東斜面、右下;岩清水近傍でのハイマツの状況 2007 年 8 月 17 日と 18 日)
18
現地で採食らしき影響を被っていた種は次のとおりである。
ハ イ マ ツ 、ミ ヤ マ ハ ン ノ キ 、ツ ガ ザ ク ラ 類 、イ ソ ツ ツ ジ 、キ バ ナ シ ャ ク ナ ゲ 、
ウ コ ン ウ ツ ギ 、タ カ ネ ナ ナ カ マ ド 、ミ ヤ マ ヤ ナ ギ 、ガ ン コ ウ ラ ン 、コ ケ モ モ 、
エゾツツジ、チングルマ、クロマメノキ
従 来 、知 床 半 島 の 高 山 帯 で は ハ イ マ ツ 群 落 が 広 大 に 広 が っ て い る た め に 、シ カ の え
さ 資 源 と し て の 魅 力 、価 値 は 低 い も の と み な し て い た 。こ こ で 報 じ た 状 況 が 仮 に シ カ
の 採 食 に よ る も の で あ る な ら ば 、高 山 帯 へ の ま と ま っ た 採 食 が 生 じ た こ と に な る 。こ
の こ と を 確 定 す る た め に も 、 2008 年 に は 以 下 の 項 目 の 確 認 が 必 要 で あ る 。 第 一 に 融
雪 期 に シ カ が こ の 場 所 に 現 れ て い る か ど う か を 確 認 し 、次 に 、夏 場 に は こ れ ら 地 区 で
の 採 食 痕 の 外 周 を 確 定 す る 必 要 が あ る 。ま た 糞 、な い し 足 跡 等 の 直 接 的 な 証 拠 も 確 認
する必要があるといえる。
2) 登 山 者 に よ る 影 響
す で に 3 − 2 の 1 )項 で 記 し た よ う に 、二 つ 池 に お い て は 希 少 性 の 高 い 植 生 上 を 歩
道 が 通 過 し て お り 、ぬ か る み を 避 け る た め に 年 々 そ の 幅 が 拡 張 傾 向 に あ る 。国 内 で 知
床 半 島 以 外 に は ほ ぼ 自 生 地 の な い ラ ウ ス ス ゲ や 、知 床 半 島 で は 生 育 地 の 少 な い ミ ズ ゴ
ケ 類 な ど が 生 育 す る こ の 場 所 の 荒 廃 を こ れ 以 上 に は 進 行 さ せ な い た め に 、二 つ 池 の 湿
性 植 物 群 落 内 を 通 過 さ せ な い よ う に 早 急 に 歩 道 の 変 更 が 必 要 で あ る 。こ れ に 関 す る 詳
細 は 石 川 ほ か( 2005)に も 提 言 と し て 記 し て あ る よ う に 、二 つ 池 を 取 り 巻 く ハ イ マ ツ
群 落 中 に 歩 道 を 変 更 す る こ と が ま ず 必 要 で あ る 。ま た 、キ ャ ン プ 指 定 地 が 現 在 の 湖 岸
に あ る 限 り は 湖 岸 の 幅 広 い 利 用 が 避 け ら れ な い 以 上 、指 定 地 も ハ イ マ ツ 群 落 中 に 伐 開
し て 設 定 す る こ と も 不 可 欠 で あ る 。な お 、知 床 連 山 の 高 山 帯 で は 水 場 が 極 め て 限 定 さ
れ る の で 、こ こ で の キ ャ ン プ 指 定 地 を 湖 岸 か ら 離 す 場 合 に は 水 の 確 保 が 問 題 と な る が 、
湖岸に向けて最低限の歩道 1 本のみの利用を認める方向で対応することを提言する。
ハ イ マ ツ 群 落 は 知 床 半 島 の 高 山 域 に 広 大 に 広 が っ て い る こ と に 加 え て 、同 群 落 中 に は
希 少 種 が ご く 少 な い こ と ( 石 川 ほ か 2005) か ら も 、 ハ イ マ ツ 群 落 へ の 歩 道 付 け 替 え
は大きな問題は引き起こさないといえる。
ま た 、連 山 登 山 道 の 中 で も 斜 里 町 の 岩 尾 別 温 泉 か ら 羅 臼 平 を 経 由 し て 羅 臼 岳 に 至 る
ル ー ト は 、知 床 半 島 に お け る 登 山 の メ イ ン ス ト リ ー ト と い え る 。こ の ル ー ト 上 に 設 定
さ れ た 羅 臼 岳 一 の 肩( SR7 )と 大 沢 二 の 岩( SR8 )に お い て は 、ど ち ら も 若 干 の 歩 道
荒 廃 の 進 行 が 確 認 さ れ た 。 前 者 で は 基 点 か ら 斜 距 離 で 8.8m か ら 11.1m の 部 分 に 歩 道
が 拡 張 し て い る 傾 向 が 認 め ら れ た 。ま た 後 者 で は 、環 境 省 の 設 定 し た 歩 道 を 示 す ロ ー
プ が あ る に も 関 わ ら ず 、依 然 と し て 雪 解 け 前 後 に は 歩 き や す い よ り 斜 面 上 部 を 歩 行 し
て い る 可 能 性 が 高 い 。さ ら に 、大 沢 全 体 で 見 れ ば 、こ の 場 所 の 基 質 が 、溶 岩 が 風 化 し
て ガ レ た 礫 か ら 構 成 さ れ て い る こ と か ら 、 歩 行 に 伴 っ て 崩 れ や す い 傾 向 が あ る 。 SR
8 の 場 所 は こ こ で 示 し た 方 法 で 今 後 と も モ ニ タ リ ン グ を 行 う と し て 、よ り 標 高 の 低 い
19
部 分 で は 定 点 か ら の 写 真 撮 影 等 の 簡 便 な 方 法 を 用 い て 、複 数 ヶ 所 で 継 続 的 に 状 況 の 推
移を確認することが必要である。
文献
石 川 幸 男・佐 藤
謙 ・ 内 田 暁 友( 2005)
資料―2
知 床 連 山 に お け る 登 山 道・キ ャ
ン プ 場 周 辺 の 植 生 荒 廃 に 関 す る 2004 年 度 調 査 報 告 書 .
園適正利用検討調査報告書.
平 成 16 年 度 知 床 国 立 公
環境省自然保護局東北海道地区自然保護事務所.
石 川 幸 男・宮 木 雅 美・内 田 暁 友・中 西 将 尚・葛 西 真 輔
( 2007)1
遠音別岳周辺地
域 に お け る エ ゾ シ カ 採 食 圧 モ ニ タ リ ン グ サ イ ト 設 定 に 関 す る 2006 年 度 調 査 報 告 .
Pp1-20.
平 成 18( 2006)年 度 グ リ ー ン ワ ー カ ー 事 業( 知 床 半 島 に お け る エ ゾ シ
カの植生への影響調査事業)報告書.
小 平 真 佐 夫・岡 田 秀 明・山 中 正 実
( 2004)
知床財団.
Ⅱ
エゾシカの相対密度と天然林採食
圧予備調査:知床半島全域調査に向けての手法検討.
る 森 林 生 態 系 保 全・再 生 事 業 調 査 報 告 書 .
pp29-36.
知床におけ
北 海 道 森 林 管 理 局 北 見 分 局・帯 広 分
局.
生態学実習懇談会編
山 中 正 実・中 村
( 1967)
生態学実習書. 朝倉書店.
昇・小 平 真 佐 夫・岡 田 秀 明 ( 2003) 4 − 2 エ ゾ シ カ 越 冬 地 分 布 .
pp199-226. 平 成 14 年 度 知 床 国 立 公 園 生 態 系 保 全 管 理 等 充 実 に 向 け た 基 盤 整 備
事業報告書.財団法人国立公園協会.
20
21
種名 Species
Trillium sp.
植被率(%) Total coverage
Streptopus streptopoides
Carex blepharicarpa
Sasa kurilensis
Viburnum wrightii
Quercus mongolica var. grosseserrata
Vaccinium smallii
Maianthenum dilatatum
Acer mono
Abies sachalinensis
Schizophragma hydrangeoides
Prunus maxomowiczii
Epipactis papillosa
Ilex crenata var. paludosa
Sorbus commixta
Anemone debilis
Acer japonicum
Galium kamtschaticum
Ruth ambigua
Galium trifloriforme
Hydrangea petiolaris
Oxalis stricta
Osmorhiza aristata
Daphne kamtschatica var. jezoensis
Ostrya japonica
Adoxa moschatellina
Circium kamtschaticum
Prunus ssiori
Viburnum fulcatum
SR1(20)
SR1(40)
SR1(60)
SR1(80)
SR1(100)
Coverage Height
Coverage Height
Coverage Height
Coverage Height
Coverage Height
Coverage Height
80
41
70
39
40
37
60
42
15
34
ショウジョウスゲ
30
78
54
60
64
35
25
61
★ 30
★ 5
チシマザサ
15
31
1
14
ミヤマガマズミ
30
90
+
8
+
11
ミズナラ
8
19
2
30
オオバスノキ
+
7
1
9+
7
1
8
マイヅルソウ
+
8
+
5
イタヤカエデ
60
75
トドマツ
1
10
1
13
8
21
3
14
イワガラミ
+
8
ミヤマザクラ
1
15
エゾスズラン
+
4
ハイイヌツゲ
+
2
ナナカマド
+
9
ヒメイチゲ
30
54
2
14
ハウチワカエデ
1
7
エゾノヨツバムグラ
2
22
5
15
15
9
2
33
ツタウルシ
5
17
2
19
5
11
オククルマムグラ
1
4
+
2
ツルアジサイ
3
6
エゾタチカタバミ
+
9
ヤブニンジン
2
18
ナニワズ
+
15
アサダ
+
3
1
6
レンプクソウ
2
9
チシマアザミ
2
16
シウリザクラ
1
11
オオカメノキ
+
6
ヒメタケシマラン
+
6
エンレイソウ sp.
90
80
60
75
35
70
被度(%) 高さ(cm) 被度(%) 高さ(cm) 被度(%) 高さ(cm) 被度(%) 高さ(cm) 被度(%) 高さ(cm) 被度(%) 高さ(cm)
SR1(0)
表3 SR1における林床植生(★はシカによる採食痕を示す.以下同じ)
Table 3 Forest floor vegetation in SR1.
+:0.1%未満を示す。
種名 Species
Quercus mongolica var. grosseserrata
Betula ermanii
Acer mono
Tilia maximowizciana
Sorbus alnifolia
Acer japonicum
Abies sachalinensis
Acer tchonoskii
Viburnum fulcatum
Total
胸高断面積
個体数
Number of stem
Basal area
/ha
㎡/ha
%
%
18.97
59.3
375
26.8
ミズナラ
7.56
23.6
50
3.6
ダケカンバ
2.30
7.2
225
16.1
イタヤカエデ
1.87
5.9
25
1.8
オオバボダイジュ
0.77
2.4
275
19.6
アズキナシ
0.24
0.8
225
16.1
ハウチワカエデ
0.23
0.7
75
5.4
トドマツ
0.04
0.1
125
8.9
ミネカエデ
0.01
+
25
1.8
オオカメノキ
32.00
100
1400
100
表2 SR1における樹木の構成(付表にある枯死木は含めない.以下同じ)
Table 2 Tree species composition in SR1.
22
ダケカンバ
ナナカマド
ミヤマザクラ
イタヤカエデ
タカネナナカマド
植被率(%) Total coverage
Menziesia pentandra
Sasa kurilensis
Dryopteris expansa
Calamagrostis langsdorffii
Prunus maxomowiczii
Trientalis europaea
Maianthenum dilatatum
Peracarpa cornosa var. circaeoides
Acer tchonoskii
Lycopodium serratum
Taxus cuspidata
Solidago virga-aurea var. leiocarpa
Streptopus streptopoides
Weigela middendorffiana
Tripterospermum japonicum
Sorbus commixta
Viburnum fulcatum
Ilex rugosa
Vaccinium ovalifolium
Galium kamtschaticum
Vaccinium smallii
Viola selkirkii
Carex sp2.
Allium victorialis var. platyphyllum
Leucothoe grayana
Asarum heterotropoides
種名 Species
チシマザサ
シラネワラビ
イワノガリヤス
ミヤマザクラ
ツマトリソウ
マイヅルソウ
タニギキョウ
ミネカエデ
トウゲシバ
イチイ
コガネギク
ヒメタケシマラン
ウコンウツギ
ツルリンドウ
ナナカマド
オオカメノキ
ツルツゲ
クロウスゴ
エゾノヨツバムグラ
オオバスノキ
ミヤマスミレ
スゲ sp2.
ギョウジャニンニク
ハナヒリノキ
オクエゾサイシン
コヨウラクツツジ
表5 SR2における林床植生
Table 5 Forest floor vegetation in SR2.
種名 Species
Betula ermanii
Sorbus commixta
Prunus maxomowiczii
Acer mono
Sorbus sambucifolia
Total
表4 SR2における樹木の構成
Table 4 Tree species composition in SR2.
SR2(10)
SR2(20)
SR2(30)
SR2(40)
SR2(50)
Coverage Height
Coverage Height
Coverage Height
Coverage Height
Coverage Height
Coverage Height
47
52
25
59
38
10
51
30
54
★ 20
★ 20
★ 40
15
33
20
15
1
7
15
33
10
15
40
40
25
52
40
39
+
8
1
13
+
15
+
8
+
7
1
11
+
12
+
12
5
4
2
6
3
9
+
5
2
8
+
5
+
3
+
2
+
11
+
11
1
11
+
5
+
13
+
13
5
2
7
6
15
★2
★2
★3
+
9
+
10
+
8
+
8
60
125
15
73
2
21
+
9
+
6
6
+
3
+
5
14
1
12
+
7
1
12
1
9
5
42
+
11
+
8
5
11
3
4
3
4
+
5
5
12
2
20
2
22
+
6
25
50
50
45
80
40
40
65
被度(%) 高さ(cm) 被度(%) 高さ(cm) 被度(%) 高さ(cm) 被度(%) 高さ(cm) 被度(%) 高さ(cm) 被度(%) 高さ(cm)
SR2(0)
胸高断面積
個体数
Number of stem
Basal area
/ha
㎡/ha
%
%
47.27
94.7
800
42.1
1.31
2.6
600
31.6
0.68
1.4
150
7.9
0.57
1.1
50
2.6
0.09
0.2
300
15.8
49.91
100
1900
100
23
植被率(%) Total coverage
Sasa senanensis
Streptopus streptopoides
Maianthenum dilatatum
Menziesia pentandra
Quercus mongolica var. grosseserrata
Schizophragma hydrangeoides
Lycopodium serratum
Hydrangea paniculata
種名 Species
表7 SR3における林床植生
Table 7 Forest floor vegetation in SR3.
種名 Species
Abies sachalinensis
Quercus mongolica var. grosseserrata
Betula ermanii
Sorbus alnifolia
Total
クマイザサ
ヒメタケシマラン
マイヅルソウ
コヨウラクツツジ
ミズナラ
イワガラミ
トウゲシバ
ノリウツギ
トドマツ
ミズナラ
ダケカンバ
アズキナシ
表6 SR3における樹木の構成
Table 6 Tree species composition in SR3.
SR3(20)
SR3(40)
SR3(60)
SR3(80)
SR3(100)
65
60
+
+
5
Coverage Height
90
5
7
53
+
45
4
40
+
+
15
18
120
5
10
Coverage Height
11
55
5
60
115
5
1
60
+
Coverage Height
80
5
3
80
20
11
118
Coverage Height
90
90
145
Coverage Height
100
100
190
Coverage Height
被度(%) 高さ(cm) 被度(%) 高さ(cm) 被度(%) 高さ(cm) 被度(%) 高さ(cm) 被度(%) 高さ(cm) 被度(%) 高さ(cm)
SR3(0)
胸高断面積
個体数
Basal area
Number of stem
/ha
㎡/ha
%
%
14.96
56.7
550
57.9
7.40
28.0
100
10.5
3.73
14.1
250
26.3
0.29
1.1
50
5.3
26.38
100
950
100
24
トドマツ
イタヤカエデ
ミヤマハンノキ
ダケカンバ
ウコンウツギ
オガラバナ
Disporum sessile
Petasites japonicus var. gigauteus
植被率(%) Total coverage
Maianthenum dilatatum
Sasa kurilensis
Hydrangea petiolaris
Calamagrostis langsdorffii
Galium nakaii
Cacalia auriculata var. kamtschatica
Galium kamtschaticum
Dryopteris expansa
Viola selkirkii
Cimicifuga simplex
Cirsium pectinellum
Solidago virga-aurea var. leiocarpa
Oenanthe javanica
Phegopteris connectilis
Circaea alpina
Rubus pseudo-japonicus
Dryopteris crassirhizoma
Acer ukurunduense
Actinidia kolomicta
Weigela middendorffiana
種名 Species
チシマザサ
ツルアジサイ
イワノガリヤス
ミヤマキヌタソウ
ミミコウモリ
エゾノヨツバムグラ
シラネワラビ
ミヤマスミレ
サラシナショウマ
エゾノサワアザミ
コガネギク
セリ
ミヤマワラビ
ミヤマタニタデ
ヒメゴヨウイチゴ
オシダ
オガラバナ
ミヤママタタビ
ウコンウツギ
マイヅルソウ
ホウチャクソウ
アキタブキ
表9 ON6における林床植生
Table 9 Forest floor vegetation in ON6.
