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(2) 企業技術者等による学校での実践指導 a 平成 20 年度における取組

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(2) 企業技術者等による学校での実践指導 a 平成 20 年度における取組
(2) 企業技術者等による学校での実践指導
a 平成 20 年度における取組総括
参加生徒数(重複除く)60 名、参加企業数(重複除く)2 社、生徒一人当たりの平均実習日数
2 日、平均実習時間 10 時間、平均実習企業数 1 社
取組概要:㈱楢崎製作所室蘭工場(室蘭工業高等学校)の技術者2名によるアーク溶接技術指
導、王子工営北海道㈱(苫小牧工業高等学校)の技術者2名によるアーク溶接技術指導
取組目標:地元中小企業で活躍している熟練技術者を学校に招聘し実技指導を受けることで、
実践的な技術・技能を身につけるとともに、ものづくりにかかわる各種競技大会へ積極的に参
加し、その成果の確認を行う。現場の第一線で活躍する熟練技術者から直接指導を受けること
で、ものづくりの醍醐味や社会人としての礼儀を学び、生徒の技術力のみならず学習意欲の向
上を図ることを目標とする。
b 具体的な取組
(a)DOSANKO ものづくり塾〔テーマ:アーク溶接技能講習(基礎)〕
対象校:北海道室蘭工業高等学校 電子機械科 1 年 40 名
実施期日:平成 21 年 1 月 14 日∼15 日 (2 日間)
教育上の位置づけ:課外
企業名:㈱楢崎製作所室蘭工場 技術者 2 名による校内実技講習
講習内容:アーク溶接等の基礎理論およびアーク溶接装置に関する基礎知識、アーク溶接等
の作業方法に関する知識、溶接機の取扱方法等に関する実技前座学。防護具の着用方法、基
礎実技(溶接電流調整・溶接棒の選定、アークの発生、ストリンガービード、ウイービング
ビード、T 型突き合わせ溶接、V 型突き合わせ溶接等の実技講習
実技講習成果(生徒の感想)
:
「最初のアークを出すタイミングが難しかったが、繰り返すう
ちにコツを掴むことができた」「自分なりに自信があったが、プロから見るとまだまだ下手
で、細かなミスが多かったが、単純なミスでも許されない仕事であることを学んだ」
「講習
前は自分でできるか心配だったが、講師の方の優しく親切に教えていただき、とてもスムー
ズにできた。この講習で学んだ技術を今後に活かし就職に結びつけたいと思う」「溶接棒と
母材との距離をいかに一定に保つかが非常に難しかった。溶接の技術は、溶接棒を溶かした
だけ上手になると言われたけど、自分としても、最初の段階と最後の状態はかなり違い上達
したと思う。このような機会があったらまた参加したい」「溶接の経験が無かった自分にと
ってはとても貴重な経験になった。最初は、細かったり太かったり、薄かったり厚かったり
を繰り返したが、熟練した技能者にコツを教わり、最後には非常に良い作業ができた」「や
はりプロの技術はすごい。講師の先生は、非常に細かなところまで教えてくれた。溶接のコ
ツは、棒の高さ、角度、動かす速度などであることがわかった」
実技講習成果(保護者アンケートから)
:
「室蘭はものづくりの町であり、溶接技術はどこで
も使える技能であり、ぜひ身につけて欲しい技能の一つである。溶接で色々な形に物を作り
上げていく喜びをわかってもらい、興味がわけばもっと向上すると思う。子供に“どうだっ
た”と聞いたら“口では説明しづらい、やってみなければわからない”ということで、技術
の高低を知るには自分の技術を磨く必要があると感じているようだ」
「自分の作業が褒めら
れたことが嬉しかったようだ。機会があればまた講習を受けたいと言っている。なかなか体
験できることではないので、素晴らしい機会を与えていただいたことに感謝する」
- 22 -
〔アーク溶接技能講習風景〕
(b) DOSANKO ものづくり塾〔テーマ:アーク溶接技能講習(基礎)〕
対象校:北海道苫小牧工業高等学校 電子機械科 希望者 20 名(1年・2年・3年)
実施期日:平成 21 年 1 月 13 日∼15 日(3 日間)+ 自主練習 16 日(1 日間)
教育上の位置づけ:課外
企業名:王子工営北海道㈱ 熟練技術者 2 名による校内実技講習
講習内容:アーク溶接等の基礎理論およびアーク溶接装置に関する基礎知識、アーク溶接等
の作業方法に関する知識、溶接機の取扱方法等に関する実技前座学。防護具の着用方法、基
礎実技(溶接電流調整・溶接棒の選定、アークの発生、ストリンガービード、ウイービング
