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中国進出企業の環境マネジメント及び環境技術移転の実態に関する調査

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中国進出企業の環境マネジメント及び環境技術移転の実態に関する調査
東アジアにおける環境問題と環境政策の拡大
―中国進出企業の環境マネジメント ―
文教大学国際学部
Environmental Problemes & Policies in East Asia
―Research Reports on China Companies and Environmental Protection
Bunkyo University
小坂勝昭
―
Katsuaki Kosaka
Introduction
1. Environmental problems and Environmental Policies in China
(1) Coming of My Car Boom
(2) Environmental Pollutions in China
(3) Complex of Social and Environmental Structures
2. Mutual Cooperations for Environmental Protection between China and Japan
(1) Successful Results of Environmental Cooperations between Kitakyusyu and Dalian (2)
Association for Foods Safety and Processing
はじめに
本稿は平成15-16年度におこなわれた文部科学省「科学研究費助成」による『中国進出企
業の環境マネジメントと環境技術移転の調査研究』(平成15-16年度、研究代表者 小坂勝
昭、 研究協力者 山田修嗣、石塚浩、茅野広行)の中間報告である。第一回目のプレ調査は、
2003年8月17日―24日の日程で北京の「社会科学院」、天津の「経済技術開発区」へ(調査
者は小坂、田辺)、第二回目調査は10月8日-13日の日程で大連市の「環境保護局」、および
日系企業「マブチモーター」を訪問し調査を行った。調査参加者は小坂、石塚、田辺の三名。二
度の調査に同行され通訳も含め、中国事情についてご教授くださった田辺義明文教大学国際
学部非常勤講師には一方ならぬお世話になった。また田辺先生の友人で、大連英博科技発展
有限公司の副社長、兼海外投資経営コンサルタントとして著名な薄田雅人氏には企業の御紹
介をいただき、さらに多くの事柄を御教授いただいた。お二人が提供される情報や知識がなけ
れば研究は進まなかったに違いない。
さらに、第三回目として本年の3月9日-12日、上海の服飾関係企業の「上海美旭服装有限
公司」、「上海桜島服装設計有限公司」、および日本通運関連の日系企業「e-Technology
Co.」、「上海通運国際物流有限公司」、および「上海市環境保護産業協会」、「上海今是浄化技
術有限公司」を訪問した。調査参加者は小坂、石塚、山田の三名に石井雅章文教大学非常勤
講師が参加した。国際都市上海が中国全体の中でも最も環境問題への取り組みが進んでいる
都市であり、特に「環境ビジネス」の展開の速度には驚くものがある。国際都市上海ではカネ、
モノ、ヒトはすべて経済発展に有益な循環財であり、こうした財の生産、交換、分配が次第に莫
大な量に成長しつつあることを認めざるを得なかった。環境分野が将来もっとも有望なビジネス
分野と成り得ると確信し始めた学者、官僚、財界人の環境ビジネスへの参入は上海ではもはや
当然の構図となりつつある。
また、第四の調査は、平成15年11月16日―19日、静岡県の「中国環境経済調査団」の研究
調査に参加し、この調査団の一員として杭州市の西湖、および浙江省の浙江大学、浙西大峡
谷、臨安市、石門鎮まで訪れ種々の現場を視察する幸運に恵まれた。本調査団は、静岡市と
杭州市が姉妹関係にあるため「公的性格」をもち、そのため、科研費調査では遂行不可能な現
場の視察を体験できたのである。次第に社会調査が困難な時代になりつつあるという認識をも
ちながら中国に調査に入ったが、当然に企業のガードは固く、まして体制の異なる中国での調
査は決して容易ではなかった。
この度の静岡県の環境調査団は、特定非営利活動法人「NPO 日中環境経済中心」の主要メン
バーの方々が企画されたものであり、静岡県の廃棄物処理や下水処理の仕事に従事してこら
れた大井川環境管理センター所長の八木敏郎(代表理事)、平井一之(静岡県環境資源協会事
務局長兼常葉学園短期大学客員助教授)、中国事情通と自他ともに認められる細美和彦氏(理
事)、環境 ISO 取得の専門家である加藤多次郎氏(理事)、さらに、自然環境復元協会の副会長
で『ビオトープ環境の創造』(平成12年)の著者である秋山恵二朗氏、その他中国調査団団長
の天野一氏(静岡県議)や、この調査団に参加された多くの方々に厚く御礼申し上げたい。これ
らの大変優秀な人材との出会いがなければこの論文は事実認識に欠けた論文で終ったであろ
う。
1.中国における環境問題と環境対策
東アジア地域、特に中国で進行しつつある環境悪化の急速な進行は、中国の環境保護政策と
環境ビジネスを急速に促進しつつある。東アジアの中では日本の環境政策、および環境ビジネ
スが先陣を切っている。住民が主体となっての環境運動や新たな「環境 NPO」の設立などの大
きなうねりが日本全土に拡大しつつある。私たち研究グループは、日本の環境問題の現状につ
いて調査研究を実施すると同時に、東アジア地域全体に視野を拡げアジアの環境悪化および
環境対策の現状を正しく認識するため中国の調査を開始した。
東アジア地域の環境問題が世界的な関心を集め始めたのはここ 7-8年のことである。科学研
究費助成を受けて行なってきた『中国進出企業の環境マネジメントおよび環境技術移転の調査
研究』に関する調査の過程で、中国がもはや発展途上国という呼び方が相応しくないと思うよう
になった。中国はもはや巨大な産業国家に成長しつつあるという認識である。1-1.マイカーブ
ームの到来
中国は昨年度、自動車生産台数で世界第四位につけ、SARS 騒動期間の数ヶ月間の間に北京
市の乗用車が 70 万台も増加した。伝染性の SARS から自分の家族を守るためにはバスや地下
鉄などの公共交通機関より自動車が安全という「車の効用」に気付いたためである。更に WTO
加盟に伴う自動車価格の低下が拍車をかけマイカーブームの到来を促進したといえるだろう。
(1)しかし、マイカーを所有するためには入札制度で登録番号を年収以上の32万円も支払わ
ねばならないというシヴィアな状況の中でも入札希望者が殺到する状況である。今後、駐車場
不足が問題となるのは目に見えている。
先進国並みの生活レベルを望む中国の中上流階級のこうした行動パターンにこそ今後の中国
社会の姿を見ることが出来よう。たとえば、今年の「春節」(旧正月)の一週間、家族そろってのド
ライブ旅行で観光に出かける人々が急増したことがわが国のテレビニュースとして流された。い
ち早く中国への進出を決めたホンダ自動車だが、「広州ホンダ」製造のアコードが二年先の予約
までいっぱいといった驚くべき情報を入手し、中国経済の発展と所得水準の向上がこうした消費
行動を支えていることを認識することになった。こうした経済成長を目にすると中国脅威論がま
すます現実味を帯びてくる。
中国に入って、北京の街を走るワインレッドのタクシーのほとんどがフォルクスワーゲン製の乗
用車サンタナ(桑塔納)、仏製シトロエンであることに気づく。決して日本車ではない。天津に移
動して初めてダイハツ製の小型車シャレードのタクシーに出会った。トヨタは中国進出に慎重で
あったため、中国進出しようと意思決定したトヨタは最初中国政府から拒否されたという事実が
あり、傘下のダイハツの天津工場でトヨタ車の生産を始めた。天津豊田の1500ccの中型車
VIOS(威馳)の人気はうなぎ上りである。中国政府はトヨタの実力を正当に評価しており、ハイブ
リッド車プリウスへの関心は高い。現在、世界の主要な自動車メーカーのほとんどが中国で生
産活動を開始しており、中国政府は近い将来に純粋国産車の生産を始めることを既に公表して
いるのである。政府の自動車産業に対する期待はかっての日本とかわらない。しかし、まるで環
境対策に要する時間が失われた発展途上国となりつつあるのだ。
こうした動きをみると環境悪化は今後ますます拡大し、深刻化するだろうという予感は次第に確
信に近くなった。北京、上海、重慶、大連などの4大都市部を中心に増加し続ける自動車台数
は年平均約15%という驚異的数字であり、今後の大気汚染を回避することが困難になりつつ
あると断言できる。
1-2.中国の環境悪化の状況
中国は大気汚染のほかにも工業発展に必要な地下水の汲み上げによる地盤沈下や、慢性的
水不足に悩み続ける国家である。特に地理的に長期間水不足に悩む山間部があると同時に
(2)、水質汚染地域の拡大によりますます水不足が深刻になりつつある。さらに表土流出によ
る土壌の荒廃の進行は中国の砂漠化を惹き起こし、北京のすぐ近くまで砂漠化が迫っていると
言われる。中国の「水ビジネス(ワハハ)」が巨大産業へと発展し続ける根底には中国の水不
足、水飢饉という事情があったのである。
溝口次夫(仏教大学社会学部)は論文「中国の環境問題を考える」(3)で重慶医科大学との共
同研究の貴重な成果を紹介している。共同研究のテーマは中国南西部の巨大工業都市「重
慶」の大気汚染と健康被害の関係に関するものである。この論文で引用された1996年の「中
国主要90都市の二酸化窒素濃度」(mg/m3)をみると中国全体で2100万トンと世界最大の排
出量である。特に貴陽、重慶がそれぞれ0.418,0.321という数字で90都市の上位1位、2
位と多いことを示しており、北京0.099、上海0.054と比較すればこの二つの都市が大気汚
染に占める二酸化窒素の量が異常に多いことが明らかである。貴陽が高度1071メートルの山
間の盆地に位置するという地理的条件を加味したとしても環境汚染の進んだ地域であった。し
かし、平均すれば北部地域44都市が濃度は高く、第三級環境基準を超える都市は北部では太
原、洛陽、瀋陽、青島、鞍山、など14都市、南部地域では、貴陽、重慶、のほか宜賓、南充、長
沙など7都市であった。(4)中国の大気汚染モニタリングは、1980年代の半ばに全国の主要
都市に測定装置が一都市に三地点ずつ置かれ、一ヶ月間に12日間以上のモニタリングが義
務づけられた。(5)
また水汚染に関しては、『ナショナル・ジェオグラフィック』2004年3月号の記事「中国の痛みー
広がる環境破壊」のなかに以下のような記述があり、水汚染と水不足が深刻な事態を招いてい
ることがわかる。
「より重大な脅威は、安全な水が不足していること。主要都市の3分の2が深刻な水不
足に陥り、中国全土で7億人が人間や動物の排泄物で汚染された水を飲んでいる。都市で排泄
される年間180億トンの下水の大半は、未処理のまま川や湖に垂れ流される。処理されるの
は、10%程度にすぎない。農家でも以前は、人の排泄物を肥料として畑にまいているだけだっ
たが、今では窒素やリンなど化学肥料も使用している。中国で肝臓や胃や食道のガンにかかる
割合が高いのは水質汚染と関係があることが、最近の調査で分かってきた。」(6)
溝口論文も WHO 資料から、中国の飲料水の4分の3以上は地下水が水源となっていること、し
かもそのうち3分の2が浅井戸から取水されていると指摘している。北京、天津のような大都市
においても2分の1以上が地下水であり、そのうち浅井戸が 3 分の1であるため地下水が汚染さ
れた場合の対策はきわめて重要であり、地下水への依存が大きいことは今後の地盤沈下の問
題が深刻になる可能性を抱えていると予想する。
1-3.中国の社会問題と環境問題の重層的構造
また、中国の環境悪化による被害の度合いは中国の社会階層に実在する格差問題と深くつな
がっている。山間部を含む貧困地帯で生活する住民たちの生活は、都市部で生活する住民の
それとは大きく異なると言われている。都市と農村の生活格差の拡大が農村から都市への人口
盲流を惹き起こし一時期問題視されたが、建設現場への出稼ぎは出来ても都市へ住所を移す
ことは法的に制限されている。そして、この出稼ぎの「賃金未払い問題」が社会問題に発展して
大きな問題になっている。(7)そして、都市と農村の生活格差の拡大も国家的な社会問題にな
りつつある。都市戸籍をもつ都市に住む住民は教育、医療、就職、社会保障の面で優遇されて
いるが、農業戸籍をもつ農村部の住民は都市に転居できない。都市では受けることの出来る福
祉サービスも受けることはできない。また農民の子供はどこで生まれようとも農業戸籍しかとれ
ない。(8)このような社会的差別構造が社会的不安を醸成し、国家的社会問題になりつつあ
る。確かに大学に入学できれば都市戸籍の取得は可能であると聞いたが、根本的解決にはな
ってはいない。
北京滞在中に中国社会学会会長の陸学芸教授が「都市と農村の格差問題」をテーマにしたスタ
ジオ番組(9チャンネル)「農民工問題的由来興解」(8月23日、PM1:00-2:00)に登場しほ
ぼ一時間の講義をされた。そのあと番組参加者から質問が出され、教授はこれに丁寧に答え
説明するという日本では普通の形式の視聴者参加番組であった。中国にもこの種の番組があ
ったことに驚きを禁じえなかった。というのは、その前日に田辺義明文教大学非常勤講師の案
内で中国社会科学院を尋ね、陸学芸教授の研究室で調査協力のお願いをし、また中国の環境
問題について意見交換をおこなった翌日の出来事だったからである。また中国のテレビ放送の
なかで非常に「社会学的な」内容の番組が制作され報じられたことに共産主義中国の変容ぶり
を認識したからである。
農村生まれの好々爺で庶民的な陸学芸教授の風貌からは彼が全人代代表としての地位と権
力を持つ人と感ずることはほとんどできなかった。彼のテレビでの講義の内容は、農村部の住
民たちや、青年たちに対する真摯な姿勢と理解に満ちていた。そうした内容が彼自身の発想に
基づくもので中国人民の不満をなくす方向性を指示する内容のものであることは間違いのない
ことである。農村出身の教授ならではの講義であったことは否定できない。彼の考え方が一時
期物議をかもしたが失脚することなく全人代代表の地位にあることの理由の一端を知り得たよ
うに思った。陸学芸教授の提案が都市と農村の格差解消につながる日が近い将来訪れること
を期待したい。
かつての共産主義中国の政治経済を支配したイデオロギー、即ち60-70年代のマルクス・レ
ーニン主義や毛沢東思想は死に絶えたわけではない。中国社会科学院の研究員の半数以上
は依然としてこうした思想の信奉者なのである。経済優先の「市場社会主義」(Market
Socialism)の導入を指導した鄧小平路線が今日の中国の産業化の発展をもたらしたことは間違
いない。13億の国民の口に糊することは一大事業である。国民総生産の上昇をもたらす産業
化こそがすべてであったに違いない。
2.日中環境協力の実現に向けてー「静岡―杭州モデル」への期待
昨年、北京、天津、大連、を訪ね、さらに既に述べたように静岡市の「NPO 日中環境経済中心」
(平成14年12月24日に特定非営利団体として承認された)を中心とした中国環境調査団に参
加し、杭州市を訪問した。この街の観光資源として著名な「西湖」を巨大な「ビオトープ」に改造
するという大規模工事を視察し、中国が環境保護に国家的規模で取り組み始めたことを改めて
再認識した。
また翌日、浙江省の臨安市からさらに奥深く浙西大峡谷に入り峡谷を流れる河川汚染を見せら
れた。臨安市環境保護局、および『青年時報』(新聞社)の記者がわれわれ調査団に同行し、取
材にあたっていた。
その峡谷の上流に位置する新橋郷という農村に汚染源となる現場があった。それは「蛍石加工
工場」であったが、その村の唯一の産業であるため新聞で公害の垂れ流しと批判を受けたもの
の工場は全面閉鎖されずに部分操業を続けていた。
調査団に同行した静岡市の「静環検査センター」の技術者がこの渓谷を流れる水の水質検査を
おこなうために水を日本に持ち帰り精密検査を実施した。帰国後の検査結果で渓谷を流れる緑
白色の汚染物質はフッ化カルシュウムであることが判明した。毒性がないとしても、東南アジア
諸国に観光資源として観光客を誘致するパンフレットがまかれていると聞いたがこの渓谷美を
台無しにする緑白色の河川を見た観光客は二度と訪れることはないだろう。こうした工場に対す
る処分や処置はどのようになされるのか。調査団の仕事ではないことだけは明瞭であった。他
国の公害問題に直面しても、それ以上に踏み込むことは困難という認識であったが、しかし新
聞記者が同行し、取材したのは何故だったのか。
この調査の翌日、石門鎮の運河の水質浄化に関する解決策を話しあうための懇話会が漫画博
物館を会場に開催された。北京から南下する運河は最南端のこの町が最終地点であった。運
河の汚染された水を浄化して水道水として利用するための方策をめぐる懇話会である。明らか
に日本側からの援助を期待するものと推察でき、今後この水質浄化の方法をめぐって討議が続
けられるだろう。静岡の「日中環境経済中心 NPO」の今後の活動を考えると、既に北九州市―
大連間の環境協力という先行的実験モデルがあることを無視できないだろう。大連と北九州市
が環境協力関係を締結して24,5年になる。静岡市と杭州市の姉妹関係が環境協力関係に発
展する可能性は高いだろう。今後、環境社会学徒として学ぶべき事柄は多い。それだけではな
く、隣国日本が先進国として背負うべき責任と義務は明確であり、科学技術先進国としての日
本の役割が問われる筈である。自然環境に国境はない。偏西風に乗って中国発の大気汚染物
質が黄砂とともに韓国、日本、アメリカ西部にまで達していることがごく最近ようやく検証され、
日米の共同研究が始まったばかりである。名古屋空港から上空1万5千メートルの大気を収集
し分析する作業がようやく始まっているのである。
従って、隣国の環境汚染問題は隣国の自主性と責任に委ねますというわけにはいかないところ
まで来ていると考えなければならない。見て見ぬふりを決め込むことのできない状況に追い詰
められている。国際的視野に立ち「環境協力」を推進することこそ今後のわが国の重要な役割と
なるはずである。NPO 環境経済中心の活動に参加して杭州市、および浙抗省石門鎮の環境状
況調査に参加する機会を与えられ、わが国に課せられている方向性について再認識せざるを
えなかった。中国側から期待された、運河の水質浄化はある意味で人道主義的な見地に立た
ねばならない課題に思われた。こうした深刻な環境浄化の要請を受け止め、どのような援助活
動ができるのか、今後わが国の日本企業や NPO が採るべき方向性を実感できたと思ってい
る。
筆者はこれまで科学研究費の助成を受け、東南アジア諸国における日本企業の技術移転問
題の調査研究をおこなってきた。インドネシア、タイ、マレーシア、シンガポールなどで稼動を続
ける日系企業数はそれぞれの国々で約 1200 社を超えるほどである。技術先進国と自他ともに
認められている日本の多国籍企業が現地の労働者を雇用し生産するという形態は、当初は順
風満帆と映る。現地の多くの労働者に雇用機会を提供し、しかも労働コストを数十分の一に切り
詰め、生産物は日本やヨーロッパへ輸出し利潤を稼ぐ。しかしこのような生産形態は長くはつづ
かない。
マレーシアの国産車プロトンの工場は、当初三菱が技術供与する形で生産を開始した。元首相
のマハティールの要請でマレーシアにも国産車をという呼びかけに乗った三菱が生産ラインを
つくった。しかし、数年前に訪問した時すでにプロトンには工場長と会計担当者を除けば日本人
はいなかった。
20年以上前に韓国に進出した日本企業も同様の運命であった。そして、今中国に進出して生
産ラインを提供し、現地の労働者を使って自動車の生産を始めたホンダやトヨタも同じ運命を辿
ることだろう。企業から派遣された優秀な技術者は「技術の流失」というあきらめにも近い感覚を
抱きながら指導者として働いている。こうした技術移転問題の調査の延長線上に韓国、中国の
環境調査を位置づけている。しかし、環境保護に関しては環境協力の必要性について反対する
ことはできない。環境技術の移転は中国を軸に避けては通れぬ最も重要な課題になる筈であ
る。
2-1.日中国際環境協力の成果―「北九州―大連」モデルの重要性
a. 環境都市「大連」の位置づけ
昨年10月8-13日の日程で、石塚浩、田辺義明、小坂勝昭の三名は大連を訪問した。薄田雅
人の斡旋により「大連環境保護局」を訪問し北九州市との環境協力関係について聴き取り調査
を行い、次に「マブチ・モーター」を尋ね、環境部門の担当者から「環境マネジメント」の実態につ
いて調査をおこなった。数年前、北九州市の KITA(北九州国際技術協力協会)に赴き、中国との
技術協力の実態を調査しており、今回「大連環境保護局」で、今度は逆に北九州市との環境協
力関係について調査することができたのである。
大連工商連合会の経済連絡所長の李国年氏の迎えを受けて環境保護局の玄関をくぐった。大
連は世界の環境モデル都市500のなかに指定されており、貴陽、重慶とともに都市環境モデル
地区プロジェクトの対象となっている。2001年、大連は市長の要請で世界の代表的なモデル
都市となり、環境改善・保護のための大規模投資をおこなってきた。これをきっかけに世界各国
からの直接投資が急増している。ここ数年、商工業の伸び率が高く GDP で1300億人民元(25
00億ドル)に達しており、2000億を超えた時点で大連の環境保護に対する中国政府の投資額
が急増し、特に経済発展の進んだ大連は他の都市の模範となるべく努力することが義務づけら
れることになった。
1979年5月1日、大連市は北九州市と友好都市関係を締結し、今日まで経済、貿易、文化、
スポーツなどの各分野で交流を続けており、特に日中国交正常化が実現して以来、日中間の
経済協力態勢が確立され今日の環境協力関係へと発展を遂げてきたという歴史がある。
現在、大連は中国における IT 産業の中心として非常に重要な位置づけを獲得しつつある。
1984年中国国務院に批准されて開発がスタートした「大連経済技術開発区」は大連市の北3
5キロに位置しており、2003年9月には大連駅から金石灘をつなぐ軽軌道でつながれ、開発区
駅が最寄り駅となり、交通の便もよくなっている。2003年8月現在、人口は22万人、約464社
の日本企業が登記されている。この経済開発区は日本企業の中国進出の拠点となっており、
建設中の10箇所の工業団地は、電子情報産業、化学工業産業、電機製造産業からなり、開発