Abies sachalinensis
Acer mono
Alnus maximowiczii
Betula ermanii
Weigela middendorffiana
Acer ukurunduense
種名 Species
表8 ON6における樹木の構成
Table 8 Tree species composition in ON6.
被度(%)
ON6(20)
350
150
550
150
500
50
1750
被度(%)
ON6(30)
20
8.6
31.4
8.6
28.6
2.9
100
個体数
Number of stem
/ha
%
ON6(40)
被度(%)
ON6(50)
被度(%)
Coverage Coverage Coverage Coverage Coverage Coverage
50
80
90
70
50
75
5
+
3
4
3
+
+
1
1
1
1
+
+
1
+
+
1
+
10
20
6
24
55
+
+
1
1
+
+
+
+
+
+
★1
+
+
3
+
1
+
+
+
+
6
12
+
+
1
10
1
1
4
65
85
95
75
80
95
ON6(10)
被度(%)
ON6(0)
51.7
32.9
9.8
5.2
0.3
0.1
100
被度(%)
15.67
9.97
2.97
1.56
0.1
0.03
30.31
胸高断面積
Basal area
㎡/ha
%
25
Pinus pumila ハイマツ (S)
Rhododendron aureum キバナシャクナゲ
Hemerocallis dumortieri var. esculenta エゾゼンテイカ
Sanguisorba tenuifolia var. grandiflora チシマワレモコウ
Geum pentapetalum チングルマ
Vaccinium vitis-idaea コケモモ
Carex blepharicarpa var. dueensis タカネショウジョウスゲ
Pyrola faurieana カラフトイチヤクソウ
Platanthera tipuloides ホソバノキソチドリ
Deschampsia flexuosa コメススキ
Calamagrostis langsdorffii イワノガリヤス
Coptis trifolia ミツバオウレン
Drosera rotundifolia モウセンゴケ
Primula cuneifolia エゾコザラク
Solidago virga-aurea var. leiocarpa コガネギク
Sasa kurilensis チシマザサ
Loiseleuria procumbens ミネズオウ
Scirpus mazimowiczii タカネクロスゲ
Empetrum nigrum var. japonicum ガンコウラン
Carex hakkodensis イトキンスゲ
Agrostis flaccida ミヤマヌカボ
Carex stylosa ラウススゲ
Ledum palustre var. diversipilosum イソツツジ
Scirpus caespitosus ミネハリイ
Salix reinii ミヤマヤナギ
Cirsium pectinellum var. alpinum ミヤマサワアザミ
Orchis aristata ハクサンチドリ
Gaultheria miquelana シラタマノキ
Lycopodium sitchense var. nikoense タカネヒカゲノカズラ
Tilingia ajanensis シラネニンジン
Section number 区画番号
Distance (m) from 基点からの距離(m)
to
Max. height of community (cm) 群落高
Cover (%) Shrub layer(S) 低木層の植被率
Herb layer 草本層の植被率
Moss layer(M) コケ層の植被率
Number of species 種数
.
.
2
2
5
1
2
+
+
1
1
+
+
+
+
+
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
43
100
14
170
100
70
5
5
1
2
3
2
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
2
0.5
3.6
1
0.0
0.7
.
.
+
.
1
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
3
3.6
3.9
Trail
8
10
2
.
.
+
.
4
1
.
.
.
.
1
.
.
.
.
.
+
1
1
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
24
90
7
4
3.9
4.05
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
5
4.05
4.35
Trail
-
.
.
1
+
3
1
.
.
.
+
1
1
.
.
.
.
.
4
.
1
1
+
+
.
.
.
.
.
.
.
52
100
12
6
4.35
4.6
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
7
4.6
4.85
Trail
-
.
.
.
+
2
.
.
.
.
1
+
.
+
.
+
.
.
4
.
.
.
.
.
1
.
.
.
.
.
.
41
100
8
8
4.85
5.2
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
9
5.2
5.4
小凹地
-
+
.
2
1
3
+
2
.
.
.
1
.
+
1
+
.
.
4
.
.
.
+
.
1
+
+
.
.
.
.
49
100
15
10
5.4
6.4
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
11
6.4
6.8
Trail
-
表10 知床連山の登山道に設置されたSR4(二つ池1)における植生
Table 10. Vegetation of SR4 (Futatsuike Pond 1) around the mountaineering trail of the Shiretoko Mountains, eastern Hokkaido.
.
.
2
2
5
1
1
+
.
1
2
.
.
.
+
.
+
.
.
.
+
.
.
.
.
+
+
+
+
+
37
100
16
12
6.8
9.1
5
2
3
.
.
2
.
.
.
.
2
.
.
.
+
.
.
.
.
.
.
.
+
.
.
.
.
.
.
+
180
100
70
8
13
9.1
10.0
表11 知床連山の登山道に設置されたSR5(二つ池2)における植生
Table11. Vegetation of SR5 (Hutatsuike Pond 2) around the mountaineering trail of the Shiretoko
Mountains, eastern Hokkaido.
Section number 区画番号
1
2
3
4
5
6
7
8
9 10
Distance (m) from 基点からの距離(m)
0.0 0.6 2.6 4.6 5.7 6.5 6.9 8.4 11.0 12.5
to
0.6 2.6 4.6 5.7 6.5 6.9 8.4 11.0 12.5 15.0
Trail
Trail Trail
Max. height of community (cm) 群落高
100 60
- 52
8 24 40 38 130
Cover (%) Shrub layer 低木層の植被率(%) 100
- 60
Herb layer 草本層の植被率(%)
70 100
- 100
- 12 100 60 100 100
Moss layer コケ層の植被率(%)
Number of species 種数
12 15
8
3
8
8
7 12
Pinus pumila ハイマツ (S)
Solidago virga-aurea var. leiocarpa コガネギク
Rubus pedatus コガネイチゴ
Tilingia ajanensis シラネニンジン
Carex blepharicarpa var. dueensis タカネショウジョウス
Sanguisorba stipulata タカネトウウチソウ
Maianthemum dilatatum マイヅルソウ
Rhododendron aureum キバナシャクナゲ
Coptis trifolia ミツバオウレン
Phyllodoce caerulea エゾノツガザクラ
Hemerocallis dumortieri var. esculenta エゾゼンテイカ
Calamagrostis langsdorffii イワノガリヤス
Salix reinii ミヤマヤナギ
Carex pyrenaica キンスゲ
Carex falvocuspis ミヤマクロスゲ
Deschampsia flexuosa コメススキ
Vaccinium uliginosum クロマメノキ
Carex hakkodensis イトキンスゲ
Geum pentapetalum チングルマ
Platanthera tipuloides ホソバノキソチドリ
Scirpus caespitosus ミネハリイ
Primula cuneifolia エゾコザクラ
Agrostis flaccida ミヤマヌカボ
Carex stylosa ラウススゲ
Drosera rotundifolia モウセンゴケ
Loiseleuria procumbens ミネズオウ
Sasa kurilensis チシマザサ
Streptopus streptopoides ヒメタケシマラン
Pyrola alpina コバノイチヤクソウ
Sanguisorba stipulata タカネトウウチソウ
5
1
1
+
3
3
1
1
1
1
2
2
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
+
.
.
.
1
2
2
1
2
2
2
1
1
2
2
5
+
+
.
.
.
.
.
.
.
.
.
26
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
+
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
1
3
.
.
.
.
.
5
+
2
+
+
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
2
.
1
.
.
+
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
+
.
.
.
.
.
.
.
5
+
3
+
.
1
2
2
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
1
.
.
.
.
.
1
4
+
2
+
.
+
.
.
+
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
2
.
.
.
.
2
+
5
+
.
.
.
+
.
.
2
.
.
.
4
.
.
.
+
.
+
1
1
1
.
2
2
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
3
+
+
1
表12 知床連山の登山道に設置されたSR6(三峰北東斜面)における植生
Table 12. Vegetation of SR6 (Mt. Mitsumine, northeastern slope) around the
mountaineering trail of the Shiretoko Mountains, eastern Hokkaido
Section number 区画番号
1
2
3
4
5
6
7
Distance (m) from 基点からの距離(m)
0.0
1.8
4.8
5.4
6.0
7.4
8.3
to
1.8
4.8
5.4
6.0
7.4
8.3 11.8
Trail
Trail 裸地
Max. height of community (cm) 群落高
29
35
4
29
5
21
Cover (%) Shrub layer(S) 低木層の植被率(%
Herb layer 草本層の植被率(%)
100 100
+
30
+ 100
Moss layer(M) コケ層の植被率(%
40
50
50
Number of species 種数
13
13
1
5
1
15
Rhododendron camtschaticum エゾツツジ
Spiraea betulifolia マルバシモツケ
Vaccinium ovalifolium var. coriaceum エゾクロウスコ
Lycopodium sitchense var. nikoense タカネヒカゲノカス
Dicranum sp. シッポゴケ属 (M)
Geum pentapetalum チングルマ
Sanguisorba stipulata タカネトウウチソウ
Phyllodoce caerulea forma yesoensis コエゾツガザ
Pleurozium schreberi タチハイゴケ (M)
Gaultheria miquelana シラタマノキ
Rhododendron aureum キバナシャクナゲ
Vaccinium vitis-idaea コケモモ
Calamagrostis langsdorffii イワノガリヤス
Phyllodoce aleutica アオノツガザクラ
Coptis trifolia ミツバオウレン
Polygonum weyrichii var. alpinum オンタデ
Carex falvocuspis ミヤマクロスゲ
Tilingia ajanensis シラネニンジン
Solidago virga-aurea var. leiocarpa コガネギク
Phyllodoce caerulea エゾノツガザクラ
Carex pyrenaica キンスゲ
Arcterica nana コメバツガザクラ
Deschampsia flexuosa コメススキ
Cladonia sp. ハナゴケ属 (M)
Sanionia uncinata カギハイゴケ (M)
Loiseleuria procumbens ミネズオウ
Cetraria ericetorum マキバエイランタイ (M)
Salix reinii ミヤマヤナギ
Empetrum nigrum var. japonicum ガンコウラン
Pinus pumila ハイマツ
2
1
1
1
2
3
2
2
2
1
2
1
1
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
1
2
5
1
2
2
2
1
2
1
1
1
2
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
27
.
.
.
.
.
.
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.
.
.
.
.
.
.
.
+
.
.
.
.
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.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
+
+
.
.
.
.
.
.
.
.
.
2
+
+
.
.
.
.
.
.
.
.
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.
.
.
.
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.
.
+
.
.
.
.
.
.
.
.
.
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.
.
.
.
.
.
.
1
4
.
.
.
.
.
.
.
2
.
.
+
.
.
3
2
2
2
1
1
1
1
+
+
+
28
Section number 区画番号
Distance (m) from 基点からの距離(m)
to
Max. height of community (cm) 群落高
Cover (%) Shrub layer(S) 低木層の植被率
Herb layer 草本層の植被率
Moss layer(M) コケ層の植被率
Number of species 種数
Sorbus matsumurana ウラジロナナカマド (S)
Rhododendron aureum キバナシャクナゲ
Rubus pedatus コガネイチゴ
Spiraea betulifolia var. aemiliana エゾノマルバシモツケ
Oxalis acetosella コミヤマカタバミ
Spiraea betulifolia マルバシモツケ
Weigela middendorffinana ウコンウツギ
Pleurozium shreberi タチハイゴケ (M)
Alnus maximowiczii ミヤマハンノキ
Solidago virga-aurea var. leiocarpa コガネギク
Phyllodoce caerulea エゾノツガザクラ
Deschampsia flexuosa コメススキ
Phyllodoce caerulea f. yesoensis コエゾツガザクラ
Dicranum majus チシマシッポゴケ (M)
Calamagrostis langsdorffii イワノガリヤス
Ledum palustre var. diversipilosum イソツツジ
Gaultheria miquelana シラタマノキ
Hypericum kamtschaticum ハイオトギリ
Salix reinii ミヤマヤナギ
Geum pentapetalum チングルマ
Dicranum sp. シッポゴケ属 (M)
Phyllodoce aleutica アオノツガアクラ
Sanguisorba stipulata タカネトウウチソウ
Arcterica nana コメバツガザクラ
Cetraria islandica エイランタイ (M)
Campanula lasiocarpa イワギキョウ
Agrostis flaccida ミヤマヌカボ
Carex pyrenaica キンスゲ
Primula cuneifolia エゾコザクラ
Sanionia uncinata カギハイゴケ (M)
Loiseleuria procumbens ミネズオウ
Cassiope lycopodioides イワヒゲ
Carex flavocuspis ミヤマクロスゲ
70
100
50
13
.
.
.
.
.
.
140
30
100
100
15
3
3
1
1
1
1
+
+
2
+
4
+
2
4
1
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
2
2
1
2
2
2
.
.
1
1
+
1
2
3
4
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
2
2.7
4.5
1
0.0
2.7
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
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.
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.
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.
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.
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.
3
4.5
5.1
Trail
2
3
2
2
2
+
.
.
.
.
.
.
.
1
2
.
.
.
.
+
.
.
.
.
.
.
.
.
2
+
80
100
50
11
4
5.1
8.8
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
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.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
5
8.8
11.1
Trail
.
.
.
.
1
.
1
.
.
.
+
+
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
1
.
10
10
5
6
11.1
11.5
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
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.
.
.
.
.
.
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.
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.
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.
.
.
7
11.5
14.1
Trail
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
1
.
.
1
.
.
+
.
4
.
2
2
2
1
.
.
.
+
2
1
1
1
26
100
60
13
8
14.1
15.1
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
+
.
1
.
.
+
.
.
.
1
+
+
.
.
.
.
14
15
6
9
15.4
16.1
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
1
.
.
1
.
2
.
2
.
1
1
.
2
+
1
.
1
.
1
21
60
11
10
16.1
17.6
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
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.
.
.
.
.
.
.
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.
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.
.
11
17.6
19.2
Trail
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
1
.
.
.
.
2
.
3
1
+
.
.
1
+
+
2
.
.
.
29
75
10
9
12
19.2
20.8
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
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.
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.
.
13
20.8
23.1
Trail
.
.
.
.
.
.
2
.
.
+
2
.
.
.
1
.
.
.
.
2
.
2
.
.
.
.
.
.
.
.
1
+
1
130
60
9
14
23.1
24.7
表13 知床連山の登山道に設置されたSR7(羅臼岳一の肩)の植生
Table13. Vegetation of SR7(Mt. Rausudake, snowbed on the northeastern slope) around the mountaineering trail of the Shiretoko Mountains, eastern
29
Max. height of community (cm) 群落高
Cover (%) Shrub layer(S) 低木層の植被率(%)
Herb layer 草本層の植被率(%)
Moss layer(M) コケ層の植被率(%)
Number of species 種数
Rhododendron camtschaticum エゾツツジ
Pinus pumila ハイマツ
Alnus maximowiczii ミヤマハンノキ
Polygonum weyrichii var. alpinum オンタデ
Rhododendron aureum キバナシャクナゲ
Calamagrostis langsdorffii イワノガリヤス
Carex falvocuspis ミヤマクロスゲ
Geum pentapetalum チングルマ
Hypericum kamtschaticum ハイオトギリ
Juncus beringensis ミヤマイ
Luzula plumosa ヌカボシソウ
Phyllodoce caerulea エゾノツガザクラ
Sorbus matsumurana ウラジロナナカマド
Sanguisorba stipulata タカネトウウチソウ
Lycopodium sitchense var. nikoense タカネヒカゲノカズラ
Dicranum sp. シッポゴケ属 (M)
Polytrichum sp. スギゴケ属 (M)
Agrostis flaccida ミヤマヌカボ
Spiraea betulifolia マルバシモツケ
Phyllodoce aleutica アオノツガザクラ
Spiraea betulifolia var. aemiliana エゾノマルバシモツケ
Harrimanella stelleriana ジムカデ
Primula cuneifolia エゾコザクラ
Arcterica nana コメバツガザクラ
Scirpus maximowiczii タカネクロスゲ
Tilingia ajanensis シラネニンジン
Cetraria ericetorum マキバエイランタイ (M)
Pentstemon frutenscens イワブクロ
Saxifraga merkii チシマクモマグサ
Luzula arcuata var. unalasckensis クモマスズメノヒエ
Potentilla miyabei メアカンキンバイ
Rubus pedatus コガネイチゴ
Deschampsia flexuosa コメススキ
Solidago virga-aurea var. leiocarpa コガネギク
Cacalia auriculata var. kamtschatica ミミコウモリ
Section number 区画番号
Distance (m) from 基点からの距離(m)
to
4
2
3
3
+
1
2
2
+
1
+
+
1
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
25
80
65
100
13
1
0.0
1.6
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
2
1.6
2.0
Trail
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
3
+
.
