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2 - メディア アンド エンターテインメント

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2 - メディア アンド エンターテインメント
VERSION TWO
www.discreet.com
P/N 62202-301300-5080A
2001 年 12 月
2
Copyright © 2001 Autodesk, Inc. All Rights Reserved.
本出版物、あるいはその一部を、その形式、方法、目的を問わず、複製することを禁じます。
オートデスク株式会社は、このような素材について、商業可能性および使用目的についての適切性に関す
る黙示的保証を含み、またこれに制限されない、一切の明示的および黙示的保証を行わず、このような素
材は唯一「現状渡し」で提供するものとします。
いかなる場合であっても、オートデスク株式会社は、このような素材の購入あるいは使用に帰因する若し
くは関連する特別、付随、偶発あるいは結果損失について一切の責任を負いません。訴訟方式に関わらず、
オートデスク株式会社の唯一かつ排他的な責任は、本契約書に記述する素材の購入金額を上限とします。
オートデスク株式会社は、必要に応じて、その製品を改訂および改善する権利を有します。本出版物は、
その出版時の製品の状態を記述するものであり、将来のいかなる時点における製品もこれを反映するもの
ではありません。
Autodesk 商標
Discreet はオートデスクの一部門であり、Autodesk および Autodesk ロゴ、3d studio max は登録商標です。
Discreet、combustion、3ds max、Render Queue および Real-Time Roto は、アメリカ合衆国および / あるいは
その他の国におけるオートデスク株式会社の商標です。
Third-Party 商標
上記以外のブランド名、製品名あるいは商標は、個別の所有者に帰属します。
GOVERNMENT USE
本ソフトウェア(および文書)は、制限された権利を伴っています。アメリカ合衆国政府、あるいはその
機関、省庁、下部機関による使用、複製あるいは開示は、FAR 第 52.227-19 に定める「商業コンピュータ
ソフトウェア」の「制限された権利」
、あるいはあるいは NASA FAR 追補第 1852.227-86 に定める「商業コ
ンピュータソフトウェア」の「ライセンシング」に規定する制限の対象となります。
画像提供:
追加画像は、La Fabrique d’Images 社および Academy of Art College の
エリサ・スティーヴンズ様のご好意によるものです。
題名:
combustion チュートリアル
P/N:
62202-301300-5080A
ソフトウェアのバージョン:
2
日付:
2001 年 12 月
目次
目 次
combustion の世界へようこそ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7
この章には、チュートリアル・セッションを設定するための基本的な
情報が含まれています。
1
combustion のツアー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 21
練習:combustion のワークスペースをツアーする . . . . . . . . . . . . . . 22
ワークスペースを開き、コンポジットを表示するためのオプションを
検証します。
[Workspace]パネルを検証し、レイヤとオペレータについ
て学びます。Schematic ビューを検証します。RAM キャッシュにクリッ
プをレンダリングしてリアルタイム再生を行います。結果のクリップ
を Video for Windows® ファイルとしてレンダリングします。
2
2D 空間でのコンポジットの作成 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 51
練習:アニメートされたコンポジットを作成する . . . . . . . . . . . . . . 52
コンポジットのフッテージをインポートします。ビューポートの
ビューおよびビューモードを選択してアルファ・チャンネルを検証し
ます。画像にアルファ・チャンネルをマットとして適用してから、そ
の位置および拡大縮小をアニメートします。Timeline を使ってレイヤの
モーション・パスを変更します。
3
3D 空間でのコンポジットの作成 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 85
練習:3D 空間でコンポジットを作成する . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 86
複数の 2D レイヤから 3D シーンを作成します。各レイヤを拡大縮小し、
それぞれ異なる Z- 深さに配置します。次に、カメラをアニメートして
コンポジットに奥行きと動きを与えます。コンポジットの奥行き感を
増すために、さらに別の画像をインポートし、異なる 2 つの技術を使っ
て影を追加します。2D レイヤ、カメラ、ライトをどのように使えばよ
り奥行き感を出せるかを把握しやすくするには、コンポジットを表示
する際に[Perspective Rotate]ツールを使います。
3
目次 目次
4
Paint の使い方 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 119
練習 1:基本的なオブジェクトを描画およびアニメートする . . . . 120
基本的な Paint オブジェクトを使ってアニメのキャラクタの顔を作成
し、その位置をアニメートします。オーディオ・ファイルをインポー
トし、スリップしてビデオに同期させます。
練習 2:クリップをレタッチする . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 152
Paint オブジェクトとクローニング技術を使ってクリップからワイヤー
を削除します。Tracker を使って Paint オブジェクトがクリップ内のカメ
ラのパンに従うようにします。
5
トラッキングとスタビライズ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 173
練習 1:トラッキング・データをマスクに適用する. . . . . . . . . . . . 174
長方形マスクとポリゴン・マスクを使って、新しい背景の上にヨット
のクリップをコンポジットします。トラッキングを使ってポリゴン・マ
スクがヨットの動きに従うようにします。ポリゴン・マスクの形が帆
の形に合うようにします。
練習 2:クリップをスタビライズする . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 207
Tracker と[Stabilize 1 Point]オペレータを使って、ジッタのあるクリッ
プをスタビライズします。RAM プレイヤを使ってジッタのある元のク
リップとスタビライズ済みのクリップを比較します。
6
キーイング . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 221
練習:Keyer を使ってコンポジットを作成する . . . . . . . . . . . . . . . 222
Channel モードと YUV Keyer モードを使って緑の画面のクリップから
キーを取り出すために、Discreet Keyer を使います。ヒストグラムを使っ
てマットの輝度をリマップします。カラー・スピルを抑え、キーのエッ
ジを和らげます。ブラー効果を追加して、前面クリップと背面クリッ
プの焦点を一致させます。
7
マスクの使用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 245
練習:シーンの一部をマスクで隠す . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 246
マスクでシーンの一部を隠します。エッジのグラデーションを使って
マスクをぼかします。その後、マスクをアニメートしてカメラの動きに
追従するようにします。不気味な雰囲気を醸し出すために、レイヤの
サーフェス・プロパティを変更し、
[Glow]オペレータをキャラクタに
追加します。
8
カラー補正 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 261
練習 1:Histogram コントロールを使ってカラー補正する. . . . . . . 262
4
目次 ❚❘❘
[Discreet Color Corrector]のヒストグラムを使って画像のカラー・チャ
ンネルを解析します。Basics コントロールを使ってガンマとゲインを調
整します。補正を行う際には、[Compare]ツールを使ってカラー補正
した画像を基準画像と比較します。
練習 2:Curves コントロールを使ってカラー補正する . . . . . . . . . 274
[Discreet Color Corrector]の Curves コントロールを使って色を解析し、
問題のある画像のカラー補正を行います。
9
パーティクル効果のアニメーション . . . . . . . . . . . . . . . . 291
練習:飛行中の宇宙船にパーティクルを追加する . . . . . . . . . . . . . 292
飛行中の宇宙船にパーティクル・エミッタを追加します。クリップを再
生しながらパーティクル・エミッタ・タイプのプロパティを編集する
ことで、色、ブライトネス、および厚さを変更します。その後、パー
ティクルが宇宙船の手前に表示されないようにコンポジットをクリー
ン・アップするための方法を学びます。
10
Paint の選択範囲の操作 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 319
練習 1:選択範囲に効果を適用する . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 320
選択範囲オブジェクトを使うことで、カラー補正や各種効果を適用す
るクリップ部分を局所化します。選択範囲オブジェクトをアニメート
してクリップ内のカメラのパンに従うようにします。
練習 2:選択範囲と Paint オブジェクトをスタックする . . . . . . . . 336
選択範囲および Paint オブジェクトを Timeline スタックで動かす効果に
慣れるために、Paint 内でコンポジットを作成します。
11
3D 空間のレイヤのアニメーション . . . . . . . . . . . . . . . . . 353
練習:レイヤとオブジェクトをアニメートする . . . . . . . . . . . . . . . 354
複数の画像シーケンスをインポートし、それぞれ異なる Z- 深さに配置
します。次に、レイヤをアニメートし、レイヤにテキスト・オブジェク
トを追加します。レイヤとテキスト・オブジェクトのプロパティをアニ
メートして表示に躍動感を与えます。[Speed]チャンネルを使って、
モーション・パスに沿ってオブジェクトが移動する方法を変更します。
12
モーション・グラフィックスの操作 . . . . . . . . . . . . . . . . 381
練習:複雑なワークスペースを作成し、その構成要素を
アニメートする . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 382
単一のクリップをワークスペースにインポートし、フィルタとオペ
レータをいくつか組み合わせてタイトル・シーケンスを作成します。テ
キスト・アニメーションとパーティクル効果をワークスペースに組み
込むことで、ワークスペースの外観を仕上げます。
5
目次 目次
13
3ds max のシーンの使用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 411
練習 1:単一レイヤの 3D シーンを操作する . . . . . . . . . . . . . . . . . 412
3ds max でレンダリングされたテレビをフィーチャリングしたリッチ・
ピクセル・フッテージをインポートし、フッテージ内の追加のデータ・
チャンネルを検証します。
[3D Post]オペレータを使うことにより、テ
レビ画面上のテスト・パターンを別のフッテージで置換します。
練習 2:複数レイヤの 3D シーンを操作する . . . . . . . . . . . . . . . . . 432
ビデオ・フッテージと 3ds max でレンダリングしたリッチ・ピクセル・
フッテージをコンポジットします。
6
combustion の世界へようこそ
combustion™ のチュートリアルへようこ
そ。このチュートリアルに収録されたレッ
スンは、combustion のコンポジット / ペイ
ント・ツールについて学んでいただくため
のものです。レッスンを完了すると、これ
らのツールを使ったり他のツールを試して
みることにより、単純なものから複雑なも
のまで、さまざまなレベルのコンポジット
を作成できるようになります。
最初のレッスンを始める前にこのイントロ
ダクションをよく読んで、チュートリア
ル・メディアがインストールされているこ
とを確認し、必要な combustion の基本設
定の設定を行い、このチュートリアルの表
記規則を理解します。
このチュートリアルを使う唯一の前提条件
は、Windows® または Macintosh® OS に慣
れていることです。
7
combustion の世界へようこそ
チュートリアル・メディアをインストールする
[Complete]というインストール設定を選択した場合、チュートリアル・メディアが自動的に
インストールされます。デスクトップから、チュートリアル・メディアがインストールされて
いるかどうかを確認します。
• PC で combustion をお使いの場合は、チュートリアル・メディアのデフォルト・パスは
<C:\Program Files\Discreet\combustion\Tutorials> です。
• edit ワークステーション <PC> 上で combustion をお使いの場合は、combustion は通常は
<C:\Program Files\discreet\combustion\Tutorials> にインストールされています。これは edit を
インストールしたパスと同じになります。
• Macintosh 上で combustion をお使いの場合は、チュートリアル・メディアは、
<combustion:Tutorials> フォルダに格納されています。なお、combustion フォルダは、インス
トール時に選択したドライブの最上位に存在しています。
参考 : Tutorials フォルダが combustion フォルダに見つからない場合、ソフトウェア CD から
[Custom]インストールを実行して、ソフトウェア・ファイルを上書きせずにチュートリアル・メ
ディアをインストールすることができます。詳細は、combustion インストールガイドを参照してく
ださい。
チュートリアル・メディアをインストールしたら、フッテージ、必要なワークスペース・ファ
イル、およびサンプル .avi ファイルなどの必要なデータはすべて、Tutorials フォルダ内に格納
されています。
表記規約
このチュートリアルでは、以下の表記規則を使います。
メニュー選択
メニュー選択(コンテキスト・メニューを含む)は、"[]" と "/" で示します。たとえば、
[Operators]/[Keying]/[Discreet Keyer]を選択するように説明されている場合は、画面最上
部にあるメニュー・バーの[Operators]をクリックし、[Keying]サブメニューを選択し、最
後に[Discreet Keyer]を選択します。または、コンテキスト・メニューを右クリック /[Ctrl]
+ クリックし、[Keying]サブメニューを選択し、最後に[Discreet Keyer]を選択します。
ホット・キー
combustion では、さまざまなホット・キーが使えます。これは、操作をよりすばやく行うた
めのキーボード・ショートカットです。ホット・キーの一覧は、製品パッケージに含まれてい
る combustion Hot Key Card をご参照ください。このチュートリアルでは、ホット・キーは[ ]
で示されます。たとえば、以下のようになります。
Toolbar([F2])の矢印ツールをクリックするか、[Tab]を押します。
8
combustion の世界へようこそ ❚❘❘
Windows と Macintosh でホット・キーの指定が異なる場合は、その両方を示しています。たと
えば、以下のようになります。
[File]/[Save]を選択するか、[Ctrl]+[S](Windows)または[Command]+[S]
(Macintosh)を押して、ワークスペースを保存します。
特定のレッスン内でこの表記が一度使われた後は、以下のように表記が簡略化されます。
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S]を押して、ワークスペースを保存します。
ツール
ツールをクリックするように説明されている場合は、対応するツールが左側の余白に示され
ます。たとえば、以下のようになります。
Toolbar([F2])の矢印ツールをクリックするか[Tab]を押します。
基本設定を設定する
combustion のユーザ・インタフェースはカスタマイズできます。お使いのユーザ・インタ
フェースの要素と動作がこのチュートリアルで示す内容と一致するように、以下の指示に
従って combustion の基本設定を設定してください。
1. ソフトウェアを起動します。
• PC 上で combustion をお使いの場合は、[スタート]メニュー・ボタンをクリックしてか
ら、[プログラム]/[Discreet]/[combustion]を選択します(デスクトップ上にショー
トカットを作成した場合は、combustion アイコンをダブルクリックします)。
• Macintosh 上で combustion をお使いの場合は、ファインダを使って combustion アイコ
ンを見つけてから、そのアイコンをダブルクリックしてソフトウェアを起動します(デ
スクトップ上にエイリアスを作成したか combustion をランチャー項目に追加した場合
は、その combustion アイコンをダブルクリックします)。
9
combustion の世界へようこそ
2. [File]/[Preferences]を選択して[Preferences]ダイアログを開きます。
フレーム番号
クリップのフレームは、0 か 1 から始まるフレーム番号、タイムコードのいずれかを使っ
て表示できます。このチュートリアルでは、1 から始まるフレーム番号を使います。
10
combustion の世界へようこそ ❚❘❘
3. [Host]の下にある[Animation]カテゴリをクリックします。
コンポジットを作成するときに、多くのプロパティをアニメートできます。補間は、
[Constant]、[Linear]、[Cubic]、[Bezier]、[Hermite/Flame]のいずれかに設定できます。こ
のチュートリアルでは、デフォルトの[Bezier]キーフレーム補間を使います。Bezier 補間
では、Cubic 補間と似た滑らかな曲線が描画されます。ただし、Bezier 補間では、各キーフ
レームで曲線の傾きを調整できます。
キーフレーム
補間
[Speed]チャンネルを使うと、モーション・パスに沿ってオブジェクトが移動するときの
速度を調整できます。チュートリアルでは何度かこの[Speed]チャンネルを使いますが、
このチャンネルがデフォルトで使われないように、[Animation Preferences]ダイアログで
は無効にしておいてください。[Speed]チャンネルは、Timeline で有効にします。
11
combustion の世界へようこそ
4. [Footage]の下にある[General]カテゴリをクリックします。
コンポジット・ブランチに静止画をインポートすると、クリップと同じ長さが画像に自動
的に指定されます。ただし、Paint、Keyer、Color Corrector の各ブランチで静止画を開いた
場合は、[Preferences]ダイアログで設定した長さが画像に指定されます。このチュートリ
アルでは、[Default Still Image Duration]を「30」に設定します。
フッテージをインポートしたときに、そのビット深度の初期値は、[Footage]オペレータ
の Output コントロールにあるフッテージのビット深度に設定されます。combustion では、
Cineon ファイルをインポートするときに、対数データを線形データに自動変換し、線形の
ビット深度を設定することができます。ビット深度は、[10 bits]をそのまま使うか、[8
bit]、
[10 bit]、
[16 bit]、
[Float]のいずれかに変更します。Cineon ファイルをインポートす
るときに、線形フォーマットに自動変換するには、
[Use Log to Linear Conversion]を有効に
します。
12
combustion の世界へようこそ ❚❘❘
5. [Footage]の下にある[Library]カテゴリをクリックします。
Footage Library は、新しいノード上にサムネイルが表示されるようにデフォルト設定され
ており、フッテージの概要を確認することができます。
ワークスペースで使われているすべてのフッテージが、Footage Library 内に表示されます。
Footage Library 内のフッテージの一覧は、[Workspace]パネルの最下部または Timeline に
表示できます。[Footage]オペレータ・ノードの場合、サムネイルの横にフッテージ詳細
を表示できます。内容は、[Footage Controls]パネルの[Footage details]領域のものと同じ
です。
[Footage]オペレータ・ノードにスクラブ可能なサムネイルとフッテージ情報を表示する
には、[Footage]の[Library]で[Display Thumbnails on New Nodes]を有効にする必要が
あります。
13
combustion の世界へようこそ
6. [Particles]の下にある[General]カテゴリをクリックします。
パーティクルのデフォルトの表示設定では、エミッタのシェイプを常に表示するオプショ
ンが有効になっています。このオプションが有効な場合、エミッタ・オブジェクト・アイ
コンとディフレクタ・アイコンのすべてが、ビューポートに表示されます。このオプショ
ンは、デフォルトで有効にしてください。
14
combustion の世界へようこそ ❚❘❘
7. [OpenGL]の下にある[General]カテゴリをクリックします。
combustion では OpenGL がサポートされているため、コンポジットを完全な 3D 空間内で
リアルタイムに操作できます。このため、コンポジットをすばやく作成でき、画像を 3D
空間内で操作できます。OpenGL の例については、レッスン 9「パーティクル効果のアニ
メーション」を参照してください。コンポジット用のビューポートと[Particles]オペレー
タで、OpenGL が使われています。
15
combustion の世界へようこそ
8. [Schematic]の下にある[General]カテゴリをクリックします。
以下の図のように、[Schematic]基本設定には、Schematic ビューで複雑なワークスペース
を簡単に作成するためのオプションが数多く用意されています。このチュートリアルでは、
これらの基本設定を変更する必要はありません。
Schematic ビューの操作方法の詳細は、combustion ユーザーズガイドを参照してください。
9. [Host]の下にある[Colors]カテゴリをクリックします。
combustion には、[Charcoal]と[Platinum]の 2 種類のカラースキームが用意されていま
す。[Charcoal]インタフェース(デフォルト設定)は、イラストをプリントするには暗す
ぎるため、このチュートリアルでは[Platinum]インタフェースを使います。ただし、ビ
デオ・コンテンツの色が知覚しやすくなるので、通常の場合は[Charcoal]インタフェー
スを推奨します。
16
combustion の世界へようこそ ❚❘❘
ヒント : コントロールの[Pen Colors]領域にあるカラー・ボックスを使うと、ユーザ・インタ
フェース(UI)の色をカスタマイズできます。
参考 : このチュートリアル内のスクリーンショットは、PC/Windows 2000 の組み合わせで
combustion を使用して撮られています。Macintosh 上の combustion のユーザ・インタフェース
も、これと同じです。また、モニタは 1280 x 1084 に設定されています。モニタの解像度は
ビューポートのクリップの大きさに影響を与えるため、一部のスクリーンショットがお使いの
画面と正確には一致しない場合があります。
17
combustion の世界へようこそ
メディアを再リンクする
ワークスペースは、絶対パス名を使ってフッテージにリンクされています。チュートリアル・
メディアをインストールした場所によっては、combustion がフッテージを見つけられず、再
リンクするように求めてくる場合があります。たとえば、チュートリアル・メディアを C: 以
外のドライブにインストールした場合、一部のレッスンでフッテージを再リンクする必要があ
ります。フッテージを再リンクするには、Windows、Macintosh のいずれのプラットフォーム
の場合でも、以下の手順に従ってください。
combustion でユーザが開こうとするワークスペースに必要なフッテージが見つからない場合、
メッセージが表示されます。次のメッセージは、combustion が C: ドライブ上で、~\Walking
フォルダの Walking.[####].png ファイルを探していることを示しています。C: ドライブの別の
場所または別のドライブから、このフォルダを検索します。
1. [Yes]をクリックして[Open]ダイアログを開きます。
2. ファイル・ブラウザを使って ~\Walking フォルダを探します。
Walking.[####].png ファイルが、フォルダの一覧に表示されます。
3. [Open]をクリックしてフッテージをこの新しいパスに再リンクします。
Walking.[####].png ファイルと同じパス名を持つファイルは、自動的に再リンクされます。
ワークスペース・ファイルが更新されるため、更新されたパスを維持する目的でワークス
ペースを改めて保存する必要はありません。
18
combustion の世界へようこそ ❚❘❘
ムービーを再生する
チュートリアル・メディアには、各レッスンの最終結果を示す .avi ファイルが含まれていま
す。ビューポートで結果のクリップをリアルタイム表示するために必要な RAM がない場合
は、提供されたムービーを再生してください。
• PC をお使いの場合は、各レッスンのフォルダ内にある .avi ファイルをダブルクリックしま
す。Windows Media™ Player でムービーが再生されます。
• Macintosh をお使い場合は、各レッスンのフォルダ内にある .avi ファイルをダブルクリック
します。QuickTime® Movie Player でムービーが再生されます。
これで、レッスン 1 を始める準備が整いました。
さらに助けが必要な場合
ソフトウェアの機能に関する総合的なリファレンスについては、combustion ユーザーズガイ
ドを参照してください。また、トピックごとの情報や主要インタフェース要素のリファレン
ス情報が必要な場合は、オンライン・ヘルプもご利用いただけます。
トレーニングやチュートリアル素材の詳細は、www.discreet.com/training/(英語)にアクセス
してください。よくある質問、技術ニュース、Support Knowledgebase については、
www.discreet.com/support(英語)にアクセスしてください。
19
combustion の世界へようこそ
20
combustion のツアー
Lesson 1
combustion の世界へようこそ。
combustion は、強力なコンポジットおよ
びベクトルベースのペイント・プログラム
です。このレッスンでは、combustion の
基本概念を理解するために、そのインタ
フェースやワークフロー機能について説明
します。
21
1 combustion のツアー
概要
combustion を使えば、単純なものから非常に高度なものまで、さまざまなレベルのワークス
ペースを作成できます。異なるコンテキストのクリップを別々に表示できるように、独立した
ビューポートが 4 つまで使えます。また、ビューポートに Schematic ビューを表示させること
もできます。Schematic ビューを使うと、画像データの流れを別の視点から確認することがで
きます。コンポジットは、[Workspace]パネルまたは Schematic ビューを使って作成できま
す。コンポジットに対して行った変更は、[Workspace]パネルおよび Schematic ビューに反映
されます。ワークスペースを作成するときは、その要素の階層を検証します。メニューとコン
トロール・パネルを使って、要素を変更およびアニメートします。
このレッスンの所要時間:40 分
練習:combustion のワークスペースをツアーする
レッスン 1 のワークスペースは、レッスン 12 で作成するワークスペースに基づいています。
このワークスペースのツアーを通じて、ワークスペースのインタフェースの使い方に慣れると
ともに、単純なものから複雑なものまで、さまざまなレベルのワークスペースを作成できるこ
とを示す一例を紹介します。
このレッスンでは、以下を行います。
• Text ブランチを 1 つ含むワークスペースを開きます。
• ビューポートを検証します。
• クリップを RAM キャッシュにレンダリングすることで、クリップをリアルタイムで再生し
ます。
•[Workspace]パネルを検証します。
• コントロール・パネルを検証します。
• オブジェクトを表示します。
• Schematic ビューを検証します。
• コンポジットをレンダリングします。
ワークスペースを開く
combustion を起動し、このレッスンで使用するワークスペースを開きます。
1. デスクトップから[スタート]をクリックし、
[プログラム]/[discreet]/[combustion]
(Windows)を選択するか、combustion プログラムのアイコンを見つけ、それをクリック
して起動します(Macintosh)。
2. combustion の基本設定を確認します。
[File]/[Preferences]を選択するか[Ctrl]+[;]
(Windows)または[Command]+[;](Macintosh)を押して、[Preferences]ダイアログに
アクセスします。詳細は、9 ページの「基本設定を設定する」を参照してください。
22
combustion のツアー ❚❘❘
3. [File]/[Open Workspace]を選択するか、
[Ctrl]+[Shift]+[O](Windows)または
[Command]+[Shift]+[O](Macintosh)を押して、[Open Workspace]ダイアログにアク
セスします。
[Open Workspace]ダイアログは、検索、ファイル・フィルタリング、および表示オプショ
ンを統合したファイル・ブラウザです。
4. フォルダを開いたり閉じたりするには、フォルダ名の横にある三角形をクリックします。
フォルダ階層を移動して、チュートリアル・レッスン用のワークスペース・ファイルを表
示します。ファイル・ブラウザを使って Lesson01 フォルダを検索し、フォルダを開きま
す。
Lesson01 フォルダには、レッスン 1 用のワークスペース・ファイルが含まれています。
combustion のワークスペース・ファイルの拡張子は .cws です。
参考 : [Open Workspace]ダイアログが[List View]モードになっている場合、リスト上の
ファイルおよびフォルダはテキストとして表示されます。
[Thumbnails]モードと[List View]
モードを切り替えるには、右上隅にある該当するボタンをクリックします。
23
1 combustion のツアー
5. Lesson01.cws をクリックして選択し、
[OK]をクリックしてワークスペース・ファイルを
開きます。
参考 : ワークスペース・ファイルのフッテージが見つからなかったというメッセージが表示され
た場合は、フッテージに再リンクする必要があります。再リンクの方法については、18 ページ
の「メディアを再リンクする」を参照してください。
ビューポートにコンポジットが表示されます。ビューポートの数は、combustion の 1 つ前
のセッションで使用したビューポート・レイアウトによって決まるため、画面に表示され
る内容が次の図と異なる場合があります。
24
combustion のツアー ❚❘❘
ビューポートのレイアウトを検証する
異なるパースペクティブとズーム係数を使って結果のクリップを表示できるように、1 個、2
個、または 4 個のビューポートを表示することができます。Schematic ビューは、いずれの
ビューポートにも表示できます。また、ビューポートごとに異なるコンテキストを割り当て
ることもできます。たとえば、ワークスペースの一部だけを表示したり、すべてを表示した
りできます。ここでは、いくつかのビューポート・レイアウトについて紹介します。
1. [Viewport Layout]リストから、1 ビューポートのレイアウトを選択します。
単一の大きなビューポートが、デフォルトのズーム係数(100%)で表示されます。ズーム
係数はビューポートの左上に表示されます。
25
1 combustion のツアー
2. [Viewport Layout]リストから、2 ビューポートのレイアウトを選択します。
単一のビューポートに代わって、より小さいサイズのビューポートが 2 つ表示されます。
ただし、ズーム係数は 100% のままです。より小さなビューポートで同じ画像が同じズー
ム係数で表示されるので、画像全体は表示されません。左側のビューポートが、デフォル
トでアクティブになります。
3. [Window]/[Fit in Window]を選択して、フレーム全体をビューポートの大きさに合わせ
ます。
左側のビューポートのズーム係数が、フレーム全体がビューポートの大きさに合うように
設定されます。
左側のビューポートの境界が強調表示されています。左側のビューポートがアクティブで
あることを示しています。
ビューポートごとに異なるズーム係数を設定するには、[Zoom In]ボタン([Ctrl]+[=]/
[Command]+[=])または[Zoom Out]ボタン([Ctrl]+[-]/[Command]+[-])を使
います。
[Zoom In][Zoom Out]
26
combustion のツアー ❚❘❘
4. [Home]をクリックします。
[Home]をクリックすると、100% のズーム係数でセンタリングした画像、ビューポートの
大きさに合わせた画像、直前のカスタム・ズーム / パン設定の 3 つの間を、相互に切り替
えることができます。
5. [Window]/[Fit in Window]を選択して、フレーム全体をビューポートの大きさに合わせ
ます。
ヒント : 特定のビューポートを右クリック /[Ctrl]+クリックし、
[Fit in Window]を選択して
も、同様の結果が得られます。
6. [Viewport Layout]リストの 4 ビューポートのレイアウトから、最初のオプションを選択し
ます。
画像が 4 個のビューポートに表示されます。ただし、フレーム全体が表示されるのは、左
上のビューポートだけです。前の手順で、
[Fit in Window]を選択したためです。
27
1 combustion のツアー
7. 上記とは異なるレイアウトで 4 つのビューポートを表示するには、
[Viewport Layout]リス
トから、2 番目の 4 ビューポート・レイアウトを選択します。
アクティブなビューポートが、右側の大きなビューポート領域を占有します。このとき、4
つのビューポートのズーム係数は変わりません。
8. 1 ビューポートのレイアウトに戻し、ズーム係数も元に戻します。
a) [Viewport Layout]リストから、1 ビューポートのレイアウトを選択します。
b) [Home]をクリックして、ズーム係数を「100%」に戻します。
参考 : フィルムストリップが表示されていない場合は、[Window]/[Palettes]/[Show
Filmstrip]を選択します。
フィルムストリップにはデフォルトで、画像シーケンスの各フレームが垂直方向に表示さ
れます。
28
combustion のツアー ❚❘❘
[Zoom In]
[Zoom Out]
9. クリップ内を移動します。
a) [Zoom Out] を 1 回クリックすると、フレームが 1 つおきに表示されます。
フレームを表示する間隔を大きくするほど、長いクリップ上での移動が速くなります。
b) スクロール・バーを使って画像シーケンスをスクロールします。
c) フィルムストリップ内の任意のフレームをクリックすると、そのフレームがビューポー
トに表示されます。
現在のフレームはフィルムストリップ内で強調表示されます。また、スクロールバー上で
の現在のフレームの位置は赤い線で表示されます。
参考 : また、この[Current Frame]インジケータを動かせば、現在のフレームを変更できます。
フィルムストリップのその他の表示オプションを使用するには、フィルムストリップのメ
ニュー・ボタン をクリックします。詳細は、combustion ユーザーズガイドを参照してくださ
い。
d) [Window]/[Palettes]/[Hide Filmstrip]を選択して、フィルムストリップを閉じます。
29
1 combustion のツアー
10. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
11.[Safe Action]ゾーンと[Safe Title]ゾーンを表示します。
a) [Window]/[Show Safe Zones]を選択するか、ビューポートを右クリック /[Ctrl]+ ク
リックして[Show Safe Zones]を選択します。
放送用ビデオは通常フレームのエッジが切り抜かれてしまうため、こうした[Safe]ゾー
ンによって、アクションやタイトルのための安全地帯を定義できます。
b) [Window]/[Show Safe Zones]を選択するか[’]を押して、
[Safe]ゾーンをオフにし
ます。
ビューポートでコンポジットを再生する
ビューポートでは、コンポジット作成中の各段階で、コンポジットをリアルタイムで再生でき
ます。クリップのリアルタイム再生は、ワークステーション上にインストールされている
RAM の容量によって制限されます。
クリップをリアルタイムで見るために、再生コントロールの使い方について学びましょう。再
生コントロールはビューポートの下にあります。
1.
をクリックするか[Home]を押して、クリップの最初のフレームに移動します。
現在のフレーム
全体の長さ
再生コントロールの詳細は、「再生コントロールを使用する」ヒント囲み記事を参照してく
ださい。
30
combustion のツアー ❚❘❘
2. 再生コントロールで、再生モード・ボタンをクリックして[Loop]モードを選択します。
再生モード・ボタンをクリックするたびに、[Play Once](一度再生)
、[Loop](ルー
プ再生)
、[Ping Pong](ピンポン再生)
の順に、モードが切り替わります。
3.
をクリックするか[Spacebar]を押して、クリップを再生します。
各フレームが RAM にレンダリングされるため、クリップは最初ゆっくりと再生されます。
ただし、最後のフレームまで進んだ後、最初から再生を開始すると、再生速度がリアルタ
イムまで加速します。
フレームは、リアルタイム再生のために RAM に保存され、クリップに変更を加えて再度
再生する時点で上書きされます。画面の右下隅にある RAM ゲージを見れば、いつでもシ
ステムが使用している RAM を確認できます。
リアルタイム再生および RAM キャッシュに関する詳細は、combustion ユーザーズガイド
を参照してください。
4.
([Spacebar])を使って再生を停止します。
5.
([Home]
)を使ってクリップの最初のフレームに移動します。
再生コントロールを使用する
再生コントロールには以下の機能があります。
最初のフレーム
に移動
1 フレーム次に
進む
逆再生
1 つ前のキーフレーム
に移動
1 フレーム前に
戻る
順再生
次のキーフレームに
移動
最後のフレームに
移動
31
1 combustion のツアー
6. 定義済み再生範囲を設定して、フレーム 30 からフレーム 100 まで再生します。
a) 再生コントロールで、緑色のイン・ポイントをクリックし、タイム・バーに沿ってド
ラッグしてフレーム 30 まで移動します。
[Current frame]
フィールド
再生イン・ポイント
再生アウト・ポイント
[Current Frame]インジケータにフレーム 30 が表示されます。
b) 赤色のアウト・ポイントをクリックし、左にドラッグしてフレーム 100 まで移動しま
す。
c) クリップを再生します。
イン・ポイントとアウト・ポイントのクリップだけが再生されます。クリップを[Loop]
モードあるいは[Ping Pong]モードで再生する場合には、イン・ポイントおよびアウト・
ポイントの間の範囲を繰り返し見ることができます。
ヒント : イン・ポイントを設定する別の方法として、目的のフレームに移動し、[Choose
Movie]/[Mark In Point]([Shift]+[I])を選択する方法があります。アウト・ポイントを設
定するには、目的のフレームに移動し、[Movie]/[Mark Out Point]([Shift]+[O])を選択し
ます。
7.
([Home]
)を使って、クリップの最初のフレームに移動します。
8. イン・ポイントとアウト・ポイントをドラッグして元の位置に戻します。
32
combustion のツアー ❚❘❘
[Workspace]パネルを検証する
ビューポートと再生コントロールに慣れたところで、ビューポートの下にあるパネルを検証
することにします。左側には、
[Toolbar]と、
[Workspace]パネルがあります。中央部分には、
[Timeline]、[Operators]、[Audio]、[Tracker]、[Composite Controls]の各パネルがあります。
タブをクリックして各パネルを切り替えます。
[Workspace]パネル
[Text Controls]パネル
1. [Workspace]パネル(
[F3])を検証します。
[Workspace]パネルには、コンポジットの内容と構造が表示されます。単一のワークス
ペース内に複数のブランチを含めることが可能ですが、このワークスペースにはブランチ
が 1 つ(Text ブランチ)だけ含まれています。
[Workspace]パネルで特定のオペレータまたはオブジェクトを選択すると、その名前の右
側に矢印が表示されます。
Text ブランチは、4 つのオペレータ([Text]オペレータ、[Rectangular Mask]オペレータ、
[Discreet Color Corrector]オペレータ、Artemis という名前の[Composite]オペレータ)か
ら構成されています。フッテージの一覧は、Footage Library に表示されます。
コンポジットした結果には、カラー補正およびマスクが適用されてから、テキストが追加
されます。
33
1 combustion のツアー
2. Footage Library の横の三角形をクリックして、内容を表示します。
Footage Library 内に、[Artemis]コンポジット・オペレータで使われている 2 個のフッテー
ジ項目が表示されます。Footage Library を使えば、使用するフッテージを追跡し、これに
アクセスするのが簡単になります。
3. Walking.[###] Footage の内容を表示します。
a) [Workspace]パネルの最上部の Walking.[###] Footage 項目を選択します。
b) フッテージ詳細のプレビュー上をドラッグして、クリップをスクラブします。
プレビューに画像シーケンスが表示されます。
4. フレーム 65 に移動します。
[Current Frame]インジケータをタイム・バーに沿ってフレー
ム 65 までドラッグするか、[Current Frame]フィールドをクリックして「65」を入力して
ください。
フレーム 65 の女性とテキストが表示されます。
34
combustion のツアー ❚❘❘
5. 可視性のオン / オフを切り替えます。
a) [Workspace]パネルで、
[Text]オペレータの横のアイコンをクリックします。
ビューポート内では、オペレータのアイコンが灰色で表示され、テキストは非表示になり
ます。ビューポート内でコンポジットの要素を非表示にするには、
[Workspace]パネルの
オペレータをオフにします。
b) [Text]オペレータのアイコンを再度クリックしてオンにします。
6. [Workspace]パネルで、その他のオペレータをオフにします。
a) [Rectangular Mask]オペレータの横にあるアイコンをクリックします。
ビューポートでは、マスクが非表示になり、背後のレイヤが表示されます。
b) [Rectangular Mask]のアイコンを再度クリックして、マスクをオンに戻します。
c) [Discreet Color Corrector]オペレータの横のアイコンをクリックします。
ビューポートのカラー補正が無効になります。フッテージが元の色に戻ります。
d) [Discreet Color Corrector]のアイコンを再度クリックしてカラー補正をオンに戻します。
e) [Composite]オペレータの横にあるアイコンをクリックします。
ビューポートで、フッテージが含まれているレイヤが非表示になります。
f) [Composite]オペレータのアイコンを再度クリックしてオンに戻します。
ヒント : また、[Object]/[Toggle Visibility]を選択するか[Ctrl]+[T]/[Command]+[T]
を押しても、可視性のオン / オフを切り替えることができます。
35
1 combustion のツアー
7. 現在のオペレータを変更します。
a) [Workspace]パネルの[Rectangular Mask]オペレータをダブルクリックします。
ビューポートのテキストが非表示になります。[Workspace]パネルの[Rectangular Mask]
オペレータの横に、ビューポートのアイコンが表示されています。これは、そのオペレー
タがビューポートに表示されていることを意味します。
ビューポートの
アイコン
オペレータを 2 回クリックすると、そのオペレータが現在のオペレータになります。
ビューポートには、そのオペレータとその下の項目が表示されます。
b) [Discreet Color Corrector]をダブルクリックします。
カラー補正とその下のオペレータが表示されます。
c) [Composite]オペレータの[Artemis]をダブルクリックします。
そのコンポジットとそこに含まれるフッテージだけが表示されます。
コントロール・パネルを検証する
コントロール・パネルには、[Workspace]パネル内のオペレータやオブジェクトに必要なコン
トロールがすべて含まれます。コントロール・パネルは、コンテキストに応じて変化します。
つまり、パネルの表示が、[Workspace]パネルで選択したオペレータに応じて変わります。表
示内容に応じて、コントロール・パネルのタブ名も変わります。
1. Walking Blur レイヤの[Composite Controls]パネルを検証します。
a) [Workspace]パネルで、
[Composite]オペレータの Artemis の横にある三角形をクリッ
クします。
b) Walking Blur レイヤを選択します。
[Composite Controls]パネルに、Walking Blur レイヤの Transform コントロール、Layer コン
トロール、Settings コントロール、Output コントロールが表示されます。「現在のレイヤを
制御する」ヒント囲み記事を参照してください。
36
combustion のツアー ❚❘❘
2. Group という Text オブジェクトの[Text Controls]パネルを検証します。
a) Group オブジェクトをダブルクリックします。
[Text]オペレータが現在のオペレータになり、Group オブジェクトの[Text Controls]パネ
ルが表示されます。
b) [Text Controls]パネルで、
[Text]をクリックします。
現在のレイヤを制御する
[Composite Controls]コントロール・パネルには、現在のコンポジットで利用可能なコントロー
ルが表示されます。このレッスンでは、2D コンポジットを操作しています。つまり、2D コンポ
ジット・モード用のコントロール以外は利用できません。
ブランチの現在のレイヤを制御するコントロールを利用するには、[Composite Controls]パネル
にある上の 2 つのボタンを使用します。
クリック:
結果:
位置、回転、拡大縮小、傾き、およびピボット・ポイントを制御するコント
ロールにアクセスします。
不透明度、転送モード、Preserve Alpha、および Stencil Layer を制御するコン
トロールにアクセスします。
コンポジット全体を制御するコントロールを利用するには、[Composite Controls]パネルにある
下の 2 つのボタンを使用します。
クリック:
結果:
[Object Detail]オプションと[Rendering]オプションにアクセスします。
コンポジットの出力ビデオ形式を制御するコントロールにアクセスします。
2D モードでは、[Composite Controls]パネルに Camera コントロールと Light コントロールが表
示されません。
37
1 combustion のツアー
c) [Attributes]をクリックします。
Attributes コントロールを使うと、テキストのフォント、アウトライン、シャドウ、色など
の属性を変更したり、無地、グラデーション、テクスチャのいずれかを選択したりできま
す。
d) [Layout]をクリックします。
Layout コントロールを使うと、テキスト・オブジェクトのアニメーション・タイプを設定
できます。たとえば、余白やアニメーション・タイプを設定できます。
e) Text のオプションを検証するために、他のコントロールをクリックします。
3. Group オブジェクトに移動します。
a) [Text Controls]パネルで、
[Transform]をクリックします。
テキスト・オブジェクトの[X Position]が、「399.05」(フレーム 65)に設定されていま
す。
b) [X Position]フィールドを右にドラッグして、値を約「500」にします。
ビューポート内のテキストが、X 軸の右方向に移動します。
ヒント : [Shift]を押しながらフィールドをドラッグすると、通常の 10 倍の速さで値が変化し
ます。通常より 10 倍遅く値を変更するには、[Ctrl]/[Command]を押しながらフィールドを
ドラッグすると、通常の 1/10 の速さで値が変化します。
c) [Edit]/[Undo Position Change]を選択するか[Ctrl]+[Z]/[Command]+[Z]を押
して、変更を取り消します。
ヒント : combustion には、元に戻すレベルがいくつか用意されています。元に戻すレベルを設
定するには、[File]/[Preferences]を選択して[Preferences]ダイアログを開きます。
[General]基本設定の[Undo Levels]フィールドに、元に戻すレベルを入力します。
4. Rectangular Mask オブジェクトの[Mask Controls]パネルを検証します。
a) [Workspace]パネルで、
[Rectangular Mask]オペレータの横にある三角形をクリックし
ます。
38
combustion のツアー ❚❘❘
b) Rectangular Mask(+)オブジェクトを選択します。
コントロール・パネルが更新されて[Mask Controls]が表示されます。
5. マスク・オブジェクトを回転します。
a) [Masks Controls]パネルで、
[Transform]をクリックして Transform コントロールを表示
します。
b) [Rotation]フィールドをクリックし、
「45」を入力し、[Enter]を押します。
ビューポートのマスクが 45 度回転します。
c) [Ctrl]+[Z]/[Command]+[Z]を押して回転の変更を元に戻します。
6. Discreet Color Corrector の[Color Correction Controls]パネルを検証します。
a) [Workspace]パネルで[Discreet Color Corrector]オペレータを選択して、
[Color
Correction Controls]パネル([F8])にアクセスします。
39
1 combustion のツアー
b) カラー・ホィールの中心にある正方形をクリックし、マジェンタ色の領域の方向にド
ラッグします。
ビューポートのクリップ内のシェードが、青色からマジェンタ色に変わります。
c) [Ctrl]+[Z]/[Command]+[Z]を押して色の変更を取り消します。
7. Walking Blur レイヤのフッテージの[Footage Controls]パネルを検証します。
a) Walking Blur レイヤを選択し、横の三角形をクリックします。
このレイヤには、2 つのオペレータ([Gaussian Blur]オペレータと[Walking.[###] Footage]
オペレータ)が含まれています。
b) [Walking.[###] Footage]オペレータを選択します。
8. [Footage Controls]パネルの右側にあるフッテージ詳細を検証します。
フッテージ詳細には、フッテージのプロパティの概要が表示されます。たとえば、このレ
イヤのフッテージは、150 フレームから構成された画像シーケンスです。また、その形式
は Portable Network Graphic(*.png)で、画像の長さは 150、解像度はフレームレート
29.97fps の NTSC D1(720 x 486)です。
40
combustion のツアー ❚❘❘
Schematic ビューを検証する
Schematic ビューには、ワークスペースの内容がフローチャート形式で表示されます。ワーク
スペース内のオペレータごとに、1 つのノードが表示されます。各ノードは矢印(またはエッ
ジ)によって接続されていますが、この矢印はブランチ内のデータの流れを表します。
1. Schematic ビューを表示するには、
[Window]/[Schematic]を選択するか、[F12]を押す
か、Schematic ビュー・ボタンをクリックします。
ビューポートに Schematic ビューが表示されます。
このビューでは、データの流れは右方向です。右端のノードは、[Workspace]パネル最上
部にある[Text]オペレータを表しています。左端のノードは、Walking Blur レイヤ内で使
われている Walking.[###] フッテージ・ノードです。Walking.[###] フッテージ・ノードの黄
色の境界線は、現在のオペレータを表しています。
ヒント : ノード名の横にあるアイコンは、[Workspace]パネルで使われているアイコンと一致
しています。
左上隅に、Schematic の概要が表示されます。この概要は、大きく複雑なブランチ内を移動
するときに役立ちます。Schematic ビューの詳細は、combustion ユーザーズガイドを参照
してください。
41
1 combustion のツアー
2. Schematic ビューで、
[Composite]オペレータのノードをクリックして選択します。
Gaussian Blur ノード
Footage ノード
Composite ノード
Layer ノード
Rectangular
Mask ノード
Text ノード
Discreet Color Corrector ノード
サムネイルの下のベースの色が変わります。これは、そのノードが選択されていることを
表します。Composite ノードを検証します。
エッジ
ノード間の線はエッジと呼ばれ、オペレータ間の画像データの流れを表します。あるノー
ドの出力は、次のノードのソースになります。
42
combustion のツアー ❚❘❘
3. Schematic ビューで、Discreet Color Corrector ノードを上方向にクリックおよびドラッグしま
す。
4. 特定のエッジを削除します。
a) Composite ノードと Discreet Color Corrector ノードを接続しているエッジをクリックしま
す。
選択したエッジが強調表示されます。
b) 下方向にドラッグして解放すると、そのエッジが削除されます。
上の 3 つのノードのサムネイル画像が黒色に変わります。これは、フッテージを含む「上
流」レイヤがブランチから切り離されたためです。
43
1 combustion のツアー
[Workspace]パネル内のブランチが、Text ブランチと Composite ブランチの 2 つになりま
す。
5. エッジを作成します。
a) Composite ノードの出力接続点をクリックします。
b) Composite ノードのエッジを、Rectangular Mask ノードの入力接続点に接続します。
Composite ノードが Rectangular Mask ノードに接続され、Rectangular Mask ノードが Text
ノードに接続されます。Discreet Color Corrector ノードはブランチから切り離されます。こ
のノードは、それ自体でブランチになります。
44
combustion のツアー ❚❘❘
[Workspace]パネル内のブランチが、Text ブランチと Discreet Color Corrector ブランチの 2
つになります。
6. [F12]を押して、1 ビューポートのレイアウトに戻ります。
元のテキストが表示されますが、カラー補正が適用されていません。
7. Schematic ビューの変更を元に戻します。
a) [F12]を押して、Schematic ビューに戻ります。
b) [Ctrl]+[Z]/[Command]+[Z]を押して変更を元に戻します。
すべてのノードの接続が、元に戻ります。
c) ノードを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Layout(L)]を選択すると、そのノード
が再配置されます。
参考 : Schematic ビューを使った複雑なワークスペースを作成方法の詳細については、combustion
ユーザーズガイドを参照してください。
45
1 combustion のツアー
結果のコンポジットをレンダリングする
このレッスンではこれまで、コンポジットをビューポートに表示してきました。ここでは、
Render Queue™ を使ってコンポジットを QuickTime ファイルとしてレンダリングし、
combustion 外部で表示できるようにします。
1. [File]/[Render]
([Ctrl]+[R]/[Command]+[R])を使って[Render Queue]ダイア
ログを開きます。
[Render Queue]ダイアログには、ビデオ・クリップあるいは画像シーケンスとしてレンダ
リングできる出力が一覧表示されます。現在、このダイアログには出力が 1 個だけ、すな
わちこれまで作業してきたコンポジットの最終結果のみが示されています。
任意のワークスペース上のブランチから複数の出力を追加およびキューすることができる
ため、バッチ・レンダリング・セッションも簡単に行えます。複数の出力の設定の詳細は、
combustion ユーザーズガイドを参照してください。このレッスンでは、出力 1 個のみをレ
ンダリングします。
2. [Output]リストで[output1]を選択します。
選択された[output1]がハイライトされます。
46
combustion のツアー ❚❘❘
参考 : レンダリングを有効にするには、[output1]の横にあるアイコンがハイライトされていな
ければなりません。
3. [Render Queue]ダイアログで、コンポジットの QuickTime ムービーを出力するように設定
します。
a) [Format]リストから、
[QuickTime]を選択します。
b) [Quality]リストから、
[Best]を選択します。
c) [Frame Size]リストから[Quarter]を選択して、180 x 121 ピクセルのフレームを出力し
ます。
ヒント : 指定したファイル・タイプにより、アルファ・チャンネルおよびビデオ・フィールド・
インタレースの設定を行うことができます。詳細は、combustion ユーザーズガイドを参照して
ください。
d) [Fields]リストから[No Fields]を選択します。ただし、ソース・マテリアルの優先
フィールドが[Upper First]に設定されている場合は、[Fields]リストから[Upper
First]を選択します。ソース・マテリアルの優先フィールドが[Lower First]に設定さ
れている場合は、[Fields]リストから[Lower First]を選択します。
4. QuickTime ファイルの圧縮設定を行います。
a) [Options]をクリックして[Compression Settings]ダイアログを開きます。
b) [Compressor]領域で[None]と[Millions of Colors]を選択します。
47
1 combustion のツアー
c) [Frames Per Second]リストから[29.97]を選択します。
d) [OK]をクリックします。
5. QuickTime ムービーのパスおよびファイル名を入力します。
a) [Filename]をクリックして[Save]ダイアログを開きます。
b) ファイル・ブラウザを使って QuickTime ムービーのパスを入力します。
c) ファイル名を MyLesson01.mov に変更します。
48
combustion のツアー ❚❘❘
6. [Render Range]領域で、コンポジット全体がレンダリングされるように設定されているこ
とを確認します。
長さのバーは、レンダリングの対象として設定されたコンポジットの範囲を表しています。
ヒント : [Start]、[End]、[Frame Step]の各フィールドを使うと、レンダリング処理の開始 /
終了ポイントおよびフレーム・ステップ・レートを設定できます。
7. [Process]をクリックしてコンポジットを処理します。
レンダリングの進行状況が、[Current Progress]バーと[Estimated Total Time]バーに表示
されます。また、[Current Progress]バーと[Estimated Total Time]バーの左側のプレ
ビュー・ウィンドウで、各フレームがレンダリングされる様子を見ることができます。
8. レンダリングが完了したら、
[Close]をクリックします。
参考 : ネットワーク・レンダリングでは、クライアント / サーバー・ベースのシステムである
backburner と、スタンドアロンの Render Queue である Watched Folder 機能を利用できます。
combustion ユーザーズガイドを参照してください。
9. ワークスペースを保存し、閉じます。
a) [Ctrl]+[Shift]+[S]/[Command]+[Shift]+[S]を押して[Save Workspace]ダ
イアログを開きます。
b) 現在のワークスペースのファイル名とディレクトリを指定し、
[OK]をクリックしま
す。
c) [Ctrl]+[W]/[Command]+[W]を押してワークスペースを閉じます。
10.(オプション)MyLesson01.mov ファイルの保存先フォルダから、作成した QuickTime ムー
ビーを再生します。
49
1 combustion のツアー
覚えておくべきこと
• 4 つのビューポート・レイアウト・オプションのうちの 1 つを選択します。ズーム係数など
の表示オプションは、ビューポートごとに別々に設定できます。
• ビューポートでクリップを一度再生すると、クリップが RAM キャッシュにレンダリングさ
れます。一度レンダリングしてしまえば、変更を加えるまで、このクリップをリアルタイム
で再生することができます。
• ビューポートでのリアルタイム再生は、ワークステーションにインストールされた RAM の
容量によって制限されます。RAM ゲージで、利用できる RAM の容量を確認します。
•[Workspace]パネルにワークスペースを表示します。ワークスペースには数多くのブランチ
を、コンポジット・ブランチには数多くのレイヤを、そして各レイヤには数多くのオペレー
タを、それぞれ含むことができます。
• オペレータはフッテージに適用する処理です。[Workspace]パネルでアイコンをクリックす
ることにより、オペレータのオン / オフを切り替えることができます。
•[Workspace]パネルで特定のレイヤまたはオペレータを選択すると、[Controls]パネルに対
応するコントロールが表示されていることを示す矢印が表示されます。
• Schematic ビューで変更を行うときには、ワークスペースを確認します。
•[Render Queue]を使うと、任意のワークスペースから任意の出力をレンダリングできます。
ビデオ形式をさまざまなオプションから選択したり、圧縮設定をカスタマイズしたり、フ
レーム・サイズを設定したりすることができます。
50
2D 空間でのコンポジットの作成
Lesson 2
複数の画像を組み合わせて、いくつかのレ
イヤからなるコンポジットを作成します。
特定のレイヤのアルファ・チャンネルを
使って、別のレイヤに効果を作成します。
レイヤを拡大縮小およびアニメートして、
コンポジットをカスタマイズします。
51
2 2D 空間でのコンポジットの作成
概要
コンポジットは、複数のレイヤを組み合わせて作成した画像です。コンポジットを作成するに
は、レイヤを移動してサイズを変更しながら、1 つのシーンに配置します。レイヤは、2D ま
たは 3D 空間内で配置およびアニメートできる 2D オブジェクトです。このレッスンでは、2D
空間内でレイヤをアニメートします。
コンポジットを作成するには、定義済みのアルファ・チャンネルを含む画像に基づいて作成す
るのが一番簡単です。アルファ・チャンネルは画像のグレイスケール版であり、その画像の背
後にあるレイヤのどの部分が透けて見えるかを示す領域を指定します。アルファ・チャンネル
は通常、レイヤのフッテージに関連付けられています。combustion では、特定レイヤのアル
ファ・チャンネルを、別のレイヤのマットとして適用することもできます。後の方のレッスン
では、保存されたアルファ・チャンネルを[Mask]オペレータや[Keyer]オペレータを使っ
て調整する方法について学びます。
このレッスンの所要時間:40 分
練習:アニメートされたコンポジットを作成する
レッスン 1 では、レイヤやオペレータのプロパティをコントロール・パネルを使ってアニメー
トする方法を学びました。このレッスンでは、レイヤのプロパティとアニメーション・チャン
ネルについて学びます。
この練習では、以下について学びます。
•[Import Footage]ダイアログを使ってコンポジット用の画像をインポートします。
• ビューポートにインポートしたフッテージのアルファ・チャンネルを検証します。
•[Set Matte]オペレータを使って、Logo レイヤのアルファ・チャンネルを Texture レイヤに
適用します。
• Texture レイヤの位置とスケールをアニメートすることで、ロゴをアニメートします。
• Timeline を使ってアニメーションをカスタマイズします。
助けが必要ですか?
