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高速増殖炉サイクルの 研究開発投資効果(改定版)

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高速増殖炉サイクルの 研究開発投資効果(改定版)
主な変更点:
・導入効果の要因を追記(1、12、14、18、20、21、22頁)
新計画策定会議(第 17 回)
参考資料2
・具体的効果の算定根拠を追加(6頁)
・解析の前提条件の改訂(5、7、8頁)
・試算結果の改訂(1、2、11∼14、15追加、17∼22頁)
・単位の明確化(9頁)
高速増殖炉サイクルの
研究開発投資効果(改定版)
平成17年1月28日
核燃料サイクル開発機構
高速増殖炉サイクルの研究開発投資効果の骨子(1/2)
(1)世界のエネルギー需給シナリオに基づく試算(詳細は後述)
• CO2制約の下、世界エネルギー需給シナリオとして世界エネルギー会議の環境重視シナリオ
(WEC-C2シナリオ)にそって原子力エネルギーが将来一定のシェアを持つことを前提とし、
2200年までの高速増殖炉導入効果を試算した。*
• ケース1:実用化戦略調査研究での設計に基づく高速増殖炉の発電コストを想定した場合
ウラン燃料価格上昇に伴う発電コスト上昇を回避できることと軽水炉より発電コストの
低い高速増殖炉の導入により、約110兆円(割引率2%の場合)の効果が期待できる。
• ケース2:高速増殖炉の導入時点(2050年)で軽水炉と同等の発電コストを想定した場合
ウラン燃料価格上昇に伴う発電コスト上昇を回避できることにより、約44兆円(割引率
2%の場合)の効果が期待できる。
• ケース3:ケース1の試算において、高速増殖炉の建設費を50%増と想定した場合
高速増殖炉の導入時点(2050年)での発電コストは軽水炉を上回るが、ウラン燃料
価格上昇に伴う発電コスト上昇を回避できること等により、約12兆円(割引率2%の
場合)の効果が期待できる。
• 全世界の高速増殖炉サイクル研究開発費は、今後の国際共同開発による費用分担の程度に
依存するが、総額で数兆円と見込まれる。
• 高速増殖炉サイクルを実現することにより、研究投資を上回る経済効果が期待できる。
*本評価以外にエネルギーシステムモデルで評価した例もある。(添付1参照)
1
高速増殖炉サイクルの研究開発投資効果の骨子(2/2)
(2)日本の核燃料サイクル諸量解析に基づく試算(詳細は後述)
•
将来の日本における原子力発電の規模に対して、軽水炉100%で発電する場合と高
速増殖炉が導入される場合を比較して、2200年までの高速増殖炉導入効果を試算し
た。
•
ケース1:実用化戦略調査研究での設計に基づく高速増殖炉の発電コストを想定した
場合
高速増殖炉の導入により約9兆円(割引率が2%の場合)の効果が期待
できる。ウラン燃料輸入削減効果の外部経済性と天然ウラン価格上昇に伴
う発電コスト上昇を抑制する効果はエネルギーセキュリティ向上効果として
位置づけられる。
•
ケース2:高速増殖炉の導入時点で軽水炉と同等の発電コストを想定した場合
約4兆円(割引率が2%の場合)の効果が期待できる。
•
ケース3:ケース1の試算において、高速増殖炉の建設費を50%増と想定した場合
約5兆円(割引率が2%の場合)の効果がある。
•
今後の投資額は約1兆円と想定され、研究開発投資を上回る経済効果が期待できる。
2
目
的
高速増殖炉サイクルの導入によりもたらされる効果を
様々な角度から経済的価値に換算し、研究開発費と
比較することにより、投資効果の面から高速増殖炉
サイクル導入の妥当性を探る。
3
高速増殖炉サイクルの研究開発投資効果評価の概念
電源構成例A(高速増殖炉あり)
石油
研究開発投資額
軽水炉
石炭
水力
高速
増殖炉
LNG
0
↑投資額
↑電力需要
12000
研究開発投資額(①)と