+
2
.
1
3
.
.
.
2
.
1
1
1
2
25
100
30
11
3
2.0
4.3
1
.
.
.
.
+
1
.
.
.
.
+
.
.
.
.
.
+
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
18
15
30
5
4
4.3
5.8
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
5
5.8
8.1
Trail
+
.
.
1
.
.
.
1
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
2
.
.
18
21
70
4
6
8.1
8.3
.
.
.
.
.
.
+
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
5
10
1
7
8.3
8.6
Trail
.
.
.
.
.
+
3
1
.
.
.
.
.
5
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
25
30
100
4
8
8.6
9.5
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
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.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
9
9.5
9.9
Trail
.
.
.
.
.
.
4
2
.
.
.
.
.
4
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
20
29
85
3
10
9.9
11.2
1
.
.
.
.
2
1
1
.
.
.
.
.
4
.
.
.
.
2
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
12
30
95
6
11
11.2
12.6
3
.
.
.
.
.
+
3
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
2
1
+
1
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
20
15
70
7
12
12.6
14.1
1
.
.
.
.
.
1
+
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
+
.
+
+
+
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
21
18
25
7
13
14.1
15.5
4
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
2
.
.
.
.
1
+
1
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
2
.
.
.
31
21
90
10
6
14
15.5
16.6
表14 知床連山の登山道に設置されたSR8(大沢二の岩場)における植生
Table 14. Vegetation of SR8 (Ohsawa, ni no iwaba) around the mountaineering trail of the Shiretoko Mountains, eastern Hokkaido.
.
.
.
.
.
.
+
.
.
.
.
.
.
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.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
1
15
16.6
17.2
Trail?
1
.
.
.
.
.
1
2
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
+
.
.
+
.
1
1
+
1
.
.
.
.
26
26
30
9
16
17.2
20.8
4
.
3
.
.
.
1
2
.
.
.
.
2
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
+
.
.
.
1
.
2
1
+
1
33
64
95
11
17
20.8
23.0
付表1 SR1における樹木各個体(種名の略号のあとのdは枯死個体を示す)
Appendix 1 Tree data of SR1
X(m)
Y(m) 直径(cm) 樹皮剥ぎ コメント
通し番号 種
1.7
-0.5
15.5
1 Qm (ミズナラ)
2 Qm
1.8
-0.7
32.0
3 At (ミネカエデ)
4.5
-1.3
0.8
4 At
4.7
-1.8
2.9
5 As (トドマツ)
5.3
-0.9
2.3
6 Qm
5.4
-0.5
20.1
7 At
6.1
-1.2
2.4 24*2.5
8 At
6.0
-1.8
2.0
9 At
6.6
-1.5
1.3
10 Qm
10.5
-0.4
13.2
11 Qm
11.0
-0.4
22.2
12 Qm
11.3
-0.5
17.4
13 As
11.3
-0.7
5.0
14 Sa (アズキナシ)
11.9
0.5
3.0 19*5.5
古い樹皮剥ぎ
13.2
-1.5
4.5 46*6.0
15 Aj (ハウチワカエデ)
16 Qm
17.7
-0.9
14.9
17 Sa
18.7
-0.8
5.0
18 Sa
20.4
-0.5
3.0
19 Sa
20.4
-0.5
1.5
20 As
20.6
0.8
9.2
倒れ
21 Sa
21.1
-0.3
6.1
22 Sa
21.1
-0.4
3.5
23 Sa
23.8
-0.3
3.7
24 Sa
24.0
-0.3
8.5
25 Sa
24.7
-1.8
3.5
26 Vf (オオカメノキ)
25.6
-0.4
2.1 19*2.0
古い樹皮剥ぎ
27 Qm
27.3
-0.6
34.1
28 Qm
27.5
-0.3
3.6
29 Aj
35.9
-0.3
2.0
30 Qm
37.4
-0.2
37.9
31 Sa
42.0
0.2
13.7
倒れ
32 Aj
42.9
-0.8
3.0
33 Aj
43.4
-0.9
4.2
34 Aj (d)
44.5
0.3
5.1
35 Aj
44.0
-1.3
2.7
36 Am (イタヤカエデ)
48.4
-0.6
2.8
37 Am
50.0
-0.5
10.4
38 Am
50.5
-0.4
4.0
39 Am
50.8
-0.6
3.9
40 Qm
52.8
-0.8
18.7
41 Am
55.0
-0.8
16.2
42 Qm
61.1
-1.5
20.1
43 Aj
62.7
-0.9
3.6
44 Aj
62.4
-1.2
3.5
45 Be (ダケカンバ)
63.7
-1.5
25.5
46 Sa
6.9
-0.6
3.5
47 Aj
69.2
-0.4
3.1
48 Aj
70.3
0.2
5.5
49 Qm
77.0
-1.4
43.1
50 Qm (d)
77.2
-1.9
48.3
51 Qm
77.5
-1.3
32.2
52 Qm
83.2
-1.9
23.4
53 Qm (d)
83.3
-1.6
8.7
倒れ
54 Am
85.9
-0.9
11.6
55 Am
86.5
-0.7
23.4
56 Tm
88.0
-0.9
30.9
57 Be
96.1
-0.9
56.6
58 Am (d)
99.7
0.6
2.1 26*3.0
古い樹皮剥ぎ
59 Am
99.9
0.5
3.8
60 Am
100.0
1.0
8.1
30
付表2 SR2における樹木各個体
Appendix 2 Tree data of SR2.
通し番号 種
1 Pm (ミヤマザクラ)
2 Be
3 Be
4 Be
5 Sc (ナナカマド)
6 Sc
7 Sc
8 Sc
9 Be
10 Am
11 Sc
12 Sc
13 Sc
14 Be
15 Be
16 Be
17 Be
18 Be
19 Be
20 Sc
21 Sc
22 Sc
23 Be
24 Sc
25 Sc
26 Be
27 Ss (タカネナナカマド)
28 Be
29 Be
30 Be
31 Ss
32 Ss
33 Ss
34 Ss
35 Ss
36 Pm
37 Pm
38 Be
X(m)
1.6
1.6
1.7
1.9
4.0
3.7
4.6
4.6
7.6
8.7
11.3
11.3
11.3
17.9
19.6
21.0
28.1
28.3
29.1
30.2
30.2
30.2
30.6
36.8
36.8
40.0
42.8
42.9
45.0
45.0
47.0
47.0
47.7
47.7
47.7
47.8
48.1
47.0
Y(m) 直径(cm) 樹皮剥ぎ コメント
0.2
6.0
0.4
25.6
0.4
24.8
0.2
34.7
0.7
5.4
2.0
10.7
-1.1
4.3
-1.1
2.2
0.6
5.4
0.6
12.0
0.0
4.0
0.0
3.9
0.0
2.6
0.5
21.6
-0.5
35.7
-1.3
16.9
0.6
12.2
0.5
24.9
-0.1
33.6
-0.5
4.5
-0.5
5.5
-0.5
3.0
-1.0
35.0
0.4
7.0
0.4
4.4
0.6
14.5
倒れ、H1.7mで直径測定
-1.3
1.5
1.9
21.5
0.8
45.0
0.9
15.8
0.1
2.5
0.1
1.6
-1.0
1.7
-1.0
1.8
-1.1
2.2
-0.7
8.0
-0.6
8.6
2.0
38.0
倒れてH1.6mで直径測定
31
付表3 SR3における樹木各個体(種名の略号のあとのdは枯死個体を示す)
Appendix 3 Tree data of SR3.
X(m)
Y(m) 直径(cm) 樹皮剥ぎ コメント
通し番号 種
1 Sa
0.9
-1.7
7.4
2 Qm
1.1
-0.5
33.5
3 As
3.3
-0.2
3.1
4 As
3.2
-0.8
2.0
5 As
3.5
-1.4
1.3
6 As (d)
2.9
-0.9
1.5
7 Sa
6.6
-0.6
9.7 24*5.0
古い
8 Be
7.4
-0.6
10.4
9 As
8.9
-1.4
2.5
10 As
9.2
-0.8
2.7
11 Qm
10.1
-1.0
7.1
12 Qm
13.2
-1.7
8.2
13 Qm (d)
16.8
-0.3
8.3
14 As
18.6
-0.4
7.2
15 As
20.7
-0.8
10.7
16 Be
21.9
-1.1
14.1
17 As
23.7
-1.1
3.8 42*6.0
古い角とぎ
18 As
26.5
-0.8
12.1
19 As
27.9
-1.7
17.7
20 As (d)
29.4
-0.1
4.0 40*6.0
古い角とぎ
21 As
30.6
-0.5
14.2
22 Qm
33.5
-0.6
50.3
23 As
37.3
-1.4
12.6
24 Kp (d) (ハリギリ)
36.7
-1.1
5.9
25 As
43.1
-1.1
28.3
26 As (d)
42.6
-1.9
3.1
27 As (d)
50.3
-1.2
10.2
28 As
51.3
-1.8
7.9
29 As
51.4
-0.3
9.3
30 Be
51.9
-0.4
17.7
31 Be
51.9
-0.4
13.2
32 Be (d)
58.5
-0.4
8.1
33 As
59.7
-0.8
6.2
34 As
59.7
-2.0
17.1
35 As (d)
61.2
-1.5
2.0
36 As (d)
62.0
-1.2
5.2
37 As
63.9
-1.0
7.1 38*5.0
古い角とぎ
38 As (d)
64.8
-0.5
2.4
39 As
6.9
-2.0
46.1
40 As
71.6
-1.3
32.1
41 Be
82.6
-1.4
25.3
42 As
85.2
-0.7
44.5
43 As
85.9
-1.6
11.2
44 Be (d)
86.1
-0.7
35.4
45 As (d)
87.1
-1.7
23.4
46 Be
88.1
-1.1
6.1
47 Be
88.8
-1.4
4.6
48 Be
98.5
-1.4
5.6
49 Be
100.0
-0.9
15.5
50 Be
100.0
-1.9
11.7
32
付表4 ON6における樹木各個体(種名の略号のあとのdは枯死個体を示す)
Appendix 4 Tree data of ON6.
X(m)
Y(m) 直径(cm) 樹皮剥ぎ コメント
通し番号 種
1 Be
0.3
0.8
8.3
2 Wm
0.7
0.4
1.8
3 Almax
1.7
-1.6
6.4
4 Alm (ミヤマハンノキ)
2
1.2
15.9
5 Wm
2.7
-1.3
1.2
6 Alm
2.8
0.8
5.7
7 As
6
-1.5
4.8
8 Am
7
0.7
16
9 Am
8.7
1.4
17.2
10 Am
13.2
0.9
44.6
11 Alm
19.6
1.5
13.4
12 Wm
23
0
0.4
13 Au (オガラバナ)
24.5
0.5
2.8
14 Wm
25
0
1.1
15 As
28.2
-2
5
16 Wm
28.3
-0.2
1.3
17 Alm
29
-0.3
4.5
18 Alm
29.7
-0.9
2.7
19 As
34.3
1.6
45.8
20 Alm
34.4
-1.6
3.7
21 As
35.2
-1.1
24.3
22 Wm (ウコンウツギ)
36
1.8
3
23 Wm
37
1.9
2.1
24 As
38
-0.2
26.3
25 As
41.4
1.4
19.7
26 Wm
42.4
1.6
1
27 Wm
42.4
1.3
1.2
28 Be
42.5
2
18
29 Wm
42.6
1.3
1
30 As
43
1.6
13.3
31 Alm
45.1
0.2
5.3
32 Be
45.5
-1.7
2.4
33 Alm
46.3
-1.6
9.3
34 Alm
49.6
-1
9.3
35 Alm
49.9
1.3
3.1
33
34
Ⅱ .知 床 岬 の 植 生 に 関 す る 2007 年 度 調 査 報 告 書
―防鹿柵を用いた植生回復実験5年目の経過―
石川幸男(専修大学北海道短期大学みどりの総合科学科)
青井俊樹(岩手大学農学部)
村上智子(村山ギソー株式会社)
小平真佐夫(財団法人知床財団)
岡田秀明(財団法人知床財団)
1.はじめに
2000 年に明らかとなったシカ採食圧による知床岬の植生変化に対応するために、2003 年以降にガンコウ
ラン群落、山地高茎草本群落、および亜高山高茎草本群落において、防鹿柵による回復実験を実施してい
る(佐藤・石川 2003、佐 藤 ほ か 2004、 石 川 ほ か 2005、 石 川 2006、 石 川 ほ か 2007) 。以
上の群落のうちで、昨年度の段階で防鹿柵設置後4シーズンを経過したガンコウラン群落と山地高茎草本
群落においては顕著な回復傾向が見られていた。すなわち、ガンコウラン群落においては防鹿柵内におい
てガンコウランの株面積が増加し、他の高山植物の個体数も増加した。山地高茎草本群落においても、復
元目標であるセリ科草本のうち、エゾノシシウドとマルバトウキは優占度を増し、また繁殖個体も確認さ
れた。本報では上記2群落について、防鹿柵設置後5シーズン目に当たる 2007 年夏の状況を報告する。さ
らに、2004 年の 7 月に設置され、亜高山高茎草本群落の回復を目指している防鹿柵の3年目のモニタリン
グ結果も報告する。
本年度の調査に際しては、野田麻衣子氏には現地調査においてサポートしていただいた。岩手大学農学
部長尾雅代、羽生萌恵、北海道大学北方生物圏フィールド科学センター植村滋、札幌市立大学デザイン学
部矢部和夫、札幌市松井洋の諸氏には、現地でのデータ収集に協力していた。以上の方々には、ここに記
して謝意を表する次第である。
2.調査地と調査方法
2-1.ガンコウラン群落の防鹿柵内外におけるモニタリング
ガンコウラン群落に設置した防鹿柵の概要は、2003 年度に報告済みである(佐藤ほか 2004)。本年度
は、2007 年 8 月 13 日に防鹿柵の内外で調査を行った。調査の基本的な内容は例年と変わりないものの、
一部の方形区で状況が大きく異なったために、次のような変更を余儀なくされた。すなわち、例年であれ
ば柵の内外にそれぞれ 3 ヶ所ずつ設置された 1 ㎡の固定方形区と、ランダムに設置されている補足方形区
それぞれ 2 ヶ所で調査を行ってきたものの、本年の調査では柵外の固定方形区 3 ヶ所のうちの 2 ヶ所(方
形区8と9)が再現できなかったために、ほぼ同じ場所に新たに固定方形区 2 ヶ所を設定した。この固定
方形区8と9とではそれぞれの 1 隅に金属製の杭を打ち込んであり、例年であれば容易に再現できていた
ものの、本年の調査時には方形区8の隅と思われる 1 本しか発見できず、なおかつ植被の状況も前年まで
35
との整合性が取れず、どうしても再現できなかった。このため例年の調査項目のうち、固定方形区で実施
していたデジタル画像を用いたガンコウランの株面積の拡大過程についての調査は省略した。その一方で
各方形区における出現種の優占度と発育段階(栄養状態、開花状態など)、草本層の植被率ならびに群落
高は通常通りに調査した。
次に、防鹿柵内外において、柵外では隣接する 1 辺 15mの面積を想定して、方形区調査とは別に、柵の
内外における現状を把握した。
すなわち、
柵の内外それぞれにおける全出現植物の種を記録するとともに、
ガンコウランについては発見された全個体(株)でその大きさを長径と短径2方向で測定した。またシャ
ジクソウ、シコタンヨモギ、チシマセンブリの3種については開花、未開花に区分した個体数、およびヒ
メエゾネギについては花茎数を、柵の内外において記録した。
なお、今後の固定方形区の発見を容易にするために、防鹿柵内外における固定方形区の位置を図2 に示した。
ガンコウラン株面積の年度間での相違については、Macintosh 版 JMP Ver.3 (SAS Inc.1994)を用いて検
定した。
図 1
岬における防鹿柵を用いた植生回復試験地の位置図.