この練習を行う上で助けが必要であれば、ワークスペースを保存して閉じてから、
Lesson02.cws ファイルを参考用に開いてください。
52
2D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
ワークスペースを設定する
まず、この練習の結果をプレビューします。次に、ブランチを作成し、フッテージをイン
ポートして、コンポジットの作成を開始します。
1. combustion の基本設定を確認します。詳細は、9 ページの「基本設定を設定する」を参照
してください。
2. [File]/[Open Workspace]をクリックするか[Ctrl]+[Shift]+[O]
(Windows)または
[Command]+[Shift]+[O](Macintosh)を押して、Lesson02 フォルダの Lesson02.cws
ファイルを開きます。詳細は、22 ページの「ワークスペースを開く」を参照してくださ
い。
3. この練習の結果をプレビューするために、クリップをビューポートで再生します。詳細は、
30 ページの「ビューポートでコンポジットを再生する」を参照してください。
参考 : RAM の容量不足のためにクリップ全体をリアルタイムで再生できない場合は、
combustion を最小化し、Media Player(Windows)または QuickTime(Macintosh)を使って
Lesson02.avi を再生してください。詳細は、19 ページの「ムービーを再生する」を参照してく
ださい。
このコンポジットは、昆虫の背景画像、トカゲの画像、およびアニメートされたロゴで構
成されています。
4. [File]/[Close Workspace]
([Ctrl]+[W]/[Command]+[W])を使って Lesson02.cws
ファイルを閉じます。
5. 空のワークスペースでブランチを 1 つ作成します。
a) [File]/[New]
([Ctrl]+[N]/[Command]+[N])を使って、
[New]ダイアログを
開きます。
b) [Type]リストから[Composite]を選択します。
53
2 2D 空間でのコンポジットの作成
c) [Name]フィールドに、新しいコンポジットの名前(
「MyLesson02」など)を入力しま
す。
d) コンポジットの解像度として、
[Format Options]リストから[NTSC D1 / Discreet edit
NTSC]を選択します。
e) [Duration]フィールドで、長さを 60 フレームに設定します。
f) [Bit Depth]リストから[8 Bit]を選択します。
g) [Mode]を[2D]に設定します。
[Type]リスト
[Name]フィールド
[Format Options]リスト
h) [OK]をクリックするか[Enter]を押します。
2D モードを選択すると、レンダリング時間を短縮できます。ここではレイヤを 2D 空間で
アニメートするため、2D モードが適しています。
6. コンポジットに使う画像を表示します。
a) [File]/[Import Footage]
([Ctrl]+[I]/[Command]+[I])を使って[Import
Footage]ダイアログを開きます。
b) ファイル・ブラウザを使って Lesson02 フォルダに移動します。
54
2D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
c) [Thumbnails]をクリックして、選択したフォルダ内の画像のサムネイルを表示します。
[Thumbnails]をオンにすると、選択したフォルダ内の画像がサムネイル画像として表示さ
れるため、目的のファイルを見つけやすくなります。
55
2 2D 空間でのコンポジットの作成
56
Bugs.png:この画像は、コンポジット
の背景です。
Lizard.png: この画像は、コンポジット内で
Bugs 画像の手前に置かれます。サムネイル
の灰色の領域は、アルファ・チャンネルに
よって定義された透明部分です。
Logo.png:この画像のアルファ・チャ
ンネルをテクスチャ画像に適用して、
テクスチャ付きのロゴを作成します。
Texture.png: この画像を使ってフレームの左
下にロゴを生成します。
2D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
画像をインポートする
既に開いている[Import Footage]ダイアログを使って、必要なファイルをインポートします。
1. [Ctrl]/[Command]を押しながら Bugs.png と Lizard.png のサムネイルをこの順番にクリッ
クします。
特定のサムネイルをクリックすると、強調表示され、下のインポート・キュー内に表示さ
れます。
強調表示された選択項目
インポート・キュー内の画像
ヒント : あるフォルダからインポート・キューに選択項目を追加した後、ブラウザを使って別の
フォルダ内のフッテージを探し出し、これをインポート・キューに追加することができます。
[Import Footage]ダイアログの左下隅に、別のサムネイルが追加され、最後に選択した画
像の名前、解像度、および形式が表示されます。
57
2 2D 空間でのコンポジットの作成
2. [OK]をクリックするか[Enter]を押して、キュー内の画像をインポートします。
インポート・キュー内の画像が、コンポジットにインポートされます。最初の画像がコン
ポジットの一番下のレイヤになり、最後の画像が一番上のレイヤになります。このレッス
ンで後述しますが、レイヤはインポート後に並べ替えることもできます。
ビューポートにコンポジットの出力が表示されます。黄色の境界線は、Bugs 画像の手前に
配置された、Lizard 画像のフレーム・サイズを示しています。
3. ビューポートのレイアウト・オプションを設定します。
a) 2 ビューポートのレイアウトを選択します。
b) [Window]/[Fit in Window]を選択します。
左側のビューポートにフレーム全体が表示されます。
c) 右側のビューポートをクリックしてアクティブにします。
d) [Window]/[Fit in Window]を選択するか、右側のビューポートを右クリック /[Ctrl]
+ クリックして[Fit in Window]を選択します。
両方のビューポートにフレーム全体が表示されます。
58
2D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
アルファ・チャンネルを検証する
アルファ・チャンネルは、画像ファイルに属するチャンネルであり、画像の透明部分を定義
します。アルファ・チャンネルが埋め込まれていない画像をインポートした場合や、埋め込ま
れたアルファ・チャンネルを無効にしている場合には、combustion に保存されたアルファ・
チャンネルが画像で使用されます。
トカゲの画像に事前に定義されていたアルファ・チャンネルは、自動的に有効になります。そ
の結果、Bugs 画像が Lizard 画像の背後に表示されます。Lizard 画像のアルファ・チャンネル
を検証します。
1. [Workspace]パネル(
[F3])で、Composite ブランチ MyLesson02 の横にある三角形を
[Ctrl]+ クリック /[Command]+ クリックしてコンポジットの内容を表示します。
2D モードのコンポジットには、ライトとカメラはありません。
2. Lizard レイヤ内の[Footage]オペレータをクリックして、
[Footage Controls]パネル
([F8])にアクセスします。
[Footage]オペレータは、使用するフッテージを指定するだけでなく、レイヤへのフッ
テージの適用方法も制御します。
59
2 2D 空間でのコンポジットの作成
3. [Footage Controls]パネル(
[F8])で、[Source]をクリックして Source コントロールにア
クセスします。
フッテージは 32 ビット画像であるため[Color + Alpha]ボタンが有効になります。これ
は、赤、緑、青、およびアルファの各チャンネルがすべて有効になっていることを意味し
ます。
フッテージ詳細を見ると、Lizard 画像は 32 ビット画像であることがわかります。この画像
には、赤、緑、青、アルファの 4 つの 8 ビット・チャンネルが含まれています。赤、緑、
青のチャンネルはフルカラー画像を定義し、アルファは画像の透明部分を定義します。
60
2D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
4. 左側のビューポートを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Layer]を選択します。
Layer ビューでは、現在のレイヤの出力のみしか見えないため、黒い背景の上にトカゲが
表示されることになります。ビューの詳細がビューポートの左上隅に表示されます。
右側のビューポートにコンポジットが表示されます。
参考 : ビューポートでは、Camera、Layer、Perspective などの 11 種類のビューの中から、使用
するビューを選択できます。Camera ビューと Perspective ビューの詳細は、レッスン 3「3D 空
間でのコンポジットの作成」を参照してください。
さまざまなビューに加えて、ビュー・モードも 9 種類の中から選択できます。ビュー・
モードを使って特定の画像チャンネルをモニタします。
61
2 2D 空間でのコンポジットの作成
5. 左側のビューポートを右クリック(
[Ctrl]+ クリック)し、[View Mode]/[Alpha]を選
択すると、Lizard 画像のアルファ・チャンネルが表示されます。
ビューポートには、Lizard 画像のグレイスケール・アルファ・チャンネルが表示されます。
画像の黒い部分は、完全に透明な部
分を示します。
エッジの灰色の部分は、透明度の度
合いを示します。
画像の白い部分は、完全に不透明な
部分を示します。
現在のビュー・モードは、ビューポートの左上隅(ズーム係数の横)に表示されます。
ビュー・モードの詳細は、combustion ユーザーズガイドを参照してください。
ヒント : ホット・キーを使ってビュー・モードを変更するには、[Ctrl]+[Shift]+ <数字> /
[Command]+[Shift]+ <数字>を押します。ビュー・モードのホット・キー番号は、コンテ
キスト・メニュー上の位置に対応しています。たとえば、
[Ctrl]+[Shift]+[8]/
[Command]+[Shift]+[8]を押すと Alpha ビュー・モードに切り替わり、
[Ctrl]+[Shift]
+[1]/[Command]+[Shift]+[1]を押すと Normal(カラー + Alpha)ビュー・モードに戻
ります。
[Footage Controls]パネルの[Color]をクリックすると、フッテージのアル
6. たとえば、
ファ・チャンネルが無効になります。
[Color]を有効にすると、フッテージの RGB カラー・チャンネルは表示されますが、アル
ファ・チャンネルは無視されます。その結果、右側のビューポート(Normal ビュー・モー
ド)には、コンポジットではなく、Lizard 画像が表示されます。左側のビューポート
(Alpha ビュー・モード)には、白色のフレーム(透明度なし)が表示されます。この領域
は、Lizard 画像の保存済みアルファ・チャンネルに対応しています。
62
2D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
7. ビューポートおよび Lizard レイヤに対する Footage コントロールを、最初の状態にリセッ
トします。
a) 左側のビューポートを右クリック /[Ctrl]+ クリックして[View Mode]/[Normal]を
選択するか、[Ctrl]+[Shift]+[1]/[Command]+[Shift]+[1]を押します。
両方のビューポートに、アルファ・チャンネルのない Lizard 画像が表示されます。右側の
ビューポートには、Bugs 画像の一部が表示されます。これは、Bugs 画像のフレーム・サ
イズが 720 x 486 で、Lizard 画像のフレーム・サイズが 460 x 480 であるためです。
b) [Footage Controls]パネルで[Guess]をクリックします。
Lizard 画像は 32 ビット画像であるため、combustion は 4 つのチャンネル(赤、緑、青、
およびアルファ)が使用されているものと予想します。その結果、[Color+Alpha]が自動的
に有効になります。
左側のビューポートの Layer ビューには、Lizard 画像のみが表示されます。右側のビュー
ポートの Composite ビューには、コンポジットが表示されます。
c) 左側のビューポートを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Composite]を選択します。
両方のビューポートにコンポジットが表示されます。
63
2 2D 空間でのコンポジットの作成
Lizard レイヤを移動する
レイヤを移動、回転、および拡大縮小したり、傾きを適用するには、[Composite Controls]パ
ネルの Transform コントロールを使います。Lizard レイヤをフレームの右下に移動します。
1. 1 ビューポートのレイアウトを選択します。
2. [Animate]
([A])が無効になります。キーフレーム・アニメーションが無効になっている
場合、[Animate]は灰色で表示されます。
[Animate]を無効にした場合、レイヤやオペレータに対して行った変更は、クリップの長
さに対して適用されます。
3. [Workspace]パネル(
[F3])で、Lizard レイヤを選択します。
4. Lizard レイヤを移動します。
a) [Composite Controls]パネル(
[F8])の[Transform]をクリックして、Transform コント
ロールにアクセスします。
b) [X Position]を「170」に設定します。
64
2D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
c) [Y Position]を「-120」に設定します。
2D モードの[Composite Controls]パネルには、Camera コントロールと Surface コントロー
ルが表示されません。
Lizard 画像がフレームの右下に表示されます。
65
2 2D 空間でのコンポジットの作成
フッテージをインポートして残り 2 つのレイヤを作成する
現時点で、コンポジットには 2 つのレイヤが存在します。コンポジットを完成させるために、
さらに 2 つのレイヤのフッテージをインポートした後、[Workspace]パネルでそれらのレイヤ
を並べ替えます。
1. [File]/[Import Footage]
([Ctrl]+[I]/[Command]+[I])を選択するか、[Workspace]
パネル([F3])の MyLesson02 Composite を右クリック /[Ctrl]+ クリックして、
[Import
Footage]ダイアログを開きます。
2. ファイル・ブラウザを使って Lesson02 フォルダに移動します。
3. Texture.png 画像と Logo.png 画像をこの順番に[Ctrl]/[Command]を押しながらクリック
して、これらの画像をインポート・キューに追加します。
4. [OK]をクリックするか[Enter]を押して、選択した画像をインポートします。
5. [Workspace]パネルを検証します。
インポートした画像が両方とも、[Workspace]パネルに新しいレイヤとして追加されてお
り、Logo レイヤが Texture レイヤの上にあります。コンポジットのレイヤが 4 つになりま
す。
66
2D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
6. ビューポートを検証します。
Logo 画像では、画像の透明部分を表すアルファ・チャンネルが事前に定義されています。
この黄色の境界線は、Building 画像のサイズを示しています。Logo 画像の背後に、Texture
画像があります。Lizard 画像と Bugs 画像は、Texture 画像の背後に隠れています。
7. コンポジット内のレイヤの順番を変更します。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で Lizard レイヤをクリックし、Texture レイヤの上にカー
ソルをドラッグします。
b) Texture レイヤの上に線が表示されたら、カーソルを離します。
67
2 2D 空間でのコンポジットの作成
[Workspace]パネルでは、Lizard レイヤが Texture レイヤの上に表示されます。
ビューポートでは、Lizard 画像が Texture 画像の手前、Logo 画像の背後に表示されます。
c) [Workspace]パネルで、Lizard レイヤをドラッグして Texture レイヤよりも下に移動し
ます。
Lizard 画像は、Texture 画像と Logo 画像の背後に移動したため、ビューポートに表示され
なくなります。
68
2D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
Texture レイヤのマットを設定する
アルファ・チャンネルは特定の画像に関連づけられていますが、そのアルファ・チャンネル
を別の画像のマットとして使用することもできます。マットはアルファ・チャンネルと同じ機
能を持ち、透明度を定義します。ただし、アルファ・チャンネルと異なり、画像に埋め込ま
れません。
この練習では、Logo レイヤのアルファ・チャンネルを Texture レイヤのマットとして使い、テ
クスチャの付いたロゴを作成します。この目的のために、[Set Matte]オペレータを Texture レ
イヤに追加します。
1. [Workspace]パネル(
[F3])で、Logo レイヤの横にあるアイコンをクリックして同レイヤ
をオフにします。
ビューポートにロゴの画像が表示されなくなります。現在表示されているのは、テクス
チャの画像だけです。
2. [Workspace]パネルで、Logo レイヤの横にある三角形をクリックしてその内容を表示しま
す。
Logo レイヤには[Footage]オペレータが 1 つ含まれています。Logo レイヤはオフになっ
ていますが、そのフッテージはオンのままであるため、そのアルファ・チャンネルをマッ
トとして別のレイヤに適用することができます。
3. Texture レイヤの横にある三角形をクリックして、その内容を表示します。
Texture レイヤにも、[Footage]オペレータが 1 つ含まれています。
4. [Set Matte]オペレータを Texture レイヤに追加します。
a) [Workspace]パネルで、Texture レイヤをクリックします。
69
2 2D 空間でのコンポジットの作成
b) [Operators]/[Channel]/[Set Matte]を選択します。
[Set Matte]オペレータが[Workspace]パネルの Texture レイヤの下に表示され、
[Set Matte
Controls]パネルが表示されます。
ヒント : また、Texture レイヤを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、[Operators]/[Channel]/
[Set Matte]を選択しても、
[Set Matte]オペレータを追加できます。
5. Logo レイヤのフッテージに関連づけられているアルファ・チャンネルを使用するように、
Texture レイヤを設定します。
a) [Set Matte Controls]パネル(
[F8])で、
[Layer]ボタンをクリックして[Layer]ダイア
ログにアクセスします。
70
2D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
b) [Footage - Logo]オペレータを選択します。
c) [OK]をクリックするか[Enter]を押します。
マットの入力として[Luminance]が選択されているため、Texture 画像は少しだけ透明に
なっています。
d) [Set Matte Controls]パネルの[Input]リストから、
[Alpha]を選択します。
Logo レイヤのアルファ・チャンネルによって、Texture レイヤのマットが設定されます。
71
2 2D 空間でのコンポジットの作成
ビューポートでは、Logo 画像のサイズが Texture 画像に合わせて変更されています。
6. Logo レイヤのフッテージを切り抜いて、コンポジットに正しく合うようにします。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で、Logo レイヤの[Footage]オペレータを選択して対応
するコントロールにアクセスします。
b) [Footage Controls]パネルで[Output]をクリックします。
c) [Cropping]領域の[Top]
、[Left]、[Right]、および[Bottom]の値を次のように設定し
ます。
設定フィールド:
72
結果:
[Top]
-33
[Left]
-208
[Right]
-208
[Bottom]
-33
2D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
このような負の切り抜き値を設定すると、空きスペースが上下左右に追加され、フッテー
ジの画像が 304 x 420 から 720 x 486 に拡大されます。その結果、Texture レイヤの使用する
マットが正しいプロポーションを持つことになります。
参考 : フッテージのサイズを小さくするには、正の値を入力します。
7. クリップを再生します。
a) 再生コントロールで、再生モード・ボタンを切り替えて[Loop]モードを選択します。
b) クリップを再生します(
[Spacebar])。
コンポジット内のレイヤは移動しません。Lizard レイヤの位置を変更しましたが、クリッ
プに含まれるすべてのレイヤの位置は変化しません。
73
2 2D 空間でのコンポジットの作成
Texture レイヤをアニメートする
クリップにアニメーションを追加します。Texture レイヤのサイズと位置をアニメートするこ
とにより、ロゴをアニメートします。
1. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
2. [Animate]をクリックするか[A]を押してキーフレームを有効にします。
[Animate]が有効(赤色)になっていると、コンポジット内のあるフレームで値を変更し
たときに、キーフレームの値も自動的に設定されます。
3. 最初のフレームで、Texture レイヤのサイズを設定します。
a) [Workspace]パネルで Texture レイヤを選択します。
b) [Composite Controls]パネル(
[F8])で、[Transform]をクリックして Transform コント
ロールにアクセスします。
c) X と Y の Scale 値を同じ値に保つために、
[Proportional]を有効にします。
d) Scale フィールドのいずれかを「30%」に設定します。
4. 最初のフレームで、Texture レイヤの位置を設定します。
a) [X Position]を「-240」に設定します。
74
2D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
b) [Y Position]を「-140」に設定します。
5. 最後のフレームに移動します(
[End])。
6. 最後のフレームで、Texture レイヤのサイズと位置を設定します。
a) Transform コントロールの[Proportional]を有効にした状態で、Scale フィールドのいず
れかを「100%」に設定します。
b) [X Position]を「0」に設定します。
c) [Y Position]を「0」に設定します。
[Animate]が有効になっているため、クリップの最初と最後のフレームで、Texture レイヤ
のスケールと位置に異なる値を設定すると、アニメーションが作成されます。ユーザが設
定した 2 つのキーフレーム(最初と最後のフレーム)の間の値は、自動計算されます。
[Workspace]パネルで Texture レイヤが選択されている限り、Texture レイヤが従うモー
ション・パスがビューポートに表示されます。
7. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
75
2 2D 空間でのコンポジットの作成
8. クリップを再生(
[Spacebar])してアニメーションを表示します。
9. ワークスペースを保存します。
a) [Ctrl]+[S]/[Command]+[S]を押して[Save Workspace]ダイアログを開きます。
b) ワークスペースのファイル名とディレクトリを設定します。
c) [OK]をクリックするか[Enter]を押します。
Timeline を表示する
Timeline を使って、アニメートされた Texture レイヤを表示します。
1. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
2. Timeline を表示します(
[F4]
)。
Timeline のグラフには、ワークスペースにある各レイヤまたはオペレータについて、4 つ
のカテゴリ([Transformation]、[Geometry]、[Surface]、および[Operators])が表示され
ます。各カテゴリには、別のカテゴリやチャンネルを追加できます。
3. Timeline で[Graph]をクリックします。
[Graph]モードを選択すると、特定のカテゴリのチャンネルについて、時間による値の変
化が表示されます。
4. [Context]を有効にします。
[Workspace]パネルで選択されているオペレータの、
[Transformation]カテゴリが表示さ
れます。Timeline の[Transformation]カテゴリには、[Position]
、[Speed]、[Rotation]、
[Scale]、および[Shear]チャンネルがあります。
参考 : カテゴリには小さな黒い三角形が付き、チャンネルには「鍵」または「正方形」のアイコ
ンが付きます。
76
2D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
5. [Y Position]曲線を表示します。
a) [Y Position]チャンネルをクリックします。
Texture レイヤのフレーム 1 の[Y Position]が、「-140」に設定されています。
b) [Frame All]をクリックして、Timeline のグラフ領域に[Y Position]曲線全体を表示し
ます。
6. [Y Position]曲線を検証します。
キーフレームは、
(x, y)座標値として示されます。x は、その値が設定されているフレーム
の番号(グラフの横軸)です。y は、そのチャンネルの値(グラフの縦軸)です。[Y
Position]には 2 つのキーフレームが定義されており、両者はアニメーション曲線で結ばれ
ています。[Current Frame]インジケータは、現在のフレームを示します。
[Current Frame]インジケータ
アニメーション曲線
2 番目のキーフレーム:
(60, 0)
チャンネル値(y)
1 番目のキーフレーム:
(1, -140)
フレーム番号(x)
異なるキーフレーム間の値を計算してアニメーション曲線を生成する処理を「補間」と呼
びます。この処理は自動的に実行されます。
参考 : この図の曲線では、Bezier 補間が使われています。combustion の基本設定では、Bezier
補間がデフォルトになっています。
77
2 2D 空間でのコンポジットの作成
7. [Current Frame]インジケータをドラッグして、フレーム 16 に移動します。
[Current Frame]インジケータ
Timeline の[Y Position]値が「-104.41」に更新されます。クリップがビューポート内でス
クラブされ、再生コントロールとフィルムストリップの[Current Frame]インジケータが
更新されます。
ヒント : [Feedback]を有効にすると、スクラブ時にコンポジットのすべてのレイヤが表示さ
れます。[Feedback]を無効にすると、コンポジットの移動レイヤのアウトラインが表示されま
す。
78
2D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
[Y Position]曲線にキーフレームを追加する
キーフレームを追加して、アニメーションをさらにカスタマイズします。
1. [Go to Time]ダイアログを使って、フレーム 30 に移動します。
a) [Movie]/[Go to Time]を選択するか[/]を押して、
[Go to Time]ダイアログを開きま
す。
b) [Frame]フィールドに「30」を入力します。
c) [OK]をクリックするか、
[Enter]を押します。
ヒント : 再生コントロールの[Current Frame]フィールドをクリックして目的のフレーム番号
を入力し、[Enter]を押しても、特定のフレームに移動できます。
[F4])で、[Add Key]をクリックして、フレーム 30 にキーフレームを追加しま
2. Timeline(
す。
[Y Position]曲線上のフレーム 30 の位置に、キーフレームが表示されます。
ヒント : 階層内のチャンネルの横の値をドラッグしても、現在のフレームにキーフレームを追加
できます。現在のフレーム以外のフレームにキーフレームを追加するには、曲線上の目的の位
置でカーソルを停止させます。カーソルの形がクロスヘア( )に変わったら、曲線をクリッ
クしてキーフレームを追加します。
79
2 2D 空間でのコンポジットの作成
3. 以下に示す方法のいずれかを使って、新しいキーフレーム(フレーム 30)の[Y Position]
値を「-20」に変更します。
• 目的のキーフレームをダブルクリックして[Numerical Input]ダイアログを開き、「-20」
を入力してから[OK]をクリックします。
• フレーム 30 のキーフレームをドラッグして、「-20」の前後に移動します。フレーム 30
のキーフレームだけが選択(ハイライト)されていることを確認してから、ドラッグし
てください。それ以外のフレームが選択されている場合は、曲線全体が移動します。曲
線の選択を解除するには、曲線の上または下にある灰色の領域をクリックします。
•[Y Position]チャンネルの横にある値をドラッグして、値を「-20」の前後に変更します。
アニメーション曲線は以下のような形になります。
ビューポートのモーション・パスが、[Y Position]曲線の新しい形に従って変化します。
ヒント : Timeline のキーフレームの値を変更することと、Transform コントロールで値を変更す
ることは同じです。
[Spacebar])。
4. クリップを再生します(
Texture レイヤが変更されたモーション・パスに従います。
5. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
80
2D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
6. [Overview]をクリックして、チャンネル値に影響を与えずにアニメーションのタイミング
を変更します。
2 つの Position チャンネルは相互にリンクしているため、[Y Position]チャンネルにキーフ
レームを追加すると、[X Position]チャンネルにキーフレームが自動的に追加されます。
フレーム 30 の[X Position]チャンネルにキーフレームが追加されますが、その値は変化
しません。
7. フレーム 30 に追加した[Position]キーフレームをクリックおよびドラッグして、フレー
ム 50 に移動します。
ドラッグすると、かっこの中にフレーム番号と値が表示されるため、正しい位置に簡単に
キーフレームを移動することができます。
ビューポートのモーション・パスの形は変更されていません。しかし、モーション・パス
の最初の 2 つのキーフレームに挟まれた部分が、アニメーションの最初の 50 フレームを表
すように変更されています。
81
2 2D 空間でのコンポジットの作成
8. クリップを再生します(
[Spacebar])。
モーション・パスの最初の 2 個のキーフレーム間ではロゴがゆっくりと動き、最後の 2 個
の間では速く動きます。
9. [File]/[Save Workspace]
([Ctrl]+[S]/[Command]+[S])を使ってワークスペース
を保存します。
Timeline 内のチャンネル間を移動する
Timeline を開くと、[Workspace]パネルで選択したレイヤやオペレータに関連するカテゴリや
チャンネルが表示されます。下方へ移動するにはカテゴリを拡張し、上方へ移動するには
[Timeline]リストの右側にあるコントロールを使います。
1. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
2. [Timeline]リストで、
[Transformation]カテゴリの横にある三角形をクリックしてたたみ
ます。
[Timeline]リストに、Texture レイヤのその他のカテゴリが表示されます。
82
2D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
3. Timeline の右矢印メニュー・ボタン(
) をクリックし、
[Top]を選択してチャンネル階
層の一番上のレベルに移動します。
Timeline と[Workspace]パネルの一番上のレベルには、コンポジットのブランチが 1 つだ
け表示されます。[Overview]モードの Timeline では、レイヤとオペレータの長さはバーで
示されます。
ヒント : 現在のワークスペースから他のブランチのチャンネルにアクセスする場合は、[Top]を
選択します。同一チャンネル内でレベルを 1 つだけ上げる場合は、上矢印ボタンをクリックしま
す。
4. [Workspace]パネルで Texture レイヤを選択します。
Texture レイヤの[Transformation]チャンネルが、Timeline に表示されます。
5. ワークスペースを保存し、閉じます。
a) ワークスペースを保存します(
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
b) (オプション)QuickTime ムービーとしてクリップをレンダリングします。詳細は、46
ページの「結果のコンポジットをレンダリングする」を参照してください。
c) ワークスペースを閉じます(
[Ctrl]+[W]/[Command]+[W])。
83
2 2D 空間でのコンポジットの作成
覚えておくべきこと
• 2D 空間でコンポジットを作成するときは、2D モードを使うとレンダリング時間を短縮でき
ます。
•[Import Footage]ダイアログの[Thumbnails]をクリックすると、フッテージのブラウズ時
に画像ファイルのサムネイルが表示されます。
•[Ctrl]/[Command]を押しながら複数の画像ファイルをクリックすると、それらの画像を
[Import Footage]ダイアログのインポート・キューに追加できます。1 回のインポート・
セッションで、複数のフォルダに格納されたファイルを追加できます。
•[Window]/[Fit in Window]を選択するか、右側のビューポートを右クリック /[Ctrl]+ ク
リックして[Fit in Window]を選択すると、ビューポートにフレーム全体が表示されます。
• ビューポートは、9 種類のビュー・モードのいずれかを表示するように設定できます。たと
えば、Alpha ビュー・モードを選択してグレイスケールのアルファ・チャンネルを表示した
り、Normal ビュー・モードを選択してフルカラー画像を表示したりできます。
•[Workspace]パネルでレイヤをドラッグして、順番を並べ替えます。
•[Set Matte]オペレータを使用して、あるレイヤのフッテージのアルファ・チャンネルを別
のレイヤのマットとして使用できます。
• Timeline の[Graph]をクリックして、グラフ上の曲線としてアニメーション・チャンネル
を表示します。このモードを使用して、キーフレームの追加および値の設定を行います。
• Timeline の[Overview]をクリックして、アニメーションのタイミングを表示します。この
モードを使用して、各キーフレームに設定された値に影響を与えずに、アニメーションのタ
イミングを変更します。
• Timeline には、最初に表示されるのは、[Workspace]パネル内で選択されているレイヤまた
はオペレータのチャンネルが初期表示されます。Timeline 上を移動するには、カテゴリの横
にある三角形をクリックしてカテゴリを拡張したり折りたたんだりします。また、Timeline
の矢印ボタンをクリックして、階層を上方向に移動したりコンテキスト・メニューにアクセ
スしてもかまいません。
•[Workspace]パネルで行った変更はすべて、Timeline に反映されます。同様に、Timeline で
行った変更はすべて、[Workspace]パネルに反映されます。
84
3D 空間でのコンポジットの作成
Lesson 3
3D 空間でコンポジットを作成するために、
2D レイヤを Z 空間内に配置し、カメラを
アニメートしてコンポジットに奥行きを与
え、ライトを使って異なる Z- 深さに配置
された各レイヤに影を落とします。
85
3 3D 空間でのコンポジットの作成
概要
combustion でコンポジットを作成するには、2D レイヤを作成またはインポートする必要があ
ります。レッスン 2 では、すべてのレイヤが同じ Z 位置にあるコンポジットについて学びまし
た。このレッスンでは、2D レイヤから 3D シーンを作成します。レイヤの Z 位置を変更し、カ
メラとライトを使ってコンポジットに奥行きと動きを与えます。
このレッスンの所要時間:60 分
練習:3D 空間でコンポジットを作成する
3D 空間でコンポジットを作成するために、まず異なる Z 位置にレイヤを配置し、それらを拡
大縮小します。カメラをアニメートして視差をシミュレートし、マットが適用されたレイヤか
らライトを使って影を作成した後、特定のレイヤのアルファ・チャンネルを使って無地のレイ
ヤから影を作成します。
この練習では、以下について学びます。
• レイヤをインポートし、コンポジットのパースペクティブに合うように配置します。
• いずれかのレイヤのサーフェス転送モードを変更します。
• カメラをアニメートして、ドーリー動作の生成と視差のシミュレートを行います。
• 別のレイヤをインポートし、そのレイヤのアルファ・チャンネルとライトを使って、コンポ
ジット内に影を作成します。
• 別のレイヤをインポートし、そのレイヤのアルファ・チャンネルをマットとして使って、無
地のレイヤの影を作成します。
• レイヤの影の不透明度を和らげます。
•[Perspective Rotate]ツールと[Perspective Zoom]ツールを使って、3D コンポジットを表示
します。
助けが必要ですか?
この練習を行う上で助けが必要であれば、ワークスペースを保存して閉じてから、
Lesson03.cws ファイルを参考用に開いてください。
86
3D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
ワークスペースを設定する
まず、この練習の結果をプレビューします。次にブランチを作成して、コンポジットの構築
を始めます。
1. combustion の基本設定を確認します。詳細は、9 ページの「基本設定を設定する」を参照
してください。
2. [File]/[Open Workspace]をクリックするか[Ctrl]+[Shift]+[O]
(Windows)または
[Command]+[Shift]+[O](Macintosh)を押して、Lesson03 フォルダの Lesson03.cws
ファイルを開きます。詳細は、22 ページの「ワークスペースを開く」を参照してくださ
い。
3. この練習の結果をプレビューするために、クリップをビューポートで再生します。詳細は、
30 ページの「ビューポートでコンポジットを再生する」を参照してください。
参考 : リアルタイムでクリップ全体を表示するだけの RAM がない場合には、combustion を最小
化して、Media Player(Windows)または QuickTime(Macintosh)を使用して、Lesson03.avi
を再生します。詳細は、19 ページの「ムービーを再生する」を参照してください。
このクリップには 2 人のキャラクタが登場します。この 2 人は建物の前に立っており、カ
メラは左から右に移動します。このとき、前景要素のキャラクタと建物は、中間要素の木
や背景要素の山に比べて、すばやく動きます。
4. [File]/[Close Workspace]
([Ctrl]+[W]/[Command]+[W])を使って Lesson03.cws
ファイルを閉じます。
87
3 3D 空間でのコンポジットの作成
5. [File]/[New]
([Ctrl]+[N]/[Command]+[N])を使って[New]ダイアログを開
き、以下のプロパティを持つブランチを作成します。
•[Type]:Composite
•[Name]:Street Scene
•[Format]:NTSC D1 / Discreet edit NTSC
•[Duration]:40 フレーム
•[Bit Depth]:8 ビット
•[Mode]:3D
6. 1 ビューポートのレイアウトを選択します。
3D コンポジットを作成する
まず、コンポジットで使う 3 つの画像をインポートします。次に、各レイヤの Z 位置を調整
して、カメラに最も近い位置に Building レイヤを、カメラから最も遠い位置に Mountains レイ
ヤを、その間に Trees レイヤを配置します。次に、カメラをアニメートしてドーリー動作の生
成と視差のシミュレートを行い、近くの物体が遠くの物体よりもすばやく動くようにします。
1. コンポジットで使う最初の 3 つの画像をインポートします。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で Street Scene コンポジットを右クリック /[Ctrl]+ クリッ
クし、表示されるコンテキスト・メニューから[Import Footage]を選択します。また
は、[Ctrl]+[I]/[Command]+[I]を押します。
b) [Import Footage]ダイアログで、ファイル・ブラウザを使って Lesson03 フォルダを検索
し、それを開きます。
c) [Thumbnails]をクリックして、選択したフォルダ内のフッテージを表示します。
d) [Collapse]を有効にして画像シーケンスを閉じます。
88
3D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
e) [Ctrl]/[Command]を押しながら、Mountains.png、Trees.png、Building.png をこの順番
にクリックします。
[Import Footage]ダイアログのインポート・キューの左下部に、サムネイルが表示されま
す。このサムネイルには、最後に選択された画像の名前、解像度、およびフォーマットが
表示されます。画像の解像度(819 x 614)はコンポジットの解像度(720 x 486)よりも大き
な値です。
参考 : コンポジットには、設定された解像度とビット深度に関係なく、任意の解像度とビット深
度を持つ画像をインポートできます。
f) [OK]をクリックするか、
[Enter]を押します。
デフォルトでは、インポートされた静止画の長さは、コンポジットと同じ長さに設定され
ます。
ビューポートに、Building 画像が表示されます。Building レイヤが、コンポジット内の最前
面にあるためです。Building レイヤにはアルファ・チャンネルが含まれているため、
Building レイヤの背後にある Trees レイヤが表示されています。
89
3 3D 空間でのコンポジットの作成
画像の中心に表示されたピボット・ポイントは、この画像のデフォルトのピボット・ポイ
ントです。ビューポートの左上に、現在のオペレータ(Street Scene コンポジット)と
ビュー詳細が表示されます。
デフォルトのビューは Camera ビューです。コンポジットのレンダリングは通常この
ビューから行います。Camera ビューでは、カメラのレンズを通してコンポジットを見るこ
とになります。ただし、この練習ではビュー・モードを変更する必要があります。
[Workspace]パネル内では Building レイヤが強調表示されます。このレイヤが、コンポ
ジットに最後にインポートされた画像であるためです。
2. [Animate]を無効にして(
[A]を押して)、自動キーフレームを無効にします。
[Animate]
は、無効になると灰色で表示されます。
90
3D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
3. 設定変更時にビューポート内のオブジェクトが再描画されるように、
[Feedback]は有効に
してください。
4. [Zoom Out]ボタン(
[Ctrl]+[-]/[Command]+[-])を使って、Building レイヤの黄色
の境界線全体が表示されるようにします。
この黄色の境界線は、Building レイヤのフレーム・サイズを示しています。Building レイヤ
はコンポジットよりも解像度が高いため、ビューポートには建物の全体が表示されません。
5. ビューポート内で右クリック /[Ctrl]+ クリックし、コンテキスト・メニューから[Left]
を選択して、Z 空間にレイヤを配置するときのレイヤの位置を確認します。
側面からコンポジットを見ているため、レイヤの側面の境界線だけが表示されます。黄色
の線は選択したレイヤの左端を示しており、ピボット・ポイント上の黄色の矢印はレイヤ
の Z 軸を示しています。また、白いボックスはカメラです。Camera ビューでは、このカメ
ラの位置からコンポジットを見ることになります。白色の星はライトです。
デフォルトのピボット・ポイント
ライト
カメラ
参考 : コンポジットを正射方向から見たい場合は、3 つの座標軸のいずれか 2 つを使う正射投影
[Front]、[Back]
、[Top]、[Bottom]、[Right]などのビュー)を選択することもでき
ビュー(
ます。
91
3 3D 空間でのコンポジットの作成
レイヤを配置する
レイヤを配置することで、コンポジットのパースペクティブを設定します。Mountains レイヤ
と Trees レイヤは、Z 空間内の後方(カメラから遠く離れた位置)に移動します。Building レ
イヤは、Z 空間内の前方(カメラの近く)に移動します。最後に、X 軸と Y 軸上にレイヤを配
置します。
1. Mountains レイヤの Z 位置を変更します。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で、Mountains レイヤを選択します。
b) [Composite Controls]パネル(
[F8])で[Transform]をクリックして Transform コント
ロールを表示します。
c) [Z Position]フィールドの値がほぼ「650」になるまで、右にスクラブします。
ヒント : 値を大幅に増減させるには、
[Shift]を押しながらスクラブします。値を少しずつ増減さ
せるには、[Ctrl]/[Command]を押しながらスクラブします。
ビューポート内で黄色の垂直線で表された Mountains レイヤが、Z 空間内の後方(カメラ
から遠ざかる方向)に移動します。
参考 : フィールドに値を入力する別の方法として、フィールドをクリックして値を直接入力する
方法と、フィールドをダブルクリックして計算機に数値を入力する方法があります。
92
3D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
2. Trees レイヤの Z 位置を変更します。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で、Trees レイヤを選択します。
b) [Composite Controls]パネル(
[F8])で、[Z Position]を「350」に設定します。
3. Building レイヤの Z 位置を変更します。
a) [Workspace]パネルで、Building レイヤを選択します。
b) [Composite Controls]パネルで、
[Z Position]を「-8」に設定します。
Building レイヤの Z 空間位置はビューポート内では垂直線で示されますが、これはカメラ
に最も近い位置にあります。
4. [Home]をクリックしてズーム係数を 100% に戻します。
5. ビューポートで右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Camera]を選択します。
Trees レイヤは Z 空間内の後方(カメラから遠く離れた位置)に配置されているため、
Building レイヤよりも低い位置に小さく表示されます。
6. Building レイヤを配置します。
a) [Workspace]パネルで Building レイヤが選択され、
[Composite Controls]パネルで
[Transform]が選択されています。[X Position]を「35」に設定します。
93
3 3D 空間でのコンポジットの作成
b) [Y Position]を「-8」に設定します。
Building レイヤが右下に移動します。
7. Trees レイヤを配置します。
a) [Workspace]パネルで、Trees レイヤを選択します。
b) [X Position]を「90」に設定します。
c) [Y Position]を「495」に設定します。
8. Mountains レイヤを配置します。
a) [Workspace]パネルで、Mountains レイヤを選択します。
b) [X Position]を「98」に設定します。
c) [Y Position]を「-50」に設定します。
Mountains レイヤはコンポジット内に表示されません。このレイヤは Trees レイヤの背後に
配置されており、Trees レイヤにアルファ・チャンネルが含まれていないためです。
94
3D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
Mountains レイヤが見えるようにする
転送モードを使うと、コンポジット内の画像の値とその背後の画像の値を合成することによ
り、隠れていたレイヤを見えるようにできます。Mountains レイヤが見えるように、Trees レイ
ヤの転送モードを変更します。
1. [Workspace]パネル(
[F3])で、Trees レイヤを選択します。
2. [Composite Controls]パネル(
[F8])で、[Surface]をクリックして Surface コントロール
を表示します。
3. [Transfer Mode]リストから[Darken]を選択します。
コンポジット内で山が見えるようになります。
[Darken]転送モードでは、手前のレイヤ(Trees レイヤ)のピクセルのうち、背後のレイ
ヤ(Mountains レイヤ)より暗いピクセルだけが合成されます。Trees レイヤの一部である
空は山よりも明るいため、空のピクセルは Mountains レイヤのピクセルと合成されません。
95
3 3D 空間でのコンポジットの作成
4. ワークスペースを保存します。
a) [Ctrl]+[S]/[Command]+[S]を押して[Save Workspace]ダイアログを開きます。
b) 現在のワークスペースのファイル名とディレクトリを指定し、
[OK]をクリックするか
[Enter]を押します。
カメラのドーリー動作を生成する
カメラをアニメートして、ドーリー動作の生成と視差のシミュレートを行います。
1. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
2. [Animate]を有効にして(
[A]を押して)自動キーフレームを有効にします。
3. [Workspace]パネル(
[F3])で、[Camera]を選択してコンポジットの Camera コントロー
ルを表示します。
4. [Composite Controls]パネル(
[F8])で、[Transform]をクリックします。
96
3D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
5. [X Position]フィールドをスクラブします。
ビューポート内の各レイヤは、それぞれ異なる速度で移動するように見えます。Building
レイヤはカメラに最も近いため、最も速く移動するように見えます。Mountains レイヤは Z
空間の最も奥にあるため、最も遅く移動するように見えます。
6. [X Position]を「0」に設定します。
7. 最後のフレームに移動します(
[End])。
8. [X Position]を「80」に設定します。
9. ビューポートでアニメーションをプレビューします。
a) 最初のフレームに移動します(
[Home])。
b) 再生コントロールで、再生モード・ボタンを切り替えて[Loop]モードを選択します。
c) クリップを再生します(
[Spacebar])。
参考 : リアルタイムでクリップを表示するのに充分な RAM がない場合には、再生コントロール
の右側にある[Display Quality]リストから[Medium]あるいは[Draft]を選択します。
ビューポートに表示されるファイルの解像度が下がり、より多くのフレームをキャッシュでき
るようになります。
[Display Quality]リスト
97
3 3D 空間でのコンポジットの作成
d) 最も背の高い木とその周辺を中心に観察します。
コンポジット内の各レイヤの Z- 深さはそれぞれ異なるため、カメラがレイヤの前を移動す
ると、カメラからは各レイヤがそれぞれ違った速度で移動するように見えます。カメラを
アニメートすると、レイヤはカメラの前を通り過ぎるように見えます。カメラのドーリー
動作と同じく、建物はカメラの前をすばやく過ぎ去るように見え、その奥の木はそれより
遅い速度で移動するように見え、Z 空間の一番奥にある山は木よりもさらに遅い速度で移
動するように見えます。
男女の主人公をコンポジットに追加する
人気者の主人公キャラクタをフィーチャした 2 つのクリップをインポートします。これらの主
人公キャラクタをコンポジットに組み込みます。つまり、男性主人公を道路のカメラ側に、女
性主人公を歩道上に、それぞれ配置します。
1. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
2. [Animate]を無効にするか、
[A]を押します。
3. 2 つの画像シーケンスをインポートします。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で Street Scene コンポジットを右クリック /[Ctrl]+ クリッ
クし、[Import Footage]を選択します。または、[Ctrl]+[I]/[Command]+[I]を押
します。
b) [Import Footage]ダイアログで Lesson03 フォルダを検索し、それを開きます。
c) Heroine フォルダを開き、Heroine.[###].png 画像シーケンスをクリックします。
d) Parent フォルダをダブルクリックし、Hero フォルダを開き、Hero.[###].png 画像シーケ
ンスをクリックします。
e) [OK]をクリックするか[Enter]を押します。
98
3D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
インポートされた画像や作成されたレイヤの X 位置、Y 位置、Z 位置は、デフォルトで
「0」に設定されます。男女の主人公の画像が、ビューポートに表示されていません。
Building レイヤが Z 空間の「-8」の位置に配置されているためです。3D 空間での作業の詳
細は、「combustion の 3D 空間で作業する」ヒント囲み記事を参照してください。
4. レイヤの名前を変更します。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で、Hero.001 レイヤを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Rename]を選択します。
b) 「Hero」と入力し、
[Enter]を押します。
c) [Workspace]パネルで、Heroine.001 レイヤを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Rename]を選択します。
d) 「Heroine」と入力し、
[Enter]を押します。
ヒント : レイヤの名前を変更するときは、目的のレイヤを[Workspace]パネルでクリックした
後もう一度クリックし、フィールドに名前を入力し、[Enter]を押しても、同じ結果が得られま
す。この方法は、レイヤを[Workspace]パネルでダブルクリックする操作とは異なります。
ダブルクリックした場合は、アクティブなビューポートのビューが Layer ビューに変わります。
誤ってビューを切り替えてしまった場合には、[Workspace]パネルでコンポジット・オペレー
タをダブルクリックしてください。Camera ビューに戻ります。
5. Hero Shadow レイヤの位置を調整します。
a) [Workspace]パネルで、Hero レイヤを選択します。
b) [Transform controls]パネルで、
[Z Position]を「-215」に設定します。
c) [X Position]を「102」に設定します。
d) [Y Position]を「-90」に設定します。
男性主人公が道路のカメラ側に配置されます。
combustion の 3D 空間で作業する
コンポジット内のレイヤの Z 位置は、[Workspace]パネル内のレイヤのスタック順よりも優先
されます。たとえば、[Workspace]パネルで Mountains レイヤをスタックの一番下から一番上へ
移動させても、ビューポートで Mountains レイヤが Building レイヤや Trees レイヤの手前に表示
されるようにはなりません。Mountains レイヤは、Z 空間内の最も遠い位置に配置されているた
めです。
Mountains レイヤのスタック順を変更します。
1. [Workspace]パネル([F3])で Mountains レイヤを選択し、ドラッグして Building レイヤの
上まで持ってきます。
2. Building レイヤの上に線が表示されたら、カーソルを離します。
コンポジットのレイヤを並べ替える方法の詳細は、combustion ユーザーズガイドを参照してく
ださい。
99
3 3D 空間でのコンポジットの作成
6. Heroine レイヤを配置して拡大縮小します。
a) [Workspace]パネルで、Heroine レイヤを選択します。
b) [Z Position]を「-20」に設定します。
c) [Proportional]を有効にし、Scale フィールドのいずれかを「85%」に設定します。
d) [X Position]を「-177」に設定します。
e) [Y Position]を約「-76」に設定します。すると、女性主人公が歩道の陰に立っているよ
うに見えます。
7. [Ctrl]+[S]/[Command]+[S]を押して、ワークスペースを保存します。
8. クリップを再生(
[Spacebar])して結果を表示します。
男女の主人公が道路のシーンに組み込まれています。Heroine レイヤは、Z 空間内で
Building レイヤの少し手前に配置されているため、その動く速さは Building レイヤとほぼ
同じになります。Hero レイヤは、Z 空間でカメラに最も近い位置にあるため、動きが最も
速くなります。
100
3D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
Heroine レイヤに影を追加する
Heroine レイヤの影を作成し、その影が Building レイヤに落ちるようにします。次に、Trees レ
イヤと Mountains レイヤの影を落とす機能を無効にします。
1. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
2. [Workspace]パネル(
[F3])で、Street Scene コンポジットを選択します。
3. [Composite Controls]パネル(
[F8])で、[Settings]をクリックします。
4. [Render Effects]領域の[Shadows]を有効にします。
女性主人公の影が建物に映りますが、あまりリアルには見えません。また、Trees レイヤが
暗くなっています。
5. Heroine レイヤの[Cast Shadow]オプションを検証します。
a) [Workspace]パネルで、Heroine レイヤを選択します。
b) [Composite Controls]パネルで[Layer]をクリックします。
c) [Options]領域の[Cast Shadow]を無効にします。
Heroine レイヤの影が表示されなくなります。
101
3 3D 空間でのコンポジットの作成
d) [Cast Shadow]を有効にします。
[Cast Shadow]オプションを有効にしないと、Heroine レイヤの影が表示されません。
6. Building レイヤの[Receive Shadow]オプションを検証します。
a) [Workspace]パネルで、Building レイヤを選択します。
b) [Composite Controls]パネルで、
[Options]領域の[Receive Shadow]を無効にします。
Building レイヤに影が落ちなくなります。
c) [Receive Shadow]を有効にします。
[Receive Shadow]オプションを有効にしないと、Building レイヤに影が落ちません。
デフォルトでは、すべてのレイヤの[Cast Shadow]と[Receive Shadow]が有効になって
います。このため、Trees レイヤと Mountains レイヤにも影が落ちることになり、いっそう
暗くなります。また、Trees レイヤにはアルファ・チャンネルが関連付けられていないた
め、このレイヤ全体の影が Mountains レイヤ上に落ちます。
7. Trees レイヤと Mountains レイヤの[Receive Shadow]を無効にします。
a) [Workspace]パネルで、Trees レイヤを選択します。
b) [Composite Controls]パネルで、
[Options]領域の[Receive Shadow]を無効にします。
c) [Workspace]パネルで、Mountains レイヤを選択します。
d) [Composite Controls]パネルで、
[Receive Shadow]を無効にします。
Trees レイヤと Mountains レイヤに影が落ちなくなります。この練習では、Building レイヤ
にだけ影が落ちるようにします。
ライトを調整する
コンポジットのライトを調整し、影を有効にすることで、アルファ・チャンネルを持つレイヤ
から Z 空間の後方のレイヤに影を落とすことができます。ライトの位置を調整して、建物に
落ちる女性主人公の影がリアルに見えるようにします。
1. [Workspace]パネル(
[F3])で、[Light]を選択してコンポジットの Light コントロールを
表示します。
[Composite Controls]パネルに Light コントロールが表示されます。
2. [Composite Controls]パネル(
[F8])で、[Transform]をクリックします。
102
3D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
3. ライトの位置を変更します。
a) [X Position]を「100」に設定します。
b) [Y Position]を「-155」に設定します。
ライトは現時点で Hero レイヤの手前にあるため、Heroine レイヤと Building レイヤに Hero
レイヤの影が落ちます。ライトの使い方の詳細は、combustion ユーザーズガイドの「ライ
ティング効果を追加する」を参照してください。
参考 : デフォルトのライトやコンポジットに追加されるライトの Z 位置は、「-250」に設定され
ます。
4. [Workspace]パネルで、Hero レイヤを選択します。
103
3 3D 空間でのコンポジットの作成
5. [Composite Controls]パネルで、
[Layer]をクリックし、[Cast Shadow]オプションを無効
にします。
Heroine レイヤと Building レイヤに、Hero レイヤの影が落ちなくなります。Heroine レイヤ
の影は表示されますが、ライト光源の位置が移動したため、少しだけ引き延ばされていま
す。
ここでは Hero レイヤの影を無効にしましたが、後で Hero レイヤのアルファ・チャンネル
を使って新しい影を作成します。
6. [Ctrl]+[S]/[Command]+[S]を押して、ワークスペースを保存します。
女性主人公の影を調整する
女性主人公の影をよりリアルに見せるために、影のソフトネスと不透明度を調整します。ライ
トによる影を調整するには、影をキャストするレイヤを複製した後、2 つの影レイヤを「分
離」する必要があります。分離するには、一方のレイヤをカメラから見えないようにし、他方
のレイヤにはライトが当たらないようにします。次に、ブラー・オペレータを追加して影を和
らげます。
1. [Workspace]パネル(
[F3])で、Heroine レイヤを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Duplicate]を選択します。
[Workspace]パネルで、数値タグがダイナミックに更新されます。特定のレイヤを複製す
ると、数値タグ「(1)」が元のレイヤに追加され、数値タグ「(2)」が複製されたレイヤに
追加されます。
複製されたレイヤ(Heroine(2)レイヤ)の X 位置、Y 位置、Z 位置は、元のレイヤ
(Heroine(1))と同じ値になります。
参考 : また、Heroine レイヤを選択し、[Ctrl]+[C]/[Command]+[C]を押してコピーし、
そのコピー・レイヤを[Ctrl]+[V]/[Command]+[V]を押して[Workspace]パネルに貼
り付けても、同様の結果が得られます。
104
3D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
2. Heroine(2)レイヤの名前を変更します。
a) Heroine(2)レイヤを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Rename]を選択します。
b) 「Heroine Shadow」と入力し、
[Enter]を押します。
数値タグはダイナミックに更新されます。複製されたレイヤの名前を変更すると、元のレ
イヤに付いていた数値タグは削除されます。
3. 影を落としている Heroine レイヤから、Heroine Shadow レイヤを分離します。
a) [Workspace]パネルで、Heroine レイヤを選択します。
b) [Composite Controls]パネルで[Layer]をクリックし、
[Invisible to Rays]を有効にしま
す。
Heroine レイヤがライトの光に影響されなくなり、同レイヤから影が落ちなくなります。た
だし、Heroine Shadow レイヤが有効になっているため、影は表示されたままです。
c) [Workspace]パネルで、Heroine Shadow レイヤを選択します。
d) [Composite Controls]パネルで、
[Invis. to Camera]を有効にします。
Heroine Shadow レイヤが Camera ビューに表示されなくなります。ただし、影を落とす機能
は引き続き有効であるため、影は表示されます。
105
3 3D 空間でのコンポジットの作成
4. [Invis. to Camera]オプションの働きを理解するために、女性主人公の影を無効にしてみま
す。
a) [Workspace]パネルで、Heroine レイヤのアイコンをクリックしてオフにします。
Heroine Shadow レイヤの[Cast Shadow]オプションが有効になっているため、女性主人公
の影は表示されます。ただし、Heroine Shadow レイヤはカメラからは見えないため、この
レイヤ自体は表示されません。
b) Heroine レイヤを有効にします。
5. [Workspace]パネルで、Heroine Shadow レイヤを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Operators]/[Blur/Sharpen]/[Gaussian Blur]を選択します。
Heroine Shadow レイヤに[Gaussian Blur]オペレータが追加されます。
6. [Gaussian Blur Controls]パネルの[Radius]を「5」に設定します。
Heroine Shadow レイヤがソフト化されます。
7. [Workspace]パネルで、Heroine Shadow レイヤを選択して[Composite Controls]パネルを
表示します。
106
3D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
8. [Surface]をクリックします。
9. [Opacity]を「60%」に設定します。
Heroine Shadow レイヤの不透明度が減少します。
女性主人公の影の一部を隠す
マスク・オペレータを Heroine Shadow レイヤに適用することで歩道に落ちる影を消し、建物
に落ちる影だけを残します。
1. 2 ビューポートのレイアウトを選択します。
2 つのビューポートに、結果のコンポジットが表示されます。コンポジット全体の中でのマ
スク・オペレータの効果を確認するには、ビューポートが 2 つ必要になります。
2. [Workspace]パネル(
[F3])で、Heroine Shadow レイヤを右クリック /[Ctrl]+ クリック
し、[Operators]/[Mask]/[Draw Mask]を選択します。
アクティブなビューポート(左側)と[Workspace]パネルに、
[Draw Mask]オペレータが
表示されます。右側のビューポートに、結果のコンポジットが表示されます。
combustion の[Mask]ツールや[Paint]ツールを使う場合、インポートしたフッテージ
のアスペクト比が適用されます。
3. 左側のビューポートで女性主人公の足にズーム・インします。
107
3 3D 空間でのコンポジットの作成
4. [Draw Mask]のプロパティを設定します。
a) [Workspace]パネルで、
[Draw Mask]オペレータを選択します。
b) [Mask Controls]パネル(
[F8])で、[Modes]をクリックします。
c) 「Invert」を有効にします。
d) [Feather]を「4」に設定します。
108
3D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
5. 左側のビューポートでマスクを描画します。その際、右側のビューポートを参考にします。
a) 左側のビューポートで、女性主人公の右足付近のポイントをクリックしてマスクの描画
を開始します。
b) 女性主人公の両足の周りを、時計回りにクリックしていきます。
c) マスクを閉じます。カーソルの形が
に変わるのを待って最初のコントロール・ポイ
ントを(再度)クリックするか、最後のコントロール・ポイントを追加した後で
[Enter]を押してください。
現在のオペレータ([Draw Mask])を表示する左側のビューポートには、女性主人公の両
足部分がマスクされている様子が表示されます。結果のコンポジットを表示する右側の
ビューポートには、女性主人公の足から歩道に落ちる影がマスク・アウトされている様子
が表示されます。
ヒント : 最後に追加したコントロール・ポイントを削除するには、
[Delete]を押します。特定の
不要なコントロール・ポイントを削除するには、目的のコントロール・ポイントをクリックし
て選択し、[Delete]を押します(コントロール・ポイントは選択時に塗りつぶされます)。コン
109
3 3D 空間でのコンポジットの作成
トロール・ポイントを追加するには、2 つのコントロール・ポイントの間の領域にカーソルを置
きます。カーソルの形が に変わったら、クリックしてコントロール・ポイントを追加します。
[Mask]ツールの使い方の詳細は、combustion ユーザーズガイドの「マスクを使用する」
を参照してください。
6. 右側のビューポートをクリックしてアクティブにします。
7. 1 ビューポートのレイアウトを選択します。
8. [Ctrl]+[S]/[Command]+[S]を押して、ワークスペースを保存します。
Hero レイヤに影を追加する
女性主人公の影は、ライトと[Cast Shadow]オプションを使って作成しました。男性主人公
の影は、Hero レイヤのアルファ・チャンネルを別のレイヤのマットとして使うことによって
作成します。
1. [Workspace]パネル(
[F3])で、Street Scene コンポジットを右クリック /[Ctrl]+ クリッ
クし、[New Layer]を選択します。
参考 : また、[Object]/[New Layer]を選択しても、[New]ダイアログを表示できます。
[New]ダイアログが表示されます。
2. 新しいレイヤの次のプロパティを設定します。
•[Type]:Solid
• Hero Shadow
•[Format]:NTSC D1 / Discreet edit NTSC
•[Duration]:40
•[Bit Depth]:8 ビット
•[Background Color]:[Background]カラー・ボックスをクリックし、[Pick Color]ダイ
アログで[Red]を「15%」に、[Green]を「15%」に、[Blue]を「15%」にそれぞれ設
定し、[Enter]を押します。
選択した色(灰色)が、[New]ダイアログの[Background]カラー・ボックスに表示され
ます。これが無地のレイヤの色になります。色の設定方法の詳細は、「[Pick Color]ダイア
ログで色を設定する」ヒント囲み記事を参照してください。
ビューポートで、Hero Shadow レイヤが Building レイヤの背後に表示されます。
3. Hero Shadow レイヤの位置を設定します。
a) [Composite Controls]パネル(
[F8])で、[Transform]をクリックします。
110
3D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
b) [Z Position]を「-200」に設定します。
Hero Shadow レイヤは、Hero レイヤ(Z 空間「-215」)以外のすべてのレイヤの手前に来ま
す。
4. Hero レイヤのアルファ・チャンネルを Hero Shadow レイヤに適用します。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で、Hero Shadow レイヤを右クリック /[Ctrl]+ クリック
し、[Operators]/[Channel]/[Set Matte]を選択します。
[Workspace]パネルの Hero Shadow レイヤの下に、[Set Matte]オペレータが表示されま
す。
b) [Set Matte Controls]パネル(
[F8])の[Input]リストから、[Alpha]を選択します。
c) [Set Matte Controls]パネルで、
[Layer]ボタンをクリックします。
[Pick Color]ダイアログで色を設定する
[Pick Color]ダイアログを使って色を選択するには、カラー・スペクトル上の任意の位置をク
リックするか、[Red]、[Green]、
[Blue]の各フィールドにチャンネル値を設定します。
次のカラー値を参考にして、必要な色を設定します。
結果の色
[Red]値
[Green]値
[Blue]値
白色
100%
100%
100%
黒色
0%
0%
0%
赤色
100%
0%
0%
緑色
0%
100%
0%
青色
0%
0%
100%
黄色
100%
100%
0%
111
3 3D 空間でのコンポジットの作成
d) [Layer]ダイアログで[Footage - Hero.[###]]オペレータを選択し、
[OK]をクリックす
るか[Enter]を押します。
Hero レイヤのフッテージが、Hero Shadow レイヤのマットとして設定されます。[Set Matte
Controls]パネルの[Layer]フィールドに、Footage - Hero.[###] が表示されます。
Footage - Hero.[###](マット・レイヤ)のアルファ・チャンネルに基づいて、Hero Shadow
レイヤのアルファ・チャンネルが定義されます。
5. [Ctrl]+[S]/[Command]+[S]を押して、ワークスペースを保存します。
112
3D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
男性主人公の影を調整する
男性主人公の影の拡大縮小、傾き、位置を調整して、主人公の影が道路上にリアルに落ちる
ようにします。
1. Hero Shadow レイヤの拡大縮小と傾きを調整します。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で、Hero Shadow レイヤを選択します。
b) [Composite Controls]パネル(
[F8])で、[Transform]をクリックします。
c) [Proportional]を有効にしてから、Scale フィールドのいずれかを「55%」に設定しま
す。
d) [X Shear]を「-40」に設定します。
Hero Shadow レイヤから Building レイヤに影が落ちます。
2. [Composite Controls]パネルで[Layer]をクリックし、
[Cast Shadow]オプションを無効に
します。
3. Hero Shadow レイヤの位置を調整します。
a) [Composite Controls]パネルで、
[Transform]をクリックします。
b) [X Rotation]を「-282」に設定します。
c) [Y Rotation]を「-15」に設定します。
d) [X Position]を「93」に設定します。
113
3 3D 空間でのコンポジットの作成
e) [Y Position]を「-162」に設定します。
ビューポート内で、男性主人公の影が主人公自身と交差し、主人公の手前に表示されます。
4. [Workspace]パネルで、Hero レイヤを選択します。
5. [Composite Controls]パネルで[Layer]をクリックします。
6. [Depth Order]領域で[Foreground]を選択します。
Hero レイヤが前景に固定されているため、Z 空間内での各レイヤの位置関係にかかわら
ず、このレイヤがコンポジット内のすべてのレイヤの手前に表示されます。レイヤの深さ
順を変更する方法の詳細は、combustion ユーザーズガイドを参照してください。
114
3D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
男性主人公の影を改善する
Hero Shadow レイヤは Hero レイヤから独立しています。ブラー・オペレータを追加したり不
透明度を調整したりして、Hero Shadow レイヤの影がよりリアルに見えるようにします。
1. [Workspace]パネル(
[F3])で、Hero Shadow レイヤを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Operators]/[Blur/Sharpen]/[Gaussian Blur]を選択します。
2. [Gaussian Blur Controls]パネル(
[F8])で、[Radius]を「12」に設定します。
3. [Workspace]パネルで、Hero Shadow レイヤをクリックします。
4. [Composite Controls]パネル(
[F8])で[Surface]をクリックし、[Opacity]を「50%」に
設定します。
男性主人公の影の不透明度が減り、よりソフトな感じになります。
5. クリップを再生(
[Spacebar])して結果を表示します。
Perspective ビューでコンポジットを検証する
Street Scene コンポジットは、1 台のカメラ、1 個のライト、7 つのレイヤから構成されていま
すが、各構成要素の Z 位置や拡大縮小の値はそれぞれ異なっています。Perspective ビューの回
転ツールやズーム・ツールをうまく使うことで、3D 空間内のコンポジットをよりわかりやす
く表示します。
1. ビューポートで右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Perspective]を選択します。
Perspective ビューでは、カメラ位置に関係なく、任意のポイントからコンポジットを見る
ことができます。
2. [Perspective Zoom]ツールを使ってビューポートをズーム・アウトします。
a) Toolbar を表示します(
[F2])。
[View]リスト
115
3 3D 空間でのコンポジットの作成
Toolbar には、現在のオペレータ(ビューポートの左上隅に表示)に対するツールが常に表
示されます。ここでは、[Composite]オペレータに対するツールが表示されています。ま
た、Toolbar には[View]リストの現在のビューも表示されます。
参考 : ビューの変更はアクティブなビューポートにのみ適用されます。
b) Toolbar 上の[Perspective Zoom]ツールをスクラブして、レイヤのすべてのエッジが
ビューポート内に表示されるようにします。
参考 : [Perspective Zoom]ツールは、「スクラブ可能な」ツールです。
3. Toolbar の[Perspective Rotate]ツールをスクラブして、コンポジットのすべての側面を表
示します。
参考 : [Feedback]が有効になっているため、[Perspective]ツールを使ってスクラブするとオ
ブジェクトが再描画されます。
[Feedback]を無効にすると、スクラブ時にレイヤの輪郭だけが
表示され、動きが止まって選択したツールが無効になったときにオブジェクトが再描画されま
す。
4. パースペクティブ・ツールをリセットします。
a) [Perspective Rotate]ツールをダブルクリックして[Direction]ダイアログを開きます。
b) [Reset]をクリックします。
c) [Perspective Zoom]ツールをダブルクリックして[Zoom Factor]ダイアログを開きま
す。
d) [Reset]をクリックします。
5. ワークスペースを保存し、閉じます。
a) ワークスペースを保存します(
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
b) (オプション)QuickTime ムービーとしてクリップをレンダリングします。詳細は、46
ページの「結果のコンポジットをレンダリングする」を参照してください。
c) ワークスペースを閉じます(
[Ctrl]+[W]/[Command]+[W])。
116
3D 空間でのコンポジットの作成 ❚❘❘
覚えておくべきこと
• ワークスペースの作成時に指定した解像度に関わらず、ワークスペースに任意の解像度を持
つフッテージをインポートできます。
• コンポジットのレンダリングは通常、Camera ビューで行います。ユーザはカメラのレンズ
を通してコンポジットを見ますが、カメラ自体を見ることはできません。
• コンポジットを正射方向から見るには、[Front]、[Back]、[Top]、[Bottom]、[Right]、
[Left]などの正射投影ビューを使います。
• 転送モードを使うと、コンポジット内の画像の値とその背後の画像の値を合成することによ
り、隠れていたレイヤを見えるようにできます。
• 視差をシミュレートするには、各レイヤを異なる Z- 深さに配置し、カメラをアニメートし
ます。
• ライトを使うと、マットが適用されたレイヤから影を落とすことができます。
• レイヤの透明度を変更するには、[Set Matte]オペレータを使って、そのレイヤのマットと
して別のレイヤを指定します。
• 無地のレイヤを作成するには、[Object]/[New Layer]を選択します。
• Perspective ビューに切り替えるには、ビューポートを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Perspective]を選択します。Perspective ビューでは、カメラ位置に関係なく、コンポジット
を任意の位置から見ることができます。
• Perspective ビューでコンポジットを見るパースペクティブを変更するには、[Perspective
Zoom]ツールと[Perspective Rotate]ツールを使います。
117
3 3D 空間でのコンポジットの作成
118
Paint の使い方
Lesson 4
Paint を使うと、ペイント・ストローク、
ジオメトリ、テキスト、および選択範囲
を、クリップや画像に追加できます。
Paint はベクトル・グラフィックを使用す
るため、任意のフレームで Paint オブジェ
クトを変更し、アニメーションを作成する
ことができます。
119
4 Paint の使い方
概要
デジタル・ペイント・プログラムでは、ラスターとベクトルの 2 種類のグラフィックが一般的
です。combustion の[Paint]オペレータは、ベクトル・グラフィックを使用しています。ベ
クトル・グラフィックは、線と曲線の数学的な記述として保存されるため、グラフィックの品
質に影響を与えずにサイズを変更できます。また、位置やサイズなどのベクトル・グラフィッ
クの属性をアニメートできるため、クリップ上にペイントする場合に理想的です。
クリップや画像上にペイントするには、フッテージを Paint ブランチとして開くか、[Paint]
オペレータをレイヤなどの別のオペレータに適用します。このレッスンでは、[Paint]オペ
レータを使ってベクトル・グラフィックを作成およびアニメートします。練習 1 では、基本的
なオブジェクトを作成およびアニメートしてアニメを作ります。練習 2 では、[Paint]オペ
レータを使ってフッテージのレタッチを行います。
このレッスンの所要時間:90 分
練習 1:基本的なオブジェクトを描画およびアニ
メートする
まず、Paint を使ってオブジェクトを作成および変更します。フッテージを Paint ブランチとし
て開きます。次に、[Audio]ツールを使ってオーディオ・ファイルをインポートし、ビデオと
同期させます。
この練習では、以下について学びます。
• 基本的な Paint オブジェクトを使ってシェフの顔を作成します。
• コントロール・ポイントを使ってオブジェクトを編集し、顔の特徴を形成します。
• Paint オブジェクトの位置をアニメートして、シェフの頭部の動きに一致させます。
• オーディオをインポートおよびスリップして、クリップのアクションに一致させます。
助けが必要ですか?