高速増殖炉導入効果額(②)を、
割引率を考慮して比較
①
2100年
2000年
2000年
↑電力需要
石油
2000年
2100年
石炭
水力
高速増殖炉導入効
果額②を評価
②
軽水炉
LNG
2000年
↑効果額
電源構成例B(高速増殖炉なし)
2100年
2100年
高速増殖炉導入効果額
¾ 高速増殖炉導入による効果
(②)は、高速増殖炉を導入し
た場合と高速増殖炉以外の電源
で構成した場合(電源構成例A
とB)の経済的価値の差により
求める。
4
効果の範囲
世界及び日本 研究開発効果
研究開発費用
研究開発効果
・直接効果がある
・金銭価値換算手法がある
・評価に必要なデータがある
●経済性向上効果
„発電コスト削減効果
„ウラン燃料価格上昇抑制効果
●外部経済性向上効果
„ウラン燃料輸入削減効果
外部経済性向上効果として、環境影響低減効果、生命リスク低減効果、
およびウラン燃料輸入削減効果が想定される。本評価では、環境影響
低減効果と生命リスク低減効果について、軽水炉と高速増殖炉は同等
と想定した。ウラン燃料輸入削減効果については、日本の評価ケース
の場合のみ考慮した。
その他の研究開発効果
評価において定量化されていないが、効果として考えられるもの
高速増殖炉研究開発
●マイナーアクチニドの燃焼による廃棄物の放射性毒性低減
●原子力関連技術の維持・向上・人材育成
●高速増殖炉建設地域への経済波及効果 等
5
効果の範囲:具体的な効果の内容
効果項目
効果の内容
z発電コストの削減効果(軽水炉から高速増殖炉へのリプレース分)
経済性
向上効果
ウラン燃料価格上昇*を考慮した軽水炉と高速増殖炉の発電コストの差
(燃料価格上昇を考慮した軽水炉発電コスト − 高速増殖炉発電コスト)× 高速増殖炉の発電電力量
zウラン燃料価格上昇の抑制効果(リプレースされていない軽水炉分)
天然ウラン需要削減に伴いウラン燃料価格上昇が抑制されることによる軽水炉の発電コスト上昇抑制
(高速増殖炉を導入しない場合の軽水炉発電コスト − 高速増殖炉を導入した場合の軽水炉発電コスト)
× 高速増殖炉にリプレースされない軽水炉の発電電力量
zウラン燃料輸入削減効果 (日本の評価ケースのみ考慮)
リプレースされた軽水炉のウラン燃料輸入削減による国内総生産の増加
外部経済性
向上効果
zCO2、SOx、NOx 削減による健康・温暖化被害の低減効果
(軽水炉と高速増殖炉のCO2 、SOx、NOxの発生量は同等と想定)
軽水炉と高速増殖炉のCO2 、SOx、NOxの発生量の差に削減価値を乗じて求める環境影響低減量
z人命損失のリスクの低減効果 (軽水炉と高速増殖炉のリスクは同等と想定)
軽水炉と高速増殖炉のリスクの差に統計的生命の価値を乗じて求める生命リスク低減量
*エネルギー危機によるウラン燃料価格上昇分を含む
6
効果の対象範囲
リプレースされない部分の効果
軽水炉
●ウラン燃料価格上昇抑制効果
高速増殖炉に置き換わらない
分については、高速増殖炉導
入による天然ウラン価格上昇
抑制効果を考慮
発電電力量(TWh)
60000
50000
リプレースされた部分の効果
その他
40000
●発電コストの削減効果
30000
石油
軽水炉
20000
10000
高速増殖炉の発電部分
を軽水炉で代替した場合
との差を効果として算出
高速増殖炉
石炭
0
1990
LNG
水力
2020
2050
2080
2110
2140
2170
2200
軽水炉
西暦
世界エネルギー会議 C-2(環境重視)ケースの発電電力量予測
(2100年以降は一定と仮定)
7
解析の主な前提条件一覧
前提条件
世界の評価ケース
日本の評価ケース
①解析期間
2004∼2200年
②研究開発投資
総額数兆円と想定
国際共同開発により投資額を削減可能
③割引率
2% (c.f. 0%,1% ,3%)
④高速増殖炉導入開始
2050年
2050年(c.f. 2030年)
⑤高速増殖炉導入規模