ビード、T 型突き合わせ溶接、V 型突き合わせ溶接等の実技講習
実技講習成果(生徒の感想)
:
3 年生「1 月 13 日から 16 日まで苫小牧工業高校でアーク溶接の技能講習がありました。
初日と二日目は、講師の人が溶接に関する用語の説明などを教えてくれました。二日目の後
半からは実技の方に移りました。講師の目黒さんを中心にまずは、アーク溶接をするときに
必要なゴーグル、マスク、エプロン、皮手、皮足などの道具の装着の仕方を教えてもらいま
した。次に溶接棒のゼロードとLBの説明や電圧の調整の仕方などを教えてもらいました。
三日目は朝から実技で、一班 5 人で交代しながら作業を行いました。ゼロードを溶接するの
は簡単なのにLBになると、なかなかアークが出なくとても苦戦しました。
だけど何回か練習を重ねるうちに、ビードのひき方を取得できました。そんな私たちに溶接
の課題が出されました。内容は鉄の板を二枚継ぎ合わせというものでした。目黒さんが見本
を見せてくれました。わたしが挑戦してみるとなかなかうまく出来ずぼこぼこに仕上がりま
した。友達のと比較しても一番下手で、自分が造船会社に就職したら本当に溶接の仕事をや
っていけるのか不安になりました。
けれど、諦めたくなかったので自分なりに一生懸命頑張り、三日目が終了しました。
四日目の最終日は各自主練ということで朝の九時から一人でずっと溶接の練習をしていま
した。三日目にやった、課題を納得いくまで練習しました。この日は、今までで一番仕上が
りが良く最高でした。この四日間を通してアーク溶接の知識、技術を学ぶことが出来とても
貴重な体験でした。講師の畑山さん、目黒さんをはじめ協力してくれた先生たちには感謝の
気持ちで一杯です。わたしが卒業して会社に就職したら今まで学んできたことを無駄にせず
いかして頑張りたいと思っています。」
3 年生「今回のアーク溶接特別教育では、講習や実技などでとても良い経験をすることが出
来ました。 まず一日半くらいあった講習で、アーク溶接についての基本的な事を学んで、
知っている部分の復習をした。その他にも、この資格のことや、その時の先生の昔に経験し
た話を聞くことが出来た。実技では保護具の付け方と、溶接をした。溶接をするときは電流
計を使ったりと、初めてのことが多かった。溶接自体は最初うまくできなかったけれど、最
後の方にはうまくできることが出来たので良かった。 今後働いてからアーク溶接をする機
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械があるか分かりませんが、する機会があれば今回の特別教育の学んだことや経験を生かせ
れば良いなと思います。」
3 年生「わたしが勤める会社で使うと思い今回のアーク溶接特別教育を受けようと思いまし
た。今回の日程は四日間で最終日だけは一時間半の自主練でした。内容は、まず最初に講習
でした。講習では溶接棒の種類や法令をやり、特に危険な行動や死亡事故についてはために
なりました。死亡事故は毎年おきており、とても危険なものだと学びました。実技では、も
のづくりオリンピックにも出たことのあるほどの技術を持っている目黒さんという方が来
てくれました。目黒さんの技術を近くで見ることが出来、とても勉強になりました。そのう
え、溶接についてもいろいろと教えていただき、とても貴重な体験ができました。このよう
なことは来年以降もつづけてほしいです。」
2 年生「今回、国のプロジェクトの一環で王子工営の方をお招きし、アーク溶接の講習会を
開いていただきました。講習会は四日に分けて行われました。まず一日目はアーク溶接等作
業の安全について学びました。これを学んだことによって、再び自分が危険な作業をしてい
るんだなと実感することが出来ました。 二日目の午前中はアーク溶接等作業の安全を学習
し午後から実習を行いました。実習ではまず、アークを発生させる練習をしたあとにビード
をのせる練習をしました。溶接をするときの服装がかなり重装備だったので、少し驚きまし
た。三日目は水平隅肉溶接をしたあとに、中板下向突き合わせ溶接をしました。水平隅肉溶
接もそうでしたが、下向突き合わせ溶接では何層にも渡ってビードを重ねました。四日目は
学校が開いてくれた最後の仕上げの実習の日でした。この日は下向突き合わせ溶接を三回ほ
どやりました。最後の一枚がうまくできたのでよかったです。この四日間でアーク溶接につ
いて深く理解することが出来とてもためになりました。
」
2 年生「一月十三日から十五日までアーク溶接技能講習がありました。僕は一年生の時から