この練習を行う上で助けが必要であれば、ワークスペースを保存して閉じてから、
Lesson04_ex1.cws ファイルを参考用に開いてください。
120
Paint の使い方 ❚❘❘
ワークスペースを設定する
まず、この練習の結果をプレビューします。次に、ブランチを作成してオブジェクトの描画
を始めます。
1. combustion の基本設定を確認します。詳細は、9 ページの「基本設定を設定する」を参照
してください。
2. [File]/[Open Workspace]をクリックするか[Ctrl]+[Shift]+[O]
(Windows)または
[Command]+[Shift]+[O](Macintosh)を押して、Lesson04 フォルダの
Lesson04_ex1.cws ファイルを開きます。詳細は、22 ページの「ワークスペースを開く」を
参照してください。
3. この練習の結果をプレビューするために、クリップをビューポートで再生します。詳細は、
30 ページの「ビューポートでコンポジットを再生する」を参照してください。
参考 : リアルタイムでクリップ全体を表示するだけの RAM がない場合には、combustion を最小
化して、Media Player (Windows)または QuickTime (Macintosh)を使って、
Lesson04_ex1.avi を再生します。詳細は、19 ページの「ムービーを再生する」を参照してくだ
さい。
このアニメーションは、シェフが厨房の床に卵を落とすという内容です。
4. [File]/[Close Workspace]
([Ctrl]+[W]/[Command]+[W])を使って
Lesson04_ex1.cws ファイルを閉じます。
5. フッテージを Paint ブランチとして開きます。
a) [File]/[Open]
([Ctrl]+[O]/[Command]+[O])を選択し、ファイル・ブラウザ
を使って Lesson04\ex1 フォルダを検索し、それを開きます。
b) [Open]ダイアログで[Thumbnails]をクリックして、選択したフォルダ内のフッテー
ジを表示します。
121
4 Paint の使い方
c) [Collapse]を有効にして画像シーケンスを閉じます。
d) Kitchen[##].png を選択し、
[OK]をクリックするか[Enter]を押します。
[Open Footage]ダイアログが表示されます。
e) [Paint]を選択し、
[OK]をクリックするか[Enter]を押して、画像シーケンスを Paint
ブランチとして開きます。
この画像シーケンスは、シェフが卵を落とすアニメーションです。シェフの顔の詳細はま
だ描かれていません。
[Workspace]パネルで、[Paint]は Kitchen[##]フッテージを含む最上位のオペレータに
なっています。
122
Paint の使い方 ❚❘❘
ビューポートのレイアウトを設定する
一方のビューポートに描画オブジェクトが、もう一方のビューポートに結果が表示されるよ
うに設定します。次に、各ビューポートのズーム係数を設定します。
1. 2 ビューポートのレイアウトを選択します。
両方のビューポートに[Paint]オペレータが表示されます。左側のビューポートが、デ
フォルトでアクティブになります。
2. 右側のビューポートにフレーム全体を表示します。
a) 右側のビューポートをクリックしてアクティブにします。
b) [Window]/[Fit in Window]を選択するか、右側のビューポートを右クリック /[Ctrl]
+ クリックして[Fit in Window]を選択します。
フレーム全体がビューポートのサイズに合わせて表示されます。
ヒント : また、[Home]ボタン([=]
)を切り替えることで、画像をウィンドウのサイズに合わ
せ、ズーム係数を最後のズーム係数か 100% に設定することもできます。
3. 左側のビューポートでシェフの顔にズーム・インします。
a) 左側のビューポートをクリックしてアクティブにします。
123
4 Paint の使い方
b) Toolbar(
[F2])を表示します。
Toolbar はコンテキストに応じて変化します。現在のオペレータは[Paint]オペレータであ
るため、Toolbar には[Paint]ツールが表示されます。
c) [Magnify]ツールをクリックします。
d) 左側のビューポートで、ズーム・インするシェフの顔をクリックします。
参考 : ズーム係数を上げるには、左側のビューポートを再度クリックし、[Magnify]ツールを上
下にスクラブするか、Toolbar で目的のズーム係数を設定します。
124
Paint の使い方 ❚❘❘
鼻の塗りつぶし楕円形を描く
オブジェクトを描画する前に、クリップ内で表示させる位置を決定します。次に、単純なベク
トル・グラフィックを使ってオブジェクトを描画します。この練習では、シェフの鼻はク
リップの開始時点から表示されるようにします。
1. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
2. Toolbar(
[F2])で、[Stroked/Filled Ellipse]ツールをクリックします。
[Stroked/Filled Ellipse]ツールが[Filled Ellipse]ツールに変化します。
Stroked/Filled ツールは、[Freehand]ツール、[Rectangle]ツール、[Ellipse]ツール、およ
び[Polygon]ツールで構成されます。各ツールに[Stroked]モードと[Filled]モードが
用意されています。
3. Toolbar の[Mode]リストからデフォルトの[Normal]モードを選択して、楕円形を描画
します。
[Normal]モードでは、任意のサイズのオブジェクトを描画できます。
参考 : [Ellipse]ツールでは、[Constrained]モードおよび[Fixed]モードも利用できます。
図形の幅と高さの比率を一定に保ちたい場合は、[Constrained]モードを使います。図形のサイ
ズを一定に保ちたい場合は、[Fixed]モードを使います。
125
4 Paint の使い方
4. 楕円形の描画モードと外観を設定します。
a) [Paint Controls]パネル(
[F8])で、[Modes]をクリックします。
b) [Reset]をクリックして、描画モードをデフォルト設定に戻します。
5. デフォルトの前景カラー・ボックスをクリックして、
[Pick Color]ダイアログを表示しま
す。
126
Paint の使い方 ❚❘❘
6. [Pick Color]ダイアログのカラー・スペクトルから特定の色を選択し、
[OK]をクリック
するか[Enter]を押します。
ヒント : 色を設定するには、[Red]、
[Green]、および[Blue]フィールドに値を入力するか、
ダイアログの横にある[Color Bar]スライダをドラッグします。
選択した色が、[Paint Controls]パネルの前景色になります。
7. 左側のビューポートで、カーソルをシェフの顔の中央付近に置き、カーソルをドラッグし
て楕円形を描画します。
参考 : 楕円形の位置やサイズは、正確である必要はありません。
127
4 Paint の使い方
その中心から外側に楕円形が描かれます。
8. [Workspace]パネル(
[F3])で、[Filled Ellipse]オブジェクトを右クリック /[Ctrl]+ ク
リックし、[Rename]を選択します。
9. 「Nose」と入力し、
[Enter]を押します。
ビューポートで、鼻の周りに境界ボックスが表示されます。
鼻を配置および改善する
Paint オブジェクトはベクトル・グラフィックであるため、描画前後に設定を変更できます。
鼻を変形して、正しい位置とサイズを持つようにします。Paint オブジェクトの位置やサイズ
を変更するには、Toolbar、[Paint Controls]パネル、ビューポートのいずれかを使います。こ
こでは、ビューポートで Toolbar のツールを使って変更します。
1. Toolbar(
[F2])の矢印ツールをクリックします。
Toolbar では、矢印ツールの[Object]オプションがデフォルトで選択されます。
[Object]オプション
128
Paint の使い方 ❚❘❘
2. ビューポートで境界ボックスの回転ハンドルをドラッグして、鼻がシェフの頭部の角度に
合うように調整します。
ヒント : 回転角度を 45 度の倍数に制限するには、[Shift]キーを押しながらドラッグします。
3. 鼻を移動します。
a) 鼻が選択されたままの状態で、カーソル(
)を鼻の上に置きます。
b) 鼻をドラッグして移動します。
129
4 Paint の使い方
4. 鼻のサイズと形を変更します。
a) 境界ボックスのコーナー・ハンドルをドラッグして、鼻を拡大縮小します。
コーナー・ハンドルをドラッグするとオブジェクトの幅と高さがどのように変化するのか
を確認してください。
b) 左右のハンドルをドラッグして鼻を変形します。
左右のハンドルをドラッグすると、オブジェクトの幅([X scale])のみが変わります。上
下のハンドルをドラッグすると、オブジェクトの高さ([Y scale])のみが変わります。
130
Paint の使い方 ❚❘❘
ビューポートでハンドルをドラッグしてオブジェクトを拡大縮小する場合、調整は反対側
またはコーナーに対して相対的に行われます。ただし、Transform コントロールでオブジェ
クトのサイズを変更した場合は、オブジェクトのピボット・ポイントに相対的に調整が行
われます。
ヒント : [Shift]を押しながらドラッグすると、縦横比を一定に保ちながらオブジェクトが拡大
縮小されます。[Ctrl]/[Command]を押しながらドラッグすると、ピボット・ポイントに対
して相対的にオブジェクトが拡大縮小されます。
5. 鼻を改善します。
a) Toolbar(
[F2])で、[Control Points]オプションをクリックします。
b) ビューポートで、カーソルを特定のコントロール・ポイント上に置き、それをドラッグ
して鼻の形を調整します。
c) [Ctrl]/[Command]を押しながら(1 つまたは複数の)コントロール・ポイントの接
線ハンドルをドラッグして、鼻の形を整えます。
コントロール・ポイントの使用方法の詳細については、「コントロール・ポイントを調整す
る」ヒント囲み記事を参照してください。
6. ワークスペースを保存します。
a) [Ctrl]+[S]/[Command]+[S]を押して[Save Workspace]ダイアログを開きます。
b) 現在のワークスペースのファイル名とディレクトリを指定し、
[OK]をクリックするか
[Enter]を押します。
目の楕円形を描く
まず、2 つの楕円形を描画し、片目のグループを作成します。次に、その片目のグループを複
製して他方の目を作成します。
1. 目の楕円形を 1 つ描画します。
a) Toolbar(
[F2])で、[Stroked/Filled Ellipse]ツールをクリックします。
b) [Paint Controls]パネルで、
[Modes]をクリックします。
c) 塗りつぶし楕円形を作成するために、
[Object]モード・リストから[Filled]を選択し
ます。
131
4 Paint の使い方
ヒント : オブジェクトをシェイプ、選択範囲、マスクのいずれかとして描画するように設定する
には、Modes コントロールまたは Toolbar を使います。
d) [D]を押すか Modes コントロールの[Use Default Foreground and Background Colors]ボ
タン(
)をクリックして、デフォルトの色(白色と黒色)を選択します。
[Use Default Foreground
and Background Colors]
[Swap Foreground and
Background Colors]
コントロール・ポイントを調整する
コントロール・ポイントを使って、Paint オブジェクトの形を編集します。コントロール・ポイ
ントを追加、移動、および削除したり、接線ハンドルを使って曲線を作成したりできます。
• コントロール・ポイントを追加するには、線上でカーソルを動かし、カーソルが
に変わっ
たらクリックします。
• コントロール・ポイントを移動するには、目的のポイントの上にカーソルを置き、カーソルが
に変わったら、ポイントをドラッグします。
• コントロール・ポイントを削除するには、目的のポイントをクリックして選択してから、
[Delete]を押します。
複数のポイントを選択するには、[Shift]を押しながら目的のポイントをクリックするか、選択
範囲ボックスをドラッグして目的のポイントを囲みます。
接線ハンドルを使ってオブジェクトの曲線を調整します。次に、接線ハンドルの操作テクニッ
クをいくつか示します。
• コントロール・ポイントの接線ハンドルにアクセスするには、目的のポイントをクリックしま
す。
• 接線ハンドルを非表示にするには、[Ctrl]/[Command]を押しながら対応するポイントをク
リックします。
• 非表示の接線ハンドルにアクセスするには、[Ctrl]/[Command]を押しながら対応するポイ
ントをドラッグします。
• 片方の接線ハンドルをもう一方のハンドルから切り離すには、[Ctrl]/[Command]を押しな
がらドラッグします。
• 切り離した接線ハンドルを再結合するには、[Ctrl]/[Command]を押しながらハンドルのい
ずれかをドラッグします。
• 2 つの接線ハンドルの長さを再度同じにするには、[Ctrl]/[Command]を押しながらコント
ロール・ポイントをクリックしてハンドルを非表示にした後、[Ctrl]/[Command]を押しな
がら接線ハンドルを再度ドラッグします。
132
Paint の使い方 ❚❘❘
e) 鼻の左側にカーソルを置き、
[Shift]を押しながらカーソルをドラッグして楕円形を描
画します。
[Shift]を押しながらカーソルをドラッグすると、卵形ではなく円を作成できます。
2. 楕円形を拡大縮小および移動します。
a) Toolbar(
[F2])の矢印ツールをクリックするか、[Tab]を押します。
b) [Shift]を押しながら境界ボックスの任意のハンドルをドラッグして、縦横比を一定に
保ちながら楕円形を拡大縮小します。
c) カーソルの形が
に変わったら、楕円形をドラッグして移動します。
3. 目玉にあたる黒い円を描きます。
a) Toolbar(
[F2])で、[Stroked/Filled Ellipse]ツールをクリックして[Filled Ellipse]ツー
ルを選択します。
b) [X]を押すか、Modes コントロールの[Swap Foreground and Background Colors]ボタン
(
)をクリックします。
c) 白色の楕円形上にカーソルを置き、
[Shift]を押しながら黒色の楕円形を描画します。
4. 黒色の楕円形を拡大縮小および移動します。
a) Toolbar(
[F2])の矢印ツールをクリックするか、[Tab]を押します。
b) [Shift]を押しながら境界ボックスの任意のハンドルをドラッグして、縦横比を一定に
保ちながら楕円形を拡大縮小します。
c) カーソルの形が
に変わったら、楕円形をドラッグして移動します。
133
4 Paint の使い方
5. 片目を構成する 2 つの楕円形をグループ化します。
a) 黒色の楕円形が選択された状態のまま、
[Shift]を押しながら白色の楕円形をクリック
します。
b) [Object]/[Group]をクリックするか、
[Ctrl]+[G]/[Command]+[G]を押しま
す。
ヒント : ビューポートまたは[Workspace]パネルで選択範囲ボックスをドラッグしてオブジェ
クトを囲む方法でも、複数のオブジェクトを選択できます。
ビューポートで、黒色と白色の楕円形が境界ボックスで囲まれます。
6. [Workspace]パネル(
[F3])で、[Group]の横の三角形をクリックします。
Filled Ellipse 2(黒色の楕円形)と Filled Ellipse 1(白色の楕円形)がグループ化されている
ことを確認してください。
7. [Workspace]パネル(
[F3])で、[Group]を右クリック /[Ctrl]+ クリックして
[Duplicate]を選択するか、
[Ctrl]+[Alt]+[D]/[Command]+[Alt]+[D]を押しま
す。
ビューポートで、複製した目が、元の目の真上に表示されます。
ヒント : [Alt]/[Option]を押しながらビューポート内でドラッグするか、[Edit]/[Copy]
と[Edit]/[Paste]を使って、オブジェクトをコピーすることもできます。
8. Group 1 オブジェクトと Group 2 オブジェクトの名前を変更します。
a) [Group 1]を右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Rename]を選択します。
b) 「Right Eye」と入力し、
[Enter]を押します。
c) [Group 2]を右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Rename]を選択します。
d) 「Left Eye」と入力し、
[Enter]を押します。
134
Paint の使い方 ❚❘❘
9. ビューポートで左目をドラッグして移動します。
シェフの口に使うカスタム・カラーを作成する
シェフの口を描く前に、[Swatches]パネルから新しい見本セットを作成して、一連のピンク
系の色を作成します。次に、黒色の前景色を新しい見本セットの暗いピンク色で置き換え、
この色を使ってシェフの口を描画します。
1. [Edit]/[Select None]
([Ctrl]+[D]/[Command]+[D])を選択してすべてのオブジェ
クトの選択を解除します。
ヒント : すべてのオブジェクトの選択を解除するときは、ビューポート上のオブジェクトのない
位置をクリックしてもかまいません。
[F8])で、[Modes]をクリックします。
2. [Paint Controls]パネル(
右端に、[Swatches]、[Mixer]、[Picker]、[Sliders]という、色選択のための 4 つのタブが
あります。
135
4 Paint の使い方
これらのパネルの詳細は、「カラー・パネル」ヒント囲み記事を参照してください。
3. [Swatches]タブをクリックし赤色を選択して、前景色を黒色から赤色に変更します。
カラー・パネル
[Paint Controls]パネルの右端には、4 つのカラー・パネル([Swatches]、
[Mixer]、[Picker]
、
[Sliders])があります。これらのパネルを使って前景色を設定します。
[Swatches]パネル
見本セットに保存されている特定の色を選択する場合に、
[Swatches]パネルを使います。デフォルトの見本セットを使った
り、
[Swatches]メニュー( )を使って他の見本セットにアクセ
スしたり、カスタム見本を定義したりできます。
[Mixer]パネル
絵の具と同じ要領で色を混合する場合に、[Mixer]パネルを使いま
す。ミキシング・エリアを保存およびロードするには、[Mixer]メ
ニュー( )を使います。
[Mix]ボタンをクリックして、混色と色
選択を切り替えます。
見本セットまたはミキシング・エリアを変更または作成すると、そ
の変更内容は自動的に保存され、それらの色がすべてのワークス
ペースから利用できるようになります。
[Picker]パネル
HSV カラー・モデルで色を選択する場合に、[Picker]パネルを使い
ます。カラー・スペクトル上の特定のポイントをクリックして色相
別彩度別の色を選択した後、その下のスライダを使って値(ブライ
トネス)を調整します。
[Sliders]パネル
特定の RGB チャンネル値または HSV チャンネル値を入力して色を
選択する場合に、
[Sliders]パネルを使います。たとえば HSV の場
合では、[Saturation]を「0」に設定および調整することにより、灰
色のシェードをペイントすることができます。
参考 : カラー・パネルは、切り離して画面上の任意の場所に配置で
きます。カラー・パネルの詳細は、combustion ユーザーズガイドを
参照してください。
136
Paint の使い方 ❚❘❘
参考 : [Swatches]パネルに赤色が存在しない場合は、[Swatches]メニュー(
クして[Default]を選択し、デフォルトの見本セットから赤色を選択します。
4. [Swatches]メニュー(
)をクリッ
) をクリックし、
[New Swatch Set]を選択します。
5. [Enter New Swatch Set Name]ダイアログで「Lip Colors」と入力し、
[OK]をクリックする
か[Enter]を押します。
ブランクの見本セットが[Swatches]パネルに表示されます。このブランクの見本セット
が、Lip Colors 見本セットです。
6. ブランクの見本セットの 1 行目全体にわたって、ペイント・バケツ・カーソルをドラッグ
します。
Lip Colors 見本セットに対して、赤色の前景色から白色の背景色へのグラデーションが作成
されます。
ヒント : 見本セットに前景色だけを追加するには、見本セットを一回だけクリックします。
7. ペンキ・バケツのカーソルを下向きに数行分ドラッグして、色の範囲を広げます。
8. 不必要な見本を削除します。
a) [Ctrl]/[Command]を押しながら、最も明るい見本行の先頭にカーソルを置きます。
137
4 Paint の使い方
b) 見本の行全体にわたって、ハサミのカーソルをドラッグします。
Lip Colors 見本セットから明るい見本行が削除されます。
ヒント : [Ctrl]/[Command]を押しながら特定の見本カラーの上にハサミのカーソルを置く
と、その見本カラーが削除されます。
9. 作成した Lip Colors 見本セットから、暗いピンク色をクリックします。
前景色が、赤色から暗いピンク色に変わります。
口を描く
[Line]ツールを使って口を描きます。
1. Toolbar(
[F2])で、[Line]ツールをクリックします。
2. [Paint Controls]パネル(
[F8])の Modes コントロールから、ブラシを選択します。
a) [Brushes Palette]メニュー(
138
) をクリックし、
[Default]を選択します。
Paint の使い方 ❚❘❘
b) 小さな無地のブラシを選択します。
選択したブラシが、前景カラー・ボックスの横に表示されます。
3. ビューポートでカーソルをドラッグしながら口を描画します。
ヒント : 線の角度を 45 度の倍数に制限するには、[Shift]を押しながらドラッグします。
[F3])で、Line オブジェクトの名前を「Mouth」に変更します。
4. [Workspace]パネル(
5. [Ctrl]+[S]/[Command]+[S]を押して、ワークスペースを保存します。
139
4 Paint の使い方
口をアニメートする
前のレッスンで学んだように、各フレームの属性を変更すると、アニメーションが作られま
す。たとえば、最後のフレームでオブジェクトの形を調整すると、クリック内の最後のフレー
ムまでの形がすべて、自動的に変更(補間)されます。
シェフがクリップの最初で笑い、卵が落ちるにつれてしかめつらをするようなアニメーション
を作成します。コントロール・ポイントと接線ハンドルを使って、口を編集します。
1. ビューポートで境界ボックスの回転ハンドルをドラッグして、シェフの口の角度を変更し
ます。
2. コントロール・ポイントの接線ハンドルをドラッグして、シェフの口の形を変更します。
a) Toolbar(
[F2])で、[Control Points]オプションをクリックします。
シェフの口は一本の直線から構成されているため、コントロール・ポイントは 2 つありま
す。
b) [Ctrl]/[Command]を押しながら左側のコントロール・ポイントをドラッグして、接
線ハンドルにアクセスします。
140
Paint の使い方 ❚❘❘
c) 左側のコントロール・ポイントをクリックし、その接線ハンドルを下と右にドラッグし
て曲線を作成します。
d) [Ctrl]/[Command]を押しながら右側のコントロール・ポイントをドラッグして右側
の接線ハンドルにアクセスした後、その接線ハンドルをドラッグして微笑を作ります。
3. クリップを再生します(
[Spacebar])。
シェフの口、鼻、および目は、フレーム 1 だけに表示されます。それらのオブジェクトは
フレーム 1 上に描画されており、Settings コントロールの[Default Object Duration]が[1
Frame]に設定されているためです。複数のフレームでオブジェクトを表示するには、オブ
ジェクトの長さを延長する必要があります。
参考 : 顔がすべてのフレームで表示される場合は、Settings コントロールの[Default Object
Duration]が[All Frames]に設定されているはずです。
141
4 Paint の使い方
4. Timeline でオブジェクトの長さを表示します。
a) Timeline(
[F4])で、上矢印ボタンをクリックして階層を上に移動し、Mouth オブジェ
クトを見つけます。
b) Mouth オブジェクトの横にある三角形をクリックして、そのカテゴリを非表示にしま
す。
c) Left Eye、Right Eye、および Nose オブジェクトの横にある三角形をクリックして、これ
らのカテゴリを非表示にします。
d) [Overview]をクリックしてオブジェクトの現在の長さを表示します。
e) [Frame All]をクリックしてクリップの長さを表示します。
Timeline のオブジェクトの長さは、水平のバーで示されます。この場合、バーは 1 個のフ
レームの長さになっています。
142
Paint の使い方 ❚❘❘
5. Timeline を使って、オブジェクトの長さをクリップの最後まで延長します。
a) 選択範囲ボックスをドラッグして、4 つのオブジェクトすべてを囲んで選択します。
b) 最後のフレームに移動します(
[End])。
c) [.]
(ピリオド・キー)を押して、オブジェクトの長さを最後のフレームまで延長しま
す。
それぞれのオブジェクトの長さが、[Current Frame]インジケータの位置(クリップの最
後)まで延長されます。
ヒント : 長さのバーの端をドラッグして、オブジェクトの長さを任意のフレームまで延長するこ
ともできます。
([Ctrl]+[D]/[Command]+[D])を選択するか、Timeline 内の
6. [Edit]/[Select None]
オブジェクトから離れた場所をクリックして、すべてのオブジェクトの選択を解除します。
143
4 Paint の使い方
7. 最後のフレームでシェフの口の形を変更してアニメートします。
a) [Animate]をオンにして(
[A]を押して)キーフレームを有効にします。
[Animate]は
有効にすると赤色に変わります。
b) 変更時にビューポート内のオブジェクトが再描画されるように、
[Feedback]は有効に
してください。
c) ビューポートで、微笑を選択します。
d) Toolbar(
[F2])で、[Control Points]オプションをクリックし、ビューポートの接線ハ
ンドルを調整して微笑をしかめつらに変えます。
8. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
9. クリップを再生します(
[Spacebar])。
シェフの微笑がしだいに変化し、クリップの最後ではしかめつらになります。
[Paint]によるアニメーションの詳細は、「ベクトル・オブジェクトをアニメートする」ヒ
ント囲み記事を参照してください。
144
Paint の使い方 ❚❘❘
口ひげを追加する
ブラシを使用およびカスタマイズして、フリーハンドの口ひげを描きます。
1. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
2. Toolbar(
[F2])で、[Stroked/Filled Freehand]ツールをクリックします。
[Stroked/Filled Freehand]ツールが[Stroked Freehand]ツールに変化します。
3. 口ひげを描きます。
a) [Paint Controls]パネル(
[F8])で、[Modes]をクリックします。
b) [Use Default Foreground and Background Colors]ボタン(
)をクリックして([D]を
押して)、デフォルトの色(白色と黒色)を選択します。
ベクトル・オブジェクトをアニメートする
アニメートできるオブジェクト・プロパティは数多くあります。次に例を示します。
•
•
•
•
•
•
•
•
•
位置、回転、拡大縮小、および傾き
ピボット・ポイント
コントロール・ポイントの位置と接線ハンドル
前景色と背景色
不透明度
描画モードおよび描画モードの圧力
[Source]モード([Solid]、
[Gradient]、
[Reveal]、[Clone])に関係するプロパティ
エッジのグラデーション
影の設定
一般に、Timeline に表示される属性はアニメートできます。[Preserve Alpha]、[Source]モード
自体([Solid]、
[Gradient]、
[Reveal]、[Clone])、ブラシ設定などの、限られたオブジェクト属
性だけがアニメートできません。
145
4 Paint の使い方
c) [Swap Foreground and Background Colors button]ボタン(
)をクリックするか、
[X]
を押します。
d) 特定のブラシを選択し、カールした口ひげを描画します。
参考 : この口ひげは、後で改善できます。
[F3])で、Brush Stroke オブジェクトを選択し、名前を
e) [Workspace]パネル(
「Moustache」に変更します。
ヒント : [Stroked Freehand]ツールの使用時にブラシの大きさを変更するには、ビューポート
で[Ctrl]/[Command]を押しながらドラッグします。
[F2])の矢印ツールをクリックするか、[Tab]を押します。
4. Toolbar(
[Control Points]オプションは使えません。これは、オブジェクト作成時に Toolbar の
)が有効になっていなかったためです。Stroked Freehand オ
[Make Curve]オプション(
ブジェクトのコントロール・ポイントを編集するには、オブジェクト描画前に[Make
Curve]オプションをオンにしておくか、描画済みのオブジェクトを曲線に変換する必要が
あります。
5. [Object]/[Make Curve]を選択します。
[Control Points]オプションが利用可能になります。
6. 口ひげを改善します。
a) Toolbar の[Control Points]オプションをクリックするか、
[Tab]を押します。
146
Paint の使い方 ❚❘❘
b) ビューポートでコントロール・ポイントと接線ハンドルをドラッグして、口ひげを調整
します。
元の形に応じて、線が対称的になるように整えたり、口ひげを横に伸ばしたりします。
7. 口ひげのブラシを変更します。
a) Toolbar の[Object]オプションをクリックするか、
[Shift]+[Tab]を押します。
b) [Paint Controls]パネルで[Brush]をクリックします。
c) [Airbrush]を有効にします。
d) ブラシ・ストロークの[Diameter]を「4」に、
[Flow]を「90%」にそれぞれ変更しま
す。
口ひげの濃さが変わり、口ひげに適用される色の量が「100%」から「90%」に減少しま
す。新しく選択したブラシの属性を使って、口ひげが再描画されます。
8. 口ひげの長さを延長します。
a) 最後のフレームに移動します(
[End])。
b) [.]
(ピリオド・キー)を押して、口ひげの長さを最後のフレームまで延長します。
9. クリップを再生(
[Spacebar])して結果を表示します。
147
4 Paint の使い方
顔全体をアニメートする
クリップを再生すると、シェフの頭は動きますが、顔の部分は同じ場所にとどまったままで
す。この問題を解決するには、顔の部分を回転して、頭の動きに一致させます。
1. 顔の部分をグループ化して、1 個のオブジェクトだけをアニメートすればよいようにしま
す。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で選択範囲ボックスをドラッグしてシェフの顔を構成する
すべてのオブジェクトを囲むか、[Ctrl]+[A]/[Command]+[A]を押します。
b) [Object]/[Group]をクリックするか、
[Ctrl]+[G]/[Command]+[G]を押しま
す。
c) [Workspace]パネルで、グループの名前を「Face」に変更します。
ヒント : また、Timeline でオブジェクトの選択と名前の変更を行うこともできます。特定のオブ
ジェクト(複数)を選択するには、[Ctrl]/[Command]を押します。特定範囲のオブジェクト
を選択するには、
[Shift]を押すか、選択範囲ボックスをドラッグして目的のオブジェクトを囲
みます。
2. Face グループをアニメートします。
a) 最後のフレームに移動します(
[End])。
b) 境界ボックスを使ってグループを回転し、最後のフレームで顔の部分が頭に正しく一致
するようにします。
3. クリップを再生します(
[Spacebar])。
頭と顔がいっしょに回転するようになりました。
4. 右側のビューポートをクリックします。
5. 1 ビューポートのレイアウトを選択します。
6. [Home]をクリックして、ビューポート内にフレーム全体が表示されるようにします。
148
Paint の使い方 ❚❘❘
クリップにオーディオを追加する
combustion のスクラッチ・トラック機能を使えば、オーディオ・ファイルをインポートある
いはリンクし、オーディオをスリップしてクリップと同期させることができます。オーディ
オはクリップや画像と同様に、ワークスペースに保存できます。割れる音のオーディオ・
ファイルをインポートし、これを床の上で割れる卵の画像と同期させます。
1. オーディオ・ファイルをインポートします。
a) [Audio]パネル(
[F6])で、[Browse]をクリックします。
b) ファイル・ブラウザを使って Lesson04\ex1 フォルダを検索し、フォルダを開きます。
c) crack.wav を選択し、
[OK]をクリックするか[Enter]を押します。
crack.wav ファイルがインポートされます。ソースのオーディオ波形が、Audio コントロー
ルに表示されます。これはモノ・ソースであるため、波形が 1 つだけ表示されます。
サンプリング・レート、フォーマット、長さといったオーディオ・ファイルの詳細情報が、
[Audio]パネルの右端に表示されます。オーディオ再生中は、レベルメータに左右のチャ
ンネルのレベルが表示されます。
149
4 Paint の使い方
2. オーディオ・ファイルを再生します。
a) [Audio]パネル(
[F6])で、[Volume]を「60」に設定します。
b) 再生ボタンをクリックします。
定義された範囲内で、オーディオがループ再生されます。
c) 停止ボタンをクリックします。
参考 : この練習では、オーディオがすべて再生されるため、[Play Region]を有効にする必要は
ありません。[Play Region]を有効にすると、[Start]フィールドに指定したフレームから
[Duration]フィールドに指定したフレーム数だけオーディオが再生されます。
3. オーディオとビデオがどのように同期されているのかを確認します。
a) 再生コントロールの[Audio]ボタンをオンにして、クリップ再生中にオーディオが聞
けるようにします。
b) クリップを再生します(
[Spacebar])。
割れる音が、床に落ちる卵に正しく同期していません。
ヒント : ビデオとオーディオを同時にリアルタイムで再生するだけのシステム・リソースがない
場合は、再生中に[Audio]ボタンが赤く点滅し、オーディオがカットされます。
c) 最初のフレームに移動します(
[Home])。
d) [Audio]パネル(
[F6])で、[Rewind to Start]ボタンをクリックします。
4. Timeline にオーディオ波形を表示します。
a) Timeline を表示します(
[F4])。
b) 上矢印をクリックして階層を上方向に移動し、Face グループを表示します。
c) Face グループを折りたたんで、カテゴリを非表示にします。
150
Paint の使い方 ❚❘❘
d) [Waveform]をオンにして、Timeline にオーディオ波形を表示します。
5. オーディオをスリップしてビデオと同期させます。
a) フレーム 24 に移動します。
[Current Frame]インジケータが、フレーム 24(卵が床に落ちる場面)に移動します。
b) [Ctrl]+[Alt]/[Command]+[Option]を押しながら波形をドラッグすることで、波
形をフレームと同期させます。
波形の一部が、クリップの終わりより先まで伸びていることがわかります。クリップの長
さより先まで伸びたオーディオは再生されないため、この部分は聞こえません。
ヒント : Timeline でオーディオをスクラブするには、[Alt]/[Option]を押しながら[Current
Frame]インジケータを左右にドラッグします。黄色の範囲がループ再生されます。ループする
範囲を増減するには、[Alt]/[Option]を押しながら[Current Frame]インジケータを上下に
ドラッグします。
[Spacebar])。
6. クリップを再生します(
割れる音が、卵が割れる画面と同期するようになりました。
151
4 Paint の使い方
7. ワークスペースを保存し、閉じます。
a) ワークスペースを保存します(
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
b) (オプション)QuickTime ムービーとしてクリップをレンダリングします。詳細は、46
ページの「結果のコンポジットをレンダリングする」を参照してください。
ヒント : [Render Queue]ダイアログを使えば、ビデオとオーディオを 1 つのファイルとして
出力したり、別個のファイルとして出力したりできます。詳細は、combustion ユーザーズガイ
ドを参照してください。
[Ctrl]+[W]/[Command]+[W])。
c) ワークスペースを閉じます(
練習 2:クリップをレタッチする
従来、クリップのレタッチでは、各フレームに手でペイントするという、手間のかかるロトス
コープの手法が必要でした。combustion では、1 個のフレームに描画した後、そのアクショ
ンに従うようにペイント・ストロークをアニメートすることで、フッテージをレタッチできま
す。この練習では、[Paint]オペレータをコンポジットのレイヤに適用してクリップをレタッ
チします。
この練習では、以下について学びます。
• 色付きの線を描いてワイヤを隠します。
• クローニングを使ってワイヤを隠します。
• 画像をコピー・アンド・ペーストしてワイヤを隠します。
• Tracker を使って、Paint オブジェクトがショットのパンに従うようにします。
助けが必要ですか?
この練習を行う上で助けが必要であれば、ワークスペースを保存して閉じてから、
Lesson04_ex2.cws ファイルを参考用に開いてください。
152
Paint の使い方 ❚❘❘
ワークスペースを設定する
まず、この練習の結果をプレビューします。次に新しいブランチを作成して、クリップの作
業を始めます。
1. combustion の基本設定を確認します。詳細は、9 ページの「基本設定を設定する」を参照
してください。
2. [File]/[Open Workspace]をクリックするか[Ctrl]+[Shift]+[O]
(Windows)または
[Command]+[Shift]+[O](Macintosh)を押して、Lesson04 フォルダの
Lesson04_ex2.cws ファイルを開きます。詳細は、22 ページの「ワークスペースを開く」を
参照してください。
3. この練習の結果をプレビューするために、クリップをビューポートで再生します。詳細は、
30 ページの「ビューポートでコンポジットを再生する」を参照してください。
参考 : リアルタイムでクリップ全体を表示するだけの RAM がない場合には、combustion を最小
化し、Media Player(Windows)または QuickTime (Macintosh)を使って Lesson04_ex2.avi
を再生します。詳細は、19 ページの「ムービーを再生する」を参照してください。
[Paint]オペレータを使ってワイヤを取り除いた教会のドームのクリップが表示されます。
4. [File]/[Close Workspace]
([Ctrl]+[W]/[Command]+[W])を使って
Lesson04_ex2.cws ファイルを閉じます。
5. [File]/[New]
([Ctrl]+[N]/[Command]+[N])を使って[New]ダイアログを開
き、以下のプロパティを持つブランチを作成します。
•[Type]:Composite
•[Name]:Retouch
•[Format]:NTSC D1 / Discreet edit NTSC
•[Duration]:60 フレーム
•[Bit Depth]:8 ビット
•[Mode]:3D
153
4 Paint の使い方
6. コンポジットで使うフッテージをインポートします。
a) [File]/[Import Footage]を選択するか、
[Ctrl]+[I]/[Command]+[I]を押しま
す。
b) [Import Footage]ダイアログで Lesson04\ex2 フォルダを検索し、それを開きます。
c) [Thumbnails]をクリックしてフッテージを表示し、
[Collapse]を有効にして画像シー
ケンスを折りたたみます。
d) Dome [##].png サムネイルをスクラブして、クリップをプレビューします。
e) [OK]をクリックするか、
[Enter]を押します。
このクリップの特徴は、上下にパンするドームです。フッテージを横切るワイヤがありま
す。
7. インポートしたフッテージのレイヤ名を変更します。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で、[Dome00]を右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Rename]を選択します。
b) 「Dome」と入力し、
[Enter]を押します。
8. 1 ビューポートのレイアウトを選択します。
154
Paint の使い方 ❚❘❘
9. インポートしたフッテージの優先フィールドを設定します。
a) [Workspace]パネルで、Dome レイヤの横にある三角形をクリックします。
b) [Dome [##] Footage]オペレータをクリックします。
c) [Footage Controls]パネル(
[F8])で、[Source]をクリックします。
d) [Field Separation]リストから[Upper First]を選択します。
優先フィールドが、元のソース素材と同じ値に設定されます。
[Field Separation]の詳細は、
combustion ユーザーズガイドの「Building Workspaces」の章を参照してください。
10. Dome レイヤに[Paint]オペレータを追加します。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で、Dome レイヤを選択します。
b) [Paint Controls]パネル(
[F5])で、[Paint]をクリックします。
[Workspace]パネルで、Dome レイヤの[Dome [##] Footage]オペレータの上に、[Paint]
オペレータが表示されます。
参考 : オペレータをレイヤに追加するには、[Workspace]パネルで目的のレイヤをクリックす
るか Schematic ビューで目的のレイヤ・ノードをクリックした後、[Operators]パネルでオペ
レータをクリックします。
155
4 Paint の使い方
サンプリングした色を使ってワイヤの一部を除去する
単純なテクニックを使って、ワイヤの一部をクリップから除去します。空と同じ色を使って線
を描画することで、ドームの左側にあるワイヤを隠します。
1. [Workspace]パネル(
[F3])で、[Paint]オペレータをダブルクリックします。
[Paint]オペレータの横にあるビューポートのアイコンは、[Paint]オペレータが現在のオ
ペレータであることを示しています。
参考 : ビューポートにフレーム全体が表示されない場合は、右クリック /[Ctrl]+ クリックして
[Fit in Window]を選択します。
[F2])で、[Line]ツールをクリックします。
2. Toolbar(
3. [Paint Controls]パネル(
[F8])で、[Modes]をクリックします。
4. [Reset]をクリックして、Modes コントロールをデフォルト設定に戻します。
5. ペイント・ストロークの色を設定します。
a) [Swatches]タブをクリックします。
b) [Swatches]メニュー(
156
) をクリックし、
[Default]を選択します。
Paint の使い方 ❚❘❘
c) [Swatches]パネルから、空の色と対照的な赤色をクリックします。
デフォルトの前景色(白色)が、選択した色に変わります。
6. [Brushes Palette]メニュー(
) をクリックし、
[Default]を選択します。
7. ブラシ・セットから大きさが中程度のブラシを選択します。
選択したブラシが、Modes コントロールの前景カラー・ボックスの横に表示されます。
8. ドームの左側にあるワイヤ上でカーソルをドラッグして、ワイヤを隠します。
参考 : 線の描画は、左の境界線の外側から開始できます。
157
4 Paint の使い方
ドームの左側のワイヤが、Line オブジェクトによって隠されます。
9. 空から色を選んで、Line オブジェクトに色を付けます。
a) Toolbar の矢印ツールをクリックするか、
[Tab]を押します。
Line オブジェクト上に境界ボックスが表示されます。このボックスは、Line オブジェクト
が選択されていることを示しています。
b) Toolbar(
[F2])で、[Color Picker]ツールをクリックします。
c) 左側のビューポートで、Line オブジェクトの上空と同じ色をカラー・ピッカー(
)
を使って選択します。
Line オブジェクトの色が選択した色に変わります。
d) Toolbar の[Area Sample]をオンにします。
e) ビューポートで、Line オブジェクトの上空でカーソルをドラッグします。
Line オブジェクトの色が、クリックしたポイントの周りの 3 x 3 ピクセル・ブロックの平均
色に変わります。カラー範囲のサンプリングの詳細は、combustion ユーザーズガイドの第
14 章「Paint: 描画の基礎」を参照してください。
158
Paint の使い方 ❚❘❘
ヒント : [Color Picker]ツールでは、[Ctrl]/[Command]を押しながら選択範囲ボックスを
ドラッグすることで、より広いカラー範囲をサンプリングすることもできます。
ここで示した方法は、ワイヤを削除する簡単なテクニックですが、レタッチを後でクリッ
プ全体に適用すると、微かな線が見えるかも知れません。これは、この線が単一の平均色
を使用している一方で、空には数多くのシェードの変化があるためです。この練習の次の
部分では、より高度なテクニックを使って残りのワイヤを除去します。
クローニングを使ってワイヤの一部を除去する
より高度なテクニックを使って、ワイヤの残りをクリップから除去します。別の線を描いて、
ドームの右側にあるワイヤを隠します。色のサンプリングの代わりにクローニングを使って
Line オブジェクトに色を付けると、空のシェードの変化に対応することができます。
1. Toolbar(
[F2])の矢印ツールをクリックするか、[Tab]を押します。
2. ビューポート内で、Line オブジェクト以外の任意の場所をクリックします。
Line オブジェクトの選択が解除されます。
3. Toolbar の[Line]ツールをクリックします。
4. [Paint Controls]パネル(
[F8])で、ソース・モードを設定します。
a) Modes コントロールで[Clone]をクリックします。
b) [Set Position]ボタンをクリックしてクローン・ポイントを選択します。
159
4 Paint の使い方
5. ビューポートで、カーソルの形が
に変わったら、ドームの右側にあるワイヤの上空のポ
イントを選択します。
どの方向に Line オブジェクトを引いても、このポイントからオブジェクトの色がクローン
されます。
6. ドームの右端からフレームの右端まで伸びるワイヤ上で、ワイヤが見えなくなるように線
を描画します。
開始
160
終了
Paint の使い方 ❚❘❘
クローン・ポイント(+)が、描画する Line オブジェクトに追従します。完成した Line オ
ブジェクトには、同じ長さの空の領域から色が付けられます。ワイヤが見えなくなったら、
162 ページの「ドームをレタッチして残りのワイヤを除去する」に進んでください。フ
レームの右端の近くでワイヤが見える場合は、クローン・ポイントのソース素材が不足し
ています。このような場合は、次の手順に進みます。
参考 : [Clone]ソース・モードを使ってもワイヤをうまく隠せますが、[Reveal]ソース・
モードを使ってもよい結果が得られます。
7. 素材が不足せず、ワイヤ全体が隠れるような位置に、クローン・ポイントの位置を修正し
ます。
a) Toolbar の矢印ツールをクリックするか[Tab]を押して、Line オブジェクトを選択しま
す。
ビューポートに表示される境界ボックスは、線オブジェクトが選択されていることを示し
ています。
b) [Paint Controls]パネルで、
[Set Position]ボタンを再度クリックします。
参考 : [Set Position]ボタンを使ってビューポートを 1 回クリックすれば、直前に選択してい
たツールに戻ります。
c) 教会の端により近い位置で新しいクローン・ポイントを選択します。
線の色が更新されます。ワイヤが見えなくなるはずです。
参考 : クローン・ポイントの位置を修正するときは、ビューポートでオブジェクトをクリックす
るか、[Tab]を押した後、[Set Position]ボタン(Modes コントロール)をクリックして
ビューポートでカーソルをドラッグするか、
[X Position]フィールド、[Y Position]フィール
ド、または[Set Position]ボタンをスクラブしてもかまいません。
([Ctrl]+[D]/[Command]+[D])を選択してすべてのオブジェ
8. [Edit]/[Select None]
クトの選択を解除します。
9. ワークスペースを保存します。
a) [Ctrl]+[S]/[Command]+[S]を押して[Save Workspace]ダイアログを開きます。
b) 現在のワークスペースのファイル名とディレクトリを指定し、
[OK]をクリックするか
[Enter]を押します。
161
4 Paint の使い方
ドームをレタッチして残りのワイヤを除去する
ドームの手前にあるワイヤの一部がまだ目立っています。クローニングを使って最上部の出っ
張りをコピーすれば、レタッチできます。しかし、最上部の出っ張りは最下部ほど広くはない
ため、このテクニックは使えません。その代わりに、ドームの別の部分をコピー・アンド・
ペーストし、対象部分の大きさに合うように拡大縮小します。
1. Toolbar(
[F2])の[Magnify]ツールをスクラブして、ドームの中心でズーム・インしま
す。
2. ドーム上部の出っ張りの上で選択範囲を描きます。
a) Toolbar の[Elliptical Selection]ツールをクリックします。
b) [Paint Controls]パネル(
[F8])で[Replace]を選択して、現在の選択範囲(何も選択
されていない)を新しいオブジェクトによる選択範囲で置き換えます。
162
Paint の使い方 ❚❘❘
c) 出っ張りの中心をクリックし、そこからドラッグして楕円形の選択範囲を描きます。
3. 出っ張りに合うように Ellipse Selection オブジェクトを調整します。
a) Toolbar の矢印ツールをクリックするか[Tab]を押して、Ellipse Selection オブジェクト
を選択します。
b) ビューポートで、境界ボックスを移動および拡大縮小します。
c) Toolbar の[Control Points]オプションをクリックするか[Tab]を押した後、ビュー
ポートでコントロール・ポイントと接線ハンドルを調整して、Ellipse Selection オブジェ
クトの形が出っ張りの形に合うようにします。
163
4 Paint の使い方
4. Ellipse Selection オブジェクトの内容をコピー・アンド・ペーストします。
a) Toolbar の[Object]オプションをクリックします。
b) [Edit]/[Select None]
([Ctrl]+[D]/[Command]+[D])を使って、Ellipse Selection
オブジェクトの選択を解除します。
ビューポートでは Ellipse Selection オブジェクトの選択範囲マーキーが表示されたまま、す
べてのオブジェクトの選択が解除されます。
c) [Edit]/[Copy]
([Ctrl]+[C]/[Command]+[C])を使って、Ellipse Selection オブ
ジェクトの内容をコピーします。
d) [Edit]/[Paste]
([Ctrl]+[P]/[Command]+[P])を使って、コピー内容を貼り付
けます。
参考 : 選択範囲では、選択範囲オブジェクト自体かその内容をコピーすることができます。内容
をコピーするときは、他のオブジェクトは選択できません。
Pasted Image オブジェクトが、ビューポートの Ellipse Selection オブジェクトの手前に表示
されます。Pasted Image オブジェクトは、Ellipse Selection オブジェクトの内容のコピーで
す。
[Workspace]パネルに Remove Selection オブジェクトがあります。このオブジェクトは、
Ellipse Selection オブジェクトによって作成された選択範囲を隠します。
参考 : コピー・アンド・ペースト機能が使えるのは、静止画に対してだけです。クリップの選択
部分を使うには、
[Clone]や[Reveal]などのソース・モードを使って Paint オブジェクトを
描きます。詳細は、combustion ユーザーズガイドを参照してください。
164
Paint の使い方 ❚❘❘
5. Pasted Image オブジェクトの境界ボックスを、下側の出っ張り上にドラッグします。
Ellipse Selection オブジェクトの変更方法に応じて、Pasted Image オブジェクトがワイヤの大
部分を隠します。
6. 長方形の選択範囲を描いて残りのワイヤを隠します。
a) ビューポートのオブジェクトのない部分をクリックしてすべての選択を解除します。
b) Toolbar の[Rectangular Selection]ツールをクリックします。
c) 出っ張りの左半分の上で長方形の選択範囲を描画し、その選択範囲を広げて空の一部が
含まれるようにします。
選択範囲に空の一部を含めておけば、ペーストした画像の配置が簡単になります。
165
4 Paint の使い方
7. Rectangle Selection オブジェクトの内容をコピー・アンド・ペーストします。
a) Toolbar の矢印ツールをクリックするか、
[Tab]を押します。
b) [Edit]/[Select None]
([Ctrl]+[D]/[Command]+[D])を選択して、選択オブ
ジェクトを解除します。
c) [Edit]/[Copy]
([Ctrl]+[C]/[Command]+[C])を使って、Rectangle Selection オ
ブジェクトの内容をコピーします。
d) [Edit]/[Paste]
([Ctrl]+[P]/[Command]+[P])を使って、選択範囲オブジェク
トの内容を貼り付けます。
8. Pasted Image オブジェクトをフリップして配置します。
a) [Paint Controls]パネル(
[F8])で、[Transform]をクリックします。
b) [Proportional]を無効にし、
[X Scale]を「-100%」に設定します。
166
Paint の使い方 ❚❘❘
c) [X Position]フィールドをスクラブし、ペーストされた画像を出っ張りの右に配置して、
ワイヤを隠します。
参考 : キーボードの矢印キーを使って、ペーストされた画像を移動することもできます。左向き
矢印と右向き矢印は X 方向に、上矢印と下向き矢印は Y 方向に、[Ctrl]+ 矢印 /[Command]
+ 矢印は Z 方向に、それぞれ移動します。大きく移動する場合は、[Shift]も押します。
[Spacebar])。
9. クリップを再生します(
最初のフレームのみがレタッチされていることに注意してください。Timeline でオブジェ
クトの長さを延長することもできますが、別の問題もあります。クリップ内でカメラが下
向きにパンするので、Paint オブジェクトはこの動きに追従する必要があります。このよう
な場面で最適なツールが Tracker です。
10.[Ctrl]+[S]/[Command]+[S]を押して、ワークスペースを保存します。
167
4 Paint の使い方
オブジェクトをトラッキングする
Paint オブジェクトをグループ化およびトラッキングして、ショットのパンの動きに自動的に
従うようにします。
1. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
2. トラッキング・データを一度だけ解析すればよいように、Paint オブジェクトをグループ化
します。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で選択範囲ボックスをドラッグしてユーザが作成したすべ
ての Paint オブジェクトを囲むか、[Ctrl]+[A]/[Command]+[A]を押します。
b) [Object]/[Group]をクリックするか、
[Ctrl]+[G]/[Command]+[G]を押しま
す。
c) [Group]を右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Rename]を選択します。
d) グループの名前を「Retouch」に変更します。
3. ビューポートを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Fit in Window]を選択してビューポー
トにフレーム全体を表示します。
4. クリップの再生(
[Spacebar])を何度か実行して、Tracker の適切な基準ポイントを決定し
ます。
基準ポイントを選ぶ時には、クリップ内でコントラストの高い、安定したフィーチャを探
します。ワイヤはフレーム 55 で画像を離れるため、フレーム 55 まで画像内にとどまる要
素(柱の下の出っ張りなど)を選びます。このクリップに対する適切な基準ポイントの 1
つは、右端のドームの柱の下にある出っ張りです。
168
Paint の使い方 ❚❘❘
5. Tracker を起動します。
a) [Tracker]パネル(
[F7])を表示します。
Tracker はコンテキストに応じて変化します。Retouch グループが選択されているため、
Tracker はこのオブジェクトをトラッキングするように設定されます。
b) [Position]をクリックして Tracker の 1 ポイント・トラッキングを起動し、
[Auto Pan]
を有効にします。
1 ポイント・トラッキングでは、フレーム間で変化するサンプリング要素の位置をトラッ
キングします。
Tracker が起動されると、Tracker ボックスがビューポートに表示され、ビューポートおよ
び[Workspace]パネルで Retouch グループがオフになります。これは、Tracker コント
ロールの[Hide Objects]がデフォルトで有効になっているためです。Tracker は、基準ボッ
クスと Tracker ボックスから構成されます。基準ボックスには、基準エリア、すなわちそ
の動きをトラッキングするピクセルのグループが含まれています。Tracker ボックスは、基
準エリアのフレーム間の動きに従います。トラッキングの詳細は、レッスン 5「トラッキ
ングとスタビライズ」を参照してください。
6. Tracker に対する基準エリアを選択します。
a) Toolbar(
[F2])の[Magnify]ツールを選択し、ドームの柱の下にある右端の出っ張り
をクリックしてズーム・インします。
169
4 Paint の使い方
b) 矢印ツールをクリックするか、
[Tab]を押します。
c) 2 つの Tracker ボックスの中央にカーソルを置きます。これらのボックスの大きさを変
更すると、トラッキングに影響を与えたり処理時間が長くなる可能性があるので、注意
してください。
カーソルの形が
に変わります。
d) Tracker ボックスを、手順 4 の基準ポイントまでドラッグします。
Tracker ボックスをドラッグするときは、ボックスを正確に配置できるように、その内容が
拡大表示されます。
ヒント : Tracker コントロールが利用できない場合には、Retouch グループと Tracker ボックス
を選択し直します。
7. クリップを解析します。
a) [Tracker]パネルの[Analyze Forward]ボタン
す。
170
をクリックしてクリップを解析しま
Paint の使い方 ❚❘❘
Tracker は解析処理中にクリップ内の動きを解析し、それに合わせて Retouch グループの位
置を調整します。基準ボックスは最初の位置から動きません。Retouch グループがフレー
ム 55 で画像から消えたら、それ以降のデータは必要なくなるため、解析を中止することが
できます。そのまま、最後まで処理を続けてもかまいません(問題は発生しません)。
b) [Off]をクリックして、選択したオブジェクトの位置チャンネルにトラッキング・デー
タを確定します。
8. 結果をプレビューします。
a) [Window]/[Show Safe Zones]
([’])を使います。
b) クリップを再生します(
[Spacebar])。
Retouch グループの長さが自動的に延長されて、Tracker の動きに従います。すべてのフ
レームのクリップからワイヤが削除されます。
参考 : フレームの[Safe Action]ゾーン内にワイヤの一部がまだ表示されている場合は、そのフ
レームに移動し、
[Workspace]パネルで問題のある Paint オブジェクトを選択し、調整します。
たとえば、左側の Line 1 オブジェクトが細すぎる場合は、[Brushes]パレットから幅の広いブ
ラシを選択します。調整時にオブジェクトのグループを解除しないでください。解除するとト
ラッキング・データが失われます。
9. ワークスペースを保存し、閉じます。
a) ワークスペースを保存します(
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
b) (オプション)QuickTime ムービーとしてクリップをレンダリングします。詳細は、46
ページの「結果のコンポジットをレンダリングする」を参照してください。
c) ワークスペースを閉じます(
[Ctrl]+[W]/[Command]+[W])。
171
4 Paint の使い方
覚えておくべきこと
• レイヤ上でペイントするには、[Paint]オペレータをレイヤまたはそのフッテージに適用し
ます。[Paint]オペレータをフッテージに適用するには、フッテージを Paint ブランチとして
開きます。
• 新しい Paint オブジェクトを作成するか、Toolbar の任意の[Paint]ツールを使用するとき
は、[Paint]オペレータを現在のオペレータに設定します。
•[Stroked/Filled]ツールは、[Freehand]、[Rectangle]、[Ellipse]、および[Polygon]ツールで
構成されます。各ツールには、[Stroked]モードと[Filled]モードが用意されています。
ツールのモードを切り替えるには、Toolbar でツールの左上隅または右下隅をクリックする
か、Modes コントロールに移動して[Object]モードを[Filled]または[Stroked]に切り替
えます。
• Modes コントロールの[Reset]ボタンをクリックすると、[Draw]モード、[Opacity]、
[Preserve Alpha]、[Anti- Alias]、[Foreground Color]、[Background Color]、および[Source]
モードがデフォルト設定にリセットされます。
• オブジェクトを拡大縮小、回転、および配置する場合は、矢印ツールと[Object]オプショ
ンを組み合わせて使います。オブジェクトのコントロール・ポイントや接線ハンドルを調整
する場合は、[Control Points]オプションを使います。
• 前景色と背景色を入れ替えるには、[X]を押すか、Modes コントロールの[Swap
Foreground and Background Colors]ボタン( )をクリックします。デフォルトの色を選択
するには、[D]を押すか、Modes コントロールの[Use Default Foreground and Background
Colors]ボタン( )をクリックします。
• Timeline に表示されるオブジェクト属性はすべて、アニメートできます。複数のフレームに
オブジェクトを表示させるには、オブジェクトの長さを延長する必要があります。
• 色を選択するためのパネルには、[Swatches]、[Mixer]、[Picker]、[Sliders]の 4 つがありま
す。また、色を選択するときは、Modes コントロールの前景カラー・ボタンまたは背景カ
ラー・ボックスをクリックして、[Pick Color]ダイアログにアクセスしてもかまいません。
• Stroked Freehand オブジェクトのコントロール・ポイントを編集するには、オブジェクト描
画前に[Make Curve]オプションをオンにしておくか、描画済みのオブジェクトを曲線に変
換する必要があります。
• 選択範囲オブジェクトまたはその内容をコピー・アンド・ペーストできます。選択範囲の内
容をコピーするには、事前にすべてのオブジェクトの選択を解除してください。
• 複数の Paint オブジェクトをグループ化すると、トラッキングが簡単になります。
172
トラッキングとスタビライズ
Lesson 5
クリップ内の動きをトラッキングして、特
定のオブジェクトの位置をその動きに一致
させます。ジッタのあるクリップをスタビ
ライズして、クリップと背景を滑らかにコ
ンポジットします。
173
5 トラッキングとスタビライズ
概要
Tracker を使って動きをトラッキングし、画像をスタビライズします。
動きをトラッキングして、特定のオブジェクトがクリップ内の基準エリアに従うようにしま
す。たとえば、飛行機の尾翼にロゴを追加する場合には、トラッキング可能な飛行機のフィー
チャを基準エリアとして選択します。トラッキング・データは、飛行機がシーンを横切る際
に、各フレームごとに計算されます。次に、トラッキング・データをロゴに適用して、クリッ
プの再生中に、ロゴが飛行機の尾翼の動きに従うようにします。
画像をスタビライズして、不要なカメラのジッタを除去します。モーション・トラッキングと
同様に、基準エリアをサンプリングして、クリップ内での動きをフレームごとに解析します。
ただし、スタビライズの場合は、トラッキング・データを反転してからクリップ自体に適用す
ることで、ジッタを除去します。
練習 1 では、川沿いを走っているヨットのクリップと、広々とした空の背景をコンポジットし
て、ヨットが海を航海しているように見せます。練習 2 では、ジッタを含むクリップ(緑の画
面の前のトラック)をスタビライズします。
このレッスンの所要時間:60 分
練習 1:トラッキング・データをマスクに適用する
ヨットのマストの先端をトラッキングし、トラッキング・データをポリゴン・マスクに適用し
ます。このマスクを使って、人工的な水平線の上に伸びるマストの部分を表示します。
この練習では、以下について学びます。
• 長方形マスクを描いて、Sailboat レイヤ内のコンクリートの壁を除去します。
• ポリゴン・マスクを追加して、長方形マスクで切り取られたマストの先端と帆を復元しま
す。
• ヨットをトラッキングし、トラッキング・データをポリゴン・マスクに適用して、マスクが
ヨットに従うようにします。
• コントロール・ポイントを使ってポリゴン・マスクの形をキーフレーム化することで、波打
つ帆の形にマスクの形が一致するようにします。
• Port レイヤを配置および色調整して、より説得力のあるコンポジットにします。
助けが必要ですか?
