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日本体育会・石橋蔵五郎・赤間雅彦について…中野祐子…
大 正 日本 体 育 会 郎 「下 肢 の発 達 」,「 律 動 的動 作 」,「 集 団動 作 の 価 値 」 を重 視 し,「 動作 と心情 」 の深 い 関連 に着 目 した*7, と され て い る。 続 く大 正 期 は, 大 正 デ モ ク ラ シー とい う自 由 な 空 気 を持 つ 時代 とい わ れ, 大 正 ・昭和 前期 の舞 踊 教 育 は,「 広 く体育, 芸 術 思 想 を 内外 に求 め, 舞 踊 の 進 化 の 過 程 の 上 に本 質 を探 り, 論 的 に ダ ンス の 特 質 を抽 出 しよ う と した 点 」*8に 特 徴 を持 ち, ・昭 和 前 期 の 舞 踊 教 育 ・石 橋 蔵 五 ・赤 間 雅 彦 に つ い て 中野 目 祐子 美 意 識 と して は,「 心 身観 を ひ ろ げ, 優 美優 雅 志 向 の美 意 識 を 反 映 して, 自由 と韻 律 の 自然 運 動 に ロ マ ンテ ィ シズ ム を お うふ つ させ だ “教材 ”は, 次 いわ ゆるマーチ ング中 心 の前 時代 を 越 え て い る」*9 問 題 提 起 1. 大 正 ・昭 和前 期 の 日本 体 育会 の舞 踊教 育 1)「 学 校 体操 教 授要 目」 等 と舞 踊 教 育 2)日 本 体 育会 の 歩 ろ 3)日 本 体 育会 の 舞 踊 教 育 の 指 導者 とそ の 周辺 2、 大 正 ・昭 和 前 期 の 石 橋 蔵 五郎 と赤 間雅 彦 の舞踊教育 1)著 2)舞 3)作 結 と いわ れ, 更 に, 「この期 に は, 男 性 の 論 的知 見 に対 す る女 性 の 感 性 的実 践, や が て教 育 研 究 分 野 か ら男 性 が 去 り, 女 性 の ダ ンス へ の移 行 を予 想 さ せ る, これ らの 背 景 と問題 点 」*10とい う指摘 が う られ る。 ま た, 学 校 にお け る舞 踊教 育 の 歩 ろ の 中 で, と くに注 目 され るの は, 東 京 女 子 高等 師 範学 校 で 教 鞭 を と った 指 導者 た ち で, 大 正 ・昭和 前 期 に お い て は, 二 階 堂 トク ヨ, 三 浦 ヒ ロ, 戸 倉 ハ ルで あ り, 書 踊 に 関 す る用 語 品及び作品創作の基本 他 方, 私 学 で も, 大 正11年 に, 二 階堂 トク ヨが, 「二 階 堂 塾 」 を 創 立 し, 大 正13年 に, :藤村 トヨが 論 問 題 提 起 明 治5年 の 「学 制 」, 明 治11年 の 「教 育 令 」 明 治19年 の 「学 校 令 」 と, 日本 の学 校 教 育 の近 代 化 が始 ま り, 体 育 にお いて も,「1878(明 治11)年10 月, 文 部 省 が, (中 略)ゴ 体操 伝 習所 を設 立 し, ア メ リカか ら医学 士 リ-ラ ン ド(Leland, G, A, 1850∼1924)を 招 聰 した の を契 機 に, 学 校 体 育 は, 教 育 令 の も とで 本 格 的 に整 備 着 手 」*1し, 「伝 習 所 の 体育 法選 定 に関 す る活 動 は, 軽 体 操 だ け に と どま らず, 在 来 武 術, 歩 兵 体 操, 戸 外 遊 戯 の 点 で も学 校 体育 に貢 献 して い る」*2と い う。 この 体 操 伝 習 所 で は, 坪 井 玄 道 が主 任 教 員 に な り, 坪 井 玄 道 ・田 中盛 業 編 「戸 外 遊 戯 法 一各 戸 外 運 動 法 」(明 治18)は, 「軽 体 操 の選 定 を終 え た体 操 伝 習 所が 合理 的体 操 と相 補 う自然 運 動 と して 欧 米 書 中 か ら 選定 翻 訳 した学 校 遊 戯 の解 説 書 」*3で あ り, 21の 分類 項 目 の1っ に,「 行 進 法 」 が あ る*4。明 治 期 に は, この 「戸 外 遊 戯 法 」 の 出 版 年 の 明 治18年 以 降, 学 校 教 育 に於 け る舞 踊 系 の 著 書 が97冊 *5, ま た, 大 正 ・昭 和 前 期 に は, 167冊 *6確認 され て い る。 これ らの 著書 の 著者 名 に 着 目す る と, 明治 期 は, 男 性112対 女 性3で あ り,、大 正 ・昭和 前 期 は, 171 対26で あ り, 男 性 の割 合 が 多 く, ま た, 明治 期 に 比 較 す る と, 大 正 ・昭 和 前 期 に は, 女 性 の割 合 が 増 え て い る。 更 に, 明治 期 の舞 踊 教 育 の特 徴 は, 要 約 すれば, 雑 誌 「婦 人 と体 育 」 を創 刊 し, 女 性 の活 躍 に関 す る先 行 研 究 が 見 られ る *11。 