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SRT2011 夏開催実施報告書 - 北東アジア学生ラウンドテーブル

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SRT2011 夏開催実施報告書 - 北東アジア学生ラウンドテーブル
北東アジア学生ラウンドテーブル 2011
実施報告書
モンゴル国立大学
2011 年 8 月 17~22 日
目次
1. はじめに
2
2. 北東アジア学生ラウンドテーブル(SRT)の目的と沿革3
3. 「SRT2011」の概要
5
4. 「SRT2011」の成果
6
5. 添付資料
8
1
1. はじめに
本報告書は「北東アジア学生ラウンドテーブル 2011」の実施内容をとりまとめたものであ
る。
本北東アジア学生ラウンドテーブル 2011(以下 SRT2011)は 2011 年 8 月 17 日から 23 日の
間でモンゴル国立大学にて開催された。参加者は日本人 19 名、韓国人 5 名、モンゴル人 8
名、中国人 2 名、アメリカ人1名の計 30 名である。(参加者詳細は添付 1 参照)
本 SRT は前回の日本国内での多国間会合をさらに発展させ、海外において初の多国間会合
を行うことができた。本会合では SRT のモンゴル支部が主催となり、インターネット電話等
を通して韓国、日本と連携することで、参加者の募集や選定、SRT2011 のプログラム作りや
会議の議題の絞込み等々を行った。これら事前の過程においても互いの信頼醸成とネットワ
ークの強化に努めた。初の海外での多国間開催であったが、3 つの議題を含め、当初の予定
通りの有意義な会議ができただけでなく、鉱山視察やモンゴル文化体験などのフィールドト
リップも行い、本 SRT2011 も充実した会合となった。
この「SRT2011」には、各方面より多大なご支援とご協力を頂いた。開催にご尽力頂いた
国際教養大学の中嶋学長、森園教授のほか、特に、助成を頂いた「かめのり財団」、「三菱
UFJ 財団」、
「平和中島財団」
、また本 SRT2011 の趣旨に賛同してご協賛を頂いた「秋田銀行」、
「三菱マテリアル」、「秋田東北商事」、「グランパレス川端」、「那波商店」、さらには「秋田
モンゴル協会」、
「在モンゴル日本大使館」には心より御礼を申し上げたい。こうしたご支援、
ご協力なしでは学生主体の本 SRT の実施においては、その成功はあり得なかった。
なお、本報告書は「SRT2011 夏開催」の活動概要を報告するためのものであるが、作成に
当たっては参加学生の所見等を基にしており、国際教養大学の公式コメントや見解を反映し
たものではない。
最後に、本 SRT2011 に参加するために遠くモンゴルまで足を運んだ参加者の学生、またモ
ンゴル国立大学にてプログラムの運営に関わったモンゴル人学生や国際教養大学の日本人メ
ンバー、さらには開催に関わったすべての方々にこの場を借りて改めて厚く御礼を申し上げ
たい。
2011 年 9 月 20 日
北東アジア学生ラウンドテーブル
代表
上野祥子
2
2. 北東アジア学生ラウンドテーブル (SRT) の目的と沿革
(1) 活動概要
北東アジア学生ラウンドテーブル(以下 SRT)は、 北東アジア各国・地域に存在する支部及
びその他の国・地域の学生が年1回をめどにホスト校に集まり学生会議やフィールドトリッ
プなどを行う本会合、またその準備期間において、開催に向けての各大学で行う勉強会や企
画・運営作業、さらに本会合終了後の自国での発表会や交流会などの活動を行っている。本
会合においては、政治・経済・社会・伝統・文化・環境・開発・教育など参加大学の学生が
互いに興味・関心のある国際的テーマについて、プレゼンテーションやディスカッションな
どを行う学生会議のほか、本会合開催地の実情視察や相互協力の可能性を探るフィールドト
リップ、さらには地域社会での文化交流や意見交換会などを行う。なお、これらの活動は、
準備作業での各大学での研究、インターネットでの下打ち合わせ、人的・金銭面の企画・運
営等を含め、学生が主体的かつ共同で行う。
(2)目的
SRT の目的
「北東アジアの学生が自ら開催する国際会議への参加を通して相互理解を達成する」
SRT は、本事業の開催に際し、以下のように団体の活動の目的を定めた。
(3)目標
本団体は前項に定める目的を達成するため、以下の5つを目標として定めている。
SRT の目標
(1)参加学生による、忌憚のない率直な意見交換や議論、共同作業を通じて、互いの
II. SRT2010 夏開催
社会・文化や国民性等を効果的に学び、真の相互理解を図ると共に、それらを通した
自己研鑽の機会を提供すること。
(2)この学生間の相互理解や学びの機会を捉え、地域社会との積極的な交流を図り、
その成果等を発信することで、裾野の広い国際化や互いの社会・文化等の理解に貢献
すること。
(3)これら活動の実践と経験の成果を、将来にわたって重層的に継承・発展させてゆ
くためのネットワークの構築や基盤の形成を図ること。
(4)国際慣習に則り共通言語を全て英語とすると共に、よりフォーマルな形式での議
論やプレゼンテーション等を通し、多国間による会議や議論運営等の国際舞台での実
践能力を高めること。
(5)日々の活動及び本会合とそれに関連する準備等を通じて、学生それぞれの知見や
教養の深化やスキルの向上を図り、将来の学習・研究課題の発見や国際的なキャリア
開発へとつなげてゆくこと。
3
(4)沿革
本 SRT 組織は 2007 年に国際教養大学で設立され、次の通りこれまで 4 回の会合が開催さ
れている。
2008 年 8 月 :
第一回 SRT (於 AIU)
日本人 15 名、韓国人(高麗大学)10 名参加
2009 年 12 月:
第二回 SRT (於 高麗大学)
日本人 12 名、韓国人(高麗大学)6 名参加
2010 年 8 月 :
第三回 SRT (於 AIU)
日本人 5 名、韓国人 5 名、モンゴル人 5 名、アメリカ人 1 名参加
2011 年 1 月 :
第四回 SRT (於 AIU)
日本人 11 名、韓国人 5 名、モンゴル人 5 名参加
4
3. 「SRT2011」の概要
(1)「SRT2011」の目標
前項の団体としての目標に加えて、今次「SRT2011」においては、本事業独自の目標とし
て以下の二項目を定めた。
(i)
資源問題を抱える日本、韓国の学生が、資源が豊かなモンゴルにて、資源開発の現場
を見学し、資源に対する理解を深め、多角的な視野から北東アジアの資源開発の将来
について議論を行う。
(ii)
普段馴染みのないモンゴルの伝統文化を現地で体験することで、さまざまな文化が流
入し影響を及ぼしあう時代における、伝統文化の価値や継承について再考し、理解を
深め、その将来にわたる共存について議論を行う。
(2) 内容と日程
1.開会式・歓迎会 (8月17日)
2.フィールドトリップ(8月18日-19日)
3.ラウンドテーブルによるテーマ毎の議論と意見交換(8月20-22日)
セッション1「北東アジア内におけるエネルギー安全保障」(8 月 20 日-21 日)
セッション2「福島原発事故と原子力発電所」(8 月 21 日)
セッション3「SRT の将来」(8 月 22 日)
4.ディベート「伝統文化に対する政府の支援の可否」他(8 月 21 日)
5.閉会式・送別会 (8 月 22 日)
詳細については、添付資料1参照のこと。
(3)参加者
ソウル大学(以下 SNU)
5 名
モンゴル国立大学(以下 NUM)
11 名
国際教養大学(以下 AIU)
18 名
立教大学
1 名
京都大学
1 名
計
30 名
なお、上記参加者のうち、立教大学と京都大学の学生はパネリストとしての参加である。
また、国際教養大学の学生には同大学に留学するアメリカ人学生1名を含む。さらに、モン