アーク溶接の楽しさを知り興味があり、この三日間の講習を受けようと思いました。一日目
は、アーク溶接に関する基礎知識や基礎理論の説明で一日が終わりました。二日目は、アー
ク溶接の作業に関する説明や関係法令について学びました。そして午後からは実際にアーク
を発生させる実技をしました。
その前にしっかりと保護具の着用の確認をしました。足や腕、
エプロン、メガネにマスクを装着すると誰が誰だか分からないぐらいの宇宙人のような格好
になりました。そして保護具装着のあと、実際に電流を流して溶接棒の選定をし、溶接電流
調節をしました。電流の調節は意外に簡単ですぐに終わりました。まずアークを発生させる
と、ストリンガービードという溶接方法で溶接をしました。只アークを発生させ線状にビー
ドをおくだけでしたがとてもおもしろかったです。その後は少し難しいT型突き合わせをし
て二日目は終了しました。三日目は最後の講習でした。午前から午後までは基礎実技から応
用実技を長くしました。午後の終わりには、実技試験と同じV型突き合わせをしました。最
初の板と板の仮止めは簡単で、三日目にもなるとLB−47の溶接棒を使いこなすことが出
来るようになったと思います。みんなこの試験では苦戦していましたが、僕は見て学んだこ
と、やって学んだことを全ていかして溶接するとかなりうまくいきました。やはり、一番大
事なことは何も考えないで溶接するより、何かを考えながらすることによって自分のスキル
がアップするのではないかと思います。この経験を卒業しても生かし続けたいと思います。
」
2 年生「このアーク溶接講習 3 日間を終えて、感じた事は一年生の頃の実習で何回かはアー
ク溶接をした事があったので少しは自信がありましたがなかなかうまくいかなかった事で
す。 一日目は講習がメインだったので溶接はしませんでした。けれど講習では今まで知ら
なかった事や安全第一などという事を教えていただきました。二日目は溶接する前の復習を
して、午後からアーク溶接実習をしました。器具とかは全て新品で防じんマスクなどをつけ
て作業しました。最初のほうはただ横に一直線に溶接するだけだったけど久しぶりにアーク
溶接をしたので少しビートがガタガタになってしまいました。その後に、2 つの鉄板を仮止
めしだんだんとビートを重ねていく溶接をしました。 三日目は初めから溶接をして、目黒
さんの手本を見て自分なりにゆっくりあわてずに溶接棒を溶かしていきました。講師の方々
と先生方溶接を指導していただきありがとうございました。
」
2 年生「初日は、まだ冬休み気分という事もあり朝が早く、とても眠くて、話を聞く事が大
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変でした。でも、二日目からは少しずつ冬休み気分も抜けてきて話を聞く事に集中できまし
た。一日目は眠くて集中できなくてすいませんでした。長い時間、忙しい中に講習に来てい
ただいてありがとうございました。実技講習では、今まで学校の授業で教わっていなかった
ことを教わることができ、今後にいかせるかわからないですけど、いい勉強になりました。
僕は、今回の講習を受ける前までは、溶接がいまいちうまくできなかったのですが、講習を
通してある程度うまくできるようになりました。講習全体を通して、新たな知識や技術を取
得することが多少出来たと思います。3 日間本当にお忙しい中、僕達の講習につき合ってい
ただきありがとうございました。今後、溶接にたずさわることがあれば、この講習で学んだ
ことをいかしていきたいです。
」
2 年生「最初にこの話が来たときに、自分は「よし、やろう」と思った。それはまだ一年生
の時に初めてアーク溶接の実習をした時だった。初めの内はうまくアークを発生させられな
いのも仕方ないと思いながら練習していたが、何度やってもうまくいかずに溶接棒が母材に
くっついてしまいます。なんとか先生のサポートもありこなすことが出来ましたが、自分一
人だけでまともな作業は到底無理なレベルでした。なので、今回の特別教育に参加して技術
を身に付けたいと思いました。講習が始まり最初は知識について座学をして二日目の午後か
ら実技でした。座学については長い時間ずっと座っての講習でしたがボイラーの時の経験や
先生との会話、実技に役立つ内容もあったので集中できた。本題の実技に関してまず驚いた
のは装備品だった。学校で使っていて見慣れている物の他に多数の物品があった。次に思っ
たのは自分の体を護るため、害がないようにできるだけ安全に作業するためにはこれだけの
物が必要なんだと感じた。装備品を着用し、ついに練習が始まった。技術は数をこなして学