区内外の企業に製品や、部品を供給している。また、中日両国政府と民間の協力による工業団
地として中国初の「中日合弁大連工業団地」が誕生している。
この技術開発区は大連市の副都心として発展中であるが、ここには保税区、および輸出加工区
が併設されている。保税区は自由貿易区として特別優遇税制政策が実施される総合的経済貿
易区で約700社が進出している。ここは中国国内における免税区域、すなわち関税制度上は
国外である。また、輸出加工区は保税区内にあり保税区同様、中国国内にある税関外区域で
あり、輸出加工型企業に都合の良い経営環境を提供している。大連輸出化工区は、中国東北
部の沿海解放都市における唯一の国家級輸出加工区である。この加工区は基礎インフラが充
実しており、海に近いという地理的メリットを有している。加工区で営業できる企業は、生産型企
業とそれに付随する物流企業に限定されているが、全国の14の輸出加工区の一つとして期待
が集まっている。
b.大連「食品安全協会」の設立 (9)
昨年9月16日、大連市内のホテルで「大連食品安全協会」設立総会が開催された。昨年、中国
から輸入された「ほうれん草」から大量の農薬が検出されたことは記憶に新しい。中国側の言い
分は自由貿易を標榜する日本が一方的に農産物の輸入を禁止するのは納得がいかないという
のが中国側の主張であった。上述したように水汚染が深刻化している中国では出来るだけ有機
農法によった、人体への農薬被害を最小限にとどめることが可能な無農薬野菜の生産が急務
である。もちろん、汚染された河川、湖沼の漁業資源の汚染も同様である。大連は環境都市を
標榜するほど環境改善にエネルギーを割くようになったが、こうした環境政策の採用は環境都
市を宣言するためには必要不可欠の知恵であり、路線であろう。
従って、食品の衛生安全を目的とする HACCP(ハサップ)に本格的に取り組む「大連食品安全協
会」の設立は非常に意味がある。この協会のメンバーには「大連三島食品有限公司」をはじめと
する食品関係の日本企業や、大連市の中国企業、市政府関係機関、大連大学、大連市産品質
量監督検査所、が参画しており「産官学」協力の上に構築される食の安全に対する取り組みと
いえる。このハサップのスローガン「大連はどこよりも食の安全。安心を目指す」という言葉から
は、大連から日本への食材供給が増加しているということ、更に大連の食品加工基地としての
重要性についての認識がハサップの設立に結びついたと言える。大連市内には海鮮料理レスト
ランが多く、渤海湾で取れる魚類やえび、かにが水槽で泳ぐ姿に大連の食の水準の高さに驚く
日本人が多いことは紛れもない事実である。
日本人にとって大連は遠くて近い場所である。旧満鉄時代の大連は大勢の日本人が生活して
いたわけで、その時代の名残をいたるところに発見することが出来る。満州鉄道の果たした歴
史的役割の重さを感ずると同時に、「日本人が再び攻めてきた」という言葉の重さもまた真摯に
受け止めねばならないだろう。現在、大連に在住する日本人は約2000人といわれる。国際線
の充実とともにヒト、モノ、カネの流通がますます頻度を増してくるだろう。
19世紀後半、ヨーロッパ列強の侵略が始まり帝政ロシアは清朝政府との間で大連を租借する
条約を結んだ。ロシア語で「遠い」を意味する「ダリニー」と命名されたが、日露戦争で勝利した
日本による植民地時代が始まり1905年、「大連」と正式に名づけられた。ロシア統治下で計画
されていた中山広場を中心に放射状に広がる都市計画を生かした街づくりをおこなった。日本
統治下で建築された洋式建築は現在も使用されている。たとえば、旧横浜正金銀行大連支店
(現在は中国銀行遼寧省分行)、旧大和ホテル(大連賓館)、満鉄社員の家族が住んでいた社
宅、等々。現在、大連の経済特区で稼動を続ける日本企業の数は上海とともに急増していると
いう事実を事実として受け止めねばならないだろう。
c, 北九州市の国際環境協力の推進
北九州市は、1963年2月に5つの都市が対等合併を行うことで成立した。1979年に大連と
の友好都市関係を結び、1981年10月に日本北九州工業展覧会を開催した。平成3年7月、
大連・北九州市交流事業の協議において大連市長の提案により平成5年10月に友好都市15
年を記念する技術交流セミナーを開催した。
こうした経過のなかで、1989年に「水辺と緑とふれあいの国際テクノロジー都市へ」を基調テ
ーマとした北九州ルネッサンス構想を策定した。現在、2005年の開港を目指した新北九州空
港の建設や輸入促進地域の整備、北九州学術・研究都市の整備などのプロジェクトが進められ
ている。(10)
北九州市は、1901年の官営八幡製鉄所の操業以来、重化学工業地帯として発展した。中
国大陸の鉄鉱石や筑豊炭田の豊富な石炭を利用して、日本の四大工業地帯の一つとして日本
経済の繁栄に貢献してきた。経済成長、産業発展の興隆の反面、洞海湾週地域の城山地域で
は1965年に年平均80トン/月km2という日本一の降下煤塵量を記録し、1969年には日本
初のスモッグ警報が出された。また、城山地区では多数の喘息患者が発生した。
また、洞海湾は、工場からの未処理排水や生活廃水の流入により、死の海と化した。
しかし、市民、企業、研究機関および行政が一体となって公害対策に取り組んだ結果、北九
州市の環境は大きく改善された。かつては七色の煙と言われ、日本一の降下煤塵を記録した空
は、1987年には環境庁から「星空の街」に選定された。また、死の海・洞海湾は工場廃水の規
制、下水道の整備、浚渫事業の成果により水質が大幅に改善された。
北九州市の公害克服は、全国的に特徴ある「北九州方式」とよばれたが、現在時点からす
れば、(1)婦人運動、(2)行政の取り組み、(3)企業の取り組み、更に(4)関係者の協力(北九
州方式)、が公害克服に大いに貢献したと言える。北九州方式とは市民、行政、企業がそれぞ
れ対立するのではなく、公害問題解決に向けて協力し役割分担を実施することにより成功した
と考えられている。
発展途上国の国々では、かつて日本が経験したジレンマに陥っていることを認識し、北九州
市は国際環境協力を推進することを継続し、協力の対象地域を拡大していることを知ることとな
った。即ち、大連環境保護局での昨年の聴き取り調査の後、小坂、山田、石井の三名は北九州
と大連の環境協力のその後の展開を知りたくて北九州市の KITA を訪問した。KITA の環境協力
事業は、もはや大連を越え、北京、天津、重慶との環境協力関係へと拡大し発展を続けている
という事実を知ることとなった。北九州市は大連に対する低公害技術援助を20年余り継続して
きたのである。最近では、ODA 援助により「大連市環境モデル地区計画」を推進中である。その
内容は2010年までに北九州市と同じ環境レベルまで改善する対策の計画・実施を支援してき
た。ブラウン管工場での水の使用量を10%減らすことに成功していると聴いた。しかし、目を離
すとすぐに元に戻ってしまうと話された。その国の文化や、行動パタンを変更させることの困難さ
に逢着している場面を想定すると、環境協力に結び付く筈の具体的な援助活動、支援活動がそ
う簡単には身に付かないものであることにも愕然とされたのである。
『ナショナル・ジオグラフィック』3月号の三木いずみ・日本編集部の記事は、中国の環境改善
に日本の ODA 援助が非常に大きな役割を果たしていることを強調している。(11)
『注』
(1)和島りえ(2003)「マイカーブームの裏で」『人民中国』10月号参照。
(2)深刻な山間部の水不足と井戸掘りの苦闘については『人民中国』(2004)2月号、11-1
3頁参照。
(3)溝口次夫(1998)「中国の環境問題を考える」『アジアの環境問題』(環境経済・政策学会
編)、東洋経済新報社、191-212頁。
(4)同書、195頁。
(5)同書、197頁。
(6)J.ベッカー(解説)& B.サシャ(写真)(2004)「中国の痛みー広がる環境破壊」
『NATIONAL GEOGRAPHIC』3号、86-113頁。
(7)深刻な賃金未払い問題『出稼ぎ労働者を守れ』(2004)『人民中国』2月号、8頁。
(8)「規制緩和に向かう戸籍制度」(2003)『人民中国』11月号。
(9)食品安全協会発足については、「HACCP 対応の本格研究進める協会発足へ」(2003)『コ
ンシェルジェ大連』9月号、6頁。
(10)北九州と大連の環境協力については、(1997)『北九州市の環境国際協力―人と地球と
次の世代のためにー』
(11)三木いずみ・日本編集部(2004)「ODA 中心に産官学で取り組む環境協力」『NATIONAL
GEOGRAPHIC』3号、114-117頁。
『参考文献』
(1)大野健一・桜井宏二郎(1997)『東アジアの開発経済学』、有斐閣
(2)河野通博編(1991)『新訂東アジア』、大明堂
(3)小島朋之(2000)『中国の環境問題』慶応大学出版会
(4)小島正法(1997)『アジアで勝つ』伯楽舎
(5)清華大学・神鋼リサーチ(2002)『中国環境ビジネス』神鋼リサーチ株式会社
(6)関口操・武内成(1997)『始動するアジア企業の経営革新』税務経理協会
(7)文芸春秋社(1996)『大中国はどうなる』文芸春秋
中国の環境問題についての記事抜粋(資料1)
田辺義明
日本で発表された「中国環境問題」(資料2)
田辺義明
中国の環境問題に関する新聞記事抜粋
田辺義明
1
中国の環境問題についての記事
抜粋
1.環境と産業
中国の環境評価制度に重大変化
中国の『環境影響評価法』が 1 日から実施される。この『評価法』には初めて政府の計
画が環境影響評価の範囲内に組み入れられており、これが実施されると、政策の誤り
によってもたらされる環境被害を減らすことができる。これは中国の環境影響評価制度
が根本的に変化したことを物語っている。
この法律では、政府及び関係部門による計画には環境影響評価を行なわなければな
らない。また、国家の規定する機密事項以外は、計画を作成する部門は環境に悪影響
をもたらす可能性があり、民衆の環境権益に直接関わる計画を審査認可する前に、説
明会や公聴会及びその他の形式の会議を行い、関係部門や専門家及び民衆の環境
影響報告書草案に対する意見を求めるべきであるなどのことが』規定されている。
民衆の意見を環境影響報告書に義務づけたことは、中国のこれまでの環境に関する
法律の中ではなかったことである。
CRIより2003年9月2日
危険廃棄物処理センターが天津に完成
総合的な危険廃棄物を処理するセンターがこのほど天津に完成し、運用を開始し
た。こうした施設は大陸では初めて。
同センターは国のハイテク産業化モデルプロジェクトの一環で、投資総額は1億
3000 万元。敷地面積約 8.9 ヘクタール。営業形態はフランスとの合弁企業。焼却や物
理・化学的処理、安全埋め立てなどの設備や機能を備え、工業危険物や医療廃棄物、
危険化学品を無害化処理できる。年間処理能力は3万 7000 トン。
2
処理センターは関連する国際基準を達成。モトローラ社やゼネラル・エレクトリック
社、インテル社などの認定をすでに受け、企業が求める基準に達していることが証明さ
れた。天津開発区に進出している企業約 80 社もセンターを視察し、廃棄物処理の委託
などで現在交渉中。
このプロジェクトの完成で天津の投資環境は改善された。国務院が公布した『医療
廃棄物管理条例』は「開発区を設置する市クラス以上の都市は、1年以内に医療廃棄
物を集中処理する施設を建設しなければならない」と規定しているが、天津市は期限
前に要求を達成した。
「チャイナネット」2003 年 9 月 4 日
武漢、初の船舶汚染防止プロジェクトを実施
日増しに深刻化している長江の汚染対策として、武漢海事局は武漢港水域で
中国初の内陸河川船舶汚染防止プロジェクトを実行することになった。都市の汚
水、船舶からの廃棄物の増加によって、長江の主流の水質は年を追って悪化す
る趨勢にあり、毎年の排出総量は1万㌧を上回っている。近年、長江における石
油、有毒化学製品の輸送量の増大につれ、漏洩事故も年ごとに増えており、昨年
上半期だけでも 117 件起こり、大量の汚染をもたらしている。
この船舶汚染防止プロジェクトの第 1 期計画の投資額は 300 万元余りで、年内
に着工。同プロジェクトは、青山監督ステーションに実験室を設置するとともに、陽
邏、長江大橋、長江二橋など6カ所の監督ステーションのパトロール船で携帯式
赤外線撮影・録画設備と観測設備を装備することも含まれている。その際、従業
者は汚染された水に対して随時サンプリング検査を行い、汚染源を追究し、違法
排出行為や突発汚染事故を効果的に監視し、防止することができるようになる。
「チャイナネット」2003/08/27
3
中国、六千社以上の汚染企業を閉鎖
国家環境保護総局は13日北京での記者会見で、これまでの環境保護部門の
全国の汚染状況に対する調査に基づき、汚染をもたらした 6000 社以上の工業企
業を、近いうちに閉鎖すると発表しました。
これまでの調査で、これら企業には処理後の排出汚染物が国の環境安全基準
を尚も超えているものもあれば、処理せずに汚染物質を直接近くの河川や湖に排
出している企業があることがわかり、これら企業のこのような行為は環境をひどく
汚染し、中国の関連法規に違反しているとして非難しました。
CRI より2003年8月14日
国内最大の汚水処理関連企業が誕生
汚水処理関連企業としては国内最大規模となる京城水務公司が8月2日、設
立された。北京市では来月、汚水処理施設 5 カ所の国際入札を実施。北京市の
公共事業はすでに市場競争の段階に入ったといえる。
京城水務公司は資本金 40 億 2 千万元。北京城市排水集団有限責任公司、北
京首創有限株式会社が全額出資した。
北京市は 2008 年五輪に向けた環境対策を強化しており、現在 6 カ所の汚水処
理施設が稼動、汚水処理率は 50%に達している。計画では、2008 年までにさらに
9 カ所の処理施設を新設し、処理率 90%以上を目指す。
汚水処理事業に関しては今後、国費を使わずにすべて企業融資で行われるこ
とが決まっている。
「人民網日本語版」2003 年 8 月 3 日
黄河上・中流における最大の汚水処理センターが完成
4
黄河上・中流及び内蒙古自治区最大の工業汚水処理センター――包頭鉄鋼グ
ループ汚水処理センターがこのほど完成し、操業を始めた。これによって、工業廃
水による黄河水源の汚染が徹底的に解決され、包頭市民の飲用水の水質が根
本的に改善されることになった。
包頭鉄鋼グループ汚水処理センターは円借款を利用した重点プロジェクトで、
省エネで環境保護にも役立ち、総投資額は 1 億 6000 万元。処理後の水質は国の
排水基準と包頭鉄鋼グループの用水基準をクリアし、工業水の再利用率は 95%
に達し、1 時間の汚水排出量は 5000~6000 ㌧減少し、包頭鉄鋼グループの下流
に位置する水源地と取水地も今後は水質汚濁の懸念がなくなる。
包頭鉄鋼グループの工業廃水総合整備プロジェクトは 2001 年 9 月に着工、
2002 年末におおむね完成した。これまで工業廃水には集中的な処理対策が取ら
れていなかった。各分工場の排水システムは技術的に立ち遅れたもので、設備も
老朽化し、施設の付随機能もぜい弱で、管理が不備などの原因で、汚水排出の
総量は排出基準をオーバーするものであった。同汚水処理センターの完成後、各
生産工場の廃水は先ず同工場で浄化処理を受け、総排水パイプを通して、包頭
鉄鋼グループ汚水処理センターで再処理してから、各生産工場へ戻し、生産での
使用に供する。同プロジェクトの完成で、廃水の「分流処理、集中制御、総合利
用」が可能となった。
「チャイナネット」2003/07/30
河北省の新エネルギー政策に「外資」導入
河北省地方政府によると、同省は今後の数年間に、外資や技術の導入などを
通じて高効率のクリーンエネルギーを発展させ、エネルギーの消費構造を最適化
させる計画である。
河北省は 2005 年までに、エネルギー消費における電力の割合を 40%にし、新
エネと再生可能エネルギーの割合を 30%にする見込み。
現在、河北省の一次エネルギーにおける原炭消費は 88.47%に達し、全国の平
均レベルを上回り、石油、天然ガス、水力発電などのクリーンエネルギー消費は
5
全国の平均レベルを下回っている。
河北省の新エネ関係者によると、資源利用の効率化とクリーン化を促進するた
め、同省は外資導入を通じて、高消耗、低効率、深刻な汚染の生産方法、技術、
設備を淘汰すると同時に企業を主体とする省エネ体系をつくり、省エネの科学技
術成果の開発と応用、省エネ技術市場の育成と発展を促進する。
相応の政策として、同省は法整備を強化し、エネルギーの過度の消費を抑制
し、企業の省エネを奨励する税制政策および公共財政サポートを検討し、省エネ
情報伝播メカニズム、省エネ産品の政府買い付けメカニズムを含めた、市場経済
に適したエネルギー管理体制と管理メカニズムを模索する。
「チャイナネット」2003/07/17
福建省、海洋環境が総体的に改善
福建省は海洋環境の質について実地調査を行い、その結果、沿岸部海域では
水質はほぼ清浄、近海や遠海部は汚染されていないなど、環境が総体的に改善
されつつあることが明らかになった。
福建省海洋・漁業局によると、沿岸部の海域では水質が「クリーン」と「ややクリ
ーン」が 56%を占め、汚染の程度が「軽い」は 29%、「中位」と「深刻」は 15%。近
海と沿海部の環境は良好だった。
海岸線が 3000 キロ以上続く福建省では、急成長する海洋経済や工業化による
汚染物質の排出で海洋環境が悪化の一途をたどっていた。同省は環境の質的向
上を図るため、数年前から汚染対策を強化。水深 10 メートルの浅海部で行われ
ていた養殖事業を 30 メートルある深海域で実施するよう奨励するとともに、東部
に位置する三部湾や福州の閩江河口、アモイの沿岸部海域など約 2200 平方キロ
におよぶ範囲に赤潮観測地点を設置し、高密度な定時・定点監視を行ってきたこ
とで養殖業の経済的損失は減少した。
養殖地域の水質では、栄養塩が指標を超過していたのを除き、その他の各指
標はいずれも基準値を満たし、貝類の衛生状態についても沿海部のほとんどの
一帯で良好であることを確認。一方、沿岸部海域では汚染がまだ完全に食い止め
られていないことから、マングローブやサンゴ礁、浜辺に広がる湿地や干潟の面
6
積が減少するなど、海洋生物の多様性に影響が出ていることも判明した。
「チャイナネット」2003 年 7 月 8 日
中国、長江上流の汚染問題を整備
長江上流に位置する四川省の環境部門によると、長江上流の汚染問題を解決す
るため、四川省内の長江の主な支流である岷江(みんこう)と沱江(たこう)流域に
ある年間生産量が 1 万 7000 トン以下の小型製紙工場を 40 社近く閉鎖したという。
これは岷江(みんこう)と沱江(たこう)流域の汚染問題に対して行なった大規模な
整備作業の一環である。四川省は岷江(みんこう)と沱江(たこう)流域内のすべて
の製紙工場に対して、自動水質観測設備を取り付けるよう要求したほか、汚水処
理場とごみ処理場の建設も計画中しているという。
「CRI」より 2003/06/11
北京環境整備を悩ませる四大汚染源
北京市環境保護局の史捍民局長は該市政治協商委員に対する環境保護状況説
明の席上、「去年、北京の好天日数統計は 55.6%を占めたが、煤煙、排気ガス、塵
埃、工業汚染などの四大汚染源による複合汚染に見舞われており、環境整備の道
は依然として遠くその任務は重い」ことを明らかにした。
該環境保護官は特に「現在、北京市の新自動車は急増しており、20万台に及ぶ
旧式車両は期限通りに廃棄されていないため、汚染物排気総量は減少していな
い。自動車の増加スピードをコントロールしなければ、交通渋滞を緩和できないば
かりではなく、汚染問題の解決もおぼつかない」と指摘した。
自動車汚染以外に環境保護人員の頭を痛ませているのは、随所に見受けられる
工事現場である。現在、北京市内の工事現場の延べ面積は 1 億平方 km に達し、
市区内だけでも各種工事現場が 2000 ヵ所もあって道路塵埃が大問題となってい
る。また、煤煙、工業汚染も同様に無視できない問題になっている。
このような深刻な状況に直面し、北京市は既に排気ガス量の大きい車両の環状
二号線内通行制限、2004 年からの環状三号線内運行制限を含む 27 条の措置を
決定しており、今年 5 月末前には、全ての砂利砂場閉鎖などの措置を採り、当初
7
の公約を実現する予定である。
「チャイナネット」2003/04/17
北京市、使用済み油の回収システムを構築へ・バイオ重油に転化
北京市は今年から使用済み油の回収システムの構築に着手するとともに、初めて
となるバイオ重油の生産ラインを建設する。
北京市持続可能発展科学技術促進センターによると、回収システムで市内のサ
ービス業から出る大量の使用済み油はすべて回収できるという。回収した油は先
端処理技術を駆使してグリーンエネルギーのバイオ重油に転化。バイオ重油は安
全でクリーン、高効率な再生可能な燃料で、一般の鉱物重油と比較すると、ディー
ゼル車に使用しても排気ガスに二酸化硫黄は含まれず、炭化水素や一酸化炭素
も大幅に低減できる。
北京市で年間に排出される使用済み油は5万トン超。現在は主に市外の化学工
場に日用化学製品の生産原料として売却している。使用済み油は毒素を含んで
いるため、回収システムが整備されれば、偽食用油の製造など市民の安全を脅
かす問題や河川の水質悪化を有効に抑制できる。バイオ重油の利用でエネルギ
ー輸入費用も節減される。
また大気汚染防止にも効果を発揮する。汚染を低減できる風力発電や太陽エネ
ルギー電池などに比べ、バイオ重油はより実現が可能だ。
「チャイナネット」2003/04/16
中国海域の沿岸の水質汚染の程度、やや軽減
中国国家環境保護総局は 6 日「2002 年中国海域沿岸の環境の質に関する公報」
を公布し、「去年中国海域の沿岸の水質汚染の程度はやや軽減され、水質のよい
海域の面積は一昨年よりいくらか増えた」と指摘している。
8
この公報によると、去年中国が都市の汚水処理に力をいれたことから、都市の汚
水排出量が減らされ、近海に流れ込んだ汚染物の総量がやや減り、またひどく汚
染された海域の面積は一昨年より大幅に減少した。全体的に見れば、中国北部
の黄海と南部の南中国海の水質が最も良いという。
「CRI」2003/03/07
北京の冬空がクリーンに 1 月の大気汚染観測
北京市環境保護局の観測データによると、今年の北京は 1 月としては最も大気汚
染度が低かったことが分かった。
同局は 5 段階の空気汚染指数(API)で大気汚染度を表す「空気質量日報」を毎日
公表しているが、今年 1 月は、2 級(良)の日数が初めて 6 割を超え、4 級(中度、