入口
8.1m
5.95m
8.4m
15.5m
13.4m
13.45m
(8)
(9)
11.6m
(2) (1)
12.55m
7.85m
(6)
(13)
1.9m
図 2. ガ ン コ ウ ラ ン 群 落 に お け る 固 定 方 形 区 の 位 置
(カッコ書きは固定方形区の番号を、また数値は防鹿柵隅の支柱からの距離を示す)
36
2-2.セリ科草本が出現する山地高茎草本群落に関する防鹿柵内におけるモニタリング
エオルシの山地高茎草本群落に設置した防鹿柵の概要は、例年と変更がない。ここでは、2003 年 5 月
28 日にエオルシの基部を遮断する形でセリ科が出現する山地高茎草本群落の防鹿柵が設置された
(図1)
。
この群落に設置された 10 ヵ所の固定方形区(1 ㎡)を 2007 年 8 月 11 日に調査した。調査方法は、昨年度
と同様に、各方形区において出現種ごとの優占度、草本層の植被率、生育段階ならびに群落高を調査した。
なお、今後の調査の便宜を考え、エオルシにおける方形区の配置は見取り図として図3に示した。
4.3
3
13.5
6.8
5.8
8.7
7.7
6.5
4.9
2.4
15.4
8.5
防鹿柵
図 3.エオルシにおける方形区の位置の見取り図
(カッコ書きの番号が方形区を示し、その間の数字は距離を示す。あくまでも見取り図であることか ら各方形区
の位置は正確ではなく、相互関係を示すのみであることに注意。)
2-3.シレトコトリカブトが生育する高茎草本群落における防鹿柵におけるモニタリング
シレトコトリカブトなどの希少な亜高山高茎草本植物の保護を目的とした防鹿柵は、図 1 に示した根室
側の台地斜面に新たに 2004 年7月に設定された。防鹿柵の仕様は、アブラコ湾におけるガンコウラン群落
における柵と基本的に同様であり、高さ 2.4m の金属フェンスを用いて 20m×20m の区画を囲い込んだ。こ
の中に 2m×2m の固定方形区を 6 ヵ所(SA1から SA6)設置した。SA1から SA3は防鹿柵内の中央左寄り
37
に、上から順に2m 間隔で配置し、SA4から SA6はさらにその左側で、同様に上から順に2m間隔で排し
た。また対照区として、防鹿柵の外部(下方から見て防鹿柵の左側)にも 3 ヵ所の方形区(SA7から SA9)
を設置し、ここでの配置も上から順に 2m 間隔としている。これらの方形区において、2007 年 8 月 12 日に、
昨年と同様に出現種ごとの優占度、草本層の植被率、生育段階ならびに群落高を調査した。また本年は、
ガンコウラン群落と同様に、防鹿柵内外における全出現植物の種も記録した。対象とした範囲は、防鹿柵
内ではその全域を、また柵外では対照区の設置してある側で柵に接した 20m×20m の範囲である。
3.結果と考察
3-1.ガンコウラン群落における植生モニタリング
アブラコ湾上部のガンコウラン群落に設置した防鹿柵内外において、固定方形区および補足方形区に生
育していた種の状況を表1に示す。2003 年から 2006 年の状況(佐藤・石川 2003、佐藤ほか 2004、石川ほ
か 2005、2006、2007)と比較すると、出現種数は柵内で 21 種、18 種、20 種、20 種、及び本年に 20 種と
推移した一方、柵外では 22 種、18 種、18 種、17 種および本年に 21 種と推移しており、種数の差と変動
傾向には特段の傾向は認められなかった。昨年の特徴としてすべての方形区内でヒロハノコメススキの地
上部が枯れていたが、今年は柵外の2方形区で再び生育していた。この他に、柵外でアイヌタチツボスミ
レ、オトギリソウの一種、およびハマエノコロが本年に新たに観察された。
個々の種ごとの優占度については、本年度は柵外の固定方形区8と9の位置がやむなく変更されたため
に、柵の内外を比較した場合に、昨年までの結果と厳密な意味では比較にならない。基本的に柵の内外で
大きな変化は見られなかったといってよい。
次に、柵内は全体を対象に、また柵外では柵内の面積と同様の 15m 四方の地域を対象に、生育している
全てのガンコウラン株に対して、楕円近似によって株の面積を求めた(表2)。2003 年から 2007 年の平
均の株面積は、柵内では 65.3cm2、102.7 cm2、180.5 cm2、339.6 cm2、674.8cm2 増加傾向にある一方で、柵
外では 2003 年から 2006 年までは 20.9 cm2、23.7 cm2、23.4 cm2、22.1 cm2 とおおむね同じレベルで推移
していたが、2007 年にはやや 64.4 cm2 となっていた。各年度とも、柵内での面積は柵外での面積に比べて
有意に大きかった(p<0.0001)。一方で株数は柵内で 2003 年に 80 株と少なかったものの、2004 年以降
は 163、166、158、156 株とほぼ一定している。2003 年がそれ以降のほぼ半数であった理由は不明である。
一方で近年3年間に見られる株数の減少は、それぞれの株が大きくなるにつれて近接した株同士が見た目
上で合体した可能性がある。柵外では 106、110、111、144、128 株と推移しており、変化に一定の傾向は
見出せない。
シャジクソウ、シコタンヨモギ、チシマセンブリ、およびヒメエゾネギの生育段階別の個体数を検討す
ると、表3から6に示した 2003 年から 2006 年の結果に比べるて、2007 年(表7)は柵内において、シコ
タンヨモギとチシマセンブリの個体数、ヒメエゾネギの花茎数の増加が目立った。シコタンヨモギでは未
開花段階の個体数が、逆にチシマセンブリにおいては開花段階の個体の増加が目立った。ヒメエゾネギの
花茎は柵内では 2005 年より 1000 本近く増加し、これまでの 5 年間でもっとも多かった。これらに対して
柵外ではシコタンヨモギの未開花個体が大きく増加した以外は、2006 年までと大きな変化はなかった。
さらに、防鹿柵内外に生育している種のリストを表8に示した。2003 年から 2007 年において、柵内に
38
生育する種数は 23、28、30、33、33 種へと推移した。一方柵外においては、29、28、29、30、29 種へと
推移していた。柵内では種の出入りがあるものの、全体として少しずつ種数が増加する傾向にあるといえ
る。その一方で、柵外では同じく種の出入りが若干はあるものの、30 種程度で一定している。
なおこのうち、2004 年までは柵内外で生育していたエゾノユキヨモギが 2005 年には消滅し、ヒロハウ
ラジロヨモギが新たに出現しているが、本年の確認では、再びエゾノユキヨモギとおぼしき標本のみが確
認されている。しかし、風衝地であることに加えて柵外ではシカの採食圧も依然として高いために、植物
高が低くて不完全な標本しか得られないことから、例年、同定に困難さが付きまとっている。そこで、今
後も当面はヒロハウラジロヨモギの 1 種として暫定的に取り扱い、特に柵内で植生が回復した場合に、よ
り完全な標本で同定する時期を待ちたい。
3-2.セリ科草本が出現する山地高茎草本群落に関する植生モニタリング
エオルシに設置された 10 ヵ所の固定方形区における、2003 年から 2007 年までの植生調査の結果を表
9-1 と 2 に示した。なお、柵の設置以前の 2002 年に調査した際のデータも参考までに掲載した。
復元の目標としているセリ科草本植物について検討すると、2007 年と 2006 年とを比較した場合、量的
に多いカラフトニンジンとエゾノシシウドの 2 種のうちで、エゾノシシウドの優占度が増加している傾向
がある。すなわち方形区3、4、5、7、8、9、と10で前年度の優占度を上回っていた。カラフトニ
ンジンでは顕著な変化は見られなかった。マルバトウキでも、同様に目だった増減が観察されなかった。
エゾノヨロイグサは防鹿柵を設置した 2002 年にはわずかに生育していたものの、その後は消滅したままで
推移している。
セリ科以外の種に関して検討すると、2007 年に目立った増加傾向にあった種は特に認められなかった。
2007 年に新たに出現した分類群は、オオヨモギとエゾノユキヨモギであった。これらは前者が母種で後者
はその変種に相当するので、種としては1種である。
群落全体の属性のうちで群落高の平均値は、2002 年から 2006 年にかけて、36.6cm、74.0cm、59.0cm、
66.6cm、87.3cm であったものが、2007 年には 103.5cm に上昇した。植被率の平均値は、2002 年
には 89%であったが 2003 年以降は全ての方形区でほぼ 100%である。平均出現種数は 2002 年から 2006
年にかけて 10.1 種、10.8 種、9.4 種、10.9 種、11.7 種であったものが 2007 年には 12.4 種になり、こ
れまでで最も多くなった。外来種の状況に昨年までとの顕著な変化は見られなかった。
以上の結果を総じて見た場合には、2007 年度には前年と比べて大きな変化は認められなかったものの、
群落高と出現種数が確実に増加しつつあり、緩やかに群落が発達しているといえる。また組成や優占度で
は表現できないものの、エゾノシシウドの開花結実個体は確実に増加している(図2)。またシレトコト
リカブトとナガバキタアザミの開花個体も観察されるなど、知床岬地区本来の高茎草本の生育段階が進ん
でいる。
39
図 2 エオルシにおいて結果したエゾノシシウドと開花したシレトコトリカブト
3-3.シレトコトリカブトを含む亜高山高茎草本群落における植生モニタリング
1980 年代まで知床岬の海岸台地上の草原を特徴づけていた希少種の一種であるシレトコトリカブトを
多く含む亜高山高茎草原(多種草原)は、主に台地縁の土壌が発達した急斜面に成立していた。しかしな
がら、この群落は、ガンコウラン群落や山地高茎草本群落とともに、エゾシカによる採食を被り、現在で
はシレトコトリカブトはほとんど認められなくなった。この群落を再生するために、2004 年 7 月に、岬の
東側(根室側)において台地草原から森林に移行する部分で、台地背後の斜面に成立したトウゲブキ優占
群落に 20m×20m の防鹿柵を設置した。
設定初年度の 2004 年 7 月 20 日には最初の調査が実施され、柵内に6ヶ所の固定方形区、柵外にシカの
採食圧を引き続き受ける対照区として3ヶ所の固定方形区を設置した。2004 年の調査は、柵の設置がすで
に植物の生育期後半に入っていたことと柵の設置直後に調査が行われたことから、柵の効果は現れないと
考えられ、実質的に 2005 年からが柵の効果を検証する調査となった。したがって 2007 年度は、柵の設置
後3シーズン目(以下、3年目と記述する)に当たる。
柵内における6ヶ所の固定方形区のうちで、3ヶ所(SA1∼SA3)は現状に操作を加えずに植生の実態を
記録した。残りの3ヶ所(SA4∼SA6)においては、最初の植生データを記録した 2004 年の調査の後に、優
占するトウゲブキの地上部を刈り取った。また SA7∼SA9 は、対照区として防鹿柵外に設定した方形区であ
る。
表 10−1 から表 10−3 に、防鹿柵設置後3年が経過した 2007 年の状況を、過去と対比して示した。防鹿
柵を設置した 2004 年当初の状況は、防鹿柵内には 43 種の植物が、また柵外には 31 種が生育しており、い
ずれにもトウゲブキが優占していた。このほかに、オオウシノケグサ、エゾオオバコ、エゾクサイチゴ、
シレトコトリカブト、ヤマカモジグサ、オオスズメノカタビラ、カラフトイチゴツナギ、ミミコウモリお
よびハナイカリがいずれかの方形区において優占度2以上で多く出現した。この防鹿柵を設置する目的と
した亜高山性高茎草本種としては、シレトコトリカブトのほかにタカネスイバ、ナガバキタアザミとヒメ
ハナワラビが生育していた。またアキカラマツ、ヤマブキショウマ、オオヨモギ、エゾボウフウ、アキタ
ブキやツリガネニンジンなどの山地高茎草本種、ならびにハナイカリ、エゾフウロ、エゾノコギリソウ、
マルバトウキやエゾノシシウドなどの海岸性高茎草本も生育していた。なお、9方形区すべてにおいて、
帰化植物のセイヨウタンポポが、また6方形区でオオスズメノカタビラが生育していることからも、この
40
トウゲブキ群落の現状は、知床岬に本来あったものではないことが理解できる。
2004 年からの変化を以下にまとめると、防鹿柵内でトウゲブキを刈り取らなかった SA1 から SA3 におい
ては、群落高が設定時点の 2004 年以降、57.3cm、79.3cm、101.0cm、100.3cm と増加傾向にあった。植被
率は過去 3 ヵ年とも 100%であったが、2007 年には SA2 で 90%とやや低下していた。出現種数は 23.7 種、
27.7 種、33.0 種、31.7 種と増加傾向にあった。2007 年に新たに確認された在来種はなかった。
トウゲブキを刈り取った SA4 から SA6 においては、刈り取る以前の 2004 年の平均の群落高が 63.7cm で
あったのに対して、2005 年以降は 76.0cm、81.0cm、74.7cm と推移した。また植被率は 100%(2004 年の
刈り取り以前の状況)、83.3%、95.0%、98.3%と推移している。出現種数は 2004 年以来 16.7 種、25.3
種から 2006 年に 33.0 種と増加したが、2007 年はやや低下して 28.3 種であった。ここでは、全般にトウ
ゲブキの回復が著しかった。
この仕様の3方形区のいずれかで新たに確認された在来種は、
ハマハタザオ、
オトギリソウ、ホタルサイコとカヤツリグサ科の一種であったものの、最後の種は種名が確定できなかっ
た。
一方で防鹿柵外の SA7 から SA9 においては、2004 年以降を比較すると、群落高が順に 55.7cm、63.3cm、
69.0cm、61.7cm に、植被率は 100%、88.3%、86.7%、90%に変化しており、柵内の 6 方形区に比べてい
ずれも変化に乏しかった。ただし出現種数は 19.7 種、20.7 種、23.7 種、24.3 種と推移しており、やや増
加傾向にあった。2007 年に新たに出現した在来種はハンゴンソウ、レブンコザクラとカヤツリグサ科の一
種であったものの、最後の種は種名が確定できなかった。
さらに、ガンコウラン群落と同様に、ここでも防鹿柵内外において同面積の 20m×20m を目安にして、生
育している植物の目録を作成した(表 11)。柵内では 56 種が、また柵外では 42 種が生育しており、2006
年に比較すると柵内では 2 種減少し、柵外では 3 種が増加した。
なお、以上の調査結果の記述において、表 10 と表 11 中のエゾフウロ、ツリガネニンジン、キツネノボ
タンとした3種は、2007 年の調査においてはそれぞれチシマフウロ、モイワシャジン、シコタンキンポウ
ゲの可能性もある標本が得られているものの、過年度の標本ではエゾフウロ、ツリガネニンジン、キツネ
ノボタンと同定されていた。回復途上の小サイズの個体が主体であるために同定に十分な形質が得られな
いことも多いことから、当面はエゾフウロ、ツリガネニンジン、キツネノボタンで一括し、今後、十分な
標本が得られた場合に種名を確定する。
総じてみると、防鹿柵が設置されて実質的に3シーズン目に相当する 2007 年の時点の状況は、2006 年
度とほとんど変化がなかったといえる。
単純に防鹿柵内外を比較すれば、
防鹿柵内の6方形区では群落高、
植被率、出現種数ともに柵外に比べて高い値を示していることから、柵の効果はあると判断できるといえ
る。しかし、現時点ではこの防鹿柵が復元のターゲットとしているシレトコトリカブトやナガバキタアザ
ミなどの亜高山高茎草本の種の回復は顕著とはいえない。防鹿柵設置後5年目が経過したエオルシの柵内
では、この 2 種が図 2 に示したように開花段階に到達していて回復が顕著であることと、本実験区の経過
は好対照である。
このことに関連して、防鹿柵を設置する以前にこの場所に優占していたトウゲブキの生育が注目される。
柵の設置時点でトウゲブキを刈り取った SA4 から SA6 においてもすでに本種が回復していることは、他の
在来種の回復を阻害している可能性も考えられる。この点に関しては、今後のモニタリング結果も踏まえ
て適否を判断し、場合によっては再度の刈り取り処理が必要かもしれない。
41
4.今後のモニタリング手法の整理
ガンコウラン群落と山地高茎草本群落で防鹿柵の設置後5年間が経過し、亜高山高茎草本群落では実質
的には 3 年が経過した段階にある。在来種の回復は緩やかに進行しており、今後とも長い期間のモニタリ
ングが求められる。今後のモニタリングを考えた場合、実効性が担保されるとともになるべくシンプルな
手法によることが、長期間には何よりも重要となる。この点に関して以下に整理する。
ガンコウラン群落において、柵外の固定方形区の位置が不明になったことから、そこに生育する株を写
真撮影して面積の変化を調査する項目は、今年度の調査項目から削除した。ガンコウランの株面積の増大
に関しては、防鹿柵内全体で、また柵外では 15m×15m の範囲全体を対象として、すべてのガンコウランの
株の長径と短径を計測している。この項目によって、今年度の表2にも記載しているとおり柵内でのガン
コウラン株の面積増加は明瞭に捕らえられている。したがって、2008 年以降、柵内を含めて固定方形区に
おける写真を用いた面積推定は不要といえる。以上よりガンコウラン群落では、写真によるガンコウラン
株の面積以外の従前の調査項目、すなわち1)方形区内に生育する種の植生調査、2)防鹿柵内外におけ
る全ガンコウラン株の株面積、シャジクソウ、チシマセンブリとシコタンヨモギ3種の個体数、ヒメエゾ
ネギの花茎数の調査、および3)柵内外における出現種リスト、の3点を継続することが必要である。
エオルシに位置する山地高茎草本群落では従来どおり、防鹿柵内の 10 方形区で植生調査を継続する。根
室側の亜高山高茎草本群落においては、防鹿柵内 6 方形区と柵外 3 方形区での植生調査を継続するととも
に、柵内全体と柵外 20m×20m の範囲内での出現種リストを継続して作成することが必要といえる。
文献
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SAS Institute Inc.(1994)
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Institute Inc.