ゴル国立大学の学生は運営者とプログラム参加者がそれぞれ 4 名、5 名、そして、モンゴル
国立大学に留学中の中国人を2名含む。参加者の名簿は添付資料2に記載されている。
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4. SRT2011 の成果
1. 準備期間における意志疎通
モンゴルで初の開催である SRT2011 夏開催は成功に終わった。企画は主にモンゴル人学生
が担当したが、日本、韓国の学生も議論の話題等を含む、様々な計画に関わった。他国の学
生と連絡をとることは難しかったが、すべての国の学生が万全なる準備をし、SRT2011 を成
功に導いた。
2. 各方面からの支援と協力
今回の成功の裏には多くの方々のご協力があった。モンゴル国立大学、国際教養大学、ソ
ウル国立大学の各方面のご支援のもと、国際会議を開くことができた。また、SRT として、3
つの基金、財団、さらに、5 つの企業からのご支援をいただいた。今回の開催のご協力者一
覧を裏表紙に記載する。
3.「北東アジア地域におけるエネルギー安全保障」
、
「「福島原発事故と原子力発電所」
今回の会合のメインテーマ「北東アジア地域におけるエネルギー安全保障」のセッション
では、2 日間を通して充実した議論ができた。各国の理想の計画が提示され、その計画に関
する議論が主となった。日本はクリーンテコールクノロジー提供と北東アジア地域パイプラ
イン構想、韓国はトリウム原子力発電の開発、モンゴルはコークス用石炭輸出の案を提示し、
各国がエネルギー安全保障について協力することで合意した。また、今年 3 月に日本を襲っ
た大地震から、原子力発電についての特別セッションが開かれた。ここでは、原子力につい
ての興味を刺激するという目的のもと、ディスカッションでは各参加者からの疑問や意見が
ぶつけられ熱い議論が繰り広げられた。
4. メンバー間の絆
6 日間という短い間であったが、忌憚のない議論やフィールドトリップなどすべてのプロ
グラムを通して深い絆を作った。また、事業開催中は慣れない土地のため、様々なアクシデ
ントが起こったが、国籍の違う学生たちが一致団結して乗り越えることができた。参加学生
たちは、プログラム全体を通して互いを刺激し合う中で、文化や国境を越えての相互理解の
難しさや、SRT がどれほどその機会に恵まれているのかを実感した。
5. SRT 支部設立、次回開催 (「SRT2012」) の決定
セッション 3「SRT の将来」における各支部の役割は今回の開催のもっとも大きな成果の 1
つだ。従来は日本が企画を主に担当していたが、これは「会議を企画し、参加することで相
互理解を達成する」という SRT の目的にそぐわなかった。しかし今回の開催とその準備を通
して、前述の目的を果たすことができた。今後はさらなる SRT の成長と規模の拡大が予想さ
れる結果となった。また、次の会合は「SRT2012」として来年の夏に韓国で開催されること
が決定した。
6. SRT の課題
今回のテーマとなった「北東アジア地域におけるエネルギー安全保障」においては、長い
議論の末一つの提言にまとめることができた。ところが今後、この提言をどのように用いる
であろうかは参加者のなかで検討している。またエネルギーについての議論の最中、北東ア
ジア間最大の問題の一つである領土問題がしばしば決断の妨げとなった。「エネルギー安全
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保障」という近代的な問題を扱うにせよ、歴史・政治的要因を含む問題は避けては通れない。
参加者は今後、このような問題についての認識は必要であることに一致したが、中国・ロシ
アなどの参加国を増やしていくなか繊細な問題と今後どのように向き合っていけばいいのか
が課題となる。
その他にも今回の開催で、SRT の改善すべき点が多く挙げられた。参加者は企画・運営班
と学術班が制作した今回の開催に関するアンケートの中で率直な意見を述べた。その中のい
くつかの意見を添付資料 3 に記載している。
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添付資料 1
SRT2011 プログラム詳細
第1日目(8 月 17 日)
(1) 開会式
SRT2011 は本会合を取りまとめるモンゴル国立大学の学生の Adiyasuren Jamiyandagva に
よる参加者への歓迎と、開催に至っての感謝の意を表すスピーチに始まった。そして、モン
ゴル国立大学学長による若者への期待を述べたスピーチが行われた後、特別講演「モンゴル
のエネルギー現状」が行われた。最後に各国の代表者、本開催に向けての意気込みを述べ式
が締めくくられた。
(2) オリエンテーション
本会合のパンフレットを配布し、SRT2011 全体の日程の確認を行った。その後、モンゴ
ル・韓国・中国・日本の4か国の学生が混合するようチームを5つ作り、お互いに自己紹介
をした。以後このチームを中心にモンゴル国内での活動を行った。
さらにそれに引き続き、各国間の緊張をとるために、アイスブレーキングを行った。モン
ゴル人の提案したユニークなゲームを行った結果、お互いの緊張が自然とほぐれていった。
このゲーム後に設けられた休憩時間では、国籍関係なく参加者は自由に交流ができていた。
(3) 歓迎会
この日、全ての参加者がモンゴルの首都ウランバートルにそろった。お互いのよりよい関
係を築くために、
『Altai Barbeque』というモンゴル風ビュッフェ式のレストランでチーム
モンゴル主催の歓迎会が開かれた。料理はとても美味しく、参加者は皆、色々な人と話し合
いながら楽しく夕食の時間を過ごした。その歓迎会ではチームモンゴルがゲストを招いた。
ゲストは、モンゴルの伝統楽器『馬頭琴』の演奏者で、今までに聞いたことの無い音色に参
加者は驚きと感動を覚えた。そしてそれは、SRT 2011 の開始の合図となった。
第2日目(8 月 18 日)
(1) 鉱山会社見学
メンバーは、エルデネト鉱山会社を訪問した。到着すると、係員がその鉱山会社の歴史と
モンゴルへの経済的影響力を説明してくれた。その後、実際に工場内へと入り見学した。工
場内はとても広く、複雑な機械が休む間も無く動き続けていた。工場見学中、絶えず鼻をつ
く異様な臭いが漂っており、それは鉱物を分別するときの酸化性の化学物質と、汚れた水を
蒸留する為の化学薬品の臭いだと教わった。この見学を通して日本チームや韓国チームが鉱
山会社のモンゴル国にもたらす大きな影響力を学んだだけでなく、モンゴルチームも鉱山会
社の重要性を再認識することができた。
(2) ゲル宿泊
8
メンバーはモンゴルの遊牧民の伝統的な住居、ゲルに宿泊した。ゲルの中には、4 つのベ
ッド、中央にストーブと煙突、床には絨毯が引いてあった。ゲルはとても単純な構造で出来
ており、日本の複雑な構造の住宅と正反対であった。そのため日本人参加者の中にはモンゴ
ル人が実際にゲルに住んでいるとは考えられなかった者もいた。しかしながら、ゲルでの宿
泊は比較的快適なものであった。
第3日目(8 月 19 日)
(1) 遊牧民族文化体験
フィールドトリップの主要企画としてメンバーはモンゴル人家族が伝統的生活を続けてい
るシェパード村を訪れた。ここでの体験では、肌身に感じて相互理解を痛感することとなっ
た。シェパード村に到着したメンバーを村の家族が温かく迎え入れてくれ、モンゴルの伝統
料理を振舞ってくれた。
そこでメンバーは生き物の生死を目の当たりにすることになった。村人たちは一匹の山羊
を手際よく捕まえ、一本のナイフと素手だけで殺し、あらゆる部位に分けていった。モンゴ
ル人は動物の血液ですら一滴たりとも無駄にすることがない。その言葉のとおり、彼らは羊
の血液を一滴も流すことなくきれいに解体していった。参加者の数名が解体を体験させても
らったが、参加者の中には今でも生温かい羊の体内の感覚は忘れられないと語る者もいる。