この練習を行う上で助けが必要であれば、ワークスペースを保存して閉じてから、
Lesson05\ex1 フォルダの Lesson05_ex1.cws ファイルを参考用に開いてください。
174
トラッキングとスタビライズ ❚❘❘
ワークスペースを設定する
まず、この練習の結果をプレビューします。次にブランチを作成して、コンポジットの構築
を始めます。
1. combustion の基本設定を確認します。詳細は、9 ページの「基本設定を設定する」を参照
してください。
2. [File]/[Open Workspace]をクリックするか[Ctrl]+[Shift]+[O]
(Windows)または
[Command]+[Shift]+[O](Macintosh)を押して、Lesson05\ex1 フォルダの
Lesson05_ex1.cws ファイルを開きます。詳細は、22 ページの「ワークスペースを開く」を
参照してください。
3. この練習の結果をプレビューするために、クリップをビューポートで再生します。詳細は、
30 ページの「ビューポートでコンポジットを再生する」を参照してください。
参考 : リアルタイムでクリップ全体を表示するだけの RAM がない場合には、combustion を最小
化して、Media Player(Windows)または QuickTime(Macintosh)を使って Lesson05_ex1.avi
を再生してください。詳細は、19 ページの「ムービーを再生する」を参照してください。
このクリップは、海上を航海するヨットをフィーチャしています。
4. [File]/[Close Workspace]
([Ctrl]+[W]/[Command]+[W])を使って、
Lesson05_ex1.cws ファイルを閉じます。
5. [File]/[New]
([Ctrl]+[N]/[Command]+[N])を使って[New]ダイアログを開
き、以下のプロパティを持つブランチを作成します。
•[Type]:Composite
•[Name]:Tracking
•[Format]:NTSC D1 / Discreet edit NTSC
•[Duration]:30 フレーム
•[Bit Depth]:8 ビット
•[Mode]:3D
175
5 トラッキングとスタビライズ
6. 2 ビューポートのレイアウトを選択します。
7. コンポジットで使うフッテージをインポートします。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で Tracking コンポジットを右クリック /[Ctrl]+ クリック
し、[Import Footage]を選択します。
b) [Import Footage]ダイアログで Lesson05\ex1 フォルダを検索し、それを開きます。
c) [Thumbnails]をクリックして、フォルダ内のフッテージを表示します。
d) [Collapse]を有効にして画像シーケンスを閉じます。
Port.png 画像の空の部分は、コンポジットの背景として使います。Sailboat[##].png 画像
シーケンスは、前景として使います。
e) Port.png と Sailboat[##].png をこの順番に[Ctrl]+ クリック /[Command]+ クリックし
た後、[OK]をクリックするか[Enter]を押します。
ヒント : また、[File]/[Import Footage]を選択するか[Ctrl]+[I]/[Command]+[I]を
押すことによって、フッテージをインポートすることも可能です。
ビューポートに表示されるフッテージは、最後にインポートされたフッテージ、つまり
Sailboat[##].png 画像シーケンスです。インポートしたフッテージは、インポート順にコン
ポジットに追加されます。
最初に選択したフッテージが、コンポジットの一番下のレイヤになります。最後に選択し
たフッテージがコンポジットの一番上のレイヤになります。
[Workspace]パネルで、Sailboat00 レイヤが Port レイヤよりも上に表示されます。
176
トラッキングとスタビライズ ❚❘❘
ヒント : [Workspace]パネルでレイヤの順序を変更するには、変更するレイヤをクリックし、
目的の位置までドラッグします。
8. Sailboat00 レイヤの名前を変更します。
a) [Workspace]パネルで、Sailboat00 レイヤを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Rename]を選択します。
b) 「Sailboat」と入力し、
[Enter]を押します。
177
5 トラッキングとスタビライズ
コンクリートの壁をマスクする
長方形マスクを使って Sailboat レイヤのコンクリートの壁を隠し、Port レイヤの空だけが表示
されるようにします。右側のビューポートで長方形マスクを描画し、左側のビューポートで変
更結果を確認します。
1. ビューポートの表示オプションを設定します。
a) [Zoom Out]ボタンを 1 回クリックするか、
[Ctrl]+[-]/[Command]+[-]を押しま
す。
b) 右側のビューポートをクリックし、1 回ズーム・アウト(
[Ctrl]+[-]/[Command]+
[-])します。
どちらのビューポートにも、フレーム全体が表示されます。
2. [Workspace]パネル(
[F3])で、Sailboat レイヤを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Operators]/[Mask]/[Rectangular Mask]を選択して、ポリゴン・マスクを Sailboat レイ
ヤに追加します。
ヒント : また、Schematic ビュー、[Operators]パネル、Timeline のいずれかを使ってマスク・
オペレータを追加することもできます。
[Workspace]パネルの Sailboat レイヤの下に、[Rectangular Mask]オペレータが表示されま
す。
3. ビューポートを検証します。
右側のビューポートがアクティブであるため、デフォルトの長方形マスクとその出力結果
は右側のビューポートに表示されます。[Workspace]パネル、Timeline、または Schematic
ビューからマスク・オペレータまたは[Paint]オペレータを追加すると、アクティブな
ビューポートが自動的に切り替わり、新しいオペレータの出力が表示されます。
178
トラッキングとスタビライズ ❚❘❘
左側のビューポートに、結果のコンポジットが表示されます。左側のビューポートで長方
形マスクを移動することはできません。ただし、コンポジット全体のコンテキストで、
[Rectangular Mask]オペレータに加えた変更を確認することができます。
ヒント : 長方形マスクまたは楕円形マスクが必要な場合は、[Rectangular Mask]オペレータま
たは[Elliptical Mask]オペレータを選択すると、短時間でマスクを描画できます。それ以外の
場合は、[Draw Mask]オペレータを選択してポリゴン・マスクを描画します。
4. 右側のビューポートでマスクのコントロール・ポイントをドラッグして、マスクのサイズ
を調整します。
a) 長方形マスクの境界ボックスの左上隅にカーソルを置き、コントロール・ポイントを左
上方にドラッグして、マスクを拡張します。フレームの左側の境界線の少し外側と、水
面の少し上側が、マスクに含まれるようにします。
179
5 トラッキングとスタビライズ
b) 右下のコントロール・ポイントを右下方にドラッグすることでフレーム境界の外側まで
マスクを拡張します。
左側のビューポートで、Sailboat レイヤの背後にある Port レイヤが、長方形マスクから表
示されます。マストの先端はマスクの外側にあるため、切り取られています。
5. 長方形マスクを調整して、水面に映るコンクリート壁の影をマスク・アウトします。
a) [Window]/[Outlines Only]を選択するか、右側のビューポートを右クリック /[Ctrl]
+ クリックして[Outlines Only]を選択します。
右側のビューポートには、長方形マスクのワイヤフレームだけが表示されます。マスクの
ワイヤフレームだけを表示すると、マスクの内部と外部が表示されるため、マスクのシェ
イプを改善するのが容易になります。
180
トラッキングとスタビライズ ❚❘❘
b) 長方形マスクのコントロール・ポイントをドラッグして、水面に映るコンクリート壁の
影をマスク・アウトします。
コンクリートの壁が落とす影(左上隅)が完全にマスク・アウトされます。
ヒント : コントロール・ポイントを移動するには、キーボードの矢印キーを使います。
[Rectangular Mask]オペレータの効果を
6. Sailboat レイヤのアルファ・チャンネルに対する、
定義します。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で、[Rectangular Mask]オペレータを選択します。
181
5 トラッキングとスタビライズ
b) [Mask Controls]パネル(
[F8])の[Modes]をクリックして、マスクの Modes コント
ロールを表示します。
c) [Global Apply Mode]リストから[Replace]を選択します。
[Global Apply Mode]には、レイヤのアルファ・チャンネルに対する[Mask]オペレータ
の適用方法を設定します。[Replace]モードを選択すると、アルファ・チャンネルは
[Mask]オペレータで選択したマスクによって上書きされます。この場合、保存されたア
ルファ・チャンネルは完全に不透明になります。
[Global Apply]設定の詳細は、
combustion ユーザーズガイドを参照してください。
7. 長方形マスクのエッジを和らげます。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で、Rectangular Mask オブジェクトを選択します。
182
トラッキングとスタビライズ ❚❘❘
b) [Mask Controls]パネル(
[F8])で、[Feather]を「2」に設定します。
エッジぼかしオプションによって、マスクのエッジが和らぎます。右側のビューポートで
は、長方形マスクの境界ボックスによってエッジぼかしの効果が隠されています。一方、
左側のビューポートには、Sailboat レイヤと Port レイヤの間に、和らいだエッジが表示さ
れます。
c) 左側のビューポートで[Ctrl]+[Z]/[Command]+[Z]を押して長方形マスクの
エッジぼかしを取り消すことで、微妙な効果を確認します。
d) [Ctrl]+[Shift]+[Z]/[Command]+[Shift]+[Z]を押して、エッジぼかしを再実
行します。
8. Rectangular Mask オブジェクトを Timeline で表示します。
a) Timeline を表示します(
[F4])。
b) [Transform]カテゴリの横にある三角形をクリックして、折りたたみます。
c) 上矢印ボタンをクリックして階層内を上に移動し、Rectangular Mask オブジェクトを表
示します。
d) [Overview]をクリックします。
183
5 トラッキングとスタビライズ
e) [Frame All]をクリックします。
(Timeline に表示された)Rectangular Mask オブジェクトの横にある灰色のバーは、マスク
の長さを表しています。デフォルトで、長方形マスクにはクリップと同じ長さが与えられ
ます。
ヨットの先端を復元する
Sailboat レイヤにポリゴン・マスクを追加して、長方形マスクによって切り取られたヨットの
先端を復元します。今回は、Toolbar のマスク・ツールを使ってマスクを追加し、[Feather]オ
プションの代わりに[Edge Gradient]オプションを使ってマスクのエッジを和らげます。
1. [Edit]/[Select None]
([Ctrl]+[D]/[Command]+[D])を使って、オブジェクトの選
択を解除します。
長方形マスクの輪郭が黄色い線で表示されます。
参考 : Rectangular Mask オブジェクトの選択を解除しなかった場合、コントロールによる変更
が長方形マスクに適用されます。
[F2])。
2. Toolbar を表示します(
3. [Magnify]ツールをクリックします。
4. 右側のビューポートで、ヨットの先端をクリックします。
5. Toolbar で、ズーム係数を「300%」に設定します。
ヒント : [Magnify]ツールをスクラブしてズーム・イン / アウトすることもできます。
6. 長方形マスクによって切り取られたヨットの先端部分を囲むように、ポリゴン・マスクを
描画します。この段階では、マスクが帆を正確にトレースする必要はありません。
a) Toolbar の[Polygon Mask]ツールをクリックします。
b) 右側のビューポートで三角形を描画します。黄色い線のすぐ下から帆の先端の周りを順
次クリックして、3 つのコントロール・ポイントを追加してください。
184
トラッキングとスタビライズ ❚❘❘
c) 三角形を閉じます。最後のコントロール・ポイントを追加してから[Enter]を押すか、
最初のコントロール・ポイント上にカーソルを置き、カーソルの形が
クリックしてください。
に変わったら
左側のビューポートで、ポリゴン・マスクがコンポジットに追加されたことを確認できま
す。
参考 : アクティブなビューポートがズーム・インされており、ポリゴン・マスクのコントロー
ル・ポイントがアクティブになっていれば、帆の形に合うようにマスクを簡単に調整できます。
ポリゴン・マスクを閉じると、Toolbar のデフォルト設定が矢印ツールに切り替わり、
[Control Points]オプション、[Splines]オプション、および[Active]オプションが有効に
なります。マスク・ツールの詳細は、combustion ユーザーズガイドを参照してください。
[Control Points]
オプション
[Workspace]パネル(
[F3])の[Rectangular Mask]オペレータに、Polygon Mask オブジェ
クトが追加されています。
185
5 トラッキングとスタビライズ
7. ポリゴン・マスクの形を整えるために、次の画像のようにコントロール・ポイントを追加
および移動します。
a) 2 つのコントロール・ポイント間のエリア上にカーソルを置きます。カーソルの形が
に変わったら、クリックしてコントロール・ポイントを追加します。このようにし
て、コントロール・ポイントを 2 つ追加します。
ヒント : 特定の不要なコントロール・ポイントを削除するには、目的のコントロール・ポイント
をクリックして選択し、
[Delete]を押します(コントロール・ポイントは選択時に塗りつぶさ
れます)。
b) 特定のコントロール・ポイント上にカーソルを置きます。カーソルの形が
に変わっ
たら、そのコントロール・ポイントをクリックおよびドラッグして、帆の先端の輪郭に
近づけます。次の画像に示すように、ほかのコントロール・ポイントについても同様の
操作を行います。
マストの先端にある小さな黄色い旗は無視してください。また、ポリゴン・マスクが帆の
形に完全に一致していなくてもかまいません。コントロール・ポイントの追加と移動が完
了したら、ポリゴン・マスクは次のようになっているはずです。
186
トラッキングとスタビライズ ❚❘❘
8. エッジのグラデーションを追加して、ポリゴン・マスクの外側のソフトネスを定義します。
a) Toolbar の[Edges]を有効にします。
b) [Mask Controls]パネル(
[F8])を表示します。
c) [Modes]をクリックして、マスクの Modes コントロールにアクセスします。
d) [Edge Gradient]リストから[Offset]を選択します。
e) [Offset]を「2」に設定します。
緑色のスプラインは、マスクのエッジのグラデーションを表しています。[Offset]オプ
ションを使うと、マスク全体の形が拡大縮小されて、内部または外部の境界が設定されま
す。[Offset]オプションを使っても適切なグラデーションが得られない場合は、[In/Out]
オプションを使って内部および外部からマスクを和らげます。
参考 : エッジのグラデーションでは、マスクのコントロール・ポイントごとに異なるグラデー
ションを設定できます。
9. 左側のビューポートをクリックしてアクティブにした後、クリップを再生します
([Spacebar])。
ポリゴン・マスクは静的です。ポリゴン・マスクがヨットの動きに従うようにするには、
Tracker を使用します。
187
5 トラッキングとスタビライズ
ヨットをトラッキングする
ポリゴン・マスクの位置キーフレームを調整することでマスクがヨットの動きに従うようにす
ることもできますが、ヨットをトラッキングした方がより簡単で正確です。ヨットをトラッキ
ングすると、トラッキング・データがポリゴン・マスクに自動的に適用され、ヨットの動きに
マスクが追従するようになります。
1. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
2. 右側のビューポートをクリックしてアクティブにします。
ポリゴン・マスクが既に選択されているため、ビューポートのポリゴン・マスクの周囲に
境界ボックスが表示されます。Toolbar のデフォルト設定は、矢印ツールと[Object]オプ
ションに設定されます。
[Object]
オプション
3. [Tracker]パネル(
[F7])を表示します。
Tracker はコンテキストに応じて変化します。ビューポートでポリゴン・マスクが選択され
ているため、Tracker は単一オブジェクト(ポリゴン・マスク)をトラッキングするように
設定されます。
188
トラッキングとスタビライズ ❚❘❘
4. [Position]をクリックして Tracker の 1 ポイント・トラッキングを起動し、
[Auto Pan]を有
効にします。
1 ポイント・トラッキングでは、フレーム間で変化するサンプリング要素の位置をトラッ
キングします。[Auto Pan]を有効にすると、解析中に Tracker が現在のビューから外側に
出たときに、ビューポートが自動的にパンされます。トラッキングの詳細は、
「1 つまたは
複数のポイントをトラッキングする」ヒント囲み記事を参照してください。
1 つまたは複数のポイントをトラッキングする
1 つまたは複数の Tracker を使って、1 つまたは複数のポイントをトラッキングします。
• トラッキングするフィーチャが回転または拡大縮小について変化しない場合は、1 ポイント・
トラッキングを使います。この練習では、ヨットがフレームを横切るときにカメラからの距離
が一定で、カメラに対して常に垂直になっているため、1 ポイント・トラッキングを使ってト
ラッキングできます。
• トラッキングする要素が拡大縮小または回転について変化する場合は、2 ポイント・トラッキ
ングを使います。たとえば、カメラに向かってくる自動車のナンバー・プレートをトラッキン
グしたい場合、ナンバー・プレートの位置をトラッキングする Tracker と、ナンバー・プレート
の拡大縮小および回転の変化をトラッキングする Tracker の 2 つを使います。
• コーナー・ピニングする場合は、4 ポイント・トラッキングを使用します。たとえば、ショッ
トのビルボードをトラッキングし、これに長方形画像をピニングするような場合などに使いま
す。
• Paint オブジェクトのように 5 つ以上のコントロール・ポイントを持つオブジェクトにトラッキ
ング・データを適用する場合は、5 つ以上のポイントを使います。
複数ポイント・トラッキングの詳細は、combustion ユーザーズガイドを参照してください。
189
5 トラッキングとスタビライズ
右側のビューポートに Tracker が表示されます。Tracker は、基準ボックスと Tracker ボック
スから構成されます。
• Tracker ボックスは、基準エリアのフレーム間の動きに従います。
• 基準ボックスには、基準エリア、すなわちその動きをトラッキングするピクセルのグ
ループが含まれています。
Tracker ボックス
基準ボックス
Tracker がいったん起動されると、左側のビューポートおよび[Workspace]パネルの
Polygon Mask オブジェクトは無効になります。これは、Tracker コントロールの[Hide
Objects]がデフォルトで有効になるためです。
マスクのワイヤフレームだけを表示するように選択しているため、右側のビューポートに
はマスクが表示されます。つまり、マスクの内部と外部を確認できます。
5. [Workspace]パネル(
[F3])で、[Rectangular Mask]オペレータ
フッテージ全体が表示されるようにします。
190
を無効にして Sailboat
トラッキングとスタビライズ ❚❘❘
[Rectangular Mask]オペレータを無効にすると、Sailboat レイヤのコンクリートの壁が左側
のビューポートに表示されます。
Tracker は基準エリアのピクセルをサンプリングして、次のフレームで見つけることができ
るパターンを確立するため、基準エリアの内容には各フレームに現れるはっきりとしたユ
ニークなパターンが含まれている必要があります。
6. クリップを再生(
[Spacebar])して、最適な基準エリアを決定します。
このクリップでは、マストの横の小さな白い点が基準エリアとして最適です。
7. Tracker の基準エリアを選択します。
a) 最初のフレームに移動します(
[Home])。
b) 2 つの Tracker ボックスの中央にカーソルを置きます。
カーソルの形が
に変わります。
191
5 トラッキングとスタビライズ
c) Tracker ボックスをドラッグして、マストの横にある小さな白い点が Tracker の中心に来
るようにします。
基準ボックスと Tracker ボックスは同時に動きます。Tracker ボックスをドラッグするとき
は、ボックスを正確に配置できるように、その内容が拡大表示されます。
参考 : 基準ボックスや Tracker ボックス上に重なっている長方形マスクのコントロール・ポイン
トをドラッグしないように注意してください。ドラッグすると、ポリゴン・マスクのサイズが
変わります。ドラッグした場合は、[Reset Tracker (s)]をクリックして最初からやり直します。
d) Tracker の位置を確認するには、Tracker コントロールの[Preview]を有効にします。
192
トラッキングとスタビライズ ❚❘❘
8. [Analyze Forward]ボタン
をクリックしてクリップを解析します。
解析中は、Tracker が基準エリアに一致するパターンをクリップの各フレーム内で探すた
め、Tracker ボックスがそれに応じて移動します。基準ボックスは最初の位置から動きませ
ん。
Tracker がクリップの各フレームを解析する際には、2 本のモーション・パスが表示されま
す。緑色のパスは、基準エリアのフレーム間のモーション・パスを表しています。白色の
パスは、ポリゴン・マスクのフレーム間のモーション・パスを表しています。
参考 : 実際に表示される結果は、次の画像と異なることがあります。
ポリゴン・マスクの
モーション・パス
基準ボックス
基準エリアのモーション・パス
Tracker ボックス
193
5 トラッキングとスタビライズ
定義した基準エリアによっては、特にクリップの終わり近くでマストがコンクリートの壁
の垂直の裂け目の前を通過する際に、トラッキング・パスが不正確になることがあります。
これらのエリアは互いに似通っているため、Tracker は両者を区別することができません。
ヨットのマスト
コンクリートの壁
Tracker は常に基準エリアに一致するパターンを検索しようとします。その結果、不正確な
パターンが選択されることがあります。これは、基準許容度のデフォルト値が「100%」に
設定されているためです。このため、次の画像のように、クリップの終わりに近づくに
従って、モーション・パスが迷走することがあります。
基準エリアの
モーション・パス
ポリゴン・マスクの
モーション・パス
帆のトラッキング・データが迷走しなかった場合は、200 ページの「トラッキング・デー
タを表示する」に進みます。
194
トラッキングとスタビライズ ❚❘❘
トラッキングをリセットする
ヨットを初めてトラッキングした際に発生する問題を解決するために、Tracker の設定を変更
して Tracker が同じ基準エリアにより正確に従うようにします。
1. ヨットのクリップに適した設定が使われるように Tracker をリセットして、より正確なト
ラッキング・データを収集できるようにします。
a) 最初のフレームに移動します(
[Home])。
b) [Reset Tracker (s)]をクリックします。
トラッキング・データがクリアされ、Tracker がデフォルト設定にリセットされます。
2. [Reference]タイプとして[Roaming]を選択します。
195
5 トラッキングとスタビライズ
3. [Tolerance]を「50%」に設定して、Tracker がより正確なパターンを検索できるようにしま
す。
参考 : Tolerance(許容値)を下げすぎないようにしてください。下げすぎると、Tracker が一致
するエリアをまったく見つけられず、トラッキング・データが生成されなくなります。
ヨットを初めてトラッキングした時点では、基準タイプはデフォルト設定の[Fixed]に
なっていました。基準タイプが[Fixed]になっている場合、最初のフレームでサンプリン
グされた基準エリアが、トラッキング処理を通じて使用されます。固定された基準エリア
が適切に機能するのは、基準エリアがクリップ全体を通じてほとんど変化しない場合(基
準エリアの色やブライトネスがほとんど変化しない場合)です。また、一度しか基準エリ
アをサンプリングしないため、速度は速くなります。
基準タイプを[Roaming]に設定すると、基準エリアがフレームごとにサンプリングされ
ます。処理としては遅くなりますが、基準エリアのフレーム間での多少の変化が考慮され
ます。背景のコンクリートの壁のテクスチャと波打つ帆の変化に応じて基準エリアが変化
するため、ここではフレームごとに基準エリアを更新する方法を選択します。
トラッキングの要因の多くは、使用するフッテージのプロパティに依存しています。ト
ラッキングは、非常にはっきりとした基準エリアに対しては簡単ですが、この練習で使用
するフッテージのように基準エリアの一貫性が少なくなると、Tracker コントロールでいろ
いろ実験して、クリップの解析を最適化する必要がでてきます。Tracker コントロールの調
整の詳細は、combustion ユーザーズガイドを参照してください。
4. Tracker を再配置し、基準エリアのサイズを小さくしてコンクリートの壁を含む部分を少な
くします。
a) Tracker ボックスをマストの横の白い点(191 ページの手順 7 で使用したものと同じ基準
エリア)までドラッグします。
196
トラッキングとスタビライズ ❚❘❘
b) Tracker コントロールで Tracker の位置をプレビューします。
c) 基準ボックス(内側のボックス)のハンドルを使って、サンプリングするエリアの大き
さを小さくします。白い点に近い基準ボックスの左側を切りぬいて、コンクリートの壁
をサンプリングすることを避けます。
ヒント : 基準ボックスのサイズを小さくするときは、Tracker コントロールの Tracker プレ
ビューを参照します。
197
5 トラッキングとスタビライズ
5. [Analyze Forward]ボタン
をクリックしてクリップを解析します。
基準エリアのモーション・パスが、クリップ全体に渡って更新されます。
基準エリアの
モーション・パス
トラッキングに成功した場合は、200 ページの「トラッキング・データを表示する」に進
みます。トラッキングに失敗した場合は、次の手順に進みます。
6. Tracker をリセットした後、Lesson05\ex1 フォルダからトラッキング・データをインポート
します。
a) 最初のフレームに移動します(
[Home])。
b) [Reset Tracker (s)]をクリックします。
c) [Import Data]をクリックします。
198
トラッキングとスタビライズ ❚❘❘
d) [Select Tracker Data Format]ダイアログで、
[Discreet Tracker Setup]をクリックしてから
[OK]をクリックします。
[Import Tracker Setup]ダイアログが表示されます。
e) ファイル・ブラウザを使って Lesson 05\ex1 フォルダを検索し、そこから
sailboat_track.stabilizer ファイルを選択し、[Open]をクリックします。
インポートしたトラッキング・データがポリゴン・マスクに適用されます。
ヒント : Discreet Tracker Setup フォーマットの代わりに Tracker Data フォーマットのデータを
インポートした場合、現在アクティブな Tracker のキーフレームの絶対値が設定されます。Shift
Data フォーマットのデータをインポートした場合、既存の Tracker キーフレームが現在の位置
に対して相対的にシフトされます。Discreet™ 製品(effect、 flint®、 flame®、inferno®)と
Tracker セットアップを共有する方法など、Tracker データのインポート / エクスポートの詳細
は、combustion ユーザーズガイドを参照してください。
199
5 トラッキングとスタビライズ
トラッキング・データを表示する
各フレームごとに、Tracker は Tracker ボックスと基準ボックスの位置の差から、X シフト値と
Y シフト値を計算します。シフト値は、各フレーム間で基準エリアが移動した量の測定値(サ
ブ・ピクセル単位)です。シフト・データは、ポリゴン・マスクの X Position チャンネルと Y
Position チャンネルに適用されます。
1. Polygon Mask オブジェクトの位置の値を Timeline で検証します。
a) Timeline を表示します(
[F4])。
b) 上矢印ボタンをクリックして、Polygon Mask オブジェクトを表示します。
c) [Graph]をクリックして、特定カテゴリのチャンネル値の時間変化を表示します。
d) [Timeline]リストで[Polygon Mask Transform]カテゴリを開いて、そのチャンネルを表
示します。
e) [X Position]をクリックしてから[Y Position]を[Ctrl]+ クリック / [Command]+ ク
リックして、両方のチャンネルを選択します。
トラッキング・データは、Polygon Mask オブジェクトの[X Position]チャンネルと[Y
Position]チャンネルに適用されます。このオブジェクトの動きは、トラッキングされた基
準エリアの動きに一致します。
2. [Tracker]パネル(
[F7])で、[Off]をクリックして Tracker をオフにします。
200
トラッキングとスタビライズ ❚❘❘
Tracker をいったんオフにすると、選択したオブジェクトの位置チャンネルにトラッキン
グ・データが確定されます。このため、トラッキング・データをリセットできなくなりま
す。Timeline で変更できるのは、オブジェクトの位置チャンネルの位置キーフレームだけ
です。
3. [Workspace]パネル(
[F3])で、[Rectangular Mask]オペレータ
をオンにします。
4. クリップを再生します。
a) 最初のフレームに移動します(
[Home])。
b) 左側のビューポートをクリックしてアクティブにします。
c) クリップを再生します(
[Spacebar])。
フレームごとにポリゴン・マスクがヨットの動きに追従します。ただし、帆が揺れるため、
マスクと帆の形が完全には一致しません。
5. ワークスペースを保存します。
a) [Ctrl]+[S]/[Command]+[S]を押して[Save Workspace]ダイアログを開きます。
b) 現在のワークスペースのファイル名とディレクトリを指定し、
[OK]をクリックするか
[Enter]を押します。
ポリゴン・マスクの形をアニメートする
ポリゴン・マスクのコントロール・ポイントをアニメートして、波打つ帆の形に一致させま
す。マスクの個々のコントロール・ポイントを調整しても、トラッキング・データには影響
を与えません。
1. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
2. [Animate]を有効にして(
[A]を押して)自動キーフレームを有効にします。
3. 右側のビューポートをクリックしてアクティブにします。
4. Toolbar(
[F2])を表示します。
Toolbar はコンテキストに応じて変化するため、Toolbar には現在のオペレータ(右側の
ビューポートの[Rectangular Mask]オペレータ)に対するツールが表示されます。
201
5 トラッキングとスタビライズ
5. [Control Points]オプションをクリックして、Polygon Mask オブジェクトのコントロール・
ポイントにアクセスします。
ヒント : ビューポートで非表示のポリゴン・マスクを簡単に選択するには、ポリゴン・マスクの
エリアを囲む選択範囲ボックスを描画します。
右側のビューポートに、ポリゴン・マスクのコントロール・ポイントが表示されます。ポ
リゴン・マスクのエッジのグラデーションは、緑色のスプラインで表現されます。
6. [Ctrl]/[Command]を押しながらポリゴン・マスクの右側のコントロール・ポイントをド
ラッグすることで、対応する接線ハンドルにアクセスして移動します。
マスクが帆の形により正確に一致させるときは、接線ハンドルを使ってマスクの形を調整
すると、簡単に行うことができます。
コントロール・ポイントの接線ハンドル
202
トラッキングとスタビライズ ❚❘❘
7. 5 フレームごとに、ポリゴン・マスクの形をアニメートします。
a) フレーム 5 に移動します。
b) コントロール・ポイントと接線ハンドルを移動およびドラッグして、マスクが帆の形に
一致させます。
c) フレーム 10、15、20、25、および 30 に移動して、手順 b を繰り返します。
ポリゴン・マスクの形を変更すると、キーフレーム間で自動的に補間されるため、5 フ
レームごとにマスクを調整して帆の形に一致させる程度で十分です。
8. アニメーションをプレビューします。
a) 最初のフレームに移動します(
[Home])。
b) 左側のビューポートをクリックしてアクティブにします。
c) クリップを再生します(
[Spacebar])。
ポリゴン・マスクが帆の形により正確に従うようになります。
背景を移動および色調整する
コンポジットの背景を移動およびカラー調整して、前景と背景がより自然に合成されるよう
にします。まず、Transform コントロールを使って背景の水平線を前景の水平線に一致させま
す。次に、[Gray]オペレータを追加して、背景の彩度を下げます。
1. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
2. 1 ビューポートのレイアウトを選択します。
左側のビューポートがアクティブであるため、そのビューポートに出力結果が表示されま
す。
アクティブなビューポートには[Composite]オペレータの出力が表示されているため、
[Composite]オペレータが現在のオペレータになります。
[Workspace]パネル([F3])の
[Composite]オペレータの横に、ビューポートのアイコンが表示されます。
203
5 トラッキングとスタビライズ
コンポジット内の雲の位置が低すぎます。
3. Port レイヤを上に移動して、雲がコンポジットの上の方に表示されるようにします。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で、Port レイヤを選択します。
b) [Composite Controls]パネル(
[F8])で、[Transform]をクリックします。
c) [Y Position]を「110」に設定します。
背景の雲の位置が高くなり、遠くの丘が海岸線のように見えます。コンポジットがよりリ
アルになりました。
背景レイヤのエッジ(フレームの両側の黒い帯)が切り取られています。これらのエッジ
は[Safe Action]ゾーン(
[’])のかなり外側にあるため、再生時には表示されません。た
だし、Web 上で使用するためにコンポジットをレンダリングする必要がある場合には、フ
レーム全体が表示されます。この問題を解決するには、次の手順に進みます。
4. Port レイヤの Scale 値を比例的に増やして黒い帯を除去します。
a) [Composite Controls]パネル(
[F8])で、[Proportional]をクリックします。
204
トラッキングとスタビライズ ❚❘❘
b) Scale フィールドのいずれかを「102%」に設定します。
フレームの両側の黒い帯が除去されます。ただし、Port レイヤの空の色が Sailboat レイヤ
の海の色と合っていません。
5. Port レイヤに[Gray]オペレータを追加します。
a) [Operators]パネル(
[F5])を表示します。
b) [Color Correction]カテゴリを選択します。
c) [Gray]をクリックします。
6. 灰色の彩度を設定します。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で、[Gray]オペレータを選択して[Gray Controls]パネル
にアクセスします。
b) [Gray Controls]パネル(
[F8])で、[Amount]を「40%」に設定して空の彩度を下げま
す。
205
5 トラッキングとスタビライズ
背景の青が弱くなり、コンポジットがより説得力のあるものとなります。
7. クリップを再生します(
[Spacebar])。
コンポジットが完成しました。
8. ワークスペースを保存し、閉じます。
a) ワークスペースを保存します(
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
b) (オプション)QuickTime ムービーとしてクリップをレンダリングします。詳細は、46
ページの「結果のコンポジットをレンダリングする」を参照してください。
c) ワークスペースを閉じます(
[Ctrl]+[W]/[Command]+[W])。
206
トラッキングとスタビライズ ❚❘❘
練習 2:クリップをスタビライズする
スタビライズはモーション・トラッキングに似ています。ただし、モーション・トラッキン
グでは、トラッキング・データをオブジェクトやレイヤに適用して動きに追従するようにす
るのに対し、スタビライズでは、解析データを解析対象レイヤ自身に適用して画像の X 空間
と Y 空間をシフトすることでジッタを除去します。ジッタのあるクリップをインポートし、
[Stabilize 1 Point]オペレータを使ってクリップからジッタを除去します。
この練習では、以下について学びます。
• フッテージのジッタを表示します。
•[Stabilize 1 Point]オペレータを追加して、スタビライズ・ポイントを設定します。
• Tracker を使ってスタビライズ・ポイントをトラッキングします。
• スタビライズしたクリップを、ジッタのある元のクリップと比較します。
助けが必要ですか?
この練習を行う上で助けが必要であれば、ワークスペースを保存して閉じてから、
Lesson05\ex2 フォルダの Lesson05_ex2.cws ファイルを参考用に開いてください。
ワークスペースを設定する
まず、この練習の結果をプレビューします。次にブランチを作成して、コンポジットの構築
を始めます。
1. combustion の基本設定を確認します。詳細は、9 ページの「基本設定を設定する」を参照
してください。
2. [File]/[Open Workspace]をクリックするか[Ctrl]+[Shift]+[O]
(Windows)または
[Command]+[Shift]+[O](Macintosh)を押して、Lesson05\ex2 フォルダの
Lesson05_ex2.cws ファイルを開きます。詳細は、22 ページの「ワークスペースを開く」を
参照してください。
3. この練習の結果をプレビューするために、クリップをビューポートで再生します。詳細は、
30 ページの「ビューポートでコンポジットを再生する」を参照してください。
参考 : リアルタイムでクリップ全体を表示するだけの RAM がない場合には、combustion を最小
化して、Media Player(Windows)または QuickTime(Macintosh)を使って Lesson05_ex2.avi
を再生します。詳細は、19 ページの「ムービーを再生する」を参照してください。
207
5 トラッキングとスタビライズ
このクリップは、トラックが緑の画面の前で停止する様子をフィーチャしています。この
ショットは既にスタビライズされています。
La Fabrique d’Images 提供
4. [File]/[Close Workspace]
([Ctrl]+[W]/[Command]+[W])を使って
Lesson05_ex2.cws ファイルを閉じます。
5. [File]/[New]
([Ctrl]+[N]/[Command]+[N])を使って[New]ダイアログを開
き、以下のプロパティを持つブランチを作成します。
•[Type]:Composite
•[Name]:Stabilizing
•[Format]:NTSC D1 / Discreet edit NTSC
•[Duration]:55 フレーム
•[Bit Depth]:8 ビット
•[Mode]:3D
6. コンポジットで使うフッテージをインポートします。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で、Stabilizing コンポジットを右クリック /[Ctrl]+ ク
リックして[Import Footage]を選択します。または、[Ctrl]+[I]/[Command]+[I]
を押します。
208
トラッキングとスタビライズ ❚❘❘
b) [Import Footage]ダイアログで、Lesson05\ex2 フォルダを開き、Truck[##].png 画像シー
ケンスをインポートします。
フッテージをコンポジットにインポートすると、フッテージのフレーム・レートがコンポ
ジットのフレーム・レートに一致します。
7. 1 ビューポートのレイアウトを選択します。
8. [Composite Controls]パネル(
[F8])の[Name]フィールドで、Truck01 レイヤの名前を
「Truck」に変更します。
変更した名前は、[Composite Controls]パネルの[Current]リストと[Workspace]パネル
にも反映されます。
209
5 トラッキングとスタビライズ
クリップを再生する
リアルタイムでクリップを再生して、インポートしたフッテージに含まれているジッタを表示
します。
1. 再生コントロールで、再生モード・ボタンを切り替えて[Loop]モードを選択します。
2. クリップを再生します(
[Spacebar])。
クリップの再生中は、ガードレールに特に注目してください。クリップのリアルタイム再
生が始まると、ジッタが含まれており、スタビライズする必要のあることがわかります。
参考 : ジッタがよく見えない場合は、ビューポートでズーム・インします。
[Home])。
3. 最初のフレームに移動します(
[Stabilize 1 Point]オペレータを追加する
[Stabilize 1 Point]オペレータを Truck レイヤに追加し、スタビライズ・ポイントを設定しま
す。モーション・トラッキングの場合と同様に、スタビライズ・ポイントに適した基準エリア
を見つける必要があります。このクリップでは、ガードレールの右端のクロスバーが、フレー
ム間で形や大きさが変わらずにはっきりと表示されるパターンを持っています。
1. [Workspace]パネル(
[F3])で、Truck レイヤを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Operators]/[Stabilize]/[Stabilize 1 Point]を選択します。
[Stabilize 1 Point]オペレータが作成され、対応するコントロールが[Stabilize 1 Point
Controls]パネルに表示されます。
combustion では、1 つまたは 2 つのポイントをスタビライズできます。1 ポイント・スタ
ビライジングを使うと、水平方向および垂直方向のジッタを除去できます。2 ポイント・
スタビライジングを使うと、ジッタおよび不要なカメラのパンとティルトを除去できます。
2 ポイント・スタビライジングの詳細は、combustion ユーザーズガイドを参照してくださ
い。
210
トラッキングとスタビライズ ❚❘❘
2. ショットに対するスタビライズ・ポイントを設定します。
a) [Stabilize 1 Point Controls]パネルで、
[Stabilize Point]ピッカーを選択します。
ビューポートの中央付近にあるデフォルトのピボット・ポイント上に、ターゲットが表示
されます。
b) ガードレールの右端のクロスバーをクリックします。
このクロスバーは、形がはっきりしていて色のコントラストも高いため、クリップの解析
に適したパターンとなっています。
211
5 トラッキングとスタビライズ
[Stabilize Point X]と[Stabilize Point Y]の各フィールドに、ターゲットの位置が表示され
ます。
実際の値は、ここで示した値とは異なることがあります。
ヒント : また、[Stabilize Point X]と[Stabilize Point Y]の各フィールドに値を直接入力する
と、スタビライズ・ポイントの位置を設定および調整できます。
Tracker を使ってシフト・データを生成する
[Stabilize 1 Point]オペレータのスタビライズ・ポイントを設定し終わったので、Tracker を
使ってクリップのジッタを解析します。[Stabilize 1 Point]オペレータは、Tracker によって生
成されたシフト・データを使ってクリップをスタビライズします。
たとえば、2 番目のフレームのスタビライズ・ポイントが最初のフレームよりも 3 ピクセル高
くなっている場合、レイヤの位置を 3 ピクセル下げることで、スタビライズ・ポイントがどち
らのフレームでも同じ位置を占めるようにします。
トラッキング・データに基づいて、スタビライズ・ポイントの X チャンネルと Y チャンネル
のキーフレームが生成されます。これらのキーフレームは自動生成されるため、[Animate]を
有効にする必要はありません。
1. [Tracker]パネル(
[F7])を表示します。
[Stabilize 1 Point]オペレータのスタビライズ・ポイントを設定した直後であるため、
Tracker はスタビライズ・ポイント(Track 1 Effect Point)をトラッキングするように設定さ
れています。
212
トラッキングとスタビライズ ❚❘❘
2. [Position]をクリックして単一の Tracker を起動します。
ビューポートの[Stabilize 1 Point]オペレータに対して設定したターゲットと同じ位置に、
Tracker ボックスおよび基準ボックスを表示します。
Tracker ボックス
基準ボックス
3. ガードレールは一貫した基準エリアであるため、デフォルトの[Fixed]基準タイプを使っ
てクリップを解析します。[Analyze Forward]ボタン
ます。
をクリックしてクリップを解析し
数秒後に、解析が完了します。Tracker ボックスと基準ボックスの中心にある Tracker パス
は、スタビライズ・ポイントのフレームごとの動きを示しています。
ヒント : カメラのジッタはほんのわずかであるため、ズーム・インしてその Tracker パスを確認
します。
213
5 トラッキングとスタビライズ
4. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
5. トラッキング・データを確定します。
a) [Tracker]パネルで[Off]をクリックして Tracker をオフにします。
b) [Stabilize 1 Point Controls]パネル(
[F8])で、[Stabilize Point]ピッカーをクリックして
無効にします。
214
トラッキングとスタビライズ ❚❘❘
6. Timeline を表示します(
[F4]
)。
7. [X Stabilize Point]チャンネルと[Y Stabilize Point]チャンネルを表示します。
a) [Stabilize Point]カテゴリの横にある三角形をクリックして、そのチャンネルを表示し
ます。
b) [Graph]をクリックしてチャンネルを[Graph]モードで表示します。
c) X チャンネルをクリックしてから Y チャンネルを[Ctrl]+ クリック /[Command]+ ク
リックして、両方のチャンネルを選択します。
d) [Context]と[Auto Scale]を有効にし、
[Frame All]をクリックします。
Timeline には、クリップのスタビライズに必要なサブピクセル・シフト値が表示されます。
8. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
9. 再生コントロールの[Next Frame]ボタンをクリックして、各フレームのシフト値を表示
します。
[Next Frame]
[Timeline]リストの[Stabilize Point X]および[Stabilize Point Y]チャンネルの横にあるシ
フト値が、刻々と変化します。Tracker による解析の結果、あらゆるジッタを正確に除去す
るデータが生成されます。
ビューポートのフレームのエッジに、ギャップ(黒色の境界線)が表示されます。この
ギャップは、画像をフレームの大きさに合わせるために追加されています。このギャップ
の大きさは、ジッタ除去時の画像のシフト量に応じて変化します。黒色の境界線は[Safe
Action]ゾーン([’])のかなり外側にあるため、再生時には表示されません。
215
5 トラッキングとスタビライズ
ヒント : 境界線を埋めるには、
[Stabilize 1 Point Controls]パネルの[Mode]リストから、
[Fit]
モードまたは[Wrap]モードのいずれかを選択します。これらのモードの詳細は、combustion
ユーザーズガイドを参照してください。
RAM プレイヤでクリップを再生する
クリップを再生して、最終結果をスタビライズ前の元のクリップと比較します。
1. [Animate]を無効にして(
[A]を押して)、キーフレームが追加されないようにします。
2. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
3. [File]/[Render to RAM]
([Ctrl]+[Shift]+[R]/[Command]+[Shift]+[R])を
使って[Render to RAM]ダイアログを開きます。
(コンポジットのような)オペレータを RAM にレンダリングする場合、そのオペレータの
結果を別のオペレータの出力と比較することができます。この場合は、スタビライズされ
た Truck レイヤ(コンポジットの出力)とスタビライズされていない[Footage]オペレー
タを比較します。
216
トラッキングとスタビライズ ❚❘❘
4. [Compare with]フィールドの[Select Operator]をクリックして、
[Operator Picker]ダイア
ログにアクセスします。
5. [Operator Picker]ダイアログで Truck レイヤの[Truck[##] Footage]オペレータを選択した
後、[OK]をクリックするか[Enter]を押して[Render to RAM]ダイアログに戻ります。
217
5 トラッキングとスタビライズ
[Render to RAM]ダイアログの[Compare with]フィールドに、Truck[##] Footage(ジッタ
を含むクリップ)が設定されます。このクリップが、コンポジットの出力(スタビライズ
されたクリップ)と比較されることになります。
6. クリップを処理します。
a) [Quality]リストから[Best]を選択します。
b) [Process]をクリックしてクリップを RAM にレンダリングします。
数秒後に、レンダリング結果が RAM プレイヤに表示されます。RAM プレイヤは、ビュー
ポート内でクリップを再生するリアルタイム・プレイヤです。
比較対象のオペレータとともにクリップを RAM にレンダリングすることで、両方のク
リップを同時に RAM プレイヤで見ることができます。
7. ビューポートに両方のクリップを表示します。
a) [Zoom In]ボタンを 1 回クリックするか、
[Ctrl]+[=]/[Command]+[=]を押しま
す。
b) Toolbar(
[F2])を表示します。
c) [Compare]ツールをクリックします。
218
トラッキングとスタビライズ ❚❘❘
d) [Compare Region]リストから[Split Vertically]を選択します。
e) ビューポートで、スタビライズ・ポイントとして使ったガードレール上の点の近くをク
リックします。
参考 : 垂直分割線が表示されない場合は、再度ズーム・インします。
垂直分割線によって、RAM プレイヤの 2 つの出力が分割されます。スタビライズしたク
リップは左側に、スタビライズされていないフッテージは右側に、それぞれ表示されます。
[Compare]オプションの詳細は、combustion ユーザーズガイドを参照してください。
8. クリップを再生します(
[Spacebar])。
ビューポートの垂直分割線の左側では、ジッタがクリップから除去されています。ビュー
ポートの左上にある[RAM Player Unlocked]インジケータは、クリップがリアルタイムで
再生されていないことを示しています。クリップはキャッシュから再生されているため、
フレーム・レートもビューポートに表示されています。
9. ワークスペースを保存し、閉じます。
a) ビューポートを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Close]を選択して RAM プレイヤ
を閉じます。
b) [Ctrl]+[S]/[Command]+[S]を押して、ワークスペースを保存します。
レッスン 6 の練習では、ここで作成したワークスペースを使って、Truck クリップをキー
イングします。
c) 次のレッスン 6 の練習にすぐに進まない場合は、
[Ctrl]+[W]/[Command]+[W]
を押してワークスペースを閉じます。
219
5 トラッキングとスタビライズ
覚えておくべきこと
• 楕円形または長方形のマスク・オブジェクトを適用する場合は、[Elliptical Mask]オペレー
タまたは[Rectangular Mask]オペレータを使います。それ以外の場合は、[Draw Mask]オ
ペレータを使います。
• マスク表示オプション[Outlines Only]を有効にすると、マスクの形を調整する作業が容易
になります。
•[Workspace]パネル、Timeline、または Schematic ビューからマスク・オペレータを追加す
ると、このオペレータの出力がビューポートに自動的に表示されます。このオペレータが現
在のオペレータになります。
• 既存のマスクにマスクを追加するには、[Mask Mode]リストから[Add]を選択します。
• Toolbar の[Control Points]オプションを使うと、マスクの形を変更できます。コントロー
ル・ポイントの追加、移動、および削除が行えるほか、接線ハンドルを使ってマスクを任意
の形に変形できます。また、マスクの形をアニメートすることもできます。
•[Feather]オプションを使うと、マスクのエッジが和らぎます。[Edge Gradient]オプション
を使うと、マスクの内部と外部のオフセットおよびマスクのソフトネスを定義できます。
• Tracker を使うと、クリップの動きを解析できます。トラッキング・データを特定のオブ
ジェクトに適用すると、解析した動きにオブジェクトを追従させることができます。Tracker
を使うと、スタビライズ・ポイントの動きを解析できます。
• Tracker の基準エリアを設定する際には、はっきりとしたユニークな形を持ち、クリップ全
体を通して一定の輝度を持つ画像の範囲を選択します。
• トラッキングするときは、[Animate]と[Auto Pan]を有効にしてください。[Auto Pan]を
有効にすると、解析中に Tracker が現在のビューから外側に出たときに、ビューポートが自
動的にパンされます。
•[Stabilize 1 Point]オペレータを追加すると、水平方向および垂直方向のジッタを除去できま
す。[Stabilize 2 Points]オペレータを追加すると、ジッタならびに不要なカメラのパンと
ティルトを除去できます。
220
キーイング
Lesson 6
La Fabrique d’Images 提供
Keyer を使って精密なマットを生成するこ
とで、より説得力のあるコンポジットを作
成します。Keyer 設定の多くはアニメート
できるため、ライティング条件、透明度、
シャドウなどが変化するクリップをキーイ
ングすることもできます。
221
6 キーイング
概要
レッスン 2 では、アルファ・チャンネルが定義された画像を使ってコンポジットを作成しまし
た。アルファ・チャンネルは画像のグレイスケール・チャンネルで、白色が不透明を、灰色が
さまざまなレベルの不透明度を、黒色が透明を表します。このレッスンでは、Keyer を使って
マットを生成し、コンポジットを作成します。マットはアルファ・チャンネルと同じく、透明
部分と不透明部分が定義されたグレイスケール版の画像です。ただし、アルファ・チャンネル
と違って、マットはレイヤ内の特定のフッテージに所属しません。マットは、レイヤと一緒に
保存される画像処理となっています。
マットを生成するには、前面クリップの中で透明にするカラー範囲を Keyer を使って指定しま
す。たとえば、前面クリップが緑の画面の前で撮影されている場合、Keyer を使って緑の範囲
に透明部分を指定します。透明度は段階的に適用できます。つまり、前面クリップの特定部分
を部分的に透明にすることで、前面の影や細部を背面のクリップとリアリスティックに合成す
ることができます。
このレッスンでは、リアルタイム更新機能を使います。ビューポートのレイアウトを使い、左
側のビューポートでクリップを再生し、右側のビューポートでキーを抜き出します。右側の
ビューポートで[Discreet Keyer]オペレータに対して行った変更結果は、クリップ再生中に左
側のビューポートにも動的に反映されます。
このレッスンの所要時間:35 分
練習:Keyer を使ってコンポジットを作成する
前面クリップ(トラック)と背面クリップ(高速道路)を使って、トラックが陸橋を横切って
走っているように見えるコンポジットを作成します。[Channel]モードおよび[YUV Keyer]
モードを使って前面クリップからマットを生成します。
この練習では、以下について学びます。
•[Discreet Keyer]オペレータを追加します。
• 緑の[Channel Keyer]モードを使ってキーを抜き出します。
•[YUV Keyer]モードを使ってキーを抜き出します。
• ブラー効果を追加して、前面と背面のクリップの焦点を一致させます。
助けが必要ですか?
この練習を行う上で助けが必要であれば、Lesson06a.cws ファイルまたは Lesson06b.cws ファイ
ルを参考用に開いてください。
• Lesson06a.cws ファイルを開き、緑の[Channel Keyer]モードを使って作成したコンポジッ
トを見ます。
• Lesson06b.cws ファイルを開き、[YUV Keyer]モードを使って作成したコンポジットを見ま
す。
いずれの場合も結果のコンポジットは同一ですが、結果に至るまでに使うキーイングのテク
ニックが異なります。
222
キーイング ❚❘❘
ワークスペースを設定する
まず、このレッスンの最初の結果をプレビューします。次に、スタビライズしたクリップが
含まれるワークスペースを開き、フッテージをインポートしてコンポジットの作成を開始し
ます。
1. combustion の基本設定を確認します。詳細は、9 ページの「基本設定を設定する」を参照
してください。
2. [File]/[Open Workspace]をクリックするか[Ctrl]+[Shift]+[O]
(Windows)または
[Command]+[Shift]+[O](Macintosh)を押して、Lesson06 フォルダの Lesson06a.cws
ファイルを開きます。詳細は、22 ページの「ワークスペースを開く」を参照してください。
参考 : ワークスペース・ファイルのフッテージが見つからないことを示すメッセージが表示され
た場合、フッテージを再リンクする必要があります。詳細は、18 ページの「メディアを再リン
クする」を参照してください。
3. このレッスンの結果をプレビューするために、クリップをビューポートで再生します。詳
細は、30 ページの「ビューポートでコンポジットを再生する」を参照してください。
参考 : リアルタイムでクリップ全体を表示するだけの RAM がない場合には、combustion を最小
化し、Media Player(Windows)または QuickTime(Macintosh)を使って Lesson06.avi を再生
します。詳細は、19 ページの「ムービーを再生する」を参照してください。
このコンポジットは、陸橋の上で停止するトラックを示しています。
4. [File]/[Close Workspace]
([Ctrl]+[W]/[Command]+[W])を使って Lesson06a.cws
ファイルを閉じます。
5. [File]/[Open Workspace]
([Ctrl]+[Shift]+[O]/[Command]+[Shift]+[O])を
使って、レッスン 5 の練習 2 で完成させた ワークスペースを開きます。ワークスペースを
223
6 キーイング
保存しなかった場合は、Lesson06 フォルダの Lesson06_start.cws ファイルを開きます。詳細
は、22 ページの「ワークスペースを開く」を参照してください。
このワークスペースに含まれるレイヤには、Truck[##].png フッテージが定義されています。
このフッテージは既にスタビライズされています。
背面クリップのフッテージをインポートする
Truck レイヤはコンポジットの前面クリップになります。背面クリップとして、高速道路の画
像をインポートします。
1. コンポジットの背景用のフッテージをインポートします。
a) [File]/[Import Footage]
([Ctrl]+[I]/[Command]+[I])を使って Lesson06 フォル
ダを開きます。
b) [Thumbnails]をクリックして、フォルダ内のフッテージを表示します。
c) Expressway.png 画像をインポートします。
この画像をコンポジットの背景として使用します。コンポジットにインポートしたフッ
テージは、[Workspace]パネルのスタックの一番上に追加されます。
2. 1 ビューポートのレイアウトを選択します。
224
キーイング ❚❘❘
[Discreet Keyer]オペレータを追加する
コンポジットのレイヤを配置を調整した後、[Discreet Keyer]オペレータを Truck レイヤに追
加してマットを生成します。
1. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
2. [Workspace]パネル(F3)で、Expressway レイヤを Truck レイヤの下にドラッグします。
ビューポートに、緑の画面の前に停止するトラックのクリップが再表示されます。
3. Truck レイヤを選択します。
4. [Operators]パネル(
[F5])を表示させます。
5. [Keying]カテゴリーを選択し、
[Ctrl]/[Command]を押しながら[Discreet Keyer]をク
リックします。
Keyer でマットを生成する場合、デフォルトで、クリップ内で最も多く使われている色
(この場合は緑色)に透明が指定されます。ビューポートで、緑の画面の部分が透明にな
り、背面クリップの高速道路が見えるようになります。ただし、この練習ではマットをゼ
ロから作ります。
225
6 キーイング
参考 : [Discreet Keyer]オペレータの代わりに[Color Suppression]オペレータを Truck レイ
ヤに適用することで、[Discreet Keyer]の場合と同じカラー・コントロールにアクセスできま
す。[Color Suppression]オペレータの詳細は、combustion ユーザーズガイドの「Discreet
Keyer」を参照してください。
ヒント : また、Timeline を使ってレイヤにオペレータを追加することもできます。Timeline で目
的のレイヤを選択し、[Operators]をクリックしてください。
[F8])で、[Reset All]をクリックして Keyer をリセットします。
6. [Keyer Controls]パネル(
ビューポートで緑の画面が完全に不透明になります。
226
キーイング ❚❘❘
[Channel Keyer]モードを使ってマットを生成する
Keyer を使ってマットを生成する場合、選択可能な Keyer モードがいくつか存在します。
•[Keyer Channel]モードでは、キーイン・クリップの赤、緑、青の各チャンネルの特定のプ
リセット範囲が抽出されます(透明になります)。また、カスタム色を選択することもでき
ます。詳細は、「キーイン・クリップについて」ヒント囲み記事を参照してください。
• Keyer カラー・モード([RGB]、[YUV]、[HLS]、および[RGBCMYL])によって、抽出
対象のカラー範囲がカスタマイズされます。
•[Keyer Luma]モードを選択すると、ルーマ・チャンネルに基づいてキーイン・クリップの
範囲が抽出されます。
各モードの長所については、練習を通じて学んでいきます。あるモードを使用してうまくマッ
トを生成できない場合は、別のモードを試してみてください。
参考 : また、各カラー・スペースごとに異なるキーを設定し、相互に比較することも可能です。複数
の種類のキーを同時に比較できるため、最適な方法を選択することができます。また、複雑な
ショットのキーイングをすばやく簡単に行うことができます。
キーイン・クリップについて
Keyer によってキーイン・クリップから生成されるマットは、コンポジット内の前面クリップの
透明部分を定義します。デフォルトでは、[Discreet Keyer]オペレータを含むレイヤのフッテー
ジが、前面クリップおよびキーイン・クリップとして使用されます。
前面クリップとキーイン・クリップは、同一のクリップである必要はありません。たとえば、
キーがうまくいく青い画面のクリップがあって、その一部を青のブラシ・ストロークでロトス
コープするためにとっておきたいものとします。ロトスコープしたクリップをキーイン・ク
リップとして使うと、ブラシストロークがキーアウトされてしまいます。その代わりに、ロトス
コープしたクリップを前面クリップとして使用し、ロトスコープしていない元の青い画面のク
リップをキーイン・クリップとして使用します。こうすれば、青いブラシ・ストロークに影響を
与えずに、よいマットをロトスコープした前面クリップに適用することができるようになりま
す。
別の前面クリップを設定するには、[Keyer Controls]パネルの[Setup]をクリックして Setup コ
ントロールにアクセスし、[Key-In Source]ボタンをクリックして[Operator Picker]を開き、
キーイン・クリップとして使うソースを選択します。
参考 : フィルム素材では、グレインが除去されたキーインを使うことができます。
227
6 キーイング
1. 緑のチャンネルを使ってマットを生成するように、Keyer を設定します。
a) [Keyer Controls]パネル(
[F8])で、[Key]をクリックして Keyer Mode コントロール
を表示させます。
b) [Keyer Mode]リストから[Channel]を選択します。
c) [Color]リストから[Green]を選択します。
[Green]チャンネルのプリセット範囲に基づいて、画像から緑の大部分が除去されます。
これで、コンポジットのおよその外観はわかります。ただし、背景画像には緑色がかすか
に残っており、またトラックとガードレールのエッジには緑のスピルがたくさん存在して
います。
228
キーイング ❚❘❘
ヒント : より広範囲の緑を除去するには、[Keyer Controls]パネルの[More]を有効にします。
ただしこの場合、プリセット範囲を広げると除去される色が多くなり過ぎる結果、背景画像が
黄色いトラックの一部から透けて見えるようになってしまいます。
マットを表示する
結果のコンポジットは単一のビューポートに表示されています。Keyer を使用する場合、
ビューポートのレイアウトを選択することをお勧めします。結果のコンポジットとマット
[Discreet Keyer]オペレータをそれぞれ別のビューポート内に表示することができます。不要
なソフトネス(白か黒しか使えないマット上にある灰色部分)を見つける作業は、マットを
見ながらの方が簡単にできます。
1. 2 ビューポートのレイアウトを選択します。
2. 両方のビューポートでフレーム全体を表示します。
a) [Window]/[Fit in Window]を選択します。
b) ビューポートで右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Fit in Window]を選択します。
どちらのビューポートにも、コンポジットの結果が表示されます。
3. 右側のビューポートの表示を変更します。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で、[Discreet Keyer]オペレータを選択します。
b) [Send Up]ボタンをクリックして[Discreet Keyer]オペレータの出力を表示します。
[Send Up]をクリックすると、[Discreet Keyer]オペレータが右側のビューポートの現在の
オペレータとして設定されます。その結果、空の背景の手前に、マットで定義されたキー
イング済みの前面クリップが表示されます。
229
6 キーイング
ヒント : ビューポートの表示を変更する別の方法としては、目的のビューポートを右クリック /
[Ctrl]+ クリックして[Select Operator]を選択し、[Select Operator to View]ダイアログから
表示するオペレータを選択する方法もあります。
左側のビューポートには、コンポジット・オペレータの出力が表示されます。コンポジッ
トでは、[Workspace]パネルでキーイングしたレイヤよりも下のレイヤはすべて、背景と
して表示されます。
4. 右側のビューポートを右クリック /[Ctrl]+ クリックして[View Mode]/[Alpha]を選択
することで、Keyer によって生成されたマットを表示させます。
[View Mode]/[Alpha]の選択は、ビューポートの表示のみに影響します。これは、
[Discreet Keyer]オペレータの出力に影響を与える Keyer コントロールの[Matte Output]
オプションをクリックする場合とは異なります。詳細は、「Keyer の Output オプション」ヒ
ント囲み記事を参照してください。
マットを改善する
キーのカラー範囲を指定し終わったら、黒と白以外の色が使えないマット部分から、マット・
ヒストグラムを使って灰色の領域を削除します。
230
キーイング ❚❘❘
1. [Mask Controls]パネル(
[F8])で、[Matte]をクリックして Matte コントロールとヒスト
グラムを表示させます。
ヒストグラムは、マット上の輝度値の分布を示します。横軸方向には、0(黒)から 255
(白)までの輝度値が左から右にプロットされます。縦軸方向には、各値のピクセル数がプ
ロットされます。
Keyer の Output オプション
Discreet Keyer コントロールで Output オプションのいずれかをクリックして、Discreet Keyer の出
力を決定します。ほとんどの場合、モニタリングだけの目的で、特定の Output オプションをク
リックします。たとえば、キーイング前の前面クリップを表示するには[Front]をクリックし
ます。Output オプションは表示に影響するだけでなくマットの実際の出力を設定するため、抜き
出したキーが適切であることを確認してから[Result]をクリックしてください。
ボタン:
結果:
前面クリップを表示します。キーの抜き出し時に、マットを前面クリップに適
用します。
キーイン・クリップを表示します。キーの抜き出し時に、マットの透明部分お
よびソフトネスを定義する色を、キーイン・クリップに基づいてサンプリング
します。
背面クリップを表示します。背面クリップは、コンポジットの背景です。
マット・クリップを表示します。マット・クリップは、キーの透明部分を定義
するグレイスケール・クリップです。
結果のクリップを表示します。満足のいくキーが抜き出せたら、
[Result]をク
リックして、キーイング済みの前面クリップをレイヤ出力として出力します。
Comp クリップを表示します。無地色の背景上にキーイング済みの前面クリッ
プを表示する場合に、このオプションを使用します。カラー・ボックスを使っ
て Comp の色を設定します。これは、マットのエッジにあるカラー・スピルを
検出するための優れた方法です。
231
6 キーイング
ヒストグラム内の最初のピークは、マットの黒い領域内にある灰色のピクセルを表してい
ます。2 番目のピークは、マットの白い領域内にある灰色のピクセルを表しています。
2. マットを検証します。
フレーム最上部の暗い灰色部分を表現しているのが、ヒストグラムの最初のピークです。
フレーム最下部の明るい灰色部分を表現しているのが、ヒストグラムの 2 番目のピークで
す。
232
キーイング ❚❘❘
3. マットの輝度入力を調整して灰色の大部分を削除します。
a) 最初のピークの右側に黒いスライダをドラッグします。
スライダよりも輝度が低い(スライダの左側にある)ピクセルは、すべて黒色(完全な透
明)として再定義されます。スライダがある位置の輝度値が、ヒストグラムの左側の
フィールド内に表示されます。
輝度値
b) 2 番目のピークの左側に白いスライダをドラッグします。
スライダより輝度が高い(スライダの右側にある)ピクセルは、すべて白色(完全な不透
明)として再定義されます。スライダがある位置の輝度値(この例では 246)が、ヒストグ
ラムの右側にあるフィールドに表示されます。
マットがシャープになり、ガードレールのエッジに少量のソフトネスが残されるだけにな
ります。ただし、左側のビューポートに表示される結果のコンポジットのエッジ(特に
ガードレールの周辺)に、緑色のカラー・スピルが存在しています。
ヒント : コンポジットのエッジに多少のソフトネスを残したい場合は、両方のピークを完全には
削除しないでください。画像のように、ピーク範囲の少し内側にスライダを配置します。常に、
ビューポートで調整結果を確認するようにしてください。
カラー・スピルを抑える
ヒストグラムを使ってマットをクリーンにしましたが、まだ多少の緑色のカラー・スピルが
残されています。Color コントロールを使ってカラー・スピルを除去します。
1. 右側のビューポートを右クリック /[Ctrl]+ クリックして[View Mode]/[Normal]を選
択し、[Discreet Keyer]オペレータの結果を表示します。
右側のビューポートには、空の背景の上にキーイング済みの前面クリップが表示されます。
左側のビューポートに表示される結果のコンポジットで見るよりも黒の上で見た方が、緑
のスピルの量を確認しやすくなります。
233
6 キーイング
2. Toolbar(
[F2])の[Magnify]ツールをクリックし、右側のビューポート内のカードレー
ル周辺のカラー・スピルをクリックしてズーム・インします。
緑のカラー・スピルは、ガードレールのエッジにある細い緑の線です。
3. [Keyer Controls]パネル(
[F8])で、[Color]をクリックして Color コントロールを表示し
ます。
Color コントロールを使うと、カラー・サプレッションを実行したり、ヒュー・シフトを適
用したり、個々の画像チャンネルを調整したりすることができます。ヒストグラムのカ
ラー・スペクトルは、キーイン・クリップ内の色の分布を示します。ここでは、スペクト
ルの黄色い部分(トラック)と緑の部分(緑の画面の背景)に、それぞれピークがありま
す。
通常、[Keyer Mode]の[Key]カラー・ピッカーを使ってビューポートの色を抑制する場
合、デフォルトのキー・カラーが選択されます。この場合、緑が選択されます。
4. ガードレールのエッジにあるキー・カラーのスピルを除去します。
a) [Color Suppression Target]ボックスの横にあるカラー・ピッカーをクリックします。
234
キーイング ❚❘❘
b) 右側のビューポートで、ガードレールのエッジにある緑色のピクセルをクリックしま
す。
[Color Suppression Target]ボックスに、選択した色が表示されます。
5. 同じ色をプロットして、カラー・スペクトルに沿って赤い線を表示します。
a) [Plot]ボックスの横のカラー・ピッカーをクリックします。
b) ガードレールのエッジで、前の手順と同じ領域の緑のピクセルをクリックして、両者の
色が同じになるようにします。
ヒント : [Plot]カラー・ボックスと[Color Suppression Target]カラー・ボックスの色を一致
させるには、[Color Suppression Target]カラー・ボックスをクリックして赤、緑、青の各値を
メモした後で、[Plot]カラー・ボックスにそれと同じ赤、緑、青の値を入力します。
[Plot]ボックスに選択した色が表示され、色の値を示すカラースペクトルの緑の領域の近
くに、赤い線が表示されます。この赤い線は、サプレッション曲線上で調整が必要な部分
を示しています。
キーのエッジでは、緑はより茶色がかります。その結果、許容範囲に含まれなくなります
(透明にされません)
。
235
6 キーイング
6. カラー・スピルを抑えてコンポジットを改善します。
a) 赤い線で示されたカラー・サプレッション曲線上のポイントにカーソルを置きます。
カーソルの形がクロスヘア(
ポイントを追加します。
)に変わったら、曲線をクリックしてコントロール・
曲線に新しく追加したコントロール・ポイントの色は黄色(選択状態を表す)で、接線ハ
ンドルが表示されます。
b) 追加したコントロール・ポイントを下方にドラッグして、カラー・サプレッション曲線
の下にある灰色の水平線と交差させます。
コントロール・ポイントをドラッグすると、「60.00, 25.00」のように、その座標がカーソル
の横に表示され、値が動的に更新されます。最初の座標はカラー値を、2 番目の座標はカ
ラー・サプレッションの度合いを、それぞれ示しています。優れたカラー・サプレッショ
ン値は「25」で、灰色の水平線で示されます。
c) 両方のビューポートを検証します。
カラー・スピルはかなり減少しましたが、完全になくなったわけではありません。サプ
レッション用に選択した色は、緑の範囲からのサンプル 1 個となっているため、プロット
した線の周囲で、曲線の範囲を抑える必要があります。ただし、トラックの黄色は相対的
に抑える色に近いため、カラー・サプレッションがトラックに影響を与えないように注意
を払う必要があります。
236
キーイング ❚❘❘
7. カラー・サプレッション曲線を調整して、選択した色を中心とする範囲を抑えます。
a) カラー・サプレッション曲線上の、最初に追加したコントロール・ポイントの右側に、
コントロール・ポイントをもう 1 つ追加します。
b) 最初に追加したコントロール・ポイントを、赤い線の少し左側にドラッグします。
参考 : カラー・サプレッション曲線をドラッグしすぎて、黄色のスペクトルに入らないようにし
てください。
c) 2 番目に追加したコントロール・ポイントを、少し右側にドラッグします。
d) 2 つのコントロール・ポイントの接線ハンドルを調整して、曲線を滑らかにします。カ
ラー・サプレッション曲線の外観は、最終的に次のようになります。
4 つのコントロール・ポイントによってサプレッション範囲が定義されます。カラー・サプ
レッションの精度が向上します。
237
6 キーイング
8. [Window]/[Fit in Window]を選択します。
黄色いトラックに影響を与えずに、緑のスピルが完全に抑えられます。ただし、ガード
レールのエッジはまだ粗く、改善が必要です。
マットのエッジをソフト化する
エッジ改善用ツールと Matte コントロールのヒストグラムを使ってマットのエッジを和らげ、
説得力のあるコンポジットにします。[Shrink]、[Erode]、および[Blur]はいずれも、マッ
トのエッジを和らげるフィルタです。これらのフィルタを単独でまたは組み合わせて使うこと
で、マットを改善します。このレッスンでは、[Shrink]および[Erode]エッジ・ツールを使
用します。
1. [Keyer Controls]パネル(
[F8])で、[Matte]をクリックして Matte コントロールを表示し
ます。
2. [Shrink]を有効にし、関連する[Width]を「0.5」に設定します。
3. [Shrink]のオン / オフを切り替えて、キーのエッジがどのように変化するかを確認します。
Shrink を使うと、マットのエッジからピクセルが除去されます。コンポジットに残したい
髪の毛のような細かいディテールを持つマットのエッジには、[Shrink]を使用しないでく
ださい。
4. [Erode]を有効にし、関連する[Width]を「0.8」に設定します。
238
キーイング ❚❘❘
5. [Erode]のオン / オフを切り替えて、キーのエッジがどのように変化するかを確認します。
[Erode]を使うと、エッジにソフトニング・フィルタが適用されます。このツールを使う
と、マットをすばやく効果的に和らげることができます。
6. 左側のビューポートをクリックしてアクティブにします。
7. クリップを再生して結果を表示します(
[Spacebar])。
8. [Ctrl]+[S]/[Command]+[S]を押してワークスペースを保存します。
付属のワークスペースを使用している場合は、[File]/[Save As]を選択して、自分用に
別名でワークスペースを保存します。
[YUV]モードを使ってマットを生成する
[Channel Keyer]モードを使ってクリップから正確なキーを抜き出しました。ただし、この
モードがすべてのクリップでうまくいくわけではありません。Keyer の基本的なワークフロー
を理解したところで、別のモードを使って同じキーを抜き出してみましょう。
1. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
2. 右側のビューポートをクリックしてアクティブにします。
3. [Keyer Controls]パネル(
[F8])で、[Reset All]をクリックして Keyer をデフォルト設定
にリセットします。
参考 : [Reset All]を選択した場合、Keyer 全体がリセットされます。
[Reset]を選択した場
合、現在表示されているコントロールだけがリセットされます。
4. [YUV]モードを使ってマットを生成するように、Keyer を設定します。
a) [Key]をクリックして Key コントロールを表示します。
239
6 キーイング
b) [Keyer Mode]リストから[YUV]を選択します。
[YUV]、[RGB]、[RGBCMYL]、[HLS]などのカラー・モードを使ってキーイングする場
合、キー・アウトする色は前面クリップから選択する必要があります。この手順は、「キー
の許容度の設定」と呼ばれます。
5. 背景の緑の画面から平均色を選択することにより、キーの許容度を設定します。
a) [Key Color]ボックスの横にあるカラー・ピッカーをクリックします。
b) 右側のビューポートで、背景の緑の画面上でカーソル(
)をドラッグします。
Keyer によって、サンプリングされた色から平均色が計算されます。緑の画面の大部分が
キー・アウトされます。
Key コントロール上の Y、B-Y、R-Y の各チャンネルには、いくつかの線が表示されてい
ます。青い線は許容度を表し、その両側にある黄色い線は許容度に適用されるソフトネス
の範囲を表します。デフォルトのソフトネス範囲は、許容度のどちらの側でも 50 で、マッ
トのエッジに灰色を生成します。
許容度
ソフトネス
240
キーイング ❚❘❘
6. 許容度を増加して、マットを改善します。
a) [Set Tolerance]カラー・ピッカーをクリックします。
b) 右側のビューポートで、
[Ctrl]/[Command]を押しながら、残りの緑の範囲上で選択
範囲ボックスをドラッグします。
c) マットのエッジにカラー・スピルだけが残るまで、手順 b を繰り返します。
2 本の青い線の間のスペースで示されるように、選択範囲でサンプリングしたピクセルに
一致するすべてのピクセルが含まれると、許容範囲が広がります。
許容度
参考 : 許容度のサンプリング位置によっては、キーの値がここで示した値と一致しない場合があ
ります。
7. より多くのカラー・スピルを削除できるように許容度を上げるために、より精密に範囲を
選びます。
a) ガードレールの周囲の個々の緑のピクセルが見えるようになるまで、右側のビューポー
トの画像をズーム・インします。
b) 必要に応じて、
[Set Tolerance]カラー・ピッカーを再度クリックします。
c) ガードレールのエッジにある小さな緑の選択範囲上でカーソルをドラッグします。
コンポジットに残る唯一の緑は、ガードレールの周囲の細い緑の線だけになる必要があり
ます。許容度を上げすぎて、サンプリングによって黄色いトラックが影響を受けるように
なったら、許容度の調整を取り消してやり直す必要があります。
ヒント : また、[Subtract Tolerance]カラー・ピッカーをクリックした後でガードレールのエッ
ジ上でドラッグすると、マットのエッジを復元できます。
[Result]と[Matte]を切り替えて、
241
6 キーイング
許容範囲が高くなりすぎていないことを確認します(マットの白い部分の内側に灰色の領域が
できないようにしてください)
。
許容範囲は優れたキーを作り出しますが、より説得力のあるものとするには、カラー・サ
プレッションを使ったり、マットのエッジを和らげたりする必要があります。
8. カラー・スピルを抑制する方法や、エッジ・ツールを使ってマットのエッジをソフト化す
る方法については、このレッスンの前の方の手順を参照してください。
a) カラースピルの抑制方法については、233 ページの「カラー・スピルを抑える」を参照
してください。
b) エッジ・ツールを使ってエッジを和らげる方法については、238 ページの「マットの
エッジをソフト化する」を参照してください。
ブラー効果を追加する
Keyer を使って生成したマットはよいコンポジットを作成しますが、前景の焦点が背景の焦点
よりも和らいでいます。2 個のレイヤをより完全に一致させるために、Expressway レイヤに
ボックス・ブラーを追加します。
1. 左側のビューポートをクリックしてアクティブにします。
2. クリップを再生して結果を表示します(
[Spacebar])。
キーは問題ありませんが、背景が前景よりもシャープになっています。
3. 1 ビューポートのレイアウトを選択します。
4. [Home]をクリックして、ズーム係数 100% でコンポジットを表示します。
5. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
6. [Workspace]パネル(
[F3])で、Expressway レイヤを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Operators]/[Blur/Sharpen]/[Box Blur]を選択します。
Expressway レイヤに[Box Blur]オペレータが追加されます。
7. [Box Blur Controls]パネル(
[F8])で、[Radius]を「1.85」に設定します。
ヒント : [Radius]フィールドをドラッグすると、0.1 ずつ値が変化します。0.01 ずつ値を変化
させるには、[Ctrl]/[Command]を押しながらフィールドをドラッグします。
242
キーイング ❚❘❘
背景の焦点が前景の焦点と一致しました。
8. クリップを再生して結果を表示します(
[Spacebar])。
9. ワークスペースを保存し、閉じます。
a) ワークスペースを保存します(
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
b) (オプション)QuickTime ムービーとしてクリップをレンダリングします。詳細は、46
ページの「結果のコンポジットをレンダリングする」を参照してください。
c) ワークスペースを閉じます(
[Ctrl]+[W]/[Command]+[W])。
243
6 キーイング
覚えておくべきこと
• キーを抜き出すには、いくつかの Keyer モードの中から 1 つを選択します。各モードは、特
定のプロパティを持つキーイン・クリップに適した独自の長所を持っています。
• 各カラー・スペースごとに異なるキーを設定し、相互に比較することができます。
• レイヤにオペレータを追加するには、[Workspace]パネルで目的のレイヤを選択し、コンテ
キスト・メニューから[Operators]を選択するか、[Operators]パネルでオペレータの種類
を選択し、追加するオペレータをクリックします。
•[Discreet Keyer]オペレータの場合と同じカラー・サプレッション・コントロールにアクセ
スするには、[Discreet Keyer]の代わりに[Color Suppression]オペレータを追加します。
• Output オプションを使用すると、コンポジットの前面、キーイン、マットの各要素を監視し
たり、他の場所で使用するためにマットを出力したりすることができます。
• キーイン・クリップからマットを生成し、そのマットを前面クリップに適用します。キーイ
ン・クリップと前面クリックは通常は同じにしますが、必ずしもそうする必要はありませ
ん。キーイン・クリップのソースを変更するには、Setup コントロールの[Key-In Source]
ボタンをクリックして[Operator Picker]を開き、別のソースを選択します。
• 最初のマットを生成したら、Matte コントロールのヒストグラムでマットに対する最大およ
び最小の入力値を調整することで、すばやく簡単にクリーンアップすることができます。
• Color コントロールのカラー・サプレッション曲線を使うと、カラー・スピルを除去できま
す。
• Matte コントロールのエッジ・ツールを使うと、マットのエッジにソフトニング・フィルタ
を適用できます。
244
マスクの使用
Lesson 7
強力なベクトルベースのマスクとエッジ・
グラデーション機能を使って、クリップ内
の特定領域を隠します。次に、シーンに不
気味な雰囲気を与えるために、サーフェス
のプロパティを変更し、特殊効果を適用し
ます。
245
7 マスクの使用
概要
マスクを単独でまたは[Paint]オペレータの一部として使うことによって、画像の一部を隠
したり、ロトスコープしたりできます。ベクトルベースのマスク機能が強化され、高度なぼか
し効果やアニメーション・コントロールを使ってマスクを作成できるようになりました。この
マスク機能は、inferno、flame、flint などの他の Discreet 製品と互換性があるため、クリエイ
ティブな並行ワークフローが可能になります。
マスクを使えば、マスクの外側の領域を隠して内側の領域を表示したり、その逆に内側を隠し
て外側を表示したりすることができます。このレッスンでは、2 つの画像シーケンスをイン
ポートし、マスクを使ってクリップ内の異なる領域を表示します。次に、特定レイヤのサー
フェスのプロパティを変更し、グロー効果を追加することで、シーンに不気味な雰囲気を与え
ます。
このレッスンの所要時間:60 分
練習:シーンの一部をマスクで隠す
このシーンには、森の背景およびキャラクタ(幽霊)という 2 つの画像シーケンスが含まれま
す。マスクを使って、キャラクタが前景の木の陰から現れるようにし、キャラクタが不気味に
見えるようにします。
この練習では、以下について学びます。
• 背景レイヤのコピーを作成します。
• コピーしたレイヤをマスクして、一部の木をシーンの前景に表示します。
• マスクをアニメートして、クリップのカメラの動きに一致させます。
• アニメートされたエッジ・スプラインを使って幽霊のレイヤをマスクし、幽霊の不透明度を
アニメートします。
• 幽霊のレイヤを調整して、不気味な雰囲気を与えます。
助けが必要ですか?