で は, 大 正 デ モ ク ラ シー と い う 自由 な空 気 を持 っ 時 代 に, 男性 は, 舞 踊 教 育 と ど の よ うに関 わ っ て き たの で しょ うか。 既 に, 大 正 昭 和 前 期 にお け る 日本 体育 会 の赤 間雅 彦 の舞 踊 教 育 に着 目 し, そ の 理 論 と実 際 を 明 らか に させ た *12。 本研 究 は, 男 性 で, 大 正 ・昭 和 前 期 に舞 踊 教 育 に 関 す る著書 を持 ち, 更 に, 赤 間 雅 彦 と共 著 を持 ち, 赤 間 同様 に 日本 体 育 会 に所 属 して い た石 橋 蔵 五 郎 に着 目 した。 赤 間 は, 日本 体 育 会 出身 で 昭 和4年 か ら1年 間 ドイ ツの ベ ル リ ンを中 心 に遊 戯 論 等 を学 ん だ とい わ れ て い る が, 石 橋 の履 歴 につ い て は, 現 在 の と ころ不 明 な点 が 多 い。 しか しな が ら, 著 書 に 着 目 す る と, こ の期 の 舞 踊 教 育 に関 して7冊 ず つ 持 ち, これ らの著 書 の 内容 を比 較 検 討 す る こ とに よ ら て 知 見 を得 る こ とは 可 能 で あ る と考 え た。 従 って, 大 正 ・昭 和 前 期 に お け る両 者 の 舞 踊 教 育 の 理 念 及 び方 法 を 知 り, 2人 の 男 性 の 指 導 者 の 視 点 及 び 男 子 を対 象 と した舞 踊 教 育 に 関 す る知 見 を 求 め, 同 時 代 の 女 性 の 舞 踊 教 育 の 指導 者 との 関 連 か ら同 時 代 の 舞 踊 教 育 を よ り精緻 に 明 らか に さ せ る こと を 目的 とす る。 1. 大正 ・昭和 前 期 の 日本 体 育 会 と舞 踊 教 育 1)「 学 校 体 操 教 授 要 目 」 等 と舞 踊 教 育 大 正 ・昭和 前 期 に関 わ る も の と して, 文 部 省 よ り, 明治38年 「体 操 遊 戯 取 調 報 告 書 」, 大 正2年 「学 校 体 操 教 授 要 目」, 大 正2年 「学 校 体 操教 授 -24- 要 目」 の第1次 改正, 昭和11年 「学 校 体 操 教 授 要 目」 の第2次 改正 が 出 さ れ, 舞 踊 関 係 で 使 われ て い る名称 は,「 行 進 遊 戯 」,「 動 作 遊 戯 」(明38 年),「 発 達 動 作 を主 とす る遊 戯 」,「 行 進 を主 とす る遊 戯 」(大15), 「基 本 練 習 」,「 唱 歌 遊 浅見文林堂 (4)昭和3年 「教 室 内 の体 操 と遊 戯 」 戯 」,「 行 進 遊 戯 」(昭11)で あ り, こ こで は, 各 々 の対 象 お よ び作 品名 が 示 され て い る。 2)日 本 体 育 会 の歩 み 日本 体育 会 は,「 明治24年(1891年)8月11日 東 京 市 牛込 区 に お い て 日高 藤 吉 郎 主 唱 の も と に設 立 」*13され, 創 立 の ね らい は, 富 国 強 兵 に 占 め る 体 育 の価 値 を重 視 し, 体 育 の啓 蒙 普 及 を 目指 」*14 す こ とで あ った。 国 庫 補 助 を受 け た 明治32年 か ら, 経 営 破 綻 に な っ た大 正3年 ま で は,「 日本 体 育 会 の 準 政 府 機 関 化 」*15と呼 ば れ, そ の 後, 日本 体 育 会 が, 存 続 し た意 味 は, 近代 国 家 に欠 か せ な い 国 民 体 育 を推 進 す る力 」*16と して で あ る とい わ れ て い る。 更 に, 「大 正12年 以 降 は, 入学 志願 者, 採 用 学 生 数 等 が 年 々増 加 し, この 時期 に は, 「本 邦 体 育 指 導 者 の 大 部 分 を体 操学 校 の卒 業生 が 占め る と い う点 で 新 しい使 命 を 担 う」*17ことに な り, 日本 体 育 会 体 操 学 校 の 指 導 内 容 は, 体 育 界 に 大 き な 影 響 力 を持 っ て い た と考 え られ る。 3)日 本体 育会 の 舞 踊 教 育 の 指 導 者 と そ の 周辺 舞 踊 教 育 関 係 の 著書 ・編 書 か ら, 日本 体 育 会 体 操 専 門 学 校教 授 石橋 蔵 五 郎 及 び 赤 間 雅 彦 の 共 著 者 ・共 編 者 を あ げ る と, 津 崎 亥 九生, 内 堀 武 夫, 寺 岡英 吉, 乙訓 鯛 助, 宮原 義 見, 可 児 徳 坪 井 玄 道 等 の 名 前 が ろ られ る。 2. 