その後、メンバーはさらに相互理解の重要さを痛感する出来事に遭遇した。メンバーの多
くは好奇心から村の近くにある小高い山に登り景色を楽しんでいた。ところがそのことがモ
ンゴル人を怒らせてしまった。後から聞いた話によれば、その山は狼が出るといわれ、現地
住民も恐れている山という。さらに、モンゴル人にとって自然は神聖なものであり、その自
然を尊敬することはモンゴルを尊敬することにつながる。勝手に山に登るということはモン
ゴル人への軽蔑を示す行為であった。メンバーは怒られて初めて相互理解とは何を意味する
のかを実感した。
第4日目(8 月 20 日)
(1) 特別公演
モンゴル支部の代表である Adiyasuren Jamiyandagva による特別講演では、SRT2011 開催
にあたり下記の3点について話をした。
(I) SRT が北東アジアを拠点に活動する理由
北東アジアは、世界人口の 25%、世界 GDP の 24%を占め、政治的・経済的にも急激に存在
感を増している学術的に興味深い地域である。それにも関わらず、国家間では歴史認識の問
題、領土問題、慰安婦問題、拉致問題といった歴史的・地理的問題を抱えており関係が必ず
9
しもいいとは言えない。これらの問題の根源として挙げられることは、「北東アジア内での
冷戦」である。これは、北朝鮮と韓国、中国と台湾のように、今日でも国同士が隔てられて
いる状態のことを指している。北東アジア市民として、北東アジアの将来を担う学生として、
同地域をより良く安全な場にするために、参加者は隣人とこれらの問題に対する個人の意見
を積極的に共有する必要がある。
(II) SRT2011 をモンゴルで開催する意義
アジアの中心に位置するという地理的特徴から、モンゴルは政治的、経済的、地政学的な
面で恩恵を受けてきた。政治的には北東アジア各国と独特で友好的な関係を築き、経済的に
は豊富な資源と土地、カシミヤを得て、地政学的にはロシアと中国の間に位置することから、
ヨーロッパと北欧アジアの懸け橋として機能することができる。それ以上にモンゴルの強み
となるのが、全国民の 70%が 30 歳を下回るという、世界で最も若い国の一つであるという事
実である。モンゴルの人々は、相撲からロケット開発まで、様々な分野で優位に立っている。
また、今までモンゴルの GDP の 50%を形成していた鉱山よりもはるかに広大な鉱山が近年二
つ発見されたことにより、現在モンゴルは歴史的局面にたっている。この鉱山を有効に活用
するかしないかに、モンゴルの運命がかかっている。
(III) SRT2011 の議題に「北東アジア内におけるエネルギー安全保障」が選出された背景
SRT2010 冬開催において、参加者はエネルギー安全保障の北東アジアの、とりわけ経済面
における重要性を確認した。また、日本に壊滅的な被害を与えた東日本大震災、それに続い
た福島原子力発電所事故を受けて、参加者はエネルギーの安全保障についての議論を、避け
て通ることはできないと判断した。北東アジアが、エネルギーの安全保障を確保しているか
を言及することは非常に難しいが、この議題についての議論を通じ、参加者同士が相互理解
を達成、最終的に世界に良い影響を与えられることを願う。
(2) ラウンドテーブルセッション1
「北東アジア内におけるエネルギー安全保障」プレゼンテーション
(I) 韓国
(i) 現在の韓国のエネルギー状況
(a) 韓国でのエネルギー消費
現在の韓国におけるエネルギー消費量を円グラフによって示した。そのグラフによる
と、14.9%が原子力エネルギーにより賄われている。予測されるエネルギー消費のグラ
フによると、この数値は 27.8%に増加する。つまり、韓国は、さらに多くのエネルギー
を原子力発電により生み出すことになる。
(b) グリーン成長政策
韓国はグリーン成長政策により、持続可能な社会を作ることを目標としている。この
政策では、韓国は環境的な面、及び経済的な面の両方を考慮して政策などの決断を下す
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ことを目指している。
(c) 韓でのエネルギー産業
韓国は、エネルギーを国内で作り、さらに国外に原子力エネルギーの技術を輸出する
ことを目標としている。韓国はすでに原子力発電所について、建設を行った。韓国は、
大量のエネルギーを消費しており、中東から 84%の石油を輸入している。さらに、韓国
の再生可能エネルギー利用率は非常に低い。これらの現状は韓国におけるエネルギー安
全保障は危険であり、また韓国は技術的革新が必要となる。
(d) 問題及び解決策
最初の問題は、海外に依存しているエネルギー量が多いことだ。韓国は、この問題を
原子力発電、代替エネルギーの使用を増加させることで解決をしたいと考えている。2
つ目の問題は、原子力発電に対する依存が多いことだ。この事に対する解決策は、代替
エネルギーの割合を増やすことだが、代替エネルギーだけで十分に対処することは困難
である。
(ii) 世界的な問題
(a) 韓国、日本、中国のエネルギー消費量
韓国、日本、中国におけるエネルギー消費割合は世界的に見て非常に高い。この割合
は 2025 年には世界で 21%になると予想される。
(b) 石油消費量
これら 3 ヵ国は大量の石油を海外から輸入しており、それは、北東アジアエネルギー
安全保障の面からみて非常に危険である。この問題に対する解決策として、韓国はエネ
ルギー供給源の多様化、北東アジア内での石油市場を確立、石油運送に対する新しい路
線を見つけ出し、さらに、環境にやさしいエネルギー源を開発することを目指している。
(iii) 核エネルギー
(a) 導入
韓国ではエネルギー安全保障に対しいくつかの問題がある。中東の国々に対する高い
依存割合や、大量の二酸化炭素消費量、非効率な再生可能エネルギー、そして危険な原
子力エネルギー等があげられる。従って、韓国はそれらの問題を解決しなければならな
い。そこで韓国が提唱した案はトリウム原子力発電の導入である。
(b)トリウム原子力発電導入の利点
一般的な原子力発電と比較すると、トリウム原子力発電には多数の利点がある。
-豊富な埋蔵量
トリウムの埋蔵量は、ウランの約 4 倍にも及ぶ。全世界では、1,600,000 トンを超える
量に当たる。
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-実現可能性の高さ
中国やアメリカ、カナダなどの国々は、トリウム原子力発電に対して多額の金額を投資
している。さらに、すでにトリウム原子力発電の開発は世界中で行われている。
-低い放射能
トリウムはウランに比べ、放射能量は 10 分の1から 10,000 分の 1 である。またトリウ
ムは核兵器に転用しにくい。
-扱いやすさ
トリウムは 100%天然である為、容易にエネルギーとして使用することができる。
-安全性
トリウム原子力発電は容易に制御することができ、それ自身では連鎖反応を持続出来な
い。それらは、事故が起きる確立が低いことを意味する。
-低価格
トリウム発電所は安価で建設が可能である。さらに、ウラン発電所をトリウム発電所に
変換することも可能である。
(iv) 各国の役割
トリウムの使用を実現するため、北東アジア各国は協力することができる。韓国や日本は
高度な技術や原子力発電所を建設する知識を持っている。そのため、この二か国は技術や知
識を他の北東アジア各国に輸出する事が出来る。モンゴルと中国は豊富なトリウムの埋蔵量
を持っている。よってこの二か国はそのトリウムを他の国に輸出することができる。
(v) 期待される効果
北東アジア各国の協力により、大きく分けて 3 つの効果が期待出来る。初期段階のトリウ
ム核施設発展の可能性、ウラニウム使用の原子力発電所からトリウム使用の発電所に変換す
る可能性、環境問題解決に大きく貢献する可能性、北東アジア地域が代替エネルギーの面で