42
SAS
43
Empetrum nigrum var. japonicum ** ガンコウラン
Festuca ovina ウシノケグサ
Plantago camtschatica エゾオオバコ
Swertia tetrapetala チシマセンブリ
Potentilla stolonifera ツルキジムシロ
Carex caryophyllea var. microtricha チャシバスゲ
Elymus molis ハマニンニク
Polygonatum humile ヒメイズイ
Rosa rugosa ハマナス
Thalictrum minus var. hypoleucum アキカラマツ
Viola mandshurica スミレ
Galium verum var. trachycarpum エゾカワラマツバ
Peucedanum terebinthaceum カワラボウフウ
Primula modesta var. matsumurae レブンコザクラ
Artemisia laciniata シコタンヨモギ
Artemisia japonoca var. macrocephala ハマオトコヨモギ
Trifolium lupinaster シャジクソウ
Allium schoenoprasum var. yezomonticola ヒメエゾネギ
Deschampsia caespitosa var. festucasfolia ヒロハノコメススキ
Potentilla nipponica ヒロハノカワラサイコ
Adenophora triphylla var. japonica ツリガネニンジン
Equisetum arvense スギナ
Dianthus superbus エゾカワラナデシコ
Artemisia koidzumii ヒロハウラジロヨモギ
Viola sacchalinensis アイヌタチツボスミレ
Hypericum sp. オトギリソウ属の一種
Setaria viridis var. pachystachys ハマエノコロ
inside
3v
4 fr
1v
.
1 fl
1v
1v
.
.
.
+v
1v
.
+ fr
2 fl
.
.
1 fl
.
1 fl
.
.
.
.
.
.
.
2v
3 fr
1 fr
1 fl
1v
.
+v
.
.
.
1v
1v
1v
1 fr
+v
.
.
1 fl
.
1v
.
.
.
.
.
.
.
+v
4 fr
1 fr
1 fl
1v
1v
.
.
2 fr
.
.
1v
2 fl
.
1v
2 fl
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
+v
.
.
1v
1v
.
.
1v
1v
+v
1 fl
.
2 fl
.
.
.
.
.
.
.
1v
4 fr
2 fr
1 fl
1v
.
1
2
3
4
161
162
163
164
P
P
R
R
07
07
07
07
Aug 8 Aug 8 Aug 8 Aug 8
13
13
13
13
23
30
18
21
90
65
95
70
12
13
11
14
A
1v
5 fr
2 fr
1 fl
2v
1v
.
.
.
.
.
1 fl
1v
1 fr
+v
.
2v
1v
.
1v
.
.
.
+v
.
.
.
.
1v
.
.
.
1v
.
.
.
.
+ fr
.
.
.
.
.
.
2 fr
.
1 fl
.
.
.
.
.
.
.
.
1 fr
.
.
.
1v
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
2 fl
.
1 fl
1 fl
.
.
.
.
.
.
B
5
6
7
165
166
174
R
P
R
07
07
077
Aug 8 Aug 8 Aug 8
13
13
13
NW
80
4
23
16
20
90
25
25
15
5
5
*A:Empetrum nigrum var. japonicum community ガンコウラン群落、B:Allium schoenoprasum var. yezomonticola community ヒメエゾネギ群落
** Dominancy and phenological characters (fr: in fruit, fl: in flower, v: vegetative)
*** a:高山植物、m:海浜植物、n:帰化植物
m
m
a
a
m
a&m
a
a
m
m
m
a***
a
m
a&m
Inclunation (°) 傾斜角
Max height of community (cm) 群落高
Cover (%) : Herb layer 草本層植被率
Number of species 出現種数
Exposure (°) 方位
Plant community 植物群落 *
Quadrat number 方形区番号
Original quadrat number 調査番号
Permanent (P) / Random (R) quadrat
Date of observation 調査月日
1v
4 fr
1v
.
+v
1v
.
.
.
.
+v
+v
.
.
1v
.
.
1v
+v
1 fl
1v
+v
.
.
+v
.
.
1v
4 fr
2v
.
1v
1v
.
.
.
.
1v
+v
.
1v
+v
.
.
1v
+v
1v
.
.
.
.
.
.
+v
8
9
167
168
P
P
07
07
Aug 8 Aug 8
13
13
17
18
65
70
14
14
.
4 fr
+v
.
+v
1v
.
.
.
.
+v
1v
+v
.
.
.
.
+v
.
.
+v
.
.
.
+v
.
.
.
4 fr
1 fr
.
+v
1v
.
.
.
.
+v
+v
.
.
.
+v
.
1v
.
1v
+v
+v
.
.
+v
.
.
.
4 fr
2 fr
.
+v
.
+v
.
.
.
+v
+v
.
1 fr
.
.
+v
1v
.
1v
.
.
.
.
+v
+v
.
outside
A
10
11
12
171
172
173
R
R
R
07
07
07
Aug 8 Aug 8 Aug 8
13
13
13
21
15
19
75
70
75
10
12
13
.
1 fr
.
.
.
+v
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
1 fl
.
1 fl
.
.
.
.
.
.
.
.
+ fr
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
2 fr
.
+v
.
+v
.
.
.
.
.
B
13
14
169
170
P
R
07
07
Aug 8 Aug 8
13
13
NW
70
7
11
13
15
20
4
4
表1 知床岬アブラコ湾上部、防鹿柵設置試験地における植生(ガンコウランを中心にした固定方形区、2007年)
Table 1 Differences of plant performance between the inside and the outside of the fence protecting Empetrum nigrum var. japonica from shika deer in Cape Shiretoko,
2007.
表2 2003年以降の防鹿柵内外におけるガンコウラン株の大きさ分布の変化
Table 2 Change of size class distributions of E. nigrum var. japonica inside and outside of the fence since 2003.
inside
outside
2
Size(cm )
2003
2004
2005
2006
2007
2003
2004
2005
2006
2007
9
-10
6
10
15
10
9
19
32
40
56
24
-25
17
21
15
5
4
47
40
34
42
31
-50
23
32
18
9
5
30
26
25
32
39
-100
20
46
28
20
12
9
10
12
14
21
-200
9
35
38
29
21
1
2
0
0
4
-300
2
9
28
22
6
0
0
0
0
0
-400
3
10
7
12
13
0
0
0
0
0
-500
0
0
4
13
10
0
0
0
0
0
-1000
0
0
9
30
46
0
0
0
0
0
>1000
0
0
4
8
30
0
0
0
0
n
80
163
166
158
156
106
110
111
144
128
65.3
102.7
180.5
339.6
674.8
20.9
23.7
23.4
22.1
64.4
Average(cm2)
44
表3 防鹿柵内外における高山植物4種の個体数と生育段階(2003年)
Table 3 Differences of performances in four alpine species between the inside and the outside of the fence in 2003.
inside
in flower vegetative
Trifolium lupinaster
Artemisia laciniata
Swertia tetrapetala
Numbers of pedunlces of Allium
schoenoprasum var. yezomonticola
outside
in flower vegetative
シャジクソウ
シコタンヨモギ
チシマセンブリ
14
4
129
17
21
0
2
1
60
19
19
0
ヒメエゾネギ
784
-
0
-
表4 防鹿柵内外における高山植物4種の個体数と生育段階(2004年)
Table 4 Differences of performances in four alpine species between the inside and the outside of the fence in 2004.
inside
in flower vegetative
Trifolium lupinaster
Artemisia laciniata
Swertia tetrapetala
Numbers of pedunlces of Allium
schoenoprasum var. yezomonticola
outside
in flower vegetative
シャジクソウ
シコタンヨモギ
チシマセンブリ
12
3
78
88
87
0
0
0
9
51
45
0
ヒメエゾネギ
978
-
84
-
表5 防鹿柵内外における高山植物4種の個体数と生育段階(2005年)
Table 5 Differences of performances in four alpine species between the inside and the outside of the fence in 2005.
inside
in flower vegetative
Trifolium lupinaster
Artemisia laciniata
Swertia tetrapetala
Numbers of pedunlces of Allium
schoenoprasum var. yezomonticola
outside
in flower vegetative
シャジクソウ
シコタンヨモギ
チシマセンブリ
28
10
180
110
244
2
1
16
14
62
115
1
ヒメエゾネギ
781
-
11
-
表6 防鹿柵内外における高山植物4種の個体数と生育段階(2006年)
Table 6 Differences of performances in four alpine species between the inside and the outside of the fence in 2006.
inside
in flower vegetative
Trifolium lupinaster
Artemisia laciniata
Swertia tetrapetala
Numbers of pedunlces of Allium
schoenoprasum var. yezomonticola
outside
in flower vegetative
シャジクソウ
シコタンヨモギ
チシマセンブリ
66
24
402
259
280
2
2
7
8
56
133
8
ヒメエゾネギ
1201
-
31
-
表7 防鹿柵内外における高山植物4種の個体数と生育段階(2007年)
Table 7 Differences of performances in four alpine species between the inside and the outside of the fence in 2006.
inside
in flower vegetative
Trifolium lupinaster
Artemisia laciniata
Swertia tetrapetala
Numbers of pedunlces of Allium
schoenoprasum var. yezomonticola
outside
in flower vegetative
シャジクソウ
シコタンヨモギ
チシマセンブリ
25
8
840
210
419
0
1
11
3
50
390
0
ヒメエゾネギ
2190
-
26
-
45
表8 ガンコウラン群落における出現種
Table 8 Species list of E. nigrum var. japonicum community.
03
m
Equiasetum arvense
スギナ
Pteridium aquilinum var. latiusculum
ワラビ
Dianthus superbus
エゾカワラナデシコ
Stellaria ruscifolia
シコタンハコベ
Thalictrum minus var. hypoleucum
アキカラマツ
Potentilla nipponica
ヒロハノカワラサイコ
Potentilla stolonifera
ツルキジムシロ
Rosa rugosa
ハマナス
Sanguisorba tenuiflora var. alba
ナガボノシロワレモコウ
a&m Trifolium lupinaster
Geraanium yesoense
m
Empetrum nigrum var. japonicum
a
m
m
a
a
a
m
a
a
m
m
a
m
m
a
m
m
ガンコウラン
オトギリソウ
Viola mandshurica
スミレ
Viola sacchalinensis
アイヌタチツボスミレ
Ligusticum hultenii
マルバトウキ
Peucedanum terebinthaceum
カワラボウフウ
Galium verum var. trachycarpum
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
エゾフウロ
Hypericum erectum
Primula modesta var. matsumurae
a
a&m Swertia tetrapetala
m
シャジクソウ
○
○
レブンコザクラ
チシマセンブリ
エゾカワラマツバ
Plantago camtschatica
エゾオオバコ
Adenophora triphylla var. japonica
ツリガネシニンジン
Artemisia japonica var. macrocephala
ハマオトコヨモギ
Artemisia laciniata
シコタンヨモギ
Artemisia montana var. shiretokoensis
エゾノユキヨモギ
Artemisia schmidtiana
アサギリソウ
Liguraria hodgsonii
トウゲブキ
Elymus mollis
ハマニンニク
Festuca ovina
ウシノケグサ
○
○
○
Deschampsia caespitosa var. festucasfolia
ヒロハノコメススキ
Carex humilis var. nana
ホソバヒカゲスゲ
Carex macrocephala
エゾノコウボウムギ
Carex caryophyllea var. microtricha
チャシバスゲ
○
○
○
Allium schoenoprasum var. yezomonticola ヒメエゾネギ
Polygonatum humile
ヒメイズイ
Artemisia koidzumii
ヒロハウラジロヨモギ
Taraxacum officinale
セイヨウタンポポ
Thermopsis lupinoides
センダイハギ
Agrostis flaccida
ミヤマヌカボ
Pedicularis schistostegia
ネムロシオガマ
Setaria viridis var. pachystachys
ハマエノコロ
Scutellaria strigillosa
ナミキソウ
Luzula capitata
スズメノヤリ
inside
05
○
○
○ ○
○
04
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Total 合計
23
a:高山植物、m:海浜植物
☆:地上部が枯れていた。
46
28
30
06
○
○
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33
07
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33
03
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outside
04 05 06
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☆
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07
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
29
28
29
30
30
47
Inclination (°) 傾斜角
Max. height of community (cm) 群落高
Coverage (%): Herb layer 草本層植被率
Number of species 出現種数
Umbelliferae plants セリ科植物
Conioselinum kamtschaticum カラフトニンジン
Ligusticum hultenii マルバトウキ
Coelopleurum lucidum var. gmelinii エゾノシシウド
Angelica sachalinensis エゾノヨロイグサ
Other families 他科の植物
Plantago camtschatica エゾオオバコ
Festuca rubra オオウシノケグサ
Poa macrocalyx var. scabriflora カラフトイチゴツナギ
Stellaria ruscifolia シコタンハコベ
Galium verum var. trachycarpum エゾノカワラマツバ
Carex gmelinii ネムロスゲ
Achillea ptarmica var. macrocephala エゾノコギリソウ
Aconitum maximum var. misaoanum シレトコトリカブト
Artemisia japonica var. macrocephala ハマオトコヨモギ
Vicia cracca クサフジ
Scutellaria strigillosa ナミキソウ
Senecio cannabifolius ハンゴンソウ
Poa trivialis オオスズメノカタビラ
Elymus dahuricus ハマムギ
Sagina maxima ハマツメクサ
Scrophularia grayana エゾヒナノウスツボ
Linaria japonica ウンラン
Taraxacum officinale セイヨウタンポポ
Artemisia laciniata シコタンヨモギ
Chenopodium ficifolium コアカザ
Stellaria media コハコベ
Rumex montanus タカネスイバ
Erigeron canadensis ヒメムカシヨモギ
Capsella bursa-pastoris ナズナ
Plantago asiatica オオバコ
Labiatae sp. シソ科の1種
Picris hierachioides var. glabrescens コウゾリナ
Myosotis scorpioides ワスレナグサ
Cacalia hastata var. orientalis ヨブスマソウ
Fragaria yezoensis エゾクサイチゴ
Saussurea riederi var. yezoensis ナガバキタアザミ
Geranium yesoense エゾユウロ
Moehringia lateriflora オオヤマフスマ
Senecio pseudo-arnica エゾオグルマ
Allium schoenoprasum var. yezomonticola ヒメエゾネギ
Hemerocallis エゾカンゾウ
Artemisia montana オオヨモギ
Artemisia montana var.shiertokoensis エゾノユキヨモギ
Quadrat number 方形区番号
Year of observation 観察年 *
Altitude (m) 標高
Exposure (°) 方位
03
74
100
10
1
+
+
・
3
1
1
・
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・
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・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
02
23
NW
15
22
30
90
11
+
+
2
・
2
1
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・
・
・
・
・
・
・
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・
・
2
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・
・
・
1
+
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
3
2
2
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
3
1
1
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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1
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3
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・
・
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・
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・
・
3
・
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・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
2
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・
1
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65
56
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11
3
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・
・
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・
+
1
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・
・
3
・
1
1
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
1
1
1
・
06
89
100
14
2
2
2
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・
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・
・
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・
・
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・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
1
・
2
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1
・
07
95
100
15
2
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+
・
・
・
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・
・
2
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・
・
・
・
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・
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・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
2
・
02
23
NW
15
27
30
80
7
3
2
2
1
・
2
1
・
・
・
・
・
・
2
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70
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13
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・
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・
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61
59
100 100
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2
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100
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・
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・
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・
・
・
・
・
・
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02
23
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・
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・
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57
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11
3
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+
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・
1
・
・
・
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1
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3
・
06
60
100
12
表9-1 知床岬におけるエゾシカ防護柵設置後の植生変化(エゾヒグマの嗜好食物セリ科を中心にした永久方形区、2002∼2007年)
Table 9-1 Vegetation change of the permanent quadrats in montane glassland protected by the fence in Eorushi from 2002 to 2007.