大 正 ・昭和 初 期 の石 橋 蔵 五 郎 と赤 間 雅 彦 の 舞 踊 教 育 の比 較 1)著 書 石 橋蔵 五郎 及 び赤 間 雅 彦 の大 正 ・昭 和 初 期 の 舞 踊 教 育 関 係 の著 書 は, 下 記 の通 りで あ る。 A. 石 橋蔵 五 郎 著 書 (1)大正 元年 「スクールダ ンス」 金 港 堂 寺 岡英 吉 と共 著 (2)大正 元年 目協 定 」 (3)大正5年 「小 学 校 体 操 遊戯 に関 す る所 見 及細 発 行 所 不 明 乙訓 鯛 助 と共 著 「教 科 適 用 小 学 校 新 遊 戯 書 」 書 店 柿沼 脩 治 と共 著 (4)大正8年 「理 論 実 際 競 技 と遊 戯 」 浅野 中文館 寺 岡英 吉 と共 著 (5)大正8年 「小 学 校 に於 け る遊 戯 教 授 の真 髄 」 中 文 館 寺 岡英 吉 と共 著 (6)大正14年 「理 論 実 際 大 正 幼 年 遊 戯 」 中文 館 宮原 義 見 と共 著 (7)昭和3年 「教 室 内 の 体 操 と遊 戯 」 中 文 館 赤 間雅 彦 と共 著 B. 赤 間 雅 彦 著 書 (1)大正14年 「童 謡 遊 戯 と体 育 ダ ンス 」 出版 部 (2)大正15年 「改正 要 目準 拠 小学 校 体操 科 教 授 要 目」 津 崎 亥 九 生 と共 著 (3)昭和2年 「理 論 実 際 唱 歌 遊 戯 と行 進 遊戯 」 浅 見 文林 堂 (5)昭和8年 「基 本 体 育 舞 踊 の 理 論 と実 際 」 厚生閣書店 (6)昭和8年 「健 康 体 操 と体 育 民 踊 」 産 業 福 利 協会 (7)昭和10年 「学 校 舞 踊 新 教 材 集 」 出版 社 不 明 以 上, 両 者 と も7冊 の著 書 が あ り, 石 橋 が, 単 著0, 共 著7に 対 し, 赤 間 は単 著5, 共 著2で あ る。 以 下, 上 記 の 石 橋 の文 献 をAの ……A(7), 赤 間 の 文 献 をBの ……B(7)と 示 す。 た だ し, A(7)とB (4)は同 一 文 献 な の で, A(7)B(4)と 示 す。 尚, 文献 入 手 の 都 合 上, A(2), B(2), B(7)に つ い て は, 本 研 究 の 対 象 か ら除 外 した。 ま た, 明治 期 の石 橋 蔵 五 郎 の 舞 踊 教 育 関 係 の 著 書 は, 本 研 究 の対 象 と は して い な い が, 明 治34年 か ら45年 まで の間 にio冊 あ る。 2)舞 踊 に関 す る 用語 A. 石橋 蔵 五郎 は, 書 名 の 中 で,「 ス ク ール ダ ン ス 」(文 献Aの)を 使 い, 他 は,「 遊 戯 」 の 中 に 含 め て い る。 書 中 に は,「 遊 戯 」 の 分 類 を示 す 言 葉 と して,「 動 作 的 遊 戯 」,「 行 進 的 遊 戯 」(文 献A(3)),「 行 進 遊 戯 」,「 動 作 遊 戯 」(文 献A (4), (5)), 「ス ク-ル ダ ン ス」,「 表 情 遊 戯 」, 「童 踊 」(文 献A(6)),「 唱 歌 遊 戯 」(文 献A(7) B(4))が 見 られ る。次 に, 書 名 及 び 書 中 に 示 され た上 記 の8種 類 の名 称 の定 義 に つ い て検 討 を加 え る こと にす る。 <1>「 ス ク ール ダ ンス」 とは, 文 献Aの で は, 「舞 踏 」 で あ り, 「円舞 」,「 列 舞 」,「 対 向 舞」, 「方 舞 」 等 の 分 類 が 見 られ る。文 献A(6)で は,「二 般 的 に歴 史 的 に伝 わ っ た ダ ンス の中 か ら, 教 育 的, 体 育 的 見 地 よ り理 想 の もの を選 択 した も のが, 体 育 ダ ンスで あ るが, 現 代 に於 て は, 体 育 教 師 の 創 作 にか ゝる, 教 材 を も包 含 す る事 にな る。 この 体 育 ダ ンス は, 其 他 諸 種 の 条 件 の も とに 選 択 せ られ な けれ ば な らな い。 これ を ス クー ル ダ ンス と命 名 した 」*20とい う。 <2>「 動 作 的遊 戯 」 及 び 「行 進 的 遊 戯 」 に つ い て,「 動作 的 遊戯 」 とは,「 主 と して幼 年 児 童 に 適 す る もの に して 児 童 の 旺 盛 な る活動 力 と鋭 敏 な る模 倣 性 を利 用 して全 身 の健 康 を増 進 し, 精 神 を 壮快 な ら しめ, 兼 て規 律 を守 り, 共 同 を 尚ぶ の, 習慣 を養 ふ もの な り」*23とし, 特 に,「 主 に体 育 的 に して往 々世 に行 は る ゝ物 真 似 的, 表 情 的 とは, 少 し く異 なれ り」*22とし, 幼 年 児 童 を対 象 と した さ ゝや -25- 模 倣 的 な体 育 で あ る と して い る。