世界をリードする可能性である。
(II) モンゴル
(i) モンゴルのエネルギー部門の歴史
20 世紀初頭まで、モンゴルではほとんどエネルギー生産がなかった。1921 年の人民によ
る革命の後、モンゴルのエネルギー部門はロシア政府の援助を受け急速に発展した。モンゴ
ルが 1990 年代に民主化するまで、モンゴルでは 4 基の電力発電がウランバートルに加えて
21 の地方に電気を供給していた。1995 年にエネルギーに関する始めての法律が制定された。
(ii)モンゴルのエネルギーに対する総体的な見方
(a)現在のエネルギー産業の現代化
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古いエネルギー産業の技術を現代化することがより効率のよい安価なエネルギー生
産につながる。全ての産業は石炭を使用するために建設されている。日本と韓国から
の技術の輸入を効果的にすすめるために、現代化には協力が欠かせない
(b)原子力発電について
モンゴルはウランの埋蔵量が大変豊富であるが、モンゴル人は一般に原子力発電導
入には前向きではない。モンゴルには原子力発電に反対する法律があるが、その一方
で政府内では 2012 年より原子力発電所の建設を始める計画があり、2017 年から発電
を開始する予定である。
(c) 代替エネルギー
モンゴルでは現在 5 パーセントのエネルギーを代替エネルギーによって生産してい
る。2020 年までに 20-30 パーセントのエネルギーを代替エネルギーでまかなうこと
を目標としている。そのため 2007 年にはモンゴル政府で“代替エネルギー”法も採
用されている。
(d) モンゴルで使用可能な代替エネルギー
-太陽光発電
モンゴルの家畜所有者は太陽光発電機を日常的に使用している。
-風力発電
モンゴルはモンゴル内のエネルギー消費を全て風力発電で賄えるほどの風力がある
が、現在小さい 7 基が建設されており、そのうちの1つが正常に稼働している。
-水力発電
モンゴルは、3500 ある川を利用することによって、1年で 5600 万キロワットの電力
を生産している。モンゴルの西部には2つの水力発電所があり、4.6%のエネルギーを
生産している。
(iii) モンゴルの理想のプラン
-コークス用炭-
(a) コークス用石炭
石炭はコークス用炭を鉄・スチール産業のために使用している。現在のコークス用炭
は莫大な国内埋蔵量のためモンゴルにとって重要な役割を果たしている。
(b) 輸出国、輸入国
2010 年度、コークス用炭の上位輸出国はオーストラリア、アメリカ合衆国、カナダ、
ロシア、モンゴルである。また、2010 年度、コークス用炭の上位輸入国は日本、中国、
インド、韓国、ブラジルである。
(c) 利点
モンゴルでは 20 万トンのコークス用石炭を含む 1220 万トンの石炭の埋蔵量が証明さ
れているが、近年新しい鉱山も発見され、更なる埋蔵量が見込まれている。また、コー
クス用炭は石炭よりも環境にやさしく、エネルギー効率もよい。そのコークス用炭を安
価で輸出することで北東アジア内の石炭供給をまかなう事が出来れば、エネルギー安全
13
保障が確立される。
(III) 日本
(i) 日本のエネルギー安全保障
メンバーは、エネルギー安全保障の面でさまざまな問題を抱えている。そもそも、日本は
資源に乏しい国であり、他国からの資源供給に頼らざるを得ない。日本のエネルギー自給率
はわずか4%で、これは北東アジア諸国(中国では100%、モンゴルでは148%)に比
べると非常に低い数字である。また、日本は石油輸入量の87%を中東アジアに依存してお
り、輸送にも高いコストがかかっている。その上、大地震のあとで日本のエネルギー供給は
原子力発電から再生可能エネルギーへと移行しつつあるにもかかわらず、その不安定さのた
めに未だ全体の代替エネルギーの占める割合は少ない。
(ii) 二つの理想的な協力
(a)北東アジア内へのパイプラインの建設
第一の理想的な協力は北東アジア全体にパイプラインを構築するということである。
天然ガスの使用度は未だ低い割合を占めているものの、近年ではそれが徐々に高まって
きている。また天然ガスは他の天然資源に比べ環境への負担が小さい。つまり、北東ア
ジアにパイプラインを建設することによって日本は近隣の国からより効率的に資源を受
給することができる。
(b)北東アジアへクリーンコールテクノロジーの導入
クリーンコールテクノロジー(以下 CCT)とは石炭発電における二酸化炭素発生の抑制、
より高い熱効率を生み出すための石炭利用開発を意味する。石炭はその価格と埋蔵量、
各国の石炭への依存度を考えると未だ重要なエネルギー源である。日本がこの CCT の技
術を、石炭を豊富に有するモンゴルや中国に導入すれば、環境への負担の少ない、また
効率の高いエネルギーの生産が可能となる。すでに韓国はモンゴルと CCT を導入する取
り組みを始めている。日本の提案はこの協力を日本、モンゴルを含む北東アジアに拡大
し、より安定したエネルギー供給を図ることである。
(iii) 要約
日本チームの提案は、北東アジア内にパイプラインを建設すること、クリーンコールテク
ノロジーを北東アジア各国に導入することである。これらの計画を進めることで、現在の北
東アジアの関係をより強くし、日本は安定したエネルギー供給を得ることができる。これら
の計画を実現するためには、エネルギー安全保障の構想を、現在抱える政治的争いからは離
してとらえ、個々の国がその安全性と信頼性に責任を持って保障することが必要である。こ
れらの条件が満たされれば、メンバーのエネルギー安全保障は実現されるだろう。
(3) エネルギー安全保障
ディスカッションパート 1
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ディスカッションは 2 日に分けて行われた。1 日時間を作ることで、更なるよりよいディ
スカッションを行うためである。要約はパート 1 とパート 2 をまとめ、5 日目のパート2の
部分に記載する。
第 5 日目(8 月 21 日)
(1) ラウンドテーブルセッション 1
「北東アジア内におけるエネルギー安全保障」
ディスカッションパート 2
ラウンドテーブルセッション1は日本、韓国、モンゴルの各国代表者5名とパネリスト 13
名、議事進行4名(議長 1 名、書記 3 名)で構成された会議形式で進行された。
(i) 会議構成
(a) 各国理想協力体制案の確認
(b) 質疑応答セッション
(c) ”新”地域協力体制案の確認
上記の各セッションを通し三か国は共同の新たな新協力体制案を提示した。
各国から提示された理想協力体型案を各国が合意する形で一つの案件とし、当団体の声明と
した。
(ii) 会議の意見抜粋
Q1
モンゴルの気象条件を有効活用するためになぜ自然力エネルギーを活用しないのか。
(韓国代表)
→
自然力エネルギーの設備投資コストは莫大なものなので、化石燃料の利用の下資金をた
めるのが我が国の第一優先である。
(モンゴル代表)
Q2
トリウム原子力の効率性はいかほどのものか。(パネリスト)
→
ウラン原子力の20分の1の資源で同量の発電がおこなえる。
(韓国代表)
Q3
トリウム原子力の利用発電例はあるのか。(モンゴル代表)
→
インドで一基の実験的発電機が稼働中。
Q4
トリウム原子力発電による産業廃棄物の処理についてどう考えるか。
(日本代表)
→
北東アジア全体の課題である。(韓国代表)
Q5
→
パイプラインの安全性は保障されているのか。(パネリスト)
ガス漏れにおける自動停止装置の設置が可能であるため、一定の安全の保障は可能であ
る。(日本代表)
Q6
なぜパイプラインの実用例がないのか。(モンゴル代表)
→
計画段階の実例は確認済みであるが、企業間における計画であったため、利害関係にお
ける問題によって白紙に戻されたようだ。政府間協力における実現は可能性がより高いと思