ぶしかないことは小学生の時から痛いほどわかっていた。しかしなかなかそうもいかないの
が現実だったりもする。今回は時間も多く自分の練習もほどほど出来た。最初は不安通りう
まくは出来なかった。しかしここで座学が役に立った。今まではタッピング法という方法を
使っていたが新しくブラッシング法というのを学んだおかげで飛躍的に向上できた。充実し
た特別教育だった。最後に実技の先生がおっしゃっていたことを自分なりにまとめると、誰
もが最初から上手に出来るわけがないのは当たり前でうまくやろうという気持ちよりも、ど
の様にすればどうなるのか、自分にはどの様な方法が合っているのかなどとにかく実際にや
ってみることが大事だということ」
。
1 年生「今回の技能講習は、4 日間の日程で行われました。一日目と二日目の午前中まで基
礎知識などの勉強でその日の午後と三日目が実技、そして最後の四日目が自主練習でした。
まず一日目の授業では、僕が間違えてしまって乗ろうと思っていたバストは違うバスに乗っ
てしまって時間ぎりぎりでなんとか到着できて先生に注意されましたが、とりあえずホッと
した。それから授業が始まる前に先生たちの自己紹介がありました。それで授業が始まりま
した。授業は配られていた教科書を使って進められました。先生はわかりやすくていねいに
教えてくれました。最後の方は僕が疲れてしまって集中できませんでした。二日目は一日目
のように遅刻しないように、バスをちゃんと見て乗ったんですが雪でバスが遅れてしまい、
また遅刻しそうになりました。それからその日は午前中が授業で午後からは実技になってい
て、しかも午前中の授業の最後には今までの授業でやったことのテストをやるので少し緊張
したんだけど、教科書を見ながらやってもよかったので少し安心しました。その後の、授業
が終わり、ついにテストの時間になりテストを初めて見ると結構おぼえれてませんでした。
でも教科書があるからと、安心していたらどこのぺーじかわからなくて、空らんもあってダ
メダメでした。午後からの実技では、目黒先生という人が来てくれて教えてくれました。こ
の時の僕は溶接が苦手だったんですが少し出来るようになりました。そして三日目はずっと
溶接の実技で大変だったけどこの日は目黒先生も色々教えてくれた大分出来るようになっ
た気がします。それから四日目自主練習で、実技でやったことを思い出してやると、最初の
ころよりはうまくなっていて溶接も少し好きになりました。それから最後にこの四日間でや
ったことは国がお金を出してくれて充実したものだったと思います。これからの実習なんか
で生かしていきたいです。
」
1 年生「一月十三日∼十五日までアーク溶接特別講習があり、十三日と十四日の午前まで教
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科書を使った座学で、十四日の午後から十五日まで実技をやりました。座学では、講師さん
に、アーク溶接に関する知識、アーク溶接などの基礎理論、アーク溶接装置に関する基礎知
識、アーク溶接などの作業の方法に関する知識、関係法令について教えてもらい、各章ごと
の前に講師さんの昔の話や作業に関する事を教えてもらいました。実技の方では、同じクラ
スの目黒君のお父さんに、溶接機の取扱方法、保護具の着用の仕方、基礎実技、を教えても
らい、基礎実技では、溶接電流調節の方法、溶接棒の種類と選び方、アークの発生、ストリ
ンガービード、ウイービングビード、T型突き合わせ溶接(下向きすみ肉溶接)、T型突き
合わせ溶接(水平すみ肉溶接)
、V型突き合わせ溶接、組立ての方法、1 層目、2 層目、3 層
目、4 層目(最終層)の溶接を教えてもらいました。溶接をするときは、ブースが四つしか
ないので、五人一班で組んでやりました。班員は 2 年生の岩崎先輩と林崎先輩、1 年生の及
川と青山と自分の五人でした。各ブースに先生方が一人つき自分たちの班は目黒君のお父さ
んでした。目黒君のお父さんに優しく教えてもらいよく勉強になりました。本当は応用実技
もやるはずだったけど、時間の関係上できませんでした。今回の特別講習で、アーク溶接に
ついてくわしくわかり、とても良かったです。また今度あったらまたやってみたいです。」
“アーク溶接技能講習”アンケート結果(資料№7
〔アーク溶接技能講習風景〕
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参照)
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