他 方,「 行 進 的 遊 戯 」 に つ い て,「 な るべ く小学 校 時 代 よ り, 行 進 的遊 戯 に熟 練 せ しめ, 身 体 の端 正 と挙 止 の 閑 雅 と に慣 れ しめ, 兼 て 邦 人 の 脚 を 強健 優 美 な ら しめ ん 」*23と し, 小 学 生 以上 を 対 象 に, 端 正, 閑 雅, 優 美 とい う美 意 識 と, 脚 の発 達 を ね ら う もの と見 られ る。 A. 3)舞 踊 の教 育 的価 値 石 橋 蔵 五 郎 の 著書 の 中で, 「教 育 的価 値 」 と 名 付 けて あ るの は, 文献A(6)の 「表 情, 及 童 謡 の 教 育 的 価 値 」 だ け で あ り, そ の 内容 は,「 表 情, 及 童 謡 の 教 材 を 分解 的 に施 行 す る と き は, 言 語, (所 謂 文 字), 感 情, 曲(所 謂 リズ ム)の 三 要 素 とな る」 と述 べ て い る にす ぎず, 教 育 論 が 見 られ な い。 B. 赤 間 雅彦 の場 合 は, 文 献Bの に,「 教 育 的 価 <3>「 行 進 遊 戯 」 及 び 「動 作 遊 戯 」 は, 文 献A (4), (5)の両 方 に あ り, 各 々 の意 味 は ほぼ 同 じと見 られ る。即 ち, 「動 作 遊 戯 は 唱歌 の意 味 を動 作 の 上 に表 現 す る一 種 の教 育 的運 動 法 に して, 幼 稚 園 の 幼 児 及 び尋 常1・2年 の児 童 に行 は しむ る適 当 な る遊 戯 な り」*24とし, 別 称 「表 情 遊 戯 」,「 発 達 遊 戯 」, 「児 童 遊 戯 」 と し, この5種 類 の 名 称 に は, 区別 が な い。 他 方,「 行 進 遊 戯 」 は, 文 献 A(5)に お いて,「 行 進 遊 戯 は小 学 校 女 児 及 び 中 等 学 校 女 生 徒 に のろ 課 す る と こ ろの 教 材 に して, 其 長 所 とす る所 は精 細 な る筋 肉の 習 練 に あ り」*26と し, ま た, 文 献A(4)に お い て,「 行 進 遊 戯 とは 歩 行 及 び歩 行 の変 形, 跳 躍 の変 形 を生 理 的 の原 理 に 基 きて 適 切 に組 織 し, 被 教 育 者 の 身 体 に良 好 な る 結 果 を与 ふ る と同 時 に, 精 神 上 に も良 好 な る結 果 を 与 ふ る一 種 の 教 育 的 運 動 法 な り」*27と定 義 して い る。 値 」と して 「興 味 」,「 調 律 訓 練」,「 音 楽」,「 美 学 」 「硬 教育 の緩 和 」,「 解 剖 学 」,「 進 化 論 」 とい う7つ の視 点 か らの考 察, 更 に, 文 献B(1)に, 「音 楽 」,「 興 味 」,「 訓 練 」,「 生 理 解剖 」, 「進 化 論 」,「 美 学 」 とい う6つ の 視 点 か らの考 察 が う られ る。 以 上 よ り, 赤 間 が 舞 踊 に 対 して認 め る教 育 的価 値 は, 次 の6つ に ま とめ られ る。 <1>心 理 的 に体 操 よ り も興 味 を持 ち や す い こ と <2>律 動 運 動 に よ る心 理 的 快 感 が 得 られ る こと <3>音 楽 を使 って 踊 る こ とに よ る感 情 の 陶 冶 及 び音 楽 教 育 へ の 貢 献 <4>生 <5>小 <6>自 4)作 活 に必 要 な 美 的運 動 で あ る こ と 筋 を動 か す 運 動 で あ る こ と 然 運 動 で あ る こ と, で あ る。 品 及 び 作 品 創 作 の 基本 A. 石 橋 の総:作品数 は, 307作 品 で, 石 橋 の示 し た 分類 別 作 品 数 は,「 方 舞 」16,「 対 向舞 」3, <4>「 表 情 遊 戯 」,「 童 踊 」 につ い て,「 表 情 遊 戯, の 様 な もの は次 の 事 項 を 具 備 しな け れ ば な らぬ と思 ふ。1. 歌 曲 は快 活 な 情 緒 を起 こ さ しむ る もの な る こ と, 2. 余 りに快 活 で な く, 却 って, 「円舞 」7,「 横 隊 舞 」2,「 縦 列 舞 」8,「 動 作 的 遊 戯 」49,「 行 進 遊戯 」53,「 分列 行 進 遊 戯」 6, 「円形 行 進遊戯 」14,「 対 向行 進 遊 戯 」2, 「横 隊 行 進 遊 戯 」1,「 縦 列 遊 戯 」2,「 動作遊 戯 」35,「 行 進遊 戯 」47,「 ス ク ー ル ダ ンス」25, 「表 情 遊 戯 」25,「 童踊 」12,「 唱歌 遊 戯 」12と な る。 これ らを, 唱 歌 を伴 わ な い 「行 進 遊 戯 」と, 悲 哀 の 情 を起 こす も教 育 上, 一 定 の 目 的 を有 す る もの は可 な らん も, 余 りに体 育 的 教材 と して は採 用 で きぬ もの で あ る。