われる。(日本代表)
Q7 パイプラインの建設費用、年数はいかほどのものか。(韓国代表)
→
建設費用が 6000 億ドル。中国で 4000km のパイプラインを建設すると2年要する。海で
15
の建設年数は不明。
(日本代表)
(iii) 声明
以下の声明をもって SRT2011 のラウンドテーブルセッション 1 の総括とする。
当団体、北東アジア学生ラウンドテーブルは「北東アジア内におけるエネルギー安全保
障」というトピックの下、日本、韓国、モンゴルの各国代表それぞれ5名、パネリスト 13
名、計 28 名で会議を行った。
学生同士の真剣な議論や意見交換により、2日間に及んだ会議は活性化され相互理解、エ
ネルギー安全保障の確立の両視点からとても有意義なものになった。
メンバーはモンゴルのコークス用炭を資源に日本と韓国の共同協力の下、クリーンコール
テクノロジーを活用しエネルギーを産出することとする。モンゴルのコークス用炭の市場と
クリーンコールテクノロジー産業市場への参入は市場経済の完全競争によって行われる。
三か国の利益は再生可能エネルギーとトリウム原子力発電分野における開発チームの研究
に寄与される。これが長期的視点からエネルギー安全保障に基づいた参加国間合意の投資で
あり、三国間のトリウム原子力導入目標年を2030年と定めるものとする。また、再生可
能エネルギーへの完全移行を共同目標として設定し、この投資を未来の世界での技術、エネ
ルギー面での優位性への投資と定めるものとする。
(2) ラウンドテーブルセッション 2「原子力発電と福島原発事故」プレゼンテーション
このセッションは 2011 年 3 月の原発事故を契機に作られた特別セッションである。この
セッションの目的は「原子力発電に対する興味の喚起」である。
(I) プレゼンテーションパート 1
(a) 福島原子力発電所の事故
福島原発の事故の悲惨さについて画像を多用し、視覚的にそれを知ってもらった。そ
の場にいた学生全員が強烈の印象を受けて、スクリーンから目を離さなかった。
(b) 避難民の様子
避難民が住居移転を余儀なくされたことを、実際に福島から非難して現在秋田県で生
活しているプレゼンターの知り合いの体験談をもとに説明した。
(c) 危険地帯
福島県出身のプレゼンターが放射性物質の危険性に伴って立ち入り禁止区域が各地に
できたこと、防護服の着用が強制化されたことを、自身の体験談を交えて伝えた。
(d) 経済への影響
最初の影響は農業への影響で、放射性物質によって農作物が汚染されたことである。
その後、汚染された農作物を食べた牛などの家畜が、検査され出荷できなくなったこと
16
である。これらの風評被害によりホテルなどの旅行関連の業者が経営破綻に陥り、これ
らの被害が福島県の人々を悩ませ、さらには日本経済までに影響が出た。
(e) 風評被害
風評被害によっていじめや差別などが発生し、子供を中心とした人々が苦しめられて
いる。
(f) 人為的な原発事故
原子力発電所の事故は人間の手によって起こされるものであり、日本だけでなくほか
の国でも起こりうる。
(II) プレゼンテーションパート 2
(i) 原子力についての基礎説明
(a) 原子力発電所の仕組み
原子力発電は火力発電と構造上はほとんど同じであり、異なる点は使用燃料が化石燃
料か、ウランであるかである。
(b) 原子力の歴史
原子力は当初、戦争に使われるなど、平和的利用はされてこなかった。しかし現在で
は、発電などの平和的利用方法も確立されている。原子力は現在生活において欠かせな
いものであるが、その反面、核兵器生産につながる危険性を含んでいる。
(c) 放射線について
放射線はウランなどの放射性物質から絶えず発せられる。放射能は人体や生物に蓄積
するものであり、大量の放射線を浴びることは危険なことである。プレゼンテーション
では、チェルノブイリ、スリーマイル諸島、福島原発事故の代表的な3つの原発事故が
放射能によりどれほど甚大な被害を出したかを説明した。
(ii) 原子力発電の長所・短所
(a) 経済性
-長所
原子力発電自身の発電コストは他の発電方法と比べても安く発電することが可能であ
る。また、発電所の建設などで地域活性につながるケースもある。
-短所
発電コスト自体は安いが事故防止のための安全対策などの費用を含めると実質的なコ
ストはかなり高額になる。
(b) 安全性と危険性
-長所
原子力発電に必要なウランの輸入先が多様化しており、またエネルギー効率もよいた
め、安定したエネルギー供給が可能である。
17
-短所
エネルギー効率のよい反面、事故が起これば放射能が飛び散り、大事故へとつながる。
放射線は人体だけでなく、生態系までにも悪影響を及ぼす。その危険性を排除すること
はできない。
(c) その他
-長所
原子力発電では火力発電で生じる二酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物といった環境
へ悪影響を及ぼす物質がほぼ生じない。その点からは、環境にやさしい発電と言える。
-短所
原子力発電は一度起動すると、完全で安全な停止までに少なくとも 30 年かかるといわ
れている。また、発電量を調節することが難しく、すべての電力を使わないまま捨てて
しまう場合も多い。さらに、原子力発電によって生じる放射性の産業廃棄物の処理も問
題である。
(3) ラウンドテーブルセッション 2「原子力発電と福島原発事故」ディスカッション
(I) 福島原発事故による各国への影響
韓国、モンゴル両国とも日本の現状を心配しており、インターネットを利用して日本の現
状を随時調べたということであった。
(II) 各国の原発に対する考え方
日本では原発に対してかなり否定的な世論が形成されつつある一方で、モンゴル、韓国で
はともに原発に対して肯定的な発言が目立った。韓国では、福島第一原発事故後に原発の是
非についての議論がなされたが、現在ではその熱はすでに冷めているということであった。
モンゴル人は、日本は原発技術の輸出を各国に促進すべきだと主張した。しかし、モンゴル
の人々は事故が起きたときの被害がモンゴルの豊かな自然に影響が及ぶのを恐れていたよう
であった。彼らは自然とともに生き、自然を神のようにあがめているため、自然への被害が
及ぶことは避けなければならないと述べた。
(III) 核廃棄物処理施設の問題
モンゴル側は、アメリカ合衆国と日本が秘密裏に進めているモンゴルにおける核処理施設
建設に対して不快感をあらわにした。日本側は、日本国民もその事実を知っている人が少な
いことを述べた。さらに、新しい技術の発達によりこの問題は解決される可能性があるとい
うことを結論としてお互いに確認した。
18
(4) ディベートパート 1
このパートでは、2 グループで同じ議題を取り扱った。
(I)
議題「政府はその国に存在する伝統文化を保護するべきである」
(i) 定義
この議題では以下のように定義する。政府は国家の利益を追求しなければならない。
(ii) 肯定側の意見
パート 1
肯定側は、以下の三点を主張した。第一に、文化を保護することによる労働者の保護。第
二に、政府が伝統文化を保護することが子供の国民性を育てる一助になるということ。第三
に言語は文化に含まれると言う前提において、その文化の一部となる言語を保護することは
その地域に住んでいる人たちの言語を保護することにつながる、というものである。
(iii) 否定側の意見 パート 1
否定側は以下の三点を主張した。第一に、伝統文化保護による文化的差別と男女差別の助
長。第二に、国内外問わず伝統文化を保護することで生じる経済的障害。第三に、同じく経
済的側面から TPP といった多国間取引において効率的に利潤を得られる、というものである。
(iv) 肯定側の意見
パート 2
肯定側は、以下の三点を主張した。第一に、国家の象徴としての伝統文化の重要性。第二
に、教育において伝統文化が果たす役割の重要性。第三に、伝統文化を保護することで国家