中度重汚染)、5 級(厳重汚染)はゼロ。今年 1 月の北京は、「空気質量日報」の公
表を始めて以来、最も大気汚染が少なかった。また、2 級以上は計 20 日で、1 月
27 日は全調査地点で 1 級(優)を観測した。暖房の使用などで空気が汚れやすい
この時期には珍しいという。
近郊での防塵対策により、砂ぼこりも減少した。
「人民網日本語版」2003 年 2 月 1 日
遼寧省、省内3大河川流域の汚染防止対策を本格化
遼寧省環境保護局は省内を流れる3大河川の遼河、鴨緑江、大凌河流域の汚染
対策に本格的に乗り出すことになった。環境保護専門家は、これで深刻な水質汚
染は食い止められ環境はさらに改善されると話す。
遼河は過去、汚染が深刻化して国内最悪の河川となった。水質は国の5類基準を
上回り、河川としての機能が失調したことで灌漑には使用できず、生活用水にも
9
適さなくなり、“母なる河”は生命力を失ってしまった。こうした“環境保護債務”を
弁償するため、遼寧省は巨額の資金を投入する計画だ。遼河だけで投資額は
100 億元が見込まれる。第1段階の投資は 60 億元。
鴨緑江汚染整備プロジェクトでは、流域に位置する丹東市の3大製紙工場を対象
に、汚染関連物質の排出量を大幅に削減するとともに、化学肥料の使用を年間
3226 トンずつ減らしていく。
生態環境が最悪の省西部では、都市工業・生活排水による汚染の抑制を重点
に、大凌河流域で大規模な汚染防止事業を展開する。同時に、同流域内の都市
部に 11 の汚水処理場を建設し、うち錦州市の汚水処理場には脱窒素・リン除去
施設を付帯する計画。
遼寧省環境保護局では、3大河川流域の汚染対策の実施で、2005 年までに、遼
河流域の水質は向上し、鴨緑江は「水環境機能地区」としての機能を果たすよう
になり、大凌河流域はほぼ「劣5類」の状態から抜け出すなど、深刻な水質汚染
や水資源の枯渇状況は大幅に改善されると期待を寄せている。
「チャイナネット」2003/01/20
北京、大気汚染の整備が著しい成果を収め
北京市の劉淇市長は、1 月 13 日北京市人民代表大会で政府活動報告をした際、
「北京市が段階を分けて大気汚染を整備する面ですでに著しい成果を収め、去
年、北京の大気指数 2 級すなわち良好とそれを上回る日数は 200 日間を超えた」
と述べた。
劉淇市長はまた「今年、北京は更に厳しいかつ効果的な措置を講じ、大気環境を
更に向上させることになる。この目標を実現させるため、北京市はグリーンエネル
ギーの使用率を高め、天然ガスの供給能力を向上させ、都市部の暖房の集中給
熱を発展させ、更に新たに増加した自動車の排気ガスに対してヨーロッパ 2 号の
排出標準を実施することになる
「CRI」2003/01/14
10
環境対策に効果 汚染物質の総排出量が年々減少
中国では主要汚染物質の総排出量の抑制が効果的に行われ、減少傾向が顕著
になってきている。2002 年の二酸化硫黄の総排出量は 1998 年比で 10.3%減少し
たほか、工業粉じんは 35.3%、工業廃棄物は 58.9%、危険物は 90%、それぞれ減
少した。
国家環境保護総局の解振華局長は先ごろ開かれた全国環境保護工作会議で、
中国ではこの 5 年間で水質汚染に歯止めがかかり、重点流域の汚染対策が進ん
でいることを明らかにした。2002 年までに汚水処理施設は 90 カ所が建設され、1
日当たりの処理能力は約 770 万トン。建設中の汚水処理施設は 96 カ所あり、約
771 万トンの処理能力がある。最近では中国の都市環境にも改善が見られ、昨年
の全国 330 都市の大気汚染指数は 2 級(良)以上が 34%となり、1998 年比で 7
ポイント増加した。
「人民網日本語版」2003 年 1 月 11 日
新疆・ウルムチ、「青空プロジェクト」で過去最良を更新
新疆ウイグル自治区環境保護局によると、ウルムチが5年前から実施してきた「青
空プロジェクト」で今年、気象指標の2級を観測した日が 215 日間と、統計を取って
以来の記録を更新した。
ウルムチ市が実施してきた「青空プロジェクト」は今年が最終年。同市はこの5年
来、汚染企業の閉鎖や移転、緑化の推進、自動車排ガスの集中規制、煤煙取締
地区への監督・管理の強化、クリーン燃料の推進、ハイテク・エネルギー低消費産
業の育成などに取り組んできた。また分散供給していた暖房ボイラー数千台を廃
棄したほか、都市・農村部で一部分散していた小規模ボイラー2500 台を集約化す
るとともに、クリーンエネルギー運動を展開し、原炭の焼成も規制。汚染物排出許
可制度を試験的に実施したことで、汚染物の総排出量は有効制限された。
「チャイナネット」2003 年 1 月 2 日
11
広州、初の環境保護ゴミ埋立て場を建設
先頃、中国初の環境保護型生活ゴミ埋立て場である広州興豊ゴミ埋立て場が試運
転を開始した。このハイテク環境保護機能を備えたゴミ処理場は、国内で初めて廃
水、廃ガス無排出を実現した。
広州市環境衛生部門の説明によれば、興豊ゴミ埋立て場は白雲区太和鎮にあ
り、一日当たりゴミ取扱量は 2000 トン、主として広州市の生活ゴミ埋立てを引き受
けている。
ゴミ廃水が外に流れ出してしまう問題を解決するため、関係部門は特に興豊ゴミ
処理場設計に二セットの水管理システムを取り入れた。一つは非汚染水のゴミ埋
立て地域回避システム、もう一つは収集、分流した埋立て区の排出廃水を濾過し
て再利用水レベルにまで回復させるシステムである。説明によれば、興豊ゴミ処
理場は毎日 565 立方mの再利用水を生産し、濾過後の再利用水は車両洗浄、道
路散水、緑化に用いることができ、ゴミ廃水無排出が実現された、としている。
ゴミ処理場には、さらにメタンガス収集パイプなどのシステムが設備され、ゴミ廃ガ
ス発電用に輸送される。ゴミ廃ガスには 50%~60%のメタンが含有されており、メ
タンガス発電に利用可能なのである。専門家の説明では、将来の興豊ゴミ処理場
ゴミ処理量から推算すれば、理論的には最高発電量 1 万kw以上に達する発電を
20 年間以上継続することが可能である、としている。
「チャイナネット」2002 年 11 月 4 日
北京、市内初の外資系汚水工場が建設スタート
1 日の汚水処理能力が 10 万トンに上る北京通州汚水処理工場が 10 月 26 日、正
式に工事を始めた。2003 年の 10 月、運営をスタートする予定。外資系企業が単独
出資して汚水工場を建設、経営するという北京市で初めてのケースで、20 年後に
通州政府に返還される予定。
外資系企業による通州汚水処理工場の投資総額は 1 億 7 千万元に上り、汚水処
理工場の総工費の 10 分の 1。プロジェクトに対する投資額の返還期限は 20 年間
で、主な収益は汚水処理費用の徴収と処理後の浄水の再利用によって生み出さ
12
れる。
リスクの問題を考慮し、同プロジェクトは少なくとも 10 年後には黒字を計上すると
推計されている。
「人民網日本語版」2002 年 10 月 28 日
中国、ゴミ処理新方式を普及
国家環境総局と関係部門委員会が共同編修した《中国都市埋立てゴミ・ガス収集
利用国家行動方案》によれば、埋立てゴミから利益を得ることができる、としてい
る。
説明によれば、ゴミの埋立てはメタンガスを主成分とするガスを生産するが、これ
は地球温暖化をもたらす主要温室ガスの一種で、これを利用することになればそ
の効益は計り知れないものがある。専門家の推算によれば、現在の増加速度に
基づいた場合、2010 年にはわが国都市のゴミ総量は年間 2.9 億トンに達する見
込みで、その 70%を埋立て処理した場合、回収利用エネルギー量は 40~280 億
標準立方mの天然ガスに相当する。
方案は先進国家諸都市のゴミ埋立て処理技術と管理経験を収集し、さらには国
内都市のゴミ利用過程で遭遇した困難、解決法も参考にして、ゴミ管理システム
の市場化、資源化の促進も提案している。方案は、各都市で逐次公開されつつあ
る。
国家環境保護総局によれば、「第 9 次 5 ヵ年」計画(1996~2000 年)期に排出した
わが国の年間ゴミ総量は 1.4 億トンにのぼったが、大中都市の 1000 ヵ所近いゴミ
埋立て場の 90%前後が未だに簡易投棄処理のままである。国の実情を見れば、
“埋立て”がゴミ処理の主要な方式であることは否めない。
1997 年、国家環境保護総局は南京、鞍山、馬鞍山の三都市で、“中国都市ゴミ埋
立てガス収集利用”プロジェクトを開始した。現在、南京市ではすでにガス収集発
電の目標実現に成功している。
鞍山市の“自動車燃料用メタンガス収集”プロジェクト、馬鞍山市の“病院有毒有
13
害廃棄物焼却用メタンガス収集”プロジェクトも今年年末までに完了する見込みで
ある。
「チャイナネット」2002/10/30
国内最大のゴミ発電所稼動開始
河南省初のゴミ発電所である鄭州滎錦ゴミ発電所が正式に稼動を開始したが、該
発電所は現在中国で設備容量、ゴミ処理能力/日最大のゴミ発電所である。
鄭州は中国最大人口の省庁所在地で、毎日 2500 トンのゴミ処理が必要である
が、該発電所稼動前はすべて埋め立て方式を採用していた。都市経済の発展と
都市の規模拡大に伴い、“ゴミが都市を包囲する”現象が顕著になり、すでにゴミ
廃棄による第二次汚染による水源、地下水の安全問題に脅かされていた。
2 億元を投資した荥錦発電所は、設備容量 2×1.2kWの発電ユニットを 2 基備え、
鄭州市の一日 1000 トン分のゴミ処理を解決することができる。ゴミ発電ではゴミと
石炭を一定の比率で配合して燃焼させることにより、ゴミ燃焼後の体積を 90%以
上、重量を 80%以上減少させることができる。該技術は 90%の国産技術と全部の
国産化システムの集成技術を採用しており、業務従事者も従来の同種発電機の
半数ですみ、燃焼物もセメント工場に用いる加工材、横断歩道用タイルなどに総
合利用されるため、大きな経済的効益が期待できる。
10 月下旬には、該発電所の第二発電ユニットが正式に稼動を開始する。専門家
によれば、この種のゴミ発電を使用した環境保護産業化モデルの大きな社会的、
経済的効益は、現在、国内の多くの都市の注目を浴びている。
「チャイナネット」2002/10/09
ごみ処理施設の民間参入を奨励 国家計画委など
国家発展計画委員会、財政部、建設部、国家環境保護総局はこのほど、生活ごみ
14
の有料処理制度の実施に関する通達を発表した。
通達では各地方政府に対し、資金調達ルートの拡大、投融資環境の改善、民間
企業を含む国内外の資本参入の奨励を通じ、市場経済に適合したごみ処理シス
テムを築き、ごみ処理能力の不足を補うとともに、環境汚染問題を解決していくよ
う求めた。
ごみ処理の産業化を推進するため、環境衛生企業が徴収する生活ごみ処理費用
は、「経営サービス費用」と位置づけ、その徴収基準はごみの回収、運搬、処理コ
ストを考慮し、「合理的な利益」を確保できる金額に決められる。
「人民網日本語版」2002 年 8 月 27 日
西安、石炭を燃料とするボイラーを改造
長期にわたって古都西安の大気環境の汚染源となってきたボイラー432 基が今年
の 10 月 31 日までに改造されることになった。西安市政府の通達によると、これら
のボイラーは改造後、電気或いは天然ガスをエネルギー源とし、70 万ワット以下の
水を沸かすために使う小型ボイラーも完全に廃棄することが求められている。
西安の大気汚染は深刻で、二酸化硫黄、二酸化窒素、吸収可能な浮遊粒状物質
などが主な汚染物である。西安市の大気の中の吸収可能な浮遊粒状物質は国の
二級基準をはるかに上回り、年中軽度汚染の状態にある。西安市の環境保護研
究所はこれを分析、研究した結果、煤煙が大気環境の重要な汚染源で、吸収可
能な浮遊粒状物質の 32%を占めている。
西安市環境保護局の高献局長によると、この比例は冬季になると 38%に上昇し、
それに石炭のなかの硫黄成分の 95%が燃焼の際に、二酸化硫黄と酸性物質に
なる。これが西安の大気汚染のいま一つの主要な構成部分となっている。
西安市には現在 1561 基のボイラーとかまど型ボイラーがあり、年間の石炭消費
量は 400 万㌧以上に達している。今回の改造には城壁以内の地域、ハイテク開発
区、経済技術開発区、曲江観光区にある石炭を燃料とするボイラーも含まれてい
る。
「チャイナネット」2002/07/25
15
北京の首都鋼鉄、汚水処理設備を導入
北京の首都鋼鉄公司が 1 億元近くを投資して建設した汚水処理設備がこのほど稼
動した。この汚水処理設備は、1 日の汚水処理能力が 10 万 8 千立方メートルに達
し、首都鋼鉄の工場から出た排水をすべて浄化する。浄化された水の 70%は生産
に再利用され、30%は北京市の排水基準の検査を経た後に市内の下水道に放出
される。
汚水処理設備が導入されてから、首都鋼鉄は生産に水道水を使う必要がなくなっ
た。水道料金、排水料金、汚水排出料金の 3 項目の節約を計算するだけで、年間
1500 万元以上の経済効果が生まれるという。
「人民網日本語版」2002 年 7 月 24 日
中国、向こう 10 年間に大慶市の環境整備に 30 億元
中国は向こう 10 年間に「石油の町」大慶市で 30 億元を投下して、大気の浄化、石
油化学工業都市特有の汚染物の抑制、大気質の改善を目指すことに決めた。
大慶市関係筋によると、工業による汚染の防除、低空大気汚染の集中整備、市
街区の大気環境総合整備といった三大系列の 16 プロジェクトが重点となり、石油
化学工業による汚染物の排出の抑制、二酸化硫黄とスモッグによる大気を汚染
する主要な物質の排出総量の削減を目指すことになっている。
大慶油田は 40 年間の開発と建設を経て、累計 16 億㌧余りの原油を産出し、26
年間連続して 5000 万㌧以上の年間産出量を保ちつづけ、世界の同じ種類の堆積
油田の奇跡となっており、中国の重要な石化工業基地となっている。
大慶市は科学技術の進歩と工業の構造調整に頼ってクリーン生産を推進し、汚
染物の排出量が大きい、経済効率がよくない生産装置を廃棄し、エネルギー源の
消費構造を変え、地熱、電気、太陽光エネルギーを主としたグリーン燃料の消費
体系を構築し、自動車の排気ガスとスモッグによる汚染を抑えることを考えてい
る。
同計画に基づいて 2010 年までに大慶市の二酸化硫黄とスモッグによる大気汚染
16
物の排出量が 2000 年より 20%減少し、大気環境が最高の基準に達する日数が
現在の毎年 187 日から 240 日に増えることになる。
「チャイナネット」2002/07/23
北京、大気汚染問題で3つの課題に直面
中国環境保護総局によると、北京の大気の質は昨年、3級または3級以上の日が
1998 年の 61%から 94%まで上昇したほか、2 級または 2 級以上の日は 50.7%となり、
1998 年に比べ 23 ポイント改善された。しかし、北京は大気の質で3つの問題に直
面している。
まず第 1 に、市街地で大気の質と国の基準との間に差があること。昨年、無水亜
硫酸は 1 立方メートル当たり 0.064 ミリグラムで、国の基準を上回っただけでなく、
WHO の基準よりも高かった。吸入可能な顆粒物は年平均 1 立方メートル当たり
0.165 ミリグラムで、国や WHO の基準を上回っている。二酸化窒素は同 0.071%と、
国の基準である 0.080%を下回ってはいるが、WHO の 0.049%より高い。微細な顆
粒物や有機汚染物などが総合的に影響して大気の視感度は低く、オゾンの平均
濃度は最高の日で 1 立方メートル当たり 350 マイクログラムにも達している。
第2は、工業汚染問題が依然として深刻なこと。工業による汚染は根本的には改
善されておらず、アウタルキーのパターンも根本的に変わっていない。現在、鉄鋼
の年間生産量は 800 万トン、セメント 900 万トン、2000 年の発電量は 181 億キロ
ワットアワー、主要工業による石炭消耗量は全市の 80%以上を占める。西部にあ
る工業地区では山間部から吹く風が強く、その影響で市街地の空気がかなり汚染
されている。
第3は、汚染源である塵の問題がやはり際立っていること。各種の塵が総懸濁顆
粒物の 40%を占めている。塵は工事や裸の土壌、積み上げた原料などから発生す
るほか、市外地からの影響もある。農業栽培による裸の耕地は 192 万ムーにも達
し、耕地総面積の 38%を占めている。北京近郊にある砂石場、涸れた河川による
影響も見逃せない。
「チャイナネット」2002 年 7 月 15 日
17
中国で「養魚による水質改善」を実施
水を利用して魚を養殖することは通常のやり方であるが、最近、中国水利部科学
研究院ダム漁業研究所は養魚によってダムの水質を改善することに成功した。
中国では、長年来、経済的利益を追求するため、河川、湖沼、ダムを過度に利
用して、淡水養殖業を盛んに発展させた結果、一部地区の河川やダムの栄養物
質が減少し、水環境が悪化した。
長期にわたって水中の栄養物質確保の研究にたずさわっている中国水力部科
学研究院ダム漁業研究所の劉家寿研究員は、「養魚による水質改善」というエコ
漁業をうち出した。これは浮遊生物の繁殖を主とする生態漁業の発展を通じて、
ダムの水質を改善することである。
中国南部の深せんの水域面積が 113.4 ㌶におよぶ茜坑ダムは近くの住民に給
水する水源地である。近年、工業廃水、生活汚水のダムへの流入および大がかり
の魚の養殖によって、ダムの水質が低下した。ダムの水質を改善するため、劉家
寿研究員はまずダムにケツギョなど小魚を餌とする魚類を養殖し、ダムのなかの
野生の小魚を餌として食べさせている。それによって、野生の小魚が減少し、浮遊
生物が大量に増え、さらに水中の植物性プランクトンを食べてしまうようにしてい
る。それと同時に、水中でスイヒョウタンなどの植物を栽培し、ドブガイなどの貝類
を養殖している。このような生物による水質の総合的保護を通じて、バランスのと
れた生態水域をつくり出し、水質の浄化を目指すことにしている。
このほど、茜坑ダムの水質に対する測定の結果、「養魚による水質改善」が実
施されてからの 1 年間に、水中の窒素含有量は 20%、リンは 15%減少し、酸素は
目に見えて増え、水は程度の差こそあれ、澄みきるようになった。これはダムの水
質が改善されたことを示している。
現在、中国水利部および全国各地の水務局はこの水質改善の新方法の普及に
努めている。
「チャイナネット」 2002 年 7 月 12 日
18
大連、近海付近での化学肥料と農薬の使用を禁止
大連市環境保護局によると、6月 24 日から、大連市は海岸線付近の陸地での化学
農薬と化学肥料の使用を抑え、甘井子区、金州区、旅順口区の海岸線から 2 キロ
の範囲以内、北三市の海岸線から 5 キロの範囲以内では、化学農薬と化学肥料の
使用を禁止することになった。
伝えられるところによると、大連市の沿岸海域の水質の主な汚染物質は無機窒素
である。昨年末の環境調査から見ると、大連市の南部沿海、小窑湾、紅土堆子
湾、荘河と長海海域の水質は良好で、各項目の監視・測定指標の年平均値は国
の二級海水の基準に達している。金州湾と旅順海域の石油類による汚染は国の
二級海水の基準を超え、金州湾、普蘭店湾、復州湾海域の浮遊粒状物質の年平
均値は国の二級海水の基準を上回っている。24 日から、大連市はむこう 3 年間に
順次に大連湾と南部沿海の水産養殖業を整理し、大窑湾の水産養殖業を整備
し、2002 年末までに、市街区の景勝地、公園付近の海域の海上養殖を取り締ま
る。国の「青い渤海の行動計画」に基づいて、大連湾、星海湾、虎灘湾の沿岸を
重点的に整備する。
「チャイナネット」2002/07/03
中国、家庭ゴミを処理するバイオ技術を開発
ハルビン工業大学の科学研究グループはこのほど微生物のバクテリア群の収集、
育成、調合に成功した。これは都市の家庭ゴミを効果的にデグラデーションして有
機肥料に変えることができ、家庭ゴミを処理する面で生物による解決の道が増え
た。
研究グループの責任者楊謙教授は次のように述べた。収集、調合に成功したこの
バクテリア群は細菌、放線菌、菌類などの類型の 10 数種の異なった有機の不完
全な物体をデグラデーションできる微生物からなる。これらの微生物は家庭ゴミの
中に融合し、その非常に活発な新陳代謝は、後者の中のさまざまな有機物を植物
の生長を促す有機的な栄養と腐植質に変えることになった。
微生物を運用しての家庭ゴミの処理は、化学の処理方法のように環境に対し新た
な現実的な汚染をもたらすことはなく、さらに穴を掘って埋めるような処理方式の
19
もたらす土地の占拠および環境への潜在的な汚染という弊害も免れることになっ
た。
ごみの中の有機物の成分に対する分析によると、研究者は最も効き目のある微
生物のバクテリア群を調合し、つまり有機物ごとに機能が最も強く、活性の最も大
きな微生物によって「対処」されることになるわけである。
できるだけバクテリア群の中の微生物の種類が多すぎるがゆえにゴミ処理コスト
の上昇をもたらすことを免れるため、研究者はさらに遺伝子研究の方法を運用
し、自然界から収集した天然の微生物バクテリア種の遺伝子の構造に手を加え、
その機能を改良、増加することにしている。
「われわれはできるだけバクテリア群の中の微生物の種類を減らすだけでなく、微
生物ごとに多種のデグラデーション機能を持たせることに努め、そのすべてのデ
グラデーション機能を最大限強化することができる」。1つのバクテリアの種を減ら
すと、少なくとも 50 万元を節約することができる。
中国の都市家庭ゴミの有機物含有量が 60~70%に達することにかんがみ、微生
物で処理するには、現時点ではコストが最も低く、効果の最も大きなやり方であ
る。
研究グループは関連生産設備を開発し、毎日家庭ゴミを 1000 トン処理し、500 トン
の有機肥料に転化することができ、1トンあたりのごみ処理コストは 50 元を上回る
ことはない。
「チャイナネット」2002 年 6 月 26 日
民間投資で国内最大規模の汚水処理場を建設
中国最大規模の汚水処理場建設プロジェクトの入札が成功裡におわり、6 月 5 日、
上海で正式に契約が締結された。
今回建設されるのは上海市浦東区高東鎮の上海市竹園第一汚水処理場。一日
の処理量は 170 万トンが見込まれ、総投資額は 8 億 9 千万元に上る。
20
プロジェクトを勝ちとったのは民間資本比率が比較的高い上海の友連グループだ
った。
「人民網日本語版」2002 年 6 月 7 日
中国、環境を汚染する電子廃棄物の輸入を禁止
国家環境保護総局の責任者は5月 30 日北京で、中国政府はさまざまな措置を講
じて、危険廃棄物の密輸入を取り締まり、環境を汚染する電子廃棄物の輸入を禁
止すると発表した。
関係部門はまた再生可能なエネルギーのリサイクルに対する管理条例や古い家