・
+
2
・
2
・
・
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・
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・
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NE
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73
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3
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4
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+
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95
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13
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・
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・
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・
2
・
02
25
NW
40
5
37
100
12
3
・
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・
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4
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・
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1
1
・
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07
104
95
11
48
Inclination (°) 傾斜角
Max. height of community (cm) 群落高
Coverage (%): Herb layer 草本層植被率
Number of species 出現種数
Umbelliferae plants セリ科植物
Conioselinum kamtschaticum カラフトニンジン
Ligusticum hultenii マルバトウキ
Coelopleurum lucidum var. gmelinii エゾノシシウド
Angelica sachalinensis エゾノヨロイグサ
Other families 他科の植物
Plantago camtschatica エゾオオバコ
Festuca rubra オオウシノケグサ
Poa macrocalyx var. scabriflora カラフトイチゴツナギ
Stellaria ruscifolia シコタンハコベ
Galium verum var. trachycarpum エゾノカワラマツバ
Carex gmelinii ネムロスゲ
Achillea ptarmica var. macrocephala エゾノコギリソウ
Aconitum maximum var. misaoanum シレトコトリカブト
Artemisia japonica var. macrocephala ハマオトコヨモギ
Vicia cracca クサフジ
Scutellaria strigillosa ナミキソウ
Senecio cannabifolius ハンゴンソウ
Poa trivialis オオスズメノカタビラ
Elymus dahuricus ハマムギ
Sagina maxima ハマツメクサ
Scrophularia grayana エゾヒナノウスツボ
Linaria japonica ウンラン
Taraxacum officinale セイヨウタンポポ
Artemisia laciniata シコタンヨモギ
Chenopodium ficifolium コアカザ
Stellaria media コハコベ
Rumex montanus タカネスイバ
Erigeron canadensis ヒメムカシヨモギ
Capsella bursa-pastoris ナズナ
Plantago asiatica オオバコ
Labiatae sp. シソ科の1種
Picris hierachioides var. glabrescens コウゾリナ
Myosotis scorpioides ワスレナグサ
Cacalia hastata var. orientalis ヨブスマソウ
Fragaria yezoensis エゾクサイチゴ
Saussurea riederi var. yezoensis ナガバキタアザミ
Geranium yesoense エゾユウロ
Moehringia lateriflora オオヤマフスマ
Senecio pseudo-arnica エゾオグルマ
Allium schoenoprasum var. yezomonticola ヒメエゾネギ
Hemerocallis エゾカンゾウ
Artemisia montana オオヨモギ
Artemisia montana var.shiertokoensis エゾノユキヨモギ
Quadrat number 方形区番号
Year of observation 観察年 *
Altitude (m) 標高
Exposure (°) 方位
03
72
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2
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2
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・
・
・
・
02
25
NW
10
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・
・
3
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04
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12
・
1
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・
・
1
1
・
+
1
・
・
・
・
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・
・
・
1
1
・
・
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・
5
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2
・
1
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・
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・
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・
3
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・
・
・
・
+
+
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
2
・
07 02
- 25
- SE
- 10
2
120 32
100 80
14 10
1
・
2
・
1
・
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・
+
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2
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2
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3
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・
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・
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・
・
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2
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03
83
100
8
1
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4
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2
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1
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3
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3
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2
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2
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2
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2
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7
04 05
56 66
100 95
8
9
+
1
2
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3
・
・
・
2
+
・
・
+
1
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1
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・
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・
・
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・
・
・
・
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3
・
06
79
95
11
・
1
3
1
4
・
・
・
3
1
1
・
・
1
・
・
1
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・
・
1
・
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4
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1
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2
・
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2
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2
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2
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・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
3
・
07
02
- 26
- SW
- 35
- 13
120 42
100 90
10
9
2
2
・
1
1
・
・
・
・
・
・
・
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2
・
・
1
・
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3
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
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・
2
・
03
75
100
8
2
2
3
1
・
・
・
・
1
・
・
・
・
・
・
・
+
+
・
・
・
・
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・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
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+
・
3
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04
45
100
9
8
1
2
2
1
2
・
・
・
2
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・
・
・
・
・
・
+
+
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・
+
・
・
・
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・
2
・
4
・
05
58
100
11
1
2
2
1
2
・
・
・
1
・
・
・
・
・
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1
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+
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・
1
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4
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06
101
95
11
1
3
4
1
2
・
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・
2
2
1
・
・
・
・
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1
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・
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・
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・
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・
・
・
・
・
・
1
・
・
・
・
・
1
・
5
・
110
100
13
07
表9-2 知床岬におけるエゾシカ防護柵設置後の植生変化(エゾヒグマの嗜好食物セリ科を中心にした永久方形区、2002∼2007年)
Table 9-2 Vegetation change of the permanent quadrats in montane glassland protected by the fence in Eorushi from 2002 to 2007.
1
・
3
1
2
・
・
・
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+
・
・
2
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・
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2
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+
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・
・
・
・
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・
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・
1
・
02
24
S
8
8
40
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11
2
1
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10
2
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2
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+
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9
04
67
100
9
2
+
2
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・
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2
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2
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・
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・
05
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90
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1
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・
1
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+
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・
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・
・
・
・
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・
06
93
95
11
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4
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・
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・
2
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2
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100
13
07
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・
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+
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
1
・
02
24
SW
75
10
32
100
12
2
・
1
2
1
・
・
・
+
・
1
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+
3
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・
+
・
2
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・
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・
・
・
・
・
・
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03
77
100
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2
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・
10
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80
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8
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・
1
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・
・
・
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・
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+
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・
・
1
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+
・
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13
・
2
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・
1
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・
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・
1
・
07
70
100
13
表10-1 知床岬における亜高山高茎草本群落に設置した防鹿柵に設定した固定方形区の植生
Table 10-1 Vegetation of the permanent quadrats located inside of the fence for subalpine grassland species in the
Cape Shiretoko.
inside
Inside or outside of the enclosure
Permanent quadrat number 永久方形区番号
Altitude (m) 標高
Exposure (°) 方位
Inclination (°) 傾斜角
Max. height of community (cm) 群落高
Cover (%) of Herb layer 草本層植被率
Number of species 出現種数
Aconitum maximum var. misaoanum シレトコトリカブト
1
2
3
2004 2005 2006 2007 2004 2005 2006 2007 2004 2005 2006 2007
50
NE
NE
NE
60
60
60
25
18
18
60
68
69
85
50
72 102
66
62
98 132 150
100 100 100 100 100 100 100
90 100 100 100 100
20
23
28
28
24
34
38
34
27
25
33
33
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
Liguraria hodgsonii トウゲブキ (H-1)
4
4
Liguraria hodgsonii トウゲブキ (H-2)
・
2
Festuca rubra オオウシノケグサ
2
2
m Plantago camtschatica エゾオオバコ
1
+
Fragaria yezoensis エゾクサイチゴ
1
1
m Halenia corniculata ハナイカリ
1
1
Viola kusanoana オオタチツボスミレ
+
+
n Taraxacum officinale セイヨウタンポポ
+
+
Thalictrum minus var. hypoleucum アキカラマツ
1
1
a Rumex arifolius タカネスイバ
1
2
Aruncus dioicus var. kamtschaticus ヤマブキショウマ
1
+
Viola collina マルバケスミレ
1
1
m Geranium yesoense エゾフウロ
・
・
n Cerastium holosteoides オオミミナグサ
+
+
Geum macrophyllum var. sachalinense カラフトダイコンソウ
・
+
Vicia cracca クサフジ
+
1
m Sagina maxima ハマツメクサ
+
・
m Vicia japonica ヒロハクサフジ
・
・
r Poa annua スズメノカタビラ
・
・
Artemisia montana オオヨモギ
・
・
Maianthemum dilatatum マイヅルソウ
・
・
a Saussurea riederi var. yezoensis ナガバキタアザミ
・
+
m Achillea ptarmica var. macrocephala エゾノコギリソウ
・
1
Galium verum var. trachycarpum エゾノカワラマツバ
+
+
Acer mono イタヤカエデ
・
+
Vicia unijuga ナンテンハギ
・
・
Aegopodium alpestre エゾボウフウ
・
・
a Botrychium lunaria ヒメハナワラビ
・
・
Brachypodium sylvaticum ヤマカモジグサ
2
2
Petasites japonicus var. giganteus アキタブキ
1
2
r Stellaria media コハコベ
+
+
n Poa trivialis オオスズメノカタビラ
1
1
m Poa macrocalyx カラフトイチゴツナギ
・
・
Adenophora triphylla var. japonica ツリガネニンジン
・
・
m Ligusticum hultenii マルバトウキ
・
・
Valeriana fauriei カノコソウ
・
・
r Plantago asiatica オオバコ
・
・
Cacalia auriculata var. kamtschatica ミミコウモリ
・
・
Allium victorialis var. platyphyllum ギョウジャニンニク
・
・
Equiasetum arvense スギナ
・
・
m Artemisia japonica var. macrocephala ハマオトコヨモギ
・
・
Actaea asiatica ルイヨウショウマ
・
・
Rhus ambigua ツタウルシ
・
・
Viola sacchalinensis アイヌタチツボスミレ
・
・
m Coelopleurum lucidum var. gmelinii エゾノシシウド
・
・
Calamagrostis langsdorffii イワノガリヤス
・
・
m Elymus dahuricus ハマムギ
・
・
Trisetum sp. カニツリグサ属の1種
・
・
m Carex gmelinii ネムロスゲ
・
・
Luzula capitata スズメノヤリ
・
・
Solidago virga-aurea var. leiocarpa コガネギク
・
・
Arabis serrata var. japonica イワハタザオ
・
・
Potentilla stolonifera ツルキジムシロ
・
・
Cirsium kamtschaticum チシマアザミ
・
・
Gramineae sp. イネの1種
・
・
a Polygonum bistorta イブキトラノオ
・
・
Filipendula kamtschatica オニシモツケ
・
・
Ranunculus silerifolius キツネノボタン
・
・
Anaphalis margaritacea var. angustior ヤマハハコ
・
・
Epilobium sp. アカバナ属の1種
・
・
m Scutellaria strigillosa ナミキソウ
・
・
Angelica anomala エゾノヨロイグサ
・
・
Orchidaceae sp . ラン科の1種
・
・
n Cirsium vulgare アメリカオニアザミ
・
・
m Arabis stelleri var. japonica ハマハタザオ
・
・
Hypericum erectum オトギリソウ
・
・
Bupleurum longiradiatum forma. elatius ホタルサイコ
・
・
Senecio cannabifolius ハンゴンソウ
・
・
Primula modesta var. matsumurae レブンコザクラ
・
・
Carex sp. カヤツリグサ科の1種
・
・
a:高山から亜高山の植物、m:海浜植物、n:帰化植物、r:人里・路傍植物
5
2
3
・
1
+
1
1
1
1
+
1
+
+
+
1
・
+
・
・
+
・
・
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1
・
・
・
2
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+
2
+
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
+
+
・
・
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・
・
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・
+
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
4
3
4
・
1
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1
1
1
1
+
+
・
2
・
・
1
・
・
・
・
1
1
・
・
・
1
2
+
2
+
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
1
1
・
・
+
1
・
・
・
・
1
・
・
・
・
・
・
・
・
.
.
.
・
・
・
4
・
2
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1
1
1
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+
・
1
+
・
+
+
・
1
+
+
+
・
・
・
・
・
・
・
2
1
・
2
・
・
+
+
+
・
・
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・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
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・
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・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
4
1
2
+
1
1
1
+
1
+
+
+
+
+
+
1
・
1
・
+
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・
・
+
+
+
・
・
2
1
・
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1
・
+
+
+
・
・
・
・
・
・
・
+
・
1
+
1
+
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
4
2
3
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1
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1
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1
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+
2
・
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・
+
+
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+
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2
1
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・
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1
・
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4
3
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・
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・
・
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1
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1
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+
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1
1
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1
・
・
1
1
・
1
・
3
・
+
・
1
+
1
1
・
1
3
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・
1
・
・
・
・
4
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+
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・
1
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・
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・
・
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・
・
・
・
・
・
.
a
1
a
a
49
表10-2 知床岬における亜高山高茎草本群落に設置した防鹿柵に設定した固定方形区の植生
Table 10-2 Vegetation of the permanent quadrats located inside of the fence for subalpine grassland species in the
Cape Shiretoko.
Inside or outside of the enclosure
Permanent quadrat number 永久方形区番号
Altitude (m) 標高
Exposure (°) 方位
Inclination (°) 傾斜角
Max. height of community (cm) 群落高
Cover (%) of Herb layer 草本層植被率
Number of species 出現種数
a
Aconitum maximum var. misaoanum シレトコトリカブト
a
a
Liguraria hodgsonii トウゲブキ (H-1)
Liguraria hodgsonii トウゲブキ (H-2)
Festuca rubra オオウシノケグサ
Plantago camtschatica エゾオオバコ
Fragaria yezoensis エゾクサイチゴ
Halenia corniculata ハナイカリ
Viola kusanoana オオタチツボスミレ
Taraxacum officinale セイヨウタンポポ
Thalictrum minus var. hypoleucum アキカラマツ
Rumex arifolius タカネスイバ
Aruncus dioicus var. kamtschaticus ヤマブキショウマ
Viola collina マルバケスミレ
Geranium yesoense エゾフウロ
Cerastium holosteoides オオミミナグサ
Geum macrophyllum var. sachalinense カラフトダイコンソウ
Vicia cracca クサフジ
Sagina maxima ハマツメクサ
Vicia japonica ヒロハクサフジ
Poa annua スズメノカタビラ
Artemisia montana オオヨモギ
Maianthemum dilatatum マイヅルソウ
Saussurea riederi var. yezoensis ナガバキタアザミ
Achillea ptarmica var. macrocephala エゾノコギリソウ
Galium verum var. trachycarpum エゾノカワラマツバ
Acer mono イタヤカエデ
Vicia unijuga ナンテンハギ
Aegopodium alpestre エゾボウフウ
Botrychium lunaria ヒメハナワラビ
Brachypodium sylvaticum ヤマカモジグサ
Petasites japonicus var. giganteus アキタブキ
Stellaria media コハコベ
Poa trivialis オオスズメノカタビラ
Poa macrocalyx カラフトイチゴツナギ
Adenophora triphylla var. japonica ツリガネニンジン
Ligusticum hultenii マルバトウキ
Valeriana fauriei カノコソウ
Plantago asiatica オオバコ
Cacalia auriculata var. kamtschatica ミミコウモリ
Allium victorialis var. platyphyllum ギョウジャニンニク
Equiasetum arvense スギナ
Artemisia japonica var. macrocephala ハマオトコヨモギ
Actaea asiatica ルイヨウショウマ
Rhus ambigua ツタウルシ
Viola sacchalinensis アイヌタチツボスミレ
Coelopleurum lucidum var. gmelinii エゾノシシウド
Calamagrostis langsdorffii イワノガリヤス
Elymus dahuricus ハマムギ
Trisetum sp. カニツリグサ属の1種
Carex gmelinii ネムロスゲ
Luzula capitata スズメノヤリ
Solidago virga-aurea var. leiocarpa コガネギク
Arabis serrata var. japonica イワハタザオ
Potentilla stolonifera ツルキジムシロ
Cirsium kamtschaticum チシマアザミ
Gramineae sp. イネの1種
Polygonum bistorta イブキトラノオ
Filipendula kamtschatica オニシモツケ
Ranunculus silerifolius キツネノボタン
Anaphalis margaritacea var. angustior ヤマハハコ
Epilobium sp. アカバナ属の1種
Scutellaria strigillosa ナミキソウ
Angelica anomala エゾノヨロイグサ
Orchidaceae sp . ラン科の1種
Cirsium vulgare アメリカオニアザミ
Arabis stelleri var. japonica ハマハタザオ
Hypericum erectum オトギリソウ
Bupleurum longiradiatum forma. elatius ホタルサイコ
Senecio cannabifolius ハンゴンソウ
Primula modesta var. matsumurae レブンコザクラ
Carex sp. カヤツリグサ科の1種
m
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n
a
m
n
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r
a
m
a
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n
m
m
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m
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inside
4
5
6
2004 2005 2006 2007 2004 2005 2006 2007 2004 2005 2006 2007
(60)
(100)
21
50
75
26
63
90
35
68 (66)
100 (100)
30
15
95
75
24
88
95
32
63 (65)
95 (100)
27
20
83
100
26
92
100
32
93
100
28
1
1
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2
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・
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・
・
・
1
・
・
・
・
・
1
a:高山から亜高山の植物、m:海浜植物、n:帰化植物、r:人里・路傍植物
50
表10-3 知床岬における亜高山高茎草本群落に設置した防鹿柵の対照区の植生
Table 10-3 Vegetation of the permanent quadrats located outside of the fence for subalpine grassland species in
the Cape Shiretoko.