の安全保障が達成される、というものである。
(v) 否定側の意見
パート 2
否定側は以下の三点を主張した。第一に、伝統文化保護による保守性の助長。第二に、保
護に要するコストの問題。第三に、政府が伝統文化を保護する必要はなく、NGO 団体等の活
動で十分である、というものである。
(5) ディベートパート 2
(I) 議題「北東アジア諸国は欧州連合のように連合として統一されるべきである」
(i) 定義
この議題では以下のように定義した。第一に、北東アジア内で経済的統合が行われる。第
二に、そのことに関連して関税の撤廃が行われる。
(ii) 肯定側の意見
肯定側はおもに以下の三点を主張した。第一に、政治的統合。第二に、経済統合。第三に、
観光産業の発展である。
19
(iii) 否定側の意見
否定側はおもに以下の二点を主張した。第一に、通貨統一による財政危機の影響。第二に、
歴史的側面からの非現実性についてである。
(II) 議題「北東アジア各国は二酸化炭素排出削減のために税を課すべきである」
(i) 定義
この議題において以下のように定義された。第一に北東アジアの国々は、日本、中国、台
湾、大韓民国、朝鮮民主主義人民共和国を意味する。第二に、環境税とはある一定の二酸化
炭素削減目標を守れなかった場合にのみ課されるとする。
(ii) 肯定側の意見
肯定側は主に以下の三点を主張した。第一に、二酸化炭素の排出量を効率的に削減するこ
と。第二に、代替エネルギーの技術を発展させることができるという利点。第三に北東アジ
アでの共同体意識が高まる、というものである。
(iii) 否定側の意見
これに対して否定側は主に以下の四点を述べた。第一に、依然として北東アジアの国々は
二酸化炭素を排出する化石燃料に頼っており、環境税を課すことは現実的ではないという視
点。第二に、環境税を課すことが二酸化炭素の排出量を減らすとは限らないという危惧。第
三に、代替エネルギーの発展のために援助する方が効果的であるという視点。第四に、環境
税というシステムの扱いの難しさである。
(III) 議題「発展途上国は国内における天然資源を国有化すべきである」
(i) 定義
この議題では以下のように定義した。発展途上国は国家の利益を追求すべきである。
(ii) 肯定側の意見
肯定側の意見として以下のことが述べられた。第一に、国有化により他国からの進出、占
領を防ぐことができる。第二に、国内に安定的な雇用を創出できる。第三に、国家の指揮に
より効率的に資源の利用ができる、というものだ。
(iii) 否定側の意見
否定側は以下を主張した。第一に、国有化による国家権力の巨大化の危険性。
第二に、国有化により発生する国家と企業間における汚職の危険性。第三に、これに伴って
発生する市場の不健全化の問題である。
第6日目(8 月 22 日)
20
(1) カシミヤ工場見学
この日は当初国会議事堂やチンギスハーン像を視察予定であったが、都合が悪くなったた
め計画が変更された。急きょウランバートル市内にあるカシミヤ工場を見学することになっ
た。羊の毛からカシミヤがおられていく工程を見学した。工場内は蒸し暑く、メンバーは工
程が進むごとに繊維が整えられていくカシミヤに驚いていた。工場で働く従業員はモンゴル
でも上流階級と位置づけられ、彼らの給与の平均はモンゴル人のそれを大きく上回るという。
モンゴル国内でも有数の規模を誇り、700 名もの従業員が勤務していた。後に聞いた話だが、
そのうちの約 100 名は北朝鮮からの労働者だという。労働賃金がモンゴル人に比べ安いから
かと尋ねると、ただ交友関係がある国の労働者で、特にそのような理由からではないとのこ
とだった。外国人労働者が自国で働くことは現在ではごく当たり前のことだが、北朝鮮と国
交のない日本人にとっては、少し違和感を覚えるものであった。
(2) SRT の将来
プレゼンテーション
このセッションでは主に今回の開催での振り返りと、次回の開催に向けての話し合いが行
われた。SRT は比較的新しい組織であり、今回の開催は日本以外の国で行われた初めての多
国間会合であるため、議論となる点が多くあった。
(I) プレゼンテーション
(i) SRT とは
SRT は「北東アジアの学生自らが開催する国際会議の参加を通して相互理解を達成する」
ことを目的として活動している。
(ii) なぜ北東アジアなのか
SRT はなぜ特に北東アジア地域に焦点を当てているかというと、北東アジアは歴史的背景
の共有、地域隣接、高度なテクノロジー、十分な資本と資源、良質な人材の保持、といった
多数の長所を持っている。これらの長所を利用することで、より北東アジアでは強力な共同
体を作ることができるはずである。
(ii) SRT の歩み
SRT は 2007 年に国際教養大学にて設立された。現在までに今開催を含め、計 5 回の国際会
議を開催している。前回の SRT2010 により、モンゴルにおいて支部を設立することに成功し
た。
(iv) 中期目標
21
SRT の中期目標は 2013 年までに6ヵ国・地域(日本、韓国、中国、モンゴル、ロシア、台
湾) で国際会議を開催することである。
(v) SRT 日本について
SRT 日本は3つの班に分かれて日々の活動を行っている。渉外班、学術班、企画運営班の
3 つである。
(a) 渉外班
渉外班の主な仕事は参加者の応募や他国のメンバー、参加者への情報伝達である。
また、今開催においては協賛も担当していた。
(b) 学術班
学術班の仕事は年一回開かれる大開催に向けて SRT メンバー全員の学習を率いてい
くことである。さらに二週間に一回程度、学内で留学生や SRT メンバー以外の日本人
学生を招いて、小ラウンドテーブルというものを開き、国際教養大学内での相互理解
の達成の努力を行っている。
(c) 企画運営班
企画班の主な仕事は大開催の企画運営である。開催に必要な資金集めるために基金
に基金 申請、スケジュール作成・管理、参加者用のパンフレット作りなどを行う。
(vi)SRT モンゴルについて
SRT モンゴルは大きく分けて企画運営班と学術班の2つの班で運営を行っていた。
(a) 企画運営班
日本の企画運営班の仕事に加えて、日本の渉外班の仕事も行っている。
(b) 学術班
国際教養大学のように、留学生が多いという環境ではなく、まだ支部が設立してす
ぐであったため、今回はトピックの選定、プレゼンテーション作りを主に行っていた。
(vii) SRT の将来
SRT は次の開催を新しく支部を設立することに決定した韓国にて行うことに決定した。こ
の次期開催に向けて、モンゴル、日本、韓国の3カ国で企画運営を共同で行っていくことも
決定した。
(3) SRT の将来
ディスカッション
(I) 相互理解と開催の成功
22
全てのチームは、十分にプレゼンの準備をし、SRT の目的である『相互理解』を達成する
ことが出来たと思っている。また、日本と韓国のチームは、本当のモンゴルの文化を、観光
と伝統的文化の経験を通して知る事が出来た。よって、私達は、SRT2011 年度の会議は成功
したということで一致した。
(II) コミュニケーションと準備不足
しかしながら、一方では、SRT2011 年度の目的を達成することが出来なかったと言う声も
あった。準備段階において、コミュニケーション不足や組織力の欠如があっため、チーム台
湾の不参加に繫がってしまったからである。元々、SRT2011 年度の参加国は5カ国を予定し
ていたが、実際に参加した国は、モンゴル、韓国、中国、日本の4カ国であった。また、参
加者の比率があまりにも不公平すぎるという指摘もあった。
(III) 5 カ国開催のために要求されること
私達の SRT2012 年度の目標は, 五カ国開催を実現することである。しかしながら、今の
SRT の現状を考慮すると、それは難しいかもしれないという結論に至った。今年の SRT2011
年度の開催で、たくさんの問題が浮上したからである。よって、新しい参加国を招待する以