電製品のリサイクルに対する管理法の制定に取り組み、再生可能なエネルギー
のリサイクルシステムとそのテストケースの設置を急ぎ、中国のリサイクル業界の
健全な発展を促していくと発表している。
「CRI」2002/05/31
青海湖の鳥島、汚染の車にノー
青海・チベット高原の最も著名な観光地である青海湖国家クラス自然保護区管理
局はこのほど、今年5月、騒音による汚染と排出ガス汚染のあるすべての車両が
青海湖の鳥島に入ることを禁止する決定を行った。
青海湖は昔から西海と呼ばれ、これは「新鮮な水の湖」という意味であり、青海・
チベット高原の北東部に位置し、標高は約 3200 ㍍で、総面積は 4300K ㎡に達し、
中国最大の内陸部のアルカリ性の湖である。それと同時に、青海湖は青海高原
にある唯一の国家クラス景勝区であり、中国の 8 つの重点鳥類自然保護区の 1
つでもあり、毎年 10 数万羽のさまざまな鳥類が各地から青海湖の湖畔に飛来し
て繁殖し、生息するか、短期間とどまっている。青海湖の鳥島は青海湖区域全体
で鳥類が最も集中しているところであり、毎年ここに集中する鳥類の数は青海湖
地域の鳥類総数の 3 分の1を占めている。春と夏に、斑頭雁(かりの一種)、鳶色
21
頭カモメ(カモメの一種)、あかつくしがも、うなど数 10 種の鳥類が飛んできて、青
空と白い雲の下でさまざまな鳥が群れをなし、さえずる声が方々から聞こえ、珍し
い鳥の声、青々とした湖水のさざ波の相乗効果もあって、きわめて壮観である。
青海湖国家クラス自然保護区管理局の張徳海副局長は次のように語った。以前
は、内外の観光客が青海湖の鳥島に観光に来る場合、ほとんどが車に乗って直
接鳥島のそばまで来ていたので、車の騒音と排出ガスは鳥類の生息と生存環境
に汚染による破壊をもたらし、特に鳥類の産卵・孵化期においては、車の往来が
頻繁であるため、大きな騒音が大多数のメスの成鳥をおじけづかせ、卵を捨てて
逃げ去らせることになって、鳥類の繁殖に大きな影響を及ぼしている。青海湖の
鳥島の鳥類がこれ以上妨害を受けることなく、鳥類の生存環境の清潔さを保つた
め、今年5月から、管理局は騒音による汚染と排出ガス汚染をもたらすすべての
車両が青海湖の鳥島に入ることを禁止することになった。
伝えられるところによると、「汚染車」が鳥島に入ることを禁止するとともに、青海
湖国家クラス自然保護区管理局は遊覧客がバードウォッチングするための環境
保護のコースを開拓し、10 台のエコ電気自動車を運転することになっている。今
後、鳥島保護ステーションから鳥島、うの島に行くには、観光客は徒歩で行くことも
でき、環状コースを走るエコカーに頼ることもできるようになった。
「チャイナネット」2002/04/15
中国政府、水質改善に2億元を再投入
国家発展計画委員会は、フッ素中毒とヒ素中毒発生地区の水質改善工事のため、
国債資金2億元を改めて投入すると発表した。
関係筋によると、この資金は主に西北部の陝西省、甘粛省と北部の内蒙古自治
区の水質改善工事に投入され、これによって 85 万人が清潔な水を使えることにな
る。
フッ素中毒とヒ素中毒抑制のため、中国政府は去年から6億 5000 万元を投入し、
中部と西部の 10 の省や自治区で水質改善工事を行い、170 万人の飲用水問題を
解決してきた。
2002/04/04
22
北京、大気中の汚染物質を 10 万トン削減へ
北京市は4月 1 日、大気汚染を軽減する対策の 8 番目のプロジェクトを本格的に開
始した。
今回のプロジェクトでは、浮遊粒子状物質(SPM)の抑制と汚染物質総排出量の
大幅削減に重点が置かれおり、9 カ月以内に大気中の汚染物質 10 万トンを削減
することを目標としている。
政府は黄砂の被害を縮小するため、市内の季節的に耕作を行っていない耕地 8
万㌶以上と小・中学校 285 校の運動場を整備する。さらに、400 万平方㍍に及ぶ
重点地区と主要道路の両側の緑化を行う。
「人民網日本語版」2002 年 4 月 2 日
北京で七つのプロジェクトが汚染防止に力を入れる
北京排水集団筋によると、今年北京は呉家村汚水処理場と小紅門汚水処理場を
設立し、清河と涼水河の流域の汚水をせきとめるなど七つの水質汚濁防止プロジ
ェクトの建設にひきつづき取り組み、水質汚濁防止にさらに力を入れる予定であ
る。
北京排水集団は昨年汚水を3億 3400 万立方㍍処理し、3245 万立方㍍の汚水を
処理してリサイクルした。現在、北京には汚水処理場が4カ所あり、1 日の汚水処
理能力は 128 万立方㍍、汚水処理率は 42%に達している。通恵河、壩河と亮馬河
の水系はきれいになりつつある。
北京排水集団は今年世界銀行の第2期借款を引き続き利用し、七つの水質汚濁
防止プロジェクトを建設する予定である。清河の汚水をせきとめる幹線や、小月河
の東岸、成府路と土城南路の汚水パイプの清河流域汚水せきとめプロジェクトは
すでに 15 ㌔を完成し、今年は残りの 9 ㌔を建設する予定である。涼水河流域の汚
水をせきとめるプロジェクトに引き続き取り組み、そのうち涼水河南岸の幹線、新
開渠と豊草河の北岸、宋家荘工業区など 22 ㌔の汚水パイプが含められ、すでに
その 50%が完成されている。
23
今年、1 日間汚水処理能力がそれぞれ 8、20、60 立方㍍である呉家村、盧溝橋、
小紅門など三つの汚水処理場および温楡河の汚水せきとめプロジェクトが建設さ
れ、現在それに関する入札募集と資金誘致が進行中である。また、1 日間汚水処
理能力 20 立方㍍の清河汚水処理場は 10 月からテスト運営をはじめ、清河と涼水
河の水がきれいになるのもまもなく現実となる。
「チャイナネット」2002 年 2 月 22 日
浙江大学が環境保護新技術の開発に成功
浙江大学が最近、高分子膜分離技術を利用して、「膜―生物反応器」という汚水処
理に用いる環境保護新技術の開発に成功した。
膜分離技術は急速に発展をとげている、応用範囲の広いハイテクであり、分離す
る能率が高く、化学変化がなく、容積が小さく、エネルギーの消耗量が少なく、操
作が便利などの利点がある。浙江大学高分子科学研究所の研究スタッフが、ハイ
テクの膜分離技術と在来のバイオ技術を結びつけて開発したこの汚水処理技術
は、環境保護分野の一般の在来技術と比べると、投資も敷地面積も少なくて済
み、生物化学的効率が高く、ショックに耐える能力が強く、処理された水の水質が
よく、自動化制御をおこないやすいという利点がある。
この技術の研究グループのリーダーである徐又一教授は、「膜―生物反応器」を
コア技術とした新しい環境保護設備は、ホテルやレストラン、美容院、洗車場、観
光地などの汚水処理に広く用いられることができると語っている。この技術もま
た、食品の加工、畜産、養殖、化学工業、医薬などの業界の高濃度有機質廃水
の処理にも用いられ、国の廃水水準に達することもできる。このプロジェクトは現
在、中国科学技術部小・中企業「技術革新基金」の無償および利子補填の助成を
得ている。
「チャイナネット」2002 年 2 月 19 日
24
中国、危険廃棄物の安全化処置プロジェクトを始動
中国は危険廃棄物を安全化処置するプロジェクトを施工することになり、できるだ
け 2005 年までに危険廃棄物を適切に処置することを目指している。
危険廃棄物とは、さまざまな有毒の、引火しやすい、爆発性、腐食性、化学反応
性、伝染性のあるもので、生態環境と人間の健康に害を及ぼすものである。使い
捨てられた電池、蛍光灯、病院の医療ゴミなどが中国の危険廃棄物リストに組み
入れられており、動植物、人類の生存と健康にとっての「大敵」と見なされている。
しかし、現在中国では天津、瀋陽など極少数の都市にのみ危険廃棄物の処置セ
ンターがある以外、その他の大多数の地域ではこれら危険廃棄物を処置する専
門機構がない。その上、多くの地域では、危険廃棄物を分別収集せずに普通のゴ
ミとして処理している。具体的には空き地や川の中へ捨てられたり、地下に埋め立
てたりして環境の安全にとって大きな潜在的危険を残すことになっている。
国家環境保護総局の責任者はこのほど、次のように語った。危険廃棄物の安全
化処置は環境保護関係部門の第 10 次5カ年計画(2001~2005 年)期における重
要な任務である。工業生産の中で排出された危険廃棄物、病院の医療廃棄物、
日常生活の中での消費の過程で生まれた使い捨ての電池、蛍光灯など、危険廃
棄物の量が大きく、種類が多いので、これらを集中的に処理する装置が必要とな
っている。危険廃棄物の安全化処置という目標の達成は難しいことであり、それを
実現するには経済政策、技術、管理、運営メカニズムなど各関連方面が共同で取
り組まなければならない。
「チャイナネット」2002/01/24
中国、危険廃棄物の安全化処置プロジェクトを始動
中国は危険廃棄物を安全化処置するプロジェクトを施工することになり、できるだ
け 2005 年までに危険廃棄物を適切に処置することを目指している。
危険廃棄物とは、さまざまな有毒の、引火しやすい、爆発性、腐食性、化学反応
性、伝染性のあるもので、生態環境と人間の健康に害を及ぼすものである。使い
捨てられた電池、蛍光灯、病院の医療ゴミなどが中国の危険廃棄物リストに組み
入れられており、動植物、人類の生存と健康にとっての「大敵」と見なされている。
25
しかし、現在中国では天津、瀋陽など極少数の都市にのみ危険廃棄物の処置セ
ンターがある以外、その他の大多数の地域ではこれら危険廃棄物を処置する専
門機構がない。その上、多くの地域では、危険廃棄物を分別収集せずに普通のゴ
ミとして処理している。具体的には空き地や川の中へ捨てられたり、地下に埋め立
てたりして環境の安全にとって大きな潜在的危険を残すことになっている。
国家環境保護総局の責任者はこのほど、次のように語った。危険廃棄物の安全
化処置は環境保護関係部門の第 10 次5カ年計画(2001~2005 年)期における重
要な任務である。工業生産の中で排出された危険廃棄物、病院の医療廃棄物、
日常生活の中での消費の過程で生まれた使い捨ての電池、蛍光灯など、危険廃
棄物の量が大きく、種類が多いので、これらを集中的に処理する装置が必要とな
っている。危険廃棄物の安全化処置という目標の達成は難しいことであり、それを
実現するには経済政策、技術、管理、運営メカニズムなど各関連方面が共同で取
り組まなければならない。
「チャイナネット」2002/01/24
北京、天津の水源地の環境保全に 40 億元を投下
これから先 5 年間に、国は 40 億元を投下して北京、天津の都市用水の質と量を確
保する。
伝えられるところによると、この 5 年間を期とするプロジェクトは主に河北省に源を
発し、北京と天津を流れる河川の水源地と官庁ダム、密雲ダム、潘家口ダムへ流
れ込む河川の水質を保護するものである。河北省は北京と天津を取り囲むように
なっており、永定河など多くの川の水源地が河北省にある。ここ数年、河北省にあ
る数多くの河川の水源地が汚染され、北京と天津両市の河川の流量と水質に影
響を及ぼし、市民の生活と工業生産に困難をもたらしている。
今回のプロジェクトの実施により、5 年間に各水源地の環境、流量、水質のいずれ
もが著しく改善され、国のクリーンな水の基準に達する見込みである。
「チャイナネット」2002/01/21
26
2005 年に中国の都市汚水処理率が 45%に
中国建設部筋によると、中国の都市汚水リサイクル・プロジェクトがすでに始動し、
一部都市や地域では汚水資源化プロジェクトの企画作業が全面的に進められてお
り、2005 年には中国の都市汚水処理率が 45%に達すると見られている。
伝えられるところによると、水資源の不足は中国の基本的な国情の一つで、中
国の一人あたり水資源保有量は世界平均レベルのわずか 1/4 にしか達していな
い。それに水汚染対策が相対的に立ち遅れていることもあり、汚染水域が年を追
って増え、水資源の不足が更に深刻になっている。
建設部の鄭一軍副部長は次のように語っている。
汚水の資源化は水資源の持続可能な利用を実現するための必然的な選択であ
る。現在、中国の水の平均リサイクル率は約 40%であるが、先進国のそれは
75―85%に達している。試算によると、都市給水の 80%は汚水に転化することに
なるが、収集処理後、そのうちの 70%は再利用が可能である。これは巨大な資源
である。
現在、中国はすでに都市汚水処理場を 427 ヵ所完成し、生物・化学的方法によ
る一日の汚水処理量は 1475 万立方㍍に達しており、汚水のリサイクルには一定
の基礎が出来あがっている。「第十次五ヵ年計画」期に、すべての市制都市は汚
水処理施設を建設しなければならない。それが完成すれば一日の都市汚水処理
量は 4000 万立方㍍を超えることになろう。青島市、天津市などの都市では、汚水
リサイクル・プロジェクトの建設がすでに始まっている。
「チャイナネット」 2001 年 11 月 30 日
三峡ダム地区、大掛かりな汚水処理がスタート
重慶市は近く三峡ダム地区で、大掛かりな汚水処理プロジェクトをスタートさせ、19
の大型汚水処理工場が年内に着工され、プロジェクトの入札作業もスムーズに進
められている。
三峡ダム区の 80%は重慶市にあり、都市汚水の排出量は昨年4億㌧を超えた
が、汚水の集中処理率はわずか 7.4%でしかなく、ほとんどは未処理のまま三峡
27
ダム地区に流れ込んでいる。
三峡ダムの水環境の安全を確保するため、重慶市は、2001―2005 年に 30 の汚
水処理プロジェクトを建設することになっており、総投資額は 98 億 2 千万元に上
る。今年末に着工される 19 のプロジェクトは、三峡の重慶ダム区にある 13 の区や
県につくられるものであり、総投資額は 15 億元で、2003 年 6 月までに稼動し、一
日の汚水処理能力は 51 万㌧の予定である。
「チャイナネット」 2001 年 11 月 9 日
太湖の環境整備にさらに 219 億元を投下
伝えられるところによると、「第 10 次五カ年計画」期(2001~2005 年)における太湖
の水質汚濁対策がすでに実施され、国はこれからの 5 年間にさらに 219.4 億元を
投下し、243 の大型プロジェクトを実行する計画であるという。
2005 年までに、国は 95.8 億元を投下して、81 カ所の汚水処理場とそれ相応のパ
イプネットワーク工事の建設を完成し、汚水集中処理率を 70%以上に達するよう
にし、江蘇、浙江2省の太湖に流れ込む 13 の川とその周辺都市に 12.7 億元を投
入してゴミと危険廃棄物の処理場を建設する。また長江の水を五里湖、梅梁湖に
引入れる川の水路を完成し、太湖にあるいくつかの飲用水源の水質が国の基準
に達するようにし、五里湖、梅梁湖など重点水域の水質を改善させる。
もう一つの重点プロジェクトはしゅんせつ工事で、太湖に流れ込む 13 の川と周辺
の 5 本の川および五里湖、梅梁湖のしゅんせつ工事に 39.8 億元を投入する。それ
と同時に、太湖沿いに長さ 40 ㌔、幅 50 ㍍の喬木、潅木、草からなる生態防護林
地帯をつくり、水生植物の回復に力を入れ、湖の中の植物群生を回復させる。
「チャイナネット」2001/11/02
28
2.環境と治水
河北省、25 の水利プロジェクトを続々と着工
北京の主要な水源地である河北省は、21 世紀初期の持続可能な利用計画プ
ロジェクトを全面的に実施し、25 の水利プロジェクトが全部着工し、そのうち 2001
年に投資した7プロジェクトがほぼ完工している。
2年来、724 平方㌔の水土流失地域を整備し、20 万ムー(15 ムーは1㌶)の節
水灌漑を実施し、37.4 ㌔の河床を浚渫した。そのほか、水源地の汚染対策と浄水
場などのプロジェクトも進展を遂げている。
北京の主要な水源地としての密雲ダムと官庁ダムの取水区域の大半は、張家
口と承徳の両市にある。北京の水資源が欠乏状況を改善し、北京およびその周
辺地区の経済の持続可能な発展を促進するため、国は 2001 年から 21 世紀初期
の持続可能な水資源利用計画プロジェクトを実施しはじめた。同プロジェクトは張
家口と承徳の両市の 18 の県に及ぶものであり、都市廃水処理、工業汚染処理、
工農業節水、水土流失整備、生態農業建設の5種類、160 項目に、39.84 億元を
投下した。
各地はまたプロジェクトの実施を地元生態環境の改善と結びつけ、市場メカニ
ズムを導入し、公開入札、請負、リース、株式制、競売などの形で人びとの荒地開
発、水土流失整備の意欲を引き出している。
「チャイナネット」2003/09/08
広東省汕頭市、海洋資源の保護を強化
南中国海に臨む広東省の汕頭(スワトウ)市は、海岸線が長く、港湾や島嶼が
多いことから、約1万平方キロの海域を開発区に指定している。面積は陸地の5
倍。沿海には 61 を超す島々が浮かび、面積が 500 平方メートルを超す無人島は
41 を数える。周辺海域は生物資源がかなり豊富で、開発利用が待たれている。
近海の島付近では魚介類や海藻などが 500 種以上。南澎列島や勒門列島の
29
海域も希少種のマハタやアワビ、ナマコ、ウニ、イセエビ、ノリのほか、サンゴ礁や
ウミガメなど豊かな生物資源に恵まれ、漁業の潜在力は大きい。
無人島周辺海域の権利確定面積は約 200 ヘクタール。不正漁労や乱開発によ
る海洋資源の破壊、環境の悪化などを防止するため、汕頭市は『海洋環境保護
法』や『海域使用管理法』に基づく保護管理の強化に乗り出しており、その効果が
徐々に現われつつある。無人島や周辺海域を利用する事業者や個人に対して
は、海洋・漁業機関に申請することを義務づけた。
汕頭市は陸地に近く、人的影響の受けやすい無人島に地形や岩礁、砂浜や植
生が破壊されるのを防ぐための島名や警告を記した看板を設置したほか、今年か
ら巡回監視も強化している。
「チャイナネット」2003 年 8 月 11 日
中国、旱魃対策に全力投球
今年の6月下旬から、中国一の川長江以南の湖南、江西など地方は、雨量が
少なく高温の日が続いたため、深刻な旱魃が起きているが、副首相でもある国家
洪水旱魃対策本部の責任者である回良玉氏はこのほど、これら南方の旱魃に見
舞われた地区の政府や関係部門に、旱魃対策に力を入れ、被災地住民の飲用水
と都市部の水道水の供給を確保し、農民の収入増加と農村の経済発展を促進す
るよう指示した。
これは回良玉副総理が温家宝総理の依託を受けて湖南省で旱魃対策事情を
視察し、被災地住民を見舞った時に述べたもので、回良玉副総理はその際、各旱
魃対策を確実に実施し、大衆の生活に心を配り、その飲用水を確保することを念
頭におき、節水と水の利用率を高め、被災地での生産再開を援助するよう各地区
と各部門に要求した。
「CRI」より 2003-8-4
30
安徽省の黄河河道、生態環境著しく改善される
安徽省を流れる黄河の河道は長年にわたり砂嵐で砂漠化が進んでいたが、こ
の数十年進めてきた整備によって生態環境は著しく改善、昔日の黄砂に見舞わ
れていた河道周辺は果樹園が広がるオアシスへと変貌した。
砂漠化が深刻だったのは、省北部に位置する碭山や蕭県、譙城、太和、界首
の5県・市。総面積 77 万 7000 ヘクタールのうち、黄河河道や支流周辺を中心に
12 万 8000 ヘクタールが砂漠化した。
安徽省は 50 年代から黄河河道沿いで防風林や農地保護林の大規模建設を進
め、これまでに約 100 カ所に造林地や果樹園が完成。砂漠化地帯の森林面積は
すでに 10 万ヘクタールを超え、カバー率 32.4%と、新中国建国初期の 5 倍以上に
達している。
砂漠化が最悪だった碭山県では現在、果樹園面積は全県で6万ヘクタールに
のぼり、年間生産量は 70 万トンを超える。県財政の 22.9%、農民年収の 40%が
果物生産に依存しており、輸出額は年間 300 万ドル超。譙城区沙土鎮は砂地でニ
ンニクやコケを栽培し、全国各地に出荷している。約 6.7 アールあたりの年収は従
来数十元にすぎなかったが、現在は2、3千元と収益率は高い。こうしたことから、
農民の砂漠化防止への取り組みは非常に意欲的だ。
「チャイナネット」2003 年 6 月 23 日
長江の水質問題、5 年以内に改善
国務院新聞弁公室は 12 日午前、記者会見を行い、国務院の三峡ダム工程建設委
員会の郭樹言副主任と、三峡工程検査専門家チームの潘家錚代表らが記者の質
問に回答した。
三峡地域の環境問題について郭副主任は、中国政府は三峡ダムの上流域の環
境管理と汚染対策に力を入れているとしたうえで、「一昨年から世界銀行を含むさ
まざまな機関が対中融資を実施した。重慶に現在建設中の汚水処理場の処理能
力は、今年末には 1 日当たり 80 万トンに、来年末には 160 万トンに達する見込み
だ」と説明した。1 人が 1 日に排出する汚水が 0.2 立方メートルだと仮定した場合、
来年末には 900 万人の生活排水が処理できる計算だ。
1600 あったダム地区の工場については適切な措置を取ると同時に、汚染源となっ
31
ている企業のうち、管理能力が低い工場を閉鎖とした。そのため現在の工場数は
以前のおよそ 3 分の 2 に減少。また県ではすべて専門のごみ処理工場を建設し
た。郭副主任は「これらの措置により、5 年以内に長江の水質は改善されると信じ
ている」と語った。
「人民網日本語版」2003 年 6 月 12 日
各地の水質改善計画に 1234 億元を投入 環境保護総局
国家環境保護総局は 9 日、中国は第 10 次五カ年計画(2001~05 年)期間中に、
淮河、海河、遼河、太湖、巣湖、テン(サンズイに真)池の水質汚染対策に 1234 億
元を投入することを明らかにした。
この計画では 2005 年までに(1)主流と主な支流のせき止めを行わずに、淮河主
流の水質を改善し、南水北調(南部の水を北部へ引く)東部線プロジェクトの水質
を基準値まで向上(2)海河主流および主要支流の水質を改善し、飲用水の水源
の水質を基準値にまで向上(3)遼河全流域の水質を改善し、ダムや湖など地表
の水源地の水質を基準値にまで向上(4)太湖、巣湖の水質改善(5)テン池流域
の水質悪化傾向を基本的に抑制――の 5 点の実現を目標としている。
すでに 1590 項目のプロジェクトを決定。都市汚水処理、汚水せき止め、流域の総
合的治水、引水などのプロジェクトが行われる。
「人民網日本語版」2003 年 6 月 10 日
環境保護総局、黄河の汚染防止応急準備案を講じる
現在、黄河の各区間の流量が普遍的に不足し、汚染が深刻化する傾向にある。黄
河の花園口(河南省にある)の流量がいったん毎秒 250 立方メートルを下回ると、
関係方面は黄河からの取水を制限し、一部の企業に対して、生産を制限或いは停
止させる規制を実施することになる。
黄河の渇水期、緊急水調整期に汚染事故の突発を防止し、水質の安全を守るた
め、環境保護総局はこのほど『黄河流域敏感区域水環境応急準備案』を発布し、