2750GWe(16,830TWh )
58GWe
ナトリウム冷却炉-先進湿式再処理-ペレット製造の研
究開発の場合、年間300∼500億円を2030年まで研
究投資するとして約1兆円と想定
国際共同開発により投資額を削減可能
(IIASA WEC-C2ケースを基に設定)
⑥発電コスト
ケース1:実用化戦略調査研究での設計に基づく発電コストを想定した場合(添付2参照)
ケース2:高速増殖炉導入時点(2050年)で軽水炉と同等の発電コストを想定した場合
ケース3:ケース1の試算において、高速増殖炉の建設費を50%増と想定した場合
⑦代替電源構成
軽水炉 100%
⑧燃料価格上昇率
軽水炉 1.5%(添付3参照)
⑨エネルギーショック発生確率
軽水炉 100%
10年に1回1年間(価格上昇率は143%)
(73年、79年のオイルショック、90年の湾岸戦争時の燃料価格上昇の実績を基に設定)
8
IIASA/WEC’98 世界エネルギー需給シナリオC2
ケースの概要
本評価では、世界エネルギー需給シナリオとして1998年、IIASA (International Institute for Applied System Analysis)が
第17回世界エネルギー会議(WEC World Energy Council) にて報告したシナリオ:C2ケースを基に解析を行った。
IIASA/WEC’98 C2ケース・・・環境重視ケース
環境重視:C2
途上国高成長
210億トン石油換算(約2倍)
再生可能エネルギー増・原子力存続
(小型炉普及)
制約あり
20億トンC (2080年:最大450ppmv)
ケース
技術・経済
一次エネルギー需要( 90=90億トン石油換算)
中心資源の動向
CO2制約・排出量
(’90排出量:60億トンC, 368ppmv)
100
Scenario C2
Traditional renewables
Biomass
Hydro
80
Other
Gas
Percent
Solar
Oil
60
40
Nuclear
Coal
20
C2ケース:2100年一次エネルギー需要構成
●石炭、石油の非化石燃料シフトの結果
商業用バイオマス、ソーラーのシェア急速拡大
●原子力のシェア2070年頃から伸びる。
(2100年シェア:19%∼24%程度)
0
1850
1900
1950
2000
2050
2100
9
高速増殖炉導入量の想定(世界の評価ケース)
2050年に高速増殖炉を導入した場合の世界エネルギー需給シナリオ
C−2(環境重視)ケースにおける原子力発電設備構成
6,000
発電設備容量(GWe)
2050年高速増殖炉本格導入
5,000
4,000
軽水炉プルサーマル
合計:2750GW
3,000
重水炉
2,000
軽水炉
1,000
0
2000
高速増殖炉
資源重視(高増殖)型
2050
2100
西暦
高速増殖炉
経済性重視(低増殖)型
2150
2200
10
効果額の試算結果(ケース1)
(世界の評価ケース:実用化戦略調査研究での設計に基づく高速増殖炉の発電コスト
を想定した場合)
【ケース1】
・割引率:2%
・高速増殖炉発電コスト:2.5→2.2円/kWh
・高速増殖炉導入開始 :2050年
1.20
1.00
効果金額(兆円)
・遠い将来ほど効果が減少する
のは、現在価値換算(2004年
を基準とした割引き)による影
響である。
効果
0.80
0.60
0.40
経済性向上効果
0.20
0.00
2000
2025
2050
2075
2100
西暦
2125
2150
2175
2200
11
効果額の感度解析(ケース1とケース3)
(世界の評価ケース)
・ケース1:実用化戦略調査研究での設計に基づく高速増殖炉の発電コストを想定した場合
ウラン燃料価格上昇に伴う発電コスト上昇を回避できることと軽水炉より発電コストの低い高速
増殖炉の導入により、約110兆円(割引率が2%の場合、割引率が0∼3%の範囲で、約37∼