3. 動 作 は 可成 体 育 的 に し て, 運 動 量 大 に して, 特 に身 体 上 の優 美 の姿 勢 の 養 成 に適 切 な る もの た る こ と。4. 局 部 内 の運 動 に 陥 らざ る こ と, 5. 沈 静, 悲 哀 な る歌 曲 は之 を 採 用 せ ざ る こ と」*28とし,「 表 情 遊戯 」 と 「 童 踊」 の 区 別 は, 「表 情 遊 戯 も童 踊 も其 の 本 質 にお いて 唱歌 を伴 う 「唱 歌 遊 戯 」 とに 分類 す る と,「 行 進 遊 戯 」186,「 唱歌 遊 戯 」121と な り,「 行 進 遊 戯 」 の方 が 多 い。 対 象 は, 227作 品 に記 述 され, そ の 内訳 を見 る と, 尋 常 小 学 校 児 童 を対 象 と した作 品 が213で あ り, 残 りの14作 品 は, 高 等 小 学 校 及 び高 等 女 学 校 は, 律 を主 とせ る もの で あ って, この律 に調 和 して, 身 体 を運 動 せ しむ る点 に於 い て は 同一 で あ る。只, 幼 稚 園 の如 く, 幼 年 向 の 教 材 に童 踊 と命 名 した に 過 ぎ な い」*29とし, 対 象 で 区 別 して い る。 生 徒 を対 象 と して い る。但 し, 小 学 生 を対 象 と し た作 品 の 中 に は, 幼 児 や高 等 女 学 校 等 の 組 も含 む。 ま た, 対 象 の 性別 は, 97作 品 に記 述 され, 内訳 は, 文 献A(1)47作 品, 文 献A(1)50作 品で, 前 者 で は, <5>「 唱 歌 遊 戯 」 とは, 「我 々 の体 を リズ ム的 に動 か さ しむ る教 材 」*30であ り,「 最 も平 易 に し て, 最 も愉 快 に, そ して 歌 へば 踊 り, 踊 らば歌 わ ざ る を得 な い と い うよ うな もの 」 と し, 歌 を伴 っ た愉 快 で リズ ミカル な身 体 運 動 と と らえ られ る。 B. 赤 間 雅 彦 は, 書 名 の 中 で,「 童謡 遊 戯 」 「体 育 ダ ンス」(文 献B(1)),「 唱 歌 遊戯 」,「 行 進 遊 戯 」(文 献B(3)), 「体 育 民 謡 」(文 献B(6)) 「学校 舞踊 」(文 献B(7))と い う7種 類 の 舞 踊 に関 小 学 校 低 学 年 が 男女 共 習, 中学 年 以 上 が 女子 中心, 後 者 で は, 低学 年 が共 習, 中学 年 以 上 が 女 子 中 心 と は限 らず, 15作 品 が共 習で, こ の 中 に,「 尋 常 科 第6学 年 以上 の男 子 」 を対 象 と した唯 一 の作 品 「ベ ー ス ボ ール ダ ンス」 もみ られ る。 尚, 作 品 の 振 り付 け は, 書 中 に記 述 が な く, 不 明で あ る。 更 に, 作 品 の歌 曲 は, 文 献A(4)とA(1)の 一 部 に 記 述 され, 文 献A(4)の 「動 作 遊 戯1で は.「 文 部 す る名 称 を用 い, 書 中 で は, 「表 情遊 戯 」(文 献 Bの),「 唱 歌 遊 戯 」(文 献A(7)B(4))も 用 い て い 又。 -26- 考 え て い るか らと言 わ れ て い るが, 繁 雑 に な って い る と思 わ れ る。 省 尋 常 小学 校 唱 歌 」 が13作 品,「 歌 曲編 者 作 」 が 3作 品(「 軍艦 」,「 盲 鬼 」,「 雁 」)あ る。A (6)の 「表 情 遊 戯 」 で は,「 文 部 省 尋 常 小 学 校 唱 歌 」 が8作 品,「 編 者 作 曲, 歌 詞(編 者 作)」 9作 品(「 小 馬 」,「 お 月 様 」,「 運 動 」,「 が 蜻 蛉 」,「 富士 山 」,「 盲 鬼 」,「 雁 」,「 軍 艦 」, 「子 犬 」), 他 に, 作 曲 者 と して, 田 村 虎 蔵, 本 元 子 の 名前 が見 られ る。 B. 赤 間 の 総 作 品 数 は96で, 内 訳 は,「 唱 歌 遊 戯 」61,「 行 進 遊 戯 」25,「 体 育 民 謡 」10で あ る。 作 品 の対 象 は,「 唱歌 遊 戯 」 が 小 学 校 低 学 年 中 心,「 行 進 遊 戯 」 が小 学 校 高 学 年 以 上,「 体 育 民 謡 」 が 勤労 者 と な って い る。 振付 は, 作 品 の 中 に, 赤 間 の 振 付 と して 明 記 さ れ て い る ものが あ る。 歌 曲 の 中 に, 作 詞 者 と して,'北 原 白秋, 宮 原 義 徳, 水谷 ま さ を, 等 の 名前, また, 作 曲 者 と して, 佐 々木 す ぐ る, 芝 祐 泰 等 の 名 前 が 見 られ る。 