32
竜門から花園口までの区間に対して、警戒或いは応急状態下の水質環境管理を
強化している。
同準備案にもとづいて、黄河の花園口の断面流量が毎秒 250~470 立方メートル
になれば警戒状態に入り、250 立方メートル以下になれば、応急状態に入る。準備
案には次のように規定されている。
一、 警戒状態では、水質の観測と情報の疎通を強化し、製紙、冶金、製薬などの
汚染物を排出する企業に対する監督、管理を強化し、すべての廃水が都市汚水
処理場での処理を経て基準にクリアすることを保証する。
二、 応急状態では、一連の応急措置をとり、水利部門に黄河からの取水の制限
を督促し、一部の汚染物を排出する企業に対して生産を制限或いは停止させ、工
業と農業の用水を減少させるなど。
「チャイナネット」2003/06/05
甘粛省、黄河保護のため4つの対策
最近、黄河の蘭州区間に油汚染事件が二回発生した。これに対して、甘粛省環境
保護局は4つの対策を取って黄河の蘭州区間における水汚染を防止することにな
った。
伝えられるところによると、この4つの対策は1、さまざまな宣伝を行い、黄河水汚
染対策の重要な意義と『水汚染予防・処理法』を知ってもらう。2、蘭州市雁児湾な
ど4つの汚水処理場の建設を加速し、都市の生活汚水の集中的処理率を高め
る。3、汚水排出の重点企業体と一般の企業体の監察を強化し、汚染処理の施設
を勝手に停止させる違法行為を随時に処理する。4、観測システム、コントロール
ネットワークを早く設置し、観測・監察の度合を高め、在来のやり方を変え、重大
汚染事件の情報、処理作業が遅れるなど受身の実状を徹底的に変えさせるなど
である。
「チャイナネット」2003年5月30日
33
小浪底ダムにより下流の泥砂堆積緩和
1999 年 10 月下旬の水門閉鎖貯水開始以降、小浪底ダムは既に9億余トンの泥砂
を堰き止め、黄河下流の泥砂堆積を大幅に緩和させた。
黄河の害の根本は泥砂にある。黄河の年平均 16 億トンに達する流砂が下流の流
路を年平均 10cm 高くし、世界的奇観である“地上の懸河”(地上川)を形成させて
いる。新中国成立後、三度にわたり総延長距離 1300 余 km に及ぶ黄河大堰堤の
高さ、厚さを補強し、堤防と人力による洪水防止は成功の繰り返しであった。しか
し、川床の高くなる現象は制御できず、下流の泥砂堆積は年平均4億トンに達して
いた。そして、泥砂堰き止め堆積減少は小浪底プロジェクトの注目すべき総合効
益の一つであった。
黄河水利委員会の廖義偉副主任は「小浪底ダム設計総貯水量は 126.5 億立方m
で、そのうち泥砂堰き止めによるストックを 76 億トンと見込んでいるので、運用開
始後は 100 億トンの泥砂堰き止めが可能であり、黄河下流は 20 年間堆積によっ
て川床が高くなることはない」と語った。
「チャイナネット」2003/02/28
福建省、重点流域の水質汚濁総合対策に引き続き取り組む
福建省は今年、閩江、九竜江、晋江、汀江、木蘭渓、交渓などの流域の水環境の
総合対策を強化し、各流域の水土保持林と水源涵養林の建設を強化し、鉱業管理
と水土流失管理にいっそう力を入れることになっている。
長年の努力を通して、福建省は期限どおりに母なる川である閩江流域の水環境
の総合対策を終了するとともに、敖江、晋江、木蘭渓など重点流域の水環境の総
合対策の中で段階的な成果をあげ、同省の 12 の主要な水系の制御断面の 90%
以上はすでに 3 類の水質基準に達するかあるいはそれを上回るものとなった。流
域の環境質をいっそう改善するため、同省は今年重点流域の水環境の総合対策
を引き続きおし進め、成果を打ち固めることになっている。
大規模な牧畜・家禽の飼育は近年現われた新たな汚染源である。福建省は閩
江、敖江、晋江、汀江、木蘭渓、交渓の流域の牧畜・家禽飼育業の汚染対策案を
34
制定し、牧畜・家禽飼育場建設禁止区域を確定し、建設禁止区域内に飼育場を
新たにつくることを禁じ、建設した飼育場を期限どおりに移転させる。建設禁止区
域以外に飼育場を新たに建設することに対して、厳格に環境に対する影響の評
価を行い、新たな汚染の発生を防ぐ。
石板材業は福建省の数多くの農村部の郷・鎮の重要な産業であり、一部の地方
は石板材を発展させる中で水環境をゆゆしく汚染することになった。敖江は福州
市の二番目の水源であり、その上流にある古田などの県には石板材の企業がた
くさんある。古田県は今年石板材工業パークの建設を速め、第 3・四半期以前に
石板材加工企業の廃水、固形廃棄物の集中的管理とゼロ・エミッションを実現し、
民間の用水の安全を確保しなければならない。
「チャイナネット」2003 年 2 月 14 日
長江の治水 効果を見せる
中国政府は、これまで中国一の大河である長江の治水に巨額な投資を行ってきま
したが、いまではその効果が見え始めた。
これまでの 10 年間に、長江の治水への投資額は 1500 億元に達しており、これら
資金は主に大型ダムの建設、堤防の補強と沿岸の水土流失防止などに充てら
れ、特に水土流失の防止のため、耕地を元の森林に戻したり、植樹を行ったり、
住民の移転のための町作りを行ったりした結果、長江流域の生態環境は大きく改
善され、大きな経済効果を上げるようになった。
「CRI」2003/02/08
長江中・下流の堤防補強工事、ほぼ完成
長江水利委員会によると、中国の四つの省にまたがる長江の中流と下流の堤防
補強工事は 4 年間にわたる建設を経て、ほぼ完成されたという。
伝えられるところによると、今までの工事総投資は 270 億元に達しており、98%以
35
上の土木建築が完成された。
長江水利委員会の蔡其華主任は「これまで洪水でたびたび危険な情況が発生し
た堤防は今度の補強の重点になった。現在、すでに完成した堤防補強工事の総
延長は 3078 キロに達し、これによって長江の洪水防止能力が全面的に高められ
た」と述べた。
「CRI」2003/01/14
中国、洪水防止メカニズムが大きな効果
中国水利部の汪恕誠部長は 1 月 5 日、中国南部湖南省の省都長沙市で、「1998
年の大洪水発生以来、中国の主な河川の総合的な洪水防止施設は大いに強めら
れ、これまで著しい効果が上がっている」と述べた。
それによると、1998 年以降、中国一の川長江の総合的洪水防止設備は全面
的に強められ、下流にある 3500 キロもの堤防は効果を発揮し、沿岸地区の経済
と社会の発展や住民の安全確保に大きな役割を果たし、また黄河や東北部を流
れる松花江などの新しい洪水防止設備もいち早く完成し、全般的メカニズムは日
増しに完備したものになってきている。
「CRI」2003/01/06
国連、全世界に中国の汾河の治水経験を普及
このほどドバイで開かれた国際居住環境改善最優秀モデル品評会では、国連人
間居住委員会が中国山西省太原市の汾河の治水整備経験を国連人間居住環境
改善のモデルとして全世界に普及させることにした。
中国北部の汾河は黄河の第 2 の支流であり、不合理な開発と開墾によって、太原
市内を流れる汾河が泥と砂でふさがり、水が汚染されていました。1998 年から、
太原市政府は 5 億 6000 万元を拠出して、汚水整備や治水工事それに、環境改善
などのプロジェクトを実施し、著しい成果を遂げた。 「CRI」2002/12/30
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3.緑化事業・砂漠化防止事業
黄砂の観測ネットワークが完成 中国北部
中国北部地域では、黄砂観測ネットワークが完成し、砂嵐に関する様々な情報
が係員によって測定するメカニズムが整った。
中国環境監測中央センターは 2001 年以降、黄砂観測ネットワークの設立に着
手。およそ 2 年間の努力の結果、甘粛、新疆、寧夏、内蒙古、陝西、山西、河北な
どの地域で 32 の環境観測ステーションが建設され、合理的なオートメーション・ネ
ットワーク・システムが完成した。このほかの地域についても現在調整が進められ
ており、観測ステーションは最終的に 37 カ所になる予定。
「人民網日本語版」2003 年 9 月 15 日
アジア最大の風食実験装置が完成・寧夏沙坡頭
寧夏回族自治区沙坡頭にある砂漠科学実験研究ステーションにこのほど、中
国科学院寒区旱(干ばつ)区環境・工程研究所の支援を受けてアジア最大の風食
実験装置が完成した。
董治宝研究員によると、砂嵐を防止するにはまず、その運動法則を研究するこ
とが大切だが、砂漠での実地研究は往々にして時間・場所・環境的に制限される
ことが多いため、室内で砂嵐を起こすシミュレーション装置が必要となる。その役
目を果たすのが風食実験装置。
風食実験装置は 1988 年から 89 年にかけて、北京大興県の砂漠化防止実験セ
ンターに設置された。その後、寧夏回族自治区の沙坡頭に移転。だが従来の装
置では、風食される断面が狭小で、砂嵐の顆粒運動しかシミュレーションできない
ため、砂丘の動きや防砂林の建設などマクロ的な研究ができなかった。そのため
今年、中国科学院寒区旱区環境・工程研究所が 250 万元かけて装置の拡張・改
造工事を進めていた。まず洞の長さを 40 メートル、実験セクターの長さを 21 メート
ル、断面の面積を 1.2×1.2 メートルに拡大するとともに、実験室の総面積も以前
の 180 平方メートルから 505 平方メートルに拡張。次に先端技術を導入し、動力・
37
制御システムを手動からコンピューター制御に切り替えたうえで、モデル製作・サ
ンプル処理・工程制御・データ処理・地下作業室を設置した。今後、砂嵐物理学や
土壌風食、砂嵐動力地層学、工程シミュレーション実験などで重要な働きをすると
期待されている。
「チャイナネット」2003 年 8 月 22 日
甘粛省、砂嵐発生源の整備に7億元
甘粛省は 7.92 億元を投下して、わが国の砂嵐発生源の一つである河西回廊
(甘粛省域内にあり、黄河の西に位置し、南に祈連山脈、北に砂漠や山脈にはさ
まれた長さ約 1200 ㌔、幅 100 ㌔の長い帯状の地帯)で 100 万ムー(15 ムーは1㌶)
の高効率の節水灌漑農業を発展させ、地元の砂漠化趨勢を緩和することを目指
している。プロジェクトは現在入札募集の段階にあり、9 月以降に全面的に着工す
る予定である。
気候乾燥の原因で、河西回廊は水資源が非常に乏しい。毎年 3.5 億立方㍍の
地下水を取水しているため、生態系環境が急速に悪化し、わが国の四大砂漠源
地帯の一つとなっている。水資源の不足は地元の経済・社会の発展をも制約し、
扶助を受けた一部の農民はまた貧困層に逆戻りしている。
農業用水は河西回廊ではかなり大きな割合を占め、そして粗放型の状態にあ
り、多くのところでは、灌漑用水の利用率は 45%以下となっている。これは地元の
水資源不足と生態系の悪化をさらに深刻させている。したがって、高効率の節水
灌漑農業を発展させ、耕地を減少することは、河西回廊の生態系総合整備にお
ける当面の急務となっている。
プロジェクト計画によれば、節水灌漑総面積は 120 万ムーで、そのうち、用水路
による灌漑 63.7 万ムー、送水パイプによる灌漑 36.9 万ムー、スプリンクラー灌漑
6.5 万ムー、ドリップ灌漑 12.9 万ムーとなっている。省都の蘭州市にある 16 万ムー
以外の 104 万ムーはすべて河西回廊にある。プロジェクト総投資額 7.92 億元のう
ち、日本国際協力銀行からの借入金は 4.61 億元となっている。
甘粛省水利管理局農業節水灌漑プロジェクトの関係筋によると、同プロジェクト
は甘粛省ではこれまで最大の節水プロジェクトであり、完成後には毎年2億 350 万
元の収益をあげ、1.46 億立方㍍節水でき、1008 万 kw 時の電力を節約でき、耕地
占用も 1.26 万ムー少なくなる見込みである。それと同時に周辺地域の生態環境も
効果的に改善されるだろう、と語っている。「チャイナネット」2003/08/18
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タリム自動車道緑化プロジェクトが正式スタート、総延長 436 キロ
新疆ウイグル自治区・タリム盆地の砂漠地帯を走る自動車道に防護林を建設
するプロジェクトが、十数年の試験段階を経てこのほど正式にスタートした。2年
以内に流動する砂漠地帯を貫く世界最長のグリーンベルトが完成し、資源の開発
や社会経済の発展が急速に進むと期待される。
防護林を建設するのは、自動車道の北から 118.9 キロ下った地点をベースにさ
らに南へ 561.4 キロまでの区間で、途上にある植樹の難しい北民豊隆起地区 6.5
キロを除くと総延長は 436 キロになる。植林の幅は 72~78 メートルで、総面積は
3128 ヘクタール、苗木総数は約 1800 万株。
タリム自動車道の建設は、砂漠地帯での基盤施設の整備、資源の大規模な開
発を象徴するプロジェクトで、1994 年に塔中地区まで完成。その後、砂漠地帯で
は国内最大規模を誇る塔中石油・天ガス田が開発され、新疆は急速にエネルギ
ーの戦略的代替基地となっていった。現在、自動車道はタクラマカン砂漠全体を
貫き、新疆南部では経済社会発展の大動脈となっている。
自動車道の建設後、路肩が流砂に侵食される問題が出てきた。1994 年、油田
基地で砂漠化防止緑化実験を開始し、現地の鉱化作用の高い地下水を利用した
造林方法を確立。砂漠という環境に適した樹木の品種も篩い出した。これを基礎
に、本格的スタートに向けて、1999 年に 6.3 キロの区間で生物防砂実験、2001 年
には 30.8 キロ区間で防護林生態モデル実験を行った。
工事設計を担当した中国科学院新疆生態・地理研究所の徐新文エンジニアは
「我々のシステムは、単純な機械による防砂システムや機械とバイオを結合した
防砂システムと比較すると、プロジェクトへの1回の投資は大きく、それぞれ 2.5
倍、56%増えるが、年間維持費ではそれぞれ 44%、28%抑えられるため、長期的
に見れば経済的であり、使用年限でも両システムを大幅に上回る。生態、社会効
率は非常に顕著だ」と説明する。
プロジェクト設計によると、パイプライン給水技術を採用。現地で水を採集し、分
散給水して灌漑に利用する。年間消費水量は 600 万立方メートル以下、1ヘクタ
ール当たりの使用量は 2000 立方メートル以下と、消費量は非常に少ない。地下
水量は 16 億 2900 万立方メートル、年間補給量は約 9000 万立方メートルといわ
れ、地下水の汲み取りで砂漠地帯の生態がさらに悪化することはない。防護林建
設プロジェクトでは、灌漑用パイプライン・施設整備、発電・変電工事、施設管理保
護作業、植樹を2段階ずつに分けて実施していく。工期は通算で3年。総事業費
は2億 2000 万元で、国が1億 2000 万拠出する。 「チャイナネット」2003/08/01
39
新疆、人工のオアシスが 50 年前の 6.4 倍に
高く、まっすぐ伸びたポプラの木に膝までの草むら、これはタクラマカン砂漠奥
地の景観。タクラマカン砂漠のこういう景観は新疆ウイグル自治区 50 年来の生態
系変化の縮図である。50 年間の努力を経て、新疆の人工オアシスは 1953 年の
1.3 万平方㌔から現在の7万平方㌔近くとなった。
新疆の砂漠面積はとても大きく、分布が広く、砂漠化した面積は全域の 47.7%
に達する。
新中国成立後(1949 年)各民族の人々は生態環境を改善するため、厳しい大
自然の中に身を置き、さまざまな困難を克服して、砂漠が拡大する趨勢を上手に
抑制することに成功した。特に 1990 年代以降、国のバックアップの下で、新疆で
は相次いで天然林保護プロジェクト、耕地をもとの林地に戻すプロジェクト、水土
保持プロジェクト、生態系総合整備プロジェクトなど一連の環境プロジェクトを実施
した。その結果、森林カバー率は 1.03%から 1.92%に拡大し、草地は 1.4 万㌶増
加した。多くの地域では、人間が進出し、砂漠が退出するという喜ばしい情況が現
れた。
人工オアシスの拡大につれて、周辺の気候や環境も著しくに改善され、著しい
変化は砂塵が舞い上がる天候の減少と降雨量の増加である。今年の春季の降雨
量は 10 年前より2倍近く増加した。降雨量が増えるにつれ、水枯れ状態になって
いた数多くの河川と湖沼でいま一度緑のさざなみを目にすることができるようにな
り、30 年間水が涸れていたマナス湖はかつてのようにはてしなく広がる水域が戻
り、湖畔では生い茂ったアシの原とポプラの木々の間にクジカが出没する光景が
観光客を魅了している。
「チャイナネット」2003/07/02
中韓が黄砂の共同観測ネットワークをスタート
中国と韓国の黄砂共同観測ネットワークがこのほど北京でスタートした。このプロ
ジェクトは、中国の気象局と韓国の国際協力団が共同で実施。韓国政府は国際協
力団を通じて中国政府に資金提供を行い、内蒙古自治区の朱日和、通遼、山西省
の楡社、山東省の恵民、大連市の気象台に黄砂共同観測ステーションを設立す
40
る。
これらのステーションには太陽光度測定機、レーダーなどが設置され、現地の大
気中の黄砂の濃度、強度、可視性などのデータの観測が可能。データは、気象部
門の国際通信ラインを通じて韓国の気象部門に送られる。
「人民網日本語版」2003 年 4 月 23 日
新疆、中日共同の黄砂対策プロジェクトを開始
新疆ウイグル自治区の生態環境や砂漠化などの問題について調査するため、日
本から社会科学や環境科学などの学者・専門家 5 人がこのほどウルムチ(烏魯木
斉)に到着した。日本の調査チームは、中国の同分野の専門家らとともに、自治区
南部の和田・阿克蘇地区で実地調査を行い、黄砂抑制について意見を出し合う。
今回実施する中日共同研究のテーマは、黄砂の発生源と空中輸送のメカニズ
ム。2001~2005 年にかけて実施される両国間の共同プロジェクトの一環。
「人民網日本語版」2003 年 3 月 10 日
中国、都市部での森林の整備を強化へ
中国東北部の都市・沈陽で、中国科学技術協会 2003 年学術年会に参加してい
る中国林業学会の江沢慧理事長は、「都市の生態安全を保護するため、中国は
都市部での森林の整備に力を入れている」と明らかにした。
江沢慧理事長は、この中で「1980 年代の末期から、中国は都市部での森林の
整備を始め、目覚しい成果を遂げました。その内、東北地区の長春市は公共緑地
や防護林を建設し、景勝地での植樹造林に力を入れることを通じて、中国で初め
ての森林都市となった。その後、北京や上海も現代都市の森林発展計画を立て
ており、現在、中国の都市部では、森林の整備が盛んに行われている」と述べた。
中国の都市部では、水汚染や騒音汚染、酸性雨汚染の面積が絶えず拡大し
ているという生態安全問題が存在されている。この問題を解決するため、中国の
41
都市建設部門は、都市の生態環境保護をますます重視している。
「CRI」より 2003/09/15
生態整備が都市発展のタイムテーブルに
生態整備計画が都市発展のタイムテーブルに上った。上海など一部の都市は
2、30 年内の「生態重視型都市」の建設をめざす。
上海市環境保護局の張全副局長は先ごろ開かれた「都市生態環境高級フォー
ラム」で、2020 年までに生態重視型都市をほぼ建設すると強調するとともに、関連
目標や基準に関する制定作業を速めていることを明らかにした。
上海はすでに3年以内の「健康都市」建設を目標とする行動計画をスタートさせ
た。環境整備件数は合わせて約 300 件、事業総額は 700 億元。2010 年の万国博
覧会開催時までに、すべての環境指標で WHO(世界保健機関)の基準を達成す
る計画だ。この数年、上海が環境保護に投入する年間資金は GDP(国内総生産)
の3%にのぼる。広東省仏山市は 2010 年までに環境重視型都市を建設する方
針。浙江省や山東省などもすでに「環境重視型省」のプロジェクトに着手した。
中国は世界で最も速いスピードで都市化が進んでおり、2、30 年間後に都市化
率は 50%を超えると予想される。現在、大中都市が直面する資源と環境のバラン
ス維持の問題は深刻さを増している。
同済大学の諸大建教授は「都市が生態面で直面する問題は 30 年後には、現
在の3~4倍も増えるとみられる。新たに4億の人口が都市に移り住み、都市の消
費水準が急速に伸びるため、資源と環境の問題がより深刻となる。アジア第1の
高層ビルと最も美しい地平線を誇る上海では毎日、4400 トンの汚染泥土や 6500 ト
ン近くの工業廃棄物が出ると予想され、廃棄場所が問題となるだろう。大気中の
固体顆粒物による汚染の程度も先進国の3~6倍になる。西部では、都市の生態
保護がより急務となる」と警鐘を鳴らす。
一部都市では生態整備計画がタイムテーブルに上り、政府も生態環境への投
資を増やしてはいるが、生態学の専門家は将来に対し決して盲目的に楽観視して
はいない。中国科学院の牛文元会員は「生態環境が悪化する傾向は短期間では
抑制できない。だが、一部の大中都市が『デジタル型都市』戦略を進めていること
から、都市での資源消耗の低減が可能となり、生態重視型都市の建設に実現性
が出てきた」と指摘している。 「チャイナネット」2003/09/12
42
吉林省、天然林保護プロジェクトで経済効果
吉林省は 1998 年から天然林保護プロジェクトを開始し、この5年間に 62.4 ヘク
タールの公益林を建設したほか、木材の生産量を 521 万立方メートル削減するな
ど、資源が有効に保護されたことで森林面積は拡大した。投入資金は総額 37 億
元にのぼる。
プロジェクト実施前の 1997 年と比較すると、森林資源の面積拡大は著しい。活
立木の蓄積量は5億立方メートル、森林面積は 367 万ヘクタールと 1.9%増加し、
森林カバー率は 91.4%に達した。森林の植生や構造、生物の多様性も著しく改善
され、生態システムの安定性も増強された。
吉林省林業庁の王玉明副庁長は「この5年来、従来の木材生産から生態整備
を主体とする方向へと戦略的な転換を進めて、大きな成果を収めた。森林資源が
保護されただけでなく、経済構造も大きな変化をとげ、木材生産が大幅に減少し
たなか、経済効果を上げることができた。プロジェクトを実施した地区の生産高は
73 億元、税引き前利益は3億 4000 万元と、1997 年に比べそれぞれ 28%、30.4%
ずつ増大した」と説明する。
「林業関連企業は、プロジェクト実施に伴う難題の抜本的解決に力を傾注してき
た」。王副庁長は、プロジェクトが円滑に進んだ要因として(1)経営方式を転換し、
木材の減産計画や公益林の伐採禁止を厳格に実施した(2)第一線の管理・保護
要員を充実し、プロジェクト作業チームや森林巡回チームを結成した(3)資源の
利用構造を調整し、林業の多種資源化をめざして開発を進めるとともに、経済構
造を調整して新たな成長方法を確立した(4)賃貸や競売、販売、株式形態などで