1600兆円)の効果がある。
・ケース3:ケース1の試算において、高速増殖炉の建設費について50%増と想定した場合
高速増殖炉導入時点(2050年)での発電コストは軽水炉を上回るが、ウラン燃料価格上昇に伴
う発電コスト上昇を回避できること等により、約12兆円(割引率2%の場合)の効果がある。
ケース1(割引率0%)
1600
390
ケース1(割引率1%)
110
ケース1(割引率2%)
37
ケース1(割引率3%)
ケース3(割引率2%)
経済性向上効果
12
高速増殖炉建設費50%増
0
200
400
600
800
1,000
1,200
1,400
1,600
1,800
高速増殖炉導入による効果金額(兆円)
12
効果額の試算結果(ケース2)
(世界の評価ケース:高速増殖炉の導入時点で軽水炉と同等の発電コストを想定した場合)
【ケース2】
・割引率:2%
・高速増殖炉発電コスト:高速増殖炉導入時点での軽水炉と同等
・高速増殖炉導入開始 :2050年
0.80
効果金額(兆円)
0.70
0.60
・遠い将来ほど効果が減少する
のは、現在価値換算(2004年
を基準とした割引き)による影
響である。
効果
0.50
0.40
0.30
0.20
経済性向上効果
0.10
0.00
2000
2025
2050
2075
2100
西暦
2125
2150
2175
2200
13
効果額の感度解析(ケース2)
(世界の評価ケース)
・ケース2:高速増殖炉の導入時点(2050年)で軽水炉と同等の発電コストを想定した場合
ウラン燃料価格上昇に伴う発電コスト上昇を回避できることにより、世界規模での
高速増殖炉サイクルの導入による効果額は、約44兆円(割引率が2%の場合、割
引率が0∼3%の範囲で、約15∼590兆円)となる。
ケース2(割引率0%)
590
150
ケース2(割引率1%)
44
ケース2(割引率2%)
15
ケース2(割引率3%)
0
経済性向上効果
100
200
300
400
500
600
700
高速増殖炉導入による効果金額(兆円)
14
効果額の追加解析
(世界の評価ケース)
z
頁追加
追加ケース:高速増殖炉の導入時点で軽水炉と同等の発電コストを想定し、世界エネルギー需給シナリオとしてIAEA
の低位シナリオに基づいた試算
( 委員から指摘のあった、近年のIAEAによる発電電力量見通し(2030年まで)を基に、低めの需給シナリオを作成した。
2030年以降の発電量は、 IIASA WEC-C2シナリオにおける発電量の伸び率から予測した。)
z
ウラン燃料価格上昇に伴う発電コスト上昇を回避できることにより、 約25兆円の効果が期待できる。
全世界の高速増殖炉サイクル研究開発費は、今後の国際共同開発による費用分担の程度に依存するが、数兆円と見
込まれる。
„
この場合においても、研究投資を上回る経済効果が期待できる。
発電電力量
原子力発電量(TWh)
20,000
15,000
2100年以降推定
IIASA WEC-C2シナリオ:
ケース2
経済性向上効果
16,830TWh
ケース2
44
11,130TWh
10,000
IAEA 低位シナリオ:
追加ケース
25
追加ケース
5,000
2030年以降推定
0
1980 2000 2020 2040 2060 2080 2100 2120 2140 2160 2180 2200
西暦(年)
0
・高速増殖炉導入開始
2050年
・割引率2%
10
20
30
40
高速増殖炉導入による効果金額(兆円)
出典:IAEA, Energy, Electricity and Nuclear Power Estimates for the Period up to 2030(July 2004 Edition)
50
15
高速増殖炉導入量の想定(日本の評価ケース)
発電設備容量(GWe)
2050年以降、軽水炉のリプレースにより本格的に