この練習を行う上で助けが必要であれば、ワークスペースを保存して閉じてから、
Lesson07.cws ファイルを参考用に開いてください。
ワークスペースを設定する
まず、この練習の結果をプレビューします。次にブランチを作成して、コンポジットの構築を
始めます。
1. combustion の基本設定を確認します。詳細は、9 ページの「基本設定を設定する」を参照
してください。
246
マスクの使用 ❚❘❘
2. [File]/[Open Workspace]をクリックするか[Ctrl]+[Shift]+[O]
(Windows)または
[Command]+[Shift]+[O](Macintosh)を押して、Lesson07 フォルダの Lesson07.cws
ファイルを開きます。詳細は、22 ページの「ワークスペースを開く」を参照してください。
3. この練習の結果をプレビューするために、クリップをビューポートで再生します。詳細は、
30 ページの「ビューポートでコンポジットを再生する」を参照してください。
参考 : RAM の容量不足のためにクリップ全体をリアルタイムで再生できない場合は、
combustion を最小化し、Media Player(Windows)または QuickTime (Macintosh)を使って
Lesson07.avi を再生してください。詳細は、19 ページの「ムービーを再生する」を参照してく
ださい。
このクリップは、サーベルを持った幽霊が木の陰から現れるシーンをフィーチャしていま
す。
4. [File]/[Close Workspace]
([Ctrl]+[W]/[Command]+[W])を使って、Lesson07.cws
ファイルを閉じます。
5. [File]/[New]
([Ctrl]+[N]/[Command]+[N])を使って[New]ダイアログを開
き、以下のプロパティを持つブランチを作成します。
•[Type]:Composite
•[Name]:Masking
•[Format]:NTSC DV
•[Duration]:60 フレーム
•[Bit Depth]:8 ビット
•[Mode]:2D
6. 2 ビューポートのレイアウトを選択します。
247
7 マスクの使用
7. 2 つの画像シーケンスをインポートします。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で、[Masking]コンポジットを右クリック /[Ctrl]+ ク
リックして[Import Footage]を選択します。または、[Ctrl]+[I]/[Command]+[I]
を押します。
b) [Import Footage]ダイアログで Lesson07 フォルダを検索し、それを開きます。
c) [Thumbnails]をクリックし、
[Collapse]を有効にします。
d) Woods フォルダを開き、woods[####].jpg 画像シーケンスをクリックします。
e) Parent フォルダをダブルクリックしてから Death フォルダをダブルクリックし、
death[####].png 画像シーケンスをクリックします。
f) [OK]をクリックするか、
[Enter]を押します。
ビューポートに、ケープに身を包んだキャラクタと背景が合成されて表示されます。
8. ビューポートの表示オプションを設定します。
a) [Window]/[Fit in Window]を選択します。
左側のビューポートに、フレーム全体が表示されます。
b) 右側のビューポートをクリックし、ズーム・アウトしてフレームの境界を表示します。
どちらのビューポートにも、フレーム全体が表示されます。
9. レイヤの名前を変更します。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で、Death0000 レイヤを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Rename]を選択します。
b) 「Death」と入力し、
[Enter]を押します。
c) Woods0000 レイヤを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Rename]を選択します。
248
マスクの使用 ❚❘❘
d) 「Woods」と入力し、
[Enter]を押します。
背景の一部をマスクする
Woods レイヤのコピーを作成し、左側の木々がキャラクタの手前と後方に表示されるように、
そのコピーの一部をマスクしてフッテージ領域の一部を隠します。
1. [Workspace]パネル(
[F3])で、Woods レイヤを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Duplicate]を選択します。
参考 : また、Woods レイヤを選択し、[Ctrl]+[C]/[Command]+[C]を押してコピーし、
そのコピー・レイヤを[Ctrl]+[V]/[Command]+[V]を押して[Workspace]パネルに貼
り付けても、同様の結果が得られます。
複製したレイヤは[Workspace]パネルの Death レイヤの上に追加されるため、ビューポー
トのキャラクタは見えなくなります。複製したレイヤ Woods(2)は、元のレイヤ(Woods
(1))と同じ位置に配置されます。
2. [Workspace]パネルで、Woods(2)レイヤの名前を「Trees」に変更します。
元のレイヤから数値タグが削除されます。
3. マスク・オペレータを Trees レイヤに適用して、背景の森の一部を隠します。
a) [Operators]パネル(
[F5])で、[Mask]カテゴリを選択してマスク・オペレータにア
クセスします。
b) [Draw Mask]をクリックします。
249
7 マスクの使用
4. [Workspace]パネル(
[F3])で、[Draw Mask]オペレータをダブルクリックします。
[Workspace]パネルの[Draw Mask]オペレータの横にビューポート・アイコンが表示され
ており、アクティブなビューポート(右側のビューポート)であることを示しています。2
ビューポートのレイアウトを使えば、一方のビューポートでマスクを描画し、もう一方の
ビューポートで結果のコンポジットを確認できます。
5. 右側のビューポートでマスクを描画します。フレームの左上端から描画を開始し、木の右
側の輪郭に沿ってマスクを拡張していきます。このとき、フレームの上端、左端、下端の
各境界線のすべてをマスクに含めてください。
左側のビューポートには、木の陰から現れるキャラクタが表示されます。
250
マスクの使用 ❚❘❘
6. [Window]/[Outlines Only]を選択するか、右側のビューポートを右クリック /[Ctrl]+
クリックして[Outlines Only]を選択します。
右側のビューポートで、背景が現れるとともに、マスクのワイヤフレームが表示されます。
7. マスク・オプションを設定します。
a) [Mask Controls]パネル(
[F8])で、[Modes]をクリックします。
b) [Feather]を「2」に設定してマスクのエッジを和らげます。
参考 : [Global Apply Mode]の場合、マスクが反転しないように[Invert]は自動的に無効にな
ります。[Invert]が無効になると、マスクの外側の領域が削除され、内側の領域が残ります。こ
の練習では、マスクの内側の領域を削除します。
8. 左側のビューポートをクリックします。
9. クリップを再生します(
[Spacebar])。
カメラが動いているために、マスクとフッテージの間にシフトが若干発生しています。マ
スクのアニメーションを調整する必要があります。
251
7 マスクの使用
マスクをアニメートする
ポリゴン・マスクのコントロール・ポイントをアニメートし、マスクがクリップ全体を通じて
木の輪郭線に一致させます。
1. 右側のビューポートをクリックしてアクティブにします。
2. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
3. [Animate]を有効にして(
[A]を押して)、自動キーフレームを有効にします。
4. Toolbar(
[F2])の[Control Points]オプションをクリックして、ポリゴン・マスク・オブ
ジェクトのコントロール・ポイントにアクセスします。
5. 木の輪郭線上のコントロール・ポイントをズーム・イン(
[Ctrl]+[=]/[Command]+
[=])します。
6. 右側のビューポートで、コントロール・ポイントをドラッグしてマスクを木の輪郭線に一
致させます。
7. 最後のフレームに移動(
[End])し、マスクを木の輪郭線に一致させます。
8. 結果を検証します。
a) 左側のビューポートをクリックします。
b) クリップを再生します(
[Spacebar])。
マスクが、クリップ全体を通じて木の輪郭線と一致しています。
参考 : 適切な結果が得られない場合は、マスクの調整が必要なフレームに移動し、マスクを調整
します。
9. ワークスペースを保存します。
a) [Ctrl]+[S]/[Command]+[S]を押して、
[Save Workspace]ダイアログを開きま
す。
b) 現在のワークスペースのファイル名とディレクトリを指定し、
[OK]をクリックするか
[Enter]を押します。
252
マスクの使用 ❚❘❘
キャラクタをアニメートする
キャラクタをアニメートしてキャラクタが木の陰から現れるようにしたら、マスク・オペ
レータを追加してキャラクタのエッジをフェードします。
1. 右側のビューポートをクリックします。
2. [Workspace]パネル(
[F3])で、Death レイヤを選択します。
3. アニメーション全体を通じて、Death レイヤの位置を設定します。
a) [Composite Controls]パネル(
[F8])の[Transform]をクリックして、Transform コント
ロールを表示します。
b) 最初のフレームに移動します(
[Home])。
c) [X Position]を「-30」に設定します。
d) [Y Position]を「120」に設定します。
e) 最後のフレームに移動します(
[End])。
f) [X Position]を「80」に設定します。
g) [Y Position]を「140」に設定します。
4. レイヤのエッジのフェードに使用するマスク・オペレータを、Death レイヤに追加します。
a) 最初のフレームに移動します(
[Home])。
b) [Operators]パネル(
[F5])の[Mask]をクリックして、マスク・オペレータにアクセ
スします。
c) [Draw Mask]をクリックします。
5. 右側のビューポートに[Draw Mask]オペレータの出力を表示します。
a) [Workspace]パネル(
[F3])の Death レイヤで、[Draw Mask]オペレータをクリックし
ます。
253
7 マスクの使用
b) [Send Up]ボタンをクリックします。
6. 右側のビューポートで、6 ∼ 8 個のコントロール・ポイントからなるマスクを、キャラク
タの周囲に描画します。
参考 : 必要に応じて、Toolbar(
[F2])の[Polygon Mask]ツールをクリックします。
Death 画像シーケンスの黒い背景は、結果のコンポジットには表示されません。この画像
シーケンスは、アルファ(不透明)チャンネルを持つ 32 ビット .png ファイルとして保存
され、幽霊の切り抜きを作成します。
7. エッジのグラデーションを追加して、ポリゴン・マスクの外側のソフトネスを定義します。
a) [Mask Controls]パネル(
[F8])の[Edge Gradient]リストから、[Splines]を選択しま
す。
254
マスクの使用 ❚❘❘
[Splines]オプションを選択すると、各コントロール・ポイントにおけるマスクの内側と外
側のオフセットを調整できます。
b) Toolbar(
[F2])の[Edges]ボタンをクリックします。
デフォルトでは、マスクのスプラインは白色で、マスクの内側と外側のエッジは緑色で、
それぞれ表示されます。エッジのグラデーションの詳細は、combustion ユーザーズガイド
を参照してください。
8. 3 つのコントロール・ポイントを追加し、位置を調整します。
a) カーソルの形が
になったら、マスクの底部で 3 つのコントロール・ポイントをク
リックして追加します。
b) それらのコントロール・ポイントをジグザグに配置します。
9. マスクのワイヤフレームだけが表示されるように、
[Window]/[Outlines Only]を選択す
るか、右側のビューポートを右クリック /[Ctrl]+ クリックして[Outlines Only]を選択し
ます。
255
7 マスクの使用
キャラクタのマスクをフェードする
キャラクタが幽霊らしく見えるように、マスクのエッジを不規則なパターンでぼかします。ま
た、Death レイヤのサーフェスのプロパティを変更した後で、レイヤにオペレータを追加して
キャラクタに恐怖感を与えます。
1. マスクのフェード効果をアニメートします。
a) 最初のフレームに移動します(
[Home])。
b) マスクのスプラインのコントロール・ポイントおよび内側と外側のエッジをドラッグし
て、フェード・アウト効果を追加します。
参考 : スプラインは白色で、内側と外側のエッジは緑色で表示されます。
c) 10 フレームまたは 20 フレームごとに、マスクのスプラインのコントロール・ポイント
およびその内側と外側のエッジをドラッグします。
2. 左側のビューポートをクリックします。
3. クリップを再生します(
[Spacebar])。
キャラクタが木の陰から現れるときに、マスクによって幽霊にふさわしい雰囲気が出ます。
4. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
5. 1 ビューポートのレイアウトを選択します。
6. キャラクタの雰囲気をさらに幽霊らしく改善します。
a) [Animate]を無効にするか、
[A]を押します。
256
マスクの使用 ❚❘❘
b) [Workspace]パネル(
[F3])で、Death レイヤを選択します。
c) [Composite Controls]パネル(
[F8])で、[Layer]をクリックします。
d) [Transfer Mode]リストから[Gray(HSV)
]を選択します。
e) [Opacity]を「80%」に設定します。
257
7 マスクの使用
7. キャラクタにグロー効果を追加します。
a) [Operators]パネル(
[F5])で、[Stylize]カテゴリを選択して[Stylize]オペレータに
アクセスします。
b) [Glow]をクリックします。
c) [Workspace]パネル(
[F3])で、[Glow]オペレータを選択します。
d) [Glow Controls]パネル(
[F8])で、[Radius]を「12」に設定します。
258
マスクの使用 ❚❘❘
e) [Strength]を「2」に設定します。
8. クリップを再生します(
[Spacebar])。
幽霊らしくなったキャラクタが、サーベルを持って木の陰から現れます。
9. ワークスペースを保存し、閉じます。
a) ワークスペースを保存します(
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
b) (オプション)QuickTime ムービーとしてクリップをレンダリングします。詳細は、46
ページの「結果のコンポジットをレンダリングする」を参照してください。
c) ワークスペースを閉じます(
[Ctrl]+[W]/[Command]+[W])。
259
7 マスクの使用
覚えておくべきこと
• コンポジットの作成時には、3D モードではなく 2D モードを選択すると、レンダリング時
間を短縮できます。
•[Operators]パネルを使ってマスク・オペレータをコンポジットに追加した場合は、
[Workspace]パネルでマスク・オペレータをダブルクリックすると、そのオペレータが
ビューポートの現在のオペレータになります。[Workspace]パネル、Timeline、最上位メ
ニューのいずれかを使ってマスク・オペレータをコンポジットに追加した場合は、そのオペ
レータがビューポートの現在のオペレータになります。
• 背景のフッテージとマスクのワイヤフレームだけを表示するには、[Window]/[Outlines
Only]を選択するか、ビューポートを右クリック /[Ctrl]+ クリックして[Outlines Only]
を選択します。
•[Global Apply Mode]の場合、[Invert]がデフォルトで無効になります。[Invert]が無効に
なると、マスクの外側の領域が削除され、内側の領域が残ります。
•[Edge Gradient]の[Splines]オプションを選択すると、各コントロール・ポイントにおける
マスクの内側と外側のオフセットを調整できます。
260
カラー補正
Lesson 8
Discreet Color Corrector を使ってフッテー
ジの色を調整します。画像の明るさを調整
したり、色相をシフトしたり、特定のカ
ラー値を抑制したりします。このツールを
使えば、コンポジットの色をマッチングし
たり、キーイングの素材を改善したり、特
殊なカラー効果を作成したりすることがで
きます。
261
8 カラー補正
概要
Color Corrector を使ってクリップおよび画像の色を調整します。ヒューをシフトしたり、色合
いを加えたり、パラメータのワイド・レンジを調整したりすることで、色の問題を解決したり
芸術的な結果を実現したりすることができます。Color Correction コントロール(Color、
Basics、Histogram、Curves、Ranges、Setup)を使えば、それぞれの基本設定に応じてさまざま
な方法で色を調整することができます。Color Corrector では、8 ビットを超える色深度がサポー
トされます。
カラー補正は、科学というよりは芸術です。その結果は、個人の色感に依存します。Color
Corrector を効果的に使用するには、判断と直感が必要になります。つまり、カラー補正を適
切に行うための決まった方法は存在しません。ただし、このレッスンでは、一定の結果を実現
するために、Histogram、Basics、Curves の各コントロールを使って画像内の色を解析および調
整する方法を学びます。カラー補正を行うときは、[Compare]ツールを使って、補正前の画像
を基準画像と比較します。一定の結果を実現するには、画面上の色をできるだけ正確に表現す
る必要があります。詳細は、「作業環境を最適化する」ヒント囲み記事を参照してください。
参考 : このレッスンでは、単一フレーム画像をカラー補正します。ただし、Basics コントロールを
使用すれば、特定クリップ内のガンマとゲインの補正をアニメートできます。[Animate]を有効に
してから([A]を押します)
、値を調整してください。
このレッスンの所要時間:90 分
練習 1:Histogram コントロールを使ってカラー補
正する
Histogram コントロールを使って色の解析を行い、ガンマとゲインを調整して画像のカラー・
トーンを補正します。
この練習では、以下について学びます。
• ヒストグラムを使ってカラー・チャンネルを解析し、色の分布状態を判断します。
• カラー補正時には、[Compare]ツールを使ってソース画像と結果の画像を比較します。
• Basics コントロールでガンマとゲインを調整することで、色の問題を解決します。
作業環境を最適化する
作業環境の条件が、コンピュータ・モニタ上で色をどのように知覚するかに大きな影響を与え
ます。色ができるだけ正確に表示されるように、以下に点に注意してください。
•
•
•
•
262
モニタ上の反射をできるだけ少なくしてください。窓の近くで作業しないでください。
スタジオ内の灯りを弱くし、また一定のものとしてください。
モニタのブライトネスとコントラストを調整してください。
適切なハードウェア・デバイスを使ってモニタを較正してください。
カラー補正 ❚❘❘
助けが必要ですか?
この練習を行う上で助けが必要であれば、ワークスペースを保存して閉じてから、
Lesson08_ex1.cws ファイルを参考用に開いてください。
ワークスペースを設定する
まず、この練習の結果をプレビューします。次に、ブランチを 1 つ作成し、Histogram コント
ロールを使ったカラー補正の方法を学びます。
1. combustion の基本設定を確認します。詳細は、9 ページの「基本設定を設定する」を参照
してください。
2. [File]/[Open Workspace]をクリックするか[Ctrl]+[Shift]+[O]
(Windows)または
[Command]+[Shift]+[O](Macintosh)を押して、Lesson08 フォルダの
Lesson08_ex1.cws ファイルを開きます。詳細は、22 ページの「ワークスペースを開く」を参
照してください。
3. この練習の結果をプレビューします。
女性のクリップ(カラー補正済み)とパターン付きの背景が表示されます。
4. [File]/[Close Workspace]
([Ctrl]+[W]/[Command]+[W])を使って、
Lesson08_ex1.cws ファイルを閉じます。
5. [File]/[New]
([Ctrl]+[N]/[Command]+[N])を使って[New]ダイアログを開
き、以下のプロパティを持つブランチを作成します。
•[Type]:Composite
•[Format]:NTSC D1 / Discreet edit NTSC
•[Duration]:1 フレーム
•[Bit Depth]:8 ビット
•[Mode]:3D
263
8 カラー補正
参考 : このレッスンでは 3D モードを使いますが、2D モードを使ってもかまいません。
6. この練習用のフッテージをインポートします。
a) [File]/[Import Footage]
([Ctrl]+[I]/[Command]+[I])を使って、Lesson08 フォ
ルダを開きます。
b) Face_result.png と Face_front.png を(この順番に)
[Ctrl]+ クリック /[Command]+ ク
リックし、[OK]をクリックするか[Enter]を押します。
7. 2 ビューポートのレイアウトを選択します。
両方のビューポートに Face_front レイヤが表示されます。このレイヤが最後にインポート
され、コンポジットの最上位レイヤになっているためです。
8. 右側のビューポートの表示を変更します。
a) 右側のビューポートをクリックしてアクティブにします。
b) [Workspace]パネル(
[F3])で、Face_result レイヤを広げます。
c) Face_result レイヤの[Footage]オペレータをダブルクリックします。
右側のビューポートに、Face_result レイヤの[Footage]オペレータが表示されます。
9. 両方のビューポートを検証します。
右側のビューポートには、女性の写真とパターン付きの背景が表示されます。
左側のビューポートにも同じ画像が表示されますが、カラー・トーンが明らかに異なりま
す。このレイヤをカラー補正して、より自然な外観を持つ Face_result レイヤに一致させま
す。
264
カラー補正 ❚❘❘
[Discreet Color Corrector]オペレータを追加する
Face_front レイヤでは青色の成分が多すぎます。[Discreet Color Corrector]オペレータを
Face_front レイヤに追加して過剰な青色を除去し、画像がより自然に見えるようにします。
1. 左側のビューポートをクリックしてアクティブにします。
2. 1 ビューポートのレイアウトを選択します。
Face_front レイヤがビューポートに表示されます。
3. [Workspace]パネル(
[F3])で、Face_front レイヤを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Operators]/[Color Correction]/[Discreet Color Corrector]を選択します。
[Discreet Color Corrector]が Face_front レイヤに追加され、[Color Correction Controls]パネ
ルが表示されます。
ヒント : [Operators]パネルから[Discreet Color Corrector]オペレータを追加することもでき
ます。[Workspace]パネルで目的のレイヤを選択し、[Operators]パネル([F5])で[Color
Correction]をクリックし、[Discreet Color Corrector]をクリックしてください。
265
8 カラー補正
Face_Front レイヤを解析する
補正を行う前に、目的の画像を解析することが大切です。カラー補正ピッカーなどのツールや
Ranges コントロールおよび Histogram コントロールのツールを使えば、色を解析することがで
きます。Histogram コントロールを使って Face_front レイヤのチャンネル値を検証します。
ヒストグラムは、画像内でカラー値がどのように分布しているのかを視覚的に示したもので
す。ヒストグラムは、画像全体または特定の RGB チャンネルに対して表示できます。ヒスト
グラムの詳細は、「ヒストグラムを使用する」ヒント囲み記事を参照してください。
1. [Color Correction Controls]パネル(
[F8])の[Histogram]をクリックして、Histogram コ
ントロールを表示します。
2. [RGB]をクリックして、すべてのチャンネルに対するヒストグラムを検証します。
ヒストグラムの左側にピクセルが集中していますが、これはシャドウ部分が強すぎること
を示しています。この問題を解決するには、RGB チャンネル全体のゲインとガンマを上げ
る必要があります。
266
カラー補正 ❚❘❘
ヒストグラムを使用する
画像のカラー補正を行うとピクセルのカラー値が変わります。この処理は、「リマッピング」と
呼ばれることもあります。ソース画像内のピクセルのカラー値は入力値と呼ばれ、結果の画像
内のピクセルのカラー値は出力値と呼ばれます。
ヒストグラムは、選択したチャンネルに対するピクセルのカラー分布を示しています。カラー
値は、左端の 0(黒)から右端の 255(白)まで、横軸方向にプロットされます。縦軸方向に
は、各値のピクセル数がプロットされます。
ピクセル数
カラー値
低いコントラストを持つ画像を補正したいものとします。ヒストグラムを表示し、[Source]カ
ラー・ピッカーを使って、画像の色の分布を検証します。画像の標準的な黒い点を見つけるた
めに、最も暗い部分のピクセルを選択します。ヒストグラムで、この値の位置に黄色い線が表
示されます。
最小入力レベル
最大入力レベル
最小出力レベル
最大出力レベル
黄色い線
この黒い点に新しい最小入力値(0)を設定するために、最小入力レベル・コントロールを右方
向にドラッグして黄色い線に一致させます。この黒い点よりも低いカラー値を持つピクセルは
すべて、0(黒)にリマッピングされます。
次に、標準的な白い点を見つけるために、最も明るい部分のピクセルを選択します。ヒストグ
ラムで、この値の位置に黄色い線が表示されます。この白い点に新しい最大入力値を設定する
ために、最大入力レベル・コントロールを左方向にドラッグして黄色い線に一致させます。こ
の白い点よりも高いカラー値を持つピクセルはすべて、255(白)にリマッピングされます。こ
れ以外のピクセルはすべて、新しい最小入力値と最大入力値の間でリマッピングされます。
コントラストが高すぎる画像を調整するには、出力レベルを調整します。
267
8 カラー補正
3. [Red]をクリックして赤チャンネルを検証します。
赤のピクセルは、シャドウ領域に集中しています。ミッドトーンとハイライトで赤色が失
われないようにするには、赤チャンネルのゲインとガンマを上げる必要があります。
4. [Green]をクリックして、緑チャンネルを検証します。
通常、緑チャンネルはほかのチャンネルに比べて画像全体のブライトネスに及ぼす影響が
大きいため、緑チャンネルと RGB チャンネルのヒストグラムは似たものになります。この
ため、ほかのチャンネルを変更した後で、緑チャンネルを調整します。
268
カラー補正 ❚❘❘
5. [Blue]をクリックして、青チャンネルを検証します。
ヒストグラムを見て明らかなように、この青チャンネルが最も調整を必要としています。
青色の集中を補正するには、青チャンネルのゲインとガンマを下げる必要があります。
カラー補正は、一定の順序に従って行う必要があります。詳細は、「補正順序の決定」ヒン
ト囲み記事を参照してください。
補正順序の決定
画像の解析が完了したら、どのような順序で補正を行うかを決定することが大切です。補正を
行ったために、既に行った調整に影響を与えたり、満足していた結果を変えたりする可能性が
あります。ヒュー・シフトは彩度の値に影響を与えることが多いため、ヒュー・シフトを適用
する前に彩度を調整しないでください。
予測可能な結果を得るためには、以下の順序で補正を行います。
• ヒューやカラー・バランスを補正します。
• ガンマ、ゲイン、オフセット、およびコントラストを使って、画像の明るい領域と暗い領域
を補正します。
• 彩度を補正します。
269
8 カラー補正
ソース画像と結果の画像を比較する
変更結果と Face_result レイヤを比較するために、[Compare]ツールを設定します。
1. [Color Correction Controls]パネル(
[F8])の[Compare]リストから、[Operator]を選択
します。
2. [Operator Picker]ダイアログで、Face_result レイヤの[Footage]オペレータを選択し、
[OK]をクリックします。
[Compare]ツールが、Face_result レイヤと比較するように設定されます。
270
カラー補正 ❚❘❘
3. [Compare]ボタンを有効にします。
4. Toolbar(
[F2])の[Compare Region]リストから[Split Vertically]を選択します。
5. ビューポートで、女性の鼻をクリックして垂直方向の比較範囲を設定します。
女性の顔の半分が Face_front レイヤ(補正している元の青色の画像)に、残りの半分が
Face_result レイヤになります。[Compare]ツールを使えば、Face_front レイヤの変更結果
と Face_result レイヤを比較することができます。
ガンマとゲインを調整する
RGB、赤、緑、および青チャンネルの解析が完了したので、ガンマとゲインを必要に応じて
補正します。ガンマとゲインのパラメータは、画像の複数のトーン範囲に影響します。
• ガンマを変更すると、画像のミッドトーンが増減します。その結果、画像の明るさが変化し
ますが、ハイライトとシャドウはあまり影響を受けません。画像の無地の黒および白の領域
は影響を受けません。
• ゲインの変更は、ミッドトーンとハイライトのブライトネスには影響しますが、シャドウに
はあまり影響しません。
ヒント : 画像のガンマとゲインの調整が与える影響についてよくわからない場合は、このレッスン
を続ける前に、Basics コントロールでこれらの値をいろいろ試してみることをお勧めします。実験
を終えたら、[Reset All]をクリックして値をデフォルト設定に戻します。
271
8 カラー補正
Face_front レイヤのガンマとゲインを補正する場合、青チャンネル、RGB チャンネル、赤チャ
ンネル、緑チャンネルの順番で補正を実行することをお勧めします。
Basics コントロールでガンマとゲインを調整し、Face_front レイヤのトーン範囲を補正します。
Basics コントロールを使うと、RGB カラー・モデルでトーン範囲を制御できます。
1. [Color Correction Controls]パネル(
[F8])で、[Basics]をクリックします。
2. [Master]をクリックして、画像全体に渡ってすべての値を均等に補正します。
参考 : 画像の最も暗い部分(RGB 値が 0 ∼ 85 の部分)を補正するには、[Shadows]をクリッ
クします。画像のミッドトーン(RGB 値が 86 ∼ 170 の部分)を補正するには、[Midtones]を
クリックします。画像の最も明るい部分(RGB 値が 171 ∼ 255 の部分)を補正するには、
[Highlights]をクリックします。
3. 青チャンネルのガンマとゲインを調整します。
a) ガンマを「0.42」に下げます。
b) ゲインを「66」に下げます。
ガンマとゲインの変更後の値は、ビューポートと[Color Correction Controls]パネル内に表
示されます。
272
カラー補正 ❚❘❘
4. RGB チャンネルのガンマとゲインを調整します。
a) ガンマを「1.56」に上げます。
b) ゲインを「107」に上げます。
5. 赤チャンネルを調整します。ゲインを「102」に上げます。
6. 緑チャンネルを調整します。ガンマを「0.86」に下げます。
7. Face_front レイヤの変更結果(ビューポートの左側)を、Face_result レイヤ(ビューポート
の右側)と比較します。
8. 適切な結果が得られるまで、ガンマとゲインの調整を続けます。
9. ワークスペースを保存し、閉じます。
a) ワークスペースを保存します(
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
b) ワークスペースを閉じます(
[Ctrl]+[W]/[Command]+[W])。
273
8 カラー補正
練習 2:Curves コントロールを使ってカラー補正する
青色成分が多すぎる画像について、Curves コントロールを使って色の解析とガンマ、ゲイン、
およびオフセット値の変更を行います。
曲線は、元の画像でどのように色がマッピングされているのかを視覚的に示しています。デ
フォルトの曲線の形を変更することで、元の色を別の色にリマッピングできます。
Curves コントロールを使えば、Basics コントロールの場合と同様に、ガンマ、ゲイン、および
オフセットを調整できます。ただし、Basics コントロールの場合と異なり、Curves コントロー
ルを使って行ったカラー補正はアニメートできません。曲線で作業する利点は、主に 2 つあり
ます。まず、曲線の形と画像への影響との関係を、視覚的に把握できます。また、定義された
カラー範囲内で接線ハンドルによる微調整が行えるため、より正確な補正を行うことができま
す。
この練習では、以下について学びます。
• Curves コントロールでガンマ、ゲイン、およびオフセットを調整して、色の問題を解決しま
す。
• 画像の変更結果を検証します。
• Curves コントロールでカラー値の分布を解析します。
• 曲線の形を調整することで、問題のある画像をカラー補正します。
助けが必要ですか?
この練習を行う上で助けが必要であれば、ワークスペースを保存して閉じてから、
Lesson08_ex2.cws ファイルを参考用に開いてください。
ワークスペースを設定する
まず、この練習の結果をプレビューします。次に、ブランチを 1 つ作成し、Curves コントロー
ルによるカラー補正の方法を学びます。
1. combustion の基本設定を確認します。詳細は、9 ページの「基本設定を設定する」を参照
してください。
2. [File]/[Open Workspace]
([Ctrl]+[Shift]+[O]/[Command]+[Shift]+[O])を
使って、Lesson08 フォルダの Lesson08_ex2.cws ファイルを開きます。詳細は、22 ページの
「ワークスペースを開く」を参照してください。
274
カラー補正 ❚❘❘
3. この練習の結果をプレビューします。
クリップには、女性の画像(カラー補正済み)とパターン付きの背景が表示されます。こ
のカラー補正は、RGB Curves コントロールを使って行われています。
4. [File]/[Close Workspace]
([Ctrl]+[W]/[Command]+[W])を使って、
Lesson08_ex2.cws ファイルを閉じます。
5. [File]/[New]
([Ctrl]+[N]/[Command]+[N])を使って[New]ダイアログを開
き、以下のプロパティを持つブランチを作成します。
•[Type]:Composite
•[Format]:NTSC D1 / Discreet edit NTSC
•[Duration]:1 フレーム
•[Bit Depth]:8 ビット
•[Mode]:3D
6. この練習用のフッテージをインポートします。
a) [File]/[Import Footage]
([Ctrl]+[I]/[Command]+[I])を使って、Lesson08 フォ
ルダを開きます。
b) Face_result.png と Face_front.png を(この順番に)
、
[Ctrl]+ クリック /[Command]+ ク
リックし、[OK]をクリックするか[Enter]を押します。
7. 1 ビューポートのレイアウトを選択します。
275
8 カラー補正
[Discreet Color Corrector]オペレータを追加する
Face_front レイヤをオフにし、
[Discreet Color Corrector]オペレータを Face_result レイヤに追加
し、Curves コントロールを検証します。[Discreet Color Corrector]オペレータを Face_result レ
イヤに追加した方が、曲線の調整効果をより明確に把握できます。
1. [Workspace]パネル(
[F3])で、Face_front レイヤをオフにします。
2. [Workspace]パネルで、Face_result レイヤを選択します。
3. [Operators]パネル(
[F5])で、
[Color Correction]カテゴリをクリックします。
4. [Discreet Color Corrector]を[Ctrl]+ クリック /[Command]+ クリックします。
[Discreet Color Corrector]オペレータが Face_result レイヤに追加されます。
276
カラー補正 ❚❘❘
5. [Color Correction Controls]パネル(
[F8])で、
[Curves]をクリックして Curves コントロー
ルを表示させます。
RGB、赤、緑、青の各チャンネルに対するカラー曲線が、Curves コントロールのグラフに
プロットされます。補正後の画像の出力カラー値が、縦軸方向にプロットされます。ソー
ス画像の入力カラー値が、横軸方向にプロットされます。斜め方向に伸びるデフォルト曲
線は、ソースのカラー値が結果の画像のカラー値と一致していることを意味しています。
デフォルト曲線
出力値
入力値
カラー補正を行うには、曲線の形を変更します シャドウを補正するには、入力カラー値が
0 ∼ 85 の部分を変更します。ミッドトーンを補正するには、入力カラー値が 86 ∼ 170 の部
分を変更します。ハイライトを補正するには、入力カラー値が 171 ∼ 255 の部分を変更し
ます。
277
8 カラー補正
ガンマを調整する
RGB 曲線を変更して、ガンマを調整する練習をしましょう。
1. [RGB]をクリックし、RGB 曲線の接線ハンドルにアクセスします。
2. 図のように RGB 曲線の傾きを大きくして、ガンマを上げます。
a) 最下部のコントロール・ポイント(0,0)の接線ハンドルを、上方向にドラッグします。
b) 最上部のコントロール・ポイント(255, 255)の接線ハンドルを、上方向にドラッグし
ます。
最下部のコントロール・
ポイントの接線ハンドル
最上部のコントロール・
ポイントの接線ハンドル
3. 結果を検証します。
ビューポートで、画像のミッドトーンが明るくなっています。グラフ内の RGB 曲線とデ
フォルト曲線を比較すればわかるように、ガンマの調整は主にミッドトーン(カラー値が
86 ∼ 170 の部分)に影響します。一方、シャドウ(カラー値が 0 ∼ 85 の部分)とハイライ
ト(カラー値が 171 ∼ 255 の部分)にはほとんど影響しません。
278
カラー補正 ❚❘❘
RGB 曲線
最大入力値は
変わりません。
デフォルト曲線
最小入力値は
変わりません。
4. Curves コントロールの[Reset Selected]をクリックして、RGB 曲線をリセットします。
参考 : 選択した曲線またはすべての曲線をリセットできます。すべての曲線をリセットするに
は、[Reset]をクリックします。
5. 図のように RGB 曲線の傾きを小さくして、ガンマを下げます。
a) [RGB]をクリックして、接線ハンドルにアクセスします。
b) 最下部のコントロール・ポイント(0,0)の接線ハンドルを、下方向にドラッグします。
279
8 カラー補正
c) 最上部のコントロール・ポイント(255, 255)の接線ハンドルを、下方向にドラッグし
ます。
最下部のコントロール・
ポイントの接線ハンドル
最上部のコントロール・
ポイントの接線ハンドル
6. 結果の画像を検証します。
ミッドトーンが暗くなります。
7. RGB 曲線をリセットするには、
[Reset Selected]をクリックします。
ゲインを調整する
RGB 曲線を変更して、ゲインを調整する練習をしましょう。
1. RGB 曲線の傾きを大きくします。最上部のコントロール・ポイントを左方向にドラッグし
て、表示値を(215, 255)にしてください。
RGB 曲線の傾きを大きくすると、ゲインが増加します。ヒストグラムの最大入力レベルを
左方向に移動しても、これと同じ結果が得られます。
280
カラー補正 ❚❘❘
2. ビューポートで結果を検証しながら、グラフ内の RGB 曲線とデフォルト曲線とを比較しま
す。
画像のハイライトとミッドトーンが明るくなっていますが、シャドウはあまり変わってい
ません。ゲインの増加の影響を最も受けるのはハイライトです。また、ミッドトーンも、ゲ
インの増加の影響を受けます。シャドウはあまり影響を受けず、黒い点(最小入力値)は
変更されません。最大入力レベルが変更されたため、ハイライトでクリッピングが起こり
ます。この例では、入力値が 215 以上のピクセルはすべて、出力値 255(白)にリマッピ
ングされます。
RGB 曲線
最大入力値が変更さ
れています。
デフォルト曲線
最小入力値は
変わりません。
3. RGB 曲線をリセットするには、
[Reset Selected]をクリックします。
4. RGB 曲線の傾きを小さくします。最上部のコントロール・ポイントを下方向にドラッグし
て、表示値を(255, 215)程度にしてください。
RGB 曲線の傾きを小さくすると、ゲインが減少します。ヒストグラムの最大出力レベルを
左方向に移動しても、これと同じ結果が得られます。この例では、入力値が 255 のピクセ
ルはすべて、215,73 の出力値にリマッピングされます。
5. 結果の画像を検証します。
ハイライトとミッドトーンが暗くなっていますが、シャドウは基本的に変わっていません。
281
8 カラー補正
6. RGB 曲線をリセットするには、
[Reset Selected]をクリックします。
オフセットを調整する
オフセットは、ハイライト、ミッドトーン、シャドウの 3 つに均等に影響を与えます。また、
画像の白い点と黒い点も影響を受けます。RGB 曲線を変更して、オフセットを調整する練習
をしましょう。
1. RGB 曲線全体を上に移動して、オフセットを上げます。
a) 最上部のコントロール・ポイントを左方向にドラッグして、表示値を(215, 255)にし
ます。
b) 最下部のコントロール・ポイントを上方向にドラッグして、表示値を(0, 40)にしま
す。
2. RGB 曲線を検証します。
最大入力値が変更されたため、ハイライトでクリッピングが起こります。ここでは、入力
値が 215 以上のピクセルはすべて、出力値 255(白)にリマッピングされます。その結果、
ハイライトが明るくなります。この例では、最小出力値も変更されます。この例では、入力
値が 0(黒)のピクセルはすべて、40 の出力値にリマッピングされます。その結果、シャ
ドウが明るくなります。
RGB 曲線
最大入力値が変更さ
れています。
デフォルト曲線
最小入力値が変更さ
れています。
282
カラー補正 ❚❘❘
3. 結果の画像を検証します。
画像のすべての色が明るくなります。
4. RGB 曲線をリセットするには、
[Reset Selected]をクリックします。
5. RGB 曲線全体を下に移動して、オフセットを下げます。
a) 最上部のコントロール・ポイントを下方向にドラッグして、表示値を(255, 215)にし
ます。
b) 最下部のコントロール・ポイントを右方向にドラッグして、表示値を(40, 0)にしま
す。
デフォルト曲線
最大入力値
RGB 曲線
最小入力値
最上部のコントロール・ポイントを下方向に移動すると、最大出力値が減少します。最下
部のコントロール・ポイントを右方向に移動すると、最小入力値が増加します。この例で
は、入力値が 40 以下のピクセルはすべて、出力値 0(黒)にリマッピングされます。
6. 結果の画像を検証します。
画像のすべての色が暗くなります。
7. RGB 曲線をリセットするには、
[Reset Selected]をクリックします。
283
8 カラー補正
画像を解析する
この画像は練習 1 でヒストグラムを使って解析済みですが、この練習では、[Discreet Color
Corrector]オペレータを Face_front レイヤに追加し、Curves コントロールを使ってカラー値の
分布を確認します。
1. [Workspace]パネル(
[F3])で、Face_front レイヤをオンに戻します。
ビューポートに Face_front レイヤが表示されます。
2. [Workspace]パネルで、Face_front レイヤを選択します。
3. [Operators]パネル(
[F5])で、
[Color Correction]カテゴリを選択します。
4. [Discreet Color Corrector]をクリックします。
[Discreet Color Corrector]オペレータが Face_front レイヤに追加されます。
5. [Workspace]パネルの Face_front レイヤで、
[Discreet Color Corrector]オペレータを選択し
ます。
6. [Color Correction Controls]パネル(
[F8])で、[Source]カラー・ピッカーをクリックしま
す。
284
カラー補正 ❚❘❘
7. ビューポートで、女性の顔の青色のハイライト部分をクリックします。
グラフに赤、緑、および青マーカーが表示され、選択した色の入力値が示されます。青の
値が高すぎます。この問題を解決するには、青チャンネルのゲインとガンマを下げます。
緑と赤の値は低すぎます。この問題を解決するには、赤チャンネルと緑チャンネルのゲイ
ンとガンマを上げます。
285
8 カラー補正
補正を行う
Curves コントロールで青、赤、RGB、および緑チャンネルの値を調整しながら、必要なカ
ラー補正を行います。次に、Face_front レイヤの変更結果と Face_result レイヤを比較します。
1. 青チャンネルを調整します。
a) Curves コントロールの[Blue]をクリックして、青チャンネルの曲線を選択します。
b) 最上部のコントロール・ポイントを下方向にドラッグして、表示値を(255, 170)にし
ます。
c) 最上部と最下部の接線ハンドルを下方向にドラッグしながら、図と同じような曲線にし
ます。
最上部のコントロール・ポイントを下方向に移動すると、ゲインが減少します。最上部と
最下部の接線ハンドルを下方向に移動すると、ガンマが減少します。
2. 赤チャンネルを調整します。
a) [Red]をクリックして、赤チャンネルの曲線を選択します。
b) 最上部のコントロール・ポイントを左方向にドラッグして、表示値を(225, 255)にし
ます。
286
カラー補正 ❚❘❘
c) 最上部と最下部の接線ハンドルを上方向にドラッグしながら、図と同じような曲線にし
ます。
最上部のコントロール・ポイントを左方向に移動すると、ゲインが増加します。最上部と
最下部の接線ハンドルを上方向に移動すると、ガンマが増加します。
3. RGB チャンネルを調整します。
a) [RGB]をクリックして、RGB 曲線を選択します。
b) [RGB]を再度クリックして、曲線の接線ハンドルにアクセスします。
c) 最上部と最下部の接線ハンドルを上方向にドラッグしながら、図と同じような曲線にし
ます。
最上部と最下部の接線ハンドルを上方向に移動すると、ガンマが増加します。
4. 緑チャンネルを調整します。
a) [Green]をクリックして、緑チャンネルの曲線を選択します。
b) 最上部のコントロール・ポイントを左方向にドラッグして、表示値を(240, 255)にし
ます。
287
8 カラー補正
c) 最上部と最下部の接線ハンドルを上方向にドラッグしながら、図と同じような曲線にし
ます。
最上部のコントロール・ポイントを左方向に移動すると、ゲインが増加します。最上部と
最下部の接線ハンドルを上方向に移動すると、ガンマが増加します。
5. 変更結果を Face_result レイヤの[Footage]オペレータと比較します。
a) [Color Correction Controls]パネル(
[F8])の[Compare]リストから、[Operator]を選
択します。
b) [Operator Picker]ダイアログで、Face_result レイヤの[Footage]オペレータを選択し、
[OK]をクリックします。
c) [Color Correction Controls]パネルで、
[Compare]ボタンを有効にします。
d) Toolbar(
[F2])の[Compare Region]リストから[Split Vertically]を選択します。
e) ビューポートで、女性の鼻をクリックして垂直方向の比較範囲を設定します。
女性の顔の左半分が Face_front レイヤ(補正した元の青色の画像)に、右半分が
Face_result レイヤになります。
6. 左右の画像が一致するまで、
[Color Correction Controls]パネルの曲線を微調整してくださ
い。
7. [Color Correction Controls]パネル(
[F8])の[Compare]リストから[None]を選択して、
[Compare]オプションをオフにします。
8. ワークスペースを保存し、閉じます。
a) ワークスペースを保存します(
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
b) ワークスペースを閉じます(
[Ctrl]+[W]/[Command]+[W])。
288
カラー補正 ❚❘❘
覚えておくべきこと
• カラー補正を始める前に、何を実行したいのか、画像のライティング条件はどうなっている
のかを考慮しながら、必ず目で画像を解析するようにしてください。
• 正確なカラー補正を行うには、カラー・ピッカー、ヒストグラム、Curves コントロールなど
のツールを使って、クリップ内の色の分布を解析します。
• レイヤに[Discreet Color Corrector]オペレータを追加するには、[Operators]/[Color
Correction]/[Discreet Color Corrector]を選択するか、[Workspace]パネルで目的のレイヤ
を右クリック /[Ctrl]+ クリックして[Operators]/[Color Correction]/[Discreet Color
Corrector]を選択するか、
[Operators]パネルで[Color Correction]をクリックしてから
[Discreet Color Corrector]をクリックします。
• 同一ビューポート内で 2 つのレイヤを比較するには、[Compare]ツールを選択した後で、
[Split Vertically]、[Split Horizontally]、[Rectangle]のいずれかを[Compare Region]リスト
から選択します。たとえば、元の画像とカラー補正済みの画像を同時に表示したり、コンポ
ジット内の複数のレイヤの色を一致させたりできます。
• ヒストグラムを使うと、画像の黒い点と白い点をリセットできます。これにより、他の補正
が容易になります。
• RGB チャンネル全体、あるいは赤、緑、または青チャンネルのガンマ、ゲイン、およびオ
フセットを調整するには、Basics コントロールまたは Curves コントロールを使います。
Curves コントロールは、Basics コントロールよりもインタラクティブに操作できますが、補
正をアニメートすることはできません。
289
8 カラー補正
290
パーティクル効果のアニメーション
Lesson 9
[Particles]オペレータを使うと、煙、火、
雨や水などの自然現象やグロー、火花など
の効果を、プロジェクトに追加できます。
パーティクル・システムはライブラリにあ
らかじめ組み込まれており、必要に応じて
変更しながら使用できます。また、
combustion 内の任意の画像、シェイプ、
またはオペレータを使って、ユーザ独自の
パーティクル効果を作成できます。パー
ティクルは、ユーザの想像力により無限に
作成することができます。
291
9 パーティクル効果のアニメーション
概要
[Particles]オペレータを使えば、2D レイヤ上でパーティクルをすばやく作成できます。この
レッスンでは、Fiery Smoke Trail パーティクル・エミッタが飛行中の宇宙船を追跡します。ま
た、クリップを再生しているときに、パーティクル・エミッタのプロパティをインタラクティ
ブに調整します。
このレッスンの所要時間:45 分
練習:飛行中の宇宙船にパーティクルを追加する
宇宙空間を飛行する宇宙船をフィーチャしたクリップに、Fiery Smoke Trail エミッタを追加し
ます。次に、エミッタが飛行中の宇宙船を追跡し、その Tracker データを保存し、選択範囲オ
ブジェクトに後で適用します。次に、クリップを再生しながら、パーティクル・エミッタ・タ
イプのプロパティを編集して、グローの色やブライトネスを変更し、煙の寿命と厚さを調整し
ます。最後に、3 種類の方法でコンポジットを「クリーン・アップ」し、パーティクルが宇宙
船の前に表示されないようにします。
このレッスンでは、以下を行います。
•[Particles]オペレータを Spaceship クリップに追加します。
• Fiery Smoke Trail エミッタをクリップに追加します。
• エミッタが飛行中の宇宙船に追跡し、その Tracker データを保存します。
• パーティクル・エミッタを構成するパーティクル・タイプを編集します。
• 宇宙船の[Footage]オペレータから新しいレイヤを作成します。
• 宇宙船のアルファ・チャンネルをチャンネル選択範囲として使用します。
•[Draw Selection]オペレータを追加し、保存した Tracker データをその選択範囲に適用しま
す。
助けが必要ですか?