前に、既に支部がある国々同士の連携を強化すべきであるのだ。メンバーがより高いコミュ
ニケーション能力やより強い組織力を養うことで、SRT2012 年度の目標は達成できるという
結論に至った。
(IV) 次期開催について
SRT2012 年度、韓国開催の中でも重要なことの一つは、基金の獲得という結論に至った。
チーム韓国は、チーム日本と異なり基金を申請した事が無く、尚かつ人数不足という問題を
抱えている。よって、日本だけでなく、各国も基金を積極的に申請する必要があるというこ
とで一致した。安定した基金を得る事が出来れば、SRT の組織力もきっと強まるはずである。
また、開催国である韓国チームは、十分な人数を確保することが重要な課題である。
(V) トピック
次回開催で考えられるトピックは「領土問題」「経済成長」「南北統一」であった。
(4) 閉会式
メンバーは閉会式を初日の夕食と同じ場所で行った。乾杯後、メンバーは最後の夕食と友
人との会話を楽しんだ。そして、チームモンゴルから、それぞれのメンバーに修了証書が手
渡され、一同は大いに盛り上がった。さらに一同を沸かせたのは、モンゴルで有名な奏者に
23
よる馬頭琴の演奏だった。演奏が終わった後、一同は大変満足し、別れを惜しみながら宿泊
場所に戻った。
24
添付資料2
参加者名簿
<日本チーム >
赤間建哉
国際教養大学
国際教養
飯島悠史
国際教養大学
国際教養
上野祥子
国際教養大学
国際教養
大岡優子
国際教養大学
国際教養
大谷美貴
国際教養大学
国際教養
緒方彩香
国際教養大学
国際教養
岸峰大
国際教養大学
国際教養
小谷美瑚
国際教養大学
国際教養
塩野匡輝
国際教養大学
国際教養
砂田百合絵
国際教養大学
国際教養
照井聖人
国際教養大学
国際教養
任喜史
国際教養大学
国際教養
長谷川理央
国際教養大学
国際教養
長谷川稜
国際教養大学
国際教養
眞能秀幸
国際教養大学
国際教養
横山由佳莉
国際教養大学
国際教養
渡邊海
国際教養大学
国際教養
東国原守
立教大学
グローバルビジネス
安井俊介
京都大学
工業化学
Jhett Browne
国際教養大学(留学生)
経済
25
<韓国チーム >
Hyung Min Son
Jieun Kwon
Jinyeon Hwang
Jiyeon Kim
Soeun Kang
ソウル国立大学
ソウル国立大学
ソウル国立大学
ソウル国立大学
ソウル国立大学
経営管理
科学技術
物質科学
経営管理
薬学
<モンゴルチーム >
Ayush Batzoring
Dulguun Shirchinbal
Enkhzul Bat-Erdene
Khangalsaikhan Bayaraa
Rentsentsogt Tseenorov
モンゴル国立大学
モンゴル国立大学
モンゴル国立大学
モンゴル国立大学
モンゴル国立大学
国際関係
国際関係
国際関係
国際関係
国際関係
<中国チーム>
Sergelen
Tsetsendelger
<開催運営者>
Adiyasuren Jamiyandagva
Amarbaysgalan Dashkhuu
Misheel Enkhbold
Tumenbayar Baysgalan
モンゴル
モンゴル
モンゴル
モンゴル
26
添付資料 3 スケジュール
8 月 17 日(水)開会式・オリエンテーション
活動内容
10:50
ウランバートル着
12:30-13:20
チェックイン
13:30-14:30
昼食
場所
チンギスハーン国
際空港
ホステル"Golden
Gobi Hostel"
レストラン”
Mandakh”
補足
バスにてホステルへ移動
開会宣言
モンゴル国国歌斉唱
15:00-16:00
開会式
モンゴル国立大学
会議室
モンゴルチーム代表挨拶
モンゴル国立大学 学長挨拶
各国代表挨拶
モンゴルでの諸注意
講師:S.Enkhbat
テーマ
16:00-17:00
特別講演
モンゴル国立大学
会議室
”How can Mongolia and NEA work
with economic and politics
around nuclear power”
講義 40 分, 質疑応答 20 分
17:15-18:00
オリエンテーション1
18:00-18:30
オリエンテーション2
19:00-21:30
歓迎パーティー
22:00
モンゴル国立大学
会議室
モンゴル国立大学
会議室
レストラン”
Altai Barbeque”
パンフレット配布等
アイスブレイク、
活動グループ分け
解散
27
8 月 18 日(木) フィールドトリップ 1 日目
時間
活動内容
場所
6:00
朝食
ホステル"Golden
Gobi Hostel"
6:30
ウランバートル出発
6:30-11:30
移動
11:30-12:15
休憩
12:15-14:00
移動
14:00-14:30
エルデネト市着
14:30-15:30
昼食
16:00-19:00
鉱山会社見学
19:00-20:00
キャンプ場着
20:00-21:30
夕食
22:00-22:30
キャンプファイア
補足
エルデネト市
Erdenet Mining
Company
ゲル宿泊
レストラン
“Galiin
Naadam”
8 月 19 日(金) フィールドトリップ 2 日目
時間
活動内容
場所
8:00
朝食
レストラン
“Galiin
Naadam”
10:00-12:00
移動
12:00-13:30
昼食
14:30-17:00
補足
ウランバートル郊
外
モンゴル人の伝統的
生活を体験
夕食準備
乗馬体験等
17:30
夕食
19:00
出発
22:00
ホステル着
ホステル"Golden
Gobi Hostel"
28
8 月 20 日(土) ディスカッション 1 日目
時間
8:00
活動内容
場所
朝食
ホステル
"Golden Gobi
Hostel"
補足
モンゴルチーム
10:30-11:30
特別講義
モンゴル国立大学
会議室
"なぜ北東アジアにおけるエ
ネルギー安全保障がモンゴル
において重要なのか"
プレゼンテーション 30 分
質疑応答 20 分
韓国チーム
11:40-12:30
プレゼンテーション
Part 1 「北東アジアのエネルギー
安全保障」
モンゴル国立大学
会議室
"北東アジア内における理想
のエネルギー安全保障"
プレゼンテーション
質疑応答
休憩
12:40-13:30
昼食
14:00-15:00
プレゼンテーション
Part 2 「北東アジアのエネルギ
ー安全保障」
30 分
20 分
10 分
レストラン
”Mandakh”
モンゴルチーム
モンゴル国立大学
会議室
プレゼンテーション
質疑応答
休憩
30 分
20 分
10 分
日本チーム
15:00-16:00
プレゼンテーション
Part 3「北東アジアのエネルギー
安全保障」
モンゴル国立大学
会議室
プレゼンテーション
質疑応答
休憩
30 分
20 分
10 分
モンゴルチームへ質問
分
休憩
16:25-18:40
ディスカッション 1
モンゴル国立大学
会議室
15 分
日本チームへ質問
休憩
18:40-19:00
まとめ
19:30-21:00
夕食
30 分
15 分
韓国チームへ質問
休憩
30
30 分
15 分
モンゴル国立大学
会議室
29
8 月 21 日(日) ディスカッション2日目
時間
8:00
活動内容
場所
朝食
ホステル
"Golden Gobi
Hostel"
補足
日本チーム 10 分
10:00-10:30
ディスカッション2
モンゴル国立大学
会議室
モンゴルチーム 10 分
韓国チーム 10 分
各チーム再度自国のアイデ
アを主張
10:40-11:00
まとめ2
モンゴル国立大学
会議室
11:05-11:45
ディスカッション3
モンゴル国立大学
会議室
11:45-12:00
まとめ3
12:30-13:40
昼食
モンゴル国立大学
会議室
レストラン