高速増殖炉を導入した場合の原子力発電設備構成
100
90
80
70
60
軽水炉
50
軽水炉プルサーマル
40
軽水炉フルMOX
30
もんじゅ
20
10
0
2000
2050
合計:58GW
高速増殖炉
資源重視(高増殖)型
高速増殖炉
経済性重視(低増殖)型
2100
西暦(年)
2150
2200
16
効果額の試算結果(ケース1)
(日本の評価ケース:実用化戦略調査研究での設計に基づく高速増殖炉の発電コストを
想定した場合)
【ケース1】
・割引率:2%
・高速増殖炉発電コスト:3.0→2.6円/kWh
・高速増殖炉導入開始 :2050年
1,200
効果
・遠い将来ほど効果が減少する
のは、現在価値換算(2004年
を基準とした割引き)による影
響である。
効果金額(億円)
1,000
800
600
経済性向上効果
400
200
外部経済性向上効果
0
2000
2025
2050
2075
2100
西暦
2125
2150
2175
2200
17
効果額の感度解析(ケース1とケース3)
(日本の評価ケース)
・ケース1:実用化戦略調査研究での設計に基づく高速増殖炉の発電コストを想定した場合
日本の高速増殖炉サイクルの導入による効果額は、ウラン燃料価格上昇に伴う発電コスト
上昇を回避できることと軽水炉より発電コストの低い高速増殖炉の導入等により、約9兆円
(割引率が2%の場合、割引率が0∼ 3%の範囲で、約3∼120兆円)となる。外部経済性向上
効果はウラン燃料輸入削減によるものである。
・ケース3:ケース1の試算において高速増殖炉の建設コストが50%増を想定した場合
約5兆円(割引率が2%の場合)の効果がある。
ケース1(割引率0%)
120
30
ケース1(割引率1%)
9
ケース1(割引率2%)
3
ケース1(割引率3%)
13
高速増殖炉2030年導入開始
ケース3(割引率2%)
外部経済性向上効果
経済性向上効果
5
高速増殖炉建設費50%増
0
20
40
60
80
100
高速増殖炉導入による効果金額(兆円)
120
140
18
効果額の試算結果(ケース2)
(日本の評価ケース:高速増殖炉の導入時点で軽水炉と同等の発電コストを想定した場合)
【ケース2】
・割引率:2%
・高速増殖炉発電コスト:高速増殖炉での導入時点での軽水炉と同等
・高速増殖炉導入開始 :2050年
効果金額(億円)
800
600
効果
経済性向上効果
・遠い将来ほど効果が減少する
のは、現在価値換算(2004年
を基準とした割引き)による影
響である。
400
200
外部経済性向上効果
0
2000
2025
2050
2075
2100
西暦
2125
2150
2175
2200
19
効果額の感度解析(ケース2)
(日本の評価ケース)
・ケース2:高速増殖炉の導入時点で軽水炉と同等の発電コストを想定した場合
日本における高速増殖炉サイクルの導入による効果額は、約4兆円(割引率が2%の
場合、割引率が0∼3%の範囲で、1∼50兆円)となる。外部経済性向上効果はウラン
燃料輸入削減効果である。
50
ケース2(割引率0%)
13
ケース2(割引率1%)
4
ケース2(割引率2%)
1
ケース2(割引率3%)
外部経済性向上効果
経済性向上効果
6
高速増殖炉2030年導入開始
0
10
20
30
40
50
60
高速増殖炉導入による効果金額(兆円)
20
ま
と
め (1/2)
・世界規模での高速増殖炉サイクル導入による効果を経済価値に換算し、事業を実施するために
必要な投資(費用)とそれによって得られる効果(便益)とを比較し、投資効果を評価した。
・高速増殖炉サイクルの導入効果として、軽水炉と比べた発電コスト削減やウラン燃料価格上昇抑
制の経済性向上効果に着目した。
・ケース1:実用化戦略調査研究での設計に基づく高速増殖炉の発電コストを想定した場合