財産権制度の改革を進めた――の4点を強調した。
「チャイナネット」2003年8月14日
中国、森林資源の監督機構に垂直的管理
国家林業局の周生賢局長は「中国は森林資源監督機構に対し垂直的管理を
行い、その範囲は 25 の重点森林地区に及び、その面積は国土面積の 95%を上
回る」と述べました。
これは、周生賢局長が8月2日開かれた森林資源への監督に関する会議で述
べたもので、周生賢局長はその際「森林資源監督ネットワークの設置は、政府に
よる森林資源の管理における重要な段取りである」とした後、林業の発展を加速
43
させるため、森林資源の保護を強化するよう各地の関係機構に要求しました。
伝えられるところによると、関係部門はすでに 7 つの森林資源監督機構に専門
家を派遣し、森林乱伐や林地の不法占用および野生動植物資源の破壊など重大
な案件を調査し、処理している。
「CRI」より 2003/08/04
今年、耕地からもとの林地に戻す計画の 70%が完成
7月末現在の統計によると、今年全国で完成した、耕地からもとの林地に戻す
(北京・天津砂嵐発生源整備プロジェクトを除く)面積は 6861.7 万ムー(15 ムーは1
㌶)で、今年度の任務である 9700 万ムーの 70.7%を完成した。
国家林業局の関係筋によると、完成した任務の構成から見れば、耕地からもと
の林地に戻された面積は 3568.1 万ムーで、計画面積 4550 万ムーの 78.4%を占
め、植樹に適する荒れた山地での造林は 3293.6 万ムーで、計画面積 5150 万ムー
の 63.4%を占めている。プロジェクトの進捗状況から見れば、河南、安徽、甘粛、
湖北、青海、黒龍江、新疆の7省(自治区)は計画面積の 90%以上を完成し、遼
寧、河北、内蒙古、新疆生産建設兵団の4省(自治区、部門)は計画面積の 80%
を完成している。
国家林業局はこのほど、各地に農家の実益を保障するため、耕地からもとの林
地に戻した造林作業をきちんと記録に残し、今年の年末までに審査済みの耕地を
もとの林地に戻した農家には林権証を交付するよう、厳しく要求すると同時に、各
プロジェクトの施工地域において植樹前の土地整備と苗木の用意をし、下半期の
任務を順調に完成するよう呼びかけている。
「チャイナネット」2003/07/29
44
今世紀中葉までの林業発展総合戦略構想まとまる
生態環境整備を主体に林業の発展に向けた持続可能な道を確立する、森林植
生を主体に国土の生態安全システムを構築する、山河の美しい生態文明社会を
建設する―――。今世紀中葉までの林業発展総合戦略構想がこのほどまとまっ
た。
国家林業局はこのほど「持続可能な林業発展戦略の研究」成果を紹介するキ
ャンペーンを開始した。周生賢局長は「林業のマクロ戦略の研究では、林業を国
の経済・社会の持続可能な発展という全体的枠組みのなかに位置づけて分析し、
構想をまとめた。研究の成果はわが国の林業が急成長する新たな段階に入った
ことを示すものだ」と評価した。
研究成果で核心をなすのは、生態環境の整備と生態の安全性、生態文明。報
告は「厳格に保護する、積極的に発展させる、科学的経営を行う、持続的に利用
する」ことを目的にした発展戦略方針のほか、6大重点プロジェクトを柱にした戦
略的計画、「生態の整備・安全性・文明」を核とする戦略的目標、段階的な発展を
めざす戦略的手段を推進していくよう提言している。
報告はまた、現代的林業の発展のため重点的に解決すべき戦略的問題とし
て、総合・地域計画の制定や天然林資源の保護、耕地の森林・草原化、砂漠化の
防止と対策、野生動植物の保護、自然保護区の建設、湿地の保護、科学技術の
発展、農村部での林業の発展、都市部での林業発展の加速、植生の整備、水資
源の合理的配分、森林災害の防止と対策などを強調している。
持続可能な林業発展戦略の研究は中国林業科学院の江澤慧院長を座長とす
る専門家グループが 2001 年7月から開始。古今東西の紆余曲折の歴史を総括す
るとともに、国の持続可能な発展に果たす林業の役割やその地位を明確にし、林
業を発展させるうえで理論的な基礎と科学的データが整った。
「チャイナネット」2003 年 7 月 11 日
貴州省、2010 年までに森林カバー率年間1%増をめざす・国家林業局が重
点支援
貴州省人民政府は先ごろ国家林業局と3回目の合同会議を開き、第2会議で決定
した 2001 年から 2010 年までの 10 年間に森林カバー率を年間1%ずつ増やす計
画の達成を確保するため、この2年間の実績を土台に、一層の措置を講じて生態
整備を強化していくことを再確認した。
45
会議に出席した国家林業局の周生賢局長は「党中央と国務院は林業の整備を非
常に重視しており、生態の整備をいくらかゆとりのある社会を全面的に建設する
ための重要目標に定めている。第2回会議で、2001 年から 2010 年までに貴州省
の森林面積を年間約 20 万ヘクタールずつ、10 年間で 200 万ヘクタール増やす目
標を確定した。これを受けて国家林業局は、天然林の保護や耕地の森林化、珠
江防護林の建設、野生動植物の保護、自然保護区の建設、経済林の建設などの
プロジェクトをすべて国家計画に盛り込んでおり、年度ごとに重点的に資金配分
や支援を行っていく」との考えを強調した。
西部に位置する貴州省は生態環境がまだ未整備で、実施は極めて困難を要す
る。そのため国家林業局は 2001 年に、貴州省を省クラスとしては唯一の林業プロ
ジェクト支援地区に指定し、指導や援助を強化。同省はこの2年間に林業重点プ
ロジェクト計画を全面的に達成したほか、国家林業局の「森林を厳格に管理する、
資金を慎重に使用する、質を優先する」原則に沿って、各プロジェクトの質の管理
を強化するとともに、監督管理制度や造林入札制などの新システムの構築を積極
的に模索してきた。こうした体制は全省で推進されており、70 の県に結成された
「民兵予備役造林団」が約 12 万ヘクタールにおよぶ耕地の森林化プロジェクトを
請け負っている。
林業の発展を阻害していた一連の技術問題を適時解決するため、同省と国家林
業局は科学技術面でも長期的かつ全面的な協力関係を確立することで合意し
た。
「チャイナネット」2003/04/16
山西省、六大造林プロジェクトに 19 億元を投入
生態系整備の歩みを加速し、林業の発展を省全体の経済・社会の持続可能な
発展をけん引する重要な構成要因にするため、山西省はこのほど林業プロジェク
トに 19 億元を投下することを決定した。
そして、生態系整備を主軸に天然林資源保護、耕地をもとの林地に戻す、北
京・天津砂嵐発生源整備、「三北(東北、西北、華北)」防護林、野生動植物・自然
保護区、100 万ムー(15 ムーは1㌶)速成林の六大造林プロジェクトを実施し、緑
の建設を加速する。現在までに全省の林地面積は 4700 万ムー余りに達し、森林
カバー率が 13.17%に達している。
46
今回の生態系整備プロジェクトは「山間部」と「平原部」の二つのパターンに分
かれている。「山間部」とは、全省の 5000 万ムー余りの荒れた山地の緑化を目標
とし、造林の重点を生態環境の良くない黄河流域、呂梁山と西北部の山地に置
き、資金、技術、人員、物資などの面からサポートすることになる。今年 6 月末現
在、全省の造林面積は 478 万ムーで、今年度の任務の 66.3%を占めている。「平
原部」とは、平原地帯の農地での植樹、道路・市街区の緑化、都市と農村部の公
園の植樹を指している。今年は 108、307 国道などの道路沿線の緑化プロジェクト
の基礎の上に、大同=運城高速道路沿線の8都市、33 県、255 郷・鎮の緑化プロ
ジェクトを始動している。
「チャイナネット」2003/07/28
福建省集団林権改革、今後三年間で実現か
5月 11 日午後、『福建省人民政府の集団林権制度改革に関する意見』が出され、
福建省は今後3年間で全省の集団林権制度を基本的に改革し、経営主体の多元
化、権利、責任、利潤を統一化した新たな集団経営管理メカニズムを確立する計
画を打ち出したことが明らかにされた。
福建はわが国南方の重点集団林区で、80%以上の山林が集団所有に属してお
り、更に林業生産力を発展させる為に、林地の集団所有制を維持することを前提
として、林木所有権、林地使用権を明確にし、家庭請負経営を主体とする多角経
営方式並存の集団経営体制を整備、確立し、林地使用権、林木所有権と経営権
を各家庭、家庭連合或いは其の他の経営実体に与えることとなった。集団林権制
度改革の範囲は、主として林木所有権と林地使用権が未だ不明確な集団商品林
及び県級人民政府の林地計画適地である。
福建省政府は集団山林を集団内部成員の共同所有とし、各村民は等しく平等に
集団山林の請負経営権利を享受することができ、およそ全ての集団山林請負経
営を要求する村民に対して、同等の条件で優先されることを保証する。入札制
度、オークションシステムを採用して経営譲渡される全ての集団山林は、村民会
議或いは村民代表大会の同意を受け、所得収入の大部分を集団内部成員に分
配しなければならない。既に県級人民政府の計画範囲内に組み込まれている生
態公益林については、暫時今回の改革範囲から除かれるが、林権証を交換発給
することになる。その所有権が争議の対象となっている林木、林地については、暫
時今回の改革範囲から外す。 「チャイナネット」2003/06/09
47
4.環境問題一般ほか
中国、オゾン層保護の国際的活動に積極的に参与
9 月 16 日はオゾン層を保護するための国際デーである。これに当って国家環境
保護総局の解振華局長は 16 日、北京で「中国政府は一貫して、オゾン層を保護
するための国際的な活動に積極的に参加していて、中国はすでに、オゾン層を破
壊する物質を最も多く排除した発展途上国となった」と述べた。
また、解振華局長は「これまでの 10 数年間、中国はオゾン層保護のための国
際公約の義務を真剣に履行している。自動車やエアコン、化学工業生産など 9 つ
の業界でオゾン層破壊物質の排除計画を相次いで実施している。中国はさらに
2010 年までにオゾン層を破壊する物質の使用を全面的に停止していく」と述べ
た。
「CRI」より 2003/09/17
中国科技大学、ナノテクを駆使して無公害塗料を開発
中国科学技術大学(安徽省・合肥)のナノテク(超微細技術)材料の専門家、王
大志教授が地元の低温接着剤の専業企業と長年にわたり研究、実験を重ねてき
た新世代の塗料が開発された。ナノテクを駆使したホルムアルデヒドを含まず、製
造過程で排ガスの出ない無公害で環境にやさしいグリーンな塗料だ。
従来の塗料に比べて粘着力や固着性が強く、耐久性があり、殺菌性や抗真菌
性、空気浄化などの長所をもつほか、着色の安定性や耐紫外線の面でも優れて
いる。新開発の塗料は、一塗りで即、浄化効果を発揮するので、汚染をもたらすこ
とはないという。殺菌測定では、大腸エシェリヒア菌で 24 時間の殺菌率が
99.99%、黄金色ブドウ球菌では 99.77%に達することが確認された。
ナノテクを利用した環境保護塗料は、それが受ける太陽光などを利用して汚染
された大気を浄化することができる。都市の家屋や橋梁、道路、広場などでこの
塗料を使用すれば、都市部での深刻な大気汚染の浄化に一段の効果を発揮する
と期待されている。ベンゼンやホルムアルデヒド、アルミニウム、水銀、ヒ素などの
有害物質を含まないため、製造の過程で排ガスや廃液が生じることはなく、人体
や環境に無害。
「チャイナネット」2003 年 9 月 15 日
48
環境保全の成果が著しい青海―チベット鉄道
このほど、国家環境保護総局は記者会見を行
い、国家環境保護総局など6つの部・委員会(局)
の青海―チベット鉄道の建設期間における環境保
全作業について報告した。青海―チベット鉄道は着
工2年来、青海―チベット鉄道公司と青海―チベッ
ト鉄道建設指揮本部および建設に参加した企業は
生態系の保護を重視し、著しい成果を上げている。
凍土層、河川の源の水質、野生動物の生息環境や鉄道両側の自然景観がよく保
護されている。環境保全の整備は国内重点プロジェクトの中でトップとなり、モデ
ルの役割を果たしている。写真は青海―チベット鉄道工事区間の草栽培モデル
区であり、不織布で草の種をまいたところを覆い、草の生長を促しているところ。
「チャイナネット」2003 年 9 月 4 日
北京など 10 都市「節水都市」と命名
中国建設部はこのほど北京、上海をはじめとする 10 都市を全国で初めて「節水
都市」と命名し、授賞した。これら 10 都市は、山東省の済南市、青島市、遼寧省の
大連市、浙江省の杭州市、江蘇省の徐州市、山西省の太原市、河南省の鄭州
市、河北省の唐山市である。
第1陣として命名されたこれら「節水都市」は、それぞれの省・直轄市・自治区の
建設、経済・貿易部門の考査、専門家の実地調査、評定を経た後、建設部ともと
国家経済貿易委員会によって命名された。
建設部の汪光燾部長は、節水都市の命名は全国における節水を効果的に促
すことになった。建設部は今後、国家発展・改革委員会と共同で「節水都市」の考
査認定の範囲をさらに広げていくと語った。
「チャイナネット」2003/08/22
49
山西省で中日環境協力が展開
新華社通信によると、中国と日本が山西省の大同市で展開している最大の環
境協力プロジェクトは、現在順調に実施されている。
関係筋によると、日本政府が中国のお金にして合わせて 1700 万元余りを出資
して実施されたこの環境保護協力プロジェクトは、地元の自然環境を改善し、風砂
による侵害を減らすことを目的としている。
「CRI」より 2003/08/11
渤海の水質浄化計画に遅れ 環境保護総局
国家環境保護総局は、渤海の水質浄化を目指す「渤海碧海行動計画」の進展
が遅れていることを明らかにした。第 10 次五カ年計画期間(2001~05 年)の半ば
を過ぎた現在、同期間中に実施予定のプロジェクトのうち、実施中または完了した
プロジェクトは 40%余りにとどまり、残りは準備段階または未着手の状態という。
渤海沿岸の汚染は依然として深刻で、環渤海地区の整備事業は相当困難だとみ
られる。
当初の計画では、2005 年末までに 264 億元を投入し、環渤海地区 13 市の下水
処理場建設など 246 プロジェクトを実施する予定。現在までに完了したプロジェクト
は 48 件(19.5%)、実施中のプロジェクトは 68 件(27.6%)で、準備段階または未着
手のプロジェクトは、130 件(52.8%)に上る。
国家環境保護総局の関係責任者は、「同計画の進展が遅れているため、関係
の省や市政府が有効措置を講じる必要がある」と指摘。実施中のプロジェクトを加
速するとともに、未着手のプロジェクトの準備事業を急ぎ、できるだけ早い段階で
実施する必要があるとした。
「人民網日本語版」2003 年 8 月 7 日
環境・災害観測衛星を 2005 年までに打ち上げ
中国国家航天局は 7 月 19 日、環境保護や災害対策の向上に向けた環境・災害
50
観測予報衛星システムの研究開発を本格的に開始すると発表した。
すでに衛星の初期設計に着手。光学衛星 2 基、レーダー衛星 1 基を 2005 年ま
でに打ち上げ、災害や環境に対する観測体制を整備。2010 年をめどに、災害・環
境の動態観測が可能な体制作りを目指す。
中国は自然災害が多く、環境の悪化も指摘されており、衛星による観測、予報
システムの導入により、災害・環境に関する迅速かつ正確な情報が入手できるよ
うになると期待されている。
システムの完成後は、洪水、干ばつ、台風、地震、地滑り、土石流、森林・草原
火災、農作物の病虫害などあらゆる災害をカバーして、観測、予報を行う。
「人民網日本語版」2003 年 7 月 20 日
「五輪を機に北京の緑化推進を」 胡主席が呼び掛け
胡錦濤国家主席は北京オリンピック公園で 5 日に行われた植樹活動に参加し、五
輪開催を契機に都市の緑化活動に力を入れ、五輪成功のための環境を整備する
とともに、良好な生活環境をつくりあげるよう呼び掛けた。植樹には、江沢民前主
席ら中国指導者も参加した。
胡錦濤主席は「植樹や造林、生態環境の整備強化は、利国利民の大事業だ」と
指摘。緑化活動を推進し、中国が持続する成長、豊かな生活、良好な生態系を持
った文明発展の道を歩むために、緑化活動を推進するよう市民に呼び掛けた。
同日は北京市全市民が参加する植樹デーで、220 万人が緑化活動に参加した。
統計によると、北京市の緑化率は 39%に達している。
「人民網日本語版」2003 年 4 月 6 日
51
付録:中国の日系企業についての記事
抜粋
東風汽車、ホンダと提携 湖北省で合弁会社設立
東風汽車は 8 日、日本のホンダとの提携で中国で自動車を生産することを発表
した。ホンダは湖北省武漢市にある東風汽車系合弁会社、武漢万通汽車有限公
司の株式の 50%を取得。東風汽車との共同再編により、新会社・東風ホンダ汽車
を設立した。
新会社では、武漢万通が所有していた工場を改造し、ホンダブランドの自動車
を生産する予定。2004 年上半期から多機能型オフロード車「CR-V」の生産を開始
し、年間生産台数 3 万台を目指す。
2 社は今後現有設備の改造・拡充などの準備作業を進める。新たな投資額は
4400 万ドル、生産開始時の職員は 600 人程度になる見込み。
「人民網日本語版」2003 年 8 月 9 日
無錫新区への日系企業投資、拡大が継続
ブリヂストン無錫タイヤ有限公司の建設工事が8月4日着工しました。
このタイヤ生産企業は世界の大手タイヤメーカーであるブリヂストン
(Bridgestone)が 9900 万ドルを投資して設立したもので、来年操業に入ると年間
274 万本の子午線タイヤを生産できるという。
着工式で挨拶に立ったブリヂストンの渡辺恵夫(わたなべ・しげお)社長は
「SARS の影響を受けたものの、無錫でのプロジェクトが予定通りに着工され、ブリ
ヂストンは無錫への投資に自信を持っている」と述べた。
なお、統計によると、無錫に進出している日系企業は 120 社を超え、その投資
総額は 15 億ドルに達したとのことである。
「CRI」より 2003/08/06
52
宝鋼が新日鉄と自動車用鋼板の合弁会社を設立
宝山鋼鉄公司は 22 日、新日本製鉄と合弁会社設立に関する合意文書に調印
した。
新会社は高級自動車用鋼板などの製造・販売を主な業務とし、急速に発展す
る中国自動車市場の需要に基づいて事業を展開する。生産規模は年産 170 万ト
ン、そのうち冷延鋼板が 90 万トン、溶融亜鉛メッキ鋼板が 80 万トン。世界最先端
の自動車鋼板工場を目指す。
今回の合弁で、宝鋼は新日鉄の保有する先進技術を利用して、中国自動車メ
ーカーの高級自動車用鋼板の需要を満たすことが可能になり、また同分野での
技術的優位が確立されることを期待する。一方、新日鉄は日本資本の自動車会
社の中国での発展により一層貢献することになる。
合弁プロジェクトの投資総額は約 65 億元。宝鋼が 50%、新日鉄を中心とする外
資側が 50%を出資。うち新日鉄は外資側の 70%以上を出資する。
今後のスケジュールとしては、2003 年末に正式な合弁契約を締結し、2005 年 5
月に生産を開始する予定。
「人民網日本語版」2003 年 7 月 24 日
ジャルパック、旅行子会社を設立 外資系企業で業界初
訪日中の国家観光局の何光●局長(●は日へんに韋)は 18 日、日本航空シス
テムグループの旅行会社、ジャルパックが、中国国内での独資旅行会社設立許
可を取得したことを明らかにした。これは 7 月 12 日に「外資持ち株・外資独資旅行
会社設立に関する臨時規定」が実施されて以来、外資系企業が中国国内に全額
出資の旅行会社を設立するのは、同社が初めて。世界貿易機関(WTO)加入に際
し設定されたタイムテーブルより、2 年早い外資旅行会社への開放措置となる。
国家観光局と商務部の関連規定に基づき、外資系企業が中国国内で設立した
独資または持ち株旅行会社では、海外から中国への旅行と、中国国内旅行しか
許可されず、当面の間、中国国民向けの海外旅行や香港・澳門(マカオ)への旅
行は取り扱えない。業界関係者は、外資系企業の独資旅行会社設立は(1)海外
からの旅行客を独自に受け入れ、直接のサービス提供が可能になること(2)窓口
一本化での旅行サービスが可能になること--を意味すると指摘。これまで旅行
客の受け入れを海外の旅行会社に頼り、主に現地でのサービス業務に従事して
53
きた国内旅行会社にとっては、顧客源の一部を失う事になると見られる。
「人民網日本語版」2003 年 7 月 21 日
長江デルタ地域に進出した日本企業の特徴
日本の三菱総合研究所の最新データによると、上海を含む長江デルタ地域に進
出した日本企業の数は、中国に進出した日本企業数の 42.8%を占めるに至ってお
り、同地域は日本企業にとってもっとも魅力のある地域となっていることがわかっ
た。
長江デルタ地域に進出した日本企業の特徴について、専門家は以下のように指
摘している。
1、数量、規模ともに大きい。現在、上海に進出している日本企業の平均の規模
は投資額 297 万ドルクラスで、アメリカ企業の 226 万ドルを上回っている。
2、企業の多様化。大・中・小型の企業がすべてそろい、その業務の種類は組
立、金型加工、物流など、さまざまな分野をカバーしている。
3、第三次産業に携わる企業が多い。日本の製造企業に物流・法律コンサルタ
ントなどの直接的なサービスを提供する企業、日本企業に人材派遣・従業員のト
レーシングなどの間接的なサービスを提供する企業、飲食業・小売・スーパー経
営などに携わる企業、愛用品・収蔵品などを生産する企業などがある。
4、早期に進出した企業は、構造調整の新段階に入っている。NEC、日立、松下
などの企業は、上海に地域本部、研究開発センター、物流センターなどを設立し、
周辺地域では部品加工、組立工場を設立し、上海を中心とする構造ができあがり
つつある。
「チャイナネット」2003 年 6 月 12 日
54
三菱自動車(株) 中国マーケットへの進出を加速
三菱自動車(株)はこのほど、新たな「在中販売拠点拡大戦略」を打ち出し、中国マ
ーケットへの進出を加速している。その計画は次の通り。
1、今後の四年間において、販売店を300社に増加。2、中国向けの自動車の9
0%を、中国で生産すること。3、瀋陽航空三菱エンジン製造工場、ハルビン東安
エンジン製造工場のエンジン生産量を、現在の2倍に増やし、30万台に達するこ
と。4、2007年までに30万台の売り上げ(2002年の4倍)に達し、中国マーケッ
トでのシェアを5%まで引き上げること。
伝えられるところによると、三菱自動車(株)は現在、中国で20社の専売店をも
ち、また、ダイムラー・クライスラーと合弁で経営している販売店は50社。合弁店