Inside or outside of the enclosure
Permanent quadrat number 永久方形区番号
Altitude (m) 標高
Exposure (°) 方位
Inclination (°) 傾斜角
Max. height of community (cm) 群落高
Cover (%) of Herb layer 草本層植被率
Number of species 出現種数
outside
7
8
9
2004 2005 2006 2007 2004 2005 2006 2007 2004 2005 2006 2007
NE
30
10
55
100
19
62
90
21
65
80
23
65
85
25
50
100
21
58
85
21
65
85
27
60
90
27
62
100
19
70
90
20
77
95
21
60
95
21
a
Aconitum maximum var. misaoanum シレトコトリカブト
1
+
・
+
1
+
・
・
2
+
・
・
a
a
Liguraria hodgsonii トウゲブキ (H-1)
Liguraria hodgsonii トウゲブキ (H-2)
Festuca rubra オオウシノケグサ
Plantago camtschatica エゾオオバコ
Fragaria yezoensis エゾクサイチゴ
Halenia corniculata ハナイカリ
Viola kusanoana オオタチツボスミレ
Taraxacum officinale セイヨウタンポポ
Thalictrum minus var. hypoleucum アキカラマツ
Rumex arifolius タカネスイバ
Aruncus dioicus var. kamtschaticus ヤマブキショウマ
Viola collina マルバケスミレ
Geranium yesoense エゾフウロ
Cerastium holosteoides オオミミナグサ
Geum macrophyllum var. sachalinense カラフトダイコンソウ
Vicia cracca クサフジ
Sagina maxima ハマツメクサ
Vicia japonica ヒロハクサフジ
Poa annua スズメノカタビラ
Artemisia montana オオヨモギ
Maianthemum dilatatum マイヅルソウ
Saussurea riederi var. yezoensis ナガバキタアザミ
Achillea ptarmica var. macrocephala エゾノコギリソウ
Galium verum var. trachycarpum エゾノカワラマツバ
Acer mono イタヤカエデ
Vicia unijuga ナンテンハギ
Aegopodium alpestre エゾボウフウ
Botrychium lunaria ヒメハナワラビ
Brachypodium sylvaticum ヤマカモジグサ
Petasites japonicus var. giganteus アキタブキ
Stellaria media コハコベ
Poa trivialis オオスズメノカタビラ
Poa macrocalyx カラフトイチゴツナギ
Adenophora triphylla var. japonica ツリガネニンジン
Ligusticum hultenii マルバトウキ
Valeriana fauriei カノコソウ
Plantago asiatica オオバコ
Cacalia auriculata var. kamtschatica ミミコウモリ
Allium victorialis var. platyphyllum ギョウジャニンニク
Equiasetum arvense スギナ
Artemisia japonica var. macrocephala ハマオトコヨモギ
Actaea asiatica ルイヨウショウマ
Rhus ambigua ツタウルシ
Viola sacchalinensis アイヌタチツボスミレ
Coelopleurum lucidum var. gmelinii エゾノシシウド
Calamagrostis langsdorffii イワノガリヤス
Elymus dahuricus ハマムギ
Trisetum sp. カニツリグサ属の1種
Carex gmelinii ネムロスゲ
Luzula capitata スズメノヤリ
Solidago virga-aurea var. leiocarpa コガネギク
Arabis serrata var. japonica イワハタザオ
Potentilla stolonifera ツルキジムシロ
Cirsium kamtschaticum チシマアザミ
Gramineae sp. イネの1種
Polygonum bistorta イブキトラノオ
Filipendula kamtschatica オニシモツケ
Ranunculus silerifolius キツネノボタン
Anaphalis margaritacea var. angustior ヤマハハコ
Epilobium sp. アカバナ属の1種
Scutellaria strigillosa ナミキソウ
Angelica anomala エゾノヨロイグサ
Orchidaceae sp. ラン科の1種
Cirsium vulgare アメリカオニアザミ
Arabis stelleri var. japonica ハマハタザオ
Hypericum erectum オトギリソウ
Bupleurum longiradiatum forma. elatius ホタルサイコ
Senecio cannabifolius ハンゴンソウ
Primula modesta var. matsumurae レブンコザクラ
Carex sp. カヤツリグサ科の1種
4
・
3
2
1
1
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1
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・
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+
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・
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・
・
・
4
・
3
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1
1
1
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1
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+
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・
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・
+
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・
・
・
・
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・
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・
・
・
・
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・
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・
・
・
・
・
・
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・
・
・
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・
・
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・
・
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2
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・
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・
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+
+
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1
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1
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3
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1
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1
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・
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+
1
+
・
+
+
+
・
・
・
・
・
・
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2
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・
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・
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・
+
5
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3
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2
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・
+
・
+
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・
・
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・
・
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・
3
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1
1
1
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1
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m
m
n
a
m
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r
a
m
a
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n
m
m
r
m
m
m
m
a
m
n
m
a:高山から亜高山の植物、m:海浜植物、n:帰化植物、r:人里・路傍植物
51
表11 シレトコトリカブト囲い込み区(岬の東側斜面)における植物目録
Table 11 Plant list in Liguraria hodgsonii community
2003
Aconitum maximum var. misaoanum
シレトコトリカブト
Thalictrum minus var. hypoleucum
アキカラマツ
Arabis
イワハタザオ
r
Capsella bursa-pastoris
ナズナ
Fragaria yezoensis
エゾクサイチゴ
Potenilla
ツルキジムシロ
Viola collina
マルバケスミレ
Viola
オオタチツボスミレ
Circaea alpina
ミヤマタニタデ
Aegopodium alpestre
エゾボウフウ
m
Halenia corniculata
ハナイカリ
m
Plantago camtschatica
エゾオオバコ
Galium verum var. trachycarpum
エゾカワラマツバ
m
Achillea ptarmica var. macrocephala
エゾノコギリソウ
Cacalia auriculata var. kamtschatica
ミミコウモリ
a
Liguraria hodgsonii
トウゲブキ
Senecio cannabifolius
ハンゴンソウ
Agrostis scabra
エゾヌカボ
Brachypodium sylvaticum
ヤマカモジグサ
Festuca rubra
オオウシノケグサ
r
Poa annua
スズメノカタビラ
m
Poa macrocalyx
カラフトイチゴツナギ
n
Poa trivialis
オオススズメノカラビラ
n
Taraxacum officinale
セイヨウタンポポ
a
Rumex arifolius
タカネスイバ
Aruncus dioicus var. kamtschaticus
ヤマブキショウマ
m
Geranium yesoense
エゾフウロ
n
Cerastium holosteoides
オオミミナグサ
Geum macrophyllum var. sachalinense
カラフトダイコウンソウ
Vicia cracca
クサフジ
m
Vicia japonica
ヒロハクサフジ
Maianthemum dilatatum
マイヅルソウ
a
Saussurea riederi var. yezoensis
ナガバキタアザミ
Vicia unijuga
ナンテンハギ
r
Stellaria media
コハコベ
Adenophora triphylla var. japonica
ツリガネニンジン
m
Senecio pseudo-arnica
エゾオグルマ
n
Cirsium vulgare
アメリカオニアザミ
a
Primula modesta var. matsumurae
レブンコザクラ
m
Scutellaria strigillosa
ナミキソウ
Artemisia montana
オオヨモギ
Ligusticum hultenii
マルバトウキ
Acer mono
イタヤカエデ
a
Botrychium lunaria
ヒメハナワラビ
Petasites japonicus var. giganteus
アキタブキ
Valeriana fauriei
カノコソウ
Allium victorialis var. platyphyllum
ギョウジャニンニク
m
Artemisia japonica var. macrocephala
ハマオトコヨモギ
m
Coelopleurum lucidum var. gmelinii
エゾノシシウド
Calamagrostis langsdorffii
イワノガリヤス
m
Elymus dahuricus
ハマムギ
Trisetum sp.
チシマカニツリ
Carex gmelinii
ネムロスゲ
Luzula capitata
スズメノヤリ
Solidago virga-aurea var. leiocarpa
コガネギク
Cirsium kamtschaticum
チシマアザミ
a
Polygonum bistorta
イブキトラノオ
Filipendula kamtschatica
オニシモツケ
Ranunculus silerifolius キツネノボタン
キツネノボタン
Hypericum erectum
オトギリソウ
Epilobium cephalostigma
イワアカバナ
Agrimonia japonica
キンミズヒキ
Picris hieracioides var. glabrescens
コウゾリナ
Urtica sp.
イラクサ科sp.
Conioselinum kamtschaticum
カラフトニンジン
m
Arabis stelleri var. japonica
ハマハタザオ
Bupleurum longiradiatum forma.elatius
ホタルサイコ
Anaphalis margaritacea var. angustior
ヤマハハコ
Equiasetum arvense
スギナ
Angelica anomala
エゾノヨロイグサ
Number of species
a:高山から亜高山の植物、m:海浜植物、n:帰化植物、r:人里、路傍植物
a
52
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2006
outside
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57
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23
2007
outside
○
○
39
56
○
○
42
Ⅲ.固定柵を用いたエゾシカ密度操作実験区の植生と採食量調査
山本悠子(東京農工大)
宮木雅美(道環研)
梶光一(東京農工大)
小平真佐夫(財団法人知床財団)
岡田秀明(財団法人知床財団)
1.目的
知床岬台地草原では、近年、エゾシカ( Cervus nippon)の採食により、植生に強い影響が
与えられていることが報告されている(Kaji et al. 2000)。シカの冬期の主な餌資源である
ササへの採食圧については 1999 年から調べられているが、夏期の主な餌資源であるイネ科草
本への採食圧については調べられておらず、シカの採食が夏期の植生にどの程度影響を与え
ているのかは不明である。知床岬地区では 2007 年度からシカの密度操作実験が行われている。
そこで、密度操作実験の効果を測定するために、密度操作実験区にシカの採食圧を除去す
る目的で固定柵を設け、密度操作前後での植生の変化をモニタリングすると共に、一定期間
における柵の内外の草本量を調べ、シカの採食量の推定を行った。今年度の調査では、密度
操作前の代表的群落の植生とイネ科草本の採食量を明らかにすることを目的とする。
2.調査地
知床岬台地草原の密度操作実験区の中から 6 地点を選んだ(図 1)。それぞれの地点の群落
は以下の通りである。
P1:イネ科草本、P2:ハンゴンソウ、P3:ハンゴンソウ
P4:イネ科草本、P5:アメリカオニアザミ、P6:クマイザサ
3.方法
3−1. 固定柵の設置
2007 年 8 月末に、知床岬台地草原の密度操作実験区に 6 台の固定柵を設置した。以下、固
定柵をケージとする。ケージは一辺が 1.5m の金属製の柵であり、メッシュになっている(図
2)。シカはケージ内に頭を入れることはできず、ケージ内ではシカの採食圧は除去されてい
る。加えて、各ケージの周辺には対照区として、ケージの外側でありシカの採食圧を受けて
いるプロットを設けた。
53
P6
P4
P5
P3
P1
P2
500m
図 1. 固定柵位置図(P1∼P6)
図 2. 知床岬草原台地上に設置したケージ
3−2. 植生調査
2007 年 8 月 12 日から 14 日に、固定柵設置地点とその対照区、計 12 地点の植生調査を行
った。それぞれ、種名、高さ、被度を記録した。
シカの密度操作により草原にかかる採食圧が変化することが予想されるが、それに伴う植
生の変化を来年度以降同様の調査によって記録を続ける。
54
3−3. 刈り取り調査
2007 年 10 月 12 日にイネ科草本群落に設置した調査区内で刈り取り調査を行った。一定面
積のイネ科草本を刈り取った後、60℃で 48 時間乾燥させ、単位面積あたりの乾物重量を計測
した。ケージ内におけるイネ科草本乾物重量を現存量、現存量から対照区におけるイネ科草
本乾物重量を引いた値を採食量とし、採食率(=採食量/現存量)を計算した。なお、イネ
科草本群落にはケージを 2 台しか設置できなかったため、補助データとして、簡易ケージを
2 台追加して設置し、n=4 とした。簡易ケージは一辺が 1.2m で、ポリエチレンのネットとポ
ールで覆ったものである。
4.結果
4−1. 植生