この練習を行う上で助けが必要であれば、ワークスペースを保存して閉じてから、
Lesson09.cws ファイルを参考用に開いてください。
ワークスペースを設定する
まず、この練習の結果をプレビューします。次にブランチを作成して、コンポジットの構築を
始めます。
1. combustion の基本設定を確認します。詳細は、9 ページの「基本設定を設定する」を参照
してください。
292
パーティクル効果のアニメーション ❚❘❘
2. [File]/[Open Workspace]をクリックするか[Ctrl]+[Shift]+[O]
(Windows)または
[Command]+[Shift]+[O](Macintosh)を押して、Lesson09 フォルダの Lesson09.cws
ファイルを開きます。詳細は、22 ページの「ワークスペースを開く」を参照してください。
3. この練習の結果をプレビューするために、クリップをビューポートで再生します。詳細は、
30 ページの「ビューポートでコンポジットを再生する」を参照してください。
参考 : RAM の容量不足のためにクリップ全体をリアルタイムで再生できない場合は、
combustion を最小化し、Media Player(Windows)または QuickTime (Macintosh)を使って
Lesson09.avi を再生してください。詳細は、19 ページの「ムービーを再生する」を参照してく
ださい。
クリップには、宇宙空間を飛行する宇宙船がフィーチャされています。ロケット・エンジ
ンから火煙が噴射されています。
4. [File]/[Close Workspace]
([Ctrl]+[W]/[Command]+[W])を使って、Lesson09.cws
ファイルを閉じます。
5. [File]/[New]
([Ctrl]+[N]/[Command]+[N])を使って[New]ダイアログを開
き、以下のプロパティを持つブランチを作成します。
•[Type]:Composite
•[Name]:Space
•[Format]:NTSC D1 / Discreet edit NTSC
•[Duration]:30 フレーム
•[Bit Depth]:8 ビット
•[Mode]:3D
参考 [
: Particles]オペレータでは、8 ビットを超えるビット深度はサポートされません。
6. 1 ビューポートのレイアウトを選択します。
293
9 パーティクル効果のアニメーション
コンポジットを作成する
まず、コンポジットで使う 2 つの画像をインポートします。次に、[Particles]オペレータを宇
宙船のレイヤに追加し、パーティクル・エミッタに飛行中の宇宙船を追跡させます。
1. コンポジットで使う 2 つの画像をインポートします。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で Space コンポジットを右クリック /[Ctrl]+ クリックし
て[Import Footage]を選択し、Lesson09 フォルダ内の Spaceship フォルダを開きます。
b) [Thumbnails]をクリックします。
c) Stars.png 画像をクリックした後、Spaceship フォルダをダブルクリックしてから
Spaceship.[###].png 画像シーケンスをクリックします。
d) [OK]をクリックするか、
[Enter]を押します。
宇宙船と星が、ビューポートに表示されます。星の画像は最初にインポートしましたが、
宇宙船の画像シーケンスにアルファ・チャンネルが含まれているため、星は表示されたま
まです。
2. Spaceship.001 レイヤの名前を変更します。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で、Spaceship.001 レイヤを右クリック /[Ctrl]+ クリック
し、[Rename]を選択します。
b) 「Spaceship」と入力し、
[Enter]を押します。
参考 : レイヤ(またはオペレータ)の名前は、他の方法でも変更できます。目的のレイヤを 1 回
クリックして選択し、もう一度クリックして表示されたテキスト・ボックスに新しい名前を入
力します。
[A]を押して)、自動キーフレームを無効にします。
3. [Animate]を無効にして(
4. [Workspace]パネルで、Spaceship レイヤを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Operators]/
[Particles]を選択します。
参考 : 選択したレイヤにオペレータを追加するときは、[Operators]/[Particles]を選択する
か、[Operators]パネル([F5])を使って行うこともできます。また、Schematic ビューでもオ
ペレータを追加できます。
294
パーティクル効果のアニメーション ❚❘❘
[Particles]オペレータが、[Workspace]パネルの Spaceship レイヤに追加され、現在のオペ
レータになります。[Particle Controls]パネルが表示されます。
[Particles]オペレータを[Workspace]パネルに追加すると、[Paint]オペレータ、マス
ク・オペレータ、テキスト・オペレータと同様に、ビューポートが自動的に切り替わり、
新しいオペレータ([Particles]オペレータ)の出力が表示されます。
パーティクルをクリップに追加するには、ライブラリ・エミッタを追加する必要がありま
す。ライブラリ・エミッタは、火花やグローなどのパーティクル・タイプから構成されま
す。エミッタは、パーティクルを放出する不可視のオブジェクトです。パーティクル・タイ
プは、画像、カラー・グラデーション、およびさまざまなプロパティ(サイズ、速度、重
量など)から構成されます。
5. エミッタをクリップに追加します。
a) [Particle Controls]パネルで、
[Library]をクリックして Library コントロールにアクセス
します。
デフォルトのエミッタ・ライブラリを利用できない場合は、次の手順に進んでください。
デフォルトのエミッタ・ライブラリを利用できる場合は、手順 7 に進んでください。
6. デフォルトのエミッタ・ライブラリをロードします。
a) [Particles Controls]パネルで、
[Load Library]をクリックします。
b) [Load Emitter Library]ダイアログで、
[Particles Libraries]フォルダをダブルクリックし、
default.elc サムネイルをダブルクリックします。
参考 [
: Particles Controls]パネルのメニュー・ボタンをクリックし、ライブラリ・リストから
エミッタ・ライブラリを選択することもできます。
295
9 パーティクル効果のアニメーション
c) Demo Group 2 フォルダの Fiery Smoke Trail エミッタを選択します。
[Library]リスト
エミッタ・
タイプ
Fiery Smoke エミッタのシェイプは、点に設定されています。
参考 : 既存のエミッタを変更するか独自のエミッタを作成して、ライブラリに保存することもで
きます。
d) [Particles Preview]パネルの[Enable Preview]をオンにします。
Fiery Smoke Trail エミッタ(プレビュー・メニュー
の[Show Particle Types]がオンに
なっている場合は、パーティクル・タイプ)が表示されます。このエミッタは、
[Workspace]パネルには追加されません。
参考 : プレビューをスクラブして、アニメートされたエミッタの外観を確認します。また、
[Particles Preview]タブをクリックしてドラッグすると、パネルの固定を解除できます。このタ
ブをダブルクリックすると、パネルはデフォルトの位置に戻ります。
[F2])。
e) Toolbar を表示します(
Toolbar にエミッタ・ツールが表示されます。パーティクルは、点、線、円(楕円形も含
む)、領域のいずれかから放出させることができます。エミッタのデフォルトのシェイプ
(プレビュー結果と同じシェイプ)を使うには、[Library]リストのエミッタをダブルク
リックします。デフォルトのエミッタ・ツールが Toolbar 内で自動的に選択されます。たと
296
パーティクル効果のアニメーション ❚❘❘
えば、Fiery Smoke Trail エミッタのデフォルトのエミッタ・ツールは、[Point Emitter]で
す。
f) [Circle Emitter]ツールをクリックします。
g) ビューポート内でクリックおよびドラッグして、宇宙船の後尾に小さな楕円形を描画し
ます。
プレビュー内でパーティクル効果が大きくなります。エミッタのシェイプが、デフォルト
の点エミッタから円エミッタに変更されたためです。エミッタのシェイプが大きくなるほ
ど、放出されるパーティクルの量も多くなります。デフォルトでは、パーティクルはエ
ミッタに沿って放出されます。
参考 : エミッタの描画が完了すると、エミッタのシェイプを変更できます。Emitter コントロー
ルの[Shape]リストから目的のシェイプを選択してください。Toolbar から別のエミッタ・
ツールを選択しても、エミッタのシェイプは変更できません。
[Workspace]パネルの[Particles]オペレータに、Fiery Smoke Trail エミッタが追加されま
す。
297
9 パーティクル効果のアニメーション
7. [Workspace]パネルで、Fiery Smoke Trail エミッタを広げます。
Fiery Smoke Trail は、Copy of glow1、smoke、Copy of smoke、glow1 の 4 つのパーティクル・
タイプから構成されています。各パーティクル・タイプにはそれぞれ、Particles コントロー
ルと Behavior コントロールが含まれています。
参考 : 既存のエミッタを変更するか独自のエミッタを作成して、ライブラリに保存することもで
きます。
8. 結果をプレビューします。
a) 再生コントロールの再生モード・ボタンを切り替えて、
[Loop]モードを選択します。
b) アニメーションを再生します(
[Spacebar])。
円エミッタから Fiery Smoke Trail エミッタが放出されます。
9. Fiery Smoke Trail オブジェクトのシェイプを調整します。
a) 最初のフレームに移動します(
[Home])。
b) Toolbar(
[F2])の矢印ツールをクリックします。
ビューポートで、円エミッタの周りにバウンディング・ボックスが表示されます。Toolbar
には、円エミッタのツールが表示されます。
参考 : 円エミッタでは、他のツール・オプション(
[Control Points]および[Pivot Point])は利
用できません。
298
パーティクル効果のアニメーション ❚❘❘
c) ビューポートで回転ハンドルをドラッグしてエミッタを回転させ、宇宙船の後尾の角度
と適切に一致させます。エミッタは、2 つの赤いライトの間に配置します。
参考 : Transform コントロールを使うこともできます。このコントロールを使うと、エミッタ・
タイプを移動、回転、および拡大縮小したり、線エミッタの基点を変更したりできます。ただ
し、Transform コントロールでは、線エミッタを拡大縮小したり、円エミッタや領域エミッタの
基点を変更したりすることはできません。変更できるのは、点エミッタの位置だけです。
10. ワークスペースを保存します。
a) [Ctrl]+[S]/[Command]+[S]を押して、
[Save Workspace]ダイアログを開きま
す。
b) 現在のワークスペースのファイル名とディレクトリを指定し、
[OK]をクリックするか
[Enter]を押します。
宇宙船をトラッキングする
Tracker を使って、Fiery Smoke Trail エミッタに飛行中の宇宙船を追跡させます。宇宙船は、位
置を変更しながら回転します。このため、宇宙船の位置および回転を追跡して、エミッタの
動きを宇宙船の動きに正確に一致させます。クリップの解析が終了したら、Tracker データを
保存します。このデータは、選択範囲オブジェクトに後で再度適用します。
1. [Tracker]パネル(
[F7])で、[Position]をクリックして Tracker を起動し、[Rotation]を
クリックして回転トラッキングを有効にします。
エミッタが選択されているため、オブジェクト「Track 1 Emitters」を追跡するように
Tracker が設定されます。このレッスンでは、デフォルトの Tracker 設定を使います。
参考 : Tracker のオプションが淡色表示されている場合は、エミッタが選択されていません。円
エミッタを選択してください。
299
9 パーティクル効果のアニメーション
2. [Reference]リストから[Roaming]を選択します。
[Roaming]基準ボックスは、基準フィーチャがクリップ内の最初のフレームから最後のフ
レームまで回転するときに使います。
2 つの Tracker ボックスがビューポートに表示されます。1 番目の Tracker ボックス(「1」が
付いたボックス)はエミッタ・オブジェクトの基点上に表示され、2 番目の Tracker ボック
ス(「2」が付いたボックス)はその右下に表示されます。
トラッキングの詳細は、レッスン 5「トラッキングとスタビライズ」を参照してください。
3. Tracker の基準エリアを選択します。
a) ビューポートで、Tracker 1 の中央にカーソルを置き、その Tracker をドラッグして、宇
宙船のロケット・エンジンに付いている上側の赤いライトの中央付近まで移動します。
参考 : 必要に応じて画像をズーム・インし、Tracker ボックスの下のトラッキング基準ポイント
を表示します。
300
パーティクル効果のアニメーション ❚❘❘
b) Tracker コントロールの[Preview]を有効にして、Tracker の位置を確認します。
Tracker をドラッグすると、Tracker のプレビュー内で基準エリアが拡大表示されます。
c) 基準ボックス(内側のボックス)のサイズを小さくして、ロケット・エンジンの上側の
赤いライトだけをボックスで囲みます。
d) 宇宙船の位置はフレームごとに大きく変わるため、Tracker 1 ボックス(外側のボック
ス)のサイズを大きくします。
e) Tracker 2 は、宇宙船のロケット・エンジンの下側にある赤いライト上に配置します。
f) Tracker 2 の基準ボックス(内側のボックス)のサイズを小さくして、ロケット・エンジ
ンの下側にある赤いライトだけをボックスで囲みます。
301
9 パーティクル効果のアニメーション
g) Tracker 2 ボックスのサイズを大きくします。
4. [Tracker]パネルで[Select All Trackers]をクリックします。
5. [Analyze Forward]ボタン
をクリックして、クリップを解析します。
解析中は、Tracker ボックスが移動しながら、基準エリアに一致するパターンをクリップの
各フレーム内で探します。基準ボックスは初期位置から移動しません。
Tracker がクリップの各フレームを解析するにつれて、3 本のモーション・パスが表示され
ます。緑色のモーション・パスは、Tracker ボックスのフレームごとの位置と回転を表して
います。白色のモーション・パスは、円エミッタのフレームごとの位置と回転を表してい
ます。
302
パーティクル効果のアニメーション ❚❘❘
パーティクル・エミッタから火煙が放出されます。
6. Tracker データを保存します。
a) [Export Data]をクリックします。
Tracker データは、Tracker がオンであるときに保存してください。このデータは、選択範
囲オブジェクトに後で適用します。
b) [Select Tracker Data Format]ダイアログで、
[Tracker Data]をクリックしてから[OK]
をクリックします。
303
9 パーティクル効果のアニメーション
c) [Export ’Tracker 1’ Track]ダイアログで Lesson09 フォルダを検索して開きます。
d) [File name]フィールドで「tracker1」と入力し、
[Save]をクリックします。
[Export ’Tracker 2’ Track]ダイアログが表示され、tracker1.ascii ファイルが Lesson09 フォル
ダに保存されたことが示されます。
e) [Export ’Tracker 2’ Track]ダイアログの[File name]フィールドで「tracker2」と入力し、
[Save]をクリックします。
位置および回転を追跡しているため、2 つの Tracker データ・ファイルが保存されます。
7. Tracker データを適用するには、Tracker をオフにします。
Tracker データがエミッタに適用されます。
8. 解析結果をプレビューします。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で、Space コンポジットをダブルクリックします。
背景画像が表示されます。
304
パーティクル効果のアニメーション ❚❘❘
b) アニメーションを再生します(
[Spacebar])。
円エミッタのシェイプが宇宙船を追跡し、Fiery Smoke Trail エミッタを放出します。
9. ワークスペースを保存します(
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
参考 : パーティクルの性能は、お使いのワークステーションに搭載されているビデオ・カードに
依存します。サポートされている OpenGL カードについては、combustion インストールガイド
を参照してください。
炎のグローの色を変更する
生成されたパーティクルは、パーティクル・タイプに設定されたプロパティに基づいて動作
します。パーティクルのプロパティ(色、不透明度、動作、シェイプなど)を変更するには、
Particles コントロールを使ってパーティクル・エミッタを構成するパーティクル・タイプを編
集します。
1. [Workspace]パネル(
[F3])で、Fiery Smoke Trail エミッタをダブルクリックして現在のオ
ペレータにします。
2. (オプション)アニメーションを再生します(
[Spacebar])。
参考 : クリップを再生しながら、変更を行うことができます。また、適用した変更は、プレ
ビュー画面に反映されます。
3. [Workspace]パネルで、Copy of glow1 パーティクル・タイプを選択します。
[Particles Preview]パネルに、選択されているパーティクル・タイプ(Copy of glow1 パー
ティクル・タイプ)だけが表示されます。Fiery Smoke エミッタのその他のパーティクル・
タイプは表示されません。
参考 : プレビュー・メニュー
の[Show Particle Types]が有効になっている場合は、プレ
ビューにグローが表示されます。
[F8])で、[Particles]をクリックします。
4. [Particle Controls]パネル(
このコントロールには、パーティクル・タイプに割り当てられたシェイプのサムネイルと、
各パーティクルのコントロールで構成されます。たとえば、[Life Color]および[Life
Opacity]グラデーション、パーティクル・モード([Intense]または[Preserve Color])、開
始フレーム設定(マルチフレームのパーティクル・シェイプの場合)が表示されます。
305
9 パーティクル効果のアニメーション
[Life Color]グラデーションには、選択したパーティクル・タイプのライフ・サイクル内
での色が表示されます。各パーティクルは、生成された直後は黒色ですが、茶色がかった
オレンジ色に変わり、ライフ・サイクルの最後には元の黒色に戻ります。
参考 : Particles コントロールが利用できるのは、[Workspace]パネルでパーティクル・タイプ
が選択されているときだけです。
5. [Life Color]グラデーションのタグを調整します。
a) [Life Color]グラデーションの左から 2 番目のグラデーション・タグを、クリックして
から[Ctrl]+ クリックします。
b) カラー・パレットで、灰色の RGB 値バーをクリックして HSV カラー値を表示します。
306
パーティクル効果のアニメーション ❚❘❘
c) [Color]バー・スライダをパレットの最上部までドラッグし、パレットから明るいオレ
ンジ色をクリックして選択し、[Enter]を押します。
[Color]バー・スライダ
プレビュー内でロケット・エンジンから放出される 2 番目の色が、より明るいオレンジ色
になります。
参考 : エミッタ全体を[Particles Preview]パネル内で再生している場合は、
[Particles Preview]
メニューをクリックし、
[Show Particle Types]を有効にします。
d) [Life Color]グラデーションの左から 3 番目のグラデーション・タグを、クリックして
から[Ctrl]+ クリックします。
e) 手順 b と c を繰り返して、より明るいオレンジ色(色相 H:30 度、彩度 S:90%、明度
V:100%)を選択します。
参考 : グラデーション内の色の分布を調整するには、グラデーション・タグをスライドさせま
す。
6. [Workspace]パネルで、glow1 パーティクル・タイプを選択します。
307
9 パーティクル効果のアニメーション
7. [Life Color]グラデーションのタグを調整します。
a) 左から 2 番目のグラデーション・タグの値を、ほぼ次の値に設定します。
• 色相(H):12 度
• 彩度(S):95%
• 明度(V):100%
色が、赤みがかったオレンジ色になります。
b) 左から 3 番目のグラデーション・タグの値を、ほぼ次のように設定します。
• 色相(H):26 度
• 彩度(S):85%
• 明度(V):100%
炎のグローが、より明るくなります。
パーティクルの動作を調整する
このパーティクル・タイプの Behavior コントロールを使って、グローの寿命を延ばし、その
明るさを増し、煙の寿命を縮めます。
1. [Animate]
([A])が無効になっていることを確認します。
2. [Workspace]パネル(
[F3])で、Copy of glow1 パーティクル・タイプを選択します。
3. [Particle Controls]パネル(
[F8])で、
[Behavior]をクリックして Behavior コントロールを
表示します。
Behavior コントロールは、
[Basic]、[Particle Variation]、および[Behavior Over Life]グ
ループで構成されます。[Basic]プロパティの値は、パーティクルが生成されたときに適
用され、その後のパーティクル動作には影響しません。特定のプロパティを変更してより
リアルな効果を作成する場合は、[Particle Variation]プロパティを使います。[Behavior
308
パーティクル効果のアニメーション ❚❘❘
Over Life]プロパティは、パーティクルのライフ・サイクル全体の基本プロパティを変更
するときに使います。
参考 : Behavior コントロールが利用できるのは、
[Workspace]パネルでパーティクル・タイプ
が選択されている場合だけです。
4. Copy of glow1 パーティクル・タイプの個数とサイズを増やします。
a) Behavior コントロールで、
[Number]フィールド(基本)を「90」に設定します。
b) [Size]フィールド(基本)を「25」に設定します。
5. glow1 パーティクル・タイプの個数とサイズを増やします。
a) [Workspace]パネルで、glow1 パーティクル・タイプを選択します。
b) Behavior コントロールで、
[Number]フィールド(基本)を「75」に設定します。
c) [Size]フィールド(基本)を「26」に設定します。
グローの表示時間が長くなり、サイズも大きくなります。
参考 : パーティクルの可視性を制御した場合は、寿命が切れていない場合でも非表示になること
がありきます。
6. smoke パーティクル・タイプの寿命と速度を調整します。
a) [Workspace]パネルで、smoke パーティクル・タイプを選択します。
b) Behavior コントロールで、
[Life]フィールド(基本)を「90」に減らします。
[Life]の値が小さくなると、パーティクルの寿命が短くなります。
309
9 パーティクル効果のアニメーション
c) [Velocity]フィールド(基本)を「26」に増やします。
[Velocity]の値が大きくなると、煙パーティクルがエミッタから放出される速度が速くな
ります。
7. Copy of smoke パーティクル・タイプの寿命を短くします。
a) [Workspace]パネルで、Copy of smoke パーティクル・タイプを選択します。
b) Behavior コントロールで、
[Life]フィールド(基本)を「10」に設定します。
8. アニメーションを再生します(
[Spacebar])。
グローの明るさと寿命が増し、煙の寿命が短くなります。
参考 : ワークスペースは定期的に保存してください。
パーティクルに宇宙船を合成する
パーティクル・エミッタが宇宙船を追跡するときに、パーティクルの一部が宇宙船のロケッ
ト・エンジンの一部を覆っているように見えます。宇宙船がパーティクルの上に重なるように
合成する(パーティクルが宇宙船の上に合成されないようにする)には、次の方法で実現でき
ます。まず、Spaceship 画像シーケンスにはアルファ・チャンネルが含まれるため、同じ
[Footage]オペレータを使って別のレイヤを作成し、このレイヤをコンポジットの最上位に配
置する方法があります。また、
[Channel Selection]オペレータを Spaceship レイヤに追加するこ
ともできます。これらの 2 つの方法について説明します。
1. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
2. Spaceship の Footage から新しいレイヤを作成します。
a) [Workspace]パネル(
[F3])の Space コンポジットを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Operator]/[New Layer]を選択します。
310
パーティクル効果のアニメーション ❚❘❘
b) [Operator Picker]ダイアログで、Spaceship の[Footage]オペレータを選択し、
[OK]
をクリックします。
参考 [
: Operator Picker]ダイアログでは、ワークスペース内の任意のオペレータから新しいレ
イヤを作成したり、[Open Footage]をクリックして新しいフッテージをインポートしたりでき
ます。
新しいレイヤが[Workspace]パネルに表示されます。
3. [Workspace]パネルで、新しいレイヤの名前を「Spaceship Top」に変更します。
4. Space コンポジットをダブルクリックします。
311
9 パーティクル効果のアニメーション
5. クリップを再生します(
[Spacebar])。
パーティクルが宇宙船の背後に表示されます。
参考 : また、Spaceship レイヤを複製してすべてのオペレータを削除したり、クリップをイン
ポートし直して宇宙船をコンポジットの最上位に配置してもかまいません。
6. [Workspace]パネルで、Spaceship Top レイヤをオフに(削除)します。
パーティクルが宇宙船のロケット・エンジンの手前に表示されます。
7. フレーム 15(
[/])に移動します。
8. Spaceship レイヤに[Channel Selection]オペレータを追加します。
a) [Workspace]パネルで、Spaceship.[###].png の[Footage]オペレータを右クリック /
[Ctrl]+ クリックし、[Add Operator]/[Selections]/[Channel Selection]を選択しま
す。
[Channel Selection]オペレータが[Particles]オペレータの下に追加されます。
選択範囲を使って、画像から効果またはペイントを適用する箇所を選択すれば、画像の残
りの部分には変更が適用されません。[Channel Selection]オペレータを使えば、画像のカ
ラー・チャンネルに基づいて選択範囲を作成できます。ここでは、Spaceship レイヤのアル
ファ・チャンネルを選択範囲として使って、パーティクルが宇宙船の手前に表示されない
ようにします。チャンネル選択範囲を使う方法は、別のレイヤを追加する必要がないため、
最も効率的な方法です。
b) [Channel Selection]オペレータをダブルクリックして、
[Channel Selection Controls]パネ
ルにアクセスします。
チャンネルが選択されていないため、画像全体がビューポート内で選択されています。
c) [Channel Selection Controls]パネル(
[F8])の[Channel]リストから、[Alpha]を選択
します。
312
パーティクル効果のアニメーション ❚❘❘
d) [Invert]を有効にします。
選択範囲オブジェクトによって、宇宙船が選択されます。レイヤ・スタック内で選択範囲
オブジェクトより上位のオペレータは、選択した画像部分に適用されません。選択範囲オ
ブジェクトをレイヤ・スタック内の[Particles]オペレータより上位に配置すると、選択範
囲オブジェクトの効果がなくなります。
9. Space コンポジットをダブルクリックします。
パーティクルが宇宙船の背後に表示されます。
10. オプション:
a) [Workspace]パネルで、
[Channel Selection]オペレータをドラッグして[Particles]オペ
レータより上位に移動します。
ビューポートで、パーティクルが宇宙船の手前に表示されます。
b) 変更を取り消すときは、
[Ctrl]+[Z]/[Command]+[Z]を押します。
11.[Channel Selection]オペレータをオフに(削除)します。
パーティクルが宇宙船のロケット・エンジンの手前に表示されます。
313
9 パーティクル効果のアニメーション
選択範囲を描画する
画像内にアルファ・チャンネルが含まれない場合や、画像内でパーティクルが画像要素と接触
しているときに、特定のコントロールをエッジより上に表示したい場合があります。こうした
場合には、選択オブジェクトを手動で描画および追跡するか、画像の一部をマスクしてパー
ティクルから保護します。Spaceship 画像シーケンスにはアルファ・チャンネルが含まれます
が、選択範囲オブジェクトを使って画像の特定領域を選択して、ロケット・エンジン上にある
パーティクルにグローを追加します。次に、選択範囲オブジェクトの形をリファインします。
1. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
2. Spaceship レイヤに[Draw Selection]オペレータを追加します。
3. [Workspace]パネル(
[F3])で、Spaceship.[###].png の[Footage]オペレータを右クリッ
ク /[Ctrl]+ クリックし、[Add Operator]/[Selections]/[Draw Selection]を選択します。
[Draw Selection]オペレータが[Particles]オペレータの下に追加されます。
a) [Workspace]パネルで、
[Draw Selection]オペレータをダブルクリックします。
b) Toolbar(
[F2])で、[Polygon Selection]ツールをクリックします。
c) 次の画像を参考にしながら、選択範囲を描きます。ロケット・エンジンの銀色の部分を
囲んでください。
シェイプが閉じると、Toolbar の[Control Points]オプションが自動的に選択されます。コ
ントロール・ポイントと接線ハンドルを、必要に応じて個別に調整してください。コント
ロール・ポイントの編集方法の詳細は、レッスン 4「Paint の使い方」を参照してください。
4. [Selection Controls]パネル(
[F8])で、[Feather]を「2」に設定します。
Polygon Selection オブジェクトのエッジが和らぎます。
314
パーティクル効果のアニメーション ❚❘❘
5. [Invert]を有効にします。
選択範囲オブジェクト(宇宙船)の内側の部分が選択されます。
参考 : 選択範囲オブジェクトの場合も、マスクおよび Paint オブジェクトと同様に、[Edge
Gradient]オプションを使ってエッジのソフトネスを正確に制御できます。エッジのグラデー
ションの詳細は、combustion ユーザーズガイドの第 8 章を参照してください。
保存済みの Tracker データを選択範囲オブジェクトに適用する
保存済みのパーティクル・エミッタの Tracker データをインポートし、Polygon Selection オブ
ジェクトに適用します。
1. [Workspace]パネル(
[F3])で、Polygon Selection オブジェクトを選択します。
2. [Tracker]パネル(
[F7])で、[Position]をクリックして Tracker を起動します。
3. Position Tracker データをインポートします。
a) [Import Data]をクリックします。
b) [Select Tracker Data Format]ダイアログで、
[Tracker Data]をクリックし、[OK]をク
リックするか[Enter]を押します。
[Import ’Tracker 1’ Track]ダイアログが表示されます。
c) Lesson09 フォルダを探して開き、tracker1.ascii ファイルをクリックし、
[Open]をク
リックします。
299 ページの「宇宙船をトラッキングする」で作成した Position Tracker データが、Polygon
Selection オブジェクトに適用されます。
315
9 パーティクル効果のアニメーション
4. [Tracker]パネルで、
[Rotation]をクリックして Tracker を起動します。
2 番目の Tracker ボックスが表示されます。
5. ビューポートで、2 番目の Tracker ボックス(
「2」が付いたボックス)をクリックします。
参考 : Tracker データをインポートすると、現在選択されている Tracker ボックスに対してデー
タが適用されます。
6. Rotation Tracker データをインポートします。
a) [Import Data]をクリックします。
b) [Select Tracker Data Format]ダイアログで、
[Tracker Data]をクリックし、[OK]をク
リックするか[Enter]を押します。
[Import ’Tracker 2’ Track]ダイアログが表示されます。
c) tracker2.ascii ファイルをクリックし、
[Open]をクリックします。
保存済みの Rotation Tracker データが、選択範囲オブジェクトに適用されます。
7. Tracker をオフにします。
8. 結果をプレビューします。
a) [Workspace]パネルの Space コンポジットをダブルクリックして、コンポジットを表示
します。
b) アニメーションを再生します(
[Spacebar])。
宇宙船のアルファ・チャンネルではなく、追跡された選択範囲オブジェクトによって、
パーティクルがロケット・エンジンの上に表示されません。選択範囲オブジェクトのエッ
ジがロケット・エンジンのエッジに重なっていないため、エッジのグローがパーティクル
から保護されています。
9. ワークスペースを保存し、閉じます。
a) ワークスペースを保存します(
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
b) (オプション)QuickTime ムービーとしてクリップをレンダリングします。詳細は、46
ページの「結果のコンポジットをレンダリングする」を参照してください。
c) ワークスペースを閉じます(
[Ctrl]+[W]/[Command]+[W])。
316
パーティクル効果のアニメーション ❚❘❘
覚えておくべきこと
• パーティクル効果をワークスペースに追加するには、ライブラリ内のパーティクル・エミッ
タをクリップに追加します。
• Emitter コントロールには、ライブラリ内のエミッタまたはエミッタ・オブジェクトのプロ
パティを表示できます。
• ライブラリ内のパーティクル・タイプをダブルクリックすると、デフォルトのエミッタ・
シェイプが選択されます。
• 描画したエミッタ・タイプを変更するには、Emitter コントロールの[Shape]リストを使い
ます。
• 現在ロードされているライブラリ内のエミッタ以外は、クリップに追加できません。
•[Particles Preview]の[Show Particle Types]を有効にすると、選択したパーティクル・タイ
プが表示されます。
•[Particles]オペレータが含まれるレイヤに[Selection]オペレータを追加すると、画像の一
部を保護できます。
•[Particles]オペレータを別のレイヤに適用する場合は、マスクを使ってレイヤのアルファ・
チャンネルを変更します(レイヤ上に透明部分を作成します)。
• 選択範囲はマスクと異なり、レイヤの不透明度に影響しないことがあります。
• Tracker データを保存し、combustion の任意のオブジェクトに後で適用することができま
す。
317
9 パーティクル効果のアニメーション
318
Paint の選択範囲の操作
Lesson 10
選択範囲を使うと、画像の特定部分にペイ
ントしたり効果を適用したりするときに、
画像のその他の部分には影響を与えないよ
うにできます。また、[Workspace]パネル
または Timeline 内で選択範囲、Paint オブ
ジェクト、および効果を配置することで、
造的な画像を作成できます。
319
10 Paint の選択範囲の操作
概要
レッスン 4 では、選択範囲オブジェクトを使って画像の一部をコピー・アンド・ペーストする
方法を学びました。このレッスンでは、効果を適用したりペイントしたりする部分を選択範囲
を使って選択し、画像のその他の部分には影響を及ぼさないようにします。
[Workspace]パネル内における選択範囲、効果、Paint オブジェクトのスタック順序に応じて、
互いの影響関係が変化します。選択範囲が影響を及ぼす(制限する)のは、[Workspace]パネ
ルでその選択範囲より上位にあるオブジェクトや効果だけです。適用する効果に応じて、
[Workspace]パネル内で選択範囲オブジェクトを上下に移動すれば、影響を与えるオブジェク
トを変更できます。
練習 1 では、選択範囲を使って、画像シーケンス内の特定部分のカラー補正とクリーン・アッ
プを行います。練習 2 では、選択範囲モディファイヤと[Workspace]パネルを使って、シー
ン内の構成要素の配置を整えます。
このレッスンの所要時間:60 分
練習 1:選択範囲に効果を適用する
選択範囲を使って、画像の特定部分に効果を適用します。
この練習では、以下について学びます。
• 選択範囲オブジェクトを描画および調整し、時計のカラー補正する部分を選択します。
•[Invert]を使って、スクラッチを取り除くレンガの壁を選択します。
• 選択範囲オブジェクトをアニメートしながら、カメラのパンに一致させます。
助けが必要ですか?
この練習を行う上で助けが必要であれば、ワークスペースを保存して閉じてから、
Lesson10_ex1.cws ファイルを参考用に開いてください。
ワークスペースを設定する
まず、この練習の結果をプレビューします。次にブランチを作成して、選択範囲の操作を始め
ます。
1. combustion の基本設定を確認します。詳細は、9 ページの「基本設定を設定する」を参照
してください。
2. [File]/[Open Workspace]をクリックするか[Ctrl]+[Shift]+[O]
(Windows)または
[Command]+[Shift]+[O](Macintosh)を押して、Lesson10\ex1 フォルダの
Lesson10_ex1.cws ファイルを開きます。詳細は、22 ページの「ワークスペースを開く」を参
照してください。
320
Paint の選択範囲の操作 ❚❘❘
3. この練習の結果をプレビューするために、クリップをビューポートで再生します。詳細は、
30 ページの「ビューポートでコンポジットを再生する」を参照してください。
参考 : リアルタイムでクリップ全体を表示するだけの RAM がない場合には、combustion を最小
化し、Media Player(Windows)または QuickTime(Macintosh)を使って Lesson10_ex1.avi を
再生します。詳細は、19 ページの「ムービーを再生する」を参照してください。
48 フレームからなる、時計の文字盤のクリップが再生されます。時計の文字盤のタイル部
分がカラー補正されていますが、その他の部分には適用されていません。
4. [File]/[Close Workspace]
([Ctrl]+[W]/[Command]+[W])を使って
Lesson10_ex1.cws ファイルを閉じます。
5. フッテージを Paint ブランチとして開きます。
a) [File]/[Open]
([Ctrl]+[O]/[Command]+[O])を選択し、ファイル・ブラウザ
を使って Lesson10\ex1 フォルダを探し出し、それを開きます。
b) [Open]ダイアログで、
[Thumbnails]と[Collapse]をクリックします。
321
10 Paint の選択範囲の操作
c) Clock[##].png を選択し、
[OK]をクリックするか[Enter]を押します。
[Open Footage]ダイアログが表示されます。
d) 画像シーケンスを Paint ブランチとして開くために[Paint]を選択し、
[OK]をクリッ
クするか[Enter]を押します。
ビューポートに Clock[##].png フッテージが表示されます。時計の文字盤のカラー・タイル
をカラー補正する必要があります。ただし、フッテージの残りの部分に影響を与えてはな
りません。また、レンガをクリーン・アップする必要もあります。
6. 1 ビューポートのレイアウトを選択します。
7. フレーム 13 に移動します。
時針の針の近くの鳥がだぶっています。「ちらつき」を回避するには、フィールドを分離
する必要があります。
322
Paint の選択範囲の操作 ❚❘❘
8. インポートしたフッテージの優先フィールドを設定します。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で、Clock[##] Footage オペレータを選択します。
b) [Footage Controls]パネル(
[F8])で、[Source]をクリックします。
c) [Field Separation]リストから[Upper First]を選択します。
優先フィールドが、元のソース素材と同じ値に設定されます。フィールド分離の設定の詳
細は、combustion ユーザーズガイドを参照してください。
時計の文字盤に選択範囲を追加する
時計の文字盤のタイルだけを選択するには、複数の選択範囲を組み合わせる必要があります。
まず、時計の文字盤全体を選択します。
1. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
2. [Workspace]パネル(
[F3])で、Paint オペレータを選択します。
3. Toolbar(
[F2])で、[Elliptical Selection]ツールをクリックします。
4. [Paint Controls]パネル(
[F8])で、[Modes]をクリックします。
5. [Combine Mode]リストから[Replace]を選択して、現在のオブジェクトを新しいオブ
ジェクトで置き換えます。
アクティブな選択範囲が既に存在する場合、[Replace]モードを選択すると新しい選択範
囲が作成されます(たとえば、[Workspace]パネル内に選択範囲オブジェクトが存在する
場合、新しい選択範囲はその上位に作成されます)。選択範囲を描画するためのツールが、
Toolbar からいくつか利用できます。詳細は、「選択範囲を描画する」ヒント囲み記事を参照
してください。
323
10 Paint の選択範囲の操作
6. 時計の中心をクリックした後、外方向にドラッグして選択範囲の内側に時計のタイル付き
文字盤が収まるようにします。
7. 矢印ツール(
[Tab])をクリックし、Ellipse Selection オブジェクトを調整してタイル付き文
字盤が内側にぴったり収まるようにします。
参考 : 楕円形を拡大縮小するには、境界ボックスのハンドルを使います。オブジェクトを移動す
るには、楕円形の内側にカーソルを置き、オブジェクトをドラッグします。
選択範囲を描画する
以下のツールを使うと、さまざまな形の選択範囲を描くことができます。
選択:
[Lasso Selection]
結果:
フリーハンド選択範囲を描きます。カーソルを離すと、カーソ
ルの最初から最後の位置に線が描かれて、選択範囲が閉じます。
[Magic Wand Selection] 類似した輝度と色を持つ隣接領域を選択します。より多くの
シェードを選択範囲に含めるには、許容度を上げます。
[Rectangular Selection] 長方形の選択範囲を描きます。選択範囲は、ドラッグしたコー
ナーから描かれます。
324
[Elliptical Selection]
楕円形の選択範囲を描きます。選択範囲は、ドラッグしたポイ
ントを中心に描かれます。
[Polygon Selection]
ポリゴンの選択範囲を描きます。画像をクリックしてポリゴンの
コントロール・ポイントを作成し、[Enter]を押してポリゴンを
閉じます。
[Text Selection]
テキストの選択範囲を描きます。
Paint の選択範囲の操作 ❚❘❘
8. ワークスペースを保存します(
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
12 個の頂点を持つ星形を減算する
ユーザが描画した選択範囲は、[Paint Controls]パネルの選択範囲の組み合わせモードに基づ
いて、現在の選択範囲と結合されます。たとえば、[Replace]モードでは、現在の選択範囲が
新しい選択範囲に置き換わります。置換された選択範囲オブジェクトは削除されませんが、
[Workspace]パネル内の新しい選択範囲の上位に存在するシェイプや効果に対して、影響を持
たなくなります。
選択範囲の組み合わせモードを[Add]、[Substract]、または[Intersect]に変更することで、
複数の選択範囲を組み合わせて複雑な形を選択することができます。[Substract]組み合わせ
モードを使って楕円形選択範囲からポリゴン選択範囲を減算し、時計の文字盤上のカラー・
タイルだけが選択されるようにします。
1. Toolbar(
[F2])で、[Polygon Selection]ツールをクリックします。
2. [Paint Controls]パネル(
[F8])の[Combine Mode]リストから[Subtract]を選択して、
ポリゴン選択範囲を楕円形選択範囲から減算します。
3. 楕円形選択範囲の内側にある星形のポイントの 1 つをクリックします。
ヒント : ホット・キーを押しながら選択範囲の最初のポイントをクリックしても、選択範囲の組
み合わせモードを設定することができます。詳細は、
「組み合わせモードを設定する」ヒント囲み
記事を参照してください。
325
10 Paint の選択範囲の操作
4. 星形を囲む選択範囲を描画します。星形のシェイプに沿って順次クリックしていきます。
選択範囲を閉じるには、最初のポイントをクリックするか、[Enter]を押します。
ヒント : 新しいポイント上の接線ハンドルをドラッグするなど、操作を誤った場合は、そのポイ
ントを削除してから、クリックして新しいポイントを描きます。最後に描いたポイントを削除
するには、[Backspace]を押します。
楕円形選択範囲からポリゴン選択範囲が減算されます。
組み合わせモードを設定する
組み合わせモードを設定する方法としては、[Combine Mode]リストを使う方法以外にも、
ホット・キーを押しながら選択範囲オブジェクトを描画する方法があります。ポリゴン選択範
囲の場合は、ホット・キーを押しながら最初のポイントを描いた後、キーを離します。
押すキー:
結果:
[Shift]
新しい選択範囲を加算します。
[Ctrl]/[Command]
新しい選択範囲を減算します。
[Ctrl]+[Shift]/
[Command]+[Shift]
2 つの選択範囲を交差します。
なし
[Combine Mode]リストで選択されている組み合わせモードが
使われます。
描画後に選択範囲の組み合わせ方法を変更するには、選択範囲オブジェクトを選択し、[Paint
Controls]パネルの Modes コントロールの設定を変更します。
326
Paint の選択範囲の操作 ❚❘❘
5. [Workspace]パネル(
[F3])を表示します。
Polygon Selection オブジェクトの名前にマイナス記号(-)が付加されていますが、これは
[Subtract]組み合わせモードを表します。
[Add]モードの場合はプラス記号(+)が、[Intersect]モードの場合には「X」が、それぞ
れ付加されます。
6. Polygon Selection オブジェクトを拡張します。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で、Polygon Selection オブジェクトを選択します。
b) Toolbar(
[F2])で、[Control Points]オプションをクリックします。
c) ビューポートで星形の選択範囲を拡張します。コントロール・ポイントをドラッグし
て、楕円形選択範囲の少しだけ外側に配置してください。
327
10 Paint の選択範囲の操作
7. コントロール・ポイントを追加して、時計の分針を選択範囲から除外します。
a) ズーム・インして分針がはっきりと見えるようにします。
b) 選択範囲上の分針の近くにカーソルを置きます。
c) カーソルの形が
に変わったら、コントロール・ポイントをクリックおよびドラッグ
して、分針の輪郭に沿って選択範囲を描きます。
d) コントロール・ポイントをさらに 2 つ追加し、それらをドラッグして分針のシェイプに
一致させます。
分針が選択範囲から除外されます。
8. [Home]をクリックするか[=]を押して、ズーム係数を 100% に戻します。
328
Paint の選択範囲の操作 ❚❘❘
タイルをカラー補正する
輝度とコントラストを上げてタイルの色を強めます。
1. [Workspace]パネル(
[F3])で、Polygon Selection オブジェクトを右クリック /[Ctrl]+ ク
リックし、[Color Correction]/[Brightness/Contrast]を選択します。
Brightness/Contrast Paint オブジェクトが[Paint]オペレータに追加されます。
2. [Brightness/Contrast Controls]パネルの設定を調整します。
a) [Workspace]パネルで、Brightness/Contrast オブジェクトを選択します。
b) [Brightness/Contrast Controls]パネルで、
[Brightness]を「10%」に設定します。
c) [Contrast]を「35%」に設定します。
調整した輝度とコントラストは、画像の選択範囲内の部分だけに適用されます。
効果と選択範囲オブジェクトは、最初のフレームだけに適用されています。別の選択範囲
オブジェクトを追加するため、それらすべてのオブジェクトの長さは、後でまとめて延長
します。
レンガの壁に選択範囲を追加する
レンガの壁に[Dust and Scratches]フィルタを適用して、壁の外観を改善します。フィルタを
追加する前に、別の選択範囲オブジェクトの組み合わせを追加して、時計と金具をフィルタ
から保護する必要があります。
まず、時計全体を選択し、その選択範囲を反転して壁を選択します。
1. Toolbar(
[F2])で、[Polygon Selection]ツールをクリックします。
2. [Paint Controls]パネル(
[F8])で、[Modes]をクリックし、[Combine Mode]リストから
[Replace]を選択します。
このモードを使って、最初の 2 つとは別の選択範囲を作成します。
3. 時計の形に合わせて外側のリングの周囲をクリックし、新しい選択範囲を追加します。
329
10 Paint の選択範囲の操作
参考 : 時計の選択に必要な数だけ、ポイントを追加できます。
4. コントロール・ポイントをドラッグして、ポリゴン選択範囲を微調整します。
5. [Paint Controls]パネル(
[F8])で、[Invert]をクリックします。
現在の選択範囲が反転し、時計の文字盤の外側のすべてが選択されます。
ヒント : [Workspace]パネルに Invert Selection オブジェクトを追加して、選択範囲を反転す
ることもできます。[Selection]/[Invert Selection]を選択すると、アクティブな選択範囲(す
べての選択範囲オブジェクトの組み合わせ)が反転します。
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
6. ワークスペースを保存します(
330
Paint の選択範囲の操作 ❚❘❘
金具を減算する
現在の選択範囲から 2 個のポリゴン選択範囲を減算して、レンガだけが選択されるようにし
ます。
1. 画像の外側に描画できるようになるまでズーム・アウトします。
2. [Pan]ボタンをスクラブします。
画像をパンすると、時計の左と下にある金具を選択するのが簡単になります。
3. Toolbar(
[F2])で、[Polygon Selection]ツールをクリックします。
4. [Ctrl]/[Command]を押して選択範囲のモードを[Subtract]に設定してから、時計の左
側にある金具の端をクリックします。
331
10 Paint の選択範囲の操作
5. [Ctrl]/[Command]を離し、金具の周囲を順次クリックし、選択範囲を閉じます。
この選択範囲がポリゴン選択範囲から減算されます。
6. 底部をパンして、時計の下にある金具を表示します。
7. 別のポリゴン選択範囲を追加し、時計の下にある金具を減算します。
a) Toolbar(
[F2])で、[Polygon Selection]ツールをクリックします。
b) [Ctrl]/[Command]を押して選択範囲のモードを[Subtract]に設定してから、時計の
下にある金具の端をクリックします。
c) [Ctrl]/[Command]を離し、金具の周囲を順次クリックし、選択範囲を閉じます。
この選択範囲がポリゴン選択範囲から減算されます。
332
Paint の選択範囲の操作 ❚❘❘
レンガをクリーン・アップする
[Dust and Scratches]フィルタを適用して、レンガをクリーン・アップします。[Dust and
Scratches]フィルタは、ピクセル間の輝度の変化をチェックすることで画像の欠陥を見つけ出
し、ブレンドを使って欠陥を隠します。また、この効果を使って、画像から余分なノイズを
除去することもできます。
1. [Effects]/[Noise]/[Dust and Scratches]を選択します。
2. [Workspace]パネル(
[F3])で、Dust and Scratches オペレータを選択します。
3. [Dust and Scratches Controls]パネルで、
[Radius]と[Tolerance]を調整します。
a) [Radius]を「2」に設定します。
[Radius]は、ブレンドする領域の半径を決定します。一般に、大きな値を指定すると画像
がぼけるため、可能な限り小さい値を指定してください。
b) [Tolerance]を「46%」に設定します。
[Tolerance]には、画像のほこりや傷を見つけるときに、隣接するピクセル間における輝度
の変化量の許容度を設定します。より多くの傷を除去するには、許容度を下げます。
レンガ表面の傷がブレンドされて、クリーンに見えるようになります。時計と金具は、選
択範囲で保護しているため、影響を受けません。
4. フレーム 2 に移動します。
選択範囲オブジェクトと Dust and Scratches オブジェクトが表示されるのは、フレーム 1 に
おいてだけです。これらのオブジェクトの長さを延長する必要があります。
5. ワークスペースを保存します(
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
333
10 Paint の選択範囲の操作
選択範囲オブジェクトをアニメートする
すべてのオブジェクトをグループ化して、1 つの手順で長さを延長できるようにします。次
に、最後のフレームでグループを移動して、カメラのパンに対する補正を行います。選択範囲
はオブジェクトなので、作成後にスケールや位置などの属性を調整することができます。
1. 選択範囲オブジェクトと効果をグループ化します。
a) 最初のフレームに移動します(
[Home])。
b) [Edit]/[Select All]
([Ctrl]+[A]/[Command]+[A])を使って、すべてのオブ
ジェクトを選択します。
c) [Object]/[Group]をクリックするか、
[Ctrl]+[G]/[Command]+[G]を押しま
す。
d) [Workspace]パネルで、グループの名前を「Retouch」に変更します。
2. [End]を押して最後のフレームに移動し、
[.](ピリオド・キー)を押してグループの長さ
をクリップの最後まで延長します。
3. クリップを再生します(
[Spacebar])。
選択範囲は、クリップ全体を通して表示されます。ただし、最初のフレーム以外では、時
計の形に一致していません。
4. キーフレームを追加して、クリップ全体を通してオブジェクトとフッテージが一致するよ
うにします。
a) [Animate]
([A])をオンにします。
b) 最後のフレームに移動します(
[End])。
c) ビューポートで Retouch グループが選択された状態で、グループを移動してフッテージ
に一致させるか、調整量が少ないときは矢印キーを使って位置を微調整します。
最後のフレームにキーフレームが作成され、効果が正しい範囲に適用されるようになりま
す。
d) クリップの中間あたりのフレームをいくつか表示して、オブジェクトのグループとフッ
テージが一致していることを確認します。
このクリップでは、カメラのパンが滑らかであるため、別のキーフレームを追加する必要
はありません。そうでない場合は、Tracker を使って選択範囲をトラッキングすることで、
選択範囲をパンの動きに一致させることができます。Tracker の使い方の詳細は、レッスン
5「トラッキングとスタビライズ」を参照してください。
5. クリップを再生(
[Spacebar])して結果を見ます。
334
Paint の選択範囲の操作 ❚❘❘
6. ワークスペースを保存し、閉じます。
a) ワークスペースを保存します(
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
b) (オプション)QuickTime ムービーとして、クリップをレンダリングします。詳細は、46
ページの「結果のコンポジットをレンダリングする」を参照してください。
c) ワークスペースを閉じます(
[Ctrl]+[W]/[Command]+[W])。
335
10 Paint の選択範囲の操作
練習 2:選択範囲と Paint オブジェクトをスタックする
前の練習では、画像の特定部分に効果を適用しました。この練習では、選択範囲と Paint オブ
ジェクトを階層上で組み合わせることで、より複雑な効果を実現します。
[Workspace]パネルでは、選択範囲オブジェクトを追加したり、並べ替えたりすることができ
ます。すべてのオブジェクトは、[Workspace]パネル内で上下のレベルに移動できます。
[Workspace]パネル内で選択範囲オブジェクトがスタックされている順序によって、オブジェ
クト間の影響が決まります。
この練習では、以下について学びます。
• コピー・アンド・ペーストを使って、鳥の画像を部屋の画像に追加します。
• Paint オブジェクトと選択範囲オブジェクトを[Workspace]パネル内にスタックし、2 つの
画像を合成します。
• Remove Selection オブジェクトを[Workspace]パネルに追加して、画像の他の部分に影響を
与えずに部屋の窓枠の色を変更します。
助けが必要ですか?
この練習を行う上で助けが必要であれば、ワークスペースを保存して閉じてから、
Lesson10_ex2.cws ファイルを参考用に開いてください。
ワークスペースを設定する
まず、この練習の結果をプレビューします。次に、Paint ブランチを 2 個作成します。
1. combustion の基本設定を確認します。詳細は、9 ページの「基本設定を設定する」を参照
してください。
2. [File]/[Open Workspace]
([Ctrl]+[Shift]+[O]/[Command]+[Shift]+[O])を
使って、Lesson10\ex2 フォルダの Lesson10_ex2.cws ファイルを開きます。詳細は、22 ページ
の「ワークスペースを開く」を参照してください。
3. この練習の結果をプレビューするために、クリップをビューポートで再生します。詳細は、
30 ページの「ビューポートでコンポジットを再生する」を参照してください。
参考 : リアルタイムでクリップ全体を表示するだけの RAM がない場合には、combustion を最小
化し、Media Player(Windows)または QuickTime(Macintosh)を使って Lesson10_ex2.avi を
再生します。詳細は、19 ページの「ムービーを再生する」を参照してください。
336
Paint の選択範囲の操作 ❚❘❘
クリップで再生される部屋には、2 つの窓があり、外で 1 羽の鳥が飛んでいます。
4. [File]/[Close Workspace]
([Ctrl]+[W]/[Command]+[W])を使って
Lesson10_ex2.cws ファイルを閉じます。
5. Paint ブランチを 2 個作成します。
a) [File]/[Open]
([Ctrl]+[O]/[Command]+[O])を使って Lesson10\ex2 フォルダ
を開きます。
b) Bird.png および Room.png を(この順番に)
[Ctrl]+ クリックし、
[OK]をクリックする
か[Enter]を押します。
c) [Open Footage]ダイアログで、
[Paint]を選択して異なる 2 つの Paint ブランチとして画
像を開きます。
6. 2 ビューポートのレイアウトを選択します。
Room フッテージに適用される[Paint]オペレータが、両方のビューポートに表示されま
す。
337
10 Paint の選択範囲の操作
7. [Workspace]パネル(
[F3])で、Bird フッテージに適用される[Paint]オペレータを選択
します。
8. [Send Up]ボタンをクリックします。
選択した[Paint]オペレータが、左側のビューポートの現在のオペレータになります。左
側のビューポートには、飛んでいる鳥の画像が表示されます。右側のビューポートには、2
つの窓が付いた部屋が表示されます。
この練習では、窓の近くを飛ぶ鳥をアニメートし、シーンに太陽の効果を追加します。
338
Paint の選択範囲の操作 ❚❘❘
鳥を部屋に追加する
コピー・アンド・ペーストを使って、鳥の画像を部屋に追加します。後で、このペーストした
画像も使いながら、[Workspace]パネル内の選択範囲と Paint オブジェクトを移動します。
1. 鳥の画像を部屋のフッテージにコピーします。
a) Toolbar(
[F2])で、[Rectangular Selection]ツールをクリックします。
b) [Paint Controls]パネル(
[F8])で、[Modes]をクリックしてから[Reset]をクリック
します。
c) 鳥の周りに長方形の選択範囲を描きます。
d) [Edit]/[Copy]
([Ctrl]+[C]/[Command]+[C])を使って、選択範囲オブジェク
トの内容をコピーします。
鳥の画像がクリップボードにコピーされます。
2. 鳥の画像を部屋のフッテージにペーストします。
a) 右側のビューポートをクリックしてアクティブにします。
b) 1 ビューポートのレイアウトを選択します。
339
10 Paint の選択範囲の操作
c) [Edit]/[Paste]
([Ctrl]+[V]/[Command]+[V])を選択して、鳥を部屋にペース
トします。
画像のアルファ・チャンネルもコピーされます。
3. 鳥を小さくします。
a) [Paint Controls]パネル(
[F8])で、[Transform]をクリックします。
b) [Proportional]を有効にし、
[X Scale]または[Y Scale]フィールドを「50%」に設定し
ます。
340
Paint の選択範囲の操作 ❚❘❘
4. ビューポート内で、ペーストした画像はコーヒー・テーブルの上にとりあえず配置してお
きます。
Lens Flare を使って太陽を作成する
Lens Flare 効果を追加して、窓越しに太陽が見えるようにします。
1. Toolbar(
[F2])で、[Rectangular Selection]ツールをクリックします。
2. 左側の窓を囲む選択範囲を描きます。
3. レンズ・フレアを使って太陽を作成します。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で、Rectangle Selection オブジェクトを右クリック /[Ctrl]
+ クリックし、[Stylize]/[Lens Flare]を選択します。
Lens Flare 効果が、[Workspace]パネルの一番上の Paint ブランチに追加されます。
341
10 Paint の選択範囲の操作
b) [Lens Flare Controls]パネルで、
[Flare Set Position]ボタンをクリックします。
左側の窓の中央付近に、レンズ・フレア軸とともにターゲットが表示されます。.
c) フレアの中心を左側の窓の右側に設定します。ターゲットをドラッグするか、目的の位
置をクリックしてください。
ヒント : 選択ボタンをスクラブすることもできます。
d) [Lens Flare Controls]パネルの[Color]ボックスをクリックし、
[Pick Color]ダイアロ
グから明るいオレンジ色を選択します。
342
Paint の選択範囲の操作 ❚❘❘
e) [Strength]を「60%」に設定します。
f) [Elements]リストから[Central Flare Only]を選択して、反射のないフレアを作成しま
す。
4. ワークスペースを保存します(
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
鳥を配置する
左側の窓に鳥を配置した後、[Workspace]パネルのオブジェクトの順序を変更して、鳥を部屋
の外に表示します。
1. [Workspace]パネル(
[F3])で、Pasted Image オブジェクトを選択します。
2. ビューポートで、ペーストした鳥の画像をドラッグして、左側の窓の中央付近に移動しま
す。
3. 鳥を右方向に移動します。
鳥は、まだ部屋の内側にあります。[Workspace]パネル内で、長方形の選択範囲が、ペー
ストした鳥の画像より上位にあるためです。[Workspace]パネル内のオブジェクトの順序
は、オブジェクトの描画順序に影響します。
343
10 Paint の選択範囲の操作
4. [Workspace]パネル(
[F3])で、Pasted Image オブジェクトをドラッグして、Rectangle
Selection オブジェクトと Lens Flare オブジェクトの間に配置します。
鳥が窓の外に移動します。ただし、太陽光線の後ろに表示されています。Lens Flare オブ
ジェクトが Pasted Image オブジェクトより上位にあるためです。
5. Pasted Image オブジェクトをドラッグして、Lens Flare オブジェクトより上位に移動します。
鳥が太陽の手前に表示されます。
6. ワークスペースを保存します(
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
2 番目の選択範囲を追加する
太陽光線は、左側の窓からは見えますが、右側の窓からは見えません。別の選択範囲を追加し
て、太陽光線が両方の窓から見えるようにします。
1. Toolbar(
[F2])で、[Rectangular Selection]ツールをクリックします。
2. [Paint Controls]パネル(
[F8])で、[Modes]をクリックし、組み合わせモードとして
[Replace]が選択されていることを確認します。
3. 右側の窓を囲む選択範囲を描きます。
Rectangle Selection 2 オブジェクトがアクティブな選択範囲になります。Rectangle Selection 2
オブジェクトは[Replace]モードに設定されているため、[Workspace]パネル内でこのオ
ブジェクトより下位の選択範囲オブジェクトは、このオブジェクトより上位にのオブジェ
クトには影響しません。
ただし、Rectangle Selection 2 より下位の選択範囲は、無効にはなりません。[Workspace]
パネル内で、これらの選択範囲の上位にあり、Rectangle Selection 2 より下位にあるオブ
ジェクトには、引き続き影響します。
4. [Workspace]パネル(
[F3])で、Pasted Image オブジェクトを選択します。
344
Paint の選択範囲の操作 ❚❘❘
5. ビューポート内で、ペーストした鳥の画像をドラッグして、左右の窓の中間に移動します。
鳥は右側の窓からは見えません。鳥の画像が Rectangle Selection 2 オブジェクトより下位に
あるためです。
6. [Workspace]パネル内で、Pasted Image オブジェクトをドラッグして、Rectangle Selection 2
オブジェクトより上位に移動します。
鳥が右側の窓から見えるようになり、左側の窓から見えなくなります。
7. この問題を解決するには、Rectangle Selection 2 オブジェクトの組み合わせモードを[Add]
に変更します。
a) [Workspace]パネルで、Rectangle Selection 2 オブジェクトを選択します。
b) [Paint Controls]パネル(
[F8])で、
[Combine Mode]リストから[Add]を選択します。
2 つの長方形の選択範囲オブジェクトがペースト画像に影響するようになり、両方の窓か
ら鳥が見えるようになります。ただし、太陽光線は左側の窓からしか見えません。これは、
Lens Flare オブジェクトが Rectangle Selection 2(+)オブジェクトより下位にあるためです。
345
10 Paint の選択範囲の操作
8. [Workspace]パネル内で、Lens Flare オブジェクトをドラッグして Rectangle Selection 2(+)
より上位に移動します。
両方の窓から太陽が見えるようになります。レンズ・フレアのアクティブな領域が拡大す
るため、レンズ・フレアの輝度が増加します。
9. レンズ・フレアの強さを調整します。
a) [Workspace]パネルで、Lens Flare オブジェクトを選択します。
b) [Lens Flare Controls]パネルの[Strength]を「40%」に設定します。
窓枠の色を変更する
窓枠の色を変更します。まず、Remove Selection オブジェクトを追加して 2 つの選択範囲を無
効にし、選択範囲の外側をペイントできるようにする必要があります。
1. [Selection]/[Remove Selection]を選択します。
ヒント : [Lasso Selection]ツール、[Rectangular Selection]ツール、または[Elliptical
Selection]ツールをクリックしてからビューポートをクリックするだけでも、Remove
Selection オブジェクトを追加できます。
2. [Workspace]パネルを確認します。
Remove Selection オブジェクトが、[Paint]オペレータ内の最上位オブジェクトとして追加
されます。新しいオブジェクトを Remove Selection オブジェクトより上位に追加した場合、
そのオブジェクトは Remove Selection より下位の選択範囲の影響を受けないため、画像の
任意の場所に描画できます。
Remove Selection オブジェクトは、選択範囲モディファイヤと呼ばれる特殊なオブジェクト
です。詳細は、「選択範囲モディファイヤを使用する」ヒント囲み記事を参照してください。
ヒント : Paint を使って描画したオブジェクトが、既存の選択範囲の影響で表示されないことが
あります。オブジェクトを描画してもビューポートに表示されない場合は、アクティブな選択
範囲が非表示になっていることがあります。
[Window]/[Show Marquee]が無効になってい
ることと、選択範囲が表示可能領域の外側にあることを確認してください。
346
Paint の選択範囲の操作 ❚❘❘
選択範囲モディファイヤを使用する
選択範囲を変更したり無効にしたりするには、選択範囲モディファイヤを[Workspace]パネル
または Timeline に追加します。選択範囲モディファイヤは、ビューポートには表示されません。
また、選択範囲モディファイヤ・オブジェクトを手動で追加すれば、階層上で組み合わせた選
択範囲の効果を制御することができます。次の 6 個のメニュー・コマンドを使って、選択範囲
モディファイヤを作成します。
[Remove Selection]
[Selection]/[Remove Selection]([Ctrl]+[Shift]+[D]/[Command]+[Shift]+[D]
)を
選択すると、[Workspace]パネルまたは Timeline 内で、アクティブな選択範囲がそれより上位
にあるオブジェクトに影響しなくなります。また、Remove Selection オブジェクトは、選択範囲
の内容をペーストするときに、[Workspace]パネルおよび Timeline に自動的に追加されます。
コピーした選択範囲が操作に影響しないようにするためです。
[Fill Selection]
[Selection]/[Fill]([Ctrl]+[Delete]/[Command]+[Delete])を選択すると、アクティブ
な選択範囲が塗りつぶされ、[Workspace]パネルまたは Timeline 内で Fill オブジェクトより下
位にある選択範囲が非表示になります。
[Invert Selection]
[Selections]/[Invert Selection]を選択すると、[Workspace]パネルまたは Timeline のアクティ
ブな選択範囲が反転します。特定の選択範囲を描いた後で[Selection]/[Invert Selection]を選
択すると、選択範囲の外側にある画像がすべて選択されます。また、練習 1 でレンガの壁を選
択した場合と同様に、Modes コントロールを使って現在の選択範囲オブジェクトを反転するこ
ともできます。
[Feather Selection]
[Selection]/[Feather Selection]を選択すると、アクティブな選択範囲にエッジぼかしがかかり
ます。つまり、そこに含まれる効果またはオブジェクトに、エッジぼかしがかかります。エッ
ジぼかしをかける量は、ピクセル単位で指定できます。また、Modes コントロールを使って選
択範囲にエッジぼかしをかけることもできます。
[Expand Selection]
[Selection]/[Expand Selection]を選択すると、指定したピクセル数だけアクティブな選択範囲
が拡大します。
[Contract Selection]
[Selection]/[Contract Selection]を選択すると、指定したピクセル数だけアクティブな選択範
囲が縮小します。
Timeline 内の選択範囲モディファイヤは、影響する選択範囲を変更するために移動したり、完
全に削除したりすることができます。
347
10 Paint の選択範囲の操作
3. 窓枠の色を変更します。
a) Toolbar の[Flood Fill]ツールをクリックします。
b) [Tolerance]を「15%」に設定します。
[Flood Fill]ツールを使うと、類似した色の連続領域が前景色で塗りつぶされます。
[Tolerance]を調整すると、類似色の範囲を変更できます。
c) [Paint Controls]パネル(
[F8])の[Pick Color]ダイアログか[Swatches]パネルを
使って、前景色を濃い茶色に変更します。
d) 窓枠を 1 つずつクリックして、濃い茶色で塗りつぶします。
4. ワークスペースを保存します(
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
348
Paint の選択範囲の操作 ❚❘❘
オブジェクトをアニメートする
クリップにアニメーションを追加します。
1. クリップの開始フレームに鳥を配置します。
a) 最初のフレームに移動します(
[Home])。
b) Toolbar(
[F2])の矢印ツールをクリックします。
c) ビューポートで、鳥の画像を左側の窓のすぐ外側に配置します。
2. すべてのオブジェクトの長さを、クリップの最後まで延長します。
a) [Edit]/[Select All]
([Ctrl]+[A]/[Command]+[A])を使って、すべてのオブ
ジェクトを選択します。
b) 最後のフレームに移動します(
[End])。
c) [.]
