Comments
Description
Transcript
2つの力,身近な運動,速さの求めかた 添削問題解答解説 1
添削問題解答解説 2つの力,身近な運動,速さの求めかた 1 BPA3F1-Z1C1-01 図 1 のように,記録タイマーを使って,ラジコンカーの運動を調べました。その結果は 図 2 の記録タイマー用テープのようになりました。下の問に答えなさい。なお,記録タイ マーは 1 秒間に 50 回打点するものを使い,ラジコンカーは一直線上を運動したものとし ます。 (配点 25) 図1 記録タイマー ラジコンカー 図2 A B 15.0cm C 34.0cm 11.0cm 記録タイマー用テープ ⑴ テープの A 点から B 点までにかかった時間は何秒ですか。 (4 点) ⑵ A 点から B 点まで,ラジコンカーはどのような運動をしたと考えられますか。最も 適当なものを次のア~ウの中から一つ選び,記号で答えなさい。 (4 点) ア 速さが増す運動 イ 速さが一定の運動 ウ 速さが減る運動 ⑶ A 点から B 点までの平均の速さは何 cm / s ですか。 (4 点) ⑷ B 点から C 点までの平均の速さは何 cm / s ですか。 (4 点) ⑸ 記録テープのようすから,B 点から C 点までの運動と似ている運動を次のア~エの 中から一つ選び,記号で答えなさい。 (4 点) ア バス停に近づき,ブレーキをかけているバスの運動。 イ ブランコのように周期的に速さの変化する運動。 ウ なめらかな斜面上で静かにはなしたビー玉の運動。 エ 水平な氷の上に打ち出されたアイスホッケーのパックの運動。 ⑹ C 点を過ぎて,ラジコンカーは一定の速さになりました。B 点から 20 打点後までに ラジコンカーが進んだ距離は B 点から何 cm ですか。 (5 点) ⑴ 0.2 秒 ⑵ イ ⑶ 75cm / s ⑷ 340cm / s ⑸ ウ ⑹ 199cm BPA3F1-Z1C1-0 ⑴ 記録タイマーは物体の運動 図a 振動板 を記録する装置です。図 a の カーボン ように振動板がその下に置い たカーボン紙を打ちつけ,紙 テープ テープに黒い点となって記録 されるようになっています。 テープガイド 記録タイマーはその地方の電気の周波数にしたがっ て,打点が記録されます。つまり,西日本では 1 秒間に 60 回,東日本では 1 秒間に 50 回の打点が記録されること になります。 1 秒となっています。 50 また,記録テープの A 点から B 点までは 10 打点あるの この問題では,打点間の時間は で,A 点から B 点までにかかった時間は 1 〔s /打〕× 10〔打〕= 0.2〔s〕 50 となります。 ⑵ 記録テープの A 点から B 点までの 10 打点の打点間か くのようすを見ると,等しい間かくになっています。し たがって,A 点から B 点までの間ラジコンカーは速さが 一定の運動をしたことがわかります。 なお,物体の運動は,大きく分けて速さが一定のもの と,速さの変化するものとがあります。物体に力がはた らいていないか,はたらいていてもつり合っている場合 は,速さや向きが変化しない運動をします。このような 運動を等速直線運動といいます。 ⑶ 物体の速さには瞬間の速さと平均の速さとがありま す。瞬間の速さは,ある一点でのごく短い時間の速さの ことです。たとえば,台風のときなど,風の速さを瞬間 最大風速 30m / s というように表します。それに対し て,平均の速さは,ある区間や一定時間の速さを平均し て表すものです。 いま,物体が時刻 t1 から時刻 t2 までに距離 s を進んだ とすると,この間のその物体の平均の速さは次の式で求 注意しよう 西日本と東日本では 1 秒 間に記録される打点の数 が異なる。 BPA3F1-Z1C1-03 めることができます。 平均の速さ= 移動した全体の距離 かかった時間 = s t2-t1 したがって,A 点から B 点までの平均の速さは,移動し た全体の距離が 15.0cm,かかった時間が 0.2 秒だから, 求める速さは 15.0〔cm〕 = 75〔cm / s〕 0.2〔s〕 となります。 ⑷ B 点から C 点まででは,紙テープの 5 打点間 ( 1 〔s /打〕× 5〔打〕= 0.1〔s〕 )に 34.0cm 進んでい 50 るから,平均の速さは 34.0〔cm〕 = 340〔cm / s〕 0.1〔s〕 となります。 ⑸ B 点から C 点までの記録テープのようすを見ると,打 点間かくがだんだんと広くなっていることがわかりま す。このようなとき,だんだんと速さが増す運動をしま す。したがって,答はウです。 だんだんと速さが増す運動には,ほかに物体が落下す るときの運動や,坂道を下るときの運動などがありま す。 なお,参考までに落下運動の場合の,速さと時間の関 係を表すグラフと移動距離と時間の関係を表すグラフを 次ページの図 b に示しておきます。 BPA3F1-Z1C1-0 図b 移 動 距 離 速 さ 0 0 時 間 0 0 時 間 なお,アはだんだんと速さが減る運動,イは振り子と 同じように周期的に速さと向きが変化する運動,エは速 さが一定の運動をします。 ⑹ B 点から 20 打点後までの移動距離を求めるには,B 点 から C 点までの 5 打点間の移動距離と,C 点から 15 打点 間に進んだ距離とを分けて考えます。 B 点から C 点までの距離は 34.0cm です。C 点以降は一 定の速さなので,打点間かくが同じになります。図 2 よ り,C 点以後の打点間かくは 11.0cm であることから 15 打点の間に進む距離は 11.0〔cm /打〕× 15〔打〕= 165〔cm〕 です。したがって,B 点から 20 打点後までにラジコン カーが進んだ距離は 34.0〔cm〕+ 165〔cm〕= 199〔cm〕 となります。 BPA3F1-Z1C2-01 2 右の図のように壁に固定したばねを A ばね の向きに手で引いて静止させました。次 の問に答えなさい。 (配点 25) A D C B ⑴ 手がばねを引く力 A を作用とする と,反作用は B ∼ D のどれですか。記号で答えなさい。 (6 点) ⑵ 手がばねを引く力 A を作用とすると,反作用の作用点は, 「手」と「ばね」のどちら 側の接点にありますか。 (6 点) ⑶ つり合いの関係にある 2 つの力は A ∼ D の中のどれとどれですか。記号で答えなさ い。 (6 点) ⑷ 5N の大きさで手がばねを引いたとき,D の大きさは何 N になりますか。ただし, 1N は 100g の物体にはたらく重力の大きさと等しいものとします。 (7 点) ⑴ B ⑵ 手 ⑶ A と D ⑷ 5N まず,矢印 A ∼ D の力を言葉で表すと,次のようになり ます。 A 手がばねを引く力 B ばねが手を引く力 C ばねが壁を引く力 D 壁がばねを引く力 ⑴ 作用・反作用は,2 つの物体間でおよぼし合う力です。 A の「手がばねを引く力」を作用とすると,反作用は B の「ばねが手を引く力」になります。したがって,答は B です。なお,A と B のほかに,C と D も作用・反作用の 関係にあります。 ⑵ 力の作用点はそれぞれ力を受ける物体側の接点にある ので,B の「ばねが手を引く力」では,手が力を受けるこ ととなり,B の作用点は手側の接点にあることになりま す。 ⑶ 2 つの力のつり合いは,1 つの物体にはたらく力です。 BPA3F1-Z1C2-02 したがって,ばねという 1 つの物体にはたらく力である A と D は力のつり合いの関係にあります。 ⑷ つり合いの関係にある 2 つの力は等しい大きさです。 したがって,手がばねを引く力である A が 5N のとき, A とつり合いの関係にある D も 5N です。 なお,作用・反作用の力の大きさもたがいに等しく なっています。したがって,A が 5N のとき,A の反作用 である B も 5N です。また,D も 5N であることから,D の反作用である C も 5N になります。 注意しよう 作用・反作用の関係とつ り合いの関係の共通点と 相違点を正しく理解して 両者を区別できるように しよう。