P1∼P6 の植生、高さ(cm)、被度(%)は以下の通りである(表 1)。
優占していた種は、P1:カラフトイチゴツナギとオオスズメノカタビラ、P2:ハンゴンソ
ウ、P3:ハンゴンソウ、P4:カラフトイチゴツナギ、P5:アメリカオニアザミとカラフトイ
チゴツナギ、P6:クマイザサとエゾイチゴである。
設置したケージの内外で植生に大きな差はない。
表 1. 各ケージ内の植生、高さ、被度
P1
P2
ケージ内 対照区 ケージ内 対照区
高さ 被度 高さ 被度 高さ 被度 高さ 被度
全体
55 95 62 98 150 98 154 98
カラフトイチゴツナギ
40
45
10
20
オオスズメノカタビラ
50
45
イワノガリヤス
5
10
30
25
ハンゴンソウ
150 80 154 80
エゾノカワラマツバ
3
セイヨウタンポポ
オオバコ
スギナ
アメリカオニアザミ
エゾイチゴ
ヒメムカシヨモギ
オオタチツボスミレ
ミミナグサ
カラマツ属
ハマツメクサ
エゾオオバコ
ノボロギク
ハコベ
ナミキソウ
シロザ
エゾオオヤマハコベ
クマイザサ
クサフジ
スミレ
ナナカマド
イケマ
P3
P4
P5
P6
ケージ内 対照区 ケージ内 対照区 ケージ内 対照区 ケージ内 対照区
高さ 被度 高さ 被度 高さ 被度 高さ 被度 高さ 被度 高さ 被度 高さ 被度 高さ 被度
172 80 176 90 27 90 31 90 24 95 30 75 32 90 30 60
40
30
90
90
20
15
3
10
+
+
10
10
1
3
3
7
3
172 80 176 90
1
+
+
3
2
7
25
23
1
5
10
4
2
+
+
1
4
20
1
5
10
6
+
1
3
+
+
+
+
10
+
5
15
2
7
15
+
2
1
3
45
1
+
+
1
35
+
+
2
4−2. イネ科草本採食量
4 つの ケー ジで刈 り取 ったイ ネ科 草本の 単位 面積あ たり の現存 量( 乾物) は 361.14±
29.75(g/㎡)、採食量(乾物)は 126.99±70.16(g/㎡)であった(図 3)。値は 4 つのケージの
平均値である。採食量と現存量から採食率を計算すると 35.17±19.14(%)となった。
55
g/㎡
400
採食率:0.352(±0.191)
乾物重量
300
200
現存量
100
採食量
0
図 3. イネ科草本の現存量と採食量(乾物重量、n=4)
5.考察
5−1. 植生
今年度は、密度操作前の植生データを得るために調査を行った。今後、経年変化を追うこ
とで、密度操作による植生の変化を調べていく予定である。植生とシカ個体数をあわせて長
期的にモニタリングすることで、シカの採食圧が夏期の植生、餌資源量にどのように影響す
るのかを明らかにすることができると考えられる。
5−2. イネ科草本採食量
イネ科草本は現時点では十分量の餌資源と見なせるが、継続してモニタリングすることで、
今後の動向を見ていく必要がある。密度操作後は採食圧の減少によって餌資源量が増加する
ことが予想されるが、夏期の主な餌資源であるイネ科草本の採食量とシカ個体数とあわせて
経年的に調べることで、採食圧の目安となると考えられる。また、今後はケージの数を増や
し、ばらつきの少ないデータをとるとともに、イネ科草本群落の面積を調べることで、実際
に一頭あたりの採食量を調べる予定である。これらのデータを得ることにより、シカの適正
密度のパラメータの一つとして餌資源量が重要であることを示す可能性が示唆される。
引用文献
Kaji, K., Miyaki, M., Saitoh, T., Ono, S., and Kaneko, M. 2000. Spatial distribution of an expanding
sika deer population on Hokkaido Island, Japan. Wildlife Society Bulletin 28: 699-707
56
Ⅳ.土壌浸食状況把握調査
小平真佐夫(知床財団)
岡田秀明(知床財団)
岡本征史(知床財団)
1.はじめに
冬期、知床岬地区(図 1)は北西の季節風が強く、北から西に面した台地の縁には積雪が少
ない。越冬のため同地を利用するエゾシカは、その積雪の少ない台地辺縁部を中心に積雪下の
植生を採食する。その結果、辺縁部の土壌は凍結と融解の風化作用に加えて、土壌を固定する
地表被覆に対するシカの採食圧、シカによる掘り返しと踏圧により浸食が進んでいる。土壌浸
食は地形、気候、生物要因の複合作用であり、シカの影響のみを評価することは難しいが、浸
食状況とシカ個体群動態を並行してモニタリングしていくことにより、両者の関係を類推する
ことは可能である。
昨年度(知床財団 2006)は上述したシカによる採食圧の影響が深刻な知床岬地区において、
既に土壌浸食が生じているところに調査区を設置し浸食の状況を把握した。2 回目となる本年
度の調査では、昨年度と同様の方法によって調査地区の浸食の現状を把握し、それを基準とな
る昨年度の調査結果と比較することによって土壌浸食の進行状況を検証することを目的とする。
2.調査方法
本調査では、季節風の影響を強く受ける台地西側、文吉湾からアブラコ湾にかけての台地辺
縁部において、土壌が露出し浸食が進んでいる部分と植生被覆が残っている部分の接線(以降、
浸食線と呼ぶ)を土壌浸食変化の調査対象としている。この台地西側は、同越冬地でも通年型
のシカが利用する地域である(小平ほか 2006)。昨年度、対象斜面の安定部分に 44 の基準点(プ
ラスティック杭:∅3 cm×35 cm)と 5 つの副基準点(同)を設置した。本年度は 2007 年 8 月
に現地を踏査し、各基準点周辺とそれらをつなぐ基準線に沿って植生状況を撮影、昨年度撮影
したものと比較した。また、シカ利用の有無を確認した。
57
500 m
図 1.知床岬と土壌浸食調査地域(円内)。
3.結果
現地調査時において基準点の流出は確認されなかった。また、昨年度同様ほぼ全ての基準点
周辺にはシカの痕跡(足跡、フン)があり、夏季のシカの利用が確認された。シカの踏み跡は
主に台地の縁、浸食線に沿って延びており、また台地の縁と海岸線を結ぶ急勾配の斜面上にも
スイッチバック状の踏み跡が数多く見られた。
写真上での比較において、顕著な浸食線の海側への後退、または山側への進行は見られなか
った(写真 1∼97)。また、土壌露出部分に関しては、北西向き斜面の一部に昨年度は見られな
かった植生の回復が数ヶ所確認できる程度で(写真 14、15、16、22)
、西向き斜面、東向き斜
面ともほとんど変化は見られなかった(表 1 参照)。
4.考察
上記の結果より、調査対象地区における土壌浸食は昨年度と比較してほとんど進んでいない
ものと見なされる。気候が土壌浸食の主要因であり、シカはその非生物的要因を助長して浸食
を促している、という昨年度の考察を覆す材料は今のところ見当たらない。浸食状況の変化が
過去 1 年間でほとんど見られなかったことから、今後のモニタリングも本年度と同様、雪解け
が完了した 6 月以降、年一回のペースで長期的な経年比較を行うことが適当と思われる。
また、本調査とあわせて(財)知床財団が毎年 5 月に行う知床岬地区シカ自然死調査の結果
を考慮することは有効と思われる。例えば、2007 年 5 月に行われた調査ではシカの自然死個体
が 1 頭も確認されなかった。これは冬季の積雪量が比較的少なくシカが越冬するに十分な食物
58
が確保できたためと考えられる。そのため、シカが最も積雪の少ない台地辺縁部に集中する期
間が短かったと仮定するならば浸食を促すシカによる踏み荒らし等の土壌に対する負荷が例年
に比べ少なかったと推察することもできるからである。
今後、知床岬地区においてエゾシカの密度操作実験が行われる。この実験により同地区にお
けるシカの個体群が現状維持、あるいは減少するならば、それは土壌浸食を促す要因を減少さ
せることとなる。従って、長期的には土壌浸食の進行速度は近年より遅くなるものと予想され
るため、現行の調査頻度を短縮する必要はないと思われる。
引用文献
小平真佐夫・中西将尚・岡田秀明・山中正実.2006.エゾシカ季節移動調査.
(平成 17 年度知床半
島エゾシカ保護管理計画検討調査事業報告書)pp.1-8. 知床財団.
知床財団.2006.土壌浸食状況把握調査.
(平成 18 年度グリーンワーカー事業 知床半島におけ
るエゾシカの植生への影響調査事業 報告書)pp.41-78. 知床財団.
59
図 2.土壌浸食調査の基準線。主基準点は文吉湾(画面左下)近くの#0 からアブラコ湾(右上)#43 までの 44
点、延長約 1670m。アルファベットが付いたものは複基準点。グリッドは UTM 新測地系 100m 置き。
60
表 1.基準点、基準点間ごとの侵食線と土壌露出部の変化(2006 年度比)
(−)は変化なし、
(n/a)は比較できず。
点/点間
侵食線
土壌露出
点/点間
侵食線
土壌露出
0
-
-
14
-
-
0-1
-
-
14-15
-
-
1
-
-
15
-
-
1-2
-
-
15-16
-
-
2
-
-
16
-
-
2-3
-
-
16-17
-
-
3
-
-
17
-
-
3-4
-
-
17-18
-
-
4
-
-
18
-
-
4-5
-
-
18-19
-
-
5
-
-
19
-
-
5-6
-
-
19-19a
n/a
n/a
6
-
-
19a
-
-
6-7
-
植生の回復が見られる
19-20
-
-
7
-
植生の回復が見られる
20
-
-
7-8
-
植生の回復が見られる
20-21
-
-
8
-
-
21
-
-
8-9
-
-
21-22
-
-
9
-
-
22
-
-
9-10
-
-
22-23
-
-
10
-
-
23
-
-
10-11
-
植生の回復が見られる
23-24
-
-
11
-
-
24
-
-
11-12
-
-
24-25
-
-
12
-
-
25
-
-
12-13
-
-
25-26
-
-
13
-
-
26
-
-
13-13a
-
-
26-27
-
-
13a
-
-
27
-
-
13-13b
-
-
27-27a
-
-
13b
-
-
27a
-
-
13-14
-
-
27-28
-
-
61
点/点間
侵食線
土壌露出
28
-
-
28-29
-
-
29
-
-
29-29a
-
-
29a
-
-
29-30
-
-
30
-
-
30-31
-
-
31
-
-
31-32
-
-
32
-
-
32-33
-
-
33
-
-
33-34
-
-
34
-
-
34-35
-
-
35
-
-
35-36
-
-
36
-
-
62
付属資料. 基準線の測量記録。方位角は磁北よりの角度。基準線は一部を除きほぼ平坦で、距離
に斜面補正は加えていない。
点間
方位角
距離(m)
点間
方位角
距離(m)
0-1
64
34.43
27-27a
341
59.88
1-2
72
70.00
27-28
167
33.41
2-3
2
66.57
28-29
83
50.45
3-4
40
44.19
29-29a
355
47.45
4-5
92
55.79
29-30
80
39.33
5-6
108
28.33
30-31
84
44.36
6-7
71
40.12
31-32
76
34.61
7-8
49
69.87
32-33
13
26.81
8-9
8
66.59
33-34
56
28.56
9-10
322
27.23
34-35
34
27.94
10-11
345
60.02
35-36
346
25.52
11-12
341
53.69
36-37
39
28.59
12-13
53
25.44
37-38
16
38.95
13-13a
313
68.59
38-39
115
38.90
13-13b
350
35.30
39-40
120
21.25
13-14
106
74.12
40-41
112
37.00
14-15
44
32.75
41-42
69
30.42
15-16
36
33.93
42-43
78
30.08
16-17
329
48.39
17-18
297
22.90
18-19
341
39.89
19-19a
300
25.73
19-20
322
14.75
20-21
38
27.34
21-22
173
26.94
22-23
93
29.63
23-24
49
49.14
24-25
96
61.15
25-26
330
14.76
26-27
90
17.53
63
付属資料.基準点/基準点間の現状と昨年度との比較
写真 1. 基準点#0。
左の写真は 2006 年 8 月撮影、右は 2007 年 8 月撮影。測量棒は 20cm 刻み、全長 2m。以下同様。
写真 1.06
写真 1.07
写真 2.基準線#0-1。基準点#13 まで西向き斜面。
写真 2.06
写真 2.07
65
写真 3.基準点#1。
写真 3.06
写真 3.07
写真 4.基準線#1-2。
写真 4.06
写真 4.07
写真 5.基準点#2。
写真 5.07
写真 5.06
66
写真 6.基準線#2-3。
写真 6.06
写真 6.07
写真 7.基準点#3。
写真 7.06
写真 7.07
写真 8.基準線#3-4。
写真 8.06
写真 8.07
67
写真 9.基準点#4。
写真 9.06
写真 9.07
写真 10.基準線#4-5。
写真 10.06
写真 10.07
写真 11.基準点#5。
写真 11.06
写真 11.07
68
写真 12.基準線#5-6。
写真 12.06
写真 12.07
写真 13.基準点#6。
写真 13.07
写真 13.06
写真 14.基準線#6-7。植生の回復が見られる。
写真 14.06
写真 14.07
69
写真 15.基準点#7。植生の回復が見られる。
写真 15.07
写真 15.06
写真 16.基準線#7-8。植生の回復が見られる。
写真 16.06
写真 16.07
写真 17.基準点#8。
写真 17.07
写真 17.06
70
写真 18.基準線#8-9。
写真 18.07
写真 18.06
写真 19.基準点#9。
写真 19.07
写真 19.06
写真 20.基準線#9-10。
写真 20.06
写真 20.07
71
写真 21.基準点#10。
写真 21.07
写真 21.06
写真 22.基準線#10-11。植生の回復が見られる。
写真 22.06
写真 22.07
写真 23.基準点#11。
写真 23.07
写真 23.06
72
写真 24.基準線#11-12。
写真 24.07
写真 24.06
写真 25.基準点#12。
写真 25.07
写真 25.06
写真 26.基準線#12-13。
写真 26.06
写真 26.07
73
写真 27.基準点#13。
写真 27.07
写真 27.06
写真 28.副基準線#13-13a。
写真 28.06
写真 28.07
写真 29.副基準点#13a。画面右が西側。
写真 29.07
写真 29.06
74
写真 30.副基準線#13-13b。
写真 30.06
写真 30.07
写真 31.副基準点#13b。
写真 31.07
写真 31.06
写真 32.基準線#13-14。東向き斜面。
写真 32.07
写真 32.06
75
写真 33.基準線#14。
写真 33.07
写真 33.06
写真 34.基準線#14-15。
写真 34.07
写真 34.06
写真 35.基準点#15。
写真 35.07
写真 35.06
76
写真 36.基準線#15-16。北西斜面。
写真 36.06
写真 36.07
写真 37.基準点#16。
写真 37.07
写真 37.06
写真 38.基準線#16-17。南西斜面。
写真 38.06
写真 38.07
77
写真 39.基準点#17。
写真 39.07
写真 39.06
写真 40.基準線#17-18。
写真 40.06
写真 40.07
写真 41.基準点#18。
写真 41.07
写真 41.06
78
写真 42.基準線#18-19。
写真 42.07
写真 42.06
写真 43.副基準線#19-19a。
*写真 43.06 は欠損
写真 43.07
写真 44.副基準線#19-19a。
写真 44.06
写真 44.07
79
写真 45.副基準点#19a。
写真 45.07
写真 45.06
写真 46.基準線#19-20。
写真 46.06
写真 46.07
写真 47.基準点#20。
写真 47.07
写真 47.06
80
写真 48.基準線#20-21。
写真 48.07
写真 48.06
写真 49.基準点#21。
オオバコ群落が見られる。
写真 49.07
写真 49.06
写真 50.基準線#21-22。東面。
写真 50.07
写真 50.06
81
写真 51.基準点#22。
写真 51.07
写真 51.06
写真 52.基準線#22-23。
写真 52.07
写真 52.06
写真 53.基準点#23。
写真 53.07
写真 53.06
82
写真 54.基準線#23-24。
写真 54.07
写真 54.06
写真 55.基準点#24。
写真 55.07
写真 55.06
写真 56.基準線#24-25。
写真 56.06
写真 56.07
83
写真 57.基準点#25。
写真 57.07
写真 57.06
写真 58.基準線#25-26。
写真 58.06
写真 58.07
写真 59.基準点#26。
写真 59.07
写真 59.06
84
写真 60.基準線#26-27。
写真 60.06
写真 60.07
写真 61.基準点#27。
写真 61.07
写真 61.06
写真 62.副基準線#27-27a。オオバコ群落が見られる。
写真 62.06
写真 62.07
85
写真 63.副基準点#27a。
写真 63.07
写真 63.06
写真 64.基準線#27-28。東面。
写真 64.07
写真 64.06
写真 65.基準点#28。
写真 65.07
写真 65.06
86
写真 66.基準線#28-29。
写真 66.06
写真 66.07
写真 67.基準点#29。
写真 67.06
写真 67.07
写真 68.基準線#29-29a。画面左が西
写真 68.07
写真 68.06
87
写真 69.副基準点#29a。
写真 69.07
写真 69.06
写真 70.基準線#29-30。
写真 70.07
写真 70.06
写真 71.基準点#30。
写真 71.07
写真 71.06
88
写真 72.基準線#30-31。
写真 72.07
写真 72.06
写真 73.基準点#31。
写真 73.07
写真 73.06
写真 74.基準線#31-32。
写真 74.07
写真 74.06
89
写真 75.基準点#32。
写真 75.07
写真 75.06
写真 76.基準線#32-33。
写真 76.07
写真 76.06
写真 77.基準点#33。
写真 77.07
写真 77.06
90
写真 78.基準線#33-34。#35-38(画面奥)が西向き。
写真 78.07
写真 78.06
写真 79.基準点#34。
写真 79.07
写真 79.06
写真 80.基準線#34-35。
写真 80.07
写真 80.06
91
写真 81.基準点#35。
写真 81.07
写真 81.06
写真 82.基準線#35-36。
写真 82.06
写真 82.07
写真 83.基準点#36。
写真 83.07
写真 83.06
92
写真 84.基準線#36-37。
写真 84.06
写真 84.07
写真 85.基準点#37。
写真 85.07
写真 85.06
写真 86.基準線#37-38。
写真 86.06
写真 86.07
93
写真 87.基準点#38。
写真 87.07
写真 87.06
写真 88.基準線#38-39。
写真 88.06
写真 88.07
写真 89.基準点#39。
写真 89.07
写真 89.06
94
写真 90.基準線#39-40。
写真 90.06
写真 90.07
写真 91.基準点#40。
写真 91.07
写真 91.06
写真 92.基準線#40-41。
写真 92.06
写真 92.07
95
写真 93.基準点#41。
写真 93.07
写真 93.06
写真 94.基準線#41-42。
写真 94.06
写真 94.07
写真 95.基準点#42。画面左が西。
写真 95.07
写真 95.06
96
写真 96.基準線#42-43。
写真 96.07
写真 96.06
写真 97.基準点#43。
写真 97.07
写真 97.06
97
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