ウラン燃料価格上昇に伴う発電コスト上昇を回避できることと軽水炉より発電コストの低い
高速増殖炉の導入により、約110兆円(割引率が2%の場合、割引率が0∼3%の範囲で
約37∼1600兆円)の効果が期待できる。
・ケース2: 高速増殖炉の導入時点(2050年)で軽水炉と同等の発電コストを想定した場合
ウラン燃料価格上昇に伴う発電コスト上昇を回避できることにより、約44兆円(割引率が2%の
場合、割引率が0∼3%の範囲で約15∼590兆円)の効果が期待できる。
・ケース3:ケース1の試算において、高速増殖炉の建設費を50%増と想定した場合
高速増殖炉の導入時点での発電コストは軽水炉を上回るが、ウラン燃料価格上昇に伴う
発電コスト上昇を回避できること等により、約12兆円(割引率が2%の場合)の効果が期待
できる。
• 全世界の高速増殖炉サイクル研究開発費は、今後の国際共同開発による費用分担の程度に依存
するが、総額で数兆円と見込まれる。
• 高速増殖炉サイクルを実現することにより、研究投資を上回る経済効果が期待できる。
21
ま
と
め ( 2/2 )
・将来の日本における原子力発電の規模に対して、軽水炉100%で発電する場合と高速増殖炉が
導入される場合を比較して、2200年までの高速増殖炉導入効果を試算した。
・高速増殖炉サイクルの導入効果として、軽水炉と比べた発電コスト削減やウラン燃料価格上昇抑
制の経済性向上効果の他、ウラン燃料輸入削減の外部経済性向上効果に着目した。
・ケース1:実用化戦略調査研究での設計に基づく高速増殖炉の発電コストを想定した場合
ウラン燃料価格上昇に伴う発電コスト上昇を回避できることと軽水炉より発電コストの低い
高速増殖炉の導入等により、約9兆円(割引率が2%の場合、割引率が0∼3%の範囲で約
3∼120兆円)の効果が期待できる。
・ケース2:高速増殖炉の導入時点で軽水炉と同等の発電コストを想定した場合
約4兆円(割引率が2%の場合、割引率が0∼3%の範囲で約1∼50兆円)の効果が期待
できる。
・ケース3:ケース1の試算において、高速増殖炉の建設費を50%増とした場合
約5兆円(割引率が2%の場合)の効果がある。
•今後の日本の投資額は約1兆円と想定され、研究開発投資を上回る経済効果が期待できる。
22
【添付】
23
添付1 その他の投資効果評価の例
高速増殖炉を検討・
評価例の特色・結果概要など
評価した例
z 高速増殖炉サイクルの導入による世界全体のエネルギーシステム総コストの削減額
を高速増殖炉導入の経済的価値(効果)として計上
藤野(1999)
z 高速増殖炉サイクルは、CO2制約がある場合に導入が進み、21世紀後半以降にCO2
バイオマス・原子力を中心
削減に貢献(21世紀前半はバイオエネルギーが大きく貢献)
とした持続可能なエネル
z CO2 を550ppmに制限し、高速増殖炉建設費3千ドル/kWとした場合、2070年以降に全
ギーシステムに関するモデ
世界で高速増殖炉導入が進んで2100年時点で2700GWe程度となり、高速増殖炉導入
ル解析
を含むリサイクル価値は、1760億ドル程度(86億ドル/年相当)
(東京大学 学位(博士)請
z CO2を550ppmに制限し、高速増殖炉建設費を2千ドル/kWとした場合(軽水炉並みの
求論文)
建設費)、全世界における高速増殖炉導入は2030年に始まり、2100年時点で高速増
殖炉により24000TWh/年程度(3400GWe相当)の電力が供給
他を検討・評価した例
評価例の特色など
「道路投資」
国土交通省(2003)
z 走行時間の短縮、走行経費の減少、交通事故の減少の便益を計測する標準
的手法を紹介
z 走行快適性の向上や沿道環境の改善なども、道路投資の効果として言及して
いるが、それらの効果の金銭価値換算手法は記述せず
費用便益分析マニュアル
「整備新幹線」
青森県等(1997)
東北新幹線に関する青森県調査
z 新幹線整備前の効果として、建設投資の経済効果や定性的なイメージアップ