舗を120社に増やし、新たな専売店の開設も計画している。販売車種は、現在の
SUV から、マイクロバスなどまで広げていくという。
「チャイナネット」2003 年 6 月 9 日
東芝の対中投資 今後 5 年間で 160 億元に
東芝(中国)研究開発センターと CCID 集団が共同で進めていた、言語処理用デー
タ開発プロジェクト(第1期)がこのほど終了した。東芝コピー機もこのほど、深セン
の生産ラインを拡張し、新たなプロジェクトの計画を進めていることを表明した。東
芝の中国総代表は、同社は今後も対中投資を拡大する予定であると明らかにし
た。中国でのプロジェクトの投資額は今後 5 年間で最大で 160 億人民元に達する
見込み。また 2008 年の事業規模は 700 億人民元に上り、同社の米国での業務を
上回ると予想される。
「人民網日本語版」2003 年 6 月 2 日
55
広州ホンダの門脇総経理が広東省の「模範労働者」に
広東省で 3 年に 1 度の「模範労働者」の発表が行われ、300 人の対象者の 1 人に、
日本人で広州ホンダ自動車有限公司の門脇轟二総経理(62)が選ばれた。
広東省政府が「広州ホンダおよび広州自動車工業の発展のために多大な貢献を
尽くした」との言葉を贈ったのに対し、門脇総経理は「とても驚いたが、光栄です」
と流暢な中国語で喜びを語った。
「人民網日本語版」2003 年 4 月 29 日
東芝が杭州でノートパソコン生産を開始
東芝は 1 日、東芝情報機器(杭州)有限公司が同日、生産体制に入ったと発表し
た。同公司は今後、東芝グループの世界市場向けノートパソコンの生産拠点とな
る。
東芝によると、初年には 75 万台を生産、徐々に生産量を増やし、最終的には 200
万台を生産する計画。新たに創立された東芝情報機器(杭州)有限公司は、東芝
および東芝(中国)有限公司がそれぞれ 9 対 1 の割合で出資している。
「人民網日本語版」2003 年 4 月 2 日
中郵物流と三井物産など 7 社が物流提携
国家郵政局傘下の中郵物流有限責任公司は 16 日、三井物産、嘉里物流聯網公
司、中国科健、南京熊猫移動通信、吉林修正薬業など国内外の著名企業 7 社と物
流提携契約を結んだ。今後はこれらの企業に、全国規模で倉庫、配送などを一体
化させたロジスティクス・サービスを提供する。国家郵政局は郵政物流の競争力を
さらに向上させるため、サービス分野を拡大。中郵物流公司に 1 億元の資金を投
入することで、全国の物流経営・販売ネットワークと運営システムの整備を行う。さ
らに、各省での中郵物流の子会社設立も進められている。
56
中国郵政局の 2002 年の物流分野の収入は 16 億元、2003 年は 32 億元を目標に
している。
「人民網日本語版」2003 年 3 月 17 日
中日合弁でじゅうたん会社を設立 山東省日照
中国日照東升毛毯(じゅうたん)有限公司は 27 日、日本の有限会社鴻鵠総合研究
所と合弁会社設立で合意、山東省日照市で調印式を行なった。新会社の名称は
「日照東龍地毯有限公司」で、資本金は 120 万ドル。双方が 50%ずつ出資する。
日照東升毛毯有限公司は中国最大の機械織りじゅうたんメーカーで、新会社は日
照東升の技術をベースに、日本側の先進技術や管理ノウハウを積極的に導入。
最新のポリッシャーアクリルじゅうたんや耐火じゅうたんを生産する。
「人民網日本語版」2003 年 1 月 29 日
日本生命保険、上海広電と合弁生保会社を設立
日本最大の保険会社である日本生命保険相互会社と上海広電(集団)有限公司
はこのほど、合弁保険会社の設立で合意を達成した。これにより、保険料収入が
世界で先頭を行くこの大手金融機構は中国の生命保険市場に進出することを目指
している。
新たに設立された会社は広電日生人寿保険有限公司と名付けられ、登録資本
金は3億元、日本生命と上海広電が折半出資することになっている。会社の董事
長(代表取締役)と総経理(社長)はそれぞれ上海広電と日生生保が人員を送りこ
んで担当させる。合弁会社は上海広電のブランドとネットワーク上の優位性を生
かし、日本生命保険が生命保険分野における豊かなノウハウと技術を使い、急成
57
長を遂げている中国の生命保険市場で生保業務に参入する計画がある。
情報筋によると、日本生命保険は113年の歴史を持ち、総資産は世界で4位で
ある。同社は01年末に、中国保険監督管理委員会の批准を経て、中国での生命
保険会社の設立に着手してきた。
「新華ネット」より 2003 年 1 月 28 日
大連、日中合弁のマグロ加工基地が設立
日商岩井は 1 月 8 日、中国大連ショウ子島漁業集団と合弁でマグロ超低温加工事
業を行う新会社「大連翔祥食品有限公司」を設立する契約に署名した。新会社へ
の投資総額は 860 万ドル、第 1 工期の投資額は 430 万ドル。出資比率は中国側
49%、日本側 51%。加工能力は年間 1 千 500 トン。
日商岩井は新会社設立を通じ、中国のマグロ市場への進出を狙う。また、中国側
は漁業の大規模化を進め、地元の漁業資源と日本側が持つ技術、市場、管理体
制を結合させていきたい考えだ。(※ショウはけものへんに章)
「人民網日本語版」2003 年 1 月 9 日
東芝、洗濯機メーカーの小天鵝と合弁
東芝はこのほど、大手洗濯機メーカーの小天鵝と合弁で、江蘇省無錫市に新会
社「東芝洗衣機(無錫)有限公司」(洗衣機は洗濯機の意)を設立した。新会社は
洗濯機、衣類乾燥剤、その他部品の生産と販売、アフターサービスを手掛ける。
出資比率は日本側 75%、中国側 25%。
「人民網日本語版」2003 年 1 月 6 日
58
広州ホンダ、来年の生産台数は 11 万台
広州本田汽車公司は 12 月 19 日、2003 年度事業計画を発表した。それによると、
2003 年の乗用車の予定生産販売台数は 11 万台で、今年より 89.8%増加させる計
画。1 月 15 日には、全面的にモデルチェンジして世界標準に生まれ変わった「アコ
ード」(雅閣)を発売し、来年中頃には、ホンダの最新技術を結集させた世界標準の
高性能小型車の発売を予定する。
データによると、今年 1~11 月、中国の乗用車生産台数は前年同期比 48.4%増
の 97 万 9 千台、販売台数は同 51.8%増の 102 万 8 千台だった。通年の生産台数
は 115 万台に達することが予測される。今年度の広州ホンダは、生産と生産規模
拡大のための工場改革を同時進行させ、1~11 月には生産台数が 5 万 6495 台、
販売台数が 5 万 6216 台となった。通年では、生産販売台数が目標の 5 万 9 千台
を達成して前年比 15.8%増加し、販売収入は同 12.8%増加の 137 億 3200 万元に
達することが見込まれる。
「人民網日本語版」2002 年 12 月 20 日
松下電器がテレビ生産拠点を山東省に移転
日本の松下電器産業株式会社は来年、大阪にあるテレビ生産拠点を山東省済南
市に移転する計画であることを明らかにした。新拠点では大画面プロジェクションテ
レビやプラズマテレビなども生産する予定。
松下はこれまで中国で合弁企業・全額出資企業 45 社を設立している。その中の
一社で、中国唯一のカラーテレビの合弁企業である山東松下映像産業有限公司
は、1995 年に済南市で設立された。総投資額は 2992 万ドルで、資本金は 2500
万ドル、中日双方がそれぞれ 50%を出資している。同社は「Panasonic」ブランドの
カラーテレビやその他映像製品を製造販売し、松下にとっては第 5 番目の海外カ
ラーテレビ生産拠点となる。同社の従業員数はすでに 1 千人を上回った。
松下が今回の移転を計画した原因として、中国の巨大な国内市場の将来性と
日々充実する市場メカニズムを高く評価していることがあげられる。また中国では
技術者および労働力のコストが低いことも要因の一つ。移転後、松下は日本国内
でのカラーテレビ生産を中止し、技術開発部門と実験部門だけを残す計画を立て
59
ている。
「人民網日本語版」2002 年 12 月 9 日
中日企業が提携してビジネス用エアコンを開発
新華社通信によると、中国の海信グループと日本の日立は、このほど、ビジネス用
エアコンの共同開発に関する取り決めに調印し、海信・日立ビジネス用エアコンシ
ステム有限会社を発足させた。
伝えられるところによると、この会社の中日企業の出資額はそれぞれ半半で、第
一期の投資額は2億元にのぼり、工場は青島経済技術開発区の海信情報産業ゾ
ーンに建設されるとのことだ。
また、中国の都市建設の速やかな発展と不動産業の持続的な繁栄に伴って、今
年、中国ビジネス用エアコン市場は 12%の伸び率で発展している。
CRI より 2002 年 11 月 25 日
東風、日産合弁の高級車生産拠点を杭州に設立
中国東風汽車公司、日産、ルノーの 3 大自動車メーカーは、中国国内最大の高級
車生産拠点を杭州に設立することで合意した。
これによると、東風と日産は対等の持ち株比率で「東風日産公司」を創設。日産は
ルノー傘下にあるため、新会社は事実上、3 大メーカー共同の設立となる。
「人民網日本語版」2002 年 11 月 17 日
新日鉄、宝山鋼鉄と合弁工場設立を検討
国内鉄鋼最大手の上海宝山鋼鉄株式有限公司は 13 日、新工場建設を検討して
60
いることを明らかにした。24 億ドルを投資して、新工場を 2 カ所建設する。
宝山鋼鉄によると、2 つの新工場のうち 1 つは、同社と日本の鉄鋼最大手の新日
鉄製鉄とそれぞれ 10 億ドルを投資して設立する合弁鉄鋼企業。自動車用鋼板を
生産し、上海通用を始めとする自動車メーカーに製品を販売する。もう 1 つは独資
工場で、造船用鋼材やボイラー向け鋼材の生産を柱とする。
中国では今年、自動車生産台数が倍増。しかし国内の鉄鋼市場は伸び続ける需
要に追いつけない状態が続いていた。今回の新工場設立により、需給改善が期
待される。
国家経済貿易委員会のデータによると、中国の鉄鋼の需要は今後 3 年間、年 5%
増加し、2005 年には 1 億 4 千トンに上ると見込まれている。2002 年 1~10 月には、
国内の鉄鋼輸入は前年同期を 46%上回り、2000 万トンに達した。
「人民網日本語版」2002 年 11 月 14 日
ソニー、中国・韓国地域業務管理部門が北京に移動
ソニーグループの責任者はこのほど北京で、これまで日本の東京本社内におか
れていた同グループの中国・韓国地域業務管理部門を、北京に移したことを明ら
かにした。
ソニーグループの出井伸之会長兼CEO(最高経営責任者)は、北京で開催中の
日中国交正常化 30 周年記念行事「ソニーウィーク」の開幕式に出席し、「中国が
東アジア地域の発展の中心になっていくことは確実。ソニーは中国と周辺国家・地
域のさまざまな資源を調和させ、地域間で相互にメリットを共有することを目指し
て努力を重ねてきた。中国の経済発展に少なからぬ貢献をしたといえるだろう」と
発言した。
ソニー(中国)有限公司の正田紘会長によると、ソニーグループは中国での業務
を、2005 年には現在の 5 倍に増やし、中国事業をグループの 4 番目の柱にする
計画を立てている。先週にはグループの取締役会を上海で開き、中国重視の姿
勢を明らかにした。
61
今年に入ってからは、江蘇省の無錫に「生産デザインセンター」、上海に「ソフトデ
ザイン開発部」、大連に「情報システムプラン研究開発部門」をそれぞれ設立。さら
に深センには、中国における部品仕入センター「索尼国際採購(深セン)有限公
司」を設立している。
「人民網日本語版」2002 年 11 月 1 日
ホンダ、中国との協力をさらに拡大
本田自動車グループと広州汽車グループ、東風汽車グループは今後、中国市場
での協力関係をさらに拡大することになった。
広州本田が生産する「オデッセイ」の試乗会参加のため北京を訪れた本田技研の
門脇轟二・中国総代表は、三者が現在、広州に輸出主導型の合弁会社設立の準
備を進めていることを明らかにした。新会社は本田技研が持ち株会社となる。すで
に中国政府には計画を届け済み。
門脇総代表は「合弁会社はホンダの世界的な営業ネットワークを通じて、中国で
生産した小型車を世界各地に販売する」と語った。
東風汽車との協力について、門脇総代表は強い自信を示した上で「広州本田のエ
ンジンや多くの部品は東風汽車が生産しており、両社の関係は一貫して良好だ。
合弁会社設立後は、できるだけ東風と共用してきた生産設備を残すことでコストを
削減し、国際競争力を増強する」との考えを示した。
さらに門脇総代表は「中国自動車市場の潜在力は無限だ。中国人の嗜好に合っ
た新車の開発に力を入れるとともに、国際市場で人気のある車種も適時、投入し
ていく」と強調した。
ホンダと広州汽車は 1998 年に、双方が折半出資して合弁会社を設立。同社の「ア
コード」の年間生産台数は5万 5000 台、中国の中・高級車市場で急速にシェアを
伸ばしている。生産能力は来年初めに 12 万台となる。
中国は将来、自動車の消費大国から生産大国に発展すると見られ、世界の自動
車メーカーが続々、生産・開発センターを設立している。
「チャイナネット」 2002 年 10 月 31 日
62
野村証券、深セン証券取引所域外特別会員第一号に
深セン証券取引所はこのほど、日本の野村証券株式会社上海事務所を同取引所
の域外特別会員に認定した。「深セン証券取引所域外特別会員管理規定」が発
行されて以来、域外特別会員と認められた海外証券機関の在中国事務所は、今
回の野村証券上海事務所が初めてとなる。
1925 年に成立した野村証券は、日本最大の証券会社。早くも 1973 年に中国での
金融業と投資業務の開拓に着手し、1982 年には中国に事務所を設立した海外証
券会社第一号となった。現在、野村証券は中国に事務所 2 カ所と合弁会社 3 社を
設立し、対中直接投資プロジェクト 2 件を抱えている。
「人民網日本語版」2002 年 10 月 30 日
佐川急便、北京で国際貨物運送会社を設立
対外貿易経済合作部の批准を受けて、日本の有名総合物流企業・佐川急便は、
このほど北京で合弁会社「北京佐川急便国際貨運有限公司」を設立した。佐川急
便はこれまで上海、西安、深センに現地法人を設立しており、今回の新会社は 4
社目となる。新会社は主に海運・空運による輸出入の国際貨物運送代理業務を
手がける予定で、すでに中国における一級国際貨物運送代理業の免許を取得し
ている。
「人民網日本語版」2002 年 10 月 14 日
天津トヨタ VIOS の 1 号車が完成
トヨタ自動車と天津汽車の合弁企業、天津トヨタ自動車は 8 日、中国向け戦略車
「VIOS(ヴィオス)」の 1 号車を完成させた。排気量は 1.3~1.5 リットル、価格は 11
万 5 千~19 万 5 千元(約 170 万~290 万円)。9 日から各販売店で発売される。
天津トヨタの投資総額は 1 億ドル。850 人の従業員を抱える。VIOS の年間生産台
数は 3 万台。今後は全国の 50 の販売店で取り扱う。
「人民網日本語版」2002 年 10 月 8 日
63
ライオン、対中投資を拡大
日本のライオン株式会社が出資する青島獅王日用化工有限公司(青島ライオン)
はこのほど、現行の生産力を 3 倍に増大させるため、新たに 5 億 5 千万円を投資
することを決定した。10 月から拡張工事を始め、2003 年 11 月に操業開始の予
定。
「人民網日本語版」2002 年 9 月 25 日
上海日立電器などの企業6社、「全国品質管理賞」を獲得
上海日立電器などの国内企業6社が先般、第二回「全国品質管理賞」を獲得した。
それは国内企業が獲得した最高の賞であった。
上海日立電器、上海三菱エレベーター、北京聯想グループ、杭州東方通信、青島
ビール、ABBが今年度の「全国品質管理賞」を獲得した。
伝えられるところによると、今回の賞評定の中で、企業内の製品品質管理を評価
の主要目標とした。全国電器業の唯一の賞獲得企業である上海日立電器を例と
すれば、同社が生産したエアコンは販売量が世界の12%を占め、全国一のエア
コンメーカーとなっただけでなく、提唱している経営方針、管理実践も顧客に認知
されている。「製品、品質から人柄が分かる」という品質管理の実践により、上海
日立電器は規模が最も大きいリーディングインダストリー企業となり、この賞を獲
得した。
その他の企業5社と異なるのは、規模がそれほど大きくはない外国単独投資企業
であるABBが品質管理重視のモデル企業となったことである。業界筋は「それは
中小企業の発展の環境が更に改善され、国が中小企業の品質・管理重視を積極
的に導いていることを示すものである」と指摘した。
新華社より 2002 年 9 月 23 日
64
日本で発表された
“中国環境問題”
関連の論文タイトル
【排気ガスに霞む北京の街】
2003
田辺義明
1
日本で発表された“中国環境問題”関連の論文タイトル
03 年 07 月 22 日現在
【順不同】
●矢野 友三郎
「アジアの環境問題: 中国でのソフトパス(ISO14000)の試
み」『北東アジアのエネルギー、安全保障および環境について
の日米共同研究』(国際大学グローバル・コミュニケーション・
センター、1997)
●アジア経済研究所
アジア経済研究所『発展途上国環境問題総合研究報告書―海外
共同研究(中国)―中国における環境意識と公害被害救済』(ア
ジア経済研究所、1992)
アジア経済研究所『発展途上国環境問題総合研究報告書―海外
共同研究(中国)―中国における企業の環境対策に関する実態
調査』(アジア経済研究所、1992)
2
アジア経済研究所『発展途上国環境問題総合研究報告書―中
国・タイ環境意識調査の背景と経緯』(アジア経済研究所、
1995)
●桜井
淳
「エネルギーと環境問題―原子力」中国研究所編『中国の環境
問題(中国年鑑 1993 年版別冊)』(新評論、1994)所収
● 植田和弘
「工業化と環境問題」中国研究所編『中国の環境問題(中国年
鑑 1993 年版別冊)』(新評論、1994)所収
● 我妻 伸彦
『北東アジアのエネルギー、安全保障および環境についての日
米共同研究』(国際大学グローバル・コミュニケーション・セ
ンター、1997)
●王
乗忱
3
「地盤沈下」中国研究所編『中国の環境問題(中国年鑑 1993
年版別冊)』(新評論、1994)所収
●浅野直人
「環境汚染と規制―規制の実態と行政組織」加藤一郎編『中国
の現代化と法』(東京大学出版会、1980)所収
「中国の環境法の展開と特色」星野英一・森島昭夫編『現代社
会と民法学の動向:加藤一郎先生古希記念』(有斐閣、1992)
所収
「中国の新環境保護法について」『ジュリスト』第 966 号(有
斐閣、1990)所収
「1990 年代の中国環境法の動向」『ジュリスト』第 1035 号
(有斐閣、1993)所収
●明日香壽川
「アジアにおける環境リスクマネージメント」『エネルギー・
資源』第 16 巻第 6 号(エネルギー・資源学会、1995)所収
4
「環境『境』をとって『環』を拡げる」『湧』1994 年 6 月号
(地湧社、1994)所収
●荒山裕行
荒山裕行・厳善平・竹歳一紀『開放経済下における環境問題―
中国の環境政策と企業の対応』(名古屋大学大学院国際開発研
究科、1997)
●安藤
満
「中国における石炭エネルギー利用と環境問題」『日本エネル
ギー学会誌』第 74 巻第 10 号(日本エネルギー学会、1995)
所収
●池田明由
「中国の経済発展と環境問題」『エネルギー・資源』第 15 巻
第 6 号(エネルギー・資源学会、1994)所収
●石
弘之
5
「発展途上国の空からも―中国の空中鬼」石弘之『酸性雨』(岩
波新書、1992)所収
●井上 秀典
「環境分野におけるアジアの地域協力」『北東アジアのエネル
ギー、安全保障および環境についての日米共同研究』(国際大
学グローバル・コミュニケーション・センター、1997)所収
●井村秀文
井村秀文・勝原健編『中国の環境問題』
(東洋経済新報社、1995)
井村秀文・勝原健編『東アジアの工業化と環境問題』(国際東
アジア研究センター、1995)
●植草
益
関口尚志・朱紹文・植草益編『中国の経済改革体制―その成果
と課題―』(東京大学出版会、1992)
●王
華東
6
「中国における環境影響評価」『季刊環境研究』第 55 号(環
境調査センター、1985)所収
●大和田滝恵
「中国の環境問題と内発的発展」宇野重昭・鶴見和子編『内発
的発展と外向型発展―現代中国における交錯―』(東京大学出
版会、1994)所収
●小倉紀雄
「大気汚染と酸性雨」中国研究所編『中国の環境問題(中国年
鑑 1993 年版別冊)』(新評論、1994)所収
「酸性降下物が重慶・南山森林へ与える影響」『水処理技術』
第 33 巻第 10 号(日本水処理技術研究会、1992)所収
●オコンナー、デビッド
D・オコンナー『東アジアの環境問題』
(東洋経済新報社、1996)
海外経済協力基金開発援助研究所
7
OECF開発援助研究所編『中国の食料需給の見通しと農業開発
政策への提言』(海外経済協力基金、1995)
●科学技術政策研究所
科学技術政策研究所編『アジアのエネルギー利用と地球環境』
(大蔵省印刷局、1992)
科学技術政策研究所第 4 調査研究グループ編『アジア地域のエ
ネルギー消費構造と地球環境影響物質(SOx, NOx, CO2)排出量
の動態分析』(科学技術政策研究所、1991)
●加々美光行
「中国の環境と開発」中国研究所編『中国の環境問題(中国年
鑑 1993 年版別冊)』(新評論、1994)所収
●片岡直樹
片岡直樹『中国環境汚染防治法の研究』(成文堂、1997)
「中国の環境汚染賠償紛争解決における行政部門の役割」『久
留米大学法学』第 21 号(久留米大学法学会、1994)所収
8
「中国農村の公害問題と法的対応―郷鎮企業の公害問題につい
て―」『広島大学農業水産経済研究』第 4 号(広島大学生物生
産学部食糧管理学講座、1992)所収
●勝原
健
井村秀文・勝原健編『中国の環境問題』
(東洋経済新報社、1995)
井村秀文・勝原健編『東アジアの工業化と環境問題』(国際東
アジア研究センター、1995)
●鎌田
烈
「地盤沈下」中国研究所編『中国の環境問題(中国年鑑 1993
年版別冊)』(新評論、1994)所収
「中国天津市の地盤沈下」『地下水と井戸とポンプ』第 29 巻
第 9 号(地下水技術協会、1987)所収
● 川上洋司
9
「経済発展と環境汚染からみた中国の都市の類型化」『環境情
報科学』第 26 巻第 3 号(環境情報科学センター、1997)所
収
●川本義海
「経済発展と環境汚染からみた中国の都市の類型化」『環境情
報科学』第 26 巻第 3 号(環境情報科学センター、1997)所
収
● 木地孝之
黒田昌裕・木地孝之・吉岡完治・早見均・和田義和『中国のエ