(ピリオド・キー)を押して、選択したオブジェクトの長さをクリップの最後まで
延長します。
3. 鳥をアニメートして、窓を横切って飛ぶようにします。
a) [Edit]/[Select None]
([Ctrl]+[D]/[Command]+[D])を選択して、すべてのオ
ブジェクトの選択を解除します。
b) [Animate]
([A])を有効にします。
349
10 Paint の選択範囲の操作
c) 鳥オブジェクトを選択し、右側の窓のすぐ外側に移動します。
4. ビューポートで、鳥のモーション・パスの接線ハンドルを調整し、曲線のパスを作成しま
す。
5. 鳥が飛ぶときのパスと速度を調整します。
a) Timeline(
[F4])で、[Graph]と[Frame All]を順次クリックします。
b) [Pasted Image Transform]カテゴリを表示します。
c) [Speed]チャンネルを有効にします。
d) ビューポート内の速度曲線をドラッグし、キーを追加し、接線ハンドルをドラッグしな
がら、いくつかの速度曲線を試行します。
e) [Rotation]チャンネルをスクラブして、鳥が下方向に飛ぶようにします。
350
Paint の選択範囲の操作 ❚❘❘
6. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
7. クリップを再生します(
[Spacebar])。
8. ワークスペースを保存し、閉じます。
a) ワークスペースを保存します(
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
b) (オプション)QuickTime ムービーとしてクリップをレンダリングします。詳細は、46
ページの「結果のコンポジットをレンダリングする」を参照してください。
c) ワークスペースを閉じます(
[Ctrl]+[W]/[Command]+[W])。
351
10 Paint の選択範囲の操作
覚えておくべきこと
• 選択範囲オブジェクトは、[Workspace]パネル内でそれより上位にある Paint オブジェクト
と効果に影響します。
• 選択範囲オブジェクトは、Paint オブジェクトと同様に、変更および削除できます。矢印
ツールを使うと、選択範囲オブジェクトを移動したり、そのシェイプを変更したりできま
す。
• 選択範囲の組み合わせモードを設定するには、ホット・キーを押しながら選択範囲を描く
か、[Combine Mode]リストからモードを選択します。
• Modes コントロールの[Invert]ボタンを有効にすると、現在の選択範囲が反転します。
[Selection]/[Invert Selection]を選択すると、アクティブな選択範囲(選択範囲オブジェク
トの組み合わせ)が反転します。
• Remove Selection オブジェクトを使うと、[Workspace]パネル内でこのオブジェクトより上
位のオブジェクトに対して、選択範囲の影響が無効になります。Remove Selection オブジェ
クトを追加するには、[Selection]/[Remove Selection]を選択します。
• 選択範囲オブジェクトはアニメートできます。アニメーションを作成するには、クリップ内
のオブジェクトの長さを延長し、特定のフレームでオブジェクトの位置や形を調整します。
• Timeline の[Speed]チャンネルを使うと、モーション・パスに沿ってオブジェクトが移動
するときの速度を調整できます。
352
3D 空間のレイヤのアニメーション
L e s s o n 11
このレッスンでは、3D 空間とアニメー
ション・ツールを使って、イブニング・
ニュース放送のオープニング・シーケンス
を作成します。
353
11 3D 空間のレイヤのアニメーション
概要
レッスン 3 では、2D レイヤから 3D シーンを作成するために、2D レイヤの Z 位置を変更した
りカメラをアニメートしたりしながら、コンポジットに奥行きと動きを与えました。このレッ
スンでは、3D 空間のレイヤの動きを制御します。3D 空間内の複数の座標上に画像を配置した
後、アニメーション・ツールを使ってそれらの画像をさまざまなモーション・パス上に設定し
ます。レイヤのプロパティをアニメートし、テキストをシーンに追加します。
このレッスンの所要時間:60 分
練習:レイヤとオブジェクトをアニメートする
このシーンはいくつかのレイヤから構成されており、これらを 3D 空間内でアニメートしま
す。いくつかのレイヤにアニメーション・テキストを追加して、プロジェクトのトーンを設定
する必要があります。まず、単純なレイヤ変換をアニメートします。次に、いくつかのレイヤ
に Paint オブジェクトとアニメーション・テキストを追加し、レイヤのサーフェス・プロパ
ティを調整して、反射を防止し、フェードイン効果を追加します。最後に、レンズ・フレアを
追加して、プロジェクトを装飾します。
この練習では、以下について学びます。
• 最初の 3 つのレイヤをインポートし、3D 空間内でアニメートします。
• レイヤのいずれかをロックし、常にカメラの方向に向くようにします。
• レイヤのいずれかのアニメーションを[Speed]チャンネルを使って調整します。
• その日のトピックを紹介するテキストを追加してアニメートします。
• 別のフッテージをインポートしてシーンを完成します。
• レイヤのサーフェス・プロパティを変更して、フェードイン効果を作成します。
• サーフェス・パラメータを調整して、反射を防止します。
• レンズ・フレアを追加します。
助けが必要ですか?
この練習を行う上で助けが必要であれば、ワークスペースを保存して閉じてから、
Lesson11.cws ファイルを参考用に開いてください。
354
3D 空間のレイヤのアニメーション ❚❘❘
ワークスペースを設定する
まず、この練習の結果をプレビューします。次に、ブランチを作成し、フッテージをイン
ポートして、コンポジットの作成を開始します。
1. combustion の基本設定を確認します。詳細は、9 ページの「基本設定を設定する」を参照
してください。
2. [File]/[Open Workspace]
([Ctrl]+[Shift]+[O]/[Command]+[Shift]+[O])を
使って、Lesson11 フォルダの Lesson11.cws ファイルを開きます。詳細は、22 ページの
「ワークスペースを開く」を参照してください。
3. この練習の結果をプレビューするために、クリップをビューポートで再生します。詳細は、
30 ページの「ビューポートでコンポジットを再生する」を参照してください。
参考 : リアルタイムでクリップ全体を表示するだけの RAM がない場合には、combustion を最小
化し、Media Player(Windows)または QuickTime(Macintosh)を使って Lesson11.avi を再生
します。詳細は、19 ページの「ムービーを再生する」を参照してください。
このクリップは、TV ニュース放送のオープニング(5 秒)を演出しており、ニュース・
キャスターの名前や番組のトピックを紹介するアニメーション・テキストなどで構成され
ます。
4. [File]/[Close Workspace]
([Ctrl]+[W]/[Command]+[W])を使って、Lesson11.cws
ファイルを閉じます。
5. [File]/[New]
([Ctrl]+[N]/[Command]+[N])を使って、以下のプロパティを持つ
ブランチを作成します。
•[Type]:Composite
•[Name]:Evening News
•[Format]:NTSC DV
355
11 3D 空間のレイヤのアニメーション
•[Duration]:150 フレーム
•[Bit Depth]:8 ビット
•[Background Color]:Black
•[Mode]:3D
6. 4 ビューポートのレイアウトを選択します。
7. ビューポートの表示オプションを設定します。
a) 左上のビューポートを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Top]を選択します。
Top ビューを使えば、その他のビューよりも、Z 位置の変換を簡単に把握できます。
b) 左下のビューポートで右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Perspective]を選択します。
c) 右下のビューポートで右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Fit in Window]を選択しま
す。
右上と右下のビューポートが Camera ビューになります。
ヒント : Camera ビューは、ムービー・セット上のカメラマンの視点になります。Perspective
ビューは、ディレクターの視点になり、すべての物と人を見渡します。
[F8])で、[Settings]をクリックします。
8. [Composite Controls]パネル(
9. [Render Effects]領域の[Shading]と[Reflections]を有効にします。
これらの機能は、このレッスンの後の方で使います。
356
3D 空間のレイヤのアニメーション ❚❘❘
コンポジットを作成する
combustion でコンポジットを作成するには、クリップをインポートし、それを 2D 空間また
は 3D 空間に配置してアニメートします。この練習では、3D 空間で作業します。
1. コンポジットで使う最初の 3 つの画像をインポートします。
a) [File]/[Import Footage]を選択するか、
[Ctrl]+[I]/[Command]+[I]を押しま
す。
b) [Import Footage]ダイアログで、ファイル・ブラウザを使って Lesson11 フォルダを探し
出し、それを開きます。
c) [Thumbnails]をクリックし、
[Collapse]を有効にします。
d) Space フォルダを開き、space[####].png 画像シーケンスをクリックします。
e) Parent フォルダをダブルクリックし、evening news.png 画像と marble.png 画像を[Ctrl]
+ クリック /[Command]+ クリックし、[OK]をクリックするか[Enter]を押します。
4 つのビューポートが次のように表示されます。
2. [Workspace]パネル(
[F3])で、Space0000 レイヤの名前を「Space」に変更します。
3. Perspective ビューを調整して、コンポジットを作成するときにアニメーションが適切に表
示されるようにします。
a) 左下のビューポートをクリックします。
b) Toolbar(
[F2])で、[Perspective Rotate]ツールをスクラブして、3D 空間内でコンポ
ジットを回転します。
357
11 3D 空間のレイヤのアニメーション
c) [Perspective Zoom]ツールをスクラブして、レイヤのすべてのエッジをビューポートに
表示します。
4. カメラの[Field of View]の値を増やします。
a) 最初のフレームに移動します(
[Home])。
b) [Animate]
([A])が無効になっていることを確認します。
c) [Workspace]パネルの[Camera]を選択して、コンポジットの Camera コントロールに
アクセスします。
d) [Composite Controls]パネル(
[F8])で、[Camera]をクリックします。
e) [Stock Lenses]グループの[15mm]をクリックします。
[Field of View]の値が(デフォルト設定の)50.40º から 67.70º に変更されます。Top ビュー
と Perspective ビューにはカメラのアイコンが表示されるため、この変化を簡単に確認でき
ます。
カメラ・オブジェクトは、3D 空間で簡単に操作できます。以下の手順で、カメラの位置を
変更すると、Top ビューポートと Perspective ビューポートでカメラの視点と位置が変化し
ます。
5. カメラの位置を変更します。
a) [Composite Controls]パネルで、
[Transform]をクリックします。
参考 : カメラのデフォルトの X 位置、Y 位置、および Z 位置は、それぞれ「0」
、「0」
、および
「-688.50」です。
b) [X Position]を「-250」に設定します。
c) [Y Position]を「-260」に設定します。
d) [Z Position]を「-750」に設定します。
e) [X Rotation]を「-23」に設定します。
f) [Y Rotation]を「33」に設定します。
358
3D 空間のレイヤのアニメーション ❚❘❘
参考 : この例では、カメラの位置と回転を変更することで、最適な視点を設定しています。ただ
し、レイヤを操作して、同じ結果を得ることもできます。
6. Marble レイヤを配置および拡大縮小した後、そのサーフェス・プロパティを変更して、背
景の反射を作成します。
a) [Workspace]パネルで、Marble レイヤを選択します。
b) [Composite Controls]パネルで、
[Transform]をクリックします。
c) [X Position]を「-175」に、
[Y Position]を「-215」に、[Z Position]を「-325」に、そ
れぞれ設定します。
d) [X Rotation]を「67」に設定します。
e) [X Scale]を「170」に、
[Y Scale]を「120」に、それぞれ設定します。
f) [Surface]をクリックし、
[Reflectivity]を「50%」に設定します。
Marble レイヤが Evening news レイヤ上で反射しています。
7. Evening news レイヤを配置します。
a) [Workspace]パネルで、Evening news レイヤを選択します。
b) [Composite Controls]パネルで、
[Transform]をクリックします。
c) [Y Position]を「290」に、
[Z Position]を 2800 に、それぞれ設定します。
このアニメーションでは、Evening news レイヤが Marble レイヤの背後から視野に入ってく
るようにします。
359
11 3D 空間のレイヤのアニメーション
8. Space レイヤを配置および拡大縮小して、アニメーションの背景として使います。
a) [Workspace]パネルで、Space レイヤを選択します。
b) [Z Position]を「3800」に設定して、ビューポートの Marble レイヤの背後に配置しま
す。
c) [Composite Controls]パネルで、
[Proportional]を有効にし、[Scale]を「910」に設定し
ます。
d) [Layer]をクリックし、
[Options]領域の[Lock Orientation]を有効にします。
[Lock Orientation]によってレイヤがロックされ、常にカメラの方向に向くようになりま
す。ロックされたレイヤは、カメラの視点に対して常に垂直になります。このため、カメ
ラをアニメートするときに、レイヤを回転する必要がなくなります。
9. 変更結果を Perspective ビューで確認します。
a) Toolbar(
[F2])で、[Perspective Rotate]ツールをスクラブして、3D 空間内でコンポ
ジットを回転します。
b) [Perspective Zoom]ツールをスクラブして、レイヤのすべてのエッジがビューポート内
に表示されるようにします。
Space レイヤはロックされているため、常に Marble レイヤの背後に表示されます。
360
3D 空間のレイヤのアニメーション ❚❘❘
レイヤをアニメートする
別のフッテージをインポートする前に、シーン内に配置したレイヤをアニメートします。
1. [Animate]
([A])を有効にします。
2. Marble レイヤをアニメートします。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で、Marble レイヤを選択します。
b) 最後のフレームに移動します(
[End])。
c) [Composite Controls]パネル(
[F8])で、[Transform]をクリックします。
d) [X Position]を「0」に設定します。
参考 : [Position R (Reset)]をクリックしないように注意してください。クリックすると、X、
Y、および Z の値がすべてリセットされます。
3. Evening news レイヤをアニメートします。
a) [Workspace]パネルで、Evening news レイヤを選択します。
b) フレーム 30(
[/])に移動します。
c) [Z Position]を「200」に設定します。
4. 再生終了ポイントを設定します。
a) フレーム 40(
[/])に移動します。
b) [Movie]/[Mark Out Point]
([Shift]+[O])を選択します。
このクリップは、フレーム 1 ∼フレーム 40 が再生されるように設定されます。
5. 結果をプレビューします。
a) 最初のフレームに移動します(
[Home])。
b) 再生コントロールで、再生モード・ボタンを切り替えて[Loop]モードを選択します。
c) 右下のビューポートをクリックします。
d) アニメーションを再生します(
[Spacebar])。
アニメートされたイブニング・ニュースが、大理石の背後から視野に入ってきます。
6. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
361
11 3D 空間のレイヤのアニメーション
7. Evening news レイヤの速度を調整して、段階的に加速されるようにします。
a) Timeline を表示します(
[F4])。
b) [Graph]をクリックします。
c) Timeline リストで、
[Transformation]カテゴリの[Speed]チャンネルをクリックしま
す。
d) [Speed]の横にある正方形のアイコンをクリックして、速度チャンネルを有効にしま
す。
直線は、イブニング・ニュースの画像が一定の速度で動くことを示しています。
e) この曲線を調整するために、次の画像に示すように最上部の接線ハンドルを下方向にド
ラッグします。
8. クリップを再生(
[Spacebar])して、結果を表示します。
イブニング・ニュースの画像は、アニメーションの開始時には遅く、終了に近づくにつれ
て速く再生されます。イブニング・ニュースの画像が大理石の画像上に反射しています。
9. 再生終了ポイントを設定します。
a) 最後のフレームに移動します(
[End])。
362
3D 空間のレイヤのアニメーション ❚❘❘
b) [Movie]/[Mark Out Point]
([Shift]+[O])を選択します。
このクリップは、フレーム 1 ∼フレーム 150 が再生されるように設定されます。
10. ワークスペースを保存します。
a) [Ctrl]+[S]/[Command]+[S]を押して[Save Workspace]ダイアログを開きます。
b) 現在のワークスペースのファイル名とディレクトリを指定し、
[OK]をクリックするか
[Enter]を押します。
Evening news レイヤにテキストを追加する
インポートした画像をすべて配置および拡大縮小し、アニメートしました。次に、シーンの
新しい要素としてテキストを追加してアニメートします。[Paint]オペレータを使って、Paint
オブジェクトとテキスト・オブジェクトを Evening news レイヤに追加します。まず、表示さ
れるテキストのプレースホルダを作成し、次にニュース・キャスターを紹介します。
1. [Animate]を無効にするか[A]を押します。
2. フレーム 45(
[/])に移動します。
3. Evening news レイヤに[Paint]オペレータを追加します。
a) [Workspace]パネルで、Evening news レイヤを選択します。
b) [Operators]パネル(
[F5])で、[Paint]を[Ctrl]+ クリック /[Command]+ クリック
します。
[Workspace]パネルで、[Paint]オペレータが Evening news レイヤに追加されます。
4. [Workspace]パネルで、Paint レイヤをダブルクリックして現在のオペレータにします。
[Paint]オペレータが現在のオペレータになるため、その出力がアクティブなビューポー
ト(右下のビューポート)に表示されます。
5. Evening news レイヤの単語「evening」の下に、Paint オブジェクトを追加します。
a) [Paint Controls]パネル(
[F8])で、
[Modes]をクリックした後、
[Reset]をクリックし
て描画モードをデフォルト設定に戻します。
b) [Swatches]パネルで明るい青色をクリックします。
[Paint Controls]パネルのデフォルトの前景色(白色)が、選択した色に変わります。
c) Toolbar(
[F2])で、[Stroked/Filled Rectangle]ツールをクリックします。
363
11 3D 空間のレイヤのアニメーション
d) 次の画像に示すような長方形を描画します。
6. Filled Rectangle オブジェクトの長さを、クリップの最後まで延長します。
a) 最後のフレームに移動します(
[End])。
b) [.]
(ピリオド・キー)を押します。
7. [Edit]/[Select None]
([Ctrl]+[D]/[Command]+[D])を選択してすべてのオブジェ
クトの選択を解除するか、Toolbar の矢印ツールをクリックします。
8. Text オブジェクトをシーンに追加して、ニュース・キャスターを紹介します。
a) フレーム 45(
[/])に移動します。
b) [Paint Controls]パネル(
[F8])で、[Text]をクリックしてから[Basics]をクリックし
ます。
c) [Basics]コントロールで、
[Font]リストから[Arial Black]を選択し、[Font Size]
フィールドに「80」を入力します。
9. [Paint Controls]パネルで[Attributes]をクリックし、
[Color]を白色に、[Opacity]を
「100%」に、それぞれ設定します。
10.[Text Editor]に単語「with」を入力します。
364
3D 空間のレイヤのアニメーション ❚❘❘
参考 : [Text Editor]内のテキストは、任意のタイミングで編集できます。
[F3])で、Paint オブジェクトの名前を「text」から「with」に変更し
11.[Workspace]パネル(
ます。
12.「with」テキスト・オブジェクトを配置します。
a) [Paint Controls]パネルで、
[Transform]をクリックします。
b) [X Position]フィールドと[Y Position]フィールドをスクラブして、テキスト・オブ
ジェクトを青色の長方形の上に配置します。
13.「with」テキスト・オブジェクトの長さを、クリップの最後まで延長します。
a) 最後のフレームに移動します(
[End])。
b) [.]
(ピリオド・キー)を押します。
c) ワークスペースを保存します(
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
365
11 3D 空間のレイヤのアニメーション
Evening news レイヤに別のテキストを追加する
2 番目のテキスト・オブジェクトを Evening news レイヤに追加し、ニュース・キャスターの名
前を配置します。任意の名前を使ってください。次に、その名前をアニメートして、クリップ
の途中から表示されるようにします。
1. [Edit]/[Select None]
([Ctrl]+[D]/[Command]+[D])を選択して、すべてのオブ
ジェクトの選択を解除します。
2. フレーム 55(
[/])に移動します。
3. [Paint Controls]パネル(
[F8])で、[Text]をクリックします。
4. [Text Editor]に「Jason Hammer」を入力します。
5. Attributes コントロールで薄い青色を選択します。
6. [Workspace]パネルで、作成したオブジェクトの名前を「Jason Hammer」に変更します。
7. Jason Hammer オブジェクトを配置します。
a) [Paint Controls]パネルで、
[Transform]をクリックします。
b) [X Position]フィールドと[Y Position]フィールドをスクラブして、次の画像に示すよ
うにテキスト「Jason Hammer」を最初のテキスト・オブジェクトの横に配置します。
8. Jason Hammer オブジェクトに影を追加します。
a) [Paint Controls]パネルで、
[Text]をクリックしてから[Attributes]をクリックします。
b) [Shadow]をダブルクリックします。
c) 薄い灰色を選択します。
d) [Opacity]を「75%」に設定します。
366
3D 空間のレイヤのアニメーション ❚❘❘
e) [Distance]を「10」に設定します。
f) [Softness]を「3」に設定します。
g) [Direction]を「250º」に設定します。
9. Jason Hammer オブジェクトをアニメートします。
a) [Paint Controls]パネルで、
[Transform]をクリックします。
b) [X Position]を「1000」に設定して、テキスト「Jason Hammer」をイブニング・ニュー
スの右側に移動します。
c) [Animate]
([A])を有効にし、フレーム 75([/])に移動します。
d) [X Position]フィールドを左側にスクラブして、テキスト「Jason Hammer」が最初の位
置に戻ってくるようにします。
e) [Animate]を無効にするか、
[A]を押します。
f) [End]を押して最後のフレームに移動し、
[.](ピリオド・キー)を押して、アニメー
ションの長さをクリップの最後まで延長します。
10. 結果をプレビューします。
a) [Edit]/[Select None]
([Ctrl]+[D]/[Command]+[D])を選択して、すべてのオ
ブジェクトの選択を解除します。
b) 最初のフレームに移動します(
[Home])。
c) Evening News コンポジットをダブルクリックします。
d) アニメーションを再生します(
[Spacebar])。
参考 : リアルタイムでクリップを表示するのに充分な RAM がない場合には、再生コントロール
の右側にある[Display Quality]リストから[Medium]または[Draft]を選択します。ビュー
ポートに表示されるファイルの解像度が下がり、より多くのフレームをキャッシュできるよう
になります。
367
11 3D 空間のレイヤのアニメーション
[Display Quality]リスト
Space レイヤにテキストを追加する
アニメーション・テキスト・オブジェクトを使って、その日のニュースやその他のトピックを
紹介します。ここでは、[Text]オペレータを使います。
1. Space レイヤに[Text]オペレータを追加します。
a) 最初のフレームに移動します(
[Home])。
b) [Workspace]パネル(
[F3])で、Space レイヤを選択します。
c) [Operators]パネル(
[F5])で、[Text]を[Ctrl]+ クリック /[Command]+ クリック
します。
[Workspace]パネルの Space レイヤに、[Text]オペレータが追加されます。
2. [Workspace]パネルで、Text レイヤをダブルクリックして現在のオペレータにします。
3. ズーム・アウト(
[Ctrl]+[-]/[Command]+[-])して、右下のビューポートでフレー
ムを囲む灰色の領域が見えるようにします。
4. テキストのフォントとサイズを設定します。
a) [Text Controls]パネル(
[F8])で、[Text]をクリックしてから[Basics]をクリックし
ます。
b) [Font]リストから[Arial Black]を選択します。
c) [Font Size]フィールドに「45」を入力します。
5. [Text Controls]パネルで、
[Attributes]をクリックし、[Opacity]を「70%」に設定します。
参考 : オブジェクトを作成したときに指定した設定は、それ以降に作成したすべてのオブジェク
トに対して設定されます。テキスト・オブジェクト「with」を作成したときに、白色を選択しま
した。他の色に変更する必要がない限り、その色を再度選択する必要はありません。
6. [Text Editor]に「Weather」を入力します。
7. [Workspace]パネルで、新しいテキスト・オブジェクトの名前を「Weather」に変更しま
す。
368
3D 空間のレイヤのアニメーション ❚❘❘
8. Weather オブジェクトを配置します。
a) [Text Controls]パネルで、
[Transform]をクリックします。
b) [X Position]フィールドと[Y Position]フィールドをスクラブして、次の画像に示す位
置にテキスト・オブジェクトを配置します。
9. Weather オブジェクトをアニメートします。
a) [Animate]
([A])を有効にします。
b) 最後のフレームに移動します(
[End])。
c) [X Position]フィールドと[Y Position]フィールドをスクラブして、次の画像に示す位
置にテキスト・オブジェクトを配置します。
d) [Animate]を無効にするか、
[A]を押します。
e) ビューポート内の任意の場所をクリックして、オブジェクトの選択を解除します。
10. 2 番目のテキスト・オブジェクトを Space レイヤに追加して配置します。
a) 最初のフレームに移動します(
[Home])。
b) [Text Editor]に「Traffic」を入力します。
369
11 3D 空間のレイヤのアニメーション
c) [Workspace]パネルで、新しいテキスト・オブジェクトの名前を「Traffic」に変更しま
す。
d) [Text Controls]パネルで、
[Transform]をクリックします。
e) [X Position]フィールドと[Y Position]フィールドをスクラブして、テキスト・オブ
ジェクトをビューポート中央の右端(Space 画像の外側)に配置します。
11. Traffic オブジェクトをアニメートします。
a) [Animate]
([A])を有効にします。
b) 最後のフレームに移動します(
[End])。
c) [X Position]フィールドと[Y Position]フィールドをスクラブして、テキスト・オブ
ジェクトを中央の最上部に配置します。
d) [Animate]を無効にするか、
[A]を押します。
e) ビューポート内の任意の場所をクリックして、オブジェクトの選択を解除します。
12. 結果をプレビューします。
a) 最初のフレームに移動します(
[Home])。
b) 右上のビューポートでアニメーションを再生すると、Evening News コンポジットが表示
されます。
c) 必要に応じて、テキスト・オブジェクトのモーション・パスをビューポートで調整しま
す。
13.(オプション)手順 10 ∼ 12 を繰り返して「Sports」と「World News」を追加し、これらが
互いに交差するようにアニメートします。いずれかのテキスト・オブジェクトのフォン
ト・サイズを変更します。
参考 : Lesson11.avi ファイルをロードおよび表示して、最終結果のイメージを確認します。
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
14. ワークスペースを保存します(
370
3D 空間のレイヤのアニメーション ❚❘❘
Mideast フッテージをインポートする
Mideast 画像シーケンスをインポートしてアニメートします。レイヤのサーフェス・プロパ
ティをアニメートして、Marble レイヤ上での反射を防止し、フェードイン効果を作成します。
1. フレーム 60(
[/])に移動します。
2. Mideast 画像シーケンスをインポートします。
a) [Workspace]パネルで、Evening News コンポジットを選択します。
b) [File]/[Import Footage]を選択するか、
[Ctrl]+[I]/[Command]+[I]を押しま
す。
c) [Import Footage]ダイアログで、ファイル・ブラウザを使って Lesson11 フォルダを探し
出し、それを開きます。
d) Mideast フォルダを開き、mideast[##].png 画像シーケンスをクリックします。
[Import Footage]ダイアログのフッテージ詳細に、この画像シーケンスが 50 フレームで構
成されていることが表示されます。
e) [OK]をクリックするか、
[Enter]を押します。
3. Mideast00 レイヤの名前を「Mideast」に変更します。
4. Mideast フッテージの長さをクリップの最後まで延長します。
a) [Workspace]パネルで、Mideast レイヤを広げます。
b) [mideast[##] Footage]オペレータを選択します。
c) [Footage Controls]パネル(
[F8])で、[Output]をクリックします。
d) [Time Stretch]領域の[Speed]を「50%」に設定します。
速度を 50% に下げると、画像シーケンスの長さは 2 倍の 100 フレームになります。
371
11 3D 空間のレイヤのアニメーション
5. Mideast レイヤを配置および拡大縮小します。
a) [Workspace]パネルで、Mideast レイヤを選択します。
b) [Composite Controls]パネル(
[F8])で、[Transform]をクリックします。
c) [X Position]を「185」に、
[Y Position]を「-260」に、
[Z Position]を「-260」に、それ
ぞれ設定します。
d) [Proportional]を無効にし、
[X Scale]を「60%」に、[Y Scale]を「60%」に設定しま
す。
6. Mideast のレイヤ・プロパティとサーフェス・プロパティを設定します。
a) [Composite Controls]パネルで[Layer]をクリックします。
b) [Options]領域の[Invisible to Rays]を有効にします。
Mideast レイヤが光線に影響されなくなるため、Marble レイヤ上に反射しなくなります。
c) [Composite Controls]パネルで[Surface]をクリックします。
d) [Luminosity]を「100%」に設定して、レイヤを発光させます。
7. Mideast レイヤの不透明度をアニメートして、フェードイン効果を作成します。
a) Surface コントロールで、
[Opacity]を「0%」に設定します。
b) [Animate]
([A])を有効にします。
c) フレーム 75 に移動し、
[Opacity]を「100%」に設定します。
8. Mideast レイヤの位置をアニメートします。
a) 最後のフレームに移動します(
[End])。
b) [Composite Controls]パネルで、
[Transform]をクリックし、[Y Position]を「100」に
設定します。
c) [Animate]を無効にするか、
[A]を押します。
9. 結果をプレビューします。
a) 最初のフレームに移動します(
[Home])。
b) クリップを再生します(
[Spacebar])。
10. ワークスペースを保存します(
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
372
3D 空間のレイヤのアニメーション ❚❘❘
Traffic フッテージを追加する
Traffic 画像シーケンスをフレーム 90 に追加します。次に、そのサーフェス・プロパティをア
ニメートします。
1. フレーム 90(
[/])に移動します。
2. Traffic 画像シーケンスをインポートします。
a) [Workspace]パネルで、Evening News コンポジットを選択します。
b) [File]/[Import Footage]を選択するか、
[Ctrl]+[I]/[Command]+[I]を押しま
す。
c) [Import Footage]ダイアログで、ファイル・ブラウザを使って Lesson11 フォルダを探し
出し、それを開きます。
d) Traffic フォルダを開き、traffic[####].png 画像シーケンスをクリックし、
[OK]をクリッ
クするか[Enter]を押します。
3. [Workspace]パネルで、Traffic0000 レイヤの名前を「Traffic」に変更します。
4. Traffic レイヤを配置および拡大縮小します。
a) [Composite Controls]パネルで、
[Transform]をクリックします。
b) [X Position]を「185」に、
[Y Position]を「-300」に、
[Z Position]を「-360」に、それ
ぞれ設定します。
c) [X Scale]を「60%」に、
[Y Scale]を「60%」に、それぞれ設定します。
5. Traffic レイヤのプロパティとサーフェス・プロパティを設定します。
a) [Composite Controls]パネルで[Layer]をクリックします。
b) [Options]領域の[Invisible to Rays]を有効にします。
c) [Composite Controls]パネルで[Surface]をクリックします。
d) [Luminosity]を「100%」に設定します。
6. Traffic レイヤの不透明度をアニメートして、フェードイン効果を作成します。
a) Surface コントロールで、
[Opacity]を「0%」に設定します。
b) [Animate]
([A])を有効にします。
c) フレーム 105 に移動し、
[Opacity]を「100%」に設定します。
373
11 3D 空間のレイヤのアニメーション
7. Traffic レイヤの位置をアニメートします。
a) 最後のフレームに移動します(
[End])。
b) [Composite Controls]パネルで、
[Transform]をクリックし、
[Y Position]を「-75」に設
定します。
c) [Animate]を無効にするか、
[A]を押します。
8. 結果をプレビューします。
a) 最初のフレームに移動します(
[Home])。
b) クリップを再生します(
[Spacebar])。
9. ワークスペースを保存します(
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
Weather フッテージを追加する
最後の画像シーケンスを、コンポジットのフレーム 120 に追加します。Mideast および Traffic
レイヤと同じアニメーション効果を作成します。
1. フレーム 120(
[/])に移動します。
2. Weather 画像シーケンスをインポートします。
a) [Workspace]パネルで、Evening News コンポジットを選択します。
b) [File]/[Import Footage]を選択するか、
[Ctrl]+[I]/[Command]+[I]を押しま
す。
c) [Import Footage]ダイアログで Lesson11 フォルダを探し出し、それを開きます。
d) Weather フォルダを開き、weather[####].png 画像シーケンスをクリックし、
[OK]をク
リックするか[Enter]を押します。
3. [Workspace]パネルで、Weather0000 レイヤの名前を「Weather」に変更します。
4. Weather レイヤを配置および拡大縮小します。
a) [Composite Controls]パネルで、
[Transform]をクリックします。
b) [X Position]を「185」に、
[Y Position]を「-345」に、
[Z Position]を「-460」に、それ
ぞれ設定します。
c) [X Scale]を「60%」に、
[Y Scale]を「60%」に、それぞれ設定します。
5. Weather のレイヤ・プロパティとサーフェス・プロパティを設定します。
a) [Composite Controls]パネルで[Layer]をクリックします。
374
3D 空間のレイヤのアニメーション ❚❘❘
b) [Options]領域の[Invisible to Rays]を有効にします。
c) [Composite Controls]パネルで[Surface]をクリックします。
d) [Luminosity]を「100%」に設定します。
6. Weather レイヤの不透明度をアニメートして、フェードイン効果を作成します。
a) Surface コントロールで、
[Opacity]を「0%」に設定します。
b) [Animate]
([A])を有効にします。
c) フレーム 135 に移動し、
[Opacity]を「100%」に設定します。
7. Weather レイヤの位置をアニメートします。
a) 最後のフレームに移動します(
[End])。
b) [Composite Controls]パネルで、
[Transform]をクリックし、[Y Position]を「-200」に
設定します。
c) [Animate]を無効にするか、
[A]を押します。
8. 1 ビューポートのレイアウトを選択します。
9. 結果をプレビューします。
a) 最初のフレームに移動します(
[Home])。
b) [Edit]/[Select None]
([Ctrl]+[D]/[Command]+[D])を使って、このテキスト・
オブジェクトの選択を解除します。
c) [Home]をクリックして、ズーム係数を「100%」に戻します。
d) クリップを再生します(
[Spacebar])。
375
11 3D 空間のレイヤのアニメーション
Space レイヤにレンズ・フレアを追加する
この最後のステップでは、Space レイヤにレンズ・フレアを追加します。
1. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
2. [Workspace]パネル(
[F3])で、Space レイヤを選択します。
3. [Operators]パネル(
[F5])で、
[Stylize]をクリックし、[Lens Flare]を[Ctrl]+ クリッ
ク /[Command]+ クリックします。
4. [Lens Flare Controls]パネルで、
[Strength]を約「18%」に設定します。
5. レンズ・フレアを配置します。
a) [Flare Center Set Position]ボタンをクリックします。
ビューポートで、レンズ・フレアの軸上にターゲットが表示されます。
376
3D 空間のレイヤのアニメーション ❚❘❘
b) 大理石の右側のポイントをクリックします。
ヒント : レンズ・フレアを配置するときは、[Flare Center X]および[Flare Center Y]フィー
ルドに値を入力するか、
[Flare Center]選択ボタンをスクラブすることもできます。
6. レンズ・フレアの軸をアニメートします。
a) [Lens Flare Controls]パネルで、
[Axis Set Position]ボタンをクリックします。
b) ビューポート中央の上側をクリックします。
c) [Animate]
([A])を有効にし、最後のフレーム([End])に移動します。
d) ビューポート中央の左側をクリックして、レンズ・フレアの軸をアニメートします。
377
11 3D 空間のレイヤのアニメーション
e) [Animate]を無効にするか、
[A]を押します。
7. Toolbar(
[F2])の矢印ツールをクリックして、オブジェクトの選択を解除します。
8. 結果をプレビューします。
a) 最初のフレームに移動します(
[Home])。
b) クリップを再生します(
[Spacebar])。
9. ワークスペースを保存し、閉じます。
a) ワークスペースを保存します(
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
b) (オプション)QuickTime ムービーとしてクリップをレンダリングします。詳細は、46
ページの「結果のコンポジットをレンダリングする」を参照してください。
c) ワークスペースを閉じます(
[Ctrl]+[W]/[Command]+[W])。
378
3D 空間のレイヤのアニメーション ❚❘❘
覚えておくべきこと
• コンポジットを作成するときに、4 ビューポートのレイアウトを選択して各ビューポートに
異なるビューを割り当てれば、適用した変更を把握しやすくなります。
• レイヤをロックすると、カメラを移動または回転したりパースペクティブ・ビューを変更し
たりしても、ビュー内のレイヤの方向が固定されます。
• Timeline の[Speed]チャンネルを使うと、モーション・パスに沿ってレイヤが移動すると
きの速度を調整できます。
•[Footage]オペレータの速度を下げると、画像シーケンスの長さが延長されます。
•[Invisible to Rays]を有効にすると、レイヤがコンポジット内の光に影響されなくなります。
• シーン内の光に対するレイヤの相対輝度を変更するには、レイヤの光度を変更します。
• レンズ・フレアをレイヤに追加すると、太陽などの明るいソースがカメラに当たった場合と
同様の効果を作成できます。
379
11 3D 空間のレイヤのアニメーション
380
モーション・グラフィックスの操作
Lesson 12
Academy of Art College の Elisa Stephens 提供
combustion ワークフローの柔軟性を利用
して、シームレスなモーション・グラ
フィックス・プロジェクトを作成します。
フッテージをインポートし、フィルタを適
用して人工的な外観にし、効果的なテキス
ト・アニメーションを組み込みます。強力
な[Particles]オペレータを使って、プロ
ジェクトにきらびやかな雰囲気を与えま
す。
381
12 モーション・グラフィックスの操作
概要
このレッスンでは、モーション・グラフィックスでよく使われるいくつかの操作、および関連
する combustion ワークフローについて紹介します。1 つのクリップにフィルタとオペレータ
をいくつか組み込んで、1 つのタイトル・シーケンスを作成します。combustion では、柔軟な
ワークフローを実現するために、プロジェクト内を移動する方法をいくつか提供しており、
フィルタの適用およびアニメートもいくつかの方法から選択できます。combustion の操作に
習熟するに従って、適切な方法を選択できるようになります。
このレッスンの所要時間:60 分
参考 : モーション・グラフィックスまたは After Effects® を使用している場合は、combustion CD の
チュートリアル「combustion for AE Users」を参照してください。このチュートリアルでは、
combustion および After Effects の操作方法とユーザインタフェースに関する主な違いについて紹
介します。また、このチュートリアルでは、オブジェクトのアニメート、オペレータの追加、およ
びモーション・グラフィックスとコンポジットに関するその他の共通操作について説明します。
練習:複雑なワークスペースを作成し、その構成要
素をアニメートする
モーション・グラフィックス・プロジェクトを作成するために、1 つの画像シーケンスをイン
ポートして複製します。ブラー・オペレータを適用し、複製したレイヤの転送モードを変更し
ます。次に、Timeline 内でレイヤをオフセットし、フッテージに独特なタイミングと人工的な
効果を与えます。次に、[Color Corrector]オペレータを適用して、画像の色相を変更します。
また、マスク・オペレータを適用して、画像の上側が表示されるようにします。最後に、コン
ポジットの下側にテキスト・アニメーションを追加し、パーティクル効果を使って白色へのト
ランジションを作成します。
この練習では、以下について学びます。
• レイヤをインポートして複製します。
• ブラー・オペレータを複製したレイヤに適用します。
• 複製したレイヤの転送モードを変更します。
• Timeline 内でレイヤをスリップして、レイヤの再生をオフセットします。
• コンポジットにカラー補正とマスクを適用します。
•[Text]オペレータを使って、コンポジットにテキストを追加します。
• テキスト・オブジェクトをアニメートし、テキストの属性と描画モードを編集します。
•[Particles]オペレータを追加およびアニメートして、トランジションを作成します。
助けが必要ですか?
この練習を行う上で助けが必要であれば、ワークスペースを保存して閉じてから、Lesson12
フォルダの Lesson12.cws ファイルを参考用に開いてください。
382
モーション・グラフィックスの操作 ❚❘❘
ワークスペースを設定する
まず、この練習の結果をプレビューします。次にブランチを作成して、コンポジットの構築
を始めます。
1. combustion の基本設定を確認します。詳細は、9 ページの「基本設定を設定する」を参照
してください。
2. [File]/[Open Workspace]をクリックするか[Ctrl]+[Shift]+[O]
(Windows)または
[Command]+[Shift]+[O](Macintosh)を押して、Lesson12\ex1 フォルダの
Lesson12_ex1.cws ファイルを開きます。詳細は、22 ページの「ワークスペースを開く」を参
照してください。
3. この練習の結果をプレビューするために、クリップをビューポートで再生します。詳細は、
30 ページの「ビューポートでコンポジットを再生する」を参照してください。
参考 : RAM の容量不足のためにクリップ全体をリアルタイムで再生できない場合は、
combustion を最小化し、Media Player(Windows)または QuickTime (Macintosh)を使って
Lesson12_ex1.avi を再生してください。詳細は、19 ページの「ムービーを再生する」を参照し
てください。
クリップに表示される青色がかった画像には、マスクが適用され、白色の背景とテキス
ト・アニメーションが配置されています。ちらちら光るパーティクル・アニメーションを
使って、白色へのトランジションが実現されています。
Academy of Art College の Elisa Stephens 提供
4. [File]/[Close Workspace]
([Ctrl]+[W]/[Command]+[W])を使って、
Lesson12_ex1.cws ファイルを閉じます。
383
12 モーション・グラフィックスの操作
5. [File]/[New]
([Ctrl]+[N]/[Command]+[N])を使って、以下のプロパティを持つ
ブランチを作成します。
•[Type]:Composite
•[Name]:Artemis
•[Format]:NTSC D1 / Discreet edit NTSC
•[Duration]:150 フレーム
•[Bit Depth]:8 ビット
•[Mode]:2D
6. 1 ビューポートのレイアウトを選択します。
フッテージをインポートして複製する
この練習用の画像には、インポートしたフッテージと、combustion を使って作成された要素
が含まれています。まず、画像シーケンスをコンポジットのレイヤとしてインポートします。
次に、そのレイヤを複製します。
1. 1 つの画像シーケンスをインポートします。
a) [File]/[Import Footage]を選択するか、
[Ctrl]+[I]/[Command]+[I]を押しま
す。
b) [Import Footage]ダイアログで Lesson12 フォルダを探し出し、それを開きます。
c) [Thumbnails]をクリックし、
[Collapse]を有効にします。
d) Walking.[###].png 画像シーケンスをインポートします。
2. クリップを再生します(
[Spacebar])。
クリップに、緑色の照明に照らされた廊下を歩いていく女性が表示されます。
3. 再生の開始 / 終了ポイントを設定します。
a) フレーム 85(
[/])に移動します。
b) [Movie]/[Mark Out Point]
([Shift]+[O])を使います。
クリップのフレーム 1 ∼フレーム 85 が再生されるように設定されます。
c) 最初のフレームに移動します(
[Home])。
ヒント : 再生の開始 / 終了ポイントを設定するときは、再生コントロールの下にある緑色と赤色
のマーカーをスクラブすることもできます。
[A]を押します。
4. [Animate]を無効にするか、
384
モーション・グラフィックスの操作 ❚❘❘
5. [Feedback]を有効にします。
6. [Workspace]パネル(
[F3])で、Walking.001 レイヤを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Duplicate]を選択します。
7. [Workspace]パネルで、レイヤの名前を変更します。
a) Walking.001(2)レイヤの名前を「Walking Blur」に変更します。
b) Walking.001 レイヤの名前を「Walking」に変更します。
Walking Blur レイヤにブラー・オペレータを追加する
画像の外観を柔らかく洗練させるために、Walking Blur レイヤに[Gaussian Blur]オペレータ
を追加し、レイヤの転送モードを変更します。
1. [Workspace]パネル(
[F3])で、Walking Blur レイヤを選択します。
2. [Gaussian Blur]オペレータを[Favorites]カテゴリに追加します。
a) [Operators]パネル(
[F5])で、[Blur/Sharpen]カテゴリを選択します。
b) [Add Favorite]をクリックします。
c) [Gaussian Blur]ボタンをクリックします。
[Gaussian Blur]オペレータが[Favorites]カテゴリに追加されます。
参考 : [Favorites]カテゴリに追加したオペレータは、combustion の設定に保存されます
(ワークスペースには保存されません)。[Favorites]に追加できるオペレータは、最大 28 個で
385
12 モーション・グラフィックスの操作
す。最大数を超えるオペレータを[Favorites]に追加すると、最後に追加されたオペレータが上
書きされます。
3. Walking Blur レイヤに[Gaussian Blur]オペレータを追加します。
a) [Operators]パネルの[Favorites]カテゴリを選択します。
b) [Ctrl]/[Command]を押し、
[Gaussian Blur]をクリックします。
参考 : インストール済みのサードパーティのプラグインは、[Operators]リストのサードパー
ティ固有のカテゴリ内に表示されます。たとえば、お使いのワークステーションに DigiEffects™
の Channel Delay™ がインストールされている場合、そのフィルタは、リストの[Channel]カ
テゴリではなく、
[DE Channel Delay]カテゴリ内に表示されます。
[Radius]を「3」に設定します。
4. [Gaussian Blur Controls]パネルで、
5. [Workspace]パネルで、Walking Blur レイヤを選択します。
6. [Composite Controls]パネルで[Layer]をクリックします。
386
モーション・グラフィックスの操作 ❚❘❘
7. [Transfer Mode]リストから[Screen]を選択します。
レイヤが明るくなります。[Screen]転送モードを選択すると、現在のレイヤのカラー値
が、下にあるレイヤのカラー値と結合されます。その結果、現在のレイヤが下にあるレイ
ヤ上に合成されるときに、そのピクセルが以前より明るくなります。
レイヤの転送モードを変更した結果は、レイヤ・スタック内でそのレイヤの直下にあるレ
イヤとの相互作用によって生成されます。このため、Composite ビューを使って、そのコ
ンポジットのコンテキストで、結果を確認する必要があります。
ヒント : 転送モードを使うと、複数の画像がさまざまな方法で結合され、興味深い結果を生成で
きます。また、処理負荷もほとんどかかりません。
Timeline 内でレイヤをオフセットする
Timeline 内で Walking レイヤをスリップして、Walking レイヤが表示されてから 3 フレーム後
に Walking Blur レイヤが表示されるようにします。
1. Timeline(
[F4])で、[Overview]と[Frame All]をクリックします。
2. 上矢印ボタンをクリックして階層内を上位方向に移動し、Walking Blur レイヤを表示しま
す。
ヒント : [Workspace]パネルで[Composite]オペレータを選択すると、Walking Blur レイヤ
が Timeline 内に表示されます。
3. Walking Blur レイヤと Walking レイヤを折りたたみます。
4. Walking レイヤのバーをクリックして左方向にドラッグし、開始 / 終了ポイントを
[-3, 146]に設定します。
Walking レイヤが、Walking Blur レイヤよりも 3 フレーム前にスリップします。
5. 結果をプレビューします。
a) 再生コントロールの再生モード・ボタンを切り替えて、
[Loop]モードを選択します。
387
12 モーション・グラフィックスの操作
b) アニメーションを再生します(
[Spacebar])。
参考 : クリップが RAM にキャッシュされると、再生速度が最大になります。
[Home])。
6. 最初のフレームに移動します(
7. ワークスペースを保存します(
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
コンポジットにオペレータを追加する
オペレータは、コンポジットに直接追加することができます。コンポジットにオペレータを追
加すると、ネストと同様に、コンポジット内のすべてのレイヤに影響があります。まず、
[Discreet Color Corrector]オペレータをコンポジットに追加します。次に、マスクをコンポジッ
トに追加して、コンポジットの一部を隠します。
1. [Workspace]パネル(
[F3])で、Artemis コンポジットを右クリック /[Ctrl]+ クリック
し、[Add Operator]/[Color Correction]/[Discreet Color Corrector]を選択します。
[Discreet Color Corrector]オペレータがコンポジットに追加され、ブランチの名前が
「Discreet Color Corrector」に変わります。
コンポジットやレイヤにオペレータを追加する方法の詳細は、「オペレータの追加」ヒント
囲み記事を参照してください。
2. [Workspace]パネルで[Discreet Color Corrector]オペレータをダブルクリックして、その
オペレータおよび対応する出力をビューポートに表示します。
3. [Color Correction Controls]パネル(
[F8])で、
[Color]をクリックして Color コントロール
を表示します。
4. [Master]をクリックして、Master 色調範囲コントロールを表示します。
388
モーション・グラフィックスの操作 ❚❘❘
5. カラー・ホィールを使って、画像の色相を調整します。
a) カラー・ホィールの中心にある小さな正方形(黒色)をクリックし、青色の色相の方向
にドラッグして[Hue Tint]の値を約「226」に設定します。
b) [Strength]を約「85」に設定します。
参考 : カラー・ホィール線の端に表示されている大文字「M」は、[Master]の設定であること
を示しています。同様に、[Shadows]に対する調整は小文字「s」で、[Midtones]に対する調
整は小文字「m」で、[Highlights]に対する調整は「s」で、それぞれ示されます。
画像が青みがかった色になります。[Hue Tint]の値によって追加する色が決まり、
[Strength]の値によって選択した色の使用量が決まります。純粋な赤色は、カラー・
ホィールの色相の 0 度に対応します。カラー・ホィールの中心では、強さが 0 になります。
カラー・ホィールの端に近づくにつれて強さが増し、選択した色が画像により多く追加さ
れます。
オペレータの追加
柔軟なワークフローを実現できるように、コンポジット、レイヤ、または別のオペレータにオペ
レータを追加する方法が、いくつか用意されています。
•[Workspace]パネルまたは Schematic ビューで特定のコンポジット、レイヤ、または別のオペ
レータを選択し、[Operators]パネルで目的のオペレータ・カテゴリを選択し、カテゴリ内で
目的のオペレータをクリックします。
この方法は、特定のレイヤまたはコンポジットにいくつかのオペレータをすばやく追加したいと
きに使います。
•[Workspace]パネルまたは Schematic ビューで特定のオペレータを右クリック /[Ctrl]+ ク
リックし、[Add Operator]を選択します。
•[Workspace]パネルで特定のレイヤを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、[Operators]を選択
します。
•[Workspace]パネルまたは Schematic ビューで特定のオペレータを選択し、画面最上部のメ
ニューから[Operators]を選択します。
ワークスペースにオペレータを追加する方法の詳細は、combustion ユーザーズガイドの第 4 章
「ワークスペースを作成する」を参照してください。
389
12 モーション・グラフィックスの操作
6. [Workspace]パネルで、
[Discreet Color Corrector]オペレータを右クリック /[Ctrl]+ ク
リックし、[Add Operator]/[Mask]/[Rectangular Mask]を選択します。
7. [Workspace]パネルで、
[Rectangular Mask]オペレータをダブルクリックします。
デフォルトの長方形マスク・オブジェクトが、ビューポートの中央に表示されます。
[Modes]パネルの[Invert]が無効になっていることを確認します。
8. 長方形マスクを拡大縮小および配置します。
a) [Mask Controls]パネル(
[F8])で、[Transform]をクリックし、[Proportional]を無効
にします。
b) [X Scale]フィールドをスクラブして、フレームの左右の境界線を少し越える位置まで、
マスクを横に拡張します。
c) [Y Scale]を「140%」に設定します。
d) [Y Position]を「160」に設定します。
9. ワークスペースを保存します(
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
390
モーション・グラフィックスの操作 ❚❘❘
コンポジットの背景色を変更する
マスクによってコンポジット内に透明な領域が作成されるため、コンポジットのデフォルト
の背景色(黒色)が表示されます。コンポジットの設定で、背景色を黒色から白色に変更しま
す。
1. [Workspace]パネル(
[F3])で、Artemis コンポジットを選択します。
2. [Composite Controls]パネル(
[F8])で、[Output]をクリックします。
3. [BG Color]ボックスをクリックします。
4. [Pick Color]ダイアログで白色を選択し、
[OK]をクリックするか[Enter]を押します。
ヒント : [Color Bar]スライダを一番上までドラッグすると、白色を選択できます。
[Spacebar])。
5. アニメーションを再生します(
[Screen]転送モード、ブラー、およびタイミング・オフセットによって、フッテージに
「幽霊のような」効果が与えられます。
391
12 モーション・グラフィックスの操作
コンポジットにテキストを追加する
[Text]オペレータを使って、タイトル・テキストを追加してアニメートします。テキスト・オ
ブジェクトの作成とアニメーションが完了すると、任意のタイミングでこのオブジェクトを編
集できます。たとえば、オブジェクトのテキスト、フォント、フォント属性などを変更できま
す。また、既存のテキスト・ブロックに新しい文字を追加することもできます。
1. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
2. [Workspace]パネル(
[F3])で、
[Rectangular Mask]オペレータを右クリック /[Ctrl]+ ク
リックし、[Add Operator ]/[Text]を選択します。
[Text]オペレータが[Rectangular Mask]オペレータの上のブランチに追加され、ブランチ
の名前が「Text」に変わります。
参考 : [Text]オペレータは、マスクによってテキストが隠されないように、
[Workspace]パ
ネル内で[Mask]オペレータより上に配置してください。
3. [Workspace]パネルで、Text レイヤをダブルクリックして現在のオペレータにします。
4. [Text Editor]に「[ARTEMIS]」を入力します。
テキストがビューポートと[Text Editor]に表示されます。
5. [Workspace]パネルで、テキスト・オブジェクトの名前を「Artemis Text」に変更します。
テキストの色、位置、およびフォントを設定する
Attributes コントロールを使ってテキストの色を変更し、Basics コントロールを使ってテキス
トの整列とフォントの変更を行います。次に、ビューポート内でテキストを配置します。
392
モーション・グラフィックスの操作 ❚❘❘
1. [Text Controls]パネル(
[F8])で、[Text]をクリックしてから[Attributes]をクリックし
ます。
2. Artemis Text オブジェクトの色を設定します。
a) [Color]ボックスをクリックします。
b) [Red]値を「52%」に、
[Green]値を「75%」に、[Blue]値を「100%」にそれぞれ設
定し、[OK]をクリックするか[Enter]を押します。
テキストが青色になります。
3. [Text Controls]パネルで、
[Basics]をクリックします。
4. [Align]を[Center]に設定します。
5. [Font Browser]ダイアログからフォントを選択します。
a) [Text Controls]パネルで、
[Font]をクリックします。
393
12 モーション・グラフィックスの操作
b) [Font Browser]ダイアログを移動して、ビューポートに目的の画像とフォント・タイプ
を表示します。
c) [Preview]を有効にします。
参考 : [Font Browser]に、お使いのワークステーションにインストールされているフォントが
表示されます。デフォルトのフォントが、常にリストの最初に表示されます。
d) 目的のフォントのサムネイルをクリックして、フォントを選択します。
[Preview]が有効になっているため、
[Font Browser]ダイアログで選択したフォントが
ビューポートに表示されます。
e) [OK]をクリックするか、
[Enter]を押します。
参考 : また、[Text Controls]パネルでは、フォントのタイプとスタイルも選択できます。
[Font Size]を約「50」に設定します(選択したフォントに応じ
6. [Text Controls]パネルで、
て調整してください)。
394
モーション・グラフィックスの操作 ❚❘❘
7. テキスト・オブジェクトをドラッグして、ビューポート下側の中央に配置します。
ヒント : テキスト・オブジェクトを拡大縮小および配置するには、ビューポートでオブジェクト
の境界ボックスとコントロール・ポイントをドラッグします。この場合、テキスト・オブジェク
トが拡大縮小されるだけで、[Font Size]フィールドのフォント・サイズは更新されません。
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
8. ワークスペースを保存します(
テキスト・オブジェクトをアニメートする
テキストの属性を編集して、アニメーション・タイトルを作成します。テキスト・オブジェク
トのトラッキング、不透明度、およびソフトネスをアニメートし、洗練されたフェードイン
効果を実現します。
1. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
2. [Window]/[Show Safe Zones]
([’])を使います。
参考 : テキストが[Action Safe]ゾーンまたは[Title Safe]ゾーンからはみ出さないように注意
してください。
([A])を有効にします。
3. [Animate]
395
12 モーション・グラフィックスの操作
4. テキスト・オブジェクトのトラッキングをアニメートします。
a) Basics コントロールで[Tracking]を「6」に設定します。
b) フレーム 50(
[/])に移動し、[Tracking]を約「36」に設定します(選択したフォント
に応じて調整してください)。
5. テキスト・オブジェクトの不透明度をアニメートします。
a) [Text Controls]パネルで、
[Attributes]をクリックします。
[Face]属性がデフォルトで、有効になり選択されています。このため、テキスト・オブ
ジェクトの不透明度、ソフトネス、塗りつぶしの各属性を調整できます。
b) 最初のフレーム(
[Home])に移動し、[Opacity]を「0」に設定します。
c) フレーム 20(
[/])に移動し、[Opacity]を「100」に設定します。
d) フレーム 75(
[/])に移動し、[Opacity]を「100」に設定します。
e) フレーム 100(
[/])に移動し、[Opacity]を「0」に設定します。
参考 : また、Timeline でキーフレームの補間(Linear など)を設定することもできます。
6. テキスト・オブジェクトのソフトネスをアニメートします。
a) 最初のフレーム(
[Home])に移動し、[Softness]を「20」に設定します。
b) フレーム 35(
[/])に移動し、[Softness]を「0」に設定します。
c) フレーム 75(
[/])に移動し、[Softness]を「0」に設定します。
d) フレーム 100(
[/])に移動し、[Softness]を「20」に設定します。
7. 結果をプレビューします。
a) ビューポートの灰色の領域をクリックして、テキスト・オブジェクトの選択を解除しま
す。
396
モーション・グラフィックスの操作 ❚❘❘
b) フレーム 100 で、
[Movie]/[Mark Out Point]([Shift]+[O])を使います。
このクリップは、フレーム 1 ∼フレーム 100 が再生されます。
c) クリップを再生(
[Spacebar])してアニメーションを表示します。
ヒント : リアルタイムでクリップを再生するだけの RAM がない場合には、表示画質を下げてく
ださい。
テキスト・オブジェクトのトラッキングは、フレーム 50 まで行われ、そこで停止します。
テキスト・オブジェクトのフレーム 1 ∼ 100 の不透明度とソフトネスは、設定に従って増
減します。
8. ワークスペースを保存します(
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
テキスト・オブジェクトのトラッキングを改善する
Timeline 内でトラッキング・アニメーション曲線を調整して、テキストのトラッキング・アニ
メーションの傾きをゆるやかにします。
1. [Animate]を無効にするか、
[A]を押します。
2. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
3. [Workspace]パネル(
[F3])で、Artemis Text オブジェクトを選択します。
4. Timeline(
[F4])で、[Transform]カテゴリを折りたたみ、[Basics]カテゴリを広げます。
5. [Basics]カテゴリの[Tracking]を選択します。
6. [Graph]を有効にします。
Timeline に、フレーム 0 から始まってフレーム 50 で終わるトラッキング曲線が表示されま
す。
397
12 モーション・グラフィックスの操作
7. アニメーションの変化をゆるやかにします。
a) キーフレーム 1 のコントロール・ポイントを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Ease
Out]を選択します。
b) キーフレーム 50 のコントロール・ポイントを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Ease
In]を選択します。
参考 : また、接線ハンドルを手動でドラッグして、曲線を変形することもできます。
8. 結果をプレビューします。
a) ビューポートの灰色の領域をクリックして、テキスト・オブジェクトの選択を解除しま
す。
b) クリップを再生します(
[Spacebar])。
398
モーション・グラフィックスの操作 ❚❘❘
コンポジットに別のテキストを追加する
2 番目の[Text]オペレータを追加して、コンポジットのタイトルを補足するタグ行を作成し
ます。
1. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
2. 2 番目のテキスト・オブジェクトをコンポジットに追加します。
a) Toolbar(
[F2])で、[Text]ツールをクリックします。
b) ビューポートで、画像の幅よりも広い大きなボックスを描画します。
ビューポートのテキスト・オブジェクト内でカーソルが点滅します。
c) 「the hunt begins」と入力します。
[Workspace]パネルで、[Text]オペレータの Artemis Text オブジェクトの上に、テキス
ト・オブジェクトが追加されます。
d) [Workspace]パネル(
[F3])で、テキスト・オブジェクトの名前を「Hunt Text」に変更
します。
3. Hunt Text オブジェクトの色を設定します。
a) [Text Controls]パネル(
[F8])で、
[Text]をクリックしてから[Attributes]をクリック
します。
b) [Color]ボックスをクリックします。
c) [Red]値を「52%」に、
[Green]値を「75%」に、[Blue]値を「100%」にそれぞれ設
定し、[OK]をクリックするか[Enter]を押します。
4. [Text Controls]パネルで、
[Basics]をクリックします。
5. [Font]リストから、たとえば重量感のある Sans Serif フォントを選択します。
399
12 モーション・グラフィックスの操作
6. 次の画像を参考にしながら、テキスト・オブジェクトを配置および拡大縮小します。
a) [Text Controls]パネルで、
[Transform]をクリックします。
b) [Y Position]フィールドをスクラブして、テキスト・オブジェクトの上部を青色の画像
に重ねます。
c) [X Position]フィールドをスクラブして、テキスト・オブジェクトを X 軸の中央に配置
します。
d) [Proportional]を有効にします。
e) 次の画像を参考にしながら、
[Y Scale]または[X Scale]フィールドをスクラブしてテ
キストを拡大します。
7. テキストのチャンネルと描画モードを設定します。
a) [Text Controls]パネルで、
[Modes]をクリックします。
b) [Opacity]が「100%」に設定されていることを確認します。
400
モーション・グラフィックスの操作 ❚❘❘
c) [Channels]リストから[Alpha]を選択します。
d) アルファ・チャンネルの色が白色に設定されていることを確認します。前景色のボック
スが灰色の場合は、ボックスをクリックし、[Pick Color]ダイアログのバーを右方向
(白色)にドラッグします。
テキスト・オブジェクト内に、廊下の画像が見えるようになります。これは、コンポジッ
ト内のマスクのアルファ・チャンネル(透明部分)に、テキスト・オブジェクトのアル
ファ・チャンネルが追加されたためです。
e) [Workspace]パネル(
[F3])で、Hunt Text オブジェクトを複製します。
f) 複製されたテキスト・オブジェクトの名前を「Hunt Text Mode」に変更します。
複製されたテキスト・オブジェクトのチャンネルは、デフォルトで[RGBA]に設定され
ています。
g) 描画モードを[Dodge Midtones]に設定します。
[Dodge Midtones]描画モードを選択すると、下にあるレイヤ(廊下の画像)の可視部分の
中間レベルが明るくなります。Hunt Text のアルファ・チャンネルが存在しないため、マス
ク内のテキストの可視部分だけに画像が表示されます。
401
12 モーション・グラフィックスの操作
参考 : [Modes]パネルの前景色ボックスを使って、テキストの色を設定できます。これは、
[Text Attributes]パネルで色を設定する場合と同じ結果になります。
8. テキスト・オブジェクトのアウトラインを設定します。
a) [Text Controls]パネルで、
[Text]をクリックしてから[Attributes]をクリックします。
b) [Outline]ボタン上の灰色のボックスをクリックするか[Outline]ボタンをダブルク
リックして、テキストのアウトラインを有効にします。
c) テキスト・アウトラインの[Size]フィールドを「2」に設定します。
テキスト・オブジェクトのアウトラインの幅が 2 ポイントになります。
テキスト・オブジェクトを右から左にアニメートする
テキスト・オブジェクトがビューポート内を右から左に移動するようにします。テキスト効果
は 2 つのオブジェクト(アルファ用と描画モード用のテキスト・オブジェクト)から構成され
ているため、Hunt Text オブジェクトをグループ化し、そのテキスト・クロールを手動で作成
します。
1. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
2. [Workspace]パネル(
[F3])で、[Hunt Text]と[Hunt Text Mode]を[Shift]+ クリック
します。
3. [Ctrl]+[G]/[Command]+[G]を押して、テキスト・オブジェクトをグループ化しま
す。
4. [Animate]
([A])を有効にします。
5. テキストをアニメートします。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で、[Group]を選択します。
b) [Text Controls]パネル(
[F8])で、[Transform]をクリックします。
402
モーション・グラフィックスの操作 ❚❘❘
c) [X Position]フィールドをスクラブして、テキストを画像の右側に移動します。
d) フレーム 10(
[/])に移動します。
e) Timeline(
[F4])で、Group テキストの[Transform]カテゴリを選択します。
f) Timeline で[Add Key]をクリックします。
キーフレームがフレーム 10 に追加されます。
g) フレーム 125(
[/])に移動します。
403
12 モーション・グラフィックスの操作
h) [Text Controls]パネル(
[F8])で[Transform]をクリックし、[X Position]フィールド
をスクラブしてテキストを画像の左側に移動します。
6. [Animate]を無効にするか、
[A]を押します。
7. 結果をプレビューします。
a) ビューポートの灰色の領域をクリックして、テキスト・オブジェクトの選択を解除しま
す。
b) フレーム 125 で、
[Movie]/[Mark Out Point]([Shift]+[O])を使います。
このクリップは、フレーム 1 ∼フレーム 125 が再生されます。
c) クリップを再生します(
[Spacebar])。
「Artemis」タイトル・テキストがフェードインしながら、
「the hunt begins」テキストが右か
ら左に移動します。「the hunt begins」テキストがビューの左端に消えていくにつれて、タ
イトル・テキストがフェードアウトします。画像が「the hunt begins」テキストを通して表
示されます。
8. ワークスペースを保存します(
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
404
モーション・グラフィックスの操作 ❚❘❘
[Particles]オペレータをブランチに追加する
[Particles]オペレータを使えば、事実上あらゆる種類のパーティクル効果とデザイン効果を実
現できます。パーティクル・エミッタのプリセット・ライブラリを利用したり、それらをカス
タマイズしたりできます。また、オペレータやインポートしたビットマップに基づいて、独
自のエミッタを作成することもできます。ここでは、事前に定義されたパーティクル・エミッ
タをアニメートして、クリップの最後でトランジションを作成します。
1. フレーム 115(
[/])に移動します。
2. [Workspace]パネル(
[F3])で、[Text]オペレータを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Add Operator]/[Particles]を選択します。
3. [Workspace]パネルで、
[Particles]オペレータをダブルクリックします。
[Particles]オペレータが現在のオペレータになります。[Particles]オペレータが表示され
ると、ビューのモードが[OpenGL]に自動的に切り替わります。
参考 : [Particles]オペレータの性能は、お使いのシステムに搭載されているビデオ・カードの
種類に依存します。詳細は、combustion ユーザーズガイドを参照してください。
[F8])で、[Particles Preview]パネルの[Enable Preview]をク
4. [Particle Controls]パネル(
リックします。
5. [Library]リストを Demo Group 3 フォルダまでスクロールし、Transport 03 エミッタを選択
します。
デフォルトのエミッタ・ライブラリを利用できない場合は、次の手順に進んでください。
デフォルトのエミッタ・ライブラリを利用できる場合は、手順 7 に進んでください。
405
12 モーション・グラフィックスの操作
Transport 03 エミッタが[Particles Preview]パネルで再生されます。
参考 : [Library]リスト内の特定のエミッタを選択しても、プレビュー内で再生されるだけ、
[Workspace]パネルには自動的に追加されません。
6. デフォルトのエミッタ・ライブラリをロードします。
a) [Particles Controls]パネルで、
[Load Library]をクリックします。
b) [Load Emitter Library]ダイアログで、
[Particles Libraries]フォルダをダブルクリックし、
default.elc サムネイルをダブルクリックします。
参考 : [Particles Controls]パネルのメニュー・ボタンをクリックし、ライブラリ・リストから
エミッタ・ライブラリを選択することもできます。
[F2])で、[Add Area Emitter]ツールをクリックします。
7. Toolbar(
8. ビューポートで、マスクされた画像の左上端にカーソルを置き、その画像と同じサイズの
長方形を描画します。
406
モーション・グラフィックスの操作 ❚❘❘
9. [Particle Controls]パネルで、
[Emitter]をクリックします。
10.[At Points]を無効にします。
[At Points]放出オプションを無効にすると、エミッタのシェイプ全体からパーティクルが
放出されます。
参考 : [At Points]を有効にすると、エミッタ上のさまざまなポイントからパーティクルが放出
されます。ただし、ポイント・エミッタでは[At Points ]は選択できません。ポイント・エミッ
タは、特定のポイントから放出されるように定義されているためです。
11. 結果をプレビューします。
a) フレーム 105(
[/])に移動します。
b) [Movie]/[Mark In Point]
([Shift]+[I])を使います。
c) フレーム 150(
[/])に移動します。
d) [Movie]/[Mark Out Point]
([Shift]+[O])を使います。
e) クリップを再生します(
[Spacebar])。
パーティクル効果によって領域が塗りつぶされますが、フレーム 150 で完全な白色になっ
ていません。
407
12 モーション・グラフィックスの操作
[Particles]オペレータの編集
特定のパーティクル・タイプの Transport エミッタについて、[Number]および[Size]プロパ
ティをアニメートします。これにより、「lines」パーティクルの個数とサイズが増えるため、
フレーム 145 で画面が完全に白色になります。
1. フレーム 115(
[/])に移動します。
2. [Animate]
([A])を有効にします。
3. [Workspace]パネル(
[F3])で、Transport 03 オブジェクトを広げます。
Transport 03 エミッタには、「sparkles」パーティクル・タイプと「lines」パーティクル・タ
イプがあります。
4. 「lines」パーティクル・タイプを選択します。
[Particles Preview]パネルには、選択したパーティクル・タイプだけが表示されます。
「sparkles」パーティクル・タイプは表示されません。
参考 : [Particles Preview]パネルでまだエミッタ全体が再生される場合は、
[Particles Preview]
メニューをクリックし、
[Show Particle Types]を有効にします。
[Behavior]をクリックします。
5. [Particle Controls]パネルで、
408
モーション・グラフィックスの操作 ❚❘❘
6. パーティクルの行とそのサイズをアニメートします。
a) Behavior コントロールで、
[Number]フィールド(基本)を「60」に設定します。
b) [Size]フィールド(基本)を「28」に設定します。
c) フレーム 145(
[/])に移動し、[Number]フィールド(基本)を「82」に、[Size]
フィールド(基本)を「74」に、それぞれ設定します。
パーティクルによって、領域が白色で塗りつぶされます。
7. クリップを再生(
[Spacebar])して結果を表示します。
クリップ終了(フレーム 150)の直前で、画像が完全に白色になります。
8. ワークスペースを保存し、閉じます。
a) ワークスペースを保存します(
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
b) (オプション)QuickTime ムービーとしてクリップをレンダリングします。詳細は、46
ページの「結果のコンポジットをレンダリングする」を参照してください。
c) ワークスペースを閉じます(
[Ctrl]+[W]/[Command]+[W])。
409
12 モーション・グラフィックスの操作
覚えておくべきこと
•[Operators]パネルの[Favorites]カテゴリを使うと、「お気に入り」のオペレータ・リスト
(最大 28 個)を作成できます。このオペレータ・リストは、プロジェクト内で使用
いオペレータを利用するときに使います。
度の高
• 転送モードを使うと、興味深い方法で画像を結合でき、処理負荷もほとんどかかりません。
• オペレータは通常、コンポジット内の特定のレイヤに適用します。ただし、コンポジットの
レイヤ・スタックの最上位にオペレータを適用すれば、コンポジット全体に影響を与えるこ
とができます。この方法を使えば、多くの場合、レイヤをネストする必要がありません。
• マスクを使うと、コンポジット内の画像の一部だけが表示されます。
•[Text]オペレータにテキストを追加するには、[Text Editor]から入力するか、ビューポート
から直接入力します。
• テキスト・オブジェクトの作成とアニメーションが完了したら、任意のタイミングでこのオ
ブジェクトを編集できます。たとえば、オブジェクトのテキスト、フォント、フォント属性
などを変更したり、既存のテキスト・ブロックに新しい文字を追加したりできます。
• Font Browser を使うと、ビューポートまたはブラウザのサムネイルで、さまざまなフォント
をプレビューできます。
• Timeline のメニュー・オプションにある[Ease In]、[Ease Out]、または[Ease Both](右ク
リック /[Ctrl]+ クリック)を使うと、特定のキーフレームでアニメーション曲線の接線が
ゆるやかになるため、アニメーションを簡単にスムーズにできます。
• プリセットされたパーティクル・システムは、そのまま利用したり変更したりできます。ま
た、独自のエミッタを作成することもできます。
• パーティクルのプレビュー機能を使うと、既存のライブラリに登録されているパーティク
ル・タイプの表示を確認してから、ワークスペースに追加することができます。
410
3ds max のシーンの使用
Lesson 13
3ds max では、シーンをリッチ・ピクセ
ル・フッテージとしてレンダリングできま
す。このフッテージを combustion にイン
ポートすると、レンダリング・シーン内の
オブジェクトのテクスチャを置換できま
す。また、個々のオブジェクトに効果を適
用したり、レンダリング・シーンの 3D 空
間内にビデオ・フッテージをコンポジット
したりすることもできます。
411
13 3ds max のシーンの使用
概要
combustion のワークスペースは、3ds max のマテリアル・マップ、置換マップ、または環境
マップとして使えます。
combustion マップを使えば、コンポジットや Paint ブランチをマテリアル内に含め、そのマテ
リアルを 3ds max シーン内の特定のオブジェクトに適用することができます。そのマップは、
3ds max で操作する場合と同じように、combustion でも編集できます。このため、マップの
変更をシーンのオブジェクトにすぐに反映できます。
リッチ・ピクセル・ファイル(RPF または RLA)フォーマットでレンダリングされた 3ds
max シーンは、combustion にインポートできます。インポートされたリッチ・ピクセル・レ
ンダリングは、コンポジットの構成要素の 1 つになります。
3ds max シーンの屈折やシャドウなどの要素は、コンポジットの画像ファイルとして個別にレ
ンダリングして、combustion ワークスペース・ファイルを生成することができます。
練習 1 では、レンダリング・シーン内のオブジェクトに効果を追加します。たとえば、オブ
ジェクト上のマップを置換します。練習 2 では、ビデオ・フッテージをレンダリング・シーン
内にコンポジットします。
参考 : 3ds max は Windows システム上でしか実行できませんが、3ds max から生成された
combustion ワークスペースは、Macintosh システム上でも使えます。
このレッスンの所要時間:90 分
練習 1:単一レイヤの 3D シーンを操作する
1 つのリッチ・ピクセル・レンダリングを、コンポジット内の単一レイヤとしてインポートし
ます。このリッチ・ピクセル・レンダリングは、2 脚の椅子の前にテレビがあるシーンを表現
しています。次に、テレビ画面上のテスト・パターンを以前のレッスンで作成したフッテージ
で置換し、テレビ・ケースの色を調整して濃くします。
この練習では、以下について学びます。
• 3ds max でレンダリングされたリッチ・ピクセル・フッテージを、単一レイヤとしてイン
ポートします。
• RPF フッテージのデータ・チャンネルを検証します。RPF フッテージとビデオ・フッテージ
の違いは、このデータ・チャンネルにあります。
• レンダリング・シーン内の特定オブジェクト上のテクスチャ・マップを、以前のレッスンで
作成したフッテージで置換します。
• レンダリング・シーン内のオブジェクトにオペレータを適用します。
助けが必要ですか?