効果を評価
z 新幹線整備後の効果として、時間短縮効果やそれに伴う生産誘発効果も簡
易的に評価
24
添付2 2050年以降の発電コストの想定
発電原価[円/kWh]
世界
5
4
3
2
1
0
日本
5
発電原価[円/kWh]
世界の資本費が高いのは
日本のケースと割引率が
異なるため
4
3.0
2
1.2
0
1.1
APWR 130万kWe
(燃焼度6万MWd/t)
燃料費
運転費
資本費
0.5
0.5
1.2
Na冷却高速増殖炉 150万kWe
資源重視(高増殖)型
コスト小委員会の評
価結果(5.3円
/kWh)を基に試算
主な前提条件
・建設単価の削減
・設備利用率向上
・燃焼度の向上
・天然ウラン価格の
上昇
割引率5%
2.2
1.2
APWR 130万kWe
(燃焼度6万MWd/t)
1.7
日本のFBR発電コストを元に、
日本の高速増殖炉発電コストを
日本と世界のLWR発電コスト
基に、日本と世界の軽水炉発電
の比を乗じて算出
コストの比を参考に推定
0.7
0.6
1.3
4.0
OECD/NEAの発電コスト予測における割引率
5%の場合の結果に基づいている。
2.5
0.9
0.7
3
1
OECD/NEAの発電コスト予測に掲載
されている2005年時点の12カ国平均
を、日本の将来発電コストと同等の削
減割合と仮定して推定
Na冷却高速増殖炉 150万kWe
経済性重視(低増殖)型
割引率2%
実用化戦略調査研究の設計研
究を基に試算
3.0
2.6
1.0
0.9
0.8
0.8
1.0
1.0
Na冷却高速増殖炉 150万kWe
資源重視(高増殖)型
Na冷却高速増殖炉 150万kWe
経済性重視(低増殖)型
※四捨五入の関係で合計値があわない場合がある
25
添付3 解析の前提条件(天然ウラン価格)
天然ウラン価格(初期値)の設定
コスト等小委員会資料「モデル試算による各電源の発電コスト比較」では、「2002年の燃料価格を使用」とし
ているが、具体的なウラン価格は公表していない。
近年のウラン価格推移(現在は約$23/lbU3O8)を考慮し、トレードテック社の長期契約価格の2004年1月∼10月の平
均($18.89/IbU3O8 )から、天然ウラン価格(初期値:2004年)を 約5,400円/kgU と設定。
(2004年度上半期平均為替レート=110円/$ )
天然ウラン価格上昇率および価格の設定
「Uranium2003」(OECD/NEA)における天然ウラン資源量と
生産コストの関係と、IIASA/WECのWEC-C2ケースにおける
天然ウラン需要量から、$50/IbU3O8以下の生産コストで生産可能
な資源量の限界に、需要量が達する時期を算出
天然U累積量
既知資源
究極資源
$15/lbU3O8
$31/lbU3O8
$50/lbU3O8
2500
2000
1500
生産コスト
$50/IbU3O8 到達年
(2070年)
究極資源
$50/lbU3O8
1000
500
25,000
ウラン価格(円/kgU)
天然ウラン需要量(万tU)
3000
2004年∼2070年(左図参照)の価格上昇率を求め、
さらにGen-IVにおける検討を参考にして、
海水ウランの収集コストをウラン価格上限値として設定
海水ウラン収集コスト22000円/kgU($=110円)
20,000
15,000
10,000
14300円/kgU ($50/IbU3O8)
%
1.46
率
上昇
価格
5,000
$31/lbU3O8
既知資源
$15/lbU3O8
0
2000 2010 2020 2030 2040 2050 2060 2070 2080 2090 2100 2110
西暦 (年)
0
2004
2000
2020
2040
2060
西暦 (年)
2070
2080
2100
26
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