ネルギー消費と環境問題』(通商産業研究所、1996)
「日中環境問題の産業連関分析(1)―日中共通分類によるエネル
ギー・大気汚染物質分析用I-O表の作成―」『イノベーション&
I-Oテクニーク』第 5 巻第 2 号(環太平洋産業連関分析学会、
1994)所収
●金
瑞林
10
張坤民・金瑞林編『中華人民共和国環境保護法解説』(清華大
学出版社/環境情報普及センター)
●久保田宏
「中国における紙・パルプ産業の現状と排水対策―第 2 回:排
水の排出状況と水環境汚染」『資源環境対策』第 32 巻第 15
号(公害対策技術同友会、1996)所収
●黒田昌裕
黒田昌裕・木地孝之・吉岡完治・早見均・和田義和『中国のエ
ネルギー消費と環境問題』(通商産業研究所、1996)
「日中環境問題の産業連関分析(2)―Joint Implementationプ
ログラムの課題―」『イノベーション&I-Oテクニーク』第 5
巻第 3 号(環太平洋産業連関分析学会、1994)所収
●経済同友会
経済同友会『UNCED 後の地球環境問題における日本の役割 :
アジア地域の環境問題を中心に』(経済同友会、1993)
11
●厳
善平
荒山裕行・厳善平・竹歳一紀『開放経済下における環境問題―
中国の環境政策と企業の対応』(名古屋大学大学院国際開発研
究科、1997)
●胡
洪営
「中国における紙・パルプ産業の現状と排水対策―第 2 回:排
水の排出状況と水環境汚染」『資源環境対策』第 32 巻第 15
号(公害対策技術同友会、1996)所収
●呉
松華
「中国都市地下水の現状と発展」『日中経協ジャーナル』1994
年 4 月号(日中経済協会、1994)所収
●呉
宗
「エネルギーシステムのCO2排出規制技術選択のマクロ的評
価」『東アジアの経済発展と環境問題
IESレポート 1 号』(九
州大学工学部環境システム工学研究センター、1994)所収
12
●黄
霞
「中国における紙・パルプ産業の現状と排水対策―第 2 回:排
水の排出状況と水環境汚染」『資源環境対策』第 32 巻第 15
号(公害対策技術同友会、1996)所収
●耿
順
「中国の環境法と行政制度」野村好弘・作本直行編『発展途上
国の環境法―東アジア―』(アジア経済研究所、1993)所収
「中国における環境評価制度」『早稲田法学会誌』1991 年 1
月号(早稲田大学法学会、1996)所収
●興嶺清志
「各国・各地域の大気汚染の現状―中国」大気汚染研究協会編
『地球大気環境問題とその対策:アジアからの視点』(オーム
社、1993)所収
●国際協力事業団
13
国際協力事業団『中華人民共和国西安市生活廃棄物処理計画調
査主報告書』(国際協力事業団、1990)
●国際比較環境法センター
国際比較環境法センター編『世界の環境法』(商事法務研究会、
1996)
●小島麗逸
「中国の環境状況」西平重喜・小島麗逸・岡本英雄・藤崎成昭
編『発展途上国の環境意識:中国、タイの事例』(アジア経済
研究所、1997)所収
「大陸中国―環境学栄えて環境滅ぶ―」小島麗逸・藤崎成昭編
『開発と環境―東アジアの経験―』
(アジア経済研究所、1993)
所収
「東アジアの経済発展段階」小島麗逸・藤崎成昭編『開発と環
境―東アジアの経験―』(アジア経済研究所、1993)所収
14
「大陸総汚染の危機―中国」藤崎成昭編『発展途上国の環境問
題』(アジア経済研究所、1992)所収
「環境・生態系問題(1)―環境・生態系情況を決定する基礎条件
―」『中国経済』1996 年 5 月号(JETRO、1996)所収
「環境・生態系問題(2)―第 1 期の環境政策史(1)―」『中国経
済』1996 年 7 月号(JETRO、1996)所収
「環境・生態系問題(3)―第 1 期(1973~83 年)の環境政策史
(2)―」『中国経済』1996 年 9 月号(JETRO、1996)所収
「環境・生態系問題(4)―第 1 期の法整備―」
『中国経済』1996
年 10 月号(JETRO、1996)所収
「環境・生態系問題(5)―第 1 期の環境政策史(3)具体的措置―」
『中国経済』1996 年 12 月号(JETRO、1996)所収
「環境・生態系問題(6)―第 1 期の環境政策史(4)具体的措置―」
『中国経済』1997 年 1 月号(JETRO、1997)所収
15
「環境・生態系問題(7)―1982 年の環境・生態系状況―」『中
国経済』1997 年 2 月号(JETRO、1997)所収
「環境・生態系問題(8)―1982 年の環境・生態系状況(2)―」
『中
国経済』1997 年 3 月号(JETRO、1997)所収
「環境・生態系問題(9)―環境計画―」『中国経済』1997 年 4
月号(JETRO、1997)所収
「環境・生態系問題(10)―2000 年計画―」『中国経済』1997
年 5 月号(JETRO、1997)所収
「環境・生態系問題(11)―水問題(1)―」『中国経済』1997
年 9 月号(JETRO、1997)所収
「環境・生態系問題(12)―水質汚染―」『中国経済』1997 年
10 月号(JETRO、1997)所収
「地球環境の未来を予兆させる中国の環境悪化」中国研究所編
『季刊中国研究』第 25 号(研文出版、1992)所収
16
小島麗逸・藤崎成昭編『開発と環境 : アジア「新成長圏」の課
題』(アジア経済研究所、1994)
●小林煕直
「中国の環境管理制度」『アジア研究所・研究プロジェクト報
告書No.3:アジア各国の環境保護政策』(亜細亜大学アジア研
究所、1993)所収
●作本直行
「中国の環境政策と法」針生誠吉・安田信之編『中国の開発と
法』(アジア経済研究所、1993)所収
「環境分野におけるアジアの地域協力」『北東アジアのエネル
ギー、安全保障および環境についての日米共同研究』(国際大
学グローバル・コミュニケーション・センター、1997)所収
●佐々木 秀孝
「硫黄酸化物の沈着、変質過程を含んだ長距離輸送モデルと東
アジア地域への適用」『北東アジアのエネルギー、安全保障お
17
よび環境についての日米共同研究』(国際大学グローバル・コ
ミュニケーション・センター、1997)
●定方正毅
定方正毅『中国環境ハンドブック』(サイエンスフォーラム、
1997)
●佐藤邦明
「地盤沈下」中国研究所編『中国の環境問題(中国年鑑 1993
年版別冊)』(新評論、1994)所収
●佐藤 純次
「硫黄酸化物の沈着、変質過程を含んだ長距離輸送モデルと東
アジア地域への適用」『北東アジアのエネルギー、安全保障お
よび環境についての日米共同研究』(国際大学グローバル・コ
ミュニケーション・センター、1997)
●里村 雄彦
18
「硫黄酸化物の沈着、変質過程を含んだ長距離輸送モデルと東
アジア地域への適用」『北東アジアのエネルギー、安全保障お
よび環境についての日米共同研究』(国際大学グローバル・コ
ミュニケーション・センター、1997)
●島崎洋一
「東アジア地域における排煙脱硫投資のシミュレーション解析」
『環境科学会誌』第 9 巻第 3 号(環境科学会、1996)所収
●朱
紹文
関口尚志・朱紹文・植草益編『中国の経済改革体制―その成果
と課題―』(東京大学出版会、1992)
●シュミル、バーツラフ(スミル、ヴァーツラフ)
V・スミル『蝕まれた大地』(行路社、1996)
V・スミル『中国の環境危機』(亜紀書房、1996)
●徐
開欽
19
「中国における環境政策と環境教育」『資源環境対策』第 30
巻第 15 号(公害対策技術同友会、1994)所収
●徐
暁蕾
「酸性降下物が重慶・南山森林へ与える影響」『水処理技術』
第 33 巻第 10 号(日本水処理技術研究会、1992)所収
●神野直彦
「市場経済化と租税制度―中国の税制と政府間財政関係―」『甲
南経済学論集』第 34 巻第 4 号(甲南大学経済学会、1994)
所収
「中国の環境財政」井村秀文・勝原健編『中国の環境問題』(東
洋経済新報社、1995)所収
●菅原拓男
「酸性雨の発生源対策と生態系保全」『重慶における日中共同
研究パンフレット』(1994)所収
●杉野明夫
20
杉野明夫『中国における都市・環境問題序論』(アジア政経学
会、1976)
●須藤隆一
「中国における環境政策と環境教育」『資源環境対策』第 30
巻第 15 号(公害対策技術同友会、1994)所収
●ストリーツ、デイヴィッド・G
「東北アジアのエネルギー並びに酸性雨に関する展望」『北東
アジアのエネルギー、安全保障および環境についての日米共同
研究』(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター、
1997)
●関
敏彦
「中国の環境問題の現状と対策」『資源環境対策』第 29 巻第
9 号(公害対策技術同友会、1993)所収
●関口尚志
21
関口尚志・朱紹文・植草益編『中国の経済改革体制―その成果
と課題―』(東京大学出版会、1992)
●石炭利用総合センター
石炭利用総合センター『中国の石炭工業部門における環境調和
型石炭利用システム可能性調査』(石炭利用総合センター、
1994)
●関根嘉香
「東アジアの発展と都市の大気環境
第 1 回:大気測定網の建
設」『資源環境対策』第 31 巻第 8 号(公害対策技術同友会、
1995)所収
「東アジアの発展と都市の大気環境
第 2 回:大気質の変化と
越境汚染」『資源環境対策』第 31 巻第 9 号(公害対策技術同
友会、1995)所収
「東アジアの発展と都市の大気環境
第 3 回:都市建設と黄砂」
『資源環境対策』第 31 巻第 11 号(公害対策技術同友会、
1995)
所収
22
「東アジアの発展と都市の大気環境
第 4 回:内陸部の工業都
市」『資源環境対策』第 31 巻第 12 号(公害対策技術同友会、
1995)所収
「東アジアの発展と都市の大気環境
第 5 回:西北部の粉じん
汚染」『資源環境対策』第 31 巻第 13 号(公害対策技術同友
会、1995)所収
「東アジアの発展と都市の大気環境
第 6 回:冬季の石炭燃焼
汚染」『資源環境対策』第 31 巻第 14 号(公害対策技術同友
会、1995)所収
「東アジアの発展と都市の大気環境
第 7 回:大気質の国際比
較」『資源環境対策』第 32 巻第 2 号(公害対策技術同友会、
1996)所収
「東アジアの発展と都市の大気環境
最終回:環境モデル都市
へ向けて」『資源環境対策』第 32 巻第 4 号(公害対策技術同
友会、1996)所収
●全
浩
23
「中国における酸性雨の現状とこれからの課題」『大気汚染学
会誌』第 26 巻第 5 号(大気汚染研究協会、1991)所収
●第 1 回日本・中国法学研究集会実行委員
第 1 回日本・中国法学研究集会実行委員『中国における民法、
環境法、及び経済法の発展と現状』(保険毎日新聞社、1989)
●竹歳一紀
荒山裕行・厳善平・竹歳一紀『開放経済下における環境問題―
中国の環境政策と企業の対応』(名古屋大学大学院国際開発研
究科、1997)
●田村三郎
「中国における陸域生態系の劣化と修復―黄土平原と三河平原
を中心に―」中国研究所編『季刊中国研究』第 25 号(研文出
版、1992)所収
「中国黄土高原の緑化に関する基礎的研究」『文部省科学研究
費補助金総合研究(A)研究成果報告書』(1991)所収
24
●段
匡
「中国の環境法と行政制度」野村好弘・作本直行編『発展途上
国の環境法―東アジア―』(アジア経済研究所、1993)所収
段匡『中国の汚染排出費法制度について』富士ゼロックス小林
節太郎記念基金 1993 年度研究助成論文(富士ゼロックス小林
節太郎記念基金、1994)
●中国研究所
中国研究所「特集・中国における環境と開発」中国研究所編『季
刊中国研究』第 25 号(研文出版、1992)所収
●張
坤民
張坤民・金瑞林編『中華人民共和国環境保護法解説』(清華大
学出版社/環境情報普及センター)
●陳
雨孫
「地盤沈下」中国研究所編『中国の環境問題(中国年鑑 1993
年版別冊)』(新評論、1994)所収
25
●陳
超
「中国の環境問題の現状と対策」『資源環境対策』第 29 巻第
9 号(公害対策技術同友会、1993)所収
●辻 昌美
「中国の環境問題」『北東アジアのエネルギー、安全保障およ
び環境についての日米共同研究』(国際大学グローバル・コミ
ュニケーション・センター、1997)
●角田
行
「中国の環境問題の現状と対策」『資源環境対策』第 29 巻第
9 号(公害対策技術同友会、1993)所収
●電力中央研究所
電力中央研究所『電力中央研究所報告
酸性雨の実態調査(研究
報告:T91019)』(電力中央研究所、1992)
電力中央研究所『中国南部における環境・エネルギー問題に関
する調査報告書』(電力中央研究所、1995)
26
●東京都立大学中国民法環境法研究会
「中国の新しい『環境保護法』(1)」『法律のひろば』第 43 巻
第 4 号(ぎょうせい、1990)所収
「中国の新しい『環境保護法』(2)」『法律のひろば』第 43 巻
第 6 号(ぎょうせい、1990)所収
「中国の新しい『環境保護法』(3)」『法律のひろば』第 43 巻
第 7 号(ぎょうせい、1990)所収
「中国の新しい『環境保護法』(4)」『法律のひろば』第 43 巻
第 8 号(ぎょうせい、1990)所収
「中国の原子力法草案について」『法律のひろば』第 44 巻第
1 号(ぎょうせい、1991)所収
●戸崎
肇
「中国のエネルギーと環境問題」茅原郁生『中国エネルギー戦
略』(芦書房、1996)所収
●中島正博
27
「中国の環境管理制度と大気汚染対策」『広島国際研究』第 3
巻(広島市立大学国際学部、1997)所収
●中山伸次
「各国・各地域の大気汚染の現状―中国」大気汚染研究協会編
『地球大気環境問題とその対策:アジアからの視点』(オーム
社、1993)所収
●名取
真
「公害防止装置と技術移転」中国研究所編『中国の環境問題(中
国年鑑 1993 年版別冊)』(新評論、1994)所収
●西岡秀三
「中国における環境影響評価」『季刊環境研究』第 55 号(環
境調査センター、1985)所収
●日本エネルギー経済研究所
28
日本エネルギー経済研究所『中国のエネルギー事情と環境問題
―エネルギーと環境に関する日中共同研究最終報告―』(日本
エネルギー経済研究所、1993)
日本エネルギー経済研究所『中国の大気汚染問題に対する我が
国エネルギー産業の国際協力に関する調査』(日本エネルギー
経済研究所、1992)
日本エネルギー経済研究所『EDMC エネルギー・経済統計要覧』
1995 年版(省エネルギーセンター、1995)
●日本環境衛生センター
日本環境衛生センター『中国における環境の現状と対策―環境
庁委託/開発途上国環境保全計画策定支援調査(中国)・報告書
―』(日本環境衛生センター、1992)
●日本環境会議
日本環境会議編『アジア環境白書
報社、1997)
29
1997/98』(東洋経済新
●日本生産性本部
日本生産性本部『日中資源・環境保全技術移転調査報告書』
(1993)
●仁連孝昭
「都市経済と都市基盤整備」石弘光編『現代中国における都市・
地方行財政の調査研究』(国際連合地域開発センター、1994)
所収
●寧
大同
「中国における環境影響評価」『季刊環境研究』第 55 号(環
境調査センター、1985)所収
●野村好弘
「環境法―中国環境保護法(試行)の考察」加藤一郎編『中国
の現代化と法』(東京大学出版会、1980)所収
「中国における民法・環境法の動向―92 年度訪中報告」『ジュ
リスト』第 1013 号(有斐閣、1992)所収
30
●橋本芳一
山田辰雄・橋本芳一編『中国環境研究:四川省成都市における
事例研究』(勁草書房、1995)
「東アジアの発展と都市の大気環境
第 1 回:大気測定網の建
設」『資源環境対策』第 31 巻第 8 号(公害対策技術同友会、
1995)所収
「東アジアの発展と都市の大気環境
第 2 回:大気質の変化と
越境汚染」『資源環境対策』第 31 巻第 9 号(公害対策技術同
友会、1995)所収
「東アジアの発展と都市の大気環境
第 3 回:都市建設と黄砂」
『資源環境対策』第 31 巻第 11 号(公害対策技術同友会、
1995)
所収
「東アジアの発展と都市の大気環境
第 4 回:内陸部の工業都
市」『資源環境対策』第 31 巻第 12 号(公害対策技術同友会、
1995)所収
31
「東アジアの発展と都市の大気環境
第 5 回:西北部の粉じん
汚染」『資源環境対策』第 31 巻第 13 号(公害対策技術同友
会、1995)所収
「東アジアの発展と都市の大気環境
第 6 回:冬季の石炭燃焼
汚染」『資源環境対策』第 31 巻第 14 号(公害対策技術同友
会、1995)所収
「東アジアの発展と都市の大気環境
第 7 回:大気質の国際比
較」『資源環境対策』第 32 巻第 2 号(公害対策技術同友会、
1996)所収
「東アジアの発展と都市の大気環境
最終回:環境モデル都市
へ向けて」『資源環境対策』第 32 巻第 4 号(公害対策技術同
友会、1996)所収
●早見
均
黒田昌裕・木地孝之・吉岡完治・早見均・和田義和『中国のエ
ネルギー消費と環境問題』(通商産業研究所、1996)
32
「日中環境問題の産業連関分析(1)―日中共通分類によるエネル
ギー・大気汚染物質分析用I-O表の作成―」『イノベーション&
I-Oテクニーク』第 5 巻第 2 号(環太平洋産業連関分析学会、
1994)所収
「日中環境問題の産業連関分析(3)―なぜ中国のSOx排出量は多
いのか―」『イノベーション&I-Oテクニーク』第 5 巻第 4
号(環太平洋産業連関分析学会、1995)所収
「中国の経済発展と環境問題」『エネルギー・資源』第 15 巻
第 6 号(エネルギー・資源学会、1994)所収
●原嶋洋平
「東アジア諸国の環境政策の発展過程の比較分析」日本計画行
政学会『計画行政』第 18 巻第 3 号(学陽書房、1995)所収
●菱田一雄
「世界最大の人口を抱える中国の加速化する経済開放政策と環
境保全との接点」
33
『資源環境対策』第 29 巻第 1 号(公害対策技術同友会、1993)
所収
●氷見康二
「各国・各地域の大気汚染の現状―中国」大気汚染研究協会編
『地球大気環境問題とその対策:アジアからの視点』(オーム
社、1993)所収
「中国における水質汚濁の現状と対策(1)」『資源環境対策』第
29 巻第 15 号(公害対策技術同友会、1993)所収
「中国における水質汚濁の現状と対策(2)」『資源環境対策』第
31 巻第 1 号(公害対策技術同友会、1994)所収
●広島大学大学院国際協力研究科
広島大学大学院国際協力研究科・復旦大学発展研究院『中国に
おける環境保全型技術・経済システムの構築に関する研究』(広
島大学大学院国際協力研究科、1997)
●復旦大学発展研究院
34
広島大学大学院国際協力研究科・復旦大学発展研究院『中国に
おける環境保全型技術・経済システムの構築に関する研究』(広
島大学大学院国際協力研究科、1997)
●藤江幸一
「中国における紙・パルプ産業の現状と排水対策―第 2 回:排
水の排出状況と水環境汚染」『資源環境対策』第 32 巻第 15
号(公害対策技術同友会、1996)所収
●藤崎成昭
小島麗逸・藤崎成昭編『開発と環境 : アジア「新成長圏」の課
題』(アジア経済研究所、1994)
●包
建棟
「環境汚染をめぐる紛争」中国研究所編『中国の環境問題(中
国年鑑 1993 年版別冊)』(新評論、1994)所収
●星野芳郎
35
「技術論の観点からみた中国の環境と開発」中国研究所編『季
刊中国研究』第 25 号(研文出版、1992)所収
●本多義明
「経済発展と環境汚染からみた中国の都市の類型化」『環境情
報科学』第 26 巻第 3 号(環境情報科学センター、1997)所
収
●益山久男
「輸銀・バンクローンによる中国の炭鉱近代化の実証的研究―
山東省蒋庄炭鉱の事例」『エネルギー経済』第 22 巻第 12 号
(日本エネルギー経済研究所、1996)所収
● 松村正雄
『エネルギー・資源』第 15 巻第 6 号(エネルギー・資源学会、
1994)所収
●三菱総合研究所
36
三菱総合研究所『経済協力計画策定のための基礎調査:中国の
環境問題への総合的な取り組みについて』(三菱総合研究所、
1997)
●宮本憲一
宮本憲一編『アジアの環境問題と日本の責任』(かもがわ出版、
1992)
●宗森
信
「上海の黄浦江浄化計画に対する国際協力について」『環境技
術』第 17 巻第 3 号(環境技術研究会、1988)所収
●森田恒幸
「東アジア地域における排煙脱硫投資のシミュレーション解析」
『環境科学会誌』第 9 巻第 3 号(環境科学会、1996)所収
「東アジア諸国の環境政策の発展過程の比較分析」日本計画行
政学会『計画行政』第 18 巻第 3 号(学陽書房、1995)所収
●安田泰二
37
「三峡ダムの現状について」『ダム技術』第 84 号(ダム技術
センター、1993)所収
●山田辰雄
山田辰雄・橋本芳一編『中国環境研究:四川省成都市における
事例研究』(勁草書房、1995)
●吉岡完治
黒田昌裕・木地孝之・吉岡完治・早見均・和田義和『中国のエ
ネルギー消費と環境問題』(通商産業研究所、1996)
「日中環境問題の産業連関分析(3)―なぜ中国のSOx排出量は多
いのか―」『イノベーション&I-Oテクニーク』第 5 巻第 4
号(環太平洋産業連関分析学会、1995)所収
「中国の経済発展と環境問題」『エネルギー・資源』第 15 巻
第 6 号(エネルギー・資源学会、1994)所収
●李
偉国
38
「経済発展と環境汚染からみた中国の都市の類型化」『環境情
報科学』第 26 巻第 3 号(環境情報科学センター、1997)所
収
●李
志東
「中国における環境保護の資金問題について」『第 13 回エネ
ルギーシステム・経済コンファレンス講演論文集』(1996)
所収
●李
昌華
「中国南方山地生態バランス破壊の主要原因の初歩的分析」『森
林文化研究』第 5 巻(森林文化協会、1984)所収
●劉
厚田
「重慶南山酸性雨と馬尾松衰退の関係」『環境科学学報』第 8
巻(1988)所収
●若林敬子
若林敬子『中国
人口超大国のゆくえ』(岩波新書、1994)
39
「中国の環境問題における人口抑制の意味」西平重喜・小島麗
逸・岡本英雄・藤崎成昭編『発展途上国の環境意識:中国、タ
イの事例』(アジア経済研究所、1997)所収
「中国の人口・環境・食糧」若林敬子『中国の人口問題と社会
変動』(新曜社、1996)所収
●和田義和
黒田昌裕・木地孝之・吉岡完治・早見均・和田義和『中国のエ
ネルギー消費と環境問題』(通商産業研究所、1996)
※出典
電力中央研究所資料
関連学会サイト
など
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