"Mandakh"
各国の主張の妥協点と可能
性を協議
結論を導く
日本チーム
原子力発電
13:40-14:40
特別講演
モンゴル国立大学
会議室
プレゼンテーション1
分
休憩
10 分
プレゼンテーション2
分
休憩
14:45-15:30
ディスカッション
モンゴル国立大学
会議室
ディベート1
モンゴル国立大学
会議室
20 分
ディベート
まとめ
17:15-18:15
ディベート2
18:40-20:30
20:30
20 分
ディベート
まとめ
30 分
10 分
準備時間
モンゴル国立大学
会議室
20
10 分
準備時間
16:00-17:00
20
30 分
10 分
夕食
ホステルへ移動
30
8 月 22 日(月) ディスカッション 3 日目
時間
活動内容
8:00
朝食
10:00-12:00
カシミヤ工場見学
12:30-13:30
カシミヤ販売店訪問
13:30-14:30
昼食
場所
補足
ホステル"Golden
Gobi Hostel"
ウランバートル市
内
ウランバートル市
内
レストラン
"Mandakh"
プレゼンテーション
15:00-15:55
SRTの将来
モンゴル国立大学
会議室
質疑応答
休憩
16:00-17:00
ディスカッション
17:00-18:00
閉会式
19:00-22:00
フェアウェルパーティー
22:00
30 分
20 分
5分
モンゴル国立大学
会議室
モンゴル国立大学
会議室
レストラン”Altai
Barbeque”
ホステルへ移動
31
添付資料 4 アンケート
企画運営班による 31 人に対するアンケートの結果である。
1. この時期 (8 月の中旬) の開催は適切であったか。
1. 6 日間というプログラムの長さは適切であったか
32
3. 参加費は高かったか。
4. どのような情報を知りたかったか。(複数回答可)
33
5. 一番印象に残った出来事は何か。
6. 余裕を持ったスケジュールであったか。
34
7. プログラムの数は適切であったか。
8. フィールドトリップで一番印象に残った出来事は何か。
35
9. SRT2011 で何を得たか。(複数回答可)
10. SRT2011 の全体の満足度はいくつか。
36
学術班による参加者にはアンケートの回答結果である。
特別公演:「モンゴルと北東アジアは原子力についてどのように政治的、経済的に協力する
のか」
1. このレクチャーの内容は、今回の夏開催にふさわしい内容であった。
2. レクチャーは興味深く、ためになった。
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3. 今後行う開催でも、このようなレクチャーは必要だと思う。
北東アジアにおけるエネルギー安全保障
4. トピックは、今回の夏開催にふさわしい内容であった。
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5. 議長の指示はわかりやすく、従いやすかった。
6. ディスカッショントピックは、夏開催にふさわしい内容であった。
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7. ディスカッションの時間の長さは・・・
福島原発事故と原子力発電
8. トピックは夏開催にふさわしい内容であった。
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9. 議長の指示はわかりやすく、従いやすかった。
10. ディスカッショントピックは、夏開催にふさわしい内容であった。
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11. ディスカッションの時間の長さは・・・
SRT の将来
12. プレゼンテーションの内容は、夏開催にふさわしい内容であった。
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13. ディスカッションの時間の長さは・・・
14. 議長の指示はわかりやすく、従いやすかった。
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セッション1「北東アジア内におけるエネルギー安全保障」から学んだこと
 北東アジア内のエネルギー安全保障を、今できることから考えておく大切さ。学生のメ
ンバーでもできるということが、今回証明されたように思う。
 今回話し合った結果出た結論を現実的なものにするためには、政治的問題も考慮する必
要がある。
 各国がそれぞれ理想とする協力を提示した時、各国が納得する結論を出すのはとても困
難だと思ったが、度重なる議論の末、全員が納得できる結論が出てよかった。
 何か月にも渡り下調べをして本開催に臨んだにも関わらず、やはり会議を通して学ぶこ
とがとても多かった。
 会議を通して、実際目には見えないが、
「真の相互理解」を見た気がした。
セッション 2「福島原発事故と原子力発電」から学んだこと
 出身国によって、原子力に対する姿勢が異なっていた。韓国の学生は主に原子力につい
て前向きな姿勢であったが、日本の学生は否定的な姿勢であった。
 モンゴルと韓国の学生は、原発事故によって引き起こされる健康被害に強い興味を満っ
ているようだった。
 本開催前は、日本人全員が原子力発電については否定的だと思っていたが、実際には現
実を考えており、原子力の必要性を認めている学生もいた。
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添付資料 5 写真
第一日
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第二日
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第三日
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第四日
48
第五日
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第六日
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北東アジア学生ラウンドテーブル 2011
以下の団体・企業のサポートによって実現しました。
助成
Mitsubishi UFJ Foundation
公益財団法人
三菱 UFJ 国際財団
Heiwa Nakajima Foudation
公益財団法人
平和中島財団
The Kamenori Foundation
公益財団法人
協賛
かめのり財団
The Akita Bank, Ltd.
㈱ 秋田銀行
Mitsubishi Materials Corporation
㈱ 三菱マテリアル
Akita Tohoku Syoji. Co., Ltd.
㈱ 秋田東北商事
Kawabata Group
㈱ グランパレス川端
Naba Shoten, Ltd
㈱ 那波商店
協力
Akita International University
国際教養大学
National University of Mongolia
モンゴル国立大学
Akita-Mongolia Friendship Association
秋田モンゴル友好協会
Embassy of Japan in Mongolia
在モンゴル日本大使館
北東アジア学生ラウンドテーブル
〒010-1211 秋田県秋田市雄和椿川奥椿岱 193-3
公立大学法人
国際教養大学
森園浩一研究室内
TEL: +81-18-886-5900 FAX: +81-18-886-5910
E-mail: [email protected]
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