赤 間 は, 作 品 の他 に,「 体 育 舞 踊 の 基 本 」 と し て25種 類 の 基 本 項 目(「 正 しい 直立 の 姿 勢 」, 「礼 」,「5つ の標 準 的 ポ ジ シ ョン」,「 跳 躍 歩 の 練 習 」等)を 示 し, これ らの項 目の 内 容 の特 徴 と して, 1)「自然 」 の強 調, 2)ク ラ シ ッ ク ・バ レ エ の 基礎 の導 入, 3)「優 雅 さ」,「 優 美 さ」 の 重 他 方, 赤 間 の 場 合 は, 唱 歌 を伴 い, 幼 児 ・小 学 校 低 学 年 程 度 の 子 供 を対 象 と した用 語 は,「 童 謡 遊 戯 」及 び 「唱 歌 遊 戯 」, 唱 歌 を伴 い, 小 学 校 高 学 年 以 上 を対 象 と した用 語 は,「 表 情 遊 戯 」, 唱 歌 を伴 な わ な い ダ ンス の 用 語 は 「行 進 遊 戯 」, 民 踊 を基 調 と した 用語 は 「体 育 民 踊 」 と区 別 して い る。 3. 舞 踊 の教 育 的価 値 に つ い て, 石 橋 の 著 書 の 中 に は, 論 と して 明 示 さ れ た もの は な い。 他 方, 赤 間 の場 合 は,「 教 育 的価 値 」 と明 示 さ れ, そ の 内容 は,「 興 味 」,「 調 律 的訓 練 」,「音 楽 」,「 美 学 」,「 硬教 育 」,「 解 剖 学 」,「 進 化 論 」 か ら考 察 され て い る。 4. 書 中 に示 され た舞 踊 作 品 の 総 数 は, 石 橋 が 307, 赤 間 が96で, 石橋 の ほ うが 多 い。 更 に, 唱 歌 を 伴 な わ な い 「行 進 遊 戯 」 と, 唱 歌 を 伴 な う 「唱 歌 遊 戯 」 の2つ に分 類 して う る と, 石 橋 は, 「行 進遊 戯 」186,「 唱 歌 遊 戯 」121と な り,「 行 進 遊 戯 」 の ほ うが 多 く, 赤 間 は 「行 進 遊 戯 」25, 「唱歌 遊 戯 」61と な り,「 唱歌 遊 戯 」 の ほ うが 多 い。 5. で は, この2人 の実 践 は, この 期 の舞 踊 の教 視, 4)動 き とイ メ ー ジ とを結 び っ け た基 礎 練 習 の 導 入 が あ げ られ る。 育 研 究 の 中 で どの よ うな特 徴 を持 ち, 今 日 の私 達 に何 を 示 唆 す るの か と い う点 に つ いて こ こで 考 察 して い く こ と にす る。 1)ま ず, 諸 外 国 の 様 々 な 舞 踊 文 化 が 導 入 され, 学 校 教 育 への定 着 化 の 過 程 にお いて, 欧 米 の舞 踊 を教 育 ・体 育 の 視 点 か ら選 択 し, その ま ま示 した 「ス クー ル ダ ンス 」 及 び各 種 歩 法 が あ り, ま た, 文部 省 尋 常 小学 校 唱 歌 及 び新 しく創 作 した 日本 の 歌 曲 を利 用 して 振 付 した 「唱 歌 遊 戯 」 等 の 違 いが うか が え る。 こ の期 の女 性 の お もな 指 導 者 達 は この 点 につ い て ど の よ うに行 って い た か につ い て う る と, 二 階 結 論 1. 石 橋 蔵 五 郎 と赤 間 雅 彦 は, 日本 体 育 会 体 操 学 校 教 授 と して, 舞 踊 教 育 と関 わ った。 大 正 ・昭 和 前 期 の 両者 の舞 踊 教 育 関係 の 著 書 数 は各7冊 で, 石橋 は単 著 が な くす べ て共 著 で あ り, 赤 間 は単 著 5冊, 共著2冊 とな って い る。尚, 石 橋 に は他 に, 明 治期 に10冊 の舞 踊 関係 の共著 が あ る。大 正3年 以 降 の 日本体 育会 は, 国民体 育 の推 進 の道 を歩 み, 大 正12年 以 降 は, 学 生 数 が年 々増 加 し,「 体 育 指 導 者 の 大部 分 を体 操 学 校 の卒 業 生 が 占め 」*18てい た の で, この点 で, 両 者 の影 響 力 は 大 き か った と考 堂 トク ヨの 場 合 は, イギ リスに 留 学 後(大 正4年), 「女 高 師 で教 え た ダ ンス は, トク ヨの 創 作 で あ る え られ る。 2. 舞 踊 に 関す る用 語 と して, 石橋 は,「 ス クー ル ダ ンス」,「 動 作 的遊 戯 」,「 行 進 的遊 戯 」, 「行 進遊 戯 」,「 動 作 遊 戯 」,「 童 踊 」 とい う名 称 を 用 い て舞 踊 作 品 を示 し, 赤 間 は, 「唱 歌 遊 戯 」,「 行 進 遊 戯 」,「 体 育 民 踊 」 を 用 い ている。 これ らの用 語 の 区別 は, 石橋 の場 合, 著書 毎 に 示 され, 一 部 に は統 一 性 も見 られ る。 