この練習を行う上で助けが必要であれば、ワークスペースを保存して閉じてから、
Lesson13_ex1.cws ワークスペースを参考用に開いてください。
412
3ds max のシーンの使用 ❚❘❘
ワークスペースを設定する
まず、この練習の結果をプレビューします。次にブランチを作成して、コンポジットの構築
を始めます。
1. combustion の基本設定を確認します。詳細は、9 ページの「基本設定を設定する」を参照
してください。
2. [File]/[Open Workspace]をクリックするか[Ctrl]+[Shift]+[O]
(Windows)または
[Command]+[Shift]+[O](Macintosh)を押して、Lesson13\ex1 フォルダの
Lesson13_ex1.cws ファイルを開きます。詳細は、22 ページの「ワークスペースを開く」を参
照してください。
3. この練習の結果をプレビューするために、クリップをビューポートで再生します。詳細は、
30 ページの「ビューポートでコンポジットを再生する」を参照してください。
参考 : リアルタイムでクリップ全体を表示するだけの RAM がない場合には、combustion を最小
化し、Media Player(Windows)または QuickTime(Macintosh)を使って Lesson13_ex1.avi を
再生します。詳細は、19 ページの「ムービーを再生する」を参照してください。
このクリップには、テレビの前に 2 脚の椅子がある部屋が表示されます。レッスン 4 で作
成した結果のクリップの 1 つが、テレビ画面上に表示されています。
4. [File]/[Close Workspace]
([Ctrl]+[W]/[Command]+[W])を使って
Lesson13_ex1.cws ファイルを閉じます。
5. [File]/[New]
([Ctrl]+[N]/[Command]+[N])を使って[New]ダイアログを開
き、以下のプロパティを持つブランチを作成します。
•[Type]:Composite
•[Name]:TV Scene
•[Format]:NTSC
413
13 3ds max のシーンの使用
•[Duration]:30 フレーム
•[Bit Depth]:8 ビット
•[Mode]:3D
6. 1 ビューポートのレイアウトを選択します。
テレビの RPF フッテージをインポートする
この練習用のファイルは、3ds max で RPF ファイルとしてレンダリングされています。この
フォーマットには、Z Depth、Object ID、UV Coordinates といった追加のデータ・チャンネル
を、数多く含めることができます。RPF 画像シーケンスを単一レイヤとしてコンポジットに
インポートします。
1. RPF 画像シーケンスをインポートします。
a) [File]/[Import Footage]
([Ctrl]+[I]/[Command]+[I])を使って、Lesson13\ex1
フォルダを開きます。
b) [Thumbnails]をクリックし、
[Collapse]をオンにします。
c) TV[####].rpf サムネイルをスクラブして、クリップをプレビューします。
d) [OK]をクリックするか、
[Enter]を押します。
[Import Options]ダイアログが表示されます。このダイアログには、26 個のレイヤから構
成されたテレビ画像シーケンスが表示されます。つまり、このレンダリング・シーンには、
26 個のオブジェクトが含まれています。
414
3ds max のシーンの使用 ❚❘❘
2. [Merged Image]をクリックした後、
[OK]をクリックするか[Enter]を押して、フッテー
ジを単一レイヤとしてインポートします。
ビューポートに、テレビの前に 2 脚の椅子がある部屋が表示されます。
ヒント : また、[Import Options]ダイアログでは、コンポジットにオブジェクトを別々のレイヤ
としてインポート([Grouped])したり、ネストされたコンポジットにオブジェクトを別々のレ
イヤとしてインポート(
[Nested])したりすることもできます。
[F3])で、Tv0021 レイヤの名前を「TV」に変更します。
3. [Workspace]パネル(
4. クリップを再生します(
[Spacebar])。
最初のフレームではテレビ画面が見えていますが、クリップの途中では椅子が画面を
ます。
り
テレビ画面のテスト・パターンを、別のクリップと置換します。このシーンがビデオ・
フッテージの場合、テスト・パターンの置換に多くの手順が必要になります。このシーン
は RPF 画像シーケンスであるため、簡単に置換できます。
5. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
415
13 3ds max のシーンの使用
6. TV Scene Composite ブランチを検証します。
a) [Workspace]パネルで、Composite ブランチの横のアイコンを[Ctrl]+ クリック /
[Command]+ クリックします。
[Import Options]ダイアログではレンダリング・シーンに 26 個のオブジェクトが含まれて
いましたが、コンポジットにはレイヤが 1 つしかありません。RPF フッテージのインポー
ト時に[Grouped]オプションを選択すると、オブジェクトごとにレイヤが 1 つずつ、コン
ポジット内に作成されます。
b) TV レイヤの[Footage - TV[####]]オペレータを選択して、
[Footage Controls]パネルに
アクセスします。
416
3ds max のシーンの使用 ❚❘❘
c) [Footage Controls]パネル(
[F8])で、[Source]をクリックします。
[Merge Layers]オプションがオンになっています。このオプションを選択すると、レンダ
リング・シーン内の複数のオブジェクトから作成された複数のレイヤが、すべてマージさ
れます。このマージは、[Import Options]ダイアログで RPF フッテージをマージ画像とし
てインポートした時点で、自動的に実行されます。
参考 : [Footage Controls]パネルで[Replace]をクリックしてフッテージを RPF フッテージ
で置換する場合、常にマージ画像としてインポートされます。
RPF フッテージ内の G-Buffer チャンネルを検証する
リッチ・ピクセル・レンダリングには、多くのレンダリング・ファイルに共通するカラー・
チャンネルとアルファ・チャンネルのほかに、G-Buffer(グラフィック・バッファ)チャンネ
ルが含まれています。TV レイヤに[Show G-Buffer]オペレータを追加して、これらの追加
データ・チャンネルを検証します。
1. [Workspace]パネル(
[F3])で、TV レイヤを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Operators]/[3D Post]/[Show G-Buffer]を選択します。
デフォルトではオペレータの[Z Buffer]が表示されるようになっていますが、
[Near Z]
と[Far Z]の値が設定されていないため、ビューポートが黒色に変わります。画像の各ピ
クセルの Z Depth データ・チャンネルには、ピクセルから 3ds max カメラまでの距離の Z
値が含まれています。Z Depth は、Z コンポジッティング(次の練習を参照)と、[3D Fog]
などの 3D Post オペレータで使われます。
ヒント : [Operators]/[Selections]メニューには、8 個の 3D Post オペレータ以外にも、2 個
の GBuffer Selection オペレータがあります。
2. [Show G-Buffer]オペレータの[Far Z]値と[Near Z]値を設定します。
a) [Workspace]パネルで、
[Show G-Buffer]オペレータを選択します。
417
13 3ds max のシーンの使用
b) [Show G-Buffer Controls]パネル(
[F8])で、[Far Z Pick]ボタンをクリックします。
c) ビューポートの右上端をクリックします。
[Far Z]値には、画像内で黒色で表示される Z Depth を設定します。この黒いポイントより
遠くのオブジェクトは見えなくなります。選択したポイントの[Far Z]値は、約「-3500」
に設定する必要があります。この値は画像内の最も小さい Z 値に近い値であるため、部屋
の中のオブジェクトの大部分が表示されます。
参考 : [Far Z]値を設定するには、[Show G-Buffer Controls]パネルを使います。
d) [Show G-Buffer Controls]パネルで[Near Z Pick]ボタンをクリックします。
e) ビューポートで手前の椅子をクリックします。
[Near Z]に値は、画像内で白色で表示される Z Depth を設定します。この白いポイント
(約 -600)と Far Z 値の間にある Z 値は、しだいに暗くなる灰色のシェードで表示されま
す。
418
3ds max のシーンの使用 ❚❘❘
参考 : [Near Z]値を設定するには、[Show G-Buffer Controls]パネルを使います。
3. (オプション)最後のフレームで[Z Buffer]範囲を比較します。
a) 最後のフレームに移動します(
[End])。
b) 手順 2 を繰り返して、このフレームの正確な[Near Z]値と[Far Z]値を見つけます。
[Near Z]値と[Far Z]値が、最初のフレームと異なっています。このクリップではカメラ
が移動しているため、それぞれのフレームが異なる[Z Buffer]範囲を持っています。
3ds max には、12 個の追加 G-Buffer データ・チャンネル([Material ID]、[Object ID]、
[UV]、[Normals]、[Real Pixels]、[Coverage]、[Background]、[Node Render ID]、[Color]、
[Transparency]、[Velocity]、および[Weight])が設定できます。次に、これらのチャンネ
ルのいくつかを検証します。
4. G-Buffer の ID チャンネルを表示します。
a) 必要に応じて、最初のフレームに移動します(
[Home])。
b) [Show G-Buffer Controls]パネルの[G-Buffer]リストから[Material ID]を選択します。
ビューポートのシーンが変化します。
[Near Z]値と[Far Z]値は、G-Buffer チャンネルと
して[Z Buffer]が選択されている場合にのみ使用されます。G-Buffer チャンネルとして
[Material ID]が選択されている場合、表示されるそれぞれの色が、3ds max マテリアル エ
ディタで設定された一意のマテリアル ID を表しています。この場合、テレビ画面とス
ピーカだけに、マテリアル ID を持つマテリアルが割り当てられています。この練習の後
の方でテクスチャ・マップを別のフッテージと置換する際に、テレビ画面のマテリアル ID
を使います。
419
13 3ds max のシーンの使用
c) [G-Buffer]リストから[Object ID]を選択します。
ビューポートに表示されたそれぞれの色が、3ds max の[オブジェクト プロパティ]で設
定したオブジェクト ID を表しています。この場合、椅子、テレビ台、テレビ・ケース、テ
レビ画面には、それぞれ異なるオブジェクト ID が割り当てられています。このレッスンの
後の方で、テレビ・ケースの色を変更する際に、そのオブジェクト ID を使います。
d) [G-Buffer]リストから[Node Render ID]を選択します。
レンダリング・シーン内の各オブジェクトが、異なる色で表示されます。これらの色はそ
れぞれ、3ds max で RPF フッテージをレンダリングしたときに設定されたノード・レン
ダー ID を表しています。
420
3ds max のシーンの使用 ❚❘❘
e) [G-Buffer]リストから[UV]を選択します。
[UV Coordinates]チャンネルは、レンダリング・シーンで使われている UV マッピング座
標を示します。色は、テクスチャがマッピングされたオブジェクト上の、U 座標と V 座標
を表しています。
f) [G-Buffer]リストから[Normals]を選択します。
[Normal]チャンネルには、レンダリング・シーン内のすべてのオブジェクト上の法線の
向きが保存されています。
この練習の後の方で、テレビ画面上のテクスチャ・マップを置換する際に、UV チャンネ
ルと Normal チャンネルを使います。
g) [G-Buffer]リストから[Transparency]を選択します。
[Transparency]チャンネルは、RPF フッテージ内にはレンダリングされていないため、レ
イヤの最初のビューが再表示されます。G-Buffer チャンネルが存在しない場合、RGB チャ
ンネルがビューポートに表示されます。
421
13 3ds max のシーンの使用
[Show G-Buffer]オペレータを使って、G-Buffer データ・チャンネルを検証しました。
[Show G-Buffer]オペレータはこれ以降は使わないため、削除してもかまいません。
5. [Workspace]パネル(
[F3])で、[Show G-Buffer]オペレータを選択し、[Delete]を押し
ます。
ヒント : [Show G-Buffer]オペレータからの出力を、 造的な効果を得るために利用すること
もできます。たとえば、
[Z Buffer]は、[Set Matte]オペレータを持つ別のレイヤに適用するア
ルファ・チャンネルとして使用できます。
[G-Buffer Extract]オペレータを使ってみるために、別の RPF 画像
6. (オプション)
(Extract_TV.rpf)が用意されています。Extract_TV.rpf をコンポジットにインポートした後、
[G-Buffer Extract]オペレータを適用します。
椅子などの特定のオブジェクトを削除すると、その背後にある画像が表示されます。この
オペレータには[Color]チャンネルが必要であるため、3ds max シーン内のオブジェクト
の[隠れたオブジェクトをレンダリング]がオンになっている必要があります。RPF ファ
イルに格納できる G-Buffer チャンネルおよび「レイヤ」情報の詳細は、combustion ユー
ザーズガイドの付録 A を参照してください。
テレビ画面のテクスチャを置換する
[Texture Map]オペレータを使って、テレビ画面上のテクスチャ・マップを置換します。この
3D Post オペレータでは、前の項で検証した G-Buffer チャンネルのいくつかが必要になりま
す。テレビ画面を選択するための ID チャンネルのほかに、RPF フッテージの[Normal]チャ
ンネルと[UV]チャンネルが必要になります。レンダリング・シーン内のオブジェクトには、
UV マッピング座標が設定されている必要があります。そうでない場合は、オペレータの実行
結果が不正確になります。
1. [Animate]をオフにするか、
[A]を押します。
3D Post オペレータは他のオペレータと同じく、アニメートできます。ここでは、このオペ
レータをアニメートしないため、[Animate]をオフにする必要があります。
422
3ds max のシーンの使用 ❚❘❘
2. [Workspace]パネル(
[F3])で、TV レイヤを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Operators]/[3D Post]/[Texture Map]を選択します。
椅子、テレビ、およびテレビ台を除く部屋全体が黒色に変わります。この現象を理解する
ために、Texture Map コントロールを検証します。[Texture Map]オペレータでは、テクス
チャを変更するオブジェクトを選択するときに、[Object ID]G-Buffer チャンネルがデフォ
ルトで使われます。[Object ID]フィールドが「0」に設定されているため、[Object ID]が
「0」のオブジェクト(壁、床、および天井)がブランクの黒いソースで置換されています。
次に、テレビ画面オブジェクトを選択します。テレビ画面オブジェクトには一意のオブ
ジェクト ID、マテリアル ID、およびノード・レンダー ID が含まれ、これらの G-Buffer
チャンネルがこの RPF フッテージ内に含まれているため、このオブジェクトは 3 種類の方
法で選択できます。
3. オブジェクト ID を使ってテレビ画面を選択します。
a) [Workspace]パネルで、
[Texture Map]オペレータを選択します。
b) [Texture Map Controls]パネル(
[F8])の[G-Buffer Type]リストから、[Object ID]を
選択します。
c) [Object ID Pick]ボタンをクリックし、3ds max で割り当てられたオブジェクト ID を指
定して、レンダリング・シーン内の特定のオブジェクトを選択します。
423
13 3ds max のシーンの使用
d) ビューポートでテレビ画面をクリックします。
テレビ画面が暗くなり、シーンの残りの部分は元の輝度に戻ります。これは、[Texture
Map]オペレータが、[Object ID]が 0 のオブジェクトではなく、[Object ID]が 2 のテレ
ビ画面に対して部分的な置換を適用したためです。
4. マテリアル ID を使ってテレビ画面を選択します。
a) [Texture Map Controls]パネルの[G-Buffer Type]リストから[Material ID]を選択しま
す。
b) [Material ID Pick]ボタンをクリックし、3ds max で割り当てられたマテリアル ID を指
定して、レンダリング・シーン内の特定のオブジェクトを選択します。
424
3ds max のシーンの使用 ❚❘❘
c) ビューポートでテレビ画面をクリックします。
テレビ画面は依然として暗く、そのマテリアル ID が[Material ID]フィールド(Material
ID 3)に表示されています。ノード・レンダー ID を使って、この手順を繰り返しながらテ
レビ画面を選択することもできます。
5. 別の[Footage]オペレータをテレビ画面のテクスチャ・マップに適用します。
a) [Texture Map Controls]パネルの[Layer]フィールドをクリックして、
[Layer]ダイア
ログにアクセスします。
このダイアログを使うと、テレビ画面に適用されている現在のテクスチャ・マップを、別
のフッテージで置換することができます。このコンポジット内には別のフッテージは存在
しないため、外部のフッテージを選択する必要があります。
425
13 3ds max のシーンの使用
b) [Open Footage]をクリックしてファイル・ブラウザを表示します。
c) Lesson04_ex1.avi を選択して、レッスン 4「Paint の使い方」で作成した 30 フレームのク
リップでテスト・パターンを置換します。このファイルのコピーは、Lesson13\ex1 フォ
ルダにあります。
テスト・パターンがインポートしたフッテージとブレンドされています。インポートした
フッテージで、テスト・パターンを完全に置換します。
ヒント : ワークスペースの任意のオペレータを選択して、テクスチャ・マップと置換することが
できます。たとえば、コンポジットに 2 番目のブランチがある場合には、このコンポジット・
オペレータを[Texture Map]オペレータに対するソースとして使用できます。
426
3ds max のシーンの使用 ❚❘❘
6. [Texture Map Controls]パネルの[Amount]を「100%」に設定します。
テスト・パターンがインポートしたフッテージで完全に置換されます。
ヒント : この手順で使った置換方法では、選択したオペレータでテクスチャを置換します。これ
らの 2 つの画像(テクスチャ・マップとオペレータ)の相互作用を制御する方法は、ほかにも
あります。これらの方法は、コンポジットの転送モードや[Paint]オペレータの描画モードに
似ています。詳細は、combustion ユーザーズガイドを参照してください。
[Spacebar])して結果を表示します。
7. クリップを再生(
元のテスト・パターンではなくインポートしたフッテージが、テレビ画面に表示されます。
combustion でテクスチャを置換すれば、3ds max で置換してシーン全体を再度レンダリン
グした場合より、時間を節約できます。
ヒント : リアルタイムでクリップ全体を再生するだけの RAM がない場合には、表示画質を下げ
ます。
8. オーディオをフッテージにリンクします。
a) [Workspace]パネルで、Footage ライブラリを展開します。
b) Lesson04_ex1 フッテージを選択します。
c) [Audio Controls]パネル(
[F6])で、[Browse]をクリックします。
427
13 3ds max のシーンの使用
d) [Open Audio]ダイアログで、Lesson04_ex1.avi または Lesson04_ex1.mov を選択し、
[OK]
([Enter])をクリックします。
9. アニメーションを再生します。
a) 再生コントロールで、
[Loop]モードを選択します。
b) クリップを再生します(
[Spacebar])。
オーディオがクリップと同期化されました。
テレビ・ケースに[Color Corrector]を適用する
[Color Corrector]オペレータを適用して、テレビ・ケースを暗くします。テレビ・ケースは、
レンダリング・シーン内でユニークなオブジェクト ID を持つため、選択可能です。
1. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
2. [Workspace]パネルで、TV レイヤを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Operators]/
[Selections]/[GBuffer Object Selection]を選択します。
[GBuffer Object Selection]オペレータが TV レイヤに追加されます。
3. オブジェクト ID を使ってテレビ・ケースを選択します。
a) [Workspace]パネルで、
[GBuffer Object Selection]オペレータを選択します。
428
3ds max のシーンの使用 ❚❘❘
b) [GBuffer Object Selection Controls]パネルで、
[Object ID Pick]ボタンをクリックします。
c) ビューポートでテレビ・ケースをクリックします。
オブジェクト ID「1」が選択されます。ただし、ビューポートに選択範囲マーキーは表示
されません。マーキーが表示されないのは、コンポジットの表示にカメラの 3D ビューを
使っているためです。ビューを切り替えてレイヤを表示させ、テレビ・ケースが選択され
ていることを確認します。
d) [Window]/[Show Marquee]
([Ctrl]+[H]/[Command]+[H])を選択します。
4. ビューポートで右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Layer]を選択します。
テレビ・ケースを囲む選択範囲マーキーが、ビューポートに表示されます。Layer ビュー
は、選択されたレイヤだけが表示される 2D ビューです。
ヒント : Toolbar の[Views]リストを使って、ビューポートを Layer ビュー(またはその他の
ビュー)に切り替えることもできます。
[F3])で、TV レイヤを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
5. [Workspace]パネル(
[Operators]/[Color Correction]/[Discreet Color Corrector]を選択します。
[Discreet Color Corrector]オペレータが TV レイヤに追加されます。
6. テレビ・ケースを暗くするために、
[Color Corrector]オペレータのカラー・チャンネルを
調整します。
a) [Workspace]パネルで、
[Discreet Color Corrector]オペレータを選択します。
b) [Color Correction Controls]パネルで、
[Basics]をクリックしてから[Master]をクリッ
クします。
429
13 3ds max のシーンの使用
c) [RGB Gamma]を「0.82」に設定します。
テレビ・ケースが暗くなります。
ヒント : Basics コントロールによるカラー補正の詳細は、レッスン 8「カラー補正」を参照して
ください。
7. ビューポートを右クリック / [Ctrl]+ クリックしてから[Camera]を選択して、Camera
ビューに切り替えます。
ヒント : [Composite]オペレータをダブルクリックして、アクティブなビューポートを
Camera ビューに切り替えることもできます。
430
3ds max のシーンの使用 ❚❘❘
8. クリップを再生(
[Spacebar])して、結果を表示します。
クリップ全体を通じて、ケースは暗いままです。これは、[Color Corrector]オペレータが
すべてのフレームに適用されるためです。
9. ワークスペースを保存し、閉じます。
a) ワークスペースを保存します(
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
b) (オプション)QuickTime ムービーとしてクリップをレンダリングします。詳細は、46
ページの「結果のコンポジットをレンダリングする」を参照してください。
c) ワークスペースを閉じます(
[Ctrl]+[W]/[Command]+[W])。
431
13 3ds max のシーンの使用
練習 2:複数レイヤの 3D シーンを操作する
この練習では、リッチ・ピクセル・レンダリングをインポートするときに、レンダリング・
シーンの各オブジェクトをコンポジット内で個別のレイヤに割り当てます。これにより、各オ
ブジェクトにオペレータを適用するときに、[GBuffer Object Selection]オペレータを使って目
的のオブジェクトを事前に選択する必要がなくなります。このレンダリング・シーンは、輪を
描いて回転する 8 個の球をフィーチャしています。
この練習では、以下について学びます。
• RPF フッテージをインポートするときに、レンダリング・シーンの各オブジェクトをコンポ
ジット内の個別のレイヤに割り当てます。
• レイヤを検証してビデオ・フッテージとの違いを理解します。
• レイヤにオペレータを適用して色を変更します。
• シーン内にビデオ・フッテージをコンポジットします。
助けが必要ですか?
この練習を行う上で助けが必要であれば、ワークスペースを保存して閉じてから、
Lesson13_ex2.cws ワークスペースを参考用に開いてください。
ワークスペースを設定する
まず、この練習の結果をプレビューします。次に、ブランチを作成し、フッテージをインポー
トしてコンポジットの作成を始めます。
1. combustion のプレファレンスを確認します。詳細は、9 ページの「基本設定を設定する」
を参照してください。
2. [File]/[Open Workspace]をクリックするか[Ctrl]+[Shift]+[O]
(Windows)または
[Command]+[Shift]+[O](Macintosh)を押して、Lesson13\ex2 フォルダの
Lesson13_ex2.cws ファイルを開きます。詳細は、22 ページの「ワークスペースを開く」を参
照してください。
参考 : このワークスペースが開くまで、少し時間がかかる場合があります。[Working]アイコン
(
)が画面の右下隅に表示されている間は、ワークスペースがロードされています。
3. この練習の結果をプレビューするために、クリップをビューポートで再生します。詳細は、
30 ページの「ビューポートでコンポジットを再生する」を参照してください。
参考 : リアルタイムでクリップ全体を表示するだけの RAM がない場合には、combustion を最小
化し、Media Player(Windows)または QuickTime(Macintosh)を使って Lesson13_ex2.avi を
再生します。詳細は、19 ページの「ムービーを再生する」を参照してください。
432
3ds max のシーンの使用 ❚❘❘
このクリップでは、8 個の色のついた球が女性の頭の周囲を回ります。
4. [File]/[Close Workspace]
([Ctrl]+[W]/[Command]+[W])を使って、
Lesson13_ex2.cws ファイルを閉じます。
5. [File]/[New]
([Ctrl]+[N]/[Command]+[N])を使って、
[New]ダイアログを開
きます。
6. 以下のプロパティを持つブランチを作成します。
•[Type]:Composite
•[Name]:Z Compositing
•[Format]:NTSC
•[Duration]:15 フレーム
•[Bit Depth]:8 ビット
•[Mode]:3D
7. 1 ビューポートのレイアウトを選択します。
433
13 3ds max のシーンの使用
球の RPF フッテージをインポートする
前の練習では、レンダリング・シーン内のオブジェクトを、単一レイヤとしてコンポジットに
インポートしました。この練習では、[Grouped]インポート・モードを使って RPF 画像シー
ケンスをインポートして、レンダリング・シーン内の各オブジェクトごとに個別のレイヤを作
成します。
1. インポートする RPF 画像シーケンスを選択します。
a) [File]/[Import Footage]
([Ctrl]+[I]/[Command]+[I])を使って、Lesson13\ex2
フォルダを開きます。
b) [Thumbnails]をクリックし、
[Collapse]をオンにします。
c) Spheres[####].rpf を選択し、
[OK]をクリックするか[Enter]を押します。
[Import Options]ダイアログが表示されます。Spheres 画像シーケンスに 8 個のレイヤが含
まれています。つまり、レンダリング・シーンに 8 個のオブジェクトが含まれています。
d) [Grouped]をクリックした後、
[OK]をクリックするか[Enter]を押して、フッテージ
を 8 つのレイヤとしてインポートします。
ビューポートに、輪の形に並べられた 8 つの球が表示されます。
434
3ds max のシーンの使用 ❚❘❘
2. RPF クリップを表示します。
a) 再生コントロールで、再生モード・ボタンを切り替えて[Loop]モードを選択します。
b) クリップを再生します(
[Spacebar])。
クリップには 15 フレームしかありませんが、球が無限に回転しているように見えます。こ
れは、クリップのフレームが球の 1/4 回転を繰り返し、モードが[Loop]再生モードに設
定されているためです。
3. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
4. [Workspace]パネル(
[F3])で、Composite - Z Compositing ブランチの横にある三角形を
[Ctrl]+ クリック /[Command]+ クリックしてコンポジットの内容を表示させます。
このコンポジットには、レンダリング・シーン内の各オブジェクトに対応する 8 つのレイ
ヤが含まれています。[Merged Image]オプションを使ってフッテージをインポートする
と、レンダリング・シーン内のすべてのオブジェクトを含んだ単一レイヤが、[Workspace]
パネルに表示されます。Spheres0006 オブジェクトは、レイヤではありません。このレイヤ
は、すべての Sphere レイヤの親である Null オブジェクトです。変換チャンネル以外はあり
ません。
ヒント : RPF フォーマットは、RLA ファイル・フォーマットと異なり、 3ds max におけるオブ
ジェクト名が保持されます。
435
13 3ds max のシーンの使用
5. Footage オペレータを検証します。
a) [Workspace]パネルで、Sphere7 レイヤの[Footage]オペレータを選択します。
b) [Footage Controls]パネル(
[F8])で、[Source]をクリックして Source コントロールを
表示させます。
このフッテージは 1 つのレイヤとしてインポートされたため、[Merge Layers]オプション
がオフになっています。インポート・モードを変更するには、RPF フッテージを再イン
ポートする必要があります。
c) [Workspace]パネルで、別の Sphere レイヤの[Footage]オペレータを選択します。
ビューポート内の各球は、別々のレイヤと[Footage]オペレータで表現されています。
ヒント : [Workspace]パネルの Footage Library を開くと、Sphere レイヤが使用しているすべ
ての[Footage]オペレータが表示されます。
436
3ds max のシーンの使用 ❚❘❘
レイヤの可視性を変更する
レイヤの可視性をオフにしたときの、ビューポートの画像の変化を確認します。
1. [Workspace]パネルで、
[Composite]オペレータの横にある三角形をダブルクリックして
([Footage]オペレータではなく)
、レイヤを表示させます。
2. Sphere1 レイヤを選択します。
3. Sphere1 レイヤの横のアイコンをクリックして、このレイヤをオフにします。
ヒント : [Object]/[Toggle Visibility]([Ctrl]+[T]/[Command]+[T])を使うと、
ビューポート内でのレイヤの可視性を切り替えることができます。
選択した球がビューポートに表示されなくなりますが、その背後にある球(Sphere3)の一
部も同時に非表示になっています。RPF フッテージには、シーン内のオブジェクトの可視
部分に対応する画像データ(RGB 情報)だけが含まれているためです。
4. Sphere3 レイヤの横のアイコンをクリックして、このレイヤをオフにします。
ビューポート内の球の輪に
間ができます。
437
13 3ds max のシーンの使用
5. クリップを再生(
[Spacebar])して、結果を確認します。
クリップをループ再生すると、Sphere1 が別の可視状態の球を横切るときに、その球の一部
が欠けて表示されます。
6. [Workspace]パネルで、Sphere1 レイヤと Sphere3 レイヤをオンにします。
ヒント : [Workspace]パネルでは、通常の 2D 画像レイヤの場合と同様に、これらのレイヤの
コピー、ペースト、および並べ替えを実行できます。
4 個の球の色を変更する
[Color Corrector]オペレータを使って、1 個おきに球の色を変更します。レンダリング・シー
ン内の各オブジェクトに別のレイヤが割り当てられているため、[G-Buffer Selection]オペ
レータを追加しなくても[Color Corrector]オペレータを追加できます。
1. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
2. Space8 レイヤに[Color Corrector]オペレータを追加します。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で、Sphere8 レイヤを選択します。
438
3ds max のシーンの使用 ❚❘❘
b) [Operators]パネル(
[F5])で、[Color Correction]カテゴリをクリックします。
c) [Discreet Color Corrector]を[Ctrl]+ クリック /[Command]+ クリックします。
Color Corrector オペレータが Sphere8 レイヤに追加されます。
3. [Color Correction Controls]パネル(
[F8])で、
[Color]をクリックしてから[Master]をク
リックします。
4. カラー・ダイヤルの中心にある小さな正方形(黒色)をクリックし、青色のエッジの方向
にドラッグします。
439
13 3ds max のシーンの使用
ビューポートに表示されるその球の色が、緑色から青色に変わります。
5. [Color Corrector]オペレータを Sphere4、Sphere2、Sphere6 の各レイヤにコピーします。
a) [Workspace]パネルで Color Corrector オペレータを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Copy]を選択します。
b) Sphere4 レイヤを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Paste]を選択します。
c) [Workspace]パネルで、Sphere4 レイヤの横の三角形をクリックして、その内容を表示
します。
[Color Corrector]オペレータが Sphere4 レイヤに追加されています。このレイヤには、最初
の球を緑色から青色に変更した設定が含まれています。
d) Sphere2 レイヤを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Paste]を選択します。
e) Sphere6 レイヤを右クリック /[Ctrl]+ クリックし、
[Paste]を選択します。
6. [Workspace]パネルで、Sphere2 レイヤと Sphere6 レイヤを開き、その内容を検証します。
Sphere8、Sphere4、Sphere2、および Sphere6 レイヤに[Color Corrector]オペレータが追加
されています。
440
3ds max のシーンの使用 ❚❘❘
ビューポートの 8 個の球のうち、4 つが青色に変わります。
7. クリップを再生(
[Spacebar])して、結果を表示します。
参考 : リアルタイムでクリップを再生するだけの RAM がない場合には、表示画質を下げてくだ
さい。
輪が回転するときに、[Color Corrector]オペレータは常に球に影響します。
シーンにビデオ・フッテージを Z コンポジットする
レンダリング・シーンの 3D 空間内に、特定のレイヤを Z コンポジットすることができます。
それには、RPF フッテージを持つレイヤの 3D デプスをオンにする必要があります。3D 空間
における通常のレイヤの表示位置は、[Z Depth]G-Buffer チャンネルを使って計算されます。
フッテージをインポートした後、通常のレイヤを球の輪の内側に Z コンポジットします。
1. 最初のフレームに移動します(
[Home])。
2. 2 つの画像をインポートします。
a) [File]/[Import Footage]
([Ctrl]+[I]/[Command]+[I])を使って、Lesson13\ex2
フォルダを開きます。
b) [Ctrl]/[Command]を押し、Sky.png と Woman.png をこの順番にクリックし、
[OK]を
クリックするか[Enter]を押します。
c) [Workspace]パネルで、Woman レイヤが Sky レイヤよりも上位にあることを確認しま
す。
Woman レイヤと Sky レイヤが 8 個の Sphere レイヤよりも上位に配置されているため、
ビューポートには球が表示されません。
3. Sky レイヤをコンポジットの背景として設定します。
a) [Workspace]パネルで、Sky レイヤを選択します。
441
13 3ds max のシーンの使用
b) [Composite Controls]パネル(
[F8])で、[Layer]をクリックします。
c) [Depth Order]を[Background]に設定します。
空がコンポジットの背景として設定されます。
これ以外のすべてのレイヤは、[Workspace]パネル内での位置にかかわらず、Sky レイヤ
の手前に表示されます。このため、球の輪は空の手前に表示されますが、依然として女性
の頭に られています。
4. Woman レイヤを Z 軸上で配置します。
a) [Workspace]パネル(
[F3])で、Woman レイヤを選択します。
b) [Composite Controls]パネル(
[F8])で、[Transform]をクリックします。
c) [Z Position]フィールドをスクラブします。
このレイヤ全体が、球の輪の手前または背後に配置されます。これは、RPF フッテージの
3D 空間がコンポジットに対して有効になっていないためです。
d) [Reset]ボタンをクリックして、Woman レイヤの位置をリセットします。
442
3ds max のシーンの使用 ❚❘❘
5. Sphere レイヤの Z Depth 情報を調整して、Woman レイヤが球の輪の内側に表示されるよう
にします。
a) [Workspace]パネルで、選択範囲ボックスをドラッグして 8 つの Sphere レイヤを囲みま
す。
b) [Composite Controls]パネル(
[F8])で、[Layer]をクリックします。
c) [RPF Options]の[3D Depth]をオンにします。
[3D Depth]をオンにすると、RPF フッテージを持つレイヤの 3D 空間がコンポジットに対
して有効になります。
d) [RPF Options]の[Z Offset]を「350」に設定します。
[Z Offset]フィールドは、RPF フッテージの Z スケールと combustion の Z スケール間の
オフセットを制御します。その結果、Woman レイヤが球の輪の内側に表示されます。
e) [Composite Controls]パネルで、
[Transform]をクリックし、[Y Position]を「75」に設
定します。
球の位置が、女性の額と同じ高さまで上がります。
443
13 3ds max のシーンの使用
6. Woman レイヤを移動することで、Sphere レイヤが定義する 3D 空間について学びます。
a) フレーム 3 に移動します。
b) [Workspace]パネル(
[F3])で、Woman レイヤを選択します。
c) Transform コントロールの[Z Position]を調整して Woman レイヤを Z 軸上の奥の方に移
動し、輪の後ろ側の球と交差させます([Z Position]= 51)。
球が Woman レイヤと交差するたびに、球の可視部分が変化することがわかります。これ
は、球のエッジの Z Depth 値が、Woman レイヤの値よりも高くなっているためです。
d) [Z Position]を再度調整して Woman レイヤを Z 軸上の手前に移動し、輪の手前側の球と
交差させます([Z Position]= -141)。
e) Position コントロールの上にある[Reset]をクリックして、Woman レイヤの位置をリ
セットします。
参考 : combustion では、Sphere レイヤは 2D 画像のままです。この現象を確認するには、
ビューポートを右クリック /[Ctrl]+ クリックして[Perspective]を選択した後、Toolbar の
[Perspective Rotate]ツールを使ってコンポジットを回転させながら表示します。
444
3ds max のシーンの使用 ❚❘❘
7. クリップを再生します(
[Spacebar])。
これでコンポジットが完成しました。色付きの球が、女性の頭の周りの回転します。
8. ワークスペースを保存し、閉じます。
a) ワークスペースを保存します(
[Ctrl]+[S]/[Command]+[S])。
b) (オプション)QuickTime ムービーとしてクリップをレンダリングします。詳細は、46
ページの「結果のコンポジットをレンダリングする」を参照してください。
c) ワークスペースを閉じます(
[Ctrl]+[W]/[Command]+[W])。
445
13 3ds max のシーンの使用
覚えておくべきこと
• リッチ・ピクセル・フッテージは、単一レイヤ、個別のレイヤ、または個別のレイヤを含む
ネストされたコンポジットとして、combustion にインポートできます。
• RPF フッテージを持つレイヤは、通常のレイヤと同様に動作します。変換、拡大縮小、アニ
メーション、通常のフッテージとのコンポジット、およびオペレータの適用などを行うこと
ができます。
•[Show G-Buffer]オペレータを適用すると、RPF フッテージの G-Buffer チャンネルを検証で
きます。G-Buffer チャンネルには、[Material ID]、[Object ID]、[UV]、[Normals]、[Real
Pixels]、[Coverage]、[Background]、[Node Render ID]、[Color]、[Transparency]、
[Velocity]、および[Weight]があります。
•[Texture Map]オペレータを使用すると、レンダリング・シーン内のオブジェクトの特定の
テクスチャ・マップを別のフッテージで置換できます。
• リッチ・ピクセル・フッテージを単一レイヤとしてインポートすると、[GBuffer Object
Selection]オペレータや[G-Buffer Material Selection]オペレータを使って特定のオブジェク
トを選択できます。
• レイヤの[3D Depth]オプションを有効にすると、リッチ・ピクセル・フッテージの 3D 空
間が有効になるため、ビデオ・フッテージをレンダリング・シーン内に Z コンポジットする
ことができます。
446
索引
索 引
数字
2D モード 37, 59
3ds max、combustion との併用 412
3D 空間 86
3D モード 260
A
[Animate]ボタン 74
B
Basics コントロール 272
C
Camera ビュー 90
Channel Selection 312
アルファ・チャンネル 312
[Channel]モード、キーイング 228
[Collapse]オプション 88
[Color Correction Controls]
[Highlights]272
[Master]272
[Midtones]272
[Shadows]272
Color Corrector
Basics コントロール 272
Curves コントロール 274
オフセットの調整 282
画像の比較 271
カラー・ピッカー 284
ガンマの調整 272
クリップの解析 284
ゲインの調整 272
作業環境 262
追加 265
ヒストグラムの使用 266
補正順序の決定 269
[Color Suppression Target]ボックス 234
[Compare]ツール 270
Composite ビュー 63
[Control Points]ツール 185
Curves コントロール 274
D
[Discreet Keyer]オペレータ、追加 225
[Dust and Scratches]フィルタ 333
E
[Edge Gradient]
[Splines]254
[Ellipse]ツール
モード 125
[Elliptical Mask]オペレータ 179
[Erode]ボタン 239
F
[Feedback]ボタン 91
[Field of View]
カメラ 358
[Font Browser]394
[Frame All]ボタン 77
G
[Gaussian Blur]オペレータ 106
G-Buffer チャンネル
447
索引 索引
Material ID 419
Node Render ID 420
Normal 421
Object ID 420
Transparency 421
UV 421
Z Buffer 417
[Go to Time]ダイアログ 79
[Graph]モード 76
[Guess]ボタン 63
H
[HLS]Keyer モード 240
[Home]ボタン 27
I
[Import Footage]
ダイアログ 89
[Input]リスト 71
K
Keyer
[Channel]モード 228
Color コントロール 234
[HLS]モード 240
[Keyer]オペレータの追加 225
Key コントロール 228
[RGBCMYL]モード 240
[RGB]モード 240
[YUV]モード 239
エッジを和らげる 238
カラー・サプレッション 233
許容度の設定 240
許容度の増加 241
ヒストグラム 231
マット・コントロール 231
モード 227
リセット 226
L
[Layer]ダイアログ 70
Layer ビュー 61
Lens Flare 効果 341
[List View]モード 23
[Lock Orientation]
レイヤ 360
448
M
[Make Curve]コマンド 146
Modes コントロール
[Use Default Foreground and Background
Colors]ボタン 132
O
[Object]オプション 188
[Operators]パネル
お気に入りの追加 385
[Overview]モード 81
P
Paint オブジェクト
[Object]オプション 128
[Pivot Point]オプション 131
アニメーション 140
移動 128
拡大縮小 130
グループ化 134
コントロール・ポイントの調整 132
サイズ変更 128
すべての選択の解除 135
トラッキング 168
長さの延長 141
複数のオブジェクトの選択 134
複製 134
矢印ツール 128
Paint ブランチ
作成 337
[Particle Controls]295
[Behavior]309
[life color]306
[Particles]305
ライブラリ 295
[Particles Preview]
[Show Particle Types]296
[Particles]オペレータ
エミッタのシェイプ 297
[Perspective Rotate]ツール 116
[Pick Color]ダイアログ 111
[Preferences]
[Animation]11
[Colors]16
combustion 10
[Footage]12
[OpenGL]15
索引 ❚❘❘
[Particles]14
[Schematic]16
R
RAM キャッシュ 31
RAM ゲージ 31
[Rectangular Mask]オペレータ 179
[Render Effects]
[Shadows]101
[Render Queue]ダイアログ 46
[Reset]
[Modes]126
[RGBCMYL]Keyer モード 240
[RGB]Keyer モード 240
RPF ファイル
[Grouped]インポート・モードによるイン
ポート 434
インポート、[Grouped]インポート・モー
ドによる 434
オブジェクトの選択 428
コンポジット 441
テクスチャ・マップの置換 422
マージ画像としてインポート 414
S
[Safe]ゾーン 30
Schematic ビュー
エッジ 42
概要 41
出力接続点 44
入力接続点 44
ノード 41
フローの方向 41
[Set Matte]オペレータ 69
[Shrink]ボタン 238
[Speed]チャンネル 11
[Split Vertically]271
[Stroked/Filled Ellipse]ツール 125
[Stroked/Filled Freehand]ツール 145
[Stroked/Filled]ツール
ペイント 125
[Swap Foreground and Background Colors]ボタン
146
[Swatches]
パネル 136
メニュー 136
T
[Texture Map]オペレータ、適用 423
[Thumbnail]オプション 23
Timeline
[Frame All]ボタン 77
[Graph]モード 76
[Overview]モード 81
移動 82
オペレータの追加 226
チャンネル・カテゴリ 76
[Timeline Category]リスト 82
Toolbar
Paint ツール 124
Tracker
[Analyze Auto Pan]189
[Fixed]基準タイプ 196
[Roaming]基準タイプ 196
[Tracker]パネル 188
Tracker ボックス 190
基準エリアのサイズ変更 196
基準タイプの設定 195
基準ポイントの設定 191
基準ボックス 190
起動 189
許容度の設定 196
クリップの解析 193
トラッキング・データのインポート 198
トラッキング・データの適用 200
プレビュー表示 192
リセット 195
W
[Window]
[Fit in Window]58
[Workspace]パネル 33
オブジェクトの並べ替え 344
Y
[YUV]Keyer モード 240
あ
アニメーション
Paint オブジェクト 140
アニメーション曲線の調整 80
選択範囲オブジェクト 334
タイミングの変更 81
449
索引 索引
テキストのトラッキング 396
テキストの不透明度 396
マスクの形 201
レイヤ 74
アニメーション・テキスト
クロール・タイプ 402
アルファ・チャンネル 52
表示 62
別のレイヤへの適用 67
無効化 62
色
値の設定 111
サンプリング 158
スピルの抑制 236
選択 111
プロット 235
色のサンプリング 158
インポート
フッテージ 58
エッジのグラデーション
追加 254
オーディオ・ファイル
インポート 149
オブジェクト
アニメーション 334
グループ化 334
オブジェクトの長さ
デフォルト 141
オフセット 282
レイヤ 387
オペレータ
オペレータの追加 225
可視性のオン / オフ 35
コンポジットへの追加 389
か
解像度
画像 89
解像度、選択 54
影のオプション
[Cast Shadow]102
[Receive Shadow]102
画像、インポート 54
カラー・スピルの除去 233
カラー・パネル
[Mixer]パネル 136
[Picker]パネル 136
[Sliders]パネル 136
450
[Swatches]パネル 136
切り離し 136
カラー・スピルの抑制 236
ガンマ 271
調整 272
キーの抜き出し 225
Keyer も参照
キーフレーム
移動 81
座標 77
追加 79
輝度、調整 329
基本設定
combustion の基本設定の設定 9
曲線、変換 146
許容度
Keyer での設定 240
増加 241
組み合わせモード 339
[Add]345
[Replace]325
[Subtract]325
記号 327
ホット・キー 326
グラフィック
ベクトル 120
クリップ
インポート 54
再生 31
再生イン / アウト・ポイント 32
スタビライズ 210
プレビュー 154
グループ
作成 134
複製 134
クローニング 159
ゲイン 271
調整 272
コントラスト、調整 329
コントロール・パネル 36
コントロール・ポイント
調整 132
追加 328
コンポジット
コントロール・ボタン 37
作成 53
レンダリング 46
コンポジット・オペレータ
解像度の選択 54
索引 ❚❘❘
長さの設定 54
コンポジットのレンダリング 46
さ
再生
イン / アウト・ポイント 32
コントロール 31
再生モード 31
再リンク
フッテージ 18
メディア 18
サムネイル
スクラブ 154
ズーム 26
スタック
[Workspace]パネル内のオブジェクト 344
スタビライズ
クリップ 210
接線ハンドル
切り離し 132
再結合 132
非表示 132
非表示の接線ハンドルへのアクセス 132
選択
コンテキスト・メニュー 8
メニュー 8
選択範囲
(組み合わせモードも参照)
GBuffer Object Selection 428
組み合わせ 323, 329
スタック 336
ツールの描画 324
反転 330
選択範囲オブジェクトのグループ化 334
選択範囲の反転 330
選択モディファイヤ・オブジェクト 347
た
チャンネル
[Speed]11
Timeline での移動 82
Timeline での表示 77
カテゴリ 76
調整
ガンマ 272
ツール
回転 / ズーム・ツール 115
テキスト
Attributes コントロール 392
追加 392
編集 392
テクニカル・サポート 19
転送モード 95
[Darken]95
[Screen]387
トラッキング
1 ポイント 189
2 ポイント 189
4 ポイント 189
Tracker データのインポート 198, 315
Tracker データのエクスポート 303
Tracker データの保存 303
テキスト・オブジェクトのトラッキングの
アニメーション 396
複数のポイント 189
な
長さ、コンポジットの設定 54
は
パーティクル
トラッキング 299
パーティクル・タイプ 295
ヒストグラム 266
ビュー
Camera ビュー 90
Composite ビュー 63
Layer ビュー 61
Perspective 115
Schematic 25
正射投影 91
ビューポート
オプション 25
ズーム 26
ズーム係数 25
ビュー・モード 62
描画モード
[Midtones]401
表示画質
[Draft]97
[Medium]97
ファイル
オーディオ・ファイルのインポート 149
フィルムストリップ 28
451
索引 索引
フィルムストリップの表示 28
フッテージ
インポート 54, 58
切り抜き 72
コントロール、表示 59
詳細 40
長さの延長 371
ワークスペースで開く 122
フッテージ詳細
プレビュー 34
フッテージのインポート 54
フッテージの切り抜き 72
ブランチ
作成 53
長さの設定 54
名前 53
ブランチの種類の選択 53
ペイント
[Color Picker]ツール 158
[Ellipse]ツールのモード 125
[Filled]ツール・モード 125
[Line]ツール 138
[Mixer]パネル 136
[Paint]オペレータの適用 155
[Picker]パネル 136
[Sliders]パネル 136
[Stroked/Filled Ellipse]ツール 125
[Stroked/Filled Freehand]ツール 145
[Stroked/Filled]ツール 125
[Stroked]ツール・モード 125
[Swatches]136
カラー・パネル 136
クローニング 159
フッテージを Paint ブランチとして開く
121
ブラシの選択 138
見本セットの作成 137
ベクトル・オブジェクト、アニメート 145
ベクトル・グラフィック 120
補間 77
Bezier 77
[Bezier]11
[Constant]11
[Cubic]11
[Hermite/Flame]11
[Linear]11
基本設定 11
ボックス・ブラー効果、追加 242
452
ま
マスク
[Edge Gradient]オプション 187
[Outlines Only]180
[Polygon Mask]ツール 184
[Rectangular Mask]オペレータの追加 178
アウトラインだけの表示 180
内側と外側のエッジ 255
エッジを和らげる 183
形のアニメーション 201
コントロール・ポイントの移動 186
コントロール・ポイントの削除 110, 186
コントロール・ポイントの追加 110, 186
プロパティの設定 187
変形 186
ぼかしオプション 183
マスク・オペレータ
[Draw Mask]オペレータ 179
マット
(Keyer も参照)
エッジを和らげる 238
ヒストグラムによる改善 231
表示 230
無地のレイヤ、作成 110
モード
組み合わせ
[Combine Mode]リストを参照
転送 95
ら
ライト
位置の変更 102
ライブラリ・エミッタ 295
リアルタイム再生 30
レイヤ
[Invisible to Rays]105
[Workspace]パネルでの並べ替え 67
アニメーション 74
オン / オフ 35
可視性 35
背景に設定 442
複製 104
無地のレイヤの作成 110
レイヤのオフセット 387
ロック 360
レイヤのオン / オフ 35
索引 ❚❘❘
わ
ワークスペース
閉じる 49
開く 23
保存 49
ワークスペースの保存 49
453
索引 索引
454
謝辞
レッスン開発:
ファン・フェルナンデス、ピーター・グリーンウェイズ、アメー
ル・ヤシン
コンテンツ:
ポール・ブレースガードル、ファン・フェルナンデス、リチャー
ド・グラットン、ジャスティン・ソール、アメール・ヤシン
レビュー / テスト:
ジョゼ・ベリュメール、アン・ブライアリー、ピーター・グリー
ンウェイズ、ミリアム・スターレ
編集:
ミレーヌ・ペパン
技術サポート:
アンナ・マリア・ロメロ、サンディー・アンドレード、マキシー
ン・ジェルヴェ、クリス・マッケンジー、D.J. ラーミング、ビッ
キー・リン・ロイ
レイアウト・デザイン: ブレンダ・バリー
プロジェクト管理:
ミリアム・スターレ
画像:
ジョゼ・ベリュメール、ファン・フェルナンデス、ステファン・
トランブレー、アメール・ヤシン
追加画像:
La Fabrique d’Images、Academy of Art College
(エリサ・スティーヴンズ)
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