しか しな が ら, 例 え ば,「 蜻 蛉 」 とい う舞 踊作 品 が,「 動 作 遊 戯 」(文 献A(5)).「 表情 遊 戯 」(文 献A(6)), 「唱 歌遊 戯 」(文 献A(7)B(4))と して示 され て い る とい う不 一 致 が 見 られ る。これ は, 石 橋 が,「 動 作 遊 戯 」,「表 情 遊 戯 」,「 発 表 遊戯 」,「 唱歌 遊 戯 」,「児 童 遊 戯 」 の5種 類 の 名 称 に 区別 が な い と -27 - 『三 人 遊 び 』, イギ リス の フ ォー ク ダ ンス 『ブ ラ ック ナ ッ グ 』, 『ギ ャザ リン ピー ス カ ッ ッ 』, ア イル ラ ン ドの フ ォー ク ダ ンス 『ロブスター ジッグ 』 や 既 に井 口 あ く りが 日本 に 移 入 して い た 『フ ァー ス ト 』や 『ポ ル カ セ リー ズ 』等 で あ った 」*33とさ れ, 外 国 の舞 踊 作 品 の 導 入 と 自作 の作 品 と を 指 導 して い る。 三 浦 ヒ ロの 場 合 は, ヨー ロ ッパ 留学 か ら帰 国 後,「 大 工 さ ん 」,「 汽 車 」,「 お 休 ろ な さい 」 等 の創 作 と 「チ ル ドレ ンポ ル カ」,「 ワル ゾヴ ィナ 」等 の フ ォー クダ ンスを示 し*34, や は り, 外 国 の舞 踊 作 品 と, 自作 の 作品 を指 導 して い る。 ま た, 戸 倉 ハ ル の場 合 は, 「人 形 」(昭2),「 富 士 の 雪 帽 子 」(昭6), 「朧 月夜 」(昭11)等 の 創 作 が う られ 病 自作 の作 品 を指 導 して い る。 こ れ ら と比 較 す る と, 石 橋 及 び 赤 間 の 方 法 は, 同 時 代 の これ らの 指 導 者 と 同様 に, 外 国 の 作 品 を そ の ま ま示 した もの と, 自作 の 作 品 との 両 方 が う られ, 赤 間 の ほ うが 自作 の 割 合 が 多 い。 2)次 に, 学 校 と社 会 と の関 わ りとい う視点 か ら, この期 の社 会 に お け る舞 踊 教 育 につ い て う る と, る。 今 回 は, 多 数 存 在 す る 男 性 指 導 者 の う ち, 石 橋 ・赤 間 と い う2人 の 事 例 か ら考 察 を 進 め た が, 今 後 は 事 例 を 増 や し, 総 合 的 に 理 解 して い き た い と 考 え て い る。 末 筆 で は あ り ま す が, 例 え ば, 二 階 堂 トク ヨ, 三 浦 ヒロ, 戸 倉 ハ ル, あ るい は 石 橋 蔵 五 郎 に は 見 られ な い が, 赤 間 は, 「体 育 民 踊 」即 ち 日本 の民 謡 と体 育 とを 結 び付 け た 具 体 的作 品 と,「 工 場 体 育 」 で の 実 践 が 見 られ た。 従 って, この 期 の指 導 者 の中 で, 赤 間 は, 学 本 論 文 作 成 に あた りお 力 添 え 賜 り ま し た 松 本 千 代 栄, 片 岡 康 子 両 先 生 に感 謝 申 し上 げ ま す。 校 と社会 との 両 方 に視 野 を持 ち, 各 々 の 舞 踊教 育 を実 践 して い た 事 に彼 の特 徴 を見 る こ とが で き よ う。 3)ま た, ダ ン ス の 男 女 共 習 と い う視 点 か ら, この 期 に は, 共 習 が 幼 児 期 及 び小 学 校 期 には 見 ら れ る こ とが 一 般 的 で あ る中 で, 石 橋 の 著 書 の 中に, 中 学 生 以 上 の 男 子 を も対 象 と した舞 踊 作 品 「ベ ー ス ボ ール ダ ンス」 が示 され て い る。 これ は, 男 子 註 *1・2 生 徒 を 対 象 と した ダ ンスが 示 され た と い う点 で 特 記 す べ き事 項 で あ ろ う。 4)最 後 に, 舞 踊 を教 育 研 究 す る男 性 の 指 導者 が この 期 に 多 数 存 在 しなが ら, 次 々 に姿 を 消 して い *6 水 野 忠 文 他 「体 育 史概 説 」 1961Pし245 *3「 体 育 ・ス ポー ツ書 解 題」 杏林書院 不 昧堂 昭56 P7 *4 坪 井 玄 道 ・田 中盛 業 編 「戸 外遊 戯 法-名 戸外 運 動 法 」 金 港 堂 明18 松 本 千 代 栄 ・香 山 知子 「明治 期 の舞 踊 的遊 戯 一 *5 そ の精 神 と技 術 の 様 相 一 」 舞 踊学4号1981 p. 9 松本 千代 栄 ・安 村 清 美 「大 正 ・昭 和 前 期 の舞 踊 教 育(D一 『遊 戯 』か ら 『ダ ンス 』へ 一」 舞 踊学 6号1983p. 14∼17 *7前 掲 書 *5P. 8 *8∼10前 掲書 *6p. 13 *11∼12拙 著 「日本 体 育 会 ・赤 間 雅 彦 の舞 踊 教 育 一 く理 由 を, 2人 の 事 例 を手 掛 りに して み る と, ま ず 第 一 に, 外 来 舞 踊 の 導 入 によ る 「優 美 」,「 優 雅 」 志 向 の 美 意 識 が 強 ま り, この 美 意 識 と女 性 と が, 結 び付 い て い っ た こ とが あ げ られ る。 大 正 ・昭 和前 期 に おい て 一」 島根 大 学 教 育学 部 紀 要(教 育科 学)第20巻 昭61P・127∼139 *13∼14学 校 法 人 日本 体 育 会 「学 校 法 人 日本 体 育 会 日本 体 育 大学 九十 年 史 」 *14 p. 32 *15 前掲 書 *1P. 255 *16∼18 前 掲 書 *13*16P. 例 え ば, 二 階 堂 トク ヨの 場 合 は, 女子 の体 育 は 女子 の手 で 」*36と述 べ, また,「 一 般 人 や子 供 向 の保 護 愛 育 的体 育 の 重 要 性 を 強調 し」*訂, 更 に, 昭48*13P. 44*17, 27 18P. 45 「ス ウェー デ ン体 操4領 域 の うち, 優美 体 操(舞 踊) を女 子 に 向 い た もの と し, 独 自 な もの を作 り, 発 展 させ た い と考 え て い た。 そ の理 由 は, 優 美 体 操 が 曲線 的運 動 で あ るば か りで は な く, 民 族 の女 性 *19 石 橋 蔵 五郎 ・寺 岡英 吉 「ス ク ー・ ル ダ ンス」 的精 神 の発 露 した もの と考 えていたか らであ る」*38 と し, 女 性 指 導 者 の手 に よ る優 美 ・優 雅 志 向 の 舞 遊 戯 書 」 浅 野 書 店 大5*21・22p. 2*23 p. 3 *24∼25 可 児 徳 ・石 橋 蔵 五 郎 ・寺 岡 英 吉 「理 論実 大1金 港堂P. 1∼11 石橋 蔵 五郎 ・宮原義 見 「 理 論実 際大 正 幼 年 遊戯 」 *20 中文 館 大14p. 6∼7 *21∼23 石 橋 蔵 五 郎 ・柿 沼 脩 治 「教 科 適 用 小学 校 新 踊 教 育 を強 調 して い る。 石 橋 や 赤 間 の 場 合 も, 例 え ば,「 動 作 はか な り 体 育 的 に して, 運 動 量 大 に して, 特 に身 体 上 の 優 美 の姿 勢 の養 成 に適 切 な る もの た る事 」(文 献A (6))或 い は,「 真 の 唱歌 遊 戯 は, ……生 理 解 剖 の 原 則 に反 しな い立 派 な優 美 な姿 態 の 表 情 で あ る」 (文 献B(3))と あ り, 優 美 ・優 雅 志 向 が 見 られ, 男 性 指 導 者 自 ら優 美 ・優 雅 志 向 の舞 踊 教 育 の 主 張 を して い る。 第 二 に, 石 橋 の事 例 に見 られ るよ う に, 著 書 で は 「遊 戯 」 の一 部 と して, ま た, 赤 間 の 事 例 に 見 られ る よ うに, 著 書 で は,「 体 操 」 と 「舞 踊 」 と して,「 行 進 遊 戯 」 や 「唱 歌 遊 戯 」 等 を 示 し, 必 *26 際競 技 と遊 戯 」 中文 館 大8P. 206 石 橋 蔵 五 郎 「小 学 校 に 於 け る唱 歌 遊 戯 の 真髄 」 中文 館 大8P. 26 *27 前 掲 書 *24P. 197 *28∼29 前 掲 書 *20*28P. 10∼11*29P. 12 *30∼31赤 間 雅 彦 ・石 橋 蔵 五 郎 「教 室 内 の 体 操 と遊 戯 」 浅 見 文 林 堂 昭2P. 162 *32前 掲 書 *20P. 14 *33西 村 絢 子 「体 育 に 生 涯 を か けた 女 性-二 階 堂 ト クヨ ー」 杏 林 書 院 昭58P. 169 *34安 村 清 美 「芸 術 教 育 と舞 踊 教 育 一 三 浦 ヒ ロの思 想 と実 践 一-」 舞 踊学7号1984 p. 25∼28 *35岡 野 理 子 「大 正 ・昭 和 前 期 の舞 踊 教 育-戸 倉 ハ ル と その 時 代(2)一」 舞 踊学8号1985P. 24 *36∼38前 掲 書 *33*36P. 171*37P. 146 *38P. 169 ず しも舞 踊 の 教 育 研 究 だ けの 専 門 家 で あ る必 要 が な く, 狭 い 意 味 で の 専 門 家 で な くて も著 書 を 出版 す る時 代 で あ っ た こ とが そ の要 因 と して考 え られ -28- 表1. 赤 間雅 彦 作 品 一 覧 (大 正 ・昭 和 前 期) 表2. -29- 石 橋 蔵 五 郎 作 品 一 覧 (大 正 ・昭 和 前 期) -30- -31- -32-